JP2004239804A - プレス加工金属板のエアリーク検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成によって、プレス加工によって形成される被加工金属板の微少なピンホールや亀裂等の欠損を短時間に検出することができ、しかも、装置を安価な構成とする。
【解決手段】プレスによって加工が施された被加工金属板2をチャンバー1に密閉させて保持し、このチャンバー1内を減圧または加圧した後に被加工金属板2の欠損部分を流通するエアリーク量を流量計3により計測することにより、プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板2にピンホール等の欠損が存在するときは、欠損部分を通過するエアリーク量を流量計3の計測値により検出することによって、不良品の判定と欠損の大きさを判定する。また、被加工金属板2に欠損が存在しない場合は、欠損部分にエアリークが流通しないことを流量計3の計測値により判定して良品の判定を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】プレスによって加工が施された被加工金属板2をチャンバー1に密閉させて保持し、このチャンバー1内を減圧または加圧した後に被加工金属板2の欠損部分を流通するエアリーク量を流量計3により計測することにより、プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板2にピンホール等の欠損が存在するときは、欠損部分を通過するエアリーク量を流量計3の計測値により検出することによって、不良品の判定と欠損の大きさを判定する。また、被加工金属板2に欠損が存在しない場合は、欠損部分にエアリークが流通しないことを流量計3の計測値により判定して良品の判定を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスによって加工を施すときに生ずるピンホールや亀裂等の欠損部分の有無をエアリーク量により検査して不良品を検出するためのプレス加工金属板のエアリーク検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属板は、穴明け加工、曲げ加工、絞り加工、或いは、剪断加工等の多種のプレス加工によって、多種多様な製品の各種機構部品等が製作される。これら部品の中で、特に精密製品に使用される部品は、各種のプレス加工を施こした被加工金属板にピンホールや亀裂等の欠損があってはならないことがある。例えば、ハードディスク駆動装置においては、数ミクロンの大きさの粉塵は勿論のこと、外部からガスやイオン等のコンタミが内部に侵入して、情報を記録/再生する際にエラーを起こすことを防止するために、内部を気密に保つことが重要である。そのため、ハードディスク駆動装置に使用される場合は、ピンホールや亀裂等の欠損部分を有する被加工金属板を予め除外することが要求されている。
【0003】
近年におけるハードディスク駆動装置は、薄型化と共に強度を高めるために、従来アルミダイカスト製であったベースプレートを鉄やステンレス系の金属板に置き換えるための開発が進み、一部では実用化されるに至っている。金属板からなるベースプレートは、鍛造加工の後に部分的な切削加工を行うことにより製造する方法もあるが、加工の効率化を考慮してプレス加工による一貫製造が求められている。
【0004】
ところが、特に2.5インチ以下の小型化されたハードディスク駆動装置の場合は、必然的に各部の加工寸法が小さくなることから、曲げ加工や絞り加工等のプレス加工を行ったときに、ピンホールや亀裂が発生し易くなる問題がある。図9は、ハードディスク駆動装置のベースプレートにおいて、ピンホールや亀裂が生じた状態を示している。
【0005】
即ち、ハードディスク駆動装置に使用されるベースプレート50は、穴明け加工、剪断加工および絞り加工等のプレス加工を行うことにより、平面長方形状の略皿状に形成されている。ベースプレート50には、環状凹部52が絞り加工によって形成され、更に環状凹部52の中央部には円筒部53が絞り加工によって形成されている。この円筒部53の起立角部53aは、絞り加工により環状凹部52を形成した個所に、更に円筒部53を絞り加工することから、ストレスが蓄積されて図示のような亀裂70が発生する可能性が高くなる。また、ベースプレート50の外縁に形成した鍔部56は、数mm以内でクランク状となるように絞り加工を行うために、肉の移動が追従し難いことから、壁面にピンホール71が発生する可能性が高くなる。更に、ベースプレート50の所定位置に形成したストッパーピン等の突軸55は、密閉状態とするために先端を閉塞させて板厚の2倍程度の高さに突出させることから、外周面や先端部にピンホール71が発生する可能性が高くなる。
【0006】
上述したようなプレス加工を施した被加工金属板における微少なピンホールや亀裂等を検出する検査装置としては、特開2002−365227号公報(特許文献1)に示すような検査装置が提案されている。図10は、この検査装置の概略の構成を示したものであり、プレス品Wの上面を覆う投光用カバー101の内部には、プレス品Wの上面に検査光を照射する投光用ランプ102を配設して検査用投光ユニット100が構成されている。また、プレス品Wの底面側にはCCDカメラ103が配置され、上記投光用ランプ102からピンホールや亀裂等を透過した透過光をCCDカメラ103によって撮像し、この画像を検査判定装置によって判定することにより、プレス品Wの良否を判定している。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−365227号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献に示された検査装置は、プレス品Wに検査光を照射し、プレス品Wのピンホールや亀裂等の欠損部分を透過した透過光の有無によって判定していることから、検査光の照射方向と欠損部分の方向、および、CCDカメラ103が直線上に配列される場合には欠損部分を判定することができる。しかし、欠損部分の方向は必ずしも一定方向ではないので、投光用ランプ102の位置と照射方向、および、CCDカメラ103の位置と撮像方向を広角度範囲に順次移動させて検査する必要があることから、必然的に検査時間が長くなる問題がある。また、投光用ランプ102およびCCDカメラ103を順次移動させる機構が必要となり、装置が大型化すると共に高額になる問題がある。更に、ピンホールや亀裂等の欠損部分は、プレス品Wの表裏面に対して直線的な場合だけではなく、湾曲したり屈曲している場合があり、このような欠損に対しては透過光が透過しないことから、欠損の検査ができないために、不良品を良品と誤って判定する重大な問題がある。
【0009】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、簡易な構成によって、プレス加工によって形成される被加工金属板の微少なピンホールや亀裂等の欠損を短時間に検出することができ、しかも、装置を安価な構成とすることができるプレス加工金属板のエアリーク検査装置を提供することを目的とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、プレスによって加工が施された被加工金属板をチャンバーに密閉させて保持し、このチャンバー内を減圧または加圧した後に上記被加工金属板の欠損部分を流通するエアリーク量を流量計により計測することにより、プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板にピンホール等の欠損が存在するときは、欠損部分を通過するエアリーク量を流量計の計測値により検出することによって、不良品の判定と欠損の大きさを判定する。また、被加工金属板に欠損が存在しない場合は、上記欠損部分にエアリークが流通しないことを流量計の計測値により判定し、良品の判定を行うことができる。
【0011】
また、請求項2に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、内部に凹所を形成した上下一対のチャンバーの開口端に被加工金属板の被検査部を挟持して密閉し、一方のチャンバーに減圧ポンプを連結させてチャンバー内を減圧することにより、被加工金属板にピンホール等の欠損部分が存在するときは、欠損部分を流通するエアリーク量を流量計の計測値により検出することによって、不良品の判定と欠損の大きさ等を判定することができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、上下一対のチャンバーのうち、一方のチャンバーに真空ポンプを連結して減圧させ、他方のチャンバーに加圧ポンプを連結して加圧させることにより、被加工金属板の被検査部にピンホール等の欠損が存在するときは、減圧および加圧していることからエアリーク量が増大するので、微少な欠損であっても流量計の計測値を増大させるので検査精度を高めることが可能となる。
【0013】
さらにまた、請求項4に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、上下一対のチャンバーに対し、加圧するチャンバーと減圧するチャンバーとを切り換えて、両方向の流量を流量計により計測することにより、被加工金属板の欠損状態によるエアーの流通に方向性があっても、両方向のエアリーク量を流量計により計測するので、方向性に関わりなく検査精度を高めることが可能となる。
【0014】
また、請求項5に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、被加工金属板に打ち抜き形成された透孔を、チャンバー内に配設した封止体によって閉塞することにより、被加工金属板の欠損部分のみのエアリークを検査することができ、検査精度を高めることが可能となる。
