JP2004240515A - 画像生成装置、画像記録装置、および、画像形成システム - Google Patents
画像生成装置、画像記録装置、および、画像形成システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ユーザが暗号化処理のレベルや、暗号化処理の有無を選択可能とすると共に、プリンタの負荷を軽減可能な画像生成装置を得る。
【解決手段】暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力部11を有する。画像データに対し、入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理部12を有する。少なくとも、暗証番号と暗号化処理された画像データとを、画像記録装置に送信する送信部13を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力部11を有する。画像データに対し、入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理部12を有する。少なくとも、暗証番号と暗号化処理された画像データとを、画像記録装置に送信する送信部13を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像生成装置で作成された画像データを画像記録装置で出力する際に、画像生成装置で画像データを暗号化し、画像記録装置で暗号化された画像データを復号化する画像形成システムに関する。また、この画像形成システムを構成する画像生成装置および画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のパーソナルコンピュータ(画像生成装置)と、少なくとも1つ以上のプリンタ(画像記録装置)とをネットワークで接続し、プリンタを複数のコンピュータで共有して利用する画像形成システムが知られている。
【0003】
このネットワーク環境下において、出力しようとする画像データ(以下、プリントデータと称する)をパーソナルコンピュータからプリンタに送信してプリントアウトすると、プリンタが複数のパーソナルコンピュータで共有されているため、プリンタの用紙出力トレイには、各コンピュータを利用する複数のユーザの出力物(記録物)が混在して載置されることになる。
【0004】
このため、個人の記録物が速やかに入手できなかったり、他人に記録物の内容をみられたり、あるいは、他人に記録物を持ち出されてしまうという問題が生じる。とりわけ、機密文書などを、上記ネットワーク環境下におかれたプリンタで出力する場合には、機密文書の漏洩につながる恐れがある。
【0005】
そこで、近年では、親展プリント処理機能(ホールドプリント機能)を備えたプリントシステムが開発されてきている。ここで、上記親展プリント処理機能を備えたプリントシステムのプリント処理について説明する。
【0006】
まず、パーソナルコンピュータにて親展プリント処理を指定した場合には、パーソナルコンピュータからプリンタジョブをプリンタに送る際に、プリントジョブに特定のピンコード(PIN(Personal Identification Number) Code)情報(以下、暗証番号と称する)を持たせる。そして、プリンタにおいては、プリントジョブをホールド、つまりプリントデータを出力せずに一旦保持させておく。この後、ユーザが、プリンタの操作パネルを介して、プリンタに暗証番号を入力することにより、暗証番号と一致するプリントジョブを呼び出して、プリントデータをプリントアウトするという処理である。
【0007】
つまり、親展プリント処理とは、ユーザがプリンタにおいて暗証番号を入力することによって、初めて記録物がプリンタから出力されるという処理である。
【0008】
この親展プリント処理機能を利用すれば、他人に、記録物の内容を見られたり、用紙出力トレイから記録物を持ち出されるという心配がなくなる。
【0009】
しかしながら、親展プリント処理機能をネットワークプリンタに搭載するとなると、プリントデータがプリンタ内の記憶装置に一時的に(プリント出力の指示があるまで)記憶されることとなるため、以下の問題が生じる。つまり、ネットワークを介して外部機器から故意にプリントデータの内容をみられたり、プリントデータそのものを複製されたり、プリントデータの内容を改竄されたりといった、様々な問題が発生する可能性がある。
【0010】
そこで、上記の問題を解決するために、特開2001−306273号公報においては、プリンタ内の記憶装置に一時的に記憶されるプリントデータを暗号化処理しておき、その後入力される暗証番号に基づいて復号化処理してプリントアウトするネットワークプリンタが開示されている。
【0011】
しかしながら、プリンタ内部でプリントデータを暗号化処理して記憶させておくだけでは機密情報の確保の上では不完全であり、問題が生じる。つまり、ネットワーク上、すなわちパーソナルコンピュータからプリンタにデータを送信する際中に、プリンタデータなどの各種情報が覗かれたりする可能性がある。
【0012】
そこで、近年では、パーソナルコンピュータからプリンタへプリントデータを送信する際中においてプリントデータが外部へ漏れても、プリントデータの内容を見ることができないようするために、パーソナルコンピュータにて、予めプリントデータを暗号化し、この暗号化したプリントデータをプリンタに送る技術が開発されている。なお、プリンタでは、上記と同様に、操作パネル等を介して暗証番号を入力することにより、暗号化されたプリントデータの復号化が図られ、記録物が出力される。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−306273(公開日:平成13年11月2日)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パーソナルコンピュータ(画像生成装置)におけるプリントデータの暗号化処理の有無に関わらず、プリンタ(画像記録装置)で復号化を行なう処理は、プリンタにとっては負荷が大きい。
【0015】
この理由の1つとしては、このプリンタに複数のコンピュータが接続されており、複数のプリントジョブが送信されてくる可能性が非常に高いためである。他の理由としては、プリンタの低コスト化の要請から、処理能力の高いエンジン(CPU)を積載することが難しくなっているためである。
【0016】
そして、セキュリティーの向上を図るため暗号化を複雑・高度化すればするほど、プリンタでの復号化処理の負担は大きくなる。このため、暗号化を複雑・高度化した場合(つまり、暗号化のレベルを向上させた場合)には、復号化に時間がかかり、ユーザはプリンタの前で記録物の出力を待たされることになる。
【0017】
一方、ユーザは、プリントデータの内容によっては、それほど複雑・高度な暗号化を望まない場合もある。この場合には、プリンタの前で待たされる時間を減らすことが可能となる。また、暗号化を必要としない場合もある。
【0018】
また、プリントデータの内容によっては、とりわけセキュリティーの向上を求め、複雑・高度な暗号化を望む場合もある。
【0019】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、パーソナルコンピュータからプリンタへプリントデータを送信する際、および、プリンタ内部において、プリントデータを他人に覗かれることを防止するとともに、ユーザが暗号化処理のレベルや、暗号化処理の有無を選択可能とし、併せてプリンタの負荷を軽減可能な画像形成システムと、この画像形成システムを構成する画像生成装置および画像記録装置とを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像生成装置は、上記の課題を解決するため、画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信するとともに、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、前記画像記録装置に記憶させる指示を出す画像生成装置において、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。暗号化処理に関しては、暗証番号に応じて、それぞれ異なるレベルの暗号化処理を予め設定しておけば、ユーザは画像データの機密(重要)度合を基にして暗号化処理を選択できる。例えば、機密性の高い画像データについては、高いレベルの暗号化処理を行い、それほど機密性の高くない画像データについては、低いレベルの暗号化処理を行うように設定することができる。
【0022】
また、このように、暗号化処理のレベルを選択できるようにすることにより、画像データを記録する画像記録装置の負荷を軽減することも可能となる。以下、この理由について説明する。
【0023】
画像生成装置は、送信手段により、暗号化処理された画像データを画像記録装置に送信するため、画像記録装置においては、画像データを記録(プリントアウト)しようとすると、暗号化された画像データを復号化処理する必要がある。そのため、高いレベルで暗号化処理された画像データばかりが、画像記録装置に送られてくると、復号化処理も複雑となり、画像記録装置に負荷がかかる。このため、画像データの記録に時間を要することになる。
【0024】
とりわけ、複数の画像生成装置が、ネットワーク環境下で画像記録装置と接続されている場合は、複数の画像生成装置から画像データが送られてくるため、画像記録装置の負荷が増大する。
【0025】
一方、ユーザにとっては、画像データの暗号化はしたいが、それほどレベルの高い暗号化を望まない場合もある。そこで、ユーザが、暗号化処理のレベルを選択できるようにしておけば、画像データの機密度合に応じて暗号化処理を行なうことができるため、画像記録装置での復号化処理の負荷も暗号化のレベルに応じてかわることになる。
【0026】
このため、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、高いレベルでのみ暗号化処理を行なう画像生成装置と比較すると、画像記録装置の負荷を減らすことが可能となる。また、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、あまり高くないレベルでのみ暗号処理を行なう画像処理装置と比較すると、機密度合の高い画像データについては、レベルの高い暗号化処理を選択できるため、セキュリティーの向上を図ることが可能となる。
【0027】
一方、画像記録装置は、復号化に際して、どのような暗号化処理が行なわれたかを判断する必要があるが、これは、画像記録装置側にも、画像生成装置における第1の所定の番号と暗号化処理の処理形態との対応関係示す情報を持たせておき、送信手段が送信する暗証番号を基に判断すればよい。つまり、ユーザが、画像記録装置において上記送信されてきた暗証番号と同一の番号を入力すれば、この番号を基にして、画像データの暗号化処理の処理形態が特定できる。このため、画像記録装置は、どのような復号化処理を行なえばよいか判断できことになる。
【0028】
また、本発明では、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態であるため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0029】
したがって、上記画像生成装置では、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。
【0030】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうことを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、入力された暗証番号が、第1の所定の番号と一致すれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。
【0032】
ここで、例えば、第1の所定の番号をn個設定しておけば、一致する暗証番号の数もn個となり、暗号化処理手段では、このn個の暗証番号に応じた数の暗号化処理を行なうことが可能となる。つまり、第1の所定の番号をn個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となる。
【0033】
また、本発明では、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【0034】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録手段を備えていることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、第1の設定登録手段により、暗号化処理を設定登録することができる。
【0036】
したがって、ユーザの好みに応じて、様々な種類の暗号化処理を、画像生成装置に対して設定登録することが可能となる。
【0037】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記設定登録された暗号化処理に関し、前記第1の所定の番号を設定登録する第2の設定登録手段を備えることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、設定登録した暗号化処理に対して、第1の所定の番号が割り当てられる。
【0039】
したがって、第1の所定の番号を暗証番号として入力することにより、第2の登録手段で設定登録された暗号化処理を行なうことが可能となる。
【0040】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記第1の所定の番号の変更を行なうための番号変更手段を備えていることを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、番号変更手段により、第1の所定の番号の変更が可能となる。これにより、暗号化処理に対する、入力すべき暗証番号が変更されることになる。
【0042】
したがって、第1の所定の番号(入力すべき暗証番号)が漏洩した恐れのある場合であっても、第1の所定の番号を変更しておけば、画像記録装置での画像データの復号化を他人に行なわれることがなくなる。それゆえ、セキュリティーの向上が図れる。
【0043】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記送信手段は、さらに、前記暗号化処理手段で画像データを暗号化処理した際における、暗号化処理の処理形態に関する情報を送信することを特徴としている。
【0044】
上記の構成によれば、画像記録装置には、暗証番号と、暗号化処理された画像データと、暗号化処理の処理形態の情報とが送信される。
【0045】
したがって、画像記録装置では、上記のように暗証番号を基に画像データの暗号化処理形態を判断するまでもなく、送信されてきた画像データの暗号化処理の処理形態が特定できる。それゆえ、画像記録装置において、高速な復号化処理が図れる。
【0046】
本発明の画像記録装置は、上記の課題を解決するため、画像データを生成する画像生成装置から、少なくとも画像データを受信するとともに、画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する画像記録装置において、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えていることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、入力された暗証番号が、第2の所定の番号と一致すれば、復号化処理手段により、暗号化された画像データの復号化処理が行なわれる。また、記録手段により、復号化された画像データが記録(プリントアウト)される。
【0048】
ここで、例えば、画像生成装置が、複数の暗号化処理を行なえる装置である場合には、画像記録装置は、それぞれの暗号化処理に応じた復号化処理を行なう必要がある。
