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JP2004280388A - 擬似3d画像作製装置及びプロジェクタ装置 - Google Patents

擬似3d画像作製装置及びプロジェクタ装置 Download PDF

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JP2004280388A
JP2004280388A JP2003070096A JP2003070096A JP2004280388A JP 2004280388 A JP2004280388 A JP 2004280388A JP 2003070096 A JP2003070096 A JP 2003070096A JP 2003070096 A JP2003070096 A JP 2003070096A JP 2004280388 A JP2004280388 A JP 2004280388A
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JP2003070096A
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Hideaki Takahashi
秀明 高橋
Kazuya Arakawa
荒川  和也
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】1つの投映画像の任意の領域を指定して3D変換を施して自由形状の投映面に投映する。更に、より自然な画像を投映する。
【解決手段】画像入力手段11から入力した投映画像のうち、3D変換領域指定手段15にて指定した3D変換領域の画像に対し、3D変換画像生成部12cが、投映面獲得手段14からの投映面の形状データと3D変換パラメータ指定手段16からの3D変換パラメータとを参照して、擬似3D変換画像を生成し、投映画像のうち3D変換をしない非3D変換領域の画像と合成して画像出力手段13を介してスクリーン23の投映面に投映する。該3D変換領域と該非3D変換領域との接合部分を含む周辺領域のうち、シェーピング領域指定手段17によりシェーピング領域として指定した領域の画像に対して、シェーピング処理部12eにより更に部分補正を施す。該3D変換領域及び該シェーピング領域は複数個の任意の領域を指定可能である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置に関し、特に、凹凸部、曲面部等の自由形状からなる投映面に画像を投映する際に、投映面に投映する1つの投映画像に対して3D変換を行なう3D変換領域を任意数指定可能とし、3D変換領域の3D変換後の画像と非3D変換領域の画像とを画像合成して投映画像を得る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原画像を加工して投映する従来技術の一つとして、原画像を任意に補正し加工可能とする装置が本出願人により提案されている。該装置によれば、1つの投映画像について、自由形状からなる投映面の形状データを得る投映面獲得手段と、該投映面上に投映する投映画像の歪補正領域を指定する歪補正領域指定手段と、前記投映画像に対して歪補正を施す歪補正手段とを有し、前記歪補正手段が、前記形状データを参照して、前記投映画像のうち前記歪補正領域の画像に対して歪補正を施し、前記投映画像のうち前記歪補正領域指定手段により指定されていない非歪補正領域の画像と画像合成するものであり、もって、如何なる形状からなる投映面であっても、投映面の形状に応じて指定された任意の画像領域の画像に対して歪補正を行なうことができる。更には、同時に複数の画像領域を歪補正領域として指定することが可能とされているし、また、歪補正を行なう画像領域と行なわない画像領域との接合部分に対してシェーピング処理を行なうことにより、両者の領域の画像を合成しても自然さを保った滑らかな画像を得ることも可能とされている。
【0003】
また、擬似的な立体画像を投映することができる従来の技術として、特許文献1に示す実開平7−41547号公報「立体画像投影装置」や、特許文献2に示す特開平9−311381号公報「ドーム型環境模擬方法及び装置」なども提案されている。
ここで、特許文献1においては、光源を具備し、画像を拡大投影することができるプロジェクタによりスクリーンに画像を投影する投影装置として、スクリーンの形状として投影する画像の内容に対応した曲面を予め付加することにより、スクリーン曲面の形状によって投影した画像に適した立体的な画像を表示させるという技術が提案されている。
【0004】
一方、特許文献2においては、撮像機により環境画像を予め作成して、模擬環境体験者の視点を表側が例えば凹である曲面形状のドーム型スクリーンの表側に対向させ、そのドーム型スクリーンの裏側から、前記撮像機により作成された前記環境画像をリア・プロジェクタによって投映することにより、模擬環境体験者にドーム型スクリーンの曲面に応じた立体的な環境画像を観察させようという技術が提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1においては、投映する画像に対応してそれぞれ特定の曲面スクリーンを用意するものであり、また、特許文献2においても、ドーム型スクリーンという固定した曲面形状(球面形状又は非球面形状)の投映面を用意するものであり、いずれも、画像が投映されるスクリーンの投映面の形状が任意の形状に変化した場合の対応などについては全く考慮されていない。よって、投映面の形状が変化した場合には、投映画像そのものを、投映面の形状変化に応じて、創作し直さなければならない。
【0006】
【特許文献1】
実開平7−41547号公報
【特許文献2】
特開平9−311381号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人により提案した原画像を任意に補正し加工可能とする従来技術においては、1つの投映画像について、スクリーンの投映面の形状に応じて指定された任意の画像領域の画像に対して歪補正を行なうことができる。しかしながら、投映面獲得手段から得られるスクリーンの投映面の形状に基づいて、投映画像の歪補正を施すことに限られているため、スクリーンの投映面の形状如何によらず、投映画像を任意の画像に加工して投映することはできない。つまりは、1つの投映画像を操作して、擬似的な立体画像(即ち、3D画像)を形成するように、投映画像の任意の画像領域に対して3D変換を施して、形成された擬似的な3D画像を投映することは困難である。
