JP2004258026A - プローブ媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体であって、該プローブと、有機溶媒を含む媒体と、該プローブを有機溶媒に可溶化させる物質と、を含むことを特徴とするプローブ媒体を提供する。
【選択図】 なし
Description
(1)プローブの合成
標的物質に対して特異的に結合可能なプローブとして一本鎖DNAプローブを用いた。DNA自動合成機(Applied Biosystems社製、Model380A)を用いて配列番号1の一本鎖DNAプローブを合成した。なお、配列番号:1の一本鎖DNA末端には5’末端の水酸基にリン酸基とヘキサメチレンを介してアミノ基を結合した18量体のオリゴマーを用意し、以下の実験に用いた。
配列番号:1
5’ H2N−(CH2)6−O−PO2−O−ACTGGCCGTCGTTTTACA 3’。
プローブが可溶な媒体として水を用いた。
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質としてセチルトリメチルアンモニウムブロミド(n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)を用いた。セチルトリメチルアンモニウムブロミドが完全に溶解した水溶液とするために、50℃のウォーターバス中で加温しながら溶解させた。
プローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBE−9007;信越化学工業(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
上記(1)の配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質セチルトリメチルアンモニウムブロミドの約65mmol/l水溶液を20μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが水溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降した後に、上記プローブ固定物質を30μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、30分間静置した。
1inch×3inchのシリカコートソーダライムガラス基板(厚み:約1.1mm)を純水ですすぎ、表面に付着した異物を除去した。これをUV/O3洗浄装置を用いて5分間処理し、表面に付着した有機物を除去した。UV/O3洗浄した基板をカセットに入れ、無機アルカリ系洗剤(商品名:セミクリーンKG;横浜油脂工業(株)社)の5vol%水溶液に浸漬しながら、超音波を5分間照射した。引き続き純水流水中でカセットごと基板を十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着した洗剤を水洗、除去した。十分にすすいだ後、純水中にカセットごとガラス基板を浸し、超音波洗浄を5分間行なった。超音波洗浄後、純水流水中で十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着したパーティクルを水洗、除去した。水洗後のガラス基板をカセットごとスピンドライ乾燥させた。基板の洗浄を確認するために、基板上における純水接触角を測定した。その結果、基板のすべての部位においてスプレッド状態であった。
上記(5)で調製したプローブ媒体をインクジェット装置を用いて基材上にスポッティングを行なった。インクジェットヘッドにはピエゾヘッドを用いた。ピエゾジェットヘッドにプローブ媒体を充填し、上記(6)で用意したガラス基板上に、プローブ媒体をスポッティングした。ここでピエゾジェットヘッドの液体吐出面とガラス基板の液体付着面との距離は約0.5mmであった。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
上記(1)の配列番号1の一本鎖DNAプローブと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAプローブをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化した一本鎖DNAプローブを得た。この標識化一本鎖DNAを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度50nMとなるように溶解し、この溶液中に上記(7)で得たプローブ固定基材を浸漬し、室温(45℃)で2時間ハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は5531であった。スポットの532nmでの蛍光強度積算値は6593912であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ40前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用いた。
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質としてセチルトリメチルアンモニウムクロリド(n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)を用いた。セチルトリメチルアンモニウムクロリドが完全に溶解した水溶液とするために、50℃のウォーターバス中で加温しながら溶解させた。
実施例1と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネートシランカップリング剤、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを用意した後、以下の実験に用いた。
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質セチルトリメチルアンモニウムクロリドの約163mmol/l水溶液を20μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが水溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降した後に、上記プローブ固定物質を30μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
上記(5)で調製したプローブ媒体を用いて実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は5836であった。スポットの532nmでの蛍光強度積算値は6377211であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ50前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用いた。
プローブを有機溶媒に可溶化させる物質として塩化セチルピリジニウム(セチルピリジニウムクロライド)を用いた。塩化セチルピリジニウムが完全に溶解した水溶液とするために、十分に攪拌を行ないながら溶解させた。
プローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:Y−5187;日本ユニカー(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
実施例1(1)の配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これにプローブ溶媒である純水20μlを滴下、プローブを溶解させた。溶解残りが無い様に十分に攪拌を行ない、遠心沈降により溶液を容器底部に集めた。プローブを溶解させたプローブ溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質、塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を5μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降することにより溶液中より分離、した後、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。軽く攪拌、混合した後に、60分間静置した。
1inch×3inchのシリカコートソーダライムガラス基板(厚み:約1.1mm)を純水ですすぎ、表面に付着した異物を除去した。これをUV/O3洗浄装置を用いて5分間処理し、表面に付着した有機物を除去した。UV/O3洗浄した基板をカセットに入れ、無機アルカリ系洗剤(商品名:セミクリーンKG;横浜油脂工業(株)社)の5vol%水溶液に浸漬しながら、超音波を5分間照射した。引き続き純水流水中でカセットごと基板を十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着した洗剤を水洗、除去した。十分にすすいだ後、純水中にカセットごとガラス基板を浸し、超音波洗浄を5分間行なった。超音波洗浄後、純水流水中で十分にすすぎ、ガラス基板およびカセットに付着したパーティクルを水洗、除去した。水洗後のガラス基板をカセットごとスピンドライ乾燥させた。基板の洗浄を確認するために、基板上における純水接触角を測定した。その結果、基板のすべての部位においてスプレッド状態であった。
上記(5)で調製したプローブ媒体をインクジェット装置を用いて基材にスポッティングを行なった。インクジェットヘッドにはピエゾヘッドを用いた。ピエゾジェットヘッドにプローブ媒体を充填し、上記(6)で用意したガラス基板上に、プローブ媒体をスポッティングした。ここでピエゾジェットヘッドの液体吐出面とガラス基板の液体付着面との距離は約0.5mmであった。スポッティング終了後、ガラス基板をルーペを用いて観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
上記(1)の配列番号1の一本鎖DNAプローブと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAプローブをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化した一本鎖DNAプローブを得た。この標識化一本鎖DNAを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度50nMとなるように溶解し、この溶液中に上記(7)で得たプローブ固定基材を浸漬し、室温(45℃)で2時間ハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は22180であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用いた。
実施例3と全く同様にしてプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を純水に溶解させた溶液を調製し、以下の実験に用いた。
実施例3と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を10μl滴下、混合した。これによりDNAプローブが水溶液中より析出し、プローブ媒体が白濁した。DNAプローブを遠心沈降した後に、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
上記(5)で調製したプローブ媒体を用いて実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号:1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は19570であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であり、同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用意した。
実施例3と全く同様にしてプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を純水に溶解させた溶液を調製し、以下の実験に用いた。
実施例3と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:Y−5187;日本ユニカー(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質、塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を20μl滴下、混合した。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を混合に伴ない、プローブ媒体は白濁したものの20μl全量滴下、混合により次第に白濁が無くなり、僅かに白濁が認められた。DNAプローブを遠心沈降し、上清を取り除いた後に、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
上記(5)で調製したプローブ媒体を実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は7322であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であるが、各実施例に比べてスポット輪郭部がぼやけて認識しにくく、スポットサイズは約1/2程度の大きさになった。同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
実施例1と全く同様にしてプローブが可溶な媒体として水を用意した。
実施例3と全く同様にしてプローブを有機溶媒に可溶化させる物質を純水に溶解させた溶液を調製し、以下の実験に用いた。
実施例3と全く同様にしてプローブが不溶な有機溶媒としてイソシアネート基を有するシラン化合物(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:Y−5187;日本ユニカー(株)社製)、イソプロピルアルコール、ジプロピレングリコールを以下の実験に用いた。
