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JP4292810B2 - Soft magnetic material for magnetic circuit and method for producing the same - Google Patents

Soft magnetic material for magnetic circuit and method for producing the same Download PDF

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JP4292810B2
JP4292810B2 JP2003017324A JP2003017324A JP4292810B2 JP 4292810 B2 JP4292810 B2 JP 4292810B2 JP 2003017324 A JP2003017324 A JP 2003017324A JP 2003017324 A JP2003017324 A JP 2003017324A JP 4292810 B2 JP4292810 B2 JP 4292810B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気回路用軟磁性材料(以下、軟磁性材料ともいう)及びその製造方法に関する。本発明は例えば電子機器、電気機器に装備される磁気回路部材に適用することができる。具体的には、モータや電磁アクチュエータ等に装備される鉄心等の磁気回路部材に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気回路部材等に使用される軟磁性材料では、損失を低減させるため、比抵抗の高いものが要求されている。このため、透磁性を有する鉄板や珪素鋼板を厚み方向に積層した積層体、あるいは、透磁性を有する鉄粉を圧粉成形した圧粉体を焼き固めた粉末成形体が主に使われている。更に、損失を低減させるため、上記した積層体において電気抵抗が高い絶縁膜を板材間に介在させたり、あるいは、電気抵抗が高い絶縁膜を鉄粉粒子の表面に被覆させたりすることが行われている。
【0003】
しかし、鉄板や珪素鋼板を積層させた積層体で形成された軟磁性材料では、3次元的な形状、複雑な形状にするのが難しいという問題がある。また、鉄粉を圧粉成形する工程を経た軟磁性材料では、圧粉度を高めて強度を高めようとすると、軟磁性材料の比抵抗が小さくなって損失が増加し、逆に圧粉度を低めにして軟磁性材料の比抵抗を高くすると、軟磁性材料の強度が低下してしまう問題が生じる。 そこで近年、上記した問題を改善すべく、フェライト含有のマトリックス基地に球状黒鉛を分散させた球状黒鉛鋳鉄で形成された磁気回路形成部材が開発されている(特許文献1)。また、従来、各種鋳鉄の電気抵抗に関する論文が開示されている(非特許文献1)。この論文には、片状黒鉛鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄の電気抵抗が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−280210号公報
【非特許文献1】
鋳物 第54巻 第2号 29〜33頁(発行 鋳物協会)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1に係る技術によれば、磁気回路形成部材は、フェライトのマトリックス基地に多数の球状黒鉛を分散させた球状黒鉛鋳鉄の鋳物で形成されている。このため、安価なコストで複雑な形状の磁気回路形成部材を製造することができる。しかも球状黒鉛はマトリックス基地に比較して高い電気抵抗を有するため、磁気回路形成部材に発生した渦電流等の誘導電流を球状黒鉛が迂回させ得る性質を有しており、比抵抗を高くして損失を低減させるのに有利である利点を有する。
【0006】
本発明は上記した技術を更に進めたものであり、比抵抗を更に高くして損失を低減させるのに有利であり、特に周波数が高い領域で損失を低減させるのに有利な磁気回路用軟磁性材料及びその製造方法を提供することを課題とするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明者は上記した課題のもとに磁気回路用の軟磁性材料について鋭意開発を進めている。そして、軟磁性材料を構成するマトリックス基地の2次元的切断面を観察したときに片状をなすと共にマトリックス基地よりも高い電気抵抗をもつ微小障害物として片状黒鉛を不規則的に分散させれば、電流の流れを妨げる性質を高めやすいことに着目し、多数の微小障害物としての片状黒鉛をマトリックス基地に分散させれば、軟磁性材料の比抵抗を高くするのに有利であることを知見した。
【0008】
比抵抗を高くできる理由としては、2次元的切断面において片状をなす微小障害物としての片状黒鉛がマトリックス基地に不規則的に分散しているため、軟磁性材料において発生する渦電流等の誘導電流を迂回させ、その電流路をあたかも迷路状にするのに貢献できるためと推察される。本発明者は、かかる知見に基づいて本発明に係る磁気回路用軟磁性材料及びその製造方法を完成した。
【0009】
(2)即ち、本発明に係る磁気回路用軟磁性材料は、質量比で、炭素2%以上、シリコン2%以上含有する片状黒鉛鋳鉄で形成され、片状黒鉛鋳鉄は、マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、前記マトリックス基地(片状黒鉛を含まず)の面積全体を100%としたとき、面積比で、フェライトは50%以上であって、前記片状黒鉛の楕円長短軸比は平均で2以上であることを特徴とするものである。
【0010】
微小障害物群を構成する微小障害物(片状黒鉛に相当する)は、マトリックス基地よりも高い電気抵抗をもつ。マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、微小障害物は片状をなすと共にマトリックス基地に多数、不規則的に分散している。このため軟磁性材料の比抵抗を高めるのに有利となる。前述したように、2次元的切断面において片状をなす微小障害物(片状黒鉛に相当する)がマトリックス基地に分散しているため、軟磁性材料において発生する渦電流等の誘導電流を迂回させ、その電流路をあたかも迷路状にさせるのに貢献できるためと推察される。
【0011】
(3)本発明に係る磁気回路用軟磁性材料の製造方法は、上記した磁気回路用軟磁性材料の製造方法であって、鋳物を形成するキャビティをもつ鋳型を加熱する工程と、加熱した前記鋳型のキャビティに、質量比で、炭素2%以上、シリコン2%以上含有する片状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を注湯させて、600℃以上における降温速度を鋳物表面部において30℃/分以下とする条件で冷却させて鋳物を形成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明方法によれば、加熱した鋳型のキャビティに片状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を注湯させて冷却させるため、溶湯及び凝固後の鋳鉄の降温速度を遅らせることができ、片状黒鉛の成長を促進させることができる。これにより軟磁性材料において発生する渦電流等の誘導電流を迂回させ、その電流路をあたかも迷路状にさせるのに貢献できる。更に降温速度を遅らせると、マトリックス基地のフェライト面積率を増加させることができると共に、フェライト結晶粒径を大きくでき、軟磁性材料の透磁性を高めるのに有利となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
・微小障害物は、マトリックス基地よりも高い電気抵抗をもつものを意味する。マトリックス基地としては金属系を採用する。微小とは、長さが10mm以下のものをいう。微小障害物としては片状黒鉛を採用する。片状黒鉛としては、直線状のものでもよいが、電流の迂回性を高めるためには、湾曲等のように曲成しているものが好ましい。片状黒鉛の長さは一般的には1mm以下となる。黒鉛は、マトリックス基地よりも電気抵抗が高い。
【0014】
・マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、微小障害物は不規則に分散している形態を採用することができる。『不規則に分散している』とは、片状の微小障害物の配向性が低いことを意味する。従って微小障害物はマトリックス基地において四方八方に分散しており、軟磁性材料において発生する渦電流等の誘導電流の電流を迂回させ、その電流路を迷路状とさせるのに貢献できる。『マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき』とは、光学顕微鏡等で微小障害物の形態を把握し易いことを考慮したものである。
【0015】
・マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、マトリックス基地(微小障害物を含まず)の面積全体を100%としたとき、面積比で、フェライトは50%以上である。フェライトは固溶しているC成分量が少なく、純鉄と同等であるので、磁気特性が優れ、高い透磁率をもつため、磁気回路としての用途を考慮すると、一般的にはフェライトの割合は高い方が好ましい。例えば、マトリックス基地(微小障害物である片状黒鉛を含まず)の面積全体を100%としたとき、面積比でフェライトは50%以上、70%以上、80%以上、90%以上とすることができる。また、95%以上、100%あるいは実質的に100%とすることもできる。強度を向上させるために一部パーライトとすることもできる。フェライトはα鉄またはこれに他の元素を含む固溶体である。
【0016】
・微小障害物に関する好ましい物性値について更に説明を加える。マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、1個の微小障害物(片状黒鉛に相当)に関する周囲長は、平均で80μm以上である形態を採用することができる。微小障害物に関する周囲長が大きいことは、一般的には、微小障害物のアスペクト比(長さ/幅)が大きいことに相当し、軟磁性材料の比抵抗を高めるのに有利となる。また、マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、微小障害物(片状黒鉛に相当)に関する楕円長短軸比は、平均で2以上である。微小障害物に関する楕円長短軸比とは、片状の微小障害物を楕円と模擬化したとき、(楕円の長軸長さ/楕円の短軸長さ)を意味する。微小障害物に関する楕円長短軸比が大きいことは、微小障害物のアスペクト比(長さ/幅)が大きいことに相当し、軟磁性材料の比抵抗を高めるのに有利となる。
【0017】
・マトリックス基地は鉄系、特にフェライト系であり、微小障害物は片状黒鉛である。従って本発明に係る軟磁性材料は、片状黒鉛鋳鉄で形成される。鉄系のマトリックス基地の比抵抗に対し、黒鉛の比抵抗はかなり大きく、電流の流れに対して障害物とみなすことができる。文献等によれば、一般的には、黒鉛を固めて電極のようにした場合、その比抵抗は1000〜1500μΩ・cmと言われ、鉄系マトリックス基地の比抵抗は100μΩ・cm以下と言われている。マトリックス基地に不規則的に分散した片状黒鉛は、マトリックス基地よりも高い電気抵抗をもつため、マトリックス基地における電流のストレートな流れを妨げるように働くことができ、電流を迂回させて電流路を迷路化させるのに有効であり、この結果、軟磁性材料の比抵抗を高くできるものと推察される。
【0018】
・マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、1個の片状黒鉛に関する周囲長は平均で80μm以上である形態を採用することができる。片状黒鉛に関する周囲長が大きいことは、同じ黒鉛断面積であれば、一般的には片状黒鉛のアスペクト比(長さ/幅)が大きいことに相当し、軟磁性材料の比抵抗を高めるのに有利となる。また、マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、黒鉛に関する楕円長短軸比は平均で2以上である。片状黒鉛に関する楕円長短軸比が大きいことは、片状黒鉛のアスペクト比(長さ/幅)が大きいことに相当し、軟磁性材料の比抵抗を高めるのに有利となる。なお、障害物が球状黒鉛のような球状であれば、一般的には片状黒鉛に関する楕円長短軸比は2未満となり易い。
【0019】
・磁気回路用軟磁性材料を100%としたとき、質量比で、炭素2%以上、シリコン2%以上含有する鋳鉄で形成されている。この場合、炭素含有量が多い方が片状黒鉛の成長に有利であるため、当該鋳鉄は、質量比で、炭素2.5%以上、3%以上とすることが好ましく、従って3.2%以上、3.5%以上とすることができる。しかし炭素が過多であると、強度が低下するため、炭素含有量としては質量比で5.0%以下とすることができる。また、シリコン含有量が多い方が片状黒鉛の成長に有利であるため、当該鋳鉄は、質量比で、シリコン2.5%以上、3%以上とすることが好ましく、従って3.2%以上、3.5%以上とすることができる。シリコンはフェライトの割合を増加させるのにも貢献するため、3.5%以上、4.0%以上、4.5%以上、5.0%以上とすることもできる。なお、シリコンを増やして行けば、軟磁性材料の透磁率を高くできると共に、比抵抗を増加させる傾向が得られるが、シリコンが過剰になると、硬度が高くなり、後加工する場合には後加工が難しくなり、更に湯流れ性が低下し、鋳造性が低下する傾向が認められる。この意味等でシリコン含有量としては12%以下,15%以下とすることができる。
【0020】
・本発明に係る磁気回路用軟磁性材料が鋳鉄で形成されている場合には、炭素の重量%とシリコンの重量%との合計をα値とすると、磁気回路用軟磁性材料の用途によっても異なるが、α値としては4.0%以上、5.0%以上、殊に6.0%以上とすることができ、更に7.0%以上、8.0%以上、9.0%以上とすることもできる。但し、強度を考慮すると、α値としては、磁気回路用軟磁性材料の用途によっても異なるが、17.0%以下、15.0%以下または12.0%以下とすることができる。
【0021】
・軟磁性材料の強度を確保するため、粗大で幅が大きい形態よりも、片状ながらも幅が小さいスマートな片状黒鉛とすることができる。また軟磁性材料の強度及び透磁率を確保しつつ比抵抗を高めるためには、片状黒鉛としては、長さが長いものの幅が小さいスマートな形態を分散させることができる。従って、片状黒鉛鋳鉄では、微小障害物としての片状黒鉛としては、長さが長いものの幅が小さいものを分散させることができる。この場合、炭素含有量よりもシリコン含有量が大きく設定することができる。従って質量比で、(シリコン含有量/炭素含有量)としては、1.0以上、1.05以上、1.08以上、1.1以上とすることができる。なお、(シリコン含有量/炭素含有量)としては4.0以下とすることができる。
【0022】
・本発明に係る軟磁性材料が鋳鉄で形成されている場合には、鋳鉄組成としては亜共晶組成、過共晶組成、共晶組成のいずれでも良い。片状黒鉛を成長させて比抵抗を高めることを考慮すると、過共晶組成とすることができる。この場合、鋳放し状態でチルが生じているときには、鋳造後に熱処理してフェライト化を促進させても良い。熱処理温度としてはA変態点以上とすることができ、例えば750から1100℃の範囲内、殊に900〜1050℃とすることができる。但し、チルが生じていたとしても、熱処理せずに用いても良い。
【0023】
・本発明に係る製造方法によれば、鋳型を加熱する工程と、加熱した鋳型のキャビティに片状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を注湯させて降温速度を遅くしつつ溶湯を冷却させる工程とを実施する。降温速度は片状黒鉛の成長に影響を与える。このため、片状黒鉛の晶出形態に影響を与える温度(600℃以上)における降温速度としては、鋳物表面部において、30℃/分以下とする。20℃/分以下、殊に10℃/分以下であることが好ましい。鋳型を加熱する加熱要素としては、鋳型の内部に埋設させた電気ヒータ等の発熱体、ガスバーナを例示できる。代表的な鋳型としては砂型が挙げられる。砂型は砂粒子をもつ鋳型であり、生砂型、自硬性型、シェル型等を含む。鋳型を加熱する工程は、溶湯を注湯させた前に行う。これにより凝固速度、凝固後の冷却速度を一層遅くでき、片状黒鉛の成長、フェライト面積率の増加に有利となる。鋳型を加熱する工程は、溶湯を注湯している間においても、溶湯を注湯後においても行うこともできる。鋳型の外面を断熱材で覆うことも、片状黒鉛の成長、フェライト面積率の増加に有効である。
【0024】
・本発明係る軟磁性材料は、励磁巻線に直流パルスを給電する用途に用いても良いし、あるいは、励磁巻線に交流電流を給電する用途に用いても良い。例えば、電磁アクチュエータに代表される電気機器、電子機器に使用される磁気回路形成材料に用いることができる、電磁アクチュエータとしてはモータや電磁バルブ等を採用できる。モータ用としては、ロータコア、ステータコア等に使用が可能である。モータとしては、車両の場合には、ABSシステム用モータ、パワーステアリング用モータ、ワイパーモータ、ウインドレギュレータ用モータ、ドアロック用モータ、サンルーフ用モータ等の各種モータで使用が可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を具体化させた実施例について説明する。重量で、高純度の銑鉄(炭素含有量4.0wt%)を6kg,炭素鋼(JIS G4051 S25C)を19kg、加炭剤(C含有70wt%)を680g,フェロシリコン(Si含有70wt%)1150gを秤量し、高周波誘導炉に入れて溶解を行い、溶湯を作製した。その溶湯を鋳型つまり自硬性の砂型のキャビティに注湯し、凝固させて鋳物を形成した。注湯温度は1450℃とした。注湯時は、大阪特殊合金製のカルバロイ(Fe−Si系)を用い、接種を行った。注湯後1時間経過した後に、砂型を崩壊させ、鋳物を取り出した。
