JP2004307427A - 腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MCP−1ドミナント・ネガティブ変異体をコードする遺伝子を挿入したプラスミドであり、大腿筋に注射で投与する腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。腎臓移植、腎臓手術、腎損傷、腎梗塞、腎動脈狭窄、腎動脈硬化、腎硬化症、腎出血、火傷・熱傷またはショックに起因して生じる腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤として有用である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、腎臓移植等に伴って生じる腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
腎虚血−再灌流は腎臓移植において不可避であり、大手術、腎動脈狭窄、出血、火傷、挫滅外傷、各種の理由によるショック状態とも頻繁に関連付けられる。虚血−再灌流傷害は、腎臓残存に大きな影響を持つが、数十年に及ぶ実験室および臨床調査、ならびに腎補充療法の出現にもかかわらず、急性尿細管壊死の全体的な死亡率はほとんど変わっていない。
【0003】
さらに、腎臓移植の長期移植機能は、虚血−再灌流傷害の初期強度に関連付けられる。腎虚血−再灌流傷害の臨床上のあらゆる重要性によって、傷害の特異的な治療法を検討する必要がある。
【0004】
ケモカインは、白血球やリンパ球に対して、遊走活性を有する一群の蛋白質である。ケモカインは、その構造から大きく4種類に分けられ、1番目と2番目のシステインが連続して配置されているものは、CCケモカインと称されている。
【0005】
CCケモカインのひとつである単球遊走因子−1(MCP−1)は、それ自身が蛋白として報告され、またほぼ同時期にcDNA配列も明らかになった(J. Exp. Med. 169, 1449−1459, 1989;J. Exp. Med. 169, 1485−1490, 1989;FEBS lett, 244, 487−493, 1989)。MCP−1を認識する受容体はすでに同定され、またcDNAもクローニングされている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 2752−2756, 1994;Biochem. Biophys. Res. Commun. 202, 1156−1162, 1994)。現在、CCケモカイン受容体として11種類の受容体が知られており、MCP−1受容体はCCR2と呼ばれている。
【0006】
MCP−1は、マクロファージの浸潤および活性化において重要な役割を果たし、腎疾患を含む組織破壊を生じる。反対に、最近の研究により、CCR2シグナル伝達も腎疾患の組織破壊に関与していることが明らかになった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−47203
【特許文献2】
特開2002−284698
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、腎臓移植等に伴って生じる腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ロリンズらは、MCP−1蛋白のアミノ酸変異体を各種作成し、そのうちいくつかは細胞遊走活性が消失することを報告した(J. Bio. Chem. 269, 15918−15924, 1994)。これらの変異体のうち、N末端から数えて2から8番目のアミノ酸を欠失させた変異体7ND−MCP−1は、CCR2に対する結合能はあるが、細胞遊走を惹起しない、又はドミナントネガティブ(dominant negative)として野生型MCP−1とダイマーを形成し、MCP−1の機能を阻害した。また、ケモカインのN末端欠失が、ケモカインの対応する内在性単量体とのヘテロ2量体を形成することによるケモカイン受容体の相互作用の有力などミナントネガティブ阻害剤になり得、このものが関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症、肺繊維症等の慢性肺炎等の炎症、自己免疫疾患等の治療に有効であることが知られている(特表平11−506005号公報)。
