JP2005046192A - 医用情報システム、医用データベースシステム、超音波診断装置、及び医用データ供給方法 - Google Patents
医用情報システム、医用データベースシステム、超音波診断装置、及び医用データ供給方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】超音波RAWデータをネットワークを介してユーザに送信する際に、ネットワーク負荷を増大させること無くユーザが要求するRAWデータを効率よく供給する。
【解決手段】ワークステーション30−1から供給されるユーザの要求性能に基づいて処理パラメータ設定部15は処理パラメータを設定し、データ処理部13は前記処理パラメータを用い、医用データベースシステム10のデータファイリング部11に保管されている第1のRAWデータに対して中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成する。そして生成された第2のRAWデータと付帯データ生成部17において生成された中間処理条件に関する付帯データをネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給し、ワークステーション30−1の演算部33は供給された第2のRAWデータを用いて所望の画像データの生成あるいは超音波物理量等の計測を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】ワークステーション30−1から供給されるユーザの要求性能に基づいて処理パラメータ設定部15は処理パラメータを設定し、データ処理部13は前記処理パラメータを用い、医用データベースシステム10のデータファイリング部11に保管されている第1のRAWデータに対して中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成する。そして生成された第2のRAWデータと付帯データ生成部17において生成された中間処理条件に関する付帯データをネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給し、ワークステーション30−1の演算部33は供給された第2のRAWデータを用いて所望の画像データの生成あるいは超音波物理量等の計測を行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像診断装置によって得られた医用データをネットワークを介して送信する医用情報システム、医用データベースシステム、超音波診断装置、及び医用データ供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医用画像診断技術は、1970年代のコンピュータ技術の発展に伴って実用化されたMRI装置やX線CT装置などによって急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。そして、これらの装置によって生成される種々の画像データは、ネットワークを介して接続された病院情報システム(HIS)や放射線部門情報システム(RIS)において集中管理され、医師らは、HISやRISにおいて保存されている画像データの中から所望の画像データを読み出すことによって、例えば、同一の患者(以下、被検体と呼ぶ)に対し異なる画像診断装置によって得られた画像データの比較、あるいは、同一の画像診断装置によって得られた過去の画像データと最新の画像データとの比較などを行ない診断精度の向上を図っている。
【0003】
近年、被検体の画像データを収集するための異なる複数の画像診断装置と、収集された画像を総合的に表示するための複数の画像ビューアあるいはワークステーションをネットワークを介して接続したHISやRISの普及が進む一方で、画像診断装置に対する空間的な3次元画像データ、あるいは2次元画像データの時間的変化を観察するためのシネデータ等の収集及び表示の要求が増大している。
【0004】
このような画像診断装置の高性能化及び高機能化は、画像データのデータ容量の飛躍的な増大を招き、その結果、画像データを送受信するネットワークや保存して表示する画像ビューア、あるいはワークステーションの高速化と大容量化がHIS等の構築において大きな問題点となってきている。
【0005】
上記の問題点に対し、画像診断装置あるいは画像データ管理システムの操作者がワークステーション側のユーザに提示したユーザプロファイル、即ち、画像データの空間分解能、時間分解能、濃度分解能、圧縮率などの推奨値や優先度を示すユーザプロファイルに対してユーザが修正を行なって操作者に返送し、操作者は、修正されたユーザプロファイルに基づいて必要最低限のデータ容量に設定された画像データを画像診断装置あるいは画像データ管理システムからワークステーションに送信する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
ところで、被検体の各組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモード画像とカラードプラ画像は、今日の超音波画像診断において重要な検査項目となっている。この超音波診断法において、近年、Bモード画像及びカラードプラ画像の表示のみならず、これらの画像データを生成する前の超音波データ、即ち、位相情報などを有した超音波データ(以下ではRAWデータと呼ぶ。)を超音波診断装置、あるいは超音波診断装置に接続されたデータ保管システムからネットワークを介してワークステーション等に送信し、ワークステーション側の医師(ユーザ)が、ワークステーションに一旦保存された上記RAWデータを用いて所望の解析あるいは画像データを生成する方法が検討されている。
【0007】
超音波診断法の基本は、上記のBモード画像とカラードプラ画像であるが、これらの画像表示の他に、例えば、ドプラ信号のスペクトルの時間的変化を表示するスペクトルドプラ法や組織の定量的診断を目的とした超音波物理量の計測法が検討されており、これらの計測法においてはRAWデータが用いられる(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
そして、位相情報など豊富な情報を含んだRAWデータを用いることによって、ユーザは、目的に応じた最適なデータ処理を行なうことができるため、精度の高い計測や解析、更には画像データの生成が可能となる。このため、画像診断装置側によって生成され、ネットワークを介して送られた画像データや解析データ等がユーザの要求に一致していない場合でも、RAWデータを用いてユーザが直接データ処理する方法によって従来行われてきた画像診断装置側による上記データの再生成及び再送信は不要となり、従って、診断効率を向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−216506号公報(第4−8頁、第1−13図)
【0010】
【特許文献2】
特開昭60−135037号公報(第1−2頁、第1−2図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、位相情報を有したRAWデータの信号帯域は広く、従って、サンプリング周波数等も増加するためデータ容量が画像データの場合と比較して著しく増大する。例えば、画像データを生成するための包絡線検波の前段から得られるRAWデータは、デジタル信号に変換される際に多くのデータ容量を有し、特に、このRAWデータの位相情報を用いて行われる定量的な計測あるいは解析においては、特許文献1に記載されているような「データ間引き」等の非可逆データ圧縮技術の適用は不可能である。
【0012】
従って、データ容量が飛躍的に増大したRAWデータを、画像診断装置あるいはデータ管理システムからネットワークを介してワークステーションに送信する場合、RAWデータを送信するためのネットワークや送信されたRAWデータを保存するワークステーションにおける高速化と大容量化が必須となる。又、RAWデータを用いて種々の計測を行なう場合には、複雑なデータ処理が必要となるためワークステーションの演算処理部においても高速化が要求され、これらの要求はHISの実現をより困難なものにしている。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RAWデータを、ネットワークを介して送信する際に、ユーザが要求するRAWデータを効率よく供給することが可能な医用情報システム、医用データベースシステム、超音波診断装置及び医用データ供給方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の医用情報システムは、超音波診断装置により得られたRAWデータの保管と供給を行なう医用データベースシステムと、ネットワークを介して得られた前記RAWデータに基づいてデータ演算を行なうワークステーションを備えた医用情報システムであって、前記医用データベースシステムは、超音波診断装置によって得られた第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、前記ユーザ情報に基づいて前記第1のRAWデータに対し所望の領域を設定する領域設定手段と、所望の領域が設定された前記第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有し、前記ワークステーションは、ユーザの要求性能を含む前記ユーザ情報を前記ネットワークを介して前記医用データベースシステムに送信するユーザ情報送信手段と、前記ネットワークを介して前記医用データベースシステムから受信した前記第2のRAWデータを用いてデータ演算を行なう演算手段を有することを特徴としている。
【0015】
又、請求項6に係る本発明の医用データベースシステムは、超音波診断装置により得られたRAWデータの保管とネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの送信を行なう医用データベースシステムであって、超音波診断装置によって得られた第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、前記ユーザ情報に基づき前記第1のRAWデータに対して所望の領域を設定する領域設定手段と、所望の領域が設定された前記第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有することを特徴としている。
【0016】
更に、請求項13に係る本発明の超音波診断装置は、RAWデータの収集及び保管とネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの送信を行なう超音波診断装置であって、圧電振動子を備えた超音波プローブと、前記圧電振動子を駆動し、被検体に対して超音波の送受波を行なう送受波手段と、前記被検体に対して超音波走査を行なう走査手段と、この走査手段によって前記送受波手段より得られる受信信号に基づいて第1のRAWデータを生成する第1のRAWデータ生成手段と、生成された前記第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、前記ユーザ情報に基づき前記第1のRAWデータに対して所望の領域を設定する領域設定手段と、所望の領域が設定された第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成する第2のRAWデータ生成手段と、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有することを特徴としている。
【0017】
一方、請求項15に係る本発明の医用データ供給方法は、超音波診断装置により得られたRAWデータの保管を行なうと共に、ネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの供給を行なう医用情報システムの医用データ供給方法であって、ユーザの要求性能を含むユーザ情報をワークステーションよりネットワークを介して受信するステップと、受信した前記ユーザ情報に基づいて、前記第1のRAWデータに対する所望領域の設定と第2のRAWデータを生成するための実行処理パラメータの設定を行なうステップと、設定された前記第1のRAWデータに対して、前記実行処理パラメータを適用して前記第2のRAWデータを生成するステップと、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するステップを有することを特徴としている。
【0018】
従って本発明によれば、超音波RAWデータをネットワークを介して効率よく送信することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に述べる本発明の医用情報システムに関する第1の実施の形態の特徴は、超音波診断装置を用いて被検体から得られた第1のRAWデータを中間データ処理することによって生成した第2のRAWデータと、中間データ処理情報を含む付帯データを医用データベースシステムからネットワークを介してワークステーションに送り、ワークステーションでは、医用データベースシステムから送信された上記第2のRAWデータ及び付帯データに基づいて所望の超音波物理量の計測や画像データの生成を行なうことにある。
【0020】
(医用情報システムの構成)
