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JP2004527760A - 着色粒子を用いる非計装的定量イムノアッセイ及び装置 - Google Patents

着色粒子を用いる非計装的定量イムノアッセイ及び装置 Download PDF

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JP2004527760A
JP2004527760A JP2002591831A JP2002591831A JP2004527760A JP 2004527760 A JP2004527760 A JP 2004527760A JP 2002591831 A JP2002591831 A JP 2002591831A JP 2002591831 A JP2002591831 A JP 2002591831A JP 2004527760 A JP2004527760 A JP 2004527760A
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Abstract

試料中における1種類もしくは数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。本方法は、a)容器中において、サンプルと信号供給物質を含有する試薬とを混合するステップ、b)前記容器を流体伝達装置にカップリングするステップ、c)前記流体伝達装置を流体受容装置と接触させるステップを含む。この流体受容材料は、前記被分析物に対して特異的結合能力を有する固定化された試薬を含む。試料中における1種類もしくは複数の被分析物濃度の指標として、前記流体受容材料のパターンまたは面積が使用される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中における1種類もしくは数種類の被分析物濃度を測定するための方法、その方法を実施するための装置、特定の分析を行うためのその方法の活用、及び、その方法を実施するためのキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
分析生物化学の分野においては、できるだけ分析ステップが少なくて済み、且つ、分析を実施する人のために特殊な技術を必要としない、生物学的流体中の被分析物を迅速に定性的及び定量的に決定するための方法に対するかなりのニーズがある。
【0003】
1986年に、ジョンソン エンド ジョンソン株式会社に属するOrtho Diagnostic Systems社のMochnalらは、後に欧州特許第0250137 B1号として認められた特許出願を提出した。この発明は、例えば尿や血液等の複雑な 検査サンプル中における被分析物(即ち、決定されるべき物質)を定量するための方法を提供しており、その方法は、固定化結合分子を伴う多孔質膜ストリップを有していて、前記多孔質膜ストリップを通じて流れることが許容される、 検査サンプルのアリコートとの接触がもたらされる金コロイド粒子上にコーティングされた他の分子を用いることを特徴とするものである。このストリップのうち、前記金コロイド粒子が保持されている部分の長さが、その 検査サンプル中における被分析物分子の濃度に比例する。
【0004】
この方法は、尿中の黄体形成ホルモンの定量分析、及び、尿中のヒト性腺刺激ホルモン、並びに、血液中の医療用物質であるテオフィリンに対する方法の説明によって例証されており、そこでは、前記の試験ストリップにおける信号供給金コロイド粒子により創出された縞の長さが、その 検査サンプル中における被分析物分子の濃度に直接的に比例するものであった。それらの試薬は、シンプル且つ迅速で、製造コストも安く、そして、信号展開試薬や、特殊な機器、あるいは温度制御を必要としない。それにもかかわらず、Johnson & Johonson社とOrtho Diagnostic Systems社のどちらも、これまで、このテクノロジーに基づく商業的な製品を市場に送り出していない。
【0005】
EP第0250137B1号は、請求項1のエレメントCを如何にして実行すべきかについての詳細な説明を提示しておらず、即ち;前記膜ストリップへの流体の移送について詳細な説明が為されていない。3頁の下部には、それらの試薬が容器内に入れられており、そして、それらの試薬は、固定化された結合分子を含有する前記膜ストリップと接触させられることが指摘されている。請求項1のエレメントCを実行する唯一の例証が5頁の1行目に見られ、そこでは、膜ストリップの一方の端部が 検査サンプルと試薬の混合物中に浸漬されることが記述されている。同様に、実施例7における10頁の1行目には、そのストリップが10mmの深さまで浸されるという記述がある。実施例3における膜の説明では、膜ストリップについての綿密な描写の域を越えた詳細は提示されていない。従って、唯一理にかなった解釈は、この膜ストリップは、何ら特別な移送装置を伴うことなく、試薬/ 検査サンプル中に浸漬される、という解釈である。
【0006】
そのような浸漬テクノロジーを用いて定量分析しようとした場合、このテクノロジーに関わるかなりの不都合な点が存在する。一つの不都合な点は、試薬/ 検査サンプル混合物の正確な調製は、その混合物の正確な調製に関する熟練及び/又は能力を必要とすることである。膜ストリップは試薬/ 検査サンプル中に漬けた状態に維持しておく必要があるので、膜ストリップ用の保持装置を作成しなければならないか、あるいは、試薬/ 検査サンプル用の容器としても機能し得る膜ストリップを保持するための試験チューブを使用しなければならないかのいずれかである。そのようなチューブを用いた場合、流体は、膜ストリップの中央部とは異なりストリップの縁に沿って移動する傾向があり、そして、液体の前端は不揃いになりやすい。しかし、EP第0250137 B1号に記載されているストリップは、生物学的変動が比較的少ない被分析物の定量分析、あるいは、例えばいわゆる治療幅が狭い(治療値と毒性値との間の血中濃度差が小さい)医療用物質の定量分析に適することができるであろう。
【0007】
本発明者にとって既知の、EP第0250137 B1号の原理に似た何らかのものを利用している唯一の商業的製品は、米国特許第443504号に記載されている、チューブ形の容器と細い膜ストリップを使用したSyva社(世界で最大の診断薬メーカーの一つである、後のDade Behring社)のイムノクロマトグラフィーによる酵素をベースとした製品である。この製品については、Clinical Chemistry(vol.31、1144−1150、1985年)の論文「エンザイムイムノクロマトグラフィー−計装を必要としない定量イムノアッセイ(Enzyme immunochromatography−a quantitative immunoassay requiring no instrumentation)」で説明されている。しかし、Syva社の製品は、酵素基質用容器を含めた数個の試薬容器を使用しており、そして、その方法は実行するのがかなりやっかいであった。かなりの需要があったにもかかわらず、この製品は、複雑でコストのかかる工業生産なので、ノルウェイにおけるSyva社の販売部門代表者により生産が中止された。
【0008】
EP第0250137 B1号は、更に広い濃度範囲(更に大きなダイナミック測定範囲とも呼ばれる)を測定するため、ストリップの異なるセクションに、単位面積当たりの量が異なる特異的結合分子を含有するストリップについて開示している。しかし、この特許保有者はそのようなストリップを市販したことがなく、そして、良好な精度を持ってそのような生産を実行するのは技術的及び工業的にやっかいである。もっと簡単なアプローチは、ManciniらによるImmunochemistry、2:235−254(1965年)の「アガロースゲルにおける放射免疫沈降法(radial immunoprecipitation techniques in agarose gel)」で紹介されているような放射分析法を利用することである。放射移動を利用すると、このフォーマットにおける移動長さは、その面積の平方根に比例することになるため、もっと有意に大きなダイナミック測定範囲を達成することができる。従って、半径が1cmから3cmに増大すると、面積は9倍大きくなり、それ故、更に大きな濃度測定範囲における適用が可能になろう。
【0009】
Ortho社及びSyva社のイムノクロマトグラフィーの分野で面積測定の原理が商業的にあまりうまく展開しなかった時期に、現代の妊娠検査により殆どの人々に知られている、薄層イムノクロマトグラフィーによる別の主要な原理も展開し、商業的に非常に成功裏の発展を納めた。それらの技術については、例えば、Rosenstein & Bloomsterの米国特許第4,855,240号及びMayらのEP第291 194号(1988年)を参照することができる。このテクノロジーの特徴は、付加された試薬を伴って、もしくは、付加された試薬を伴わずに、 検査サンプルが、ウェル内に、もしくは、水分吸収性の膜ストリップに付着されたフィルター片上に滴下され、これにより、その 検査サンプルは、多孔質膜内へ移動し、更に、多孔質膜に沿って移動する。この移動する液体は、前もって信号供給物質に化学的に結合されている乾燥した特異的結合分子を溶解し、そして、これらの結合分子(典型的には抗体)が、更に、 検査サンプルからの被分析物分子に結合する。この移動方式のストリップでは、更に進んで、更に幾つかの特異的結合分子が、典型的には移動方向に垂直な縞の形態において、もしくは、例えば十字パターン等のあるパターンにおいて、固定化されている。特異的結合分子を担持した被分析物分子(特異的結合分子は、更に、それらに付着された信号供給物質を有している)が、固定化された結合分子を含有する前記縞またはパターンを通過するときに、それらの信号供給物質が、これらの縞またはパターンにおいて濃縮される。陽性試験は、その与えられた縞またはパターンにおける色または蛍光として読み取られる。非常に多くの会社がそのような製品を製造し、市場に投入している。
【0010】
世界の三大診断用具メーカのうちの2社から始まって、今では、それらの製品リストから、この様式の定性薄層イムノクロマトグラフィーが広範に用いられていることが分かる。Bayer社(アメリカA)は、Clinitek hCG尿検査用具及びClinitek Microalbumin(ミクロアルブミン)尿検査用具を販売している。米国のAbbott Laboratories社は、Fact Plアメリカ Pregnancy Test(妊娠検査)、TestPack hCG Combo、TestPack Chlamydia(クラミジア)、TestPack Strep A、TestPack Rotavirアメリカ(ロタウイルス)、及び、TestPack RSVを販売している。もっと小さな会社ではあるが、更に専門的な会社のうちで、Nubenco Medical International社(アメリカA)を挙げることができ、この会社は、hCG、LH、Chagas(シャーガス)、Chlamydia(クラミジア)、Cholera(コレラ)、CK MB、Dengue(デング熱)、Myoglobin(ミオグロビン)、Strep A、Hepatitis B(B型肝炎)抗原、Tropnin I、糞便中のHemoglobin(ヘモグロビン)、並びに、Dengに対する抗体、Helicobacter Pylori(ヘリコバクター・ピロリ)、Hepatitis B(B型肝炎)抗体、単球増加症抗体、Treponoma Pallidum及びMycobacteria Tuberculosis(結核菌)に対する抗体用のこれらのタイプの検査用具を販売しており、更には、腫瘍マーカーであるAlpha Fetoprotein(α−フェトプロテイン)、Carcinoembryonal(癌胎児性)抗原、及びProstatospesific(前立腺特異)抗原を検出するためのこれらのタイプの試験用具も販売している。フィルター材料の専門的な生産者である米国のMillipore Incは、彼らのOEM部門から、いわゆるHiFlowアセンブリキットとして、これらのタイプの検査に対するフル・ハードウェア「アセンブリキット」を販売している。Pall Gelman plc(英国)は、そのような製品を製造するためのマニュアル、即ち、「イムノクマトグラフィーを利用した側方フローまたは試験ストリップの開発概念(Immunokmatographic,Lateral Flow or Test Strip Development Ideas)」という彼らのパンフレットさえ発行しており、その内容は彼らのインターネットサイトからダウンロードすることもできる。アメリカのAcon Laboratories Inc.は、大きな独自の生産ラインを有しており、これらのタイプの検査用具を特には中国市場に販売しているが、いわゆるOEMとして、相手先の商標の下での再販用にそれらの検査用具を他の会社にも納品している。
【0011】
また、これらの縞またはパターンの強度を測定するための装置も構築されているが、充分な精度で正確な結果をもたらす化学製品及び装置を設計するのは難しかった。これらの制限を克服するため、高度に洗練されたテクノロジー、即ち、典型的にはPolitoらによる米国特許第6136610号:「側方フローアッセイを実施するための方法及び装置(Method and apparatアメリカ for performing a lateral flow assay)」が開発されている。この方法を定量的にするためにはもっと複雑で高等な方法及び装置が必要なことは米国特許第6136610号から明らかであり、工業的に再現性のある精度及び正確さを達成するのは非常にやっかいでコストが嵩み、実際、これまで、商業的な状況において実現されていない。
【0012】
Roche Diagnostics社は 、様々なこのクロマトグラフィー原理を展開しており、そこでは、信号供給物質が進行する検査セクションにおける呈色の強度が、尿中のアルブミンを決定するための半定量的な測度として使用されている。Diabetes care、vol.20、11号、pp.1642−1646がこの技術について開示している。
【0013】
Erich Cernyによる米国特許第5958790号は、特異的結合分子、続いて、金コロイド等の付着された信号供給物質を伴う結合分子を用いた、フィルターを通じるサンプルアリコートの垂直フローに基づく垂直フィルターイムノアッセイ法を開示している。この方法は、定量的な実施形態においては、反射率計を用いて光反射の強度を読み取ることにより商業的に利用され、そして、この方法は、種々の試薬の正確なピペッティングが必要である。容量が校正された複数のピペットと1台の反射率計を用いれば、この方法は、良好な精度で定量分析を行うことができる。
【0014】
Hajizadeh及びWiljesuriyaは、米国特許第6180417号及びEP第1 046 913 A2号において、クロマトグラフィーストリップの吸収性材料と直接的に接触している非多孔質の受容ユニットを有するイムノクロマトグラフィーストリップについて開示している。これらのタイプの工業的な製品の製造を制限してきた産業上の問題をBayer社が解決できるかどうかは、今後の様子を見てみなければ分からないが、Bayer社が定性分析用製品との関係でのみ彼らの装置の適用について記述しているのは注目に値する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これまでに説明してきた側方または垂直方向のイムノクロマトグラフィーを用いる方法では、機器を用いることなく定量分析を果たすことが不可能であるので、それでは何故、Ortho社または後のJohnson & Johnson社、あるいは、Syva社または後のDade Behring社は、更に、試薬を滴下使用するためのそのようなウェルまたは付着フィルター片を用いた商業的定量分析用製品に対して、EP第0250137 B1号及びアメリカ第4435504号に記載されている彼らの側方薄層クロマトグラフィーを利用した方法を開発しなかったのであろうか?本発明者及び多くの同業者は、EP第0250137 B1号の原理による規則正しく且つ再現性のある移動パターン及び面積をもたらすウェルまたは付着フィルター片を構築しようと試みてきたが、成功することはなかった。辺縁効果及び接触効果が、工業的規模での再現性のある解決策の創出を不可能に為してきた。様々なライニング、o−リング、及び、種々の異なるタイプの膠または接着剤を試してきたが、うまくいかなかった。従って、信号供給物質が、再現性よく移動し、且つ、大きなダイナミック濃度測定範囲で、 検査サンプル中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するために直接的に適用できるような大きさのパターンまたは面積をもたらす、専門的な実習を積んでいない人が実行するのに適した、工業的に再現性のある分析方法に対するニーズが尚も存在する。
【0016】
