【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成されるトロイダル型電磁マイクロコイルなどのコイル、その製法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイクロメカニクス技術を用いたマイクロアクチュエータの開発が盛んである。その駆動手段としては、静電駆動、圧電駆動、電磁駆動等がある。このうち、電磁駆動に用いられる電磁コイルとしては、基板上に渦巻状に形成されたスパイラル型のコイルや、基板上の磁性体コアを周回するトロイダル型のコイルがある。こうしたマイクロアクチュエータに対しては、コストダウンやモバイル機器等への需要に伴い、小型化・大出力の要請が強くなってきている。
【0003】
基板上に形成するトロイダル型コイルの例としては、図13に示すトロイダル型コイルを用いた変圧器(米国特許第5,793,272号明細書)や、UVリガプロセスを用いて作製したトロイダル型コイル(The 8th International Conference on Solid−State Sensors and Actuators, Eurosensors IX pp264−267)がある。これらの技術によれば、基板上に樹脂モールドとメッキを組み合わせてコイルを作製することにより、アスペクト比の高い配線を形成できるため、配線の断面積を大きくでき、コイルにおいては電流を大きく流せるようになった。
【0004】
一方、トロイダル型のコイルの作用を大きくするには、コアを流れる磁束を大きくする必要がある。そのためには、コアの磁路長を大きくし、コイルのターン数を大きくすることが要求される。また、大きな電流を流せるコイルの断面積が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、充分な断面積を保ったまま単位長さあたりのターン数を大きくする為には、配線の幅を小さく、かつ、高さを大きくしなくてはならないが、フォトリソグラフィー技術で加工できるアスペクト比には限界がある。
【0006】
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コア部の磁路長を大きくすること無く、また、コイル部の断面積を小さくすること無く、コイル部のターン数を大きくし、コア部に流れる磁束密度を大きくできるマイクロコイル等のコイル、及びその製法を提供することにある。また、小型で出力を大きくできる電磁アクチュエータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のコイルは、基板と、基板に対してほぼ平行に延びるコア部を複数回周回して基板に対してほぼ垂直に立ったコイル部とを具備したコイルであって、コイル部の少なくとも一部は、コア部を複数回周回してスパイラルな構造を成す複数のスパイラル領域を有し、隣接するスパイラル領域同士が接続配線で接続されることで全体として一本の連続したコイルを形成していることを特徴とする。これにより、コア部(磁性体、絶縁体、空間などから成る)に対して単純なトロイダルコイルを周回させた時と比較してターン数を小さくすること無く磁路長を小さくでき、同じコイル電流に対する磁束密度を大きくすることができる。この構成ではコイル各部を基板の近くに持って来られるから、放熱性に優れた基板を用いて放熱性に優れたコイルを容易に実現できる。また、コイルからの作用力を基板にほぼ平行な方向に発生できるので、基板上のデバイスに作用を及ぼすのに都合が良い。コイルは、典型的には、半導体プロセスの如きマイクロマシーニング技術で作製される後述の実施例で示す様なサイズのマイクロコイルとして構成されたり、コア部がほぼ閉じた形態のトロイダルコイルとして構成される。
【0008】
上記基本構成に基づいて、以下の如き態様が可能である。
