【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レース又はスポーツ用電気自動車に利用し、振動と音響の仮想情報により走行環境を創出かつ制御するための電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関を搭載したレーシングカートは、アミューズメントパークの遊具から本格的なレーシングカートまで様々なものがある。この内燃機関タイプのレーシングカートは、一般的にはガソリンエンジンが使われ、エンジンブレーキの多用などの走り方をするにも関わらず排気ガス浄化装置も無く、しかも2サイクルエンジンのため排気ガス中にオイルも混じるなど環境に悪影響を及ぼしている。
【0003】
また排気音もきわめて大きいため、都市部でこのような内燃機関を搭載したレーシングカートが走行できる場所はほとんど無く、専用のサーキットなどは郊外に位置するため、利用するには往復の時間と費用の負担が大きい。
しかしレーシングカートはその音や振動が魅力の一つでもあり、それらを減らすことはレーシングカートの魅力を減らすことに等しいため、そのような処置が採られることは少ない。
【0004】
また本格的なレーシングカートになると、エンジンの排気量によるクラス分けが行われており、レーシングドライバーの登竜門として位置づけもされている。そのレベルになると車のセッティングなどもレースに勝つための重要な要素となり、チューニング、セッティングといった技術的なことも魅力の一つとなっている。
この種のレーシングカートとして、ゲーム用のレーシングカーではあるがサーキットレース型ゲーム装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−228264号公報(フロントページ、第1図)
【0006】
さらに従来バッテリモータを搭載した電気自動車タイプのレーシングカートは遊園地の乗り物から普及してきているが、バッテリーが重たく性能も悪くスポーティな走行に向いたものはなかった。
しかし今日、電気自動車は一般の乗用車として内燃機関エンジン車と同等の走行性能を出せるところまで技術が発展してきている。
したがって、今日の電気自動車はレーシングカートとして利用され、レースをするようなものも製作可能となっている。この種の電気レーシングカーはEVレーシングカーとして既に市販され、また種々の電気自動車も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開2002−291113号公報(フロントページ、第1図)
【0008】
ところが、この電気自動車の長所であり最大の特徴である排気ガスがなくクリーンで静かな走行が可能なことは、逆にスポーツ走行を考えると魅力をなくすものとなっている。
【0009】
一方、コンピュータゲームの世界ではコントローラーに振動機能を持たせ、コースアウトなどの路面状況の変化や他車との接触などを操作する者に与え、臨場感を与える工夫がなされている。
またゲームセンターやアミューズメントパークなどの大掛かりなところにあるものは運転シミュレータにちかく、座席が傾いたり振動したりするものもある。しかし、これらのものはあくまでもバーチャル体験機であり、みずから運転して実際の走行で得られる風や空気の温度・湿度などの自然界のものの反応は得られない。この種の体験機としてシミュレータシステムの提案がある(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献3】
特開平5−92082号公報(フロントページ、第1図)
【0011】
以上のように、内燃機関搭載タイプのレーシングカートは地球温暖化防止や騒音問題など対環境性の観点から今のままではこれ以上の普及は難しい。
しかしながら、電気自動車タイプのレーシングカートもそれにとって代わる性能を持ちながら、レーシングカートとしては静かだという長所が欠点となり、普及発展するに至っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するものであり、内燃機関搭載タイプのレーシングカートと同等の振動及び音響を仮想情報として走行環境を創出かつ制御することができる電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のうち請求項1記載の発明の電気レーシングカートシステムは、電気レーシングカートにおいて、走行状況及び操作状況を検出するセンサーと、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータと、スピーカとを備え、各センサーの検出信号と、内燃機関レーシングカートの走行状況による振動と音響を示すデータに基づいて、コンピュータで情報処理することによりシートバイブレータの振動とスピーカの音響を擬似的に創出したことを特徴とする構成とした。
【0014】
また請求項2記載の発明は、走行状況及び操作状況を検出するセンサーがスピードセンサーと、アクセルセンサーと、舵角センサーであることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、バイブレータの振動が内燃機関レーシングカートのエンジン及び車体の疑似振動であり、スピーカの音響が内燃機関のレーシングカートのエンジン音及び排気音、或いはこれらと音圧及び音色の組み合わせによる疑似音響であることを特徴とする。
【0015】
このような構成の電気レーシングカートシステムでは、内燃機関のレーシングカートと同様の振動及び音響を創出することができるという効果を有する。
【0016】
また請求項4記載の発明のサーキットシステムは、走行状況及び操作状況を検出するセンサー、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータ、スピーカ及び送受信可能なGPSを含む通信装置を有する電気レーシングカートと、ホストコンピュータ及び集中通信装置を有する基地局とを備え、走行する複数の電気レーシングカート相互の距離及びスピード差に基づきホストコンピュータが情報処理してスピーカに内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出し送信する構成である。
