JP2004238089A - ストッカ - Google Patents
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Abstract
【構成】ストッカ2に昇降スペース8と保管スペース10とを配列し、昇降スペースの天井部に開口32を設けて、天井走行車との間でカセット14を移載できるようにする。昇降スペース8内を、移載手段とカセットのガイド部材とを備えた昇降台12を昇降させ、保管スペース10にカセットを載置する。
【効果】天井走行車と昇降台の間で直接カセットを移載でき、しかも省スペースである。
【選択図】 図1
【効果】天井走行車と昇降台の間で直接カセットを移載でき、しかも省スペースである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の利用分野】
この発明は、クリーンルームなどで物品を一時的に保管するためのストッカに関し、特に天井走行車との間での物品を移載できるようにしたストッカに関する。
【0002】
【従来技術】
【0003】
【特許文献1】特開2001−31216号公報
【0004】
複数の棚をチェーンなどで連結して循環移動させるようにした、ストッカが知られている(例えば特許文献1)。このようなストッカでは、ストッカの側面に天井走行車との移載口などを設けて、移載口を介して物品の入出庫を行う。しかしながらこのようにすると、天井走行車側から見た場合、その直下のスペースを有効利用できないとの問題がある。またストッカ側から見た場合、多数の棚を循環移動させると、循環移動のために大きな機構が必要になり、スペース的にも不利であると共に、発塵も問題になる。
【0005】
【発明の課題】
この発明の基本的課題は、発塵が少なく省スペースで、天井走行車から直接昇降台に物品を移載しても位置決めができる、ストッカを提供することにある(請求項1〜3)。
請求項2の発明での追加の課題は、天井走行車から積み降ろされる物品の位置決めをさらに容易にすることにある。
請求項3の発明での追加の課題は、昇降台の移載手段で物品を移載する際の偏荷重を解消し、移載手段を軽量化すると共に、昇降台の前後方向のガイドを容易にすることにある。
【0006】
【発明の構成】
この発明のストッカは、物品の保管スペースに接するように、昇降台の昇降スペースを設け、前記昇降スペースの上部には、天井走行車と昇降台との間で物品を直接移載するための開口を設け、さらに昇降台には、保管スペースとの間で物品を移載するための移載手段を設け、該移載手段に、天井走行車から積み降ろされる物品の底面を係合して位置決めするための、係合手段を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0007】
好ましくは、前記昇降台の移載手段から見た左右に、天井走行車から積み降ろされる物品の、両側面をガイドするためのガイド部材を設ける(請求項2)。
【0008】
特に好ましくは、前記ガイド部材の側面に、物品の荷重を支持するためのローラを設けると共に、前記保管スペースにも物品の荷重を支持するための従動ローラを設ける(請求項3)。
【0009】
【発明の作用と効果】
この発明では、ストッカの昇降スペースの上部に開口を設けて、天井走行車と昇降台との間で物品を直接移載できるようにする。そして天井走行車から積み降ろされた物品の位置を、昇降台の移載手段に設けた係合手段で位置決めする。また昇降台を保管スペースに沿って設けた昇降スペース内を昇降させ、移載手段で保管スペースとの間での移載を行う。この発明では、昇降スペースの上部に開口を設けて天井走行車との間で物品を移載するので、天井走行車の走行ルートの直下に昇降スペースを配置でき、ストッカから突き出したステーションが不要で、省スペースとなる。また棚全体を循環移動させるのではなく、昇降台のみを昇降させるので、棚全体の循環移動の場合に比べて小型・軽量な駆動部で良く、発塵も少なくなる。さらに保管スペースでは棚を上下に配置でき、棚全体を循環させる場合よりも、密に棚を配置できる(請求項1)。
【0010】
請求項2の発明では、昇降台の左右のガイドにより物品の左右位置を規制し、天井走行車から積み降ろされる物品の位置決めをより確実に行うことができる。このため、天井走行車の走行レールに対するストッカの取り付け精度や、昇降台の位置精度が不十分でも、天井走行車との間で確実に物品を移載できる。