従って、本発明の目的は、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための方法、その方法を実行するための装置、特定の分析を実行するためのその方法の使用、及び、その方法を実行するためのキットを提供することである。これらの目的は、添付の特許請求項により特徴付けられる本発明により達成された。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法に関するものであり、ここで、1種類または複数の被分析物を含有するサンプルは、容器に収容されている試薬と混合され、また、ここで、その試薬は1種類または複数の信号供給物質を含んでおり、このようにしてもたらされた混合物は、続いて、流体伝達装置への容器のカップリング後に、その流体伝達装置に含まれている流体伝達材料によって吸収され、そして、同時的に、もしくは、その後に、その流体伝達装置は、前記1種類または複数の被分析物に対して特異的な結合能力を有する固定化された試薬、あるいは、固定化された被分析物分子、または、それの類似体、誘導体、もしくはフラグメントを含む流体受容材料を包含した流体受容装置との接触がもたらされ、ここで、前記混合物は、前記のもう一方の流体受容装置に包含された多孔質の流体受容材料において運び出されて、あるパターンを創出し、ここで、そのパターン、またはそのパターンの面積、あるいは、それらのパターンエレメントの面積が、前記試料中における1種類または複数の被分析物濃度の測度として利用される。
【0018】
より特定的には、本発明は、 検査サンプル中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法に関するものであり、ここで、そのサンプルは、容器内の液体試薬等の、信号供給物質を含有する試薬と混合され、
流体伝達材料を包含する流体伝達装置が前記容器内に導入され、従って、前記流体伝達材料は、その容器内における前記混合物と接触することとなり、
本化学的分析方法を実行する過程において、前記流体伝達装置に包含されている前記流体伝達材料は、一方では、試薬と 検査サンプルからなる前記混合物との接触、及び、他方では、別の流体受容装置に包含された多孔質の流体受容材料との接触が同時的にもたらされ、ここで、前記流体伝達装置に包含された前記流体伝達材料は、前記流体受容装置に包含された多孔質の流体受容材料と常に接触した状態で取り付けられているのではなく、本方法を実行する際の一部としてそのような接触がもたらされ、そして、ここで、前記のもう一方の流体受容装置に包含された前記多孔質の流体受容材料は、前記1種類または複数の被分析物に対して特異的な結合親和力を有する固定化された試薬を含んでいるか、あるいは、前記の固定化された試薬が、固定化された被分析物分子、もしくは、被分析物分子の類似体、誘導体、またはフラグメントを含んでおり、ここで、前記混合物は、前記の流体伝達装置を通じて移送され、更に渡って、前記のもう一方の流体受容装置に包含された多孔質の流体受容材料で拡がり、ここで、前記流体受容装置に包含された前記多孔質の流体受容材料内における信号供給物質の分布を通じて現れるパターン、そのパターンの面積、及び/又はそれらのパターンエレメントの面積が、前記試料中における1種類または複数の被分析物濃度の測度として利用される。
【0019】
前記流体伝達装置に包含された前記流体伝達材料と、一方での、前記容器内の試薬と 検査サンプルとの混合物との接触、及び、他方での、前記もう一方の流体受容装置に包含された多孔質の流体受容材料との接触は、同時的に確立される接触、もしくは、最初に試薬と 検査サンプルの混合物との間で確立される接触、あるいは、最初に前記のもう一方の流体受容装置における多孔質の流体受容材料との間で確立される接触のうちのいずれかから構成することができる。
【0020】
本発明の特に好適な一つの実施形態は、前記容器が液漏れ防止タイプの容器であることにより特徴付けられ、また、流体伝達材料を包含する流体伝達装置が、前記の流体伝達材料と前記容器内における前記混合物との接触がもたらされるような方法で、液漏れ防止タイプのゲートを通じて前記容器内に導入されることにより更に特徴付けられる。
【0021】
本発明の更なる特徴は、流体伝達装置に包含された流体移送材料が、毛管力、陽圧(overpressure)、または陰圧(underpressure)を用いて流体を移送するのに適した多孔質の流体移送材料からなり得ることである。
【0022】
本発明の別の実施形態は、流体伝達装置に、流体受容装置と常に接触した状態で取り付けられているのではなく、本定量的な化学的分析方法を実施するプロセスの間に流体受容装置との接触がもたらされる非多孔質の尖端またはチューブ形の伝達用具を含むことにより特徴付けられる。
【0023】
本発明に関わる方法を更に特徴付ける内容は、試薬と検査サンプルとを混合するための前記容器が、前記流体伝達装置が前記混合物とそこで接触できるゲートを備えた密閉容器であってよいことであり;これは、もし都合がよい場合には、前記容器に壁部にV字型の切り込みを入れ、その壁部を薄くし、そして、伝達装置がきっちりと填る方法で導き通されたときにその壁部がへこむことにより果たすことができ、あるいは;もし都合がよい場合には、流体伝達ユニットと前記容器とを一緒にねじ込むことにより果たすことができ、もし都合がよい場合には、前記容器または伝達装置は、容器及び/又は流体伝達装置が保持されている空間的な位置に関わらず、前記混合物が前記の容器または流体伝達装置から漏れないような形状の小さなガス透過性の開口を有する。
【0024】
本発明を更に特徴付ける内容は、試薬と検査サンプルとを混合するための前記容器が、検査サンプルを導入するためのゲートを備え得ることであり、あるいは、 検査サンプルを含有する第三の装置が使用され、そして、望ましい場合には、前記の第三の装置が、それ以外の装置と一緒に接合されたときに、もしくは、それ以外の装置にねじ込まれたときに、前記容器の一部を構成することである。更に、前記の第三の装置は、前記容器の一部ではなく、そして、例えばガラス製の毛細管である。
【0025】
本発明を更に特徴付ける内容は、前記流体受容装置が、種々の被分析物または被分析物全体(for analytes or the analytes)に対して親和性を有する特異的結合分子、あるいは、全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子に対して親和性を有する特異的結合分子を、固定化された形態及び/又は乾燥させた形態、あるいは、粒子上または粒子内に分散させた形態、もしくは、多孔質の流体受容材料に均一または不均一(但し、前もって決定しておく)に分配した状態で前記流体受容装置の多孔質流体受容材料内に直接的に分散させた形態のいずれかで含有していることである。
【0026】
本発明を更に特徴付ける内容は、前記試薬が、付着された特異的結合分子を伴った状態で、もしくは、そのような特異的結合分子を伴わない状態で、あるいは、全被分析物分子の付着された類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子を伴った状態で、もしくは、それらを伴わない状態で、着色された粒子、コロイド、酵素、発蛍光団、または染料の形態で信号供給物質を含み得ることである。
【0027】
本発明を更に特徴付ける内容は、前記試薬が、検査サンプル中における細胞を溶解する化学薬品、及び/又は、酸性度またはイオン強度を調節する化学薬品、あるいは、あらゆる考えられる粒子を分散状態に保つ化学薬品を含み得ることである。
【0028】
更に、本発明を特徴付ける内容は、前記流体伝達装置が、赤血球または白血球等の細胞を抑止できる細孔径であって、但し、前記信号供給物質を通過させるのに充分な大きさの細孔径を有していることである。
【0029】
本発明を更に特徴付ける内容は、 検査サンプル中におけるヘモグロビンを信号供給物質として使用できることである。
【0030】
本発明を更に特徴付ける内容は、前記試薬と混合する前に、化学薬品を付加することにより 検査サンプルを前処理するか、あるいは、 検査サンプルを分離または抽出できることであり、もしくは、前記容器の内部で2種類または数種類の異なる試薬を一緒に混合することにより前記試薬を提供できることであり、あるいは、前記流体受容装置に現れるパターン、そのパターンの面積、及び/又はそれらのパターンエレメントの面積を引き出すため、または増強するため、あるいは明確にするため、流体受容装置内における多孔質の流体受容材料に付加的な化学薬品が加えられることである。
【0031】
本発明の一つの特徴は、前記流体受容装置に現れるパターン、またはそのパターンの面積、及び/又はそれらのパターンエレメントの面積を、吸収測定、反射測定、または蛍光測定のいずれかにより、可視光線、紫外線、赤外線、または近赤外線をベースとしたアナログ式あるいはデジタル式の機器を用いて描写、走査、または測定できることであり、また、これらの測定値に基づいて、 検査サンプル中における1種類または複数の被分析物濃度が決定されることである。
【0032】
本発明の一つの別の実施形態は、試薬と 検査サンプルとを混合するための容器として漏れ防止タイプの容器を使用することにより更に特徴付けられ、また、流体伝達装置が、流体受容装置内における多孔質の流体受容材料と常に接触した状態で取り付けられている多孔質の流体伝達材料を含んでいることにより更に特徴付けられる。
【0033】
また、本発明は、 検査サンプル中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定する方法を実施するための装置にも関係し、その装置は、前記 検査サンプルと試薬とを混合するための液漏れ防止タイプの容器、流体伝達材料を包含した流体伝達装置、及び、流体受容材料を包含した流体受容装置を含んでおり、それらの構成要素は、前記流体伝達装置が、液漏れ防止タイプの引き込み口を通じて前記容器の内容物と接触することができ、且つ、前記流体受容材料を包含した前記流体受容装置とも接触することができるように組み立てられる。
【0034】
更に、本発明は、毛管力、陽圧、または陰圧を利用して流体を移送するのに適した多孔質の流体移送材料からなる、流体伝達装置に包含された流体移送材料からなる装置にも関係している。
【0035】
また、本発明は、非多孔質の尖端またはチューブ形の伝達用具が、流体受容装置と常に接触した状態で取り付けられているのではなく、本定量的な化学的分析方法を実施するプロセスの間に流体受容装置との接触がもたらされるような状態で、流体伝達装置に含まれている装置にも関係している。
【0036】
本発明による装置の更なる実施形態では、前記漏れ防止タイプの容器は、前記流体伝達装置がそこを通じて 検査サンプルと試薬との前記混合物に接触できる引き込み口を有しており、好適には、前記の容器は、壁部にV字型の切り込みがあり、その壁部は、薄くなっていて、伝達装置がきっちりと填る方法で導き通されたときにその壁部がへこむようになっていて、あるいは、流体伝達ユニットと前記容器は一緒にねじ込まれ、好適には、前記容器または伝達用具に、流体伝達装置と共に前記容器が保持されている空間的な位置に関わらず、前記混合物が前記の容器または流体伝達装置から漏れないような形状の小さなガス透過性開口を有する。
【0037】
更に、本発明による装置は、試薬と 検査サンプルを混合するための前記容器が、例えばガラス製毛細管等のサンプル移送装置から 検査サンプルを導入するための引き込み口を備えていることを特徴とし、あるいは、サンプル移送装置が、その引き込み口の位置において前記容器と共に結合される蓋装置、あるいは、その引き込み口の位置において前記容器にねじ込みされる蓋装置等の、前記容器の一部を構成していることを特徴とするものである。
【0038】
本発明によれば、本装置は、前記流体受容装置が、種々の被分析物または被分析物全体に対して親和性を有する特異的結合分子、あるいは、全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子に対して親和性を有する特異的結合分子を、固定化された形態及び/又は乾燥させた形態、あるいは、粒子上または粒子内に分散させた形態、もしくは、多孔質の流体受容材料に均一または不均一(但し、前もって決定しておく)に分配した状態で前記流体受容装置の多孔質流体受容材料内に直接的に分散させた形態のいずれかで含有していることにより特徴付けられる。
【0039】
更に、本発明による装置は、前記容器に含有されている試薬が、付着された特異的結合分子を伴った状態で、もしくは、そのような特異的結合分子を伴わない状態で、あるいは、全被分析物分子の付着された類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子を伴った状態で、もしくは、それらを伴わない状態で、着色された粒子、コロイド、酵素、発蛍光団、または染料の形態における信号供給物質を含んでいることを特徴とするものである。
【0040】
更なる実施形態では、本発明による装置は、前記試薬が、 検査サンプル中における細胞を溶解する化学薬品、及び/又は、酸性度またはイオン強度を調節する化学薬品、あるいは、あらゆる考えられる粒子を分散状態に保つ化学薬品を含んでいることを特徴とするものである。
【0041】
尚も更なる実施形態では、本発明による装置は、前記流体伝達装置内における前記流体伝達材料が、赤血球または白血球等の細胞を抑止できる細孔径であって、但し、前記信号供給物質を通過させるのに充分な大きさの細孔径を有していることを特徴とするものである。
【0042】
更なる実施形態では、本発明による装置は、本装置が、組み込み式の毛細管(7)を伴うストッパー(6)、そのストッパーを取り巻くシーリングスリーブ(8)、液漏れ防止タイプの容器(9)、前記の容器(9)の底部における引き込み口を密封する可動式のボール(10)を含んでいて、ここで、ボール(10)は、芯またはフェルトチップガイド(12)に密封可能に取り付けられている弁座(11)に収容されており、また、ここで、芯またはフェルトチップ(13)は、密封可能で且つ移動可能に取り付けられており、更に、ここで、前記のフェルトチップ(13)が、取り外し可能なキャップ(14)により保護されていることを特徴とするものである。
【0043】
尚も更なる実施形態では、本発明による装置は、本装置が、更に、吸収、反射、または蛍光、もしくはそれらの組み合わせを測定するための、可視光線、紫外線、赤外線、または近赤外線、もしくはそれらの組み合わせをベースとしたアナログ式またはディジタル式の機器等の走査装置、データを処理するためのプロセッサー、表示媒体、及び、データを記憶するための媒体を含んでいることにより特徴付けられる。
【0044】
更なる実施形態では、本発明による装置は、本装置が、更に、可動式のホルダーを伴うラックを含んでおり、これにより、前記容器が、垂直方向の制御された動きのみが可能な前記流体受容装置の関係で統一された位置に固定されることにより特徴付けられる。
【0045】
本発明の更なる実施形態は、本方法の使用に関係し、そこでは、血液、痰、粘液、糞便、吐出物、及び組織等の生物学的試料中における1種類もしくは数種類の被分析物濃度が測定される。
【0046】
本発明による方法の更なる使用では、それらの被分析物は、自己抗体、抗体、腐生菌、細菌、他の感染性物質、ヘモグロビン、アルブミン、CRP、U−アルブミン、糖化アルブミン、糖化ヘモグロビン、フェリチン、ASAT、ALAT、LDH、ミオグロビン、トロポニン I、脂肪酸結合タンパク質、アミラーゼ、HCG、U−HCG、テオフィリン、及び抗生物質からなるグループから選択される。
【0047】
また、本発明は、本方法を実施するためのキットにも関係し、そのキットは、前記装置、 検査サンプルと混合するための試薬、場合によっては、 検査サンプルを前処理または分離するための付加的な試薬、あるいは、信号を明確にするために流体受容装置に混ぜるための付加的な試薬を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
次に、図面及び実施例を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
【0049】
本発明は、一つの単一液体試薬を用いて、 検査サンプルまたは 検査サンプル材料中における1種類または数種類の被分析物を定量するための方法及び装置を提供する。この試薬は、1種類または複数の信号供給物質を含んでおり、そして、サンプル− 検査サンプルのアリコートを用意−をその試薬15に混合して混合物をもたらすための容器2、9、流体伝達装置4、13、及び、伝達された流体を受容する多孔質材料17(即ち、流体受容材料)を包含した流体受容装置5、16と組み合わせて使用される。
【0050】
本発明によれば、複雑な 検査サンプル中における被分析物を定量するためのペンとしてみなされ得るような総合装置を作成することもできる。それの最も好適な実施形態における外観を見ると、それは、フェルトチップまたはファイバーチップ4、13あるいは尖端を伴うフェルトチップペン、または万年筆、もしくはカートリッジペンに似ており、これにより、容器からの流体は、伝達装置を通じて、例えば紙またはフィルター材料、例えばニトロセルロース、あるいは、同様な特性を有する更に進んで開発されたもっと現代的な材料でできた二次元マトリックス5、17上へ下側に導かれる。この装置は、更に、組み込み式の毛細管7を伴うストッパー1、6、及び、前記フェルトチップ4、13を保持するフェルトチップガイド3、12を含んでいる。
