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JP2004309910A - 帯電部材 - Google Patents

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JP2004309910A
JP2004309910A JP2003105457A JP2003105457A JP2004309910A JP 2004309910 A JP2004309910 A JP 2004309910A JP 2003105457 A JP2003105457 A JP 2003105457A JP 2003105457 A JP2003105457 A JP 2003105457A JP 2004309910 A JP2004309910 A JP 2004309910A
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Hiroyuki Osada
弘行 長田
Hiroshi Inoue
宏 井上
Noriaki Kuroda
紀明 黒田
Tomoji Taniguchi
智士 谷口
Toshihiro Otaka
利博 大高
Atsushi Ikeda
敦 池田
Shinji Doi
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Abstract

【課題】DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することにある。
【解決手段】導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層の上に少なくとも表層を有する帯電部材において、該帯電部材の表面粗さがJIS B0601−1994による十点平均粗さRzで2μm以上20μm以下、かつピーク間距離Smが0.5mm以下であり、更に、使用状態と同じ当接力で感光体と同じ曲率の円柱に当接させたときのローラ軸方向の当接力の位置バラツキが、軸方向5mm毎の当接力の最大値と最小値の比で15倍以下であることを特徴とする帯電部材。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は帯電部材に関し、詳しくは、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するための帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真画像形成装置の一次帯電の方法として、接触帯電方法が実用化されている。これは、導電性支持体(芯金)の外周に導電性弾性層を設け、該導電性弾性層外周に抵抗層を被覆して設けた帯電ローラを用い、芯金に電圧を印加し、帯電ローラと感光体の当接ニップの近傍で微小な放電をさせて感光体の表面を帯電する方法である。
【0003】
実際に普及している方法としては、例えば特許文献1のように、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するAC+DC帯電方式で、この場合、帯電の均一性を得るために重畳する交流電圧には、直流電圧印加時の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧Vppを持つ電圧が使用されている。
【0004】
AC+DC帯電方式は、交流電圧を印加することにより安定した帯電を行える方法であるが、交流の電圧源を使用する分、帯電部材に直流電圧のみを印加するDC帯電方式に比較して、画像形成装置のコストが高くなってしまう。そこで、例えば特許文献2では、DC帯電方式についての提案がなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−204081号公報
【特許文献2】
特開平5−341627号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
DC帯電方式は、AC帯電方式に比較して一般的にコストが低いが問題点もある。つまり、AC+DC帯電のようにAC電流の均し効果が無いため、帯電の均一性が、AC+DC帯電方式に比較して劣る。また、やはり均し効果が無いということで、帯電ローラ表面に付着した汚れや、帯電ローラ自身の電気抵抗の不均一性が画像に出易いという問題もある。
【0007】
例えば前記特開平5−341627号公報は、帯電ローラの構成の場合、導電性弾性体基層の電気抵抗が大き過ぎて、特に15℃/10%RHの様な低温低湿の環境中では感光体を帯電する能力が不充分である。つまり低温低湿の環境中では、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合に細かい白スジが発生する。
【0008】
そこで、抵抗を小さくするために導電性弾性体に電子導電性の導電剤を添加した場合、今度はローラの部位による電気抵抗のムラが画像上に現れてしまい、やはり充分に均一な帯電が不可能となる。特開平11−100549号公報にはカーボンブラックで抵抗を調整したNBRゴムにポリオレフィン系ポリオールを2種類以上のイソシアネートで架橋した表層をコートした事務機器用部材が記載されているが、このような構成の帯電部材では抵抗の均一性の要求特性が厳しいDC帯電用帯電部材として用いた場合に良好な帯電特性を得ることはできない。
【0009】
また、印刷メディアの厚さ等の理由により、電子写真装置を異なる2つ以上のプロセススピードで駆動して画像を出力するような場合には、DC帯電方式は、AC帯電方式と比較して良好な帯電特性を発揮するプロセススピードの範囲が狭いという問題点もある。つまり、印刷メディアの熱容量に応じ、メディアの厚みが厚い印刷メディアの場合にプロセススピードを遅くして定着部分を通過する時間を長くしたい場合や、あるいは、トランスペアレンシーシートに印刷する場合の様に、光の散乱を極力抑え、光の透過性の良い画像を得るために定着部でトナーを充分に溶融、混合させるためやはり定着部分を通過する時間を長くしたい場合等の場面で、DC帯電方式は、AC帯電方式に比較して良好な帯電を行うことがより困難であるという課題があった。
【0010】
本発明の目的は、このような課題に対処してなされたもので、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層の上に少なくとも表層を有する帯電部材において、該帯電部材の表面粗さがJIS B0601−1994による十点平均粗さRzで2μm以上20μm以下、かつピーク間距離Smが0.5mm以下であり、更に、使用状態と同じ当接力で感光体と同じ曲率の円柱に当接させたときのローラ軸方向の当接力の位置バラツキが、軸方向5mm毎の当接力の最大値と最小値の比で15倍以下であることを特徴とする帯電部材が提供される。
【0012】
第2の本発明によれば、前記表層が少なくとも無機微粒子と有機微粒子とを含有する表層である帯電部材。
【0013】
第3の本発明によれば、前記有機微粒子が絶縁性の微粒子である帯電部材。
【0014】
第4の本発明によれば、前記有機微粒子が架橋した樹脂微粒子である帯電部材。
【0015】
第5の本発明によれば、前記有機微粒子の平均円形度が0.9以上で、かつ円形度標準偏差が0.04未満ある帯電部材。
【0016】
第6の本発明によれば、前記有機微粒子は質量平均粒径の3倍以上の大きさの粒径の粒子を含まない帯電部材。
【0017】
第7の本発明によれば、前記有機微粒子が架橋したビニル系樹脂である帯電部材。
【0018】
第8の本発明によれば、前記有機微粒子がエチレングリコールビスメタクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体である帯電部材。
【0019】
第9の本発明によれば、前記無機微粒子が絶縁性の微粒子である帯電部材。
【0020】
第10の本発明によれば、前記無機微粒子が、シランカップリング剤又はシリコーンオイル、もしくはシランカップリング剤とシリコーンオイルの両方で表面処理された無機微粒子である帯電部材。
【0021】
第11の本発明によれば、前記無機微粒子が酸化チタン微粒子である帯電部材。
【0022】
第12の本発明によれば、導電性弾性体基層がエピクロルヒドリンゴムを主成分とする帯電部材。
【0023】
第13の本発明によれば、導電性弾性体基層にイオン導電剤を含有する帯電部材。
【0024】
第14の本発明によれば、前記イオン導電剤が4級アンモニウム塩である帯電部材。
【0025】
第15の本発明によれば、表層がウレタン樹脂をバインダーとする帯電部材。
【0026】
第16の本発明によれば、表層のウレタン樹脂バインダーが、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとラクトン変性アクリルポリオールとの共重合体である帯電部材。
【0027】
第17の本発明によれば、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとがイソシアヌレートタイプの3量体である帯電部材。
【0028】
第18の本発明によれば、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとがオキシムブロックタイプのイソシアネートである帯電部材。
【0029】
第19の本発明によれば、表層に導電性粉体を含有する帯電部材。
【0030】
第20の本発明によれば、導電性粉体が酸化スズにアンチモンをドープした導電性酸化スズである帯電部材。
【0031】
第21の本発明によれば、導電性酸化スズが表面をシランカップリング剤でカップリング剤処理された酸化スズである帯電部材。
【0032】