【0010】
本発明者は、MCP−1/CCR2シグナル伝達経路の遮断がMCP−1/CCR2仲介炎症を抑制し、それによって腎虚血−再灌流傷害が改善されると仮定し、本発明の課題を解決する手段として、7ND−MCP−1を用いてインビボでMCP−1/CCR2シグナル伝達経路を遮断するために、電気穿孔法による遺伝子治療を評価し、本発明を完成した。
【0011】
本発明は、課題の解決手段として、単球遊走因子−1(MCP−1)機能阻害剤を有効成分とする、腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤は、MCP−1機能阻害剤を有効成分として含有する。
【0013】
MCP−1機能阻害剤は、生体におけるMCP−1の機能を阻害できるものであれば特に限定されるものではなく、抗MCP−1抗体(ポリクローナル及びモノクローナルを含む)、MCP−1アンタゴニスト(蛋白及び非蛋白低分子化合物を含む)、MCP−1優性阻害(ドミナント・ネガティブ)変異体(蛋白及び非蛋白低分子化合物を含む)およびそれらをコードする遺伝子から選ばれた1種を挙げることができる。
【0014】
これらの抗体、アンタゴニスト、ドミナントネガティブ及びこれらをコードする遺伝子はすでに種々のものが知られており、また公知の手法により得ることが可能なものを本発明に用いることができる。例えば、抗MCP−1抗体は、J. Immunology, 147, 2229−2233, 1991に記載の方法により得ることができ、MCP−1アンタゴニスト及びMCP−1ドミナントネガティブは、特表平11−506005号公報等に開示されている。
【0015】
本発明では、蛋白としてのMCP−1機能阻害剤を生体へ投与するよりも、蛋白としてのMCP−1機能阻害剤をコードする遺伝子を導入する方が、遺伝子を生体(血)中で長く存在させることができるため好ましい。
【0016】
本発明では、MCP−1ドミナントネガティブ変異体(N末端変異体を含む変異型MCP−1類、より好ましくはN末端から数えて2から8番目のアミノ酸を欠失させた変異体7ND−MCP−1)、MCP−1アンタゴニストが好ましい。
【0017】
本発明では、MCP−1ドミナントネガティブ変異体(N末端変異体を含む変異型MCP−1類、より好ましくはN末端から数えて2から8番目のアミノ酸を欠失させた変異体7ND−MCP−1)をコードする遺伝子、MCP−1アンタゴニストをコードする遺伝子がより好ましい。
【0018】
MCP−1ドミナントネガティブをコードする遺伝子は、配列表の配列番号1で表される塩基配列を有するDNAが用いられる。
【0019】
MCP−1アンタゴニストをコードする遺伝子は、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質が用いられる。
【0020】
遺伝子は発現ベクターに挿入されているものが好ましく、発現ベクターは、その機能を発揮するものであれば特に限定されるものではない。発現ベクターとして、例えばプラスミド、アデノウイルスベクター、センダイウイルス〔HVJ(Hemagglutinating Virus of Japanの略)〕ベクターおよびセンダイウイルスエンベロープ(HVJ−E)ベクターから選ばれる1種を挙げることができる。
【0021】
発現ベクターを構築する際にはプロモーターやエンハンサーを用いてもよく、プロモーターやエンハンサーは、宿主(生体)内で機能するものであれば特に限定されるものではない。プロモーターとしては、例えばSV40プロモーター、CMVプロモーター、HSV−TK、SRα、RSV等を挙げることができる。
【0022】
遺伝子を宿主(生体)内で発現させるためには、リポソームも用いることができる。この場合、遺伝子はリポソームの内部、リポソームを構成する脂質二重膜の内部又は膜の外側に存在していてもよい。遺伝子を宿主(生体)内で発現させることが可能なリポソームの組成は、種々のものが知られている。
【0023】
本発明の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤で有効成分として含まれるMCP−1機能阻害剤は、MCP−1ドミナント・ネガティブ変異体をコードする遺伝子を挿入したプラスミドが好ましい。
【0024】
