【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟磁性体材料を芯にしてコイルを巻いてなる3つのフラックスゲート型の磁気センサーが基板上に配置された3軸磁気センサーに関し、3つの磁気センサーの配置形態を工夫することで、携帯電話、PHS、通信機器等の一般的な電子機器に搭載可能とした薄型の3軸磁気センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話、PHS、通信機器等の電子機器は、高性能化、多機能化とともに小型化、軽量化を追及されている。これら電子機器に使用される磁気センサーは、特に低背化が望まれており、SMD型であることが必須となりつつある。
ここで、このフラックスゲート型の磁気センサーについて説明する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
フラックスゲート型の磁気センサーとは、例えば、図4aに示すように、軟磁性材料からなる柱状コア19の胴部に導線20を複数回巻いて、その胴部から導出させた両脚部に電極21を設けて一つの磁気センサーを構成したものである。
【0004】
この磁気センサーをベースとなる基板上に3軸(X軸、Y軸、Z軸)に則して3つの磁気センサーを配置して、3次元の磁界情報を高精度に得ようとする試みがある。この3軸磁気センサーは、図4bに示すように、前述したフラックスゲート型の第1,第2の磁気センサー11a,bをX軸、Y軸方向にそれぞれ直交して配置し、さらに、図に示すZ軸方向にもさらにもう一つの第3の磁気センサー11cを配置する形態である。この形態とすることで、第1の磁気センサー11aによりX軸に平行な磁界を、第2の磁気センサー11bによりY軸に平行な磁界を、第3の磁気センサー11cによりZ軸に平行な磁界を測定することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−135048号公報(第2頁、図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成の3軸磁気センサーは、微弱な磁界を測定する場合であっても、前記柱状コア19の胴部は3〜4mmの磁気センサー11を用い、これに20μm径で周囲を絶縁性皮膜で覆った導線20を数重にも巻いて構成しなくてはならなかった。その結果、3軸磁気センサーの構成においては、少なくともZ軸方向の第3の磁気センサー11cの高さが必要となり、3軸磁気センサーモジュールとした場合には5〜6mmとなってしまうという問題がある。この問題を解消する最も簡便な手段は、柱状コア19の胴部の長さを更に短くして導線20の径を細くすることであるが、磁気センサー11の生産性を考えると好ましくなく、また柱状コア19が小さくなり導線20の巻き数が減ると検出感度が悪くなってしまう。
【0007】
この様に、小型化が望まれている携帯電話、PHS、通信機器等の電子機器等に従来の構成の低背化されていない3軸磁気センサーの構成をそのまま搭載したとしても電子機器の小型化には対応することができないものでしかなかった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、傾き補正可能な3軸磁気センサーを薄型の磁気センサーパッケージとして構成することができる構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の薄型3軸磁気センサーの構造は、下記記載の構成を採用する。
【0010】
本発明の3軸磁気センサーは、軟磁性体材料を芯にしてコイルを巻いてなる3つのフラックスゲート型の磁気センサーが基板上に配置された3軸磁気センサーにおいて、前記基板は平坦面とその平坦面から下降傾斜する傾斜面を有し、前記平坦面に第1,第2の磁気センサーをほぼ直行して配置し、前記傾斜面に第3の磁気センサーを配置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の3軸磁気センサーは、前記基板の傾斜面は、100結晶方位の結晶シリコンを異方性エッチングにより形成された面であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を用いて本発明の実施形態における薄型3軸磁気センサーの構造を説明する。図1は本発明の3軸磁気センサーの構造を示す斜視図であり、図2は本発明の3軸磁気センサーの構造を示す断面図である。図3は本発明の3軸磁気センサーの製造工程におけるシリコン基板の異方性エッチング工程を説明するための図面である。以下図1、図2、図3を用いて本発明の3軸磁気センサーの構造および製造方法について詳細に説明する。
【0013】
まず図1、図2を用いて本発明の3軸磁気センサーの構造について説明する。
図1に示す本発明の3軸磁気センサーは、まずシリコン基板10上の同一平面上に直交するようにX軸,Y軸を検出するためのフラックスゲート型の第1,第2の磁気センサー11a,bを配置し、さらにシリコン基板10の表面に対して所定の角度で形成した傾斜部12にZ軸を検出するための第3の磁気センサー11cを配置した構造になっており、それぞれの磁気センサー11a〜cは、配線パターン15によって方位算出用の半導体装置16と接続された構造になっている。