【0049】
この場合には、例えば、第2の所定の番号を暗号化処理の種別毎に設定しておき、入力された暗証番号が、復号化すべき画像データの暗号化処理の形態に一致する番号である場合に、画像データの復号化処理を行なえばよい。
【0050】
また、本発明では、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態であるため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0051】
したがって、上記画像記録装置では、画像記録装置内部において、画像データを他人に覗かれることを防止することができると共に、画像生成装置で暗号化処理された画像データを、適切に復号化処理することが可能となる。
【0052】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、画像データの暗号化処理の処理形態に関する情報を、前記第2の所定の番号に応じて有することを特徴としている。
【0053】
上記の構成によれば、画像記録装置は、第2の所定の番号と暗号化処理の処理形態との対応関係を示す情報を有することになる。
【0054】
ここで、画像記録装置は、画像データの復号化処理に際し、画像データに対して、どのような暗号化処理が行なわれているかを事前に判断する必要がある。
【0055】
そこで、画像記録装置側にも、第2の所定の番号と暗号化処理との対応関係を示す情報を持たせておくことにより、ある第2の所定の番号が暗証番号として入力された場合に、どのような復号化処理を行なえばよいかが判断可能となる。
【0056】
したがって、暗号化の処理形態に応じた画像データの復号化処理を実行することが可能となる。
【0057】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、前記第2の所定の番号は、前記画像生成装置から送信される暗証番号であることを特徴としている。
【0058】
上記の構成によれば、第2の所定の番号が、画像生成装置から送信される暗証番号であるため、画像生成装置で画像データを暗号化処理する際に入力した暗証番号を、画像記録装置における、上記画像データの複合化処理の際に用いることができる。
【0059】
したがって、ある暗号化処理がなされた画像データに対しては、暗号化処理に用いた暗証番号と同じ番号となる暗証番号を用いて、復号化処理を実行することが可能となる。
【0060】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、復号化処理を設定登録するための第3の設定登録手段を備えていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、第3の設定登録手段により、暗号化処理を設定登録することができる。
【0062】
したがって、画像生成装置側で新たに暗号化処理が設定登録され、新たな暗号化処理が行われた場合であっても、上記暗号化処理に対応する復号化処理を画像記録装置に設定登録することが可能となる。
【0063】
本発明の画像形成システムは、上記の課題を解決するため、画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信する画像生成装置と、前記画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する画像記録装置とを有する画像形成システムにおいて、前記画像生成装置が、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備え、前記画像記録装置が、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が画像生成装置から送信されてくる暗証番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えていることを特徴としている。
【0064】
上記の構成によれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。暗号化処理に関しては、暗証番号に応じて、それぞれ異なるレベルの暗号化処理を予め設定しておけば、ユーザは画像データの機密(重要)度合を基にして暗号化処理を選択できる。例えば、機密性の高い画像データについては、高いレベルの暗号化処理を行い、それほど機密性の高くない画像データについては、低いレベルの暗号化処理を行なうように設定することができる。
【0065】
また、このように、暗号化処理のレベルを選択できるようにすることにより、画像データを記録する画像記録装置の負荷を軽減することも可能となる。以下、この理由について説明する。
【0066】
画像生成装置は、送信手段により、暗号化処理された画像データを画像記録装置に送信するため、画像記録装置においては、画像データを記録(プリントアウト)しようとすると、暗号化された画像データを復号化処理する必要がある。そのため、高いレベルで暗号化処理された画像データばかりが、画像記録装置に送られてくると、復号化処理も複雑となり、画像記録装置に負荷がかかる。このため、画像データの記録に時間を要することになる。
【0067】
とりわけ、複数の画像生成装置が、ネットワーク環境下で画像記録装置と接続されている場合は、複数の画像生成装置から画像データが送られてくるため、画像記録装置の負荷が増大する。
【0068】
一方、ユーザにとっては、画像データの暗号化はしたいが、それほどレベルの高い暗号化を望まない場合もある。そこで、ユーザが、暗号化処理のレベルを選択できるようにしておけば、画像データの機密度合に応じて暗号化処理を行なうことができるため、画像記録装置での復号化処理の負荷も暗号化のレベルに応じてかわることになる。
【0069】
このため、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、高いレベルでのみ暗号化処理を行なう画像生成装置と比較すると、画像記録装置の負荷を減らすことが可能となる。また、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、あまり高くないレベルでのみ暗号処理を行なう画像処理装置と比較すると、機密度合の高い画像データについては、レベルの高い暗号化処理を選択できるため、セキュリティーの向上を図ることが可能となる。
【0070】
また、画像記録装置においては、入力された暗証番号が、画像生成装置から送られてきた暗証番号と一致すれば、復号化処理手段により、暗号化された画像データの復号化処理が行なわれる。これにより、画像生成装置で暗号化処理された画像データを、適切に復号化処理することが可能となる。
【0071】
ところで、画像記録装置では、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態である。このため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0072】
そして、記録手段により、復号化された画像データが記録(プリントアウト)されることとなる。
【0073】
したがって、上記画像形成システムでは、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。
【0074】
また、本発明の画像形成システムは、上記の画像形成システムにおいて、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうことを特徴としている。
【0075】
上記の構成によれば、入力された暗証番号が、第1の所定の番号と一致すれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。
【0076】
ここで、例えば、第1の所定の番号をn個設定しておけば、一致する暗証番号の数もn個となり、暗号化処理手段では、このn個の暗証番号に応じた数の暗号化処理を行なうことが可能となる。つまり、第1の所定の番号をn個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となる。
【0077】
また、本発明では、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【0078】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる画像形成システムについて、図1から図13に基づいて、以下に説明する。
【0079】
図2は、本実施の形態に係る画像形成システムの構成を示した説明図である。この画像形成システムは、少なくとも、クライアントマシーンとなるパーソナルコンピュータ等のプリントデータを生成する画像生成装置(端末装置)1と、このプリントデータに基づいて画像を形成(記録)するプリンタ等の画像記録装置2とからなる。
【0080】
なお、図2においては、1台の画像生成装置1と1台の画像記録装置2としか示していないが、複数の画像生成装置1と複数の画像記録装置2とが、ネットワーク上で互いに接続されているものとする。
【0081】
また、以下では、説明の便宜上、画像生成装置1を、パーソナルコンピュータ1と記載し、画像記録装置2をプリンタ2として記載する。
【0082】
上記パーソナルコンピュータ1は、例えば作成された文書(プリントデータ)を、内蔵されたプリンタドライバによりプリンタ2が処理できる形態に書換えた上で、プリンタ2に送信する。また、上記パーソナルコンピュータ1は、少なくとも、プリントデータ(画像データ)を暗号化処理した上で、プリンタ2に親展プリントの指示が可能なソフトウェアを備えた装置である。
【0083】
図1は、パーソナルコンピュータ1における、一連の暗号化処理を行なうためのブロック図である。
【0084】
上記パーソナルコンピュータ1は、同図に示すとおり、暗証番号入力部(第1の暗証番号入力手段)11、暗号化処理部(暗号化処理手段)12、および、送信部(送信手段)13を備えている。これらの部については、後述する。
【0085】
一方、上記プリンタ2は、CPU(中央演算処理装置)21と、このCPU21に接続された、プリンタボード22、復号化処理部(復号化処理手段)23、HD(ハードディスク)24、暗証番号入力部(第2の暗証番号入力手段)25、および、画像記録部(記録手段)26を備えている。なお、プリンタ2では、データを記憶できる装置としてハードディスク24を用いているが、読み書き可能なメモリ機能を備えている記憶装置であれば、これに限定されるものではない。
【0086】
上記プリンタボード22は、パーソナルコンピュータ1で暗号化処理されたプリントデータを受信するボードである。より詳しくは、プリンタボード22は、上記プリントデータを画像記録部26が扱えるページデータに展開するボードである。なお、画像記録部26は、詳しくは後述するが、画像データをプリントアウトする部である。
【0087】
そして、上記プリンタボード22により展開されたプリントデータは、ハードディスク24において1つのプリントジョブとして一時的に記憶される。また、上記復号化処理部23は、詳しくは後述するが、暗号化されたプリントデータを復号化、つまり暗号化を解除する部である。また、暗証番号入力部25についても、後述する。
【0088】
図3は、各ユーザが設定した所定の暗証番号と、それぞれの所定の暗証番号に対応する処理形態との対応関係を示した管理テーブルの説明図である。
【0089】
上記パーソナルコンピュータ1には、予め、図3に示す対応関係の情報を登録しておく。つまり、パーソナルコンピュータ1に、予め、ユーザ名と、プリントジョブの指示とともに入力されるべき、ユーザ毎の所定の暗証番号(第1の所定の番号)と、この所定の暗証番号に対応するプリントデータの暗号化手法に関する情報(以下、処理形態と称する)とを登録しておく。
【0090】
また、パーソナルコンピュータ1は、複数の上記処理形態を有し、1つの暗証番号に対して1つの処理形態が対応している。なお、上記図3に示す対応関係は、一例であって、これに限定されるものではない。
【0091】
ここで、パーソナルコンピュータ1で暗号化処理を行い、プリンタ2で出力する場合における具体的な手順を説明する。
【0092】
まず、ユーザは、上記暗証番号入力部11で暗証番号の入力を行なう。そして、上記入力した暗証番号が、所定の暗証番号と一致する場合には、上記暗号化処理部12により、その入力した暗証番号に応じた暗号化の処理形態で暗号化処理が行われることになる。
【0093】
具体的には、ユーザ「ABCD」に関して説明すると、図3に示すとおり、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「12345」と一致した場合には、処理形態「A」が選択され、この処理形態「A」で暗号化処理が行なわれる。また、入力された暗証番号が、所定の暗証番号である「24680」と一致した場合には、処理形態「B」が選択され、この処理形態「B」で暗号化処理が行なわれる。さらに、暗証番号「22444」を入力すると、処理形態「C」が選択され、この処理形態「C」で暗号化処理が行なわれる。
【0094】
ここで、上記所定の暗証番号と処理形態との対応付けは、ユーザがそれぞれに設定するものである。つまり、各処理形態に対して、事前に、ユーザが暗証番号を設定しておく。
【0095】
また、処理形態「A」、「B」、および「C」は、それぞれに暗号化レベルの異なる暗号化処理の形態を示したものである。なお、暗号化レベルとは、暗号化の複雑・高度さの度合を意味している。
【0096】
以下の説明においては、説明の便宜上、処理形態「A」は暗号化レベルの高い処理形態を、処理形態「B」は暗号化レベルの低い処理形態を、処理形態「C」は暗号化を行なわない処理形態を示すものとして説明する。なお、処理形態「C」を、上記のように暗号化を行なわない処理形態と設定した場合、この処理形態「C」を選択する暗証番号「22444」は、上記第1の所定の番号には該当しないものとする。
【0097】
また、ユーザ「ABXY」に関しては、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「23456」であった場合に、処理形態「A」が選択され、この処理形態「A」で暗号化処理が行なわれる。また、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「23467」であった場合に、処理形態「C」が選択され、この処理形態「C」で暗号化処理が行なわれる。ここで、ユーザ「ABXY」は、処理形態「B」に対応する所定の暗証番号を設定していないが、このように、ユーザが個人の好みに応じて、利用する処理形態を予め選択することができるようになっている。
【0098】
また、ユーザ「ABAB」に関しては、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「11234」である場合に、処理形態「A」が選択され、この処理形態「A」で暗号化処理が行なわれる。
【0099】
なお、上記の説明においては、処理形態を、「A」から「C」の3つとして説明したが、これに限定されるものではない。また、所定の暗証番号は、5桁の数字に限定されず、かつ、数字以外のアルファベット等の文字が混在するものであってもよい。
【0100】
ここで、パーソナルコンピュータ1にて、上記の各処理形態を選択する場合の具体的な手順について、図4から図7を基に説明する。なお、図4から図7は、パーソナルコンピュータ1におけるディスプレイの表示画面を示した説明図である。
【0101】
より詳しくは、図4は、印刷設定画面を示した説明図である。また、図5は、印刷設定画面のプロパティ画面を示した説明図である。さらに、図6は、印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した説明図である。また、図7は、印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した他の説明図である。