第1の実施の形態における医用情報システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、医用情報システムの構成を示すブロック図であり、この医用情報システム100は、ネットワーク5を介して接続される医用データベースシステム10と複数のワークステーション30−1乃至30−Nを備えている。そして、医用データベースシステム10は、超音波診断装置200によって得られたBモード画像データ(以下、第1の画像データと呼ぶ。)と第1のRAWデータを保存すると共に、この第1のRAWデータに対してデータ圧縮等の中間データ処理を行なって得られた第2のRAWデータと、上記中間データ処理情報が含まれた付帯データをネットワーク5を介して所定のワークステーション(例えば、ワークステーション30−1)に供給する。
【0021】
一方、ワークステーション30−1は、第2のRAWデータのユーザである医師(以下、ユーザと呼ぶ。)が提示する要求性能等のユーザ情報をネットワーク5を介して医用データベースシステム10に送信する。又、ワークステーション30−1は、医用データベースシステム10から第2のRAWデータと付帯データを受信し、この付帯データに基づいて第2のRAWデータに対して所望の演算処理を行なって超音波物理量の計測や拡大画像データ(以下では、第2の画像データと呼ぶ。)の生成等を行なう。
【0022】
次に、医用情報システム100における医用データベースシステム10は、別途設置された超音波診断装置200から供給される第1の画像データや第1のRAWデータの保存を行なうデータファイリング部11と、データファイリング部11における第1の画像データあるいは第1のRAWデータの保存を制御するファイリング制御部12と、データファイリング部11に保存されている第1のRAWデータに対してデータ圧縮等の中間データ処理を行ない、第2のRAWデータを生成するデータ処理部13と、データ処理部13において生成された第2のRAWデータと後述する付帯データを一旦保存するためのバッファメモリ14を備えている。
【0023】
又、医用データベースシステム10は、ワークステーション30−1から供給されるユーザ情報に基づいて最適な中間データ処理のための実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定部15と、設定された処理パラメータに基づいて上記データ処理部13における中間データ処理を制御する処理制御部16と、上記処理パラメータに基づいて行なわれる中間データ処理の処理方法などを付帯データとして生成する付帯データ生成部17と、上記各ユニットを統括的に制御するシステム制御部18を備える。
【0024】
更に、超音波診断装置200に対して第1の画像データ、第1のRAWデータ、制御信号等の送受信を行なうためのインターフェース19と、ワークステーション30−1対して制御信号、第1の画像データ、第2のRAWデータ等の送受信を行なうためのネットワークインターフェース20を備えている。
【0025】
そして、データファイリング部11は、超音波診断装置200を用いて収集され、インターフェース19を介して供給された被検体の2次元的あるいは3次元的な第1のRAWデータや第1の画像データを、ファイリング制御部12の制御信号に従って図示しない所定の記憶領域に保存する。
【0026】
又、処理パラメータ設定部15は、図示しないCPUと記憶回路を備え、この記憶回路には画像データに対する空間分解能、濃度分解能、時間分解能などの要求性能と、この要求性能に対する画像データのサンプリングピッチ、ビット数、フレーム間隔などの処理パラメータがルックアップテーブルとして予め保存されている。そして、処理パラメータ設定部15のCPUは、ネットワーク5を介してワークステーション30−1から受信したユーザ情報とネットワーク5やワークステーション30−1の能力(容量やデータ処理速度)を考慮して上記処理パラメータを修正し、実行処理パラメータを設定する。
【0027】
一方、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15において設定された実行処理パラメータに基づいてデータファイリング部11とデータ処理部13を制御し、データファイリング部11に保存されている第1のRAWデータの中から所望時相あるいは所望領域の第1のRAWデータを読み出し、データ処理部13の図示しない記憶回路に保存する。又、データ処理部13に対して上記実行処理パラメータに関する情報を供給して上記記憶回路に保存した後、中間データ処理の開始指示信号を供給する。
【0028】
次に、データ処理部13は、図示しない演算回路と上記した記憶回路を備え、処理制御部16から供給され上記記憶回路に保存されている実行処理パラメータに基づいて、同じ記憶回路に保存されている上記所望領域における第1のRAWに対して中間データ処理を行なう。即ち、データ処理部13は、第1のRAWデータにおけるサンプリング数、ビット数、画像領域の低減や画像間あるいは走査線(ラスタ)間の差分等によるデータ圧縮を行なってデータ容量が低減された第2のRAWデータを生成する。
【0029】
一方、付帯データ生成部17は、データ処理部13が第1のRAWデータに対して行なった中間データ処理の処理情報、即ち、データ圧縮におけるサンプリング数やサンプリングピッチ、ビット数、更には差分などに関する情報を含んだ付帯データを生成する。又、バッファメモリ14は、データ処理部13において生成された第2のRAWデータと付帯データ生成部17において生成された付帯データを一旦保存する。そして、バッファメモリ14に保存された第2のRAWデータと付帯データは、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給される。
【0030】
システム制御部18は、処理パラメータ設定部15において設定された実行処理パラメータに基づいて、処理制御部16をはじめ、医用データベースシステム10の上記各ユニットを統括的に制御する。
【0031】
一方、ワークステーション30−1は、ユーザ情報を入力する入力部31と、医用データベースシステム10から供給される第1の画像データや第2のRAWデータ及びその付帯データを一旦保存する記憶部32と、この付帯データと上記ユーザ情報に基づいて第2のRAWデータに対して所望のデータ演算を行なう演算部33と、演算されて得られる超音波物理量あるいは第2の画像データを表示する表示部34を備え、更に、上記各ユニットを制御する制御部35と、医用データベースシステム10に対してユーザ情報の送信と第1の画像データや第2のRAWデータの受信を行なうためのネットワークインターフェース36を備えている。
【0032】
そして、ワークステーション30−1の入力部31は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等の入力デバイスと表示パネルを備え、この入力部31において、医用データベースシステム10の識別情報や、この医用データベースシステム10のデータファイリング部11に保管されている第1の画像データ及び第1のRAWデータの識別情報(被検体ID、データ取得日、データIDなど)や、この第1のRAWデータに対するユーザ情報などがユーザにより入力される。
【0033】
更に、医用データベースシステム10から供給された第2のRAWデータに対して適用される演算(解析)方法の選択や演算処理の開始コマンドなどが入力部31において行われる。尚、上記ユーザ情報としては、第2の画像データの時相、領域の大きさ、空間分解能、濃度(コントラスト)分解能、時間分解能、及び種々の解析精度などがある。
【0034】
又、記憶部32は、入力部31から入力された上記第1のRAWデータの識別情報やユーザ情報を一旦保存する。又、ネットワーク5を介して医用データベースシステム10から供給される第2のRAWデータや演算部33によって演算されて生成される医用データの保存を行なう。一方、演算部33は、ネットワーク5を介して医用データベースシステム10から供給され、記憶部32に保存された第2のRAWデータとその付帯データを用いて所望の演算を行なう。この演算として、例えば、拡大画像データ(第2の画像データ)の生成と、この拡大画像データの所定領域あるいは所定部位における超音波減衰係数、音速、非線型係数などの超音波物理量の計測がある。
【0035】
次に、表示部34は、図示しない表示用画像メモリと変換回路とモニタを備え、演算部33によって得られた第2の画像データや超音波物理量などの医用データは、記憶部32において一旦保存された後、表示用画像メモリにおいて合成され、表示部34の変換回路は、表示用画像メモリ31に保存された上記医用データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行い、変換された医用データは表示部34のモニタに表示される。そして、制御部35は、ワークステーション30−1の上記各ユニット及びネットワーク5を介して医用データベースシステム10のシステム制御部18を統括して制御する。
【0036】
(超音波診断装置の構成と動作)
次に、医用情報システム100における医用データベースシステム10のデータファイリング部11に保管されている第1の画像データ及び第1のRAWデータが生成される超音波診断装置200の構成と動作につき、図2のブロック図を用いて簡単に説明する。尚、ここでは、セクタ電子走査方式の超音波診断装置200を例に説明するがこの方式に限定されるものではない。
【0037】
図1に示した超音波診断装置200は、被検体表面に接触させて超音波の送受波を行なう超音波プローブ201と、被検体の所定方向に対して超音波パルスを照射するために超音波プローブ201に駆動信号を供給する超音波送信部202と、被検体の所定方向からの超音波反射波を受信信号として受信する超音波受信部203と、この受信信号に対してBモード信号を検出するためのBモード処理部204と、上記受信信号に対してドプラモード信号を検出するためのドプラモード処理部205を備えており、更に、上記Bモード信号及びドプラモード信号に基づいてBモード画像データ及びカラードプラ画像データの生成と保存を行なう画像データ記憶部206と、上記超音波受信部203において得られる第1のRAWデータを一旦保存するRAWデータ記憶部207を備えている。
【0038】
更に、超音波診断装置200は、上記Bモード画像データあるいはカラードプラ画像データを表示する表示部210と、操作者によって各種の撮影条件や画像条件、更にはコマンド信号などが入力される操作部209と、画像データ記憶部206に保存された第1の画像データやRAWデータ記憶部207に保存された第1のRAWデータを別途設置された画像データベースシステム100に送信するためのインターフェース220と、上記各ユニットを統括して制御するシステム制御部208を備えている。
【0039】
超音波プローブ201は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受波を行なうものであり、例えば、1次元に配列されたN個の圧電振動子をその先端部分に有している。この圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。
【0040】
超音波送信部202は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、パルサ213を備えている。レートパルス発生器211は、被検体内に放射する超音波パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスをNチャンネルの送信遅延回路212に供給し、送信遅延回路212は、所定の深さに超音波パルスを収束するための遅延時間と超音波パルスをθ1方向に偏向して被検体を走査するための遅延時間をレートパルスに与えてNチャンネルのパルサ213に供給する。次いで、パルサ213は、超音波プローブ201のNチャンネルの圧電振動子を駆動し、被検体に対して送信超音波を放射する。
【0041】
一方、超音波受信部203は、プリアンプ214と、受信遅延回路215と、加算器216を備えている。そして、圧電振動子によって受信超音波から変換された受信信号は、プリアンプ214において増幅され、受信遅延回路215において、所定の深さからの超音波を収束するための遅延時間と、θ1方向からの受信超音波に対して強い受信指向性をもたせるための遅延時間が与えられた後、加算器216において加算合成されて第1のRAWデータが生成される。そして、超音波受信部203にて生成された第1のRAWデータは、RAWデータ記憶部207に一旦保存されると共に、Bモード処理部204及びドプラモード処理部205に供給される。
【0042】
Bモード処理部204は、対数変換器217と、包絡線検波器218と、A/D変換器219とを備えており、上記第1のRAWデータは、対数変換器217において振幅が対数変換され、更に、包絡線検波器218において包絡線検波されて振幅情報のみのBモード信号が生成されて画像データ記憶部206に保存される。同様にして、上記RAWデータはドプラモード処理部205に供給され、ドプラモード信号が生成されるが、このドプラモード信号は、以下に述べる本実施の形態においては直接関係しないため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
次いで、超音波の送受信方向をθ2乃至θM方向に順次変更しながら同様の動作を繰り返し、各送受信方向において得られた第1のRAWデータはRAWデータ記憶部207に、又、Bモード信号は画像データ記憶部206に夫々保存される。即ち、画像データ記憶部206では、被検体の所定時相あるいは所定断面におけるBモード画像データである第1の画像データが生成され、この第1の画像データに対応した2次元的な第1のRAWデータがRAWデータ記憶部207に保存される。そして、第1の画像データは、必要に応じて表示部31の図示しないモニタに表示される。