【0011】
請求項3の発明では、移載手段は物品の荷重を実質的に支持する必要がないので、移載時の偏荷重が生じない。即ち、昇降台上では、ガイド部材に設けたローラで物品の荷重を支持でき、移載の途中では保管スペース側の従動ローラとガイド部材のローラの双方で、物品を支持できる。このため移載手段の剛性が低くても良く、また移載装置の駆動機構も簡単にでき、昇降台を軽量化できる。さらに移載時に昇降台に偏荷重が加わらないので、昇降台が前後に傾くことが無く、昇降台の前後方向のガイドも簡単にできる。
【0012】
【実施例】
図1〜図5に、実施例のストッカ2を示す。これらの図において、3はそのフレームで、4,5,6は支柱で、例えば左右各一対設けられている。8は昇降スペースで、10は保管スペースで、複数の棚を上下に1列に配置したものである。昇降スペース8は保管スペース10に沿って設けられ、保管スペース10に沿って、昇降台12を昇降させる。また14はカセットで、ここでは半導体の基板などを収容したカセットとし、ストッカ2で保管する物品の例である。そしてストッカ2は、例えばクリーンルーム内に配置され、天井走行車システムに対する物品の保管用のバッファとして用いる。昇降台12の例えば4隅、あるいは3隅に、ベルトやロープなどの吊持材16の端部を固定し、ローラ17,18,19により吊持材16を案内し、昇降スペース8の下部に設けたドラム20に巻き取ることにより、昇降台12を昇降させる。この内でローラ19は、ドラム20への吊持材16の巻き付け角が、支柱4寄り吊持材16と支柱5寄りの吊持材16とで等しくなるようにするためのローラである。22はドラム20を回転させるための昇降モータで、例えば4本の吊持材に対して共通のモータである(図2)。
【0013】
この明細書では、図1の左右の方向を前後方向と呼び、特に昇降スペース8側を前側、保管スペース10側を後側と言うことがある。また図2の左右方向を単に左右方向と呼び、これは水平面内でストッカ2での前後方向に直角な方向である。昇降台12の4隅に取り付けられた吊持材16は、左右一対のドラム20,20で巻き取られ、図1に示すように、1つのドラム20で前後一対の吊持材16,16を巻き取る。またドラム20,20を駆動する昇降モータ22は単一のモータで、左右のドラム20,20の回転数は共通の昇降モータ22の回転数で定まり共通で、さらに前後一対の吊持材16,16が同じドラム20に共通の巻き付け角で巻き取られる。これらのため、4本の吊持材16は全て巻き取り長さや繰り出し長さが共通となり、かつ巻き取りの状態が1重目から2重目に変化するタイミングなども同じになる。従って、メカニカルな機構で昇降台12が、前後左右何れにも傾くのを防止できる。
【0014】
図4に示すように、昇降台12の例えば4隅にガイドローラ24を設け、支柱4,5などをガイドレールとして用いて、昇降台12の左右方向位置を規制する。昇降台12の前後方向位置を正確に規制する必要がある場合、例えば支柱4,5の他の面にも、昇降台12からガイドローラを接触させて案内するとよい。26,26は昇降台12の左右に設けたガイド部材で、その材質には潤滑性のあるジュラコンやポリウレタンあるいはテフロン(登録商標)などの樹脂が好ましい。28はガイドローラで、ここでは従動ローラとするが、動力ローラとしてもよく、ガイド部材26の内側の側面に列状に配置する。30は保管スペース10側での支持体で、支柱5,6により支持され、1つの棚位置の左右に配置され、各支持体30の内側の側面に、同様に従動ローラ29を一列に配列する。
【0015】
図1,図2に示すように、昇降スペース8の上部には移載口としての開口32を設けて、天井走行車と昇降台12との間で物品を直接移載できるようにする。図1の40は天井走行車側のチャックで、42はチャック40を支持した昇降台である。このように、ストッカ2では昇降スペース8の上部を開けて開口32とし、保管スペース10側の天井部は例えば蓋をしてある。さらにストッカ2の底部には例えばキャスター車輪34を設け、ストッカ2を適宜の位置に移動できるようにする。このためストッカ2は、物品の保管能力が不足する場所に、適宜に移動して配置できる。そしてこの場合に、ストッカ2を全体として省スペースにして、処理装置と処理装置の隙間で天井走行車の走行レールの下部などの、限られた狭いスペースにストッカ2を設置できるようにする。