【0026】
尚、注湯時の湯温低下を抑えるために、図1にその概念図を示すように、加熱要素としての棒状の電気式の発熱体10を砂型20の内部に埋設させた。そして注湯に先立ち、発熱体10により砂型20のキャビティ22付近を予熱した。更に、砂型20の外面を断熱材(シリカ系)で覆い、砂型20の断熱性を高め、冷却速度が速くならないように調整した。発熱体10は棒状に限定されるものではなく、面状でも、パネル状でも良い。
【0027】
図2は鋳造後の鋳物の降温状態の一例を示す。この場合、鋳物の表面相当部位に熱電対を装備して温度を測定した。図2に示すように、降温速度はゆっくりである。降温速度は片状黒鉛の成長に影響を与える。このため、片状黒鉛の晶出形態に影響を与える温度(1000℃以上)における降温速度としては、鋳物表面部において、30℃/分以下、20℃/分以下、殊に10℃/分以下であることが好ましい。本実施例では上記した降温速度を10℃/分以下としている。片状黒鉛の晶出形態に影響を与える温度(600℃以上)における降温速度が速いと、黒鉛の成長は妨げられ易くなり、比抵抗を高めにくくなる。本実施例によれば、発熱体10により砂型20のキャビティ22付近を予熱しているため、降温速度をゆっくりとさせ、片状黒鉛を成長させるのに有利である。
【0028】
比較例1として球状黒鉛鋳鉄の鋳物を形成した。この場合、球状化処理剤(東洋電化製TDCR−5 Mg;4.8wt%、Si:46wt%、Ca:2.4wt%、残部:Fe、平均粒径:20mm)を330g、フェロシリコン(Si含有70wt%、残部:Fe)を70g、球状化処理用のルツボに挿入し、その上面に、鉄粉(鉄粉110g)を被覆させてカバーした。そして球状化ルツボ内に、1600℃まで溶解した前記した元湯を注ぎ、球状化反応をさせた。その後、球状化処理後の溶湯を自硬性の砂型20に注湯した。この場合にも、鋳造に先立ち、発熱体10で砂型20を予熱した。
【0029】
実施例及び比較例に係る鋳物から試験片を採取した。試験片は、円柱の鋳物(直径60mm,長さ200mm)の外周面から深さ10mmの場所で採取した。
【0030】
図3は、比抵抗が良好であった実施例4に係る試験片の組織を撮影した光学顕微鏡写真(100倍)を示す。この場合、マトリックス基地はフェライト系であり、マトリックス基地の2次元的切断面で観察した場合、マトリックス基地(微小障害物を含まず)の面積全体を100%としたとき、フェライト面積率は90%以上であった。図3に示すように、迷路をマトリックス基地において形成するように成長した多数の片状黒鉛が不規則的に分散しており、隣接する片状黒鉛同士が接近またはつながっている形態が認められた。また、片状黒鉛が試験片の長さ方向にも径方向にも成長していた。図3によれば、長さが長いものの幅が小さいスマートな片状黒鉛が多数分散していることがわかる。このようにスマートな片状黒鉛が多数分散していれば、軟磁性材料の強度及び透磁率を確保しつつ、軟磁性材料の比抵抗を高めるのに有利である。スマートな片状黒鉛を多数生成させるためには、炭素含有量を比較的抑えつつ、シリコン含有量を大きくすることが有効である。殊に、炭素含有量よりもシリコン含有量を大きくすることが有効である。
【0031】
片状黒鉛の分散度を別の観点からみると、倍率100倍を示す顕微鏡写真(図3)において、長さ720μmの直線を規定したとき、微小障害物としての片状黒鉛と当該直線とが交差する交差部の数は12個以上、殊に14個以上とされている。交差部の数が多いことは、多数のスマートな片状黒鉛がマトリックス基地に不規則的に分散しており、軟磁性材料の比抵抗を高くできることに対応する。
【0032】
他の実施例の試験片についても、図3に示す組織と同様の組織が得られた。即ち、迷路を形成するように成長した多数のスマートな片状黒鉛がフェライト系マトリックス基地に不規則的に多数分散しており、隣接する片状黒鉛同士が接近またはつながっている形態が認められた。他の実施例の試験片についても、フェライト面積率は90%以上であり、前記した交差部の数は基本的には同様であった。
【0033】
表1は、各試験片について、炭素含有量、シリコン含有量、黒鉛に関する周囲長、黒鉛に関する楕円長短軸比、比抵抗を示す。比抵抗は4端子法(JIS C2525)に基づいて常温において測定した。黒鉛に関する周囲長、黒鉛に関する楕円長短軸比は、次のようにして測定した。即ち、試験片の光学顕微鏡組織を撮影した写真(倍率100倍)をスキャナで取り込み、取り込んだ画像の濃淡を白黒に2値化し、黒色の部分であるオブジェクトのみを検出して行った。オブジェクトは片状黒鉛に相当する。この画像解析においては、黒鉛の最大粒径が5μm以下のものは除外して行った。
【0034】
ここで、黒鉛に関する周囲長は、図4に示すように、画像におけるオブジェクトの外周の長さを意味し、オブジェクトの外周の始端から終端までの長さを意味し、オブジェクトの長さ方向に沿った往路長さ及び復路長さを含む。黒鉛に関する楕円長短軸比は、画像におけるオブジェクトのアスペクト比に相当するものであり、当該オブジェクトを模擬化した模擬楕円の長軸に沿った長軸長さと、その短軸に沿った短軸長さとに基づいて、(長軸長さ/短軸長さ)として算出した。当該模擬楕円とは、オブジェクトに対して同じ面積で、且つ、1次モーメント及び2次モーメントがオブジェクトと等しくなるように規定した楕円を意味する。なお、上記した黒鉛に関する周囲長、黒鉛に関する楕円長短軸比は、株式会社プラネトロン社のImage-Pro PLUSのソフトウェア処理で行った。
【0035】
表1に示すように、多くの実施例では、炭素含有量よりもシリコン含有量が大きく設定された鋳鉄で形成されている。なお実施例3,実施例7によれば、シリコン含有量は炭素含有量よりも少ないものの、シリコンは2.5%と比較的多めに含有されている。
【0036】
表1に示すように、黒鉛に関する周囲長は、比較例1では80μm未満であったが、実施例では80μm以上、殊に100μm以上であった。殊に、実施例1,実施例2、実施例4では、黒鉛に関する周囲長は200μm以上と長かった。黒鉛に関する楕円長短軸比は、比較例1では2以下であったが、各実施例では2以上であり、殊に4以上であった。
【0037】
更に表1に示すように、球状黒鉛鋳鉄で形成されている比較例1よりも、片状黒鉛鋳鉄で形成されている実施例1〜実施例9は、高い比抵抗を示した。片状黒鉛鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄よりも、電流を迂回させる割合が高いためと推察される。殊に、実施例1,実施例2,実施例4は高い比抵抗を示した。実施例1,実施例2,実施例4は、黒鉛に関する周囲長がかなり長いものである。
【0038】
【表1】

Figure 0004292810
【0039】
【表2】
Figure 0004292810
【0040】
各実施例及び比較例1に係る試験片についての磁気特性の結果を表2に示す。磁気特性は、岩崎通信機(株)B・HアナライザーSY・8232を用い、正弦波状の交流電流を給電して測定した。この場合、H(磁界)が2000A/m時における磁気特性を測定した。
【0041】
表2に示すように、損失(鉄損)については、片状黒鉛鋳鉄製の各実施例は、交流電流の周波数が1000Hzの場合でも、2000Hzの場合でも、3000Hzの場合でも、球状黒鉛鋳鉄製の比較例1よりも損失(鉄損)を小さくすることができた。
【0042】
また磁束密度については、周波数が1000Hzの場合には、各実施例よりも比較例1の方が磁束密度は高かった。周波数が2000Hzの場合には、各実施例の磁束密度は比較例1の磁束密度に近づいた。更に3000Hzのように周波数が高い場合には、各実施例の磁束密度は比較例1の磁束密度に匹敵するか、あるいはそれ以上であった。このように本実施例は周波数が高くなるほど磁束密度を相対的に高くできる。
【0043】
上記したよう各実施例によれば、比抵抗が高くなっているため、交番磁界が作用するとき鉄損を低減させることができ、モータコア等の磁気回路形成部材に適用した場合における発熱を抑えることができる。
【0044】
鉄損は基本的にはヒステリシス損失Wh+渦電流損失We+残留損失Wrで表され、周波数の影響を大きく受ける。鉄系材料では残留損失Wrは一般的には小さい。このためモータコア等の鉄系の磁気回路形成部材で重要となるのは、ヒステリシス損失Wh及び渦電流損失Weである。単位時間あたりのヒステリシス損失Whは基本的には(1)式で表される。板材のとき、単位時間あたりの電流損失Weは基本的には(2)式で表される。
Wh=Kh・f・Bm……(1)
We=(Ke・f・t・Bm)/ρ……(2)
ここで、Kh、Keはそれぞれ定数を示す。fは周波数を示し、直流パルスの場合にはパルス立ち上がりとパルス立ち下がりとで1Hzとみなし得る。Bmは磁束密度を示す。tは板材の厚みを示す。ρは材料の比抵抗を示す。
【0045】
