JP2004255790A - 水着けローラの洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水着けローラの表面に付着したインクや紙粉などを容易に落とす。
【解決手段】洗浄装置30は、水着けローラ表面12Aに当接するブラシ36を有する洗浄部32,洗浄用の溶剤を供給するノズルパイプ62,洗浄後の溶剤を回収する排油パン38,洗浄部32をスライドさせるエアシリンダ90により構成される。前記基部34と排油パン38の間には支持具44,46によって溶剤の回収通路が形成されている。回転状態の水着けローラ12に、ノズルパイプ62から溶剤を供給するとともに、洗浄部32をスライドさせてブラシ36を水着けローラ表面12Aに当接させる。すると、表面12Aに付着したインクや紙粉などの残留物が溶剤により除去しやすい状態となり、更にブラシ36により擦り落とされる。洗浄後の溶剤は、排油パン38に回収され、排出口40,排油チューブ42へ送られる。
【選択図】 図2
【解決手段】洗浄装置30は、水着けローラ表面12Aに当接するブラシ36を有する洗浄部32,洗浄用の溶剤を供給するノズルパイプ62,洗浄後の溶剤を回収する排油パン38,洗浄部32をスライドさせるエアシリンダ90により構成される。前記基部34と排油パン38の間には支持具44,46によって溶剤の回収通路が形成されている。回転状態の水着けローラ12に、ノズルパイプ62から溶剤を供給するとともに、洗浄部32をスライドさせてブラシ36を水着けローラ表面12Aに当接させる。すると、表面12Aに付着したインクや紙粉などの残留物が溶剤により除去しやすい状態となり、更にブラシ36により擦り落とされる。洗浄後の溶剤は、排油パン38に回収され、排出口40,排油チューブ42へ送られる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新聞印刷用輪転機の水着けローラを洗浄・清掃するための水着けローラの洗浄装置に関するものである。
【0002】
【背景技術と発明が解決しようとする課題】
新聞オフセット印刷輪転機では、版胴に装着された版は、画像を含む部分は油を付着させて水をはじくように作られ、空白の部分は水で湿らせて油をはじくように作られる。具体的には、まず、版を水着けローラと接触させて空白の部分が湿し水(水またはアルカリ性の水溶性溶剤など)で浸される。次に、インク(インキ)着けローラと接触させると、印刷される部分にはインクが付着し、空白の部分はインクをはじいて画像が形成される。こうして形成された版胴上の画像が、ブランケット胴に転写され、更に紙に再転写させることにより印刷が施される。
【0003】
上述した水着けローラは、インクが付着している版に当接するため、印刷作業を継続していると、次第にその表面に多量のインク膜が付着する。また、被印刷物から出る紙粉がブランケット胴から版面に転移して、最終的に水着けローラに堆積する。これらの汚れを放置しておくと、インクが固まったり、湿し水と紙粉が混ざったものが固まったりして、水の供給量に変化が生じて印刷障害を引き起こしたり、水着けローラの表面の耐久性が低下したりする問題が生じる。このため、一日の作業終了後や版を取り替える度に水着けローラを洗浄ないし掃除して汚れを除去する必要がある。
【0004】
従来、水着けローラに付着したインクや紙粉などの除去は、水着けローラを版胴に接触・回転させながら洗浄用の溶剤をローラ表面にふりかけ、ローラを止めて表面をウエスで拭き取り、再び回転させて溶剤を供給した後にローラを止めて拭くという動作を繰り返すことにより行われてきた。しかしながら、このような手作業では非常に手間がかかるばかりか、作業の手順を誤ると、回転中のローラの間に手が巻き込まれるという危険性もある。
【0005】
この発明は、以上の点に着目したもので、簡単な構成でありながら、水着けローラの表面に付着したインクや紙粉などの汚れを十分に洗浄して除去し、事故防止,作業効率の改善,印刷品質の向上を図ることができる水着けローラの洗浄装置を提供することを、その目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、輪転機の水着けローラを洗浄するための洗浄装置であって、前記水着けローラの長手方向に沿って設けられた基部の表面に、前記水着けローラの表面に当接する洗浄部を有する洗浄手段,洗浄時に前記洗浄手段をスライドさせ、前記洗浄部を前記水着けローラの表面に当接させるスライド手段,前記水着けローラの表面または前記洗浄部に洗浄用の溶剤を供給する溶剤供給手段,前記洗浄手段の下方に設けられており、洗浄後の溶剤を回収する回収手段,を備えたことを特徴とする。
【0007】
主要な形態の一つは、前記回収手段が、洗浄後の溶剤を貯留する貯留皿,該貯留皿と前記洗浄手段の基部の間に設けられており、洗浄後の溶剤の回収通路を有する複数の支持体,前記貯留皿に回収された溶剤を排出する排出管,を備えたことを特徴とする。
【0008】
他の形態は、前記溶剤供給手段が、前記水着けローラの長手方向のほぼ全範囲に溶剤を供給するノズルを備えたことを特徴とする。更に他の形態は、前記ノズルが、前記支持体の上部に取り付けられたことを特徴とする。更に他の形態は、前記スライド手段が、前記洗浄手段の基部の端部側に設けられており、前記洗浄手段の洗浄部を前記水着けローラの表面に対して当接可能にスライドさせる駆動手段,該駆動手段の非スライド部を、前記輪転機の一部に固定する固定手段,を備えたことを特徴とする。