【0016】
図3に、カセット14の底面を示す。カセット14の底部には、例えば3つのくぼみ44〜46が設けられ、48は左右一対の突条で、カセット14の前面には開閉自在の蓋50が設けてある。そして実施例では、カセット14の左右方向中心のくぼみ44に、移載手段に設けた係合突起を係合させ、突条48,48の両外側の平坦部を昇降台12のローラ28と棚側の従動ローラ29で支持する。このためカセット14の重量は、昇降台12上では大部分ローラ28により支持され、保管スペース10内では従動ローラ29により支持される。そして昇降台での移載手段はローラ28とは別個に設けられているので、移載手段側ではカセット14の重量を支持する必要はなく、移載手段を軽量化できる。
【0017】
カセット14を天井走行車から積み降ろす際には、昇降台12の両側のガイド部材26,26により、カセット14を左右方向に案内して、くぼみ44に移載手段側の係合突起を係合させることにより、左右の位置決めを行う。ローラ28の内側の下方に、カセット14の突条48が突き出し、カセット14の左右両端がガイド部材26により規制され、ローラ28の内側には突条48があるので、カセット14はローラ28上に安定に支持される。なおこの点は、棚の支持体30側でも同様で、支持体30の高さは、従動ローラ29の上面よりもやや高く、支持体30とカセット14の突条48で、カセット14の脱落を防止する。
【0018】
図4,図5に、昇降台12に設けた移載手段51を示す。昇降台12の床板やフレームなどにリニアガイド(直動ガイド)52を固定する。リニアガイド52上に別途のリニアガイド54を、上下に重なるように配置し、下側のリニアガイド52で上側のリニアガイド54の前後進を案内する。56は移載用のモータで、タイミングベルト58を駆動し、上側のリニアガイド54は取付板60によりタイミングベルト58に固定されている。以上のようにして、モータ56を駆動すると、リニアガイド54はリニアガイド52上を前後進する。
【0019】
上側のリニアガイド54の両端にプーリ62,64を取り付け、プーリ62でタイミングベルト66を、プーリ64でタイミングベルト68を案内し、これらのタイミングベルト66,68の端部を、昇降台12の床板やフレームなどに固定部70,72で固定する。タイミングベルト66,68の他端は、移載部80に連結した取付板74に固定する。そして移載部80の上面には、2つのリアガイド52,54と上下方向に重なる位置に、係合突起82を設けて、カセット14の底面のくぼみ44に係合させる。なお図5の84,86は、リニアガイド52,54でガイドされて直線移動する被ガイド部で、上側のリニアガイド54を被ガイド部84で案内し、移載部80を被ガイド部86で案内する。タイミングベルト58,66,68に代えてチェーンを用いても良いが、発塵が増加し好ましくはない。
【0020】
移載部80は、係合突起82で天井走行車から積み降ろされたカセット14を左右方向に位置決めすると共に、タイミングベルト58,66,68を動作させて移載する際に、カセット14を前後進させることができればよい。そしてカセット14からの荷重は、ローラ28,29で支持される。このため、モータ56は低出力のモータで良く、リニアガイド52,54もカセット14を移載する際の偏荷重に耐えるだけの剛性は不要である。さらにカセット14を移載部80に載置することにより、傾かないようにするのではないため、移載部80はカセット14の底面に比べて小さなもので良く、例えば長さや幅をカセット14の長さや幅の1/3以下とすることができる。カセット14から移載部80に加わる左右方向の力のモーメントを考える必要がないので、リニアガイド52,54も左右の幅が狭いものでよい。これらのために移載手段51を軽量化できる。なおタイミングベルト58はリニアガイド52,54に平行で、タイミングベルト66,68はリニアガイド54に平行である。
【0021】