【0017】
さらに請求項5記載の発明は、上記構成に加え、観客の声援及び場内アナウンサーの声を擬似音響として創出する仮想場内アナウンス装置を備えたことを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、実写映像に同期した内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出する観戦装置を備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、サーキット内の位置情報に基づき内燃機関のレーシングカートの疑似音響を受信するヘッドホンを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような構成のサーキットシステムでは、内燃機関のレーシングカートにおけるレースと同様の電気レーシングカート相互の音響を創出することができるとともに、サーキットにおける臨場感あふれる疑似音響を創出できるという効果を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図3を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明に係る電気レーシングカートは、レース又はスポーツ用カートであって電動機などのエンジンの力で軌道無しで走る車両を意味し、二輪、三輪又は四輪等の車両に限られない。
本発明の好適な第1の実施形態として電気自動車タイプのカートを例にあげ、電気レーシングカートシステムを説明する。本実施形態はレース用電気自動車にIT技術を適用したものである。
【0020】
図1は本発明に係る電気レーシングカートを示す概念図である。図1を参照して、本発明に係る電気レーシングカート1は、フレーム2に、モータ3と、モータコントローラー4と、バッテリ5とからなるエンジン6と、図示しないサスペンションと、ステアリング7と、アクセル8と、減速機構9などの各装置を備え、それ自体で走行可能なシャーシ構造を有している。
【0021】
さらに、電気レーシングカート1は、スピードセンサー12と、アクセルセンサー14と、舵角センサー15とから自車の状況及びドライバーの操作状況をデジタル信号として取り出すためのセンサーを有し、ドライバーシート16にはシートに振動を与えるシートバイブレータ17が備えられている。
また、この電気レーシングカート1は、各種センサーから得られた信号をデジタル信号として走行状況データ及び操作状況データとして処理するコンピュータ18と、このコンピュータ18の情報処理に基づいて、例えばシートバイブレータのアクチュエータを動作させるインターフェース装置19と、GPSにより位置データを得るとともに基地局と通信するための通信装置13とを備え、図示しないドライバーに装着されるヘルメット21には小型のスピーカ22が設けられている。
【0022】
次に、本発明の電気レーシングカートシステムについて説明する。
図2は本発明の電気レーシングカートシステムにおけるシステム構成を示す図である。本発明の電気レーシングカートシステム30は、電気レーシングカート1にIT技術を適用したものでる。ハードウエアは電気レーシングカート1とコンピュータ18であり、ソフトウエアはコンピュータ18内のROMにデータベースとして格納されている。なお、コンピュータ18は通常のコンピュータシステムであり、中央処理装置、記憶装置、入出力装置を備えたものである。
【0023】
図1及び図2を参照して、本発明の電気レーシングカートシステム30は、GPSからの位置データを受信した通信装置13からの受信信号を処理する通信部31と、電気レーシングカート1に設けられた各種センサーからの信号をデジタル信号として走行状況データ及び操作状況データとして時系列でメモリに格納するとともにファイル処理する情報入力部32と、ファイル化した走行状況データ及び操作状況データに基づいて合成振動及び合成音のデジタル信号として作製する演算部33と、このデジタル信号に基づいて実際の振動及び音の信号に変換してインターフェース装置19に制御信号を送るインターフェース部34と、各アクチュエータを起動するために制御信号を出すアクチュエータ部35とを備えている。
【0024】
さらに、電気レーシングカートシステム30は、電気レーシングカート1の走行装置のうち、交換可能なROM内に各種設定値を入れておくことでモータコントローラー4の特性を変えることによりモータ3を制御する走行装置部36を有している。
各アクチュエータは、モータ3、シートバイブレータ17及びヘルメット内のスピーカ22を駆動し、ドライバーシート16の振動及びスピーカ22からの音響としてドライバーに体感させるようになっている。
【0025】
実際のレーシングカートではアクセルを踏み込むと、その度合いによりスピードがあがりエンジン音が高くなるが、これは本発明ではアクセルセンサー及びスピードセンサーの信号に基づいてエンジン音を合成できる。さらにエンジンの回転数があがればエンジンの振動により車体も振動し、さらに路面との接触状況も変化して全体として車体の振動も変化するが、これもアクセルセンサー及びスピードセンサーの信号に基づいて振動を合成できる。
【0026】
またハンドルを切ると路面とタイヤの接触状況が変わり、車体の振動とエンジン音も変化するが、これはアクセルセンサーと舵角センサーの信号に基づいて振動と音とを合成できる。
さらに内燃機関では回転数により発生する音や振動の周波数が変わり、音圧の他に音色というファクターでドライバーの耳に情報が入る。本システムではこれらの内燃機関における情報及び各種センサーの信号に基づいてリアルタイムで仮想状況を創出するようになっている。
【0027】
