JP2004014409A - 導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなる導電性微粒子であって、ハロゲンイオンの含有量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオンの含有量が50μg/g以下である導電性微粒子。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においても金属被覆層が耐食せず、導電性の低下を来さない導電性微粒子及びこれを用いてなる異方性導電材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性微粒子は、バインダー樹脂等と混合させる等することにより、異方導電性フィルム、導電性ペースト、導電性接着剤、導電性粘着材等の異方性導電材料の主要構成材料として広く用いられている。これらの異方性導電材料は液晶表示ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接着したりするために、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
【0003】
従来、導電性微粒子としては、金、銀、ニッケル等からなる金属粒子が用いられていた。しかし、これらの金属粒子は、比重が大きく形状も不定形であるためバインダー樹脂中で不均一に存在しやすく導電性にムラを生じさせる原因となっていた。
【0004】
これに対して、特公平2−25431号公報には、金属粒子の代わりに粒子径の均一なガラスビーズ、グラスファイバー、プラスチックボール等の非導電性粒子の表面に金属メッキを施した導電性微粒子が開示されている。このような比重の軽い芯材粒子の表面に金属被覆層を形成させてなる導電性微粒子を用いることにより、バインダー樹脂中で導電性微粒子が凝集することなく、導電性にムラを生じない異方性導電材料を得ることができる。
【0005】
しかしながら、無電解ニッケルメッキ等の金属メッキにより形成された金属被覆層を有する導電性微粒子は、メッキ処理工程で使用される種々の試薬由来のハロゲンイオンやアルカリ金属イオンを含有する。通常、これらの導電性微粒子は水洗工程を経て製造されていることから、表面に付着しているハロゲンイオンやアルカリ金属イオンは洗浄除去され、通常の使用でこれらのイオンが遊離溶出することは少ない。しかし、高温高湿条件下や長期の連続使用等の、より過酷な条件下では導電性微粒子の深層に含有されているハロゲンイオンやアルカリ金属イオンが遊離溶出し、金属被覆層や相対向する電極端子等を腐食させるという問題があった。
【0006】
すなわち、これらの導電性微粒子をバインダー樹脂等と混合させてなる異方性導電材料では、過酷な使用条件下ではハロゲンイオンやアルカリ金属イオンがバインダー樹脂内に遊離溶出し、相対向する電極や半導体素子を腐食・劣化させ、経時的に電気抵抗を増大させたり電子部品の信頼性を低下させたりすることがあった。特に導電性微粒子の金属被覆層と直接接触する電極部位においては、導電性微粒子との接触面から直接的に腐食性イオンの浸食を受けるため、長期の過酷な使用においては経時的に導通性の不良をきたす場合があった。
【0007】
これに対して、特開平9−199207号公報には、バインダー樹脂中にイオン捕捉剤を含有させ、異方性導電材料中の遊離イオン濃度を低下させる方法が開示されている。しかしながら、この方法によれば異方性導電材料中の遊離イオン濃度を低く維持することは可能であるものの、高温高湿等の条件下で導電性微粒子から持続的に遊離供給されるハロゲンイオン、アルカリ金属イオンに対しては充分な効果が期待できず、特に導電性微粒子と直接接触する電極部位においては接触面における対向電極や半導体素子の経時的な腐食・劣化を防ぐことはできず、近年の電子機器の急激な進歩に伴う更なる信頼性の要求に対しては不充分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においても金属被覆層が耐食せず、導電性の低下を来さない導電性微粒子及びこれを用いてなる異方性導電材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、導電性微粒子より溶出されるハロゲンイオン及びアルカリ金属イオン濃度が高いほど、金属被覆層が腐食しやすくなること、異方性導電材料では、導電性微粒子と直接接触する電極部位の接触面におけるハロゲンイオン及びアルカリ金属イオン濃度が高いほど、対向電極や半導体素子の経時的な腐食・劣化を起こしやすくなることを見出し、更に、これらの量を低減することにより電極間接合部位での信頼性を向上できることを見出した。
【0010】