天井走行車からカセット14が昇降台12上に積み降ろされると、ガイド部材26により左右方向の位置を規制するように案内し、係合突起82をカセット14の底面のくぼみ44に係合させて位置決めする。そしてカセット14の重量は、ローラ28により支持される。物品を移載する場合、所望の位置まで昇降台12を昇降させ、ここでは4本の吊持材16を、共通の昇降モータ22により、かつ同じ巻き付け角で、ドラム20,20により巻き取りあるいは繰り出すようにして、昇降台12が左右や前後に傾くのを防止する。
【0022】
昇降台12が所望の位置まで昇降すると、モータ56によりタイミングベルト58を駆動し、これに伴って上側のリニアガイド54は下側のリニアガイド52に対して前後進する。タイミングベルト66,68は一端を固定部70,72で昇降台12に固定され、中間をリニアガイド54に取り付けられたプーリ62,64で案内されるので、移載部80は、リニアガイド54に対して前後進する。リニアガイド54のストロークと、移載部80とのストロークの比は、例えば1:2となる。そしてプーリ62とタイミングベルト66で移載部80を前進させ、プーリ64とタイミングベルト68で移載部80を後退させる。移載時の荷重はローラ28,29で支持されるので、移載手段に偏荷重が加わって、昇降台12が前後に傾くことが無く、そのため昇降台12の前後方向の案内も簡単にできる。なお実施例の移載手段51に代えて、通常のスライドフォークなどを、タイミングベルトやチェーンなどで駆動するようにしてもよい。
【0023】
実施例の動作を説明する。ストッカ2にはキャスター車輪34を設けたので、天井走行車の走行レールの下部の適宜の位置に配置して、物品の保管能力を増すことができる。そして天井走行車との間の物品の移載は、昇降スペース8の上部の開口32を用いて行われ、ストッカ2から突き出したステーションがなく、より省スペースとなる。またストッカ2では循環棚などのように棚全体を運動させるのではなく、昇降台12と昇降台上の移載手段とを運動させるので、機構部分が少なく、小型・軽量かつ省スペースにできる。ここで単一の昇降モータ22を用いて、例えば4本の吊持材16を巻き取り、あるいは繰り出すことにより、昇降台12が前後左右に傾くことを防止する。これらのため、昇降台12の昇降機構を簡単なものにできる。
【0024】
天井走行車からカセット14を荷下ろしする場合、物品をガイド部材26で滑らかにガイドし、係合突起82をくぼみ44に係合させて位置決めする。カセット14の荷重はローラ28で支持し、保管スペース10内では従動ローラ29で支持するので、係合突起82からはカセット14を前後進できるだけの力を伝えられればよく、移載手段を小型・軽量にすることができる。特に移載時の偏荷重が昇降台12に加わらない。これらのため、昇降台12を軽量化でき、簡単に昇降させることができる。なお移載手段51からの発塵をより少なくするには、タイミングベルト58,66,68を適宜のカバーで覆い、カバーの側面に設けたスリットに沿って連結板60,74が移動するようにすればよい。またリニアガイド54や移載部80は、ボールネジなどで前後進させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のストッカの側面図
【図2】実施例のストッカの正面図
【図3】実施例で用いたカセットの底面図
【図4】実施例のストッカでの、昇降台の平面図
【図5】実施例のストッカでの、移載手段を模式的に示す側面図
【符号の説明】
2 ストッカ
3 フレーム
4,5,6 支柱
8 昇降スペース
10 保管スペース
12 昇降台
14 カセット
16 吊持材
17,18 ローラ
19 ローラ
20 ドラム
22 昇降モータ
24 ガイドローラ
26 ガイド部材
28 ローラ
29 従動ローラ
30 支持体
32 開口
34 キャスター車輪
40 チャック
42 昇降台
44〜46 くぼみ
48 突条
50 蓋
51 移載手段
52,54 リニアガイド
56 移載用のモータ
58 タイミングベルト
60,74 取付板
62,64 プーリ
66,68 タイミングベルト
70,72 固定部
80 移載部
82 係合突起
84,86 被ガイド部
【発明の利用分野】
この発明は、クリーンルームなどで物品を一時的に保管するためのストッカに関し、特に天井走行車との間での物品を移載できるようにしたストッカに関する。
【0002】
【従来技術】
【0003】
【特許文献1】特開2001−31216号公報
【0004】