したがって、本発明の電気レーシングカートシステムでは、電気レーシングカートに備えられた各種センサーの信号に基づいて、実際の内燃機関タイプのレーシングカートを運転するがごとくエンジンの振動、排気音、エンジン音等をコンピュータにより合成でき、ドライバーが体感できる。
また本発明の電気レーシングカートシステムでは、これらの振動や音はドライバーしか感じたり聞くことができないため静かな環境であり、かつ、排気ガスもないためクリーンな環境を維持できるようになる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、第1の実施形態における電気レーシングカートの通信装置を双方向の通信装置に変えて用いるが、他の構成は同様である。
図3はサーキットシステムの概念図である。図3を参照して、サーキットシステム40は、周回コースとして設けられたサーキット41と、基地局に設けられたホストコンピュータ42と、集中通信装置43と、仮想場内アナウンス装置44と、仮想メインスタンド45とを備え、電気レーシングカート46と基地局48とは双方向通信可能となっている。図3中、A、B、C、Dは電気レーシングカートを示す。また図中の矢印は電気レーシングカートの通信装置と基地局の集中通信装置とで送受信していることを示す。
【0029】
このサーキットシステム40では、各々の電気レーシングカートは自車におけるGPSからの位置データ、合成音のデジタル信号、スピードセンサーからのスピードデータ及びアクセルセンサーからのアクセル開度データを基地局48にリアルタイムで送信する。
【0030】
基地局のホストコンピュータ42は各電気レーシングカート、例えばA、B、C、Dの電気レーシングカートから送られてきた位置データの中から近接している車両を探し出し、その車両のそれぞれが自車のドライバーに与えている音に関して、他車との距離とスピード差に基づき他車自身の合成音デジタル信号を補正して作製した音を重ねてスピーカに流すようになっている。この補正は距離差が大きければ音を小さく、距離差が小さければ音を大きく、またスピード差が大きければドップラー効果を考慮して音の大小の差を設けることで行ってもよい。
【0031】
したがって、このようなサーキットシステムでは電気レーシングカート相互の音をドライバーが聴くことができる。
また本システムでは、本来無音で走る電気レーシングカートでは他の車両の接近が判りづらいということもなくなり、内燃機関のレーシングカートなみのレースの緊張感、臨場感が得られるようになる。
【0032】
図3に示した仮想場内アナウンス装置44は、サーキット場内における観客の声援と場内アナウンサーの声を擬似的な音として作り出し、電気レーシングカートに備えられたドライバーのヘルメット内のスピーカから流すようにしたものである。なお、この仮想場内アナウンス装置44はホストコンピュータ42により制御及び情報通信可能になっている。
【0033】
例えばグランドスタンド前では、先行者に追いつきデッドヒートを繰り広げている場面ではメインスタンドの声援は一段と大きくなり、さらにアナウンサーがその状況を叫び続けるという状況をドライバーのヘルメット内のスピーカに疑似情報として流すようにできる。このような疑似情報はホストコンピュータ42により各電気レーシングカート相互の位置データ及びサーキット内の位置関係に基づいて合成することができる。
【0034】
次に、図3に示した仮想メインスタンド45はスタンドではあるが、周囲へ騒音が漏れ出さないようにした密室的観戦ルームを作り、そこに大型スクリーンと音響システムとを有する観戦装置を備え付け、その観戦ルームで実際のレースを観戦するようにしたものである。大型スクリーン及び音響システムはホストコンピュータ42により制御及び情報通信可能になっている。
例えばこの大型スクリーンには実写映像が映し出され、音に関してはあたかもその場所で観戦しているような音を各々の電気レーシングカートの合成音デジタル信号に基づいて作り出し、映像と同期させることも可能である。
【0035】
またサーキットコースの任意の位置で観戦する場合には、ホストコンピュータ42の制御可能な集中通信装置43と送受信可能なヘッドホン型の装置によりその位置で聞こえる音を合成することも可能である。これはサーキットシステムにより各々の電気レーシングカートの合成音デジタル信号を、観戦者の位置と各々の電気レーシングカートとの距離及びスピードとで補正することにより聴こえるようにできる。
【0036】
したがって、通信機能と基地局のホストコンピュータの情報処理技術によりサーキットを走る複数台の電気レーシングカート相互関係及び走行場所に応じた疑似情報を創り出し、ドライバーにそれを伝えることにより臨場感あふれる仮想体験をすることができ、サーキット外では非常に静かな環境が保たれる。
このように音及び振動に関して、すべて各種センサーからの情報を元にコンピュータにより創り出しているので情報の自由な加工と伝達が可能であり、インターネットを介したリアルタイムの実況放送なども可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の電気レーシングカートシステムでは、内燃機関のレーシングカートと同様の振動及び音響を創出することができるという効果を有する。またこの発明のサーキットシステムでは、内燃機関のレーシングカートにおけるレースと同様の電気レーシングカート相互の音響を創出することができるとともに、サーキットにおける臨場感あふれる疑似音響を創出できるという効果を有する。したがって、騒音及び排気ガスのない静かでクリーンな環境が保たれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気レーシングカートを示す概念図である。
【図2】電気レーシングカートシステムにおけるシステム構成を示す図である。
【図3】本発明に係るサーキットシステムの概念図である。
【符号の説明】
1 電気レーシングカート
2 フレーム
3 モータ
4 モータコントローラー
5 バッテリ
6 エンジン
7 ステアリング
8 アクセル
9 減速機構
12 スピードセンサー
14 アクセルセンサー
15 舵角センサー
