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JP2004294801A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2004294801A
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Abstract

【課題】反射型液晶表示素子の前側に配置された面光源からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くし、しかも外光を利用する反射表示のときも、明るくコントラストの良い画像を表示する。
【解決手段】反射型液晶表示素子1の前側に、透明板の少なくとも一端面が入射端面13を形成し、2つの板面の一方が出射面14を、他方の板面が前記入射端面13から入射した光を外気との界面で全反射して前記出射面14から出射させる反射面15を形成する導光板12と、前記導光板12の入射端面13に向けて光を出射する光源部17とからなる面光源11を、前記導光板12の出射面14を液晶表示素子1に対向させて配置し、前記導光板12の前側に、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子1の前側偏光板8の透過軸8aと実質的に平行な直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を吸収する偏光素子26を配置した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示の観察側に面光源を備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置として、反射表示を行なう反射型液晶表示素子の前側、つまり表示の観察側に、前記液晶表示素子に向けて照明光を出射する面光源を配置したものがある。
【0003】
この液晶表示装置の面光源は、透明板の少なくとも一つの端面が、光が入射される入射端面を形成し、前記透明板の2つの板面の一方が前記透明板内に導かれた光を出射する出射面を、他方の板面が前記入射端面から入射した光を外気との界面で全反射して前記出射面から出射させる反射面を形成する導光板と、前記導光板の入射端面に向けて光を出射する光源部とからなっており、前記反射型液晶表示素子の前側に、前記導光板の出射面を前記液晶表示素子に対向させて配置されている(特許文献1参照)。
【0004】
この液晶表示装置は、明るい環境下ではその環境の光である外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときに、前記面光源から照明光を出射させることにより、その照明光と外光とを併用する反射表示または前記照明光のみを利用する反射表示を行なうものであり、外光を利用する反射表示のときは、表示の観察側から入射した外光が前記面光源の導光板を透過して前記反射型液晶表示素子に入射し、この液晶表示素子の明表示部からの出射光が前記導光板を透過して観察側に出射する。
【0005】
また、前記面光源からの照明光を利用する反射表示のときは、前記面光源の光源部から出射し、前記導光板により導かれてその出射面から出射した照明光が前記反射型液晶表示素子に入射し、この液晶表示素子の明表示部からの出射光が前記導光板を透過して観察側に出射する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−112380号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記面光源は、前記光源部から出射し、前記導光板にその入射端面から入射した光のうち、この導光板の反射面に対して全反射角で入射した光を前記反射面と外気との界面により全反射するが、前記反射面に対して全反射角外の入射角で入射した光は、前記界面を透過して前記反射面から外部に漏れる。
【0008】
そのため、反射型液晶表示素子の前側に前記面光源を配置した液晶表示装置は、前記面光源からの照明光を利用する反射表示のときに、前記反射型液晶表示素子の明表示部からの出射光と、前記導光板の反射面からの全体的に略同じ輝度の漏れ光との両方が観察側に出射し、前記液晶表示素子の暗表示部に対応する暗表示の暗さが浮き上がって、表示画像のコントラストが低下する。
【0009】
