JP2004188953A - プラズマディスプレー用機能性透明パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型のクリーンルームや高精度の真空ラミネーターを用いずとも気泡やゴミによる欠陥を生じることのないPDP用機能性透明パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】機能性透明フィルムを、貼付時の貼着剤の粘度が10〜1000cPである貼着剤を介して透明パネルに貼付した後、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えて貼着剤を流動させて貼着剤の塗布厚を均一化した後、貼着剤を硬化させ、機能性透明フィルムを透明パネルに貼着することを特徴とする機能性透明パネルの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】機能性透明フィルムを、貼付時の貼着剤の粘度が10〜1000cPである貼着剤を介して透明パネルに貼付した後、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えて貼着剤を流動させて貼着剤の塗布厚を均一化した後、貼着剤を硬化させ、機能性透明フィルムを透明パネルに貼着することを特徴とする機能性透明パネルの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレー用機能性透明パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレー(以下、PDと称す。)においては、発光部本体を外部からの衝撃等から保護するために、発光部の前面に前面パネルと呼ばれる部材を配置することが一般的である。前面パネルは、透明性に優れ、かつ外部からの衝撃に耐える強度を有する必要があるため、厚さ数mmの強化ガラスやアクリル板が用いられることが多い。
【0003】
また、PDの発光部からは、近年、人体への影響が問題視されている電磁波や、リモコンなどの電化製品に悪影響を与える近赤外線が放出されるため、これらを外部に漏らさないような設計構造が必要となる。また、PDの発光特性は自然光とは異なるため、これをより自然光に近づけるためのカラーフィルター機能も必要となる。さらに、前面パネルを配置したときに前面パネル表面で発生する照り返しを防ぐための反射防止機能、透明パネルが破損したときの飛散防止機能が必要となる。これらの機能のうちの一つまたは二つ以上の機能を前面パネルに付与したものは機能性透明パネルと呼ばれる。
現在のところ、製造工程の簡便さ、製造コスト等の観点から、これらの機能のうちの一つまたは二つ以上の機能を有する機能性透明フィルムを予め製作しておいて、これらを透明パネル基材に貼着することが一般的である。
また、製造コスト低減の観点から、透明パネルの上に直接加工する方法も検討され、実用化されている。
【0004】
このうち、電磁波遮蔽機能は前記機能性透明パネルの機能のうち、重要な機能であり、電磁波遮蔽機能形成方式としては蒸着方式とメッシュ方式が一般的である。蒸着方式としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセチルセルロース(TAC)等の透明プラスチックフィルムに導電性金属を蒸着した蒸着フィルムをパネル基材に貼着したり、パネル基材に直接導電性金属を蒸着するものがあり、安価に製造できるため、主流を占めているものの、電磁波遮蔽特性が減衰率30dB程度、可視光線透過率60%程度の性能が限界であり、性能的に充分とはいえない。
メッシュ方式は、一辺が数百μm、線幅が数十μmの導電性格子パターンを有するメッシュを用いるものであり、減衰率40dB以上、可視光線透過率80%以上と高性能である。透明パネル上に直接メッシュパターンを作成したもの(以下、電磁波遮蔽パネルという。)、PETやTAC等のフィルム上に導電性薄膜を貼着し、エッチングによってメッシュパターンを形成したもの、二枚の透明プラスチックフィルムの間にメッシュパターンを介在させてこの二枚の透明プラスチックを接合したもの(フィルムの上または二枚のフィルム間にメッシュパターンを形成したフィルムを電磁波遮蔽フィルムという。)などがある。
これらのメッシュ方式では、いずれの方法でも基盤面とメッシュ面との間には数〜数十μmの凹凸が発生することになる。
【0005】
反射防止機能も画面の照り返し防止、機能性透明パネル自体の光線透過率改善のために重要な機能である。この反射防止機能は、透明プラスチックフィルム上に真空蒸着法やウエットコート法でSiO2やTiO2等の著しく屈折率の異なる材料を2〜3層積み重ねてコーティングして作成した反射防止フィルムを透明パネルに貼着して、光の干渉を利用して反射防止する方法が一般的である。また、これにより、飛散防止機能をも付加することができる。
また、近赤外線遮蔽機能や色目調整機能を有するフィルムについては、当該波長を吸収する色素を均一分散させたアクリル系やポリエステル系のバインダ溶液を、透明プラスチックフィルムに湿式塗装して近赤外線遮蔽フィルムもしくは色目調整フィルムを透明パネルに貼着する方法が一般的である。
【0006】
プラズマディスプレー用機能性透明パネルとしては、通常、電磁波遮蔽、反射防止をはじめとして複数の機能を持たせることが一般的である。そのため、これらの機能のうち、いずれかの機能を透明パネル状に設け、その他の機能を有するフィルムを上記の透明パネルに貼着する、あるいは、これら付与するそれぞれの機能をそれぞれフィルム上に設け、これらのフィルムを透明パネルに貼着する必要がある。
機能性透明フィルムの透明パネルへの貼着方法に関しては、機能性透明フィルムの接着面側に、予め数十〜数千μmの粘着層を設けておき、これを透明パネルに貼り付け、一体化する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)
粘着層形成に用いる材料としては、透明性、粘着性等の観点から、アクリル系樹脂、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)樹脂等が用いられることが多い。
特許文献1に記載の機能性透明フィルムは、接着面側に粘着層が設けられているので、通常は、粘着層表面に適当な剥離紙を付着した形態で保管し、透明パネル基材との貼着時に剥離紙を剥がして貼り付ける手法がとられる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−315240号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにフィルムの一方の面に粘着層を設け、これを基材に貼り付ける手法は非常に汎用性に富み、他の用途に関しても一般的に用いられている。
しかし、PDP用前面パネルのように貼着面積が広く、非常に高度な貼着均一性の求められる用途においては、透明パネルへの機能性透明フィルム貼付時の僅かなフィルムのよじれ、湾曲などに伴い、機能性透明フィルム表面にしわがよってしまったり、気泡やゴミの混入によりフィルム表面に無視できない微小な凹凸や欠陥が生じてしまうといった問題が発生する。特に、上記の方法では、機能性透明フィルムと透明パネルの貼着面が平坦であるため、気泡やゴミが貼着面に混入すると、その影響は機能性透明フィルム表面に直接反映されることとなる。
