JP2004297874A - 電動装置及びモータ駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多相の第1のモータ1と、これと同相数の第2のモータ3の各相を、共通の各相の出力線11〜13に接続した状態で、単一態様のPWM制御に基づいて単一のインバータ回路5により駆動する。単一のインバータ回路5で駆動しても、第2のモータ3側ですべり量が発生するために、特別の制御による調整を行わなくても、両モータ1,3の回転速度に差異が生じる。したがって、複数のモータ1,3が同一回転速度付近で回転することに伴う振動音のうなりを、1台のインバータ回路5で駆動するだけで緩和できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の電動機を備えた電動装置及びモータ駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば空気調和機の室内機内等でファンモータの駆動を行うなどの電動装置において、複数のモータを同時に駆動するものがあった。
【0003】
このような電動装置では、モータとしてブラシレスDCモータや三相誘導電動機等を用いて、これらの複数のモータの回転速度制御を行っている。かかる技術は、例えば特許文献1に公開されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−136035号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような電動装置において、複数のモータの回転速度が同一に近くなると、機械的な振動音にうなりが生じ、耳障りなものとなる。
【0006】
そこで、例えば上記特許文献1においては、複数のモータの回転による耳障りな機械的な振動音のうなりを緩和する目的で、起動後や風量モード切換後に両モータの回転速度を上昇させるに際して、目標回転速度や回転速度上昇ステップのタイミング等を両モータの間で異ならせることで、複数のモータの各々の回転速度が所定値以上の差を有するようにしていた。
【0007】
しかしながら、それぞれのモータ毎に別々のインバータを設けて個別に制御を行う必要があり、インバータが複数必要なだけでなく、各インバータを制御するための制御回路における演算処理も複雑化する。また、各モータの回転速度をそれぞれ検出して制御を行う必要があるため、回転センサも双方のモータに個別に必要となる。これらのことから、電動装置としてコストが高く付くという不利があった。
【0008】
そこで、この発明の課題は、複数のモータの回転に伴う耳障りな機械的な振動音のうなりを緩和しつつ、単一のインバータにより複数のモータを同時に駆動することでコストの上昇を防止し得る電動装置及びモータ駆動方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、第1のモータ(1)と、第2のモータ(3)と、前記第1のモータ及び前記第2のモータに共通の出力線(11〜13)を通じて前記両モータ(1,2)を駆動する単一の多相の駆動回路(5)と、前記第1のモータの回転速度に応じて前記駆動回路の制御を行う制御回路(9)とを備え、前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量とが異なるものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動装置であって、前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量との差は、当該両モータの回転速度を非近似として機械的な振動音が生じないように設定されるものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電動装置であって、前記第1のモータのすべり量がゼロであり、前記第2のモータのすべり量によって当該第2のモータの回転速度が決定されるものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電動装置であって、前記第1のモータが、前記制御回路によって電圧位相及び電流位相のいずれか一方と周波数と電圧とを制御され、前記第2のモータが、前記制御回路によって周波数と電圧とを制御されるものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電動装置であって、前記第1のモータの回転速度を検出する回転センサ(7)をさらに備えるものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電動装置であって、前記第1のモータの回転位置を検出する回転センサ(7)をさらに備え、前記制御回路が、前記回転センサで検出された回転位置に基づいて前記第1のモータの回転速度を演算するものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電動装置であって、前記第1のモータ(1)がブラシレスDCモータである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電動装置であって、前記第2のモータ(3)が誘導電動機である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の電動装置であって、前記駆動回路(5)が、前記第1及び第2のモータ(1,3)を駆動する単一のインバータ回路である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電動装置であって、前記第1のモータ及び前記第2のモータの双方または片方の電流経路にスイッチが設けられ、当該スイッチをオフとすることで、前記両モータのいずれか一方を切り離して単独運転可能とされたものである。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の電動装置であって、前記第1のモータ及び前記第2のモータが、ファンを回転させるファンモータである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の電動装置であって、前記ファンモータが空気調和機の同じ室外機または室内機内に設置されるものである。