【0009】
更に他の形態は、前記洗浄部が、ブラシ又はスポンジで形成されたことを特徴とする。更に他の形態は、前記洗浄部が、前記水着けローラの表面を擦るように回転可能であることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明にかかる水着けローラの洗浄装置の一実施形態の構成を示す斜視図である。図2は、前記図1を矢印F1方向から見た正面図である。また、前記図2を#A−#A線に沿って切断し、矢印方向に見た断面が図3(A)に示されている。図1に示すように、輪転機は、水着けローラ12,版胴20,インク着けローラ24などを備えており、前記インク着けローラ24から供給されたインク(インキ)と、水着けローラ12から供給された湿し水とを、版胴20の表面に装着された版(図示せず)に塗布して印刷画像を形成する。形成された印刷画像は、画像部分に付着しているインクを図示しないブランケット胴に転写することで紙へ印刷される。本実施形態の洗浄装置30は、前記水着けローラ12の表面に付着したインク汚れや湿し水と紙粉の混ざったものを洗浄するためのものである。
【0011】
図1及び図2に示すように、水着けローラ12は、固定軸14及び図示しない軸受けを介して、版胴20と接するように輪転機のフレーム側面10に支持されている。すなわち、水着けローラ12は、版胴20が図3(A)の矢印F4に示す方向に回転すると、同図に矢印F2aで示す方向に回転する構造となっている。水着けローラ12の表面12Aを洗浄するための洗浄装置30は、該水着けローラ12の斜め下方に、長手方向に沿って略平行に設けられている。
【0012】
本実施形態の洗浄装置30は、前記水着けローラ12の表面を洗浄する洗浄部32,前記水着けローラ表面12Aに洗浄用の溶剤を供給するノズルパイプ62,洗浄後のインク溶剤を回収するための排油パン38等から構成されており、更に、前記洗浄部32を水着けローラ表面12Aに対して当接するようにスライドさせるエアシリンダ(エアアクチュエータ)90を備えている。前記エアシリンダ90の一部は、輪転機のフレーム側面10に固定されている。
【0013】
最初に、洗浄部32について説明する。洗浄部32は、水着けローラ12の斜め下方に略平行に設けられており、水着けローラ12の表面12Aに当接する洗浄用のブラシ36とその基部34により構成されている。基部34は、断面略長方形となっており、水着けローラ表面12Aに当接する側の一面にのみブラシ36が設けられている。該ブラシ36は、水着けローラ12と略同一ないし若干広めの軸方向長さを有しており、基部34は、ブラシ36よりも更に長く形成されている。前記ブラシ36としては、例えば、馬の毛やナイロン性のものなどが使用されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の各種の素材のブラシを利用してもよい。
【0014】
前記基部34の下方には、洗浄後の溶剤を回収するための排油パン38が配置されている。該排油パン38は、図3(A)に示すように断面略L字状となっており、同じく断面略L字状の複数の支持具44,46を介して前記基部34に固定されている。また、排油パン38には、回収した洗浄後の溶剤を排出するための排出口40と排油チューブ42が設けられている。
【0015】
前記支持具46は、前記排油パン38の両端に配置され、その間に他の支持具44が適宜間隔で複数配置されている。まず、支持具44は、一定の厚みを有する断面略L字状となっており、その厚みによって、前記基部34と排油パン38を間接的に固定している。また、支持具44の角部は、洗浄後の溶剤の通路となる切り落とし部60が設けられており、上方には、後述するノズルパイプ60を挿通するための挿通孔56と、該挿通孔56を上下に分断するスリット54が形成されている。また、背面側には、基部34に固定するボルト52の頭部を完全に収納する穴50が形成されている。排油パン38の両端に設けられる支持具46の構造も、基本的には前記支持具44と同様であるが、洗浄後の溶剤が排油パン38の両端から外部に漏れないように、その角部には切り落としは施されていない。
【0016】
前記支持具44及び46の内側の屈曲部を前記基部34の角にあてた状態で、穴50からボルト52をねじ込むことにより、支持具44,46が前記基部34に固定される。そして、これら支持具44,46の外側には、前記排油パン38の内側が当接するようにビス48で排油パン38が固定される。このとき、支持具44,46にはボルト52の頭部を完全に収納する穴50が設けられているため、支持具44,46の外側と排油パン38の内側には隙間が生じることがない。このように支持具44,46に排油パン38を取り付けた状態では、両端が支持具46によって塞がれているため、洗浄後の溶剤は排油パン38の内側に貯留される。更に、内側に配置された複数の支持具44の角に切り落とし部60が形成されているため、貯留ないし回収された溶剤は、切り落とし部60を通過して、排出口40,排油チューブ42から回収タンク(図示せず)などに送られる。
【0017】