なお、本発明で用いる各磁気センサー11a〜cは、軟磁性体材料にコイル配線17を巻き付けた構造になっている。
【0014】
図2に本発明の薄型3軸磁気センサーの構造を説明するための断面図を示す。
本発明の3軸磁気センサーは、シリコン基板10上に絶縁膜13として機能するSiO2膜を配し、その絶縁膜13表面にそれぞれ磁気センサー11(本図面では、第2,第3の磁気センサー11b,cを示している。)が配置した構成である。ここで示す各磁気センサー11は、接着剤14によってシリコン基板10へ固定されている。
【0015】
また、方位算出用の半導体装置16も同様に接着剤14を用いてシリコン基板10上の所定の位置に固定されており、配線パターン15とコイル配線17とワイヤー配線18を用いて各磁気センサー11a〜cと半導体装置16をそれぞれ接続した構造になっている。
【0016】
この様に、本発明の3軸磁気センサーでは、基板の同一平面上に直交するように第1,第2の磁気センサー11a,bを配置し、第3の磁気センサー11cを傾斜部12に配置することで、3軸磁気センサーパッケージ全体の厚みを薄くすることができる。
つまり、従来技術では第3の磁気センサー11cが他の第1,第2の磁気センサー11a,bと直交して配置(90°直立して配置)していたため、3軸磁気センサーモジュールの高さが5〜6mm必要であったが、本発明ではシリコン基板10に形成した傾斜部12へ第3の磁気センサー11cを配置することで、従来の構成に比べ約半分の高さのモジュールとすることができる。
【0017】
次に、本発明の3軸磁気センサーにおける方位を算出する手段について説明する。
方位の計測はX軸、Y軸を検出するための第1,第2の磁気センサー11a,bの値から算出するが、通常XY平面が地磁気に対して水平でなく傾いている場合は正確な方位が測定できなくなる。そこで第3の磁気センサー11cの値を用いて傾き補正をする方法をとる。
【0018】
そこで、センサーパッケージ全体を水平状態にした時の第3の磁気センサー11cの値を予め測定しておき、方位測定時には第3の磁気センサー11cの値から傾きを算出する。この値を用いて第1,第2の磁気センサー11a,bの値に対して傾き補正をすることで正確な方位を測定することができる。
【0019】
ここで用いる第3の磁気センサー11cの値は、センサーパッケージ全体が水平状態時の値を水平の基準値とすればよく、Z軸をX,Y平面に対して90°に直交して配置する必要がなくなる。
したがって、第3の磁気センサー11cの傾斜角については特に限定する必要はなく、はじめにX軸Y軸平面を水平にした時のZ軸の値を初期値として計測しておき、方位計測時に第3の磁気センサー11cの値から傾きを算出しX軸Y軸の測定値に対して補正をかければよいことが判る。
【0020】
次に本発明の薄型3軸磁気センサーの製造方法について図1〜3を参酌して説明する。
まず、図1に示す、軟磁性体材料にコイル配線17を巻き付けて、磁気の検出に用いるフラックスゲート型の磁気センサー11a〜cを作製する。軟磁性体材料は、パーマロイなどの高透磁率の材料を用いる。具体的には、ビニールなどで被覆した銅や金など材料からなり、太さが直径10〜30ミクロン程度のワイヤーで、前記軟磁性体材料の周囲に100〜500回程度巻き付けて作製すれば、微弱な磁界を十分測定できる。
【0021】
次に、図3に示すようにセンサー全体のベース基板となるシリコン基板10に傾斜部12を異方性エッチングにより形成する。
【0022】
本発明では傾斜部12の形成方法として、シリコン材料の異方性エッチング性を利用する。結晶方位(100)のシリコン基板10に対してKOHでエッチングを行うと、図3に示す結晶方位(100)面のエッチング速度が速く進行するが、(111)面はエッチング速度が遅いため、(111)面が傾斜面となるような形状にエッチングが進行する。この条件では、シリコン基板10の上面に対して54.7°の角度で傾斜した傾斜部12を作ることができる。
【0023】
この傾斜部12を有するシリコン基板10を得るために、ここでは図示しないが、まずは結晶方位が(100)面になっている平板状のシリコン基板の表面に絶縁膜(SiO2)膜を形成する。この絶縁膜は、後段で説明するシリコンエッチングのマスクとして用いる。その絶縁膜上に、シリコン基板の傾斜部12の形成箇所に開口部を有するパターン形状の感光性レジストを形成する。さらにAr雰囲気中でドライエッチングを行い、開口部から露出する絶縁膜を除去した後に、表面に残っている感光性レジストを酸素雰囲気中のRIE(リアクティブイオンエッチング)にて除去することで、シリコンエッチングのマスクとなる絶縁膜を得る。
【0024】
次に50〜70℃程度に加熱した30%KOH中に2〜6時間浸し、絶縁膜をマスクとして、開口部から露出するシリコン基板10をエッチングすることで(111)の結晶面がエッチングされ傾斜部12が形成される。
【0025】
さらに、図2に示すように傾斜部12にもSiO2膜の絶縁膜13を形成した後、配線材料であるアルミニウム(Al)、銅(Cu)もしくは金(Au)などを蒸着またはスパッタによりシリコン基板10上に形成する。そして、フォトリソグラフィ法により、絶縁膜13上に配線パターン15を形成することで、図2に示す基板形状を得る。