上記した(1)式、(2)式によれば、周波数fが高ければ、ヒステリシス損失Wh及び渦電流損失Weが増加するため、鉄損が増加する。よって鉄損を抑えるためには、高周波数領域に対処することが重要である。本実施例に係る軟磁性材料によれば、表2に示すように、高周波数領域において使用しても損失を抑えることができる。
【0046】
本実施例のように軟磁性材料を鋳鉄で形成した場合には、鋳鉄の優れた鋳造性を生かし、製品近似形状を形成することができ、切削工程を低減または廃止させることができる。このため3次元的な形状のコア等の磁気回路形成部材を容易に製造することができるため、モータ等の機器の小型化及び薄型化が比較的安価に製造可能となる。
【0047】
またシリコン含有量は軟磁性材料の透磁性を高めるには有利である。しかし珪素鋼板を積層させて軟磁性材料を形成する場合には、シリコン含有量が多いと硬度が高くなるため、珪素鋼板のプレス打ち抜き性が低下する傾向があり、シリコンの増量には制約がある。しかし鋳鉄で軟磁性材料を形成する場合には、鋼板のプレス打ち抜き性の低下を考慮せずとも良いため、鋳鉄の優れた鋳造性を生かして製品近似形状を容易に且つ安価に形成することができる。このため軟磁性材料のシリコン含有量を高め、透磁性を高めるのに有利である。従って本実施例のようにシリコンを質量比で2.5%以上、3.0%以上、4.0%以上とすることが容易にでき、同様に(シリコン含有量/炭素含有量)の比率を高めることも良いのである。
【0048】
珪素鋼板を積層させて軟磁性材料は、使用条件が厳しいときには、各珪素鋼板の反り変形、剥離等のおそれがあり、強度や磁気特性の安定化の面では必ずしも充分ではない。本実施例の軟磁性材料は溶製材つまり鋳物に基づいているため、軟磁性材料の一体性が高くなり、機械的強度を確保するのに有利である。従って高温環境や温度変化がある環境においても、強度、磁気特性を安定化させることができる。このため使用条件が厳しい環境、例えば自動車等の車両で使用するのに適する。従って、強度が要求される磁気回路形成部材(例えばモータコア材)に適する。
【0049】
(他の実施例)
本発明に係る第2の実施例は、基本的には前記した実施例と同様に製造するものである。更に、鋳造後の片状黒鉛鋳鉄で形成された鋳物を熱処理炉で焼鈍熱処理し、マトリックス基地におけるフェライト化を更に促進させる。これによりフェライト面積率を一層高めることができ、透磁性を高めることができる。熱処理としては、750〜1100℃の範囲内において所定時間加熱保持することにより行い得る。熱処理の雰囲気としては大気雰囲気、真空雰囲気、還元性雰囲気等を採用できる。熱処理温度が高いと、また熱処理時間が長いと、フェラィトの結晶粒径を大きくでき、透磁率、磁束密度の向上に一層貢献できる。熱処理時間としては、要請されるフェライト面積率、鋳物のサイズによっても相違するが、一般的には10分〜100時間の範囲内で設定できる。
【0050】
本発明に係る参考例によれば、軟磁性材料は、透磁性及び導電性を有する鉄系のマトリックス基地(フェライト系)と、マトリックス基地に分散されたセラミックス繊維からなるセラミックス繊維群とを備えている。セラミックス繊維は、マトリックス基地よりも高い電気抵抗をもつ微小障害物として機能し、アルミナ繊維、シリカ繊維等を例示できる。この場合においても、マトリックス基地において迷路を形成するように成長した多数の繊維が不規則に分散している。当該繊維の比抵抗は鉄系のマトリックス基地の比抵抗に比較してかなり大きく、電流の流れに対して障害物とみなすことができる。このため軟磁性材料の比抵抗を高くし、鉄損を低減させるのに有利である。
【0051】
(適用例)
図5はモータに適用した一例を示す。図5に示すように、モータは、ハウジングに固定されたステータコア40と、ステータコア40内で回転可能なロータ52とをもつ。ロータ52は、シャフト53と、シャフト53に保持されロータコア54とをもつ。ロータコア54は、周方向に沿って一体的に並設された径外方向に突出する複数の突起部55とをもつ。各突起部55には励磁巻線(図略)が巻回されている。突起部55の励磁巻線にU相、V相、W相となる直流のパルス電流が給電されると、ロータ52がこれの軸心回りで回転する。ロータコア54は片状黒鉛鋳鉄で形成されており、透磁性及び導電性を有する鉄系のマトリックス基地(フェライト系)と、マトリックス基地に分散された片状黒鉛からなる片状黒鉛群とを備えている。この片状黒鉛鋳鉄は、前記した実施例1〜実施例9のいずれかに基づいて形成されている。
【0052】
その他、本発明は上記した実施例及び適用例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)各請求項において、微小障害物は湾曲または曲成していることを特徴とする磁気回路用軟磁性材料及びその製造方法。比抵抗を高めるのに有利となる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る磁気回路用軟磁性材料によれば、比抵抗を高くするのに有利であり、損失を低減させるのに有利である。殊に、本発明に係る磁気回路用軟磁性材料は、周波数が高くなるほど有効となる。
【0054】
本発明方法によれば、加熱した鋳型のキャビティに片状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を注湯させて冷却させるため、鋳鉄の凝固速度、冷却速度をゆっくりとすることができ、片状黒鉛の成長を促進させることができる。これにより軟磁性材料において発生する渦電流等の誘導電流を迂回させ、電流路をあたかも迷路状にさせるのに貢献でき、損失を低減させるのに有利である。更にマトリックス基地のフェライト化を促進させることができ、軟磁性材料の透磁性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発熱体を装備した砂型を示す概念図である。
【図2】砂型で鋳造したときにおける冷却曲線の一例を示すグラフである。
【図3】実施例4に係る片状黒鉛鋳鉄の顕微鏡写真(倍率100倍)である。
【図4】黒鉛に関する周囲長の概念を示す図である。
【図5】モータに適用した一例を示す概念図である。
【符号の説明】
図中、40はステータコア、52はロータ、54はロータコアを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a magnetic circuit. Soft The present invention relates to a magnetic material (hereinafter also referred to as a soft magnetic material) and a manufacturing method thereof. The present invention can be applied to, for example, a magnetic circuit member installed in an electronic device or an electric device. Specifically, it can be applied to a magnetic circuit member such as an iron core equipped in a motor, an electromagnetic actuator or the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, soft magnetic materials used for magnetic circuit members and the like are required to have high specific resistance in order to reduce loss. For this reason, a laminate in which magnetically permeable iron plates and silicon steel plates are laminated in the thickness direction, or a powder molded body in which a green compact obtained by compacting iron permeable magnetic powder is used is mainly used. . Further, in order to reduce the loss, an insulating film having a high electric resistance is interposed between the plate members in the above-described laminate, or an insulating film having a high electric resistance is coated on the surface of the iron powder particles. ing.