【0044】
更に、被検体に対して時相あるいは走査断面を変更しながら超音波走査を行なうことにより、上記画像データ記憶部206及びRAWデータ記憶部207には、時間方向を含めた4次元の第1の画像データと第1のRAWデータが保存される。
【0045】
このようにして超音波診断装置200の画像データ記憶部206に保存された第1の画像データと、RAWデータ記憶部207に保存された第1のRAWデータは、インターフェース220及び図1に示した画像データベースシステム10のインターフェース19を介してデータファイリング部11に供給されて保存される。
【0046】
(医用情報システムにおける医用データの生成手順)
上記超音波診断装置200によって得られた第1の画像データと第1のRAWデータを用いて新たな拡大画像データや超音波物理量などの医用データを生成する本実施の形態の医用データ生成手順について図1及び図3乃至図6を用いて説明する。尚、以下では、医用データベースシステム10に保存されている複数枚の第1の画像データの中から、ワークステーション30−1のユーザが所望する第1の画像データを選択し、選択した第1の画像データの所定領域あるいは所定時相における拡大画像データである第2の画像データの生成と、この第2の画像データの所定部位における超音波減衰係数の計測を、医用データベースシステム10に保存されている第1のRAWデータを用いて行なう場合の手順を図3のフローチャートに従って説明する。
【0047】
ユーザは、ワークステーション30−1の入力部31に備えられた入力デバイスと表示パネルを用いて、対象被検体のIDや対象臓器名、この被検体の第1の画像データ及び第1のRAWデータが保存されている医用データベースシステム10の識別情報、更には、上記データの取得日などを入力する(図3のステップS1)。ワークステーション30−1の制御部35は、これらの入力情報を制御部35の図示しない記憶回路に一旦保存すると共に、ネットワークインターフェース36、ネットワーク5、医用データベースシステム10のネットワークインターフェース20を介してシステム制御部18に供給する。そして、医用データベースシステム10のシステム制御部18は受信した入力情報をファイリング制御部12に供給する。尚、以下の説明において、ネットワーク5を介して各種データが送受信される場合は、ネットワークインターフェース36及びネットワークインターフェース20の説明を省略する。
【0048】
上記入力情報を受信したファイリング制御部12は、この入力情報、即ち対象被検体IDや対象臓器、更にはデータ取得日などに基づいて対象となる第1の画像データを選択し、選択した第1の画像データを、データ処理部13を介してバッファメモリ14に一旦保存した後、ネットワーク5を介してワークステーション30−1の記憶部32に保存する。次いで、ワークステーション30−1の制御部35は、記憶部32に保存された第1の画像データを読み出し、表示部34の図示しないモニタに表示する(図3のステップS2)。
【0049】
表示部34に表示された第1の画像データを観察したユーザは、この第1の画像データに基づいて第2の画像データ(拡大画像データ)の時相あるいは画像領域を示す画像領域情報と、この第2の画像データにおける空間分解能や濃度分解能、更には、画像領域の所定部位における超音波物理量を計測する際の計測精度などの要求性能をユーザ情報として入力部31より入力する。尚、この場合、上記の拡大画像領域の指定は、入力部31において数値入力してもよいが、表示部34に表示される第1の画像データに対してマウス等の入力デバイスを用いて指定してもよい。
【0050】
上記ユーザ情報を入力部31より受信したワークステーション30−1の制御部35は、このユーザ情報を、ネットワーク5を介して医用データベースシステム10のシステム制御部18に供給し、システム制御部18は、これらのユーザ情報を記憶回路に保存すると共に、処理パラメータ設定部15に供給する(図3のステップS3)。
【0051】
一方,処理パラメータ設定部15の記憶回路は、画像の分解能や超音波物理量の解析精度などの要求性能に対する処理パラメータが予め設定されたルックアップテーブルを備えている。図4は、処理パラメータ設定部15のルックアップテーブルに保存されている要求性能と、この要求性能に対する処理パラメータの具体例を示したものであり、画像データの空間分解能、濃度分解能、時間分解能などの要求性能に対するRAWデータのサンプリングピッチ、信号振幅のビット数、フレーム間隔などの処理パラメータが保存されている。
【0052】
処理パラメータ設定部15のCPUは、ワークステーション30−1から送られたユーザ情報における夫々の要求性能に対応した処理パラメータを上記ルックアップテーブルから読み出し、次いで、これらの処理パラメータと、上記画像領域情報と、更にはネットワーク5及びワークステーション30−1の能力(容量やデータ処理速度)を考慮して実行処理パラメータを設定し、設定した実行処理パラメータと画像領域情報をシステム制御部18を介して処理制御部16に供給する(図3のステップS4)。
【0053】
次いで、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した画像領域情報に基づいてデータファイリング部11の記憶回路に対するアドレス信号を生成し、このアドレス信号を、データファイリング部11に供給して所望の画像領域の第1のRAWデータを読み出してデータ処理部13の記憶回路に保存する。更に、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した実行処理パラメータをデータ処理部13に供給し、その記憶回路に保存する。
【0054】
そして、データ処理部13の演算回路は、データ処理部13の記憶回路に保存されている所望時相あるいは所望領域の第1のRAWデータと実行処理パラメータを読み出し、この実行処理パラメータに基づいて第1のRAWデータに対する中間データ処理(データ圧縮処理)を行なって第2のRAWデータを生成する(図3のステップS5)。図5は、データ処理部13によって行われるデータ圧縮処理を模式的に示したものであり、図5(a)は、図3のステップS2においてワークステーション30−1の表示部34に表示された第1の画像データによる画像41と、この画像41に対して入力部31より設定した拡大画像領域42を示している。一方、図5(b)は、画像41に対応したデータファイリング部11の第1のRAWデータ43、又、図5(c)は、第1のRAWデータ43の拡大画像領域44に対してデータ圧縮処理(リサンプリング)を行なって得られた第2のRAWデータを示している。
【0055】
例えば、図5(b)に示すように第1のRAWデータ43は、ラスタ方向(距離方向、Y方向)のサンプリングピッチがY1、このラスタ方向と直角な方向(方位方向、X方向)のサンプリングピッチがX1の離散的なデータで構成されており、これらのサンプリングピッチは通常の第1の画像データの夫々の方向におけるサンプリングピッチY01,X01に対して小さい。一方、データ処理部13によってデータ圧縮処理された第2のRAWデータは、図5(c)に示すようにリサンプリングによってX方向のサンプリングピッチがX2、又、Y方法のサンプリングピッチがY2のデータから構成される。但し、Y1<Y2<Y01、X1<X2<X01であり、X2及びY2は図4に示した処理パラメータと、ネットワーク5及びワークステーション30−1の能力を考慮して設定された実行処理パラメータである。
【0056】
即ち、データ処理部13によって生成される第2のRAWデータのサンプリングピッチX2及びY2は、第1のRAWデータより粗いが、第1の画像データより細かいため、所望領域42を拡大表示した場合に解像度に優れた第2の画像データを生成することが可能となる。更に、上記第2のRAWデータは位相情報を有しているため、後述の超音波物理量の計測を行なうことができる。
【0057】
データ処理部13の演算回路は、上述の手順によって生成した第2のRAWデータをバッファメモリ14に保存する。一方、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から供給された実行処理パラメータを付帯データ生成部17に供給し、付帯データ生成部17は、上記実行処理パラメータに基づいてデータ処理部13の中間データ処理に関する情報を付帯データとして生成し、この付帯データを処理制御部16を介してバッファメモリ14に保存する(図3のステップS5)。そして、システム制御部18は、バッファメモリ14に保存された第2のRAWデータと付帯データを読み出し、ネットワーク5を介してワークステーション30−1の記憶部32に保存する(図3のステップS7)。
【0058】
一方、ワークステーション30−1の演算部33は、制御部35の制御信号に従い第2のRAWデータと付帯データを記憶部32から読み出す。そして、付帯データを用いて第2のRAWデータを演算処理し、第2の画像データの生成と表示を行なう。即ち、演算部33は、第2のRAWデータに対して対数変換と包絡線検波を行なって第2の画像データを生成し、記憶部32に保存すると共に表示部34において拡大画像として表示する(図3のステップS8)。
【0059】
一方、ワークステーション30−1のユーザは、上記第2の画像データの表示によって第2のRAWデータの受信を確認したならば、入力部31より、この第2の画像データの1部の領域あるいは全領域に対して超音波物理量(超音波減衰係数)の計測を行なうための指示信号を入力し、制御部35は、この指示信号を演算部33に供給する。そして、演算部33は、上記指示信号に基づいて記憶部32に保存されている第2のRAWデータを読み出し超音波減衰係数の計測を行なう。
【0060】
ここで、超音波減衰係数の計測方法につき図5及び図6を用いて説明する。図5(c)のラスタ方向(Y方向)に距離Δdで隣接して設定された領域A及び領域BのRAWデータから換算して得られた受信波形を夫々A1(t)及びB1(t)とすれば、超音波周波数fにおける上記受信波形A1(t)及び受信波形B1(t)には近似的に下記の関係が成立する。
【0061】
B1(t)∝A1(t)exp(−2αofΔd) ・・・(1)
但し、αoは超音波減衰係数、fは超音波周波数である。式(1)の関係を有する上記受信波形A1(t)及び受信波形B1(t)をフーリエ変換して得られるパワースペクトラムSA1(f)、SB1(f)を更に対数変換すると
lnSB1(f)=lnSA1(f)−4αofΔd+C ・・・(2)
となる。但し、Cは定数を示す。従って上記領域A及び領域Bにおける超音波減衰係数αoは、
αo=(1/4Δd)∂(lnSA1(f)−lnSB1(f))/∂f・・(3)
によって得られる。即ち、周波数fに依存した超音波減衰特性を有する生体組織の場合には、領域A及び領域Bにおける受信信号について夫々パワースペクトラムを算出し、次いで対数変換した前記パワースペクトラムの間の差スペクトラムにおける周波数勾配を算出することによって超音波減衰係数αoを求めることができる。
【0062】
図6(a)及び図6(b)は、対数変換後のパワースペクトラムlnSA1(f)及びlnSB1(f)を示し、図6(c)は、対数変換したパワースペクトラムの間の差スペクトラム(lnSA1(f)−lnSB1(f))を示す。従って、図6(c)の差スペクトラムにおける平均勾配値を4Δdで除することによって所望の超音波減衰係数αoを求めることができる。
【0063】
演算部33は、上記計測を第2の画像データの1部の領域、あるいは全領域について行い、得られた超音波物理量の計測データ、あるいはこの超音波物理量に基づく分布データを記憶部32に保存する。次いで、制御部35は、記憶部32に保存された超音波物理量に関するデータと第2の画像データを読み出し、表示部34の表示用画像メモリにおいて合成した後、変換回路にてD/A変換とテレビフォーマット変換を行いモニタに表示する(図3のステップS9)。
【0064】
以上述べた本発明の第1の実施の形態によれば、医用データベースシステム10に保管された第1のRAWデータに対してユーザ情報に基づいた中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成し、この第2のRAWデータを、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給することにより、ワークステーション30−1のユーザは、ユーザの要求性能に対応した第2のRAWデータを用いて、高分解能な第2の画像データの生成や超音波物理量などの計測を行なうことが可能となる。
【0065】
又、医用データベースシステム10において中間データ処理を行なうことによって、複数のワークステーション30−1乃至30−Nにおける記憶部32の容量や演算回路33の演算速度を低減させることができるため、安価な医用情報システム100を構築することができる。
【0066】
(第2の実施の形態)
以下に述べる本発明の超音波診断装置に係る第2の実施の形態の特徴は、第1のRAWデータの保管とデータ処理を行なう医用データベース部を備えた超音波診断装置が、ユーザからネットワークを介して送られるユーザ情報に基づいて第1のRAWデータを中間データ処理することによって第2のRAWデータを生成し、ユーザのワークステーション30−1は、超音波診断装置から送信された第2のRAWデータ及び中間データ処理の付帯データに基づいて所望の第2の画像データの生成あるいは超音波物理量の計測等を行なうことにある。
【0067】
