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JP2004284951A - 遠心力成形助剤およびそれを用いたセメント組成物 - Google Patents

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Yoshiharu Watanabe
芳春 渡辺
Nobuyuki Tanno
信幸 丹野
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

【課題】 本発明は、さらなる減水率の向上と、スランプの経時低下量を小さくでき、かつ、遠心力成形時の脱水性や締まりを改善でき、良作業性で高強度なコンクリートや高強度な遠心力成形製品の製造が可能となる、土木建築構造物やコンクリート二次製品に使用されるモルタル、コンクリート用の高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤およびそれを使用したセメント組成物を提供する。
【解決手段】 高性能減水剤とアルカリ金属の硫酸塩とを配合してなる高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤、アルカリ金属の硫酸塩が、高性能減水剤の固形分100重量部に対して、2〜100重量部である該遠心力成形助剤、セメントと、該遠心力成形助剤とを含有してなるセメント組成物であり、該遠心力成形助剤が、セメント100重量部に対して、高性能減水剤を基準として、0.6〜4.0重量部である該セメント組成物を構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、土木建築構造物やコンクリート二次製品に使用されるモルタル、コンクリート用の高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤およびそれを使用したセメント組成物に関し、詳しくは、減水率を高め、モルタルフローの経時変化量(すなわち経時低下量)やコンクリートのスランプの経時変化量を低減し、遠心力成形性を向上させた高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤およびそれを使用したセメント組成物に関する。
ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系、及び芳香族アミノスルホン酸塩系の高性能減水剤は、リグニンスルホン酸塩系減水剤やポリオール系減水剤、オキシカルボン酸塩系減水剤等の一般減水剤と比較して、減水率が大きく、かつ、比較的多量に配合してもセメントの異常凝結や過遅延を生じさせなく、空気連行性も少ないので土木建築構造物の高強度コンクリートや高強度コンクリート製品の製造に利用される。
しかしながら、これら高性能減水剤は、スランプの経時変化量(すなわち経時低下量)が大きく、現場打ちなどで生コンプラントで練混ぜてアジテーター車やトラックで運搬して打設する場合では、安定したスランプのコンクリートを提供することはできなく、はなはだしい場合は、スランプの経時変化量が大きすぎてアジテーター車からの打設時の排出も不能となるなどの課題を有していた。
さらに、高性能減水剤の減水率は、セメント100重量部に対して固形分で2重量部程度で頭打ちとなり、限界が示されていた。
また、これら高性能減水剤は、分散力は大きいが、水の表面張力を低下させないので遠心力成形時の脱水性を阻害し、コンクリートの締まりを悪くする。そして、遠心力成形体内面に軟らかいペースト層を生成させて、それが波打ったり、ダレたりして滑らかな中空断面が得られない。このような現象はパイルなどの場合では、中堀工法によりパイルを施工する際にオーガーが入らなかったり、途中で引っかかるのなどの問題が生じ、ヒューム管等では仕上げができない結果となるなどの課題を有することになる。
特に、これら高性能減水剤とシリカフュームなどの微粉を高強度を得る目的等で併用配合したモルタルやコンクリートでは、スランプなどの経時変化量(すなわち経時低下量)は著しく大きくなり、遠心力成形性に関しても水セメント比が25重量%以下の場合では全くコンクリートが締まらない場合もあるという課題も示される。
これら高性能減水剤のスランプの経時変化量の低減や遠心力成形性の改善に関しては、本発明者は、遅延剤の中でも多価オキシカルボン酸塩を併用することを提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、この場合は、同一スランプを得るのに単位水量が増大し、結果的に高性能減水剤の減水率を低下させるなどの課題や、低温時の硬化速度が著しく遅延させるなどの課題があった。