【0102】
まず、プリントデータをプリントアウトするためには、プリントアウトの指示をパーソナルコンピュータ1で行なう必要がある。このため、図4に示す、印刷設定画面(プリンタドライバ画面)をディスプレイに表示させる。そして、この図4に示す画面上で、プロパティのボタンをマウス等でクリックする。このプロパティのボタンのクリックにより、図5に示すとおり、プロパティの設定画面がディスプレイに表示される。
【0103】
次に、プロパティの設定画面のメインシート上に配された、ジョブ管理のボタンをクリックする。このジョブ管理のボタンのクリックにより、図6に示すとおり、ジョブ管理の設定画面がディスプレイに表示される。そして、このジョブ管理の設定画面内のリテンション設定項目において、「印刷せずにホールド」という項目を選択する。ここで、「印刷せずにホールド」という指示は、プリンタ2において、印刷をせずにプリントデータを記憶しておかせるという指示である。
【0104】
その後、図7に示すとおり、リテンション設定項目において、暗証番号を入力する。
【0105】
ここで、上記入力すべき暗証番号は、ユーザが予め設定した所定の暗証番号であって、かつ、ユーザが所望する処理形態に対応する暗証番号である。つまり、例えばユーザ「ABCD」が、プリントデータを処理形態「A」で暗号化したいと希望する場合には、図3に示すとおり、所定の暗証番号「12345」を入力することとなる。また、ユーザ「ABXY」が、プリントデータを処理形態「A」で暗号化したいと希望する場合には、所定の暗証番号「23456」を入力することとなる。
【0106】
なお、暗証番号を誤入力した結果、この暗証番号と一致する所定の暗証番号がなくて処理形態が特定できない場合には、通常の親展プリント(ホールドプリント)処理を行なうものとする。本実施の形態では、処理形態「C」と同じ処理となる。
【0107】
また、ジョブ管理の設定画面内のデフォルトジョブ設定項目において、ユーザ名、ジョブ名を入力する。なお、このパーソナルコンピュータを利用するユーザのユーザ名が、予め設定されている場合には、ユーザ名の設定は不要である。このデフォルトジョブのユーザ名が、図3に示すユーザ名に該当する。また、ジョブ名は、デフォルト状態で示されているジョブ名を用いてもよいし、複数のプリントデータを出力する場合には、その都度、ジョブ名を変更してもよい。
【0108】
以上のように、ジョブ管理の設定が終了した時点において、ジョブ管理の設定項目内の「OK」ボタンをクリックする。そして、この「OK」ボタンをクリックすることにより、図5に示したプロパティ設定画面に戻る。
【0109】
そして、次に、このプロパティ設定画面の「OK」ボタンをクリックする。このプロパティ設定画面の「OK」ボタンをクリックすることにより、図3に示す、印刷設定画面において、印刷部数等の必要項目を設定した後、「OK」ボタンをクリックする。
【0110】
これにより、上記送信部13によって、所定の暗証番号に対応した暗号化の処理形態でプリントデータがプリンタ2に送信されることになる。また、併せて、上記送信部13により、上記所定の暗証番号と、上記処理形態の情報とがプリンタ2に送信される。
【0111】
なお、印刷部数等の設定は、図4に示すプロパティのボタンをクリックする前に行なっておいてもよい。また、上記の説明においては、図5に示すプロパティ設定画面において、特段設定を行なわなかったが、例えば両面印刷を行なう必要があれば、両面印刷の設定項目で指定しておけばよい。
【0112】
以上のように、本発明のパーソナルコンピュータ1では、まず、暗証番号入力部(第1の暗証番号入力手段)11を用いて、ユーザが暗証番号を入力する。次に、暗号化処理部(暗号化処理手段)12により、この暗証番号に応じて決まる暗号化処理の形態に則して、プリントデータ(画像データ)が暗号化処理される。より詳しくは、入力された暗証番号と登録された上記所定の暗証番号(第1の所定の番号)とが一致した場合に、上記の暗号化処理がなされる。そして、送信部(送信手段)13により、少なくとも、暗号化されたプリントデータと暗証番号とがプリンタ2に送信される。
【0113】
次に、プリンタ2で行なわれる処理について説明する。
【0114】
プリンタ2では、パーソナルコンピュータ1より、親展プリント(ホールドプリント)の指示を受けている。つまり、図6に示すとおり、リテンション設定項目において、「印刷せずにホールド」という項目を設定している。したがって、プリンタ2では、即座にプリントデータがプリントアウトされずに、ハードディスク24内に一時的に記憶されることになる。また、ハードディスク24内では、プリントデータは、選択した処理形態で暗号化されて記憶されている。
【0115】
また、プリンタ2には、所定の暗証番号(第2の所定の暗証番号)と、この所定の暗証番号に対応する処理形態とを、ユーザ毎に表したデータを予め登録しておく。つまり、プリンタ2でも、図3に示すような、対応関係を示す管理テーブルの情報を事前に登録しておく。さらに、プリンタ2に備えらた復号化処理部23には、予め、各処理形態で暗号化処理されたプリントデータを複合化するための処理プログラムを登録しておく。つまり、パーソナルコンピュータで暗号化される処理形態に対して、復号化処理を行なえるようにしておく。
【0116】
図8は、ハードディスク24に記憶されている情報を示した説明図である。ハードディスク24は、少なくとも、ユーザ名、パーソナルコンピュータ1から送信されてきた日時、ページデータ、印刷部数、選択された処理形態、ジョブ名、および、暗証番号の各種の情報を有している。
【0117】
また、図9は、プリンタ2の操作パネルを示した説明図である。図10は、操作パネルにおけるジョブ選択画面を示した説明図である。図11は、操作パネルにおける暗証番号入力画面を示した説明図である。図12は、操作パネルのプリントアウト実行画面を示した説明図である。
【0118】
ここで、ユーザがプリントデータをプリントアウトする場合には、ユーザは、プリンタ2の操作パネルにおいてプリントアウトの指示を入力することになる。
【0119】
具体的には、図9に示すとおり、まず、ユーザが、操作パネル28のプリンタボタン29を押す。すると、操作パネル28の表示画面30には、図10に示すとおり、プリントホールドリストが表示される。
【0120】
このプリントホールドリストには、プリントジョブの一覧が表示されている。ここで、ユーザは、ユーザ名とジョブ名とを基にして、プリントアウトしたいプリントジョブを選択する。選択に際しては、表示画面30がタッチパネル形式の場合には、選択するジョブを表示した領域に触れればよい。また、プリントジョブの数が多い場合には、表示画面30に全てのプリントジョブを表示できないため、スクロールキーを配して、全てのプリントジョブを検索できるようにしておく。
【0121】
ここで、例えば、ユーザ「ABCD」がジョブ名「123」のジョブを選択した場合には、図11に示すとおり、表示画面30には暗証番号(パスコード)入力画面が表示される。そして、ユーザがジョブ名「123」に対応する暗証番号を入力すれば、つまり、図3に示すとおり、所定の暗証番号である「12345」を入力すれば、プリンタ2に事前に登録された、ユーザ毎の所定の暗証番号および該所定の暗証番号に対応した処理形態との管理テーブルの情報から、入力された暗証番号が正しいものであるとプリンタ2が判断する。そして、表示画面30が、図12に示す画面に切り換わる。
【0122】
一方、ジョブ名「123」に対応しない暗証番号を入力すれば、入力された暗証番号が正しくないものと判断し、処理を中止する。
【0123】
ここで、入力した暗証番号が正しく、図12に示す画面に切換った後は、選択したジョブのプリントアウトに移る。ここで、「プリント後データを削除」を選択すれば、以下の処理が実行される。
【0124】
まず、暗号化されたプリントデータを残しつつも、暗号化されたプリントデータを複合化処理してプリントアウトが行なわれる。そして、ハードディスク24に残っている暗号化されたプリントデータが削除される。なお、複合化したプリントデータも同様に削除される。
【0125】
一方、「プリント後データを保存」を選択すれば、以下の処理が実行される。
【0126】
まず、まず、暗号化されたプリントデータを残しつつも、暗号化されたプリントデータを複合化処理してプリントアウトが行なわれる。そして、ハードディスク24に残っている暗号化されたプリントデータが削除されずに保存される。
【0127】
この場合には、ハードディスク24には、暗号化されたプリントデータが残っているため、パーソナルコンピュータからプリントデータを再度送信しなくても、暗証番号を入力することにより、同一プリントデータのプリントアウトが行なえるという利点がある。また、ハードディスク24内では、暗号化された状態でプリントデータが保存されるため、セキュリティーの面でも問題がない。
【0128】
以上の一連の操作により、ユーザは、プリントアウトされた記録物を得ることができる。
【0129】
なお、プリントアウトを行なわずに、単にハードディスク24に記憶された、暗号化されたプリントデータを削除したい場合には、図12に示す、「データ削除」を選択すれば良い。また、選択するジョブを間違えた場合には、「キャンセル」を選択すれば良い。
【0130】
以上のように、上記プリンタ2では、まず、暗証番号入力部(第2の暗証番号入力手段)25を用いて、ユーザが暗証番号を入力する。また、復号化処理部(復号化処理手段)23により、入力された暗証番号と登録された所定の暗証番号(第2の所定の番号)とが一致した場合に、この暗証番号に応じて決まる復号化処理の形態に則して、プリントデータ(画像データ)が復号化処理される。さらに、画像記録部(記録手段)26により、復号化処理された画像データがプリントアウトされる。
【0131】
図13は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムにおけるプリントアウト時の処理の流れを示したフローチャートである。
【0132】
以下に、図13に基づいて、上記画像形成システムにおけるプリントアウト時の処理フローを説明する。
【0133】
まず、パーソナルコンピュータ(画像生成装置)1側において、ユーザが親展プリント指示を行なう(S1)。そして、S1の後は、暗証番号の入力要求が行なわれる(S2)。次に、S2の後は、ユーザが暗証番号の入力を行なう(S3)。
【0134】
ここで、S3において、暗証番号の入力が行なわれなかった場合には、親展プリントのプリントジョブを解除(キャンセル)するか否かが選択される(S4)。もし、解除を選択した場合には、親展プリントのプリントジョブがキャンセルされる。一方、解除を実行しない場合には、S3に戻り、暗証番号の入力待ちの状態となる。
【0135】
S3において暗証番号が入力された場合には、暗証番号の確認が行なわれる(S5)。そして、S5の後は、入力された暗証番号の事前登録があるか否かが判断される(S6)。つまり、入力された暗証番号が、ユーザが事前に登録した、処理形態に対応する所定の暗証番号(第1の所定の番号)であるか否かが判断される。
【0136】
S6において、もし事前登録があれば、暗証番号に対応した処理形態で暗号化が行なわれる(S7)。そして、S7の後は、プリンタ(画像記録装置)2側にプリンタジョブを送信する(S8)。なお、暗号化されたプリントデータ、暗証番号等がプリントジョブのデータとして送信される。一方、S6において、暗証番号の事前登録がなかった場合には、暗号化を行なわずに、S8に進み、プリンタジョブをプリンタ2に送信する。
【0137】
なお、本実施の形態においては、上述したとおり、処理形態「C」を、暗号化を行なわない処理として説明した。このため、S6において、処理形態「C」に対応する暗証番号が事前登録した番号であっても、S7においては暗号化を行なわずにプリントジョブの送信を行なうようにしておく。
【0138】
プリンタ2では、プリンタジョブのジョブリストをパーソナルコンピュータに要求し、得られたジョブリストを表示する(S9)。そして、S9の後は、ユーザが、プリントジョブを特定したか否かが判断される(S10)。
【0139】
もし、ユーザが、プリントジョブを特定しない場合には、親展プリントのプリントジョブを解除(キャンセル)するか否かが選択される(S11)。もし、例えば図11に示したキャンセルボタンを押すことにより、解除を選択した場合には、親展プリントのプリントジョブがキャンセルされる。一方、解除を実行しない場合には、S10に戻り、プリントジョブの特定待ちの状態となる。
【0140】
一方、S10において、ユーザがプリントジョブを特定した場合には、暗証番号の入力要求が行なわれる(S12)。次に、S12の後は、ユーザが暗証番号の入力を行なう(S13)。
【0141】
ここで、S13において、暗証番号の入力が行なわれなかった場合には、選択したプリントジョブを解除(キャンセル)するか否かが選択される(S14)。もし、解除を選択した場合には、選択したプリントジョブがキャンセルされ、S10に戻り、再度プリンタジョブの特定を行なう。一方、S14において、解除を実行しない場合には、S13に戻り、暗証番号の入力待ちの状態となる。
【0142】
S13の後は、プリンタ2側で入力された暗証番号が、パーソナルコンピュータ1から送られてきた暗証番号と一致するか否かが判断される(S15)。ここで、暗証番号が一致すれば、復号化処理部23で暗号化されたプリントデータの復号化が行なわれる(S16)。そして、S16の後は、プリントデータがプリントアウトされ(S17)、一連の処理が終了する。
【0143】
一方、S15において、暗証番号が一致しない場合には、再度暗証番号の入力を要求する確認メッセージを、プリンタ2の表示画面30に表示する(S18)。S18の後は、S12に戻り、暗証番号の入力要求が行なわれる。
【0144】
なお、上記の説明では、パーソナルコンピュータ1からプリンタ2に、暗証番号と、暗号化されたプリントデータと、処理形態の情報を送信したが、これに限定されるものではない。つまり、処理形態の情報を送信せず、暗証番号と、暗号化されたプリントデータとを送信するだけでもよい。
【0145】
これは、プリンタ2側においても、上述したとおり、所定の暗証番号と、この所定の暗証番号に対応する処理形態とを、ユーザ毎に示したデータを予め登録してあるため、暗証番号さえ判断できれば、処理形態を確定することが可能であるからである。
【0146】
また、パーソナルコンピュータ1で入力した暗証番号も暗号化したうえで、プリンタ2に送信してもよい。このように、暗証番号も暗号化することにより、この暗号化された暗証番号が漏洩したとしても、暗証番号が暗号化されているため、他人がプリントデータの復号化を行なうことができない。これにより、一層のセキュリティーの向上が図れる。
【0147】
本実施の形態に係る画像形成システムにおいては、以上のような一連の処理を行なうことにより、以下のことが可能となる。
【0148】
まず、パーソナルコンピュータ1では、ユーザが暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理の形態を選択することが可能となる。そして、暗号化の処理形態を選択できるようにすることにより、プリントデータを記録するプリンタ2の負荷を軽減することも可能となる。以下、この理由について説明する。
【0149】
パーソナルコンピュータ1は、上記送信部13により、暗号化処理されたプリントデータをプリンタ2に送信するため、プリンタ2においては、プリントデータをプリントアウトしようとすると、暗号化処理されたプリントデータを復号化処理する必要がある。そのため、高いレベルで暗号化処理されたプリントデータばかりが、プリンタ2に送られてくると、復号化処理も複雑となり、プリンタ2に負荷がかかる。このため、プリントデータの記録に時間を要することになる。
【0150】
とりわけ、複数のパーソナルコンピュータ1が、ネットワーク環境下でプリンタ2と接続されているため、複数のパーソナルコンピュータ1からプリントデータが送られてくるため、プリンタ2の負荷が増大する。
