JP2004259726A - 電子部品搭載装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境温度や経時変化による装置構成部間の位置関係の変化や回転中心の変位を実働中に自動補正して常に高精度に電子部品を基板に搭載する電子部品搭載装置を提供する。
【解決手段】一対の一方の基板案内レール22に近接して、治具チップテーブル26を備えたテーブルユニット36を設ける。治具チップテーブル26は、平常時は、搬入されてくる両面基板46の裏面に搭載されている電子部品47に当接しない下方位置に待機し、基板46搬入前の位置補正処理時には、基板46の部品搭載面位置46′まで上昇する。この上に、これに対応する搭載ヘッド34が治具チップ部品を所定の回転角度で載置し、この治具チップ部品を、同一作業ヘッドの基板認識用カメラ35が認識して、現在の正しい基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34間の位置関係及び部品の回転位置を認識して補正する。
【選択図】 図2
【解決手段】一対の一方の基板案内レール22に近接して、治具チップテーブル26を備えたテーブルユニット36を設ける。治具チップテーブル26は、平常時は、搬入されてくる両面基板46の裏面に搭載されている電子部品47に当接しない下方位置に待機し、基板46搬入前の位置補正処理時には、基板46の部品搭載面位置46′まで上昇する。この上に、これに対応する搭載ヘッド34が治具チップ部品を所定の回転角度で載置し、この治具チップ部品を、同一作業ヘッドの基板認識用カメラ35が認識して、現在の正しい基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34間の位置関係及び部品の回転位置を認識して補正する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品搭載装置に係わり、更に詳しくは、環境温度や経時疲労等による装置構成部材の位置関係の変化を部品搭載作業中に自動補正して常に高精度に電子部品を基板に搭載する部品搭載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自装置内に自動搬入されるプリント基板(以下、単に基板という)上に、IC、抵抗、コンデンサ等多数のチップ状電子部品(以下、単に部品という)を作業ヘッドによって自動的に搭載して基板ユニットを完成させる電子部品搭載装置がある。
【0003】
図6(a) は、そのような電子部品搭載装置の外観斜視図であり、同図(b) は、その保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す平面図である。この電子部品搭載装置1は、同図(a) に示すように、天井カバー上部に、液晶ディスプレイとタッチパネルからなる表示入力装置2と、CRTディスプレイからなるモニタ装置3と、稼動状態を報知する警報ランプ4を備えている。
【0004】
下部の基台5には、中央に、固定と可動の1対の平行する基板案内レール6(6a、6b)が基板の搬送方向に水平に延在して配設されている。これら二本の基板案内レール6には、特には図示しないが、その下部に接してループ状のコンベアベルトが配設されている。コンベアベルトは、ベルト駆動モータにより駆動されて基板搬送方向に走行し、同図(b) に示すように、生産ライン上流側から基板7を搬入する。上記二本の基板案内レール6aと6bの間の下方には、位置決め装置が配設されており、この位置決め装置が上記のように搬入されてくる基板7を位置決めして固定する。
【0005】
この電子部品搭載装置は、二軸型ワンバイワン方式の電子部品搭載装置であり、基台5の中央部に搬入されて位置決め固定された基板7に多数の部品8を搭載する。この搭載作業を行う二台の作業ヘッド9(9a、9b)は、それぞれ移動軸11及び12によりX軸方向(図の左右方向)に摺動自在に支持されている。一方の移動軸11は、基台5の上方に配置された二本の固定レール13(13a、13b)間に摺動自在に差し渡されてY軸方向(図の上下方向)に移動し、他方の移動軸12は、これも基台5上方に配置された他の二本の固定レール14(14a、14b)間に摺動自在に差し渡されて上記同様にY軸方向に移動する。これにより、二台の作業ヘッド9はそれぞれ基台5の上方の作業領域を前後(Y軸方向)左右(X軸方向)に自在に移動する。
【0006】
図7は、上記作業ヘッド9の斜視図である。同図に示すように、作業ヘッド9は、可撓性の帯状コード15によって装置本体の中央制御部と連結されている。この帯状コード15によって中央制御部からは電力及び制御信号を供給され、中央制御部へは回路基板上の作業すべき目標位置等の認識データを送信する。この作業ヘッド9は、その先端に2個の搭載ヘッド16及び16と、基板認識用カメラ17を備えている。2個の搭載ヘッド16は、それぞれZ軸方向(上下方向)に昇降可能であり且つθ軸方向(360°方向)に回転可能である。
【0007】
また、2個の搭載ヘッド16は、それぞれその先端に発光部18を備え、その下部に吸着ノズル19を着脱自在に装着している。吸着ノズル19は、発光部18の照射光を拡散して部品の撮像背景を形成するための光拡散板19−1と、部品供給装置から基板7まで部品8を吸着して移載するノズル19−2とから構成される。
【0008】
このような構成において、二台の作業ヘッド9a及び9bは、それぞれ上述した二本の固定レール13と移動軸11及び二本の固定レール14移動軸12により前後左右に自在に移動し、不図示の部品供給装置から吸着ノズル19−2で部品8を吸着し、一方では、基台5側に配置されている不図示の部品認識用カメラによって、上記吸着した部品8の保持位置偏差を検出し、この検出した保持位置偏差に基づいて搭載位置データを補正し、他方では、基板認識用カメラ17で基板7の位置を確認して、その基板7上に上記の部品8を搭載する。
【0009】
ところで、一般に部品のサイズは0.5mm×1mmと極めて小さいか、または、サイズが2cm角というように大きい場合でも部品に配設されている多数のリード線の間隔は数百ミクロンというように極めて狭い。また、部品の設計寸法は年々微細化されている。そればかりでなく、部品の設計寸法の微細化に伴って基板に部品を搭載する密度が極めて細かくなって隣接する部品間の間隔も年々狭く設定されてきており、例えば現今では、その間隔を0.1mm〜0.2mmとすることが通常の設計寸法となっている。
【0010】
したがって、部品を基板に搭載する際には、作業ヘッドの部品把持位置の補正の精度は勿論であるが、作業ヘッドが基板に対して移動する場合の動作(距離及び方向)にも厳しい精度が要求される。そして、そのような作業ヘッドの部品把持位置の補正を精度よく行い且つ作業ヘッドが基板に対して移動する精度を維持するには種々の方法が提案され、実用化されている。
【0011】
しかし、電子部品搭載装置の部品搭載作業に要求される精度は、上記の部品把持位置や移動動作だけではない。作業ヘッド9各部の熱膨張率(又は熱収縮率)にバラツキがあって一定ではないことと、環境の変化にも影響されて、基板認識用カメラ17と搭載ヘッド16との位置関係に誤差が生じてくる。例えば、工場出荷時に、25℃の環境下で調整した場合、顧客の設置場所での環境に±10℃の差があると、±10μmの誤差が生じてしまう。
【0012】
このように、基板認識用カメラ17と搭載ヘッド16間の距離に例えば±10μmの変化があると、基板に部品を搭載する際に、基板のアイマークを確認した後の部品搭載位置が上記の変化量±10μmと同一量だけずれてしまう。この±10μmの誤差は現今のような精密な基板ユニットを生産するには無視できない誤差である。
【0013】
この誤差を補正するためには、従来は、基板ユニットの生産開始前に、装置内に、表面に両面テープを貼り付けた治具基板を搬入して所定の位置に固定し、搭載ヘッド16(つまりノズル19−2、以下同様)で治具置き場から治具チップ部品を吸着し、この治具チップ部品の吸着された保持姿勢を部品認識用カメラで認識し、この認識した治具チップ部品を治具基板上に移載し、この移載されて両面テープによって位置固定された治具チップ部品を基板認識用カメラ17で認識した後、治具基板を装置外に搬出する、という基板認識用カメラ17と搭載ヘッド16の変化した位置関係を補正するための作業を行っていた。