【0015】
また、請求項6に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、絞り加工等によってモータ部等を配設する凹所、および、ストッパー等の突軸等を形成した被加工金属板からなるハードディスク装置のベースプレートをチャンバーに装着して凹所や突軸からなる被検査部のエアリーク量を検出することにより、内部を気密に保つことが重要なベースプレートの良否を容易に検査することが可能となる。エアリークの検査を行ったベースプレートを使用することにより、ハードディスク装置として組み込んだ以後も内部を気密に保つことができ、信頼性の高いハードディスク装置を提供することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置について、図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、エアリーク検査装置の第1の実施形態を示し、概略の構成は、検査対象の被加工金属板2を密閉させて保持するチャンバー1と、このチャンバー1内を減圧するための真空ポンプVPと、被加工金属板2の欠損部分を流通するエアリーク量を計測する流量計3から構成されている。
【0017】
上記チャンバー1は、固定された下チャンバー1aと、上下動可能な上チャンバー1bから構成されている。下チャンバー1aおよび上チャンバー1bは、共に略皿状に形成され、内部が中空となっている。また、下チャンバー1aおよび上チャンバー1bの開口端には、後述する検査対象の被加工金属板2の外縁部を押圧して挟持するための弾性体4が設けられている。更に、上チャンバー1bの内部には、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bを閉塞するための封止体5、6が配設されている。一方の封止体5はやや大きな第1の透孔2aを閉塞するために、上チャンバー1bの底部に一端を固着した支持台5aの先端に、第1の透孔2aの外形よりもやや大きい形状の保持部5bが固着され、この保持部5bの先端面に第1の透孔2aを弾圧状態で閉塞する弾性体4cが設けられている。また、他方の封止体6は、小さな第2の透孔2bを閉塞するために、上チャンバー1bの底部に一端を固着した支持台6aの先端面に、第2の透孔2bを弾圧状態で閉塞する弾性体6bが設けられている。
【0018】
上記上チャンバー1bの上面には、保持部7が固着され、図示しない移動機構に取り付けられることにより、上下動可能に配設されている。そして、上チャンバー1bを上昇させることにより、下チャンバー1aとの間が離間して、被加工金属板2を下チャンバー1aの所定位置にセットすることができる。
【0019】
下チャンバー1a内を減圧するための真空ポンプVPは、下チャンバー1a内とパイプ8よって連通させている。上記真空ポンプVPは、検査対象の被加工金属板2の大きさに伴うチャンバー1の容積によって選定されるが、被加工金属板2がハードディスク駆動装置のベースプレートの場合には、真空側最大流量が25リットル/分程度の能力であれば、比較的短時間に検査ができる。一方、エアリーク量を計測する流量計3は、エアー(空気)の流量を計測するものであり、下チャンバー1と真空ポンプ2との間に配設させている。この流量計3の出力信号は、図示しない検査判定装置に伝えることにより、被加工金属板2の良否が自動的に判定され、合否をランプ(図示しない)の表示によって表示しても良い。尚、作業者が判定する場合は、流量計3に表示される流量の測定値によって、都度判定するようにしても良い。
【0020】
次に、以上のように構成したエアリーク検査装置によって、被加工金属板2の良否を検査する方法を説明する。この説明に使用する検査対象の被加工金属板2としては、前述したハードディスク駆動装置に使用されるベースプレート50を例示している。
【0021】
まず、前記移動機構によって上チャンバー1bを上昇させ、下チャンバー1aとの間を離間させる。この状態から被加工金属板2を下チャンバー1aの所定位置にセットする。このようにセットしたときには、被加工金属板2の外縁に形成された鍔部2cが、弾性体4に載置される。その後、上チャンバー1bを下降させることにより、両者の開口端どうしが対向して鍔部2cの上面に弾性体4が載置される。前記移動機構によって更に上チャンバー1bを下降することにより、鍔部2cが上下の弾性体4によって弾圧した状態で挟持される。
【0022】
上チャンバー1bの下降に伴い、上チャンバー1bに配設された封止体5、6が下降して被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bが閉塞される。このとき、封止体5の弾性体5cを第1の透孔2aに弾圧することにより確実に閉塞される。また、第2の透孔2bも封止体6の弾性体6bの弾圧によって確実に閉塞される。以上のように、被加工金属板2の鍔部2cを弾性体4によって挟持し、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bを封止体5、6によって閉塞することによって、上チャンバー1bと下チャンバー1aの各内部は、被加工金属板2によって仕切られた独立した空間が形成される。このうち、下チャンバー1aの内部は、密閉された空間となる。
【0023】
このように被加工金属板2をチャンバー1にセットした後、真空ポンプVPを作動させ、20乃至25リットル/分程度の流量で下チャンバー1a内の内部のエアーを吸引して減圧する。
【0024】
上述したように、下チャンバー1aの内部が被加工金属板2によって仕切られた密閉された空間となっているので、被加工金属板2に図9に示した亀裂70やピンホール71等の欠損部分が存在しない場合には、流量計3によって図3の実線で示すようなに流量が計測される。即ち、真空ポンプVPを作動させてエアーの吸引をスタートさせた以後、暫くの間は、流量計3によって計測される計測値が、下チャンバー1aの内部を減圧するまで増加し、その後はエアーの供給が絶たれるので流量が減少し、やがて停止する。
【0025】
一方、被加工金属板2に亀裂70やピンホール71が生じている場合には、当初下チャンバー1aの内部を減圧することによって、流量計3によって図3の実線で示すようなに流量が計測され、やがて、亀裂70やピンホール71を介してエアーが流通することから、図3において点線で示すように、その後も流量計3には所定のエアリーク量が計測される。従って、真空ポンプVPにより吸引をスタートしてから所定時間経過した後に、流量計3によって所定の計測値以上の流量が測定された場合には、その被加工金属板2が不良品であり、不合格と判定される。
【0026】
また、所定時間経過に流量計3によって計測される流量が大きい場合は、被加工金属板2に大きな亀裂70やピンホール71が生じていることを示し、小さい場合には、小さな亀裂70やピンホール71が生じていることを示している。被加工金属板2に生じる亀裂70やピンホール71等の欠損部分の大きさは各々異なり、例え欠損していても、きわめて微少であれば通常は許容される範囲としている。また、場合によっては、前述した弾性体4や封止体5、6による閉塞が不完全な場合もあることから、流量計3によって計測される流量が所定の計測値以下の場合は合格させるように、所定の合格レベルが設定される。この合否の判定は、流量計3の計測値に基づき、図示しない検査判定装置によって自動的に判定するようにしても良く、被加工金属板2の自動化製造ラインに設置することにより、品質管理も同時に行うことが可能となる。
【0027】
尚、上チャンバー1bの減圧を防止するために、上チャンバー1bの上面に貫通孔1cを形成してエアーを供給するようにしている。上述した判定するまでの時間は、例えば8秒に設定している。但し、真空ポンプVPの能力、チャンバー1の容積等に応じて適宜の時間に設定することが望ましい。また、真空ポンプVPによって下チャンバー1aの内部を減圧することにより、被加工金属板2が図示下方に吸引されて変形する場合がある。これを防止するために、下チャンバー1aの内部に配設したストッパー9を被加工金属板2に当接させ、吸引によって被加工金属板2が撓むことを阻止するようにすることが望ましい。
【0028】
以上のように、本発明の第1の実施形態によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置によれば、プレスによって加工が施された被加工金属板2をチャンバー1に密閉させて保持し、このチャンバー1内を減圧または加圧した後に、亀裂70やピンホール71等の欠損部分を流通するエアリーク量を流量計により計測することにより、短時間で容易に良否を判定することができる。しかも、簡易な構成としているので、安価に製造することができる特徴を有している。
【0029】
図2は、本発明によるエアリーク検査装置の第2の実施形態を示し、前述した第1の実施形態に加えて、上チャンバー1bに加圧ポンプCPを連結し、検査対象の被加工金属板2に対して加圧と減圧によって検査精度を高めるようにしたものである。尚、図1に示した第1の実施形態と同じ構成は同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0030】
図2において、図1と相違する点は、上チャンバー1bに加圧ポンプCPを連結させ、上チャンバー1bを加圧させるように構成したことである。
【0031】
まず、前記移動機構によって上チャンバー1bを上昇させ、下チャンバー1aとの間を離間し、被加工金属板2を下チャンバー1aの所定位置にセットした後に、上チャンバー1bを下降させ、被加工金属板2の鍔部2cを上下の弾性体4によって弾圧した状態で挟持する。また、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bを封止体5、6によって閉塞することにより、上チャンバー1bと下チャンバー1aの各内部を被加工金属板2によって仕切られた独立した空間が形成する。
