JP2004207540A - 複合電子部品及びその特性調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗とインダクタンスとコンデンサの3つの成分を一つのチップ部品に収容した複合電子部品を提供する。また、その電気抵抗値とインダクタンス値の調整方法を提供する。
【解決手段】積層体内部で誘電体層と内部電極とを積層してなる積層セラミックコンデンサの主面にミアンダ状パターンをなすように被着され、その両端部を一対の端面電極に電気的に接続させた抵抗体を備える。また、ミアンダ状パターンの途中には、複数のスタブが形成されており、電気抵抗値およびインダクタンス値を測定しつつスタブを削除することで、電気抵抗値およびインダクタンス値の調整を行う。
【選択図】図1
【解決手段】積層体内部で誘電体層と内部電極とを積層してなる積層セラミックコンデンサの主面にミアンダ状パターンをなすように被着され、その両端部を一対の端面電極に電気的に接続させた抵抗体を備える。また、ミアンダ状パターンの途中には、複数のスタブが形成されており、電気抵抗値およびインダクタンス値を測定しつつスタブを削除することで、電気抵抗値およびインダクタンス値の調整を行う。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量成分、抵抗成分、インダクタンス成分を一つのチップ部品に形成した複合電子部品とその特性調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の複合電子部品を図4及び図5に示す。
図4(a)は従来の複合電子部品の一例を示す外観斜視図、図4(b)はその等価回路図であり、同図に示す従来の複合電子部品100は、抵抗RとコンデンサCとを並列に接続した回路構成を有している。
【0003】
この複合電子部品100は、複数の誘電体層を積層してなる積層体の端面に一対の端面電極102、103を被着させた直方体状のチップ型コンデンサ101と、前記積層体の一主面に直線状に被着される帯状抵抗体104とを備えている。
【0004】
前記チップ型コンデンサ101は、一対の端面電極102、103にそれぞれ接続された第1、第2の内部電極と誘電体層とを厚み方向に交互に重ね合わせた構造を有し、また、帯状抵抗体104は、その両端が一対の端面電極102、103に接続され、これによって抵抗RとコンデンサCとを並列に接続した所定の電気回路が構成される。尚、前記帯状抵抗体104は、酸化ルテニウム(RuO2)などの電気抵抗材料を従来周知の厚膜手法等を採用しチップ型コンデンサ101の一主面上に直線状に被着させることにより形成される。
【0005】
また一方、図5(a)は従来の複合電子部品の他の例を示す外観斜視図、図5(b)はその等価回路図であり、同図に示す従来の複合電子部品200は、インダクタンスLとコンデンサCとを並列に接続した回路構成を有している。
【0006】
この複合電子部品200は、先に述べたチップ型コンデンサ101と同様の構成を有したチップ型コンデンサ201と、その一主面に被着されたミアンダ(蛇行)状のインダクタンスパターン204とを備えている。
【0007】
前記インダクタンスパターン204は、その両端がチップ型コンデンサ201の端面電極202,203に電気的に接続され、これによってインダクタンスLとコンデンサCとを並列に接続した所定の電気回路が構成される。尚、前記インダクタンスパターン204は、例えば銀ペーストなどの導体材料を従来周知の厚膜手法等を採用しチップ型コンデンサ201の一主面上に蛇行状に被着させることによって形成される。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−338838号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の複合電子部品によれば、図4の複合電子部品100は抵抗成分とコンデンサ成分のみを備えた複合電子部品、また図5の複合電子部品200はインダクタンス成分とコンデンサ成分のみを備えた複合電子部品であり、抵抗成分とインダクタンス成分とコンデンサ成分の3つの成分を一つのチップ部品に収容した複合電子部品はこれまで存在しなかった。それ故、抵抗、インダクタンス、コンデンサの3つの回路要素を備えた電気回路を構成する場合、複合電子部品100、200の両方を組み合わせて用いるか、或いは、チップ抵抗やチップインダクタンスを別途用意して複合電子部品100や200と組み合わせる必要があり、実装面積の大型化やコストアップを招く欠点を有していた。