【0014】
ところで、上記のように作業ヘッド9が複数台ある場合は、その中の一台を基準ヘッドに設定して、この基準ヘッドの動作を基準として他の作業ヘッドも動作するようにしている。例えば、搭載作業開始前に、基準ヘッドが認識面高さを認識した値を用いて基板の搭載面高さが算出され、その算出された値がそのまま他の作業ヘッドにも適用されるという自動アジャストと呼ばれる方法が採用されている。この場合、他の作業ヘッドは、基準ヘッドと自ヘッドとの間に設定されている距離値を参照しながら上記算出された値に基づいて部品搭載作業を行うようになっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先ず上述の位置関係の補正を行うには、近年のように作業能率を上げるために一台の電子部品搭載装置に4台の作業ヘッドが配設されるようになると、4台の作業ヘッドそれぞれに対して位置関係の補正を行うために、装置内への治具基板の搬入・搬出を4回繰り返えさなければならず、時間と手数が掛りすぎるという問題があった。
【0016】
また、そればかりでなく、生産ラインが本稼動している間は治具基板を流すことができないため、生産ライン稼動中において環境温度の上昇によって生じる位置関係の変化の補正を行いたい場合でも、稼動中の生産ラインを止めない限り補正を行うことができないという不便な問題も有していた。
【0017】
次に上記の自動アジャストの方法では、例えば基準ヘッドの軸(つまり搭載ヘッドの軸、以下同様)に対して、これに従動する他の作業ヘッドの軸に角度θの傾きがあったりすると、認識面高さと搭載面高さの差をhとして、基準ヘッドの認識に基づいて算出された搭載位置と軸が傾いている他の作業ヘッドが実行する搭載位置とでは、h×sinθの誤差を伴っているから、部品搭載の精度が低下するとう問題が発生する。
【0018】
更に、搭載ヘッド16の先端に着脱自在に装着される吸着ノズル19は経時疲労を起こしやすい部材である。吸着ノズル19が経時疲労を起こすと、その中心軸に狂いを生じやすい。したがって従来は所定の時期において、部品認識カメラで部品を角度0°の状態(部品を吸着したときのままの状態)と角度180°まで回転させた状態とを認識して、吸着ノズル19の回転中心軸の変位を求めて補正していたが、どうしても搭載精度の劣る搭載ヘッドが存在し、その改善が望まれていた。
【0019】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、環境温度等による基板認識用カメラと搭載ヘッドとの位置関係の変化や基準ヘッドと従動ヘッド間の位置関係の変化、更には吸着ノズルの回転中心軸の微細な変位を部品搭載作業中に自動補正して常に高精度に電子チップ部品をプリント基板に搭載する電子部品搭載装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
以下に、本発明に係わる電子部品搭載装置の構成を述べる。
本発明の電子部品搭載装置は、吸着手段により電子部品を吸着し、該電子部品の吸着姿勢を部品認識カメラで画像認識し、この画像認識された上記電子部品を、上記吸着手段と共に配置されているプリント基板認識カメラで搭載位置を画像認識しながらプリント基板の所定の位置に所定の回転角度で自動搭載する電子部品搭載装置であって、治具チップ部品置き場に収容された治具チップ部品と、プリント基板が搬入されたとき該プリント基板の裏面に搭載されている電子部品に干渉しない待機位置と上記プリント基板のこれから搭載する電子部品の搭載面と同一高さ位置とに昇降するテーブルと、該テーブルに設けられ該テーブルに上記治具チップ部品が載置されたとき該治具チップ部品を上記テーブルの面に固定する固定手段と、上記吸着手段により上記治具チップ部品を吸着させて該治具チップ部品を上記テーブルに所定の回転角度で載置させ、上記固定手段により上記治具チップ部品を載置部に固定させ、該治具チップ部品の搭載位置及び角度を上記プリント基板認識カメラで画像認識させ、この認識結果に基づいて上記吸着手段による上記電子部品の搭載位置及び回転角度を補正する補正手段と、を有して構成される。
【0021】
上記テーブルは、例えば請求項2記載のように、照明光線が乱反射を起さない表面処理を施こされて構成され、また、例えば請求項3記載のように、前後それぞれの作業ヘッドの移動範囲内に配設され該前後それぞれの作業ヘッドの全ての搭載ヘッドにより上記治具チップ部品を載置可能に配設されて構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態における電子部品搭載装置の上部保護カバーを取り除いて模式的に示す平面図である。尚、同図に示す電子部品搭載装置20は主要部のみを示しており、また、その外観は、図6(a) に示した電子部品搭載装置1の外観とほぼ同様である。図1において、電子部品搭載装置20は、基台21上に固定と可動の二本の基板案内レール22(22a、22b)を備え、これらの基板案内レール22の両端の外側には、基板案内レール22の下側にあって図では見えない搬送ベルトを駆動するための、ベルト駆動モータ23がそれぞれ配設されている。
【0023】
二本の基板案内レール22の間には下方左右に分かれて2つの基板位置決め装置24(24−1、24−2)が配置され、一方の基板案内レール22bの内側に添い上記2つの基板位置決め装置24に近接して、詳しくは後述する治具チップ部品搭載テーブル26(26−1、26−2)がそれぞれ配設されている。
【0024】
また、基板案内レール22a及び22bのそれぞれ外側に添い、基板位置決め装置24に対応する位置に、合計4組の照明灯付きの二台の部品認識カメラ28と交換用の吸着ノズルを収容するツールチェンジャー29が配設されている。ツールチェンジャー29には、搭載される電子部品に応じた5個の吸着ノズル31が収容され、その内の2個が搭載ヘッドに装着されて空になっている。
【0025】
これらの更に外側に、つまり基板案内レール22aと装置本体の一方の外縁の中間および基板案内レール22bと装置本体の他方の外縁の中間に、それぞれ2台、合計4台のテープ式部品供給装置設置台32(32−1、32−2、32−3、32−4)が配設されている。これらの台上には、特には図示しないが、30基前後のテープ式部品供給装置が装着され、それぞれ部品供給口を基板案内レール22側に向けて揃え、部品供給口列33を形成している。
【0026】
4台の各テープ式部品供給装置設置台32の上方には、4基の作業ヘッドの各搭載ヘッド34(34−1、34−2、34−3、34−4)が、ホームポジションに待機している。これら作業ヘッドの構成は、図7に示した作業ヘッド9の構成とほぼ同様である。
【0027】
これらの作業ヘッドが、基板に搭載するための所望の電子部品をテープ式部品供給装置から受け取るときは、先ず、装着している吸着ノズル31が所望の電子部品に対応する吸着ノズルであるか否かを判別し、対応していればそのまま、対応していなければ対応する吸着ノズルに交換した後、所望の電子部品を保持しているテープ式部品供給装置の部品供給口に、搭載ヘッドの先端が例えば図の二点鎖線34−4′で示す位置に来るように移動して、その所望の電子部品を吸着する。
【0028】
そして、その吸着した電子部品の部品認識カメラ28による認識処理により搭載位置の補正を行って、基板位置決め装置24により位置決めされて二本の基板案内レール22間に位置固定されている不図示の基板上に移動し、基板認識カメラ35により基板のアイマークを認識した後、その後の搭載プログラムに指示される手順に従って電子部品を搭載する。
【0029】
基板位置決め装置24−1上の基板に対しては、搭載ヘッド34−1及び34−2が部品搭載処理を行い、基板位置決め装置24−2上の基板に対しては、搭載ヘッド34−3及び34−4が部品搭載処理を行うようになっている。そして環境温度が上昇(又は降下)して、部品認識カメラ28と装着中の吸着ノズル31との位置関係に変化が生じたとき、あるいは吸着ノズル31が他の部分に接触して使用可能な程度に変形したなどの場合には、所定の周期で、又はオペレータからの指示により、治具チップ部品搭載テーブル26と不図示の治具チップ部品と用いて詳しくは後述する位置関係補正の処理を行う。
