JP2004300467A - 金属体の表面構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属からなる母材1に金(Au)メッキを形成してなる金属体の表面構造において、母材1の表面にニッケル(Ni)層2を形成し、ニッケル(Ni)層2の表面に周期表8A族の金属からなるバリア層3を形成すると共に、バリア層3の表面に金(Au)層4を形成してなる。また、バリア層3にはロジウム(Rh)を用い、さらに母材1にはステンレス鋼を用いることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属からなる母材に金(Au)メッキを形成してなる金属体の表面構造に関し、特にニッケル(Ni)層を下地として金(Au)層を形成する金属体の表面構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属体に金(Au)をメッキする際に、密着性の問題から直接メッキできない場合にはまず金属体にニッケル(Ni)メッキを施し、その表面に金(Au)メッキを施すことが行われている。この場合、金(Au)メッキを施された金属体が高温にさらされたり、繰り返し電圧を付加されたりすることで、ニッケル(Ni)層中のニッケル(Ni)が金(Au)層を拡散し、金(Au)層の表面に露出するマイグレーション現象を生じることがある。マイグレーション現象を生じると、ニッケル(Ni)は表面で酸化し、金属体の表面を金(Au)でメッキした効果が失われる。
【0003】
例えば、ガラスからなるレンズ等の光学素子を保持する鏡筒のうち、外周面を半田付けすることで機器に取付けられるものは、外周面に金(Au)メッキが施される。金(Au)メッキは、鏡筒に光学素子を形成する前に予め施しておいた方が低コストに製造できる。その場合、光学素子を形成するには、ガラスを軟化させなければならないため、メッキされた鏡筒は高温にさらされる。したがって、鏡筒に光学素子を形成する際に、マイグレーション現象を生じることになる。また、スイッチの接点に金(Au)メッキを施したものでは、スイッチの接点は繰り返し電圧を付加される部分であるために、同様にニッケル(Ni)のマイグレーション現象を生じることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このマイグレーション現象を防止するための金属体の表面構造としては、例えば特許文献1に示すように金(Au)層を厚めに形成するものがある。従来の光学素子の鏡筒は光学素子の材料として、融点が400〜450℃程度である比較的低融点のガラスを用いていたため、このような構造でもある程度マイグレーション現象を防止することができた。しかし、光学素子の材料となるガラスに、融点が500℃以上である高融点のものを用いた場合は、マイグレーション現象の防止には十分ではない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−261730号公報
【0006】
図7〜図10には、ニッケル(Ni)層を下地として金(Au)層を形成した金属体の表面構造における組成分布の測定値を示す。各図の横軸は金(Au)層の深さ方向を示し、0の位置が最表面を表している。また、縦軸は金(Au)層中の金(Au)、ニッケル(Ni)、酸素(O)の各組成割合を表している。なお、金(Au)層の表面付近には炭素が付着するために、表面にごく近い位置では炭素も検出されているが、マイグレーション現象とは直接関係しないので、省略している。ここでは、ニッケル(Ni)層を下地として2〜3μmに形成し、その上に金(Au)層を2〜3μmに形成している。ガラスを軟化させてレンズ等に形成する際の条件として、窒素雰囲気中において570℃で4分間加熱を行うものをベーキング条件として設定した。また、空気中で酸化する際の条件として、空気中において350℃で4時間加熱を行うものを酸化加速条件として設定した。
【0007】
図7は、ニッケル(Ni)層を下地として金(Au)層を形成し、加熱を行っていない状態における組成分布を示している。この場合、ニッケル(Ni)はほとんど拡散していない。図8は、ベーキングのみを行った場合の組成分布を示している。この場合においては、金(Au)層の中に略一様にニッケル(Ni)が拡散しており、マイグレーション現象が生じている。また、表面付近では酸素(O)の濃度も高くなっており、酸化していることを示している。図9は、酸化加速加熱のみを行った場合の組成分布を示している。この場合においては、金(Au)層の表面付近にニッケル(Ni)が拡散しており、また酸素(O)についても略同様の分布を示している。図10は、ベーキング及び酸化加速加熱の両方を行った場合の組成分布を示している。この場合においては、金(Au)層の中にニッケル(Ni)が広く分布し、かつ酸化も深く進行している。