第22の本発明によれば、帯電部材を画像形成装置に用いた場合の使用状態と同様の応力で、感光体と同じ曲率の円相形金属に当接させて、使用状態と同様の回転速度で円柱形金属を回転させながら直流電圧−250Vを印加したときの帯電部材の電気抵抗が、30℃/80%RHの高温高湿環境中では1×10Ω以上であり、15℃/10%RHの低温低湿環境中では5×10Ω以下である帯電部材。
【0033】
第23の本発明によれば、像担持体と、像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成する露光手段と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、該トナー像を被転写部材に転写させる転写手段とを備えた画像形成装置において、該帯電手段は上記帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
【0034】
第24の本発明によれば、前記現像手段が、前記像担持体に対してトナーの薄層を介して接触した状態で静電潜像を現像する接触現像手段である画像形成装置。
【0035】
第25の本発明によれば、被帯電体を帯電手段で帯電させる帯電方法において、該帯電手段が上記帯電部材であり、該帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を帯電させることを特徴とする帯電方法。
【0036】
第26の本発明によれば、像担持体上に形成された静電潜像をトナーを転移させて可視化してトナー像を形成し、該トナー像を被転写部材に転写することにより画像を形成する画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジにおいて、像担持体と、該像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に該像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1つが、上記帯電部材と一体に支持されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0038】
本発明者らは、DC帯電用帯電部材の構成として、導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層の上に少なくとも表層を有する帯電部材において、該帯電部材のJIS B0601−1994による十点平均粗さRzとピーク間距離Smとを適切な値に調整し、かつ、使用状態と同じ当接力で感光体と同じ曲率の円柱に当接させたときのローラ軸方向の当接力の位置バラツキを小さくすることにより、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することができるという知見をして本発明に至った。
【0039】
従来、DC帯電方式では低温低湿環境下で安定な帯電を得ることが難しかった。また、印刷メディアの厚さ等の理由により、一つの電子写真装置を異なる2つ以上のプロセススピードで使用するような場合には、DC帯電方式は、AC帯電方式に比較して良好な帯電特性を発揮するプロセススピードの範囲が狭いという問題点もあった。本発明においては、帯電部材のJIS B0601−1994による十点平均粗さRzとSmとを適切な値に調整し、かつ使用状態と同じ当接力で感光体と同じ曲率の円柱に当接させたときのローラ軸方向の当接力の位置バラツキを小さくすることにより、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することできるということを発見し本発明に至った。
【0040】
すなわち、従来のDC帯電方式に比較して、帯電部材の表面を適切に粗面化することにより安定な帯電特性を得られるプロセススピードや温湿度の範囲が広がる効果がある。しかし、帯電部材と感光体との当接力が、帯電部材のローラ軸方向で極端にばらつきを有していると、帯電部材と感光体との接触状態がローラの軸方向の位置バラツキが大きくなり、表面を粗面化する効果が発揮されなくなる。すなわち、帯電部材と感光体との当接力が局所的に大きいと、帯電部材の表面を粗面化しても当接力により粗面の山が潰されてしまい、当接部では帯電部材が変形してあたかも表面粗度が小さい帯電部材と同じ用に振舞ってしまい、粗面化によるDC帯電の安定化の効果が失われてしまう。逆に当接力が局所的に小さいと帯電部材と感光体とが局所的に浮いたり、あるいは帯電部材表面と感光体表面との間の距離が大部分で安定なDC帯電が出来ないほど離れてしまったりといった弊害が発生し、やはり帯電部材表面粗面化によるDC帯電の安定化の効果が失われてしまう。そこで、後述するように検討をしたところ、帯電部材表面の表面粗度を適切に制御し、かつ帯電部材と感光体との当接力を実際に測定し、当接力の位置バラツキが15倍以下であるようにすれば、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することできるということを発見し本発明に至った。
【0041】
次に、本発明の帯電部材、それを用いた画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジを説明する。
【0042】
<1>帯電部材
本発明の帯電部材の具体的な構成を図1に示す。図1(a)は、帯電部材の横断面を示し、図1の(b)は、縦断面を示したものである。
【0043】
本発明の帯電部材は、導電性支持体1とその外周に形成された導電性弾性体基層2と、該導電性弾性体基層2の外周を被覆する表層3とを有する帯電部材である。そして該帯電部材の表面粗さが、JIS B0601−1994による十点平均粗さRzで1μm以上20μm以下かつ、ピーク間距離Smが0.5mm以下で、使用状態と同じ当接力で感光体と同じ曲率の円柱に当接させたときのローラ軸方向の当接力が、軸方向5mm毎の当接力の最大値と最小値の比で15倍以下であることを特徴とする。
【0044】
帯電部材の軸方向の当接力の分布を測定する方法について説明する。
【0045】
本発明においては、図2に示すようにシート状の感圧センサーを用いて当接力を測定する。このセンサーは、0.1mm程度の薄い可撓性のシートの中に、応力に応じて導電率が変化する弾性体の挟みこまれており、更にその弾性体シートの表裏に電極が形成された構造となっている。導電率が変化する弾性体シートと電極は、電極が外部の測定回路に接触する部分以外は可撓性のシートにラミネートされている。表裏の電極は、互いに垂直な方向に並んでおり、その電極の端部を外部からの抵抗測定系へ接続し、表裏の電極の交わる任意の位置の抵抗を測定することにより、目的とする位置に加わる応力を検知することができる。抵抗測定回路では、電極に印加する電圧をスキャンすることにより、任意の位置の電気抵抗を測定し、その位置の応力を知ることができる。
【0046】
このようなシート型の応力分布の測定器として、(株)ニッタ製のタクタイルセンサーが挙げられる。本発明においてもこのタクタイルセンサーを利用し、帯電部材の軸方向の当接力の分布を測定する。
【0047】
本発明における帯電部材の当接力の軸方向の分布の実際の測定について説明すると、まず図3のように該帯電ローラが実際に使用される電子写真装置の感光体と同じ曲率の円柱帯電部材との間に該タクタイルセンサーを挟み、帯電部材に実際に使用される場合と同じ荷重をかける。本発明で測定に用いたタクタイルセンサーは、帯電部材の軸方向に5mmピッチで合計44点測定可能になるように電極がプリントされたセンサー部分の構成となっている。該センサーからは、それぞれの等接点での荷重に応じた出力信号が発生しており、この信号をコンピュータに取込んで当接力の分布を観察する。
【0048】
当接力の絶対値のキャリブレーションは以下のように行う。すなわち、該センサーで測定した44点の値を合計し、該合計した信号の総和が、帯電部材に加えた荷重と帯電部材自身の自重の合計に等しくなるように計算を行い、44点の各測定ポイントにおける当接力の絶対値を決定した。図4に、本発明の帯電ローラの当接力の一例を示す。
【0049】
以下、本発明の帯電部材の詳細について説明する。
【0050】
図1に示す本発明で使用する導電性支持体1は、炭素鋼合金表面に5μmの厚さのニッケルメッキを施した円柱である。炭素鋼合金としては、円柱形状への加工がしやすい快削鋼が特に好ましい。快削鋼の例としては硫黄を含んだSUM11、SUM12、SUM21、SUM22、SUM31及びSUM32等が挙げられる。導電性支持体を構成する材料として他にも、例えば鉄、アルミニウム、チタン、銅及びニッケル等の金属やこれらの金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅等の合金、更にカーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の、剛直で導電性を示す公知の材料を使用することもできる。また、形状としては円柱形状の他に、中心部分を空洞とした円筒形状とすることもできる。
【0051】
本発明では、まず上記導電性支持体1の外周に導電性弾性体基層2を成形する。導電性弾性体基層2は導電性弾性体からなっている。導電性弾性体は、導電剤と高分子弾性体とを混合して成形される。導電剤は少なくともイオン導電剤が含有されている。高分子弾性体としては、特にエピクロルヒドリンゴムが好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムは、ゴム自体に若干の導電性があり、導電剤の添加量が少なくても良好な導電性を発揮することができ、また、環境や位置による電気抵抗のバラツキも小さくすることができるので、高分子弾性体として好適に用いられる。
【0052】
エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリンを中心とする環状のエーテルの開環重合体であり、ゴムを構成する主な単量体には、エピクロルヒドリン、エチレンオキシド及びアクリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0053】
重合体であるエピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体等が挙げられる。この中でも安定した中抵抗領域の導電性を示すことから、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が特に好適に用いられる。エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、重合度や組成比を任意に調整することで導電性や加工性を制御できる。
【0054】
高分子弾性体はエピクロルヒドリンゴムを主成分とするが、必要に応じてその他の一般的なゴムを含有されてもよい。
【0055】
その他の一般的なゴムとしては、例えばEPM(エチレン・プロピレンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、ノルボーネンゴム、NBR(ニトリルゴム)、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ウレタンゴム、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー)、SEBS(スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー)等のスチレン系ブロックコポリマー及びシリコーンゴム等が挙げられる。上記の一般的なゴムを含有する場合、その含有量は、高分子弾性体全量に対し1〜50質量%であるのが好ましい。
【0056】
導電剤としては、導電性弾性体基層の電気抵抗率のムラを小さくするという目的により、イオン導電剤を含有することが必要である。イオン導電剤が高分子弾性体の中に均一に分散し、導電性弾性体の電子抵抗率を均一化することにより、帯電ローラを直流電圧のみの電圧印加で使用したときでも均一な帯電を得ることができる。
【0057】
イオン導電剤としては、例えば、LiClOやNaClO等の過塩素酸塩、4級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。
【0058】
イオン導電剤に加えて、導電性弾性体の電気抵抗にムラを生じさせない範囲で、電子導電性の導電剤を添加することができる。電子導電性の導電剤は、電子導電性の導電剤の担う導電性が、イオン導電剤の担う導電性よりも小さい範囲で使用することができる。すなわち、電子導電性の導電剤は、高分子弾性体にイオン導電剤のみを添加した場合の体積抵抗率に対して、電子導電性の導電剤を加えて添加した場合の体積抵抗率が1/2以上であるような配合割合で使用することができる。電子導電性の導電剤としては、例えば、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅及び銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫及び酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属化合物粉、又は適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウム等で電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン粉がある。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0059】
本発明において、これらの導電剤の配合量は導電性弾性体の体積抵抗率が、低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)、常温常湿環境(N/N:23℃/55%RH)、高温高湿環境(H/H:30℃/80%RH)で、中抵抗領域(体積抵抗率が1×10〜1×10Ω・cm)になるような量が好ましい。
【0060】
導電性弾性体の体積抵抗は、厚さ1mmのシートに成形した後、両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製し、微小電流計(ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER (株)アドバンテスト社製)を用いて200Vの電圧を印加して30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
【0061】
導電性弾性体の体積抵抗率がこれよりも小さいと、像担持体である感光体にピンホールがあった場合に大電流がピンホールに一気に集中してしまい、穴をより大きくしてしまったり、穴以外の場所に電流が流れなくなって高精細なハーフトーン画像上に黒い帯となって帯電電位が不足した部分が現れてしまったりといった不具合が発生する恐れがある。逆に体積抵抗率が大き過ぎると、導電性弾性層中で印加電圧が降下してしまい、必要な放電電流が得られずに感光体を所望する電位に均一に帯電させることができなくなることがある。
【0062】
この他にも導電性弾性体には必要に応じて、可塑剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、分散剤及び離型剤等の配合剤を加えることも好ましい。
【0063】
導電性弾性体の成形方法としては、上記の導電性弾性体の原料を混合して、例えば、押し出し成形、射出成形及び圧縮成形等の公知の方法が挙げられる。また、導電性弾性体基層は、導電性支持体の上に直接導電性弾性体を成形して作製してもよいし、チューブ形状に成形した導電性弾性体を導電性支持体に被覆させてもよい。必要に応じて導電性支持体と導電性弾性体とを接着剤で接着してもよい。接着剤は熱可塑性の接着剤や熱硬化性の接着剤を必要に応じて使用する。接着剤は導電性でもよいし、絶縁性の接着剤を薄く塗って使用してもよい。なお、導電性弾性体基層の作製後に表面を研磨して形状を整えてもよい。
【0064】
導電性弾性体基層の形状は、帯電部材が実際に使用されるときの当接力の分布を均一にするため、導電性弾性体基層ローラの中央部の直径が端部の直径よりも大きいクラウン形状とする。また、出来上がったローラの当接ニップ幅が均一となるために、導電性弾性体基層ローラの振れが小さい方が好ましい。
【0065】
振れの測定値は、図5のように、導電性基体を回転軸として導電性弾性体基層ローラを回転させ、回転軸と垂直に非接触レーザー測長器(本発明においては、(株)キーエンス製 LS−5000)で測定した導電性弾性体基層の半径の最大値と最小値の差を値として求める。導電性弾性体基層の軸方向に5mmピッチで前記半径の最大値と最小値の差を求め、その値の中で最大の値を導電性弾性体基層ローラの振れの値とする。
【0066】
導電性弾性体基層ローラの振れの好ましい値は、ローラ中央部の直径の1.0%以下、より好ましくは0.5%以下である。本発明のローラの直径は8mm程度が好ましいので、振れの値は具体的には80μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以下とする。
【0067】
また、ローラの直径とは、同様に導電性基体を回転軸として導電性弾性体基層ローラを回転させ、回転軸と垂直に非接触レーザー測長器で測定した導電性弾性体基層の直径の最大値と最小値の平均とする。
【0068】
A4サイズの印刷メディア用の帯電部材の場合、導電性弾性体基層ローラの軸方向中央部の直径と、弾性体の中央部から90mmの部分の直径の値2つの平均との差を、クラウン量の値として求める。クラウン量の値は出来上がった帯電部材の当接応力が均一になるように決めるが、好ましくはローラ直径の0.1〜5.0%、具体的には8μm〜300μmが好ましい。
【0069】
一般的に導電性弾性体基層の軸方向中心部分の直径をZ(mm)とすると、中心から端部側へx(mm)離れた場所の導電性弾性体基層直径Y(mm)を以下のようにすると当接応力のばらつきが小さくなるので、好ましい。
【0070】
Y=Z−α*(A*B*x)/(C*D*E*F)
A:帯電部材が使用状態で、導電性支持体の片側端部に印加される荷重(N)
B:導電性弾性体基層の全長(mm)
C:導電性弾性体基層のアスカーC硬度(°)
D:導電性支持体の弾性率(GPa)
E:導電性支持体の直径(mm)
F:導電性弾性体基層の軸方向中心部分の肉厚(mm)
α:定数(0.22±0.02)
【0071】
上記の様な精密な導電性弾性体基層形状とするため、導電性弾性体基層は、研磨によって成形することが好ましい。更に、微妙なクラウン形状を精密に仕上げるため、導電性弾性体基層の軸方向全長よりも幅の広い回転砥石を用いて研磨することがより好ましい。研磨の一例を図6に示す。図6の様に帯電部材は回転する砥石と平行に保持され回転している。帯電部材の回転軸と砥石の回転軸とを平衡を保ったまま距離を変化させることにより、研磨がなされ、導電性弾性体基層の表面形状がクラウン形状となり、表面粗さも一定になる。砥石の形状は、導電性弾性体基層の形状が良好なクラウン形状となるように、ダイヤモンドの刃物を使って精密な形状に整えられる。砥石の材質は、グリーンカーボランダム等の公知の材質で、研磨条件に応じて砥石の番手を決定する。
【0072】
導電性弾性体のアスカーC硬度は、90°以下が好ましく、より好ましくは85°以下である。アスカーC硬度が90°を超えると、帯電部材と感光体との間のニップ幅が小さくなり、帯電部材と感光体との間の当接力が狭い面積に集中し、当接圧力が大きくなる。これによって帯電が安定しなくなったり、あるいは感光体や帯電部材の表面に現像剤その他が付着し易くなったりする等の弊害が顕著になる。
【0073】
