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JP2004207365A - Magnetic circuit material and method of manufacturing the same - Google Patents

Magnetic circuit material and method of manufacturing the same Download PDF

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JP2004207365A
JP2004207365A JP2002372403A JP2002372403A JP2004207365A JP 2004207365 A JP2004207365 A JP 2004207365A JP 2002372403 A JP2002372403 A JP 2002372403A JP 2002372403 A JP2002372403 A JP 2002372403A JP 2004207365 A JP2004207365 A JP 2004207365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
magnetic circuit
graphite particles
based material
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002372403A
Other languages
Japanese (ja)
Inventor
Akikazu Matsumoto
晃和 松本
Wataru Yagi
渉 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2002372403A priority Critical patent/JP2004207365A/en
Publication of JP2004207365A publication Critical patent/JP2004207365A/en
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a magnetic circuit material which utilizes a bulk material and assures a large attracting force per unit area. <P>SOLUTION: The magnetic circuit member is made of an iron system material allowing inclusion of plumbago particle. This plumbago particle is formed in the shape of a long pole, and the magnetic flux is formed in the longitudinal direction of the plumbago particle. Moreover, the method of manufacturing the magnetic circuit material comprises the steps of preparing for the iron system material obtained by conducting the swaging process to the iron system material allowing the existence of the plumbago particle, and conducting the heat treatment of the iron system material. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気回路部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソレノイドの重要な特性である吸引力は、吸引部の断面積と使用磁場の材料中の磁束密度で決まってくる。断面積を大きくすることなく、使用磁場の磁束密度を上げ吸引力を上げることが重要となる。吸引力がより大きければ、ソレノイドを流体制御バルブとして使用した場合、油量などの制御がしやすくなるためである。ヨークがプランジャを吸引した場合、磁束の流れる方向と平行の吸引力とサイド側からの吸引力(サイドフォース)が発生し、その合成された力が製品の吸引力となる。可動子のプランジャがヨーク側に引き寄せられるとヨークとプランジャでサイドフォース(横力)が発生し、吸引力が弱められる問題が生じた。また、ソレノイド径を小さくするために、ヨークとプランジャの隙間(ギャップ)をより小さくした場合もサイドフォース(横力)が発生し、吸引力が弱められる。よって、ヨーク、プランジャは、サイドフォースを見込んだ形状にしなければならず、その外径が大きくなる問題点があった。
【0003】
自動車の油圧制御部品に使用する場合スペースが限られた箇所に搭載しなければならないため、油圧の制御範囲が少ない部品となってしまう。制御範囲が少ない場合、制御に制限を受けるため、エンジン、ミッションの制御に影響があり、自動車の燃費向上が難しくなる。そのためソレノイド等の磁気回路部材を使用した部品の小型化が要請されている。
【0004】
ソレノイドなどの磁気回路部材には、低炭素の鋼材、焼結材、鋳鉄などの鉄系のバルク材や鉄板、珪素鋼鈑などの板材を積層したものが使われている。例えば、従来技術1として、特許文献1には、一方向性電磁鋼板を積層したヨーク(磁気回路部材)を有するソレノイドが開示されている。また従来技術2として、特許文献2には、珪素鋼などの磁性金属(バルク材)を使用したヨーク(磁気回路部材)を有するソレノイドが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−65726号公報(段落番号[0009])
【0006】
【特許文献2】
特開平10−135035号公報(段落番号[0004])
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1は設計の自由度がなく、製品が大きくなってしまう問題点があった。また3次元形状を作ろうとすると、貼り合わせ部品が多くなり組み付け工数が増し、コスト高となる。
【0008】
一方、従来技術2は設計の自由度はあるが、その磁気特性には限界があり、単位面積当たりの吸引力が不十分であり、磁気回路部材を使用した部品の小型化に限界があるという問題点がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決したもので、バルク材を用いた、単位面積当たりの吸引力が大きな磁気回路部材を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1において講じた技術的手段(以下、第1の技術的手段と称する。)は、黒鉛粒子が存在している鉄系材料からなる磁気回路部材において、前記黒鉛粒子が長柱状であり、前記黒鉛粒子の長手方向が磁束が通る方向に並んでいることを特徴とする磁気回路部材である。