次に、本発明の超音波診断装置に関わる第2の実施の形態につき、図1のワークステーション30−1に関するブロック図と図7及び図8及びを用いて説明する。尚、上記第1の実施の形態と同様の機能を有する各ユニットは同一の符号を記し、その詳細な説明は省略する。
【0068】
即ち、図7及び図8に示した第2の実施の形態における超音波診断装置250と、図1及び図2に示した第1の実施の形態における超音波診断装置200及び医用データベースシステム10との構成上の差異は、超音波診断装置200のRAWデータ記憶回路207及び画像データ記憶回路206と医用データベースシステム10のデータファイリング部11とを、超音波診断装置250の医用データベース部230として一体化したことにある。このためインターフェース19は不要となり、又、超音波診断装置200のシステム制御部208と医用データベースシステム10のシステム制御部18は、超音波診断装置250のシステム制御部231に纏められている。そして、図7のネットワークインターフェース20は、ネットワーク5を介して図1に示したワークステーション30−1に接続されている。
【0069】
次に、この第2の実施の形態における医用データ生成手順について図7及び図8を用いて説明する。図7に示した超音波診断装置250の超音波送信部202及び超音波受信部203は、上述の第1の実施の形態の超音波診断装置200と同様な動作により、θ1方向乃至θM方向に対して順次超音波の送受信を行い、得られた受信信号に対してBモード処理部204はBモード信号を生成する。
【0070】
そして、図8の超音波診断装置250における医用データベース部230のファイリング制御部12は、システム制御部231の制御のもとに上記Bモード信号をデータファイリング部11に順次保存してBモード画像データ(第1の画像データ)を生成する。又、上記超音波受信部203の出力信号を第1のRAWデータとして上記データファイリング部11に保存する。
【0071】
一方、ネットワーク5を介して超音波診断装置250と接続されているワークステーション30−1において、ユーザは入力部31に備えられた入力デバイスと表示パネルを用いて、対象被検体のIDや対象臓器名、この被検体の第1の画像データ及び第1のRAWデータが保存されている超音波診断装置250の識別情報、更には、上記データの取得日などを入力する。ワークステーション30−1の制御部35は、これらの入力情報を、ネットワーク5を介して超音波診断装置250における医用データベース部230のファイリング制御部12に供給し、上記入力情報を受信したファイリング制御部12は、この入力情報に基づいて対象となる第1の画像データを選択し、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給して表示部34に表示する。
【0072】
次いで、表示部34に表示された第1の画像データを観察したユーザは、この第1の画像データに基づいて第2の画像データの画像時相あるいは画像領域を示す画像領域情報と、この第2の画像データにおける要求性能をユーザ情報として入力部31より入力する。上記ユーザ情報を入力部31より受信したワークステーション30−1の制御部35は、このユーザ情報をネットワーク5を介して超音波診断装置250におけるシステム制御部231に供給し、システム制御部231は、これらのユーザ情報を医用データベース部230の処理パラメータ設定部15に供給する。
【0073】
処理パラメータ設定部15のCPUは、ワークステーション30−1から送られたユーザ情報における夫々の要求性能に対応した処理パラメータをルックアップテーブルから読み出し、次いで、これらの処理パラメータと、上記画像領域情報と、ネットワーク5及びワークステーション30−1の能力を考慮して実行処理パラメータを設定し、設定した実行処理パラメータと画像領域情報を処理制御部16に供給する。
【0074】
次いで、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した画像領域情報に基づいてデータファイリング部11の記憶回路に対するアドレス信号を生成し、このアドレス信号を、データファイリング部11に供給して所望の画像領域あるいは画像時相の第1のRAWデータを読み出してデータ処理部13に供給する。更に、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した実行処理パラメータをデータ処理部13に供給する。
【0075】
そして、データ処理部13は、実行処理パラメータに基づいて第1のRAWデータに対する中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成し、バッファメモリ14に保存する。一方、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から供給された実行処理パラメータを付帯データ生成部17に供給し、付帯データ生成部17は、上記実行処理パラメータに基づいてデータ処理部13の中間データ処理に関する情報を付帯データとして生成し、この付帯データを処理制御部16を介してバッファメモリ14に保存する。そして、システム制御部231は、バッファメモリ14に保存された第2のRAWデータと付帯データを読み出し、ネットワーク5を介してワークステーション30−1の記憶部32に保存する。
【0076】
一方、ワークステーション30−1の演算部33は、第2のRAWデータと付帯データを記憶部32から読み出し、付帯データを用いて第2のRAWデータを演算処理して第2の画像データの生成と表示を行なう。そして、ワークステーション30−1のユーザは、入力部31より、この第2の画像データの1部の領域あるいは全領域に対して超音波物理量(超音波減衰係数)の計測を行なうための指示信号を入力し、制御部35は、この指示信号を演算部33に供給する。そして、演算部33は、記憶部32に保存されている第2のRAWデータを読み出して超音波物理量の計測を行なう。
【0077】
演算部33は、上記計測を第2の画像データの1部の領域、あるいは全領域について行い、得られた超音波物理量の計測データ、あるいはこの超音波物理量に基づく分布データを記憶部32に保存する。次いで、制御部35は、記憶部32に保存された超音波物理量に関するデータと第2の画像データを読み出し、表示部34の表示用画像メモリにおいて合成した後、変換回路にてD/A変換とテレビフォーマット変換を行いモニタに表示する。
【0078】
以上述べた本発明の第2の実施の形態によれば、超音波診断装置250に保管された第1のRAWデータに対してユーザ情報に基づいた中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成し、この第2のRAWデータを、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給することにより、ワークステーション30−1のユーザは、ユーザニーズに対応した第2のRAWデータを用いて、高分解能な第2の画像データの生成や超音波物理量などの計測を行なうことが可能となる。
【0079】
又、医用データベースシステム10において中間データ処理を行なうことによって、複数のワークステーション30−1乃至30−Nにおける記憶部32の容量や演算回路33の演算速度を低減させることができるため、診断効率が大幅に向上する。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について述べてきたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態の説明では、医用データベースシステム10あるいは超音波診断装置250がネットワーク5を介してワークステーション30−1乃至30−Nに接続される場合について述べたが、このワークステーション30はユーザ側の端末装置を総称しており、例えば、画像ビューアやHISの端末であってもよい。
【0081】
また、ワークステーション30−1において行なわれる演算として、拡大画像データの生成と超音波物理量の計測を例に説明したが、これらに限定されない。更に、上記超音波物理量の計測として超音波減衰係数の計測について述べたが、非線型係数(非線型パラメータ)など、他の超音波物理量の計測であってもよい。
【0082】
また、超音波診断装置200あるいは超音波診断装置250によって収集される第1の画像データとして、Bモード画像データを取り上げたが、カラードプラ画像データなど他の画像データであってもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波診断装置のRAWデータを、ネットワークを介してユーザに送信する際に、ユーザ情報に基づいて中間データ処理したRAWデータを送信することによってネットワークの負荷が低減でき、又、高精度の診断情報を効率よくユーザに提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における医用情報システムの構成を示すブロック図。
【図2】画像データ及びRAWデータを生成する超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態における第2の画像データの生成及び超音波物理量の計測の手順を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態におけるユーザ要求性能と設定パラメータの具体例を示す図。
【図5】同実施の形態のRAWデータに対するデータ圧縮処理の模式図。
【図6】同実施の形態における超音波減衰係数の計測方法を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図8】同実施の形態の超音波診断装置における医用データベース部の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
5…ネットワーク
10…医用データベースシステム
11…データファイリング部
12…ファイリング制御部
13…データ処理部
14…バッファメモリ
15…処理パラメータ設定部
16…処理制御部
17…付帯データ生成部
18…システム制御部
19…インターフェース
20…ネットワークインターフェース
30…ワークステーション
31…入力部
32…記憶部
33…演算部
34…表示部
35…制御部
100…医用情報システム
200…超音波診断装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像診断装置によって得られた医用データをネットワークを介して送信する医用情報システム、医用データベースシステム、超音波診断装置、及び医用データ供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医用画像診断技術は、1970年代のコンピュータ技術の発展に伴って実用化されたMRI装置やX線CT装置などによって急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。そして、これらの装置によって生成される種々の画像データは、ネットワークを介して接続された病院情報システム(HIS)や放射線部門情報システム(RIS)において集中管理され、医師らは、HISやRISにおいて保存されている画像データの中から所望の画像データを読み出すことによって、例えば、同一の患者(以下、被検体と呼ぶ)に対し異なる画像診断装置によって得られた画像データの比較、あるいは、同一の画像診断装置によって得られた過去の画像データと最新の画像データとの比較などを行ない診断精度の向上を図っている。
【0003】
近年、被検体の画像データを収集するための異なる複数の画像診断装置と、収集された画像を総合的に表示するための複数の画像ビューアあるいはワークステーションをネットワークを介して接続したHISやRISの普及が進む一方で、画像診断装置に対する空間的な3次元画像データ、あるいは2次元画像データの時間的変化を観察するためのシネデータ等の収集及び表示の要求が増大している。
【0004】
このような画像診断装置の高性能化及び高機能化は、画像データのデータ容量の飛躍的な増大を招き、その結果、画像データを送受信するネットワークや保存して表示する画像ビューア、あるいはワークステーションの高速化と大容量化がHIS等の構築において大きな問題点となってきている。
【0005】
上記の問題点に対し、画像診断装置あるいは画像データ管理システムの操作者がワークステーション側のユーザに提示したユーザプロファイル、即ち、画像データの空間分解能、時間分解能、濃度分解能、圧縮率などの推奨値や優先度を示すユーザプロファイルに対してユーザが修正を行なって操作者に返送し、操作者は、修正されたユーザプロファイルに基づいて必要最低限のデータ容量に設定された画像データを画像診断装置あるいは画像データ管理システムからワークステーションに送信する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
ところで、被検体の各組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモード画像とカラードプラ画像は、今日の超音波画像診断において重要な検査項目となっている。この超音波診断法において、近年、Bモード画像及びカラードプラ画像の表示のみならず、これらの画像データを生成する前の超音波データ、即ち、位相情報などを有した超音波データ(以下ではRAWデータと呼ぶ。)を超音波診断装置、あるいは超音波診断装置に接続されたデータ保管システムからネットワークを介してワークステーション等に送信し、ワークステーション側の医師(ユーザ)が、ワークステーションに一旦保存された上記RAWデータを用いて所望の解析あるいは画像データを生成する方法が検討されている。