また、前述のメッシュ方式による電磁波遮蔽パネルを用いたあるいは透明パネルに電磁波遮蔽フィルムを貼り付けたパネル(これらをあわせて電磁波遮断パネルという。)に粘着剤付きの機能性透明フィルムを貼着しようとすると、電磁波遮断パネルの表面に凹凸があるため、粘着剤と電磁波遮断パネルの凹凸の隙間に微細な気泡が更に巻き込まれやすくなる。
透明パネルと機能性透明フィルムの粘着材層の間に微細な気泡が多数存在すると、粘着剤と空気の屈折率差によって透過光の乱反射が生じ、曇度(ヘイズ)が大きくなるという現象が起きる。プラズマディスプレー用機能性透明パネルとして許容される曇度値は一般的に4%以下とされるが、10μmの格子状凹凸のある面に、特許文献1に記載のようなあわせガラス用の弾性粘着剤からなる厚さ50μmの粘着層を設けた機能性透明フィルムを貼着した場合、曇度値は10%を超えてしまう。
【0009】
これを防ぐ方法としては、ゴミの混入に関してはクリーンルーム設備を用いること、気泡の混入やしわの発生に関しては、高精度の真空ラミネート設備の導入等により貼着品質の向上を図ることなどが行われている。しかし、クリーンルーム設備に稼働には莫大な運営費用がかかったり、高精度真空ラミネート設備に関しては、それ自体の設備費に加え、常に良好な貼着状態を保つためのメンテナンスに多大の時間を費やすなど、製造工程の歩留まりやコストの観点から非常に大きな問題となっている。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、大型のクリーンルームや高精度の真空ラミネーターを用いずとも気泡やゴミによる欠陥を生じることのないPDP用機能性透明パネルの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の機能性透明パネルの製造方法は、機能性透明フィルムを、貼付時の貼着剤の粘度が10〜1000cPである貼着剤を介して透明パネルに貼付した後、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えて貼着剤を流動させて貼着剤の塗布厚を均一化した後、貼着剤を硬化させ、機能性透明フィルムを透明パネルに貼着することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法において使用する貼着剤は、塗布時の粘度が10cP以上、10000cP以下である。10cP以上とすることで、流動性が高すぎて貼着時に透明パネルから流出して充分な貼着力を発揮させることが困難となることがなく、また、10000cP以下とすることで透明パネルと機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えた時に貼着剤が適度に流動して貼着剤の塗布斑を均一化することが可能となり、得られた機能性透明パネルを透過した光が歪んで見えることがない。貼着剤の粘度と、透明パネルと機能性透明フィルムの貼付面に加えた外力の垂直な成分の大きさとのかねあいで、機能性透明フィルムと透明パネルの間の貼着剤層の厚みを調節することができる。この貼着剤層の厚みは、10〜500μmであることが好ましい。
【0012】
また、本発明における貼着剤硬化時の加熱温度が20〜50℃であることが好ましい。従って、貼着剤としても、この温度範囲で充分な硬化が可能な貼着剤を用いることが好ましい。加熱温度を上記温度範囲にしても充分硬化する貼着剤を用いると、これを硬化させるために50℃を超える温度に加温する必要がなく、加温による貼着剤の急激な収縮や、加温、その後の冷却による機能性透明フィルムの膨張、収縮によって機能性透明フィルム表面にうねりが生ずるおそれを解消することができる。
また、貼着剤の塗布、機能性透明フィルムと透明パネルの貼着にあたって、数十ミクロン程度の気泡が残存しても目視では殆ど確認できず、外観上問題となることはないが、貼着剤の硬化にあたって、50℃を超える温度に加温すると、数十ミクロンの微細な気泡が肉眼で観察しうる大きさの気泡に膨張して、PD用機能性透明パネルの欠陥となるおそれがある。硬化温度が20℃より低いと、20℃以下で硬化する貼着剤を用いるため、貼着剤調製直後から硬化が始まり、貼着剤の塗布斑の均一化が行えなくなる状態が発生するおそれがある。
【0013】
また、貼着剤は機能性透明フィルムと透明パネルに挟み込まれ、透明パネルと機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えられ、貼着剤が適度に流動して貼着剤の塗布斑を均一化された状態で硬化されることになる。
挟み込まれた貼着剤は密閉状態になるため、無溶剤型のものが好ましい。
また、外部雰囲気との接触も遮断されるため、大気中の水分等と反応するタイプでなく、また、硬化にあたって副生物のない付加硬化型貼着剤が好ましい。
このような貼着剤で、かつ、透明性、柔軟性に優れた貼着剤として、無溶剤付加硬化型のシリコーン系粘着剤が好適である。
【0014】
本発明で用いられる透明パネルとしては、厚さ1〜5mmの強化ガラス板やアクリルシート、ポリカーボネートシート等を例示できる。このような透明パネルは、これをPDパネルの前面に設けた場合、発光部本体を外部からの衝撃から保護する保護機能を有する。
本発明の製造方法においては、特に、電磁波遮断パネルなど、透明パネルおよび/または機能性透明フィルムがその貼着面に5μm以上の凹凸を有するものの貼着に好適である。
【0015】
本発明で用いられる機能性透明フィルムを構成するベースフィルムとしては、PET、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等の透明樹脂からなるフィルムを用いることができる。
この機能性透明フィルムが有する機能としては、電磁波遮蔽機能、近赤外線遮断機能、反射防止機能、色目調整機能、飛散防止機能等を挙げることができ、本発明で用いる機能性透明フィルムとしては、これらの機能のうちの一つまたは二つ以上の機能を有するものが好ましい。
【0016】
電磁波遮蔽機能を有する機能性透明フィルムとしては、ベースフィルムの少なくとも一方の面に透明導電性層を形成したもの、導電性粒子をベースフィルム中に分散させたもの、導電性メッシュをベースフィルム間に挟み込んだもの、ベースフィルムの少なくとも一方の面にエッチングあるいは印刷により導電性メッシュを形成させたもの等を挙げることができ、これらの中では導電性メッシュを形成させたものが好ましい。
透明導電性層の形成法としては、銀等の導電性金属や錫インジウム酸化物、亜鉛アルミ酸化物を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングあるいは化学蒸着する方法を例示できる。ベースフィルム中に分散させる導電性粒子としては、カーボンの粒子ないし粉末;金、銀、プラチナ、銅、錫、ニッケル、インジウム、クロム、チタン、コバルト、鉛などの金属または合金あるいはこれらの導電性酸化物の粒子ないし粉末等を例示できる。この導電性粒子は機能性透明フィルムの厚み、光透過性の観点から、0.5mm以下が好ましく、機能性透明フィルム製造時の導電性粒子の取扱い性の観点から、0.01mm以上であることが好ましい。
【0017】
