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JP2004129053A - Dcブロック回路および通信装置 - Google Patents

Dcブロック回路および通信装置 Download PDF

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JP2004129053A
JP2004129053A JP2002292479A JP2002292479A JP2004129053A JP 2004129053 A JP2004129053 A JP 2004129053A JP 2002292479 A JP2002292479 A JP 2002292479A JP 2002292479 A JP2002292479 A JP 2002292479A JP 2004129053 A JP2004129053 A JP 2004129053A
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Minoru Tajima
田島 実
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Abstract

【課題】従来、マイクロストリップ線路(MSL)上のギャップにチップ型素子を装荷していたが、チップ型素子の横側面からの浮遊容量のため使用周波数帯が高くなる程、並列C成分によるインピーダンス不整合が増大していた。
【解決手段】誘電体基板と、誘電体基板の一方の面に実装され一対の第1の差動MSLと、差動から単相に変換する第1の差動単相変換部を介し、第1の差動MSLの一方の線路に夫々接続され、第1の差動MSLより広い線路幅を有して、夫々の線路に所定間隔のギャップを有し、夫々の線路同士が所定間隔で互いに離隔して配設される第1、第2の単相MSLと、第1、第2の単相MSLのギャップ部に装荷されるチップキャパシタと、単相から差動に変換する第2の差動単相変換部を介し、第1、第2の単相MSLに夫々接続される一対の第2の差動MSLと、誘電体基板のもう一方の面に地導体を備えたDCブロック回路とした。
【選択図】        図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、異なるバイアス電源電圧をそれぞれ有する2つの電気回路の間を接続し、一方の電気回路から他方の電気回路へのバイアス電源電圧の干渉を防止するDCブロック回路に係わるものであり、また、この発明は、DCブロック回路を適用した通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光送受信器内で使われる多重回路、分離回路、ドライバおよびプリアンプなどは、一般にIC化されているが、これらのICは異なるプロセスで作られることがある。例えば、40Gbit/s光送受信器の場合、多重回路ICや分離回路ICのように集積度の高いものは、消費電力や歩留りの点で有利なSiGeプロセスが採用されることが多く、ドライバICやプリアンプICのように高速化を優先するものはInPまたはGaAsプロセスが多い。
【0003】
これらのICは、電源電圧も異なることが通常であり、IC同士の接続においては電源電圧の干渉を避けるため、接続IC間にDC成分を遮断するDCブロック回路を設ける必要が生じる。従って、DCブロック回路にはDC成分を遮断し、かつ、所定のビットレートを有する高周波信号を低損失で通過させることが要求される。
【0004】
従来のDCブロック回路は、単相マイクロストリップ線路に所定の間隔を有するギャップを設け、このギャップの上から例えばチップ型素子であるチップキャパシタ(以下、キャパシタ)を装荷する形態とすることにより、DC阻止機能を実現してきた。
ところで、この従来のDCブロック回路においては、キャパシタの側面と地導体(GNDパターン)間で生じる浮遊容量は、キャパシタを装荷する前のマイクロストリップ線路のエッジ近傍で生じる浮遊容量より大きいことが分かっている。(例えば、非特許文献1参照)
【0005】
また、別の従来のDCブロック回路では、明細書本文および第3図にもある様に、キャパシタのようなチップ型素子の直下に存在していた誘電体基板および接地導体(GNDパターン)部分に対して、例えば円状または任意の形状に連通して欠落させた構造としていた。このため、本来、適正量ならば有った方が良いであろう対向電極間の容量まで減殺してしまうため、インピーダンスの整合は困難であった。本来、直下は電界の強い箇所であり、穴あけ部分を設けたことによりこの箇所の電磁界が不連続となり、却ってインピーダンスの不整合が起き易い(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、最近のDCブロック回路について、差動MSLを用いる事例も散見されるが、ICとチップ間を接続する際の具体的なDC遮断の構造については、何ら開示されていない。
【0007】
【非特許文献1】
Fred E.GARDIOL著「introduction toMICROWAVES」artech house、1983.6、P311−P312、Fig.6.81)
【特許文献1】
特開昭60−214601号公報(第2頁、第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例では、チップ型素子の横側面すなわちマイクロストリップ線路面に対する直立面から地導体(GNDパターン)に対して発生する浮遊容量のため、あるいは、2個のチップ型素子における相互の結合による浮遊容量のため、使用周波数帯が高くなるほど並列C成分によるインピーダンス不整合が増大するという課題があった。
特に、40Gbpsのような高速の信号伝送では、このインピーダンス不整合による反射のため、伝送する信号波形の品質劣化が問題となっていた。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、チップ型素子の横側面から発生する浮遊容量によるインピーダンス不整合を低減させることにより、反射特性と通過損失特性を良好にすることが可能なDCブロック回路を提供することを目的とする。