【0051】
本発明による定量分析(即ち、本発明の使用)のための適当な材料は、体液またはそれの抽出物、典型的には、尿、唾液、血清、血漿、溶血血液、抗凝固血液または全血、脳脊髄液、体液の抽出物またはフラクション、あるいは植物界から得られる流体または抽出物、もしくは、例えば廃液などの水溶液等の流体、または懸濁液、あるいは他の液体、もしくは凝集性状の懸濁された状態物である。本発明では、サンプル−サンプル材料のアリコートとして用意−は、容器内において試薬と混合される。そのアリコートは、例えば、 検査サンプルが毛細管の内部に存在するエアーを表面張力により追放する結果として満たされる予め定められた内部容量を有する小さな毛細管等のサンプル採取装置内へ吸い上げられた後、容器内へ導入される。この毛細管は、例えば直線形または螺旋形等、あらゆる適当な形態であってよく、あるいは、例えば前記容器内のストッパーとしても機能できる装置の内部にあってもよく、従って、前記装置は、 検査サンプルが試薬と混合されたとき、及び、混合後に、それが液漏れ防止手段になるような方法で容器を閉じることができる。この混合は、 検査サンプルが試薬内へ流出して混ざるように、例えば、手または機器を用いて容器を振ることによりもたらすことができる。
【0052】
試薬と 検査サンプルを混合するための液漏れ防止タイプの容器は好適な実施形態ではあるが、必ずしもそうでなくてもよい。この液漏れ防止タイプの実施形態における容器の利点は、望ましい書き方をもたらすときには種々の異なる位置で保持できることが好適であるはずのペンの場合と同様な方法で、液体混合物の漏出を伴うことなく、あらゆる可能な空間的位置でその容器を保持できることである。
【0053】
本発明の更なる特徴は、流体伝達装置が、好適には漏れ防止タイプのゲートを通じて、前記容器内へ導入されることである。この流体伝達装置は、一つの好適な実施形態では、一部もしくは全体が、フェルトチップペン、またはカートリッジペン、あるいは墨汁ペンの先端に類似した、もしくは、ペンの尖端または細い金属製チューブ等の、チューブ形材料、または芯、あるいはスプリット形装置の形態を為す他の様々な設計における、液体を吸収する多孔質材料からなっていてよい。従って、前記試薬容器と伝達装置は、万年筆または墨汁ペンと同様に設計することができ、そこでは、試薬/ 検査サンプル混合物は、尖端またはチューブ形伝達用具を介して、あるいは、好適には、水性液体を吸収する多孔質材料からなる伝達用具を介して移送されるが、但し、試薬が 検査サンプルのアリコートと混合された状態になるまで伝達装置と試薬との接触がもたらされるべきではないという点において、それらの非常に一般的なペンとは幾分異なっている。これは、例えば、前記容器に一つの壁部におけるV字型の切込みを入れ、このポイントにおけるその壁部を薄くし、そして、流体伝達装置がきっちりと填る方法で導き通されたときにその壁部がへこむことにより達成することができ、あるいは、流体伝達ユニットと前記容器とを一緒にねじ込むことによっても達成することができ、もしくは、流体伝達ユニットに前記容器内に圧入される中空の先端を設けることによっても達成することができる。
【0054】
液漏れ防止タイプの実施形態では、一般的に、流体伝達を抑制することとなる容器内の陰圧を回避するため、流体伝達装置を通じて容器から移動するときに、流体伝達を抑制することとなる容器内の陰圧を回避すべく空気を容器内に入れることが必要であろう。それ故、小さなガス透過性開口を有効に使用することができる。表面張力のため、流体が漏れ出さないような非常に小さな開口、もしくは狭い開口であって、但し、気体分子が入り込むのを許容するのに充分な大きさの開口を使用するのが有利である。
【0055】
本発明は、更に、流体伝達材料を包含した流体伝達装置を使用し、その流体伝達材料は、前記容器内に存在する前記の混合物との接触がもたらされるような方法で前記容器内に導入される。更に、前記流体伝達装置内における前記の流体伝達材料は、一方では、試薬と 検査サンプルからなる前記混合物との接触がもたらされ、他方では、それと同時的に行われるか、あるいは、流体受容材料と流体伝達材料との接触があとで行われるかのいずれかで、別の流体受容装置内における多孔質の流体受容材料との接触がもたらされる。本発明は、更に、前記流体伝達装置内における前記の流体伝達材料が、前記もう一方の流体受容装置内における多孔質の流体受容材料と常に接触した状態で取り付けられているのではなく、本方法を適用する過程の一部として、そのような接触がもたらされることにより特徴付けられる。
【0056】
本発明の特に好適な一つの実施形態は、前記流体伝達装置内における多孔質の流体伝達材料の使用により特徴付けられる。この多孔質の流体伝達材料は、前記容器内における試薬と 検査サンプルからなる混合物との接触、及び、別個の流体受容装置内における多孔質の流体受容材料との接触が同時的に起こる。従って、流体混合物は、伝達装置を通って、流体受容装置内における多孔質の流体受容材料へ移送されるであろう。流体受容装置内における多孔質の流体受容材料に恒久的に取り付けられていないか、あるいは、そのような流体受容材料と恒久的に接触していない流体伝達装置を用いることにより、前記流体受容装置に包含された多孔質材料における良好で規則正しい拡散パターンを伴って流体を伝達するための再現性のある方法のための工業的に生産可能な装置を達成することができる。従って、その流体は、流体受容装置内における多孔質の流体受容材料で均一且つ規則的に拡がるであろう。これが図1〜4に描かれている。
【0057】
図1aは、内蔵式の毛細管を伴うサンプル採取装置における血液サンプルの採取の様子を描いており、図1bは、本発明の特徴を為す試薬を既に含有している容器2内へ 検査サンプルを導入する様子を示しており、図1cは、試薬と 検査サンプルとの混合物が前記容器2から流体伝達装置を通って流体受容装置内5における多孔質の流体受容材料に伝達される様子と、流体受容装置に包含された前記多孔質流体受容材料における流体の拡散パターンを描いている。従って、流体受容装置に包含されたこの多孔質材料における信号供給物質の拡散の結果として表れるパターン、またはそのパターンの面積、あるいはそれらのパターンエレメントの面積は、EP第0250137 B1号に記載されているタイプの信号供給物質に限定されるものではないが、EP第0252137 B1号で説明されているのと同じ原理により、その 検査サンプル中における種々の被分析物または被分析物全体の濃度の測度として使用することができる。
【0058】
図2には、本装置の別の実施形態が示されており、前記装置は、例えば5μlの流体を保持する毛細管等の内蔵式の毛細管7を伴うストッパー6、シーリングスリーブ8、耐液容器9、前記容器9の底部における引き込み口を密封するボール10を含んでいて、ここで、前記ボールは、シーリング接続で芯またはフェルトチップガイド12を受け入れるべく形成された弁座11に収容されている。芯またはフェルトチップ13は、芯またはフェルトチップガイド12にシーリング及びスライディング接続されており、そして、その先端はキャップ14で保護されている。流体伝達材料でできている芯またはフェルトチップを除き、本装置のすべてのパーツは、例えばプラスチック等の適当な材料で製造されている。
【0059】
図3は、図2に描かれている実施形態での使用の様子を示している。図3Aは、例えば商業的に供給されているといった試薬15が充填された装置を描いている。流体伝達装置は試薬15と接触しておらず、そして、フェルトチップ13はキャップ14で保護されている。図3Bでは、毛細管7に、例えば血液等の 検査サンプルが充填されており、そして、図3Cでは、毛細管7の内容物を試薬15と接触させるため、ストッパー6が下向きに押し込まれている。図3Dでは、この装置を揺動または攪拌することにより、試薬15が 検査サンプルと混合されている。図3Eでは、流体伝達装置13がボール10に対して押し込まれており、その後、このボールは容器9内へ移動し、流体伝達装置と 検査サンプル及び試薬15からなる混合物との接触が確立される。
【0060】
図4は、例えばプラスチック等の適当な材料でできた円形トレー16からなる流体受容装置の一つの実施形態を描いており、ここには、流体受容材料17が配置されている。灰色の領域18は、多孔質材料17における信号供給物質の拡散の結果として現れるパターンを示している。
【0061】
特に好適なことは、流体受容装置における多孔質で均一な厚みの流体受容材料に、前記1種類または複数の被分析物に対して特異的な結合親和力を有する固定化試薬が均一に固定化された状態で拡散していることであり、あるいは、前記の固定化試薬が、固定化された被分析物分子、もしくは、被分析物分子の類似体、誘導体、またはフラグメントを含んでいることであり、その理由は、これが、 検査サンプル中における被分析物濃度と、信号供給物質が流体受容装置の多孔質流体受容材料に形成する拡散パターンの面積との間に直接的な比例関係をもたらすためである。
【0062】
前記方法で可能な限り最大のダイナミック測定範囲を得るため、流体受容装置内における前記多孔質流体受容材料は、好適には、円形を為していて、前記流体伝達装置は、前記の流体受容装置内における多孔質の流体受容材料の中心との接触がもたらされ、そして、信号供給物質により輪が形成されることとなろう。試薬と 検査サンプルの混合物のための容器が、流体伝達のための装置と共に、ペンのようなデザインを有している場合には、このペンの先端は、典型的には、流体受容装置内における多孔質流体受容材料の中心に置かれてよく、そして、信号供給物質により輪が形成されることとなり、シンプルな手段を用いてこれらの輪を測定することができる。
【0063】
前記試薬が、被分析物分子に対して親和性を有する固定化された特異的結合分子を含んでいる場合には、付着された信号供給物質を伴う前記の被分析物分子は、それらの固定化された結合分子によって捕獲されて、被分析物濃度に比例した面積を有する輪を形成し、そして、被分析物分子に結合されていない信号供給物質は、前記流体受容装置内における多孔質の流体受容材料の外縁まで移動するであろう。
【0064】
本発明のうち、いわゆる競争型の実施形態の場合には、全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子が信号供給物質に結合され、そして、これらが、前記流体受容装置に存在する特異的結合分子と結合するであろう。この競合型の実施形態の場合、同一温度であれば、小さな分子の動力学的運動は、大きな分子の場合よりもはるかに速い、という熱力学原理を利用することができる。信号供給物質に結合されていない 検査サンプルからの被分析物分子は、特異的結合分子と非常に急速に反応することができ、一方、付着された被分析物分子を伴って著しく粒子状化された信号供給物質は、自由な被分析物分子よりもはるかに遅く反応するであろう。従って、この実施形態の場合、粒子状化された信号供給物質は外側の輪を形成し、一方、 検査サンプルからの被分析物分子は、信号のない内側の輪を形成することとなり、好適には、内側の輪は、本試験における被分析物分子の濃度に比例した面積を有している。
【0065】
本発明の別の実施形態では、全抗原の固定化された類似体、誘導体、フラグメント、または全抗原が、前記流体受容装置内における多孔質の流体吸収性材料において使用される。抗原は、そのような抗原に対して親和性を有する特異抗体と反応する分子である。この実施形態では、 検査サンプル中に存在する特異抗体を測定することができる。そのような特異抗体は、特異抗原に対する親和性を有している。これは、特には、患者が自分自身の身体に存在する抗原に対する抗体を産生することにより特徴付けられるいわゆる自己免疫疾患のケースや、患者が感染性物質に対する抗体を産生する感染性疾患のケースで医学的に必要とされる。このとき、典型的には、信号供給物質に結合された競合抗体が使用され、そして、前記のこれらの抗体は、典型的には、動物または細胞培養において多クローン的または単クローン的に産生され;あるいは、細菌培養を含めた細胞培養において組換え技術を用いることにより産生され;もしくは、植物において産生される。また、このケースでは、抗体のフラグメント、類似体、または誘導体、もしくは、ファージ提示法を含め、組合せ化学ライブラリーまたは組合せ生化学ライブラリーで製造された競合分子も使用することができる。これらの技術及び疾患状況に関する更なる説明は、公に入手可能な医学的及び生化学的専門文献で見出すことができる。
【0066】
本発明の種々の異なる実施形態で、数多くの異なる抗体を用いてきた。一般的に、多クローン抗体は、それらが、抗原の存在下においてマイクロスフェアを凝集する能力を有しているため、好適ではなく、一方、殆どが抗原の唯一の決定基に結合する単クローン抗体を用いたときには、そのような凝集は滅多に起こらない。
【0067】
被分析物が単量体ではなく、同じ抗原決定基を持った幾つかのサブユニットを有している場合には、そのコーティングを施したマイクロスフェアと、その被分析物を単量体に分割する試薬とを組み合わせるのが有利であろう。例えば、C反応性タンパクは、カルシウムイオンと結合して、そのときにそれらの異なるサブユニットが分離されるDTPA及びEDTAのようなキレート試薬を用いることにより、単量体に分割することができる。それらのキレート試薬の濃度は、分析すべき血液試料中に存在するカルシウム及びマンガンイオンの濃度よりも高くなければならない。
【0068】
更に、抗原が同じエピトープの複製を2つ以上有している場合には、粒子凝集が誘起される可能性があり、そのときには、その抗原の複数の場所には存在しない一つのエピトープに対して反応性を有する別の抗体を選択すべきである。
【0069】
特に好適なことは、その抗原に対するもう一方の抗体の結合を干渉することなく、また、粒子の凝集をもたらすことなく、その抗原の異なるエピトープに結合することが試験済みの、対を為す単クローン抗体を使用することである。
【0070】
形成されるパターンのサイズを適合させるため、前記試薬に校正用の競合物質を加えることが有益であり得る。例えば、試薬に、 検査サンプル中の被分析物分子への結合に対して競合するような、付着された信号供給物質を伴わない、既知量の特異的結合分子を加えることが有益であり得る。また、存在する特異的結合分子と反応し、従って、形成されるパターンに影響を及ぼすような、全被分析物分子の既知量の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子を加えることも有益であり得る。
【0071】
本発明に関わる方法は、流体伝達装置を通じて流体受容装置へ至り、更に流体受容装置内へ移る水性溶液の移送に基づくものである。本発明は一つのタイプの移送力に限定されるものではないが、水性溶液が多孔質材料と接触したときに現れる毛管力は、本発明の特徴を為す方法を適用するのに特に有利な移送力を提供する。原理的には、吸引ポンプまたは圧力ポンプと接続して利用されることが多い気体の陽圧力または気体の陰圧力(真空)も使用できるが、これは、一般的に、実践的な観点から見て適切性に劣る。
【0072】
前記流体伝達装置内における流体伝達材料として機能させるため、典型的には、墨汁ペンの尖端、または、いわゆるフェルトチップペンで使用されているタイプの材料が使用される;これらに限定するのではなく、典型的にはフェルト、スポンジ(天然及び合成)が使用されるが、特に好適にはポリエチレン繊維(中実または中空繊維)、ポリエステル繊維(中実または中空繊維)、または他のプラスチックポリマ繊維(中実または中空繊維)が使用される。中空繊維を使用したときには特に有利な毛管効果が得られるが、中実繊維も、これらの設計態様においては繊維間に毛管スリットが得られるため、使用することができる。ある材料は接着剤で一緒に接着され、他のものは一緒に融着され、または一緒に圧着され、あるいは一緒に押し出され、または鋳造され、もしくは紡がれる。
【0073】
多孔質材料または流体受容材料として機能させるため、親水性材料と疎水性材料のどちらも使用することができる。親水性材料は良好な吸引特性を呈することが多く、一方、疎水性材料は、特異的結合分子の固定化に関する一層良好な特性を呈することが多い。
【0074】
液漏れ防止タイプの実施形態よりも好適性に劣る設計態様は、試薬と 検査サンプルとを混合するための容器として開放度の高い容器を使用する設計態様である。この実施形態においても流体伝達装置が使用されるが、この実施形態は漏れ防止タイプではないため、流体の伝達は、一般的に、重力に逆らう方向、即ち、その容器から上向きに流れるであろう。この実施形態の場合、最も典型的には、流体受容装置内における多孔質の流体受容材料と常に物理的な接触をしているのではなく、流体がこの材料と接触したときに現れる毛管力の結果として流体を吸い上げる多孔質の流体吸収性材料を包含した伝達装置が使用される。この伝達装置は、前記容器内における試薬と 検査サンプルとの混合物と、流体受容装置内における多孔質の流体受容材料との両者との接触がもたらされ、そして、流体受容材料との接触は、典型的には、その流体混合物が多孔質の流体受容材料内で半径方向外向きに移動するように、この流体受容装置の中心において行われる。