更に、本発明者らは、導電性微粒子の深層にはメッキ処理工程で使用される種々の試薬由来のハロゲンイオン、アルカリ金属イオンが含有されているが、過酷な使用条件でのみ遊離溶出するこれらのイオンの多くは、特に金属被覆層内部及び金属被覆層と樹脂微粒子との界面付近に多く存在しており、通常では導電性微粒子より溶出しなくても加熱圧縮して使用した場合に金属被覆層の一部に亀裂・破壊等が生じることで遊離溶出が誘引され、この損傷を受けた金属被覆層と直接接している電極部位が遊離溶出するイオンの暴露を受けることを見出し、これら導電性微粒子の金属被覆層内部及び金属被覆層と樹脂微粒子との界面付近に貯蔵されているハロゲンイオン、アルカリ金属イオンの量を所定値以下にすることにより、導電性微粒子と接している電極等の腐食を防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明1は、樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなる導電性微粒子であって、ハロゲンイオンの含有量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオンの含有量が50μg/g以下である導電性微粒子である。
本発明2は、樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなる導電性微粒子であって、蒸留水により121℃、加圧条件下で抽出した場合に溶出されるハロゲンイオン量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオン量が50μg/g以下である導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
【0012】
本発明1の導電性微粒子は、樹脂微粒子と樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなり、ハロゲンイオンの含有量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオンの含有量が50μg/g以下である。
上記ハロゲンイオンとは、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンであり、メッキ処理工程においては特に塩素イオンが混入しやすく問題となりやすい。導電性微粒子1g中の遊離のハロゲンイオンの含有量が30μgを超えると、過酷な使用条件下では導電性微粒子の金属被覆層が腐食しやすくなり、ハロゲンイオンが溶出することにより電極に腐食・劣化をきたす。より好ましくは20μg/g以下である。
【0013】
上記アルカリ金属イオンとは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンであり、特にナトリウムイオン及びカリウムイオンが混入しやすく問題となりやすい。導電性微粒子1g中の遊離のアルカリ金属イオンの含有量が50μgを超えると、過酷な使用条件下では導電性微粒子の金属被覆層が腐食しやすくなり、アルカリ金属イオンが溶出することにより電極に腐食・劣化をきたす。より好ましくは40μg/g以下である。
【0014】
上記ハロゲンイオンの含有量が30μg/g以下であり、かつ、アルカリ金属イオンの含有量が50μg/g以下である場合には、どちらのイオン種による影響も少なくなるのでより好ましい。
【0015】
上記ハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンを定量する方法としては特に限定されず、既知の種々の方法を用いることができ、例えば、原子吸光法、ICP発光分析法、イオンクロマトグラフィー法等の機器分析法により簡便かつ精度良く測定することができる。これら分析方法により、正確に導電性微粒子中に含有されるハロゲンイオン量及びアルカリ金属イオン量を測定するためには、これらのイオンを効率よく抽出して定量分析に供する必要がある。例えば、導電性微粒子を粉砕する等して金属被覆層を破壊し、金属被覆層及び金属被覆層と樹脂微粒子との界面に存在するハロゲンイオンやアルカリ金属イオンを熱水中に抽出する等の方法が挙げられる。
【0016】
本発明2の導電性微粒子は、樹脂微粒子と樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなり、蒸留水により121℃、加圧条件下で抽出した場合に溶出されるハロゲンイオン量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオン量が50μg/g以下である。
本発明2におけるハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンは、本発明1の場合と同様である。
【0017】
本発明2における加圧条件下とは、蒸留水を121℃にした場合に沸騰しない程度の充分な圧力条件下であればよく特に限定されないが、好ましい下限は0.1MPa、好ましい上限は10MPaである。0.1MPa未満であると、蒸留水を121℃に加熱することが不可能となることがあり、10MPaを超えると、遊離していないハロゲン等が存在する場合にこれらの脱離分解反応による溶出量の増加を来たしプラスの誤差を生じることがある。
【0018】
上記抽出を行う時間としては、金属被覆層の厚みや材質、樹脂微粒子の平均粒子径にもよるが、抽出時間が長いほど確実に全ての遊離イオンを抽出できる。通常は、既定温度に達してから1時間程度で90%以上の遊離イオンが溶出し、数時間でほぼ100%に達するが、好ましくは24時間以上である。
【0019】