16 ドライバーシート
17 シートバイブレータ
18 コンピュータ
19 インターフェース装置
21 ヘルメット
22 スピーカ
30 電気レーシングカートシステム
31 通信部
32 情報入力部
33 演算部
34 インターフェース部
35 アクチュエータ部
40 サーキットシステム
42 ホストコンピュータ
43 集中通信装置
44 仮想場内アナウンス装置
45 仮想メインスタンド
48 基地局[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an electric racing cart system and a circuit system for creating and controlling a driving environment using virtual information of vibration and sound, which is used for an electric vehicle for racing or sports.
[0002]
[Prior art]
There are various types of conventional racing carts equipped with an internal combustion engine, from amusement park playground equipment to full-fledged racing carts. This racing cart of the internal combustion engine type generally uses a gasoline engine, does not have an exhaust gas purifying device in spite of running such as heavy use of engine brakes. It has a negative impact on the environment, including oil.
[0003]
In addition, the exhaust noise is extremely loud, so there are few places in urban areas where such a racing cart equipped with an internal combustion engine can run, and since dedicated circuits are located in the suburbs, it takes a long time to return and costs. The burden is heavy.
However, racing carts are less attractive because their sound and vibration are one of their appeals, and reducing them is equivalent to reducing their appeal.
[0004]
In addition, when it comes to a full-fledged racing cart, classification is performed according to the engine displacement, and it is also positioned as a gateway to racing drivers. At that level, car settings are also important factors in winning the race, and technical aspects such as tuning and settings are also attractive.
As this kind of racing cart, there is a circuit racing type game device which is a racing car for games (for example, see Patent Document 1).
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-5-228264 (front page, FIG. 1)
[0006]
Conventionally, an electric vehicle type racing cart equipped with a battery motor has been widely used in vehicles in an amusement park, but no battery is heavy and has poor performance and is not suitable for sporty driving.
Today, however, the technology of electric vehicles has evolved to the point where they can provide the same running performance as vehicles with internal combustion engines as ordinary passenger vehicles.
Therefore, today's electric vehicles are used as racing carts, and it is possible to produce something that performs racing. This type of electric racing car has already been marketed as an EV racing car, and various electric vehicles have been proposed (for example, see Patent Document 2).