本発明の治療・改善・予防剤の対象となる腎虚血再灌流傷害は、腎臓移植、腎臓手術、腎損傷、腎梗塞、腎動脈狭窄、腎動脈硬化、腎硬化症、腎出血、火傷・熱傷またはショック(例えば、外的または内的要因よる生体への衝撃)に起因するものを挙げることができる。
【0025】
本発明の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤の生体への投与方法は、非経口的投与が望ましい。非経口的投与の方法としては注射を挙げることができ、注射は血行再建術施行部位(血管)に行ってもよいし、動脈、静脈、筋肉、皮膚、皮下等の血行再建術施行部位以外の部位に行ってもよいが、大腿筋が最も好ましい。
【0026】
投与法として注射を選択する場合、注射薬は、生理食塩水に等張化剤、緩衝剤、保存剤、賦形剤、無痛化剤等を添加したものを用いることができる。
【0027】
人への投与量は、患者の症状、年齢、性別、体重等により適宜検討すればよく、例えば、蛋白の場合は、0.1〜1000mgを、遺伝子の場合は、0.01〜100mgを、2〜4週間に1回投与すればよい。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0029】
〔物質および方法〕
7NDの発現
カルボキシル末端にエピトープタグFLAG(DYKDDDDK)を持つヒト7ND cDNAは、野生種ヒトMCP−1 cDNA(米国フレドクリック、NCIのTeizo Yoshimura博士より寄贈)をテンプレートとして用いて組換えポリメラーゼ連鎖反応によって作成し、pcDNA3発現ベクタープラスミド(インビトロゲン;米国カリフォルニア州カールスバッド)のBamH1(5’)およびNod1(3’)部位内にクローニングした。
【0030】
骨格筋におけるFLAGを持つ7NDの発現は、再灌流の4時間後に抗−FLAG M2抗体(シグマアルドリッチ、ドイツ、ミュンヘン)を用いて、免疫組織化学法によって検出した。血清中のFLAG結合7NDは、FLAGウェスタン検出キット(ストラタジーン、米国カリフォルニア州ラホーヤ)を用いて検出した。
【0031】
要約すれば、血清中の7ND SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、SDS−pageゲルおよびSDS溶出緩衝液を用いて実施し、次にゲルからの蛋白質バンドをニトロセルロース膜に電気ブロッティングした。FLAGウェスタン検出キットは、免疫反応性の検出に使用した。
【0032】
さらに本発明者は、ヒトMCP−1(R&Dシステムズ、米国ミネソタ州ミネアポリス)の定量サンドウィッチ酵素イムノアッセイを用いて、7NDの血清レベルを評価した。このアッセイは、マウスMCP−1を含む他のケモカインと交差反応しない。
【0033】
動物および7ND遺伝子のトランスフェクション
8週齢の近交系オスBalb/cマウスは日本チャールズリバー社(日本、神奈川、厚木)より入手した。3グループのBalb/cマウスについて研究した。
【0034】
偽処置グループ、大腿筋に空プラスミド50μl(1μg/μl)の投与を受けた対照グループおよび7ND遺伝子を含む空プラスミド50μl(1μg/μl)の投与を受けた7ND遺伝子導入グループであった。
【0035】
発現を向上させるために、注射直後の注射部位に電気パルス発生器ECM830(BTX、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて電気穿孔法を動物に受けさせた。
【0036】
動物実験で用いたすべての手順は、金沢大学宝町キャンパスの動物実験における対処および用途の指針に述べられている基準に従った。
【0037】
腎虚血モデル
遺伝子移入の7日後、左腎臓の腎動脈および静脈を60分間閉塞させた。再灌流の0、4、24または48時間後、病理検査のために、各時点で5匹のマウスから腎組織を除去した。
【0038】
組織の調製
腎組織の一部分を10%緩衝ホルマリン中で固定し、続いてパラフィン中に埋め込み、過ヨウ素酸シッフ(PAS)試薬と同様にヘマトキシリンおよびエオシンを用いて染色した。実験計画の事前知識をもたない2名の独立した観察者が各組織切片を評価した。髄質外部の無作為に選択した20の高倍率フィールド(×400)において、間質浸潤細胞の数をカウントした。観察者は、尿細管壊死の程度を評価するために設計された下記の半定量スケールを用いて評価した。スコア〔ATN(Acute Tubular Necrosis)スコア〕が高いほど、損傷が深刻であることを表す。(最高スコア,4)