【0010】
また、この発明は、異なるバイアス電源電圧を持った複数の電気回路で構成された場合にも、高速の伝送ビットレートに対応可能な通信装置を構成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るDCブロック回路は、誘電体基板と、この誘電体基板の一方の面に実装され、一対の第1の差動マイクロストリップ線路と、差動から単相に変換する第1の差動単相変換部を介して、第1の差動マイクロストリップ線路の一方の線路に夫々接続され、第1の差動マイクロストリップ線路より広い線路幅を有して、夫々の線路途中に所定の間隔のギャップ部を有し、夫々の線路同士が所定の間隔で互いに離隔して配設される、第1、第2の単相マイクロストリップ線路と、この第1、第2の単相マイクロストリップ線路のギャップ部を跨ぐように装荷されるチップキャパシタと、単相から差動に変換する第2の差動単相変換部を介して、第1、第2の単相マイクロストリップ線路に夫々接続される、一対の第2の差動マイクロストリップ線路と、誘電体基板のもう一方の面に実装される地導体とを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1の構成を示す図である。また、図1(a)は、実施の形態1の上面図、図1(b)は、上面図のA−A’における断面図、図1(c)はキャパシタを外した上面図である。
図において、単層の誘電体基板1の裏面側(図1(b)上では下側)には地導体(GNDパターン)2、表面側(図1(b)上では上側)にはマイクロストリップ線路(以下、MSL)が配設されている。このMSLは、一対の結合された差動マイクロストリップ線路(以下、結合MSL)3が信号入出力側の夫々と、所定の間隔のギャップを有する単相マイクロストリップ線路(以下、単相MSL)4の2本と、から成っている。
【0013】
結合MSL3(第1の差動マイクロストリップ線路に該当)は、差動から単相にあるいは単相から差動に変換を行う差動単相変換部5を介して、夫々がおよそ90度程度の角度を成して反対方向に分岐され、単相MSL4(第1、第2の単相マイクロストリップ線路に該当)と接続されている。
また、単相MSL4の線路は、線路長の途中に所定の間隔のギャップ6を備えており、このギャップ6を跨ぐ様にして、結合MSL3の線路幅より大きな幅のチップキャパシタ7が装荷されている。
この単相MSL4が再び差動単相変換部5を介して、結合MSL3(第2の差動マイクロストリップ線路に該当)に接続されている。
【0014】
ここで、単相MSL4の線路幅は、結合MSL3の線路幅より広く、また、単相MSL4同士の線路間隔は、結合MSL3同士の線路間隔よりも広い間隔を有して、お互いに離隔している。
なお、図示したとおり、差動MSL3から夫々の単相MSL4を介して次の差動MSL3に至る、MSL系の2本の線路長は同じである。
以上から,DCブロック回路8が構成されている。
【0015】
すなわち、チップキャパシタ7の幅が結合MSL3の幅よりも大きい場合における実施の形態であり、結合MSL3の線路を2本の単相MSL4の線路に変換後、分岐させた単相MSL4の線路のギャップ6にチップキャパシタ7を装荷し、再び、結合MSL3に変換するという形態である。
【0016】
図2は、この発明の実施の形態1によるDCブロック回路に係わる比較例を示す図である。また、図2(a)は、比較例の上面図、図2(b)は、上面図のA−A’における断面図、図2(c)は、上面図のB−B’における断面図、図2(d)は、キャパシタを外した上面図である。図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0017】
この比較例では、従来の一般的な結合MSL3の線路上にギャップ6を設け、このギャップ6の上からキャパシタ7を2個並列に装荷しており、キャパシタ7の幅は結合MSL3の線路幅と同等としている。この場合、キャパシタ7の側面と地導体(GNDパターン)2間の浮遊容量による並列C成分の増加に加え、並列に配置した2個のキャパシタ7間で生じる並列C成分によってインピーダンス不整合が起こる。
【0018】
この比較例では、使用周波数帯が高くなるほど、並列C成分によるインピーダンス不整合が増大する。特に、40Gbpsのような高速の信号伝送では、上記インピーダンス不整合による反射のため、伝送する信号波形の品質劣化が問題となる。
従って、図1の実施の形態1に示した様に、差動から単相に変換し単相MSL同士間を離隔させ、単相MSL上のギャップ部にチップキャパシタを装荷して、再度、単相から差動に戻すMSLのパターン形態が導出される。
【0019】
続いて、この実施の形態1によるDCブロック回路を用いた通信装置の構成の一例について説明する。
図3は、この発明の実施の形態1による通信装置の構成例を示す図である。図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
図3は、DCブロック回路8を用いて構成した40Gbit/s光送信装置を表している。
【0020】
図3において、9は連続波の光信号を出力するLD(レーザダイオード)、10は例えば40Gbit/sパルス波の差動電気信号を出力する多重回路ICパッケージである。この多重回路ICパッケージ10には、不図示の多重回路IC(第1の電気回路)が内包される。11はLD9からの光信号を例えば40Gbit/sなどの強度変調光信号に変調するドライバ内蔵EA変調器である。このドライバ内蔵EA変調器11には、不図示のドライバ(第2の電気回路)が内包される。8は図1に示したDCブロック回路、12はドライバ内蔵EA変調器11,多重回路ICパッケージ10とDCブロック回路8とを接続するワイヤやリボンなどの接続部である。
【0021】
なお、ドライバ内蔵EA変調器11は、内部に収納されたドライバと外部とを電気的に導通するフィードスルー12aを有する。同様に、多重回路ICパッケージ10も、内部に収納された多重回路ICと外部とを電気的に導通するフィードスルー12bを有する。DCブロック回路8を成す誘電体基板1は、両端において、フィードスルー12a、12bとそれぞれ接続される(接続部12)。