隣接するスパイラル領域の内周側同士を接続する内周接続配線と、外周側同士を接続する外周接続配線とを有し、複数の連続したスパイラル領域においては内周接続配線と外周接続配線とが交互に配置される様にできる。これにより、隣接するスパイラル領域同士のスペース幅を最小限に押さえられ、結果として単位長さあたりのターン数を大きくすることができる。この場合、隣接するスパイラル領域の巻き方を逆にすることにより(すなわち、同一方向から見て、内側から外側の配線に進む渦巻き方向が、隣接するスパイラル領域間で互いに逆方向になっている)、双方で発生する磁界を同一方向に揃えることが可能である。反対に、例えば、1つのスパイラル領域の外周から隣接スパイラル領域の内周へ接続する場合は、スペース領域に接続配線の幅分の余分な領域が増加して、単位長さあたりのターン数が小さくなる。
【0009】
スパイラル領域は、基板上に互いに絶縁層を介して積層され、かつ、互いに電気的に接続された複数の導電材料層を含む様にできる。この態様により、容易に、コア部に対して単純なトロイダルコイルを周回させた時と比較してターン数を小さくすること無く磁路長を小さくでき、同じコイル電流に対する磁束密度を大きくできる。
【0010】
内周接続配線が、基板面に対してほぼ平行なコア部と同一の層に形成されている構成にできる。この構成により、内周接続配線の作製工程をコア部の作製工程に付随して行うことができるため、工程の簡略化によりコストダウンできる。また、内周接続配線とコア部とを同一の材料にて作製することにより、これらの作製工程を完全に同一工程にできるため、さらに工程の簡略化ができ、コストダウンをすることができる。
【0011】
外周接続配線または内周接続配線が、導電材料層の何れかと同一の層に形成された構成にもできる。この構成により、外周接続配線または内周接続配線の作製工程と、スパイラル領域を構成する何れかの導電材料層の作製工程とを完全に同一工程にできるため、工程の簡略化ができ、コストダウンをすることができる。コイル全体で、内周接続配線が導電材料層の何れかと同一の層で構成される具体的な例としては、4つの連続したスパイラル領域(4辺形状の断面を持つ)で4n−1回(nは2以上の自然数)周回される構成がある。
【0012】
コア部の磁束方向の導電材料層の配線幅が部分的に変化する構成にもできる。これは、異なるレベルにある導電材料層により製法が異なる場合に有効である。コイル部の断面を構成する配線幅(前記コアの磁束方向の配線幅)に対する高さ(基板に垂直な方向)の比(アスペクト比)が大きいほど、コア部の磁路長に対してターン数を大きくできる。しかし、アスペクト比は製法により限度があり、導電材料層によっては採用できる製法が異なる場合もある。このような場合、それぞれの配線の断面積を均一にしながら、アスペクト比を大きくできない導電材料層では基板面と垂直方向に配線を重ね、アスペクト比を大きくできる導電材料層では基板面と水平方向に配線を重ねることにより、単位磁路長あたりのターン数を変えずに導電材料層の数を小さくすることができる。この結果、工程の簡略化ができ、コストダウンが可能となる。具体的には、スパイラル領域が、基板面と垂直方向にn回(nは2以上の自然数)重ねられた導電材料層と、基板面と水平方向にn回重ねられた導電材料層とを具備したり、基板面と垂直方向にn回重ねられた導電材料層のコア部の磁束方向の配線幅は、基板面と水平方向にn回重ねられた導電材料層のコア部の磁束方向の配線幅のn倍以上である様にできる。基板面と水平方向にn回重ねられた導電材料層は、基板に形成された溝部に埋め込まれている様にできる。これにより、より放熱性に優れたコイルを構成できる。
【0013】
また、上記目的を達成する本発明の上記コイルの製造方法は、基板上に樹脂モールドを形成し、樹脂モールドに導電材料を充填することにより前記導電材料層の少なくとも一部を作製することを特徴とする。この様に、導電材料層やコア部の形成方法としては、フォトリソグラフィーやレーザー加工等の手法を用いて基板上にアスペクト比の高い溝を有する樹脂モールドを形成し、これにメッキ法等を用いて導電材料層やコア部を形成する方法が適している。樹脂モールドの材料としては、エポキシ系、アクリル系、ベンゾシクロブテンなどの樹脂材料が用いられる。特に、化学増幅型の感光性を有する材料は、フォトリソグラフィーによりアスペクト比の高い溝が高密度で形成できるので有利である。
【0014】