【0075】
従って、本発明は、一部では、形成されたパターンがそこで読み取られる多孔質の流体受容材料と固定的または恒久的に接触しているのではない、前記ような別個の流体伝達装置を用いることによりもたらされ、また、一部では、試薬と 検査サンプルのアリコートとを混合するために液漏れ防止タイプの容器を用いることによりもたらされる。このようにして、本発明の場合には被分析物分子を化学的に定量するための制御された定量的なパターンの面積を形成するためであるが、制御された筆記または描画を達成するためにペン及び筆記用具でこれまでに用いられていたのと同様な制御された流体伝達が得られる。好適には、これら2つのエレメントの組合せが本発明において用いられる。
【0076】
一つの好適性に劣る実施形態では、本発明に関する方法は、前記流体伝達装置と前記流体受容装置が、連続的な多孔質の流体吸収性材料を伴う一つの連続的な装置を構成していることと組み合わせて、漏れ防止タイプの容器が試薬と 検査サンプルを混合するために使用されることにより特徴付けられる。
【0077】
前記信号供給物質は、好適には、粒子状材料、典型的には金属コロイドまたは重合性状の粒子状材料、代替的には、ラテックスタイプの粒子状材料、あるいは、例えばカーボンブラック粒子(M.Lonneberg及びJ.Carlsson、J.Immun.Meth.、246:(2000)、25−36)等のカーボン粒子から構成される。そのような着色粒子は、文献において既知であると同時に、通常の専門家の間で非常によく知られており、そして、British Biocell社(英国)及びBangs Laboratories社(Indiana、アメリカA)等の供給業者から公に入手することができる。また、これらの会社は、抗原または抗体、あるいは、これらの他の結合分子または誘導体、もしくは、全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子で物理的または化学的にコーティングされたそのような粒子も出荷している。重合粒子は、あらゆるサイズ及び色のものが出荷されており、蛍光粒子も同様である。それらの粒子のサイズ及び色の強度は、使用する測定法で必要とされる感度及び能力、並びに、前記流体受容装置内における多孔質の流体受容材料の細孔径に適合させなければならない。更に、それらは、結果を読み取るための機器に適合させねばならず、また、視覚的に読み取る必要がある場合には、視覚的直接読取りに適合させなければならない。
【0078】
小さな粒子は、大きな粒子よりも速く反応し、そして、粒子の質量単位当たり比較的多くの結合分子と結合する能力を有しており、一方、大きめの粒子は、使用される結合分子の量に関して強めの呈色または蛍光をもたらす。
【0079】
また、信号供給物質は、結合分子に直接的に共役される蛍光染料からなっていてもよいが、この場合、通常は、読み取りに蛍光スキャナーが必要である。高濃度で存在する被分析物に対しては、結合分子に直接的に共役される染料を使用することができ、そして、血液サンプル自身からのヘモグロビン分子の利用は本発明の一つの特殊な実施形態であり、そのようなケースでは、ヘモグロビンと被分析物分子の両方に対して親和性を有するキメラ抗体を用いることが多い。更に、信号供給物質として酵素を使用することもできるが、このケースでは、通常、前記流体受容装置に、例えば着色剤として沈殿する基質等の酵素基質を含有する付加的な溶液を供給しなければならない。
【0080】
前記それらの結合分子は、単クローン抗体または多クローン抗体、あるいは、これらの抗原結合フラグメントまたは誘導体、代替的に、FAB、FAB2、またはFAB’2フラグメント、もしくは組合せ技術により製造された重合体;ファージディスプレーを含め、合成または生物学的なもの、例えばペプチド結合、または核酸アプタマー、あるいは例えばハプトグロビン、内因子、または葉酸結合タンパク質等の天然の特異的結合活性を有する分子等を含むことができる。特異的結合分子が、流体受容装置内と信号供給物質に結合させた状態との両方で使用される場合には、被分析物分子がそれらの特異的結合分子に同時的に結合できることを確認しておかなければならない。
【0081】
本発明の特徴を為す前記試薬は、更に、 検査サンプル中の細胞を溶解する化学薬品、pH及びイオン強度を調節し、あるいは、(もし存在する場合には)粒子を分散状態に保つ界面活性剤及び/又は緩衝物質等の化学薬品を有効に含むことができる。
【0082】
本発明の更なる特徴は、流体伝達装置内における前記流体伝達材料が、赤血球または白血球等の細胞を抑止できる細孔径であって、但し、前記信号供給物質を通過させるのに充分な大きさの細孔径を有していることである。
【0083】
本方法で分析される生物学的な 検査サンプルは、血液、痰、粘液、糞便、吐出物、及び組織を含むことができる。
【0084】
信号供給物質と被分析物分子との結合の強化、あるいは、被分析物分子と流体受容装置内における特異的結合物質との結合の強化が望ましい場合には、幾つかのタイプの結合分子を同時的に使用することができ、代替的に、被分析物分子の異なる部分に対して特異性を有する幾つかのタイプの結合分子を使用することもできる。
【0085】
本発明の特定の設計態様では、 検査サンプルを前記容器内に採取する前に、その 検査サンプルの希釈、溶血、抽出、変性、または分離を実施することが好都合であり得る。典型的には、非常に高濃度で存在する物質は、本発明に関わる方法の結合能力以上の負荷をかけないようにするため、希釈が必要になり得る。例えば葉酸またはビタミンB12等の他の被分析物は、被分析物の分子構造を露出させるため、煮沸等の変性が必要である。炭水化物の少ないトランスフェリンは、炭水化物の少ないトランスフェリンの定量が行えるようになる前に、他のイソトランスフェリンから分離しなければならないことが多く、そして、試水は、典型的には、分析する前に濃縮するか、フィルターで抽出しなければならない。
【0086】
試薬と 検査サンプルを混合するための前記容器内における試薬は、本発明のうちの好適性に劣る設計態様では、最も頻繁に試薬が溶液中で混ぜ合わされていると貯蔵期限が不足するために、2つの構成部分に分割することができる。これは、例えば、以下の方法に限定するものではないが、例えば試薬の一方の部分を容器内部のガラスの水薬瓶内に配置し、そして更に、前記の容器を軟質のプラスチックで作成しておき、その軟質のプラスチック製容器を圧縮することによって前記のガラスの水薬瓶が破壊され、これにより試薬が混合されるようにして、使用の直前にこれら2つの構成部分を混ぜ合わすことにより使用可能な状態にすることができる。この最後の行為は、 検査サンプルとの混合前または混合後に行うことができる。
【0087】
代替的に、分割された試薬のそれら2つの部分を、使用の直前に一緒につながれる2つの区画、あるいは、使用の直前に一緒にねじ込まれる2つの区画に保持することができ、もしくは、インクが万年筆に充填またはポンプで注入されるのと恐らく同じ方法で、部分的試薬のうちの一方または部分的試薬の両方を使用の直前に充填することにより、2つの区画に保持することができる。また、試薬が既製の試薬として供給される場合には、それを容器に充填することができ、あるいは、カートリッジを用いてインクをペン内にもたらすことができるような方法で、それをカートリッジの形態において容器内にもたらすことができる。別の態様は、詰め替え後にペンのような装置内に配置される詰め替え式のカートリッジを利用することであり、もしくは、試薬を含有する工業的に製造されたカートリッジを使用することもできる。
【0088】
流体受容装置の全体または一部を構成する多孔質の流体受容材料は、種々の異なる材料からなっていてよい。典型的には、その材料は、特に信号供給物質が粒子状の材料からなる場合には、比較的大きな細孔径を有するニトロセルロースから構成されるであろう。近年では、Pall Gelman社から入手可能な材料Predatorや、親水性及び疎水性の材料、並びに、ナイロン、セルロース、及び他の天然及び合成高分子の誘導体等、更に発達した材料が供給されている。そのような材料は、通常、英国のPall Gelman社、アメリカのMillipore社、ドイツのSchleier & Schull社、及び他の数多くの会社から入手することができる。しかし、特異的結合分子は、多孔質材料内において分散する粒子(疎水性であることが多い)上に固定化することもでき、そして、それらの特異的結合分子はそれらのサイズによって固定化され、即ち、多孔質材料内においてそれらの特異的結合分子が液体の流れに沿って引っ張られることはない。
【0089】
本発明による方法は、更に、読み取りを視覚的に行うことができ、あるいは、吸収測定、反射測定、または蛍光測定のいずれかにより、前記流体受容装置に現れるパターン、またはそのパターンの面積、及び/又はそれらのパターンエレメントの面積を可視光線、紫外線、赤外線、または近赤外線をベースとしたアナログ式またはデジタル式の機器を用いて描写、走査、または測定することにより機器により行うことができ、そして、これらの測定に基づいて、 検査サンプル中における1種類または複数の被分析物濃度が決定されるという事実により特徴付けられる。読み取りが機器により行われる場合または視覚的に行われる場合のいずれであっても、その読み取りは、流体受容装置に設けられた目盛表示器により、代替的には、流体受容装置の上層にある透明な材料に設けられた目盛表示器により補助されてよい。
【0090】
本発明による方法は、とりわけ、i.a.の濃度の分析に適している:
抗カルジオリピン抗体等の自己抗体、
関節炎に関係する抗原に対する抗体、
HIV、風疹及び他のウイルス、並びに、トキソプラズマ症、腐生菌、細菌、及び他の感染性物質に対する抗体、
ヘモグロビン、
アルブミン、
CRP、
U−アルブミン、
糖化アルブミン、
糖化ヘモグロビン、
フェリチン、
ASAT、
ALAT、
LDH、
ミオグロビン、
トロポニン I、
脂肪酸結合タンパク質、
アミラーゼ、
HCG、
U−HCG、
それらに加えて、テオフィリン及び種々の異なる抗生物質等の非常に多くの医療用物質、並びに、非常に多くの他の被分析物。
【0091】
本発明は、更に、本方法を適用するのに必要な装置及び試薬、並びに、本発明に関わる方法を実施するためのキットを提供する。本発明に関わる装置は:
本発明に関わる方法を適用するための試薬、
検査サンプルのアリコートを用意して、その 検査サンプルと前記試薬との接触をもたらすための装置、
検査サンプルと試薬を混合するための容器であって、好適には液漏れ防止タイプの容器であり、望ましい場合には、 検査サンプルと試薬との接触をもたらすための前記装置を用いて一部が形成されている容器、
多孔質または非多孔質の材料からなり、好適には、前記容器内における試薬と 検査サンプルとからなる前記混合物と液漏れ防止タイプの接触を為すための流体伝達材料を包含した流体伝達装置、
多孔質の流体受容材料を包含した流体受容装置であって、ここで、前記のもう一方の流体受容装置内における前記の多孔質流体受容材料は、前記1種類または複数の被分析物に対して特異的な結合親和力を有する試薬を含んでおり、あるいは、前記の試薬が、固定化された被分析物分子、もしくは、被分析物分子の類似体、誘導体、またはフラグメントを含んでおり;好適には、前記の試薬が固定化された形態を為している流体受容装置、
及び、望ましい場合には、前処理、または 検査サンプルの分離、あるいは信号を明確化するために行われる流体受容装置内への混ぜ合わせのための別個の付加的な試薬、
を含む。
【0092】
本発明による方法が実行される好適な様式が、実施例12、13、14、及び17で説明されている。
【0093】
以下の実施例は、本発明の好適な実施形態を例証するために提示されているのであり、決して本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0094】
単クローン抗−ヒトミオグロビン抗体でコーティングされたブルーラテックス粒子
60mgのEstaporブルーカルボキシル化ミクロスフェアPSI 90−21(バッチ766、直径0.117μm;±0.017μm;COOH=164μeq/グラム)を水に対して洗浄及び透析し、2mlの水に懸濁させる。Medix Biochemica Oy(フィンランド)から入手可能な5mgの単クローン抗ヒトミオグロビン抗体、クローン7005を、3mlの10mMリン酸塩、15mM NaCl緩衝液(pH=7.2)中において透析する。前記ミクロスフェア懸濁液を、10mlの10mMリン酸塩、15mM塩化ナトリウム緩衝液(pH=7.2)と混合する。Sigma Corp.(アメリカ)から入手可能な2mgの1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを、2mlの冷却された0.25mlの10mMリン酸塩、15mM NaCl緩衝液(pH=6.0)中に溶解する。強制的な混合下において、300μlの1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド溶液を前記緩衝されたミクロスフェア懸濁液と混合する。その後、直ちに、強制的な混合下において、5mgの単クローン抗体の5ml溶液を混ぜ合わせる。
【0095】
前記懸濁液を夜通し攪拌し続けた後、攪拌下において、5mlの0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液を0.5%の正常マウス血清と共に混ぜ合わせる。それらのミクロスフェアを、0.5%の正常マウス血清を伴う0.05Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液中における40000gでの20分間の遠心分離により3回洗浄し、そして、0.5%の正常マウス血清を伴う0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液中に再懸濁させ、所望の2w/v%のミクロスフェア濃度にする。軽く超音波処理を施し、それらのミクロスフェアを分散させる。
【0096】
それらの種々の異なる試薬の濃度は、(1)ミクロスフェアのカルボキシル化の程度、(2)ミクロスフェアの表面において望まれる抗体の濃度、及び(3)共役の程度に依存して、幾分かの調節が必要になり得る。
【0097】
容量を増やすと、もっと高濃度の1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが必要になることが多く、実際、Merck社は、彼らのテクニカルノート「NH2またはCOOH粒子へのB4カップリング(B4 coupling on NH2 or COOH particles)」(Estapor Particle(Estapor粒子)テクニカルノート2000)において、本発明者の経験によればかなりの過剰共役及びミクロスフェアの二量体化をもたらすような、もっと高濃度の1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを推奨している。しかし、そのような過剰共役は、ミクロスフェアをもっと大きな容量で懸濁させる(これは、順に、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドのもっと多量の消費をもたらす)ことにより補償され得る。Bangs Laboratories Inc.(アメリカ)等の、官能基化された着色ミクロスフェアを供給している他の会社は、この目的で使用することができる彼ら自身の手順を有している。
【0098】
測定すべき被分析物濃度に依存して、重量単位当たり高い結合能力を有するもっと小さな粒子が好適であり得、もしくは、他の状況では、低めの結合能力を有するもっと大きなミクロスフェアが好適であり得る。しかし、そのサイズは、流体受容装置における自由な移動を得るため、流体受容装置の細孔径よりも極めて小さくなければならない。
【0099】
抗体でコーティングする効果は、使用する抗体のpIに依存する。良好な経験に基づく方法は、使用する単クローン抗体のpIよりも0.5ないし0.8pH単位だけ高いpHの緩衝液を使用することであるが、これは絶対的な制限ではない。
【0100】
本発明の異なる実施形態の場合、ミクロスフェアの表面において異なる量の抗体が必要になる。これは、共役中の抗体及びミクロスフェアの濃度を調節することにより、ある程度まで果たすことができる。更に、単クローン抗体は、共役中に、非特異的な抗体で、もしくは、他のタンパク質においてさえ、希釈することができる。例えば、卵白アルブミンまたはウシガンマグロブリンをそのような希釈で使用することができる。しかし、表面のガンマグロブリンまたは抗体が多すぎると、ミクロスフェアがねばねばになって、流体受容装置内で効果的に移動できなくなる可能性がある、という事実に注意を払わなければならない(以下を参照のこと)。
【0101】
たくさんの抗体−共役ミクロスフェアを使用に供する前に、それらのミクロスフェアが流体受容装置内で自由に移動し、流体受容装置に固定化されている抗原に結合するのをチェックすること。
【実施例2】
【0102】
テオフィリン類似体抗原でコーティングされたブルーラテックス