導電性メッシュとしては、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、クロムあるいはこれらの合金等の金属繊維、金属被覆有機繊維、炭素繊維等からなるメッシュを用いることができる。繊維部分は光を遮断するので、開口率は50〜95%が好ましく、線径はモアレ現象防止のため10〜500μmであることが好ましい。
透明パネル上に直接導電性メッシュを設ける場合は、銀や銅などの導電性金属粉体をフォトレジスト中に均一に分散して、透明パネル上に塗工し、フォトリソグラフィー法により、予めメッシュパターンの形成されたフォトマスクを介して露光し、エッチングによって非露光部を除去してメッシュパターンを形成する方法を採用できる
透明フィルム上にメッシュパターンを設ける場合は、透明フィルム上に数〜数十μmの金属薄膜を貼着、その上に耐酸性の樹脂をメッシュパターン状に印刷し、酸でエッチング処理してメッシュパターンを形成する方法を採用できる。
印刷によるメッシュの形成法としては、金属粒子またはカーボン等の導電性粒子を有機バインダーに混合したものをグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等により印刷することで得られる。
【0018】
近赤外線遮蔽機能を有する機能性透明フィルムとしては、波長850〜1000nmの近赤外線を全体放射量の10%以下までカットできるものが好ましく、赤外線吸収特性が互いに異なる2種以上の近赤外線吸収材料を用いたものが近赤外の幅広い波長域において良好な近赤外線吸収性能を示すことから、好ましく用いられる。近赤外線吸収層は近赤外線吸収材料をバインダー中に混合したものをベースフィルム上にコートすることにより得ることができ、2種以上の近赤外線吸収材料を混合して用いてもよく、これらの近赤外線吸収材料をそれぞれ異なる層に分けて積層してもよい。2層の場合は異なる近赤外線材料を含有する層をベースフィルムの異なる面に塗布してもよく、2層以上の場合はベースフィルムの一方の面に積層してもよい。この近赤外線吸収材料としては、イモニウム化合物、フタロシアニン化合物、シアニン系化合物、アミニウム系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、メルカプトナフトール系化合物等を挙げることができる。
【0019】
反射防止機能を有する機能性透明フィルムとしては、ベースフィルムの上に低屈折率の透明単層膜を形成したもの、ベースフィルムの上に高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層づつ形成したもの、ベースフィルムの上に高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を交互に複数層、合計偶数層形成したもの等を例示できる。
高屈折率透明膜としては、屈折率が1.6以上のものが好ましく、錫インジウム酸化物(ITO)または酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化ジルコニウム等からなる薄膜あるいはこれらの材料の微粒子をアクリル系あるいはポリエステル系バインダーに分散させたものを例示できる。低屈折率透明膜としては、屈折率が1.6未満のものが好ましく、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、アルミナ等からなる薄膜あるいはこれらの材料の微粒子をアクリル系あるいはポリエステル系バインダーに分散させたもの;シリコン系、あるいはフッ素含有樹脂系のフィルムを例示できる。
【0020】
色目調整機能を有する機能性透明フィルムとしては、PDPの発光特性に応じて、自然光とのずれを補償する色素をアクリル系あるいはポリエステル系バインダーに分散させたものをベースフィルム上に塗布したものが挙げられる。
ベースフィルムとしてPETフィルムやポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のフィルムを用いると、飛散防止機能を有する。
【0021】
本発明の製造方法においては、機能性透明フィルムと透明パネルとを流動性を有する貼着剤を介して貼付した後、前記貼着剤が流動性を有している状態で、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を与えて貼着剤の塗布厚を均一化しているので、外力を加えた際に貼着剤に混入した気泡の大半は余剰の貼着剤と共に機能性透明フィルムと透明パネルの間の貼着剤層から追い出される。貼着面に5μm以上の凹凸を有する電磁波遮断パネルへの機能性透明フィルムの貼着の場合も、貼着材が流動性を有しているので、貼着剤がメッシュパターンの格子の隙間に入り込み、空気を追い出すので、曇度を大きくすることはない。数十μm以下の気泡はこの貼着剤層に残存する可能性もあるが、目視では確認できず、光散乱の原因になることもほとんどない。また、ゴミの混入についても、数十μm以下のものであれば、流動性のある貼着剤でその周囲を満たされてしまうので、このゴミにより機能性透明フィルム表面に凹凸が発生することはない。これより大きいゴミが混入した場合はこの方法でも凹凸が生ずるが、このレベルのゴミの除去であれば、クリーンルーム等の付帯設備は必要なく、クリーンブース程度の軽微な設備で充分である。
一方、従来の機能性透明フィルムの接着面側に、予め数十〜数千μmの粘着層を設けたものは、粘着剤が硬化しており、実質的に意味のある粘度はない(強いていえば粘度無限大である)。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
<評価方法>
(光学特性)
実施例、比較例で得られた機能性透明パネルの外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの部位における可視光線透過率と曇度(ヘイズ)をガードナー社製、ヘイズガードプラスSD936を用いて測定した。測定条件は、拡散光、測定各0°、C光源とし、透過率はCIE視感度関数のY値とした。
(電磁波減衰率)
実施例、比較例で得られた機能性透明パネルの外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの部位において、アドバンテスト法によって、周波数0.1MHz〜1GHzでの電磁波の減衰率(dB)を計測した。
(外観)
実施例、比較例で得られた機能性透明パネルの外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの部位を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
外観判断基準
【0023】
<実施例1>
機能性透明フィルムとして、反射防止フィルム[日本油脂社製、商品名:ReaLook 7200、大きさ:985×585mm(ディスプレーサイズ42インチ用)を用いた。
(電磁波遮蔽パネルの作成)
スチレン−無水マレイン酸共重合体とポリエチレングリコールジメタクリレート(質量比50/50)の混合溶液100質量部に対し、光開始剤として(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスホンオキサイドを5質量部混合して、UV硬化型樹脂Aを得た。