以上のような支持具44及び46上端側の挿通孔56には、基部34の長手方向に沿って、水着けローラ12の上方から洗浄用の溶剤を供給するためのノズルパイプ62が挿通される。該ノズルパイプ62には、適宜間隔で複数の射出口64が形成されている。このようなノズルパイプ62には、図示しない溶剤タンクからホース66などを介して溶剤が供給される。前記射出口64から噴出される溶剤は、予め所定の範囲に溶剤を供給するように射出範囲が設定されている。通常は、水着けローラ12の全長をカバーするように、各射出口64の射出範囲が設定される。なお、溶剤としては、インクの除去を目的とするときには、インクと親和性のよい灯油などが用いられ、紙粉の除去の場合には、水溶性の洗剤などが用いられる。このようなノズルパイプ62は、支持具44,46の挿通孔56に挿通したのち、ボルト58でスリット54を締め付けることにより、挿通孔56からの抜け落ちが防止される。ノズルパイプ62を交換するときには、ボルト58を緩めればよい。なお、図示の例では、ノズルパイプ62の射出口64は、水着けローラ表面12Aに溶剤を供給する位置に設けられているが、ブラシ36に直接溶剤を噴きつける位置に設けるようにしてもよい。
【0018】
以上のような排油パン38とノズルパイプ62が固定された洗浄部32は、把持具70及び連結具80によって、後述するエアシリンダ90に接続される。まず、洗浄部32の基部34は、把持具70によって両端を上下から把持された状態でボルト72により固定される。そして把持具70の他端側は、連結具80の把持部82に上下から挟まれて、ピン86により固定される。該連結具80の他端側は、後述するエアシリンダ90と連結する連結部84となっている。
【0019】
次に、前記把持具70及び連結具80に固定された洗浄部32を、水着けローラ12の表面12Aに対して当接可能にスライドさせるエアシリンダ90について説明する。エアシリンダ90は、スライド可能なテーブル94を備えており、給気管100と排気管102が接続されている。また、ボルト114によってブラケット110の一端側に連結板112を介して固定されている。該ブラケット110の他端側は、ボルト118によって張り出し部116に固定され、更に、張り出し部116は、ボルト119によって輪転機のフレーム側面10に設けられたベースプレート120に固定されている。すなわち、エアシリンダ90は、複数の部材を介してフレーム側面10に固定された状態となっている。
【0020】
一方、給気管100によるエアの導入と、排気管102によるエアの排出によってスライド可能なテーブル94は、一端側がボルト92によって前記連結具80に固定されている。従って、エアシリンダ90を駆動させると、フレーム側面10に対してテーブル94がスライドし、該テーブル94に連結具80及び把持具70を介して連結された基部34を、図2に矢印F3a,F3bで示す方向にスライドさせることができる。具体的には、図示しないコンプレッサから給気管100を介して、テーブル94を押し出すようにエアを送ることにより、洗浄部32を矢印F3a方向に送り出してブラシ36を水着けローラ12の表面12Aに当接させ、テーブル94を引くように排気管102を介してエアを排気することにより、洗浄部32を矢印F3b方向にスライドさせて待機状態とするという具合である。
【0021】
次に、これらの図を参照して、本実施形態の作用を説明する。なお、以降の洗浄動作は、版胴20もしくは図示しない金ローラを矢印F4方向に回転させて、それらと当接した水着けローラ12を矢印F2a方向に回転させた状態で行われる。印刷終了後、水着けローラ12の表面12Aには、全体にインクないしインク残留物,あるいは、湿し水と紙粉が混ざったものが付着している。水着けローラ12を矢印F2a方向に回転させた状態で、図示しない操作盤などの所定の操作により、ノズルパイプ62の射出口64から溶剤を供給するとともに、洗浄部32を矢印F3aで示す方向にスライドさせて、ブラシ36を水着けローラ表面12Aに当接するようにセットする。一方、ノズルパイプ62からは、間欠的に洗浄用の溶剤が供給される。
【0022】
このため、ブラシ36が水着けローラ表面12Aに当接したままの状態で溶剤が供給され、かつ、水着けローラ12が矢印F2aで示す方向に回転する。従って、溶剤によって除去しやすい状態となったインクや紙粉などがブラシ36によってロール表面から擦りとられ、洗浄が行われるようになる。このため、印刷終了してからある程度の時間が経過し、インクや紙粉などの汚れが完全に乾いて水着けローラ12の表面12Aに付着しているような場合でも、良好に洗浄することができる。
【0023】
洗浄に使用された溶剤は、水着けローラ表面12A及びブラシ36を伝わって、排油パン38に回収される。排油パン38の両端は、支持具46によって塞がれており、中間に配置された支持具44の角には切り落とし部60が形成されているため、排油パン38の内側に貯留された回収溶剤は、排油パン38内を自由に流れることが可能となっている。そして、排出口40及び排油チューブ42から図示しない回収タンクなどに回収される。
【0024】
インクなどの残留物の除去後、洗浄部32は、図2に矢印F3bで示す方向に引き戻される。そして、ノズルパイプ62からの溶剤の供給を停止するとともに、版胴20及び金ローラの回転を止めて水着けローラ12の回転を停止させ、洗浄を終了する。以上のような洗浄動作は、例えば、3分程度行われるが、残留物が固着している場合などは、更に洗浄時間を延長するようにしてもよい。
【0025】
このように、本実施形態の洗浄装置30によれば、水着けローラ12の長手方向に沿ったブラシ36を、水着けローラ12を回転させた状態でその表面12Aに当接させるとともに、ノズルパイプ62からインクや紙粉などと親和性の良いう洗浄用の溶剤を水着けローラ表面12Aに供給し、洗浄に使用した後の溶剤は排油パン38に回収される。従って、簡単な構成でありながら、水着けローラ12の表面12Aに付着したインクや紙粉などをブラシ36で擦りとって自動的に洗浄することが可能となる。また、自動洗浄により、事故防止,作業の効率向上,印刷品質の向上を図ることができる。