0:正常な腎臓
1:<5%関与(5%以下の範囲で尿細管壊死がみられる)
2:5〜25%関与(5−25%の範囲で尿細管壊死がみられる)
3:25%〜75%関与(25ー50%の範囲で尿細管壊死がみられる)
4:>75%関与。(75%以上の範囲で尿細管壊死がみられる)
各群5匹のマウスであり、その群のスコアを平均±標準誤差で示した。
免疫組織化学研究
OCT化合物に埋め込み、急速凍結した再灌流24時間後の新しい腎組織の他の部分を6μm切除した。
【0039】
F4/80−陽性マクロファージ、CCR2−陽性細胞およびMCP−1−陽性細胞の存在は、ラット抗マウスF4/80モノクローナル抗体(クローン:A3−1;BMAバイオメディカルズAG、スイス、アウグスト)、ヤギ抗マウスCCR2抗体(sc−6228;サンタクルーズバイオテクノロジー、米国カリフォルニア州サンタクルーズ)またはウサギ抗マウスMCP−1抗体(金沢大学、Naofumi Mukaida博士より寄贈)を用いて、免疫組織化学的に検出した。
【0040】
切片は、最初にヤギ抗マウスCCR2抗体で一晩インキュベートした。PBS中ですすいだ後、ラット抗マウスF4/80モノクローナル抗体を加え、切片を一晩インキュベートした。
【0041】
この抗体の特異性を評価するために、本発明者は組織試験片を正常ヤギまたはラットIgGでそれぞれ染色し、CCR2蛋白質によって抗体を吸収した。
【0042】
CCR2染色は、切片をFITC結合ロバ抗ヤギIgG抗体(1:200;ジャクソンイムノリサーチ研究所、株式会社、米国ペンシルバニア州)によって、120分間インキュベートすることにより視覚化した。
【0043】
すすいだ後、切片はCy3結合ロバ抗ラットIgG抗体(1:200;ジャクソンイムノリサーチ研究所、株式会社)を用いて120分間インキュベートし、F4/80を視覚化した。画像処理にはAdobe(R)Photoshopを使用し、3色チャネルは個別に処理した。
【0044】
髄質外部の無作為に選択した20の高倍率フィールド(X400)において、間質浸潤F4/80−陽性細胞の数をカウントした。
【0045】
さらに、MCP−1とF4/80−陽性細胞との関係を評価するために、本発明者は、ウサギ抗マウスMCP−1抗体およびラット抗マウスF4/80抗体を用いて、二重標識色免疫蛍光検査免疫組織化学法を使用した。簡単には、ベクタステインABC−アルカリホスファターゼキット(ベクターラボ、米国カリフォルニア州バーリンゲーム)を用いてMCP−1を検出した。
【0046】
次に、スライドをメタノール中の0.1%アジ化ナトリウムおよび0.3%H2O2で15分間固定した。この工程の後、ベクタステインABC−ぺルオキシダーゼキット(ベクターラボ)を使用して、F4/80を検出した。
【0047】
ラビット抗マウスMCP−1抗体の特異性は、正常ウサギIgGを使用して評価し、MCP−1蛋白質を用いて抗体を吸収した。
【0048】
疾患腎臓におけるMCP−1転写物の検出
MCP−1転写物を定量するために、全長RNAを各グループの5匹のマウスの全腎臓から、再灌流の4時間後に抽出した。
【0049】
cDNAは、スーパースクリプトII RNase H−逆転写酵素(インビトロジェン、カリフォルニア州カールスバッド)により、各グループの5匹のマウスより組合わせた全長RNA5μgから逆転写した(マウス1匹に付きRNA1μg)。
【0050】
逆転写は次のパラメータを使用して実施した:25℃で10分、48℃で30分、および95℃で5分。
【0051】
すべてのPCR実験で、ライトサイクラー(ロシュダイアゴノスティックス、スイス、バーゼル)を使用した。
【0052】
次に、ライトサイクラー−ファーストスタートDNAマスタSYBRグリーンI(ロシュダイアゴノスティックス)を用いて、ライトサイクラー内でリアルタイムPCRを実施した。
【0053】
MCP−1(フォワード:5’−ACTGAAGCCAGCTCTCTCTTCCTC−3’、リバース5’−TTCCTTCTTGGGGTCAGCACAGAC−3’)(11)およびGAPDH(日本遺伝子研究所、日本、仙台)のプライマー、および上で調製したcDNA2μlを用いて、MCP−1およびGAPDHを検出した。
【0054】
反応物は95℃で10分間インキュベートし、次に95℃で15秒間、55℃で10秒間、および72℃で20秒間を40サイクル行った。