この発明は、反射型液晶表示素子の前側に配置された面光源からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くし、しかも外光を利用する反射表示のときも、明るくコントラストの良い画像を表示することができる液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示装置は、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板と対向する後側基板との間に液晶層が設けられ、少なくとも前記前側基板の前側に偏光板が配置され、前記液晶層よりも後側に、前側からの入射光を反射する反射手段が設けられた反射型液晶表示素子と、
透明板の少なくとも一つの端面が、光が入射される入射端面を形成し、前記透明板の前記入射端面を挟んで配置する2つの板面の一方が前記透明板内に導かれた光を出射する出射面を、他方の板面が前記入射端面から入射した光を外気との界面で全反射して前記出射面から出射させる反射面を形成する導光板と、前記導光板の入射端面に向けて光を出射する光源部とからなり、前記液晶表示素子の前側に、前記導光板の出射面を前記液晶表示素子に対向させて配置された面光源と、
前記面光源の導光板の前側に配置され、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と実質的に平行な直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を吸収する偏光素子とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この液晶表示装置は、反射型液晶表示素子の前側に配置された面光源の導光板の前側に、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と実質的に平行な直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を吸収する偏光素子を配置したものであるため、前記面光源からの照明光を利用する反射表示のときに前記導光板の反射面から出射する漏れ光のうち、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と直交する直線偏光成分の光が前記偏光素子により吸収される。
【0012】
また、前記反射型液晶表示素子の明表示部からの出射光は、前記面光源の導光板を透過し、さらに前記偏光素子を高い透過率で透過して観察側に出射する。
【0013】
そのため、この液晶表示装置によれば、前記反射型液晶表示素子の明表示部に対応する明表示が明るく、しかも、前記液晶表示素子の暗表示部に対応する暗表示の暗さの浮き上がりを無くすことができ、したがって、前記面光源からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くすることができる。
【0014】
また、この液晶表示装置は、前記面光源の前側に前記偏光素子を配置しているため、外光を利用する反射表示のときは、表示の観察側から入射した外光がまず前記偏光素子に入射し、この偏光素子を透過した光が前記面光源の導光板を透過して前記反射型液晶表示素子に入射するが、前記偏光素子は、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と実質的に平行な直線偏光成分を透過させるため、前記偏光素子を透過した光は前記液晶表示素子の前側の偏光板を高い透過率で透過して液晶層に入射し、また、前記液晶表示素子の明表示部から出射した光も前記偏光素子を高い透過率で透過して観察側に出射する。
【0015】
したがって、この液晶表示装置によれば、外光を利用する反射表示のときも、明るくコントラストの良い画像を表示することができる。
【0016】
このように、この発明の液晶表示装置は、反射型液晶表示素子の前側に、透明板の少なくとも一つの端面が、光が入射される入射端面を形成し、前記透明板の2つの板面の一方が前記透明板内を導かれた光を出射する出射面を、他方の板面が前記入射端面から入射した光を外気との界面で全反射して前記出射面から出射させる反射面を形成する導光板と、前記導光板の入射端面に向けて光を出射する光源部とからなる面光源を、前記導光板の出射面を前記液晶表示素子に対向させて配置し、前記面光源の導光板の前側に、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と実質的に平行な直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を吸収する偏光素子を配置することにより、前記面光源からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くし、しかも外光を利用する反射表示のときも、明るくコントラストの良い画像を表示することができるようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図3はこの発明の一実施例を示しており、図1は液晶表示装置の分解斜視図、図2は前記液晶表示装置の側面図、図3は前記液晶表示装置の一部分のハッチングを省略した拡大断面図である。