【0026】
本発明には数多くの実施形態があり、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例えば、次のようなものも含まれる。
(1)前記形態における水着けローラ12,版胴20,インク着けローラ24,洗浄装置30の形状,大きさは一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
(2)前記形態では、洗浄部32のスライド機構として空気圧を利用することとしたが、油圧を利用した油圧シリンダを用いることとしてもよいし、その他の公知の各種の機構を利用するようにしてもよい。
(3)前記形態における洗浄装置30の取り付け機構なども一例であり、同様の効果を奏するように適宜設計変更してよい。
(4)溶剤の供給機構についても、ブラシ36に直接噴きかけるようにするなど、同様の効果を奏するように適宜変更可能である。また、前記形態では、ブラシ36の上方に位置するようにノズルパイプ62を設けたが、下方に配置するようにしてもよい。例えば、水着けローラ12を図3(A)に矢印2bで示す方向に回転させる場合、ノズルパイプ62をブラシ36の下方に配置して、ブラシ36に直接溶剤を噴きかけるようにすれば、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0027】
(5)前記形態では、ブラシを利用することとしたが、スポンジや他の公知の各種の洗浄具を利用するようにしてもよい。また、その形状についても任意である。例えば、図3(B)に示す洗浄装置200の洗浄部202は、断面略円形の基部204と、その外周面のほぼ全体を覆うブラシ206で構成されている。該洗浄部202の上方には、溶剤を供給するノズル208が設けられており、下方には溶剤を回収する排油パン210と排油チューブ212が設けられている。更に、本例では、洗浄部202は、基部204を軸として回転可能な構成となっており、洗浄時には、矢印F2aで示す水着けローラ12の回転方向と反対方向(矢印F5方向)に洗浄部202を回転させながら、ブラシ206が水着けローラ表面に当接される。また、洗浄部202を水着けローラ12と反対方向に回転させるのみならず、ブラシ206が水着けローラ表面12Aを擦るようであれば、どのような回転態様としてもよい。例えば、同方向の回転で速度差を設けるなどである。更に、本例では、基部204の外周面のほぼ全体をブラシ206が覆うこととしたが、図3(C)に示す洗浄部220のように、基部222の長手方向に平行な複数の列を形成するようにブラシ224を設けるようにしてもよい。また、排油パン210の形状や配置も一例であり、ブラシを伝わってきた溶剤を回収できるものであれば、適宜変更可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水着けローラの長手方向に沿って設けられた洗浄部を回転状態の水着けローラ表面に押し付けるとともに、前記水着けローラ表面または前記洗浄部に洗浄用の溶剤を供給し、洗浄に使用した後の溶剤を回収することとした。このため、水着けローラの表面に付着したインクや紙粉などを自動的に十分に洗浄して除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す斜視図である。
【図2】前記形態を矢印F1方向から見た正面図である。
【図3】本発明の断面を示す図であり、(A)は前記図2を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た状態を示し、(B)及び(C)は他の形態の断面を示す図である。
【符号の説明】
10…フレーム側面
12…水着けローラ
12A…表面
14…固定軸
20…版胴
24…インク着けローラ
30…洗浄装置
32…洗浄部
34…基部
36…ブラシ
38…排油パン
40…排出口
42…排油チューブ
44,46…支持具
48…ビス
50…穴
52…ボルト
54…スリット
56…挿通孔
58…ボルト
60…切り落とし部
62…ノズルパイプ
64…射出口
66…ホース
68…通路
70…把持具
72…ボルト
80…連結具
82…把持部
84…連結部
86…ピン
90…エアシリンダ
92…ボルト
94…テーブル
100…給気管
102…排気管
110…ブラケット
112…連結板
116…張り出し部
118,119…ボルト
120…ベースプレート
122…ボルト
200…洗浄装置
202…洗浄部
204…基部
206…ブラシ
208…ノズル
210…排油パン
212…排油チューブ
220…洗浄装置
222…基部
224…ブラシ
【発明の属する技術分野】
本発明は、新聞印刷用輪転機の水着けローラを洗浄・清掃するための水着けローラの洗浄装置に関するものである。
【0002】
【背景技術と発明が解決しようとする課題】
新聞オフセット印刷輪転機では、版胴に装着された版は、画像を含む部分は油を付着させて水をはじくように作られ、空白の部分は水で湿らせて油をはじくように作られる。具体的には、まず、版を水着けローラと接触させて空白の部分が湿し水(水またはアルカリ性の水溶性溶剤など)で浸される。次に、インク(インキ)着けローラと接触させると、印刷される部分にはインクが付着し、空白の部分はインクをはじいて画像が形成される。こうして形成された版胴上の画像が、ブランケット胴に転写され、更に紙に再転写させることにより印刷が施される。