【0055】
各サンプルにおけるMCP−1 mRNA発現は、GAPDH発現による修正の後、最後的に記載した。各サンプルにおけるMCP−1およびGAPDHの発現は、個別のウェルで定量した。
【0056】
逆転写を含まないリアルタイムPCR手順では、PCR生成物は検出されず、ゲノムDNAの汚染は無視できることが示された。
【0057】
リアルタイムPCRのMCP−1またはGAPDHの定量後のPCR生成物のゲルは、予想されたサイズ(データは示さず)の単一バンド(それぞれ270および230bp)を示した。
【0058】
さらに本発明者は、マウスMCP−1(R&Dシステムズ)の定量サンドイッチ酵素イムノアッセイを用いて、マウスMCP−1の血清レベルを評価した。このアッセイは他のケモカインと交差反応しない。
【0059】
統計分析
本発明で決定したすべてのパラメータに対して、平均の標準誤差(SEM)を計算した。統計分析はANOVA試験を用いて実施した。統計的に有意であるとしてp<0.05を受け入れた。
【0060】
〔結果〕
図1(大腿筋における7NDの発現)
電気穿孔法を用いて遺伝子導入を実施した骨格筋におけるFLAGを持つ7NDの発現は、免疫組織化学法により検出した。7NDに対する陽性の線維の数は、再灌流4時間後に7ND遺伝子導入マウスによる大腿筋で観察された(矢印)(A)。
【0061】
対照マウスによる筋肉では、FLAG結合7ND遺伝子のそのような発現は検出されなかった(B)。
【0062】
血清中のFLAG結合7NDは、ウェスタンブロット分析によって検出した。7ND遺伝子導入マウスにおいて再灌流4時間および48時間後に、血清中でブロットを検出した(C)。
【0063】
7NDは7ND遺伝子導入マウスを示す。(A)および(B)の当初の倍率は×40である。
【0064】
図2(細胞浸潤および急性尿細管壊死が減少した7ND遺伝子導入マウス)
PAS染色腎組織を用いて組織病理学検査を実施した。多数の浸潤細胞および尿細管壊死は主に、再灌流24時間後(A)および48時間後(B)の対照マウスの左腎臓の髄質外部で見られた。これに対して、浸潤細胞および尿細管壊死の数は、再灌流24時間後(C)および48時間後(D)の7ND遺伝子導入マウスの左腎臓において減少した。パネル(E)は、偽処置左腎臓の組織学的特徴を示す。
【0065】
7ND遺伝子導入マウスの急性尿細管壊死のスコア〔ATNスコア〕は、髄質外部における再灌流24時間および48時間後に、対照マウスよりも著しく低かった(F)。
【0066】
間質浸潤細胞の合計数は、再灌流24時間後および48時間後に、7ND遺伝子導入マウスで著しく減少した(G)。
【0067】
7NDは7ND遺伝子導入マウスを示す。当初の倍率は×400である。値は平均±SEMである。
【0068】
図3(7ND遺伝子導入マウスで減少した、大半はCCR2−陽性であったF4/80−陽性細胞の数)
F4/80−陽性細胞の数は、再灌流または偽処置4時間後、24時間後および48時間後、髄質外部の、ランダムに選択した高倍率フィールド(×400)でカウントした。F4/80−陽性細胞の数は、虚血−再灌流24時間後および48時間後の7ND遺伝子導入マウスで著しく減少した(A)。
【0069】
F4/80−陽性細胞は、Cy3を用いて描出し、CCR2はFITCを用いて染色した。F4/80−(B)およびCCR2−(D)陽性細胞は、再灌流24時間後に虚血−再灌流腎臓の髄質外部で検出された。間質浸潤F4/80−陽性細胞の大半は、傷害を受けた腎臓中の陽性CCR2でもあった(C)。CCR2の免疫活性は、正常ヤギIgGによってインキュベートされた切片中で検出されなかった(E)。
【0070】
F4/80−陽性細胞(茶色:矢印)は、再灌流24時間後に対照マウスにおいてMCP−1−陽性尿細管上皮細胞(赤色)の周囲を浸潤した(F)。しかし、再灌流24時間後の7ND遺伝子導入マウスでは、より少ない数のF4/80−陽性細胞(茶色:矢印)がMCP−1−陽性尿細管上皮細胞(赤色)の周囲を浸潤した(G)。
【0071】
7NDは7ND遺伝子導入マウスを示す。値は平均±SEMである。当初の倍率は×400である。
【0072】
虚血−再灌流4時間後のMCP−1発現
本発明者は、再灌流4時間後に、対照マウスおよび7ND遺伝子導入マウスの腎臓の両方において同等に、尿細管上皮細胞間のMCP−1陽性細胞および間質浸潤細胞を検出した。
【0073】