【0030】
図2は、ホームポジションに待機中の治具チップ部品搭載テーブル26を示す図である。同図に示すように、治具チップ部品搭載テーブル26は、テーブルユニット36の上端部に配置されている。テーブルユニット36は、上記の治具チップ部品搭載テーブル26と、この治具チップ部品搭載テーブル26を支持する断面が鉤型の支持部材37と、この支持部材37の上部鉤型の底面に一端が固着するピストン38と、このピストン38の他端を空圧で昇降させるシリンダー39と、このシリンダー39と共に装置本体のフレーム40に固設されているリニアレール41と、このリニアレール41に滑動自在に係合し支持部材37と一体に構成されたスライドナット42とを備えている。
【0031】
上記装置本体のフレーム40には、図1に示した基板案内レール22bと、この基板案内レール22bと不図示の基板搬送ベルトを支持する支持部材43と、基板案内レール22bの上面に固設された基板位置決め天板44とからなるレールユニット45も固定して配設されている。
【0032】
装置本体内に搬入されてくる基板46が両面基板の場合であって且つ二回目の搭載処理の場合であれば、図2に示すように、基板46の裏面には一回目の搭載処理で搭載された複数の電子部品47が配置されている。治具チップ部品搭載テーブル26は、上記の基板裏面の電子部品47に当接しないような下方の位置にホームポジションが予め設定される。
【0033】
そして、上記の基板46は、図2に示すように装置本体内に搬入されてくると、基板案内レール22によって搬入方向左右位置を位置決めされ、図1に示した基板位置決め装置24によって前後位置を位置決めされ、更に基板位置決め天板44によって表搭載面の上下位置を図の二点鎖線で示す部品搭載面位置46′に位置決めされて、その位置に固定される。
【0034】
図3(a) は、ホームポジションから処理位置へ上昇した治具チップ部品搭載テーブル26を示す図であり、同図(b) はその斜視図である。尚、同図(a) は同図(b) のA矢視図でもある。また、同図(a) には、未だ搬入されていない基板46を二点鎖線で仮想的に示しており、同図(b) には、図の向こう側になるテーブルユニット36の構成を分かり易く示すために、手前のレールユニット45を二点鎖線で透視的に示している。
【0035】
装置本体に対し上述した位置関係補正の処理の開始が指示されると、テーブルユニット36は、シリンダ39を駆動してピストン38を上昇させる。これにより、リニアレール41に案内されてスライドナット42を滑動させながら支持部材37が上昇し、同図(a),(b) に示すように、治具チップ部品搭載テーブル26の治具チップ部品搭載面が、基板46の部品搭載面位置46′に一致する位置でストッパ機構により停止する。ストッパ機構は特には図示しないが、スライドナット42の上端に当接するような付き当て部材をリニアレール41側に設けたような簡単な構成で充分である。
【0036】
また、上記の治具チップ部品搭載テーブル26の中央部には上に開口する吸着孔48が形成されている。この吸着孔48の下端には、不図示の真空発生源に連結するこれも不図示の真空チューブが取り付けられている。
図4は、装置本体内に配設されている制御装置の構成を示すブロック図である。同図に示す制御装置50は、CPU51と、このCPU51にバスで接続された制御ユニット52、画像処理ユニット53、及びメモリ54からなる。
【0037】
上記の制御ユニット52には、基板46の部品搭載位置を照明するための照明装置57や搭載ヘッド34の吸着ノズル31に吸着されている電子部品47を照明するための照明装置58が接続され、更に、それぞれのアンプを介してX軸モータ61、Y軸モータ62、Z軸モータ63、及びθ軸モータ64が接続され、また、更に、I/O(入出力)制御インターフェース65を介して、CRT等の表示装置、LCDとタッチパネルからなる表示入力装置、位置決め装置24、治具テーブル装置(テーブルユニット36)、ベルト駆動モータ23、基板46の搬入と搬出を検知する基板センサ、異常をオペレータに報知するための異常表示ランプ等が接続されている。
【0038】
そして、更に制御ユニット52には、バキュームユニット66が接続されている。このバキュームユニット66はバキュームチューブ67を介して搭載ヘッド34に空気的に接続され、搭載ヘッド34の先端に装着される吸着ノズル31に対し部品47を吸着させ、又は吸着解除させる。また、バキュームチューブ67は、同様にテーブルユニット36にも空気的に接続され、治具チップ部品搭載テーブル26の上面中央に開口する吸着孔48に対し治具チップ部品を吸着させ、又は吸着解除させる。
【0039】
また、画像処理ユニット53には、図1に示した装置本体20の基台21側に配設された合計8台の部品認識用カメラ28と、作業ヘッド側に搭載ヘッド34と共に配設された合計4台の基板認識用カメラ35が接続されている。
図5は、上記構成の制御装置50のCPU51によって行われる位置関係補正の処理動作を説明するフローチャートである。尚、この処理は、所定の周期又はオペレータからの指示により、任意の作業ヘッドにおいて、当該作業ヘッドに対応する治具チップ部品搭載テーブル26と、図1では図示を省略した治具チップ部品置き場に置いてある治具チップ部品と用いて行われる処理である。図5のフローチャートにより、位置関係補正の処理を、再び図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0040】
先ず、治具チップ部品を吸着する(ステップS1)。この処理は、治具チップ部品置き場に置いてある治具チップ部品を、上記処理対象の作業ヘッドの搭載ヘッド34に吸着させる処理である。
次に、部品認識カメラ上にXY軸移動する(ステップS2)。この処理は、治具チップ部品を吸着した搭載ヘッド34を、X軸方向とY軸方向の移動により、この搭載ヘッド34に対応する部品認識用カメラ28の上方に移動させる処理である。
【0041】
続いて、カメラ認識高さまで下降する(ステップS3)。この処理は、搭載ヘッド34を、Z軸方向の移動により部品認識用カメラ28の認識領域まで下降させる処理である。
そして、カメラで認識し座標位置補正値を取得する(ステップS4)。この処理は、搭載ヘッド34が吸着している治具チップ部品を、部品認識用カメラ28で撮像し、画像処理ユニット53で画像認識し、搭載プログラムの搭載データと比較して差分を求め、この差分により搭載位置座標の補正値を算出する処理である。
【0042】
上記に続いて、搭載テーブル上へ移動する(ステップS5)。この処理は、搭載ヘッド34を、図2に示すホームポジションにある治具チップ部品搭載テーブル26の上方に移動させる処理であり、この移動では「現在、制御装置50が記憶している移動位置を上記取得した補正値で補正した位置」に移動する。尚、現在、制御装置50が記憶している移動位置は、当初は搭載プログラムのパラメータで予め示されている位置であり、次からは、前回補正された位置である。
【0043】
次に先ず、搭載テーブル。アップ処理を行う(ステップS6)。この処理は、治具チップ部品搭載テーブル26をホームポジションから図3(a) に示す部品搭載面位置46′に上昇させる処理である。
上記に続いて、治具チップ部品を搭載テーブルに搭載する(ステップS7)。この処理では、搭載ヘッド34が更に降下して、吸着している治具チップ部品を治具チップ部品搭載テーブル26上に、所定の角度(例えば最初はθ=0°、次には0°≦θ≦270°、さらに、−90°≦θ≦0°の範囲)で回転させて、搭載する。
【0044】
続いて、治具チップ部品を搭載テーブルで吸引する(ステップS8)。この処理では、バキュームユニット66が、治具チップ部品搭載テーブル26の吸着孔48に連結されているバキュームチューブ67によって吸引駆動して、治具チップ部品を治具チップ部品搭載テーブル26上に固定する。