【0026】
次に第1,第2の磁気センサー11a,bをシリコン基板10上の水平面の位置に、第3の磁気センサー11cを傾斜部12にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などからなる接着剤14を用いてそれぞれ固定する。その後、100℃から200℃程度に加熱した炉中にて30分から1時間放置し接着剤14を硬化させて各磁気センサー11a〜cを固定する。
【0027】
さらに、各磁気センサー11a〜cのコイル配線17をこの配線パターン15に溶着等で接続し、さらにワイヤーボンディング法で形成したワイヤー配線18で配線パターン15と半導体装置16を接続することで、配線パターン15を通して方位算出用の半導体装置16に各磁気センサー11a〜cが接続されることになる。
【0028】
この様に各磁気センサー11a〜cと半導体装置16を接続すれば、半導体装置16で計算された方位データは配線パターン15を通して外部回路に出力される形態を取ることができる。
【0029】
以上の説明の如く、本実施の形態においては、方位算出用の半導体装置16を、本実施例では3軸磁気センサーパッケージ内に配置する例を示したが、この半導体装置16は必ずしも1つのパッケージ内に収納する必要はなく、3軸磁気センサーと方位算出用の半導体装置16は別々とした形態としても構わない。
【0030】
また、本実施例ではシリコン基板10の結晶面が(100)の場合について説明したが、別の結晶方位のシリコン基板を用いてもよい。
その場合は傾斜部12の傾斜角度が先に説明した傾斜角度(54.7°)とは異なるが、この形態においても予めXY軸を水平にしたときのZ軸の値を計測しておき、実際の方位計測時には、その時のZ軸の値から傾きを算出し、XY軸に対して補正することで正確な方位を計測する事ができる。
【0031】
この様に本発明によれば、従来技術では難しかった3軸磁気センサーの薄型化が可能になり、携帯電話や情報端末などの携帯型の電子デバイスへ搭載しても筐体が厚くならずに携帯性を維持することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明においては、同一平面上に直交するようにX軸,Y軸に則して第1,第2の磁気センサー11a,bを配置し、第3の磁気センサー11cをシリコン基板の異方性エッチングにより形成した傾斜部12に配置する。この様に、前記同一平面から傾斜した面に第3の磁気センサー11cを配置することで、センサーパッケージ全体の厚みを薄くすることができ、携帯電子デバイス等に組み込む場合にも携帯性を損なわずに本発明の3軸磁気センサーを搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における3軸磁気センサーの構造を説明するための斜視図である。
【図2】本発明における3軸磁気センサーの構造を説明するための構造断面図である。
【図3】本発明の製造工程におけるシリコン基板の異方性エッチング工程を説明するための図面である。
【図4】従来技術における3軸磁気センサーの構造を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板
11a〜c 磁気センサー
12 傾斜部
13 絶縁膜
14 接着剤
15 配線パターン
16 半導体装置
17 コイル配線
18 ワイヤー配線[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a three-axis magnetic sensor in which three fluxgate-type magnetic sensors each formed by winding a coil with a soft magnetic material as a core are arranged on a substrate, by devising an arrangement of the three magnetic sensors. And a thin three-axis magnetic sensor that can be mounted on general electronic devices such as mobile phones, PHSs, and communication devices.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, electronic devices such as mobile phones, PHSs, and communication devices have been sought to be smaller and lighter with higher performance and more functions. Magnetic sensors used in these electronic devices are particularly desired to have a low profile, and it is becoming essential to use an SMD type magnetic sensor.