さらに傷害を受けた腎臓におけるMCP−1 mRNAの発現は、偽処置マウスと比較して、対照マウスおよび7ND遺伝子導入マウスの両方で増加した(MCP−1/GAPDH:偽、92.3:野生種、315.6;7ND、758.3)。
【0074】
さらに疾患腎臓におけるMCP−1の血清レベルは、再灌流4時間後の対照マウスと7ND遺伝子導入マウスで相違がなかった(偽、57.0±21.0pg/ml;野生種、201.0±41.7pg/ml;7ND、198.0±12.3pg/ml;それぞれn=5)。
【0075】
これらの結果は、虚血−再灌流自体が再灌流4時間後の対照マウスと7ND遺伝子導入マウスの両方において腎障害を同等に誘起することを示唆した。
【0076】
7NDの発現
7NDに対して陽性の線維の数は、再灌流4時間後の7ND遺伝子導入マウスによる大腿筋中に見られた(図1A)。
【0077】
これに対して、対照グループによる筋肉中には、カルボキシル末端FLAGエピトープタグ付き7ND遺伝子は検出されなかった(図1B)。
【0078】
さらに、FLAG蛋白質の血清のウェスタンブロット分析は、FLAGエピトープタグ付き7NDが7ND遺伝子導入マウスの血清中に、効果的に分泌されることを示した(図1C)。
【0079】
さらに、実験中に7NDの血清レベルが上昇した(偽、検出できず;4時間、47.4±4.3pg/ml;24時間、36±6.5pg/ml;48時間、35.2±4.0pg/ml;それぞれn=5)。
【0080】
急性尿細管壊死および間質細胞浸潤の程度を著しく低下させた7ND処置
対照マウスにおける虚血−再灌流の4時間後、24時間後および48時間後、対照マウスの髄質外部の虚血−再灌流後に、顕著な急性尿細管壊死および多数の細胞浸潤が誘起された(図2A、B、F、G)。
【0081】
7ND遺伝子導入マウスにおける急性尿細管壊死のスコアは、虚血−再灌流24時間後および48時間後の対照マウスにおいて著しく低かった(図2C、D、F)。
【0082】
さらに7ND処置は、対照マウスと比較して虚血−再灌流4時間後、24時間後および48時間後の浸潤細胞の数を減少させた(図2C、D、G)。偽処置左腎臓および右対照腎臓の組織的特徴は、正常腎臓と本質的に同じであった(図2E)。
【0083】
7ND遺伝子導入マウスにおける間質F4/80−陽性細胞の減少
本発明者は、対照マウスと比較して、再灌流24時間後および48時間後に7ND遺伝子導入マウスにおいて間質F4/80−陽性細胞の著しい減少を観察した(図3A)。
【0084】
F4/80−(図3B)およびCCR2−陽性細胞は、再灌流24時間後に虚血−再灌流腎臓で検出された(図3D)。
【0085】
大半の間質F4/80−陽性細胞も、再灌流24時間後に、傷害を受けた腎臓中のCCR2に対して陽性であった(図3C)。
【0086】
F4/80細胞は、再灌流24時間後の対照マウスのMCP−1−陽性細胞周囲に浸潤した(図3D)。
【0087】
しかし、より少数のF4/80−陽性細胞が、再灌流24時間後の7ND遺伝子導入マウスのMCP−1−陽性細胞の周囲に浸潤した(図3F)。
【0088】
考察
本発明において、本発明者は、突然変異遺伝子7NDの筋肉内導入によるMCP−1/CCR2シグナル伝達経路の出生後遮断が、急性尿細管壊死および間質細胞浸潤を含む虚血−再灌流における腎傷害を著しく減少させることを証明した。付随して、大半がCCR2−陽性であるマクロファージは、7NDによって大幅に減少する。全体から見ると、7ND遺伝子を用いたMCP−1/CCR2シグナル伝達経路の抑制は、腎臓における虚血−再灌流傷害に有益な治療法である。
【0089】
本発明は、腎虚血−再灌流傷害の治療標的として、MCP−1/CCR2シグナル伝達経路を強く示している。本発明者はここで、7ND遺伝子導入マウスにおいて、間質浸潤マクロファージの数が著しく減少したことを証明した。MCP−1はマクロファージにとって最も強力な化学走化性因子の一つであり、CCR2はMCP−1にとって重要な同族受容体である。
【0090】
本発明者は、傷害を受けた腎臓における浸潤マクロファージのほとんどがCCR2−陽性であることを証明した。化学走化性に加えて、MCP−1は接着分子の発現にも関与し、傷害を受けた腎臓の実質内への、マクロファージの血管外遊出を生じた。その上、MCP−1はマクロファージからのリソゾーム酵素の放出とスーパーオキシドアニオンの生成を誘起し、組織破壊を引き起こす。付随して、CCR2欠乏マウスは複数の疾患モデルにおいて、マクロファージの補充に失敗した。