また、上記目的を達成する本発明の上記コイルの製造方法は、基板に溝部を形成し、溝部に導電材料を充填することにより前記導電材料層の少なくとも一部を作製することを特徴とする。この様に、アスペクト比を大きくできる導電材料層の加工方法としては、高密度プラズマを用いたドライエッチングや、結晶異方性エッチングなどを用いて基板にアスペクト比の大きい溝を形成し、ここに導電材料層を充填する方法が挙げられる。
【0015】
また、上記目的を達成する本発明の変圧器用等のコイルは、上記のコイルの構成において、1つのコア部に対して前記コイル部を2つ以上具備して構成されていることを特徴とする。上記の如く高効率化、小サイズ化を可能とする基板上に作製されたトロイダル型のマイクロコイル等のコイルは、コイルに備わるインダクダンスを利用したインダクタを構成できるが、1つのコア部に対してコイル部を2つ以上具備することにより、変圧器などを構成することができる。
【0016】
また、上記目的を達成する本発明のコイルは、上記のコイルの構成において、コア部が2つの磁極を有する様に構成されていることを特徴とする。このコイルと、コア部の磁極の近くに配設された磁性体を有する可動部材を具備することで、電磁アクチュエータを構成することができる。特に、支持基板にねじれ回転可能に支持された可動部材を用いることにより、マイクロ光スキャナ等を構成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を明らかにすべく、具体的な実施例を用いて図面に沿って説明する。
【0018】
<実施例1>
本実施例は、本発明によるマイクロコイルの第1の態様である。本実施例によるマイクロコイル10は、図1に示す様に、ガラスよりなる基板11上に形成された磁性体コア12、磁性体コア12を周回するコイル13、コイル13に電圧を印加する為の2つの電極パッド14を有している。コイル13は磁性体コア12を複数回周回し、全体として一本の配線をなしている。
【0019】
図2は本実施例のマイクロコイル10の一部を取り出して示したものである。コア12を2回周回するスパイラル領域17が2組で、1つの繰り返しユニット18を構成している。繰り返しユニット18が繰り返されることにより、連続した配線よりなるコイル13が構成される。
【0020】
図3はコイル13の配線方法を説明する為に、コイル13の一部のみを示した図である。コイル13は、磁性体コア12の下部に絶縁層(不図示)を介して積層された第1下配線層21と第2下配線層23、磁性体コア12の上部に絶縁層(不図示)を介して積層された第1上配線層26と第2上配線層28、さらに上部と下部の対応する配線層同士を接続する側部配線20を有する。隣接するスパイラル領域17同士は、内周同士を接続する内周接続配線15または外周同士を接続する外周接続配線16を介して接続される。複数の連続したスパイラル領域17においては、内周接続配線15と外周接続配線16とが交互に現れる構造となっている。本実施例では、繰り返しユニット18を構成する2組のスパイラル領域17は外周接続配線16を介して接続され、隣接する繰り返しユニット18同士は内周接続配線15を介して接続される。
【0021】
図4は、本実施例によるコイル13の一部の配置およびマイクロコイル10の断面を示した図である。コイル13中の電流の流れを側部配線20に示された数字を辿って説明する(ここでは、図3の左側から右側へと電流が流れる場合を説明する)。まず、内周接続配線15を介してA−A’断面で示されるスパイラル領域17の1から内周に入り、第2下配線層23を通って2を経由し、第1上配線層26を通って3で外周に至る。次に、3から第1下配線層21を通って4を経由し、第2上配線層28を通って外周接続配線16から、B−B’断面で示される隣のスパイラル領域17に入る。B−B’断面においては、まず外周の5から第1下配線層21を通って6を経由し、第2上配線層28を通って7で内周に至る。次に、7から第2下配線層23を通って8を経由し、第1上配線層26を通って内周接続配線15に至る。この後、内周接続配線15を経て、隣接する繰り返しユニット18のスパイラル領域17へ接続される。
【0022】