【0003】
上述した水着けローラは、インクが付着している版に当接するため、印刷作業を継続していると、次第にその表面に多量のインク膜が付着する。また、被印刷物から出る紙粉がブランケット胴から版面に転移して、最終的に水着けローラに堆積する。これらの汚れを放置しておくと、インクが固まったり、湿し水と紙粉が混ざったものが固まったりして、水の供給量に変化が生じて印刷障害を引き起こしたり、水着けローラの表面の耐久性が低下したりする問題が生じる。このため、一日の作業終了後や版を取り替える度に水着けローラを洗浄ないし掃除して汚れを除去する必要がある。
【0004】
従来、水着けローラに付着したインクや紙粉などの除去は、水着けローラを版胴に接触・回転させながら洗浄用の溶剤をローラ表面にふりかけ、ローラを止めて表面をウエスで拭き取り、再び回転させて溶剤を供給した後にローラを止めて拭くという動作を繰り返すことにより行われてきた。しかしながら、このような手作業では非常に手間がかかるばかりか、作業の手順を誤ると、回転中のローラの間に手が巻き込まれるという危険性もある。
【0005】
この発明は、以上の点に着目したもので、簡単な構成でありながら、水着けローラの表面に付着したインクや紙粉などの汚れを十分に洗浄して除去し、事故防止,作業効率の改善,印刷品質の向上を図ることができる水着けローラの洗浄装置を提供することを、その目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、輪転機の水着けローラを洗浄するための洗浄装置であって、前記水着けローラの長手方向に沿って設けられた基部の表面に、前記水着けローラの表面に当接する洗浄部を有する洗浄手段,洗浄時に前記洗浄手段をスライドさせ、前記洗浄部を前記水着けローラの表面に当接させるスライド手段,前記水着けローラの表面または前記洗浄部に洗浄用の溶剤を供給する溶剤供給手段,前記洗浄手段の下方に設けられており、洗浄後の溶剤を回収する回収手段,を備えたことを特徴とする。
【0007】
主要な形態の一つは、前記回収手段が、洗浄後の溶剤を貯留する貯留皿,該貯留皿と前記洗浄手段の基部の間に設けられており、洗浄後の溶剤の回収通路を有する複数の支持体,前記貯留皿に回収された溶剤を排出する排出管,を備えたことを特徴とする。
【0008】
他の形態は、前記溶剤供給手段が、前記水着けローラの長手方向のほぼ全範囲に溶剤を供給するノズルを備えたことを特徴とする。更に他の形態は、前記ノズルが、前記支持体の上部に取り付けられたことを特徴とする。更に他の形態は、前記スライド手段が、前記洗浄手段の基部の端部側に設けられており、前記洗浄手段の洗浄部を前記水着けローラの表面に対して当接可能にスライドさせる駆動手段,該駆動手段の非スライド部を、前記輪転機の一部に固定する固定手段,を備えたことを特徴とする。
【0009】
更に他の形態は、前記洗浄部が、ブラシ又はスポンジで形成されたことを特徴とする。更に他の形態は、前記洗浄部が、前記水着けローラの表面を擦るように回転可能であることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明にかかる水着けローラの洗浄装置の一実施形態の構成を示す斜視図である。図2は、前記図1を矢印F1方向から見た正面図である。また、前記図2を#A−#A線に沿って切断し、矢印方向に見た断面が図3(A)に示されている。図1に示すように、輪転機は、水着けローラ12,版胴20,インク着けローラ24などを備えており、前記インク着けローラ24から供給されたインク(インキ)と、水着けローラ12から供給された湿し水とを、版胴20の表面に装着された版(図示せず)に塗布して印刷画像を形成する。形成された印刷画像は、画像部分に付着しているインクを図示しないブランケット胴に転写することで紙へ印刷される。本実施形態の洗浄装置30は、前記水着けローラ12の表面に付着したインク汚れや湿し水と紙粉の混ざったものを洗浄するためのものである。
【0011】
図1及び図2に示すように、水着けローラ12は、固定軸14及び図示しない軸受けを介して、版胴20と接するように輪転機のフレーム側面10に支持されている。すなわち、水着けローラ12は、版胴20が図3(A)の矢印F4に示す方向に回転すると、同図に矢印F2aで示す方向に回転する構造となっている。水着けローラ12の表面12Aを洗浄するための洗浄装置30は、該水着けローラ12の斜め下方に、長手方向に沿って略平行に設けられている。
【0012】
本実施形態の洗浄装置30は、前記水着けローラ12の表面を洗浄する洗浄部32,前記水着けローラ表面12Aに洗浄用の溶剤を供給するノズルパイプ62,洗浄後のインク溶剤を回収するための排油パン38等から構成されており、更に、前記洗浄部32を水着けローラ表面12Aに対して当接するようにスライドさせるエアシリンダ(エアアクチュエータ)90を備えている。前記エアシリンダ90の一部は、輪転機のフレーム側面10に固定されている。
【0013】