【0008】
また、特許文献1や特許文献2に記載されているような、擬似的に立体化した画像を得るために、投映面の形状が特定されている曲面スクリーンを予め用意しなければならないような技術にあっては、前述したごとく、投映面の形状が任意の形状に変化してしまった場合の対応ができず、投映面の形状変化に応じて、投映画像そのものを創作し直さなければならなくなるという課題がある。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、自由形状からなる投映面上に投映する投映画像として、1つの画像のみを用意し、用意した1つの投映画像に対して、任意の画像領域を指定して3D変換を行なうことにより、擬似3D画像を生成することができ、また、同時に、複数の任意の画像領域を指定して3D変換を行なうことにより、複数の擬似3D画像を生成することも可能にせんとするものである。更に、投映画像に対して施すべき3D変換方法を選択する3D変換パラメータのみならず、スクリーンの投映面の形状を示す形状データをも参照して、3D変換を行なうことにより、如何なる形状の投映面であっても、簡単に任意の擬似3D画像を生成することを可能にせんとするものである。更に、3D変換を行なう画像領域と行なわない画像領域との接合部分についても、3D変換後の画像側に引っ張られるような部分補正を3D変換されていない周辺画像に対して施すというシェーピング処理を更に行なうことにより、両方の画像領域を合成した投映画像として、より自然な画像が得られるようにせんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る技術手段は、自由形状からなる投映面の形状データを得る投映面獲得手段と、該投映面上に投映する投映画像の3D変換領域を指定する3D変換領域指定手段と、前記投映画像に対して施す3D変換方法を選択するための3D変換パラメータを指定する3D変換パラメータ指定手段と、前記投映画像に対して3D変換を施す3D変換手段とを有し、前記3D変換手段が、前記形状データと前記3D変換パラメータとを参照して、前記投映画像のうち前記3D変換領域の画像に対して3D変換を施し、前記投映画像のうち前記3D変換領域指定手段により指定されていない非3D変換領域の画像と画像合成する擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る技術手段は、自由形状からなる投映面の形状データを得る投映面獲得手段と、該投映面上に投映する投映画像の3D変換領域を指定する3D変換領域指定手段と、前記投映画像に対して施す3D変換方法を選択するための3D変換パラメータを指定する3D変換パラメータ指定手段と、前記投映画像に対して3D変換を施す3D変換手段と、前記3D変換領域指定手段により指定された前記3D変換領域と指定されていない非3D変換領域との接合部分を含む周辺領域をシェーピング領域として指定するシェーピング領域指定手段と、前記シェーピング領域指定手段により指定された前記シェーピング領域の画像に対して部分補正するシェーピング手段とを有し、前記3D変換手段が、前記形状データと前記3D変換パラメータとを参照して、前記投映画像のうち前記3D変換領域の画像に対して3D変換を施し、前記投映画像のうち前記非3D変換領域の画像と画像合成すると共に、前記シェーピング領域の画像に対して前記シェーピング手段により部分補正を行なう擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る技術手段は、前記シェーピング手段が行なう前記部分補正が、前記3D変換手段により施される3D変換内容を参照して、前記シェーピング領域の画像のうち、前記非3D変換領域の画像が前記3D変換領域において3D変換された画像側に引っ張られるように収縮又は膨張するような補正を施すものである擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る技術手段は、前記シェーピング領域指定手段により指定される前記シェーピング領域が、前記3D変換領域と前記非3D変換領域との前記接合部分に、前記3D変換領域における3D変換後の画像と前記非3D変換領域の画像との両者の画像が互いに重なる部分及び/又は該両者の画像とも欠落する部分及び/又は前記投映面の歪により生じる画像の歪に対する歪補正漏れの部分を少なくとも1箇所含んでいる前記周辺領域である擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る技術手段は、前記シェーピング領域指定手段により指定される前記シェーピング領域として、前記投映画像に複数個の任意の領域を含ませることができる擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係る技術手段は、前記シェーピング領域指定手段により指定される前記シェーピング領域が、前記部分補正すべき領域データを予め格納しているシェーピング領域データファイルを入力するか、又は、前記3D変換領域と前記3D変換手段により施される3D変換内容とからシェーピング領域を自動的に判別するか、又は、使用者自身がシェーピング領域を指定するかのうち、いずれか1乃至複数を用いることにより、前記シェーピング領域を指定すると共に、該シェーピング領域に対応して施すべき前記部分補正の方法を示すシェーピング指示情報を指定する擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係る技術手段は、前記3D変換領域指定手段により指定される前記3D変換領域として、前記投映画像に複数個の任意の領域を含ませることができる擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係る技術手段は、前記3D変換領域指定手段が、前記3D変換すべき領域データを予め格納している3D変換領域データファイルから入力するか、又は、前記3D変換パラメータ指定手段により得られた前記3D変換パラメータから自動的に3D変換領域を判別するか、又は、使用者自身が3D変換領域を指定するかのうち、いずれか1乃至複数を用いることにより、前記3D変換領域を指定する擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係る技術手段は、前記3D変換パラメータ指定手段が、前記3D変換すべき3D変換方法を示すパラメータデータを予め格納している3D変換パラメータデータファイルから入力するか、又は、使用者自身が3D変換パラメータを指定するかのうち、いずれか1乃至複数を用いることにより、前記3D変換パラメータを指定する擬似3D画像作製装置とすることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明に係る技術手段は、本発明に係る前記各技術手段のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置を備え、画像投映中の如何によらず、投映面上に投映する投映画像の3D変換を行ない、更には、場合によっては、前記シェーピング手段により投映画像の部分補正を行なった画像を投映することができるプロジェクタ装置とすることを特徴とするものである。