導電性粒子として銀粒子(質量平均粒径0.3μm)を用い、導電性粒子とUV硬化型樹脂Aを質量比3:1で、ホモジナイザーを用いて混合し、UV硬化型導電剤Aを作製した。
また、透明パネルとして、強化ガラス(大きさ:985×585mm、厚さ2.5mm)を用い、この透明パネル上に乾燥後の厚みが5μmとなるようにロールコーターを用いてUV硬化型導電剤Aを塗工した。この塗工パネルを、ネガタイプのフォトマスク(メッシュ部分が透明)を介して平行光露光装置を用いてUV露光した後、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、電磁波遮蔽パネルAを得た。この電磁波遮蔽パネルAのメッシュパターンの幅を電子顕微鏡で測定したところ、15μmであった。また、メッシュパターン形成面の凹凸を表面粗さ計で測定したところ、5μmであった。
貼着の前処理として、反射防止フィルムの反射防止層が形成されている面をガラス保護用保護フィルム(サンエー化研社製、商品名:PAC−3−70G)で保護した。また、電磁波遮蔽パネルAのメッシュパターンが形成されている面の反対側についても同様の保護フィルムで保護した。
【0024】
貼着剤として、二液型RTVゴム(付加型、信越化学工業社製)を用い、二液型RTVゴムA液:二液型RTVゴムB液:硬化促進剤(付加型二液型RTVゴム用触媒、信越化学工業社製)を10:10:3の質量比で混合し、貼着剤Aを得た。この粘度を振動型粘度計で測定したところ、950cPであった(温度:25℃)。
貼着剤Aを電磁波遮蔽パネルAのメッシュパターン側全面に塗布し、反射防止フィルムの反射防止層の形成されていない面が電磁波遮蔽パネルAの貼着剤A塗布面に面するようにして両者を貼り付けた。その後、ラミネーターを用い、機能性透明フィルムと透明パネルの密着を行った。この時のラミネート条件は、線圧:0.1kg/cm、ロール硬さ:70度、送り速度:1.5cm/秒とした。その後、45℃の雰囲気中で12時間の硬化を行った後、保護フィルムを剥離して、機能性透明パネルAを得た。得られた機能性透明パネルAの外観評価を行った。その結果を表1に示す。
【0025】
<比較例1>
二液型RTVゴムの代わりに、一液型RTVゴム(熱硬化型型、信越化学工業社製)を用い、貼着剤Aの代わりに、一液型RTVゴム液:硬化促進剤を10:1の質量比で混合して得た貼着剤Bを用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明パネルBを得た。貼着剤Bの粘度は1100cPであった。機能性透明パネルBの外観評価結果を表1に示す。
【0026】
<比較例2>
ベースフィルムとして飛散防止用フィルムとして使用されている市販の粘着剤付き透明PETフィルム(厚さ188μm)を用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明フィルム(近赤外線遮断フィルム)を得、この近赤外線吸収剤側の面を保護フィルムで保護したものと、実施例1で用いたと同様の保護フィルム付き強化ガラスからなるパネルを用いた。
すなわち、ラミネーターを用いて、実施例1と同様のラミネート条件で機能性保護フィルムの粘着剤側を透明パネルに貼着し、保護フィルムを剥がして機能性透明パネルCを得た。機能性透明パネルCの外観評価結果を表1に示す。
なお、この粘着剤はラミネート条件では流動しなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
<実施例2>
機能性透明フィルムのベースフィルムとしてPETフィルム[東レ製、商品名:ルミラー、大きさ:985×585mm(ディスプレーサイズ42インチ用)、厚さ188μm]を用いた。
近赤外線吸収材料としてイモニウム化合物(IM−Sb)とフタロシアニン化合物(IR−14)を用い、ポリエステル系バインダーに均一分散させた塗料を調製し、この塗料をベースフィルムの一方の面に乾燥厚み10μmになるようにして塗布、乾燥して得た近赤外線遮断フィルムを得た。このフィルムは、飛散防止機能をも有する。この機能性透明フィルムは、クリーンブース[清浄度クラス8(JIS B 9920)内で調製し、近赤外線吸収剤塗布面と反対側の面をガラス保護用粘着フィルム(サンエー化学工業社製、商品名:PAC−3−70G)で保護した。
また、透明パネルとして、強化ガラス(大きさ:985×585mm、厚さ2.5mm)を用い、これもその一方の面を同様のガラス保護用粘着フィルムで保護した。
【0029】
実施例1で得た貼着剤Aを透明パネルの保護フィルムが貼られていない面全面に塗布し、近赤外線遮断フィルムの貼着面(近赤外線吸収剤塗布面)を貼着剤Aの側にして両者を貼り付けた。その後、ラミネーターを用い、機能性透明フィルムと透明パネルの密着を行った。この時のラミネート条件は、線圧:0.1kg/cm、ロール硬さ:70度、送り速度:1.5cm/秒とした。
その後、45℃の雰囲気中で12時間の硬化を行った後、保護フィルムを剥離して、機能性透明パネルDを得た。得られた機能性透明パネルDの外観評価を行った。その結果を表2に示す。
【0030】
<比較例3>
二液型RTVゴムの代わりに、一液型RTVゴム(熱硬化型型、信越化学工業社製)を用い、貼着剤Aの代わりに、一液型RTVゴム液:硬化促進剤を10:1の質量比で混合して得た貼着剤Bを用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明パネルEを得た。貼着剤Bの粘度は1100cPであった。機能性透明パネルEの外観評価結果を表2に示す。
【0031】
<比較例4>
ベースフィルムとして飛散防止用フィルムとして使用されている市販の粘着剤付き透明PETフィルム(厚さ188μm)を用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明フィルム(近赤外線遮断フィルム)を得、この近赤外線吸収剤側の面を保護フィルムで保護したものと、実施例2で用いたと同様の保護フィルム付き強化ガラスからなるパネルを用いた。
すなわち、ラミネーターを用いて、実施例1と同様のラミネート条件で機能性保護フィルムの粘着剤側を透明パネルに貼着し、保護フィルムを剥がして機能性透明パネルDを得た。機能性透明パネルDの外観評価結果を表2に示す。
なお、この粘着剤はラミネート条件では流動しなかった。
【0032】
【表2】
【0033】
表1、表2から明らかなように、粘度の高い貼着剤を用いた比較例1、3で得た機能性透明パネルB、Dは貼着剤が充分流動せず、塗布斑が発生して透過光が湾曲して見える不具合が発生した。また、粘着剤層を有する機能性透明フィルムを貼り付けた比較例2、4の機能性透明パネルC、Fでは、肉眼で確認できるゴミや気泡の混入があり、機能性透明フィルムのうねりも発生しており、機能性透明パネルB、C、E、FのいずれもPD用機能性パネルとしては用いることのできないものであった。これに対し、本発明の製造方法である実施例1、2で得た機能性透明パネルA、Dは肉眼で確認できるゴミや気泡の混入はなく、機能性透明フィルムのうねりや、塗布斑による透過光の湾曲がない、プラズマディスプレー用機能性透明パネルとして好適な特性を示すことがわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の製造方法によれば、機能性透明フィルムと透明パネルの貼着時に、適度の粘度を有する貼着剤を用いることにより、従来のような厳しい環境管理や設備管理の必要なしに、具体的には、大型のクリーンルームや高精度の真空ラミネーターを用いずとも、好適な機能性透明パネルを得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレー用機能性透明パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレー(以下、PDと称す。)においては、発光部本体を外部からの衝撃等から保護するために、発光部の前面に前面パネルと呼ばれる部材を配置することが一般的である。前面パネルは、透明性に優れ、かつ外部からの衝撃に耐える強度を有する必要があるため、厚さ数mmの強化ガラスやアクリル板が用いられることが多い。