【0045】
この後、基板認識カメラの移動を行う(ステップS9)。この処理では、先ず搭載ヘッド34が治具チップ部品の吸着を解除して上昇し、次にその搭載ヘッド34と共に配設されている基板認識用カメラ35が上記治具チップ部品の上方に位置するように作業ヘッドがX軸及びY軸方向の移動を行う処理である。また、この移動における基板認識用カメラ35の移動点は、現在、制御装置50が記憶している移動位置である。また、この制御装置50が記憶している移動位置も、当初は搭載プログラムのパラメータで予め示されている位置であり、次からは、前回補正された位置である。
【0046】
そして、カメラで認識する(ステップS10)。この処理は、治具チップ部品搭載テーブル26上の治具チップ部品を、基板認識用カメラ35で撮像し、画像処理ユニット53で画像認識し、制御装置50が記憶している基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34間の距離を、上記画像認識により得られた補正値で補正して、新しい基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34間の距離を算出する処理であると共に、制御装置50が記憶している部品の回転した位置を、基板認識用カメラ35で撮像して得られた部品の回転した位置により得られた補正値で補正する処理である。
【0047】
続いて、上記認識により得られた新しい、つまり正しい基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34との位置関係をメモリ54に記憶する(ステップS11)。これにより、以後行われる基板46への部品47の搭載処理を高精度に行う準備が整う。
【0048】
この後、吸着孔48による治具チップ部品の吸着を解除して、この治具チップ部品を搭載ヘッド34で再び吸着し(ステップS12)、テーブルユニット36のリンダー39によりピストン38を引き下げ駆動して治具チップ部品搭載テーブル26を図2に示すホームポジションに降下させ(ステップS13)、作業ヘッドを移動させて、上記搭載ヘッド34に吸着した治具チップ部品を初期位置、すなわち治具チップ部品置き場に戻す(ステップS14)。
【0049】
続いて、搭載角度を、−90°から270°までの範囲での処理を実施したか否かを判別する(ステップS15)。この処理は、上記ステップS1〜S14の処理においてステップS7及びS10により実行された認識処理が、当該吸着ノズルで各部品を搭載するに際し部品搭載プログラムで記述されている搭載角度「−90°〜270°」の範囲で回転させた状態で全て終了しているか否かを判別する処理である。
【0050】
この判別で、搭載角度「−90°〜270°」の回転状態での処理が終っていなければ(S15がN)、ステップS1に戻って、ステップS1〜S15を繰り返す。
そして、ステップS15の判別で、搭載角度「−90°〜270°」の回転状態での処理が全て終ったことが確認されたときは(S15がY)、処理を終了する。
【0051】
尚、上記の説明では、基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34との位置関係及び吸着部品の回転位置の補正について説明したが、この電子部品搭載装置20は、複数(本例では4台)の作業ヘッドが、それぞれ個々に治具チップ部品搭載テーブル26によって補正処理を行うことができるので、上記のように基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34との位置関係や部品の回転位置の補正に限ることなく、作業ヘッド間の位置関係(図1に示す例では、搭載ヘッド34−1を備えた作業ヘッドと搭載ヘッド34−2を備えた作業ヘッド間の位置関係、及び搭載ヘッド34−3を備えた作業ヘッドと搭載ヘッド34−4を備えた作業ヘッド間の位置関係)についての補正も、部品搭載面位置46′に上昇している治具チップ部品を搭載していない治具チップ部品搭載テーブル26の面を画像認識するだけで、何等かの理由で変動した相互の位置関係を容易に補正することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、基板の部品搭載面と同一位置に昇降可能な治具チップ部品搭載テーブルを設けて、この治具チップ部品搭載テーブル上に治具チップ部品を搭載して搭載面と部品の位置認識を行うだけでなく、部品の搭載回転角度の認識も360°の範囲で細かく行うようにしたので、基板認識用カメラと搭載ヘッド間の距離だけでなく、基板に搭載される部品の搭載角度による誤差の補正を、生産ラインの実可動中に行うことができ、これにより、環境温度の変化あるいは作業者や物との接触等の外的要因で基板認識カメラと搭載ヘッド間の距離に変化が生じたり経時疲労で搭載ヘッドや吸着ノズルの回転中心に変位が生じても、可及的に速やかに正しい距離や角度を計測して正しい位置に自動補正し常に高精度に電子部品を基板に搭載することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における電子部品搭載装置の上部保護カバーを取り除いて模式的に示す平面図である。
【図2】ホームポジションに待機中の治具チップ部品搭載テーブルを示す図である。
【図3】(a) はホームポジションから処理位置へ上昇した治具チップ部品搭載テーブルを示す図、(b) はその斜視図である。
【図4】装置本体内に配設されている制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】制御装置のCPUによって行われる位置関係補正の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】(a) は従来の電子部品搭載装置の外観斜視図、(b) は保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す平面図である。
【図7】従来の電子部品搭載装置の作業ヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
1 電子部品搭載装置
2 表示入力装置
3 モニタ装置
4 警報ランプ
5 基台
6(6a、6b) 基板案内レール
7 基板
8 部品
9(9a、9b) 作業ヘッド
11、12 移動軸
13(13a、13b)、14(14a、14b) 固定レール
15 帯状コード
16 搭載ヘッド
17 基板認識用カメラ
18 発光部
19 吸着ノズル
19−1 光拡散板
19−2 ノズル
20 電子部品搭載装置
21 基台
22(22a、22b) 基板案内レール
23 ベルト駆動モータ
24(24−1、24−2) 基板位置決め装置
26(26−1、26−2) 治具チップ部品搭載テーブル
28 部品認識カメラ
29 ツールチェンジャー
31 吸着ノズル
32 テープ式部品供給装置設置台
33 部品供給口列
34(34−1、34−2、34−3、34−4) 搭載ヘッド
35 基板認識カメラ
36 テーブルユニット
37 支持部材
38 ピストン
39 シリンダー
40 装置本体のフレーム
41 リニアレール
42 スライドナット
43 支持部材
44 基板位置決め天板
45 レールユニット
46 基板
46′ 部品搭載面位置
47 電子部品
48 吸着孔
50 制御装置
51 CPU
52 制御ユニット
53 画像処理ユニット
54 メモリ
58 照明装置57、
61 X軸モータ
62 Y軸モータ
63 Z軸モータ
64 θ軸モータ
65 I/O(入出力)制御インターフェース
66 バキュームユニット
67 バキュームチューブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品搭載装置に係わり、更に詳しくは、環境温度や経時疲労等による装置構成部材の位置関係の変化を部品搭載作業中に自動補正して常に高精度に電子部品を基板に搭載する部品搭載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自装置内に自動搬入されるプリント基板(以下、単に基板という)上に、IC、抵抗、コンデンサ等多数のチップ状電子部品(以下、単に部品という)を作業ヘッドによって自動的に搭載して基板ユニットを完成させる電子部品搭載装置がある。