[0003]
However, a soft magnetic material formed of a laminated body in which iron plates and silicon steel plates are laminated has a problem that it is difficult to form a three-dimensional shape or a complicated shape. Also, in soft magnetic materials that have undergone the process of compacting iron powder, increasing the compactness to increase the strength decreases the specific resistance of the soft magnetic material and increases the loss. If the specific resistance of the soft magnetic material is increased by lowering the value, there arises a problem that the strength of the soft magnetic material is lowered. Therefore, in recent years, a magnetic circuit forming member formed of spheroidal graphite cast iron in which spheroidal graphite is dispersed in a ferrite-containing matrix base has been developed (Patent Document 1). Conventionally, papers relating to the electric resistance of various cast irons have been disclosed (Non-patent Document 1). This paper describes the electrical resistance of flake graphite cast iron and spheroidal graphite cast iron.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2002-280210 A
[Non-Patent Document 1]
Castings Vol. 54, No. 2, pp. 29-33 (Issued Castings Association)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
According to the technique according to Patent Document 1 described above, the magnetic circuit forming member is formed of a spheroidal graphite cast iron casting in which a number of spheroidal graphites are dispersed in a ferrite matrix base. For this reason, the magnetic circuit formation member of a complicated shape can be manufactured at low cost. Moreover, since spherical graphite has a higher electrical resistance than matrix matrix, it has the property that spherical graphite can bypass induced currents such as eddy currents generated in the magnetic circuit forming member, and the specific resistance is increased. It has the advantage of being advantageous in reducing losses.
[0006]
The present invention is a further advancement of the above-described technique, which is advantageous for further reducing the loss by further increasing the specific resistance, and particularly advantageous for reducing the loss in a high frequency region. Soft It is an object of the present invention to provide a magnetic material and a manufacturing method thereof.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
(1) The present inventor has been intensively developing soft magnetic materials for magnetic circuits based on the above-described problems. And, when the two-dimensional cut surface of the matrix base that constitutes the soft magnetic material is observed, it is in the shape of a piece and has a higher obstacle than the matrix base. As flake graphite Focusing on the fact that it is easy to improve the property that obstructs the flow of current if it is distributed irregularly, many micro obstacles Flake graphite as It has been found that dispersion of the material in the matrix matrix is advantageous for increasing the specific resistance of the soft magnetic material.
[0008]
The reason why the specific resistance can be increased is that a small obstacle in the form of a piece on a two-dimensional cut surface Flake graphite as Is irregularly distributed in the matrix base, it is presumed that the induced current such as eddy current generated in the soft magnetic material can be bypassed and the current path can be contributed to a maze. Based on this knowledge, the inventor has developed a magnetic circuit according to the present invention. Soft A magnetic material and a manufacturing method thereof were completed.
[0009]
(2) That is, the magnetic circuit according to the present invention Soft Magnetic materials It is formed of flake graphite cast iron containing 2% or more of carbon and 2% or more of silicon by mass ratio. When flake graphite cast iron is observed on the two-dimensional cut surface of the matrix matrix, When the total area of the flake graphite is 100%, the ferrite is 50% or more in terms of area ratio, and the elliptical major axis direction ratio of the flake graphite is 2 or more on average. Is.
[0010]
Micro obstacles that make up a group of micro obstacles (Corresponds to flake graphite) Has a higher electrical resistance than the matrix base. When the two-dimensional cut surface of the matrix base is observed, the micro obstacles are in the form of a piece and a large number of the obstacles are irregularly dispersed in the matrix base. This is advantageous in increasing the specific resistance of the soft magnetic material. As mentioned above, a micro-obstacle that takes the form of a piece on a two-dimensional cut surface (Corresponds to flake graphite) Is distributed in the matrix base, it is assumed that it is possible to bypass the induced current such as eddy current generated in the soft magnetic material and to make the current path as if it is a labyrinth.
[0011]
(3) Magnetic circuit according to the present invention Soft The manufacturing method of the magnetic material is as described above. A method for producing a soft magnetic material for a magnetic circuit, comprising a step of heating a mold having a cavity for forming a casting, and a mass of the heated mold cavity containing 2% or more of carbon and 2% or more of silicon. A cast metal is formed by pouring molten metal having a flake graphite cast iron composition and cooling at a temperature drop rate of 600 ° C. or higher at a casting surface portion of 30 ° C./min or less. Is.
[0012]
According to the method of the present invention, since the molten metal having the flake graphite cast iron composition is poured into the heated mold cavity and cooled, the temperature drop rate of the molten metal and the cast iron after solidification can be delayed, and the flake graphite grows. Can be promoted. As a result, an induced current such as an eddy current generated in the soft magnetic material can be bypassed, and the current path can be contributed to a maze. Furthermore, if the temperature drop rate is delayed, the ferrite area ratio of the matrix base can be increased, and the ferrite crystal grain size can be increased, which is advantageous for enhancing the magnetic permeability of the soft magnetic material.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
-A micro-obstacle means one with a higher electrical resistance than a matrix base. Metal base is used as the matrix base Do . “Fine” means one having a length of 10 mm or less. Adopted flake graphite as a minute obstacle Do . The flake graphite may be linear, but in order to improve the current bypass, it is preferably bent like a curve. The length of flake graphite is generally 1mm or less. The Graphite The electric resistance is higher than that of the matrix base.
[0014]
-When the two-dimensional cut surface of the matrix base is observed, it is possible to adopt a form in which minute obstacles are irregularly dispersed. “Irregularly dispersed” means that the orientation of the flaky micro-obstacle is low. Therefore, the minute obstacles are dispersed in all directions in the matrix base, and it is possible to bypass the current of the induced current such as eddy current generated in the soft magnetic material and contribute to making the current path into a maze shape. “When observing a two-dimensional cut surface of a matrix base” is taken into consideration that it is easy to grasp the form of a minute obstacle with an optical microscope or the like.
[0015]
・ When the two-dimensional cut surface of the matrix base is observed, the area of the matrix base (excluding micro obstacles) is 100%, and the ferrite ratio is 50% or more. The Since ferrite has a small amount of C component dissolved and is equivalent to pure iron, it has excellent magnetic properties and high magnetic permeability. Therefore, considering the application as a magnetic circuit, the ratio of ferrite is generally Higher is preferred. For example, matrix bases (small obstacles Flake graphite In the area ratio, ferrite can be 50% or more, 70% or more, 80% or more, or 90% or more. Further, it can be 95% or more, 100%, or substantially 100%. In order to improve the strength, it can be partially pearlite. Ferrite is a solid solution containing alpha iron or other elements.
[0016]
・ Additional explanation of preferable physical property values for micro obstacles. When observing the two-dimensional cut surface of the matrix base, one minute obstacle (Equivalent to flake graphite) For the perimeter, a form having an average of 80 μm or more can be adopted. A large perimeter for a micro obstacle generally corresponds to a large aspect ratio (length / width) of the micro obstacle, which is advantageous for increasing the specific resistance of the soft magnetic material. In addition, when observing the two-dimensional cut surface of the matrix base, (Equivalent to flake graphite) The ellipse major axis is about 2 on average is there. The ellipse major axis / minor axis ratio for a minute obstacle means (the major axis length of the ellipse / the minor axis length of the ellipse) when a piece-like minute obstacle is simulated as an ellipse. A large ellipse long / short axis ratio for a micro obstacle corresponds to a large aspect ratio (length / width) of the micro obstacle, which is advantageous for increasing the specific resistance of the soft magnetic material.
[0017]
・ The matrix base is iron-based, especially ferrite-based, and the minute obstacle is flake graphite. The Obedience The soft magnetic material according to the present invention is formed of flake graphite cast iron Be done . The specific resistance of graphite is considerably larger than the specific resistance of the iron matrix matrix, and can be regarded as an obstacle to the flow of current. According to the literature, generally, when graphite is hardened and used as an electrode, the specific resistance is said to be 1000-1500 μΩ · cm, and the specific resistance of the iron-based matrix base is said to be 100 μΩ · cm or less. ing. The flake graphite irregularly dispersed in the matrix base has a higher electrical resistance than the matrix base and can therefore act to prevent the straight flow of current in the matrix base, bypassing the current and bypassing the current path. This is effective for forming a labyrinth, and as a result, it is presumed that the specific resistance of the soft magnetic material can be increased.