【0151】
一方、ユーザにとっては、プリントデータの暗号化はしたいが、それほどレベルの高い暗号化を望まない場合もある。
【0152】
ここで、本実施の形態では、ユーザが、暗号化処理のレベルを選択できるようにしてあるため、プリントデータの機密度合に応じて暗号化処理を選択することができる。それゆえ、プリンタ2での復号化処理の負荷も暗号化のレベルに応じてかわるため、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、高いレベルでのみ暗号化処理を行なうパーソナルコンピュータと比較すると、プリンタ2の負荷を減らすことが可能となる。
【0153】
また、本実施の形態では、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、あまり高くないレベルでのみ暗号処理を行なうパーソナルコンピュータと比較すると、機密度合の高いプリントデータについては、レベルの高い暗号化処理を選択できるため、セキュリティーの向上を図ることが可能となる。
【0154】
さらに、登録された所定の暗証番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、プリントデータの暗号化処理を行なわずに、プリントデータをプリンタ2に送信することもできる。
【0155】
したがって、上記パーソナルコンピュータ1では、プリンとデータを暗号化してプリンタ2に送信するため、パーソナルコンピュータ1からプリンタ2へプリントデータを送信する際、プリントデータの内容を他人に覗かれることを防止できる。また、ユーザが暗号化のレベルを選択することが可能となるため、セキュリティーの度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、プリンタの負荷も軽減できる。
【0156】
一方、プリンタ2では、復号化処理が実行されるまでは、プリントデータは暗号化された状態であるため、プリンタ2内部におけるプリントデータの機密性が維持できる。つまり、プリンタ2において、プリントデータの内容を他人に覗かれることを防止できる。
【0157】
また、暗号化処理の処理形態に応じた暗証番号をプリンタ2側で入力することにより、パーソナルコンピュータ1で暗号化処理されたプリントデータを、適切に復号化処理することが可能となる。
【0158】
このように、上記パーソナルコンピュータ1とプリンタ2とから構成される本実施の形態の画像形成システムでは、パーソナルコンピュータ1からプリンタ2へプリントデータを送信する際、および、プリンタ2内部において、プリントデータを他人に覗かれることを防止できる。また、ユーザが暗号化のレベルを選択することが可能となるため、セキュリティーの度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、プリンタの負荷も軽減できる。
【0159】
また、上記パーソナルコンピュータ1は、暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録部(第1の設定登録手段)を有する構成にしておくことが好ましい。
【0160】
この場合には、ユーザの好みに応じて、様々な種類の暗号化処理をパーソナルコンピュータ1に対して、登録することができる。
【0161】
また、暗号化処理を設定登録した場合であって、この暗号化処理を利用しようとする場合には、この暗号化処理に対して、ユーザ毎に所定の暗証番号を割り当てる必要がある。この場合には、パーソナルコンピュータ1に、図示しない第2の設定登録部(第2の設定登録手段)を設けて、上記の割り当てを行なえばよい。
【0162】
また、上記パーソナルコンピュータ1における所定の暗証番号(第1の所定の暗証番号)は、変更できるようにすることが好ましい。この所定の暗証番号の変更は、パーソナルコンピュータ1に、図示しない番号変更部(番号変更手段)を設けて、行なうようにする。
【0163】
上記番号変更部を設けることにより、パーソナルコンピュータ1側の所定の暗証番号(第1の所定の番号)が漏洩した恐れのある場合であっても、この所定の暗証番号を変更することができるため、プリンタ2でのプリントデータの複合化を他人に行なわれるという事態を防止することができる。
【0164】
また、上記プリンタ2には、復号化処理を設定登録するための第3の設定登録部(第3の設定登録手段)を有する構成にしておくことが好ましい。
【0165】
この場合には、パーソナルコンピュータ1で新たに暗号化処理が設定登録され、新たな暗号化処理が行われた場合であっても、暗号化処理に対する復号化処理をプリンタ2に設定登録することが可能となる。
【0166】
また、上述した画像生成装置(パーソナルコンピュータ1)における処理方法は、画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信するとともに、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、前記画像記録装置に記憶させる指示を出す、画像生成装置における画像データの送信方法において、暗証番号を入力するための第1のステップと、前記画像データに対し、入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう第2のステップと、少なくとも、前記一致した暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する第3のステップとを備えている方法と言える。
【0167】
さらに、上記第2のステップは、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に、前記画像データに対し、入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なうステップとも言える。
【0168】
また、上述した画像記録装置(プリンタ2)における処理方法は、画像データを生成する画像生成装置から、少なくとも画像データを受信するとともに、画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する、画像記録装置における画像データの記録方法において、暗証番号を入力するための第1のステップと、前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう第2のステップと、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する第3のステップとを備えている方法と言える。
【0169】
【発明の効果】
本発明の画像生成装置は、以上のように、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備えているものである。
【0170】
したがって、上記画像生成装置では、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となるという効果を奏する。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。また、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態であるため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0171】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうものである。
【0172】
それゆえ、第1の所定の番号を複数個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となるという効果を奏する。また、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【0173】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録手段を備えているものである。
【0174】
それゆえ、ユーザの好みに応じて、様々な種類の暗号化処理を、画像生成装置に対して設定登録することが可能となるという効果を奏する。
【0175】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記設定登録された暗号化処理に関し、前記第1の所定の番号を設定登録する第2の設定登録手段を備えるものである。
【0176】
それゆえ、第1の所定の番号を暗証番号として入力することにより、第2の登録手段で設定登録された暗号化処理を行なうことが可能となるという効果を奏する。
【0177】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記第1の所定の番号の変更を行なうための番号変更手段を備えているものである。
【0178】
それゆえ、第1の所定の番号(入力すべき暗証番号)が漏洩した恐れのある場合であっても、第1の所定の番号を変更しておけば、画像記録装置での画像データの復号化を他人に行なわれることがなくなる。したがって、セキュリティーの向上が図れるという効果を奏する。
【0179】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記送信手段は、さらに、前記暗号化処理手段で画像データを暗号化処理した際における、暗号化処理の処理形態に関する情報を送信するものである。
【0180】
それゆえ、画像記録装置では、上記のように暗証番号を基に画像データの暗号化処理形態を判断するまでもなく、送信されてきた画像データの暗号化処理の処理形態が特定できる。したがって、画像記録装置において、高速な復号化処理が図れるという効果を奏する。
【0181】
本発明の画像記録装置は、以上のように、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えているものである。
【0182】
それゆえ、上記画像記録装置では、画像記録装置内部において、画像データを他人に覗かれることを防止することができると共に、画像生成装置で暗号化処理された画像データを、適切に復号化処理することが可能となるという効果を奏する。
【0183】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、画像データの暗号化処理の処理形態に関する情報を、前記第2の所定の番号に応じて有するものである。
【0184】
それゆえ、暗号化の処理形態に応じた画像データの復号化処理を実行することが可能となるという効果を奏する。
【0185】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、前記第2の所定の番号は、前記画像生成装置から送信される暗証番号であるものである。
【0186】
それゆえ、ある暗号化処理がなされた画像データに対しては、暗号化処理に用いた暗証番号と同じ番号となる暗証番号を用いて、復号化処理を実行することが可能となるという効果を奏する。
【0187】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、復号化処理を設定登録するための第3の設定登録手段を備えているものである。
【0188】
それゆえ、画像生成装置側で新たに暗号化処理が設定登録され、新たな暗号化処理が行われた場合であっても、上記暗号化処理に対応する復号化処理を画像記録装置に設定登録することが可能となるという効果を奏する。
【0189】
本発明の画像形成システムは、以上のように、前記画像生成装置が、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備え、前記画像記録装置が、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が画像生成装置から送信されてくる暗証番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えているものである。
【0190】
それゆえ、上記画像形成システムでは、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となるという効果を奏する。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。
【0191】
また、本発明の画像形成システムは、上記の画像形成システムにおいて、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうものである。
【0192】
それゆえ、第1の所定の番号を複数個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となるという効果を奏する。また、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像生成装置における、一連の暗号化処理を行なうためのブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成システムの構成を示した説明図である。
【図3】各ユーザが設定した所定の暗証番号と、それぞれの所定の暗証番号に対応する処理形態との対応関係を示した管理テーブルの説明図である。
【図4】印刷設定画面を示した説明図である。
【図5】印刷設定画面のプロパティ画面を示した説明図である。
【図6】印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した説明図である。
【図7】印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した他の説明図である。
【図8】画像記録装置のハードディスクに記憶されている情報を示した説明図である。
【図9】画像記録装置の操作パネルを示した説明図である。
【図10】上記操作パネルにおけるジョブ選択画面を示した説明図である。
【図11】上記操作パネルにおける暗証番号入力画面を示した説明図である。
【図12】上記操作パネルのプリントアウト実行画面を示した説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る画像形成システムにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ(画像生成装置)
2 プリンタ(画像記録装置)
11 暗証番号入力部(第1の暗証番号入力手段)
12 暗号化処理部(暗号化処理手段)
13 送信部(送信手段)
23 復号化処理部(復号化処理手段)
25 暗証番号入力部(第2の暗証番号入力手段)
26 画像記録部(記録手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像生成装置で作成された画像データを画像記録装置で出力する際に、画像生成装置で画像データを暗号化し、画像記録装置で暗号化された画像データを復号化する画像形成システムに関する。また、この画像形成システムを構成する画像生成装置および画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のパーソナルコンピュータ(画像生成装置)と、少なくとも1つ以上のプリンタ(画像記録装置)とをネットワークで接続し、プリンタを複数のコンピュータで共有して利用する画像形成システムが知られている。
【0003】
このネットワーク環境下において、出力しようとする画像データ(以下、プリントデータと称する)をパーソナルコンピュータからプリンタに送信してプリントアウトすると、プリンタが複数のパーソナルコンピュータで共有されているため、プリンタの用紙出力トレイには、各コンピュータを利用する複数のユーザの出力物(記録物)が混在して載置されることになる。
【0004】
このため、個人の記録物が速やかに入手できなかったり、他人に記録物の内容をみられたり、あるいは、他人に記録物を持ち出されてしまうという問題が生じる。とりわけ、機密文書などを、上記ネットワーク環境下におかれたプリンタで出力する場合には、機密文書の漏洩につながる恐れがある。