【0020】
而して、自由形状(平面形状も含む)からなる投映面に対して投映画像を投映する場合、投映面に投映する投映画像の3D変換機能として、3D変換を施す画像領域と3D変換を施さない画像領域とを指定することができ、1つの投映画像を用いて3D変換した画像としない画像とを合成した合成画像を投映することができる。また、3D変換を施す領域(逆に言えば、3D変換を施さない領域)を1つ以上の任意の個数指定することができる。もって、1つの投映画像から該投映画像に忠実な画像部分と投映面の形状如何によらず擬似3D化した画像部分とを得て、両者の画像部分を合成して投映することができ、1つの投映画像さえ用意すれば演出効果に富む画像を獲得することができる。
【0021】
更には、3D変換領域と非3D変換領域との接合部分を含む周辺領域に対して、3D変換後の画像側に非3D変換領域の画像を引っ張られるように部分的に補正するシェーピング処理を行なうことにより、3D変換画像と非3D変換領域の画像とが滑らかに接合され、両者の画像の接合部分に、画像の重複が生じたり画像の欠落が生じたり歪補正が漏れたりして合成後の画像が不自然になるような事態を防止することができる。
【0022】
更には、3D変換領域指定手段により指定される3D変換領域と該3D変換領域における画像の3D変換内容を適切に選択して指定することにより、自由形状からなる投映面の形状如何によらず、所望する3D変換を行なうことができる。例えば、波打って見えるような3D効果を得たい場合であれば、3D変換パラメータを動的に変化させて与えることにより、時間的に即ち動的に変化するような3D変換を行なうことが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置の実施形態について、以下に図面を参照しながら説明する。
ここでは、擬似3D画像作製装置とプロジェクタ装置とを組み合わせた場合の実施形態について説明することとするが、当該擬似3D画像作製装置をプロジェクタ装置内に内蔵する形態とすることも当然可能である。
【0024】
図1は、本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
図1においては、擬似3D画像作製装置10とプロジェクタ装置20とが分離されて構成されている。擬似3D画像作製装置10は、投映面上に投映する投映画像を入力する画像入力手段11と、自由形状からなるスクリーン23の投映面の形状を示す形状データを得る投映面獲得手段14と、投映面上に投映する投映画像の3D変換領域を指定する3D変換領域指定手段15と、投映画像に対して施す3D変換方法を選択する3D変換パラメータを指定する3D変換パラメータ指定手段16と、投映面獲得手段14により得られた前記形状データと3D変換パラメータ指定手段16により得られた前記3D変換パラメータと3D変換領域指定手段15により指定された前記3D変換領域とを参照して、自由形状からなる投映面を有するスクリーン23に対して投映する投映画像の3D変換を行なう3D変換手段12と、3D変換手段12から出力される画像をプロジェクタ装置20に出力する画像出力手段13とを備えている。
【0025】
また、プロジェクタ装置20は、擬似3D画像作製装置10から入力されてくる画像から投映面に投映すべき画像を生成する投映部21と、投映部21により生成された画像をスクリーン23の投映面に投映する投映レンズ22と、平面部や凹凸部や曲面部などの自由形状(平面形状も含む)からなる投映面を有するスクリーン23とを備えている。
【0026】
擬似3D画像作製装置10における各回路ブロックは次のような処理を司っている。画像入力手段11は、フラッシュメモリ等に蓄積されている画像ファイルやパソコン等からの画像データに関する入力信号により、投映面上に投映する投映画像を入力する手段を提供しており、3D変換手段12に該投映画像を送出する。即ち、画像入力手段11は、外部機器からのみならず、当該擬似3D画像作製装置10内に保存している画像を投映画像として入力する手段を提供している。
【0027】
また、3D変換パラメータ指定手段16は、3D変換手段12において、画像入力手段11から入力されてきた投映画像に対して施すべき3D変換方法を選択する3D変換パラメータを指定するものであり、プロジェクタ装置20のスクリーン23上の投映面に映し出されて、視聴者が実際に鑑賞することになる擬似3D画像を生成するために、所望の3D効果を入力投映画像に対して付与する手段を提供している。ここで、3D変換パラメータ指定手段16は、投映面獲得手段14から得られる投映面の形状データを参照して、投映面の形状如何によらず、投映画像に立体感がある3D効果を付与したり、投映画像に擬似的な動きを伴う動的な3D効果を付与したりするための3D変換を施すことを指示する3D変換パラメータを、3D変換領域指定手段15により指定された投映画像の各3D変換領域毎にそれぞれ指定することも可能である。
【0028】
なお、3D変換パラメータ指定手段16が指定する3D変換パラメータは、投映画像について施すべき3D変換方法を指定するパラメータデータを予め格納している3D変換パラメータデータファイルから入力するか、又は、使用者自身が3D変換方法を指定するかのうち、いずれか1乃至複数の手段を用いることにより設定される。また、3D変換パラメータは、画像入力手段11から入力される投映画像全域を対象として設定することとしても良いし、3D変換領域指定手段15により指定される3D変換領域のみを対象として設定しても良いし、3D変換領域指定手段15により指定される3D変換領域が複数存在している場合は、各3D変換領域に対応してそれぞれ別個に設定しても良い。