[0007]
[Patent Document 2]
JP-A-2002-291113 (front page, FIG. 1)
[0008]
However, the advantage and the greatest feature of this electric vehicle, that it is possible to run clean and quiet without exhaust gas, on the contrary, makes it unattractive when considering sports driving.
[0009]
On the other hand, in the computer game world, the controller is provided with a vibration function to give a person who operates a change in road surface conditions such as a course out or a contact with another vehicle to give a sense of realism.
In large-scale places such as game arcades and amusement parks, similar to driving simulators, some have tilted or vibrated seats. However, these are just virtual experience machines, and cannot respond to natural things such as wind and air temperature / humidity obtained by actual driving while driving. A simulator system is proposed as this kind of experience machine (for example, see Patent Document 3).
[0010]
[Patent Document 3]
JP-A-5-92082 (front page, FIG. 1)
[0011]
As described above, it is difficult to further spread the racing cart mounted on the internal combustion engine as it is from the viewpoint of environmental protection such as prevention of global warming and noise problems.
However, the racing cart of the electric car type has the performance of replacing it, but has the disadvantage that it is quiet as a racing cart, and has not been widely used.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves such a problem, and provides an electric racing cart system and a circuit system that can create and control a traveling environment using virtual vibration and sound equivalent to those of a racing cart equipped with an internal combustion engine as virtual information. The purpose is to do.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an electric racing cart system according to the first aspect of the present invention includes, in an electric racing cart, a sensor for detecting a running condition and an operating condition, and a seat vibrator for applying vibration to a driver seat. , A speaker, and based on the detection signal of each sensor and data indicating the vibration and sound due to the running situation of the internal combustion engine racing cart, the computer performs information processing to simulate the vibration of the seat vibrator and the sound of the speaker. The configuration is characterized by being created.
[0014]
The invention according to claim 2 is characterized in that the sensors for detecting the running condition and the operating condition are a speed sensor, an accelerator sensor, and a steering angle sensor.
According to a third aspect of the present invention, the vibration of the vibrator is a pseudo vibration of the engine and the body of the racing cart of the internal combustion engine, and the sound of the speaker is the engine sound and the exhaust sound of the racing cart of the internal combustion engine, or the sound and the sound pressure of these. It is characterized by a pseudo sound by combination.
[0015]
The electric racing cart system having such a configuration has an effect that vibration and sound similar to those of a racing cart of an internal combustion engine can be created.
[0016]
A circuit system according to a fourth aspect of the present invention provides an electric racing cart including a sensor for detecting a running condition and an operating condition, a seat vibrator for applying vibration to a driver seat, a communication device including a speaker and a transceivable GPS, and a host computer. And a base station having a centralized communication device, wherein a host computer processes information based on a distance and a speed difference between a plurality of traveling electric racing carts to create and transmit a pseudo sound of a racing cart of an internal combustion engine to a speaker. It is.
[0017]
The invention according to claim 5 is characterized in that, in addition to the above configuration, a virtual in-room announcement device that creates cheering of the audience and the voice of the in-room announcer as pseudo sound is provided.
According to a sixth aspect of the present invention, there is provided a watching apparatus for creating a pseudo sound of a racing cart of an internal combustion engine synchronized with a real image.
According to a seventh aspect of the invention, there is provided a headphone for receiving a pseudo sound of a racing cart of an internal combustion engine based on position information in a circuit.
[0018]
The circuit system having such a configuration has an effect that it is possible to create a mutual sound of an electric racing cart similar to a race in a racing cart of an internal combustion engine, and it is possible to create a pseudo sound with a sense of realism in a circuit.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
The electric racing cart according to the present invention is a racing or sports cart that runs without a track by the power of an engine such as an electric motor, and is not limited to a two-wheeled, three-wheeled, or four-wheeled vehicle.
An electric racing cart system will be described as an example of an electric vehicle type cart as a preferred first embodiment of the present invention. In the present embodiment, an IT technology is applied to a racing electric vehicle.
[0020]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing an electric racing cart according to the present invention. Referring to FIG. 1, an electric racing cart 1 according to the present invention includes a frame 2, an engine 6 including a motor 3, a motor controller 4, and a battery 5, a suspension (not shown), a steering 7, and an accelerator 8 And a chassis structure capable of traveling by itself.