【0021】
請求項13に記載の発明は、第1のモータ(1)と、第2のモータ(3)を、共通の出力線(11〜13)に接続した状態で、所定の制御に基づいて単一の駆動回路(5)により前記出力線を通じて前記両モータ(1,3)を駆動し、前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量とが異なるものである。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のモータ駆動方法であって、前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量との差は、当該両モータの回転速度を非近似として機械的な振動音が生じないように設定されるものである。
【0023】
請求項15に記載の発明は、請求項13または請求項14に記載のモータ駆動方法であって、前記第1のモータのすべり量がゼロであり、前記第2のモータのすべり量によって当該第2のモータの回転速度が決定されるものである。
【0024】
請求項16に記載の発明は、請求項13ないし請求項15のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、前記第1のモータが、前記駆動回路によって電圧位相及び電流位相のいずれか一方と周波数と電圧とを制御され、前記第2のモータが、前記駆動回路によって周波数と電圧とを制御されるものである。
【0025】
請求項17に記載の発明は、請求項13ないし請求項16のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、所定の回転センサ(7)により前記第1のモータの回転速度を検出する第1の工程と、前記第1の工程で検出された前記第1のモータの回転速度に基づいて、単一態様のPWM制御に基づいて単一の駆動回路により前記出力線を通じて前記第1のモータ及び前記第2のモータを駆動する第2の工程とを備えるものである。
【0026】
請求項18に記載の発明は、請求項13ないし請求項16のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、所定の回転センサ(7)により前記第1のモータの回転位置を検出する第1の工程と、前記回転センサで検出された回転位置に基づいて前記第1のモータの回転速度を演算する第2の工程と、前記第2の工程で演算された前記第1のモータの回転速度に基づいて、単一態様のPWM制御に基づいて単一の駆動回路により前記出力線を通じて前記第1のモータ及び前記第2のモータを駆動する第3の工程とを備えるものである。
【0027】
請求項19に記載の発明は、請求項13ないし請求項18のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、第1のモータ(1)がブラシレスDCモータである。
【0028】
請求項20に記載の発明は、請求項13ないし請求項19のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、前記第2のモータ(3)が誘導電動機である。
【0029】
請求項21に記載の発明は、請求項13ないし請求項20のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、前記駆動回路(5)が、前記第1及び第2のモータ(1,3)を駆動する単一のインバータ回路である。
【0030】
請求項22に記載の発明は、請求項13ないし請求項21のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、前記第1のモータ及び前記第2のモータの双方または片方の電流経路にスイッチが設けられ、当該スイッチをオフとすることで、前記両モータのいずれか一方を切り離して単独運転可能とされたものである。
【0031】
請求項23に記載の発明は、請求項13ないし請求項22のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、前記第1のモータ及び前記第2のモータが、ファンを回転させるファンモータである。
【0032】
請求項24に記載の発明は、請求項23に記載のモータ駆動方法であって、前記ファンモータが空気調和機の同じ室外機または室内機内に設置されるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一の実施の形態に係る電動装置を示す図である。この電動装置は、図1の如く、ブラシレスDCモータ(第1のモータ:図1ではPMと表記している)1と三相誘導電動機(第2のモータ:図1ではIMと表記している)3を単一のインバータ回路(駆動回路)5で駆動している。即ち、単一のインバータ回路5のU相、V相及びW相の各相の出力線11,12,13は、両モータ1,3に共通とされ、この各出力線11,12,13が、それぞれブラシレスDCモータ1のU相、V相及びW相と、三相誘導電動機3のU相、V相及びW相とに分岐されて接続されている。
【0034】
ブラシレスDCモータ1には、エンコーダまたはホール素子等を用いた回転センサ7が設置されており、このブラシレスDCモータ1の回転速度が回転センサ7によって検出され、その検出結果に係る信号が、インバータ回路5を駆動制御する制御回路9に与えられる。
【0035】
制御回路9は、回転センサ7から与えられた信号、即ちブラシレスDCモータ1の回転速度の情報に基づいて、その回転速度に応じてPWMデューティを調整しながら、インバータ回路5にPWM制御信号を与える。即ち、このインバータ回路5に関する電圧位相制御21、周波数制御22及び電圧制御23(図2)は、全てこの制御回路9によって実行されており、特にこれら電圧位相制御、周波数制御及び電圧制御を通じての両モータ1,3の回転速度に関するPI制御等は、回転センサ7から与えられた信号、即ち、ブラシレスDCモータ1の回転速度に応じて実行される。即ち、図2中の符合C1のように、ブラシレスDCモータ1については、電圧位相制御21、周波数制御22及び電圧制御23の全てが制御回路9によって制御される。