【0029】
また、投映面獲得手段14は、投映画像を投映するスクリーン23の投映面の形状を示す形状データ(投映面の大きさも含む)を獲得するために、例えば、
・投映面の形状を示す形状データを予め格納している形状データファイルを入力
・CCDカメラなどにより撮像して得られた投映面の形状データを入力
・使用者自身がユーザインターフェースを介して投映面の形状データを直接入力等のいずれか1乃至複数の手段を用いることにより、スクリーン23の投映面の大きさやどのような形状をしているかを示す投映面の形状データを入手する手段を提供しており、入手された形状データを3D変換手段12に送出する。
【0030】
3D変換領域指定手段15は、投映画像に対して3D変換を施す3D変換領域を指定するために、例えば、
・3D変換すべき画像領域を示す領域データを予め格納している3D変換領域データファイルを入力
・3D変換パラメータ指定手段により得られた3D変換パラメータから自動的に3D変換領域を判別
・使用者自身がユーザインターフェースを介して3D変換領域を直接指定
等のいずれか1乃至複数の手段を用いることにより、3D変換領域を任意数指定し(即ち、1乃至複数の3D変換領域を指定し)、指定した3D変換領域を3D変換手段12に送出する。ここで、3D変換領域指定手段15が指定する3D変換領域は投映画像中の複数領域を指定することが可能である。
【0031】
また、3D変換領域指定手段15は、投映画像のうち、3D変換を施すべき画像領域即ち3D変換領域そのものではなく、逆に、3D変換を施さない画像領域即ち非3D変換領域を指定するようにしても良い。また、3D変換量算出部12bにより算出される3D変換量は、3D変換領域指定手段から得られる3D変換領域と3D変換パラメータ指定手段16からの3D変換パラメータ情報とに応じて、更には、投映面獲得手段14から得られる形状データをも参照して、各3D変換領域毎に適応的に求められる。
【0032】
3D変換手段12は、まず、3D変換領域抽出部12aにより、画像入力手段11から入力されてきた投映画像即ち原画像の中から3D変換領域指定手段15により指定された各3D変換領域を取り出し、投映面獲得手段14により得られた投映面の形状データと3D変換パラメータ指定手段16から得られた3D変換パラメータを参照して、取り出された各3D変換領域の原画像に対して3D変換を施す際の各3D変換量を3D変換量算出部12bにより算出し、算出された各3D変換量に基づいて、3D変換画像生成部12cによりそれぞれ3D変換を施して3D変換画像を生成した後、画像合成部12dにより、各3D変換画像と3D変換を施していない非3D変換画像(原画像)とを画像合成し、画像出力手段13に出力する。
【0033】
換言すると、3D変換領域指定手段15により複数の領域が3D変換領域として指定された場合においても、各3D変換領域について3D変換パラメータ指定手段16から得られる3D変換パラメータに応じて逐一それぞれの3D変換領域に適合する3D変換を行ない、3D変換された各画像が3D変換されていない領域にある原画像と合成されて画像出力手段13に出力される。
【0034】
更に、3D変換量算出部12bにより算出される3D変換量は、投映面獲得手段14により得られた投映面の形状データを参照し、3D変換パラメータ指定手段16から得られる3D変換パラメータに応じて算出されるものであり、3D変換パラメータ指定手段16による3D変換パラメータ(例えば、データファイルからの指定あるいは使用者からの指示による3D変換パラメータ)に基づいて、如何なる形状の投映面であっても、例えば、投映された画像に立体感を付与したい場合であれば、所望のシェーディング量を3D変換量として算出したり、あるいは、波打って見えるようにしたい場合であれば、3D変換パラメータ指定手段16によって時間的に変化する3D変換パラメータを指定して、時間的に変化する3D変換量を算出して、時間的に即ち動的に変化するような画像を生成することも可能である。
【0035】
また、画像出力手段13は、3D変換手段12から入力されてきた合成画像(即ち、各3D変換画像と非3D変換画像とが画像合成された画像)を伝送可能な信号形式に変換した後、例えば、光ケーブルや同軸ケーブルなどに接続されている画像出力端子を介してプロジェクタ装置20側に送信する。
【0036】
プロジェクタ装置20では、受信した画像を投映部21により投映画像に変換して投映レンズ22を介して、自由形状からなる投映面を有するスクリーン23上に投映する。
【0037】
而して、図1に示す第1の実施形態によれば、スクリーン23の投映面の形状データを獲得する投映面獲得手段14と1乃至複数の3D変換領域を任意の時点で指定することができる3D変換領域指定手段15と、如何なる3D変換を行なうか指定する3D変換パラメータ指定手段16とを備えることにより、画像の投映前のみならず、たとえ、画像投映中であっても、1つの投映画像から1乃至複数の任意の3D変換領域を指定して3D変換を施すことを可能としており、演出効果に富む画像を得ることができる。
【0038】
図2は、本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置の第2の実施形態を示すブロック構成図である。
本実施形態においては、図1に示す第1の実施形態に対して、擬似3D画像作製装置10′がシェーピング領域指定手段17を更に追加して備えていると共に3D変換手段12′がシェーピング処理部12eを更に追加した形態として構成されている。シェーピング領域指定手段17は、3D変換領域指定手段15により指定された3D変換領域と指定されていない非3D変換領域との接合部分を含む周辺領域をシェーピング領域として指定する手段である。更には、シェーピング領域指定手段17は、かかる周辺領域のうち、前記3D変換領域と前記非3D変換領域との前記接合部分に、前記3D変換領域における3D変換後の画像と前記非3D変換領域の画像との両者の画像が互いに重なる部分及び/又は該両者の画像とも欠落する部分及び/又は投映面の歪により生じる画像の歪に対する歪補正漏れの部分を少なくとも1箇所含んでいる前記周辺領域をシェーピング領域として選択して指定することにしても良い。一方、シェーピング処理部12eは、シェーピング領域指定手段17により指定されたシェーピング領域の画像に対して部分補正を施す手段であり、合成された投映画像の不自然さを除去するための手段を提供するものである。