【0007】
超音波診断法の基本は、上記のBモード画像とカラードプラ画像であるが、これらの画像表示の他に、例えば、ドプラ信号のスペクトルの時間的変化を表示するスペクトルドプラ法や組織の定量的診断を目的とした超音波物理量の計測法が検討されており、これらの計測法においてはRAWデータが用いられる(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
そして、位相情報など豊富な情報を含んだRAWデータを用いることによって、ユーザは、目的に応じた最適なデータ処理を行なうことができるため、精度の高い計測や解析、更には画像データの生成が可能となる。このため、画像診断装置側によって生成され、ネットワークを介して送られた画像データや解析データ等がユーザの要求に一致していない場合でも、RAWデータを用いてユーザが直接データ処理する方法によって従来行われてきた画像診断装置側による上記データの再生成及び再送信は不要となり、従って、診断効率を向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−216506号公報(第4−8頁、第1−13図)
【0010】
【特許文献2】
特開昭60−135037号公報(第1−2頁、第1−2図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、位相情報を有したRAWデータの信号帯域は広く、従って、サンプリング周波数等も増加するためデータ容量が画像データの場合と比較して著しく増大する。例えば、画像データを生成するための包絡線検波の前段から得られるRAWデータは、デジタル信号に変換される際に多くのデータ容量を有し、特に、このRAWデータの位相情報を用いて行われる定量的な計測あるいは解析においては、特許文献1に記載されているような「データ間引き」等の非可逆データ圧縮技術の適用は不可能である。
【0012】
従って、データ容量が飛躍的に増大したRAWデータを、画像診断装置あるいはデータ管理システムからネットワークを介してワークステーションに送信する場合、RAWデータを送信するためのネットワークや送信されたRAWデータを保存するワークステーションにおける高速化と大容量化が必須となる。又、RAWデータを用いて種々の計測を行なう場合には、複雑なデータ処理が必要となるためワークステーションの演算処理部においても高速化が要求され、これらの要求はHISの実現をより困難なものにしている。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RAWデータを、ネットワークを介して送信する際に、ユーザが要求するRAWデータを効率よく供給することが可能な医用情報システム、医用データベースシステム、超音波診断装置及び医用データ供給方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の医用情報システムは、超音波診断装置により得られたRAWデータの保管と供給を行なう医用データベースシステムと、ネットワークを介して得られた前記RAWデータに基づいてデータ演算を行なうワークステーションを備えた医用情報システムであって、前記医用データベースシステムは、超音波診断装置によって得られた第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、前記ユーザ情報に基づいて前記第1のRAWデータに対し所望の領域を設定する領域設定手段と、所望の領域が設定された前記第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有し、前記ワークステーションは、ユーザの要求性能を含む前記ユーザ情報を前記ネットワークを介して前記医用データベースシステムに送信するユーザ情報送信手段と、前記ネットワークを介して前記医用データベースシステムから受信した前記第2のRAWデータを用いてデータ演算を行なう演算手段を有することを特徴としている。
【0015】
又、請求項6に係る本発明の医用データベースシステムは、超音波診断装置により得られたRAWデータの保管とネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの送信を行なう医用データベースシステムであって、超音波診断装置によって得られた第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、前記ユーザ情報に基づき前記第1のRAWデータに対して所望の領域を設定する領域設定手段と、所望の領域が設定された前記第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有することを特徴としている。
【0016】
更に、請求項13に係る本発明の超音波診断装置は、RAWデータの収集及び保管とネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの送信を行なう超音波診断装置であって、圧電振動子を備えた超音波プローブと、前記圧電振動子を駆動し、被検体に対して超音波の送受波を行なう送受波手段と、前記被検体に対して超音波走査を行なう走査手段と、この走査手段によって前記送受波手段より得られる受信信号に基づいて第1のRAWデータを生成する第1のRAWデータ生成手段と、生成された前記第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、前記ユーザ情報に基づき前記第1のRAWデータに対して所望の領域を設定する領域設定手段と、所望の領域が設定された第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成する第2のRAWデータ生成手段と、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有することを特徴としている。
【0017】
一方、請求項15に係る本発明の医用データ供給方法は、超音波診断装置により得られたRAWデータの保管を行なうと共に、ネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの供給を行なう医用情報システムの医用データ供給方法であって、ユーザの要求性能を含むユーザ情報をワークステーションよりネットワークを介して受信するステップと、受信した前記ユーザ情報に基づいて、前記第1のRAWデータに対する所望領域の設定と第2のRAWデータを生成するための実行処理パラメータの設定を行なうステップと、設定された前記第1のRAWデータに対して、前記実行処理パラメータを適用して前記第2のRAWデータを生成するステップと、生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するステップを有することを特徴としている。
【0018】
従って本発明によれば、超音波RAWデータをネットワークを介して効率よく送信することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に述べる本発明の医用情報システムに関する第1の実施の形態の特徴は、超音波診断装置を用いて被検体から得られた第1のRAWデータを中間データ処理することによって生成した第2のRAWデータと、中間データ処理情報を含む付帯データを医用データベースシステムからネットワークを介してワークステーションに送り、ワークステーションでは、医用データベースシステムから送信された上記第2のRAWデータ及び付帯データに基づいて所望の超音波物理量の計測や画像データの生成を行なうことにある。
【0020】
(医用情報システムの構成)
第1の実施の形態における医用情報システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、医用情報システムの構成を示すブロック図であり、この医用情報システム100は、ネットワーク5を介して接続される医用データベースシステム10と複数のワークステーション30−1乃至30−Nを備えている。そして、医用データベースシステム10は、超音波診断装置200によって得られたBモード画像データ(以下、第1の画像データと呼ぶ。)と第1のRAWデータを保存すると共に、この第1のRAWデータに対してデータ圧縮等の中間データ処理を行なって得られた第2のRAWデータと、上記中間データ処理情報が含まれた付帯データをネットワーク5を介して所定のワークステーション(例えば、ワークステーション30−1)に供給する。
【0021】
一方、ワークステーション30−1は、第2のRAWデータのユーザである医師(以下、ユーザと呼ぶ。)が提示する要求性能等のユーザ情報をネットワーク5を介して医用データベースシステム10に送信する。又、ワークステーション30−1は、医用データベースシステム10から第2のRAWデータと付帯データを受信し、この付帯データに基づいて第2のRAWデータに対して所望の演算処理を行なって超音波物理量の計測や拡大画像データ(以下では、第2の画像データと呼ぶ。)の生成等を行なう。
【0022】
次に、医用情報システム100における医用データベースシステム10は、別途設置された超音波診断装置200から供給される第1の画像データや第1のRAWデータの保存を行なうデータファイリング部11と、データファイリング部11における第1の画像データあるいは第1のRAWデータの保存を制御するファイリング制御部12と、データファイリング部11に保存されている第1のRAWデータに対してデータ圧縮等の中間データ処理を行ない、第2のRAWデータを生成するデータ処理部13と、データ処理部13において生成された第2のRAWデータと後述する付帯データを一旦保存するためのバッファメモリ14を備えている。
【0023】
又、医用データベースシステム10は、ワークステーション30−1から供給されるユーザ情報に基づいて最適な中間データ処理のための実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定部15と、設定された処理パラメータに基づいて上記データ処理部13における中間データ処理を制御する処理制御部16と、上記処理パラメータに基づいて行なわれる中間データ処理の処理方法などを付帯データとして生成する付帯データ生成部17と、上記各ユニットを統括的に制御するシステム制御部18を備える。
【0024】
更に、超音波診断装置200に対して第1の画像データ、第1のRAWデータ、制御信号等の送受信を行なうためのインターフェース19と、ワークステーション30−1対して制御信号、第1の画像データ、第2のRAWデータ等の送受信を行なうためのネットワークインターフェース20を備えている。
【0025】
そして、データファイリング部11は、超音波診断装置200を用いて収集され、インターフェース19を介して供給された被検体の2次元的あるいは3次元的な第1のRAWデータや第1の画像データを、ファイリング制御部12の制御信号に従って図示しない所定の記憶領域に保存する。
【0026】
又、処理パラメータ設定部15は、図示しないCPUと記憶回路を備え、この記憶回路には画像データに対する空間分解能、濃度分解能、時間分解能などの要求性能と、この要求性能に対する画像データのサンプリングピッチ、ビット数、フレーム間隔などの処理パラメータがルックアップテーブルとして予め保存されている。そして、処理パラメータ設定部15のCPUは、ネットワーク5を介してワークステーション30−1から受信したユーザ情報とネットワーク5やワークステーション30−1の能力(容量やデータ処理速度)を考慮して上記処理パラメータを修正し、実行処理パラメータを設定する。
【0027】
一方、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15において設定された実行処理パラメータに基づいてデータファイリング部11とデータ処理部13を制御し、データファイリング部11に保存されている第1のRAWデータの中から所望時相あるいは所望領域の第1のRAWデータを読み出し、データ処理部13の図示しない記憶回路に保存する。又、データ処理部13に対して上記実行処理パラメータに関する情報を供給して上記記憶回路に保存した後、中間データ処理の開始指示信号を供給する。
【0028】
次に、データ処理部13は、図示しない演算回路と上記した記憶回路を備え、処理制御部16から供給され上記記憶回路に保存されている実行処理パラメータに基づいて、同じ記憶回路に保存されている上記所望領域における第1のRAWに対して中間データ処理を行なう。即ち、データ処理部13は、第1のRAWデータにおけるサンプリング数、ビット数、画像領域の低減や画像間あるいは走査線(ラスタ)間の差分等によるデータ圧縮を行なってデータ容量が低減された第2のRAWデータを生成する。
【0029】
一方、付帯データ生成部17は、データ処理部13が第1のRAWデータに対して行なった中間データ処理の処理情報、即ち、データ圧縮におけるサンプリング数やサンプリングピッチ、ビット数、更には差分などに関する情報を含んだ付帯データを生成する。又、バッファメモリ14は、データ処理部13において生成された第2のRAWデータと付帯データ生成部17において生成された付帯データを一旦保存する。そして、バッファメモリ14に保存された第2のRAWデータと付帯データは、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給される。