【0010】
また、上述した従来の複合電子部品においては、チップ型コンデンサ101の一主面に形成された帯状抵抗体104やチップ型コンデンサ201の一主面に形成されたインダクタンスパターン204は、製造バラツキ等に起因して電気的特性を一定に揃えることが難しく、特性不良等の発生により生産性の低下を招いていた。
【0011】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、抵抗成分、インダクタンス成分、容量成分の3つの成分を一つのチップ部品に備え、しかも電気的特性を容易に調整することが可能な、簡素な構成の複合電子部品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合電子部品は、n個(nは3以上の自然数)の誘電体層を積層してなる積層体の内部で、各誘電体層間に第1の内部電極と第2の内部電極とを誘電体層の積層方向に交互に介在させるとともに、前記誘電体層の積層方向と平行な積層体の端面に一対の端面電極を被着させ、該端面電極の一方に第1の内部電極を、他方に第2の内部電極を電気的に接続させた積層セラミックコンデンサと、前記積層セラミックコンデンサの主面にミアンダ状パターンをなすように被着され、その両端部を前記一対の端面電極に電気的に接続させた抵抗体とを備えてなる複合電子部品であって、前記抵抗体は、ミアンダ状パターンの途中に複数個のスタブを有していることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の複合電子部品の特性調整方法は、上述した複合電子部品の一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを徐々に除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
本発明の複合電子部品によれば、端面に一対の端面電極を有する積層セラミックコンデンサの主面に、両端部を一対の端面電極に電気的に接続させたミアンダ状の抵抗体を被着・形成した構造を有している。この場合、積層セラミックコンデンサの主面に形成されたミアンダ状の抵抗体パターンがインダクタンスパターンとしても機能することから、このミアンダ状パターンにより、抵抗成分に加えてインダクタンス成分をも形成することができ、抵抗成分、インダクタンス成分、容量(コンデンサ)成分の3つの成分を一つのチップ部品に備えた複合電子部品を構成することが可能となる。これにより、機器の高密度実装やコストダウンに寄与することができるようになる。
【0015】
また、本発明の複合電子部品の調整方法によれば、上述した複合電子部品における一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することにより、複合電子部品の電気抵抗値及びインダクタンス値を極めて容易に調整することができる。従って、複合電子部品の製造バラツキ等によって抵抗体の電気抵抗値やインダクタンス値が所定の規格から外れていたとしても、抵抗体の形成後に、スタブを選択的に除去することで電気抵抗値やインダクタンス値を変動させ、電気抵抗値やインダクタンス値が規格に合致するよう調整することにより、不良品の発生を極力抑えて複合電子部品の生産性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳説する。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る複合電子部品の外観斜視図、図1(b)はその等価回路図である。また、図2は図1(a)のA−A´線断面図である。
【0017】
同図に示す複合電子部品10は、積層セラミックコンデンサ11の主面12に抵抗体13を形成した構造を有している。
積層セラミックコンデンサ11は、n個(nは3以上の自然数)の誘電体層17を積層してなる矩形状の積層体16と、内部電極18、19と、一対の端面電極14,15とで構成されている。
【0018】
誘電体層17はチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の誘電体材料から成り、内部電極18,19はPd、Ag−Pd合金などの貴金属材料やNi、Cuなどの卑金属材料から成る。この内部電極は、第1の内部電極18と第2の内部電極19とで構成され、この2種類の内部電極が隣接する誘電体層間に交互に介在されている。