【0032】
このように被加工金属板2をセットした後、真空ポンプVPを作動させると共に、加圧ポンプCPを作動させ、下チャンバー1a内のエアーを吸引して減圧すると共に、上チャンバー1b内にエアーを送り込み加圧する。減圧および加圧するときの流量は、20乃至25リットル/分程度であれば良い。
【0033】
下チャンバー1aと上チャンバー1bの内部は、被加工金属板2によって仕切られた密閉された空間となっているので、被加工金属板2に亀裂70やピンホール71等の欠損部分が存在しない場合には、前述した第1の実施形態と同じに、流量計3によって図3の実線で示すような流量の変化が計測され、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPを作動させてエアーの吸引および加圧をスタートさせた以後、暫くの間は、流量計3によって計測される計測値が増加し、その後はエアーの供給が絶たれるので流量が減少し、やがて停止する。
【0034】
被加工金属板2に亀裂70やピンホール71が生じている場合には、当初下チャンバー1aの内部を減圧することによって、流量計3によって図3の実線で示すようなに流量が計測されるが、やがて、亀裂70やピンホール71を介してエアーが流通することから、図3において点線で示すように、その後も流量計3には所定のエアリーク量が計測される。従って、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPにより吸引と加圧をスタートしてから所定時間経過した後に、流量計3によって所定の計測値以上の流量が測定された場合には、その被加工金属板2が不良品であり、不合格と判定される。
【0035】
このとき、上チャンバー1bの内部を加圧することによって、特に、被加工金属板2に微少な亀裂70やピンホール71等の欠損部分が生じているときは、強制的にエアーが欠損部分を流通することから、エアリーク量が多くなり、この結果、流量計3による計測値が大きくなる。従って、前述した第1の実施形態に示した検査装置では計測されなかった微少な亀裂70やピンホール71等であっても、高精度に検査することが可能となる。この第2の実施形態においても、きわめて微少な流量が計測されても許容されるものとし、適宜の合格レベルが設定される。
【0036】
図2に示した第2の実施形態においては、真空ポンプVPにより減圧すると共に、加圧ポンプCPにより加圧するので、被加工金属板2に対する圧力が一層大きくなり、図示下方に撓むことによって変形する可能性がある。従って、前述した第1の実施形態と同様に、下チャンバー1aの内部にストッパー9を配設して被加工金属板2の撓みを防止することが望ましい。また、封止体6を下チャンバー1aに設け、第2の透孔2bを封止するようにしているので、ストッパー9と共に、被加工金属板2の撓みを防止することができる。
【0037】
図4は、本発明によるエアリーク検査装置の第3の実施形態を示し、検査対象の被加工金属板2を部分的に検査するように構成したものである。前述した実施形態によれば、被加工金属板2全体を被検査部としてエアリークを検査することから、被加工金属板2のどの個所が欠損しているのか、特定することが困難な場合がある。そこで、第3の実施形態においては、被加工金属板2を部分的に検査できるようにして、欠損部分を特定できるようにしている。尚、図1に示した第1の実施形態と同じ構成は同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
チャンバー10は、固定された下チャンバー10aと、上下動可能な上チャンバー10bから構成され、その開口端には、検査対象の被加工金属板2の被検査部周囲を押圧して密閉した状態で挟持するための弾性体11、12が設けられている。更に、上チャンバー10bの内部には、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aを閉塞するための封止体5が配設されている。
【0039】
被加工金属板2の被検査部として、図4に示す実施形態においては、特に、図9に示す環状凹部52の中央部に絞り加工によって形成された円筒部53の起立角部53aに発生し易い亀裂70の有無を検査するようにしている。このため、チャンバー10の大きさは上記環状凹部52よりもやや大きく形成され、弾性体11、12も環状凹部52の周囲を挟持している。このように、被加工金属板2の被検査部の周囲を挟持すると共に、透孔2aを封止体5により閉塞することによって、下チャンバー10a内は密閉された空間が形成される。
【0040】
このように被加工金属板2をチャンバー10にセットした後、前述した第1の実施形態と同様に、被検査部のエアリークを検査する。即ち、真空ポンプVPを作動させて下チャンバー10a内のエアーを吸引して減圧する。このとき、被加工金属板2に亀裂70等の欠損部分が存在しない場合には、流量計3によって図3の実線で示すような流量が計測され、所定時間後には停止することによって合格と判定される。一方、被加工金属板2に亀裂70等が生じている場合には、亀裂17等にエアーが流通することから、図3において点線で示すように、所定時間後もエアリーク量が計測されることから、被加工金属板2の被検査部は不合格と判定される。このとき、欠損部分が存在する位置は、上記環状凹部52の周囲と特定され、欠損部分を容易に発見することができる。
【0041】
亀裂70やピンホール71等の欠損部分は、プレス加工においてストレスを与え易い個所が予め特定できるので、上述したように、被加工金属板2の被検査部も予め限定することができる。因みに前述したベースプレートにおいては、環状凹部52に形成した円筒部53の起立角部53a、外縁に形成した鍔部2c、および、突軸64が亀裂70やピンホール71が発生し易い。従って、被加工金属板2の被検査部を限定する場合には、これらの周囲に範囲を限定してエアリークを検査することが望ましい。
【0042】
図5は、本発明によるエアリーク検査装置の第4の実施形態を示し、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対して加圧と減圧を切り換え、両方向のエアリーク量を流量計により計測して被加工金属板2の被検査部のエアリークを検出するように構成したものである。尚、図1に示した第1の実施形態と同じ構成は同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図5において、図1と相違する点は、加圧ポンプCPおよび真空ポンプVPを下チャンバー1aおよび上チャンバー1bに各々連結させ、加圧ポンプCPおよび真空ポンプVPと下チャンバー1aおよび上チャンバー1bの間に切り換え弁20、21を設け、更に、例えば、真空ポンプVPと切り換え弁21との間に流量計3を配設させた構成としたことである。そして、切り換え弁20、21を切り換えることによって、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対する加圧と減圧を切り換え、被加工金属板2を両方向からエアリークの検査を行うようにしている。尚、切り換え弁20、21は、図5の点線で示すように、連動させることが望ましい。
【0044】
被加工金属板2は、前述した第1の実施形態と同様に、下チャンバー1aの所定位置にセットした後に、上チャンバー1bを下降させ、被加工金属板2の鍔部2cを上下の弾性体4によって弾圧した状態で挟持する。また、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bも封止体5、6によって閉塞し、上チャンバー1bと下チャンバー1aの各内部を被加工金属板2によって仕切られた独立した空間を形成する。
【0045】
次に、切り換え弁20、21を操作すると共に、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPを作動させ、下チャンバー1a内のエアーを吸引して減圧すると共に、上チャンバー1b内にエアーを送り込み加圧することによって、一方向側のエアリークを検査する。
【0046】
このとき、被加工金属板2に欠損部分が存在しない場合には、前述した第1の実施形態と同じに、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPを作動させてエアーの吸引と加圧をスタートさせた以後、所定時間後に流量が減少しながら停止する。
【0047】
被加工金属板2に亀裂70やピンホール71等の欠損部分が生じている場合には、欠損部分を介してエアーが流通することから、所定時間後も所定のエアリーク量が計測され、不合格と判定される。
【0048】
その後、切り換え弁20、21を切り換え、下チャンバー1a内を加圧すると共に、上チャンバー1b内を減圧して逆方向側のエアリークを検査する。
【0049】
上チャンバー1bおよび下チャンバー1aの一方を加圧し他方を減圧することにより、微少な亀裂70やピンホール71等の欠損部分を高精度に検査することが可能となる。ところが、一般に流体の流れはその形態によって方向性を有しているため、欠損部分の形態によってエアーの流通量が変化する。従って、例え、一方向からエアリークを検査したときに合格レベルであっても、正確な判定とは言い難い。上述したように、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対する加圧と減圧を切り換え、被加工金属板2に対して両方向からエアリークの検査を行うことにより、方向性を有する欠損部分であっても、正確な検査を行うことができる。