【0030】
システム制御部18は、処理パラメータ設定部15において設定された実行処理パラメータに基づいて、処理制御部16をはじめ、医用データベースシステム10の上記各ユニットを統括的に制御する。
【0031】
一方、ワークステーション30−1は、ユーザ情報を入力する入力部31と、医用データベースシステム10から供給される第1の画像データや第2のRAWデータ及びその付帯データを一旦保存する記憶部32と、この付帯データと上記ユーザ情報に基づいて第2のRAWデータに対して所望のデータ演算を行なう演算部33と、演算されて得られる超音波物理量あるいは第2の画像データを表示する表示部34を備え、更に、上記各ユニットを制御する制御部35と、医用データベースシステム10に対してユーザ情報の送信と第1の画像データや第2のRAWデータの受信を行なうためのネットワークインターフェース36を備えている。
【0032】
そして、ワークステーション30−1の入力部31は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等の入力デバイスと表示パネルを備え、この入力部31において、医用データベースシステム10の識別情報や、この医用データベースシステム10のデータファイリング部11に保管されている第1の画像データ及び第1のRAWデータの識別情報(被検体ID、データ取得日、データIDなど)や、この第1のRAWデータに対するユーザ情報などがユーザにより入力される。
【0033】
更に、医用データベースシステム10から供給された第2のRAWデータに対して適用される演算(解析)方法の選択や演算処理の開始コマンドなどが入力部31において行われる。尚、上記ユーザ情報としては、第2の画像データの時相、領域の大きさ、空間分解能、濃度(コントラスト)分解能、時間分解能、及び種々の解析精度などがある。
【0034】
又、記憶部32は、入力部31から入力された上記第1のRAWデータの識別情報やユーザ情報を一旦保存する。又、ネットワーク5を介して医用データベースシステム10から供給される第2のRAWデータや演算部33によって演算されて生成される医用データの保存を行なう。一方、演算部33は、ネットワーク5を介して医用データベースシステム10から供給され、記憶部32に保存された第2のRAWデータとその付帯データを用いて所望の演算を行なう。この演算として、例えば、拡大画像データ(第2の画像データ)の生成と、この拡大画像データの所定領域あるいは所定部位における超音波減衰係数、音速、非線型係数などの超音波物理量の計測がある。
【0035】
次に、表示部34は、図示しない表示用画像メモリと変換回路とモニタを備え、演算部33によって得られた第2の画像データや超音波物理量などの医用データは、記憶部32において一旦保存された後、表示用画像メモリにおいて合成され、表示部34の変換回路は、表示用画像メモリ31に保存された上記医用データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行い、変換された医用データは表示部34のモニタに表示される。そして、制御部35は、ワークステーション30−1の上記各ユニット及びネットワーク5を介して医用データベースシステム10のシステム制御部18を統括して制御する。
【0036】
(超音波診断装置の構成と動作)
次に、医用情報システム100における医用データベースシステム10のデータファイリング部11に保管されている第1の画像データ及び第1のRAWデータが生成される超音波診断装置200の構成と動作につき、図2のブロック図を用いて簡単に説明する。尚、ここでは、セクタ電子走査方式の超音波診断装置200を例に説明するがこの方式に限定されるものではない。
【0037】
図1に示した超音波診断装置200は、被検体表面に接触させて超音波の送受波を行なう超音波プローブ201と、被検体の所定方向に対して超音波パルスを照射するために超音波プローブ201に駆動信号を供給する超音波送信部202と、被検体の所定方向からの超音波反射波を受信信号として受信する超音波受信部203と、この受信信号に対してBモード信号を検出するためのBモード処理部204と、上記受信信号に対してドプラモード信号を検出するためのドプラモード処理部205を備えており、更に、上記Bモード信号及びドプラモード信号に基づいてBモード画像データ及びカラードプラ画像データの生成と保存を行なう画像データ記憶部206と、上記超音波受信部203において得られる第1のRAWデータを一旦保存するRAWデータ記憶部207を備えている。
【0038】
更に、超音波診断装置200は、上記Bモード画像データあるいはカラードプラ画像データを表示する表示部210と、操作者によって各種の撮影条件や画像条件、更にはコマンド信号などが入力される操作部209と、画像データ記憶部206に保存された第1の画像データやRAWデータ記憶部207に保存された第1のRAWデータを別途設置された画像データベースシステム100に送信するためのインターフェース220と、上記各ユニットを統括して制御するシステム制御部208を備えている。
【0039】
超音波プローブ201は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受波を行なうものであり、例えば、1次元に配列されたN個の圧電振動子をその先端部分に有している。この圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。
【0040】
超音波送信部202は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、パルサ213を備えている。レートパルス発生器211は、被検体内に放射する超音波パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスをNチャンネルの送信遅延回路212に供給し、送信遅延回路212は、所定の深さに超音波パルスを収束するための遅延時間と超音波パルスをθ1方向に偏向して被検体を走査するための遅延時間をレートパルスに与えてNチャンネルのパルサ213に供給する。次いで、パルサ213は、超音波プローブ201のNチャンネルの圧電振動子を駆動し、被検体に対して送信超音波を放射する。
【0041】
一方、超音波受信部203は、プリアンプ214と、受信遅延回路215と、加算器216を備えている。そして、圧電振動子によって受信超音波から変換された受信信号は、プリアンプ214において増幅され、受信遅延回路215において、所定の深さからの超音波を収束するための遅延時間と、θ1方向からの受信超音波に対して強い受信指向性をもたせるための遅延時間が与えられた後、加算器216において加算合成されて第1のRAWデータが生成される。そして、超音波受信部203にて生成された第1のRAWデータは、RAWデータ記憶部207に一旦保存されると共に、Bモード処理部204及びドプラモード処理部205に供給される。
【0042】
Bモード処理部204は、対数変換器217と、包絡線検波器218と、A/D変換器219とを備えており、上記第1のRAWデータは、対数変換器217において振幅が対数変換され、更に、包絡線検波器218において包絡線検波されて振幅情報のみのBモード信号が生成されて画像データ記憶部206に保存される。同様にして、上記RAWデータはドプラモード処理部205に供給され、ドプラモード信号が生成されるが、このドプラモード信号は、以下に述べる本実施の形態においては直接関係しないため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
次いで、超音波の送受信方向をθ2乃至θM方向に順次変更しながら同様の動作を繰り返し、各送受信方向において得られた第1のRAWデータはRAWデータ記憶部207に、又、Bモード信号は画像データ記憶部206に夫々保存される。即ち、画像データ記憶部206では、被検体の所定時相あるいは所定断面におけるBモード画像データである第1の画像データが生成され、この第1の画像データに対応した2次元的な第1のRAWデータがRAWデータ記憶部207に保存される。そして、第1の画像データは、必要に応じて表示部31の図示しないモニタに表示される。
【0044】
更に、被検体に対して時相あるいは走査断面を変更しながら超音波走査を行なうことにより、上記画像データ記憶部206及びRAWデータ記憶部207には、時間方向を含めた4次元の第1の画像データと第1のRAWデータが保存される。
【0045】
このようにして超音波診断装置200の画像データ記憶部206に保存された第1の画像データと、RAWデータ記憶部207に保存された第1のRAWデータは、インターフェース220及び図1に示した画像データベースシステム10のインターフェース19を介してデータファイリング部11に供給されて保存される。
【0046】
(医用情報システムにおける医用データの生成手順)
上記超音波診断装置200によって得られた第1の画像データと第1のRAWデータを用いて新たな拡大画像データや超音波物理量などの医用データを生成する本実施の形態の医用データ生成手順について図1及び図3乃至図6を用いて説明する。尚、以下では、医用データベースシステム10に保存されている複数枚の第1の画像データの中から、ワークステーション30−1のユーザが所望する第1の画像データを選択し、選択した第1の画像データの所定領域あるいは所定時相における拡大画像データである第2の画像データの生成と、この第2の画像データの所定部位における超音波減衰係数の計測を、医用データベースシステム10に保存されている第1のRAWデータを用いて行なう場合の手順を図3のフローチャートに従って説明する。
【0047】
ユーザは、ワークステーション30−1の入力部31に備えられた入力デバイスと表示パネルを用いて、対象被検体のIDや対象臓器名、この被検体の第1の画像データ及び第1のRAWデータが保存されている医用データベースシステム10の識別情報、更には、上記データの取得日などを入力する(図3のステップS1)。ワークステーション30−1の制御部35は、これらの入力情報を制御部35の図示しない記憶回路に一旦保存すると共に、ネットワークインターフェース36、ネットワーク5、医用データベースシステム10のネットワークインターフェース20を介してシステム制御部18に供給する。そして、医用データベースシステム10のシステム制御部18は受信した入力情報をファイリング制御部12に供給する。尚、以下の説明において、ネットワーク5を介して各種データが送受信される場合は、ネットワークインターフェース36及びネットワークインターフェース20の説明を省略する。
【0048】
上記入力情報を受信したファイリング制御部12は、この入力情報、即ち対象被検体IDや対象臓器、更にはデータ取得日などに基づいて対象となる第1の画像データを選択し、選択した第1の画像データを、データ処理部13を介してバッファメモリ14に一旦保存した後、ネットワーク5を介してワークステーション30−1の記憶部32に保存する。次いで、ワークステーション30−1の制御部35は、記憶部32に保存された第1の画像データを読み出し、表示部34の図示しないモニタに表示する(図3のステップS2)。
【0049】
表示部34に表示された第1の画像データを観察したユーザは、この第1の画像データに基づいて第2の画像データ(拡大画像データ)の時相あるいは画像領域を示す画像領域情報と、この第2の画像データにおける空間分解能や濃度分解能、更には、画像領域の所定部位における超音波物理量を計測する際の計測精度などの要求性能をユーザ情報として入力部31より入力する。尚、この場合、上記の拡大画像領域の指定は、入力部31において数値入力してもよいが、表示部34に表示される第1の画像データに対してマウス等の入力デバイスを用いて指定してもよい。
【0050】
上記ユーザ情報を入力部31より受信したワークステーション30−1の制御部35は、このユーザ情報を、ネットワーク5を介して医用データベースシステム10のシステム制御部18に供給し、システム制御部18は、これらのユーザ情報を記憶回路に保存すると共に、処理パラメータ設定部15に供給する(図3のステップS3)。
【0051】
一方,処理パラメータ設定部15の記憶回路は、画像の分解能や超音波物理量の解析精度などの要求性能に対する処理パラメータが予め設定されたルックアップテーブルを備えている。図4は、処理パラメータ設定部15のルックアップテーブルに保存されている要求性能と、この要求性能に対する処理パラメータの具体例を示したものであり、画像データの空間分解能、濃度分解能、時間分解能などの要求性能に対するRAWデータのサンプリングピッチ、信号振幅のビット数、フレーム間隔などの処理パラメータが保存されている。
【0052】
処理パラメータ設定部15のCPUは、ワークステーション30−1から送られたユーザ情報における夫々の要求性能に対応した処理パラメータを上記ルックアップテーブルから読み出し、次いで、これらの処理パラメータと、上記画像領域情報と、更にはネットワーク5及びワークステーション30−1の能力(容量やデータ処理速度)を考慮して実行処理パラメータを設定し、設定した実行処理パラメータと画像領域情報をシステム制御部18を介して処理制御部16に供給する(図3のステップS4)。
【0053】
次いで、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した画像領域情報に基づいてデータファイリング部11の記憶回路に対するアドレス信号を生成し、このアドレス信号を、データファイリング部11に供給して所望の画像領域の第1のRAWデータを読み出してデータ処理部13の記憶回路に保存する。更に、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した実行処理パラメータをデータ処理部13に供給し、その記憶回路に保存する。