【0091】
これらのデータは、組織破壊につながる疾患臓器への補充と同様に、マクロファージの活性化におけるCCR2の決定的な寄与を示唆した。全体から見ると、MCP−1/CCR2シグナル伝達経路は、虚血−再灌流傷害にとって重要であり、その抑制は、おそらくマクロファージの浸潤および活性化の減少による腎傷害を終止させるのに効果的でありうる。
【0092】
本発明は、虚血−再灌流傷害における7ND遺伝子導入の治療効力を明らかにした。RANTES(regulated upon activation、normal T cell expression and secreted)およびMCP−3等のアミノ末端切断ケモカインは、生物反応を誘起せずにそれぞれの受容体となお結合し、それゆえ真に競合的な受容体拮抗物質であることが最近報告された。
【0093】
さらに、MCP−1のアミノ末端は、MCP−1が化学誘引活性を維持するために不可欠である。その上、7NDが野生種MCP−1とともに不活性ヘテロダイマー構造を形成し、インビトロでの単球走化性を抑制することが報告された。これらに基づいて、7ND遺伝子導入は動脈硬化および管状血管組織修復の形成をこれまで保護している。それゆえ7ND遺伝子導入は、MCP−1/CCR2シグナル伝達経路を効率的に遮断し、MCP−1/CCR2関連疾患の進行を阻止しうる。本研究の期間中には明らかな副作用は観察されなかったが、将来の研究においては長期間に渡る慎重な観察が必要となるであろう。
【0094】
本発明は、7ND処置マウスにおいて好中球の数が減少することを明らかにした。本発明者や他の研究者は、虚血−再灌流傷害における好中球の重要性を以前に報告した。最近の研究は、炎症が好中球でのCCR2発現をアップレギュレートすることを明らかにした。さらに複数の研究は、MCP−1およびCCR2がインビボでの急性および慢性炎症状態において好中球の走化性を促進することを報告した。好中球の浸潤に関与するCXCケモカインは、単球によって分泌されることが報告されているため、浸潤単球の数が減少し、7NDによる単球の活性化の遮断がCXCケモカイン発現を減少させうる。その上、活性化好中球は、活性酸素種および、セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、チオールプロテアーゼおよびアスパラギン酸プロテアーゼ等の蛋白質分解酵素の潜在的な発生源であり、組織破損を引き起こす。7ND遺伝子導入はひとまとめにして、好中球浸潤に関与し、マウスの虚血−再灌流の初期段階における尿細管壊死を引き起こしうる。
【0095】
炎症に対する抗MCP−1治療に関する多くの実験および議論が検討されてきたにもかかわらず、虚血−再灌流傷害に対する特異的かつ有効な治療はこれまで利用できなかった。MCP−1は虚血−再灌流傷害だけでなく、MCP−1自体またはCCR2欠乏マウスを用いた各種の炎症にも関与することが証明されている。
【0096】
したがって、マクロファージの浸潤および活性化につながるMCP−1/CCR2シグナル伝達の調節は、腎傷害を含む炎症において治療上の潜在能力を持ちうる。それゆえ7NDは、腎臓における虚血−再灌流傷害に対して非常に有効で効率的である、魅力的な治療上のアプローチとなりうる。
【0097】
【発明の効果】
本発明のMCP−1機能阻害剤を有効成分とする腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤は、腎臓移植、腎臓手術、腎損傷、腎梗塞、腎動脈狭窄、腎動脈硬化、腎硬化症、腎出血、火傷・熱傷またはショックに起因する腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤として有用である。
【0098】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは、遺伝子導入を実施したマウス骨格筋(大腿筋)における7NDの発現を示した図である。
Bは、遺伝子導入しなかった対照マウスの筋肉には、7NDの発現が検出されなかったことを示した図である。
Cは、血清中のFLAG結合7NDを、ウェスタンブロット分析によって検出した図である。
【図2】対照マウスと比較し、7ND遺伝子導入マウスにおいて、細胞浸潤および急性尿細管壊死が減少したことを示す組織病理学検査像である。