【0039】
換言すると、シェーピング領域指定手段17とシェーピング処理部12eとは、3D変換領域指定手段15により指定された3D変換領域に対して3D変換手段12の3D変換画像生成部12cを用いて3D変換画像を生成した後、3D変換手段12の画像合成部12dにおいて合成された合成画像について、前記3D変換領域と前記非3D変換領域との接合部分に、画像が重なる部分及び/又は画像が欠落して画像が無い部分及び/又は歪補正漏れ部分が生じてしまうような問題が発生した場合を解決するために、前記シェーピング領域内の画像領域のうち、前記非3D変換領域の画像を3D変換画像側に引っ張り込むように収縮又は膨張するような部分補正処理(即ちシェーピング処理)を行なう手段を提供している。
【0040】
シェーピング領域指定手段17は、合成画像に対してシェーピング処理を施すシェーピング領域を指定するために、例えば、
・シェーピング処理(即ち部分補正)すべき領域データを予め格納しているシェーピング領域データファイルを入力
・3D変換領域と3D変換が施される3D変換内容とからシェーピング領域を自動的に判別
・使用者自身がユーザインターフェースを介してシェーピング領域を指定
等のいずれか1乃至複数の手段を用いることにより、シェーピング領域を指定し、指定したシェーピング領域を3D変換手段12に送出する。また、3D変換領域指定手段15が指定する3D変換領域の場合と同様に、シェーピング領域指定手段17は、シェーピング領域を複数領域指定することも可能である。
【0041】
更には、シェーピング領域指定手段17は、各シェーピング領域に対応して施すべき部分補正処理の方法を示すシェーピング指示情報を指定することも可能であり、シェーピング処理部12eにより施される部分補正処理(即ちシェーピング処理)は、シェーピング領域指定手段17からの各シェーピング領域毎のシェーピング指示情報に応じて、3D変換画像生成部12cにより生成された3D変換後の画像を参照しながら実行される。
【0042】
即ち、3D変換手段12のシェーピング処理部12eは、シェーピング領域指定手段17により指定された各シェーピング領域の画像に対して、指定されている各シェーピング領域毎のシェーピング指示情報に応じて、3D変換量算出部12bにより算出された3D変換量即ち3D変換内容を参照して、3D変換前の画像が3D変換された画像側に引っ張られるように収縮又は膨張するように部分補正する。
【0043】
以上のように、3D変換領域指定手段15により指定された3D変換領域に対して3D変換手段12の3D変換画像生成部12cにより3D変換画像を生成し、また、シェーピング領域指定手段17により指定されたシェーピング領域に対して3D変換手段12のシェーピング処理部12eにより部分補正即ちシェーピング処理を施して、シェーピング処理された合成画像を画像出力手段13に送る。他の各ブロック部分については、図1に示す各ブロックについて前述したものと全く同様である。
【0044】
而して、図2に示す第2の実施形態によれば、図1に示す第1の実施形態の場合と同様に、画像の投映前のみならず、たとえ、画像投映中であっても、1つの投映画像から1乃至複数の任意の3D変換領域を指定して3D変換を施すことを可能としている上に、更に、シェーピング処理を施すことにより、3D変換した画像と3D変換していない画像との接合部分の不自然さを解消して、より演出効果に富む投映画像を得ることができる。
【0045】
図1及び図2に示す擬似3D画像作製装置10,10′及びプロジェクタ装置20に関する動作について、図3乃至図8の模式図を用いて更に具体的に説明する。
図3は、自由形状からなる投映面を有するスクリーン23の投映面の一例を示す模式図である。図3に示す模式図において、31は、スクリーン23上の投映可能な全体領域である矩形形状からなる投映面を示し、32は、投映面31の左下領域に形成されている凹面状の歪部を示している。
また、図4は、図3に示すような凹面状の歪部32を有する投映面31に投映する投映画像に対して3D変換を行なう各手段の動作を模式的に示す模式図である。
【0046】
まず、図1に示す画像入力手段11を用いて、図3に示すような形状の投映面31に投映したい投映画像即ち原画像41を入手し3D変換手段12に送出する。また、図1に示す投映面獲得手段14を用いて、スクリーン23の投映面31の形状データ(投映面31の左下領域にある凹面状の歪部32に関する形状や大きさを示すデータ)を獲得して、3D変換手段12に送出する。また、図1に示す3D変換パラメータ指定手段16により、投映画像を図3に示すような投映面31に投映した時に表示すべき擬似3D画像を生成するための3D変換パラメータを獲得して、3D変換手段12に送出する。
【0047】
図4には、3D変換領域指定手段15の3D変換領域の指定如何に関わらず、原画像41の全域に対して3D変換を行なうべき領域を設定すると共に、付与したい3D効果の画像を生成すべきそれぞれの領域に対して、3D変換の変換方法を指定する3D変換パラメータを指定している例を示しており、投映面31の左下の歪部32と同じ位置に相当する投映画像の左下の画像領域に対して付与すべき3D変換方法を指定する3D変換パラメータ16′と、投映画像の右上の画像領域に対して施すべき3D変換方法を指定する3D変換パラメータ16″と、の2つが指定されている場合を例示している。
【0048】
更に、図1に示す3D変換領域指定手段15により、投映画像のうち3D変換を施すべき画像領域を3D変換領域42aとして指定して、3D変換手段12に送出する。なお、3D変換領域指定手段15は、任意の領域及び数を3D変換領域として指定することが可能である。
【0049】
次に、3D変換手段12は、図1に示す3D変換領域抽出部12aにより、3D変換領域指定手段15により3D変換領域42aとして指定された3D変換領域画像42を、原画像41の中から取り出す。更に、3D変換手段12は、3D変換量算出部12bにより、スクリーン23の投映面31の形状データと3D変換パラメータ指定手段16より獲得した3D変換パラメータとを参照して、3D変換領域画像42の各部に対して3D変換を施すべき3D変換量(即ち、投映面31上の凹面状の歪部32の窪んでいる部分の形状を考慮し、3D変換パラメータ指定手段16によって指定されている3D変換パラメータが指定しているような形状の画像が生成されるような変換量)を算出する。