【0019】
また、一対の端面電極14,15は、誘電体層17の積層方向と平行な積層体16の一対の端面に被着・形成されており、一方の端面電極14に第1の内部電極18が、他方の端面電極15に第2の内部電極19が電気的に接続されている。
【0020】
そして、抵抗体13は、積層セラミックコンデンサ11の主面12に、ミアンダ状パターンをなすように被着・形成され、その両端部は一対の端面電極14,15にそれぞれ接続されている。この抵抗体13は、厚膜手法により形成する場合、例えばRuO2等の電気抵抗材料にAg、ガラス、樹脂等を添加・混合して得た所定の抵抗体ペーストを積層セラミックコンデンサ11の一主面12上に従来周知のスクリーン印刷等によって所定のミアンダ状パターンに印刷・塗布し、これを高温で焼成することによって形成される。
【0021】
また、抵抗体13を薄膜手法によって形成する場合、Ni−Cr、Ta、Ta−N、Ta−Si等から成る抵抗薄膜を積層セラミックコンデンサ11の一主面12上に従来周知のスパッタリング等により所定厚み、所定パターンに被着させることによって形成される。
【0022】
このような抵抗体13は、ミアンダ状パターンをなすように形成されているため、インダクタンスLとしても機能し、ミアンダライン間隔、ミアンダ本数等を適宜選択することによって所定のインダクタンス値を得ることができる。
【0023】
以上のように、端面に一対の端面電極14,15を有する積層セラミックコンデンサ11の主面に、両端部を一対の端面電極14,15に電気的に接続させたミアンダ状の抵抗体13を被着・形成して複合電子部品を構成するようにしたことから、ミアンダ状の抵抗体13をインダクタンスパターンとして機能させることができ、抵抗R、インダクタンスL、コンデンサCの3つの成分を一つのチップ部品に備えた簡素な構成の複合電子部品を形成することが可能となる。これにより、機器の高密度実装やコストダウンに寄与することができるようになる。
【0024】
更に、前記抵抗体13は、図3(a)に示す如く、ミアンダ状パターンの途中に複数個のスタブ20を有している。
前記スタブ20は、ミアンダ状パターンの途中2箇所を短絡させるようにして所定位置に、所定個数だけ形成されており、後述する調整方法に基づいてスタブ20の一部を除去すること、具体的には、スタブ20の幅を部分的もしくは全体的に狭くしたり、或いは、スタブ20を選択的に切断したりすることにより、ミアンダ状抵抗体13の電気抵抗値、並びにインダクタンス値が所望する値に設定される。
【0025】
かかる電気抵抗値及びインダクタンス値の調整は、図4(a)に示す如く、一対の端面電極14,15間の電気抵抗値及びインダクタンス値を従来周知のブリッジ法等によって測定しつつ、これらの値が目標値に達するまでスタブ20をレーザー照射やサンドブラスト等により選択的に除去してスタブ20のパターン形状を加工するという極めて簡易な手法によって行うことができる。従って、複合電子部品の製造バラツキ等によって抵抗体13の当初の電気抵抗値やインダクタンス値が所定の規格から外れていたとしても、抵抗体13の形成後に、その電気抵抗値及びインダクタンス値を上述のトリミングによって変動させ、電気抵抗値及びインダクタンス値が規格に合致するよう調整することにより、不良品の発生を極力抑えて複合電子部品の生産性を向上させることができる。ここで、スタブ20の選択的除去は、そのパターン幅を部分的もしくは全体的に細く加工したり、スタブそのものを切断する等の手法によって行なわれる。
【0026】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良等が可能である。
【0027】
例えば、上述の実施形態においては、スタブ20の形成位置、形成個数を図3(a)のように設定したが、これに代えて、スタブ20の形成位置、形成個数を図3(b)に記載の如く設定するようにしても構わない。
【0028】
【発明の効果】
本発明の複合電子部品によれば、端面に一対の端面電極を有する積層セラミックコンデンサの主面に、両端部を一対の端面電極に電気的に接続させたミアンダ状の抵抗体を被着・形成した構造を有している。この場合、積層セラミックコンデンサの主面に形成されたミアンダ状の抵抗体パターンがインダクタンスパターンとしても機能することから、このミアンダ状パターンにより、抵抗成分に加えてインダクタンス成分をも形成することができ、抵抗成分、インダクタンス成分、容量(コンデンサ)成分の3つの成分を一つのチップ部品に備えた複合電子部品を構成することが可能となる。これにより、機器の高密度実装やコストダウンに寄与することができるようになる。