【0050】
尚、上述した第4の実施形態においては、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対して加圧と減圧を切り換える構成としたが、第1の実施形態のように、例えば下チャンバー1aを減圧し、上チャンバー1bを開放するように構成しても良い。
【0051】
図6は、第2の実施態様の変形例を示し、下チャンバー1aの内部容積を小さくしたものである。即ち、下チャンバー1aの内部底面は、被加工金属板2の底面形状にほぼ等しい凹凸形状に形成されている。そして、下チャンバー1aの内部底面を被加工金属板2の底面に接合させている。この下チャンバー1aには、真空ポンプVPおよび流量計3を連結させ、エアリークのエアーを流通させることが必要なため、下チャンバー1aの内部底面には、真空ポンプVPと連通する流通溝1dを形成している。更に、前述した亀裂17やピンホール19、20等の欠損の発生が見込まれる個所の周囲には、真空ポンプVPおよび流通溝1dと連通する隙間1eが形成されている。
【0052】
このように、下チャンバー1aの内部底面と被加工金属板2の底面とをほぼ接合させたことにより、エアリークを検査するときに、加圧力や減圧力によって被加工金属板2が変形することが未然に防止できる。また、下チャンバー1aが小型になることから、検査装置を更に小型化できる。尚、下チャンバー1aと同様に、上チャンバー1bも被加工金属板2の上面形状にほぼ等しい凹凸形状に形成し、上チャンバー1bの内部底面に流通溝や隙間を形成しても良い。
【0053】
図7及び図8は、上述した被加工金属板2をハードディスク駆動装置のベースプレートとして適用した例を示している。ベースプレート50は、所定の板厚を有する金属板をプレス加工によって、横長の平面長方形状に形成され、その中央左寄りを中心として、ディスク室51側に開口する環状凹部52が形成されている。環状凹部52の底内周部から上方に向かって環状凹部52と同心状に突設された円筒部53が形成されている。更に、ベースプレート50の右寄りには、ボイスコイルモータを収納するための凹部54が形成されている。また、ベースプレート50には、後述する磁気ヘッド65の回動を規制するためのストッパー、或いは、磁気ヘッド65を回転自在に支持する支軸等の突軸55が一体に突出形成されている。このベースプレート50は略皿状に形成され、外縁部分には鍔部56が形成されている。上記環状凹部52および凹部54の中央には、透孔52a、54aが形成されている。
【0054】
上記環状凹部52には、ステータコア57が嵌合固着され、各突極には駆動コイル58が巻回されている。ステータコア57の内周には、ロータハブ59の外周面に固着したロータマグネット60がギャップを隔てて対向している。これらステータコア57、駆動コイル58、および、ロータマグネット58によってインナーロータ型のスピンドルモータ部が構成されている。ロータハブ59の中心には回転軸が一体に設けられ、上記円筒部53の内周壁に外輪が接着固定されたボールベアリング61,62の内輪によって回転自在に支持されている。上記円筒部53の内周部の下端に形成された透孔52aは、封止部材によって封止される。
【0055】
ロータハブ59は略カップ状に形成され、外周には、径方向に突出させた載置部59aが形成され、この載置部59aに磁気ディスク63を載置している。そして、磁気ディスク63は、中央部をビスによって固定されたクランプ部材64によって固定されている。磁気ディスク63の磁気記録面には、磁気ヘッド65が対向している。磁気ヘッド65はヘッドアーム66の先端に配設され、ヘッドアーム66の基端をボイスコイルモータ67によって回動することにより、磁気記録面をシークするようになっている。ボイスコイルモータ67は周知のように可動コイルと固定マグネットによって構成され、ベースプレート50の凹部54に収納されている。上記ヘッドアーム66の回動支点は、ベースプレート50から一体に突出形成した突軸68に軸受部材を介して回動自在に支持している。
【0056】
このように、スピンドルモータ、磁気ディスク、磁気ヘッド、及び、ボイスコイルモータ等が組み込まれた後、ベースプレート50の上方からカバー69を被冠することにより内部が密閉状態に保たれる。従って、この状態においては、ハードディスク駆動装置に対してエラー等の原因となる、外部からの粉塵やガス、或いはイオン等の不要物質等が内部に侵入しないようにしている。このため、ベースプレート50においても亀裂やピンホール等の欠損部分があってはならず、ベースプレート50に各種構成部品を組み込む前工程において、欠損部分の有無を検査することが重要となる。
【0057】
ベースプレート50は、プレス加工された後に、一般的には表面にメッキ処理が施される。プレス加工された直後の状態では、極小のピンホールであっても、メッキ処理またはその前処理を行うことにより拡大することもある。従って、エアリークの検査は、プレス加工直後の他に、メッキ処理後に行うことが必要となる。更には、ベースプレート50を搬送するときに、振動等によって亀裂が拡大することもある。従って、ベースプレート50に各種構成部品を組み込む前にもエアリークの検査を行う事が望ましい。また、ベースプレート50に各種構成部品を組み込み、上記カバー64を被冠する前にもエアリークの検査を行う事が望ましい。
【0058】
以上説明した実施形態においては、被加工金属板としてハードディスク駆動装置用のベースプレートを例示したが、プレス加工において発生するピンホールや亀裂等の欠損が製品の不良を形成するような各種の装置、機器等に使用するプレス品であっても良い。また、キャビティの構成も前述した実施形態に限らず、被加工金属板の形状や構造に合わせて、他の構成に変えても良い。更に、流量計はデジタル式でなくとも、アナログ式に変えても良く、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更することは可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置によれば、プレスによって加工が施された被加工金属板をチャンバーに密閉させて保持し、このチャンバー内を減圧または加圧した後に上記チャンバー内を流通するエアリーク量を流量計により計測するので、プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板に生じた欠損を容易に短時間で判定することができる。また、エアリーク量によって欠損の大きさを判定することができる。更に、かかるエアリーク検査装置は簡易な構成であり、安価に製作でき、部品製造工程から製品組立工程に至る各工程においてエアリーク検査が可能となる。
【0060】
また、上下一対のチャンバーの一方を減圧させ、他方を加圧させてエアリークの検査を行うことにより、微少な欠損であっても流量計の計測値を増大させるので検査精度を高めることが可能となる。
【0061】
更に、上下一対のチャンバーに対し、加圧するチャンバーと減圧するチャンバーとを切り換えて、両方向の流量を流量計により計測すると、被加工金属板の欠損状態によるエアー流通の方向性があっても、両方向のエアリーク量を流量計により計測するので、方向性に関わりなく検査精度を高めることが可能となる。
【0062】
更にまた、被加工金属板に打ち抜き形成された透孔を、チャンバー内に配設した封止体によって閉塞することにより、被加工金属板の欠損部分のみのエアリークを検査することができ、検査精度を高めることが可能となる。
【0063】
ハードディスク装置のベースプレートからなる被加工金属板エアリークを検出することにより、内部を気密に保つことが重要なベースプレートの良否を容易に検査することが可能となる。エアリークの検査を行ったベースプレートを使用することにより、ハードディスク装置として組み込んだ以後も内部を気密に保つことができ、信頼性の高いハードディスク装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第1の実施態様を示す構成説明図である。
【図2】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第2の実施態様を示す構成説明図である。
【図3】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置における流量計の変化を示すグラフ図である。
【図4】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第3の実施態様を示す構成説明図である。
【図5】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第4の実施態様を示す構成説明図である。
【図6】図2に示す第2の実施態様の変形例を示す構成説明図である。
【図7】ハードディスク駆動装置を示す平面図である。
【図8】ハードディスク駆動装置を示す断面図である。
【図9】被加工金属板の欠損状態を示す説明図である。
【図10】従来の検査装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
1a 下チャンバー
1b 上チャンバー
2 被加工金属板
2a 第1の透孔
2b 第2の透孔
3 流量計
4 弾性体
5、6 封止体
50 ベースプレート
70 亀裂
71 ピンホール
VP 真空ポンプ