複数の棚をチェーンなどで連結して循環移動させるようにした、ストッカが知られている(例えば特許文献1)。このようなストッカでは、ストッカの側面に天井走行車との移載口などを設けて、移載口を介して物品の入出庫を行う。しかしながらこのようにすると、天井走行車側から見た場合、その直下のスペースを有効利用できないとの問題がある。またストッカ側から見た場合、多数の棚を循環移動させると、循環移動のために大きな機構が必要になり、スペース的にも不利であると共に、発塵も問題になる。
【0005】
【発明の課題】
この発明の基本的課題は、発塵が少なく省スペースで、天井走行車から直接昇降台に物品を移載しても位置決めができる、ストッカを提供することにある(請求項1〜3)。
請求項2の発明での追加の課題は、天井走行車から積み降ろされる物品の位置決めをさらに容易にすることにある。
請求項3の発明での追加の課題は、昇降台の移載手段で物品を移載する際の偏荷重を解消し、移載手段を軽量化すると共に、昇降台の前後方向のガイドを容易にすることにある。
【0006】
【発明の構成】
この発明のストッカは、物品の保管スペースに接するように、昇降台の昇降スペースを設け、前記昇降スペースの上部には、天井走行車と昇降台との間で物品を直接移載するための開口を設け、さらに昇降台には、保管スペースとの間で物品を移載するための移載手段を設け、該移載手段に、天井走行車から積み降ろされる物品の底面を係合して位置決めするための、係合手段を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0007】
好ましくは、前記昇降台の移載手段から見た左右に、天井走行車から積み降ろされる物品の、両側面をガイドするためのガイド部材を設ける(請求項2)。
【0008】
特に好ましくは、前記ガイド部材の側面に、物品の荷重を支持するためのローラを設けると共に、前記保管スペースにも物品の荷重を支持するための従動ローラを設ける(請求項3)。
【0009】
【発明の作用と効果】
この発明では、ストッカの昇降スペースの上部に開口を設けて、天井走行車と昇降台との間で物品を直接移載できるようにする。そして天井走行車から積み降ろされた物品の位置を、昇降台の移載手段に設けた係合手段で位置決めする。また昇降台を保管スペースに沿って設けた昇降スペース内を昇降させ、移載手段で保管スペースとの間での移載を行う。この発明では、昇降スペースの上部に開口を設けて天井走行車との間で物品を移載するので、天井走行車の走行ルートの直下に昇降スペースを配置でき、ストッカから突き出したステーションが不要で、省スペースとなる。また棚全体を循環移動させるのではなく、昇降台のみを昇降させるので、棚全体の循環移動の場合に比べて小型・軽量な駆動部で良く、発塵も少なくなる。さらに保管スペースでは棚を上下に配置でき、棚全体を循環させる場合よりも、密に棚を配置できる(請求項1)。
【0010】
請求項2の発明では、昇降台の左右のガイドにより物品の左右位置を規制し、天井走行車から積み降ろされる物品の位置決めをより確実に行うことができる。このため、天井走行車の走行レールに対するストッカの取り付け精度や、昇降台の位置精度が不十分でも、天井走行車との間で確実に物品を移載できる。
【0011】
請求項3の発明では、移載手段は物品の荷重を実質的に支持する必要がないので、移載時の偏荷重が生じない。即ち、昇降台上では、ガイド部材に設けたローラで物品の荷重を支持でき、移載の途中では保管スペース側の従動ローラとガイド部材のローラの双方で、物品を支持できる。このため移載手段の剛性が低くても良く、また移載装置の駆動機構も簡単にでき、昇降台を軽量化できる。さらに移載時に昇降台に偏荷重が加わらないので、昇降台が前後に傾くことが無く、昇降台の前後方向のガイドも簡単にできる。
【0012】
【実施例】