【0050】
更に、3D変換手段12は、図1に示す3D変換画像生成部12cにより、3D変換量算出部12bにより算出された3D変換量を用いて、3D変換領域画像42に対して3D変換を施して、3D変換画像42′を生成する。
【0051】
然る後に、3D変換手段12は、図1に示す画像合成部12dにより、3D変換領域指定手段15により3D変換領域42aとして指定されていない残りの非3D変換領域にある非3D変換画像43と3D変換画像生成部12cにより生成された3D変換画像42′とを合成して、原画像41に対応する合成画像41′を生成して、図1に示す画像出力手段13を介してプロジェクタ装置20に送信して、スクリーン23の投映面31上に投映する。スクリーン23の投映面31上の投映画像は、3D変換手段12における3D変換処理により、たとえ、スクリーン23の投映面31に凹面状の歪部32が存在していたとしても、指定3D変換領域指定手段15によって指定されている3D変換領域42aの原画像41の画像領域には、3D変換パラメータ指定手段16により3D変換パラメータ16′として指定されている形状からなる擬似3D画像が忠実に投映された状態とされる。
【0052】
しかしながら、3D変換手段12の画像合成部12dにより合成された合成画像41′を詳細に確認すると、3D変換領域指定手段15により指定された3D変換領域42aと指定されていない非3D変換領域との接合部分においては、両者の領域の画像が互いに重複した重複部が存在したり、投映面31の歪部32によって生じる投映画像の歪補正が漏れてしまったり、あるいは、両者の領域の画像が共に欠落した間隙部が存在したりしている。即ち、3D変換手段12によって作成された合成画像41′は、図5に示すように、非3D変換領域画像43と3D変換画像42′との接合部分に、歪補正が漏れる歪補正漏れ部51や両者の画像が共に欠落した間隙部52が存在し、場合によっては、合成画像としての自然さを喪失してしまう場合もある。ここに、図5は、3D変換が施された後の合成画像41′の状態及び投映面の状態の一例を示す模式図である。
【0053】
かかる問題を解決するために、前述した図2に示すごとく、シェーピング領域指定手段17とシェーピング処理部12eとを更に付加して備えることにより、前記接合部分を含む周辺領域に対してシェーピング処理を行なう。
【0054】
次に、シェーピング処理の具体例について更に説明する。図6は、3D変換領域と非3D変換領域との接合部分を含むシェーピング領域の状態及び投映面の状態の一例を示す模式図である。図6に示すように、シェーピング領域としては、図2に示すシェーピング領域指定手段17により、3D変換領域42a及び図3に示す投映面31上の凹面状の歪部32に該当する領域よりも少し広く見積られる周辺領域が確保される。言い換えると、図6に示すように、合成画像41′において非3D変換画像43と3D変換画像42′との接合部分に存在している歪補正漏れ部51や間隙部52を含む領域画像がシェーピング領域画像61として確保される。なお、図7に示すごとく、該シェーピング領域画像61が存在するシェーピング領域内の3D変換前の画像(即ち、シェーピング領域内の原画像41であるシェーピング領域原画像)を予め保存しておく。ここに、図7は、3D変換及びシェーピング処理が施される前のシェーピング領域原画像の状態及び投映面の状態を正方格子パターンとして示している模式図である。
【0055】
シェーピング領域画像61のうち、投映面31の凹面状の歪部32に対応する3D変換領域画像42に対する3D変換は、前述のごとく、3D変換手段12の3D変換画像生成部12cにより施されるが、3D変換がなされた後の周辺の画像については、3D変換手段12のシェーピング処理部12eにより、図7のように保存されている正方格子パターンのシェーピング領域画像61を基にして、図8に示すシェーピング領域画像61′のように、3D変換されていない周辺の画像が、3D変換がなされた3D変換画像42′に引っ張られるような格子パターンとなるように収縮及び/又は膨張させた部分補正(シェーピング処理)が施される。ここに、図8は、シェーピング領域に指定されたシェーピング領域画像61に対して、シェーピング処理が施された後の状態を示す模式図である。而して、たとえ、投映面31に歪部32を有している場合であっても、3D変換パラメータ指定手段16により指定された3D変換パラメータにより特定される形状に忠実な擬似3D画像を3D変換手段12により生成して投映することが可能であると共に、3D変換を行なわない周辺画像に対してもシェーピング処理という部分補正を施すことにより、3D変換画像と非3D変換画像との接合部分についても滑らかにきちんと表示させることが可能となり、接合部分の不自然さを解消することができる。
【0056】
なお、本発明に係る擬似3D画像作製装置10,10′及びプロジェクタ装置20においては、前述のごとく、3D変換を行なう3D変換領域及び/又は3D変換を行なわない非3D変換領域についても、更には、シェーピング処理を行なうシェーピング領域についても、複数個指定することが可能である。
【0057】
以上に説明したように、本発明に係る擬似3D画像作製装置10,10′及びプロジェクタ装置20においては、1つの画像入力手段11を用いて得た1つの投映画像に対して、又は、該投映画像のうち1つ以上の任意の画像領域に対して、自由に3D変換加工を施すことができる。このことをもってして、例えば、海面の画像を投映する際に、波の部分を3D画像化して動的に波打つ状態に変換して投映したい場合に、投映面獲得手段14と3D変換領域指定手段15と3D変換パラメータ指定手段16とシェーピング領域指定手段17とからの各情報に基づいて、如何なる自由形状からなる投映面であっても、3D変換手段12によって、原画像と3D変換画像とシェーピング変換画像とを合成画像として生成して、画像出力手段13からプロジェクタ装置20に送信することにより、スクリーン23の投映面に投映される海面画像の波部分については、動的に変化する3D画像のように、擬似的に波打つ状態にして見せることができる。
【0058】
次に、本発明に係る擬似3D画像作製装置10,10′及びプロジェクタ装置20を適用した一例として、簡単なマリーンジェットによるレースゲーム機の表示画面の一例について説明する。図9は、本発明に係る擬似3D画像作製装置10,10′及びプロジェクタ装置20を適用したマリーンジェットレースゲームの一画面を示す模式図である。
【0059】