【0011】
上記第1の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0012】
すなわち、長柱状の黒鉛粒子の長手方向が磁束が通る方向に並んでいるので、磁束が通る方向の黒鉛粒子の断面積を小さくなり、吸引力に対し磁束が有効に働くため、単位断面積当たりの吸引力を大きくできる。
【0013】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技術的手段と称する。)は、前記鉄系材料が鋳鉄系材料であることを特徴とする請求項1記載の磁気回路部材である。
【0014】
上記第2の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0015】
すなわち、鋳鉄系材料は砂型や金型を用いて鋳造できるので、3次元形状の製品が比較的容易に製造でき、低コスト化できる。
【0016】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技術的手段と称する。)は、前記鋳鉄系材料のマトリックス組織がフェライトであることを特徴とする請求項2記載の磁気回路部材である。
【0017】
上記第3の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0018】
すなわち、マトリックス組織がフェライトであるので、軟磁性特性に優れる磁気回路部材ができる。
【0019】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技術的手段と称する。)は、黒鉛粒子が存在している鉄系材料をスエージ処理した鉄系部材を用意し、該鉄系部材を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法である。
【0020】
上記第4の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0021】
すなわち、スエージ処理により黒鉛粒子が長柱状になり、その長手方向が並んでいる組織となり、磁束が通る方向の黒鉛粒子の断面積を小さくなり吸引力に対し磁束が有効に働き、かつ熱処理により残留応力が除去でき軟磁性特性が向上できるので、大きな吸引力が得られる効果を奏する。
【0022】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技術的手段と称する。)は、前記熱処理工程の熱処理を磁場内で行うことを特徴とする請求項4記載の磁気回路部材の製造方法である。
【0023】
上記第5の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0024】
すなわち、磁場内で熱処理を行うと、磁場印可方向への黒鉛粒子が優先的に晶出するので、さらに黒鉛粒子が一方向に延ばされた形状になり、磁束が通る方向の黒鉛粒子の断面積をさらに小さくできるため、単位断面積当たりの吸引力を大きくできる。また磁場内で熱処理を行うと、鉄系材料の結晶粒の異方性化を促進され、マトリックス組織の結晶構造が磁化容易方向になると同時に軸区も並ぶので、単位断面積当たりの吸引力を大きくできる。
【0025】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項6において講じた技術的手段(以下、第6の技術的手段と称する。)は、前記鉄系材料が鋳鉄系材料であることを特徴とする請求項4、5記載のいずれかに磁気回路部材の製造方法である。
【0026】
上記第6の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0027】
すなわち、請求項2と同様、鋳鉄系材料は砂型や金型を用いて鋳造できるので、3次元形状の製品が比較的容易に製造でき、低コスト化できる。
【0028】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項7において講じた技術的手段(以下、第7の技術的手段と称する。)は、前記鋳鉄系材料の黒鉛粒子が球状黒鉛であることを特徴とする請求項6記載の磁気回路部材の製造方法である。
【0029】
上記第7の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0030】
すなわち、黒鉛粒子が球状黒鉛であるとスエージ処理により黒鉛粒子が一方向に引き延ばされやすいので、効果的に長柱状の並列した黒鉛粒子構造が得られ、吸引力を向上できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。図1はソレノイドを模式的に説明する断面図である。このソレノイドのプランジャを実施例の磁気回路部材としている。
【0032】
ソレノイドは、第1ヨーク1、第2ヨーク2、ヨーク固定部3、コイル部4、プランジャ5、シャフト6、第1ケース7、第2ケース8から構成されている。第1ヨーク1と第2ヨーク2は磁気回路部材で、互いに同軸的に配置されている。ヨーク固定部3は、その一部が第1ヨーク1と第2ヨーク2に挟持される位置に設けられ、第1ヨーク1と第2ヨーク2を固定している。そして、第1ヨーク1、第2ヨーク2とともにボビン10を形成している。ボビン10の外周にはコイルが巻かれたコイル部4が設けられている。ヨーク固定部3は非磁性の樹脂部材である。第1ヨーク1、第2ヨーク2およびヨーク固定部3で形成されるシリンダ9内に磁気回路部材のプランジャ5が摺動自在に嵌合されている。プランジャ5にはシャフト6が連結され、シャフト6は第1ヨーク1の内周部を通って第1ヨーク1から外部に突出している。
【0033】
図示しない制御部によってコイル部4に電流が流されると、第1ヨーク1と第2ヨーク2で形成される磁路の作用によってプランジャ5が図の上下方向に移動し、連結されたシャフト6が動かされる。このシャフト6の移動によって、シャフト6に連結されたものを機能させる。例えば、バルブの弁部にシャフト6を連結されることによってソレノイドバルブとなる。
【0034】
(実施例1)
高純度の銑鉄(C含有4.0wt%)を6Kg、S25Cを19Kg、加炭剤(C含有70wt%)を300g、フェロシリコン(Si含有70wt%)980gを高周波炉に入れ溶解を行い元湯とした。
【0035】
球状化処理用のルツボには、球状化処理剤(Mg:4.8wt%、Si:46wt%、Ca:2.4wt%、残部:Fe)を330g、フェロシリコン(Si含有70wt% 残 部:Fe)を70gを入れ、その上に鉄粉110gを用いカバーした。
【0036】
球状化ルツボ内に1600℃まで溶解した元湯を注ぎ、球状化反応をさせた。その後、自硬性の砂型(アルカリフェノールをバインダとして使用)に球状化処理後の溶解材料を注湯した。注湯温度は1450℃で、注湯時は、大阪特殊合金株式会社製のカルバロイ(Fe−Si系)を用い注湯流接種を行った。注湯後1時間してから砂型をばらし鋳鉄材を取り出した(鋳造工程)。製造された鋳鉄材のカーボン(C)含有量は2wt%、シリコン(Si)含有量は4wt%である。鋳鉄材中の黒鉛粒子は球状黒鉛である。鋳鉄材のマトリックス組織はフェライトであり、マトリックス組織にはFeSi結晶が含まれている。