[0021]
Further, the electric racing cart 1 has a sensor for taking out the situation of the own vehicle and the operation situation of the driver as digital signals from the speed sensor 12, the accelerator sensor 14, and the steering angle sensor 15, and the driver seat 16 has A seat vibrator 17 for applying vibration to the seat is provided.
In addition, the electric racing cart 1 includes a computer 18 that processes signals obtained from various sensors as digital signals as travel situation data and operation situation data, and an actuator of a seat vibrator based on information processing of the computer 18. An interface device 19 to be operated and a communication device 13 for obtaining position data by GPS and communicating with a base station are provided. A small speaker 22 is provided on a helmet 21 mounted on a driver (not shown).
[0022]
Next, the electric racing cart system of the present invention will be described.
FIG. 2 is a diagram showing a system configuration in the electric racing cart system of the present invention. The electric racing cart system 30 of the present invention is one in which IT technology is applied to the electric racing cart 1. The hardware is the electric racing cart 1 and the computer 18, and the software is stored in the ROM in the computer 18 as a database. Note that the computer 18 is a normal computer system and includes a central processing unit, a storage device, and an input / output device.
[0023]
Referring to FIG. 1 and FIG. 2, an electric racing cart system 30 of the present invention is provided in the electric racing cart 1 and a communication unit 31 that processes a reception signal from the communication device 13 that has received position data from the GPS. The information input unit 32 stores the signals from the various sensors as digital signals in a time series as running condition data and operating condition data in a memory and file-processes them, and synthesizes vibration based on the running condition data and operating condition data in a file. And an operation unit 33 for producing a digital signal of a synthesized sound, an interface unit 34 for converting the digital signal into an actual vibration and sound signal and transmitting a control signal to the interface device 19, and for activating each actuator. And an actuator unit 35 for outputting a control signal.
[0024]
Further, the electric racing cart system 30 is a traveling device that controls the motor 3 by changing the characteristics of the motor controller 4 by putting various set values in a replaceable ROM among the traveling devices of the electric racing cart 1. A portion 36 is provided.
Each actuator drives the motor 3, the seat vibrator 17, and the speaker 22 in the helmet so that the driver can experience the vibration of the driver seat 16 and the sound from the speaker 22.
[0025]
In an actual racing cart, when the accelerator is depressed, the speed increases and the engine sound increases according to the degree of the depression. In the present invention, the engine sound can be synthesized based on the signals of the accelerator sensor and the speed sensor. When the engine speed further increases, the vehicle body also vibrates due to the vibration of the engine, and the contact condition with the road surface also changes, so that the vibration of the vehicle body as a whole also changes. Can be synthesized.
[0026]
Turning the steering wheel changes the contact condition between the road surface and the tires, and changes the vibration of the vehicle body and the engine sound. This can be combined with the vibration and sound based on the signals from the accelerator sensor and the steering angle sensor.
Further, in an internal combustion engine, the frequency of the generated sound or vibration changes depending on the number of revolutions, and information is input to a driver's ear by a factor of a tone in addition to a sound pressure. In the present system, a virtual situation is created in real time based on information on these internal combustion engines and signals from various sensors.
[0027]
Therefore, in the electric racing cart system of the present invention, based on signals from various sensors provided in the electric racing cart, engine vibration, exhaust sound, engine sound, and the like are generated as when an actual internal combustion engine type racing cart is driven. It can be synthesized by computer, and the driver can experience it.
Further, in the electric racing cart system of the present invention, these vibrations and sounds can be felt or heard only by the driver, so that the environment is quiet, and since there is no exhaust gas, a clean environment can be maintained.
[0028]
Next, a second embodiment of the present invention will be described. In this embodiment, the communication device of the electric racing cart in the first embodiment is used in place of a two-way communication device, but other configurations are the same.
FIG. 3 is a conceptual diagram of the circuit system. Referring to FIG. 3, circuit system 40 includes a circuit 41 provided as a circuit course, a host computer 42 provided at a base station, a centralized communication device 43, an announcement device 44 in a virtual place, and a virtual main stand 45. The electric racing cart 46 and the base station 48 are capable of two-way communication. In FIG. 3, A, B, C, and D indicate electric racing carts. Arrows in the figure indicate that transmission and reception are performed between the communication device of the electric racing cart and the central communication device of the base station.