[0018]
・ When observing the two-dimensional cut surface of the matrix base, Strip A form in which the perimeter of graphite is 80 μm or more on average can be adopted. Strip A large perimeter for graphite is generally equivalent to a large aspect ratio (length / width) of flake graphite for the same graphite cross-sectional area, which increases the specific resistance of soft magnetic materials. It will be advantageous. In addition, when the two-dimensional cut surface of the matrix base is observed, the ellipse major axis ratio of graphite is 2 or more on average. The Strip A large elliptical minor axis ratio for graphite corresponds to a large aspect ratio (length / width) of flake graphite, which is advantageous for increasing the specific resistance of the soft magnetic material. In general, if the obstacle is spherical, such as spherical graphite, Strip The ellipse major axis minor axis ratio for graphite tends to be less than 2.
[0019]
-When the soft magnetic material for magnetic circuit is 100%, it is made of cast iron containing 2% or more of carbon and 2% or more of silicon by mass ratio. The In this case, since a higher carbon content is advantageous for the growth of flake graphite, the cast iron is preferably 2.5% or more and 3% or more in terms of mass ratio, and therefore 3.2%. As mentioned above, it can be 3.5% or more. However, if the carbon content is excessive, the strength decreases, so the carbon content can be 5.0% or less by mass ratio. In addition, since a higher silicon content is advantageous for the growth of flake graphite, the cast iron is preferably 2.5% or more and 3% or more of silicon by mass ratio, and therefore 3.2% or more. 3.5% or more. Since silicon also contributes to increasing the proportion of ferrite, it can be made 3.5% or more, 4.0% or more, 4.5% or more, or 5.0% or more. Increasing the silicon can increase the magnetic permeability of the soft magnetic material and increase the specific resistance. However, when silicon is excessive, the hardness increases, and post-processing is required when post-processing is performed. However, it is recognized that there is a tendency that the hot water flowability is lowered and the castability is lowered. In this sense, the silicon content can be 12% or less and 15% or less.
[0020]
.Magnetic circuit according to the present invention Soft When the magnetic material is formed of cast iron, if the sum of the weight percent of carbon and the weight percent of silicon is defined as α value, the α value is 4. It may be 0% or more, 5.0% or more, particularly 6.0% or more, and may be 7.0% or more, 8.0% or more, or 9.0% or more. However, considering the strength, the α value may be 17.0% or less, 15.0% or less, or 12.0% or less, although it varies depending on the use of the soft magnetic material for the magnetic circuit.
[0021]
・ In order to ensure the strength of soft magnetic material, it is smarter than a coarse and wide form but with a small width. Flake graphite It can be. In order to increase the specific resistance while ensuring the strength and permeability of the soft magnetic material, Flake graphite As an example, it is possible to disperse a smart form having a long length but a small width. Therefore In flake graphite cast iron As the flake graphite as a minute obstacle, one having a long length but a small width can be dispersed. In this case, the silicon content can be set larger than the carbon content. Therefore, in terms of mass ratio, (silicon content / carbon content) can be 1.0 or more, 1.05 or more, 1.08 or more, or 1.1 or more. The (silicon content / carbon content) can be 4.0 or less.
[0022]
When the soft magnetic material according to the present invention is formed of cast iron, the cast iron composition may be any of a hypoeutectic composition, a hypereutectic composition, and a eutectic composition. In consideration of increasing the specific resistance by growing flake graphite, a hypereutectic composition can be obtained. In this case, when chill is generated in an as-cast state, heat treatment may be performed after casting to promote ferritization. The heat treatment temperature is A 1 It can be above the transformation point, for example in the range 750 to 1100 ° C., in particular 900 to 1050 ° C. However, even if chill is generated, it may be used without heat treatment.
[0023]
-According to the manufacturing method of the present invention, the process of heating the mold and the process of pouring a molten metal of flake graphite cast iron composition into the cavity of the heated mold and cooling the molten metal while slowing the cooling rate. To do. The temperature drop rate affects the growth of flake graphite. For this reason, as a temperature-decreasing rate at a temperature (600 ° C. or higher) that affects the crystallization form of flake graphite, it is 30 ° C./min or less at the casting surface portion. And It is preferably 20 ° C./min or less, particularly preferably 10 ° C./min or less. Examples of the heating element for heating the mold include a heating element such as an electric heater embedded in the mold and a gas burner. A typical mold is a sand mold. The sand mold is a mold having sand particles, and includes a fresh sand mold, a self-hardening mold, a shell mold, and the like. The step of heating the mold is performed before pouring the molten metal. As a result, the solidification rate and the cooling rate after solidification can be further reduced, which is advantageous for growth of flake graphite and an increase in the ferrite area ratio. The step of heating the mold can be performed while pouring the molten metal or after pouring the molten metal. Covering the outer surface of the mold with a heat insulating material is also effective for growing flake graphite and increasing the ferrite area ratio.
[0024]
・ The present invention In Such a soft magnetic material may be used for supplying a DC pulse to the excitation winding, or may be used for supplying an AC current to the excitation winding. For example, a motor, an electromagnetic valve, etc. are employable as an electromagnetic actuator which can be used for the magnetic circuit formation material used for the electrical equipment represented by the electromagnetic actuator, and an electronic device. For motors, it can be used for rotor cores, stator cores, and the like. As a motor, in the case of a vehicle, it can be used with various motors such as an ABS system motor, a power steering motor, a wiper motor, a window regulator motor, a door lock motor, and a sunroof motor. It is not limited.
[0025]
【Example】
Examples in which the present invention is embodied will be described below. By weight, high purity pig iron (carbon content 4.0 wt%) 6 kg, carbon steel (JIS G4051 S25C) 19 kg, carburizing agent (C content 70 wt%) 680 g, ferrosilicon (Si content 70 wt%) 1150 g Were weighed and put into a high-frequency induction furnace for melting to prepare a molten metal. The molten metal was poured into a mold, that is, a self-hardening sand mold cavity, and solidified to form a casting. The pouring temperature was 1450 ° C. At the time of pouring, inoculation was performed using carballoy (Fe-Si series) made by Osaka Special Alloy. One hour after pouring, the sand mold was collapsed and the casting was taken out.
[0026]
In order to suppress a decrease in hot water temperature during pouring, a rod-shaped electric heating element 10 as a heating element was embedded in the sand mold 20 as shown in a conceptual diagram in FIG. Prior to pouring, the vicinity of the cavity 22 of the sand mold 20 was preheated by the heating element 10. Furthermore, the outer surface of the sand mold 20 was covered with a heat insulating material (silica-based) to improve the heat insulating property of the sand mold 20 so that the cooling rate was not increased. The heating element 10 is not limited to a rod shape, and may be a planar shape or a panel shape.
[0027]
FIG. 2 shows an example of the temperature drop state of the casting after casting. In this case, a thermocouple was installed in a portion corresponding to the surface of the casting, and the temperature was measured. As shown in FIG. 2, the rate of temperature decrease is slow. The temperature drop rate affects the growth of flake graphite. For this reason, the temperature lowering rate at a temperature (1000 ° C. or more) affecting the crystallization form of flake graphite is 30 ° C./min or less, 20 ° C./min or less, particularly 10 ° C./min or less at the casting surface portion. It is preferable that In this embodiment, the above-described temperature drop rate is set to 10 ° C./min or less. When the rate of temperature decrease at a temperature (600 ° C. or higher) that affects the crystallization form of flake graphite is high, the growth of graphite tends to be hindered and the specific resistance is difficult to increase. According to the present embodiment, the heating element 10 preheats the vicinity of the cavity 22 of the sand mold 20, which is advantageous for slowing the temperature decrease rate and growing flake graphite.
[0028]
As Comparative Example 1, a spheroidal graphite cast iron casting was formed. In this case, 330 g of spheroidizing agent (TDCR-5 Mg manufactured by Toyo Denka Co., Ltd .: 4.8 wt%, Si: 46 wt%, Ca: 2.4 wt%, balance: Fe, average particle size: 20 mm), ferrosilicon (Si The content was 70 wt%, the balance: Fe) was 70 g, inserted into a crucible for spheroidization treatment, and the upper surface was covered with iron powder (iron powder 110 g). And the above-mentioned original hot water melt | dissolved to 1600 degreeC was poured in the spheroidization crucible, and the spheronization reaction was carried out. Thereafter, the molten metal after the spheroidizing treatment was poured into a self-hardening sand mold 20. Also in this case, the sand mold 20 was preheated with the heating element 10 prior to casting.