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液にプローブを有機溶媒に可溶化させる物質、塩化セチルピリジニウムの約65mmol/l水溶液を2.5μl滴下、混合した。プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を混合に伴ない、プローブ媒体は少し白濁した。DNAプローブを遠心沈降し、上清を取り除いた後に、上記プローブ不溶溶媒の中より、シランカップリング剤のみを5μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
上記(5)で調製したプローブ媒体を実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(8)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は8976であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ45前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であるが、各実施例に比べてスポット輪郭部がぼやけて認識しにくく、スポットサイズは約1/2程度の大きさになった。同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
(1)プローブの合成
実施例1と全く同様にして一本鎖DNAプローブを用意した後、以下の実験に用いた。
上記実施例1および2で用いた、プローブを有機溶媒に可溶化させる物質は、以下の実験に用いなかった。
実施例1と全く同様にしてプローブ固定物質であるイソシアネートシランカップリング剤を用意した後、以下の実験に用いた。
配列番号:1の一本鎖DNAプローブを18nmolに分注、ドライアップしたものを用意し、これに20μlの純水を滴下、溶解させた。プローブを溶解させたプローブ水溶液に、上記プローブ固定物質を30μl滴下した。十分に攪拌、混合した後に、60分間静置した。
実施例1と全く同様にして基板洗浄を行ない、ガラス基板を用意した。
上記(4)で調製したプローブ媒体を実施例1と全く同様にしてスポッティングを行ない、プローブ固定基材を作製した。スポッティング終了後、ガラス基板を顕微鏡により観察したところ、ガラス基板表面にマトリックス状のスポット配列が形成されていることが確認された。スポッティング終了後のガラス基板を80℃に加温したホットプレート上に5分間静置した。ホットプレートでの処理をした基板はデシケーター内に保管した。このようにしてプローブ固定基材(プローブアレイ)を作製した。
実施例1と全く同様にしてハイブリダイゼーション処理を行なった。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAプローブを洗い流した。ついで、純水で余分な塩分を除去した後、窒素ブローによりプローブアレイを乾燥させた。次に該プローブアレイのスポットの蛍光を、蛍光スキャナ(商品名:GenePix4000B;Axon Instruments,Inc.製)を用いて蛍光強度を評価した。評価するにあたり、レーザーパワーを100%に設定し、PMTを400Vに設定した。
上記(7)での蛍光スキャナ評価結果を解析したところ、標識化一本鎖DNAプローブと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは、532nmでの蛍光強度が高い部位での輝度は5744であった。スポットの532nmでの蛍光強度積算値は419192であった。また、DNAプローブのスポット部以外の蛍光強度を観察したところ40前後であった。各DNAプローブのスポットを蛍光で観察した状態では、各々のスポット形状がほぼ円形であるが、各実施例に比べてスポットサイズが1/4程度に小さくなった。同じプローブ媒体をスポッティングしたスポット間においては蛍光強度の差異は殆ど認められなかった。また、隣接するスポットとの間隔はほぼ均等であり、約300μmの間隔で格子状にスポットが配置されていることが観察された。
Claims (14)
- 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体であって、該プローブと、有機溶媒を含む媒体と、該プローブを有機溶媒に可溶化させる物質と、を含むことを特徴とするプローブ媒体。
- 前記プローブが核酸プローブである請求項1に記載のプローブ媒体。
- 前記有機溶媒が、前記プローブが不溶な溶媒である請求項1または2に記載のプローブ媒体。
- 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、両親媒性物質である請求項1〜3のいずれかに記載のプローブ媒体。
- 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質が、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド,n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド,セチルピリジニウムクロライドのいずれかの物質、もしくは少なくともいずれかを有する混合物である事を特徴とする請求項4に記載のプローブ媒体。
- 前記プローブを基材に固定するための物質を更に有する請求項1〜5のいずれかに記載のプローブ媒体。
- 前記プローブを基材に固定するための物質が、シランカップリング剤である請求項6に記載のプローブ媒体。
- 前記プローブが可溶な溶媒をさらに有する請求項1〜7のいずれかに記載のプローブ媒体。
- 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質は、前記プローブ媒体が白濁する量を含む請求項1〜8のいずれかに記載のプローブ媒体。
- 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブを含むプローブ媒体の製造方法であって、
前記プローブを前記プローブが可溶な溶媒に溶解させるステップと、
前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質を前記溶媒に作用させることにより前記プローブを前記溶媒より分離するステップと、
有機溶媒を加えることにより前記プローブを有機溶媒に溶解させるステップと、を有する。 - 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量を、前記プローブの長さと前記プローブのモル数の積に基づいて製造する請求項10に記載の製造方法。
- 前記プローブを有機溶媒に可溶化させる物質の量を、前記プローブが溶媒より分離した量に基づき製造することを特徴とする請求項10に記載のプローブ媒体の製造方法。
- 請求項1〜9に記載のプローブ媒体をスポッティング方法により基材に付与することにより基材にプローブを固定するプローブ固定方法。
- 請求項13に記載のプローブ固定方法により作製された検出素子。
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