【0037】
その鋳鉄材を切削で丸棒に加工し、丸棒の断面積が減面率で50%になるようにスエージ処理を行った(スエージ工程)。その後、丸棒からプランジャ5に加工した。プランジャ5は外径10mm、長さ18mmの円柱形状である。なお、減面率は丸棒の初期の断面積がスエージ処理により減少した割合で定義される。
【0038】
このプランジャ5を、その長さ方向に12Tの磁場を印加しながら750℃で1時間保持後、水中へ投入し急冷し、磁場熱処理した(熱処理工程)。
【0039】
こうして製造されたプランジャ5を使用して図1のソレノイドを製造した。使用した第1ヨーク1と第2ヨーク2は純鉄(C:0.02wt%含有)を使用し、その互いに対向する先端部の外径は13mm、内径は10mmである。第1ヨーク1と第2ヨーク2間の隙間は4mmである。ボビン10の外径は22mmである。コイル部4は、径φ0.25のコイルが300ターン巻かれている。
【0040】
評価は、シャフト6をロードセルに連結し、コイル部4に電流を0.7A流し、ロードセルにてシャフト6が吸引される力すなわちプランジャ5に働く吸引力を測定して行った。
【0041】
(実施例2〜4)
カーボンおよびシリコンの含有量が表1の値になるように実施例1と同様にして鋳鉄材を製造した。この鋳鉄材を実施例1と同様に丸棒に加工し、スエージ処理した。この丸棒から実施例1と同様にプランジャ5に加工した後、磁場熱処理した。このプランジャ5を使用して実施例1と同様にソレノイドを製造し、評価した。
【0042】
(実施例5)
カーボンおよびシリコンの含有量がそれぞれ3wt%になるように実施例1と同様にして鋳鉄材を製造した。この鋳鉄材を実施例1と同様に丸棒に加工し、スエージ処理した。この丸棒から実施例1と同様にプランジャ5に加工した。その後、このプランジャ5を、その長さ方向に1Tの磁場を印加しながら750℃で1時間保持後、水中へ投入し急冷し、磁場熱処理した(熱処理工程)。このプランジャ5を使用して実施例1と同様にソレノイドを製造し、評価した。
【0043】
(実施例6〜9)
カーボンおよびシリコンの含有量が表1の値になるように実施例1と同様にして鋳鉄材を製造した。実施例6〜9の鋳鉄材の成分は、それぞれ実施例1〜4と同じである。この鋳鉄材を実施例1と同様に丸棒に加工し、スエージ処理した。この丸棒から実施例1と同様にプランジャ5に加工した。その後、このプランジャ5を、磁場を印加せずに750℃で1時間保持後、水中へ投入し急冷し熱処理した(熱処理工程)。このプランジャ5を使用して実施例1と同様にソレノイドを製造し、評価した。
【0044】
(比較例1〜4)
カーボンおよびシリコンの含有量が表1の値になるように実施例1と同様にして鋳鉄材を製造した。比較例1〜4の鋳鉄材の成分は、それぞれ実施例1〜4と同じである。この鋳鉄材から実施例1と同様のプランジャ5に加工し、実施例1と同様にソレノイドを製造し、評価した。比較例1〜4ではスエージ処理も熱処理も行っていない。
【0045】
(比較例5、6)
カーボンおよびシリコンの含有量が表1の値になるように実施例1と同様にして鋳鉄材を製造した。比較例5、6の鋳鉄材の成分は、それぞれ実施例2、4と同じである。この鋳鉄材から実施例1と同様のプランジャ5に加工した。その後、このプランジャ5を、磁場を印加せずに750℃で1時間保持後、水中へ投入し急冷し熱処理した(熱処理工程)。このプランジャ5を使用して実施例1と同様にソレノイドを製造し、評価した。比較例5、6では熱処理しているがスエージ処理を行っていない。
【0046】
(評価結果)
表1に評価結果を、鋳鉄材成分、処理条件とともに示した。
【0047】
【表1】

Figure 2004207365
実施例1〜9は比較例1〜6に比べて吸引力が大きい。いずれも形状が同じであるので、本発明の磁気回路部材は単位面積当たりの吸引力が大きくなっている。すなわち本発明の磁気回路部材は磁気特性が優れている。
【0048】
実施例1〜9では、スエージ処理により鉄系材料中の黒鉛粒子がつぶされて延ばされ、ソレノイドで、黒鉛粒子の長手方向に磁束が通るように配置されているので、磁束が通る方向の黒鉛粒子の断面積を小さくなる。黒鉛粒子は磁束の流れの阻害物として働くので、黒鉛粒子の断面積を小さくなると、吸引力に対し磁束が有効に働くため、大きな吸引力が得られたものである。またスエージ処理により鉄系材料の結晶粒もつぶされて棒材の長さ方向に延ばされる。ソレノイドで、この結晶粒が延びた方向を磁束が通る方向としているので、渦電流損失が小さくなり、サイドフォース(横力)が減り、吸引力を大きくする方向に作用したと考えられる。なお、熱処理はスエージ処理により鉄系材料の結晶粒に生じた歪を除去する効果がある。
【0049】
実施例の中でも磁場熱処理した実施例1〜5の吸引力が大きい。その中でも大きな磁場を印加して磁場熱処理した実施例1〜4の吸引力が大きい。磁場熱処理により磁場印可方向への黒鉛粒子が優先的に晶出するので、スエージ処理だけに比べてさらに黒鉛粒子が一方向に延ばされた形状になり、磁束が通る方向の黒鉛粒子の断面積をさらに小さくできるため、単位断面積当たりの吸引力を大きくできる。また磁場熱処理により鉄系材料の結晶粒の異方性化を促進され、マトリックス組織の結晶構造が磁化容易方向になると同時に軸区も並ぶと考えられる。これも吸引力を大きくする方向に作用したと考えられる。
【0050】
図2は実施例1の組織写真で、図3は実施例6の組織写真である。この組織写真はスエージ加工方向に直交する切断面の光学顕微鏡写真である。黒い部分が黒鉛粒子である。図3でわかるようにスエージ加工方向に直交する方向に黒鉛粒子が延びた形状となっている。また図2でわかるようにスエージ加工方向に直交する方向および磁場印加方向に黒鉛粒子が延ばされた形状となっている。図2の黒鉛粒子の方が図3より延びた形状となっている。なお、スエージ加工方向とはスエージ処理によって断面積が減少する方向である。
【0051】
一方、比較例の中では熱処理を行った比較例5、6の吸引力が大きいが、実施例に比べてかなり小さな値である。図4は比較例1の組織写真で、図2や3と同様の光学顕微鏡写真である。黒鉛粒子は球状であり、長柱状の形状ではない。このため磁束が通る方向の黒鉛粒子の断面積が大きく、実施例より小さな吸引力しか得られなかった。
【0052】
なお、実施例では鋳鉄系材料で説明したが、黒鉛粒子が存在している鉄系材料であればよい。鉄系材料中のカーボンの含有量は2.0〜4.0wt%であることが好ましい。カーボンの含有量が2.0wt%より小さいと、凝固が早く起こるため鋳造温度を高くしなければならず鋳造しにくくなる恐れがある。カーボンの含有量が4.0wt%より大きいと、黒鉛粒子がつながり強度低下やクラック発生の恐れがある。さらに好ましくは、鉄系材料中のカーボンの含有量が2.0〜3.0wt%であるとよい。
【0053】
鉄系材料が鋳鉄系材料であれば、砂型や金型を用いて鋳造でき、3次元形状の製品が比較的容易にできる。鋳鉄系材料でもマトリックス組織がフェライトであると軟磁性特性に優れるので好ましい。すなわち、透磁率を高くし、保持力を下げることができる。鋳鉄系材料中の黒鉛粒子は、球状黒鉛でも片状黒鉛でもCV状黒鉛でもよいが、球状黒鉛であればスエージ処理により黒鉛粒子が一方向に引き延ばされやすいので好ましい。