上記抽出に用いる蒸留水としては、ハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンを含有しない比抵抗が1MΩ以上の純水が好ましく、18MΩ以上の超純水がより好ましい。
【0020】
上記抽出条件により溶出されるハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンの量は、導電性微粒子中に含有されるハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンの量を正確に反映する。
すなわち、上記条件により溶出されるハロゲンイオン量が30μg/gを超えると、導電性微粒子1g中の遊離のハロゲンイオンの含有量が30μgを超え、過酷な使用条件下では導電性微粒子の金属被覆層が腐食しやすくなり、ハロゲンイオンが溶出することにより電極に腐食・劣化をきたす。より好ましくは20μg/g以下である。
また、上記条件により溶出されるアルカリ金属イオン量が50μg/gを超えると、導電性微粒子1g中の遊離のアルカリ金属イオンの含有量が50μgを超え、過酷な使用条件下では導電性微粒子の金属被覆層が腐食しやすくなり、アルカリ金属イオンが溶出することにより電極に腐食・劣化をきたす。より好ましくは40μg/g以下である。
【0021】
上記条件により溶出されるハロゲンイオン量が30μg/g以下であり、かつ、上記条件により溶出されるアルカリ金属イオン量が50μg/g以下である場合には、どちらのイオン種による影響も少なくなるのでより好ましい。
【0022】
本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなる。
上記樹脂微粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等からなるものが挙げられる。ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有樹脂等も用いることもできるが、重合時の状態によっては残留ハロゲン又はハロゲン化物を含有し、遊離ハロゲンイオンの含有量が高くなることがある。
【0023】
なかでも、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種又は2種以上重合させてなる樹脂を用いてなるものは、好適な10%K値を得やすいことから好ましい。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とがある。
【0024】
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素等が挙げられる。
【0025】
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート;グリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル等;γ―(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
【0026】
ただし、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシー3−メタクロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド等のハロゲンイオンを含有する単量体を用いた場合には、遊離ハロゲンイオンの含有量が高くなることがある。また、使用する単量体は純度のできる限り高いものを用いることが好ましく、ハロゲン化物やアルカリ金属を不純物として極力含有しないことがより好ましい。
【0027】
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合する方法としては特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下懸濁重合する方法(特開平6−273774号公報に記載);非架橋の種粒子にラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法(特開平1−81810号公報に記載)等が挙げられる。この場合、使用するラジカル開始剤や、分散剤、界面活性剤、懸濁化剤等にはハロゲンやアルカリ金属を含有しないものを使用することが好ましく、ハロゲン化物やアルカリ金属を不純物として極力含有しないことがより好ましい。
【0028】
上記樹脂微粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は100μmである。0.5μm未満であると、金属被覆層を形成する際に凝集が生じやすく、凝集を起こした樹脂微粒子を用いて製造される導電性微粒子は隣接電極間のショートを引き起こすことがあり、100μmを超えると、得られる導電性微粒子の金属被覆層が剥がれ易くなり信頼性が低下することがある。より好ましい下限は1μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、上記樹脂微粒子の平均粒子径は光学顕微鏡、電子顕微鏡、コールタカウンター等を用いて計測した粒子径を統計的に処理して求めることができる。
【0029】