【0022】
その結果、多重回路ICとドライバとはDCブロック回路8によって接続される。ここでは、DCブロック回路8をなす誘電体基板1の裏面に地導体(GNDパターン)2を備えた差動線路を想定しており、多重回路ICパッケージ10とドライバ内蔵EA変調器11との間の2本の信号線にギャップ6とチップキャパシタ7とを併設することで構成している。
【0023】
次に、動作について説明する。
LD9から出力された光信号は、ドライバ内蔵EA変調器11へと入力される。一方、多重回路ICパッケージ10は、高速の差動電気信号を出力しており、DCブロック回路8を介して差動電気信号をドライバ内蔵EA変調器11へ与え、ドライバ内蔵EA変調器11を駆動している。ドライバ内蔵EA変調器11は、差動電気信号にしたがって光信号を変調し、高速の強度変調光信号として出力する。
【0024】
ドライバ内蔵EA変調器11内部のドライバと多重回路ICパッケージ10内部の多重回路ICとは、例えば前者がInP,GaAs,後者がSiGeなどのように、そのプロセスの違いによってバイアス電源電圧に差が生じている。これらの異なるバイアス電源電圧が互いに他へ流入しないように、ドライバ内蔵EA変調器11と多重回路ICパッケージ10との間にDCブロック回路8を設けてDC成分を遮断している。
多重回路ICパッケージ10からの差動電気信号はDCブロック回路8を介してドライバ内蔵EA変調器11へ与えられている。この実施の形態1によるDCブロック回路8は、低周波から高周波まで良好な反射特性・通過損失特性を有しているので、40Gbit/sという広帯域の差動電気信号に充分対応することができる。
【0025】
なお、図3では、ドライバ内蔵EA変調器11、多重回路ICパッケージ10とDCブロック回路8とを接続部12によって接続して使用しているが、この発明のDCブロック回路および通信装置はこれに限定されるものではない。例えば、約20GHzまで対応するSMAコネクタ(登録商標)や、約40GHzまで対応するKコネクタ(登録商標)、約65GHzまで対応するVコネクタ(登録商標)などの高周波用のコネクタをDCブロック回路8の結合MSL3線路の入力・出力両端にそれぞれ実装して使用することも可能である。高周波コネクタをDCブロック回路8に実装することで、同一の高周波コネクタを実装した任意の第1の電気回路、第2の電気回路と簡単に接続できるようになり、DCブロック回路8の汎用性を高くすることが可能になる。
【0026】
また、図3では、第1の電気回路として多重回路ICパッケージ10内部の多重回路IC,第2の電気回路としてドライバ内蔵EA変調器11内部のドライバを用いているが、DCブロック回路8を介して接続される第1の電気回路、第2の電気回路はこれらに限定されるものではない。例えば、高速の強度変調光信号を受光して高速の振幅変調電気信号に変換するプリアンプ内蔵PD(フォトダイオード)と、振幅変調電気信号を分離処理するDEMUX(デマルチプレクサ)との間をDCブロック回路8で接続した光受信器としての通信装置などのように、バイアス電源電圧に違いを有する2種類の電気回路であれば良い。ここで第1の電気回路と第2の電気回路との他の接続例も以下(A)〜(C)に挙げておく。
【0027】
(A) LDまたはPDなどの光素子と、この光素子用のプリアンプまたはドライバとの間をDCブロック回路8で接続したLD/PDモジュールとしての通信装置。
(B) LDまたはPDなどの光素子と、この光素子用のプリアンプまたはドライバとをともに備えたLD/PDモジュール(上記(A)のLD/PDモジュールも含む)と、MUX(マルチプレクサ)、DEMUXなどのIC回路との間をDCブロック回路8で接続した光送受信器としての通信装置。
(C) LDまたはPDなどの光素子と、この光素子用のプリアンプまたはドライバとをともに備えたLD/PDモジュール(上記(A)のLD/PDモジュールも含む)同士の間をDCブロック回路8で接続した光送/受信器としての通信装置。
【0028】
上記の説明では、図1に示したDCブロック回路8を用いているが、この実施の形態1の通信装置はこれに限定されるものではなく、後述する実施の形態2乃至19のDCブロック回路を適用することも勿論可能である。
また、この実施の形態1では、全て単相MSL上のチップキャパシタを1個である場合について説明したが、単相MSLを構成する誘電体基板の法線方向すなわち縦方向あるいは線路幅方向すなわち横方向に対して、2個以上のチップキャパシタを積層した場合でも、効果は同様である。さらに、例えばチップキャパシタ2個の場合に夫々高周波用、低周波用とすることも可能であり、後述する実施の形態2乃至19の夫々のDCブロック回路に適用することも当然可能である。
【0029】
以上のように、この実施の形態1によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合MSLのインピーダンス不整合を低減することができるという効果が得られる。
【0030】
また、この実施の形態1によれば、単相MSLの線路幅と、チップキャパシタ7の幅とを略同一に形成するようにしたので、特性インピーダンスの乱れを低く抑制することができ、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができるという効果が得られる。
【0031】
さらに、この実施の形態1によれば、結合MSLは、電気信号の入力端側および出力端側に電気信号を入出力する高周波用のコネクタをそれぞれ備えるようにしたので、汎用性の高いDCブロック回路を提供できるという効果が得られる。
【0032】
さらに、この実施の形態1によれば、DCブロック回路8と、第1のバイアス電源電圧を有する第1の電気回路と、第1のバイアス電源電圧と異なる第2のバイアス電源電圧を有し、第1の電気回路とDCブロック回路8を介して電気的に接続される第2の電気回路とを備えるようにしたので、異なるバイアス電源電圧を持った複数の電気回路で構成して、高速の伝送ビットレートに対応できるという効果が得られる。
【0033】