なお、「アスカーC硬度」とは、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器株式会社製)を用いて測定した帯電部材の硬度であり、常温常湿(23℃/55%RH)の環境中に12時間以上放置した帯電部材に対して該硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後に測定した値とする。
【0074】
アスカーC硬度を小さくするため、導電性弾性体に可塑剤を配合する。配合量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。可塑剤としては、例えばセバシン酸とプロピレングリコールの共重合体のような、エステル系の高分子可塑剤を用いることができる。このようなエステル系の可塑剤はエピクロルヒドリンゴムとの極性が近く、比較的大量に配合することが可能であり、基層の硬度を小さく制御できるメリットがある。高分子可塑剤の分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上である。分子量が2000より小さいと可塑剤がローラの表面に染み出してきて感光体を汚染する可能性がある。
【0075】
また、導電性弾性体基層の表面は、表層の塗工に影響しないよう、粗さを一定以下に小さくしておく。表面粗さの測定方法は、表層の説明部分に記載する。基層の好ましい表面粗さとしては、JIS B0601−1994の表面粗さに基づき十点平均粗さRzの値として10μm以下、ピーク間距離Smの値として、200μm以下とすることが好ましい。表面粗さがこれよりも大きいと、基層の表面粗さが表層の塗工後にも帯電部材表面に現れてしまい、好ましくない。
【0076】
導電性弾性体基層は、必要に応じて導電性支持体と接着剤を介して接着される。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電剤を有することができる。
【0077】
接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂が挙げられ、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系及びエポキシ系等の公知の接着剤を用いることができる。
【0078】
導電剤としては、例えば、LiClOやNaClO等の過塩素酸塩、4級アンモニウム塩等のイオン導電剤、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅及び銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫及び酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属化合物粉、又は適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウム等で電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン粉がある。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0079】
導電性弾性体基層が完成した後に、その被覆層として表層3を設ける。
【0080】
本発明の帯電部材の表層は、少なくとも無機微粒子と有機微粒子とを含有することが好ましい。無機粒子は、表面処理をされていることがより好ましい。
【0081】
無機粒子としては、酸化チタン粉体を含有することが好ましい。酸化チタンを含有すると、高抵抗な帯電ローラを使用しても帯電電位の絶対値が大きくなり、かつ安定するので、DC帯電ローラ用として特に好ましい。工業的な酸化チタンとしては結晶形態の異なるアナターゼ型(鋭錐石)、ルチル型(金紅石)、ブルカイト型(板チタン石)の3種類があるが、ブルカイト型は学術的に取り上げられるのみで、工業面での利用は殆どなく、実質上、用いられるのはアナターゼ型とルチル型である。酸化チタンの一次粒子径は、1.0μm以下程度の微粒子であることが好ましい。酸化チタンの製造法としては、硫酸チタンを加水分解して焼成する硫酸法や四塩化チタンを高温で酸化する塩素法等がある。
【0082】
更に、本発明においては、表面を疎水化処理されている酸化チタン微粉体を用いることが好ましい。疎水化処理するには、酸化チタン微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、シランカップリング剤で処理する方法、あるいはシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法、あるいはシランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法等が挙げられる。
【0083】
疎水化処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン及び1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
【0084】
疎水化処理に使用される有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられ、好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000センチストークスのものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル又はフッ素変性シリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0085】
シリコーンオイルによる疎水化処理の方法としては、例えば、シランカップリング剤で処理された酸化チタン微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合してもよいし、ベースとなる酸化チタンヘシリコーンオイルを噴射する方法によってもよい。あるいは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースの酸化チタン微粉体と混合し、溶剤を除去することによって疎水化処理してもよい。
【0086】
無機粒子の添加量は、塗工後の表層中の質量割合として0.1〜10%が好ましい。少な過ぎると無機粒子を添加して帯電が安定する効果が得られ難く、多過ぎると表層塗料の粘度の制御が難しくなり、均一に塗工することが難しくなるので、好ましくない。
【0087】
次に、表層に含有する有機粒子としては、架橋した高分子微粒子を用いることが好ましい。架橋していないと表層塗工用の塗料としたときに溶解する恐れがあるので好ましくない。架橋した高分子微粒子を作るモノマーとしては、特には限定しないが、重合の容易さ等から、ビニル系のモノマーが好適に用いられる。
【0088】
本発明に用いるビニル系モノマーは、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸へキシル等のメタクリル酸エステル、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体、酢酸ビニル及びアクリロニトリル等が挙げられる。
【0089】
樹脂粒子が架橋された高分子微粒子となるために、本発明においては、上記のビニル系モノマー以外に、分子内にビニル基を2つ以上有する架橋性のビニル系モノマーを使用する。このような架橋性のビニル系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメチロールプロパントリメタアクリレート等が挙げられる。これら架橋性のビニル系モノマーの添加量は、非架橋性のビニルモノマーに対して0.5〜30質量部が好ましい。
【0090】
これらの架橋された高分子微粒子は、シード乳化重合、分散重合又は懸濁重合等により重合されるが、低分子の界面活性剤等の残留が少ないので、懸濁重合によって重合されることが好ましい。重合開始剤は、特に限定されないが、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物系触媒、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系触媒が挙げられる。
【0091】
本発明で使用される架橋された高分子微粒子は、形状がより真球形状に近いことがより好ましい。具体的には、平均円形度が0.95以上で、円形度標準偏差が0.040未満となるように高分子微粒子の粒子形状を精密に制御することにより、帯電ローラの表面粗さが均一になり、異なるプロセススピードで使用してもより均一な帯電特性を得ることができる。
【0092】
本発明における円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて粒子形状の測定を行い、円形度を下式により求める。更に、下式で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0093】
【数1】
Figure 2004309910
【0094】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0095】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.400〜1.000を0.010間隔で、0.400以上0.410未満、0.410以上0.420未満…0.990以上1.000未満及び1.000の如くに61分割した分割範囲に分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。
【0096】
