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JP2004315837A - ワークの処理システム - Google Patents

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JP2004315837A
JP2004315837A JP2003107235A JP2003107235A JP2004315837A JP 2004315837 A JP2004315837 A JP 2004315837A JP 2003107235 A JP2003107235 A JP 2003107235A JP 2003107235 A JP2003107235 A JP 2003107235A JP 2004315837 A JP2004315837 A JP 2004315837A
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Masahiro Goto
征弘 後藤
Hideaki Hara
秀明 原
Masanao Tachikawa
正直 立川
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Trinity Industrial Corp
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Trinity Industrial Corp
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Abstract

【課題】、設備の大型化及び複雑化を抑制しつつ、ワークに付着、残留している異物をより積極的に除去することで、ワークひいては処理後の製品の品質向上を図ることのできるワークの処理システムを提供する。
【解決手段】脱脂工程に対応して所定の溶液が貯留された脱脂槽11が設けられている。当該脱脂槽11の上方には、移動手段としての移動装置17が移動可能に装備されている。かかる移動装置17は、自動車ボディWを前記脱脂槽11に浸漬させ、所定時間後に該自動車ボディWを引き上げ、その後次の工程の方へと搬送するよう構成されている。また、移動装置17は、前記自動車ボディWの前記脱脂槽11内への浸漬期間中に、前記自動車ボディWに関しゆすり動作を行うよう構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの処理システムに係り、例えば、自動車ボディの塗装に当たり、自動車ボディを各種液体中に浸漬させることで前処理を行うことを含む処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車ボディ等のワークが塗装されるに際しては、種々の前処理工程が必要となる。例えば、車体組立工程を経た自動車ボディは、脱脂工程、表面調整工程、皮膜化成工程、水洗工程、乾燥工程、電着工程(下塗り工程)等を経る。
【0003】
上述した各工程のうち、乾燥工程等を除くほとんどの工程が、自動車ボディを、所定の液体の貯留された槽に、所定時間だけ浸漬させることによって行われるものである。
【0004】
自動車ボディをこのような各処理工程に供するにあたっては、スリッパーディップ方式、バッチ方式のうち、いずれかが採用される。スリッパーディップ方式においては、複数の舟型の槽が使用される。各槽の出入口は斜面状をなし、自動車ボディは、搬送コンベアで連続的に搬送されながら、各処理に供される。つまり、スリッパーディップ方式においては、自動車ボディは、槽への浸漬中でありながら、その浸漬期間中移動させられる。一方、バッチ方式においては、複数の槽に対応して移動装置が設置されている。この移動装置は、各槽に自動車ボディを宙吊り状態で浸漬させ、所定時間後、自動車ボディを引き上げ、次の場所へと移動させるというものである。
【0005】
従来、自動車ボディ等のワークに付着、残留している鉄粉や研磨屑等の異物を塗装処理の前段階で除去するべく、上記した各種処理工程のうちの水洗工程(或いはそれに準ずる工程)において、ワークに向けて洗浄水をスプレーする技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特許第2675423号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記洗浄方法では、ワークの部位毎で洗浄むらが生じることも多く、塗装処理の段階にあっても異物が除去されていないおそれがある。これに対し、水洗工程専用の装置を複数設けたり、ワークに対し多角的にスプレーしワークの細部にわたって洗浄を行うべく、移動可能なスプレーノズルを設けたりすることも考えられる。しかし、この場合には、広大な設置スペースを必要としたり、水洗工程用の装置自体の大型化、複雑化を招いてしまったりするおそれがある。結果として、ワークの処理システムの大型化を招いてしまうばかりか、作業効率の低下も招いてしまう。
【0008】