さらに、この実施の形態1によれば、ドライブ用の電気信号をDCブロック回路8へ出力する多重回路ICを第1の電気回路として備えるとともに、DCブロック回路8から入力される電気信号にしたがって、LD9からの連続波光信号を強度変調光信号として出力するドライバを第2の電気回路として備えるようにしたので、異なるバイアス電源電圧を持った複数の電気回路で構成して、高速の伝送ビットレートに対応できるという効果が得られる。
なお、この実施の形態1では、EA変調器内部にドライバが内包される場合について説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、EA変調器の外部にドライバが存在しても良い。
【0034】
さらに、この実施の形態1によれば、強度変調光信号を受光して振幅変調電気信号に光−電気変換するプリアンプ内蔵フォトダイオードを第1の電気回路として備えると共に、振幅変調電気信号を分離処理するデマルチプレクサを第2の電気回路として備えるようにしたので、異なるバイアス電源電圧を持った複数の電気回路で構成して、高速の伝送ビットレートに対応できるという効果が得られる。
【0035】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図4(a)は、実施の形態2の上面図、図4(b)は、上面図のA−A’における断面図、図4(c)はキャパシタを外した上面図、図4(d)は、キャパシタを外した上面図のB−B’における断面図である。図において、実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0036】
この実施の形態2は、単層の誘電体基板1上の結合MSL3の線路上に一対のチップキャパシタ7を装荷し、チップキャパシタ7と結合MSL3の線路幅が同程度の場合における発明の実施の形態を示すものであり、チップキャパシタ7の装荷部は、結合MSL3の線路の間隔を所定量だけ大きくして、結合MSL3の線路間の結合を弱めることにより、チップキャパシタ7の側面間の浮遊容量を相殺するように設定する。
【0037】
この実施の形態2によれば、チップキャパシタ側面間の浮遊容量を相殺するように設定したので、反射特性と通過損失特性とを広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0038】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態1によるDCブロック回路の単相MSL4の一部を例示する、単相MSL接続によるDCブロック例を示す図である。また、図5(a)は、例示例の上面図、図5(b)は、上面図のA−A’における断面図、図5(c)は、キャパシタを外した上面図、図5(d)は、キャパシタを外した上面図のB−B’における断面図である。図において、実施の形態1または2と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0039】
この例示例では、単相MSL4にギャップ6を設け、このギャップ6の上からチップキャパシタ7をハンダ付け等で装荷している。この例示例では、チップキャパシタ7の幅を単相MSL4の幅と同等としているので、チップキャパシタ7の装荷前後において、地導体(GNDパターン)2とチップキャパシタ7の底面間の容量はほとんど変化せず、この点においてはインピーダンス不整合が生じない。
【0040】
しかしながら、断面図で示すように地導体(GNDパターン)2とチップキャパシタ7間で生じる浮遊容量は、チップキャパシタ7の装荷前の単相MSL4のエッジ近傍で生じる浮遊容量より大きいため、周波数が高くなるほど並列Cによるインピーダンス不整合が増大するという問題があった。
【0041】
この例示例では、以上のように構成されているため、使用周波数帯が高くなるほど、並列C成分によるインピーダンス不整合が増大する。特に、40Gbpsのような高速の信号伝送では、上記インピーダンス不整合による反射のため、伝送する信号波形の品質劣化が問題となる。
【0042】
図6は、図5の例示例の問題に着目して導出された、この発明の実施の形態3によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図6(a)は、実施の形態3の上面図、図6(b)は、上面図のA−A’における断面図、図6(c)は、キャパシタを外した上面図、図6(d)は、基板裏面のGNDパターン図である。図において、実施の形態1または2と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0043】
この実施の形態3は、単層の誘電体基板1上の単相MSL4上にチップキャパシタ7を装荷する場合における発明の実施の形態を示すものであり、図6に示した様に、チップキャパシタ7の両脇の裏面にある地導体(GNDパターン)2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設けている。
この切り欠き13を両側裏面に設けたことにより、チップキャパシタ7の側面から地導体(GNDパターン)2に対して発生する浮遊容量の電界成分が低減される。
【0044】
この実施の形態3によれば、チップキャパシタ側面と地導体(GNDパターン)間で発生する浮遊容量を低減できるので、反射特性と通過損失特性とを広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路とMSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0045】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図7(a)は、実施の形態4の上面図、図7(b)は、上面図のA−A’における断面図、図7(c)は、上面図のB−B’における断面図、図7(d)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至3と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0046】