Here, this flux gate type magnetic sensor will be described (for example, see Patent Document 1).
[0003]
For example, as shown in FIG. 4A, a flux gate type magnetic sensor is formed by winding a conductor 20 around a body of a columnar core 19 made of a soft magnetic material a plurality of times, and extending electrodes 21 on both legs derived from the body. Are provided to constitute one magnetic sensor.
[0004]
Attempts have been made to obtain three-dimensional magnetic field information with high accuracy by arranging three magnetic sensors based on the three axes (X axis, Y axis, Z axis) on a substrate serving as a base based on this magnetic sensor. is there. In the three-axis magnetic sensor, as shown in FIG. 4B, the above-described flux gate type first and second magnetic sensors 11a and 11b are arranged orthogonally in the X-axis and Y-axis directions, respectively. In this embodiment, another third magnetic sensor 11c is arranged in the Z-axis direction as shown. With this configuration, a magnetic field parallel to the X axis by the first magnetic sensor 11a, a magnetic field parallel to the Y axis by the second magnetic sensor 11b, and a magnetic field parallel to the Z axis by the third magnetic sensor 11c. Can be measured.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-10-135048 (page 2, FIG. 7)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The conventional three-axis magnetic sensor uses a magnetic sensor 11 of 3 to 4 mm for the body of the columnar core 19 even when measuring a weak magnetic field, and has a 20 μm diameter and an insulating coating around the body. The conductor 20 covered with the wire had to be wound several times. As a result, in the configuration of the three-axis magnetic sensor, at least the height of the third magnetic sensor 11c in the Z-axis direction is required, and in the case of a three-axis magnetic sensor module, the height is 5 to 6 mm. is there. The simplest means for solving this problem is to further shorten the length of the body of the columnar core 19 to reduce the diameter of the conductor 20, but this is not preferable in view of the productivity of the magnetic sensor 11, and If the columnar core 19 becomes small and the number of turns of the conductive wire 20 decreases, the detection sensitivity deteriorates.
[0007]
As described above, even if the configuration of the conventional three-axis magnetic sensor, which has not been reduced in height, is directly mounted on electronic devices such as mobile phones, PHSs, and communication devices for which miniaturization is desired, the size of the electronic devices is reduced. It was only something that could not cope with the change.
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to solve the above-mentioned problems and to provide a structure in which a three-axis magnetic sensor capable of correcting inclination can be configured as a thin magnetic sensor package.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the structure of the thin three-axis magnetic sensor of the present invention employs the following configuration.
[0010]
The three-axis magnetic sensor according to the present invention is a three-axis magnetic sensor in which three fluxgate type magnetic sensors each formed by winding a coil around a soft magnetic material are disposed on a substrate, wherein the substrate has a flat surface and a flat surface. It has an inclined surface descending and inclined from a flat surface, wherein the first and second magnetic sensors are arranged substantially perpendicular to the flat surface, and the third magnetic sensor is arranged on the inclined surface.
[0011]
Further, in the three-axis magnetic sensor according to the present invention, the inclined surface of the substrate is a surface formed by anisotropic etching of crystalline silicon having a crystal orientation of 100.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The structure of the thin three-axis magnetic sensor according to the embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a perspective view showing the structure of the three-axis magnetic sensor of the present invention, and FIG. 2 is a sectional view showing the structure of the three-axis magnetic sensor of the present invention. FIG. 3 is a view for explaining an anisotropic etching process of a silicon substrate in a manufacturing process of the three-axis magnetic sensor of the present invention. Hereinafter, the structure and manufacturing method of the three-axis magnetic sensor of the present invention will be described in detail with reference to FIGS.
[0013]
First, the structure of the three-axis magnetic sensor of the present invention will be described with reference to FIGS.
The three-axis magnetic sensor of the present invention shown in FIG. 1 is a fluxgate type first and second magnetic sensor 11a for detecting the X axis and the Y axis so as to be orthogonal to the same plane on the silicon substrate 10. , B, and a third magnetic sensor 11c for detecting the Z-axis is arranged on an inclined portion 12 formed at a predetermined angle with respect to the surface of the silicon substrate 10. The sensors 11a to 11c are connected to a semiconductor device 16 for calculating an orientation by a wiring pattern 15.