【0036】
他方、図2中の符合C2のように、三相誘導電動機3については、周波数制御22及び電圧制御23が制御回路9によって制御されることになる。
【0037】
インバータ回路5は、U相、V相及びW相のそれぞれでハイアーム側スイッチング素子14,15,16とローアーム側スイッチング素子17,18,19を備えており、各相のハイアーム側スイッチング素子14,15,16とローアーム側スイッチング素子17,18,19との各接続点が、各相の出力線11,12,13にそれぞれ接続されている。
【0038】
ここで、図3は三相誘導電動機3を図示省略した場合のインバータ回路5とブラシレスDCモータ1と回転センサ7とを示す図である。図3のようにインバータ回路5によりブラシレスDCモータ1を駆動する際、図1に示した制御回路9が回転センサ7により検出されたブラシレスDCモータ1の回転速度に応じてPWM制御を行うことで、インバータ回路5からブラシレスDCモータ1に通電を行って駆動を行う。このときにインバータ回路5によって駆動されるブラシレスDCモータ1の回転速度をN1とする。
【0039】
図4は、ブラシレスDCモータ1を図示省略した場合のインバータ回路5と三相誘導電動機3とを示す図である。三相誘導電動機3においては、回転自在なロータに沿って回転磁界を発生させると、ロータが回転磁界の動きに引きずられるように少し遅れて回転する。この回転磁界の同期速度に対するロータの回転遅れの割合を一般に「すべり量」と称している。ここで、上述のように、インバータ回路5は制御回路9からの制御信号に基づいて、ブラシレスDCモータ1を回転速度N1で駆動する。したがって、インバータ回路5からの出力線11,12,13が共通とされた三相誘導電動機3の回転磁界も、ブラシレスDCモータ1の回転速度と同等のN1となる。このように、インバータ回路5によって駆動される三相誘導電動機3の回転磁界の回転速度がN1であるとして、ロータのすべり量をSとすると、三相誘導電動機3の回転速度N2は、次の(1)式によって表される。
【0040】
N2=(1−S)×N1 …(1)
この(1)式は、単一のインバータ回路5から共通の出力線11,12,13を経てブラシレスDCモータ1と三相誘導電動機3の両方を同時に駆動する場合に、ブラシレスDCモータ1の回転速度N1に対して三相誘導電動機3の回転速度N2が常に「S×N1」だけ低下することを意味している。
【0041】
ここで、三相誘導電動機3のすべり量Sは3〜5%程度である。したがって、図1のようにブラシレスDCモータ1と三相誘導電動機3とをインバータ回路5から共通の出力線11,12,13を通じて同時に駆動させる場合、三相誘導電動機3の回転速度N2は、ブラシレスDCモータ1の回転速度N1に対して3〜5%程度の差異が生じることになる。そうすると、複数のモータの回転速度の微妙な相違に伴う耳障りな機械的な振動音のうなりを充分に緩和することができる。
【0042】
このような電動装置は、図5に示すように、例えば空気調和機の室外機24等において、複数のファン25,26を制御回路9及びインバータ回路5で制御する場合に有効である。
【0043】
尚、すべり量Sの値は、実際にはトルクによって変化する。具体的には、トルクが大きい場合はすべり量Sの値は比較的大きく、トルクが少なくなるとすべり量Sの値は比較的小さくなる。
【0044】
このことから、例えば電動装置の起動時のようにトルクが大きい場合では、そのトルクが大きいことからすべり量Sが大きくなり、よって定常状態よりもうなりが発生しにくくなる。
【0045】
また、電動装置の運転中の加減速制御時のように、ある程度トルクが小さい場合は、電動装置の起動時のようなトルクが小さい場合に比べて、すべり量Sは比較的小さくなる。しかしながら、例えば、この電動装置を、上述のように空気調和機の室外機24等で複数のファン25,26を同時駆動するような場合には、ファン25,26の慣性が比較的大きいことから、回転速度N1,N2の加減速も緩やかとなる。したがって、すべり量Sの変化も大きく変化することがないため、極端にすべり量Sが小さくなることはない。
【0046】
一般的な用途では、回転速度N1の急激な減速時においては、トルクが小さくまたすべり量Sの変化が急激な現れるため、そのすべり量Sが急激に小さくなって比較的うなりが発生しやすいと予想される。しかしながら、すべり量Sが急激に変化するような回転速度N1,N2の変動の局面においては、加減速時の変化音自体が大きくなるものと考えられ、一時的なうなりの増加は問題とならないことが多い。したがって、この実施の形態の電動装置によると、うなりが気になるようなトルクの大きい緩慢な加減速時において、うなりを充分に緩和し得る。
【0047】
そして、この実施の形態の電動装置では、単一のインバータにより単一のPWM制御を行って複数のモータを同時に駆動することが可能なので、うなりを緩和する目的で別々の回転センサや別々のインバータを用いて複数のモータを個別に駆動制御していた従来に比べて、回路構成や演算処理の簡素化によりコストの上昇を防止することができる。
【0048】
尚、上記実施の形態では、図1及び図3のように、回転センサ7を用いてブラシレスDCモータ1の回転速度N1を検出し、これに応じてPWM制御によるインバータ回路5での両モータ1,3の駆動を実行していたが、回転センサ7により前記ブラシレスDCモータ1のロータの回転位置を検出し、この回転位置に基づいて制御回路9で回転速度を演算して、この演算結果に基づいてPWM制御によるインバータ回路5での両モータ1,3を駆動してもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、三相のインバータ回路5によりブラシレスDCモータ1及び三相誘導電動機3を駆動する場合について説明したが、単相、二相または四相のインバータ回路で、これに対応した相数のブラシレスDCモータ及び誘導電動機を駆動する電動装置に適用しても差し支えない。
【0050】