【0005】
そこで、近年では、親展プリント処理機能(ホールドプリント機能)を備えたプリントシステムが開発されてきている。ここで、上記親展プリント処理機能を備えたプリントシステムのプリント処理について説明する。
【0006】
まず、パーソナルコンピュータにて親展プリント処理を指定した場合には、パーソナルコンピュータからプリンタジョブをプリンタに送る際に、プリントジョブに特定のピンコード(PIN(Personal Identification Number) Code)情報(以下、暗証番号と称する)を持たせる。そして、プリンタにおいては、プリントジョブをホールド、つまりプリントデータを出力せずに一旦保持させておく。この後、ユーザが、プリンタの操作パネルを介して、プリンタに暗証番号を入力することにより、暗証番号と一致するプリントジョブを呼び出して、プリントデータをプリントアウトするという処理である。
【0007】
つまり、親展プリント処理とは、ユーザがプリンタにおいて暗証番号を入力することによって、初めて記録物がプリンタから出力されるという処理である。
【0008】
この親展プリント処理機能を利用すれば、他人に、記録物の内容を見られたり、用紙出力トレイから記録物を持ち出されるという心配がなくなる。
【0009】
しかしながら、親展プリント処理機能をネットワークプリンタに搭載するとなると、プリントデータがプリンタ内の記憶装置に一時的に(プリント出力の指示があるまで)記憶されることとなるため、以下の問題が生じる。つまり、ネットワークを介して外部機器から故意にプリントデータの内容をみられたり、プリントデータそのものを複製されたり、プリントデータの内容を改竄されたりといった、様々な問題が発生する可能性がある。
【0010】
そこで、上記の問題を解決するために、特開2001−306273号公報においては、プリンタ内の記憶装置に一時的に記憶されるプリントデータを暗号化処理しておき、その後入力される暗証番号に基づいて復号化処理してプリントアウトするネットワークプリンタが開示されている。
【0011】
しかしながら、プリンタ内部でプリントデータを暗号化処理して記憶させておくだけでは機密情報の確保の上では不完全であり、問題が生じる。つまり、ネットワーク上、すなわちパーソナルコンピュータからプリンタにデータを送信する際中に、プリンタデータなどの各種情報が覗かれたりする可能性がある。
【0012】
そこで、近年では、パーソナルコンピュータからプリンタへプリントデータを送信する際中においてプリントデータが外部へ漏れても、プリントデータの内容を見ることができないようするために、パーソナルコンピュータにて、予めプリントデータを暗号化し、この暗号化したプリントデータをプリンタに送る技術が開発されている。なお、プリンタでは、上記と同様に、操作パネル等を介して暗証番号を入力することにより、暗号化されたプリントデータの復号化が図られ、記録物が出力される。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−306273(公開日:平成13年11月2日)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パーソナルコンピュータ(画像生成装置)におけるプリントデータの暗号化処理の有無に関わらず、プリンタ(画像記録装置)で復号化を行なう処理は、プリンタにとっては負荷が大きい。
【0015】
この理由の1つとしては、このプリンタに複数のコンピュータが接続されており、複数のプリントジョブが送信されてくる可能性が非常に高いためである。他の理由としては、プリンタの低コスト化の要請から、処理能力の高いエンジン(CPU)を積載することが難しくなっているためである。
【0016】
そして、セキュリティーの向上を図るため暗号化を複雑・高度化すればするほど、プリンタでの復号化処理の負担は大きくなる。このため、暗号化を複雑・高度化した場合(つまり、暗号化のレベルを向上させた場合)には、復号化に時間がかかり、ユーザはプリンタの前で記録物の出力を待たされることになる。
【0017】
一方、ユーザは、プリントデータの内容によっては、それほど複雑・高度な暗号化を望まない場合もある。この場合には、プリンタの前で待たされる時間を減らすことが可能となる。また、暗号化を必要としない場合もある。
【0018】
また、プリントデータの内容によっては、とりわけセキュリティーの向上を求め、複雑・高度な暗号化を望む場合もある。
【0019】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、パーソナルコンピュータからプリンタへプリントデータを送信する際、および、プリンタ内部において、プリントデータを他人に覗かれることを防止するとともに、ユーザが暗号化処理のレベルや、暗号化処理の有無を選択可能とし、併せてプリンタの負荷を軽減可能な画像形成システムと、この画像形成システムを構成する画像生成装置および画像記録装置とを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像生成装置は、上記の課題を解決するため、画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信するとともに、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、前記画像記録装置に記憶させる指示を出す画像生成装置において、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。暗号化処理に関しては、暗証番号に応じて、それぞれ異なるレベルの暗号化処理を予め設定しておけば、ユーザは画像データの機密(重要)度合を基にして暗号化処理を選択できる。例えば、機密性の高い画像データについては、高いレベルの暗号化処理を行い、それほど機密性の高くない画像データについては、低いレベルの暗号化処理を行うように設定することができる。
【0022】
また、このように、暗号化処理のレベルを選択できるようにすることにより、画像データを記録する画像記録装置の負荷を軽減することも可能となる。以下、この理由について説明する。
【0023】
画像生成装置は、送信手段により、暗号化処理された画像データを画像記録装置に送信するため、画像記録装置においては、画像データを記録(プリントアウト)しようとすると、暗号化された画像データを復号化処理する必要がある。そのため、高いレベルで暗号化処理された画像データばかりが、画像記録装置に送られてくると、復号化処理も複雑となり、画像記録装置に負荷がかかる。このため、画像データの記録に時間を要することになる。
【0024】
とりわけ、複数の画像生成装置が、ネットワーク環境下で画像記録装置と接続されている場合は、複数の画像生成装置から画像データが送られてくるため、画像記録装置の負荷が増大する。
【0025】
一方、ユーザにとっては、画像データの暗号化はしたいが、それほどレベルの高い暗号化を望まない場合もある。そこで、ユーザが、暗号化処理のレベルを選択できるようにしておけば、画像データの機密度合に応じて暗号化処理を行なうことができるため、画像記録装置での復号化処理の負荷も暗号化のレベルに応じてかわることになる。
【0026】
このため、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、高いレベルでのみ暗号化処理を行なう画像生成装置と比較すると、画像記録装置の負荷を減らすことが可能となる。また、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、あまり高くないレベルでのみ暗号処理を行なう画像処理装置と比較すると、機密度合の高い画像データについては、レベルの高い暗号化処理を選択できるため、セキュリティーの向上を図ることが可能となる。
【0027】
一方、画像記録装置は、復号化に際して、どのような暗号化処理が行なわれたかを判断する必要があるが、これは、画像記録装置側にも、画像生成装置における第1の所定の番号と暗号化処理の処理形態との対応関係示す情報を持たせておき、送信手段が送信する暗証番号を基に判断すればよい。つまり、ユーザが、画像記録装置において上記送信されてきた暗証番号と同一の番号を入力すれば、この番号を基にして、画像データの暗号化処理の処理形態が特定できる。このため、画像記録装置は、どのような復号化処理を行なえばよいか判断できことになる。
【0028】
また、本発明では、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態であるため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0029】
したがって、上記画像生成装置では、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。
【0030】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうことを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、入力された暗証番号が、第1の所定の番号と一致すれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。
【0032】
ここで、例えば、第1の所定の番号をn個設定しておけば、一致する暗証番号の数もn個となり、暗号化処理手段では、このn個の暗証番号に応じた数の暗号化処理を行なうことが可能となる。つまり、第1の所定の番号をn個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となる。
【0033】
また、本発明では、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【0034】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録手段を備えていることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、第1の設定登録手段により、暗号化処理を設定登録することができる。
【0036】
したがって、ユーザの好みに応じて、様々な種類の暗号化処理を、画像生成装置に対して設定登録することが可能となる。
【0037】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記設定登録された暗号化処理に関し、前記第1の所定の番号を設定登録する第2の設定登録手段を備えることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、設定登録した暗号化処理に対して、第1の所定の番号が割り当てられる。
【0039】
したがって、第1の所定の番号を暗証番号として入力することにより、第2の登録手段で設定登録された暗号化処理を行なうことが可能となる。
【0040】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記第1の所定の番号の変更を行なうための番号変更手段を備えていることを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、番号変更手段により、第1の所定の番号の変更が可能となる。これにより、暗号化処理に対する、入力すべき暗証番号が変更されることになる。
【0042】
したがって、第1の所定の番号(入力すべき暗証番号)が漏洩した恐れのある場合であっても、第1の所定の番号を変更しておけば、画像記録装置での画像データの復号化を他人に行なわれることがなくなる。それゆえ、セキュリティーの向上が図れる。
【0043】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記送信手段は、さらに、前記暗号化処理手段で画像データを暗号化処理した際における、暗号化処理の処理形態に関する情報を送信することを特徴としている。
【0044】
上記の構成によれば、画像記録装置には、暗証番号と、暗号化処理された画像データと、暗号化処理の処理形態の情報とが送信される。
【0045】
したがって、画像記録装置では、上記のように暗証番号を基に画像データの暗号化処理形態を判断するまでもなく、送信されてきた画像データの暗号化処理の処理形態が特定できる。それゆえ、画像記録装置において、高速な復号化処理が図れる。
【0046】
本発明の画像記録装置は、上記の課題を解決するため、画像データを生成する画像生成装置から、少なくとも画像データを受信するとともに、画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する画像記録装置において、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えていることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、入力された暗証番号が、第2の所定の番号と一致すれば、復号化処理手段により、暗号化された画像データの復号化処理が行なわれる。また、記録手段により、復号化された画像データが記録(プリントアウト)される。
【0048】
ここで、例えば、画像生成装置が、複数の暗号化処理を行なえる装置である場合には、画像記録装置は、それぞれの暗号化処理に応じた復号化処理を行なう必要がある。
【0049】
この場合には、例えば、第2の所定の番号を暗号化処理の種別毎に設定しておき、入力された暗証番号が、復号化すべき画像データの暗号化処理の形態に一致する番号である場合に、画像データの復号化処理を行なえばよい。
【0050】
また、本発明では、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態であるため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0051】
したがって、上記画像記録装置では、画像記録装置内部において、画像データを他人に覗かれることを防止することができると共に、画像生成装置で暗号化処理された画像データを、適切に復号化処理することが可能となる。
【0052】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、画像データの暗号化処理の処理形態に関する情報を、前記第2の所定の番号に応じて有することを特徴としている。
【0053】
上記の構成によれば、画像記録装置は、第2の所定の番号と暗号化処理の処理形態との対応関係を示す情報を有することになる。
【0054】
ここで、画像記録装置は、画像データの復号化処理に際し、画像データに対して、どのような暗号化処理が行なわれているかを事前に判断する必要がある。
【0055】
そこで、画像記録装置側にも、第2の所定の番号と暗号化処理との対応関係を示す情報を持たせておくことにより、ある第2の所定の番号が暗証番号として入力された場合に、どのような復号化処理を行なえばよいかが判断可能となる。
【0056】
したがって、暗号化の処理形態に応じた画像データの復号化処理を実行することが可能となる。
【0057】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、前記第2の所定の番号は、前記画像生成装置から送信される暗証番号であることを特徴としている。
【0058】
上記の構成によれば、第2の所定の番号が、画像生成装置から送信される暗証番号であるため、画像生成装置で画像データを暗号化処理する際に入力した暗証番号を、画像記録装置における、上記画像データの複合化処理の際に用いることができる。
【0059】
したがって、ある暗号化処理がなされた画像データに対しては、暗号化処理に用いた暗証番号と同じ番号となる暗証番号を用いて、復号化処理を実行することが可能となる。