この実施の形態4は、単層の誘電体基板1上の単相コプレーナ線路14上にチップキャパシタ7を装荷する場合における発明の実施の形態を示すものであり、図7に示した様にチップキャパシタ7の両脇の表層GNDパターン15に所定量の切り欠き13を設けている。
【0047】
この実施の形態4によれば、チップキャパシタ7の側面と表層GNDパターン15間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とコプレーナ線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0048】
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図8(a)は、実施の形態5の上面図、図8(b)は、上面図のA−A’における断面図、図8(c)は、上面図のB−B’における断面図、図8(d)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至4と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0049】
この実施の形態5は、単層の誘電体基板1上の単相グラウンデッドコプレーナ(以下、GCPW)16の線路上のギャップ6上にチップキャパシタ7を装荷し、GCPW16の信号線路と表層GNDパターン15の結合が比較的強い場合における発明の実施の形態を示すものであり、図8に示した様にチップキャパシタ7の両脇の表層GNDパターン15に所定量の切り欠き13を設けている。なお、表層GNDパターン15と裏面GNDパターン2間は、図示の様にスルーホール17で接続されている。
【0050】
この実施の形態5によれば、チップキャパシタの側面とGNDパターン間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とGCPW14の線路のインピーダンス整合をより強く図ることができるという効果が得られる。
【0051】
実施の形態6.
図9は、この発明の実施の形態6によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図9(a)は、実施の形態6の上面図、図9(b)は、上面図のA−A’における断面図、図9(c)は、上面図のB−B’における断面図、図9(d)は、キャパシタを外した上面図、図9(e)は、基板裏面のGNDパターン図である。図において、実施の形態1乃至5と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0052】
この実施の形態6は、単層の誘電体基板1上のGCPW16の線路上にチップキャパシタ7を装荷し、GCPW16の信号線路と表層GNDパターン15の結合が比較的弱い場合における発明の実施の形態を示すものであり、図9に示した様にチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設けている。
【0053】
この実施の形態6によれば、チップキャパシタの側面とGNDパターン間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とGCPW14線路のインピーダンス整合をより強く図ることができるという効果が得られる。
【0054】
実施の形態7.
図10は、この発明の実施の形態7によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図10(a)は、実施の形態7の上面図、図10(b)は、上面図のA−A’における断面図、図10(c)は、キャパシタを外した上面図、図10(d)は、基板裏面のGNDパターン図である。図において、実施の形態1乃至6と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0055】
この実施の形態7は、基板の裏面GNDパターン2の面が金属シャシ18と接する単層の誘電体基板1上のGCPW16の線路上にチップキャパシタ7を装荷し、GCPW16の信号線路と表層GNDパターン15の結合が比較的弱い場合における発明の実施の形態を示すものであり、図10に示した様にチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2に所定量の切り欠き13を設け、さらに、この切り欠き13と同形状でかつ所定の深さの彫り込みを裏面GNDパターン2の切り欠き13と同位置に設けているものである。
【0056】
この実施の形態7によれば、チップキャパシタの側面とGNDパターン間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とGCPW線路のインピーダンス整合をより強く図ることができるという効果が得られる。
【0057】
実施の形態8.
図11は、この発明の実施の形態8によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図11(a)は、実施の形態8の上面図、図11(b)は、上面図のA−A’における断面図、図11(c)は、キャパシタを外した上面図、図11(d)は、基板裏面のGNDパターン図である。図において、実施の形態1乃至7と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0058】
この実施の形態8は、基板の裏面GNDパターン2の面が金属シャシ18と接する単層の誘電体基板1上の単相MSL4の線路上にチップキャパシタ7を装荷する場合における発明の実施の形態を示すものであり、図11に示した様にチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、さらに、この切り欠き13と同形状でかつ所定の深さの彫り込み19を裏面GNDパターン2の切り欠き13と同位置に設けているものである。
【0059】
この実施の形態8によれば、チップキャパシタの側面とGNDパターン間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とMSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0060】
実施の形態9.