【0029】
また、本発明の複合電子部品の調整方法によれば、上述した複合電子部品における一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することにより、複合電子部品の電気抵抗値及びインダクタンス値を極めて容易に調整することができる。従って、複合電子部品の製造バラツキ等によって抵抗体の電気抵抗値やインダクタンス値が所定の規格から外れていたとしても、抵抗体の形成後に、スタブを選択的に除去することで電気抵抗値やインダクタンス値を変動させ、電気抵抗値やインダクタンス値が規格に合致するよう調整することにより、不良品の発生を極力抑えて複合電子部品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る複合電子部品の外観斜視図、(b)は本発明の複合電子部品の等価回路図である。
【図2】図1(a)のA−A´線断面図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係る複合電子部品におけるスタブの形成位置を示す説明図、(b)は本発明の他の実施形態に係る複合電子部品のスタブの形成位置を示す説明図である。
【図4】本発明の複合電子部品の電気抵抗及びインダクタンス値の調整方法を示す説明図であり、(a)は電気抵抗値及びインダクタンス値の測定説明図、(b)はスタブが一部削除された状態を示す説明図である。
【図5】(a)は従来の複合電子部品の一例を示す外観斜視図、(b)はその等価回路図である。
【図6】(a)は従来の複合電子部品の他の例を示す外観斜視図、(b)はその等価回路図である。
【符号の説明】
10・・・複合電子部品
11・・・積層セラミックコンデンサ
12・・・積層セラミックコンデンサ主面
13・・・抵抗体
14、15・・・端面電極
16・・・積層体
17・・・誘電体層
18・・・第1の内部電極
19・・・第2の内部電極
20・・・スタブ
R・・・抵抗
L・・・インダクタンス
C・・・コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量成分、抵抗成分、インダクタンス成分を一つのチップ部品に形成した複合電子部品とその特性調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の複合電子部品を図4及び図5に示す。
図4(a)は従来の複合電子部品の一例を示す外観斜視図、図4(b)はその等価回路図であり、同図に示す従来の複合電子部品100は、抵抗RとコンデンサCとを並列に接続した回路構成を有している。
【0003】
この複合電子部品100は、複数の誘電体層を積層してなる積層体の端面に一対の端面電極102、103を被着させた直方体状のチップ型コンデンサ101と、前記積層体の一主面に直線状に被着される帯状抵抗体104とを備えている。
【0004】
前記チップ型コンデンサ101は、一対の端面電極102、103にそれぞれ接続された第1、第2の内部電極と誘電体層とを厚み方向に交互に重ね合わせた構造を有し、また、帯状抵抗体104は、その両端が一対の端面電極102、103に接続され、これによって抵抗RとコンデンサCとを並列に接続した所定の電気回路が構成される。尚、前記帯状抵抗体104は、酸化ルテニウム(RuO2)などの電気抵抗材料を従来周知の厚膜手法等を採用しチップ型コンデンサ101の一主面上に直線状に被着させることにより形成される。
【0005】
また一方、図5(a)は従来の複合電子部品の他の例を示す外観斜視図、図5(b)はその等価回路図であり、同図に示す従来の複合電子部品200は、インダクタンスLとコンデンサCとを並列に接続した回路構成を有している。
【0006】
この複合電子部品200は、先に述べたチップ型コンデンサ101と同様の構成を有したチップ型コンデンサ201と、その一主面に被着されたミアンダ(蛇行)状のインダクタンスパターン204とを備えている。
【0007】