【0054】
スエージ処理は減面率が30〜90%であることが好ましい。30%より小さいと黒鉛粒子や鉄系材料の結晶粒が引き延ばされる効果が小さいので、吸引力を十分大きくできない。90%より大きいと、材料にクラックが発生する恐れがある。より好ましくは減面率が40〜60%であるとよい。
【0055】
熱処理温度は650℃〜790℃が好ましく、さらに好ましくは700〜750℃がよい。熱処理温度が650℃より低いと残留応力除去が不十分となる恐れがある。熱処理温度が790℃より高いと伸びたマトリックス組織が粒成長し球状になり異方性を失う恐れがある。熱処理温度が790℃以下で行うと、伸びたマトリックス組織の形状を保ちつつ残留応力を除去できるため、さらに吸引力を上げることができる。
【0056】
磁場熱処理を行う場合、磁場の強さは0.5T以上が好ましい。さらに好ましくは5T以上、10T以上がよい。磁場の強さは大きいほど黒鉛粒子を延ばすことができるので好ましい。しかし強い磁場を印加するための装置が高価になるため、これによって製造された磁気回路部材が高価になるので、コスト上の限界がある。
【0057】
実施例では、鋳造材料を切削で丸棒に加工しているが、精密鋳造にて目的とする形状に近づけ、切削加工レスでスエージ処理を行うことができる。また実施例ではソレノイドを製造して評価しているが、モータ用コア、交番磁場を用いた鉄心(変圧器鉄心など)など、自動車、家電、産業機器などの磁気回路を構成する部材に広く使用可能である。実施例ではソレノイドのプランジャに本発明を適用しているが、ヨークにも適用できる。
【0058】
(付記)
本発明には以下の技術的思想も含まれている。
【0059】
・黒鉛粒子が存在している鉄系材料をスエージ処理するスエージ工程と、該スエージ工程処理後に前記鉄系材料を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法。
【0060】
・黒鉛鋳鉄を鋳造する鋳造工程と、該黒鉛鋳鉄をスエージ処理するスエージ工程と、該スエージ工程処理後に前記黒鉛鋳鉄を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法。
【0061】
・球状黒鉛鋳鉄を鋳造する鋳造工程と、該球状黒鉛鋳鉄をスエージ処理するスエージ工程と、該スエージ工程処理後に前記球状黒鉛鋳鉄を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法。
【0062】
・鉄系材料をスエージ処理した鉄系部材を用意し、該鉄系部材を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法。
【0063】
・鉄系材料をスエージ処理するスエージ工程と、該スエージ工程処理後に前記鉄系材料を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、黒鉛粒子が存在している鉄系材料からなる磁気回路部材において、前記黒鉛粒子が長柱状であり、前記黒鉛粒子の長手方向が磁束が通る方向に並んでいることを特徴とする磁気回路部材または黒鉛粒子が存在している鉄系材料をスエージ処理した鉄系部材を用意し、該鉄系部材を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法であるので、バルク材を用いた、単位面積当たりの吸引力が大きな磁気回路部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソレノイドを模式的に説明する断面図
【図2】実施例1の組織写真
【図3】実施例6の組織写真
【図4】比較例1の組織写真
【符号の説明】
1…第1ヨーク
2…第2ヨーク
5…プランジャ(磁気回路部材)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic circuit member and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Attraction force, which is an important characteristic of the solenoid, is determined by the cross-sectional area of the attraction part and the magnetic flux density in the material of the magnetic field used. It is important to increase the magnetic flux density of the used magnetic field and the attraction force without increasing the cross-sectional area. This is because, when the suction force is larger, when the solenoid is used as a fluid control valve, it becomes easier to control the oil amount and the like. When the yoke sucks the plunger, a suction force parallel to the direction in which the magnetic flux flows and a suction force from the side (side force) are generated, and the combined force becomes the suction force of the product. When the plunger of the mover is pulled toward the yoke, side force (lateral force) is generated between the yoke and the plunger, causing a problem that the suction force is weakened. Also, when the gap (gap) between the yoke and the plunger is made smaller in order to reduce the solenoid diameter, a side force (lateral force) is generated and the suction force is weakened. Therefore, the yoke and the plunger must be formed in a shape that allows for the side force, and there is a problem that the outer diameter becomes large.