さらに、上記実施の形態では、ブラシレスDCモータ1と三相誘導電動機3を同時に駆動する場合について説明したが、双方または片方の電流経路にスイッチ28を設けることで、いずれか一方を切り離して単独運転可能としてもよい。
【0051】
さらにまた、上記実施の形態では、ブラシレスDCモータ1に対して図2中の符合C1のように電圧位相制御を行うようにしていたが、電流位相制御を行うようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態では、インバータ回路5をPWM制御する場合について説明したが、例えばPFM制御を行うようにしても差し支えない。
【0053】
さらに、上記実施の形態では、室外機24で一対のファン25,26を使用する場合について例示したが、室内機で一対のファンを使用する場合について適用しても差し支えない。
【0054】
さらにまた、上記実施の形態では、ブラシレスDCモータ1と三相誘導電動機3とを用い、三相誘導電動機3側にすべり量をもって両モータ1,3の回転速度を非近似としていたが、両モータ1,3とも三相誘導電動機として、これらのすべり量の差を、両モータ1,3の回転速度が非近似となって機械的な振動音が生じないように設定するようにすれば、同様の紋的を達成することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
請求項1〜請求項9及び請求項13〜請求項21に記載の発明によれば、すべり量の異なる第1のモータと第2のモータを、共通の出力線に接続した状態で、単一態様のPWM制御に基づいて単一の駆動回路により出力線を通じて駆動するので、1台の駆動回路で駆動することで回路構成が簡素化される。さらに、その単一の駆動回路を制御するだけでよいので、制御演算が簡素化される。このことから、装置コストを低減することができる。しかも、例えば請求項3及び請求項15のように、第1のモータのすべり量がゼロであり、第2のモータのすべり量によって第1のモータの回転速度に対する第2のモータの回転速度が決定されるなど、両モータのすべり量の差を、当該両モータの回転速度を非近似として機械的な振動音が生じないように設定する(請求項2及び請求項14)ことで、例えば起動時に回転速度を上昇させる場合などにおいては、特別の制御による調整を行わなくても、両モータの回転速度が自然と異なることになり、よって両モータの回転速度の微妙な相違に伴う耳障りな機械的な振動音のうなりを充分に緩和することができる。
【0056】
請求項4及び請求項16に記載の発明によれば、第1のモータが電圧位相及び電流位相のいずれか一方と周波数と電圧とを制御され、第2のモータが、周波数と電圧とを制御されるので、単一の駆動回路で充分に両モータを制御することが可能である。
【0057】
請求項5、請求項6、請求項17及び請求項18に記載の発明によれば、第1のモータの回転速度を検出または演算するにあたって、回転センサを使用する場合、単一の回転センサで済むため、二台のモータの回転速度を別個の回転センサで検出する場合に比べて、回転センサを単一に設けるだけで済む。したがって、装置コストを低減することができる。
【0058】
請求項10及び請求項22に記載の発明によれば、第1のモータ及び第2のモータの双方または片方の電流経路にスイッチが設けられ、当該スイッチをオフとすることで、両モータのいずれか一方を切り離して単独運転可能とされるので、両モータの同時使用と単独使用とを任意に切り換えることができ、便利である。
【0059】
これらは、請求項11及び請求項23に記載のように、特にファンを回転させるファンモータに有効である。
【0060】
さらに、これらは、請求項12及び請求項24に記載のように、特に空気調和機内に設置されるファンモータに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係る電動装置を示すブロック図である。
【図2】制御回路の制御機能を示す図である。
【図3】インバータ回路で第1のモータを駆動する状態を示すブロック図である。
【図4】インバータ回路で三相第2のモータを駆動する状態を示すブロック図である。
【図5】この発明の一の実施の形態に係る電動装置を空気調和機の室外機に適用した例示すブロック図である。
【図6】インバータ回路で第1のモータを駆動する他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1のモータ
3 三相第2のモータ
5 インバータ回路
7 回転センサ
9 制御回路
11〜13 出力線
28 スイッチ
Claims (24)
- 第1のモータ(1)と、
第2のモータ(3)と、
前記第1のモータ及び前記第2のモータに共通の出力線(11〜13)を通じて前記両モータ(1,2)を駆動する単一の多相の駆動回路(5)と、
前記第1のモータの回転速度に応じて前記駆動回路の制御を行う制御回路(9)と
を備え、
前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量とが異なる電動装置。 - 請求項1に記載の電動装置であって、
前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量との差は、当該両モータの回転速度を非近似として機械的な振動音が生じないように設定される電動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電動装置であって、
前記第1のモータのすべり量がゼロであり、前記第2のモータのすべり量によって当該第2のモータの回転速度が決定されることを特徴とする電動装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第1のモータが、前記制御回路によって電圧位相及び電流位相のいずれか一方と周波数と電圧とを制御され、
前記第2のモータが、前記制御回路によって周波数と電圧とを制御されることを特徴とする電動装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第1のモータの回転速度を検出する回転センサ(7)をさらに備える電動装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第1のモータの回転位置を検出する回転センサ(7)をさらに備え、