前記インダクタンスパターン204は、その両端がチップ型コンデンサ201の端面電極202,203に電気的に接続され、これによってインダクタンスLとコンデンサCとを並列に接続した所定の電気回路が構成される。尚、前記インダクタンスパターン204は、例えば銀ペーストなどの導体材料を従来周知の厚膜手法等を採用しチップ型コンデンサ201の一主面上に蛇行状に被着させることによって形成される。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−338838号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の複合電子部品によれば、図4の複合電子部品100は抵抗成分とコンデンサ成分のみを備えた複合電子部品、また図5の複合電子部品200はインダクタンス成分とコンデンサ成分のみを備えた複合電子部品であり、抵抗成分とインダクタンス成分とコンデンサ成分の3つの成分を一つのチップ部品に収容した複合電子部品はこれまで存在しなかった。それ故、抵抗、インダクタンス、コンデンサの3つの回路要素を備えた電気回路を構成する場合、複合電子部品100、200の両方を組み合わせて用いるか、或いは、チップ抵抗やチップインダクタンスを別途用意して複合電子部品100や200と組み合わせる必要があり、実装面積の大型化やコストアップを招く欠点を有していた。
【0010】
また、上述した従来の複合電子部品においては、チップ型コンデンサ101の一主面に形成された帯状抵抗体104やチップ型コンデンサ201の一主面に形成されたインダクタンスパターン204は、製造バラツキ等に起因して電気的特性を一定に揃えることが難しく、特性不良等の発生により生産性の低下を招いていた。
【0011】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、抵抗成分、インダクタンス成分、容量成分の3つの成分を一つのチップ部品に備え、しかも電気的特性を容易に調整することが可能な、簡素な構成の複合電子部品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合電子部品は、n個(nは3以上の自然数)の誘電体層を積層してなる積層体の内部で、各誘電体層間に第1の内部電極と第2の内部電極とを誘電体層の積層方向に交互に介在させるとともに、前記誘電体層の積層方向と平行な積層体の端面に一対の端面電極を被着させ、該端面電極の一方に第1の内部電極を、他方に第2の内部電極を電気的に接続させた積層セラミックコンデンサと、前記積層セラミックコンデンサの主面にミアンダ状パターンをなすように被着され、その両端部を前記一対の端面電極に電気的に接続させた抵抗体とを備えてなる複合電子部品であって、前記抵抗体は、ミアンダ状パターンの途中に複数個のスタブを有していることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の複合電子部品の特性調整方法は、上述した複合電子部品の一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを徐々に除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】
本発明の複合電子部品によれば、端面に一対の端面電極を有する積層セラミックコンデンサの主面に、両端部を一対の端面電極に電気的に接続させたミアンダ状の抵抗体を被着・形成した構造を有している。この場合、積層セラミックコンデンサの主面に形成されたミアンダ状の抵抗体パターンがインダクタンスパターンとしても機能することから、このミアンダ状パターンにより、抵抗成分に加えてインダクタンス成分をも形成することができ、抵抗成分、インダクタンス成分、容量(コンデンサ)成分の3つの成分を一つのチップ部品に備えた複合電子部品を構成することが可能となる。これにより、機器の高密度実装やコストダウンに寄与することができるようになる。
【0015】
また、本発明の複合電子部品の調整方法によれば、上述した複合電子部品における一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することにより、複合電子部品の電気抵抗値及びインダクタンス値を極めて容易に調整することができる。従って、複合電子部品の製造バラツキ等によって抵抗体の電気抵抗値やインダクタンス値が所定の規格から外れていたとしても、抵抗体の形成後に、スタブを選択的に除去することで電気抵抗値やインダクタンス値を変動させ、電気抵抗値やインダクタンス値が規格に合致するよう調整することにより、不良品の発生を極力抑えて複合電子部品の生産性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳説する。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る複合電子部品の外観斜視図、図1(b)はその等価回路図である。また、図2は図1(a)のA−A´線断面図である。