【0060】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、復号化処理を設定登録するための第3の設定登録手段を備えていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、第3の設定登録手段により、暗号化処理を設定登録することができる。
【0062】
したがって、画像生成装置側で新たに暗号化処理が設定登録され、新たな暗号化処理が行われた場合であっても、上記暗号化処理に対応する復号化処理を画像記録装置に設定登録することが可能となる。
【0063】
本発明の画像形成システムは、上記の課題を解決するため、画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信する画像生成装置と、前記画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する画像記録装置とを有する画像形成システムにおいて、前記画像生成装置が、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備え、前記画像記録装置が、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が画像生成装置から送信されてくる暗証番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えていることを特徴としている。
【0064】
上記の構成によれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。暗号化処理に関しては、暗証番号に応じて、それぞれ異なるレベルの暗号化処理を予め設定しておけば、ユーザは画像データの機密(重要)度合を基にして暗号化処理を選択できる。例えば、機密性の高い画像データについては、高いレベルの暗号化処理を行い、それほど機密性の高くない画像データについては、低いレベルの暗号化処理を行なうように設定することができる。
【0065】
また、このように、暗号化処理のレベルを選択できるようにすることにより、画像データを記録する画像記録装置の負荷を軽減することも可能となる。以下、この理由について説明する。
【0066】
画像生成装置は、送信手段により、暗号化処理された画像データを画像記録装置に送信するため、画像記録装置においては、画像データを記録(プリントアウト)しようとすると、暗号化された画像データを復号化処理する必要がある。そのため、高いレベルで暗号化処理された画像データばかりが、画像記録装置に送られてくると、復号化処理も複雑となり、画像記録装置に負荷がかかる。このため、画像データの記録に時間を要することになる。
【0067】
とりわけ、複数の画像生成装置が、ネットワーク環境下で画像記録装置と接続されている場合は、複数の画像生成装置から画像データが送られてくるため、画像記録装置の負荷が増大する。
【0068】
一方、ユーザにとっては、画像データの暗号化はしたいが、それほどレベルの高い暗号化を望まない場合もある。そこで、ユーザが、暗号化処理のレベルを選択できるようにしておけば、画像データの機密度合に応じて暗号化処理を行なうことができるため、画像記録装置での復号化処理の負荷も暗号化のレベルに応じてかわることになる。
【0069】
このため、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、高いレベルでのみ暗号化処理を行なう画像生成装置と比較すると、画像記録装置の負荷を減らすことが可能となる。また、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、あまり高くないレベルでのみ暗号処理を行なう画像処理装置と比較すると、機密度合の高い画像データについては、レベルの高い暗号化処理を選択できるため、セキュリティーの向上を図ることが可能となる。
【0070】
また、画像記録装置においては、入力された暗証番号が、画像生成装置から送られてきた暗証番号と一致すれば、復号化処理手段により、暗号化された画像データの復号化処理が行なわれる。これにより、画像生成装置で暗号化処理された画像データを、適切に復号化処理することが可能となる。
【0071】
ところで、画像記録装置では、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態である。このため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0072】
そして、記録手段により、復号化された画像データが記録(プリントアウト)されることとなる。
【0073】
したがって、上記画像形成システムでは、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。
【0074】
また、本発明の画像形成システムは、上記の画像形成システムにおいて、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうことを特徴としている。
【0075】
上記の構成によれば、入力された暗証番号が、第1の所定の番号と一致すれば、暗号化処理手段により、暗証番号に応じた、所定の暗号化処理が行なわれる。
【0076】
ここで、例えば、第1の所定の番号をn個設定しておけば、一致する暗証番号の数もn個となり、暗号化処理手段では、このn個の暗証番号に応じた数の暗号化処理を行なうことが可能となる。つまり、第1の所定の番号をn個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となる。
【0077】
また、本発明では、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【0078】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる画像形成システムについて、図1から図13に基づいて、以下に説明する。
【0079】
図2は、本実施の形態に係る画像形成システムの構成を示した説明図である。この画像形成システムは、少なくとも、クライアントマシーンとなるパーソナルコンピュータ等のプリントデータを生成する画像生成装置(端末装置)1と、このプリントデータに基づいて画像を形成(記録)するプリンタ等の画像記録装置2とからなる。
【0080】
なお、図2においては、1台の画像生成装置1と1台の画像記録装置2としか示していないが、複数の画像生成装置1と複数の画像記録装置2とが、ネットワーク上で互いに接続されているものとする。
【0081】
また、以下では、説明の便宜上、画像生成装置1を、パーソナルコンピュータ1と記載し、画像記録装置2をプリンタ2として記載する。
【0082】
上記パーソナルコンピュータ1は、例えば作成された文書(プリントデータ)を、内蔵されたプリンタドライバによりプリンタ2が処理できる形態に書換えた上で、プリンタ2に送信する。また、上記パーソナルコンピュータ1は、少なくとも、プリントデータ(画像データ)を暗号化処理した上で、プリンタ2に親展プリントの指示が可能なソフトウェアを備えた装置である。
【0083】
図1は、パーソナルコンピュータ1における、一連の暗号化処理を行なうためのブロック図である。
【0084】
上記パーソナルコンピュータ1は、同図に示すとおり、暗証番号入力部(第1の暗証番号入力手段)11、暗号化処理部(暗号化処理手段)12、および、送信部(送信手段)13を備えている。これらの部については、後述する。
【0085】
一方、上記プリンタ2は、CPU(中央演算処理装置)21と、このCPU21に接続された、プリンタボード22、復号化処理部(復号化処理手段)23、HD(ハードディスク)24、暗証番号入力部(第2の暗証番号入力手段)25、および、画像記録部(記録手段)26を備えている。なお、プリンタ2では、データを記憶できる装置としてハードディスク24を用いているが、読み書き可能なメモリ機能を備えている記憶装置であれば、これに限定されるものではない。
【0086】
上記プリンタボード22は、パーソナルコンピュータ1で暗号化処理されたプリントデータを受信するボードである。より詳しくは、プリンタボード22は、上記プリントデータを画像記録部26が扱えるページデータに展開するボードである。なお、画像記録部26は、詳しくは後述するが、画像データをプリントアウトする部である。
【0087】
そして、上記プリンタボード22により展開されたプリントデータは、ハードディスク24において1つのプリントジョブとして一時的に記憶される。また、上記復号化処理部23は、詳しくは後述するが、暗号化されたプリントデータを復号化、つまり暗号化を解除する部である。また、暗証番号入力部25についても、後述する。
【0088】
図3は、各ユーザが設定した所定の暗証番号と、それぞれの所定の暗証番号に対応する処理形態との対応関係を示した管理テーブルの説明図である。
【0089】
上記パーソナルコンピュータ1には、予め、図3に示す対応関係の情報を登録しておく。つまり、パーソナルコンピュータ1に、予め、ユーザ名と、プリントジョブの指示とともに入力されるべき、ユーザ毎の所定の暗証番号(第1の所定の番号)と、この所定の暗証番号に対応するプリントデータの暗号化手法に関する情報(以下、処理形態と称する)とを登録しておく。
【0090】
また、パーソナルコンピュータ1は、複数の上記処理形態を有し、1つの暗証番号に対して1つの処理形態が対応している。なお、上記図3に示す対応関係は、一例であって、これに限定されるものではない。
【0091】
ここで、パーソナルコンピュータ1で暗号化処理を行い、プリンタ2で出力する場合における具体的な手順を説明する。
【0092】
まず、ユーザは、上記暗証番号入力部11で暗証番号の入力を行なう。そして、上記入力した暗証番号が、所定の暗証番号と一致する場合には、上記暗号化処理部12により、その入力した暗証番号に応じた暗号化の処理形態で暗号化処理が行われることになる。
【0093】
具体的には、ユーザ「ABCD」に関して説明すると、図3に示すとおり、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「12345」と一致した場合には、処理形態「A」が選択され、この処理形態「A」で暗号化処理が行なわれる。また、入力された暗証番号が、所定の暗証番号である「24680」と一致した場合には、処理形態「B」が選択され、この処理形態「B」で暗号化処理が行なわれる。さらに、暗証番号「22444」を入力すると、処理形態「C」が選択され、この処理形態「C」で暗号化処理が行なわれる。
【0094】
ここで、上記所定の暗証番号と処理形態との対応付けは、ユーザがそれぞれに設定するものである。つまり、各処理形態に対して、事前に、ユーザが暗証番号を設定しておく。
【0095】
また、処理形態「A」、「B」、および「C」は、それぞれに暗号化レベルの異なる暗号化処理の形態を示したものである。なお、暗号化レベルとは、暗号化の複雑・高度さの度合を意味している。
【0096】
以下の説明においては、説明の便宜上、処理形態「A」は暗号化レベルの高い処理形態を、処理形態「B」は暗号化レベルの低い処理形態を、処理形態「C」は暗号化を行なわない処理形態を示すものとして説明する。なお、処理形態「C」を、上記のように暗号化を行なわない処理形態と設定した場合、この処理形態「C」を選択する暗証番号「22444」は、上記第1の所定の番号には該当しないものとする。
【0097】
また、ユーザ「ABXY」に関しては、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「23456」であった場合に、処理形態「A」が選択され、この処理形態「A」で暗号化処理が行なわれる。また、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「23467」であった場合に、処理形態「C」が選択され、この処理形態「C」で暗号化処理が行なわれる。ここで、ユーザ「ABXY」は、処理形態「B」に対応する所定の暗証番号を設定していないが、このように、ユーザが個人の好みに応じて、利用する処理形態を予め選択することができるようになっている。
【0098】
また、ユーザ「ABAB」に関しては、入力した暗証番号が、所定の暗証番号である「11234」である場合に、処理形態「A」が選択され、この処理形態「A」で暗号化処理が行なわれる。
【0099】
なお、上記の説明においては、処理形態を、「A」から「C」の3つとして説明したが、これに限定されるものではない。また、所定の暗証番号は、5桁の数字に限定されず、かつ、数字以外のアルファベット等の文字が混在するものであってもよい。
【0100】
ここで、パーソナルコンピュータ1にて、上記の各処理形態を選択する場合の具体的な手順について、図4から図7を基に説明する。なお、図4から図7は、パーソナルコンピュータ1におけるディスプレイの表示画面を示した説明図である。
【0101】
より詳しくは、図4は、印刷設定画面を示した説明図である。また、図5は、印刷設定画面のプロパティ画面を示した説明図である。さらに、図6は、印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した説明図である。また、図7は、印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した他の説明図である。
【0102】
まず、プリントデータをプリントアウトするためには、プリントアウトの指示をパーソナルコンピュータ1で行なう必要がある。このため、図4に示す、印刷設定画面(プリンタドライバ画面)をディスプレイに表示させる。そして、この図4に示す画面上で、プロパティのボタンをマウス等でクリックする。このプロパティのボタンのクリックにより、図5に示すとおり、プロパティの設定画面がディスプレイに表示される。
【0103】
次に、プロパティの設定画面のメインシート上に配された、ジョブ管理のボタンをクリックする。このジョブ管理のボタンのクリックにより、図6に示すとおり、ジョブ管理の設定画面がディスプレイに表示される。そして、このジョブ管理の設定画面内のリテンション設定項目において、「印刷せずにホールド」という項目を選択する。ここで、「印刷せずにホールド」という指示は、プリンタ2において、印刷をせずにプリントデータを記憶しておかせるという指示である。
【0104】
その後、図7に示すとおり、リテンション設定項目において、暗証番号を入力する。
【0105】
ここで、上記入力すべき暗証番号は、ユーザが予め設定した所定の暗証番号であって、かつ、ユーザが所望する処理形態に対応する暗証番号である。つまり、例えばユーザ「ABCD」が、プリントデータを処理形態「A」で暗号化したいと希望する場合には、図3に示すとおり、所定の暗証番号「12345」を入力することとなる。また、ユーザ「ABXY」が、プリントデータを処理形態「A」で暗号化したいと希望する場合には、所定の暗証番号「23456」を入力することとなる。
【0106】
なお、暗証番号を誤入力した結果、この暗証番号と一致する所定の暗証番号がなくて処理形態が特定できない場合には、通常の親展プリント(ホールドプリント)処理を行なうものとする。本実施の形態では、処理形態「C」と同じ処理となる。
【0107】
また、ジョブ管理の設定画面内のデフォルトジョブ設定項目において、ユーザ名、ジョブ名を入力する。なお、このパーソナルコンピュータを利用するユーザのユーザ名が、予め設定されている場合には、ユーザ名の設定は不要である。このデフォルトジョブのユーザ名が、図3に示すユーザ名に該当する。また、ジョブ名は、デフォルト状態で示されているジョブ名を用いてもよいし、複数のプリントデータを出力する場合には、その都度、ジョブ名を変更してもよい。
【0108】
以上のように、ジョブ管理の設定が終了した時点において、ジョブ管理の設定項目内の「OK」ボタンをクリックする。そして、この「OK」ボタンをクリックすることにより、図5に示したプロパティ設定画面に戻る。
【0109】