そこで、本発明では、設備の大型化及び複雑化を抑制しつつ、ワークに付着、残留している異物をより積極的に除去することで、ワークひいては処理後の製品の品質向上を図ることのできるワークの処理システムを提供することを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0010】
手段1.液体の貯留された槽と、前記槽内に、ワークを浸漬させ、所定時間後に該ワークを引き上げ、その後次の箇所の方へと搬送させるべくワークを移動させる移動手段とを備えたワークの処理システムであって、前記ワークの前記槽内への浸漬期間中に、前記移動手段は、前記ワークに関しゆすり動作を行うよう構成したことを特徴とするワークの処理システム。
【0011】
手段1によれば、ワークを液体内でゆすることにより、ワークに付着、残留している異物が液体に揉まれ、かかる異物に対して液体から比較的大きな外力がかけられることとなる。すなわち、かかる外力によって異物をワークから積極的に剥離させ、除去することができる。また、ワークが、完全に液体中に浸漬された状態でゆすられた場合、ワーク全体に(特に凸面のみならずワークの凹面に対しても)外力がかかるため、洗浄の行き届きにくい部分に付着、残留している異物についても、ワークから剥離させ、除去することができる。
【0012】
このように、比較的簡単な構成を採用したうえで、効果的にワークから異物を除去することができる。結果として、ワーク、ひいては処理後の製品(例えば塗装製品)の品質向上を図るとともに、システムの省スペース化、簡素化、コストダウン等を図ることができる。
【0013】
なお、ゆすり動作は、所定時間或いは所定回数行われることとしてもよい。また、「ゆすり動作」とあるのを「反復動作」としてもよい(以下、各手段において同様)。
【0014】
手段2.少なくとも脱脂、皮膜化成、水洗、電着を行うためのそれぞれの液体が貯留された複数の槽と、所定の槽内に、ワークを浸漬させ、所定時間後に該ワークを引き上げ、その後次の箇所の方へと搬送させるべくワークを移動させる移動手段とを備えたワークの処理システムであって、前記ワークの前記槽内への浸漬期間中に、前記移動手段は、前記ワークに関しゆすり動作を行うよう構成したことを特徴とするワークの処理システム。
【0015】
手段2によれば、ワークを液体内でゆすることにより、ワークに付着、残留している異物が液体に揉まれ、かかる異物に対して液体から比較的大きな外力がかけられることとなる。すなわち、かかる外力によって異物をワークから積極的に剥離させ、除去することができる。また、ワークが、完全に液体中に浸漬された状態でゆすられた場合、ワーク全体に(特に凸面のみならずワークの凹面に対しても)外力がかかるため、洗浄の行き届きにくい部分に付着、残留している異物についても、ワークから剥離させ、除去することができる。
【0016】
また、脱脂、皮膜化成、水洗、電着を行うために設けられた槽のうち、複数の槽において上記構成を採用した場合には、上記した効果が一層顕著なものとなる。すなわち、前記複数の槽において、多段階的に洗浄(ゆすり動作)が行われることにより、例えば、ワークを洗浄するためだけの水洗工程を複数回設定する等の複雑な構成を採用せずとも、比較的簡単な構成でワークから異物を除去することができる。結果として、さらなるワーク(特に塗装皮膜)の品質向上を図るとともに、システムの省スペース化、簡素化等を図ることができる。
【0017】
手段3.前記移動手段は、浸漬期間中において、前記ワークを前記ゆすり動作以外の方向に移動させるよう構成したことを特徴とする手段1又は2に記載のワークの処理システム。
【0018】
手段3によれば、浸漬状態にあるワークがゆすり動作以外の方向に移動させられることにより、前記ゆすり動作によって一旦ワークから剥離し、ワーク近傍に存在する異物をワークから引き離すことができる。結果として、異物が再びワーク上に堆積してしまうといったおそれを抑制することができる。
【0019】
また、浸漬状態にあるワークを斜め方向に移送したり、複雑な動きを伴わせながら移動させたりするよう構成した場合には、ワークの周りには複雑な流れが生じ、当該流れがワークに作用することとなる。つまり、ワークの浸漬方向(例えば鉛直方向)も含め、浸漬状態にあるワークが様々な角度から水流に揉まれることとなる。このため、凹部などの比較的異物が堆積しやすい部分がワークに存在していたとしても、該部分から異物を引き離すことができる。
【0020】
なお、移動手段が、浸漬期間中にワークを一旦液体から離間させ、再び浸漬させるよう構成されることとしてもよい。かかる構成を採用した場合には、上記効果を一層顕著なものとすることができる。ただし、手段2記載の電着に際し上記構成を採用する場合には、液体中にワークを浸漬させつつ電着塗装を行うという電着工程の性質上、液体中においてのみワークがゆすられることとする。
【0021】
さらに、ワークを液体から離間した状態で、移動手段が、ゆすり作業を行うよう構成してもよい。その場合、ワークの表面に付着した液体内に含まれる異物を液体ともども振り落とし、除去することができる。