特公平01−037343号公報
本発明者は、前記課題を解決するために、鋭意研究した結果、従来から、セメントの凝結促進剤として知られている特定成分を特定量、高性能減水剤に配合することにより、凝結速度に影響を与えない(高性能減水剤が同一配合量の場合は、むしろ1日強度は促進され高い強度を示す)で、減水率を向上させると共に、スランプの経時変化量の低減や遠心力成形における脱水性を向上させることなどを知見し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、高性能減水剤とアルカリ金属の硫酸塩とを配合してなる高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤であり、アルカリ金属の硫酸塩が、高性能減水剤の固形分100重量部に対して、2〜100重量部である該遠心力成形助剤であり、セメントと、該遠心力成形助剤とを含有してなるセメント組成物であり、該遠心力成形助剤が、セメント100重量部に対して、高性能減水剤を基準として、0.6〜4.0重量部である該セメント組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、高性能減水剤と、アルカリ金属の硫酸塩(以下、硫酸アルカリという)を配合するものであり、アルカリ金属とはナトリウム、カリウム、又はリチウムを示す。
本発明において使用される高性能減水剤とは、比較的多量に使用しても空気連行や過度の凝結遅延、さらには、異状凝結を生じさせない減水率の大きい減水剤であり、例えば、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系、及び芳香族アミノスルホン酸塩系のいずれかを主成分としているものが挙げられる。
そして、一般に市販されているポリアルキルアリルスルホン酸塩系の高性能減水剤としては、メチルナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物、及びナフタリンスルホン酸とリグニンスルホン酸の共縮合物等の塩が挙げられ、その市販品としては、電気化学工業社製商品名「FT−500」、花王社製商品名「マイティー100」や「マイティー150」、「マイティー2000」シリーズなど、第一工業製薬社製商品名「セルフロー110P」など、竹本油脂社製商品名「ポールファイン510N」など、及びサンフロー社製商品名「サンフローPS」、「サンフローHS700」などが代表的なものであり、芳香族アミノスルホン酸塩系の高性能減水剤としては、藤沢薬品社製商品名「パリック200」シリーズがあり、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系の高性能減水剤としては、デンカグレース社製商品名「FT−3S」、昭和電工社製商品名「モルマスター10」や「モルマスター20」などが挙げられる。
そして、これらを単品で使用してもよく、さらにこれら二種以上を任意に混合しても使用可能である。
特に、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系と、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系又は芳香族アミノスルホン酸塩系等の種類が大きく異なる減水剤同士の混合型はスランプの経時変化量を低減するのに好ましい結果が示される場合もある。
硫酸アルカリは、工業原料として一般に利用されているものが使用され、高性能減水剤と併用配合することにより、モルタルフローやコンクリートスランプの増大によって減水率の向上やモルタルフローやスランプの経時変化量(すなわち経時低下量)やスランプの経時変化量(すなわち経時低下量)を低減し、初期強度の促進作用を有する。また、遠心力成形性の改善も行う。
硫酸アルカリは、コンクリートのスランプを増大させて減水率を向上させ強度を高め、遠心力成形性の向上に対しても効果を発揮するが、コンクリートのスランプの経時変化量の低減に対しては効果は小さい。
しかしながら、作業時間が30分程度の高強度コンクリート二次製品の製造には適す結果となる。
また、硫酸アルカリは、硫酸アルカリ以外のスランプの経時変化量(すなわち経時低下量)を低減する亜硫酸塩類と併用することによりスランプの経時変化量(すなわち経時低下量)を低減させることができる。