前記制御回路が、前記回転センサで検出された回転位置に基づいて前記第1のモータの回転速度を演算する電動装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第1のモータ(1)がブラシレスDCモータである電動装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第2のモータ(3)が誘導電動機である電動装置。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の電動装置であって、
前記駆動回路(5)が、前記第1及び第2のモータ(1,3)を駆動する単一のインバータ回路である電動装置。 - 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第1のモータ及び前記第2のモータの双方または片方の電流経路にスイッチが設けられ、当該スイッチをオフとすることで、前記両モータのいずれか一方を切り離して単独運転可能とされた電動装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の電動装置であって、
前記第1のモータ及び前記第2のモータが、ファンを回転させるファンモータである電動装置。 - 請求項11に記載の電動装置であって、
前記ファンモータが空気調和機の同じ室外機または室内機内に設置される電動装置。 - 第1のモータ(1)と、第2のモータ(3)を、共通の出力線(11〜13)に接続した状態で、所定の制御に基づいて単一の駆動回路(5)により前記出力線を通じて前記両モータ(1,3)を駆動し、
前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量とが異なることを特徴とするモータ駆動方法。 - 請求項13に記載のモータ駆動方法であって、
前記第1のモータのすべり量と前記第2のモータのすべり量との差は、当該両モータの回転速度を非近似として機械的な振動音が生じないように設定されるモータ駆動方法。 - 請求項13または請求項14に記載のモータ駆動方法であって、
前記第1のモータのすべり量がゼロであり、前記第2のモータのすべり量によって当該第2のモータの回転速度が決定されることを特徴とするモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項15のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
前記第1のモータが、前記駆動回路によって電圧位相及び電流位相のいずれか一方と周波数と電圧とを制御され、
前記第2のモータが、前記駆動回路によって周波数と電圧とを制御されることを特徴とするモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項16のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
所定の回転センサ(7)により前記第1のモータの回転速度を検出する第1の工程と、
前記第1の工程で検出された前記第1のモータの回転速度に基づいて、単一態様のPWM制御に基づいて単一の駆動回路により前記出力線を通じて前記第1のモータ及び前記第2のモータを駆動する第2の工程と
を備えるモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項16のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
所定の回転センサ(7)により前記第1のモータの回転位置を検出する第1の工程と、
前記回転センサで検出された回転位置に基づいて前記第1のモータの回転速度を演算する第2の工程と、
前記第2の工程で演算された前記第1のモータの回転速度に基づいて、単一態様のPWM制御に基づいて単一の駆動回路により前記出力線を通じて前記第1のモータ及び前記第2のモータを駆動する第3の工程と
を備えるモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項18のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
第1のモータ(1)がブラシレスDCモータであるモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項19のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
前記第2のモータ(3)が誘導電動機であるモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項20のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
前記駆動回路(5)が、前記第1及び第2のモータ(1,3)を駆動する単一のインバータ回路であるモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項21のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
前記第1のモータ及び前記第2のモータの双方または片方の電流経路にスイッチが設けられ、当該スイッチをオフとすることで、前記両モータのいずれか一方を切り離して単独運転可能とされたモータ駆動方法。 - 請求項13ないし請求項22のいずれかに記載のモータ駆動方法であって、
前記第1のモータ及び前記第2のモータが、ファンを回転させるファンモータであるモータ駆動方法。 - 請求項23に記載のモータ駆動方法であって、
前記ファンモータが空気調和機の同じ室外機または室内機内に設置されるモータ駆動方法。
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