【0022】
手段4.前記槽は、該槽内において、一定方向に水流をおこす水流装置を具備することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のワークの処理システム。
【0023】
手段4によれば、前記ゆすり動作において剥離され、液体中に残存している異物を水流によってワーク付近から効果的に除去することができる。そのため、ワークから離れた異物が再びワークに付着してしまうといった事態を抑制することができる。
【0024】
なお、上記構成に、異物を取り除くための液体浄化手段を設けることがより望ましい。例えば、前記槽は、該槽内に貯留された液体を所定方向に向けて水流を起こすべく液体を前記槽内に向けて噴出する液体噴出手段と、前記液体噴出手段により噴出された液体量と略同量の液体を排出する液体排出手段と、前記液体噴出手段と液体排出手段とを連通するように設けられた循環路と、前記循環路の途中に配設された浄化手段とを有し、前記液体排出手段から排出された液体が、循環路を通じ、途中、浄化手段を介して浄化されつつ液体噴出手段から噴出されることとしてもよい。かかる構成を採用した場合には、液体を比較的クリーンな状態(異物を含まない或いは比較的含まない状態)に保つことができ、ゆすり動作等において離れた異物が再びワークに付着してしまうといった事態をより効果的に抑制することができる。
【0025】
手段5.前記槽は、該槽内において前記ゆすり動作の行われる箇所に対応する底面が、他の底面より深く形成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のワークの処理システム。
【0026】
手段5によれば、ワークのゆすり動作を十分行わせるスペースを確保しつつ、液体使用量を抑制することができる。
【0027】
手段6.前記移動手段を、予め設定されたプログラムに基づき制御可能な制御手段を設けたことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のワークの処理システム。
【0028】
手段6によれば、移動手段は、制御手段によって、予め設定されたプログラムに基づき制御される。このため、一連の処理に際し、最も効率的な作業を自動的に行うことができる。結果として、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1は、ワーク処理システムとしての「自動車ボディの前処理システム」の脱脂工程における概略構成を示す側面模式図である。
【0031】
同図に示すように、組立工程を経た自動車ボディ表面の油脂分を除去するべく、所定の溶液が貯留された脱脂槽11が設けられている。また、当該脱脂槽11の上方には、かかる脱脂槽11と相対するようにして(図1の左右方向に)図示しない移動レールが設けられており、かかる移動レールに沿って、移動手段としての移動装置17が移動可能に装備されている。
【0032】
移動装置17は、本体部18と、該本体部18に設けられたリフト部19と、リフト部19の先端部に水平状態となる位置から鉛直状態となる位置まで回動可能に設けられた台座部20とを具備している。リフト部19は多層構造になっており、本体部18内の図示しない駆動機構によって伸縮自在に構成されている。本実施の形態にあっては、自動車ボディWを、所定の宙吊り状態に維持するよう適宜リフト部19の長さが調節されるよう設定されている。台座部20は、図示しない係止機構を具備しており、自動車ボディWは、かかる係止機構によって台座部20上に保持された状態で移動させられるようになっている。
【0033】
なお、駆動機構としては、特に限定されるものではないが、例えば、モータや油圧シリンダ等を用いることができる。また、リフト部19の構成についても特に多層構造に限定されるものではなく、例えば、単独の柱体やチェーンが上下に移動可能に構成されていてもよい。
【0034】
また、図示はしないが、本システムにあっては、上記移動装置17の動作を制御するための制御装置が備えられている。制御装置は、予め定められたプログラムに基づき、前記移動装置17を制御する。
【0035】
次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用効果について説明する。
【0036】
自動車ボディWは、前記移動装置17によって、水平状態で脱脂槽11の上方にまで移送されると、同じく移動装置17によって鉛直方向となる位置にまで回動させられ、脱脂槽11内に鉛直方向で完全に浸漬させられることとなる(図1の状態S1)。かかる浸漬させられた自動車ボディWは、まず、所定回数上下にゆすられる。所定回数ゆすられた後、自動車ボディWは、脱脂層11の略中間地点における、自動車ボディWが前記溶液から離間する位置(図1の状態S2)となるまで斜め上方に移送される。そして、自動車ボディWは、かかる略中間地点を頂点として一旦停止した後、再び、所定回数上下にゆすられる。所定回数ゆすられた後、自動車ボディWは、再び溶液の中へ完全に浸漬させられるべく斜め下方に移送される。再び浸漬させられた自動車ボディW(図1の状態S3)は、再度所定回数上下にゆすられ、所定回数ゆすられた後、鉛直方向に引き上げられる。本実施の形態では、このような動作が複数回繰り返し実行される。そして、鉛直状態で引き上げられた自動車ボディWは、前記移動装置17よって、水平状態となる位置まで回動させられ、次工程(表面調整工程)を経るべく水平方向に移送される。