【0003】
また、PDの発光部からは、近年、人体への影響が問題視されている電磁波や、リモコンなどの電化製品に悪影響を与える近赤外線が放出されるため、これらを外部に漏らさないような設計構造が必要となる。また、PDの発光特性は自然光とは異なるため、これをより自然光に近づけるためのカラーフィルター機能も必要となる。さらに、前面パネルを配置したときに前面パネル表面で発生する照り返しを防ぐための反射防止機能、透明パネルが破損したときの飛散防止機能が必要となる。これらの機能のうちの一つまたは二つ以上の機能を前面パネルに付与したものは機能性透明パネルと呼ばれる。
現在のところ、製造工程の簡便さ、製造コスト等の観点から、これらの機能のうちの一つまたは二つ以上の機能を有する機能性透明フィルムを予め製作しておいて、これらを透明パネル基材に貼着することが一般的である。
また、製造コスト低減の観点から、透明パネルの上に直接加工する方法も検討され、実用化されている。
【0004】
このうち、電磁波遮蔽機能は前記機能性透明パネルの機能のうち、重要な機能であり、電磁波遮蔽機能形成方式としては蒸着方式とメッシュ方式が一般的である。蒸着方式としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセチルセルロース(TAC)等の透明プラスチックフィルムに導電性金属を蒸着した蒸着フィルムをパネル基材に貼着したり、パネル基材に直接導電性金属を蒸着するものがあり、安価に製造できるため、主流を占めているものの、電磁波遮蔽特性が減衰率30dB程度、可視光線透過率60%程度の性能が限界であり、性能的に充分とはいえない。
メッシュ方式は、一辺が数百μm、線幅が数十μmの導電性格子パターンを有するメッシュを用いるものであり、減衰率40dB以上、可視光線透過率80%以上と高性能である。透明パネル上に直接メッシュパターンを作成したもの(以下、電磁波遮蔽パネルという。)、PETやTAC等のフィルム上に導電性薄膜を貼着し、エッチングによってメッシュパターンを形成したもの、二枚の透明プラスチックフィルムの間にメッシュパターンを介在させてこの二枚の透明プラスチックを接合したもの(フィルムの上または二枚のフィルム間にメッシュパターンを形成したフィルムを電磁波遮蔽フィルムという。)などがある。
これらのメッシュ方式では、いずれの方法でも基盤面とメッシュ面との間には数〜数十μmの凹凸が発生することになる。
【0005】
反射防止機能も画面の照り返し防止、機能性透明パネル自体の光線透過率改善のために重要な機能である。この反射防止機能は、透明プラスチックフィルム上に真空蒸着法やウエットコート法でSiO2やTiO2等の著しく屈折率の異なる材料を2〜3層積み重ねてコーティングして作成した反射防止フィルムを透明パネルに貼着して、光の干渉を利用して反射防止する方法が一般的である。また、これにより、飛散防止機能をも付加することができる。
また、近赤外線遮蔽機能や色目調整機能を有するフィルムについては、当該波長を吸収する色素を均一分散させたアクリル系やポリエステル系のバインダ溶液を、透明プラスチックフィルムに湿式塗装して近赤外線遮蔽フィルムもしくは色目調整フィルムを透明パネルに貼着する方法が一般的である。
【0006】
プラズマディスプレー用機能性透明パネルとしては、通常、電磁波遮蔽、反射防止をはじめとして複数の機能を持たせることが一般的である。そのため、これらの機能のうち、いずれかの機能を透明パネル状に設け、その他の機能を有するフィルムを上記の透明パネルに貼着する、あるいは、これら付与するそれぞれの機能をそれぞれフィルム上に設け、これらのフィルムを透明パネルに貼着する必要がある。
機能性透明フィルムの透明パネルへの貼着方法に関しては、機能性透明フィルムの接着面側に、予め数十〜数千μmの粘着層を設けておき、これを透明パネルに貼り付け、一体化する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)
粘着層形成に用いる材料としては、透明性、粘着性等の観点から、アクリル系樹脂、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)樹脂等が用いられることが多い。
特許文献1に記載の機能性透明フィルムは、接着面側に粘着層が設けられているので、通常は、粘着層表面に適当な剥離紙を付着した形態で保管し、透明パネル基材との貼着時に剥離紙を剥がして貼り付ける手法がとられる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−315240号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにフィルムの一方の面に粘着層を設け、これを基材に貼り付ける手法は非常に汎用性に富み、他の用途に関しても一般的に用いられている。
しかし、PDP用前面パネルのように貼着面積が広く、非常に高度な貼着均一性の求められる用途においては、透明パネルへの機能性透明フィルム貼付時の僅かなフィルムのよじれ、湾曲などに伴い、機能性透明フィルム表面にしわがよってしまったり、気泡やゴミの混入によりフィルム表面に無視できない微小な凹凸や欠陥が生じてしまうといった問題が発生する。特に、上記の方法では、機能性透明フィルムと透明パネルの貼着面が平坦であるため、気泡やゴミが貼着面に混入すると、その影響は機能性透明フィルム表面に直接反映されることとなる。
また、前述のメッシュ方式による電磁波遮蔽パネルを用いたあるいは透明パネルに電磁波遮蔽フィルムを貼り付けたパネル(これらをあわせて電磁波遮断パネルという。)に粘着剤付きの機能性透明フィルムを貼着しようとすると、電磁波遮断パネルの表面に凹凸があるため、粘着剤と電磁波遮断パネルの凹凸の隙間に微細な気泡が更に巻き込まれやすくなる。
透明パネルと機能性透明フィルムの粘着材層の間に微細な気泡が多数存在すると、粘着剤と空気の屈折率差によって透過光の乱反射が生じ、曇度(ヘイズ)が大きくなるという現象が起きる。プラズマディスプレー用機能性透明パネルとして許容される曇度値は一般的に4%以下とされるが、10μmの格子状凹凸のある面に、特許文献1に記載のようなあわせガラス用の弾性粘着剤からなる厚さ50μmの粘着層を設けた機能性透明フィルムを貼着した場合、曇度値は10%を超えてしまう。
【0009】