【0018】
この液晶表示装置は、反射型液晶表示素子1と、この液晶表示素子1の前側に配置された面光源11と、前記面光源11の前側に配置された偏光素子26とを備えている。
【0019】
前記反射型液晶表示素子1は、表示の観察側である前側の透明基板2とこの前側基板2と対向する後側の透明基板3とが枠状のシール材4を介して接合され、これらの基板2,3間の前記シール材4により囲まれた領域に液晶層5が設けられ、前記前側基板2と後側基板3の対向する内面に、互いに対向する領域により複数の画素を形成する透明電極6,7が設けられるとともに、前記前側基板2と後側基板3の外面にそれぞれ偏光板8,9が配置され、さらに、後側の偏光板9の後側に反射板10が配置された構成となっている。
【0020】
この液晶表示素子1は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)をアクティブ素子をするアクティブマトリックス型のものであり、一方の基板、例えば後側基板3の内面に設けられた電極7は、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極、他方の基板である前側基板2の内面に設けられた電極6は、前記複数の画素電極7とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する一枚膜状の対向電極である。
【0021】
なお、図では省略しているが、前記後側基板3の内面には、前記複数の画素電極7にそれぞれ接続された複数のTFTと、各行のTFTにそれぞれゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列のTFTにそれぞれデータ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられている。
【0022】
さらに、図では省略しているが、前記前側基板2の内面には、前記複数の画素にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタが設けられており、前記対向電極6は前記カラーフィルタの上に形成されている。また、両基板2,3の内面にはそれぞれ、前記電極6,7を覆って配向膜が設けられている。
【0023】
この液晶表示素子1は、例えばノーマリーホワイトモードのTN(ツイステッドネマティック)型液晶表示素子であり、前記液晶層5の液晶分子は、前後の基板2,3間において実質的に90度の捩れ角でツイスト配向しており、前側の偏光板8は、その透過軸8aを前記前側基板2の近傍における液晶分子配向方向と実質的に直交させるか或いは平行にして配置され、後側の偏光板9は、その透過軸(図示せず)を前記前側の偏光板8の透過軸8aと実質的に直交させて配置されている。
【0024】
また、前記面光源11は、導光板12と、この導光板12の側方に配置された光源部17と、前記導光板12と光源部17との間に配置された拡散層25とからなっている。
【0025】
前記導光板12は、アクリル系樹脂板等の透明板からなっており、その一つの端面が、光が入射される入射端面13を形成し、前記透明板の前記入射端面13を挟んで配置する2つの板面の一方が前記透明板に導かれた光を出射する平坦な出射面14を、他方の板面が前記入射端面13から入射した光を外気(空気)との界面で全反射して前記出射面14から出射させる反射面15を形成している。
【0026】
この導光板12の反射面15は、前記透明板の他方の板面の全域に密に並べて互いに平行に形成され、前記入射端面13から入射した光を前記出射面14の法線に対する角度が小さくなる方向に向けて全反射させる複数のプリズム部16からなっている。
【0027】
前記複数のプリズム部16は、前記入射端面13と平行で、且つ前記透明板の他方の板面の全幅にわたる長さを有する細長プリズム部であり、これらのプリズム部16の両側面のうち、入射端面13側の側面は、前記出射面14に対して垂直に近い急角度面に形成され、他方の側面は、前記反射面15の外面側に向かって入射端面13の方向に、前記出射面14に対して30〜60度(好ましくは略45度)の角度で傾いた傾斜面に形成されている。
【0028】
なお、図では前記複数のプリズム部16を大きく誇張して示しているが、これらのプリズム部16は、前記液晶表示素子1の画素ピッチ(100〜250μm程度)よりも小さいピッチで形成されている。
【0029】