上記樹脂微粒子の平均粒子径の変動係数は10%以下であることが好ましい。10%を超えると、得られる導電性微粒子を用いて相対向する電極間隔を任意に制御することが困難になる。
なお、上記変動係数とは、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除して得られる数値である。
【0030】
上記樹脂微粒子の10%K値の好ましい下限は1000MPa、好ましい上限は10000MPaである。1000MPa未満であると、樹脂微粒子の強度が不充分であるため、圧縮変形させたときに粒子の破壊が生じ導電材料としての機能を果たさなくなることがあり、15000MPaを超えると、電極を傷つけることがある。より好ましい下限は2000MPa、より好ましい上限は10000MPaである。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば、島津製作所製PCT−200等)を用い、樹脂微粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱からなる平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験過重10gの条件下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式により求めることができる。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:粒子の10%圧縮変形における荷重値(kg)
S:粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:粒子の半径(mm)
【0031】
なお、10%K値が上記条件を満たす樹脂微粒子を得るためには、上記樹脂微粒子は、上述のエチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させてなる樹脂からなることが好ましく、この場合、構成成分として架橋性単量体を少なくとも20重量%以上含有することがより好ましい。
【0032】
上記樹脂微粒子は、回復率が20%以上であることが好ましい。20%未満であると、得られる導電性微粒子を圧縮した場合に変形しても元に戻らないため接続不良を起こすことがある。より好ましくは40%以上である。
なお、上記回復率とは、樹脂微粒子に9.8mNの荷重を負荷した後の回復率をいう。
【0033】
本発明の樹脂微粒子の形状としては相対向する電極間の間隙を維持できるものであれば特に限定されないが、真球形状であることが好ましい。また、表面が平滑であっても突起を有していてもかまわない。
【0034】
上記金属被覆層としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、珪素等からなるもの等が挙げられる。
また、上記金属被覆層は、単層構造であってもよく、複数の層からなる積層構造であってもよい。積層構造からなる場合には、最外層は金からなることが好ましい。最外層を金からなるものにすることにより、得られる導電性微粒子は耐食性や接触抵抗特性に更に優れたものとなる。
【0035】
上記樹脂微粒子の表面に金属被覆層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、物理的な金属蒸着法、化学的な無電解メッキ法等の公知の方法が挙げられるが、工程の簡便さから無電解メッキ法が好適である。無電解メッキ法で形成できる金属被覆層としては、例えば、金、銀、銅、ブラチナ、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、コバルト、錫及びこれらの合金等が挙げられるが、本発明の導電性微粒子においては、被覆の均一性、被覆の密度等から金属被覆層の一部又は全部が無電解ニッケルメッキによって形成されたものであることが好ましい。
【0036】
上記無電解ニッケルメッキの方法としては特に限定されないが、一般的にエッチング工程、触媒化工程、無電解メッキ工程から成り立っている。
上記エッチング工程はクロム酸、硫酸−クロム酸混液、過マンガン酸溶液等の酸化剤や、塩酸、硫酸等の強酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液、その他市販の種々のエッチング剤等を用いて樹脂微粒子の表面に微小な凹凸を形成させ、これによってメッキ層の密着を良くするための工程である。本発明においては、ハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンを含有する液剤を使用する場合には、これらが残留しないように洗浄を充分に行う必要がある。
【0037】
上記触媒化工程は、樹脂微粒子の表面に次工程の無電解メッキの起点となりうる触媒層を形成させる工程である。例えば、塩化パラジウムと塩化スズからなる溶液にエッチングした樹脂微粒子を浸漬させた後、硫酸、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で活性化して金属Pdを樹脂微粒子表面に析出させる方法;硫酸パラジウム溶液にエッチングした樹脂微粒子を浸漬した後、ジメチルアミンボラン等の還元剤を含む溶液で活性化して金属Pdを樹脂微粒子表面に析出させる方法等が挙げられる。この場合も同様にハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンが残留しないように洗浄を充分に行う必要があるが、特に塩化スズを用いる方法では樹脂微粒子の表面に塩素イオンの強固な残留をきたす場合があるので充分な洗浄を行うことが重要である。