そして、次に、このプロパティ設定画面の「OK」ボタンをクリックする。このプロパティ設定画面の「OK」ボタンをクリックすることにより、図3に示す、印刷設定画面において、印刷部数等の必要項目を設定した後、「OK」ボタンをクリックする。
【0110】
これにより、上記送信部13によって、所定の暗証番号に対応した暗号化の処理形態でプリントデータがプリンタ2に送信されることになる。また、併せて、上記送信部13により、上記所定の暗証番号と、上記処理形態の情報とがプリンタ2に送信される。
【0111】
なお、印刷部数等の設定は、図4に示すプロパティのボタンをクリックする前に行なっておいてもよい。また、上記の説明においては、図5に示すプロパティ設定画面において、特段設定を行なわなかったが、例えば両面印刷を行なう必要があれば、両面印刷の設定項目で指定しておけばよい。
【0112】
以上のように、本発明のパーソナルコンピュータ1では、まず、暗証番号入力部(第1の暗証番号入力手段)11を用いて、ユーザが暗証番号を入力する。次に、暗号化処理部(暗号化処理手段)12により、この暗証番号に応じて決まる暗号化処理の形態に則して、プリントデータ(画像データ)が暗号化処理される。より詳しくは、入力された暗証番号と登録された上記所定の暗証番号(第1の所定の番号)とが一致した場合に、上記の暗号化処理がなされる。そして、送信部(送信手段)13により、少なくとも、暗号化されたプリントデータと暗証番号とがプリンタ2に送信される。
【0113】
次に、プリンタ2で行なわれる処理について説明する。
【0114】
プリンタ2では、パーソナルコンピュータ1より、親展プリント(ホールドプリント)の指示を受けている。つまり、図6に示すとおり、リテンション設定項目において、「印刷せずにホールド」という項目を設定している。したがって、プリンタ2では、即座にプリントデータがプリントアウトされずに、ハードディスク24内に一時的に記憶されることになる。また、ハードディスク24内では、プリントデータは、選択した処理形態で暗号化されて記憶されている。
【0115】
また、プリンタ2には、所定の暗証番号(第2の所定の暗証番号)と、この所定の暗証番号に対応する処理形態とを、ユーザ毎に表したデータを予め登録しておく。つまり、プリンタ2でも、図3に示すような、対応関係を示す管理テーブルの情報を事前に登録しておく。さらに、プリンタ2に備えらた復号化処理部23には、予め、各処理形態で暗号化処理されたプリントデータを複合化するための処理プログラムを登録しておく。つまり、パーソナルコンピュータで暗号化される処理形態に対して、復号化処理を行なえるようにしておく。
【0116】
図8は、ハードディスク24に記憶されている情報を示した説明図である。ハードディスク24は、少なくとも、ユーザ名、パーソナルコンピュータ1から送信されてきた日時、ページデータ、印刷部数、選択された処理形態、ジョブ名、および、暗証番号の各種の情報を有している。
【0117】
また、図9は、プリンタ2の操作パネルを示した説明図である。図10は、操作パネルにおけるジョブ選択画面を示した説明図である。図11は、操作パネルにおける暗証番号入力画面を示した説明図である。図12は、操作パネルのプリントアウト実行画面を示した説明図である。
【0118】
ここで、ユーザがプリントデータをプリントアウトする場合には、ユーザは、プリンタ2の操作パネルにおいてプリントアウトの指示を入力することになる。
【0119】
具体的には、図9に示すとおり、まず、ユーザが、操作パネル28のプリンタボタン29を押す。すると、操作パネル28の表示画面30には、図10に示すとおり、プリントホールドリストが表示される。
【0120】
このプリントホールドリストには、プリントジョブの一覧が表示されている。ここで、ユーザは、ユーザ名とジョブ名とを基にして、プリントアウトしたいプリントジョブを選択する。選択に際しては、表示画面30がタッチパネル形式の場合には、選択するジョブを表示した領域に触れればよい。また、プリントジョブの数が多い場合には、表示画面30に全てのプリントジョブを表示できないため、スクロールキーを配して、全てのプリントジョブを検索できるようにしておく。
【0121】
ここで、例えば、ユーザ「ABCD」がジョブ名「123」のジョブを選択した場合には、図11に示すとおり、表示画面30には暗証番号(パスコード)入力画面が表示される。そして、ユーザがジョブ名「123」に対応する暗証番号を入力すれば、つまり、図3に示すとおり、所定の暗証番号である「12345」を入力すれば、プリンタ2に事前に登録された、ユーザ毎の所定の暗証番号および該所定の暗証番号に対応した処理形態との管理テーブルの情報から、入力された暗証番号が正しいものであるとプリンタ2が判断する。そして、表示画面30が、図12に示す画面に切り換わる。
【0122】
一方、ジョブ名「123」に対応しない暗証番号を入力すれば、入力された暗証番号が正しくないものと判断し、処理を中止する。
【0123】
ここで、入力した暗証番号が正しく、図12に示す画面に切換った後は、選択したジョブのプリントアウトに移る。ここで、「プリント後データを削除」を選択すれば、以下の処理が実行される。
【0124】
まず、暗号化されたプリントデータを残しつつも、暗号化されたプリントデータを複合化処理してプリントアウトが行なわれる。そして、ハードディスク24に残っている暗号化されたプリントデータが削除される。なお、複合化したプリントデータも同様に削除される。
【0125】
一方、「プリント後データを保存」を選択すれば、以下の処理が実行される。
【0126】
まず、まず、暗号化されたプリントデータを残しつつも、暗号化されたプリントデータを複合化処理してプリントアウトが行なわれる。そして、ハードディスク24に残っている暗号化されたプリントデータが削除されずに保存される。
【0127】
この場合には、ハードディスク24には、暗号化されたプリントデータが残っているため、パーソナルコンピュータからプリントデータを再度送信しなくても、暗証番号を入力することにより、同一プリントデータのプリントアウトが行なえるという利点がある。また、ハードディスク24内では、暗号化された状態でプリントデータが保存されるため、セキュリティーの面でも問題がない。
【0128】
以上の一連の操作により、ユーザは、プリントアウトされた記録物を得ることができる。
【0129】
なお、プリントアウトを行なわずに、単にハードディスク24に記憶された、暗号化されたプリントデータを削除したい場合には、図12に示す、「データ削除」を選択すれば良い。また、選択するジョブを間違えた場合には、「キャンセル」を選択すれば良い。
【0130】
以上のように、上記プリンタ2では、まず、暗証番号入力部(第2の暗証番号入力手段)25を用いて、ユーザが暗証番号を入力する。また、復号化処理部(復号化処理手段)23により、入力された暗証番号と登録された所定の暗証番号(第2の所定の番号)とが一致した場合に、この暗証番号に応じて決まる復号化処理の形態に則して、プリントデータ(画像データ)が復号化処理される。さらに、画像記録部(記録手段)26により、復号化処理された画像データがプリントアウトされる。
【0131】
図13は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムにおけるプリントアウト時の処理の流れを示したフローチャートである。
【0132】
以下に、図13に基づいて、上記画像形成システムにおけるプリントアウト時の処理フローを説明する。
【0133】
まず、パーソナルコンピュータ(画像生成装置)1側において、ユーザが親展プリント指示を行なう(S1)。そして、S1の後は、暗証番号の入力要求が行なわれる(S2)。次に、S2の後は、ユーザが暗証番号の入力を行なう(S3)。
【0134】
ここで、S3において、暗証番号の入力が行なわれなかった場合には、親展プリントのプリントジョブを解除(キャンセル)するか否かが選択される(S4)。もし、解除を選択した場合には、親展プリントのプリントジョブがキャンセルされる。一方、解除を実行しない場合には、S3に戻り、暗証番号の入力待ちの状態となる。
【0135】
S3において暗証番号が入力された場合には、暗証番号の確認が行なわれる(S5)。そして、S5の後は、入力された暗証番号の事前登録があるか否かが判断される(S6)。つまり、入力された暗証番号が、ユーザが事前に登録した、処理形態に対応する所定の暗証番号(第1の所定の番号)であるか否かが判断される。
【0136】
S6において、もし事前登録があれば、暗証番号に対応した処理形態で暗号化が行なわれる(S7)。そして、S7の後は、プリンタ(画像記録装置)2側にプリンタジョブを送信する(S8)。なお、暗号化されたプリントデータ、暗証番号等がプリントジョブのデータとして送信される。一方、S6において、暗証番号の事前登録がなかった場合には、暗号化を行なわずに、S8に進み、プリンタジョブをプリンタ2に送信する。
【0137】
なお、本実施の形態においては、上述したとおり、処理形態「C」を、暗号化を行なわない処理として説明した。このため、S6において、処理形態「C」に対応する暗証番号が事前登録した番号であっても、S7においては暗号化を行なわずにプリントジョブの送信を行なうようにしておく。
【0138】
プリンタ2では、プリンタジョブのジョブリストをパーソナルコンピュータに要求し、得られたジョブリストを表示する(S9)。そして、S9の後は、ユーザが、プリントジョブを特定したか否かが判断される(S10)。
【0139】
もし、ユーザが、プリントジョブを特定しない場合には、親展プリントのプリントジョブを解除(キャンセル)するか否かが選択される(S11)。もし、例えば図11に示したキャンセルボタンを押すことにより、解除を選択した場合には、親展プリントのプリントジョブがキャンセルされる。一方、解除を実行しない場合には、S10に戻り、プリントジョブの特定待ちの状態となる。
【0140】
一方、S10において、ユーザがプリントジョブを特定した場合には、暗証番号の入力要求が行なわれる(S12)。次に、S12の後は、ユーザが暗証番号の入力を行なう(S13)。
【0141】
ここで、S13において、暗証番号の入力が行なわれなかった場合には、選択したプリントジョブを解除(キャンセル)するか否かが選択される(S14)。もし、解除を選択した場合には、選択したプリントジョブがキャンセルされ、S10に戻り、再度プリンタジョブの特定を行なう。一方、S14において、解除を実行しない場合には、S13に戻り、暗証番号の入力待ちの状態となる。
【0142】
S13の後は、プリンタ2側で入力された暗証番号が、パーソナルコンピュータ1から送られてきた暗証番号と一致するか否かが判断される(S15)。ここで、暗証番号が一致すれば、復号化処理部23で暗号化されたプリントデータの復号化が行なわれる(S16)。そして、S16の後は、プリントデータがプリントアウトされ(S17)、一連の処理が終了する。
【0143】
一方、S15において、暗証番号が一致しない場合には、再度暗証番号の入力を要求する確認メッセージを、プリンタ2の表示画面30に表示する(S18)。S18の後は、S12に戻り、暗証番号の入力要求が行なわれる。
【0144】
なお、上記の説明では、パーソナルコンピュータ1からプリンタ2に、暗証番号と、暗号化されたプリントデータと、処理形態の情報を送信したが、これに限定されるものではない。つまり、処理形態の情報を送信せず、暗証番号と、暗号化されたプリントデータとを送信するだけでもよい。
【0145】
これは、プリンタ2側においても、上述したとおり、所定の暗証番号と、この所定の暗証番号に対応する処理形態とを、ユーザ毎に示したデータを予め登録してあるため、暗証番号さえ判断できれば、処理形態を確定することが可能であるからである。
【0146】
また、パーソナルコンピュータ1で入力した暗証番号も暗号化したうえで、プリンタ2に送信してもよい。このように、暗証番号も暗号化することにより、この暗号化された暗証番号が漏洩したとしても、暗証番号が暗号化されているため、他人がプリントデータの復号化を行なうことができない。これにより、一層のセキュリティーの向上が図れる。
【0147】
本実施の形態に係る画像形成システムにおいては、以上のような一連の処理を行なうことにより、以下のことが可能となる。
【0148】
まず、パーソナルコンピュータ1では、ユーザが暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理の形態を選択することが可能となる。そして、暗号化の処理形態を選択できるようにすることにより、プリントデータを記録するプリンタ2の負荷を軽減することも可能となる。以下、この理由について説明する。
【0149】
パーソナルコンピュータ1は、上記送信部13により、暗号化処理されたプリントデータをプリンタ2に送信するため、プリンタ2においては、プリントデータをプリントアウトしようとすると、暗号化処理されたプリントデータを復号化処理する必要がある。そのため、高いレベルで暗号化処理されたプリントデータばかりが、プリンタ2に送られてくると、復号化処理も複雑となり、プリンタ2に負荷がかかる。このため、プリントデータの記録に時間を要することになる。
【0150】
とりわけ、複数のパーソナルコンピュータ1が、ネットワーク環境下でプリンタ2と接続されているため、複数のパーソナルコンピュータ1からプリントデータが送られてくるため、プリンタ2の負荷が増大する。
【0151】
一方、ユーザにとっては、プリントデータの暗号化はしたいが、それほどレベルの高い暗号化を望まない場合もある。
【0152】
ここで、本実施の形態では、ユーザが、暗号化処理のレベルを選択できるようにしてあるため、プリントデータの機密度合に応じて暗号化処理を選択することができる。それゆえ、プリンタ2での復号化処理の負荷も暗号化のレベルに応じてかわるため、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、高いレベルでのみ暗号化処理を行なうパーソナルコンピュータと比較すると、プリンタ2の負荷を減らすことが可能となる。
【0153】
また、本実施の形態では、1つの暗号化処理しか行なわず、かつ、あまり高くないレベルでのみ暗号処理を行なうパーソナルコンピュータと比較すると、機密度合の高いプリントデータについては、レベルの高い暗号化処理を選択できるため、セキュリティーの向上を図ることが可能となる。
【0154】
さらに、登録された所定の暗証番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、プリントデータの暗号化処理を行なわずに、プリントデータをプリンタ2に送信することもできる。
【0155】
したがって、上記パーソナルコンピュータ1では、プリンとデータを暗号化してプリンタ2に送信するため、パーソナルコンピュータ1からプリンタ2へプリントデータを送信する際、プリントデータの内容を他人に覗かれることを防止できる。また、ユーザが暗号化のレベルを選択することが可能となるため、セキュリティーの度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、プリンタの負荷も軽減できる。
【0156】
一方、プリンタ2では、復号化処理が実行されるまでは、プリントデータは暗号化された状態であるため、プリンタ2内部におけるプリントデータの機密性が維持できる。つまり、プリンタ2において、プリントデータの内容を他人に覗かれることを防止できる。
【0157】
また、暗号化処理の処理形態に応じた暗証番号をプリンタ2側で入力することにより、パーソナルコンピュータ1で暗号化処理されたプリントデータを、適切に復号化処理することが可能となる。
【0158】
このように、上記パーソナルコンピュータ1とプリンタ2とから構成される本実施の形態の画像形成システムでは、パーソナルコンピュータ1からプリンタ2へプリントデータを送信する際、および、プリンタ2内部において、プリントデータを他人に覗かれることを防止できる。また、ユーザが暗号化のレベルを選択することが可能となるため、セキュリティーの度合も自由に選ぶことが可能となる。加えて、プリンタの負荷も軽減できる。