すなわち、前記導光板12は、その入射端面13から入射した光を導いて出射面14から出射するものであり、この導光板12に前記入射端面13から入射した光は、図3に矢線で示したように、導光板12内を直進するか或いは前記出射面14と外気との界面で全反射されて前記反射面15の複数の細長プリズム部16のいずれかの傾斜面に入射し、その傾斜面と外気との界面により前記出射面14の法線に対する角度が小さくなる方向に全反射され、前記出射面14の全域から出射する。
【0030】
なお、前記導光板12にその入射端面13から入射した光のうち、この導光板12の反射面15の複数の細長プリズム部16の傾斜面に対して全反射角で入射した光は、このプリズム部16の傾斜面と外気との界面により全反射するが、前記細長プリズム部16の傾斜面に対して全反射角外の入射角で入射した光は、図3に矢線で示したように前記界面を透過して前記反射面15から外部に漏れる。
【0031】
一方、前記導光板12の側方に配置された光源部17は、導光部材18と、この導光部材18の両端部の側方にそれぞれ配置された発光素子24とにより構成されている。
【0032】
この光源部17の導光部材18は、前記導光板12の入射端面13に対応する長さを有する角棒状の細長透明材(例えばアクリル系樹脂材)からなっており、その両端面がそれぞれ光が入射される入射端面19を形成し、前記細長透明材の一つの側面が光を出射する細長出射面20を、この細長出射面20と対峙する他の側面が前記入射端面19から入射した光を外気(空気)との界面で全反射させて前記細長出射面20から出射させる反射面21を形成している。
【0033】
この導光部材18の反射面21は、前記細長透明材の他側面の全域に密に並べて互いに平行に形成され、前記入射端面19から入射した光を前記細長出射面20の法線に対する角度が小さくなる方向に向けて全反射させる複数のプリズム部22からなっている。
【0034】
前記複数のプリズム部22は、前記入射端面19と平行で、且つ前記細長透明材の他側面の全幅にわたる長さを有する細長プリズム部であり、これらのプリズム部22の両側面はそれぞれ、前記細長出射面20に対して30〜60度(好ましくは略45度)の角度で傾いた傾斜面に形成されている。
【0035】
なお、図では前記複数のプリズム部22を大きく誇張して示しているが、これらのプリズム部22は、前記導光板の反射面15を形成する複数のプリズム部16のピッチと同程度のピッチで形成されている。
【0036】
すなわち、前記導光部材18は、その両端の入射端面19から入射した光をそれぞれ導いて一側面の細長出射面20から出射するものであり、この導光部材18に前記入射端面19から入射した光は、この導光部材18内を直進するか或いは前記細長出射面20と外気との界面で全反射されて前記反射面21の複数の細長プリズム部22のいずれかに入射し、その細長プリズム部22のいずれかの側面と外気との界面で前記細長出射面20の法線に対する角度が小さくなる方向に全反射され、前記細長出射面20の全域から出射する。
【0037】
なお、前記導光部材18にその入射端面19から入射した光のうち、この導光部材18の反射面21の複数の細長プリズム部22の側面に対して全反射角で入射した光は、このプリズム部22の側面と外気との界面により全反射するが、前記細長プリズム部22の側面に対して全反射角外の入射角で入射した光は、前記界面を透過して前記反射面21から外部に漏れる。
【0038】
そのため、この実施例では、前記導光部材18の外側に、前記反射面21とこの反射面21に対して直交する2つの側面とを抱えるように形成された反射板23を被せ、前記反射面21からの漏れ光を前記反射板23により反射して導光部材18内に戻し、前記細長出射面20から出射させるようにしている。
【0039】
また、前記発光素子24は、例えば、赤色光を発する赤色LED(発光ダイオード)と、緑色光を発する緑色LEDと、青色光を発する青色LEDとを透明樹脂によりモールドし、これらのLEDが発する赤、緑、青の光を混色させた白色光を出射する固体発光素子であり、前記導光部材18の両端の入射端面19にそれぞれ対向させて配置されている。
【0040】
さらに、前記導光板12と光源部17との間に配置された拡散層25は、例えば、光散乱粒子を混入した透明樹脂板からなっており、この拡散層25は、前記導光板12の入射端面13に、その全体にわたって貼付けられ、前記導光部材18は、その細長出射面20を前記導光板12の入射端面13に、前記拡散層25との間に空間(空気層)を確保して対向させるとともに、前記細長出射面20を前記導光板12の入射端面13と平行にして配置されている。
【0041】