[0003]
When used in a hydraulic control part of an automobile, it must be mounted in a place where space is limited, so that the control range of hydraulic pressure is small. When the control range is small, the control is limited, which affects the control of the engine and the transmission, and it is difficult to improve the fuel efficiency of the vehicle. Therefore, there is a demand for miniaturization of components using magnetic circuit members such as solenoids.
[0004]
As magnetic circuit members such as solenoids, low-carbon steel materials, sintered materials, iron-based bulk materials such as cast iron, and laminated materials of iron plates and silicon steel plates are used. For example, as Prior Art 1, Patent Document 1 discloses a solenoid having a yoke (magnetic circuit member) in which unidirectional magnetic steel sheets are stacked. As prior art 2, Patent Literature 2 discloses a solenoid having a yoke (magnetic circuit member) using a magnetic metal (bulk material) such as silicon steel.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2001-65726 A (paragraph number [0009])
[0006]
[Patent Document 2]
JP-A-10-135035 (paragraph number [0004])
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the prior art 1 has a problem in that there is no design freedom and the product becomes large. Also, when trying to form a three-dimensional shape, the number of bonded parts increases, the number of assembling steps increases, and the cost increases.
[0008]
On the other hand, although the prior art 2 has a degree of freedom in design, its magnetic properties are limited, its attractive force per unit area is insufficient, and there is a limit in downsizing components using magnetic circuit members. There is a problem.
[0009]
The present invention has solved the above-mentioned problem, and provides a magnetic circuit member using a bulk material and having a large attractive force per unit area.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above technical problem, the technical means (hereinafter referred to as first technical means) taken in claim 1 of the present invention is a magnetic means made of an iron-based material in which graphite particles are present. A circuit member, wherein the graphite particles have a long columnar shape, and a longitudinal direction of the graphite particles is arranged in a direction in which a magnetic flux passes.
[0011]
The effects of the first technical means are as follows.
[0012]
In other words, since the longitudinal direction of the long columnar graphite particles is aligned in the direction in which the magnetic flux passes, the cross-sectional area of the graphite particles in the direction in which the magnetic flux passes is reduced, and the magnetic flux works effectively against the attractive force. Suction force can be increased.
[0013]
In order to solve the above technical problem, the technical means (hereinafter referred to as second technical means) taken in claim 2 of the present invention is characterized in that the iron-based material is a cast iron-based material. The magnetic circuit member according to claim 1,
[0014]
The effects of the second technical means are as follows.
[0015]
That is, since the cast iron-based material can be cast using a sand mold or a metal mold, a three-dimensionally shaped product can be relatively easily manufactured and cost can be reduced.
[0016]
In order to solve the above technical problem, the technical means taken in claim 3 of the present invention (hereinafter referred to as third technical means) is that the matrix structure of the cast iron-based material is ferrite. A magnetic circuit member according to claim 2, wherein:
[0017]
The effects of the third technical means are as follows.
[0018]
That is, since the matrix structure is ferrite, a magnetic circuit member having excellent soft magnetic properties can be obtained.
[0019]
In order to solve the above technical problem, a technical measure taken in claim 4 of the present invention (hereinafter, referred to as a fourth technical measure) is to swage an iron-based material in which graphite particles are present. A method for manufacturing a magnetic circuit member, comprising: providing a heat-treated iron-based member and heat-treating the iron-based member.
[0020]
The effects of the fourth technical means are as follows.
[0021]
In other words, the graphite particles become elongated columns by swaging, and the structure becomes a structure in which the longitudinal directions are aligned, the cross-sectional area of the graphite particles in the direction in which the magnetic flux passes is reduced, the magnetic flux works effectively against the attractive force, and the residual heat treatment Since the stress can be removed and the soft magnetic properties can be improved, there is an effect that a large attractive force can be obtained.
[0022]
In order to solve the above technical problem, a technical measure taken in claim 5 of the present invention (hereinafter, referred to as a fifth technical measure) is that the heat treatment in the heat treatment step is performed in a magnetic field. A method for manufacturing a magnetic circuit member according to claim 4.
[0023]
The effects of the fifth technical means are as follows.
[0024]
In other words, when heat treatment is performed in a magnetic field, the graphite particles in the magnetic field application direction are preferentially crystallized, so that the graphite particles further extend in one direction, and the graphite particles break in the direction in which the magnetic flux passes. Since the area can be further reduced, the suction force per unit sectional area can be increased. When heat treatment is performed in a magnetic field, the anisotropy of the crystal grains of the iron-based material is promoted, and the crystal structure of the matrix structure becomes easy to magnetize and the axial domains are aligned. Can be larger.
[0025]
In order to solve the above technical problem, a technical measure taken in claim 6 of the present invention (hereinafter, referred to as a sixth technical measure) is characterized in that the iron-based material is a cast iron-based material. 4. The method of manufacturing a magnetic circuit member according to claim 4, wherein
[0026]
The effects of the sixth technical means are as follows.
[0027]
That is, as in the case of the second aspect, the cast iron-based material can be cast using a sand mold or a metal mold, so that a three-dimensional product can be relatively easily manufactured and cost can be reduced.
[0028]
In order to solve the above technical problem, the technical means taken in claim 7 of the present invention (hereinafter, referred to as seventh technical means) is that the graphite particles of the cast iron-based material are spherical graphite. 7. A method for manufacturing a magnetic circuit member according to claim 6, wherein:
[0029]
The effects of the seventh technical means are as follows.
[0030]
That is, when the graphite particles are spherical graphite, the graphite particles are easily stretched in one direction by swaging, so that a long columnar side-by-side graphite particle structure can be effectively obtained, and the suction force can be improved.