【0003】
図6(a) は、そのような電子部品搭載装置の外観斜視図であり、同図(b) は、その保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す平面図である。この電子部品搭載装置1は、同図(a) に示すように、天井カバー上部に、液晶ディスプレイとタッチパネルからなる表示入力装置2と、CRTディスプレイからなるモニタ装置3と、稼動状態を報知する警報ランプ4を備えている。
【0004】
下部の基台5には、中央に、固定と可動の1対の平行する基板案内レール6(6a、6b)が基板の搬送方向に水平に延在して配設されている。これら二本の基板案内レール6には、特には図示しないが、その下部に接してループ状のコンベアベルトが配設されている。コンベアベルトは、ベルト駆動モータにより駆動されて基板搬送方向に走行し、同図(b) に示すように、生産ライン上流側から基板7を搬入する。上記二本の基板案内レール6aと6bの間の下方には、位置決め装置が配設されており、この位置決め装置が上記のように搬入されてくる基板7を位置決めして固定する。
【0005】
この電子部品搭載装置は、二軸型ワンバイワン方式の電子部品搭載装置であり、基台5の中央部に搬入されて位置決め固定された基板7に多数の部品8を搭載する。この搭載作業を行う二台の作業ヘッド9(9a、9b)は、それぞれ移動軸11及び12によりX軸方向(図の左右方向)に摺動自在に支持されている。一方の移動軸11は、基台5の上方に配置された二本の固定レール13(13a、13b)間に摺動自在に差し渡されてY軸方向(図の上下方向)に移動し、他方の移動軸12は、これも基台5上方に配置された他の二本の固定レール14(14a、14b)間に摺動自在に差し渡されて上記同様にY軸方向に移動する。これにより、二台の作業ヘッド9はそれぞれ基台5の上方の作業領域を前後(Y軸方向)左右(X軸方向)に自在に移動する。
【0006】
図7は、上記作業ヘッド9の斜視図である。同図に示すように、作業ヘッド9は、可撓性の帯状コード15によって装置本体の中央制御部と連結されている。この帯状コード15によって中央制御部からは電力及び制御信号を供給され、中央制御部へは回路基板上の作業すべき目標位置等の認識データを送信する。この作業ヘッド9は、その先端に2個の搭載ヘッド16及び16と、基板認識用カメラ17を備えている。2個の搭載ヘッド16は、それぞれZ軸方向(上下方向)に昇降可能であり且つθ軸方向(360°方向)に回転可能である。
【0007】
また、2個の搭載ヘッド16は、それぞれその先端に発光部18を備え、その下部に吸着ノズル19を着脱自在に装着している。吸着ノズル19は、発光部18の照射光を拡散して部品の撮像背景を形成するための光拡散板19−1と、部品供給装置から基板7まで部品8を吸着して移載するノズル19−2とから構成される。
【0008】
このような構成において、二台の作業ヘッド9a及び9bは、それぞれ上述した二本の固定レール13と移動軸11及び二本の固定レール14移動軸12により前後左右に自在に移動し、不図示の部品供給装置から吸着ノズル19−2で部品8を吸着し、一方では、基台5側に配置されている不図示の部品認識用カメラによって、上記吸着した部品8の保持位置偏差を検出し、この検出した保持位置偏差に基づいて搭載位置データを補正し、他方では、基板認識用カメラ17で基板7の位置を確認して、その基板7上に上記の部品8を搭載する。
【0009】
ところで、一般に部品のサイズは0.5mm×1mmと極めて小さいか、または、サイズが2cm角というように大きい場合でも部品に配設されている多数のリード線の間隔は数百ミクロンというように極めて狭い。また、部品の設計寸法は年々微細化されている。そればかりでなく、部品の設計寸法の微細化に伴って基板に部品を搭載する密度が極めて細かくなって隣接する部品間の間隔も年々狭く設定されてきており、例えば現今では、その間隔を0.1mm〜0.2mmとすることが通常の設計寸法となっている。
【0010】
したがって、部品を基板に搭載する際には、作業ヘッドの部品把持位置の補正の精度は勿論であるが、作業ヘッドが基板に対して移動する場合の動作(距離及び方向)にも厳しい精度が要求される。そして、そのような作業ヘッドの部品把持位置の補正を精度よく行い且つ作業ヘッドが基板に対して移動する精度を維持するには種々の方法が提案され、実用化されている。
【0011】
しかし、電子部品搭載装置の部品搭載作業に要求される精度は、上記の部品把持位置や移動動作だけではない。作業ヘッド9各部の熱膨張率(又は熱収縮率)にバラツキがあって一定ではないことと、環境の変化にも影響されて、基板認識用カメラ17と搭載ヘッド16との位置関係に誤差が生じてくる。例えば、工場出荷時に、25℃の環境下で調整した場合、顧客の設置場所での環境に±10℃の差があると、±10μmの誤差が生じてしまう。
【0012】
このように、基板認識用カメラ17と搭載ヘッド16間の距離に例えば±10μmの変化があると、基板に部品を搭載する際に、基板のアイマークを確認した後の部品搭載位置が上記の変化量±10μmと同一量だけずれてしまう。この±10μmの誤差は現今のような精密な基板ユニットを生産するには無視できない誤差である。
【0013】
この誤差を補正するためには、従来は、基板ユニットの生産開始前に、装置内に、表面に両面テープを貼り付けた治具基板を搬入して所定の位置に固定し、搭載ヘッド16(つまりノズル19−2、以下同様)で治具置き場から治具チップ部品を吸着し、この治具チップ部品の吸着された保持姿勢を部品認識用カメラで認識し、この認識した治具チップ部品を治具基板上に移載し、この移載されて両面テープによって位置固定された治具チップ部品を基板認識用カメラ17で認識した後、治具基板を装置外に搬出する、という基板認識用カメラ17と搭載ヘッド16の変化した位置関係を補正するための作業を行っていた。
【0014】
ところで、上記のように作業ヘッド9が複数台ある場合は、その中の一台を基準ヘッドに設定して、この基準ヘッドの動作を基準として他の作業ヘッドも動作するようにしている。例えば、搭載作業開始前に、基準ヘッドが認識面高さを認識した値を用いて基板の搭載面高さが算出され、その算出された値がそのまま他の作業ヘッドにも適用されるという自動アジャストと呼ばれる方法が採用されている。この場合、他の作業ヘッドは、基準ヘッドと自ヘッドとの間に設定されている距離値を参照しながら上記算出された値に基づいて部品搭載作業を行うようになっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先ず上述の位置関係の補正を行うには、近年のように作業能率を上げるために一台の電子部品搭載装置に4台の作業ヘッドが配設されるようになると、4台の作業ヘッドそれぞれに対して位置関係の補正を行うために、装置内への治具基板の搬入・搬出を4回繰り返えさなければならず、時間と手数が掛りすぎるという問題があった。
【0016】
また、そればかりでなく、生産ラインが本稼動している間は治具基板を流すことができないため、生産ライン稼動中において環境温度の上昇によって生じる位置関係の変化の補正を行いたい場合でも、稼動中の生産ラインを止めない限り補正を行うことができないという不便な問題も有していた。
【0017】
次に上記の自動アジャストの方法では、例えば基準ヘッドの軸(つまり搭載ヘッドの軸、以下同様)に対して、これに従動する他の作業ヘッドの軸に角度θの傾きがあったりすると、認識面高さと搭載面高さの差をhとして、基準ヘッドの認識に基づいて算出された搭載位置と軸が傾いている他の作業ヘッドが実行する搭載位置とでは、h×sinθの誤差を伴っているから、部品搭載の精度が低下するとう問題が発生する。
【0018】