これを防ぐ方法としては、ゴミの混入に関してはクリーンルーム設備を用いること、気泡の混入やしわの発生に関しては、高精度の真空ラミネート設備の導入等により貼着品質の向上を図ることなどが行われている。しかし、クリーンルーム設備に稼働には莫大な運営費用がかかったり、高精度真空ラミネート設備に関しては、それ自体の設備費に加え、常に良好な貼着状態を保つためのメンテナンスに多大の時間を費やすなど、製造工程の歩留まりやコストの観点から非常に大きな問題となっている。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、大型のクリーンルームや高精度の真空ラミネーターを用いずとも気泡やゴミによる欠陥を生じることのないPDP用機能性透明パネルの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の機能性透明パネルの製造方法は、機能性透明フィルムを、貼付時の貼着剤の粘度が10〜1000cPである貼着剤を介して透明パネルに貼付した後、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えて貼着剤を流動させて貼着剤の塗布厚を均一化した後、貼着剤を硬化させ、機能性透明フィルムを透明パネルに貼着することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法において使用する貼着剤は、塗布時の粘度が10cP以上、10000cP以下である。10cP以上とすることで、流動性が高すぎて貼着時に透明パネルから流出して充分な貼着力を発揮させることが困難となることがなく、また、10000cP以下とすることで透明パネルと機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えた時に貼着剤が適度に流動して貼着剤の塗布斑を均一化することが可能となり、得られた機能性透明パネルを透過した光が歪んで見えることがない。貼着剤の粘度と、透明パネルと機能性透明フィルムの貼付面に加えた外力の垂直な成分の大きさとのかねあいで、機能性透明フィルムと透明パネルの間の貼着剤層の厚みを調節することができる。この貼着剤層の厚みは、10〜500μmであることが好ましい。
【0012】
また、本発明における貼着剤硬化時の加熱温度が20〜50℃であることが好ましい。従って、貼着剤としても、この温度範囲で充分な硬化が可能な貼着剤を用いることが好ましい。加熱温度を上記温度範囲にしても充分硬化する貼着剤を用いると、これを硬化させるために50℃を超える温度に加温する必要がなく、加温による貼着剤の急激な収縮や、加温、その後の冷却による機能性透明フィルムの膨張、収縮によって機能性透明フィルム表面にうねりが生ずるおそれを解消することができる。
また、貼着剤の塗布、機能性透明フィルムと透明パネルの貼着にあたって、数十ミクロン程度の気泡が残存しても目視では殆ど確認できず、外観上問題となることはないが、貼着剤の硬化にあたって、50℃を超える温度に加温すると、数十ミクロンの微細な気泡が肉眼で観察しうる大きさの気泡に膨張して、PD用機能性透明パネルの欠陥となるおそれがある。硬化温度が20℃より低いと、20℃以下で硬化する貼着剤を用いるため、貼着剤調製直後から硬化が始まり、貼着剤の塗布斑の均一化が行えなくなる状態が発生するおそれがある。
【0013】
また、貼着剤は機能性透明フィルムと透明パネルに挟み込まれ、透明パネルと機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えられ、貼着剤が適度に流動して貼着剤の塗布斑を均一化された状態で硬化されることになる。
挟み込まれた貼着剤は密閉状態になるため、無溶剤型のものが好ましい。
また、外部雰囲気との接触も遮断されるため、大気中の水分等と反応するタイプでなく、また、硬化にあたって副生物のない付加硬化型貼着剤が好ましい。
このような貼着剤で、かつ、透明性、柔軟性に優れた貼着剤として、無溶剤付加硬化型のシリコーン系粘着剤が好適である。
【0014】
本発明で用いられる透明パネルとしては、厚さ1〜5mmの強化ガラス板やアクリルシート、ポリカーボネートシート等を例示できる。このような透明パネルは、これをPDパネルの前面に設けた場合、発光部本体を外部からの衝撃から保護する保護機能を有する。
本発明の製造方法においては、特に、電磁波遮断パネルなど、透明パネルおよび/または機能性透明フィルムがその貼着面に5μm以上の凹凸を有するものの貼着に好適である。
【0015】
本発明で用いられる機能性透明フィルムを構成するベースフィルムとしては、PET、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等の透明樹脂からなるフィルムを用いることができる。
この機能性透明フィルムが有する機能としては、電磁波遮蔽機能、近赤外線遮断機能、反射防止機能、色目調整機能、飛散防止機能等を挙げることができ、本発明で用いる機能性透明フィルムとしては、これらの機能のうちの一つまたは二つ以上の機能を有するものが好ましい。
【0016】
電磁波遮蔽機能を有する機能性透明フィルムとしては、ベースフィルムの少なくとも一方の面に透明導電性層を形成したもの、導電性粒子をベースフィルム中に分散させたもの、導電性メッシュをベースフィルム間に挟み込んだもの、ベースフィルムの少なくとも一方の面にエッチングあるいは印刷により導電性メッシュを形成させたもの等を挙げることができ、これらの中では導電性メッシュを形成させたものが好ましい。
透明導電性層の形成法としては、銀等の導電性金属や錫インジウム酸化物、亜鉛アルミ酸化物を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングあるいは化学蒸着する方法を例示できる。ベースフィルム中に分散させる導電性粒子としては、カーボンの粒子ないし粉末;金、銀、プラチナ、銅、錫、ニッケル、インジウム、クロム、チタン、コバルト、鉛などの金属または合金あるいはこれらの導電性酸化物の粒子ないし粉末等を例示できる。この導電性粒子は機能性透明フィルムの厚み、光透過性の観点から、0.5mm以下が好ましく、機能性透明フィルム製造時の導電性粒子の取扱い性の観点から、0.01mm以上であることが好ましい。
【0017】
導電性メッシュとしては、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、クロムあるいはこれらの合金等の金属繊維、金属被覆有機繊維、炭素繊維等からなるメッシュを用いることができる。繊維部分は光を遮断するので、開口率は50〜95%が好ましく、線径はモアレ現象防止のため10〜500μmであることが好ましい。
透明パネル上に直接導電性メッシュを設ける場合は、銀や銅などの導電性金属粉体をフォトレジスト中に均一に分散して、透明パネル上に塗工し、フォトリソグラフィー法により、予めメッシュパターンの形成されたフォトマスクを介して露光し、エッチングによって非露光部を除去してメッシュパターンを形成する方法を採用できる
透明フィルム上にメッシュパターンを設ける場合は、透明フィルム上に数〜数十μmの金属薄膜を貼着、その上に耐酸性の樹脂をメッシュパターン状に印刷し、酸でエッチング処理してメッシュパターンを形成する方法を採用できる。