CP 加圧ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスによって加工を施すときに生ずるピンホールや亀裂等の欠損部分の有無をエアリーク量により検査して不良品を検出するためのプレス加工金属板のエアリーク検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属板は、穴明け加工、曲げ加工、絞り加工、或いは、剪断加工等の多種のプレス加工によって、多種多様な製品の各種機構部品等が製作される。これら部品の中で、特に精密製品に使用される部品は、各種のプレス加工を施こした被加工金属板にピンホールや亀裂等の欠損があってはならないことがある。例えば、ハードディスク駆動装置においては、数ミクロンの大きさの粉塵は勿論のこと、外部からガスやイオン等のコンタミが内部に侵入して、情報を記録/再生する際にエラーを起こすことを防止するために、内部を気密に保つことが重要である。そのため、ハードディスク駆動装置に使用される場合は、ピンホールや亀裂等の欠損部分を有する被加工金属板を予め除外することが要求されている。
【0003】
近年におけるハードディスク駆動装置は、薄型化と共に強度を高めるために、従来アルミダイカスト製であったベースプレートを鉄やステンレス系の金属板に置き換えるための開発が進み、一部では実用化されるに至っている。金属板からなるベースプレートは、鍛造加工の後に部分的な切削加工を行うことにより製造する方法もあるが、加工の効率化を考慮してプレス加工による一貫製造が求められている。
【0004】
ところが、特に2.5インチ以下の小型化されたハードディスク駆動装置の場合は、必然的に各部の加工寸法が小さくなることから、曲げ加工や絞り加工等のプレス加工を行ったときに、ピンホールや亀裂が発生し易くなる問題がある。図9は、ハードディスク駆動装置のベースプレートにおいて、ピンホールや亀裂が生じた状態を示している。
【0005】
即ち、ハードディスク駆動装置に使用されるベースプレート50は、穴明け加工、剪断加工および絞り加工等のプレス加工を行うことにより、平面長方形状の略皿状に形成されている。ベースプレート50には、環状凹部52が絞り加工によって形成され、更に環状凹部52の中央部には円筒部53が絞り加工によって形成されている。この円筒部53の起立角部53aは、絞り加工により環状凹部52を形成した個所に、更に円筒部53を絞り加工することから、ストレスが蓄積されて図示のような亀裂70が発生する可能性が高くなる。また、ベースプレート50の外縁に形成した鍔部56は、数mm以内でクランク状となるように絞り加工を行うために、肉の移動が追従し難いことから、壁面にピンホール71が発生する可能性が高くなる。更に、ベースプレート50の所定位置に形成したストッパーピン等の突軸55は、密閉状態とするために先端を閉塞させて板厚の2倍程度の高さに突出させることから、外周面や先端部にピンホール71が発生する可能性が高くなる。
【0006】
上述したようなプレス加工を施した被加工金属板における微少なピンホールや亀裂等を検出する検査装置としては、特開2002−365227号公報(特許文献1)に示すような検査装置が提案されている。図10は、この検査装置の概略の構成を示したものであり、プレス品Wの上面を覆う投光用カバー101の内部には、プレス品Wの上面に検査光を照射する投光用ランプ102を配設して検査用投光ユニット100が構成されている。また、プレス品Wの底面側にはCCDカメラ103が配置され、上記投光用ランプ102からピンホールや亀裂等を透過した透過光をCCDカメラ103によって撮像し、この画像を検査判定装置によって判定することにより、プレス品Wの良否を判定している。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−365227号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献に示された検査装置は、プレス品Wに検査光を照射し、プレス品Wのピンホールや亀裂等の欠損部分を透過した透過光の有無によって判定していることから、検査光の照射方向と欠損部分の方向、および、CCDカメラ103が直線上に配列される場合には欠損部分を判定することができる。しかし、欠損部分の方向は必ずしも一定方向ではないので、投光用ランプ102の位置と照射方向、および、CCDカメラ103の位置と撮像方向を広角度範囲に順次移動させて検査する必要があることから、必然的に検査時間が長くなる問題がある。また、投光用ランプ102およびCCDカメラ103を順次移動させる機構が必要となり、装置が大型化すると共に高額になる問題がある。更に、ピンホールや亀裂等の欠損部分は、プレス品Wの表裏面に対して直線的な場合だけではなく、湾曲したり屈曲している場合があり、このような欠損に対しては透過光が透過しないことから、欠損の検査ができないために、不良品を良品と誤って判定する重大な問題がある。
【0009】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、簡易な構成によって、プレス加工によって形成される被加工金属板の微少なピンホールや亀裂等の欠損を短時間に検出することができ、しかも、装置を安価な構成とすることができるプレス加工金属板のエアリーク検査装置を提供することを目的とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、プレスによって加工が施された被加工金属板をチャンバーに密閉させて保持し、このチャンバー内を減圧または加圧した後に上記被加工金属板の欠損部分を流通するエアリーク量を流量計により計測することにより、プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板にピンホール等の欠損が存在するときは、欠損部分を通過するエアリーク量を流量計の計測値により検出することによって、不良品の判定と欠損の大きさを判定する。また、被加工金属板に欠損が存在しない場合は、上記欠損部分にエアリークが流通しないことを流量計の計測値により判定し、良品の判定を行うことができる。
【0011】
また、請求項2に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、内部に凹所を形成した上下一対のチャンバーの開口端に被加工金属板の被検査部を挟持して密閉し、一方のチャンバーに減圧ポンプを連結させてチャンバー内を減圧することにより、被加工金属板にピンホール等の欠損部分が存在するときは、欠損部分を流通するエアリーク量を流量計の計測値により検出することによって、不良品の判定と欠損の大きさ等を判定することができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、上下一対のチャンバーのうち、一方のチャンバーに真空ポンプを連結して減圧させ、他方のチャンバーに加圧ポンプを連結して加圧させることにより、被加工金属板の被検査部にピンホール等の欠損が存在するときは、減圧および加圧していることからエアリーク量が増大するので、微少な欠損であっても流量計の計測値を増大させるので検査精度を高めることが可能となる。
【0013】
さらにまた、請求項4に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、上下一対のチャンバーに対し、加圧するチャンバーと減圧するチャンバーとを切り換えて、両方向の流量を流量計により計測することにより、被加工金属板の欠損状態によるエアーの流通に方向性があっても、両方向のエアリーク量を流量計により計測するので、方向性に関わりなく検査精度を高めることが可能となる。
【0014】
また、請求項5に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、被加工金属板に打ち抜き形成された透孔を、チャンバー内に配設した封止体によって閉塞することにより、被加工金属板の欠損部分のみのエアリークを検査することができ、検査精度を高めることが可能となる。
【0015】
また、請求項6に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置は、絞り加工等によってモータ部等を配設する凹所、および、ストッパー等の突軸等を形成した被加工金属板からなるハードディスク装置のベースプレートをチャンバーに装着して凹所や突軸からなる被検査部のエアリーク量を検出することにより、内部を気密に保つことが重要なベースプレートの良否を容易に検査することが可能となる。エアリークの検査を行ったベースプレートを使用することにより、ハードディスク装置として組み込んだ以後も内部を気密に保つことができ、信頼性の高いハードディスク装置を提供することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置について、図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、エアリーク検査装置の第1の実施形態を示し、概略の構成は、検査対象の被加工金属板2を密閉させて保持するチャンバー1と、このチャンバー1内を減圧するための真空ポンプVPと、被加工金属板2の欠損部分を流通するエアリーク量を計測する流量計3から構成されている。
【0017】
上記チャンバー1は、固定された下チャンバー1aと、上下動可能な上チャンバー1bから構成されている。下チャンバー1aおよび上チャンバー1bは、共に略皿状に形成され、内部が中空となっている。また、下チャンバー1aおよび上チャンバー1bの開口端には、後述する検査対象の被加工金属板2の外縁部を押圧して挟持するための弾性体4が設けられている。更に、上チャンバー1bの内部には、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bを閉塞するための封止体5、6が配設されている。一方の封止体5はやや大きな第1の透孔2aを閉塞するために、上チャンバー1bの底部に一端を固着した支持台5aの先端に、第1の透孔2aの外形よりもやや大きい形状の保持部5bが固着され、この保持部5bの先端面に第1の透孔2aを弾圧状態で閉塞する弾性体4cが設けられている。また、他方の封止体6は、小さな第2の透孔2bを閉塞するために、上チャンバー1bの底部に一端を固着した支持台6aの先端面に、第2の透孔2bを弾圧状態で閉塞する弾性体6bが設けられている。