[0031]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a sectional view schematically illustrating a solenoid. The plunger of this solenoid is the magnetic circuit member of the embodiment.
[0032]
The solenoid includes a first yoke 1, a second yoke 2, a yoke fixing part 3, a coil part 4, a plunger 5, a shaft 6, a first case 7, and a second case 8. The first yoke 1 and the second yoke 2 are magnetic circuit members and are arranged coaxially with each other. The yoke fixing part 3 is provided at a position where a part thereof is sandwiched between the first yoke 1 and the second yoke 2, and fixes the first yoke 1 and the second yoke 2. The bobbin 10 is formed together with the first yoke 1 and the second yoke 2. A coil portion 4 around which a coil is wound is provided on the outer periphery of the bobbin 10. The yoke fixing part 3 is a non-magnetic resin member. A plunger 5 of a magnetic circuit member is slidably fitted in a cylinder 9 formed by the first yoke 1, the second yoke 2, and the yoke fixing portion 3. A shaft 6 is connected to the plunger 5, and the shaft 6 protrudes outside from the first yoke 1 through an inner peripheral portion of the first yoke 1.
[0033]
When a current flows through the coil unit 4 by a control unit (not shown), the plunger 5 moves in the vertical direction in the figure by the action of a magnetic path formed by the first yoke 1 and the second yoke 2, and the connected shaft 6 is moved. Be moved. The movement of the shaft 6 causes the one connected to the shaft 6 to function. For example, a solenoid valve is formed by connecting the shaft 6 to the valve portion of the valve.
[0034]
(Example 1)
6 kg of high-purity pig iron (4.0 wt% of C), 19 kg of S25C, 300 g of carburizing agent (70 wt% of C), and 980 g of ferrosilicon (70 wt% of Si) are put into a high frequency furnace and melted. And
[0035]
In the crucible for spheroidizing treatment, 330 g of a spheroidizing agent (Mg: 4.8 wt%, Si: 46 wt%, Ca: 2.4 wt%, balance: Fe) and ferrosilicon (Si-containing 70 wt% balance: 70 g of Fe) was added, and 110 g of iron powder was further covered thereon.
[0036]
Original water dissolved up to 1600 ° C. was poured into the spheroidized crucible to cause a spheroidizing reaction. Thereafter, the molten material after the spheroidizing treatment was poured into a self-hardening sand mold (using alkali phenol as a binder). The pouring temperature was 1450 ° C. At the time of pouring, pouring flow inoculation was performed using carballoy (Fe—Si system) manufactured by Osaka Special Alloy Co., Ltd. One hour after pouring, the sand mold was separated and the cast iron material was taken out (casting step). The manufactured cast iron material has a carbon (C) content of 2 wt% and a silicon (Si) content of 4 wt%. The graphite particles in the cast iron material are spherical graphite. The matrix structure of the cast iron material is ferrite, and the matrix structure contains Fe 3 Si crystals.
[0037]
The cast iron material was processed into a round bar by cutting, and swage processing was performed so that the cross-sectional area of the round bar became 50% in terms of the area reduction rate (swage process). Then, the plunger 5 was processed from a round bar. The plunger 5 has a cylindrical shape with an outer diameter of 10 mm and a length of 18 mm. The area reduction rate is defined as the rate at which the initial cross-sectional area of the round bar is reduced by swaging.
[0038]
The plunger 5 was kept at 750 ° C. for 1 hour while applying a magnetic field of 12 T in its length direction, then put into water, rapidly cooled, and subjected to magnetic field heat treatment (heat treatment step).
[0039]
Using the plunger 5 thus manufactured, the solenoid of FIG. 1 was manufactured. The first yoke 1 and the second yoke 2 used are made of pure iron (containing C: 0.02% by weight). The outer diameters of the opposed front ends are 13 mm and the inner diameter is 10 mm. The gap between the first yoke 1 and the second yoke 2 is 4 mm. The outer diameter of the bobbin 10 is 22 mm. The coil part 4 is wound with a coil having a diameter of 0.25 for 300 turns.
[0040]
The evaluation was performed by connecting the shaft 6 to a load cell, applying a current of 0.7 A to the coil section 4, and measuring the force of suction of the shaft 6 by the load cell, that is, the suction force acting on the plunger 5.
[0041]
(Examples 2 to 4)
A cast iron material was manufactured in the same manner as in Example 1 so that the contents of carbon and silicon became the values shown in Table 1. This cast iron material was processed into a round bar as in Example 1 and swaged. The round bar was processed into a plunger 5 in the same manner as in Example 1, and then subjected to magnetic field heat treatment. Using this plunger 5, a solenoid was manufactured and evaluated in the same manner as in Example 1.
[0042]
(Example 5)
A cast iron material was manufactured in the same manner as in Example 1 so that the contents of carbon and silicon were each 3 wt%. This cast iron material was processed into a round bar as in Example 1 and swaged. The plunger 5 was processed from this round bar in the same manner as in Example 1. After that, the plunger 5 was kept at 750 ° C. for 1 hour while applying a magnetic field of 1 T in the length direction thereof, then poured into water, rapidly cooled, and subjected to magnetic field heat treatment (heat treatment step). Using this plunger 5, a solenoid was manufactured and evaluated in the same manner as in Example 1.
[0043]
(Examples 6 to 9)
A cast iron material was manufactured in the same manner as in Example 1 so that the contents of carbon and silicon became the values shown in Table 1. The components of the cast iron materials of Examples 6 to 9 are the same as those of Examples 1 to 4, respectively. This cast iron material was processed into a round bar as in Example 1 and swaged. The plunger 5 was processed from this round bar in the same manner as in Example 1. Thereafter, the plunger 5 was kept at 750 ° C. for 1 hour without applying a magnetic field, then put into water, quenched, and heat-treated (heat treatment step). Using this plunger 5, a solenoid was manufactured and evaluated in the same manner as in Example 1.