印刷によるメッシュの形成法としては、金属粒子またはカーボン等の導電性粒子を有機バインダーに混合したものをグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等により印刷することで得られる。
【0018】
近赤外線遮蔽機能を有する機能性透明フィルムとしては、波長850〜1000nmの近赤外線を全体放射量の10%以下までカットできるものが好ましく、赤外線吸収特性が互いに異なる2種以上の近赤外線吸収材料を用いたものが近赤外の幅広い波長域において良好な近赤外線吸収性能を示すことから、好ましく用いられる。近赤外線吸収層は近赤外線吸収材料をバインダー中に混合したものをベースフィルム上にコートすることにより得ることができ、2種以上の近赤外線吸収材料を混合して用いてもよく、これらの近赤外線吸収材料をそれぞれ異なる層に分けて積層してもよい。2層の場合は異なる近赤外線材料を含有する層をベースフィルムの異なる面に塗布してもよく、2層以上の場合はベースフィルムの一方の面に積層してもよい。この近赤外線吸収材料としては、イモニウム化合物、フタロシアニン化合物、シアニン系化合物、アミニウム系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、メルカプトナフトール系化合物等を挙げることができる。
【0019】
反射防止機能を有する機能性透明フィルムとしては、ベースフィルムの上に低屈折率の透明単層膜を形成したもの、ベースフィルムの上に高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を1層づつ形成したもの、ベースフィルムの上に高屈折率透明膜と低屈折率透明膜を交互に複数層、合計偶数層形成したもの等を例示できる。
高屈折率透明膜としては、屈折率が1.6以上のものが好ましく、錫インジウム酸化物(ITO)または酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化ジルコニウム等からなる薄膜あるいはこれらの材料の微粒子をアクリル系あるいはポリエステル系バインダーに分散させたものを例示できる。低屈折率透明膜としては、屈折率が1.6未満のものが好ましく、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、アルミナ等からなる薄膜あるいはこれらの材料の微粒子をアクリル系あるいはポリエステル系バインダーに分散させたもの;シリコン系、あるいはフッ素含有樹脂系のフィルムを例示できる。
【0020】
色目調整機能を有する機能性透明フィルムとしては、PDPの発光特性に応じて、自然光とのずれを補償する色素をアクリル系あるいはポリエステル系バインダーに分散させたものをベースフィルム上に塗布したものが挙げられる。
ベースフィルムとしてPETフィルムやポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のフィルムを用いると、飛散防止機能を有する。
【0021】
本発明の製造方法においては、機能性透明フィルムと透明パネルとを流動性を有する貼着剤を介して貼付した後、前記貼着剤が流動性を有している状態で、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を与えて貼着剤の塗布厚を均一化しているので、外力を加えた際に貼着剤に混入した気泡の大半は余剰の貼着剤と共に機能性透明フィルムと透明パネルの間の貼着剤層から追い出される。貼着面に5μm以上の凹凸を有する電磁波遮断パネルへの機能性透明フィルムの貼着の場合も、貼着材が流動性を有しているので、貼着剤がメッシュパターンの格子の隙間に入り込み、空気を追い出すので、曇度を大きくすることはない。数十μm以下の気泡はこの貼着剤層に残存する可能性もあるが、目視では確認できず、光散乱の原因になることもほとんどない。また、ゴミの混入についても、数十μm以下のものであれば、流動性のある貼着剤でその周囲を満たされてしまうので、このゴミにより機能性透明フィルム表面に凹凸が発生することはない。これより大きいゴミが混入した場合はこの方法でも凹凸が生ずるが、このレベルのゴミの除去であれば、クリーンルーム等の付帯設備は必要なく、クリーンブース程度の軽微な設備で充分である。
一方、従来の機能性透明フィルムの接着面側に、予め数十〜数千μmの粘着層を設けたものは、粘着剤が硬化しており、実質的に意味のある粘度はない(強いていえば粘度無限大である)。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
<評価方法>
(光学特性)
実施例、比較例で得られた機能性透明パネルの外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの部位における可視光線透過率と曇度(ヘイズ)をガードナー社製、ヘイズガードプラスSD936を用いて測定した。測定条件は、拡散光、測定各0°、C光源とし、透過率はCIE視感度関数のY値とした。
(電磁波減衰率)
実施例、比較例で得られた機能性透明パネルの外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの部位において、アドバンテスト法によって、周波数0.1MHz〜1GHzでの電磁波の減衰率(dB)を計測した。
(外観)
実施例、比較例で得られた機能性透明パネルの外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの部位を目視で観察し、以下の判断基準で評価した。
外観判断基準
【0023】
<実施例1>
機能性透明フィルムとして、反射防止フィルム[日本油脂社製、商品名:ReaLook 7200、大きさ:985×585mm(ディスプレーサイズ42インチ用)を用いた。
(電磁波遮蔽パネルの作成)
スチレン−無水マレイン酸共重合体とポリエチレングリコールジメタクリレート(質量比50/50)の混合溶液100質量部に対し、光開始剤として(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスホンオキサイドを5質量部混合して、UV硬化型樹脂Aを得た。
導電性粒子として銀粒子(質量平均粒径0.3μm)を用い、導電性粒子とUV硬化型樹脂Aを質量比3:1で、ホモジナイザーを用いて混合し、UV硬化型導電剤Aを作製した。
また、透明パネルとして、強化ガラス(大きさ:985×585mm、厚さ2.5mm)を用い、この透明パネル上に乾燥後の厚みが5μmとなるようにロールコーターを用いてUV硬化型導電剤Aを塗工した。この塗工パネルを、ネガタイプのフォトマスク(メッシュ部分が透明)を介して平行光露光装置を用いてUV露光した後、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、電磁波遮蔽パネルAを得た。この電磁波遮蔽パネルAのメッシュパターンの幅を電子顕微鏡で測定したところ、15μmであった。また、メッシュパターン形成面の凹凸を表面粗さ計で測定したところ、5μmであった。
貼着の前処理として、反射防止フィルムの反射防止層が形成されている面をガラス保護用保護フィルム(サンエー化研社製、商品名:PAC−3−70G)で保護した。また、電磁波遮蔽パネルAのメッシュパターンが形成されている面の反対側についても同様の保護フィルムで保護した。
【0024】