【0017】
同図に示す複合電子部品10は、積層セラミックコンデンサ11の主面12に抵抗体13を形成した構造を有している。
積層セラミックコンデンサ11は、n個(nは3以上の自然数)の誘電体層17を積層してなる矩形状の積層体16と、内部電極18、19と、一対の端面電極14,15とで構成されている。
【0018】
誘電体層17はチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の誘電体材料から成り、内部電極18,19はPd、Ag−Pd合金などの貴金属材料やNi、Cuなどの卑金属材料から成る。この内部電極は、第1の内部電極18と第2の内部電極19とで構成され、この2種類の内部電極が隣接する誘電体層間に交互に介在されている。
【0019】
また、一対の端面電極14,15は、誘電体層17の積層方向と平行な積層体16の一対の端面に被着・形成されており、一方の端面電極14に第1の内部電極18が、他方の端面電極15に第2の内部電極19が電気的に接続されている。
【0020】
そして、抵抗体13は、積層セラミックコンデンサ11の主面12に、ミアンダ状パターンをなすように被着・形成され、その両端部は一対の端面電極14,15にそれぞれ接続されている。この抵抗体13は、厚膜手法により形成する場合、例えばRuO2等の電気抵抗材料にAg、ガラス、樹脂等を添加・混合して得た所定の抵抗体ペーストを積層セラミックコンデンサ11の一主面12上に従来周知のスクリーン印刷等によって所定のミアンダ状パターンに印刷・塗布し、これを高温で焼成することによって形成される。
【0021】
また、抵抗体13を薄膜手法によって形成する場合、Ni−Cr、Ta、Ta−N、Ta−Si等から成る抵抗薄膜を積層セラミックコンデンサ11の一主面12上に従来周知のスパッタリング等により所定厚み、所定パターンに被着させることによって形成される。
【0022】
このような抵抗体13は、ミアンダ状パターンをなすように形成されているため、インダクタンスLとしても機能し、ミアンダライン間隔、ミアンダ本数等を適宜選択することによって所定のインダクタンス値を得ることができる。
【0023】
以上のように、端面に一対の端面電極14,15を有する積層セラミックコンデンサ11の主面に、両端部を一対の端面電極14,15に電気的に接続させたミアンダ状の抵抗体13を被着・形成して複合電子部品を構成するようにしたことから、ミアンダ状の抵抗体13をインダクタンスパターンとして機能させることができ、抵抗R、インダクタンスL、コンデンサCの3つの成分を一つのチップ部品に備えた簡素な構成の複合電子部品を形成することが可能となる。これにより、機器の高密度実装やコストダウンに寄与することができるようになる。
【0024】
更に、前記抵抗体13は、図3(a)に示す如く、ミアンダ状パターンの途中に複数個のスタブ20を有している。
前記スタブ20は、ミアンダ状パターンの途中2箇所を短絡させるようにして所定位置に、所定個数だけ形成されており、後述する調整方法に基づいてスタブ20の一部を除去すること、具体的には、スタブ20の幅を部分的もしくは全体的に狭くしたり、或いは、スタブ20を選択的に切断したりすることにより、ミアンダ状抵抗体13の電気抵抗値、並びにインダクタンス値が所望する値に設定される。
【0025】
かかる電気抵抗値及びインダクタンス値の調整は、図4(a)に示す如く、一対の端面電極14,15間の電気抵抗値及びインダクタンス値を従来周知のブリッジ法等によって測定しつつ、これらの値が目標値に達するまでスタブ20をレーザー照射やサンドブラスト等により選択的に除去してスタブ20のパターン形状を加工するという極めて簡易な手法によって行うことができる。従って、複合電子部品の製造バラツキ等によって抵抗体13の当初の電気抵抗値やインダクタンス値が所定の規格から外れていたとしても、抵抗体13の形成後に、その電気抵抗値及びインダクタンス値を上述のトリミングによって変動させ、電気抵抗値及びインダクタンス値が規格に合致するよう調整することにより、不良品の発生を極力抑えて複合電子部品の生産性を向上させることができる。ここで、スタブ20の選択的除去は、そのパターン幅を部分的もしくは全体的に細く加工したり、スタブそのものを切断する等の手法によって行なわれる。
【0026】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良等が可能である。