[0029]
Test pieces were collected from castings according to Examples and Comparative Examples. The test piece was collected at a depth of 10 mm from the outer peripheral surface of a cylindrical casting (diameter 60 mm, length 200 mm).
[0030]
FIG. 3 shows an optical micrograph (100 times) obtained by photographing the structure of the test piece according to Example 4 having a good specific resistance. In this case, the matrix base is a ferrite base, and the ferrite area ratio is 90% when the entire area of the matrix base (excluding micro obstacles) is 100% when observed on the two-dimensional cut surface of the matrix base. That was all. As shown in FIG. 3, a large number of flake graphite grown so as to form a labyrinth at a matrix base was irregularly dispersed, and a form in which adjacent flake graphites were approached or connected was observed. . In addition, flake graphite grew both in the length direction and in the radial direction of the test piece. According to FIG. 3, it can be seen that a large number of smart flake graphite having a long width but a small width are dispersed. Thus, if a large number of smart flake graphites are dispersed, it is advantageous to increase the specific resistance of the soft magnetic material while ensuring the strength and permeability of the soft magnetic material. In order to produce a large number of smart flake graphite, it is effective to increase the silicon content while relatively suppressing the carbon content. In particular, it is effective to make the silicon content larger than the carbon content.
[0031]
When the degree of dispersion of flake graphite is seen from another viewpoint, when a straight line having a length of 720 μm is defined in a micrograph (FIG. 3) showing a magnification of 100 times, flake graphite as a minute obstacle and the straight line are The number of intersecting portions is 12 or more, particularly 14 or more. The large number of intersections corresponds to the fact that a large number of smart flake graphites are irregularly dispersed in the matrix matrix and the specific resistance of the soft magnetic material can be increased.
[0032]
For the test pieces of other examples, the same structure as that shown in FIG. 3 was obtained. That is, a large number of smart flake graphites grown to form a labyrinth were irregularly dispersed in the ferrite matrix matrix, and a form in which adjacent flake graphites were close to each other or connected was observed. . Also for the test pieces of the other examples, the ferrite area ratio was 90% or more, and the number of the intersecting portions was basically the same.
[0033]
Table 1 shows the carbon content, silicon content, perimeter length related to graphite, ellipse long / short axis ratio related to graphite, and specific resistance for each test piece. The specific resistance was measured at room temperature based on the 4-terminal method (JIS C2525). The perimeter for graphite and the ellipse major axis ratio for graphite were measured as follows. That is, a photograph (100 times magnification) of the optical microscopic structure of the test piece was captured with a scanner, the shade of the captured image was binarized into black and white, and only the object that was a black portion was detected. The object corresponds to flake graphite. In this image analysis, graphite having a maximum particle size of 5 μm or less was excluded.
[0034]
Here, as shown in FIG. 4, the perimeter related to graphite means the length of the outer periphery of the object in the image, means the length from the start end to the end of the outer periphery of the object, and extends along the length direction of the object. Including the length of the forward path and the length of the return path. The ellipse long / short axis ratio for graphite corresponds to the aspect ratio of the object in the image, and the major axis length along the major axis of the simulated ellipse simulating the object, and the minor axis length along the minor axis. Was calculated as (major axis length / minor axis length). The simulated ellipse means an ellipse that has the same area with respect to the object and is defined so that the first moment and the second moment are equal to the object. In addition, the perimeter length related to graphite and the ellipse long / short axis ratio related to graphite were performed by software processing of Image-Pro PLUS manufactured by Planetron Co., Ltd.
[0035]
As shown in Table 1, in many examples, it is formed of cast iron in which the silicon content is set larger than the carbon content. In addition, according to Example 3 and Example 7, although silicon content is less than carbon content, silicon is contained comparatively much with 2.5%.
[0036]
As shown in Table 1, the perimeter of graphite was less than 80 μm in Comparative Example 1, but was 80 μm or more, particularly 100 μm or more in Examples. In particular, in Examples 1, 2, and 4, the perimeter of graphite was as long as 200 μm or more. The elliptical / minor axis ratio for graphite was 2 or less in Comparative Example 1, but was 2 or more in each Example, particularly 4 or more.
[0037]
Furthermore, as shown in Table 1, Examples 1 to 9 formed of flake graphite cast iron showed higher specific resistance than Comparative Example 1 formed of spheroidal graphite cast iron. It is presumed that flake graphite cast iron has a higher rate of diverting current than spheroidal graphite cast iron. In particular, Examples 1, 2 and 4 showed high specific resistance. In Examples 1, 2 and 4, the perimeter of graphite is considerably long.
[0038]
[Table 1]
Figure 0004292810
[0039]
[Table 2]
Figure 0004292810
[0040]
Table 2 shows the results of the magnetic characteristics of the test pieces according to the respective examples and comparative example 1. The magnetic characteristics were measured by supplying a sinusoidal alternating current using a BH analyzer SY-8232 by Iwasaki Tsushinki Co., Ltd. In this case, the magnetic characteristics were measured when H (magnetic field) was 2000 A / m.
[0041]
As shown in Table 2, with respect to loss (iron loss), each example made of flake graphite cast iron is made of spheroidal graphite cast iron regardless of whether the frequency of the alternating current is 1000 Hz, 2000 Hz, or 3000 Hz. The loss (iron loss) could be made smaller than that of Comparative Example 1.
[0042]
As for the magnetic flux density, when the frequency was 1000 Hz, the magnetic flux density in Comparative Example 1 was higher than that in each example. When the frequency was 2000 Hz, the magnetic flux density of each example approached that of Comparative Example 1. Further, when the frequency was high, such as 3000 Hz, the magnetic flux density of each example was comparable to or higher than that of Comparative Example 1. As described above, in this embodiment, the magnetic flux density can be relatively increased as the frequency is increased.
[0043]
As described above, according to each embodiment, since the specific resistance is high, iron loss can be reduced when an alternating magnetic field acts, and heat generation when applied to a magnetic circuit forming member such as a motor core can be suppressed. Can do.
[0044]
The iron loss is basically represented by hysteresis loss Wh + eddy current loss We + residual loss Wr, and is greatly affected by the frequency. For iron-based materials, the residual loss Wr is generally small. For this reason, what is important in iron-based magnetic circuit forming members such as motor cores is hysteresis loss Wh and eddy current loss We. The hysteresis loss Wh per unit time is basically expressed by equation (1). In the case of a plate material, the current loss We per unit time is basically expressed by equation (2).
Wh = Kh · f · Bm (1)
We = (Ke · f 2 ・ T 2 ・ Bm 2 ) / Ρ …… (2)
Here, Kh and Ke are constants. f indicates a frequency, and in the case of a direct current pulse, it can be regarded as 1 Hz at the rising edge and falling edge of the pulse. Bm represents the magnetic flux density. t indicates the thickness of the plate material. ρ represents the specific resistance of the material.
[0045]
According to the above equations (1) and (2), if the frequency f is high, the hysteresis loss Wh and the eddy current loss We increase, so the iron loss increases. Therefore, in order to suppress the iron loss, it is important to deal with the high frequency region. According to the soft magnetic material of this example, as shown in Table 2, loss can be suppressed even when used in a high frequency region.
[0046]
When the soft magnetic material is formed of cast iron as in the present embodiment, the product approximate shape can be formed by utilizing the excellent castability of cast iron, and the cutting process can be reduced or eliminated. For this reason, a magnetic circuit forming member such as a three-dimensional shape core can be easily manufactured, so that downsizing and thinning of a device such as a motor can be manufactured at a relatively low cost.