【0038】
上記無電解メッキ工程は、触媒を付与した樹脂微粒子を次亜リン酸、ジメチルアミンボラン等の還元剤の存在下でニッケル塩を含有する溶液中に浸漬し、付与された触媒を起点として樹脂微粒子の表面にニッケルを析出させる工程である。
ここで、金属メッキ層はニッケルが主成分となるが、ニッケルと共に共析する他の金属が含まれていてもよく、例えば、Co、Cu、Zn、Fe、Mn、Cr、V、Mo、Pd、Sn、W、Re等がニッケルと共に金属被覆層に含まれていてもよい。この場合もメッキ液中にハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンを含有するものを使用する場合には、同様にこれらのイオンが残留しないように洗浄を充分に行う必要がある。
【0039】
金属被覆層の最外層に金による被覆層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、無電解メッキ、置換メッキ、電気メッキ、スパッタリング等の既知の方法が挙げられる。
【0040】
上記金属被覆層の厚みとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.005μm、好ましい上限は1μmである。0.005μm未満であると、導電層としての充分な効果が得られないことがあり、1μmを超えると、得られる導電性微粒子の比重が高くなりすぎたり、樹脂微粒子の持つ10%K値等の粒子物性のメリットを失ったりすることがある。より好ましい下限は0.01μm、より好ましい上限は0.3μmである。
また、上記金属被覆層の最外層を金層とする場合には、金層の厚みの好ましい下限は0.001μm、好ましい上限は0.5μmである。0.001μm未満であると、均一に金属導電層を被覆することが困難になり耐食性や接触抵抗値の向上効果が期待できないことがあり、0.5μmを超えると、その効果の割には高価になりすぎることがある。より好ましい下限は0.01μm、より好ましい上限は0.1μmである。
【0041】
本発明の導電性微粒子に含有されるハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンの含有量を低減して所定量以下にする方法としては、例えば、樹脂微粒子の製造原材料、金属被覆層の製造原材料及び導電性微粒子の製造工程中で用いる材料をハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンの含有量が少ないものを選択して用いる方法;導電性微粒子の製造工程として、導電性微粒子を加圧下、100℃以上の蒸留水を用いて洗浄する工程を少なくとも一回以上導入する方法等が挙げられる。なかでも、100℃以上の蒸留水を用いて洗浄する工程を導入する方法が好適である。
【0042】
ここで加圧下とは、蒸留水が蒸発しないだけの充分な圧力であればよく、特に限定されるものではないが、10MPa以下であることが好ましい。10MPaを超えると、導電性微粒子自体に損傷を与えることがある。加熱温度は100℃以上が好ましい。100℃未満であれば充分な洗浄効果を発揮できないことがある。より好ましい下限は115℃、好ましい上限は150℃である。150℃を超えると、導電性微粒子自体に損傷を与える場合がある。
また、使用する蒸留水としては、ハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンを含有しない比抵抗が1MΩ以上の純水を使用することが好ましく、18MΩ以上の超純水を用いることがより好ましい。
また、洗浄に用いる蒸留水の液量が多いほど、洗浄時間が長いほど、更に洗浄回数を増やすほど洗浄効果は高くなる。また、洗浄する際に攪拌や超音波を併用することでより効果的にハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンを低減することができる。
少なくとも、導電性微粒子を加圧下、100℃以上の蒸留水を用いて洗浄する工程を有する導電性微粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
【0043】
本発明の導電性微粒子は、ハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンの含有量が一定値以下であることから、異方性導電材料の構成材料として用い、相対向する電極を圧着して粒子径の1〜60%を圧縮変形させて使用され、これに伴う亀裂等の損傷を生じた場合であっても、発生した亀裂からハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンが徐々に溶出し、接触している電極や半導体素子を腐食・劣化させてしまうことがない。更に、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においても金属被覆層が腐食せず、導電性の低下を来しにくく、高い接続信頼性が維持される。