最初に、洗浄部32について説明する。洗浄部32は、水着けローラ12の斜め下方に略平行に設けられており、水着けローラ12の表面12Aに当接する洗浄用のブラシ36とその基部34により構成されている。基部34は、断面略長方形となっており、水着けローラ表面12Aに当接する側の一面にのみブラシ36が設けられている。該ブラシ36は、水着けローラ12と略同一ないし若干広めの軸方向長さを有しており、基部34は、ブラシ36よりも更に長く形成されている。前記ブラシ36としては、例えば、馬の毛やナイロン性のものなどが使用されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の各種の素材のブラシを利用してもよい。
【0014】
前記基部34の下方には、洗浄後の溶剤を回収するための排油パン38が配置されている。該排油パン38は、図3(A)に示すように断面略L字状となっており、同じく断面略L字状の複数の支持具44,46を介して前記基部34に固定されている。また、排油パン38には、回収した洗浄後の溶剤を排出するための排出口40と排油チューブ42が設けられている。
【0015】
前記支持具46は、前記排油パン38の両端に配置され、その間に他の支持具44が適宜間隔で複数配置されている。まず、支持具44は、一定の厚みを有する断面略L字状となっており、その厚みによって、前記基部34と排油パン38を間接的に固定している。また、支持具44の角部は、洗浄後の溶剤の通路となる切り落とし部60が設けられており、上方には、後述するノズルパイプ60を挿通するための挿通孔56と、該挿通孔56を上下に分断するスリット54が形成されている。また、背面側には、基部34に固定するボルト52の頭部を完全に収納する穴50が形成されている。排油パン38の両端に設けられる支持具46の構造も、基本的には前記支持具44と同様であるが、洗浄後の溶剤が排油パン38の両端から外部に漏れないように、その角部には切り落としは施されていない。
【0016】
前記支持具44及び46の内側の屈曲部を前記基部34の角にあてた状態で、穴50からボルト52をねじ込むことにより、支持具44,46が前記基部34に固定される。そして、これら支持具44,46の外側には、前記排油パン38の内側が当接するようにビス48で排油パン38が固定される。このとき、支持具44,46にはボルト52の頭部を完全に収納する穴50が設けられているため、支持具44,46の外側と排油パン38の内側には隙間が生じることがない。このように支持具44,46に排油パン38を取り付けた状態では、両端が支持具46によって塞がれているため、洗浄後の溶剤は排油パン38の内側に貯留される。更に、内側に配置された複数の支持具44の角に切り落とし部60が形成されているため、貯留ないし回収された溶剤は、切り落とし部60を通過して、排出口40,排油チューブ42から回収タンク(図示せず)などに送られる。
【0017】
以上のような支持具44及び46上端側の挿通孔56には、基部34の長手方向に沿って、水着けローラ12の上方から洗浄用の溶剤を供給するためのノズルパイプ62が挿通される。該ノズルパイプ62には、適宜間隔で複数の射出口64が形成されている。このようなノズルパイプ62には、図示しない溶剤タンクからホース66などを介して溶剤が供給される。前記射出口64から噴出される溶剤は、予め所定の範囲に溶剤を供給するように射出範囲が設定されている。通常は、水着けローラ12の全長をカバーするように、各射出口64の射出範囲が設定される。なお、溶剤としては、インクの除去を目的とするときには、インクと親和性のよい灯油などが用いられ、紙粉の除去の場合には、水溶性の洗剤などが用いられる。このようなノズルパイプ62は、支持具44,46の挿通孔56に挿通したのち、ボルト58でスリット54を締め付けることにより、挿通孔56からの抜け落ちが防止される。ノズルパイプ62を交換するときには、ボルト58を緩めればよい。なお、図示の例では、ノズルパイプ62の射出口64は、水着けローラ表面12Aに溶剤を供給する位置に設けられているが、ブラシ36に直接溶剤を噴きつける位置に設けるようにしてもよい。
【0018】
以上のような排油パン38とノズルパイプ62が固定された洗浄部32は、把持具70及び連結具80によって、後述するエアシリンダ90に接続される。まず、洗浄部32の基部34は、把持具70によって両端を上下から把持された状態でボルト72により固定される。そして把持具70の他端側は、連結具80の把持部82に上下から挟まれて、ピン86により固定される。該連結具80の他端側は、後述するエアシリンダ90と連結する連結部84となっている。
【0019】
次に、前記把持具70及び連結具80に固定された洗浄部32を、水着けローラ12の表面12Aに対して当接可能にスライドさせるエアシリンダ90について説明する。エアシリンダ90は、スライド可能なテーブル94を備えており、給気管100と排気管102が接続されている。また、ボルト114によってブラケット110の一端側に連結板112を介して固定されている。該ブラケット110の他端側は、ボルト118によって張り出し部116に固定され、更に、張り出し部116は、ボルト119によって輪転機のフレーム側面10に設けられたベースプレート120に固定されている。すなわち、エアシリンダ90は、複数の部材を介してフレーム側面10に固定された状態となっている。
【0020】