貼着剤として、二液型RTVゴム(付加型、信越化学工業社製)を用い、二液型RTVゴムA液:二液型RTVゴムB液:硬化促進剤(付加型二液型RTVゴム用触媒、信越化学工業社製)を10:10:3の質量比で混合し、貼着剤Aを得た。この粘度を振動型粘度計で測定したところ、950cPであった(温度:25℃)。
貼着剤Aを電磁波遮蔽パネルAのメッシュパターン側全面に塗布し、反射防止フィルムの反射防止層の形成されていない面が電磁波遮蔽パネルAの貼着剤A塗布面に面するようにして両者を貼り付けた。その後、ラミネーターを用い、機能性透明フィルムと透明パネルの密着を行った。この時のラミネート条件は、線圧:0.1kg/cm、ロール硬さ:70度、送り速度:1.5cm/秒とした。その後、45℃の雰囲気中で12時間の硬化を行った後、保護フィルムを剥離して、機能性透明パネルAを得た。得られた機能性透明パネルAの外観評価を行った。その結果を表1に示す。
【0025】
<比較例1>
二液型RTVゴムの代わりに、一液型RTVゴム(熱硬化型型、信越化学工業社製)を用い、貼着剤Aの代わりに、一液型RTVゴム液:硬化促進剤を10:1の質量比で混合して得た貼着剤Bを用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明パネルBを得た。貼着剤Bの粘度は1100cPであった。機能性透明パネルBの外観評価結果を表1に示す。
【0026】
<比較例2>
ベースフィルムとして飛散防止用フィルムとして使用されている市販の粘着剤付き透明PETフィルム(厚さ188μm)を用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明フィルム(近赤外線遮断フィルム)を得、この近赤外線吸収剤側の面を保護フィルムで保護したものと、実施例1で用いたと同様の保護フィルム付き強化ガラスからなるパネルを用いた。
すなわち、ラミネーターを用いて、実施例1と同様のラミネート条件で機能性保護フィルムの粘着剤側を透明パネルに貼着し、保護フィルムを剥がして機能性透明パネルCを得た。機能性透明パネルCの外観評価結果を表1に示す。
なお、この粘着剤はラミネート条件では流動しなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
<実施例2>
機能性透明フィルムのベースフィルムとしてPETフィルム[東レ製、商品名:ルミラー、大きさ:985×585mm(ディスプレーサイズ42インチ用)、厚さ188μm]を用いた。
近赤外線吸収材料としてイモニウム化合物(IM−Sb)とフタロシアニン化合物(IR−14)を用い、ポリエステル系バインダーに均一分散させた塗料を調製し、この塗料をベースフィルムの一方の面に乾燥厚み10μmになるようにして塗布、乾燥して得た近赤外線遮断フィルムを得た。このフィルムは、飛散防止機能をも有する。この機能性透明フィルムは、クリーンブース[清浄度クラス8(JIS B 9920)内で調製し、近赤外線吸収剤塗布面と反対側の面をガラス保護用粘着フィルム(サンエー化学工業社製、商品名:PAC−3−70G)で保護した。
また、透明パネルとして、強化ガラス(大きさ:985×585mm、厚さ2.5mm)を用い、これもその一方の面を同様のガラス保護用粘着フィルムで保護した。
【0029】
実施例1で得た貼着剤Aを透明パネルの保護フィルムが貼られていない面全面に塗布し、近赤外線遮断フィルムの貼着面(近赤外線吸収剤塗布面)を貼着剤Aの側にして両者を貼り付けた。その後、ラミネーターを用い、機能性透明フィルムと透明パネルの密着を行った。この時のラミネート条件は、線圧:0.1kg/cm、ロール硬さ:70度、送り速度:1.5cm/秒とした。
その後、45℃の雰囲気中で12時間の硬化を行った後、保護フィルムを剥離して、機能性透明パネルDを得た。得られた機能性透明パネルDの外観評価を行った。その結果を表2に示す。
【0030】
<比較例3>
二液型RTVゴムの代わりに、一液型RTVゴム(熱硬化型型、信越化学工業社製)を用い、貼着剤Aの代わりに、一液型RTVゴム液:硬化促進剤を10:1の質量比で混合して得た貼着剤Bを用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明パネルEを得た。貼着剤Bの粘度は1100cPであった。機能性透明パネルEの外観評価結果を表2に示す。
【0031】
<比較例4>
ベースフィルムとして飛散防止用フィルムとして使用されている市販の粘着剤付き透明PETフィルム(厚さ188μm)を用いた以外は実施例1と同様にして機能性透明フィルム(近赤外線遮断フィルム)を得、この近赤外線吸収剤側の面を保護フィルムで保護したものと、実施例2で用いたと同様の保護フィルム付き強化ガラスからなるパネルを用いた。
すなわち、ラミネーターを用いて、実施例1と同様のラミネート条件で機能性保護フィルムの粘着剤側を透明パネルに貼着し、保護フィルムを剥がして機能性透明パネルDを得た。機能性透明パネルDの外観評価結果を表2に示す。
なお、この粘着剤はラミネート条件では流動しなかった。
【0032】
【表2】
【0033】
表1、表2から明らかなように、粘度の高い貼着剤を用いた比較例1、3で得た機能性透明パネルB、Dは貼着剤が充分流動せず、塗布斑が発生して透過光が湾曲して見える不具合が発生した。また、粘着剤層を有する機能性透明フィルムを貼り付けた比較例2、4の機能性透明パネルC、Fでは、肉眼で確認できるゴミや気泡の混入があり、機能性透明フィルムのうねりも発生しており、機能性透明パネルB、C、E、FのいずれもPD用機能性パネルとしては用いることのできないものであった。これに対し、本発明の製造方法である実施例1、2で得た機能性透明パネルA、Dは肉眼で確認できるゴミや気泡の混入はなく、機能性透明フィルムのうねりや、塗布斑による透過光の湾曲がない、プラズマディスプレー用機能性透明パネルとして好適な特性を示すことがわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の製造方法によれば、機能性透明フィルムと透明パネルの貼着時に、適度の粘度を有する貼着剤を用いることにより、従来のような厳しい環境管理や設備管理の必要なしに、具体的には、大型のクリーンルームや高精度の真空ラミネーターを用いずとも、好適な機能性透明パネルを得ることができる。
Claims (4)
- 機能性透明フィルムを、貼付時の貼着剤の粘度が10〜1000cPである貼着剤を介して透明パネルに貼付した後、前記透明パネルと前記機能性透明フィルムの貼付面に対し垂直な成分を有する外力を加えて貼着剤を流動させて貼着剤の塗布厚を均一化した後、貼着剤を硬化させ、機能性透明フィルムを透明パネルに貼着することを特徴とする機能性透明パネルの製造方法。
- 前記機能性透明フィルムおよび/または前記透明パネルが、貼着面に5μm以上の凹凸を有することを特徴とする請求項1記載の機能性透明パネルの製造方法。
- 貼着剤硬化時の温度が20〜50℃であることを特徴とする請求項1または2記載の機能性透明パネルの製造方法。
- 貼着剤が透明無溶剤付加型シリコーン系貼着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性透明パネルの製造方法。
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