【0044】
本発明の導電性微粒子は、種々の異方性導電材料の主要構成材料として使用され、相対向する2つの基板や電極端子を電気的に接続するのに用いることができる。
本発明の導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
【0045】
本発明の異方性導電材料を用いて導電接続する方法としては特に限定されず、例えば、本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させて異方性導電接着剤とし、この異方性導電接着剤を使用して接続する方法;バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用して接続する方法等が挙げられる。
【0046】
上記異方性導電接着剤としては、導電性微粒子を絶縁性のバインダー樹脂中に分散させたものであれば特に限定されず、異方性導電膜、異方性導電ペースト、異方性導電インク等も含まれる。
上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレンーブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネート等の硬化剤との反応により得られる硬化性樹脂組成物等の光や熱によって硬化する組成物等が挙げられる。
【0047】
上記異方性導電膜を作製する方法としては特に限定されず、例えば、異方性導電接着剤に溶媒を加えて溶液状とし、この溶液を離型フィルム上に流延して被膜を作り、皮膜から溶媒を蒸発させたものをロール上に巻き取る方法等が挙げられる。上記異方性導電膜による導電接続においては、皮膜を離型フィルムと共に巻き出して、皮膜を接着すべき電極上に置き、この上に対向電極を重ねて加熱圧縮することにより接続させる方法等が挙げられる。
【0048】
上記異方性導電ペーストは、例えば、異方性導電接着剤をペースト状にすることにより作製することができ、これを適当なディスペンサーに入れ、接続すべき電極上に所望の厚みに塗り、この上に対向電極を重ね合わせ、加熱するとともに加圧して樹脂を硬化させることにより、接続することができる。
【0049】
上記異方性導電インクは、例えば、異方性導電接着剤に溶媒を加えて印刷に適した粘度を持たせることにより作製することができ、これを接着すべき電極上にスクリーン印刷し、その後溶媒を蒸発させ、この上に対向電極を重ねて加熱圧縮することにより接続することができる。
【0050】
上記異方性導電材料の塗工膜厚としては、使用した本発明の導電性微粒子の平均粒子径と接続電極の仕様とから計算し、接続電極間に導電性微粒子が挟持され、接合基板間が接着層で充分に満たされるようにすることが好ましい。
【0051】
本発明の異方性導電材料は、本発明の導電性微粒子を用いてなることから、これを用いて導電接続した場合に対向電極や半導体素子に対して腐食・劣化等の影響を及ぼしにくく、過酷な使用条件下でも導電性低下をきたすことがない。
【0052】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、GH−20)の3%水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン70重量部、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート30重量部、過酸化ベンゾイル2重量部の混合液を加えてホモジナイザーにて撹拌して粒度調整を行った。その後撹拌しながら窒素気流下にて80℃まで昇温し、15時間反応を行い、微粒子を得た。
得られた微粒子を蒸留水及びメタノールにて洗浄後、分級操作を行い、平均粒径が4.1μm、変動係数が5.0%の樹脂微粒子を得た。この樹脂微粒子の10%K値及び回復率を測定したところ、10%K値が4300MPa、回復率が49%であった。
【0054】
得られた樹脂微粒子10gを粉末メッキ用プレディップ液(奥野製薬社製)に分散させ、30℃で30分間攪拌することによりエッチングを行った。水洗後、硫酸パラジウムを1重量%含有するPd触媒化液100mlに添加し、30℃で30分間攪拌させてパラジウムイオンを粒子に吸着させた。この粒子を濾取、水洗した後、0.5重量%のジメチルアミンボラン液(pH6.0に調整)に添加し、Pdを活性化させた樹脂微粒子を得た。
得られたPd活性化樹脂微粒子に蒸留水500mlを加え、超音波処理機を用いて充分に分散させることにより微粒子懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル(6水和物)50g/L、次亜リン酸ナトリウム40g/L、クエン酸50g/Lからなる無電解メッキ液(pHは7.5に調整)を徐々に添加し無電解ニッケルメッキを行った。金属被覆層がおおよそ0.10μmになった時点で無電解メッキ液の添加をやめ、アルコール置換した後、真空乾燥させることにより、導電性微粒子Aを得た。
【0055】
得られた導電性微粒子A1gを蒸留水1000ml(比抵抗18MΩ)に分散させ、撹拌機付オートクレーブに入れて0.1MPaの加圧下、121℃で10時間攪拌洗浄した。その後、濾別乾燥して、導電性微粒子Bを得た。