図12は、この発明の実施の形態9によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図12(a)は、実施の形態8の上面図、図12(b)は、上面図のA−A’における断面図、図12(c)は、キャパシタを外した上面図、図12(d)は、基板裏面のGNDパターン図である。図において、実施の形態1乃至8と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0061】
この実施の形態9は、単層の誘電体基板1上の単相MSL4の線路上にチップキャパシタ7を装荷する場合における発明の実施の形態を示すものであり、図12に示した様にチップキャパシタ7の両脇のMSLを構成する複数の内層のGNDパターンにおいて、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設けている。
【0062】
この実施の形態9によれば、チップキャパシタの側面とGNDパターン間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とMSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0063】
実施の形態10.
図13は、この発明の実施の形態9によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図13(a)は、実施の形態8の上面図、図13(b)は、上面図のA−A’における断面図、図13(c)は、キャパシタを外した上面図、図13(d)は、基板裏面のGNDパターン図である。図において、実施の形態1乃至9と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0064】
この実施の形態10は、単層の誘電体基板1上の単相MSL4の線路上にチップキャパシタ7を装荷する場合における発明の実施の形態を示すものであり、図13に示した様にチップキャパシタ7の両脇のMSLを構成する複数の内層において最上層(図13(b)での上側)のGNDパターンのみに、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設けているものである。
【0065】
この実施の形態10によれば、チップキャパシタの側面とGNDパターン間で発生する浮遊容量を低減できるので、DCブロック回路とMSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0066】
実施の形態11.
図14は、この発明の実施の形態11によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図14(a)は、実施の形態8の上面図、図14(b)は、上面図のA−A’における断面図、図14(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至10と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0067】
この実施の形態11は、実施の形態1に示した構成例において、図14に示した様に、単層の誘電体基板1上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0068】
この実施の形態11によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合MSLのインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0069】
実施の形態12.
図15は、この発明の実施の形態12によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図15(a)は、実施の形態8の上面図、図15(b)は、上面図のA−A’における断面図、図15(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至11と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0070】
この実施の形態12は、実施の形態1に示した構成例において、基板裏面のGNDパターン2が金属シャシ18と接している場合、図15に示した様に単層SML4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、さらに、この切り欠き13と同形状でかつ所定の深さの彫り込み19を上記裏面GNDパターン2の切り欠き13と同位置に設けて、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0071】
この実施の形態12によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0072】
実施の形態13.
図16は、この発明の実施の形態13によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図16(a)は、実施の形態8の上面図、図16(b)は、上面図のA−A’における断面図、図16(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至12と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0073】
この実施の形態13は、実施の形態1に示した構成例において、多層基板20上に結合MSLの線路が構成されている場合、図16に示した様に単層SML4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の内層GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0074】
この実施の形態13によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0075】
実施の形態14.
図17は、この発明の実施の形態14によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図17(a)は、実施の形態14の上面図、図17(b)は、上面図のA−A’における断面図、図17(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至13と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0076】
この実施の形態14は、実施の形態13に示した構成例において、図17に示した様に多層基板20上に結合MSLの線路が構成されている場合、単層SML4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の内層の最上位層(図17(b)での上側)のGNDパターン2のみに、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0077】
この実施の形態14によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0078】
実施の形態15.
図18は、この発明の実施の形態14によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図18(a)は、実施の形態14の上面図、図18(b)は、上面図のA−A’における断面図、図18(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至14と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0079】
この実施の形態15は、実施の形態1に示した構成例において、結合MSL3の線路を単相MSL4の線路へ変換した後、この単相MSL4の線路幅がチップキャパシタ7の幅の2倍程度以上ある場合における発明の実施の形態を示すものであり、各々の単相MSL4の線路上に複数個のチップキャパシタを装荷した構成として、チップキャパシタ7の容量を大きくすることが可能としている。
このチップキャパシタ7については、前述したとおり、単相MSL4を構成する誘電体基板の法線方向すなわち縦方向あるいは線路幅方向すなわち横方向に対して、2個以上のチップキャパシタを積層した場合でも構わない。また、チップキャパシタ7を2個の場合に、夫々高周波用および低周波用として使用することも可能である。
【0080】
すなわち、チップキャパシタを2個並列に装荷したことにより、容量倍増による低周波領域での通過特性が改善されると共に、直列インダクタ(L)成分の半減による高周波領域での通過特性も改善される。
この実施の形態15によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路の高周波特性を改善することができるという効果が得られる。
【0081】
実施の形態16.