図9において、91は本マリーンジェットレースゲームをするゲーム者が操るマリーンジェットであり、92は本マリーンジェット91が目指すゴールであり、93はマリーン(海)の波である。また、94はゲームスタートからの経過時間を示し、95はゲーム者が操るマリーンジェット91の現在の順位を示し、96は本マリーンジェットレースゲームにおけるスコアを示している。
【0060】
図9に示す画面において、マリーン(海)の波93の表示部分に対して、3D変換パラメータ指定手段16と3D変換領域指定手段15とにより複数の領域を指定して3D変換手段12により波打つような3D変換をそれぞれに施すことにより、マリーン(海)の波93の表示部分が動的に波打って見えるように画面表示される。また、マリーンジェット91及びゴール92についても、3D変換パラメータ指定手段16と3D変換領域指定手段15とによって領域を指定して、3D変換手段12を用いてそれぞれを3D化し、3D化した立体的なマリーンジェット91とゴール92とを投映することにより、更に迫力のある画面表示が期待できる。
【0061】
また、3D変換パラメータ指定手段16により、3D変換パラメータによる3D変換の指定がなされている画像領域であったとしても、それぞれの画像領域に対して3D変換を行なうか否かの選択を、3D変換領域指定手段15によって行なうことができる。よって、例えば、マリーンジェット91については3D化したくない状況が発生した場合であれば、3D変換領域指定手段15により、マリーンジェット91の画像部分を3D変換領域として選択しないようにすれば良い。
【0062】
一方、経過時間94、現在の順位95及びスコア96などのように、特に3D化する効果がない画像であれば、3D変換パラメータ指定手段16により、3D変換パラメータを何も指定しなければよい。また、前述の通り、3D変換パラメータ指定手段16により、何かしらの3D変換パラメータを与えていたとしても、3D変換領域指定手段15で3D変換を行なう領域に指定しない非3D変換領域とすることにより、3D変換をかけないで画像入力手段11で得られた投映画像をそのまま画面表示することが可能である。また、前述したように、シェーピング領域指定手段17により複数個の任意の領域をシェーピング領域として指定することにより、それぞれの領域の画像について3D変換手段12のシェーピング処理部12eを用いてシェーピング処理を施すことができるので、3D変換画像の周辺画像についても、自然さを保った滑らかな画像にすることが可能である。
【0063】
なお、図1及び図2に示す擬似3D画像作製装置10,10′及びプロジェクタ装置20のブロック構成については、1つの実施例を示しただけであり、本発明はかかる構成のみに限るものではない。例えば、前述したように、プロジェクタ装置に擬似3D画像作製装置を内蔵して構成するようにしても構わないし、あるいは、プロジェクタ装置に一旦入力された投映画像を擬似3D画像作製装置側に取り出して3D変換やシェーピング処理を施して合成した画像を再度プロジェクタ装置に送り返すことにより3D変換やシェーピング処理後の合成画像を投映面に投映するようにしても構わない。あるいは、3D変換手段12と投映面獲得手段14及び/又は3D変換領域指定手段15及び/又は3D変換パラメータ指定手段16及び/又はシェーピング領域指定手段17とが異なる別の装置から構成されていて相互を接続するようにしても構わない。
【0064】
また、図3乃至図9を用いて説明した3D変換及びシェーピング処理の具体的な実施例は、一例を示したに過ぎず、本発明はかかる場合のみに限るものではなく、例えば、3D変換パラメータ指定手段16を3D変換手段12の3D変換量算出部12bに含ませて構成しても良いし、あるいは、3Dパラメータ指定手段16により指定される3D変換パラメータとして原画像に対して施すべき変位量・変位の方向などを指定することとしても構わない。
【0065】
更には、投映面獲得手段14は、投映面の形状データが予め格納された形状データファイルから投映面の形状データを取得する場合のみに限るものではなく、前述のように、CCDカメラなどによってリアルタイムに撮像した形状あるいは使用者自身がリアルタイムに指定した形状を投映面の形状として利用することも可能である。また、シェーピング領域指定手段17についても、3D変換領域指定手段15により指定された3D変換領域を含む周辺領域を自動的にシェーピング領域として指定するだけでなく、シェーピング領域を指定する情報を予め格納しているシェーピング領域データファイルにより指定したり、あるいは、使用者自身がリアルタイムに指定することも可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置によれば、自由形状(平面形状も含む)からなる投映面上に投映する投映画像として、画像入力手段を用いて用意した1つの投映画像について、指定された任意の画像領域の画像に対して3D変換を行なうことができ、また、同時に複数の画像領域を3D変換を行なう領域として指定することも可能である。また、3D変換を行なう画像領域と行なわない画像領域との接合部分に対してシェーピング処理を行なうことにより、両者の領域の画像を合成しても自然さを保った滑らかな画像が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置の第2の実施形態を示すブロック構成図である。
【図3】自由形状からなる投映面を有するスクリーンの投映面の一例を示す模式図である。
【図4】図3に示すような凹面状の歪部を有する投映面に投映する投映画像に対して3D変換を行なう各手段の動作を模式的に示す模式図である。
【図5】3D変換が施された後の合成画像の状態及び投映面の状態の一例を示す模式図である。
【図6】3D変換領域と非3D変換領域との接合部分を含むシェーピング領域の状態及び投映面の状態の一例を示す模式図である。
【図7】3D変換及びシェーピング処理が施される前のシェーピング領域原画像の状態及び投映面の状態を正方格子パターンとして示している模式図である。
【図8】シェーピング領域に指定されたシェーピング領域画像に対して、シェーピング処理が施された後の状態を示す模式図である。
【図9】本発明に係る擬似3D画像作製装置及びプロジェクタ装置を適用したマリーンジェットレースゲームの一画面を示す模式図である。
【符号の説明】