一方、給気管100によるエアの導入と、排気管102によるエアの排出によってスライド可能なテーブル94は、一端側がボルト92によって前記連結具80に固定されている。従って、エアシリンダ90を駆動させると、フレーム側面10に対してテーブル94がスライドし、該テーブル94に連結具80及び把持具70を介して連結された基部34を、図2に矢印F3a,F3bで示す方向にスライドさせることができる。具体的には、図示しないコンプレッサから給気管100を介して、テーブル94を押し出すようにエアを送ることにより、洗浄部32を矢印F3a方向に送り出してブラシ36を水着けローラ12の表面12Aに当接させ、テーブル94を引くように排気管102を介してエアを排気することにより、洗浄部32を矢印F3b方向にスライドさせて待機状態とするという具合である。
【0021】
次に、これらの図を参照して、本実施形態の作用を説明する。なお、以降の洗浄動作は、版胴20もしくは図示しない金ローラを矢印F4方向に回転させて、それらと当接した水着けローラ12を矢印F2a方向に回転させた状態で行われる。印刷終了後、水着けローラ12の表面12Aには、全体にインクないしインク残留物,あるいは、湿し水と紙粉が混ざったものが付着している。水着けローラ12を矢印F2a方向に回転させた状態で、図示しない操作盤などの所定の操作により、ノズルパイプ62の射出口64から溶剤を供給するとともに、洗浄部32を矢印F3aで示す方向にスライドさせて、ブラシ36を水着けローラ表面12Aに当接するようにセットする。一方、ノズルパイプ62からは、間欠的に洗浄用の溶剤が供給される。
【0022】
このため、ブラシ36が水着けローラ表面12Aに当接したままの状態で溶剤が供給され、かつ、水着けローラ12が矢印F2aで示す方向に回転する。従って、溶剤によって除去しやすい状態となったインクや紙粉などがブラシ36によってロール表面から擦りとられ、洗浄が行われるようになる。このため、印刷終了してからある程度の時間が経過し、インクや紙粉などの汚れが完全に乾いて水着けローラ12の表面12Aに付着しているような場合でも、良好に洗浄することができる。
【0023】
洗浄に使用された溶剤は、水着けローラ表面12A及びブラシ36を伝わって、排油パン38に回収される。排油パン38の両端は、支持具46によって塞がれており、中間に配置された支持具44の角には切り落とし部60が形成されているため、排油パン38の内側に貯留された回収溶剤は、排油パン38内を自由に流れることが可能となっている。そして、排出口40及び排油チューブ42から図示しない回収タンクなどに回収される。
【0024】
インクなどの残留物の除去後、洗浄部32は、図2に矢印F3bで示す方向に引き戻される。そして、ノズルパイプ62からの溶剤の供給を停止するとともに、版胴20及び金ローラの回転を止めて水着けローラ12の回転を停止させ、洗浄を終了する。以上のような洗浄動作は、例えば、3分程度行われるが、残留物が固着している場合などは、更に洗浄時間を延長するようにしてもよい。
【0025】
このように、本実施形態の洗浄装置30によれば、水着けローラ12の長手方向に沿ったブラシ36を、水着けローラ12を回転させた状態でその表面12Aに当接させるとともに、ノズルパイプ62からインクや紙粉などと親和性の良いう洗浄用の溶剤を水着けローラ表面12Aに供給し、洗浄に使用した後の溶剤は排油パン38に回収される。従って、簡単な構成でありながら、水着けローラ12の表面12Aに付着したインクや紙粉などをブラシ36で擦りとって自動的に洗浄することが可能となる。また、自動洗浄により、事故防止,作業の効率向上,印刷品質の向上を図ることができる。
【0026】
本発明には数多くの実施形態があり、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例えば、次のようなものも含まれる。
(1)前記形態における水着けローラ12,版胴20,インク着けローラ24,洗浄装置30の形状,大きさは一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
(2)前記形態では、洗浄部32のスライド機構として空気圧を利用することとしたが、油圧を利用した油圧シリンダを用いることとしてもよいし、その他の公知の各種の機構を利用するようにしてもよい。
(3)前記形態における洗浄装置30の取り付け機構なども一例であり、同様の効果を奏するように適宜設計変更してよい。
(4)溶剤の供給機構についても、ブラシ36に直接噴きかけるようにするなど、同様の効果を奏するように適宜変更可能である。また、前記形態では、ブラシ36の上方に位置するようにノズルパイプ62を設けたが、下方に配置するようにしてもよい。例えば、水着けローラ12を図3(A)に矢印2bで示す方向に回転させる場合、ノズルパイプ62をブラシ36の下方に配置して、ブラシ36に直接溶剤を噴きかけるようにすれば、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0027】