Chemical Pathology and Pharmacology(Vo.13、頁497−505、1976年)のResearch CommunicationsにおけるC.E.Cookらによる方法に従って、8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチンとウシ血清アルブミンとの間で共役を作成する。その際、ゆるやかな共役を用いるべきである。共役の程度は、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチンを含む反応物の濃度を調節することにより制御することができ、そして、従来技術において広く知られた分光法によりその共役の程度をモニタリングすることができる。そうすることにより、ウシ血清アルブミン1モル当たり3モルの8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチンの共役度が得られた。代替的に、最適性には劣るが、Immune System Limited(英国)から入手可能な製品Theohpylline(テオーピリン)−8−ウシ血清アルブミンを使用することもできる。
【0103】
実施例1で説明されている方法を用いて、Chemicon Inc.(カリフォルニア)から入手可能な抗−ウシアルブミン単クローン抗体にEstaporブルーカルボキシル化ミクロスフェアPSI 90−21を共役する。0.1mg/mlの共役濃度及び1ml当たり2mgの粒子の濃度において、8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチンとウシ血清アルブミンとの共役を、実施例4で説明されているアッセイ溶液に溶解する。その懸濁液を10分間放置した後、30,000gでの遠心分離により、0.25%v/vのマウス正常血清を伴うアッセイ溶液中において3回洗浄し、その後、穏やかな超音波処理により、アッセイ緩衝液中に懸濁させる。
【0104】
更に一層良好な代替的手段は、実施例1で説明されているカップリング方法を用いて、8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン・ウシ血清アルブミン共役をブルーラテックスに直接的に結合する方法である。しかし、ウシ血清アルブミン中においてすべてのアミン基がブロックされるのではなく、また、そのウシ血清アルブミンの等電点が下がりすぎず、従って、カップリング効率が乏しくなるのを防止できることを確実化するためには、前もって、ウシ血清アルブミンへの8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチンの共役度を低くしておくことが必要である。
【0105】
たくさんのタンパク質被覆ミクロスフェアを使用に供する前に、それらのミクロスフェアが流体受容装置内で自由に移動し、流体受容装置の多孔質材料に固定化されている抗原に結合するのをチェックすべきである(実施例8を参照のこと)。
【実施例3】
【0106】
ストレプトアビジンでコーティングされ、且つ、単クローン抗体または多クローン抗体でビオチン化されたブルーラテックス
15mMのNaCl及び3.5容量%の粒子を伴う10mMのリン酸塩緩衝液(pH=6.0)を含めるべく、Merck Eurolab社から入手可能(製品番号K1010、平均直径185nm)なEstaporブルーカルボキシル化ラテックスミクロスフェアの懸濁液を洗浄及び透析する。5mgのストレプトアビジン(Sigma社)を同じ緩衝液に対して透析する。
【0107】
2mgの1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを、15mMのNaClを伴う冷却された0.25mlの前記10mMリン酸塩緩衝液(pH=6.0)中に溶解し、直ちに、混合下において、40μlないし1.5mlの前記粒子懸濁液を加え、その後、付加的に2mgのストレプトアビジンを含む6mlの前記緩衝液を混ぜ合わせる。その懸濁液を室温で2時間攪拌した後、その懸濁液を夜通し攪拌し続ける。その後、攪拌下において、0.5%の正常マウス血清を伴う5mlの0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液を混ぜ合わせる。
【0108】
これらのミクロスフェアを、0.5%の正常マウス血清を伴う0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液中において40,000gで20分間遠心分離することにより3回洗浄し、そして、それらのミクロスフェアを、0.5%の正常マウス血清を伴う0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液中に再懸濁させ、所望のミクロスフェア濃度にする。その際、軽く超音波処理して、それらのミクロスフェアを分散させる。
【0109】
それらの種々の異なる試薬の濃度は、(1)ミクロスフェアのカルボキシル化の程度、(2)ミクロスフェアの表面において望まれる抗体の濃度、及び(3)接合の程度に依存して、幾分かの調節が必要になり得る。
【0110】
容量を増やすと、もっと高濃度の1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが必要になることが多い。実際、Merck社は、彼らのテクニカルノート「NH2またはCOOH粒子へのB4カップリング(B4 coupling on NH2 or COOH particles)」(Estapor Particle(Estapor粒子)テクニカルノート2000)において、もっと高濃度の1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを推奨している。本発明者の経験によれば、これは、かなりの過剰共役及びミクロスフェアの二量体化をもたらしかねないが、ミクロスフェアをもっと大きな容量で懸濁させることにより補償され得る。ミクロスフェアをもっと大きな容量で懸濁させることは、順に、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドのもっと多量の消費をもたらし得る。Bangs Laboratories Inc.(アメリカ)等の、官能基化された着色ミクロスフェアを供給している他の会社は、そのような目的で使用することができる彼ら自身の手順を有している。
【0111】
測定すべき被分析物濃度に依存して、重量単位当たり高い結合能力を有するもっと小さな粒子が好適であり得、もしくは、他の状況では、低めの結合能力を有するもっと大きなミクロスフェアが好適であり得る。しかし、そのサイズは、流体受容装置における自由な移動を得るため、流体受容装置の細孔径よりも極めて小さくなければならない。
【0112】
アビジンはアビジンよりも親水性が低いので、アビジンはストレプトアビジンよりも好適であることが多い。共役は非常に似通っている;しかし、アビジンはストレプトアビジンよりもはるかに高いPIを有しているので、もっと高いpHが選択される。このとき、カップリング緩衝液として0.1Mのホウ酸塩緩衝液(pH=9.0)を使用することができるが、そのときには、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが非常に急速に加水分解され、そして、しばしば、幾分もっと良好な冷却及びもっと高い濃度が必要になるであろう。
【0113】
更に、所望の抗体をビオチン化するため、1mlの溶液中における5mgの単クローン抗体を、0.15M塩化ナトリウム、0.1Mリン酸塩緩衝液(pH=7.2)に対して透析する。
【0114】
Pierce Chemical Companyから入手可能な2mgのスルホスクシンイミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエートを、10mlの冷たい蒸留水(2〜8℃)中に溶解し、そして、結果として生じたスルホ−NHS−ビオチン溶液のうちの100μlを、ボルテックス混合しながら、1mlの抗体溶液に加える。その試験管を冷蔵庫に2時間入れる。溶離液としてpH=7.2の0.1Mリン酸塩、0.15M塩化ナトリウムを用いる30cmのSuperose 6カラム(Amersharm Pharmacia Biotech社、英国)でのサイズ排除クロマトグラフィーにより、カップリングされたビオチンを伴う抗体を遊離ビオチンから分離する。UVモニタリング装置を用いて、遊離ビオチンフラクションの前に溶出されるタンパク質フラクションを収集する。代替的に、例えばPierce Chemical Companyから入手可能なカセットSlide−A−lyzer等の、7000ダルトン排除サイズを有する透析膜を用いて、同じ緩衝液に対して透析する。
【0115】
抗体へのビオチンの取込みは、Biochem J.94、23c−24c(1965年)でN.M.Greenが教示している方法を用いることによりモニタリングすることができる。前記手順は、抗体1モル当たり0.2モルのビオチンをもたらした。
【0116】
使用する抗体は、マウス、ヒツジ、雌鳥の卵、ヒツジ、ヤギ、ヒト由来のものや、あるいは、別の種からのものであってよく、また、単クローンまたは多クローン由来のものであってよい。多クローン抗体は、抗原が存在していると凝集する傾向を有しているので、殆どの場合には単クローン抗体が好適であるが、濃度を調節すれば、多クローン抗体も使用することができる。抗体の免疫活性フラグメントも使用することができ、従って、所望の結合特異性を有するペプチド、アプタマー、及び他の結合性物質も使用できるが、そのときには、ビオチン化化学反応を変えなければならない。一つの抗体分子における1より多くのビオチン部分は、抗原が存在していないときでさえ、ミクロスフェアを凝集させるので、1抗体分子当たりのビオチン部分の数は、平均が実質的に1未満でなければならない。更に、もっと小さい分数の活性抗体が所望の場合には、ビオチン化の前に、それらの特異抗体を非特異的な抗体で希釈することができ、もしくは、他のタンパク質においてさえ希釈することができる(但し、そのときには、ビオチン化の程度の計算はもっと難しくなる)。
【0117】
特異抗体が付着されたミクロスフェアを得るため、それらのビオチン化された抗体を、アビジンまたはストレプトアビジンがコーティングされたミクロスフェアに混合する。それらのミクロスフェアに結合される抗体の量は、ビオチン化抗体をどれだけ加えるかによって調節することができる。過剰量のビオチン化抗体を加えることにより、Biochem J.94、23c−24c(1965年)においてN.M.Greenが教示している方法を用いて、ミクロスフェアに結合されずに溶液中で遊離しているビオチン化抗体を(遠心分離による分離後)測定することができる。
【0118】
その後、それらのミクロスフェアを、0.5%の正常マウス血清を伴う0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液中における40000gでの20分間の遠心分離により3回洗浄し、そして、0.5%の正常マウス血清を伴う0.02Mグリシン、0.01Mリン酸塩、0.3M NaCl、0.1%Tween20(Sigma社から入手可能)緩衝液中に再懸濁させ、所望のミクロスフェア濃度にする。軽く超音波処理を施し、それらのミクロスフェアを分散させる。
【0119】
ストレプトアビジンまたはアビジンのコーティングは、幾分かの二重ビオチン化抗体の存在が粒子の凝集を引き起こす可能性があるため、ミクロスフェアへの直接的な抗体結合よりも好適性に劣る。
【0120】
たくさんのミクロスフェアを使用に供する前に、それらのミクロスフェアが流体受容装置内で自由に移動し、流体受容装置に固定化されている抗原に結合するのをチェックすべきである。
【実施例4】
【0121】
抗−ヒトアルブミン抗体でコーティングされた金コロイド
蒸留水中における10mlの1%塩化金を、1lの沸騰している蒸留水、10mlの34mMクエン酸ナトリウムと20分間混合し、pHをpH=4.2に調節する。すると、コロイド状の金が形成される。その懸濁液を室温にまで冷却する。1mlの1%PEG20.000を加えて混合し、pHをpH=7.2に調節する。それらの金コロイド粒子のサイズを、例えば540nmと600nmにおける光学密度比の測定等による通常の技術を用いて測定する。その方法は、30nmから50nmまでの範囲の平均粒径を得るべく調節されてよい。使用するガラス容器はシリコン処理しておかなければならない。それらの金コロイド粒子を、Eur.J.Cell.Biol.38:87−93(1985年)においてSlot及びGeuzeが説明している方法を用いて、その同じ方法による飽和点まで、Medix Biochemical OY(フィンランド)から入手可能な単クローン抗ヒトアルブミン抗体、クローン6501で標識する。次いで、そのように限定するものではないが、典型的には、それらの標識された金コロイドを、0.3Mマンニトール、0.05%PEG20000を含むpH=7.4の10mMのHEPES緩衝液中に、10μg/mlのタンパク質濃度で懸濁させる。
【0122】
前記抗アルブミン抗体の代わりに他の抗体を使用することもできるが、手順の僅かな変更が必要になり得る。
【0123】
コーティングされたコロイド粒子の調製を実行に移す前に、それらのコロイドが流体受容装置内で自由に移動し、流体受容装置に固定化されている抗原に結合するのをチェックすべきである。
【実施例5】
【0124】
発蛍光性シアニン−5−テオフィリン接合体
Chemical Pathology and Pharmacology、vol.13、p.497−505(1976年)のResearch Communications及びClinical Chemistry、vol.27、頁22−226(1981年)に記載されているようにして、8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン無水物を合成する。ジアミノプロパノールを無水テトラヒドロフラン中に溶解する。別のフラスコにおいて、等M量の前記8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン無水物の半分を無水テトラヒドロフラン中に溶解する。前記8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン無水物溶液を、ジアミノプロパノール溶液に一滴ずつ攪拌しながら加え、結果として得られた溶液を室温で夜通し反応させる。随意的に、活性化シアニン染料の消費をもっと少なくしたい場合には、結果として得られたその付加物を、当業者に広く知られた通常の技術を用いて、HPLCクロマトグラフィーで精製する(以下を参照のこと)。
【0125】
その後、ジアミノプロパノールに対して使用したM量の6倍の、Amersham Pharmacia Biotech社(英国)から入手可能なCy5 Fluorolink活性化シアニン染料を無水テトラヒドロフラン中に溶解し、それを、前記の溶液に攪拌しながら加える。結果として得られた混合物を暗所において室温で夜通し反応させる。このようにして、水溶性のジアミノプロパノール・スペーサーと共にCy5 Fluorolink活性化シアニン染料を伴う非精製8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン付加物が得られる。結果として得られた、水溶性のジアミノプロパノール・スペーサーと共にCy5 Fluorolink活性化シアニン染料を伴う8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン付加物を、1:1:1の混合液においてn−ブタノール:酢酸:水を用いる(但し、この溶離混合液におけるn−ブタノール、酢酸、及び水の体積は、良好な分離を得るべく、シリカゲルプレートの質に応じて調節される)シリカゲルでの薄層クロマトグラフィーにより精製する。通常の技術による溶離後、そのシリカゲルプレートを乾燥させて、視覚的に、及び、UVランプにより(また、場合によっては、並行実験でニンヒドリン・スプレーを用いて)検査し、Cy5 Fluorolinkスポットを伴う8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン付加物のスポットを同定する。Cy5 Fluorolinkを伴う8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン付加物部分のシリカゲルをハサミまたはスパチュラで単離する。この単離されたシリカゲルを、50%v/vの酢酸中に懸濁させ、これにより、Cy5 Fluorolinkを伴う8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン付加物が、その溶液中に溶出される。シリカゲルは、試験管の底に沈降する。Cy5 Fluorolinkを伴う精製8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン付加物と共に酢酸溶液をデカンテーションにより取り出し、低い大気圧下における蒸発によって酢酸を除去する。代替的に、及び、スケール・アップする場合には、薄層クロマトグラフィーの代わりに、当業者に広く知られた通常のHPLC分離技術を使用することもできる。