【0056】
得られた導電性微粒子Bについて、以下の方法によりNiメッキ層厚、含有遊離イオン量、蒸留水で加圧下121℃で抽出した場合の溶出イオン量、導電性の測定、及び、光学顕微鏡による接着部分の観察を行った。また、これに基づき以下の基準により総合評価を行った。
結果を表1に示した。
【0057】
(Niメッキ層厚の測定)
導電性微粒子0.5gを精秤し、30%硝酸水溶液10mlに溶かした後、溶解液を濾紙で濾過しながら正確に200mlにメスアップし、弱酸性下Cu−PANを指示薬として0.01MEDTA標準液にてニッケル含有率WNiを測定し
、下記式にてニッケルメッキ層厚を算出した。
【0058】
【数1】
【0059】
(含有遊離イオン量の測定)
導電性微粒子1gを精秤し、メノウ性乳鉢に取り1時間かき混ぜることにより金属被覆層を完全に剥離・粉砕した。これを蒸留水(比抵抗18MΩ)100mL中に分散し連続抽出器に入れて10時間煮沸しながら遊離イオンを抽出した。
得られた抽出液を0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、この溶液中のハロゲンイオン(塩素イオン)をイオンクロマトグラフィーにて、アルカリ金属イオン(ナトリウムイオン及びカリウムイオン)をフレームレス原子吸光光度法にて測定した。同様にして空試験を実施し、導電性微粒子1g当たりの含有遊離イオン量(含有イオン量)を算出した。
【0060】
(溶出イオン量の測定)
導電性微粒子1gを精秤し、よく洗浄した石英管内に量り取り蒸留水(比抵抗18MΩ)10mLを加えた後、ガスバーナーにて石英管を溶融密封した。121℃の電気オーブンに入れ24時間加熱した後、石英管を開封して得られた抽出液を0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、この溶液中のハロゲンイオン(塩素イオン)をイオンクロマトグラフィーにて、アルカリ金属イオン(ナトリウムイオン及びカリウムイオン)をフレームレス原子吸光光度法にて測定した。同様にして空試験を実施し、導電性微粒子1g当たりの溶出イオン量を算出した。
【0061】
(導電性測定)
導電性微粒子をエポキシ系接着剤(古川化工社製、SE−4500)に5重量%の割合で混合し、ホモジナイザーで充分に分散させて異方性導電接着剤を作製した。
別に、この導電接着剤にφ3μmのグラスファイバーを5重量%の割合で加え、ホモジナイザーで充分に分散させた異方性導電接着剤を作製した。
これらの2種類の異方性導電接着剤を幅300μmでITO電極が形成されたガラス基板上にそれぞれ塗布し、この上から幅300μmの電極が銅メッキされたポリイミドフィルムを電極がクロスになるよう重ね合わせた。これに30kg/cm2の圧力を加えながら160℃で30分間加熱して圧着硬化させたのち、ITOが交差する部分に存在する導電性微粒子について4端子法により接触抵抗値の測定を行った。次に、この交差する部分に存在する導電性微粒子の数を光学顕微鏡にて計数し、導電性微粒子1個当たりの接触抵抗値(初期値)を算出した。この導電接着部品を85℃、相対湿度85%の恒温恒湿器に入れ、100時間放置後に再度同様の方法により導電性微粒子1個当たりの接触抵抗値(負荷後)を測定した。
【0062】
(光学顕微鏡による接着部分の観察)
上記負荷試験前後の導電接着部品につき、導電性微粒子、及び、導電性微粒子と電極との接触部分を光学顕微鏡にて500倍で観察し、与負荷前後での変化を調べた。
【0063】
(総合評価)
導電性測定において、負荷を与えた後の接触抵抗値が初期値の2倍以内であり、かつ、電極の光学顕微鏡観察で大きな変化が認められないものを○、どちらか一方が上記条件外であるものを△、どちらとも上記条件外であるものを×として総合評価を行った。
【0064】
(実施例2)
実施例1で得られた樹脂微粒子10gを、実施例1と同様にエッチングした後、塩化スズを含有するPd触媒(奥野製薬社製、キャタリスト)10mL、37%塩酸10mL、エタノール10mLからなる触媒液に添加し、30℃で30分間攪拌させた。この粒子を濾取後、5%硫酸100mLで洗浄後水洗してPdを活性化させた樹脂微粒子を得た。この粒子を実施例1と同様にして無電解ニッケルメッキし、アルコール置換した後、真空乾燥させ導電性微粒子Cを得た。
【0065】
得られた導電性微粒子C1gを実施例1と同様にして蒸留水1000mL(比抵抗18MΩ)に分散させ、0.1MPaの加圧下、121℃で10時間攪拌洗浄した。その後、濾別乾燥して、導電性微粒子Dを得た。
得られた導電性微粒子Dについて、実施例1と同様の試験・観察を行った。
結果を表1に示した。
【0066】
(実施例3)
実施例2で得られた導電性微粒子Dを再度蒸留水1000mL(比抵抗18MΩ)に分散させ、実施例1と同様にして0.1MPaの加圧下、121℃で10時間攪拌洗浄し導電性微粒子Eを得た。
更に導電性微粒子Eを0.1MPaの加圧下、121℃で10時間攪拌洗浄し導電性微粒子Fを得た。
得られた導電性微粒子E及び導電性微粒子Fについて、実施例1と同様の試験・観察を行った。
結果を表1に示した。
【0067】
(比較例1)