[0029]
In this circuit system 40, each electric racing cart transmits in real time the position data from the GPS of the own vehicle, the digital signal of the synthesized sound, the speed data from the speed sensor, and the accelerator opening data from the accelerator sensor to the base station 48. I do.
[0030]
The host computer 42 of the base station searches for the nearby vehicles from the position data sent from each of the electric racing carts, for example, the electric racing carts A, B, C, and D. With respect to the sound given to the driver, the sound produced by correcting the synthesized sound digital signal of the other vehicle itself based on the distance and speed difference from the other vehicle is superimposed and output to the speaker. This correction may be performed by providing a small sound if the distance difference is large, making the sound large if the distance difference is small, and providing a difference in sound volume in consideration of the Doppler effect if the speed difference is large.
[0031]
Therefore, in such a circuit system, the driver can hear the mutual sound of the electric racing cart.
In addition, in the present system, it is no longer difficult for an electric racing kart that normally runs silently to recognize the approach of another vehicle, and a sense of tension and a sense of realism in a race similar to a racing kart of an internal combustion engine can be obtained.
[0032]
The virtual on-site announcement device 44 shown in FIG. 3 generates a cheering sound of a spectator and an on-site announcer's voice in a circuit hall as a pseudo sound, and the sound is made to flow from a speaker in a driver's helmet provided in the electric racing cart. It is. The announcement device 44 in the virtual place can be controlled and communicated by the host computer 42.
[0033]
For example, in front of the grand stand, when the crew is catching up with the rivals and developing a dead heat, the cheering of the main stand will increase further, and the situation where the announcer continues to shout the situation will be sent as pseudo information to the speaker in the driver's helmet. it can. Such pseudo information can be synthesized by the host computer 42 based on the positional data of each electric racing cart and the positional relationship within the circuit.
[0034]
Next, although the virtual main stand 45 shown in FIG. 3 is a stand, a closed watching room in which noise does not leak to the surroundings is created, and a watching device having a large screen and an audio system is provided therein, This is to watch the actual race in the watching room. The large screen and the sound system can be controlled and communicated by the host computer 42.
For example, this large screen displays a live-action video, and with regard to sound, it is possible to create the sound as if you are watching at the place based on the synthetic sound digital signal of each electric racing cart and synchronize it with the image is there.
[0035]
When watching a game at an arbitrary position on the circuit course, it is also possible to synthesize a sound that can be heard at that position by a headphone-type device that can transmit and receive to and from the centralized communication device 43 that can be controlled by the host computer 42. This can be made audible by the circuit system correcting the synthesized sound digital signal of each electric racing cart with the position of the spectator and the distance and speed to each electric racing cart.
[0036]
Therefore, by using the communication function and the information processing technology of the host computer of the base station, it creates pseudo information according to the relationship between multiple electric racing carts running on the circuit and the driving location, and transmits it to the driver to provide a realistic virtual experience. And a very quiet environment is maintained outside the circuit.
As described above, since sound and vibration are all created by a computer based on information from various sensors, the information can be freely processed and transmitted, and real-time live broadcasting via the Internet can be performed.
[0037]
【The invention's effect】
As described above, the electric racing cart system of the present invention has an effect that vibration and sound similar to those of a racing cart of an internal combustion engine can be created. Further, the circuit system of the present invention has an effect that it is possible to create a mutual sound of an electric racing cart similar to that of a race in a racing cart of an internal combustion engine, and it is also possible to create a simulated sound with a sense of realism in a circuit. Therefore, a quiet and clean environment free from noise and exhaust gas is maintained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing an electric racing cart according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a system configuration in an electric racing cart system.
FIG. 3 is a conceptual diagram of a circuit system according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Electric racing cart 2 Frame 3 Motor 4 Motor controller 5 Battery 6 Engine 7 Steering 8 Accelerator 9 Reduction mechanism 12 Speed sensor 14 Accelerator sensor 15 Steering angle sensor 16 Driver seat 17 Seat vibrator 18 Computer 19 Interface device 21 Helmet 22 Speaker 30 Electric racing Cart system 31 Communication unit 32 Information input unit 33 Arithmetic unit 34 Interface unit 35 Actuator unit 40 Circuit system 42 Host computer 43 Central communication unit 44 Announcement device in virtual place 45 Virtual main stand 48 Base station