【実施例6】
【0126】
アッセイ溶液
アッセイ緩衝液の一つの例は、0.1Mの水性リン酸塩緩衝液を作成し、0.3Mの濃度まで塩化ナトリウムを加え、更に、0.1%の最終濃度まで界面活性剤Triton X−100(Sigma社(アメリカ)から入手可能)を加え、そして、通常の方法で塩酸または水酸化ナトリウムを用いて、そのpHをpH=7.4に調節する。次いで、実施例1から3までのいずれかによる信号形成粒子が加えられ、これは、そのように限定するものではないが、典型的には、0.01から1.0%v/wまでのラテックス粒子、もしくは、そのコロイドに溶液1ml当たり1〜25μgの濃度で免疫グロブリンが標識されたコロイド状の金である。使用する抗体がそれから誘導される種のうちの一つから得た0.25%の正常血清がその溶液に加えられる。実施例8で説明されている如く、アッセイを妨害しない限り、マウス血清の代わりに0.1%w/vのウシガンマグロブリンを使用することができる。
【実施例7】
【0127】
信号供給物質のための容器、及び、その容器に導入される液体伝達材料を包含した液体伝達装置
図2に描かれているように、本装置の一つの実施形態は、例えば5μlの流体を保持する毛細管等の内蔵式の毛細管7を伴うストッパー6、シーリングスリーブ8、耐液容器9、その容器9の底部における引き込み口を密封するボール10を含んでいて、ここで、そのボールは、シーリング接続で芯またはフェルトチップガイド12を受け入れるべく形成された弁座11に収容されている。芯またはフェルトチップ13は、芯またはフェルトチップガイド12にシーリング及びスライディング接続されており、そして、その先端はキャップ14で保護されている。流体伝達材料でできている芯またはフェルトチップを除き、本装置のすべてのパーツは、例えばプラスチック等の適当な材料で製造されている。容器9は、図3に描かれているように、試薬15が充填されている。ヘパリン化された、もしくは、ヘパリン化されていない、例えば血液等の生物学的流体のサンプルが毛細管7(この実施形態では5μlを保持するが、それ以外の容量を保持すべく構成されていてよい)に充填され、ストッパー6が容器9内へ押し下げられ、そして、その容器9を動かすことにより、 検査サンプルと試薬15が混合される。 検査サンプルの容量は、容器9内の試薬の容量に合わせられている。本発明は、更に、ヘパリン化された、もしくは、ヘパリン化されていない 検査サンプルが毛細管に充填され、その後、その毛細管が容器9内へ入れられる実施形態も含んでいる。ストッパー6で容器を閉鎖した後、その容器を適切に動かすことにより、 検査サンプルが試薬と混合され、そして、 検査サンプル試薬混合物、及び、流体受容装置を通じる流体受容材料17との接触が、次のいずれかにより;
流体伝達材料を、前記混合物及び流体受容材料と同時的に接触させることにより、
流体伝達材料を、最初に前記混合物と接触させ、次いで、流体受容材料と接触させることにより、
流体伝達材料を、最初に流体受容材料と接触させ、次いで、前記混合物と接触させることにより
もたらされる。
【実施例8】
【0128】
抗−テオフィリン抗体でコーティングされたHiFlowニトロ−セルロースフィルター材料
Immune System Limited(英国)から入手可能なヒツジ抗−テオフィリン血清のIgGフラクションを、当業者に広く知られた通常の方法により、例えば硫酸アンモニウム沈殿法により、もしくは、Amersham Pharmacia Biotech社から入手可能なProtein Aカラムを用いることにより単離する。その後、それらの抗体を10mMリン酸塩、15mM NaCl緩衝液(pH=7.2)中において透析し、次いで、それらの抗体を、2.5%v/vのエタノールを伴う10mMの酢酸アンモニウム溶液中に溶解する。低い結合能力が所望の場合には、その後の吸着プロセスでそれらの特異抗体と競合するアルブミンまたはカゼインのような他のタンパク質を追加的に加えることができる。
【0129】
前記溶液は、Hi−Flow材料に噴霧されるか、あるいは、それらのシートが前記溶液に浸漬される。その後、それらのシートを37℃で2時間乾燥させる。更に、それらのシートを、0.01%w/vの3−3(−cholamidopropyl)dimethylamonio−2−ヒドロキソ−1−プロパンsufonate(Pierce Chemical Company(アメリカ)から入手可能)と共に2.5%v/vのエタノールを伴う10mMの酢酸アンモニウム溶液中に浸漬して室温で攪拌することにより洗浄する。
【0130】
特異抗体の濃度は、前記多孔質材料において必要とされる結合能力によって変動する。この実施例で必要な濃度を決定するため、50ngのテオフィリンを含有する10μlの血清サンプルを、実施例2で説明されているブルーラテックスミクロスフェアの0.1%懸濁液(2mgのミクロスフェア)を含有する実施例4の2mlのアッセイ溶液と混合する。
【0131】
Hi−Flow Plアメリカ HF12004における抗体の適切な濃度は以下のようにして決定される:前記混合物が、流体受容装置で使用される多孔質材料内へ移動できるようにすること。溶液中に存在するテオフィリンは、ミクロスフェア上の接合体よりも、その多孔質材料に固定化されている抗体とはるかに速く反応し、そのフィルター材料におけるブルーミクロスフェアの結合をブロックする。多孔質材料に固定化されている特異抗体が高濃度の場合には、比較的小さな領域で、溶液中に存在する遊離テオフィリンの急速な結合をもたらし、一方、低濃度の場合には、溶液領域中の比較的速く反応する遊離テオフィリンの結合に比較的大きな領域が必要になる;図4を参照して説明すると、領域(18)は、高濃度の抗体が固定化されているときには比較的小さくなり、そして、低濃度の抗体が固定化されているときには比較的大きくなる。この移動プロセスにおいて、溶液中の遊離テオフィリンからアッセイ溶液が枯渇すると、ブルーミクロスフェアに結合されたウシ血清アルブミンとの8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン共役を伴ったブルーミクロスフェアが、(図4を参照して説明すると、(18)の外側の領域(17)において)遊離テオフィリンでブロックされていない固定化単クローン抗−テオフィリン抗体と反応し始める。別の言葉で表現すると、内側の白色領域(18)の外側に比較的暗い青色の輪(17)が生成される。被分析物の特定の濃度に対して、多孔質HiFlow材料の所望の領域サイズにおける遊離テオフィリンの結合能力が得られるように、特異抗体の濃度を調節する。この実施例では、材料1平方cm当たり25−50μgの抗体を固定化するのが適切であると判明した。(抗体固定化後のHi−Flow Plアメリカ HF12004での結合能力は、文献で見られる通常の方法により、例えば、競合する既知の抗原標準液と組み合わせた放射能標識抗原または酵素結合抗原を用いて決定することができる。)もし非常に高い結合能力を所望の場合には、Immune System Ltd.(英国)から入手可能な単クローン抗体の使用が推奨される。
【0132】
代替的に、高い濃度及び化学活性において結合性タンパク質を結合することができ、且つ、例えば着色ラテックス粒子または金コロイド粒子等の信号担持抗体接合体の自由な移動を許容する細孔径を持った他の多孔質材料、例えば、Pall Gelman社(英国)から入手可能なPredator PREDL3Rフィルター材料等を使用することもできる。
【0133】
殆どのそのような多孔質材料は、うまく機能するために幾分かの湿潤剤を必要とするが、CHAPSOのような界面活性剤は省けることが多く、あるいは、低濃度においてではあるが、他の界面活性剤を使用することもできる。また、当業者に広く知られた技術を用いて、抗体の結合能力に及ぼす影響もチェックしなければならない。
【実施例9】
【0134】
ミオグロビンを定量するための流体受容装置で使用すべき多孔質材料
Millipore社から入手可能なHi−Flow Plアメリカ HF12004を適当なサイズのシートに切断する。
【0135】
Medix Biochemica OY(フィンランド)から入手可能な単クローンマウス抗−ミオグロビン抗体、クローン7004を、2.5%vol./vol.のエタノールを伴う10mMの酢酸アンモニウム溶液中に溶解する。もし低い結合能力が所望の場合には、以降の吸着プロセスでそれらの抗体と競合するアルブミンまたはカゼインのような他のタンパク質を追加的に加えることができる。前記溶液は、Hi−Flow材料に噴霧されるか、あるいは、それらのシートが前記溶液に浸漬される。次いで、それらのシートを37℃で2時間乾燥させる。その後、それらのシートを、0.01%w/vの3−(3−cholamidopropyl)dimethylamonio−2−ヒドロキソ−プロパンsulfonat(Pierce Chemical Company(アメリカ)から入手可能)と共に2.5%vol./vol.のエタノールを伴う10mMの酢酸アンモニウム溶液中に浸漬して室温で攪拌することにより洗浄する。
【0136】
特異抗体の濃度は、前記多孔質材料において必要とされる結合能力によって変動する。もし低い結合能力が所望の場合には、以降の吸着プロセスでそれらの抗体と競合するアルブミンまたはカゼインのような他のタンパク質を追加的に加えることができる。この実施例では、10ngのミオグロビンを含有する10μlの正常血清サンプルが、10ngより高いミオグロビンの全結合能力を有する、実施例1で説明されている単クローン抗−ミオグロビンを伴ったブルーラテックスミクロスフェアの0.1%懸濁液(2mgのミクロスフェア)を含有する実施例4の2mlのアッセイ溶液と混合される(即ち、はるかに高い結合能力が使用される。アッセイ試薬中におけるそれらの粒子に対する結合能力は、文献で見られる通常の方法により、例えば放射性同位体標識された抗原を用いてそれらの粒子の単離後に結合能力を測定することにより、あるいは、例えば平衡透析により、決定することができる。)
【0137】
多孔質材料における固定化に対する抗ヒトミオグロビン抗体の適切な濃度を、以下のようにして決定する:前記混合物が、流体受容装置で使用される多孔質材料内へ移動できるようにすること。多孔質材料に固定化されている特異抗体が高濃度の場合には、小さな領域でそれらの着色粒子のトラッピングがもたらされ、一方、低濃度の場合には、それに相当する粒子溶液をトラッピングするのに必要な領域が比較的大きくなる。被分析物の特定の濃度に対して所望の領域サイズをもたらす結合能力が得られるように、特異抗体の濃度を調節する。
【0138】
代替的に、高い濃度及び化学活性において結合性タンパク質を結合することができ、且つ、例えば着色ラテックス粒子または金コロイド粒子等の信号伝達抗体共役の自由な移動を許容する細孔径を持った他の多孔質材料、例えば、Pall Gelman社(英国.)から入手可能なPredator PREDL3Rフィルター材料等を使用することもできる。
【0139】
殆どのそのような多孔質材料は、うまく機能するために幾分かの湿潤剤を必要とするが、CHAPSOのような界面活性剤は省けることが多く、あるいは、低濃度においてではあるが、他の界面活性剤を使用することもできる。また、当業者に広く知られた技術を用いて、抗体の結合能力に及ぼす影響もチェックしなければならない。
【実施例10】
【0140】
尿アルブミンを定量するための流体受容装置で使用すべき多孔質材料
Millipore社から入手可能なHi−Flow Plアメリカ HF12004を適当なサイズのシートに切断する。
【0141】
Medix Biochemica OY(フィンランド)から入手可能な単クローンマウス抗−ヒトアルブミン抗体、クローン6502を、実施例9で説明されている方法を用いてHi−Flow Plアメリカ HF12004に固定化する。
【0142】
特異抗体の濃度は、前記多孔質材料において必要とされる結合能力によって変動する。もし低い結合能力が所望の場合には、以降の吸着プロセスでそれらの抗体と競合するカゼインのような他のタンパク質を追加的に加えることができる。この実施例では、0.02マイクログラムのヒトアルブミンを含有する10μlの正常血清サンプルが、0.3Mマンニトール、0.05%PEG20000を含有するpH=7.1の10mMのHEPES緩衝液中におけるタンパク質濃度が10μg/mlの、実施例4で説明されている金コロイド粒子の2mlのアッセイ溶液と混合される。Hi−Flow Plアメリカ HF12004に固定化されているクローン6502からの単クローン抗−アルブミン抗体の適切な濃度は以下のようにして決定される:前記混合物が、流体受容装置で使用される多孔質材料内へ移動できるようにすること。多孔質材料に固定化されている特異抗体が高濃度の場合には、小さな領域でそれらの着色粒子のトラッピングがもたらされ、一方、低濃度の場合には、それに相当する粒子溶液をトラッピングするのに必要な領域が比較的大きくなる。被分析物の特定の濃度に対して所望の領域サイズをもたらす結合能力が得られるように、特異抗体の濃度を調節する。
【0143】
代替的に、高い濃度及び化学活性において結合性タンパク質を結合することができ、且つ、例えば着色ラテックス粒子または金コロイド粒子等の信号伝達抗体共役の自由な移動を許容する細孔径を持った他の多孔質材料、例えば、Pall Gelman社(英国)から入手可能なPredator PREDL3Rフィルター材料等を使用することもできる。
【0144】
殆どのそのような多孔質材料は、うまく機能するために幾分かの湿潤剤を必要とするが、CHAPSOのような界面活性剤は省けることが多く、あるいは、低濃度においてではあるが、他の界面活性剤を使用することもできる。また、当業者に広く知られた技術を用いて、抗体の結合能力に及ぼす影響もチェックしなければならない。界面活性剤が金コロイドに及ぼす影響は特に望ましくなく、従って、界面活性剤の適用後、続いて、界面活性剤を含んでいない対応する緩衝液中における洗浄が実施される。
【実施例11】
【0145】
液体受容装置
図4に描かれているように、流体受容装置の一つの実施形態は、例えばプラスチック等の適当な材料でできた円形のトレー16を含んでいてよく、ここに流体受容材料17が配置される。灰色の領域18は、信号供給物質が多孔質材料17に拡散した結果として現れるパターンを示している。本発明の一つの実施形態では、トレー16は、直径が3cm(但し、他の寸法も本発明のアイデアの範囲内である)の透明なプラスチックでできた円形のチップからなっていてよい。前記トレーは、中心に、流体伝達装置を配置するための窪みまたは穴を備えている。更に、トレーには、目盛の線、円、または、流体受容トレー16の形態に合った何らかの他の形状が印刷されていてよい。例えば上で説明されているような固定化抗体が含浸された流体受容材料17がそのトレーに裁置される。この流体受容材料上に呈示されるパターンは、実施する分析のタイプに依存するであろう。一つの実施形態では、 検査サンプル中の抗原と前記試薬パターン中の抗体−着色粒子との複合体が、例えば図4に示されているような形態を為す流体受容材料上に、抗原−抗体−粒子−固定化抗体からなるサンドイッチ型の複合体をもたらすであろう。
【0146】
前記試薬が着色粒子に結合された抗原を含んでなる競合アッセイを構成する別の実施形態では、 検査サンプル中の遊離抗原と抗原−着色粒子複合体との間で流体受容材料への競合結合が起こるであろう。後者の複合体は、比較的大きな分子量を有しているため、固定化抗体への結合が遅くに起こり、遊離抗原と固定化抗体との複合体を表す円形バンドの外側に円形のバンドを呈するであろう(図示せず)。
【0147】
実施例17で説明されているもの等の最後の実施形態において、これも競合アッセイを構成する、前記試薬中の抗原は発蛍光性部分に結合されており、そして、その複合体は、 検査サンプル中の遊離抗原と同様な分子量を有している。結果的に生じる流体受容材料への競合結合では、固定化抗体への抗原−蛍光粒子の結合にサイズ由来の遅れは存在せず、従って、形成されるパターンは、前記最初の実施形態で形成されるものと同様である。
【実施例12】
【0148】
全血中のテオフィリンの定量
実施例11による試薬容器の上部にあるヘパリン処理された毛細管チャンネルに5μlの血液を吸い込む。前記毛細管部分を押し下げ、そして、穏やかな振動を与えることにより、毛細管の内容物が、実施例2で説明されているブルーラテックスミクロスフェアと0.25%v/vの正常マウス血清の0.1%懸濁液(1mgのミクロスフェア)を含有する実施例6の1mlのアッセイ溶液を含む試薬容器内の試薬と混合される。このステップで、テオフィリンは、ブルーラテックス上に過剰に存在する抗体と反応し、そして、赤血球はトリトンにより溶解され、また、血液に含まれている殆どの他の粒子もTriton X−100により溶解または分散される。
【0149】
本発明の幾つかの実施形態では、その懸濁液は、1ないし5分間、反応させたままの状態に置かれることがある(特に、測定されるべき被分析物が非常に低濃度の場合)。しかし、本実施例を含め、殆どの実施形態では、結合は、振動を与える時間中にほぼ完了する。