この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であるため、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの様な算出法を用いている。
【0097】
本発明における円形度は、粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0098】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5mmφのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
【0099】
樹脂粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。
【0100】
樹脂粒子の平均粒径は、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmであり、更に好ましくは1〜25μmである。また、質量平均粒径の3倍以上の粒径を有す樹脂粒子が実質的に皆無であることが好ましい。粒径が大き過ぎると帯電ローラ表面が粗れ過ぎて帯電が不均一になってしまうという弊害がある。また、小さ過ぎると樹脂粒子を添加して低プロセススピードの領域での帯電を安定化させる効果が現れないので好ましくない。
【0101】
以下に、本発明における樹脂粒子の粒径測定の具体例を示す。
【0102】
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μm又は100μm等の適宜樹脂粒子サイズに合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径、質量平均粒径をコンピュータ処理により求め、体積基準の粒度分布より重量平均粒径の3倍径累積分布以上の累積割合を計算し、3倍径累積分布以上の累積値を求める。
【0103】
樹脂粒子の添加量は、塗工後の表層中の質量割合として1〜80質量%が好ましい。少な過ぎると樹脂粒子を添加して帯電が安定する効果が得られないし、多過ぎると表層塗料の粘度の制御が難しくなり、均一に塗工することが難しくなるので、好ましくない。
【0104】
表層のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂が用いられる。本発明の表層のバインダーとしては、ラクトン変性アクリルポリオールを、イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとで架橋したウレタン樹脂が特に好適に用いられる。
【0105】
表層のポリオールを架橋させるイソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネートを単独で用いた場合、表層が柔軟でローラの塗工後の表面が均一に仕上がるというメリットがある反面、苛酷な高温高湿環境では出来上がった表層が基層中の未加硫成分(例えば、イオン導電剤や可塑剤)がローラ表面へ染み出してくることを充分に阻止できない可能性がある。このような染み出し物質が存在すると、感光体を汚染する可能性がある。
【0106】
一方、表層のポリオールを架橋させるイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを単独で用いた場合、表層が基層からの染み出し物質の染み出しを防止する効果は大きいが、表層が固くなり過ぎて基層ゴムの熱収縮に追従できず、出来上がったローラの表面にシワが発生し、ローラの表面粗さや形状の面で望みのローラを得ることができないという弊害がある。
【0107】
本発明のローラの表層は、イソホロンジイソシアネートの染み出し物質ブロック性とヘキサメチレンジイソシアネートの柔軟性とを併せ持った良好な特性を持つ表層樹脂を提供し、イオン性の基層からの染み出し物質がローラ表面に染み出してくることを防止しつつ、良好な表面形状を有する帯電ローラを得ることができる。
【0108】
すなわち、本発明において表層に用いる樹脂は、ラクトン変性アクリルポリオールとイソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとをブレンドし硬化させることにより、ラクトン変性アクリルポリオールに対してイソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートとがランダムに反応して、架橋構造が形成されたものが好ましい。
【0109】
本発明に用いるイソシアネートは、イソシアヌレート型の3量体とすることがより好ましい。分子の剛直な3量体が架橋点となり、表層がより密に架橋することができ、イオン性の基層からの染み出し物質がローラ表面に染み出してくることをより一層効果的に防止することができる。
【0110】
また、本発明に用いるイソシアネートは、イソシアネート基がブロック剤によりブロックされたブロックイソシアネートとすることがより好ましい。この理由としては、上記イソシアネート基は反応し易く、表層塗料を常温に長時間放置しておくと徐々に反応が進み、塗料の特性が変化してしまう恐れがあるからである。これに対してブロックイソシアネートは、活性なイソシアネート基がブロックされ、ブロック剤の解離温度までは反応しないので、塗料の取扱が容易になるというメリットがある。マスキングを行うブロック剤には、フェノール、クレゾール等のフェノール類、ε−カプロラクタムのラクタム類及びメチルエチルケトオキシム等のオキシム類等が挙げられるが、本発明の場合、解離温度が比較的低温のオキシム類が好ましい。
【0111】
本発明の表層樹脂を構成するラクトン変性アクリルポリオールとブロックイソシアネートの3量体を図示する。
【0112】
【化1】
Figure 2004309910
【0113】
【化2】
Figure 2004309910
【0114】
【化3】
Figure 2004309910
【0115】
一方、ラクトン変性アクリルポリオールのOH価は80KOHmg/g程度であることが好ましい。OH価が少ないと、イソシアネートで架橋され難くなり、それによって樹脂が柔らかくなり過ぎて感光体に貼り付き易くなる。OH基が大き過ぎると塗膜が硬くなり過ぎて割れ易くなる。
【0116】
本発明のラクトン変性アクリルポリオールは、分子鎖骨格がスチレンとアクリルの共重合体であり、適度な硬度と非汚染性を有する。また、末端に水酸基を有する変性したラクトン基が多数の架橋点となり、イソシアネートで密に架橋することが可能であり、基層からの未加硫成分の染み出しを防止することができる。このようなラクトン変性アクリルポリオールとしては、例えば、プラクセルDC2016(ダイセル化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0117】
表層に用いる樹脂のガラス転移温度Tgは粘弾性測定法で、ピーク温度が45℃以上が好ましく、特には50℃以上あることが好ましい。45℃未満であると、感光体と当接したまま長期間放置した場合に感光体に貼り付いてしまったり、あるいは帯電ローラ表面がトナー等によって汚れ易くなったりするという弊害があるので、好ましくない。
【0118】
本発明におけるガラス転移温度Tgの測定方法は、以下のようにする。まず、測定用の表層サンプルは、ローラ状態から表層を剥がし、5mm×40mm程度の短冊形に切り出す。測定装置は、動的粘弾性測定装置RSA−II(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製)を用い、また治具としてフィルムテンションフィクスチャーを用いる。測定は、−50℃〜150℃の温度範囲において測定周波数6.28rad/sec、昇温速度5℃/min.、初期歪0.07〜0.25%のオートテンションモードで行う。損失正接tanδの温度分散を測定し、ピーク温度をTgとする。
【0119】
また特に限定はしないが、あまりTgが高過ぎても樹脂の可撓性がなくなり、塗膜が割れ易くなるので好ましくない。Tgは、架橋させるイソシアネートの比率又は量によって調節する。
【0120】
ラクトン変性アクリルポリオール樹脂とイソシアネートとの配合比は、配合した塗料中のイソシアネートの中のNCO基の数(A)と、ラクトン変性アクリルポリオール樹脂中のOH基の数(B)との比、NCO/OH比=A/Bが0.1〜2.0が好ましく、特に好ましくは0.3〜1.5の範囲になるように調整する。
【0121】
ラクトン変性アクリルポリオールをイソシアネートで架橋することにより、導電性弾性体基層からの低分子成分の染み出しを防止すると共に、帯電ローラ自体がトナー等に対して汚れ難く、かつ感光体を汚染しない表層を形成することができる。
【0122】
表層を形成する樹脂塗料には、各種の導電剤やレべリング剤を混合することも好ましい。レべリング剤としては、例えばシリコーンオイルが挙げられる。
【0123】
表層に用いる導電剤としては、例えばアルミニウム、パラジウム、鉄、銅及び銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫及び酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅や硫化亜鉛等の金属化合物、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金及びロジウム等を電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面に付着させた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN系カーボン及びピッチ系カーボン等のカーボン粉が挙げられる。
【0124】