(5)前記形態では、ブラシを利用することとしたが、スポンジや他の公知の各種の洗浄具を利用するようにしてもよい。また、その形状についても任意である。例えば、図3(B)に示す洗浄装置200の洗浄部202は、断面略円形の基部204と、その外周面のほぼ全体を覆うブラシ206で構成されている。該洗浄部202の上方には、溶剤を供給するノズル208が設けられており、下方には溶剤を回収する排油パン210と排油チューブ212が設けられている。更に、本例では、洗浄部202は、基部204を軸として回転可能な構成となっており、洗浄時には、矢印F2aで示す水着けローラ12の回転方向と反対方向(矢印F5方向)に洗浄部202を回転させながら、ブラシ206が水着けローラ表面に当接される。また、洗浄部202を水着けローラ12と反対方向に回転させるのみならず、ブラシ206が水着けローラ表面12Aを擦るようであれば、どのような回転態様としてもよい。例えば、同方向の回転で速度差を設けるなどである。更に、本例では、基部204の外周面のほぼ全体をブラシ206が覆うこととしたが、図3(C)に示す洗浄部220のように、基部222の長手方向に平行な複数の列を形成するようにブラシ224を設けるようにしてもよい。また、排油パン210の形状や配置も一例であり、ブラシを伝わってきた溶剤を回収できるものであれば、適宜変更可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水着けローラの長手方向に沿って設けられた洗浄部を回転状態の水着けローラ表面に押し付けるとともに、前記水着けローラ表面または前記洗浄部に洗浄用の溶剤を供給し、洗浄に使用した後の溶剤を回収することとした。このため、水着けローラの表面に付着したインクや紙粉などを自動的に十分に洗浄して除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す斜視図である。
【図2】前記形態を矢印F1方向から見た正面図である。
【図3】本発明の断面を示す図であり、(A)は前記図2を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た状態を示し、(B)及び(C)は他の形態の断面を示す図である。
【符号の説明】
10…フレーム側面
12…水着けローラ
12A…表面
14…固定軸
20…版胴
24…インク着けローラ
30…洗浄装置
32…洗浄部
34…基部
36…ブラシ
38…排油パン
40…排出口
42…排油チューブ
44,46…支持具
48…ビス
50…穴
52…ボルト
54…スリット
56…挿通孔
58…ボルト
60…切り落とし部
62…ノズルパイプ
64…射出口
66…ホース
68…通路
70…把持具
72…ボルト
80…連結具
82…把持部
84…連結部
86…ピン
90…エアシリンダ
92…ボルト
94…テーブル
100…給気管
102…排気管
110…ブラケット
112…連結板
116…張り出し部
118,119…ボルト
120…ベースプレート
122…ボルト
200…洗浄装置
202…洗浄部
204…基部
206…ブラシ
208…ノズル
210…排油パン
212…排油チューブ
220…洗浄装置
222…基部
224…ブラシ
Claims (7)
- 輪転機の水着けローラを洗浄するための洗浄装置であって、
前記水着けローラの長手方向に沿って設けられた基部の表面に、前記水着けローラの表面に当接する洗浄部を有する洗浄手段,
洗浄時に前記洗浄手段をスライドさせ、前記洗浄部を前記水着けローラの表面に当接させるスライド手段,
前記水着けローラの表面または前記洗浄部に洗浄用の溶剤を供給する溶剤供給手段,
前記洗浄手段の下方に設けられており、洗浄後の溶剤を回収する回収手段,
を備えたことを特徴とする水着けローラの洗浄装置。 - 前記回収手段が、
洗浄後の溶剤を貯留する貯留皿,
該貯留皿と前記洗浄手段の基部の間に設けられており、洗浄後の溶剤の回収通路を有する複数の支持体,
前記貯留皿に回収された溶剤を排出する排出管,
を備えたことを特徴とする請求項1記載の水着けローラの洗浄装置。 - 前記溶剤供給手段が、前記水着けローラの長手方向のほぼ全範囲に溶剤を供給するノズルを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の水着けローラの洗浄装置。
- 前記ノズルが、前記支持体の上部に取り付けられたことを特徴とする請求項3記載の水着けローラの洗浄装置。
- 前記スライド手段が、
前記洗浄手段の基部の端部側に設けられており、前記洗浄手段の洗浄部を前記水着けローラの表面に対して当接可能にスライドさせる駆動手段,
該駆動手段の非スライド部を、前記輪転機の一部に固定する固定手段,
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水着けローラの洗浄装置。 - 前記洗浄部が、ブラシ又はスポンジで形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水着けローラの洗浄装置。
- 前記洗浄部が、前記水着けローラの表面を擦るように回転可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水着けローラの洗浄装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107618262A (zh) * | 2017-10-30 | 2018-01-23 | 平湖市燎原印刷厂 | 一种印刷机印版辊筒的除尘装置 |
WO2021065418A1 (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷方法 |
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-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003050820A patent/JP2004255790A/ja active Pending
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