図19は、この発明の実施の形態15によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図19(a)は、実施の形態14の上面図、図19(b)は、上面図のA−A’における断面図、図19(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至15と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0082】
この実施の形態16は、実施の形態15に示した構成例において、図19に示した様に単相MSL4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0083】
この実施の形態16によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0084】
実施の形態17.
図20は、この発明の実施の形態17によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図20(a)は、実施の形態17の上面図、図20(b)は、上面図のA−A’における断面図、図20(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至16と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0085】
この実施の形態17は、実施の形態16に示した構成例において、図20に示した様に基板裏面のGNDパターン2が金属シャシ18と接している場合、単相MSL4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の裏面GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、さらに、この切り欠き13と同形状でかつ所定の深さの彫り込み19を上記裏面GNDパターン2の切り欠き13と同位置に設けて、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0086】
この実施の形態17によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0087】
実施の形態18.
図21は、この発明の実施の形態18によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図21(a)は、実施の形態17の上面図、図21(b)は、上面図のA−A’における断面図、図21(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至17と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0088】
この実施の形態18は、実施の形態16に示した構成例において、多層基板20上に結合差動線路が構成されている場合、図21に示した様に単相MSL4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の内層GNDパターン2において、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減する。
【0089】
この実施の形態18によれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0090】
実施の形態19.
図22は、この発明の実施の形態19によるDCブロック回路の構成例を示す図である。また、図22(a)は、実施の形態17の上面図、図22(b)は、上面図のA−A’における断面図、図22(c)は、キャパシタを外した上面図である。図において、実施の形態1乃至18と同一または相当部分には同一符号を付してあるので、説明は省略する。
【0091】
この実施の形態19は、実施の形態18に示した構成例において、多層基板20上に結合差動線路が構成されている場合、図22に示した様に単相MSL4の線路上に装荷した各々のチップキャパシタ7の両脇の内層の最上位層(図22(b)での上側)のGNDパターン2のみに、単相MSL4の投影面を挟む領域でかつチップキャパシタ7の投影面に近接するように、所定量の切り欠き13を設け、チップキャパシタ7の側面とGNDパターン2間で発生する浮遊容量を低減するものである。
【0092】
この実施の形態19よれば、反射特性と通過損失特性とをともに広帯域に渡って良好にすることができ、DCブロック回路と結合差動MSL線路のインピーダンス整合を図ることができるという効果が得られる。
【0093】
【発明の効果】
この発明は、反射特性と通過損失特性を良好にすることができ、DCブロック回路と結合MSLのインピーダンス不整合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるDCブロック回路に係わる比較例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による通信装置の構成例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるDCブロック回路に係わる比較例を示す図である。
【図5】この発明のDCブロック回路の単相MSLの一部を例示例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態4によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態5によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態6によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態7によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態8によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態9によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態10によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態11によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態12によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態13によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態14によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態15によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態16によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態17によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態18によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態19によるDCブロック回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 地導体(GNDパターン)、
3 差動マイクロストリップ線路(結合MSL)、
4 単相マイクロストリップ線路(単相MSL)、5 差動単相変換部、
6 ギャップ、7 チップキャパシタ、8 DCブロック回路、
9 LD(レーザダイオード)、10 多重回路ICパッケージ、