【0008】
このように、ニッケル(Ni)層の下地に金(Au)層を形成した従来の金属体の表面構造では、500℃以上の高温にさらされた場合にマイグレーション現象が生じ、また表面に露出したニッケル(Ni)が空気中で酸化することにより、金(Au)でメッキした効果が失われることとなる。これにより、光学素子の鏡筒においては、半田付けを行うことができなくなるとの問題を生じる。また、金属体を流れる電流によりマイグレーション現象を生じる場合には、スイッチの接点において、導通不良を引き起こすとの問題を生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、高温の条件でもニッケル(Ni)の拡散を防ぎ、金(Au)層の表面状態を良好に保つことのできる金属体の表面構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る金属体の表面構造は、金属からなる母材に金(Au)メッキを形成してなる金属体の表面構造において、
上記母材の表面にニッケル(Ni)層を形成し、該ニッケル(Ni)層の表面に周期表8A族の金属からなるバリア層を形成すると共に、該バリア層の表面に金(Au)層を形成してなることを特徴として構成されている。
【0011】
本発明によれば、バリア層により高温の条件でもニッケル(Ni)層から金(Au)層へのニッケル(Ni)の拡散を抑えることができる。
【0012】
また、本発明に係る金属体の表面構造は、上記バリア層はロジウム(Rh)からなることを特徴として構成されている。
【0013】
さらに、本発明に係る金属体の表面構造は、上記母材はステンレス鋼からなることを特徴として構成されている。
【0014】
さらにまた、本発明に係る金属体の表面構造は、上記母材は光学素子を保持する円筒状の鏡筒に形成されてなり、該鏡筒の外周面に上記ニッケル(Ni)層とバリア層及び金(Au)層を形成してなることを特徴として構成されている。
【0015】
本発明によれば、光学素子の材料に高融点のガラスを用いても、鏡筒の表面でマイグレーション現象を生じることなく光学素子を成形できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1は、本発明に係る金属体の表面構造の断面模式図である。また、図2は、本実施形態における鏡筒の断面図である。まず、本発明に係る金属体の表面構造について説明する。本発明に係る金属体の表面構造は、図1に示すように金属からなる母材1の表面にメッキ層を形成してなるものである。本実施形態では、母材1はステンレス鋼からなっている。
【0017】
母材1の表面には下地となるニッケル(Ni)層2が形成される。ニッケル(Ni)層2は、2〜3μm程度の厚さに形成されている。ニッケル(Ni)層2の表面には、ロジウム(Rh)からなるバリア層3が形成される。バリア層3は、0.1〜0.3μm程度の厚さに形成されている。さらに、バリア層3の表面には、金(Au)層4が形成される。金(Au)層4は、2〜4μm程度の厚さに形成されている。これら各層の厚さは、必ずしも上記のものには限られない。また、ニッケル(Ni)層2や金(Au)層4に比べて、バリア層3は上記のように極めて薄く形成しているが、もっと厚く形成してもよい。また、本実施形態ではバリア層3にロジウム(Rh)を用いたが、これに限られず、周期表の8A族の金属であればよく、例えばパラジウム(Pd)や白金(Pt)を用いることもできる。
【0018】
このような金属体の表面構造を形成した場合の、金(Au)層4の表面付近における組成分布の測定値を図3〜図6に示す。これら各図において、横軸は金(Au)層4の深さ方向を示し、0の位置が最表面を表している。また、縦軸は金(Au)層4中の金(Au)、ニッケル(Ni)、酸素(O)の各組成割合を表している。なお、金(Au)層4の表面付近には炭素が付着するために、表面にごく近い位置では炭素も検出されているが、マイグレーション現象とは直接関係しないので、省略している。
【0019】