【0018】
上記上チャンバー1bの上面には、保持部7が固着され、図示しない移動機構に取り付けられることにより、上下動可能に配設されている。そして、上チャンバー1bを上昇させることにより、下チャンバー1aとの間が離間して、被加工金属板2を下チャンバー1aの所定位置にセットすることができる。
【0019】
下チャンバー1a内を減圧するための真空ポンプVPは、下チャンバー1a内とパイプ8よって連通させている。上記真空ポンプVPは、検査対象の被加工金属板2の大きさに伴うチャンバー1の容積によって選定されるが、被加工金属板2がハードディスク駆動装置のベースプレートの場合には、真空側最大流量が25リットル/分程度の能力であれば、比較的短時間に検査ができる。一方、エアリーク量を計測する流量計3は、エアー(空気)の流量を計測するものであり、下チャンバー1と真空ポンプ2との間に配設させている。この流量計3の出力信号は、図示しない検査判定装置に伝えることにより、被加工金属板2の良否が自動的に判定され、合否をランプ(図示しない)の表示によって表示しても良い。尚、作業者が判定する場合は、流量計3に表示される流量の測定値によって、都度判定するようにしても良い。
【0020】
次に、以上のように構成したエアリーク検査装置によって、被加工金属板2の良否を検査する方法を説明する。この説明に使用する検査対象の被加工金属板2としては、前述したハードディスク駆動装置に使用されるベースプレート50を例示している。
【0021】
まず、前記移動機構によって上チャンバー1bを上昇させ、下チャンバー1aとの間を離間させる。この状態から被加工金属板2を下チャンバー1aの所定位置にセットする。このようにセットしたときには、被加工金属板2の外縁に形成された鍔部2cが、弾性体4に載置される。その後、上チャンバー1bを下降させることにより、両者の開口端どうしが対向して鍔部2cの上面に弾性体4が載置される。前記移動機構によって更に上チャンバー1bを下降することにより、鍔部2cが上下の弾性体4によって弾圧した状態で挟持される。
【0022】
上チャンバー1bの下降に伴い、上チャンバー1bに配設された封止体5、6が下降して被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bが閉塞される。このとき、封止体5の弾性体5cを第1の透孔2aに弾圧することにより確実に閉塞される。また、第2の透孔2bも封止体6の弾性体6bの弾圧によって確実に閉塞される。以上のように、被加工金属板2の鍔部2cを弾性体4によって挟持し、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bを封止体5、6によって閉塞することによって、上チャンバー1bと下チャンバー1aの各内部は、被加工金属板2によって仕切られた独立した空間が形成される。このうち、下チャンバー1aの内部は、密閉された空間となる。
【0023】
このように被加工金属板2をチャンバー1にセットした後、真空ポンプVPを作動させ、20乃至25リットル/分程度の流量で下チャンバー1a内の内部のエアーを吸引して減圧する。
【0024】
上述したように、下チャンバー1aの内部が被加工金属板2によって仕切られた密閉された空間となっているので、被加工金属板2に図9に示した亀裂70やピンホール71等の欠損部分が存在しない場合には、流量計3によって図3の実線で示すようなに流量が計測される。即ち、真空ポンプVPを作動させてエアーの吸引をスタートさせた以後、暫くの間は、流量計3によって計測される計測値が、下チャンバー1aの内部を減圧するまで増加し、その後はエアーの供給が絶たれるので流量が減少し、やがて停止する。
【0025】
一方、被加工金属板2に亀裂70やピンホール71が生じている場合には、当初下チャンバー1aの内部を減圧することによって、流量計3によって図3の実線で示すようなに流量が計測され、やがて、亀裂70やピンホール71を介してエアーが流通することから、図3において点線で示すように、その後も流量計3には所定のエアリーク量が計測される。従って、真空ポンプVPにより吸引をスタートしてから所定時間経過した後に、流量計3によって所定の計測値以上の流量が測定された場合には、その被加工金属板2が不良品であり、不合格と判定される。
【0026】
また、所定時間経過に流量計3によって計測される流量が大きい場合は、被加工金属板2に大きな亀裂70やピンホール71が生じていることを示し、小さい場合には、小さな亀裂70やピンホール71が生じていることを示している。被加工金属板2に生じる亀裂70やピンホール71等の欠損部分の大きさは各々異なり、例え欠損していても、きわめて微少であれば通常は許容される範囲としている。また、場合によっては、前述した弾性体4や封止体5、6による閉塞が不完全な場合もあることから、流量計3によって計測される流量が所定の計測値以下の場合は合格させるように、所定の合格レベルが設定される。この合否の判定は、流量計3の計測値に基づき、図示しない検査判定装置によって自動的に判定するようにしても良く、被加工金属板2の自動化製造ラインに設置することにより、品質管理も同時に行うことが可能となる。
【0027】
尚、上チャンバー1bの減圧を防止するために、上チャンバー1bの上面に貫通孔1cを形成してエアーを供給するようにしている。上述した判定するまでの時間は、例えば8秒に設定している。但し、真空ポンプVPの能力、チャンバー1の容積等に応じて適宜の時間に設定することが望ましい。また、真空ポンプVPによって下チャンバー1aの内部を減圧することにより、被加工金属板2が図示下方に吸引されて変形する場合がある。これを防止するために、下チャンバー1aの内部に配設したストッパー9を被加工金属板2に当接させ、吸引によって被加工金属板2が撓むことを阻止するようにすることが望ましい。
【0028】
以上のように、本発明の第1の実施形態によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置によれば、プレスによって加工が施された被加工金属板2をチャンバー1に密閉させて保持し、このチャンバー1内を減圧または加圧した後に、亀裂70やピンホール71等の欠損部分を流通するエアリーク量を流量計により計測することにより、短時間で容易に良否を判定することができる。しかも、簡易な構成としているので、安価に製造することができる特徴を有している。
【0029】
図2は、本発明によるエアリーク検査装置の第2の実施形態を示し、前述した第1の実施形態に加えて、上チャンバー1bに加圧ポンプCPを連結し、検査対象の被加工金属板2に対して加圧と減圧によって検査精度を高めるようにしたものである。尚、図1に示した第1の実施形態と同じ構成は同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0030】
図2において、図1と相違する点は、上チャンバー1bに加圧ポンプCPを連結させ、上チャンバー1bを加圧させるように構成したことである。
【0031】
まず、前記移動機構によって上チャンバー1bを上昇させ、下チャンバー1aとの間を離間し、被加工金属板2を下チャンバー1aの所定位置にセットした後に、上チャンバー1bを下降させ、被加工金属板2の鍔部2cを上下の弾性体4によって弾圧した状態で挟持する。また、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bを封止体5、6によって閉塞することにより、上チャンバー1bと下チャンバー1aの各内部を被加工金属板2によって仕切られた独立した空間が形成する。
【0032】
このように被加工金属板2をセットした後、真空ポンプVPを作動させると共に、加圧ポンプCPを作動させ、下チャンバー1a内のエアーを吸引して減圧すると共に、上チャンバー1b内にエアーを送り込み加圧する。減圧および加圧するときの流量は、20乃至25リットル/分程度であれば良い。
【0033】
下チャンバー1aと上チャンバー1bの内部は、被加工金属板2によって仕切られた密閉された空間となっているので、被加工金属板2に亀裂70やピンホール71等の欠損部分が存在しない場合には、前述した第1の実施形態と同じに、流量計3によって図3の実線で示すような流量の変化が計測され、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPを作動させてエアーの吸引および加圧をスタートさせた以後、暫くの間は、流量計3によって計測される計測値が増加し、その後はエアーの供給が絶たれるので流量が減少し、やがて停止する。
【0034】
被加工金属板2に亀裂70やピンホール71が生じている場合には、当初下チャンバー1aの内部を減圧することによって、流量計3によって図3の実線で示すようなに流量が計測されるが、やがて、亀裂70やピンホール71を介してエアーが流通することから、図3において点線で示すように、その後も流量計3には所定のエアリーク量が計測される。従って、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPにより吸引と加圧をスタートしてから所定時間経過した後に、流量計3によって所定の計測値以上の流量が測定された場合には、その被加工金属板2が不良品であり、不合格と判定される。
【0035】