[0047]
Further, the silicon content is advantageous for increasing the magnetic permeability of the soft magnetic material. However, when a soft magnetic material is formed by laminating silicon steel plates, since the hardness increases when the silicon content is large, the press punchability of the silicon steel plate tends to decrease, and the amount of silicon increase is limited. . However, when soft magnetic material is formed with cast iron, it is not necessary to consider the reduction in press punchability of the steel sheet, so that the approximate shape of the product can be formed easily and inexpensively by utilizing the excellent castability of cast iron. it can. For this reason, it is advantageous in increasing the silicon content of the soft magnetic material and increasing the magnetic permeability. Therefore, silicon can be easily adjusted to 2.5% or more, 3.0% or more and 4.0% or more by mass ratio as in this embodiment, and similarly, the ratio of (silicon content / carbon content). It is also good to increase.
[0048]
When the use condition is severe, the soft magnetic material formed by laminating the silicon steel plates may cause warpage deformation or peeling of each silicon steel plate, and is not necessarily sufficient in terms of stabilization of strength and magnetic properties. Since the soft magnetic material of the present embodiment is based on a melted material, that is, a casting, the soft magnetic material is highly integrated, which is advantageous in securing mechanical strength. Accordingly, the strength and magnetic properties can be stabilized even in a high temperature environment or an environment with temperature changes. For this reason, it is suitable for use in an environment where use conditions are severe, for example, a vehicle such as an automobile. Therefore, it is suitable for a magnetic circuit forming member (for example, a motor core material) requiring strength.
[0049]
(Other examples)
The second embodiment according to the present invention is basically manufactured in the same manner as the above-described embodiment. Further, the casting formed of flake graphite cast iron after casting is annealed in a heat treatment furnace to further promote ferritization at the matrix base. Thereby, a ferrite area ratio can be raised further and magnetic permeability can be improved. The heat treatment can be performed by heating and holding within a range of 750 to 1100 ° C. for a predetermined time. As an atmosphere for the heat treatment, an air atmosphere, a vacuum atmosphere, a reducing atmosphere, or the like can be adopted. When the heat treatment temperature is high and the heat treatment time is long, the crystal grain size of the ferrite can be increased, which can further contribute to the improvement of magnetic permeability and magnetic flux density. The heat treatment time varies depending on the required ferrite area ratio and casting size, but can generally be set within a range of 10 minutes to 100 hours.
[0050]
According to the present invention Reference example According to the present invention, the soft magnetic material includes an iron-based matrix base (ferrite type) having magnetic permeability and conductivity, and a group of ceramic fibers made of ceramic fibers dispersed in the matrix base. The ceramic fiber functions as a fine obstacle having an electric resistance higher than that of the matrix base, and examples thereof include an alumina fiber and a silica fiber. Even in this case, a large number of fibers grown so as to form a maze in the matrix base are dispersed irregularly. The specific resistance of the fibers is considerably larger than the specific resistance of the iron-based matrix base and can be regarded as an obstacle to the current flow. For this reason, it is advantageous in increasing the specific resistance of the soft magnetic material and reducing the iron loss.
[0051]
(Application example)
FIG. 5 shows an example applied to a motor. As shown in FIG. 5, the motor has a stator core 40 fixed to the housing, and a rotor 52 that can rotate within the stator core 40. The rotor 52 has a shaft 53 and a rotor core 54 held by the shaft 53. The rotor core 54 has a plurality of protrusions 55 that protrude in the radially outward direction and are integrally arranged along the circumferential direction. An excitation winding (not shown) is wound around each protrusion 55. When a direct current pulse current of U phase, V phase, and W phase is supplied to the excitation winding of the protrusion 55, the rotor 52 rotates about its axis. The rotor core 54 is made of flake graphite cast iron, and includes an iron-based matrix base (ferrite type) having magnetic permeability and conductivity, and a flake graphite group made of flake graphite dispersed in the matrix base. Yes. This flake graphite cast iron is formed on the basis of any one of the first to ninth embodiments described above.
[0052]
In addition, the present invention is not limited to the above-described embodiments and application examples, and can be implemented with appropriate modifications within a range not departing from the gist. The following technical idea can also be grasped from the above description.
(Additional Item 1) In each claim, the minute obstacle is curved or curved. Soft Magnetic material and manufacturing method thereof. This is advantageous for increasing the specific resistance.
[0053]
【The invention's effect】
As described above, the magnetic circuit according to the present invention Soft The magnetic material is advantageous for increasing the specific resistance and is advantageous for reducing the loss. In particular, the magnetic circuit according to the present invention. Soft The magnetic material becomes more effective as the frequency increases.
[0054]
According to the method of the present invention, the melt of flake graphite cast iron composition is poured into the heated mold cavity and cooled, so the solidification rate of the cast iron and the cooling rate can be reduced, and the flake graphite grows. Can be promoted. As a result, an induced current such as an eddy current generated in the soft magnetic material can be bypassed, and the current path can be contributed to a maze, which is advantageous in reducing loss. Further, the ferrite formation of the matrix base can be promoted, and the magnetic permeability of the soft magnetic material can be further increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing a sand mold equipped with a heating element.
FIG. 2 is a graph showing an example of a cooling curve when cast with a sand mold.
3 is a micrograph (magnification 100 times) of flake graphite cast iron according to Example 4. FIG.
FIG. 4 is a diagram showing the concept of perimeter related to graphite.
FIG. 5 is a conceptual diagram showing an example applied to a motor.
[Explanation of symbols]
In the figure, 40 is a stator core, 52 is a rotor, and 54 is a rotor core.

Claims (5)

質量比で、炭素2%以上、シリコン2%以上含有する片状黒鉛鋳鉄で形成され、片状黒鉛鋳鉄は、マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、前記マトリックス基地(片状黒鉛を含まず)の面積全体を100%としたとき、面積比で、フェライトは50%以上であって、前記片状黒鉛の楕円長短軸比は平均で2以上であることを特徴とする磁気回路用軟磁性材料。It is formed of flake graphite cast iron containing 2% or more of carbon and 2% or more of silicon by mass ratio. When flake graphite cast iron is observed on the two-dimensional cut surface of the matrix matrix, (Not including) the area of the ferrite is 50% or more, and the flake graphite has an elliptical long / short axis ratio of 2 or more on average. Soft magnetic material. 請求項1において、前記マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、前記片状黒鉛は不規則に分散していることを特徴とする磁気回軟磁性材料。2. A magnetic soft magnetic material according to claim 1, wherein when the two-dimensional cut surface of the matrix base is observed, the flake graphite is irregularly dispersed. 請求項1または請求項2において、前記マトリックス基地の2次元的切断面を観察したとき、前記片状黒鉛に関する周囲長は平均で80μm以上であることを特徴とする磁気回軟磁性材料。3. The magnetic soft magnetic material according to claim 1, wherein when the two-dimensional cut surface of the matrix base is observed, an average perimeter of the flake graphite is 80 μm or more. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記片状黒鉛鋳鉄は質量比で、炭素含有量よりもシリコン含有量が大きく設定されていることを特徴とする磁気回路用軟磁性材料。The soft magnetism for a magnetic circuit according to any one of claims 1 to 3, wherein the flake graphite cast iron is set to have a mass ratio and a silicon content larger than a carbon content. material. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の磁気回路用軟磁性材料の製造方法であって、It is a manufacturing method of the soft-magnetic material for magnetic circuits as described in any one of Claims 1-4, Comprising:
鋳物を形成するキャビティをもつ鋳型を加熱する工程と、加熱した前記鋳型のキャビティに、質量比で、炭素2%以上、シリコン2%以上含有する片状黒鉛鋳鉄組成の溶湯を注湯させて、600℃以上における降温速度を鋳物表面部において30℃/分以下とする条件で冷却させて鋳物を形成することを特徴とする磁気回路用軟磁性材料の製造方法。  A step of heating a mold having a cavity for forming a casting, and pouring a molten metal having a flake graphite cast iron composition containing 2% or more of carbon and 2% or more of silicon in a mass ratio into the cavity of the heated mold, A method for producing a soft magnetic material for a magnetic circuit, wherein a casting is formed by cooling under a condition that a temperature drop rate at 600 ° C. or higher is 30 ° C./min or less at a casting surface portion.
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