更に、搭載ヘッド16の先端に着脱自在に装着される吸着ノズル19は経時疲労を起こしやすい部材である。吸着ノズル19が経時疲労を起こすと、その中心軸に狂いを生じやすい。したがって従来は所定の時期において、部品認識カメラで部品を角度0°の状態(部品を吸着したときのままの状態)と角度180°まで回転させた状態とを認識して、吸着ノズル19の回転中心軸の変位を求めて補正していたが、どうしても搭載精度の劣る搭載ヘッドが存在し、その改善が望まれていた。
【0019】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、環境温度等による基板認識用カメラと搭載ヘッドとの位置関係の変化や基準ヘッドと従動ヘッド間の位置関係の変化、更には吸着ノズルの回転中心軸の微細な変位を部品搭載作業中に自動補正して常に高精度に電子チップ部品をプリント基板に搭載する電子部品搭載装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
以下に、本発明に係わる電子部品搭載装置の構成を述べる。
本発明の電子部品搭載装置は、吸着手段により電子部品を吸着し、該電子部品の吸着姿勢を部品認識カメラで画像認識し、この画像認識された上記電子部品を、上記吸着手段と共に配置されているプリント基板認識カメラで搭載位置を画像認識しながらプリント基板の所定の位置に所定の回転角度で自動搭載する電子部品搭載装置であって、治具チップ部品置き場に収容された治具チップ部品と、プリント基板が搬入されたとき該プリント基板の裏面に搭載されている電子部品に干渉しない待機位置と上記プリント基板のこれから搭載する電子部品の搭載面と同一高さ位置とに昇降するテーブルと、該テーブルに設けられ該テーブルに上記治具チップ部品が載置されたとき該治具チップ部品を上記テーブルの面に固定する固定手段と、上記吸着手段により上記治具チップ部品を吸着させて該治具チップ部品を上記テーブルに所定の回転角度で載置させ、上記固定手段により上記治具チップ部品を載置部に固定させ、該治具チップ部品の搭載位置及び角度を上記プリント基板認識カメラで画像認識させ、この認識結果に基づいて上記吸着手段による上記電子部品の搭載位置及び回転角度を補正する補正手段と、を有して構成される。
【0021】
上記テーブルは、例えば請求項2記載のように、照明光線が乱反射を起さない表面処理を施こされて構成され、また、例えば請求項3記載のように、前後それぞれの作業ヘッドの移動範囲内に配設され該前後それぞれの作業ヘッドの全ての搭載ヘッドにより上記治具チップ部品を載置可能に配設されて構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態における電子部品搭載装置の上部保護カバーを取り除いて模式的に示す平面図である。尚、同図に示す電子部品搭載装置20は主要部のみを示しており、また、その外観は、図6(a) に示した電子部品搭載装置1の外観とほぼ同様である。図1において、電子部品搭載装置20は、基台21上に固定と可動の二本の基板案内レール22(22a、22b)を備え、これらの基板案内レール22の両端の外側には、基板案内レール22の下側にあって図では見えない搬送ベルトを駆動するための、ベルト駆動モータ23がそれぞれ配設されている。
【0023】
二本の基板案内レール22の間には下方左右に分かれて2つの基板位置決め装置24(24−1、24−2)が配置され、一方の基板案内レール22bの内側に添い上記2つの基板位置決め装置24に近接して、詳しくは後述する治具チップ部品搭載テーブル26(26−1、26−2)がそれぞれ配設されている。
【0024】
また、基板案内レール22a及び22bのそれぞれ外側に添い、基板位置決め装置24に対応する位置に、合計4組の照明灯付きの二台の部品認識カメラ28と交換用の吸着ノズルを収容するツールチェンジャー29が配設されている。ツールチェンジャー29には、搭載される電子部品に応じた5個の吸着ノズル31が収容され、その内の2個が搭載ヘッドに装着されて空になっている。
【0025】
これらの更に外側に、つまり基板案内レール22aと装置本体の一方の外縁の中間および基板案内レール22bと装置本体の他方の外縁の中間に、それぞれ2台、合計4台のテープ式部品供給装置設置台32(32−1、32−2、32−3、32−4)が配設されている。これらの台上には、特には図示しないが、30基前後のテープ式部品供給装置が装着され、それぞれ部品供給口を基板案内レール22側に向けて揃え、部品供給口列33を形成している。
【0026】
4台の各テープ式部品供給装置設置台32の上方には、4基の作業ヘッドの各搭載ヘッド34(34−1、34−2、34−3、34−4)が、ホームポジションに待機している。これら作業ヘッドの構成は、図7に示した作業ヘッド9の構成とほぼ同様である。
【0027】
これらの作業ヘッドが、基板に搭載するための所望の電子部品をテープ式部品供給装置から受け取るときは、先ず、装着している吸着ノズル31が所望の電子部品に対応する吸着ノズルであるか否かを判別し、対応していればそのまま、対応していなければ対応する吸着ノズルに交換した後、所望の電子部品を保持しているテープ式部品供給装置の部品供給口に、搭載ヘッドの先端が例えば図の二点鎖線34−4′で示す位置に来るように移動して、その所望の電子部品を吸着する。
【0028】
そして、その吸着した電子部品の部品認識カメラ28による認識処理により搭載位置の補正を行って、基板位置決め装置24により位置決めされて二本の基板案内レール22間に位置固定されている不図示の基板上に移動し、基板認識カメラ35により基板のアイマークを認識した後、その後の搭載プログラムに指示される手順に従って電子部品を搭載する。
【0029】
基板位置決め装置24−1上の基板に対しては、搭載ヘッド34−1及び34−2が部品搭載処理を行い、基板位置決め装置24−2上の基板に対しては、搭載ヘッド34−3及び34−4が部品搭載処理を行うようになっている。そして環境温度が上昇(又は降下)して、部品認識カメラ28と装着中の吸着ノズル31との位置関係に変化が生じたとき、あるいは吸着ノズル31が他の部分に接触して使用可能な程度に変形したなどの場合には、所定の周期で、又はオペレータからの指示により、治具チップ部品搭載テーブル26と不図示の治具チップ部品と用いて詳しくは後述する位置関係補正の処理を行う。
【0030】
図2は、ホームポジションに待機中の治具チップ部品搭載テーブル26を示す図である。同図に示すように、治具チップ部品搭載テーブル26は、テーブルユニット36の上端部に配置されている。テーブルユニット36は、上記の治具チップ部品搭載テーブル26と、この治具チップ部品搭載テーブル26を支持する断面が鉤型の支持部材37と、この支持部材37の上部鉤型の底面に一端が固着するピストン38と、このピストン38の他端を空圧で昇降させるシリンダー39と、このシリンダー39と共に装置本体のフレーム40に固設されているリニアレール41と、このリニアレール41に滑動自在に係合し支持部材37と一体に構成されたスライドナット42とを備えている。
【0031】
上記装置本体のフレーム40には、図1に示した基板案内レール22bと、この基板案内レール22bと不図示の基板搬送ベルトを支持する支持部材43と、基板案内レール22bの上面に固設された基板位置決め天板44とからなるレールユニット45も固定して配設されている。
【0032】
装置本体内に搬入されてくる基板46が両面基板の場合であって且つ二回目の搭載処理の場合であれば、図2に示すように、基板46の裏面には一回目の搭載処理で搭載された複数の電子部品47が配置されている。治具チップ部品搭載テーブル26は、上記の基板裏面の電子部品47に当接しないような下方の位置にホームポジションが予め設定される。
【0033】
そして、上記の基板46は、図2に示すように装置本体内に搬入されてくると、基板案内レール22によって搬入方向左右位置を位置決めされ、図1に示した基板位置決め装置24によって前後位置を位置決めされ、更に基板位置決め天板44によって表搭載面の上下位置を図の二点鎖線で示す部品搭載面位置46′に位置決めされて、その位置に固定される。
【0034】