図1〜図5に、実施例のストッカ2を示す。これらの図において、3はそのフレームで、4,5,6は支柱で、例えば左右各一対設けられている。8は昇降スペースで、10は保管スペースで、複数の棚を上下に1列に配置したものである。昇降スペース8は保管スペース10に沿って設けられ、保管スペース10に沿って、昇降台12を昇降させる。また14はカセットで、ここでは半導体の基板などを収容したカセットとし、ストッカ2で保管する物品の例である。そしてストッカ2は、例えばクリーンルーム内に配置され、天井走行車システムに対する物品の保管用のバッファとして用いる。昇降台12の例えば4隅、あるいは3隅に、ベルトやロープなどの吊持材16の端部を固定し、ローラ17,18,19により吊持材16を案内し、昇降スペース8の下部に設けたドラム20に巻き取ることにより、昇降台12を昇降させる。この内でローラ19は、ドラム20への吊持材16の巻き付け角が、支柱4寄り吊持材16と支柱5寄りの吊持材16とで等しくなるようにするためのローラである。22はドラム20を回転させるための昇降モータで、例えば4本の吊持材に対して共通のモータである(図2)。
【0013】
この明細書では、図1の左右の方向を前後方向と呼び、特に昇降スペース8側を前側、保管スペース10側を後側と言うことがある。また図2の左右方向を単に左右方向と呼び、これは水平面内でストッカ2での前後方向に直角な方向である。昇降台12の4隅に取り付けられた吊持材16は、左右一対のドラム20,20で巻き取られ、図1に示すように、1つのドラム20で前後一対の吊持材16,16を巻き取る。またドラム20,20を駆動する昇降モータ22は単一のモータで、左右のドラム20,20の回転数は共通の昇降モータ22の回転数で定まり共通で、さらに前後一対の吊持材16,16が同じドラム20に共通の巻き付け角で巻き取られる。これらのため、4本の吊持材16は全て巻き取り長さや繰り出し長さが共通となり、かつ巻き取りの状態が1重目から2重目に変化するタイミングなども同じになる。従って、メカニカルな機構で昇降台12が、前後左右何れにも傾くのを防止できる。
【0014】
図4に示すように、昇降台12の例えば4隅にガイドローラ24を設け、支柱4,5などをガイドレールとして用いて、昇降台12の左右方向位置を規制する。昇降台12の前後方向位置を正確に規制する必要がある場合、例えば支柱4,5の他の面にも、昇降台12からガイドローラを接触させて案内するとよい。26,26は昇降台12の左右に設けたガイド部材で、その材質には潤滑性のあるジュラコンやポリウレタンあるいはテフロン(登録商標)などの樹脂が好ましい。28はガイドローラで、ここでは従動ローラとするが、動力ローラとしてもよく、ガイド部材26の内側の側面に列状に配置する。30は保管スペース10側での支持体で、支柱5,6により支持され、1つの棚位置の左右に配置され、各支持体30の内側の側面に、同様に従動ローラ29を一列に配列する。
【0015】
図1,図2に示すように、昇降スペース8の上部には移載口としての開口32を設けて、天井走行車と昇降台12との間で物品を直接移載できるようにする。図1の40は天井走行車側のチャックで、42はチャック40を支持した昇降台である。このように、ストッカ2では昇降スペース8の上部を開けて開口32とし、保管スペース10側の天井部は例えば蓋をしてある。さらにストッカ2の底部には例えばキャスター車輪34を設け、ストッカ2を適宜の位置に移動できるようにする。このためストッカ2は、物品の保管能力が不足する場所に、適宜に移動して配置できる。そしてこの場合に、ストッカ2を全体として省スペースにして、処理装置と処理装置の隙間で天井走行車の走行レールの下部などの、限られた狭いスペースにストッカ2を設置できるようにする。
【0016】
図3に、カセット14の底面を示す。カセット14の底部には、例えば3つのくぼみ44〜46が設けられ、48は左右一対の突条で、カセット14の前面には開閉自在の蓋50が設けてある。そして実施例では、カセット14の左右方向中心のくぼみ44に、移載手段に設けた係合突起を係合させ、突条48,48の両外側の平坦部を昇降台12のローラ28と棚側の従動ローラ29で支持する。このためカセット14の重量は、昇降台12上では大部分ローラ28により支持され、保管スペース10内では従動ローラ29により支持される。そして昇降台での移載手段はローラ28とは別個に設けられているので、移載手段側ではカセット14の重量を支持する必要はなく、移載手段を軽量化できる。
【0017】
カセット14を天井走行車から積み降ろす際には、昇降台12の両側のガイド部材26,26により、カセット14を左右方向に案内して、くぼみ44に移載手段側の係合突起を係合させることにより、左右の位置決めを行う。ローラ28の内側の下方に、カセット14の突条48が突き出し、カセット14の左右両端がガイド部材26により規制され、ローラ28の内側には突条48があるので、カセット14はローラ28上に安定に支持される。なおこの点は、棚の支持体30側でも同様で、支持体30の高さは、従動ローラ29の上面よりもやや高く、支持体30とカセット14の突条48で、カセット14の脱落を防止する。