前記面光源11は、前記光源部17の固体発光素子24を点灯させることにより、この固体発光素子24からの出射光を前記導光部材18にその入射端面19から入射させ、その光を前記導光部材18の細長出射面20の全域から出射させるとともに、その光を前記拡散層25により拡散させて前記導光板12にその入射端面13から入射させ、その光を前記導光板12の出射面14の全域から均一な強度分布で出射させるようにしたものである。
【0042】
そして、この面光源11は、前記反射型液晶表示素子1の前側に、前記導光板12の出射面14を前記液晶表示素子1の前面に対向させ、且つ前記導光板12の出射面14と液晶表示素子1の前面との間に空間(空気層)を確保して配置されている。
【0043】
一方、前記面光源11の前側に配置された偏光素子26は、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記反射型液晶表示素子1の前側の偏光板8の透過軸8aと実質的に平行な振動面をもった直線偏光成分を透過させ、それと直交する振動面をもった直線偏光成分を吸収する特性を有している。
【0044】
この実施例では、前記偏光素子26として、前記液晶表示素子1の前後に配置した偏光板8.9と同じ偏光板を用いている。
【0045】
すなわち、この偏光素子26は、互いに直交する方向に透過軸26aと吸収軸(図示せず)とを有し、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記吸収軸に平行な振動面をもった直線偏光成分を吸収し、前記透過軸26aに平行な振動面をもった直線偏光成分を透過させる吸収偏光板である。
【0046】
この偏光素子26は、前記面光源11の導光板12の前側に、その透過軸26aを前記液晶表示素子1の前側の偏光板8の透過軸8aと実質的に平行にし、且つ前記導光板12の反射面15との間に空間(空気層)を確保して配置されている。
【0047】
この液晶表示装置は、明るい環境下ではその環境の光である外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときに、前記面光源11から照明光を出射させることにより、その照明光と外光とを併用する反射表示または前記照明光のみを利用する反射表示を行なうものであり、いずれの表示のときも、前記反射型液晶表示素子1は、その前側から入射した光のうち、無電界画素に入射した光を反射板10により反射して前側に出射し、電界印加画素に入射した光を後側偏光板9により吸収して画像を表示する。
【0048】
すなわち、前記反射型液晶表示素子1は、その前側から前側偏光板8を透過して入射した光(前側偏光板の透過軸8aに平行な振動面をもった直線偏光)のうち、液晶層5の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射し、前記液晶層5を実質的に90度旋光されて透過した光を、後側偏光板9を透過させて反射板10により反射し、その反射光を前記後側偏光板9と液晶層5と前側偏光板8とを再び透過させて前側に出射し、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素に入射し、前記液晶層5を偏光状態を変えることなく透過した光を前記後側偏光板9により吸収する。
【0049】
前記液晶表示装置による面光源11からの照明光を利用する反射表示について説明すると、このときは、前記面光源11の光源部17から出射し、図3に矢線で示したように導光板12により導かれてその出射面14から出射した照明光が前記反射型液晶表示素子1に入射する。
【0050】
そして、前記液晶表示素子1に入射した光のうち、この液晶表示素子1の暗表示部(電界印加画素)に入射した光は前記後側偏光板9により吸収され、明表示部(無電界画素)に入射した光が前記反射板10により反射されて液晶表示素子1の前側に出射し、この明表示部からの出射光が、前記導光板12を透過し、さらに前記偏光素子26を透過して観察側に出射する。
【0051】
一方、前記面光源11は、上述したように、前記導光板12にその入射端面13から入射した光のうち、この導光板12の反射面15(複数の細長プリズム部16の傾斜面)に対して全反射角で入射した光を前記反射面15と外気との界面により全反射するが、前記反射面15に対して全反射角外の入射角で入射した光は、前記界面を透過して前記反射面15から外部に漏れる。
【0052】
しかし、この液晶表示装置では、前記面光源11の前側に前記偏光素子26を配置しているため、面光源11からの照明光を利用する反射表示のときに前記導光板12の反射面15から出射する漏れ光のうち、前記反射型液晶表示素子1の明表示部からの出射光(液晶表示素子1の前側偏光板8の透過軸8aと平行な直線偏光)と同じ直線偏光成分の光が、前記偏光素子26を透過して観察側に出射し、それと直交する直線偏光成分の光は前記偏光素子26により吸収される。