本発明においては、導電剤としては、アンチモンをドープした導電性酸化スズが特に好適に用いられる。その理由は、アンチモンをドープした導電性酸化スズは、導電剤自体の体積抵抗率が比較的大きく、導電剤を分散する樹脂の体積抵抗率との差が他の導電剤に比較して小さいので、導電剤を分散して中抵抗の表層材料としたときに、導電剤の分布の僅かな差が表層材料の抵抗の差を生じ難く、抵抗の位置によるばらつきを比較的小さく抑制することができることが、本発明の表層材料の導電剤として好適であるからである。
【0125】
表層の樹脂に加えるこれらの導電剤の配合量は、表層の樹脂の体積抵抗率が低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)、常温常湿環境(N/N:23℃/55%RH)、高温高湿環境(H/H:30℃/80%RH)で、中抵抗領域(体積抵抗率が1×10〜1×1015Ω・cm)になるように決める。
【0126】
表層の体積抵抗率がこれよりも小さいと、帯電ローラとして使用した場合、感光体にピンホールがあるときにピンホールに過大な電流が流れてリークしてしまい、リークした跡が画像に表れてしまうので好ましくない。逆に体積抵抗率が大き過ぎると、帯電ローラに電流が流れず、感光体を所定の電位に帯電することができず画像が所望する濃度にならないという弊害がある。また、ある程度の電位に帯電したとしても帯電が不均一になり画像上に表れてしまうので好ましくない。
【0127】
表層の体積抵抗は、ローラ状態から表層を剥がし、5mm×5mm程度の短冊形に切り出す。両面に金属を蒸着して電極とガード電極とを作製し、微小電流計(ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER (株)アドバンテスト社製)を用いて200Vの電圧を印加して30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
【0128】
導電性酸化スズの配合量としては、塗工後の表層に対して10〜80質量%が好ましく、特に好ましくは20〜60質量%である。導電性酸化スズの一次粒径は、示差走査型電子顕微鏡観察で0.1μm以下が好ましい。表層塗料中で二次粒子が小さくなるまで公知の方法で分散する。二次粒子径は、遠心沈降式粒度分布計(CAPA700:堀場製作所製)による体積平均粒径MEDIANの値で、1.0μm以下が好ましく、特に好ましくは0.5μm以下に分散する。二次粒子径が大きいと表層材料の抵抗の位置によるばらつきが大きくなり、帯電ムラの原因となるので好ましくない。
【0129】
本発明に用いられる導電性酸化スズは、表面がカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。上記カップリング剤は、同一分子内に加水分解可能な基と疎水基を有し、珪素、アルミニウム、チタン又はジルコニウム等の中心元素に結合している化合物で、この疎水基部分に長鎖アルキル基を有するものである。
【0130】
加水分解基としては、例えば比較的親水性の高い、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基等が用いられる。その他、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、これらの変性体及びハロゲン等も用いられる。また疎水基としては、その構造中に炭素原子が6個以上直鎖状に連なる構成を含むものであればよく、中心元素との結合形態においては、カルボン酸エステル、アルコキシ、スルホン酸エステル又は燐酸エステルを介して、あるいはダイレクトに結合していてもよい。更に、疎水基の構造中に、エーテル結合、エポキシ基又はアミノ基等の官能基を含んでもよい。カップリング剤処理することで酸化スズ表面への水分の吸着を抑え、より環境変動の小さい表層材料を得ることができる。本発明に用いるカップリング剤としては、反応性が高いシランカップリング剤が好ましい。
【0131】
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン及びヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられるが、特に導電剤の体積抵抗率の環境変動を小さく抑えることができるので、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
【0132】
表層の成形方法としては、上記の表層を構成する材料を、サンドミル、ペイントシェーカ、ダイノミル及びパールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を用いて公知の方法により分散させ、得られた表層形成用の樹脂塗料を、ディッピング法やスプレーコート法により、帯電部材の表面、本発明においては導電性弾性体基層の上に塗工する。表層塗料の利用効率を考慮すると、ディッピング法が好ましい。
【0133】
表層の膜厚は、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmである。表層の膜厚が100μmよりも厚いと、膜厚を均一にして表層の抵抗を均一にし、帯電を均一にすることが非常に難しくなり、画像上ローラの軸方向に細かい白スジが発生するので好ましくない。膜厚は、ローラ断面を、例えば剃刀の刃のような鋭利な刃物で切り出して、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察することで測定できる。断面の一例を図7に示す。
【0134】
本発明の帯電部材の表層の膜厚としては、電子顕微鏡で撮った断面写真中の表層の膜厚の平均を帯電部材の表層の膜厚とする。
【0135】
表層膜厚を調整するために表層塗料の樹脂の固形分と塗工引き上げ速度を制御する。表層塗料中の樹脂の固形分を大きくすると表層の膜厚が大きくなり、固形分を小さくすると膜厚も小さくなる。表層塗料においては、揮発する溶媒に対する樹脂の固形分を12〜40%に調整する。また、塗工引き上げ速度を大きくすると膜厚が大きくなり、速度を小さくすると膜厚も小さくなるので、本発明においては塗工引き上げ速度を20〜5000mm/min.に調整する。
【0136】
本発明の帯電部材の表面粗さとしては、JIS B0601−1994による十点平均粗さRzで2μm以上20μm以下、ピーク間距離Smが0.5mm以下、である。表面粗さがあまり大き過ぎると、仮に帯電部材の当接力の位置バラツキが良好であっても、帯電部材と感光体との間に大きな隙間ができ易く、帯電不良の原因となる。表面粗さが小さ過ぎると樹脂粒子を添加して遅いプロセススピードでの帯電を安定させた効果が現れない。
【0137】
平均粗さ(Rz)の測定方法としては、JIS B0601−1994の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE3400にて、軸方向3点×周方向2点の計6点について各々測定し、その平均値をとる。本発明においては、接触針は先端半径2μmのダイヤモンドとし、測定スピード0.5mm/s、カットオフλc0.8mm、基準長さ0.8mm、評価長さ8.0mmとした。
【0138】
上記範囲の表面粗さを有する帯電部材とするため、基層の表面粗さ、表層の膜厚、樹脂粒子の平均粒径と添加量を調整する。基層の十点平均粗さはRzで20μm以下、より好ましくは15μm以下とする。
【0139】
また、本発明の帯電部材は、図5の様に、画像形成装置に用いた場合の使用状態と同様の応力で、感光体と同じ曲率の円相形円柱形金属に当接させて、使用状態と同様の回転速度で円柱形金属を回転させながら(本発明では軸の両端にそれぞれ5Nの力を加えて、直径24mmの金属円柱に当接させ、該金属円柱の周速45mm/sで回転させた)直流電圧−200Vを印加したときの帯電部材の電気抵抗が、30℃/80%RHの高温高湿の環境中では1×10Ω以上であり、15℃/10%の低温低湿の環境中では5×10Ω以下であることが好ましい。より好ましくは、30℃/80%RHの高温高湿の環境中では1.4×10Ω以上であり、15℃/10%の低温低湿環境中では5×10Ω以下であることが好ましい。
【0140】
低温低湿の環境中の抵抗が上記範囲より小さいと、帯電ムラによるハーフトーン画像上の細かい横白スジがほとんど発生しないので好ましい。また、高温高湿環境中の抵抗が上記範囲より大きいと、感光体にピンホールがあったとしても印加電流がリークせず、ハーフトーン画像上に帯電の濃度ムラが現れることがないので好ましい。
【0141】
電気抵抗を上記範囲とするには、帯電部材の導電性弾性体基層の体積抵抗率を1×10〜1×10Ω・cmに、また表層の体積抵抗率が1×10〜1×1013Ω・cmでかつ表層の膜厚が5〜40μmになるように調整すればよい。
【0142】
<2>画像形成装置
図8に本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラ6を用いた画像形成装置を示す。像担持体である感光体ドラム5は矢印の方向に回転しながら、帯電ローラ6によって一次帯電され、次に露光手段により露光光11が照射され静電潜像が形成される。現像手段である現像ローラ4上の薄層になったトナーは、トナー帯電ローラ29で帯電され、次いで感光体ドラム5の表面と接触することによって、静電潜像が現像され、可視化したトナー像が形成される。
【0143】
現像されたトナー像は、転写部材である転写ローラ8と感光体ドラム5の間の現像部において、感光体ドラム5から被転写部材である印刷メディア7に転写され、その後定着部9で熱と圧力により定着され、永久画像となる。帯電前露光装置によって感光体ドラムに残った潜像に露光し、感光体ドラムの電位がアース電位に戻る。転写されなかった転写残トナーは、クリーニングブレード10で回収される。
【0144】
現像ローラ4、トナー帯電ローラ29、帯電ローラ6、転写ローラ8のそれぞれには画像形成装置の電源18、19、20、22から、それぞれ電圧が印加されている。
【0145】