このとき、上チャンバー1bの内部を加圧することによって、特に、被加工金属板2に微少な亀裂70やピンホール71等の欠損部分が生じているときは、強制的にエアーが欠損部分を流通することから、エアリーク量が多くなり、この結果、流量計3による計測値が大きくなる。従って、前述した第1の実施形態に示した検査装置では計測されなかった微少な亀裂70やピンホール71等であっても、高精度に検査することが可能となる。この第2の実施形態においても、きわめて微少な流量が計測されても許容されるものとし、適宜の合格レベルが設定される。
【0036】
図2に示した第2の実施形態においては、真空ポンプVPにより減圧すると共に、加圧ポンプCPにより加圧するので、被加工金属板2に対する圧力が一層大きくなり、図示下方に撓むことによって変形する可能性がある。従って、前述した第1の実施形態と同様に、下チャンバー1aの内部にストッパー9を配設して被加工金属板2の撓みを防止することが望ましい。また、封止体6を下チャンバー1aに設け、第2の透孔2bを封止するようにしているので、ストッパー9と共に、被加工金属板2の撓みを防止することができる。
【0037】
図4は、本発明によるエアリーク検査装置の第3の実施形態を示し、検査対象の被加工金属板2を部分的に検査するように構成したものである。前述した実施形態によれば、被加工金属板2全体を被検査部としてエアリークを検査することから、被加工金属板2のどの個所が欠損しているのか、特定することが困難な場合がある。そこで、第3の実施形態においては、被加工金属板2を部分的に検査できるようにして、欠損部分を特定できるようにしている。尚、図1に示した第1の実施形態と同じ構成は同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
チャンバー10は、固定された下チャンバー10aと、上下動可能な上チャンバー10bから構成され、その開口端には、検査対象の被加工金属板2の被検査部周囲を押圧して密閉した状態で挟持するための弾性体11、12が設けられている。更に、上チャンバー10bの内部には、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aを閉塞するための封止体5が配設されている。
【0039】
被加工金属板2の被検査部として、図4に示す実施形態においては、特に、図9に示す環状凹部52の中央部に絞り加工によって形成された円筒部53の起立角部53aに発生し易い亀裂70の有無を検査するようにしている。このため、チャンバー10の大きさは上記環状凹部52よりもやや大きく形成され、弾性体11、12も環状凹部52の周囲を挟持している。このように、被加工金属板2の被検査部の周囲を挟持すると共に、透孔2aを封止体5により閉塞することによって、下チャンバー10a内は密閉された空間が形成される。
【0040】
このように被加工金属板2をチャンバー10にセットした後、前述した第1の実施形態と同様に、被検査部のエアリークを検査する。即ち、真空ポンプVPを作動させて下チャンバー10a内のエアーを吸引して減圧する。このとき、被加工金属板2に亀裂70等の欠損部分が存在しない場合には、流量計3によって図3の実線で示すような流量が計測され、所定時間後には停止することによって合格と判定される。一方、被加工金属板2に亀裂70等が生じている場合には、亀裂17等にエアーが流通することから、図3において点線で示すように、所定時間後もエアリーク量が計測されることから、被加工金属板2の被検査部は不合格と判定される。このとき、欠損部分が存在する位置は、上記環状凹部52の周囲と特定され、欠損部分を容易に発見することができる。
【0041】
亀裂70やピンホール71等の欠損部分は、プレス加工においてストレスを与え易い個所が予め特定できるので、上述したように、被加工金属板2の被検査部も予め限定することができる。因みに前述したベースプレートにおいては、環状凹部52に形成した円筒部53の起立角部53a、外縁に形成した鍔部2c、および、突軸64が亀裂70やピンホール71が発生し易い。従って、被加工金属板2の被検査部を限定する場合には、これらの周囲に範囲を限定してエアリークを検査することが望ましい。
【0042】
図5は、本発明によるエアリーク検査装置の第4の実施形態を示し、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対して加圧と減圧を切り換え、両方向のエアリーク量を流量計により計測して被加工金属板2の被検査部のエアリークを検出するように構成したものである。尚、図1に示した第1の実施形態と同じ構成は同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図5において、図1と相違する点は、加圧ポンプCPおよび真空ポンプVPを下チャンバー1aおよび上チャンバー1bに各々連結させ、加圧ポンプCPおよび真空ポンプVPと下チャンバー1aおよび上チャンバー1bの間に切り換え弁20、21を設け、更に、例えば、真空ポンプVPと切り換え弁21との間に流量計3を配設させた構成としたことである。そして、切り換え弁20、21を切り換えることによって、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対する加圧と減圧を切り換え、被加工金属板2を両方向からエアリークの検査を行うようにしている。尚、切り換え弁20、21は、図5の点線で示すように、連動させることが望ましい。
【0044】
被加工金属板2は、前述した第1の実施形態と同様に、下チャンバー1aの所定位置にセットした後に、上チャンバー1bを下降させ、被加工金属板2の鍔部2cを上下の弾性体4によって弾圧した状態で挟持する。また、被加工金属板2に形成された第1の透孔2aおよび第2の透孔2bも封止体5、6によって閉塞し、上チャンバー1bと下チャンバー1aの各内部を被加工金属板2によって仕切られた独立した空間を形成する。
【0045】
次に、切り換え弁20、21を操作すると共に、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPを作動させ、下チャンバー1a内のエアーを吸引して減圧すると共に、上チャンバー1b内にエアーを送り込み加圧することによって、一方向側のエアリークを検査する。
【0046】
このとき、被加工金属板2に欠損部分が存在しない場合には、前述した第1の実施形態と同じに、真空ポンプVPおよび加圧ポンプCPを作動させてエアーの吸引と加圧をスタートさせた以後、所定時間後に流量が減少しながら停止する。
【0047】
被加工金属板2に亀裂70やピンホール71等の欠損部分が生じている場合には、欠損部分を介してエアーが流通することから、所定時間後も所定のエアリーク量が計測され、不合格と判定される。
【0048】
その後、切り換え弁20、21を切り換え、下チャンバー1a内を加圧すると共に、上チャンバー1b内を減圧して逆方向側のエアリークを検査する。
【0049】
上チャンバー1bおよび下チャンバー1aの一方を加圧し他方を減圧することにより、微少な亀裂70やピンホール71等の欠損部分を高精度に検査することが可能となる。ところが、一般に流体の流れはその形態によって方向性を有しているため、欠損部分の形態によってエアーの流通量が変化する。従って、例え、一方向からエアリークを検査したときに合格レベルであっても、正確な判定とは言い難い。上述したように、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対する加圧と減圧を切り換え、被加工金属板2に対して両方向からエアリークの検査を行うことにより、方向性を有する欠損部分であっても、正確な検査を行うことができる。
【0050】
尚、上述した第4の実施形態においては、上チャンバー1bと下チャンバー1aに対して加圧と減圧を切り換える構成としたが、第1の実施形態のように、例えば下チャンバー1aを減圧し、上チャンバー1bを開放するように構成しても良い。
【0051】
図6は、第2の実施態様の変形例を示し、下チャンバー1aの内部容積を小さくしたものである。即ち、下チャンバー1aの内部底面は、被加工金属板2の底面形状にほぼ等しい凹凸形状に形成されている。そして、下チャンバー1aの内部底面を被加工金属板2の底面に接合させている。この下チャンバー1aには、真空ポンプVPおよび流量計3を連結させ、エアリークのエアーを流通させることが必要なため、下チャンバー1aの内部底面には、真空ポンプVPと連通する流通溝1dを形成している。更に、前述した亀裂17やピンホール19、20等の欠損の発生が見込まれる個所の周囲には、真空ポンプVPおよび流通溝1dと連通する隙間1eが形成されている。
【0052】
このように、下チャンバー1aの内部底面と被加工金属板2の底面とをほぼ接合させたことにより、エアリークを検査するときに、加圧力や減圧力によって被加工金属板2が変形することが未然に防止できる。また、下チャンバー1aが小型になることから、検査装置を更に小型化できる。尚、下チャンバー1aと同様に、上チャンバー1bも被加工金属板2の上面形状にほぼ等しい凹凸形状に形成し、上チャンバー1bの内部底面に流通溝や隙間を形成しても良い。
【0053】
図7及び図8は、上述した被加工金属板2をハードディスク駆動装置のベースプレートとして適用した例を示している。ベースプレート50は、所定の板厚を有する金属板をプレス加工によって、横長の平面長方形状に形成され、その中央左寄りを中心として、ディスク室51側に開口する環状凹部52が形成されている。環状凹部52の底内周部から上方に向かって環状凹部52と同心状に突設された円筒部53が形成されている。更に、ベースプレート50の右寄りには、ボイスコイルモータを収納するための凹部54が形成されている。また、ベースプレート50には、後述する磁気ヘッド65の回動を規制するためのストッパー、或いは、磁気ヘッド65を回転自在に支持する支軸等の突軸55が一体に突出形成されている。このベースプレート50は略皿状に形成され、外縁部分には鍔部56が形成されている。上記環状凹部52および凹部54の中央には、透孔52a、54aが形成されている。