【0053】
また、前記反射型液晶表示素子1の明表示部からの出射光は、前記面光源11の導光板12を透過し、さらに前記偏光素子26を高い透過率で透過して観察側に出射する。
【0054】
そのため、前記反射型液晶表示素子1の明表示部(無電界画素)に対応する明表示が明るく、しかも、前記液晶表示素子1の暗表示部(電界印加画素)に対応する暗表示の暗さの浮き上がりを無くすことができ、したがって、前記面光源11からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くすることができる。
【0055】
次に、外光を利用する反射表示について説明すると、この液晶表示装置は、前記面光源11の前側に前記偏光素子26を配置したものであるため、外光を利用する反射表示のときは、表示の観察側から図3に破矢線で示したように入射した外光が、まず面光源11の前側に配置された偏光素子26に入射し、その光のうち、前記偏光素子26の吸収軸に平行な直線偏光成分がこの偏光素子26により吸収され、前記偏光素子26の透過軸26aに平行な直線偏光成分がこの偏光素子26を透過する。
【0056】
前記偏光素子26を透過した光、つまり前記偏光素子26の透過軸26aに平行な直線偏光は、前記面光源11の導光板12を透過して反射型液晶表示素子1に入射する。
【0057】
そして、前記液晶表示素子1に入射した光のうち、この液晶表示素子1の暗表示部(電界印加画素)に入射した光は前記後側偏光板9により吸収され、明表示部(無電界画素)に入射した光が前記反射板10により反射されて液晶表示素子1の前側に出射し、この明表示部からの出射光が、前記導光板12を透過し、さらに前記偏光素子26を透過して観察側に出射する。
【0058】
このように、外光を利用する反射表示のときは、表示の観察側から入射した外光が、前記偏光素子26と面光源11の導光板12とを透過して反射型液晶表示素子1に入射し、この液晶表示素子1の明表示部からの出射光が、前記導光板12と偏光素子26とを透過して観察側に出射する。
【0059】
しかし、前記偏光素子26は、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子1の前側偏光板8の透過軸8aと実質的に平行な直線偏光成分を透過させるため、前記偏光素子26を透過した光(偏光素子26の透過軸26aに平行な直線偏光)は、前記液晶表示素子1の前側偏光板8を高い透過率で透過して液晶層5に入射し、また、液晶表示素子1の明表示部から出射した光(前側偏光板8aの透過軸8aに平行な直線偏光)も、前記偏光素子26を高い透過率で透過して観察側に出射する。
【0060】
そのため、この液晶表示装置は、面光源11の前側に偏光素子26を配置したものであるが、表示の観察側から入射した外光を、前記偏光素子26を備えない場合とほとんど変わらない入射率で反射型液晶表示素子1の液晶層5に入射させ、また、前記液晶表示素子1の明表示部からの出射光を、前記偏光素子26を備えない場合とほとんど変わらない出射率で観察側に出射させることができる。
【0061】
したがって、この液晶表示装置によれば、反射型液晶表示素子1の前側に配置された面光源11からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くし、しかも外光を利用する反射表示のときも、明るくコントラストの良い画像を表示することができる。
【0062】
なお、上記実施例で用いた反射型液晶表示素子1は、前後に偏光板8,9を備え、後側偏光板9の後側に反射板10を配置したものであるが、反射型液晶表示素子は、前側の基板2と偏光板8との間または後側の基板3と偏光板9との間に、表示のコントラストを向上させるための位相差板をさらに配置したものでもよい。
【0063】
また、反射型液晶表示素子は、後側の偏光板を反射偏光板(入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、一方の直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を反射する偏光板)とし、この反射偏光板に反射手段を兼ねさせたものでも、或いは、前側だけに1枚の偏光板を備え、後側基板の内面または外面に反射手段を設けたものでもよい。なお、前記後側基板の内面に反射手段を設ける場合は、この後側基板の内面の電極を高反射率の金属膜により形成し、その電極に反射手段を兼ねさせてもよい。
【0064】