Aは、対照マウスにおける再灌流24時間後、左腎臓の髄質外部の組織病理学検査像である。
Bは、対照マウスにおける再灌流48時間後、左腎臓の髄質外部の組織病理学検査像である。
Cは、7ND遺伝子導入マウスにおける再灌流24時間後、左腎臓の髄質外部の組織病理学検査像である。
Dは、7ND遺伝子導入マウスにおける再灌流48時間後、左腎臓の髄質外部の組織病理学検査像である。
Eは、偽処置左腎臓の組織学的特徴を示した検査像である。
Fは、髄質外部における急性尿細管壊死のスコア〔ATNスコア〕を、再灌流24時間および48時間後に、7ND遺伝子導入マウスと対照マウスで比較したグラフである。
Gは、間質浸潤細胞の合計数を、再灌流24時間後および48時間後に、7ND遺伝子導入マウスと対照マウスで比較したグラフである。
【図3】Aは、髄質外部のF4/80−陽性細胞数を、再灌流または偽処置4時間後、24時間後および48時間後に、7ND遺伝子導入マウスと対照マウスで比較したグラフである。
Bは、7ND遺伝子導入マウスにおける再灌流24時間後の、間質浸潤F4/80−陽性細胞を示す図である。
Cは、7ND遺伝子導入マウスにおける再灌流24時間後の、間質浸潤F4/80−陽性細胞の大半は、傷害を受けた腎臓中の陽性CCR2であったことを示す図である。
Dは、7ND遺伝子導入マウスにおける再灌流24時間後の、間質浸潤CCR2−陽性細胞を示す図である。
Eは、CCR2の免疫活性は、正常ヤギIgGによってインキュベートされた切片中で検出されなかったことを示す図である。
Fは、F4/80−陽性細胞は、再灌流24時間後に対照マウスにおいてMCP−1−陽性尿細管上皮細胞の周囲を浸潤したことを示す図である。
Gは、再灌流24時間後の7ND遺伝子導入マウスでは、より少ない数のF4/80−陽性細胞がMCP−1−陽性尿細管上皮細胞の周囲を浸潤したことを示す図である。
Claims (10)
- 単球遊走因子−1(MCP−1)機能阻害剤を有効成分とする、腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- MCP−1機能阻害剤が、抗MCP−1抗体、MCP−1アンタゴニスト、MCP−1優性阻害(ドミナント・ネガティブ)変異体およびそれらをコードする遺伝子から選ばれた1種である、請求項1記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- MCP−1ドミナント・ネガティブ変異体をコードする遺伝子が配列番号1で表されるものである、請求項1または2記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- 遺伝子が発現ベクターに挿入されたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- 発現ベクターが、プラスミド、アデノウイルスベクター、センダイウイルス(HVJ)ベクターおよびセンダイウイルスエンベロープ(HVJ−E)ベクターから選ばれた1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- 筋肉投与する、請求項1〜5のいずれかに記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- 筋肉が大腿筋である、請求項6記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- MCP−1機能阻害剤が、MCP−1ドミナント・ネガティブ変異体をコードする遺伝子を挿入したプラスミドであり、大腿筋に投与する、請求項1〜7のいずれかに記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- MCP−1アンタゴニストが配列番号2で表される蛋白質である、請求項1または2記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
- 腎虚血再灌流傷害が、腎臓移植、腎臓手術、腎損傷、腎梗塞、腎動脈狭窄、腎動脈硬化、腎硬化症、腎出血、火傷・熱傷またはショックに起因するものである請求項1〜9のいずれかに記載の腎虚血再灌流傷害の治療・改善・予防剤。
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