11 ドライバ内蔵EA変調器、12 接続部、
12a、12b フィードスルー、13 切り欠き、14 コプレーナ線路、
15 表層GNDパターン、16 グランデッドコプレーナ線路(GCPW)、
17 スルーホール、18 金属シャシ、19 彫り込み、20 多層基板

Claims (20)

  1. 誘電体基板と、
    この誘電体基板の一方の面に実装された、一対の第1の差動マイクロストリップ線路と、
    差動から単相に変換する第1の差動単相変換部を介して、上記第1の差動マイクロストリップ線路の一方の線路に夫々接続され、上記第1の差動マイクロストリップ線路より広い線路幅を有して、夫々の線路途中に所定の間隔のギャップ部を有し、夫々の線路同士が所定の間隔で互いに離隔して配設される、第1、第2の単相マイクロストリップ線路と、
    この第1、第2の単相マイクロストリップ線路のギャップ部を跨ぐように装荷されるチップキャパシタと、
    単相から差動に変換する第2の差動単相変換部を介して、上記第1、第2の単相マイクロストリップ線路に夫々接続される、一対の第2の差動マイクロストリップ線路と、
    上記誘電体基板のもう一方の面に実装される地導体と、
    を備えたことを特徴とするDCブロック回路。
  2. 上記第1、第2の単相マイクロストリップ線路同士の間隔は、上記第1、第2の差動マイクロストリップ線路同士の間隔よりも離隔幅が大きく、上記第1の差動マイクロストリップ線路から上記第1の単相マイクロストリップ線路または上記第2の単相マイクロストリップ線路を介して上記第2の差動マイクロストリップ線路に至る、マイクロストリップ線路系の2つの線路長が略同一であることを特徴とする、請求項1に記載のDCブロック回路。
  3. 上記第1、第2の単相マイクロストリップ線路の投影面を挟む領域でかつ上記チップキャパシタの投影面に近接するように、上記地導体に所定の大きさを有する切り欠き部を設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のDCブロック回路。
  4. 上記地導体を挟むようにして、上記誘電体基板の反対面に金属シャシを実装すると共に、
    この金属シャシに上記切り欠き部と略同形状で、所定の深さを有する彫り込み部を上記切り欠き部と略同一箇所に設けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  5. 上記誘電体基板と上記切り欠き部を有する上記地導体の一組を複数段に重畳するようにした多層構造とすることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  6. 上記多層構造のうち、上記単相マイクロストリップ線路側にある上記誘電体基板と上記切り欠き部を有する上記地導体の一組のみに上記切り欠き部を設けたことを特徴とする、請求項5に記載のDCブロック回路。
  7. 誘電体基板と、
    この誘電体基板の一方の面に実装された、線路途中に所定の間隔のギャップ部を有し、一対の差動マイクロストリップ線路と、
    この一対の差動マイクロストリップ線路のギャップ部を跨ぐように装荷されるチップキャパシタと、
    上記誘電体基板のもう一方の面に実装される地導体と、
    を備え、
    上記ギャップ部同士の離隔間隔が上記差動マイクロストリップ線路同士の離隔間隔よりも大きいことを特徴とするDCブロック回路。
  8. 誘電体基板と、
    この誘電体基板の一方の面に実装された、線路途中に所定の間隔のギャップ部を有する単相マイクロストリップ線路と、
    この単相マイクロストリップ線路のギャップ部を跨ぐように装荷されるチップキャパシタと、
    上記誘電体基板のもう一方の面に実装される地導体と、
    を備え、
    上記単相マイクロストリップ線路の投影面を挟む領域でかつ上記チップキャパシタの投影面に近接するように、上記地導体に所定の大きさを有する切り欠き部を設けたことを特徴とするDCブロック回路。
  9. 上記地導体を挟むようにして、上記誘電体基板の反対面に金属シャシを実装すると共に、
    この金属シャシに上記切り欠き部と略同形状で、所定の深さを有する彫り込み部を上記切り欠き部と略同一箇所に設けたことを特徴とする、請求項8に記載のDCブロック回路。
  10. 上記誘電体基板と上記切り欠き部を有する上記地導体の一組を複数段に重畳するようにした多層構造とすることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載のDCブロック回路。
  11. 上記多層構造のうち、上記単相マイクロストリップ線路側にある上記誘電体基板と上記切り欠き部を有する上記地導体の一組のみに上記切り欠き部を設けたことを特徴とする、請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  12. 誘電体基板と、
    この誘電体基板の一方の面に実装された、線路途中に所定の間隔のギャップ部を有する単相マイクロストリップ線路と、
    この単相マイクロストリップ線路のギャップ部を跨ぐように装荷されるチップキャパシタと、
    上記誘電体基板において上記単相マイクロストリップ線路と同一面側に実装され、上記単相マイクロストリップ線路の両側に所定の間隔で離隔する地導体と、を備え、
    上記チップキャパシタの両側面に近接するように、上記地導体に所定の大きさを有する切り欠き部を設けたことを特徴とするDCブロック回路。
  13. 上記誘電体基板において上記単相マイクロストリップ線路と反対面側に実装され、上記地導体と複数のスルーホールを介して接続される新たな地導体を設けたことを特徴とする、請求項12に記載のDCブロック回路。
  14. 上記単相マイクロストリップ線路の投影面を挟む領域でかつ上記チップキャパシタの投影面に近接するように、上記新たな地導体に所定の大きさを有する切り欠き部を設けたことを特徴とする、請求項12または請求項13に記載のDCブロック回路。
  15. 上記新たな地導体において、上記誘電体基板とは反対面に金属シャシを実装すると共に、
    この金属シャシに上記切り欠き部と略同形状で、所定の深さを有する彫り込み部を上記切り欠き部と略同一箇所に設けたことを特徴とする、請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  16. 上記単相マイクロストリップ線路の線路幅が略2倍である、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  17. 上記略2倍の単相マイクロストリップ線路上に装荷するチップキャパシタが2個である、請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  18. 上記略2倍の単相マイクロストリップ線路上に装荷する2個のチップキャパシタが上記略2倍の単相マイクロストリップ線路の線路長に対して、並列または直列に接続される、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  19. 結合の弱い箇所に上記チップキャパシタまたはチップ型素子を設けることを特徴とする、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載のDCブロック回路。
  20. 請求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載のDCブロック回路と、
    このDCブロック回路の一端に設けられた第1の電気回路と、
    上記DCブロック回路の他端に設けられた第2の電気回路を有し、
    この第2の電気回路は上記第1の電気回路とは異なるバイアス電源電圧を有することを特徴とする通信装置。
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