実施例1で得られた導電性微粒子Aをそのまま用いて、実施例1と同様の試験・観察を行った。
結果を表1に示した。
【0068】
(比較例2)
実施例2で得られた導電性微粒子Cをそのまま用いて、実施例1と同様の試験・観察を行った。
結果を表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
(実施例4)
シアン化金カリウム5.9g(金含有量4g)を含有する置換金メッキ液(日本高純度化学社製、IM−GoldST)2000mLに実施例1で得られた導電性微粒子Bを10g添加して、攪拌しながら70℃にて30分反応させた。反応終了後に微粒子を濾取、水洗し、アルコール置換した後、真空乾燥させることにより金で被覆された導電性微粒子Gを得た。
得られた導電性微粒子Gについて、実施例1と同様の試験・観察を行った。ただし、金属被覆層の厚みの測定については以下のように行った。
結果を表2に示した。
同様にして導電性微粒子D、E、Fについても置換金メッキ処理を行い、導電性微粒子H、I、Jを得、同様の試験・観察を行った。
結果を表2に示した。
【0071】
(金属被覆層の厚み測定)
導電性微粒子0.5gを精秤し、60%硝酸5mLと37%塩酸10mLからなる混合液に加え金属被覆層を完全に溶解させた後、硫酸ヒドラジンの飽和水溶液20mLを加えて80℃にて1時間加熱して、金を沈殿させた。この沈殿した金を含む溶液を濾紙で濾取し、濾紙のままルツボに入れ900℃で2時間焼却して金を回収した。回収された金の重量を測定し、金含有率WAuを算出した。また
濾液は正確に200mlにメスアップし、弱酸性下Cu−PANを指示薬として0.01mol/LのEDTA標準液にてニッケル含有率WNiを測定した。得
られた金含有率及びニッケル含有率より下記式にて金、ニッケルのメッキ層厚を算出した。
【0072】
【数2】
【0073】
(比較例3)
実施例1で得られた導電性微粒子Aを、実施例4と同様にして置換金メッキ処理を行って導電性微粒子Kを得た。
得られた導電性微粒子Kについて、実施例4と同様の試験・観察を行った。
結果を表2に示した。
同様にして導電性微粒子Cについても置換金メッキ処理を行って導電性微粒子Lを得た。得られた導電性微粒子Lについても同様の試験・観察を行った。
結果を表2に示した。
【0074】
【表2】
【0075】
表1及び表2より、実施例で得られた導電性微粒子B、D、E、F、G、H、I、Jでは、含有するハロゲンイオン及びアルカリ金属イオンがそれぞれ30μg/g以下、50μg/g以下であり、これを用いた場合には、負荷後でも導電性の変化が小さいことがわかった。
これに対して、比較例で得られた導電性微粒子A、C、K、Lでは、含有するハロゲンイオン又はアルカリ金属イオンがそれぞれ30μg/g、50μg/gを超え、これを用いた場合には、負荷後に導電性の変化が大きいことがわかった。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においても金属被覆層が耐食せず、導電性の低下を来しにくい導電性微粒子を提供することができる。この導電性微粒子を用いることにより、対向電極や半導体素子に対して腐食・劣化等の影響を及ぼしにくく、過酷な使用条件下でも導電性低下を来しにくい信頼性の高い異方導電性材料を提供することができる。
Claims (7)
- 樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなる導電性微粒子であって、
ハロゲンイオンの含有量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオンの含有量が50μg/g以下である
ことを特徴とする導電性微粒子。 - 樹脂微粒子と、前記樹脂微粒子の表面に形成された金属被覆層とからなる導電性微粒子であって、
蒸留水により121℃、加圧条件下で抽出した場合に溶出されるハロゲンイオン量が30μg/g以下、又は、アルカリ金属イオン量が50μg/g以下であることを特徴とする導電性微粒子。 - 樹脂微粒子は、平均粒子径が0.5〜100μm、平均粒子径の変動係数が10%以下、10%K値が1000〜10000MPaであり、
金属被覆層は、厚みが0.005〜1μmである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の導電性微粒子。 - 金属被覆層の一部又は全部が無電解ニッケルメッキによって形成されたものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電性微粒子。
- 金属被覆層は、複数の層からなるものであって、最外層が金からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性微粒子。
- 少なくとも、導電性微粒子を加圧下、100℃以上の蒸留水を用いて洗浄する工程を有することを特徴とする導電性微粒子の製造方法。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の導電性微粒子を用いてなることを特徴とする異方性導電材料。
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