[0044]
(Comparative Examples 1-4)
A cast iron material was manufactured in the same manner as in Example 1 so that the contents of carbon and silicon became the values shown in Table 1. The components of the cast iron materials of Comparative Examples 1 to 4 are the same as those of Examples 1 to 4, respectively. The cast iron material was processed into a plunger 5 similar to that in Example 1, and a solenoid was manufactured and evaluated in the same manner as in Example 1. In Comparative Examples 1 to 4, neither swaging treatment nor heat treatment was performed.
[0045]
(Comparative Examples 5 and 6)
A cast iron material was manufactured in the same manner as in Example 1 so that the contents of carbon and silicon became the values shown in Table 1. The components of the cast iron materials of Comparative Examples 5 and 6 are the same as those of Examples 2 and 4, respectively. A plunger 5 similar to that of Example 1 was formed from this cast iron material. Thereafter, the plunger 5 was kept at 750 ° C. for 1 hour without applying a magnetic field, then put into water, quenched, and heat-treated (heat treatment step). Using this plunger 5, a solenoid was manufactured and evaluated in the same manner as in Example 1. In Comparative Examples 5 and 6, heat treatment was performed, but no swaging treatment was performed.
[0046]
(Evaluation results)
Table 1 shows the evaluation results together with the components of the cast iron material and the processing conditions.
[0047]
[Table 1]
Figure 2004207365
Examples 1 to 9 have a larger suction force than Comparative Examples 1 to 6. Since all of them have the same shape, the magnetic circuit member of the present invention has a large attractive force per unit area. That is, the magnetic circuit member of the present invention has excellent magnetic properties.
[0048]
In Examples 1 to 9, the graphite particles in the iron-based material are crushed and extended by swaging, and the solenoid is arranged so that magnetic flux passes in the longitudinal direction of the graphite particles. The cross-sectional area of the graphite particles is reduced. Since the graphite particles act as an obstruction to the flow of the magnetic flux, when the cross-sectional area of the graphite particles is reduced, the magnetic flux works effectively with respect to the attractive force, so that a large attractive force is obtained. In addition, the crystal grains of the iron-based material are crushed by the swaging process and are extended in the length direction of the bar. It is considered that since the direction in which the crystal grains extend in the solenoid is the direction in which the magnetic flux passes, the eddy current loss is reduced, the side force (lateral force) is reduced, and the suction force is increased. Note that the heat treatment has an effect of removing strain generated in crystal grains of the iron-based material by swaging.
[0049]
Among the examples, the attraction force of Examples 1 to 5 in which the magnetic field heat treatment was performed is large. Above all, the attraction force of Examples 1 to 4 in which a large magnetic field was applied and magnetic field heat treatment was performed was large. Graphite particles in the magnetic field application direction are preferentially crystallized by the magnetic field heat treatment, so that the graphite particles are further extended in one direction compared to swage treatment alone, and the cross-sectional area of the graphite particles in the direction in which magnetic flux passes Can be further reduced, so that the suction force per unit sectional area can be increased. It is also considered that the magnetic field heat treatment promotes the anisotropy of the crystal grains of the iron-based material, and the crystal structure of the matrix structure becomes the direction of easy magnetization, and at the same time the axial domains are arranged. It is considered that this also worked in the direction to increase the suction force.
[0050]
FIG. 2 is a structure photograph of Example 1, and FIG. 3 is a structure photograph of Example 6. This structure photograph is an optical microscope photograph of a cut surface orthogonal to the swaging direction. The black parts are graphite particles. As can be seen from FIG. 3, the graphite particles extend in a direction perpendicular to the swaging direction. As can be seen from FIG. 2, the graphite particles have a shape in which the graphite particles are extended in a direction perpendicular to the swaging direction and in a magnetic field application direction. The graphite particles in FIG. 2 have a shape extending from FIG. The swaging direction is a direction in which the cross-sectional area is reduced by swaging.
[0051]
On the other hand, among the comparative examples, the suction force of the comparative examples 5 and 6 subjected to the heat treatment is large, but the value is considerably smaller than that of the example. FIG. 4 is a structure photograph of Comparative Example 1, which is an optical microscope photograph similar to FIGS. 2 and 3. The graphite particles are spherical, and do not have a long columnar shape. For this reason, the cross-sectional area of the graphite particles in the direction in which the magnetic flux passes was large, and only a smaller attraction force than in the example was obtained.
[0052]
Although the embodiment has been described using a cast iron-based material, any iron-based material in which graphite particles are present may be used. It is preferable that the content of carbon in the iron-based material is 2.0 to 4.0 wt%. If the carbon content is less than 2.0 wt%, solidification occurs quickly, so that the casting temperature must be increased, and casting may be difficult. If the carbon content is more than 4.0 wt%, graphite particles may be connected to cause a decrease in strength and cracks. More preferably, the content of carbon in the iron-based material is preferably 2.0 to 3.0 wt%.
[0053]
If the iron-based material is a cast iron-based material, it can be cast using a sand mold or a mold, and a three-dimensional product can be relatively easily formed. It is preferable that the matrix structure of the cast iron-based material is ferrite because the soft magnetic characteristics are excellent. That is, the magnetic permeability can be increased and the coercive force can be reduced. The graphite particles in the cast iron-based material may be spherical graphite, flaky graphite or CV-like graphite. However, spherical graphite is preferred because the graphite particles are easily stretched in one direction by swaging.