【0018】
図4,図5に、昇降台12に設けた移載手段51を示す。昇降台12の床板やフレームなどにリニアガイド(直動ガイド)52を固定する。リニアガイド52上に別途のリニアガイド54を、上下に重なるように配置し、下側のリニアガイド52で上側のリニアガイド54の前後進を案内する。56は移載用のモータで、タイミングベルト58を駆動し、上側のリニアガイド54は取付板60によりタイミングベルト58に固定されている。以上のようにして、モータ56を駆動すると、リニアガイド54はリニアガイド52上を前後進する。
【0019】
上側のリニアガイド54の両端にプーリ62,64を取り付け、プーリ62でタイミングベルト66を、プーリ64でタイミングベルト68を案内し、これらのタイミングベルト66,68の端部を、昇降台12の床板やフレームなどに固定部70,72で固定する。タイミングベルト66,68の他端は、移載部80に連結した取付板74に固定する。そして移載部80の上面には、2つのリアガイド52,54と上下方向に重なる位置に、係合突起82を設けて、カセット14の底面のくぼみ44に係合させる。なお図5の84,86は、リニアガイド52,54でガイドされて直線移動する被ガイド部で、上側のリニアガイド54を被ガイド部84で案内し、移載部80を被ガイド部86で案内する。タイミングベルト58,66,68に代えてチェーンを用いても良いが、発塵が増加し好ましくはない。
【0020】
移載部80は、係合突起82で天井走行車から積み降ろされたカセット14を左右方向に位置決めすると共に、タイミングベルト58,66,68を動作させて移載する際に、カセット14を前後進させることができればよい。そしてカセット14からの荷重は、ローラ28,29で支持される。このため、モータ56は低出力のモータで良く、リニアガイド52,54もカセット14を移載する際の偏荷重に耐えるだけの剛性は不要である。さらにカセット14を移載部80に載置することにより、傾かないようにするのではないため、移載部80はカセット14の底面に比べて小さなもので良く、例えば長さや幅をカセット14の長さや幅の1/3以下とすることができる。カセット14から移載部80に加わる左右方向の力のモーメントを考える必要がないので、リニアガイド52,54も左右の幅が狭いものでよい。これらのために移載手段51を軽量化できる。なおタイミングベルト58はリニアガイド52,54に平行で、タイミングベルト66,68はリニアガイド54に平行である。
【0021】
天井走行車からカセット14が昇降台12上に積み降ろされると、ガイド部材26により左右方向の位置を規制するように案内し、係合突起82をカセット14の底面のくぼみ44に係合させて位置決めする。そしてカセット14の重量は、ローラ28により支持される。物品を移載する場合、所望の位置まで昇降台12を昇降させ、ここでは4本の吊持材16を、共通の昇降モータ22により、かつ同じ巻き付け角で、ドラム20,20により巻き取りあるいは繰り出すようにして、昇降台12が左右や前後に傾くのを防止する。
【0022】
昇降台12が所望の位置まで昇降すると、モータ56によりタイミングベルト58を駆動し、これに伴って上側のリニアガイド54は下側のリニアガイド52に対して前後進する。タイミングベルト66,68は一端を固定部70,72で昇降台12に固定され、中間をリニアガイド54に取り付けられたプーリ62,64で案内されるので、移載部80は、リニアガイド54に対して前後進する。リニアガイド54のストロークと、移載部80とのストロークの比は、例えば1:2となる。そしてプーリ62とタイミングベルト66で移載部80を前進させ、プーリ64とタイミングベルト68で移載部80を後退させる。移載時の荷重はローラ28,29で支持されるので、移載手段に偏荷重が加わって、昇降台12が前後に傾くことが無く、そのため昇降台12の前後方向の案内も簡単にできる。なお実施例の移載手段51に代えて、通常のスライドフォークなどを、タイミングベルトやチェーンなどで駆動するようにしてもよい。