【0037】
以上詳述したように、本実施の形態では、上記脱脂作業が行われるのに際し、移動装置17が、自動車ボディWを上下にゆする動作を行う。このように自動車ボディWを溶液内でゆすることにより、自動車ボディWに付着、残留している異物が溶液に揉まれ、かかる異物に対して比較的大きな外力がかかることとなる。すなわち、自動車ボディWに付着、残留している鉄粉や研磨屑等の異物を積極的に自動車ボディWから剥離させ、除去することができる。
【0038】
また、自動車ボディWが、完全に溶液中に浸漬した状態でゆすられることにより、自動車ボディW全体に(特に自動車ボディWの凸面のみならず自動車ボディWの凹面に対しても)外力がかかるため、従来の洗浄では行き届きにくい部分に付着、残留している異物についても自動車ボディWから剥離させ、除去することができる。
【0039】
このように、比較的簡単な構成を採用したうえで、効果的に自動車ボディWから異物を除去することができる。結果として、システムの省スペース化、簡素化、コストダウン等を図るとともに、自動車ボディW、ひいてはその後の塗装された製品の品質向上を図ることができる。
【0040】
加えて、移動装置17は、自動車ボディWを溶液から離間させた直後にも、かかる自動車ボディWをゆする作業を行う。そのため、自動車ボディWの表面に付着した溶液内に含まれる異物を溶液ともども振り落とし、取り除くことができる。
【0041】
また、本実施の形態では、浸漬状態にある自動車ボディWが溶液中でゆすり方向とは異なる方向に移動させられる。このため、前記ゆすり動作の際に自動車ボディWから離れ、自動車ボディW近傍に存在する異物を自動車ボディWから引き離すことができる。結果として、異物が再び自動車ボディW上に堆積してしまうおそれを抑制することができる。
【0042】
特に、本実施の形態では、単に自動車ボディWを鉛直方向或いは水平方向に移動させるのではなく、斜め方向に移動させることとしている。そのため、自動車ボディWの周りには複雑な溶液の水流が生じ、当該水流が自動車ボディWとぶつかることとなる。つまり、自動車ボディWの浸漬方向(鉛直方向)も含め、浸漬状態にある自動車ボディWが様々な角度から水流に揉まれることとなる。すなわち、凹部などの比較的異物が堆積しやすい部分においても、該部分から異物を引き離すことができる。
【0043】
併せて、浸漬状態にある自動車ボディWを、脱脂工程の途中段階で引き上げることにより、より効果的に異物を自動車ボディWから引き離すことができる。
【0044】
このように、脱脂工程においても自動車ボディWを洗浄する構成を採用することにより、例えば、自動車ボディWを洗浄するためだけの水洗工程を複数回設定する等の複雑な構成を必要せず、簡単な構成で効果的に自動車ボディWから異物を除去することができる。
【0045】
また、自動車ボディWを浸漬させることにより処理することとしているので、スリッパーディップ方式のような設備の大型化等を招くこともない。つまり、バッチ方式と同等の処理スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0046】
さらに、自動車ボディWの最初の浸漬、最後の取出の際に、自動車ボディWは鉛直状態とされる。従って、脱脂槽11の出入口をテーパ面とする必要がなく、かかる意味でさらに省スペース化を図ることができ、結果として、システムの省スペース化を図ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態においては、脱脂工程について述べてきたが、上記構成及び上記構成に基づく効果は、特に脱脂工程においてのみ発揮されるものではなく、所定の溶液を貯留する槽の中に自動車ボディWを浸漬させる工程であれば上記構成を採用し、上記構成に基づく効果を得るようにしてもよい。例えば、表面調整工程、皮膜化成工程、水洗工程、及び電着工程(下塗り工程)で上記構成を採用することとしてもよい。もちろん上記構成を採用した工程を複数存在させてもよく(組み合わせて構成してもよく)、その場合には、上記効果を一層顕著なものとすることができる。ただし、電着工程において上記構成を採用する場合には、所定の溶液中に自動車ボディWを浸漬させつつ電着塗装を行うという電着工程の性質上、自動車ボディW又はその一部を所定の溶液から引き上げる構成は採用せず、溶液中においてのみ自動車ボディWがゆすられる構成とする。
【0048】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0049】