【0054】
上記環状凹部52には、ステータコア57が嵌合固着され、各突極には駆動コイル58が巻回されている。ステータコア57の内周には、ロータハブ59の外周面に固着したロータマグネット60がギャップを隔てて対向している。これらステータコア57、駆動コイル58、および、ロータマグネット58によってインナーロータ型のスピンドルモータ部が構成されている。ロータハブ59の中心には回転軸が一体に設けられ、上記円筒部53の内周壁に外輪が接着固定されたボールベアリング61,62の内輪によって回転自在に支持されている。上記円筒部53の内周部の下端に形成された透孔52aは、封止部材によって封止される。
【0055】
ロータハブ59は略カップ状に形成され、外周には、径方向に突出させた載置部59aが形成され、この載置部59aに磁気ディスク63を載置している。そして、磁気ディスク63は、中央部をビスによって固定されたクランプ部材64によって固定されている。磁気ディスク63の磁気記録面には、磁気ヘッド65が対向している。磁気ヘッド65はヘッドアーム66の先端に配設され、ヘッドアーム66の基端をボイスコイルモータ67によって回動することにより、磁気記録面をシークするようになっている。ボイスコイルモータ67は周知のように可動コイルと固定マグネットによって構成され、ベースプレート50の凹部54に収納されている。上記ヘッドアーム66の回動支点は、ベースプレート50から一体に突出形成した突軸68に軸受部材を介して回動自在に支持している。
【0056】
このように、スピンドルモータ、磁気ディスク、磁気ヘッド、及び、ボイスコイルモータ等が組み込まれた後、ベースプレート50の上方からカバー69を被冠することにより内部が密閉状態に保たれる。従って、この状態においては、ハードディスク駆動装置に対してエラー等の原因となる、外部からの粉塵やガス、或いはイオン等の不要物質等が内部に侵入しないようにしている。このため、ベースプレート50においても亀裂やピンホール等の欠損部分があってはならず、ベースプレート50に各種構成部品を組み込む前工程において、欠損部分の有無を検査することが重要となる。
【0057】
ベースプレート50は、プレス加工された後に、一般的には表面にメッキ処理が施される。プレス加工された直後の状態では、極小のピンホールであっても、メッキ処理またはその前処理を行うことにより拡大することもある。従って、エアリークの検査は、プレス加工直後の他に、メッキ処理後に行うことが必要となる。更には、ベースプレート50を搬送するときに、振動等によって亀裂が拡大することもある。従って、ベースプレート50に各種構成部品を組み込む前にもエアリークの検査を行う事が望ましい。また、ベースプレート50に各種構成部品を組み込み、上記カバー64を被冠する前にもエアリークの検査を行う事が望ましい。
【0058】
以上説明した実施形態においては、被加工金属板としてハードディスク駆動装置用のベースプレートを例示したが、プレス加工において発生するピンホールや亀裂等の欠損が製品の不良を形成するような各種の装置、機器等に使用するプレス品であっても良い。また、キャビティの構成も前述した実施形態に限らず、被加工金属板の形状や構造に合わせて、他の構成に変えても良い。更に、流量計はデジタル式でなくとも、アナログ式に変えても良く、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更することは可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置によれば、プレスによって加工が施された被加工金属板をチャンバーに密閉させて保持し、このチャンバー内を減圧または加圧した後に上記チャンバー内を流通するエアリーク量を流量計により計測するので、プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板に生じた欠損を容易に短時間で判定することができる。また、エアリーク量によって欠損の大きさを判定することができる。更に、かかるエアリーク検査装置は簡易な構成であり、安価に製作でき、部品製造工程から製品組立工程に至る各工程においてエアリーク検査が可能となる。
【0060】
また、上下一対のチャンバーの一方を減圧させ、他方を加圧させてエアリークの検査を行うことにより、微少な欠損であっても流量計の計測値を増大させるので検査精度を高めることが可能となる。
【0061】
更に、上下一対のチャンバーに対し、加圧するチャンバーと減圧するチャンバーとを切り換えて、両方向の流量を流量計により計測すると、被加工金属板の欠損状態によるエアー流通の方向性があっても、両方向のエアリーク量を流量計により計測するので、方向性に関わりなく検査精度を高めることが可能となる。
【0062】
更にまた、被加工金属板に打ち抜き形成された透孔を、チャンバー内に配設した封止体によって閉塞することにより、被加工金属板の欠損部分のみのエアリークを検査することができ、検査精度を高めることが可能となる。
【0063】
ハードディスク装置のベースプレートからなる被加工金属板エアリークを検出することにより、内部を気密に保つことが重要なベースプレートの良否を容易に検査することが可能となる。エアリークの検査を行ったベースプレートを使用することにより、ハードディスク装置として組み込んだ以後も内部を気密に保つことができ、信頼性の高いハードディスク装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第1の実施態様を示す構成説明図である。
【図2】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第2の実施態様を示す構成説明図である。
【図3】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置における流量計の変化を示すグラフ図である。
【図4】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第3の実施態様を示す構成説明図である。
【図5】本発明によるプレス加工金属板のエアリーク検査装置の第4の実施態様を示す構成説明図である。
【図6】図2に示す第2の実施態様の変形例を示す構成説明図である。
【図7】ハードディスク駆動装置を示す平面図である。
【図8】ハードディスク駆動装置を示す断面図である。
【図9】被加工金属板の欠損状態を示す説明図である。
【図10】従来の検査装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
1a 下チャンバー
1b 上チャンバー
2 被加工金属板
2a 第1の透孔
2b 第2の透孔
3 流量計
4 弾性体
5、6 封止体
50 ベースプレート
70 亀裂
71 ピンホール
VP 真空ポンプ
CP 加圧ポンプ
Claims (6)
- プレスによって曲げ加工や絞り加工を施した被加工金属板に生じたピンホール等の欠損部分を検出するエアリーク検出装置であって、上記被加工金属板の被検査部周囲を密閉させて保持するチャンバーと、このチャンバー内を減圧または加圧するポンプと、上記欠損部分を流通するエアリーク量を計測する流量計とを少なくとも備え、上記流量計の計測値によりエアリークを検出することを特徴とするプレス加工金属板のエアリーク検査装置。
- 上記チャンバーは、内部に凹所を形成した上下一対のチャンバーを有し、このチャンバーの開口端に上記被加工金属板の被検査部を挟持して密閉し、一方のチャンバーに減圧ポンプを連結させてチャンバー内を減圧した請求項1に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置。
- 上記上下一対のチャンバーは、一方のチャンバーに真空ポンプを連結して減圧させ、他方のチャンバーに加圧ポンプを連結して加圧させると共に、上記少なくとも一方のチャンバーと真空ポンプまたは加圧ポンプとの間に流量計を介在させ、加圧した上記チャンバーから減圧した上記チャンバーの方向に上記被加工金属板の欠損部分流通するエアリーク量を流量計により計測する請求項1に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置。
- 上記上下一対のチャンバーは、加圧するチャンバーと減圧するチャンバーとを切り換え、両方向の流量を流量計により計測して上記被加工金属板の欠損部分のエアリーク量を検出することを特徴とする請求項1および3に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置。
- 上記被加工金属板は、プレスによって打ち抜かれた透孔が形成され、上記チャンバー内には上記透孔を閉塞する封止体を配設した請求項1乃至4に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置。
- 上記被加工金属板は、ハードディスク装置のベースプレートであり、絞り加工等によってモータ部等を配設する凹所、および、ストッパー等の突軸等が形成され、上記ベースプレートを上記チャンバーに装着して上記凹所や突軸からなる被検査部の欠損部分のエアリーク量を検出することを特徴とする請求項1乃至5に記載のプレス加工金属板のエアリーク検査装置。
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-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030457A patent/JP2004239804A/ja active Pending
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