10,10′…擬似3D画像作製装置、11…画像入力手段、12,12′…3D変換手段、12a…3D変換領域抽出部、12b…3D変換量算出部、12c…3D変換画像生成部、12d…画像合成部、12e…シェーピング処理部、13…画像出力手段、14…投映面獲得手段、15…3D変換領域指定手段、16…3D変換パラメータ指定手段、16′,16″…3D変換パラメータ、17…シェーピング領域指定手段、20…プロジェクタ装置、21…投映部、22…投映レンズ、23…スクリーン、31…投映面、32…歪部、41…原画像、41′…合成画像、42…3D変換領域画像、42′…3D変換画像、42a…3D変換領域、43…非3D変換画像、51…歪補正漏れ部、52…間隙部、61,61′…シェーピング領域画像、91…マリーンジェット、92…ゴール、93…マリーン(海)の波、94…経過時間、95…現在の順位、96…スコア。

Claims (10)

  1. 自由形状からなる投映面の形状データを得る投映面獲得手段と、該投映面上に投映する投映画像の3D変換領域を指定する3D変換領域指定手段と、前記投映画像に対して施す3D変換方法を選択するための3D変換パラメータを指定する3D変換パラメータ指定手段と、前記投映画像に対して3D変換を施す3D変換手段とを有し、前記3D変換手段が、前記形状データと前記3D変換パラメータとを参照して、前記投映画像のうち前記3D変換領域の画像に対して3D変換を施し、前記投映画像のうち前記3D変換領域指定手段により指定されていない非3D変換領域の画像と画像合成することを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  2. 自由形状からなる投映面の形状データを得る投映面獲得手段と、該投映面上に投映する投映画像の3D変換領域を指定する3D変換領域指定手段と、前記投映画像に対して施す3D変換方法を選択するための3D変換パラメータを指定する3D変換パラメータ指定手段と、前記投映画像に対して3D変換を施す3D変換手段と、前記3D変換領域指定手段により指定された前記3D変換領域と指定されていない非3D変換領域との接合部分を含む周辺領域をシェーピング領域として指定するシェーピング領域指定手段と、前記シェーピング領域指定手段により指定された前記シェーピング領域の画像に対して部分補正するシェーピング手段とを有し、前記3D変換手段が、前記形状データと前記3D変換パラメータとを参照して、前記投映画像のうち前記3D変換領域の画像に対して3D変換を施し、前記投映画像のうち前記非3D変換領域の画像と画像合成すると共に、前記シェーピング領域の画像に対して前記シェーピング手段により部分補正を行なうことを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  3. 請求項2に記載の擬似3D画像作製装置において、前記シェーピング手段が行なう前記部分補正が、前記3D変換手段により施される3D変換内容を参照して、前記シェーピング領域の画像のうち、前記非3D変換領域の画像が前記3D変換領域において3D変換された画像側に引っ張られるように収縮又は膨張するような補正を施すものであることを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  4. 請求項2又は3に記載の擬似3D画像作製装置において、前記シェーピング領域指定手段により指定される前記シェーピング領域が、前記3D変換領域と前記非3D変換領域との前記接合部分に、前記3D変換領域における3D変換後の画像と前記非3D変換領域の画像との両者の画像が互いに重なる部分及び/又は該両者の画像とも欠落する部分及び/又は前記投映面の歪により生じる画像の歪に対する歪補正漏れの部分を少なくとも1箇所含んでいる前記周辺領域であることを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置において、前記シェーピング領域指定手段により指定される前記シェーピング領域として、前記投映画像に複数個の任意の領域を含ませることができることを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置において、前記シェーピング領域指定手段により指定される前記シェーピング領域が、前記部分補正すべき領域データを予め格納しているシェーピング領域データファイルを入力するか、又は、前記3D変換領域と前記3D変換手段により施される3D変換内容とからシェーピング領域を自動的に判別するか、又は、使用者自身がシェーピング領域を指定するかのうち、いずれか1乃至複数を用いることにより、前記シェーピング領域を指定すると共に、該シェーピング領域に対応して施すべき前記部分補正の方法を示すシェーピング指示情報を指定することを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置において、前記3D変換領域指定手段により指定される前記3D変換領域として、前記投映画像に複数個の任意の領域を含ませることができることを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置において、前記3D変換領域指定手段が、前記3D変換すべき領域データを予め格納している3D変換領域データファイルから入力するか、又は、前記3D変換パラメータ指定手段により得られた前記3D変換パラメータから自動的に3D変換領域を判別するか、又は、使用者自身が3D変換領域を指定するかのうち、いずれか1乃至複数を用いることにより、前記3D変換領域を指定することを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置において、前記3D変換パラメータ指定手段が、前記3D変換すべき3D変換方法を示すパラメータデータを予め格納している3D変換パラメータデータファイルから入力するか、又は、使用者自身が3D変換パラメータを指定するかのうち、いずれか1乃至複数を用いることにより、前記3D変換パラメータを指定することを特徴とする擬似3D画像作製装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の擬似3D画像作製装置を備え、画像投映中の如何によらず、投映面上に投映する投映画像の3D変換を行ない、更には、場合によっては、前記シェーピング手段により投映画像の部分補正を行なった画像を投映することができることを特徴とするプロジェクタ装置。
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