【0159】
また、上記パーソナルコンピュータ1は、暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録部(第1の設定登録手段)を有する構成にしておくことが好ましい。
【0160】
この場合には、ユーザの好みに応じて、様々な種類の暗号化処理をパーソナルコンピュータ1に対して、登録することができる。
【0161】
また、暗号化処理を設定登録した場合であって、この暗号化処理を利用しようとする場合には、この暗号化処理に対して、ユーザ毎に所定の暗証番号を割り当てる必要がある。この場合には、パーソナルコンピュータ1に、図示しない第2の設定登録部(第2の設定登録手段)を設けて、上記の割り当てを行なえばよい。
【0162】
また、上記パーソナルコンピュータ1における所定の暗証番号(第1の所定の暗証番号)は、変更できるようにすることが好ましい。この所定の暗証番号の変更は、パーソナルコンピュータ1に、図示しない番号変更部(番号変更手段)を設けて、行なうようにする。
【0163】
上記番号変更部を設けることにより、パーソナルコンピュータ1側の所定の暗証番号(第1の所定の番号)が漏洩した恐れのある場合であっても、この所定の暗証番号を変更することができるため、プリンタ2でのプリントデータの複合化を他人に行なわれるという事態を防止することができる。
【0164】
また、上記プリンタ2には、復号化処理を設定登録するための第3の設定登録部(第3の設定登録手段)を有する構成にしておくことが好ましい。
【0165】
この場合には、パーソナルコンピュータ1で新たに暗号化処理が設定登録され、新たな暗号化処理が行われた場合であっても、暗号化処理に対する復号化処理をプリンタ2に設定登録することが可能となる。
【0166】
また、上述した画像生成装置(パーソナルコンピュータ1)における処理方法は、画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信するとともに、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、前記画像記録装置に記憶させる指示を出す、画像生成装置における画像データの送信方法において、暗証番号を入力するための第1のステップと、前記画像データに対し、入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう第2のステップと、少なくとも、前記一致した暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する第3のステップとを備えている方法と言える。
【0167】
さらに、上記第2のステップは、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に、前記画像データに対し、入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なうステップとも言える。
【0168】
また、上述した画像記録装置(プリンタ2)における処理方法は、画像データを生成する画像生成装置から、少なくとも画像データを受信するとともに、画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する、画像記録装置における画像データの記録方法において、暗証番号を入力するための第1のステップと、前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう第2のステップと、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する第3のステップとを備えている方法と言える。
【0169】
【発明の効果】
本発明の画像生成装置は、以上のように、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備えているものである。
【0170】
したがって、上記画像生成装置では、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となるという効果を奏する。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。また、復号化処理が実行されるまでは、画像データは暗号化された状態であるため、画像記録装置内部における画像データの機密性が維持できる。
【0171】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうものである。
【0172】
それゆえ、第1の所定の番号を複数個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となるという効果を奏する。また、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【0173】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録手段を備えているものである。
【0174】
それゆえ、ユーザの好みに応じて、様々な種類の暗号化処理を、画像生成装置に対して設定登録することが可能となるという効果を奏する。
【0175】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記設定登録された暗号化処理に関し、前記第1の所定の番号を設定登録する第2の設定登録手段を備えるものである。
【0176】
それゆえ、第1の所定の番号を暗証番号として入力することにより、第2の登録手段で設定登録された暗号化処理を行なうことが可能となるという効果を奏する。
【0177】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記第1の所定の番号の変更を行なうための番号変更手段を備えているものである。
【0178】
それゆえ、第1の所定の番号(入力すべき暗証番号)が漏洩した恐れのある場合であっても、第1の所定の番号を変更しておけば、画像記録装置での画像データの復号化を他人に行なわれることがなくなる。したがって、セキュリティーの向上が図れるという効果を奏する。
【0179】
また、本発明の画像生成装置は、上記の画像生成装置において、前記送信手段は、さらに、前記暗号化処理手段で画像データを暗号化処理した際における、暗号化処理の処理形態に関する情報を送信するものである。
【0180】
それゆえ、画像記録装置では、上記のように暗証番号を基に画像データの暗号化処理形態を判断するまでもなく、送信されてきた画像データの暗号化処理の処理形態が特定できる。したがって、画像記録装置において、高速な復号化処理が図れるという効果を奏する。
【0181】
本発明の画像記録装置は、以上のように、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えているものである。
【0182】
それゆえ、上記画像記録装置では、画像記録装置内部において、画像データを他人に覗かれることを防止することができると共に、画像生成装置で暗号化処理された画像データを、適切に復号化処理することが可能となるという効果を奏する。
【0183】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、画像データの暗号化処理の処理形態に関する情報を、前記第2の所定の番号に応じて有するものである。
【0184】
それゆえ、暗号化の処理形態に応じた画像データの復号化処理を実行することが可能となるという効果を奏する。
【0185】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、前記第2の所定の番号は、前記画像生成装置から送信される暗証番号であるものである。
【0186】
それゆえ、ある暗号化処理がなされた画像データに対しては、暗号化処理に用いた暗証番号と同じ番号となる暗証番号を用いて、復号化処理を実行することが可能となるという効果を奏する。
【0187】
また、本発明の画像記録装置は、上記の画像記録装置において、復号化処理を設定登録するための第3の設定登録手段を備えているものである。
【0188】
それゆえ、画像生成装置側で新たに暗号化処理が設定登録され、新たな暗号化処理が行われた場合であっても、上記暗号化処理に対応する復号化処理を画像記録装置に設定登録することが可能となるという効果を奏する。
【0189】
本発明の画像形成システムは、以上のように、前記画像生成装置が、暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備え、前記画像記録装置が、暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、前記入力された暗証番号が画像生成装置から送信されてくる暗証番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えているものである。
【0190】
それゆえ、上記画像形成システムでは、画像生成装置から画像記録装置へ画像データを送信する際、および、画像記録装置内部において、画像データの内容を他人に覗かれることを防止できると共に、ユーザが暗号化のレベルを選択ことにより、セキュリティー度合も自由に選ぶことが可能となるという効果を奏する。加えて、画像記録装置の負担も軽減できる。
【0191】
また、本発明の画像形成システムは、上記の画像形成システムにおいて、前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうものである。
【0192】
それゆえ、第1の所定の番号を複数個設定している場合、ユーザが暗証番号を入力する際に、暗証番号を選択して入力することにより、所望とする暗号化処理を選ぶことが可能となるという効果を奏する。また、第1の所定の番号と一致しない暗証番号を入力した場合には、画像データの暗号化処理が行なわれないため、暗号化処理せずに画像データを画像記録装置に送信することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像生成装置における、一連の暗号化処理を行なうためのブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成システムの構成を示した説明図である。
【図3】各ユーザが設定した所定の暗証番号と、それぞれの所定の暗証番号に対応する処理形態との対応関係を示した管理テーブルの説明図である。
【図4】印刷設定画面を示した説明図である。
【図5】印刷設定画面のプロパティ画面を示した説明図である。
【図6】印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した説明図である。
【図7】印刷設定画面のプリントジョブ管理画面を示した他の説明図である。
【図8】画像記録装置のハードディスクに記憶されている情報を示した説明図である。
【図9】画像記録装置の操作パネルを示した説明図である。
【図10】上記操作パネルにおけるジョブ選択画面を示した説明図である。
【図11】上記操作パネルにおける暗証番号入力画面を示した説明図である。
【図12】上記操作パネルのプリントアウト実行画面を示した説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る画像形成システムにおける処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ(画像生成装置)
2 プリンタ(画像記録装置)
11 暗証番号入力部(第1の暗証番号入力手段)
12 暗号化処理部(暗号化処理手段)
13 送信部(送信手段)
23 復号化処理部(復号化処理手段)
25 暗証番号入力部(第2の暗証番号入力手段)
26 画像記録部(記録手段)
Claims (12)
- 画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信するとともに、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、前記画像記録装置に記憶させる指示を出す画像生成装置において、
暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、
前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、
少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴とする画像生成装置。 - 前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
- 暗号化処理を設定登録するための第1の設定登録手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の画像生成装置。
- 前記設定登録された暗号化処理に関し、前記第1の所定の番号を設定登録する第2の設定登録手段を備えることを特徴とする請求項3記載の画像生成装置。
- 前記第1の所定の番号の変更を行なうための番号変更手段を備えていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の画像生成装置。
- 前記送信手段は、さらに、前記暗号化処理手段で画像データを暗号化処理した際における、暗号化処理の処理形態に関する情報を送信することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の画像生成装置。
- 画像データを生成する画像生成装置から、少なくとも画像データを受信するとともに、画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する画像記録装置において、
暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、
前記入力された暗証番号が第2の所定の番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、
前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えていることを特徴とする画像記録装置。 - 画像データの暗号化処理の処理形態に関する情報を、前記第2の所定の番号に応じて有することを特徴とする請求項7記載の画像記録装置。
- 前記第2の所定の番号は、前記画像生成装置から送信される暗証番号であることを特徴とする請求項8記載の画像記録装置。
- 復号化処理を設定登録するための第3の設定登録手段を備えていることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の画像記録装置。
- 画像データを記録材に記録する画像記録装置に対して、少なくとも画像データを送信する画像生成装置と、
前記画像生成装置からの指示に基づき、前記画像データを記録材に記録せずに、一旦、装置内に記憶する画像記録装置とを有する画像形成システムにおいて、
前記画像生成装置が、
暗証番号を入力するための第1の暗証番号入力手段と、
前記画像データに対し、前記入力された暗証番号に応じた、所定の暗号化処理を行なう暗号化処理手段と、
少なくとも、前記暗証番号と前記暗号化処理された画像データとを、前記画像記録装置に送信する送信手段とを備え、
前記画像記録装置が、
暗証番号を入力するための第2の暗証番号入力手段と、
前記入力された暗証番号が画像生成装置から送信されてくる暗証番号と一致した場合に、前記暗号化処理された画像データに対して、復号化処理を行なう復号化処理手段と、
前記復号化処理された画像データを記録材に記録する記録手段とを備えていることを特徴とする画像形成システム。 - 前記暗号化処理手段は、前記入力された暗証番号が第1の所定の番号と一致した場合に暗号化処理を行なうことを特徴とする請求項11記載の画像形成システム。
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