さらに、反射型液晶表示素子は、TN型に限らず、STN(スーパーツイステッドネマティック)型、捩れのないホモジニアス配向型の液晶表示素子や、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子等でもよく、また、ノーマリーブラックモードのものでも、単純マトリックス型のものでもよい。
【0065】
また、上記実施例で用いた面光源11は、一端面が入射端面13に形成された透明板からなる導光板12を備えたものであるが、面光源は、両端面がそれぞれ入射端面に形成された透明板からなる導光板を備え、この導光板の両端の入射端面にそれぞれ対向させて光源部を配置した構成としてもよい。
【0066】
さらに、実施例では、前記面光源11の光源部17を、両端面がそれぞれ入射端面19に形成された細長透明材からなる導光部材18と、この導光部材18の両端の入射端面19にそれぞれ対向させて配置された2つの固体発光素子24とにより構成しているが、面光源の光源部は、一端面が入射端面に形成された細長透明材からなる導光部材の前記入射端面に対向させて1つの固体発光素子を配置した構成としてもよく、また、前記導光板12の入射端面13の全長にわたる長さの直管状冷陰極管を前記入射端面13と平行に配置して光源部としてもよい。
【0067】
また、上記実施例では、面光源11の前側に、反射型液晶表示素子1の偏光板8.9と同じ偏光板(吸収偏光板)からなる偏光素子26を配置しているが、面光源11の前側に配置する偏光素子は、偏光板に限らず、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、反射型液晶表示素子1の前側の偏光板8の透過軸8aと実質的に平行な振動面をもった直線偏光成分を透過させ、それと直交する振動面をもった直線偏光成分を吸収する特性を有するものであればよい。
【0068】
【発明の効果】
この発明の液晶表示装置は、反射型液晶表示素子の前側に、透明板の少なくとも一つの端面が光が入射される入射端面を形成し、前記透明板の2つの板面の一方が前記透明板内を導かれた光を出射する出射面を、他方の板面が前記入射端面から入射した光を外気との界面で全反射して前記出射面から出射させる反射面を形成する導光板と、前記導光板の入射端面に向けて光を出射する光源部とからなる面光源を、前記導光板の出射面を前記液晶表示素子に対向させて配置し、前記面光源の導光板の前側に、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と実質的に平行な直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を吸収する偏光素子を配置したものであるため、前記面光源からの照明光を利用する反射表示の明るさとコントラストを高くし、しかも外光を利用する反射表示のときも、明るくコントラストの良い画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図2】前記液晶表示装置の側面図。
【図3】前記液晶表示装置の一部分のハッチングを省略した拡大断面図。
【符号の説明】
1…反射型液晶表示素子、2,3…基板、5…液晶層、6,7…電極、8…前側偏光板、8a…透過軸、9…後側偏光板、10…反射板、11…面光源、12…導光板、13…入射端面、14…出射面、15…反射面、17…光源部、25…拡散層、26…偏光素子、26a…透過軸。

Claims (1)

  1. 表示の観察側である前側の基板とこの前側基板と対向する後側基板との間に液晶層が設けられ、少なくとも前記前側基板の前側に偏光板が配置され、前記液晶層よりも後側に、前側からの入射光を反射する反射手段が設けられた反射型液晶表示素子と、
    透明板の少なくとも一つの端面が、光が入射される入射端面を形成し、前記透明板の前記入射端面を挟んで配置する2つの板面の一方が前記透明板内に導かれた光を出射する出射面を、他方の板面が前記入射端面から入射した光を外気との界面で全反射して前記出射面から出射させる反射面を形成する導光板と、前記導光板の入射端面に向けて光を出射する光源部とからなり、前記液晶表示素子の前側に、前記導光板の出射面を前記液晶表示素子に対向させて配置された面光源と、
    前記面光源の導光板の前側に配置され、入射光の互いに直交する2つの直線偏光成分のうち、前記液晶表示素子の前側の偏光板の透過軸と実質的に平行な直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を吸収する偏光素子とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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