図3(a) は、ホームポジションから処理位置へ上昇した治具チップ部品搭載テーブル26を示す図であり、同図(b) はその斜視図である。尚、同図(a) は同図(b) のA矢視図でもある。また、同図(a) には、未だ搬入されていない基板46を二点鎖線で仮想的に示しており、同図(b) には、図の向こう側になるテーブルユニット36の構成を分かり易く示すために、手前のレールユニット45を二点鎖線で透視的に示している。
【0035】
装置本体に対し上述した位置関係補正の処理の開始が指示されると、テーブルユニット36は、シリンダ39を駆動してピストン38を上昇させる。これにより、リニアレール41に案内されてスライドナット42を滑動させながら支持部材37が上昇し、同図(a),(b) に示すように、治具チップ部品搭載テーブル26の治具チップ部品搭載面が、基板46の部品搭載面位置46′に一致する位置でストッパ機構により停止する。ストッパ機構は特には図示しないが、スライドナット42の上端に当接するような付き当て部材をリニアレール41側に設けたような簡単な構成で充分である。
【0036】
また、上記の治具チップ部品搭載テーブル26の中央部には上に開口する吸着孔48が形成されている。この吸着孔48の下端には、不図示の真空発生源に連結するこれも不図示の真空チューブが取り付けられている。
図4は、装置本体内に配設されている制御装置の構成を示すブロック図である。同図に示す制御装置50は、CPU51と、このCPU51にバスで接続された制御ユニット52、画像処理ユニット53、及びメモリ54からなる。
【0037】
上記の制御ユニット52には、基板46の部品搭載位置を照明するための照明装置57や搭載ヘッド34の吸着ノズル31に吸着されている電子部品47を照明するための照明装置58が接続され、更に、それぞれのアンプを介してX軸モータ61、Y軸モータ62、Z軸モータ63、及びθ軸モータ64が接続され、また、更に、I/O(入出力)制御インターフェース65を介して、CRT等の表示装置、LCDとタッチパネルからなる表示入力装置、位置決め装置24、治具テーブル装置(テーブルユニット36)、ベルト駆動モータ23、基板46の搬入と搬出を検知する基板センサ、異常をオペレータに報知するための異常表示ランプ等が接続されている。
【0038】
そして、更に制御ユニット52には、バキュームユニット66が接続されている。このバキュームユニット66はバキュームチューブ67を介して搭載ヘッド34に空気的に接続され、搭載ヘッド34の先端に装着される吸着ノズル31に対し部品47を吸着させ、又は吸着解除させる。また、バキュームチューブ67は、同様にテーブルユニット36にも空気的に接続され、治具チップ部品搭載テーブル26の上面中央に開口する吸着孔48に対し治具チップ部品を吸着させ、又は吸着解除させる。
【0039】
また、画像処理ユニット53には、図1に示した装置本体20の基台21側に配設された合計8台の部品認識用カメラ28と、作業ヘッド側に搭載ヘッド34と共に配設された合計4台の基板認識用カメラ35が接続されている。
図5は、上記構成の制御装置50のCPU51によって行われる位置関係補正の処理動作を説明するフローチャートである。尚、この処理は、所定の周期又はオペレータからの指示により、任意の作業ヘッドにおいて、当該作業ヘッドに対応する治具チップ部品搭載テーブル26と、図1では図示を省略した治具チップ部品置き場に置いてある治具チップ部品と用いて行われる処理である。図5のフローチャートにより、位置関係補正の処理を、再び図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0040】
先ず、治具チップ部品を吸着する(ステップS1)。この処理は、治具チップ部品置き場に置いてある治具チップ部品を、上記処理対象の作業ヘッドの搭載ヘッド34に吸着させる処理である。
次に、部品認識カメラ上にXY軸移動する(ステップS2)。この処理は、治具チップ部品を吸着した搭載ヘッド34を、X軸方向とY軸方向の移動により、この搭載ヘッド34に対応する部品認識用カメラ28の上方に移動させる処理である。
【0041】
続いて、カメラ認識高さまで下降する(ステップS3)。この処理は、搭載ヘッド34を、Z軸方向の移動により部品認識用カメラ28の認識領域まで下降させる処理である。
そして、カメラで認識し座標位置補正値を取得する(ステップS4)。この処理は、搭載ヘッド34が吸着している治具チップ部品を、部品認識用カメラ28で撮像し、画像処理ユニット53で画像認識し、搭載プログラムの搭載データと比較して差分を求め、この差分により搭載位置座標の補正値を算出する処理である。
【0042】
上記に続いて、搭載テーブル上へ移動する(ステップS5)。この処理は、搭載ヘッド34を、図2に示すホームポジションにある治具チップ部品搭載テーブル26の上方に移動させる処理であり、この移動では「現在、制御装置50が記憶している移動位置を上記取得した補正値で補正した位置」に移動する。尚、現在、制御装置50が記憶している移動位置は、当初は搭載プログラムのパラメータで予め示されている位置であり、次からは、前回補正された位置である。
【0043】
次に先ず、搭載テーブル。アップ処理を行う(ステップS6)。この処理は、治具チップ部品搭載テーブル26をホームポジションから図3(a) に示す部品搭載面位置46′に上昇させる処理である。
上記に続いて、治具チップ部品を搭載テーブルに搭載する(ステップS7)。この処理では、搭載ヘッド34が更に降下して、吸着している治具チップ部品を治具チップ部品搭載テーブル26上に、所定の角度(例えば最初はθ=0°、次には0°≦θ≦270°、さらに、−90°≦θ≦0°の範囲)で回転させて、搭載する。
【0044】
続いて、治具チップ部品を搭載テーブルで吸引する(ステップS8)。この処理では、バキュームユニット66が、治具チップ部品搭載テーブル26の吸着孔48に連結されているバキュームチューブ67によって吸引駆動して、治具チップ部品を治具チップ部品搭載テーブル26上に固定する。
【0045】
この後、基板認識カメラの移動を行う(ステップS9)。この処理では、先ず搭載ヘッド34が治具チップ部品の吸着を解除して上昇し、次にその搭載ヘッド34と共に配設されている基板認識用カメラ35が上記治具チップ部品の上方に位置するように作業ヘッドがX軸及びY軸方向の移動を行う処理である。また、この移動における基板認識用カメラ35の移動点は、現在、制御装置50が記憶している移動位置である。また、この制御装置50が記憶している移動位置も、当初は搭載プログラムのパラメータで予め示されている位置であり、次からは、前回補正された位置である。
【0046】
そして、カメラで認識する(ステップS10)。この処理は、治具チップ部品搭載テーブル26上の治具チップ部品を、基板認識用カメラ35で撮像し、画像処理ユニット53で画像認識し、制御装置50が記憶している基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34間の距離を、上記画像認識により得られた補正値で補正して、新しい基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34間の距離を算出する処理であると共に、制御装置50が記憶している部品の回転した位置を、基板認識用カメラ35で撮像して得られた部品の回転した位置により得られた補正値で補正する処理である。
【0047】
続いて、上記認識により得られた新しい、つまり正しい基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34との位置関係をメモリ54に記憶する(ステップS11)。これにより、以後行われる基板46への部品47の搭載処理を高精度に行う準備が整う。
【0048】
この後、吸着孔48による治具チップ部品の吸着を解除して、この治具チップ部品を搭載ヘッド34で再び吸着し(ステップS12)、テーブルユニット36のリンダー39によりピストン38を引き下げ駆動して治具チップ部品搭載テーブル26を図2に示すホームポジションに降下させ(ステップS13)、作業ヘッドを移動させて、上記搭載ヘッド34に吸着した治具チップ部品を初期位置、すなわち治具チップ部品置き場に戻す(ステップS14)。
【0049】