高性能減水剤と硫酸アルカリの適切な配合率は、セメントに対する高性能減水剤の配合量によっても変動するが、高性能減水剤の固形分100重量部に対して、硫酸アルカリを2〜100重量部配合するものが好ましい。より好ましくは5〜70重量部、さらにより好ましくは10〜50重量部の範囲である。2重量部未満では減水率の向上やスランプの経時変化量の低減効果は小さくなり、初期強度の促進効果も小さくなる。また、100重量部を超えるようになると凝結硬化促進作用が強過ぎるようになり、減水率の向上やスランプの経時変化量の低減効果も小さくなる。また、長期強度の伸びも低下するようになるので好ましくない。また、この高性能減水剤と硫酸アルカリの適切な配合率は、遠心力成形時の脱水性、コンクリートの締まり具合、及び遠心力成形体内面のペースト層の生成厚さに同様の影響を与える。
本発明の高性能減水剤組成物は、高性能減水剤と硫酸アルカリとを配合したものである。そして、その使用量は、高性能減水剤の固形分100重量部に対して、硫酸アルカリを2〜100重量部配合したものを、セメント100重量部に対して、高性能減水剤を基準として0.6〜4.0重量部であり、好ましくは0.8〜3.0重量部であり、さらに好ましくは1.0〜2.0重量部である。高性能減水剤が0.6重量部未満ではスランプの経時変化量の低減効果が発揮できないので好ましくなく、4.0重量部を超えて配合しても減水率の向上が示されなく、かつ、初期、長期強度の低下を招き、また、不経済となるものである。
本発明で使用するセメントは普通、早強、超早強、白色、中庸熱、及び低発熱等の各種ポルトランドセメント、さらにこれらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカ粉末を配合した各種混合セメント、並びに、スラグをJIS規格値以上に配合したスラグ主体のセメントなどが挙げられる。
さらに、これらのセメントに、無水セッコウや、セッコウ類を主成分とした高強度混和材、フライアッシュフューム、シリカフューム、及び微粉スラグなどの高強度を発現する成分、並びに、セメント膨張材等も使用される。
特に、高性能減水剤とフライアッシュフューム、シリカフュームなどの微粉末を使用する場合は、スランプなどの経時変化量(すなわち経時低下量)が著しく大きくなるが、本発明においては、シリカフュームなどの微粉末の配合量がセメント100重量部に対して、15重量部以下では充分な作業時間を得ることができる(経時変化量が小さい)ものである。
本発明の高性能減水剤組成物は、モルタル、コンクリートを練り混ぜるときに配合するものであり、その練り混ぜ方法も通常行われている方法で良く、また、その配合方法も特に限定はさるものではない。
従って、それぞれの成分を固体状、液状を問わず別々に配合しても良く、粉末状の高性能減水剤を使用する場合は、あらかじめ粉末状態で混合して配合しても良く、液体状の高性能減水剤に硫酸アルカリを溶解して配合しても良いし、さらにそれを水で希釈してミキサーに配合しても良いものである。
本発明の高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤およびそれを使用したセメント組成物を用いることにより、従来の高性能減水剤の課題である、さらなる減水率の向上と、スランプの経時変化量(すなわち経時低下量)を小さくでき、かつ、遠心力成形時の脱水性や締まりを改善でき、良作業性で高強度なコンクリートや高強度な遠心力成形製品の製造が可能となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されるものではない。
<使用材料>
「セメントの種類」
OPC1 :普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製、比重3.16
OPC2 :普通ポルトランドセメントの5重量%を無水セッコウで置換したもの
OPC3 :普通ポルトランドセメントの5重量%をシリカヒュームで置換したもの
OPC3−1:普通ポルトランドセメントの2重量%をシリカヒュームで置換したもの
OPC3−2:普通ポルトランドセメントの8重量%をシリカヒュームで置換したもの
OPC3−3:普通ポルトランドセメントの11重量%をシリカヒュームで置換したもの
OPC3−4:普通ポルトランドセメントの15重量%をシリカヒュームで置換したもの
OPC3−5:普通ポルトランドセメントの18重量%をシリカヒュームで置換したもの
BFS1 :高炉スラグセメント、高炉スラグ配合率50重量%
BFS2 :BFS1の5重量%を、無水セッコウで置換したもの
BFS3 :BFS1の5重量%を、シリカヒュームで置換したもの
無水セッコウ:天然II型無水セッコウ、比表面積6,000cm/g、比重2.90
シリカヒューム:エルケム社製、比重2.14
高炉スラグ:比表面積6,000cm/g
「骨材」
川砂 :新潟県姫川産川砂、比重 2.62