The magnetic sensors 11a to 11c used in the present invention have a structure in which a coil wiring 17 is wound around a soft magnetic material.
[0014]
FIG. 2 is a cross-sectional view for explaining the structure of the thin three-axis magnetic sensor of the present invention.
In the three-axis magnetic sensor of the present invention, an SiO 2 film serving as an insulating film 13 is provided on a silicon substrate 10, and the magnetic sensor 11 (in this drawing, the second and third magnetic sensors 11b and 11c) are arranged. Each magnetic sensor 11 shown here is fixed to the silicon substrate 10 by an adhesive 14.
[0015]
Similarly, the semiconductor device 16 for azimuth calculation is also fixed at a predetermined position on the silicon substrate 10 using the adhesive 14, and each magnetic sensor 11 a is formed using the wiring pattern 15, the coil wiring 17, and the wiring 18. To c and the semiconductor device 16 are connected to each other.
[0016]
As described above, in the three-axis magnetic sensor of the present invention, the first and second magnetic sensors 11a and 11b are arranged orthogonally on the same plane of the substrate, and the third magnetic sensor 11c is arranged on the inclined portion 12. By doing so, the thickness of the entire three-axis magnetic sensor package can be reduced.
That is, in the related art, the third magnetic sensor 11c is arranged orthogonally to the other first and second magnetic sensors 11a and 11b (arranged upright by 90 °). However, in the present invention, the third magnetic sensor 11c is disposed on the inclined portion 12 formed on the silicon substrate 10 to make the module approximately half the height of the conventional configuration. Can be.
[0017]
Next, means for calculating the azimuth in the three-axis magnetic sensor of the present invention will be described.
The azimuth measurement is calculated from the values of the first and second magnetic sensors 11a and 11b for detecting the X axis and the Y axis. However, when the XY plane is not horizontal but inclined with respect to the terrestrial magnetism, accurate measurement is usually performed. The direction cannot be measured. Therefore, a method of correcting the inclination using the value of the third magnetic sensor 11c is adopted.
[0018]
Therefore, the value of the third magnetic sensor 11c when the entire sensor package is in a horizontal state is measured in advance, and the inclination is calculated from the value of the third magnetic sensor 11c when measuring the azimuth. By using this value to correct the inclination of the values of the first and second magnetic sensors 11a and 11b, an accurate azimuth can be measured.
[0019]
As the value of the third magnetic sensor 11c used here, the value when the entire sensor package is in a horizontal state may be used as a horizontal reference value, and the Z axis is arranged at 90 ° perpendicular to the X and Y planes. Eliminates the need.
Therefore, the inclination angle of the third magnetic sensor 11c does not need to be particularly limited. First, the value of the Z-axis when the X-axis and Y-axis plane is horizontal is measured as an initial value, and the third angle is measured at the time of azimuth measurement. It can be seen that it is only necessary to calculate the inclination from the value of the magnetic sensor 11c and correct the measured value on the X axis and the Y axis.
[0020]
Next, a method for manufacturing the thin three-axis magnetic sensor of the present invention will be described with reference to FIGS.
First, a coil wiring 17 is wound around a soft magnetic material shown in FIG. 1 to produce flux gate type magnetic sensors 11a to 11c used for detecting magnetism. As the soft magnetic material, a material having high magnetic permeability such as permalloy is used. Specifically, if it is made of a material such as copper or gold covered with vinyl or the like, and is wound about 100 to 500 times around the soft magnetic material with a wire having a diameter of about 10 to 30 microns, A weak magnetic field can be measured sufficiently.
[0021]
Next, as shown in FIG. 3, an inclined portion 12 is formed by anisotropic etching on a silicon substrate 10 serving as a base substrate of the entire sensor.
[0022]
In the present invention, anisotropic etching of a silicon material is used as a method for forming the inclined portion 12. When the silicon substrate 10 having the crystal orientation (100) is etched with KOH, the etching rate of the crystal orientation (100) plane shown in FIG. 3 advances rapidly, but the etching rate of the (111) plane is low. The etching proceeds in such a shape that the (111) plane becomes an inclined plane. Under this condition, an inclined portion 12 inclined at an angle of 54.7 ° with respect to the upper surface of the silicon substrate 10 can be formed.