続いて、搭載角度を、−90°から270°までの範囲での処理を実施したか否かを判別する(ステップS15)。この処理は、上記ステップS1〜S14の処理においてステップS7及びS10により実行された認識処理が、当該吸着ノズルで各部品を搭載するに際し部品搭載プログラムで記述されている搭載角度「−90°〜270°」の範囲で回転させた状態で全て終了しているか否かを判別する処理である。
【0050】
この判別で、搭載角度「−90°〜270°」の回転状態での処理が終っていなければ(S15がN)、ステップS1に戻って、ステップS1〜S15を繰り返す。
そして、ステップS15の判別で、搭載角度「−90°〜270°」の回転状態での処理が全て終ったことが確認されたときは(S15がY)、処理を終了する。
【0051】
尚、上記の説明では、基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34との位置関係及び吸着部品の回転位置の補正について説明したが、この電子部品搭載装置20は、複数(本例では4台)の作業ヘッドが、それぞれ個々に治具チップ部品搭載テーブル26によって補正処理を行うことができるので、上記のように基板認識用カメラ35と搭載ヘッド34との位置関係や部品の回転位置の補正に限ることなく、作業ヘッド間の位置関係(図1に示す例では、搭載ヘッド34−1を備えた作業ヘッドと搭載ヘッド34−2を備えた作業ヘッド間の位置関係、及び搭載ヘッド34−3を備えた作業ヘッドと搭載ヘッド34−4を備えた作業ヘッド間の位置関係)についての補正も、部品搭載面位置46′に上昇している治具チップ部品を搭載していない治具チップ部品搭載テーブル26の面を画像認識するだけで、何等かの理由で変動した相互の位置関係を容易に補正することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、基板の部品搭載面と同一位置に昇降可能な治具チップ部品搭載テーブルを設けて、この治具チップ部品搭載テーブル上に治具チップ部品を搭載して搭載面と部品の位置認識を行うだけでなく、部品の搭載回転角度の認識も360°の範囲で細かく行うようにしたので、基板認識用カメラと搭載ヘッド間の距離だけでなく、基板に搭載される部品の搭載角度による誤差の補正を、生産ラインの実可動中に行うことができ、これにより、環境温度の変化あるいは作業者や物との接触等の外的要因で基板認識カメラと搭載ヘッド間の距離に変化が生じたり経時疲労で搭載ヘッドや吸着ノズルの回転中心に変位が生じても、可及的に速やかに正しい距離や角度を計測して正しい位置に自動補正し常に高精度に電子部品を基板に搭載することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における電子部品搭載装置の上部保護カバーを取り除いて模式的に示す平面図である。
【図2】ホームポジションに待機中の治具チップ部品搭載テーブルを示す図である。
【図3】(a) はホームポジションから処理位置へ上昇した治具チップ部品搭載テーブルを示す図、(b) はその斜視図である。
【図4】装置本体内に配設されている制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】制御装置のCPUによって行われる位置関係補正の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】(a) は従来の電子部品搭載装置の外観斜視図、(b) は保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す平面図である。
【図7】従来の電子部品搭載装置の作業ヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
1 電子部品搭載装置
2 表示入力装置
3 モニタ装置
4 警報ランプ
5 基台
6(6a、6b) 基板案内レール
7 基板
8 部品
9(9a、9b) 作業ヘッド
11、12 移動軸
13(13a、13b)、14(14a、14b) 固定レール
15 帯状コード
16 搭載ヘッド
17 基板認識用カメラ
18 発光部
19 吸着ノズル
19−1 光拡散板
19−2 ノズル
20 電子部品搭載装置
21 基台
22(22a、22b) 基板案内レール
23 ベルト駆動モータ
24(24−1、24−2) 基板位置決め装置
26(26−1、26−2) 治具チップ部品搭載テーブル
28 部品認識カメラ
29 ツールチェンジャー
31 吸着ノズル
32 テープ式部品供給装置設置台
33 部品供給口列
34(34−1、34−2、34−3、34−4) 搭載ヘッド
35 基板認識カメラ
36 テーブルユニット
37 支持部材
38 ピストン
39 シリンダー
40 装置本体のフレーム
41 リニアレール
42 スライドナット
43 支持部材
44 基板位置決め天板
45 レールユニット
46 基板
46′ 部品搭載面位置
47 電子部品
48 吸着孔
50 制御装置
51 CPU
52 制御ユニット
53 画像処理ユニット
54 メモリ
58 照明装置57、
61 X軸モータ
62 Y軸モータ
63 Z軸モータ
64 θ軸モータ
65 I/O(入出力)制御インターフェース
66 バキュームユニット
67 バキュームチューブ
Claims (3)
- 吸着手段により電子部品を吸着し、該電子部品の吸着姿勢を部品認識カメラで画像認識し、この画像認識された前記電子部品を、前記吸着手段と共に配置されているプリント基板認識カメラで搭載位置を画像認識しながらプリント基板の所定の位置に所定の回転角度で自動搭載する電子部品搭載装置において、
治具チップ部品置き場に収容された治具チップ部品と、
プリント基板が搬入されたとき該プリント基板の裏面に搭載されている電子部品に干渉しない待機位置と前記プリント基板のこれから搭載する電子部品の搭載面と同一高さ位置とに昇降するテーブルと、
該テーブルに設けられ該テーブルに前記治具チップ部品が載置されたとき該治具チップ部品を前記テーブルの面に固定する固定手段と、
前記吸着手段により前記治具チップ部品を吸着させて該治具チップ部品を前記テーブルに所定の回転角度で載置させ、前記固定手段により前記治具チップ部品を載置部に固定させ、該治具チップ部品の搭載位置及び角度を前記プリント基板認識カメラで画像認識させ、この認識結果に基づいて前記吸着手段による前記電子部品の搭載位置及び回転角度を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする電子部品搭載装置。 - 前記テーブルは、照明光線が乱反射を起さない表面処理を施こされていることを特徴とする請求項1記載の部品搭載装置。
- 前記テーブルは、前後それぞれの作業ヘッドの移動範囲内に配設され該前後それぞれの作業ヘッドの全ての搭載ヘッドにより前記治具チップ部品を載置可能に配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の部品搭載装置。
Priority Applications (1)
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1933314A1 (en) | 2004-09-07 | 2008-06-18 | Konica Minolta Opto, Inc. | Objective lens for optical pick-up devices, optical pick-up devices, and optical information recording and/or reproducing apparatus |
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-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003045543A patent/JP2004259726A/ja active Pending
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