【0150】
その後、上の実施例7で説明されている流体移送装置を、血液サンプル/試薬混合物を含有している試薬容器に導入する。その流体移送装置の他端を、上の実施例8で説明されている固定化抗テオフィリン抗体を伴ったフィルター材料を有する、上の実施例11で説明されている流体受容装置の中心に置く。そのサンプル/試薬混合物を、流体移送装置を通じて、前記流体受容装置に流入させる。この溶液中に存在しているテオフィリンは、ミクロスフェア上の共役よりもはるかに速く多孔質材料内に固定化されている抗体と反応し、そして、フィルター材料内におけるブルーミクロスフェアの結合と効率的に競合する。この移動プロセスにおいて、溶液中の遊離テオフィリンからアッセイ溶液が枯渇すると、ブルーミクロスフェアに結合されたウシ血清アルブミンとの8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン接合体を伴ったブルーミクロスフェアが、前記競合を伴うことなく、固定化単クローン抗−テオフィリン抗体と結合し、内側の稠密性に劣る領域の外側に比較的暗い青色の輪を生成する。流体受容装置の多孔質フィルター材料が液体で飽和されると、流体移送装置を通じる液体の流れは自動的に止まる。
【0151】
流体受容装置に形成されるブルーラテックス粒子の輪の内側にある稠密性に劣る領域のサイズを検査し、流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターと比較する。全血中におけるテオフィリンの所望の濃度範囲において、校正された信頼性のある定量方法を確立するためには、既知のヒトテオフィリン濃度を有するヒト全血からなるキャリブレーターを使用するのが好適である。ブルーラテックス粒子により形成される、検査に適した望ましいサイズの円を得るために必要な、また、前記流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターに適切な濃度値を割り当てるために必要な、アッセイ溶液中におけるミクロスフェアの濃度、及び、それらの目的に必要な条件を選択する。
【実施例13】
【0152】
ヒト全血中のミオグロビンの定量
実施例11による試薬容器の上部にあるヘパリン処理された毛細管チャンネル(図2の7)に10μlの血液を吸い込む。その毛細管部分を押し下げ、そして、穏やかな振動を与えることにより、毛細管の内容物が、実施例1で説明されている単クローン抗−ミオグロビンを伴うブルーラテックスミクロスフェアと0.25%v/vの正常マウス血清の0.1%懸濁液(1mgのミクロスフェア)を含有する実施例6の1mlのアッセイ溶液を含む試薬容器内の試薬(図3Aの15)と混合される。このステップで、ミオグロビンは、ブルーラテックス上に過剰に存在する抗体と反応し、そして、赤血球はトリトンにより溶解され、また、血液に含まれている殆どの他の粒子もTriton X−100により溶解または分散される。本発明の幾つかの実施形態では、その懸濁液は、1ないし5分間、反応させたままの状態に置かれることがある(特に、測定されるべき被分析物が非常に低濃度の場合)。しかし、本実施例を含め、殆どの実施形態では、結合は、振動を与える時間中にほぼ完了する。
【0153】
その後、図3D−Eに示されているようにして、上の実施例7で説明されている流体移送装置を、図3B−Cに示されているようにして血液サンプル/試薬混合物を含有する試薬容器に導入する。次いで、その流体移送装置の他端を、上の実施例9で説明されている固定化抗ヒトミオグロビン抗体を伴ったフィルター材料を有する、上の実施例11で説明されている流体受容装置(図4)の中心に置く。そのサンプル/試薬混合物を、流体移送装置を通じて、前記流体受容装置に流入させる。流体受容装置の多孔質フィルター材料が液体で飽和されると、流体移送装置を通じる液体の流れは自動的に止まる。
【0154】
流体受容装置に形成されるブルーラテックス粒子の輪(図4の18)のサイズを検査し、そのサイズを、流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターと比較する。全血中におけるヒトミオグロビンの所望の濃度範囲において、校正された信頼性のある定量方法を確立するためには、既知のヒトミオグロビン濃度が付加されたヒト全血からなるキャリブレーターを使用するのが好適である。ブルーラテックス粒子により形成される、検査に適した望ましいサイズの円を得るために必要な、また、前記流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターに適切な濃度値を割り当てるために必要な、アッセイ溶液中におけるミクロスフェアの濃度、及び、それらの目的に必要な条件を選択する。
【実施例14】
【0155】
尿中のアルブミンの定量
0.3Mマンニトール、0.05%PEG20000を含む10mMのHEPES緩衝液(pH=7.4)中における、実施例4から得られる1mlの抗ヒトアルブミン抗体被覆金コロイド粒子を、前記実施例7で説明されている容器(図2の9)に封入する。
【0156】
糖尿病性腎臓疾患を患っている患者から10μlの尿サンプル(もしくは、好適性には劣るが、希釈された尿サンプル)を、前記実施例7で説明されている自己検定型毛細管式サンプリング装置(図2の7)内に引き込み、そして、そのサンプルを、図3B−Cに示されているようにして、前記抗ヒトアルブミン抗体被覆金コロイド粒子懸濁液を含有する試薬容器に導入する。その容器に振動を与えて2分間放置し、金コロイドを試料中に存在するアルブミンに結合させる。
【0157】
その後、前記実施例7で説明されている流体移送装置を、尿サンプル/試薬混合物を含有する試薬容器に導入する;図3D−E参照。その流体移送装置の他端を、上の実施例11で説明されている流体受容装置に成るべくホルダーに取り付けられた、上の実施例10で説明されている固定化抗ヒトアルブミン抗体を伴ったフィルター材料の中心に置く。そのサンプル/試薬混合物を、流体移送装置を通じて、前記流体受容装置に流入させる。流体受容装置の多孔質フィルター材料が液体で飽和されると、流体移送装置を通じる液体の流れが止まる。
【0158】
流体受容装置に形成される金コロイド粒子の輪(図4の18)のサイズを検査し、それを、流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターと比較する。
【0159】
尿中におけるヒトアルブミンの所望の濃度範囲において、校正された信頼性のある定量方法を確立するためには、上の実施例10で説明されている多孔質材料における固定化抗ヒトアルブミン抗体の適切な結合能力が選択されねばならない。尿中のアルブミンの期待される濃度は、異なる患者群で大いに異なり、従って、意図された患者群に対するキャリブレーターが必要になる。この実施例は、尿1リットル当たり0から200mgまでの濃度範囲でうまく機能し、また、500mg/mlまでの濃度でさえ良好に測定することができる。アルブミンの濃度が非常に高い場合には、金コロイドの結合能力が飽和し、そして、流体受容装置の中央では、はるかに薄い色の領域が見られ、そこでは、先ず、金コロイドに結合されていない遊離アルブミンが、流体受容材料の固定化単クローン抗体に結合する。既知のヒトアルブミン濃度を有するヒトの尿から成るキャリブレーターを使用することにより、当業者は、金コロイド粒子により形成される望ましい外径の円を得るために必要な条件、及び、検査に適した色の強度を得るために必要な条件、更には、前記流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターに適切な濃度値を割り当てるために必要な条件を選択することができる。
【0160】
もし製品が、尿中のアルブミン濃度が非常に高い患者に対して意図されたものである場合には、毛細管型尿サンプラーのサイズを例えば2μl等に低減すべきであり、そして、抗ヒトアルブミン抗体被覆金コロイド粒子の濃度を増加させるべきである。
【実施例15】
【0161】
全血試料中における抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の測定
抗−ヒト甲状腺単クローン抗体をHyTest社(英国)から購入し、実施例1の方法により、カルボキシル化ブルーラテックスに共役する。
【0162】
タンパク性溶液中におけるヒト甲状腺ペルオキシダーゼ酵素をThe Binding Site Ltd.(英国.)から購入し、実施例9の方法により、Millipore社から入手可能なHi−Flow Plアメリカ HF12004にコーティングする。この材料は運搬体タンパク質とかなりな量の血清アルブミンを含んでいるが、この材料は、甲状腺過酸化物酵素のコーティングで良好に機能する。多孔質材料でもっと高濃度の固定化甲状腺ペルオキシダーゼが所望の場合には、先行技術において広く知られた方法によるイムノクロマトグラフィーにより、HyTest社から入手可能なその製品から血清アルブミンを除去する。
【0163】
実施例7による試薬容器の上部にあるヘパリン処理された毛細管チャンネルに10μlの血液を吸い込む。その毛細管部分を押し下げ、そして、穏やかに振動を与えることにより、毛細管の内容物が、上で説明されている単クローン抗−甲状腺過酸化物を伴うブルーラテックスミクロスフェアと0.25%v/vの正常マウス血清の0.1%懸濁液(1mgのミクロスフェア)を含有する実施例6の1mlのアッセイ溶液を含む試薬容器内の試薬と混合される。このステップで、患者サンプルからの抗甲状腺過酸化物抗体は、ブルーラテックス上に過剰に存在する抗体と反応し、そして、赤血球はトリトンにより溶解され、また、血液に含まれている殆どの他の粒子もTriton X−100により溶解または分散される。その懸濁液を、3分間、反応させた状態のまま放置する。
【0164】
その後、上の実施例7で説明されている流体移送装置を、血液サンプル/試薬混合物を含有している試薬容器に導入する。次いで、その流体移送装置の他端を、固定化ヒト甲状腺ペルオキシダーゼを伴ったフィルター材料を有する、上の実施例11で説明されている流体受容装置の中心に置く。そのサンプル/試薬混合物を、流体移送装置を通じて、前記流体受容装置に流入させる。流体受容装置の多孔質フィルター材料が液体で飽和されると、流体移送装置を通じる液体の流れは自動的に止まる。
【0165】
流体受容装置に形成されるブルーラテックス粒子の輪のサイズを検査し、そして、それを、流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターと比較する。全血中における抗甲状腺抗体の所望の濃度範囲において、校正された信頼性のある定量方法を確立するためには、既知の抗−甲状腺過酸化物抗体濃度を有するヒト全血からなるキャリブレーターを使用するのが好適である。測定されるべき臨床患者グループに対する多孔質流体受容材料において必要な甲状腺過酸化物抗原濃度を選択し、そして、既知含量の抗甲状腺過酸化物抗体から成るキャリブレーターを用いて、前記流体受容装置の表面に印刷されているインジケーターに適切な濃度値を割り当てる。
【実施例16】
【0166】
撮像または走査装置による測定
実施例12、13、14、及び15で使用するため、実施例11で説明されている流体受容装置の表面に、問題としている被分析物の含量を視覚的に読み取るための校正用インジケーターを印刷することができる。もっと正確な定量と分析結果の一層良好な資料化との両方を得るためには、流体受容装置が読み取られまたは描写される。それの最もシンプルな形態では、その装置を、パーソナルコンピューターに接続された平床式スキャナーに裁置する。より洗練された形態では、デジタルカメラ、スキャナー、または蛍光スキャナーにより、その装置を描写する。殆どの場合、二次元スキャナーが使用されるが、リニアスキャナーを用いて、例えば丸形スポットの直径や矩形移動径路の長さ等を測定することもできる。流体受容装置を測定するためのそのようなスキャナー、カメラ、及びソフトウェアに関する詳細な説明は、Bremnes及びSundrehagenによる特許出願PCT/GB98/00120号に与えられている。
【実施例17】
【0167】
全血中におけるテオフィリン濃度の蛍光測定
実施例11による試薬容器の上部にあるヘパリン処理された毛細管チャンネルに5μlの血液を吸い込む。その毛細管部分を押し下げ、そして、穏やかに振動を与えることにより、毛細管の内容物を、実施例5で説明されている発蛍光性シアニン−5−テオフィリン接合体と0.25%v/vの正常マウス血清を含有する実施例6の1mlのアッセイ溶液を含む試薬容器内の試薬と混合する。
【0168】
その後、前記実施例7で説明されている流体移送装置を、血液サンプル/試薬混合物を含有している試薬容器に導入する。次いで、その流体移送装置の他端を、上の実施例8で説明されている固定化抗テオフィリン抗体を伴ったフィルター材料を有する、上の実施例11で説明されている流体受容装置の中心に置く。そのサンプル/試薬混合物を、流体移送装置を通じて、前記流体受容装置に流入させる。溶液中に存在するテオフィリンは、フィルター材料内の発蛍光性テオフィリン接合体の結合と競合する。流体受容装置の多孔質フィルター材料が液体で飽和されると、流体移送装置を通じる液体の流れは自動的に止まる。
【0169】
血液サンプルからのテオフィリンとテオフィリンの発蛍光性共役は、サンプルのテオフィリン濃度に比例した面積を持って流体受容装置に結合される(図4の(18)参照)。この流体受容装置が、648nmの励起波長を有する蛍光スキャナーで走査され、流体受容装置の表面に存在するシアニン−5の蛍光が測定される。Bremnes及びSundrehagenのPCT/GB98/00120号によるソフトウェアでの計算によって、蛍光の面積が描写及び測定される。全血中におけるヒトトランスフェリンの望ましい濃度範囲において、校正された信頼性のある定量方法を確立するため、既知のヒトテオフィリン濃度を有するヒト全血からなるキャリブレーターを使用する。試薬容器中におけるシアニン−5−テオフィリン接合体の量は、蛍光スキャナーの感度に合わせなければならない。
【実施例18】
【0170】
発蛍光性ミクロスフェアを用いる、全血中のテオフィリン濃度の蛍光測定
シアニン−5蛍光染料で染色されたカルボキシル化ミクロスフェア、製品番号PC04NをBangs Laboratories Inc.(アメリカ)から購入し、実施例2によるテオフィリン類似体抗原でコーティングする。
【0171】
実施例11による試薬容器の上部にあるヘパリン処理された毛細管チャンネルに5μlの血液を吸い込む。そのヘパリン化された毛細管部分を押し下げ、そして、穏やかに振動を与えることにより、毛細管の内容物を、実施例6の1mlのアッセイ溶液と0.25%v/vの正常マウス血清を含み、且つ、実施例2のEstaporブルーミクロスフェアの代わりにBangs Laboratories社から入手可能な前記シアニン−5−染色ミクロスフェアが使用される点を除き、実施例2によるテオフィリンコーティングミクロスフェアを含む試薬容器内の試薬と混合する。
【0172】
その後、前記実施例7で説明されている流体移送装置を、血液サンプル/試薬混合物を含有している試薬容器に導入する。その流体移送装置の他端を、上の実施例8で説明されている固定化抗テオフィリン抗体を伴ったフィルター材料を有する、上の実施例11で説明されている流体受容装置の中心に置く。そのサンプル/試薬混合物を、流体移送装置を通じて、前記流体受容装置に流入させる。溶液中に存在するテオフィリンは、ミクロスフェア上の接合体よりもはるかに速く多孔質材料内に固定化されている抗体と反応し、そして、フィルター材料内におけるブルーミクロスフェアの結合と効率的に競合する。この移動プロセスにおいて、溶液中の遊離テオフィリンからアッセイ溶液が枯渇すると、ブルーミクロスフェアに結合されたウシ血清アルブミンとの8−(3−カルボキシプロピル)−1,3−ジメチルキサンチン共役を伴ったブルーミクロスフェアが、前記競合を伴うことなく、固定化単クローン抗テオフィリン抗体と結合し、内側の稠密性に劣る領域の外側にもっと蛍光強度の高い輪を生成する。流体受容装置の多孔質フィルター材料が液体で飽和されると、流体移送装置を通じる液体の流れは自動的に止まる。
【0173】
この流体受容装置が、648nmの励起波長を有する蛍光スキャナーで走査され、流体受容装置の表面のシアニン−5の蛍光が測定される。上の実施例16によるソフトウェアでの計算、及び、Bremnes及びSundrehagenが説明しているようなソフトウェアでの計算によって、蛍光強度の低い面積が描写及び測定される。全血中におけるテオフィリンの望ましい濃度範囲において、校正された信頼性のある定量方法を確立するため、既知のテオフィリン濃度を有するヒト全血からなるキャリブレーターを使用する。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】図1A、B、及びCは、 検査サンプル試薬混合物を混合及び伝達するための装置、及び、流体受容装置の一つの実施形態を示している。
【図2】図2は、 検査サンプル試薬混合物を混合及び伝達するための装置の第二実施形態を示している。
【図3】図3A、B、C、D、及びEは、図2に示されている実施形態の使用の様子を描いている。