図3には、本発明に係る表面構造を有する金属体の表面付近組成分布を示す。加熱等を行っていない状態では、表面のごく近傍で酸素(O)の割合がやや大きくなっているものの、ニッケル(Ni)のマイグレーション現象及び酸化はほとんど起きていないと言える。これに、ガラスの成形時の条件を模した高温でのベーキングと、空気中で長時間に渡って酸化が進行する場合の条件を模した比較的低温での酸化加速加熱によって、それぞれ表面でニッケル(Ni)のマイグレーション現象及び酸化がどのように進行するかを以下に示す。
【0020】
図4には、本発明に係る金属体の表面構造にベーキングを行った後における表面付近組成分布を示す。ベーキングの条件は、先に述べたものと同一であり、窒素雰囲気中において570℃で4分間加熱を行うように設定した。この場合、組成分布は図3に示すベーキング前の状態とほとんど変わらない。すなわち、570℃でベーキングを行っても、ニッケル(Ni)層2と金(Au)層4の間に設けたバリア層3の存在により、ニッケル(Ni)は金(Au)層4にほとんど拡散せず、したがってマイグレーション現象はほとんど生じない。図8はバリア層3を有していない従来例における、ベーキング後の組成分布図であり、これと比較すると、バリア層3の存在によりマイグレーション現象の有無に大きな差を生じていることが分かる。
【0021】
図5には、本発明に係る金属体の表面構造に酸化加速加熱を行った後における表面付近組成分布を示す。酸化加速加熱の条件は、先に述べたものと同一であり、空気中において350℃で4時間加熱を行うように設定した。この場合においても、組成分布は図3に示す酸化加速加熱前の状態とほとんど変わらない。図9のバリア層3を有してない従来例における、酸化加速加熱後の組成分布図と比較しても明らかである。酸化はニッケル(Ni)に対して起こるため、ニッケル(Ni)が金(Au)層4の表面に拡散しにくい本発明に係る金属体の表面構造では、表面で酸化も起こしにくい。図9は、バリア層3を有していない従来例における、酸化加速加熱後の組成分布図であり、これと比較しても本発明に係る金属体の表面構造では、最表面での酸化はほとんど起きていないことが分かる。
【0022】
図6には、本発明に係る金属体の表面構造にベーキング及び酸化加速加熱の両方を行った後における表面付近組成分布を示す。ベーキング及び酸化加速加熱の条件は、先に述べたものと同一であり、窒素雰囲気中において570℃で4分間加熱を行った後、空気中において350℃で4時間加熱を行った。この場合も、組成分布は図3に示すベーキング及び酸化加速加熱前の状態とほとんど変わらない。これらの結果により、金属体の表面構造にバリア層3を有していることにより、ニッケル(Ni)層からのニッケル(Ni)の表面に向かう拡散を防ぐことができ、マイグレーション現象を抑えることができる。また、それに伴ってニッケル(Ni)が表面で酸化することも少なくすることができ、金(Au)層4の表面状態を良好に保つことができる。バリア層3を有していない従来例における、同様の条件での組成分布図である図10と比較しても、本発明に係る金属体の表面構造では、マイグレーション現象及び酸化がほとんど起きていないことが分かる。
【0023】
このような金属体の表面構造の製造方法について説明する。母材1の表面に形成されるこれら各層は、電解メッキにより形成される。すなわち、まず母材1に酸洗浄等の前処理を行ってから、ニッケル(Ni)の電解液に浸して通電し、ニッケル(Ni)層2を形成する。次に、ロジウム(Rh)の電解液に浸して通電し、ロジウム(Rh)からなるバリア層3を形成する。バリア層3は、極めて薄く形成されるので、通常よりも短時間でメッキするフラッシュメッキを行う。最後に、金(Au)の電解液に浸して通電し、金(Au)層4を形成する。
【0024】
本発明は金属体の表面構造に係るものであり、金属体の形状はどのようなものであってもよいが、本実施形態では図2に示すように、内部に光学素子12を収めた鏡筒10に適用したものを示す。この鏡筒10は、ステンレス鋼からなると共に、円筒状に形成されてなり、内周面10bには光学素子12を収め、外周面10aはこの光学素子12を用いる機器に半田付けによって固定される。本実施形態では、光学素子12はレンズである。しかしこれに限られず、光学素子12はいかなる形状であってもよい。
【0025】