[0054]
The swaging treatment preferably has a surface reduction rate of 30 to 90%. If it is less than 30%, the effect of stretching the graphite particles or the crystal grains of the iron-based material is small, so that the suction force cannot be sufficiently increased. If it exceeds 90%, cracks may occur in the material. More preferably, the area reduction rate is 40 to 60%.
[0055]
The heat treatment temperature is preferably from 650 ° C to 790 ° C, more preferably from 700 to 750 ° C. If the heat treatment temperature is lower than 650 ° C., the residual stress may not be sufficiently removed. If the heat treatment temperature is higher than 790 ° C., the elongated matrix structure may grow into grains and become spherical, and lose anisotropy. When the heat treatment is performed at a temperature of 790 ° C. or lower, the residual stress can be removed while maintaining the shape of the elongated matrix structure, so that the suction force can be further increased.
[0056]
When performing a magnetic field heat treatment, the strength of the magnetic field is preferably 0.5 T or more. More preferably, 5T or more and 10T or more are good. It is preferable that the strength of the magnetic field is large, because the graphite particles can be extended. However, since a device for applying a strong magnetic field becomes expensive, a magnetic circuit member manufactured thereby becomes expensive, and there is a limit in cost.
[0057]
In the embodiment, the cast material is processed into a round bar by cutting. However, it is possible to perform swage processing without cutting work by making the shape close to a target shape by precision casting. In the embodiment, the solenoid is manufactured and evaluated. However, the solenoid is widely used for members constituting a magnetic circuit of an automobile, a home appliance, an industrial device, etc., such as a motor core, an iron core using an alternating magnetic field (such as a transformer iron core). It is possible. In the embodiment, the present invention is applied to the plunger of the solenoid, but can be applied to a yoke.
[0058]
(Note)
The present invention also includes the following technical concept.
[0059]
-A method of manufacturing a magnetic circuit member, comprising: a swage step of swaging an iron-based material in which graphite particles are present; and a heat treatment step of heat-treating the iron-based material after the swaging step.
[0060]
A method of manufacturing a magnetic circuit member, comprising: a casting step of casting graphite cast iron; a swaging step of swaging the graphite cast iron; and a heat treatment step of heat-treating the graphite cast iron after the swaging step processing. .
[0061]
A magnetic circuit member comprising: a casting step of casting spheroidal graphite cast iron; a swaging step of swaging the spheroidal graphite cast iron; and a heat treatment step of heat-treating the spheroidal graphite cast iron after the swaging step processing. Manufacturing method.
[0062]
A method of manufacturing a magnetic circuit member, comprising: preparing an iron-based member obtained by swaging an iron-based material; and providing a heat treatment step of heat-treating the iron-based member.
[0063]
-A method of manufacturing a magnetic circuit member, comprising: a swaging step of swaging an iron-based material; and a heat treatment step of heat-treating the iron-based material after the swaging step.
[0064]
【The invention's effect】
As described above, the present invention provides a magnetic circuit member made of an iron-based material in which graphite particles are present, wherein the graphite particles have a long columnar shape, and a longitudinal direction of the graphite particles is arranged in a direction in which a magnetic flux passes. Providing a magnetic circuit member or an iron-based member obtained by swaging an iron-based material in which graphite particles are present, and a heat treatment step of heat-treating the iron-based member is provided. Since the method is a method for manufacturing a circuit member, it is possible to provide a magnetic circuit member using a bulk material and having a large attractive force per unit area.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically illustrating a solenoid. FIG. 2 is a structural photograph of Example 1. FIG. 3 is a structural photograph of Example 6. FIG. 4 is a structural photograph of Comparative Example 1.
1. First yoke 2 Second yoke 5 Plunger (magnetic circuit member)

Claims (7)

黒鉛粒子が存在している鉄系材料からなる磁気回路部材において、前記黒鉛粒子が長柱状であり、前記黒鉛粒子の長手方向が磁束が通る方向に並んでいることを特徴とする磁気回路部材。A magnetic circuit member made of an iron-based material in which graphite particles are present, wherein the graphite particles have a long columnar shape, and a longitudinal direction of the graphite particles is arranged in a direction in which a magnetic flux passes. 前記鉄系材料が鋳鉄系材料であることを特徴とする請求項1記載の磁気回路部材。The magnetic circuit member according to claim 1, wherein the iron-based material is a cast iron-based material. 前記鋳鉄系材料のマトリックス組織がフェライトであることを特徴とする請求項2記載の磁気回路部材。The magnetic circuit member according to claim 2, wherein the matrix structure of the cast iron-based material is ferrite. 黒鉛粒子が存在している鉄系材料をスエージ処理した鉄系部材を用意し、該鉄系部材を熱処理する熱処理工程が設けられていることを特徴とする磁気回路部材の製造方法。A method of manufacturing a magnetic circuit member, comprising: preparing an iron-based member obtained by swaging an iron-based material in which graphite particles are present; and providing a heat treatment step of heat-treating the iron-based member. 前記熱処理工程の熱処理を磁場内で行うことを特徴とする請求項4記載の磁気回路部材の製造方法。The method according to claim 4, wherein the heat treatment in the heat treatment step is performed in a magnetic field. 前記鉄系材料が鋳鉄系材料であることを特徴とする請求項4、5記載のいずれかに磁気回路部材の製造方法。6. The method according to claim 4, wherein the iron-based material is a cast iron-based material. 前記鋳鉄系材料の黒鉛粒子が球状黒鉛であることを特徴とする請求項6記載の磁気回路部材の製造方法。The method for manufacturing a magnetic circuit member according to claim 6, wherein the graphite particles of the cast iron-based material are spherical graphite.
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