【0023】
実施例の動作を説明する。ストッカ2にはキャスター車輪34を設けたので、天井走行車の走行レールの下部の適宜の位置に配置して、物品の保管能力を増すことができる。そして天井走行車との間の物品の移載は、昇降スペース8の上部の開口32を用いて行われ、ストッカ2から突き出したステーションがなく、より省スペースとなる。またストッカ2では循環棚などのように棚全体を運動させるのではなく、昇降台12と昇降台上の移載手段とを運動させるので、機構部分が少なく、小型・軽量かつ省スペースにできる。ここで単一の昇降モータ22を用いて、例えば4本の吊持材16を巻き取り、あるいは繰り出すことにより、昇降台12が前後左右に傾くことを防止する。これらのため、昇降台12の昇降機構を簡単なものにできる。
【0024】
天井走行車からカセット14を荷下ろしする場合、物品をガイド部材26で滑らかにガイドし、係合突起82をくぼみ44に係合させて位置決めする。カセット14の荷重はローラ28で支持し、保管スペース10内では従動ローラ29で支持するので、係合突起82からはカセット14を前後進できるだけの力を伝えられればよく、移載手段を小型・軽量にすることができる。特に移載時の偏荷重が昇降台12に加わらない。これらのため、昇降台12を軽量化でき、簡単に昇降させることができる。なお移載手段51からの発塵をより少なくするには、タイミングベルト58,66,68を適宜のカバーで覆い、カバーの側面に設けたスリットに沿って連結板60,74が移動するようにすればよい。またリニアガイド54や移載部80は、ボールネジなどで前後進させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のストッカの側面図
【図2】実施例のストッカの正面図
【図3】実施例で用いたカセットの底面図
【図4】実施例のストッカでの、昇降台の平面図
【図5】実施例のストッカでの、移載手段を模式的に示す側面図
【符号の説明】
2 ストッカ
3 フレーム
4,5,6 支柱
8 昇降スペース
10 保管スペース
12 昇降台
14 カセット
16 吊持材
17,18 ローラ
19 ローラ
20 ドラム
22 昇降モータ
24 ガイドローラ
26 ガイド部材
28 ローラ
29 従動ローラ
30 支持体
32 開口
34 キャスター車輪
40 チャック
42 昇降台
44〜46 くぼみ
48 突条
50 蓋
51 移載手段
52,54 リニアガイド
56 移載用のモータ
58 タイミングベルト
60,74 取付板
62,64 プーリ
66,68 タイミングベルト
70,72 固定部
80 移載部
82 係合突起
84,86 被ガイド部
Claims (3)
- 物品の保管スペースに接するように昇降台の昇降スペースを設け、前記昇降スペースの上部には、天井走行車と昇降台との間で物品を直接移載するための開口を設け、さらに前記昇降台には、保管スペースとの間で物品を移載するための移載手段を設けて、該移載手段に、天井走行車から積み降ろされる物品の底面を係合して位置決めするための係合手段を設けたことを特徴とする、ストッカ。
- 前記昇降台の前記移載手段から見た左右に、天井走行車から積み降ろされる物品の両側面をガイドするためのガイド部材を設けたことを特徴とする、請求項1のストッカ。
- 前記ガイド部材の側面に、物品の荷重を支持するためのローラを設けると共に、前記保管スペースにも物品の荷重を支持するための従動ローラを設けたことを特徴とする、請求項2のストッカ。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008540299A (ja) * | 2005-05-16 | 2008-11-20 | アシスト テクノロジーズ インコーポレイテッド | 高処理量amhsのためのモジュール式ターミナル |
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US8974167B2 (en) | 2009-06-15 | 2015-03-10 | Murata Machinery, Ltd. | Automatic storage system |
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