【0054】
そして、データ処理部13の演算回路は、データ処理部13の記憶回路に保存されている所望時相あるいは所望領域の第1のRAWデータと実行処理パラメータを読み出し、この実行処理パラメータに基づいて第1のRAWデータに対する中間データ処理(データ圧縮処理)を行なって第2のRAWデータを生成する(図3のステップS5)。図5は、データ処理部13によって行われるデータ圧縮処理を模式的に示したものであり、図5(a)は、図3のステップS2においてワークステーション30−1の表示部34に表示された第1の画像データによる画像41と、この画像41に対して入力部31より設定した拡大画像領域42を示している。一方、図5(b)は、画像41に対応したデータファイリング部11の第1のRAWデータ43、又、図5(c)は、第1のRAWデータ43の拡大画像領域44に対してデータ圧縮処理(リサンプリング)を行なって得られた第2のRAWデータを示している。
【0055】
例えば、図5(b)に示すように第1のRAWデータ43は、ラスタ方向(距離方向、Y方向)のサンプリングピッチがY1、このラスタ方向と直角な方向(方位方向、X方向)のサンプリングピッチがX1の離散的なデータで構成されており、これらのサンプリングピッチは通常の第1の画像データの夫々の方向におけるサンプリングピッチY01,X01に対して小さい。一方、データ処理部13によってデータ圧縮処理された第2のRAWデータは、図5(c)に示すようにリサンプリングによってX方向のサンプリングピッチがX2、又、Y方法のサンプリングピッチがY2のデータから構成される。但し、Y1<Y2<Y01、X1<X2<X01であり、X2及びY2は図4に示した処理パラメータと、ネットワーク5及びワークステーション30−1の能力を考慮して設定された実行処理パラメータである。
【0056】
即ち、データ処理部13によって生成される第2のRAWデータのサンプリングピッチX2及びY2は、第1のRAWデータより粗いが、第1の画像データより細かいため、所望領域42を拡大表示した場合に解像度に優れた第2の画像データを生成することが可能となる。更に、上記第2のRAWデータは位相情報を有しているため、後述の超音波物理量の計測を行なうことができる。
【0057】
データ処理部13の演算回路は、上述の手順によって生成した第2のRAWデータをバッファメモリ14に保存する。一方、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から供給された実行処理パラメータを付帯データ生成部17に供給し、付帯データ生成部17は、上記実行処理パラメータに基づいてデータ処理部13の中間データ処理に関する情報を付帯データとして生成し、この付帯データを処理制御部16を介してバッファメモリ14に保存する(図3のステップS5)。そして、システム制御部18は、バッファメモリ14に保存された第2のRAWデータと付帯データを読み出し、ネットワーク5を介してワークステーション30−1の記憶部32に保存する(図3のステップS7)。
【0058】
一方、ワークステーション30−1の演算部33は、制御部35の制御信号に従い第2のRAWデータと付帯データを記憶部32から読み出す。そして、付帯データを用いて第2のRAWデータを演算処理し、第2の画像データの生成と表示を行なう。即ち、演算部33は、第2のRAWデータに対して対数変換と包絡線検波を行なって第2の画像データを生成し、記憶部32に保存すると共に表示部34において拡大画像として表示する(図3のステップS8)。
【0059】
一方、ワークステーション30−1のユーザは、上記第2の画像データの表示によって第2のRAWデータの受信を確認したならば、入力部31より、この第2の画像データの1部の領域あるいは全領域に対して超音波物理量(超音波減衰係数)の計測を行なうための指示信号を入力し、制御部35は、この指示信号を演算部33に供給する。そして、演算部33は、上記指示信号に基づいて記憶部32に保存されている第2のRAWデータを読み出し超音波減衰係数の計測を行なう。
【0060】
ここで、超音波減衰係数の計測方法につき図5及び図6を用いて説明する。図5(c)のラスタ方向(Y方向)に距離Δdで隣接して設定された領域A及び領域BのRAWデータから換算して得られた受信波形を夫々A1(t)及びB1(t)とすれば、超音波周波数fにおける上記受信波形A1(t)及び受信波形B1(t)には近似的に下記の関係が成立する。
【0061】
B1(t)∝A1(t)exp(−2αofΔd) ・・・(1)
但し、αoは超音波減衰係数、fは超音波周波数である。式(1)の関係を有する上記受信波形A1(t)及び受信波形B1(t)をフーリエ変換して得られるパワースペクトラムSA1(f)、SB1(f)を更に対数変換すると
lnSB1(f)=lnSA1(f)−4αofΔd+C ・・・(2)
となる。但し、Cは定数を示す。従って上記領域A及び領域Bにおける超音波減衰係数αoは、
αo=(1/4Δd)∂(lnSA1(f)−lnSB1(f))/∂f・・(3)
によって得られる。即ち、周波数fに依存した超音波減衰特性を有する生体組織の場合には、領域A及び領域Bにおける受信信号について夫々パワースペクトラムを算出し、次いで対数変換した前記パワースペクトラムの間の差スペクトラムにおける周波数勾配を算出することによって超音波減衰係数αoを求めることができる。
【0062】
図6(a)及び図6(b)は、対数変換後のパワースペクトラムlnSA1(f)及びlnSB1(f)を示し、図6(c)は、対数変換したパワースペクトラムの間の差スペクトラム(lnSA1(f)−lnSB1(f))を示す。従って、図6(c)の差スペクトラムにおける平均勾配値を4Δdで除することによって所望の超音波減衰係数αoを求めることができる。
【0063】
演算部33は、上記計測を第2の画像データの1部の領域、あるいは全領域について行い、得られた超音波物理量の計測データ、あるいはこの超音波物理量に基づく分布データを記憶部32に保存する。次いで、制御部35は、記憶部32に保存された超音波物理量に関するデータと第2の画像データを読み出し、表示部34の表示用画像メモリにおいて合成した後、変換回路にてD/A変換とテレビフォーマット変換を行いモニタに表示する(図3のステップS9)。
【0064】
以上述べた本発明の第1の実施の形態によれば、医用データベースシステム10に保管された第1のRAWデータに対してユーザ情報に基づいた中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成し、この第2のRAWデータを、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給することにより、ワークステーション30−1のユーザは、ユーザの要求性能に対応した第2のRAWデータを用いて、高分解能な第2の画像データの生成や超音波物理量などの計測を行なうことが可能となる。
【0065】
又、医用データベースシステム10において中間データ処理を行なうことによって、複数のワークステーション30−1乃至30−Nにおける記憶部32の容量や演算回路33の演算速度を低減させることができるため、安価な医用情報システム100を構築することができる。
【0066】
(第2の実施の形態)
以下に述べる本発明の超音波診断装置に係る第2の実施の形態の特徴は、第1のRAWデータの保管とデータ処理を行なう医用データベース部を備えた超音波診断装置が、ユーザからネットワークを介して送られるユーザ情報に基づいて第1のRAWデータを中間データ処理することによって第2のRAWデータを生成し、ユーザのワークステーション30−1は、超音波診断装置から送信された第2のRAWデータ及び中間データ処理の付帯データに基づいて所望の第2の画像データの生成あるいは超音波物理量の計測等を行なうことにある。
【0067】
次に、本発明の超音波診断装置に関わる第2の実施の形態につき、図1のワークステーション30−1に関するブロック図と図7及び図8及びを用いて説明する。尚、上記第1の実施の形態と同様の機能を有する各ユニットは同一の符号を記し、その詳細な説明は省略する。
【0068】
即ち、図7及び図8に示した第2の実施の形態における超音波診断装置250と、図1及び図2に示した第1の実施の形態における超音波診断装置200及び医用データベースシステム10との構成上の差異は、超音波診断装置200のRAWデータ記憶回路207及び画像データ記憶回路206と医用データベースシステム10のデータファイリング部11とを、超音波診断装置250の医用データベース部230として一体化したことにある。このためインターフェース19は不要となり、又、超音波診断装置200のシステム制御部208と医用データベースシステム10のシステム制御部18は、超音波診断装置250のシステム制御部231に纏められている。そして、図7のネットワークインターフェース20は、ネットワーク5を介して図1に示したワークステーション30−1に接続されている。
【0069】
次に、この第2の実施の形態における医用データ生成手順について図7及び図8を用いて説明する。図7に示した超音波診断装置250の超音波送信部202及び超音波受信部203は、上述の第1の実施の形態の超音波診断装置200と同様な動作により、θ1方向乃至θM方向に対して順次超音波の送受信を行い、得られた受信信号に対してBモード処理部204はBモード信号を生成する。
【0070】
そして、図8の超音波診断装置250における医用データベース部230のファイリング制御部12は、システム制御部231の制御のもとに上記Bモード信号をデータファイリング部11に順次保存してBモード画像データ(第1の画像データ)を生成する。又、上記超音波受信部203の出力信号を第1のRAWデータとして上記データファイリング部11に保存する。
【0071】
一方、ネットワーク5を介して超音波診断装置250と接続されているワークステーション30−1において、ユーザは入力部31に備えられた入力デバイスと表示パネルを用いて、対象被検体のIDや対象臓器名、この被検体の第1の画像データ及び第1のRAWデータが保存されている超音波診断装置250の識別情報、更には、上記データの取得日などを入力する。ワークステーション30−1の制御部35は、これらの入力情報を、ネットワーク5を介して超音波診断装置250における医用データベース部230のファイリング制御部12に供給し、上記入力情報を受信したファイリング制御部12は、この入力情報に基づいて対象となる第1の画像データを選択し、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給して表示部34に表示する。
【0072】
次いで、表示部34に表示された第1の画像データを観察したユーザは、この第1の画像データに基づいて第2の画像データの画像時相あるいは画像領域を示す画像領域情報と、この第2の画像データにおける要求性能をユーザ情報として入力部31より入力する。上記ユーザ情報を入力部31より受信したワークステーション30−1の制御部35は、このユーザ情報をネットワーク5を介して超音波診断装置250におけるシステム制御部231に供給し、システム制御部231は、これらのユーザ情報を医用データベース部230の処理パラメータ設定部15に供給する。
【0073】
処理パラメータ設定部15のCPUは、ワークステーション30−1から送られたユーザ情報における夫々の要求性能に対応した処理パラメータをルックアップテーブルから読み出し、次いで、これらの処理パラメータと、上記画像領域情報と、ネットワーク5及びワークステーション30−1の能力を考慮して実行処理パラメータを設定し、設定した実行処理パラメータと画像領域情報を処理制御部16に供給する。
【0074】
次いで、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した画像領域情報に基づいてデータファイリング部11の記憶回路に対するアドレス信号を生成し、このアドレス信号を、データファイリング部11に供給して所望の画像領域あるいは画像時相の第1のRAWデータを読み出してデータ処理部13に供給する。更に、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から受信した実行処理パラメータをデータ処理部13に供給する。
【0075】
そして、データ処理部13は、実行処理パラメータに基づいて第1のRAWデータに対する中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成し、バッファメモリ14に保存する。一方、処理制御部16は、処理パラメータ設定部15から供給された実行処理パラメータを付帯データ生成部17に供給し、付帯データ生成部17は、上記実行処理パラメータに基づいてデータ処理部13の中間データ処理に関する情報を付帯データとして生成し、この付帯データを処理制御部16を介してバッファメモリ14に保存する。そして、システム制御部231は、バッファメモリ14に保存された第2のRAWデータと付帯データを読み出し、ネットワーク5を介してワークステーション30−1の記憶部32に保存する。
【0076】