砕石 :新潟県姫川産砕石、比重 2.64
「水」 :地下水、比重 1.00
「高性能減水剤」
高性能減水剤A:第一工業製薬社製 粉末状、主成分ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
高性能減水剤B:昭和電工社製 粉末状、主成分メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系
「亜硫酸塩類」
亜硫酸塩類a:亜硫酸カリウム、工業用
亜硫酸塩類b:重亜硫酸ナトリウム、工業用
亜硫酸塩類c:重亜硫酸カリウム、工業用
亜硫酸塩類d:亜硫酸ナトリウム、工業用
亜硫酸塩類e:亜硫酸カルシウム、試薬1級
亜硫酸塩類f:ピロ硫酸ナトリウム、工業用
亜硫酸塩類g:ピロ硫酸カリウム、工業用
亜硫酸塩類h:ピロ亜硫酸ナトリウム、工業用
亜硫酸塩類i:ピロ亜硫酸カリウム、工業用
亜硫酸塩類j:硫酸カリウム、工業用
亜硫酸塩類k:硫酸ナトリウム、工業用
亜硫酸塩類l:重硫酸ナトリウム、工業用
亜硫酸塩類m:重硫酸カリウム、工業用
亜硫酸塩類n:硫酸リチウム、試薬
セメントの種類をOPC1とし、OPC1を100重量部、川砂200重量部、水25重量部のモルタル配合を使用して、高性能減水剤の配合量を一定にして亜硫酸塩類の配合量を変えて、静置状態でのモルタルフロー及びその経時変化、材齢1日と28日の圧縮強度を測定した。
なお、高性能減水剤と亜硫酸塩類は、OPC1 100重量部に対する重量部とし、セメントにあらかじめ混合しておいて練り混ぜた。その結果を表1に示す。
モルタルフローは、JIS R 5201により練り混ぜた後、JIS R 5201のフローコーンを使用してガラス板の上でフローコーンを抜き上げた時のフローを、練混ぜ直後と静置60分後と90分後に測定した。また、圧縮強度も、JIS R 5201により4×4×16cmの型枠にモルタルを成形して標準養生条件下で養生して測定した。
Figure 2004284951
高性能減水剤と亜硫酸塩類の配合量を一定にして、亜硫酸塩類の種類を変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
Figure 2004284951
亜硫酸塩類の種類と配合量を一定にして高性能減水剤の配合量を変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
Figure 2004284951
表1の実験No.1- 1と実験No.1- 2〜実験No.1-11の比較において、本実施例では高性能減水剤100重量部に対して、亜硫酸塩類が2〜100重量部の範囲でモルタルフローの向上やフローの経時変化量、特に(練り混ぜ直後のフロー値−90分後のフロー値)が改善されることが示され、特に、モルタルフローの経時変化量から5〜70重量部が好ましく、10〜50重量部がより好ましいことが示される。また、実験No.1-39〜実験No.1-43の本発明例において高性能減水剤が多くなるとモルタルフローの経時変化量が減少し、セメント100重量部に対して、0.6重量部以上必要であり、より好ましくは0.8重量部以上、さらに好ましくは1.0重量部であり、モルタルフローの増大効果、経時変化量、初期、長期強度発現性、経済性の総合的観点から、上限は2.0重量部がより好ましい。
表1中の実験No.1- 1と実験No.1- 2〜実験No.1-11の高性能減水剤組成物を用いて、表4のコンクリート配合によりコンクリート試験を実施し、静置状態でのスランプの経時変化とφ10×20cmの供試体による標準養生における材齢1日と28日の圧縮強度を測定した。なお、本発明の高性能減水剤組成物は、OPC1 100重量部に対する重量部である。その結果を表5に示す。
なお、コンクリートの練混ぜは遊星型の容量100リットルの強制練りミキサーを用いて30リットル分のコンクリートを練り混ぜた。
材料の投入順序は、砕石、砂、OPC1(本発明の高性能減水剤組成物はあらかじめ軽くOPC1に混合しておいた)とし、10秒間空練りしてから水を配合して90秒間練り混ぜた。
この時、亜硫酸塩類によりスランプが大きくなる場合は単位水量を減じないで、そのままスランプの経時変化を測定し、圧縮強度もそのままで型詰めして標準養生した1日と28日強度を測定した。
また、使用材料は実施例1と同様とした。但し、砕石は姫川産、比重2.65の砕石を用いた。
Figure 2004284951
Figure 2004284951
表5の試験結果において、本発明のスランプアップおよびスランプの経時変化の傾向は実施例1のモルタルフローと同様の傾向を示し、減水率は実験No.2- 7の場合、実験No.2- 1の比較例と同等のスランプとした場合は約14kg/m3(スランプ1cmに対して、単位水量は1kg/m3の変動である)の単位水量が減少し強度は、7N/mm2の増加となった。