【0027】
例えば、上述の実施形態においては、スタブ20の形成位置、形成個数を図3(a)のように設定したが、これに代えて、スタブ20の形成位置、形成個数を図3(b)に記載の如く設定するようにしても構わない。
【0028】
【発明の効果】
本発明の複合電子部品によれば、端面に一対の端面電極を有する積層セラミックコンデンサの主面に、両端部を一対の端面電極に電気的に接続させたミアンダ状の抵抗体を被着・形成した構造を有している。この場合、積層セラミックコンデンサの主面に形成されたミアンダ状の抵抗体パターンがインダクタンスパターンとしても機能することから、このミアンダ状パターンにより、抵抗成分に加えてインダクタンス成分をも形成することができ、抵抗成分、インダクタンス成分、容量(コンデンサ)成分の3つの成分を一つのチップ部品に備えた複合電子部品を構成することが可能となる。これにより、機器の高密度実装やコストダウンに寄与することができるようになる。
【0029】
また、本発明の複合電子部品の調整方法によれば、上述した複合電子部品における一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することにより、複合電子部品の電気抵抗値及びインダクタンス値を極めて容易に調整することができる。従って、複合電子部品の製造バラツキ等によって抵抗体の電気抵抗値やインダクタンス値が所定の規格から外れていたとしても、抵抗体の形成後に、スタブを選択的に除去することで電気抵抗値やインダクタンス値を変動させ、電気抵抗値やインダクタンス値が規格に合致するよう調整することにより、不良品の発生を極力抑えて複合電子部品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る複合電子部品の外観斜視図、(b)は本発明の複合電子部品の等価回路図である。
【図2】図1(a)のA−A´線断面図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係る複合電子部品におけるスタブの形成位置を示す説明図、(b)は本発明の他の実施形態に係る複合電子部品のスタブの形成位置を示す説明図である。
【図4】本発明の複合電子部品の電気抵抗及びインダクタンス値の調整方法を示す説明図であり、(a)は電気抵抗値及びインダクタンス値の測定説明図、(b)はスタブが一部削除された状態を示す説明図である。
【図5】(a)は従来の複合電子部品の一例を示す外観斜視図、(b)はその等価回路図である。
【図6】(a)は従来の複合電子部品の他の例を示す外観斜視図、(b)はその等価回路図である。
【符号の説明】
10・・・複合電子部品
11・・・積層セラミックコンデンサ
12・・・積層セラミックコンデンサ主面
13・・・抵抗体
14、15・・・端面電極
16・・・積層体
17・・・誘電体層
18・・・第1の内部電極
19・・・第2の内部電極
20・・・スタブ
R・・・抵抗
L・・・インダクタンス
C・・・コンデンサ
Claims (2)
- n個(nは3以上の自然数)の誘電体層を積層してなる積層体の内部で、各誘電体層間に第1の内部電極と第2の内部電極とを誘電体層の積層方向に交互に介在させるとともに、前記誘電体層の積層方向と平行な積層体の端面に一対の端面電極を被着させ、該端面電極の一方に第1の内部電極を、他方に第2の内部電極を電気的に接続させた積層セラミックコンデンサと、
前記積層セラミックコンデンサの主面にミアンダ状パターンをなすように被着され、その両端部を前記一対の端面電極に電気的に接続させた抵抗体とを備えてなる複合電子部品であって、
前記抵抗体は、ミアンダ状パターンの途中に複数個のスタブを有していることを特徴とする複合電子部品。 - 請求項1に記載の複合電子部品であって、前記一対の端面電極間の電気抵抗値及びインダクタンス値を測定しつつ、これらの値が目標値に達するまで前記スタブを徐々に除去して電気抵抗値及びインダクタンス値を調整することを特徴とする複合電子部品の特性調整方法。
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-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002375748A patent/JP2004207540A/ja active Pending
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