(a)上記実施の形態では、自動車ボディWが、移動装置17に宙吊り状態とされ、脱脂工程において、上下に移動させられる(ゆすられる)よう構成されていたが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、脱脂槽11内の所定の底面に上下動可能な昇降台を設け、自動車ボディWが昇降台上に乗るようにして浸漬されるよう構成し、自動車ボディWが昇降台の上下動によってゆすられることとしてもよい。
【0050】
(b)上記実施の形態における、脱脂槽11内において、進行方向に対して逆向きの水流をおこす水流装置を設けることとしてもよい。また、脱脂槽11に対し、貯留されている所定の溶液中の異物を取り除くための浄化機構を設けることとしてもよい。
【0051】
例えば、図2に示すように、脱脂槽11を、該脱脂槽11内に貯留されている溶液に対して水流を起こすべく、図示しないポンプの働きにより溶液を脱脂槽11内に向けて噴出する噴出口21と、噴出口21により噴出された溶液量と略同量の溶液を排出する排出口22と、噴出口21と排出口22とを連通するように設けられた循環路23と、該循環路23の途中に配設された浄化フィルター24とを具備するよう構成し、排出口22から排出された溶液が、循環路23を通じ、途中、浄化フィルター24を介して浄化されつつ噴出口21から噴出されることとしてもよい。かかる構成を採用した場合には、溶液を比較的クリーンな状態(異物を含まない或いは比較的含まない状態)に保つことができ、ゆすり動作等において除去された異物が再び自動車ボディに付着してしまうような事態をより効果的に抑制することができる。なお、水流装置及び浄化機構は特に限定されるものではなく、種々の構成を採用することができるものである。
【0052】
(c)また、脱脂槽11の形状は特に限定されるものではない。例えば、図3に示すように、脱脂槽11内においてゆすり動作の行われる箇所に対応する脱脂槽11の底面が、他の脱脂槽11の底面より深くなるよう構成してもよい。かかる構成を採用することによって、自動車ボディWのゆすり動作を十分行わせるスペースを確保しつつ、液体使用量を抑制することができる。
【0053】
(d)上記実施の形態では、自動車ボディWは、上下に所定回数ゆすられるように構成されていたが、特にゆすられる方向、回数、時間は限定されるものではない。例えば、進行方向に対して前後や左右にゆすられるよう構成されてもよいし、円を描くようにしてゆすられるよう構成されてもよい。なお、必要に応じて、自動車ボディWをゆらす装置である移動装置17を、進行方向に対して左右に移動可能となるように構成したり、リフト部19を屈曲可能に構成したりしてもよい。
【0054】
(e)上記実施の形態では、自動車ボディWが適宜回動させられる構成としたが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、浸漬期間中において、自動車ボディWが水平状態を保つよう構成してもよい。
【0055】
(f)上記実施の形態では、処理されるワークとして、自動車ボディWを例示しているが、他のワークを処理する場合に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における自動車ボディの前処理システムの脱脂工程における概略構成を示す側面模式図である。
【図2】別の実施の形態における槽の構成を示す側面模式図である。
【図3】別の実施の形態における槽の構成を示す側面模式図である。
【符号の説明】
11…脱脂槽、17…移動手段としての移動装置、18…本体部、19…リフト部、20…台座部、W…ワークとしての自動車ボディ。

Claims (4)

  1. 液体の貯留された槽と、
    前記槽内に、ワークを浸漬させ、所定時間後に該ワークを引き上げ、その後次の箇所の方へと搬送させるべくワークを移動させる移動手段と
    を備えたワークの処理システムであって、
    前記ワークの前記槽内への浸漬期間中に、前記移動手段は、前記ワークに関しゆすり動作を行うよう構成したことを特徴とするワークの処理システム。
  2. 少なくとも脱脂、皮膜化成、水洗、電着を行うためのそれぞれの液体が貯留された複数の槽と、
    所定の槽内に、ワークを浸漬させ、所定時間後に該ワークを引き上げ、その後次の箇所の方へと搬送させるべくワークを移動させる移動手段と
    を備えたワークの処理システムであって、
    前記ワークの前記槽内への浸漬期間中に、前記移動手段は、前記ワークに関しゆすり動作を行うよう構成したことを特徴とするワークの処理システム。
  3. 前記移動手段は、浸漬期間中において、前記ワークを前記ゆすり動作以外の方向に移送させるよう構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のワークの処理システム。
  4. 前記槽は、該槽内において、一定方向に水流をおこす水流装置を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のワークの処理システム。
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