【図4】図4は、流体受容装置の一つの実施形態を示している。

Claims (32)

  1. 1種類または複数の被分析物を含有するサンプルを、容器に収容された1種類もしくは複数の信号供給物質を含む試薬と混合して混合物を供給し、続いて、該容器を流体伝達装置にカップリングした後に、該混合物は、該流体伝達装置に包含された流体伝達材料により吸収され、そして、同時的に、もしくは、後に、該流体伝達装置を、流体受容材料を包含する流体受容装置と接触させ、該流体受容材料は、該1種類もしくは複数の被分析物に対して特異的な結合能力を有する固定化された試薬、あるいは、固定化された被分析物分子、またはそれらの類似体、もしくは誘導体、あるいはフラグメントを含んでおり、ここで、該混合物は、前記もう一方の流体受容装置の該多孔質流体受容材料へ移送されてあるパターンを創出し、ここで、該パターン、または該パターンの面積、あるいはそれらのパターンエレメントの面積が、該試料中における1種類もしくは複数の被分析物濃度の指標として利用されることを特徴とする、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  2. 以下のステップ;
    該試料を、信号供給物質を含有する容器内の液体試薬等の該試薬と混合し、
    流体伝達材料を包含する流体伝達装置を、前記流体伝達材料が上記容器内の該混合物と接触するように、前記容器内に導入し、
    当該化学的分析方法を実行する過程において、前記流体伝達装置内の該流体伝達材料を、一方では、試薬と試験試料との前記混合物と、他方では、別の流体受容装置内における多孔質の流体受容材料と、同時的に接触させ、ここで、前記流体伝達装置内の該流体伝達材料は、前記流体受容装置内の該多孔質流体受容材料と常に接触して取り付けられているのではなく、本方法を果たす過程の一部としてそのような接触がもたらされ、そして、ここで、前記もう一方の流体受容装置内における該多孔質流体受容材料は、前記1種類もしくは複数の被分析物に対して特異的な結合親和力を有する固定化された試薬を含んでおり、もしくは、前記固定化された試薬が、固定化された被分析物分子、もしくは、被分析物分子の類似体、誘導体、またはフラグメントを含んでおり、
    これにより、前記混合物は、該流体伝達装置を通り、更に渡って、前記もう一方の流体受容装置内における該多孔質流体受容材料内で拡散し、これにより、前記流体受容装置内における上記多孔質流体受容材料内での該信号供給物質の分布を通じて現れる該パターン、該パターンの面積、及び/又は、それらのパターンエレメントの面積が、該試料中における1種類もしくは複数の被分析物濃度の指標として利用される、
    ことにより特徴付けられる、請求項1記載の、試験試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  3. 上記容器が液漏れ防止タイプの容器であることにより特徴付けられ、また、流体伝達材料を包含する該流体伝達装置が、前記流体伝達材料が上記容器内の該混合物と接触するような方法で液漏れ防止タイプのゲートを通じて前記容器に導入されることにより[更に特徴付けられる]、請求項1記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  4. 前記流体伝達装置内の該流体移送材料が、毛管力、陽圧、または陰圧を利用して流体を移送するのに適した多孔質流体移送材料からなることを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、請求項1乃至3記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  5. 前記流体伝達装置に非多孔質の尖端またはチューブ形の伝達用具が含まれており、該非多孔質の尖端またはチューブ形の伝達用具は、前記流体受容装置と常に接触して取り付けられているのではなく、当該定量的な化学的分析方法を実施するプロセス中に、該流体受容装置との接触がもたらされることにより特徴付けられる、請求項1乃至4のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  6. 試薬を試験試料と混合するための前記容器がゲートを備えた密閉容器であり、(もし都合がよければ)好適には、上記容器に壁部におけるノッチを設け、該壁部を薄く為し、そして、前記伝達装置がきっちりと填る方法で導き通されたときに該壁部がへこむようにすることにより、あるいは、(もし都合がよければ)上記流体伝達ユニットと前記容器を一緒にねじ込むことにより、(もし都合がよければ)好適には、該容器(及び/又は)該流体伝達装置を伴った該容器が保持されている空間的な位置に関わらず、前記混合物が該容器または流体伝達装置から漏れないような形状に為された小さなガス透過性の開口を該容器または伝達装置に伴った状態で上記流体伝達ユニットと前記容器を一緒にねじ込むことにより、上記流体伝達装置が該ゲートにおいて上記混合物と接触できることを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、請求項1乃至5のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  7. 試薬を試験試料と混合するための前記容器が該試験試料を導入するための(ゲート)引き込み口を備えていることを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、もしくは、該試験試料を包含する第三の装置が使用され、そして、望ましい場合には、前記第三の装置が、それ以外の装置と結合されたときに、あるいは、それ以外の装置へねじ込まれたときに、前記容器の一部を構成することを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、請求項1乃至6のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  8. 前記第三の装置が、前記容器の一部ではなく、そして、例えばガラス製の毛細管であることを特徴とする、請求項7記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  9. 前記流体受容装置が、固定化された形態及び/又は乾燥させた形態、あるいは、粒子上または粒子内に分散させた形態、もしくは、前記多孔質流体受容材料に均一または不均一(但し、前もって決定しておく)に分配した状態で前記流体受容装置の該多孔質流体受容材料に直接的に分散させた形態のいずれかで、種々の被分析物または被分析物全体に対して親和性を有する特異的結合分子、あるいは、全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子に対して親和性を有する特異的結合分子を含んでいることにより特徴付けられる、請求項1乃至8のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  10. 前記試薬が、付着された特異的結合分子を伴う、もしくはそれらを伴わない、あるいは、付着された全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子を伴う、もしくはそれらを伴わない、着色粒子、コロイド、酵素、発蛍光団、または染料の形態における信号供給物質を含んでいることにより特徴付けられる、請求項1乃至9のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  11. 前記試薬が、該試験試料中における細胞を溶解する化学薬品、及び/又は、酸性度またはイオン強度を調節する化学薬品、もしくはあらゆる可能な粒子を分散状態に保つ化学薬品を含んでいることにより特徴付けられる、請求項1乃至10のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  12. 前記流体伝達装置が、赤血球または白血球等の細胞を抑止する細孔径であって、但し、上記信号供給物質を通過させるのに充分な大きさの細孔径を有していることにより特徴付けられる、請求項1乃至11のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  13. 信号供給物質として該試験試料中のヘモグロビンが使用されることを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、請求項1乃至12のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  14. 該試験試料が、上記試薬と混合される前に、化学薬品を加えることにより前処理され、または分離され、もしくは抽出されることにより特徴付けられる、あるいは、前記容器の内部で2種類または数種類の異なる試薬を混合することにより上記試薬を供給できることにより特徴付けられる、もしくは、前記流体受容装置に現れるパターンまたはパターンの面積、及び/又はそれらのパターンエレメントの面積を引き出すため、または増強するため、もしくは明確にするため、前記流体受容装置の該多孔質流体受容材料に付加的な化学薬品が混ぜ合わされることにより特徴付けられる、請求項1乃至13のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  15. 前記流体受容装置に現れるパターンまたはパターンの面積、及び/又はそれらのパターンエレメントの面積が、吸収測定、反射測定、または蛍光測定のいずれかにより、可視光線、紫外線、赤外線、または近赤外線をベースとしたアナログ式またはデジタル式の機器を用いて描写、走査、または測定されることを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、また、該試験試料中における該1種類もしくは複数の被分析物濃度がこれらの測定に基づいて決定されることを特徴とする(ことにより特徴付けられる)、請求項1乃至14のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  16. 試薬と試験試料を混合するために漏れ防止タイプの容器が使用されることにより特徴付けられ、また、前記流体伝達装置が、上記流体受容装置の該多孔質流体受容材料と常に接触して取り付けられている多孔質の流体伝達材料を含んでいることにより更に特徴付けられる、請求項1乃至15のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  17. 該試験試料が生物学的なサンプルであることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項または数項に記載の、試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための定量的な化学的分析方法。
  18. 試験試料を試薬と混合するための液漏れ防止タイプの容器、流体伝達材料を包含した流体伝達装置、及び、流体受容材料を包含した流体受容装置を含み、該流体伝達装置が、液漏れ防止タイプの引き込み口を通じて前記容器の内容物と接触することができ、且つ、前記流体受容材料を包含した前記流体受容装置とも接触できるように組み立てられることを特徴とする、試験試料中における1種類または数種類の被分析物濃度を決定するための方法を実行するための装置。
  19. 前記流体伝達装置の該流体素子移送材料が、毛管力、陽圧、または陰圧を利用して流体を移送するのに適した多孔質の流体移送材料からなることを特徴とする、請求項18記載の装置。
  20. 非多孔質の尖端またはチューブ形の伝達用具が該流体伝達装置に含まれていて、前記非多孔質の尖端またはチューブ形の伝達用具が、該流体受容装置と常に接触して取り付けられているのではなく、当該定量的な化学的分析方法を実行するプロセス中に該流体受容装置との接触がもたらされることを特徴とする、請求項18乃至19に記載の装置。
  21. 前記漏れ防止タイプの容器が引き込み口を有していて、該引き込み口を通じて上記流体伝達装置が試験試料と試薬との前記混合物と接触できることを特徴とし、好適には、前記容器が壁部におけるノッチを有しており、ここで、該壁部は薄く為されていて、前記伝達装置がきっちりと填る方法で導き通されたときにへこむように為されており、あるいは、上記流体伝達ユニットと前記容器が一緒にねじ込まれ、好適には、該流体伝達装置を伴った該容器が保持されている空間的な位置に関わらず、前記混合物が該容器または流体伝達装置から漏れないような形状に為された小さなガス透過性の開口を該容器または伝達用具に伴った状態で上記流体伝達ユニットと前記容器が一緒にねじ込まれることを特徴とする、請求項18乃至20に記載の装置。
  22. 試薬と試験試料とを混合するための前記容器が、例えばガラス製の毛細管等のサンプル移送装置から該試験試料を導入するための引き込み口を備えていることを特徴とし、あるいは、該サンプル移送装置が、該引き込み口位置において前記容器と共に結合される蓋装置、あるいは、該引き込み口位置において前記容器にねじ込まれる蓋装置等の、前記容器の一部を構成していることを特徴とする、請求項18乃至21に記載の装置。
  23. 前記流体受容装置が、固定化された形態及び/又は乾燥させた形態、あるいは、粒子上または粒子内に分散させた形態、もしくは、前記多孔質流体受容材料に均一または不均一(但し、前もって決定しておく)に分配した状態で上記流体受容装置の該多孔質流体受容材料に直接的に分散させた形態のいずれかで、種々の被分析物または被分析物全体に対して親和性を有する特異的結合分子、あるいは、全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子に対して親和性を有する特異的結合分子を含んでいることにより特徴付けられる、請求項18乃至22に記載の装置。
  24. 前記容器に含有されている試薬が、付着された特異的結合分子を伴う、もしくはそれらを伴わない、あるいは、付着された全被分析物分子の類似体、誘導体、フラグメント、または全被分析物分子を伴う、もしくはそれらを伴わない、着色粒子、コロイド、酵素、発蛍光団、または染料の形態における信号供給物質を含んでいることを特徴とする、請求項18乃至23に記載の装置。
  25. 前記試薬が、該試験試料中における細胞を溶解する化学薬品、及び/又は、酸性度またはイオン強度を調節する化学薬品、もしくはあらゆる可能な粒子を分散状態に保つ化学薬品を含んでいることを特徴とする、請求項18乃至24に記載の装置。
  26. 前記流体伝達装置の上記流体伝達材料が、赤血球または白血球等の細胞を抑止する細孔径であって、但し、上記信号供給物質を通過させるのに充分な大きさの細孔径を有していることを特徴とする、請求項18乃至25に記載の装置。
  27. 組み込み式の毛細管(7)を伴うストッパー(6)、該ストッパーを取り巻くシーリングスリーブ(8)、液漏れ防止タイプの容器(9)、前記容器(9)の底部における引き込み口を密封する可動式のボール(10)を含んでいて、ここで、該ボール(10)は、芯またはフェルトチップガイド(12)に密封可能に取り付けられた弁座(11)に収容されており、また、ここで、芯またはフェルトチップ(13)は、密封可能で且つ移動可能に取り付けられており、更に、ここで、前記フェルトチップ(13)が、取り外し可能なキャップ(14)により保護されていることを特徴とする、請求項18乃至26に記載の装置。
  28. 更に、吸収、反射、または蛍光、あるいはそれらの組合せを測定するための可視光線、紫外線、赤外線、または近赤外線、もしくはそれらの組合せをベースとしたアナログ式またはデジタル式の機器等の走査装置、それらのデータを処理するためのプロセッサー、表示媒体、及び、それらのデータを記憶するための媒体を含むことにより特徴付けられる、請求項18乃至26に記載の装置。
  29. 更に、可動式のホルダーを伴うラックを含んでいて、これにより、前記容器が、垂直方向の制御された動きのみが可能な前記流体受容装置の関係で統一された位置に固定されることにより特徴付けられる、請求項18乃至28に記載の装置。
  30. 血液、痰、粘液、糞便、吐出物、及び組織等の生物学的試料中における1種類もしくは数種類の被分析物濃度が測定される、請求項1乃至17による方法の使用。
  31. 該被分析物が、自己抗体、抗体、腐生菌、細菌、他の感染性物質、ヘモグロビン、アルブミン、CRP、U−アルブミン、糖化アルブミン、糖化ヘモグロビン、フェリチン、ASAT、ALAT、LDH、ミオグロビン、トロポニン I、脂肪酸結合タンパク質、アミラーゼ、HCG、U−HCG、テオフィリン、及び抗生物質からなるグループから選択される、請求項1による方法の使用。
  32. 請求項18乃至31による装置、該試験試料と混合するための試薬、場合によっては、該試験試料を前処理または分離するための付加的な試薬、あるいは、該信号を明確にするために該流体受容装置に混ぜるための付加的な試薬を含んでいることを特徴とする、請求項1乃至17による方法を実施するためのキット。
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