セメントの種類を変え、それぞれのセメント100重量部に対して、高性能減水剤Aを1.2(100)重量部と亜硫酸類bの重亜硫酸ナトリウムを0.3(25)重量部、亜硫酸類kの硫酸ナトリウムを0.2(16.7)重量部、又は、亜硫酸類nの硫酸リチウム0.2(16.7)重量部を配合して、セメントの種類と混和材の種類を変えた場合のコンクリートについて実施例4と同様にコンクリートを練混ぜ、同様にスランプの経時変化と圧縮強度を測定した。コンクリート配合を表6に示す。()内の数値は、高性能減水剤100重量部に対する亜硫酸塩類の(重量部)である。
なお、比較例については高性能減水剤Aのみを配合し、重亜硫酸ナトリウムなどを併用した本発明のコンクリートスランプに合わせるために減水剤量を任意に増量して水セメント比は変えないようにした。試験結果を表7に示す。
Figure 2004284951
Figure 2004284951
表7において、本願実施例の重亜硫酸ナトリウムを併用した系ではセメントの種類や混和材の種類の違いに拘らず、スランプの経時変化を低減し、初期および長期強度を高める。
また、硫酸ナトリウムや硫酸リチウムは重亜硫酸ナトリウムよりも少ない配合量で同様のスランプが得られ、すなわち減水率が大きい。初期長期強度とも高い値が得られるが、スランプの経時変化を低減する効果は小さい。
実施例5の実験No.3- 1〜実験No.3- 3の比較例と、実験No.3- 7〜実験No.3- 9、実験No.3-13〜実験No.3-15、及び実験No.3-19〜実験No.3-12のコンクリートについて、外径20cm×長さ30cm×厚さ5cmの遠心力成形供試体を作製して、その成形性と、前置き6時間、昇温3時間、75℃で4時間保持した後、養生槽内で自然冷却した材齢1日の圧縮強度を測定した。
なお、遠心力成形供試体はコンクリート仕込量を18kg一定とし、低速3Gで3分間、中速8Gで4分間、高速30Gで3分間回転させた。
成形性の評価は、発生したスラッジ量をメスシリンダーで測定すると共に、成形後の遠心力成形供試体内面の締まらない、軟らかいペースト厚さを測定した。その結果を表8に示す。
なお、遠心力成形は、パイル工場等の作業工程の実状に合わせてコンクリートを練混ぜ後15分以内に成形するようにした。このときの硫酸ナトリウムを配合した、スランプロスの大きいOPC3、BFS3のコンクリートスランプは、概ね4〜6cmであった。
Figure 2004284951
表8より、本発明では混和材の配合の有無やその種類に拘らず、遠心力成形性が改善され、脱水量が多くなり、かつ、締まりも向上し、内面に軟らかいペースト層の生成がなくなり、強度の向上することが示される。
そして、硫酸ナトリウムや硫酸リチウムの方が重亜硫酸ナトリウムよりも遠心力成形性に関しては優れた効果を発揮することが示される。
実施例6の表6のOPC3のコンクリート配合において、セメントの種類をOPC3、OPC3−1、OPC3−2、OPC3−3、OPC3−4、及びOPC3−5を使用して、セメント100重量部に対して、高性能減水剤Aを1.2(100)重量部、亜硫酸カリウムを0.3(25)重量部配合して、実施例6と同様にコンクリートを練混ぜてスランプの経時変化量を測定した。
なお、この時、シリカフュームの配合量によるスランプの変動は無視して、スランプは合わせなかった。その結果を表9に示す。
Figure 2004284951
表7の実験No.3- 1と実験No.3- 3の比較で示されるように、シリカフュームを配合した場合は著しくスランプの経時変化量が大きくなるが、表9に示される本発明の実施例では、それが顕著に改善されることが示され、特に、15重量部以下の配合量での改善効果が大きい。

Claims (4)

  1. 高性能減水剤とアルカリ金属の硫酸塩とを配合してなる高性能減水剤組成物からなる遠心力成形助剤。
  2. アルカリ金属の硫酸塩が、高性能減水剤の固形分100重量部に対して、2〜100重量部であることを特徴とする請求項1に記載の遠心力成形助剤。
  3. セメントと、請求項1又は請求項2に記載の遠心力成形助剤とを含有してなるセメント組成物。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の遠心力成形助剤が、セメント100重量部に対して、高性能減水剤を基準として、0.6〜4.0重量部であることを特徴とする請求項3に記載のセメント組成物。
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