一方、ワークステーション30−1の演算部33は、第2のRAWデータと付帯データを記憶部32から読み出し、付帯データを用いて第2のRAWデータを演算処理して第2の画像データの生成と表示を行なう。そして、ワークステーション30−1のユーザは、入力部31より、この第2の画像データの1部の領域あるいは全領域に対して超音波物理量(超音波減衰係数)の計測を行なうための指示信号を入力し、制御部35は、この指示信号を演算部33に供給する。そして、演算部33は、記憶部32に保存されている第2のRAWデータを読み出して超音波物理量の計測を行なう。
【0077】
演算部33は、上記計測を第2の画像データの1部の領域、あるいは全領域について行い、得られた超音波物理量の計測データ、あるいはこの超音波物理量に基づく分布データを記憶部32に保存する。次いで、制御部35は、記憶部32に保存された超音波物理量に関するデータと第2の画像データを読み出し、表示部34の表示用画像メモリにおいて合成した後、変換回路にてD/A変換とテレビフォーマット変換を行いモニタに表示する。
【0078】
以上述べた本発明の第2の実施の形態によれば、超音波診断装置250に保管された第1のRAWデータに対してユーザ情報に基づいた中間データ処理を行なって第2のRAWデータを生成し、この第2のRAWデータを、ネットワーク5を介してワークステーション30−1に供給することにより、ワークステーション30−1のユーザは、ユーザニーズに対応した第2のRAWデータを用いて、高分解能な第2の画像データの生成や超音波物理量などの計測を行なうことが可能となる。
【0079】
又、医用データベースシステム10において中間データ処理を行なうことによって、複数のワークステーション30−1乃至30−Nにおける記憶部32の容量や演算回路33の演算速度を低減させることができるため、診断効率が大幅に向上する。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について述べてきたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものでは無く、変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態の説明では、医用データベースシステム10あるいは超音波診断装置250がネットワーク5を介してワークステーション30−1乃至30−Nに接続される場合について述べたが、このワークステーション30はユーザ側の端末装置を総称しており、例えば、画像ビューアやHISの端末であってもよい。
【0081】
また、ワークステーション30−1において行なわれる演算として、拡大画像データの生成と超音波物理量の計測を例に説明したが、これらに限定されない。更に、上記超音波物理量の計測として超音波減衰係数の計測について述べたが、非線型係数(非線型パラメータ)など、他の超音波物理量の計測であってもよい。
【0082】
また、超音波診断装置200あるいは超音波診断装置250によって収集される第1の画像データとして、Bモード画像データを取り上げたが、カラードプラ画像データなど他の画像データであってもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波診断装置のRAWデータを、ネットワークを介してユーザに送信する際に、ユーザ情報に基づいて中間データ処理したRAWデータを送信することによってネットワークの負荷が低減でき、又、高精度の診断情報を効率よくユーザに提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における医用情報システムの構成を示すブロック図。
【図2】画像データ及びRAWデータを生成する超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態における第2の画像データの生成及び超音波物理量の計測の手順を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態におけるユーザ要求性能と設定パラメータの具体例を示す図。
【図5】同実施の形態のRAWデータに対するデータ圧縮処理の模式図。
【図6】同実施の形態における超音波減衰係数の計測方法を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図8】同実施の形態の超音波診断装置における医用データベース部の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
5…ネットワーク
10…医用データベースシステム
11…データファイリング部
12…ファイリング制御部
13…データ処理部
14…バッファメモリ
15…処理パラメータ設定部
16…処理制御部
17…付帯データ生成部
18…システム制御部
19…インターフェース
20…ネットワークインターフェース
30…ワークステーション
31…入力部
32…記憶部
33…演算部
34…表示部
35…制御部
100…医用情報システム
200…超音波診断装置
Claims (16)
- 超音波診断装置により得られたRAWデータの保管と供給を行なう医用データベースシステムと、ネットワークを介して得られた前記RAWデータに基づいてデータ演算を行なうワークステーションを備えた医用情報システムであって、
前記医用データベースシステムは、
超音波診断装置によって得られた第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、
ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、
前記ユーザ情報に基づいて前記第1のRAWデータに対し所望の領域を設定する領域設定手段と、
所望の領域が設定された前記第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、
生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を有し、
前記ワークステーションは、
ユーザの要求性能を含む前記ユーザ情報を前記ネットワークを介して前記医用データベースシステムに送信するユーザ情報送信手段と、
前記ネットワークを介して前記医用データベースシステムから受信した前記第2のRAWデータを用いてデータ演算を行なう演算手段を
有することを特徴とする医用情報システム。 - 前記RAWデータ生成手段は、前記第2のRAWデータの生成における処理情報を付帯データとして生成する付帯データ生成手段を有し、
前記データ送信手段は、前記第2のRAWデータ及び前記付帯データを前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信し、
前記演算手段は、前記第2のRAWデータ及び前記付帯データを用いてデータ演算を行なうことを特徴とする請求項1記載の医用情報システム。 - 前記ユーザ情報送信手段は、画像領域、画像の空間分解能、濃度分解能、時間分解能、超音波物理量の計測精度のうち少なくとも1つのユーザ情報を前記医用データベースシステムに送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像情報システム。
- 前記演算手段は、前記第2のRAWデータを用いて拡大画像データの生成を行なうことを特徴とする請求項1記載の医用情報システム。
- 前記演算手段は、前記第2のRAWデータを用いて超音波物理量の計測を行なうことを特徴とする請求項1記載の医用情報システム。
- 超音波診断装置により得られたRAWデータの保管とネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの送信を行なう医用データベースシステムであって、
超音波診断装置によって得られた第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、
ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、
前記ユーザ情報に基づき前記第1のRAWデータに対して所望の領域を設定する領域設定手段と、
所望の領域が設定された前記第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成するRAWデータ生成手段と、
生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を
有することを特徴とする医用データベースシステム。 - 前記RAWデータ生成手段は、前記第2のRAWデータの生成における処理情報を付帯データとして生成する付帯データ生成手段を有し、
前記データ送信手段は、前記第2のRAWデータ及び前記付帯データを前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信することを特徴とする請求項6記載の医用データベースシステム。 - 前記処理パラメータ設定手段は、前記ユーザ情報に含まれるユーザの要求性能に対応した処理パラメータが予め保存されていることを特徴とする請求項6記載の医用データベースシステム。
- 前記処理パラメータ設定手段は、少なくとも前記処理パラメータと前記ネットワークの通信能力に基づいて前記実行処理パラメータを設定することを特徴とする請求項8記載の医用データベースシステム。
- 前記処理パラメータ設定手段は、前記実行処理パラメータとして画像データのサンプリングピッチ、ビット数、フレーム数のうち少なくとも1つを設定することを特徴とする請求項6記載の医用データベースシステム。
- 前記RAWデータ生成手段は、前記第1のRAWデータに対してデータ圧縮処理を行って前記第2のRAWデータを生成することを特徴とする請求項6記載の医用データベースシステム。
- 前記付帯データ生成手段は、前記第2のRAWデータの生成に適用された画像データのサンプリングピッチ、ビット数、フレーム数の少なくともいずれかを含む付帯データを生成することを特徴とする請求項7記載の医用データベースシステム。
- RAWデータの収集及び保管とネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの送信を行なう超音波診断装置であって、
圧電振動子を備えた超音波プローブと、
前記圧電振動子を駆動し、被検体に対して超音波の送受波を行なう送受波手段と、
前記被検体に対して超音波走査を行なう走査手段と、
この走査手段によって前記送受波手段より得られる受信信号に基づいて第1のRAWデータを生成する第1のRAWデータ生成手段と、
生成された前記第1のRAWデータを保管するデータ保管手段と、
ネットワークを介してワークステーションから受信したユーザ情報に基づいて実行処理パラメータを設定する処理パラメータ設定手段と、
前記ユーザ情報に基づき前記第1のRAWデータに対して所望の領域を設定する領域設定手段と、
所望の領域が設定された第1のRAWデータに対して、前記設定された実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成する第2のRAWデータ生成手段と、
生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するデータ送信手段を
有することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記第2のRAWデータ生成手段は、前記第2のRAWデータの生成における処理情報を付帯データとして生成する付帯データ生成手段を有し、
前記データ送信手段は、前記第2のRAWデータ及び前記付帯データを前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信することを特徴とする請求項13記載の医用データベースシステム。 - 超音波診断装置により得られたRAWデータの保管を行なうと共に、ネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの供給を行なう医用情報システムの医用データ供給方法であって、
ユーザの要求性能を含むユーザ情報をワークステーションよりネットワークを介して受信するステップと、
受信した前記ユーザ情報に基づいて、前記第1のRAWデータに対する所望領域の設定と第2のRAWデータを生成するための実行処理パラメータの設定を行なうステップと、
設定された前記第1のRAWデータに対して、前記実行処理パラメータを適用して前記第2のRAWデータを生成するステップと、
生成された前記第2のRAWデータを、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するステップを
有することを特徴とする医用データ供給方法。 - 超音波診断装置により得られたRAWデータの保管を行なうと共に、ネットワークを介して接続されたワークステーションに対して前記RAWデータの供給を行なう医用情報システムの医用データ供給方法であって、
ユーザの要求性能を含むユーザ情報をワークステーションよりネットワークを介して受信するステップと、
受信した前記ユーザ情報に基づいて、前記第1のRAWデータに対する所望領域の設定と第2のRAWデータを生成するための実行処理パラメータの設定を行なうステップと、
設定された前記第1のRAWデータに対して、前記実行処理パラメータを適用して第2のRAWデータを生成すると共に、前記第2のRAWデータの生成における処理情報を付帯データとして生成するステップと、
生成された前記第2のRAWデータ及び前記付帯情報を、前記ネットワークを介して前記ワークステーションに送信するステップを
有することを特徴とする医用データ供給方法。
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