ここで、本発明の帯電部材である帯電ローラ6には、電源20から直流電圧が印加される。印加電圧に直流電圧を用いることで、電源のコストを低く抑えることができるという利点がある。また、交流電圧を印加したときに発生する帯電音が発生しないという利点がある。
【0146】
印加する直流電圧の絶対値は、空気の放電開始電圧と被帯電体表面(感光体表面)の一次帯電電位との和とすることが好ましい。通常空気の放電開始電圧は600〜700V程度、感光体表面の一次帯電電位は300〜800V程度なので、具体的な一次帯電電圧としては900〜1500Vとすることが好ましい。
【0147】
また、フルカラー画像形成装置とする場合は、図9の様に感光体ドラム5a〜d、転写ローラ8a〜d、帯電ローラ6a〜d、トナー帯電ローラ29a〜d、弾性規制ブレード30a〜d、露光光11a〜d、トナー容器31a〜d等をそれぞれ4色分用意して、直列に配置することもできる。
【0148】
あるいは、感光体を4色の現像装置で共有し、図10の様に現像装置を1色の現像毎に回転させてもよい。
【0149】
更に、図11の様に各色のプロセス部分を縦に並べて画像形成装置とすることもできる。
【0150】
<3>帯電方法
本発明は、帯電部材に直流電圧を印加することにより、被帯電体を帯電させる帯電方法を提供する。
【0151】
<4>プロセスカートリッジ
本発明は、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化しトナー像を形成させる現像手段と、前記被転写部材にトナー像が転写された後に前記像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1つが、本発明の帯電部材と一体に支持され、画像形成装置から着脱自在に構成されているプロセスカートリッジである。
【0152】
本発明のプロセスカートリッジは、例えば、図12に示すように、感光体ドラム5や帯電ローラ6、現像ローラ4及びクリーニングブレード10等が一体に支持された、画像形成装置の本体と脱着自在な構成である。
【0153】
電子写真プロセスカートリッジが使用される前には、トナーシール27で現像ローラ4とトナーの接触を避けておくことが好ましい。
【0154】
【実施例】
以下に本発明を実施例をもって説明するが、本発明は実施例よって制限されるものではない。
【0155】
(実施例1)
<帯電ローラの作製>
(1)導電性弾性体基層の調製
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100質量部、充填剤としての炭酸カルシウム30質量部、滑剤としてのステアリン酸亜鉛1質量部、研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(商品名:シーストSO、東海カーボン製)4質量部、酸化亜鉛5質量部、可塑剤として、セバシン酸とプロピレングリコールの共重合体(分子量8000)を5質量部、下記式で示される過塩素酸4級アンモニウム塩2質量部、
【0156】
【化4】
Figure 2004309910
老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール1質量部をオープンロールで20分間混練し、更に、加硫促進剤としてのDM(2−ベンゾチアゾリルジサルファイド)1質量部、加硫促進剤としてのTS(テトラメチルチウラムモノサルファイド)0.5質量部、加硫剤としての硫黄1.2質量部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。
【0157】
これをゴム押し出し機を使用して、外径11mm、内径5.5mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶を使用して、160℃の水蒸気中で40分間一次加硫し、導電性弾性体基層ゴム一次加硫チューブを得た。
【0158】
次に、直径6mm、長さ256mmの円柱形の導電性支持体(快削鋼SUM22製、表面はニッケルメッキ6μm)の円柱面の軸方向中央部231mmに金属とゴムとの導電性熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20)を塗布し、80℃で30分間乾燥した後、120℃で1時間乾燥した。この導電性支持体を、前記導電性弾性体基層ゴム一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンの中で160℃で2時間、二次加硫と接着剤の硬化を行い、未研磨層を得た。
【0159】
この未研磨層のゴム部分の両端部を突っ切り、ゴム部分の長さを231mmとした後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、軸方向中央部直径8.40mm、中央部から端部方向90mmの部分の直径8.28mm、のクラウン形状で表面の十点平均粗さRz6μm、振れ25μmの導電性弾性体基層を有する帯電ローラを得た。
【0160】
導電性弾性体基層を有する帯電ローラをN/N(常温常湿:23℃/55%RH)環境に24時間以上放置した後、導電性弾性体基層を有する帯電ローラの抵抗を測定したところ、2.2×10Ωであった。また、ゴム部分のアスカーC硬度は75°であった。
【0161】
(2)表層の調製
導電性酸化スズ粉体(商品名:SN−100P、石原産業(株)製)50質量部に、トリフルオロプロピルトリメトキシシランの1%イソプロピルアルコール溶液を500質量部と平均粒径0.8mmのガラスビーズ300質量部を加え、ペイントシェーカで70時間分散後、分散液を500メッシュの網で濾過し、次にこの溶液をナウターミキサーで攪拌しながら100℃の湯浴で暖めてアルコールを飛ばして乾燥させ、表面にシランカップリング剤を付与し表面処理導電性酸化スズ粉体を得た。
【0162】
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製)300質量部を、1316質量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分13質量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200質量部に対して前記表面処理導電性酸化スズ粉体を44質量部、シリコーンオイル(商品名:SH−28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)を0.04質量部、ヘキサメチレンジシラザンとジメチルシリコーンオイルで表面処理した微粒子酸化チタン(一次粒径0.015μm)3.0質量部、平均粒径8μmの架橋ポリメチルメタクリレート(商品名:MBX−8、積水化成品工業(株)製)16質量部を配合し、これに直径0.8mmのガラスビーズ200質量部を加えて、450mlのマヨネーズビンに入れてペイントシェーカを使い12時間分散した。用いた樹脂粒子の粒径分布のチャートを図13に示す。
【0163】
この分散液370質量部にイソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製)を19.2質量部とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)を12.3質量部を混合し、ボールミルで1時間攪拌し、最後に200メッシュの網で溶液を濾過して表層塗料を得た。塗料の粘度は23℃の環境下で7.3mPa・sであった。
【0164】
前記表層塗料をディッピンク法により前記導電性弾性体基層を有する帯電ローラの表面に塗工した。引き上げ速度400mm/minで塗工し、20分間風乾した後、ローラの塗工時の軸方向を反転してもう一度引き上げ速度400mm/minで塗工し、もう一度30分間風乾した後、160℃で100分間乾燥した。膜厚は18μm、表層の体積抵抗率は8×1012Ω・cmであった。こうして完成したローラを実施例1の帯電ローラとした。
【0165】
<帯電ローラの評価>
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示すようにして評価を行った。
【0166】
当接応力の分布と表面粗さは、前述の方法で測定した。
<画像評価>
本試験で使用した電子写真式レーザプリンタはA4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、100mm/secと30mm/secの2種類、画像の解像度は600dpiである。
【0167】
感光体はアルミニウムシリンダーに膜厚14μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。
【0168】
トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移温度63℃、質量平均粒径5.5μmの重合トナーである。
【0169】
一次帯電は、上記で得られた実施例1の帯電ローラを用い、直流電圧−1150Vを帯電ローラに印加した。
【0170】
画像の評価は全て、ハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像)画像を出力して行った。
【0171】
低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)、高温高湿環境(H/H:30℃/80%RH)における帯電が原因の初期画像不良としては、細かい横白スジが予想されるので、この横スジが全く発生しなかったものを◎、ほんの少し発生したが実用上はほとんど気が付かないレベルのものを〇、少し発生したが実用上は問題無いものを△、大量に発生したものを×とした。
【0172】