[0023]
In order to obtain the silicon substrate 10 having the inclined portion 12, although not shown here, first, an insulating film (SiO 2 ) film is formed on the surface of a flat silicon substrate having a (100) crystal orientation. . This insulating film is used as a mask for silicon etching described later. On the insulating film, a photosensitive resist having a pattern shape having an opening at a position where the inclined portion 12 of the silicon substrate is formed is formed. Further, dry etching is performed in an Ar atmosphere to remove the insulating film exposed from the opening, and then the photosensitive resist remaining on the surface is removed by RIE (reactive ion etching) in an oxygen atmosphere to obtain silicon. An insulating film serving as an etching mask is obtained.
[0024]
Next, the substrate is immersed in 30% KOH heated to about 50 to 70 ° C. for 2 to 6 hours, and the silicon substrate 10 exposed from the opening is etched using the insulating film as a mask, whereby the (111) crystal plane is etched and tilted. The part 12 is formed.
[0025]
Further, as shown in FIG. 2, after an insulating film 13 of a SiO 2 film is also formed on the inclined portion 12, a wiring material such as aluminum (Al), copper (Cu) or gold (Au) is deposited on the silicon by vapor deposition or sputtering. It is formed on a substrate 10. Then, the wiring pattern 15 is formed on the insulating film 13 by a photolithography method to obtain the substrate shape shown in FIG.
[0026]
Next, the first and second magnetic sensors 11a and 11b are placed on the horizontal position on the silicon substrate 10, and the third magnetic sensor 11c is placed on the inclined portion 12 with an adhesive 14 made of a thermosetting resin such as epoxy resin. And fix each. Then, it is left in a furnace heated to about 100 ° C. to 200 ° C. for 30 minutes to 1 hour to cure the adhesive 14 and fix the magnetic sensors 11a to 11c.
[0027]
Further, the coil wiring 17 of each of the magnetic sensors 11a to 11c is connected to the wiring pattern 15 by welding or the like, and furthermore, the wiring pattern 15 and the semiconductor device 16 are connected by the wire wiring 18 formed by the wire bonding method. The magnetic sensors 11a to 11c are connected to the semiconductor device 16 for calculating the direction through the line 15.
[0028]
When the magnetic sensors 11a to 11c and the semiconductor device 16 are connected in this manner, the azimuth data calculated by the semiconductor device 16 can be output to an external circuit through the wiring pattern 15.
[0029]
As described above, in the present embodiment, the example in which the semiconductor device 16 for azimuth calculation is arranged in the three-axis magnetic sensor package in the present embodiment has been described, but the semiconductor device 16 is not necessarily one package. The three-axis magnetic sensor and the semiconductor device 16 for calculating the azimuth may be separated from each other.
[0030]
In this embodiment, the case where the crystal plane of the silicon substrate 10 is (100) has been described, but a silicon substrate having another crystal orientation may be used.
In this case, the inclination angle of the inclined portion 12 is different from the above-described inclination angle (54.7 °), but in this embodiment, the value of the Z-axis when the XY axes are horizontal is measured in advance, At the time of actual azimuth measurement, an accurate azimuth can be measured by calculating the inclination from the value of the Z axis at that time and correcting the inclination with respect to the XY axes.
[0031]
As described above, according to the present invention, it is possible to reduce the thickness of a three-axis magnetic sensor, which has been difficult with the conventional technology, and the housing does not become thick even when mounted on a portable electronic device such as a mobile phone or an information terminal. Portability can be maintained.
[0032]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, in the present invention, the first and second magnetic sensors 11a and 11b are arranged along the X axis and the Y axis so as to be orthogonal on the same plane, and the third magnetic sensor The sensor 11c is disposed on an inclined portion 12 formed by anisotropic etching of a silicon substrate. Thus, by arranging the third magnetic sensor 11c on the surface inclined from the same plane, the thickness of the entire sensor package can be reduced, and the portability is not impaired even when incorporated in a portable electronic device or the like. Can be equipped with the three-axis magnetic sensor of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view illustrating the structure of a three-axis magnetic sensor according to the present invention.
FIG. 2 is a structural sectional view for explaining the structure of a three-axis magnetic sensor according to the present invention.
FIG. 3 is a view for explaining an anisotropic etching step of a silicon substrate in a manufacturing process of the present invention.
FIG. 4 is a perspective view illustrating a structure of a three-axis magnetic sensor according to the related art.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 Silicon substrate 11a-c Magnetic sensor 12 Inclined part 13 Insulating film 14 Adhesive 15 Wiring pattern 16 Semiconductor device 17 Coil wiring 18 Wire wiring