ステンレス鋼からなる鏡筒10は、そのままでは半田付けすることはできないので、表面に金(Au)メッキがなされる。金(Au)メッキは、少なくとも鏡筒10の外周面10aに施されてメッキ層11を形成する。メッキ層11は、上述した金属体の表面構造として形成されているものであり、母材1の表面にニッケル(Ni)層2を形成し、その表面にロジウム(Rh)からなるバリア層3を形成し、さらにその表面に金(Au)層4を形成してなる。なお、図2において、メッキ層11は厚さ数μm程度の極めて薄い層であるので、メッキ層11については誇張して表現している。
【0026】
このような鏡筒付きの光学素子は、以下のように製造される。まず、予め上述のような工程でメッキされた鏡筒10を用意し、その内側に光学素子12の材料となるガラスを配置し、型に収める。ここでガラスを加熱して軟化温度まで上昇させ、ガラスを軟化させる。この状態でプレスを行い、型の形状をガラスに転写して光学素子12を形成する。したがって、予めメッキされた鏡筒10は、ガラスの軟化温度まで加熱されることとなる。
【0027】
そして、鏡筒10は、本発明に係る金属体の表面構造をその外周面10aに有しているため、高温の条件であってもマイグレーション現象を生じない。したがって、鏡筒10の内部に収められる光学素子12の素材であるガラスが、高融点のものであっても、外周面10aの表面状態を良好に保つことができて、半田付けに支障を生じることがない。すなわち、光学素子12の素材としてのガラスの選択の自由度を増すことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る金属体の表面構造によれば、ニッケル(Ni)層の表面に周期表8A族の金属からなるバリア層を形成しているので、ニッケル(Ni)はバリア層によって金(Au)への拡散を防ぐことができ、高温の条件でもマイグレーション現象を防ぐことができるという効果がある。
【0029】
また、本発明に係る金属体の表面構造によれば、母材は光学素子を保持する円筒状の鏡筒に形成されてなり、鏡筒の外周面にニッケル(Ni)層とバリア層及び金(Au)層を形成してなることにより、光学素子の材料として高融点のガラスを用いた場合に、鏡筒が光学素子の成形時に高温にさらされても、外表面の表面状態を良好に保つことができ、半田付けを確実に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属体の表面構造の断面模式図である。
【図2】本実施形態における鏡筒の断面図である。
【図3】本実施形態における金属体の表面構造の加熱前の深さ方向組成分布図である。
【図4】本実施形態における金属体の表面構造をベーキングした後の深さ方向組成分布図である。
【図5】本実施形態における金属体の表面構造を酸化加速加熱した後の深さ方向組成分布図である。
【図6】本実施形態における金属体の表面構造をベーキング及び酸化加速加熱した後の深さ方向組成分布図である。
【図7】従来例における金属体の表面構造の加熱前の深さ方向組成分布図である。
【図8】従来例における金属体の表面構造をベーキングした後の深さ方向組成分布図である。
【図9】従来例における金属体の表面構造を酸化加速加熱した後の深さ方向組成分布図である。
【図10】従来例における金属体の表面構造をベーキング及び酸化加速加熱した後の深さ方向組成分布図である。
【符号の説明】
1 母材
2 ニッケル(Ni)層
3 バリア層
4 金(Au)層
10 鏡筒
10a 外周面
10b 内周面
11 メッキ層
12 光学素子
Claims (4)
- 金属からなる母材に金(Au)メッキを形成してなる金属体の表面構造において、
上記母材の表面にニッケル(Ni)層を形成し、該ニッケル(Ni)層の表面に周期表8A族の金属からなるバリア層を形成すると共に、該バリア層の表面に金(Au)層を形成してなることを特徴とする金属体の表面構造。 - 上記バリア層はロジウム(Rh)からなることを特徴とする請求項1記載の金属体の表面構造。
- 上記母材はステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1または2記載の金属体の表面構造。
- 上記母材は光学素子を保持する円筒状の鏡筒に形成されてなり、該鏡筒の外周面に上記ニッケル(Ni)層とバリア層及び金(Au)層を形成してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属体の表面構造。
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