更に、各環境で印字濃度4%(感光体の回転方向と垂直方向に幅2ドット、間隔50ドットの横線を描くような画像)を連続でプロセススピード100mm/secで5000枚耐久し、各環境でハーフトーン画像を出力した。この場合、帯電ローラの表面当接力の分布のムラに起因する汚れが帯電ムラとなって発生しないかどうかを見た。帯電ムラが発生しないものを◎、少し発生したが実用上は問題無いものを〇、中程度に発生するものを△、非常にムラが大きかったものを×とした。
【0173】
なお、L/LとH/Hでは初期画出しを行う前に帯電ローラの抵抗を測定した。抵抗の測定方法としては、まず図14(a)の様に、帯電ローラの両端の軸1を荷重のかかった軸受け33aと33bとにより感光体と同じ曲率の円柱形金属32に対して帯電ローラが平行になるように当接させる。次に図14(b)の様に、図示しないモーターにより円柱形金属32を帯電ローラ使用状態と同様の回転速度で回転させ、ローラを円柱形金属に当接させたまま従動回転させながら安定化電源34から直流電圧−200Vを印加したときに帯電ローラに流れる電流を電流計35で測定して帯電ローラの抵抗を計算した(本発明では軸の両端にそれぞれ5Nの力を加えて、直径φ24mmの金属円柱に当接させ、該金属円柱の周速45mm/sで回転させた)。
【0174】
実施例1の帯電ローラは良好な表面性で、高温高湿環境でも低温低湿環境でも良好な画像を2種類のプロセススピードで出力し、耐久後も良好な画像を出力した。評価結果を表1と表2に示す。
【0175】
(実施例2〜7)
導電性弾性体基層のクラウン量を0.03〜0.30mmに変更した以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例2〜5の帯電部材を得た。当接力の位置バラツキが大きくなると画像上にスジが少し見えるようになるが、実用上は問題ない画像が得られた。更に、耐久後もクラウン量が大きい帯電部材には多少の帯電ムラが見られたが、実用上は問題なかった。
【0176】
(実施例8、9、10)
表層に加える樹脂粒子の添加量を32質量部、50質量部、8質量部に代えた以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例8と実施例9と実施例10の帯電部材を得た。50質量部添加すると耐久後の画像上に中程度の汚れが発生したが、実用上は問題なかった。その他の画像も、初期、耐久後の画像とも実用上問題なかった。
【0177】
(実施例11)
表層に加える樹脂粒子の平均粒径を3μmに代えた以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例11の帯電部材を得た。耐久後の画像上に帯電ムラが僅か見られたが、実用上は問題なかった。
【0178】
(実施例12)
表層に加える樹脂粒子を、変更した。アクリル樹脂の塊をグラインダーで粉砕し、次に液体窒素温度で更に粉砕し、風圧で分級することにより、平均粒径8μmかつ、平均円形度0.8μm、円形度標準偏差0.1の樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を使用した以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例12の帯電部材を得た。耐久後の画像上に帯電ムラが見られたが、実用上は問題なかった。
【0179】
(実施例13)
表層に加える樹脂粒子を、変更した。実施例1の樹脂粒子と同様にして作った、平均粒径15μmの樹脂粒子と、同じく実施例1の樹脂粒子と同様にして作った、平均粒径5μmの樹脂粒子とを、1:2の割合で混合し、実施例13の樹脂粒子とした。この樹脂粒子の平均粒径は8μmであるが、24μm以上の粒径を有する樹脂粒子成分を3.5%以上含んでいた。この樹脂粒子を使用した以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例13の帯電部材を得た。粗大粒子に起因すると考えられる帯電ムラが僅かに見られたが、実用上は問題なかった。
【0180】
(実施例14、15)
表層のアクリルポリオール溶液の濃度を変え、表層の膜厚を8μmと29μmに代えた以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例14と15の帯電部材を得た。膜厚が大きくなると初期画像に僅かに横スジが発生したが、実用上は問題なかった。
(実施例16〜20)
導電剤の導電性酸化スズの配合量を30質量部、35質量部、40質量部、50質量部、60質量部に代えた以外は、実施例1の帯電部材と同様にして実施例16〜20の帯電部材を得た。導電材の配合量を減らすと横スジが見られたが、初期、耐久後の画像とも実用上は問題なかった。
【0181】
(比較例1)
導電性弾性体基層のクラウンを全くつけずにストレート基層とした以外は、実施例1の帯電部材と同様にして比較例1の帯電部材を得た。中央部と端部とで当接力に16倍の差が発生し、初期から中央部に横スジが顕著に発生した。
【0182】
(比較例2)
導電性弾性体基層のクラウンを0.50mmとした以外は、実施例1の帯電部材と同様にして比較例2の帯電部材を得た。帯電部材の端部が浮いてしまい、端部に初期から横スジが顕著に発生した。
【0183】
(比較例3、4)
表層に添加する樹脂粒子の添加量を0質量部と85質量部に代えた以外は、実施例1の帯電部材と同様にして、比較例3と4の帯電部材を得た。初期から顕著な横スジが発生し、帯電部材として不良であった。
【0184】
(比較例5)
表層に加える樹脂粒子の添加量を10質量部にし、かつ平均粒径を30μmに代えた以外は、実施例1の帯電部材と同様にして比較例5の帯電部材を得た。初期から顕著な横スジが発生し、帯電部材として不良であった。
【0185】
以上、実施例と比較例の結果を表1及び表2に示す。
【0186】
【表1】
Figure 2004309910
【0187】
【表2】
Figure 2004309910
【0188】
本発明の帯電部材が異なるプロセススピードで使用しても長期間安定したDC帯電を行うことができる理由に関しては、以下のことが考えられる。
【0189】
すなわち、帯電部材表面の十点平均粗さRzが適度に粗れていることにより、帯電部材と感光体との間に適度な空隙が存在し、この適度な空隙が帯電を安定させ、プロセススピードを変化させて帯電を行っても良好な帯電を得られるのではないかと考えられる。また、ピーク間距離Smが適度に小さいことにより、帯電部材からの放電が、広範囲には広がらず、帯電のムラとしては見えないのではないかと考えられる。
【0190】
更に、導電性弾性体基層の形状が最適化され、帯電部材と感光体との当接応力のバラツキを小さく抑えていることにより、表面粗さが適度に粗れていることによる効果を画像領域の全域に亘って均一に発現せしめていると考えられる。
【0191】
【発明の効果】
本発明により、DC帯電法によって、例えば600dpiの中間調画像の様な高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで使用しても長期間安定した帯電が行える帯電部材を提供することが可能となった。
【0192】
また、本発明の帯電部材を使用することにより、DC帯電法によって高精細画像を出力した場合においても、良好な帯電特性により、異なるプロセススピードで長期間安定した帯電が行える画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材の一つの実施の形態の断面を表す概略図を示す。
(a)帯電部材の横断図、(b)帯電部材の断面図
【図2】本発明における帯電部材の当接力を測定するシート状の感圧センサーの概略図である。
【図3】本発明における帯電部材の当接力の軸方向の分布の測定方法の概略図である。
【図4】本発明にかかる帯電ローラの当接力の一例を示す図である。
【図5】本発明にかかる帯電ローラの振れの測定方法の概略図である。
【図6】本発明にかかる帯電ローラの研磨の一例を示す図である。
【図7】本発明にかかる帯電ローラの表層を電子顕微鏡で撮った断面写真である。
【図8】本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラを用いた画像形成装置の概略図である。
【図9】本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラを用いたフルカラー画像形成装置の概略図である。
【図10】本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラを用いた別のフルカラー画像形成装置の概略図である。
【図11】本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラを用いた別のフルカラー画像形成装置の概略図である。
【図12】本発明の帯電部材と一体に支持されているプロセスカートリッジの概略図である。
【図13】実施例に用いた樹脂粒子の粒径分布のチャート図である。
【図14】実施例に用いた帯電ローラの抵抗の測定方法の概略図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2 導電性弾性体基層
3 表層

Claims (1)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に設けられた、導電性弾性体基層と、該導電性弾性体基層の上に少なくとも表層を有する帯電部材において、該帯電部材の表面粗さがJIS B0601−1994による十点平均粗さRzで2μm以上20μm以下、かつピーク間距離Smが0.5mm以下であり、更に、使用状態と同じ当接力で感光体と同じ曲率の円柱に当接させたときのローラ軸方向の当接力の位置バラツキが、軸方向5mm毎の当接力の最大値と最小値の比で15倍以下であることを特徴とする帯電部材。
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