本実施例において、コイル13を構成する各配線層の配線幅(コア12の伸長方向の幅)は30μm、配線高さ(基板11に垂直な方向の高さ)は20μm、互いに隣接するスパイラル領域17の間隔は30μmである。側部配線20は、高さ(基板11に垂直な方向の高さ)が60〜90μm、高さ方向の断面積(基板11に平行な断面の面積)が約1500μm2である。磁性体コア12の厚さは50μm、幅は1〜2mm、磁路長は約5mmである。磁性体コア12を周回するコイル13の総ターン数は約120ターンである。各配線層間および配線層と磁性体コア12の間の絶縁層厚さは約5μmである。また、基板11の大きさは約4mm×4mmである。
【0023】
本実施例においては、1つのスパイラル領域17で磁性体コア12を2周する構造であるが、同様な態様で、1つの重複部分で3周以上する構造も可能である。
【0024】
次に、本実施例によるマイクロコイルの作製方法を図5を用いて説明する。
まず、ガラスよりなる基板11に、コイルの上から見たパターンに応じて厚さ20μmの第1下配線層21を複数形成する(図5(a)参照)。第1下配線層21の形成方法は、まず金とチタンよりなるシード電極(不図示)を厚さ100nm成膜する。次に、厚さ30μmの樹脂モールド(不図示)を形成し、厚さ20μmの銅の電気メッキを行い、その後、樹脂モールドと不要なシード電極をエッチングにより除去する。樹脂モールドは、感光性を有するアクリル樹脂を塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして第1下配線部分の樹脂を除去することにより形成する。樹脂モールドの材料としては、アクリル樹脂のほかに、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリイミド等を用いることができる。これらの樹脂は、フォトリソグラフィーの手法を用いられる感光性を有するのが望ましい。また、樹脂モールドは樹脂層を形成した後にレーザ加工によりパターン形成を行っても良い。また、配線層の形成は、電気メッキのほかに、無電解メッキや真空蒸着等を用いることも可能である。また、配線層を成膜した後に、研磨により配線層の平坦化を行っても良い。
【0025】
次に、厚さ5μmの第1下絶縁層22を形成する(図5(a)参照)。第1下絶縁層22は、第1下配線層21上に感光性を有するエポキシ樹脂を塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして側部配線部分の樹脂を除去し、熱処理することにより形成する。絶縁層の材料としてはエポキシ樹脂のほかに、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、環化ゴム、ポリイミド等を用いることができる。これらの樹脂も、フォトリソグラフィーの手法を用いられる感光性を有するのが望ましい。また、後工程における樹脂モールドを除去する工程で絶縁層22が影響を受けないことが必要である。このため、樹脂モールドより耐薬品性の優れた材料を用いることが望ましい。熱処理の条件により絶縁層22の耐薬品性を向上させることも有効である。
【0026】
次に、第1下配線層21と同様の手法を用いて、第1下絶縁層22上に第2下配線層23を形成する(図5(a)参照)。続いて、第1下絶縁層22と同様の手法を用いて、第2下配線層23上に第2下絶縁層24を形成する。
【0027】
次に、第2下絶縁層24上に、磁性体コア12及び内周接続配線15を形成する(図5(b)参照)。磁性体コア12及び内周接続配線15の形成方法は、まずパーマロイよりなるシード電極(不図示)をスパッタリング法にて厚さ100nm成膜する。次に、厚さ70μmの樹脂モールド(不図示)を形成し、パーマロイを電気メッキにより50μm形成し、その後、樹脂モールドと不要なシード電極をエッチングにより除去する。樹脂モールドは、感光性を有するアクリル樹脂を塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングしてコア部分と配線部分の樹脂を除去することにより形成する。樹脂モールドの材料としては、アクリル樹脂のほかに、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン等を用いられる。これらの樹脂も、フォトリソグラフィーの手法を用いることのできる感光性を有するのが望ましい。
【0028】
本実施例においては、磁性体コア12と内周接続配線15とを同一のプロセスにて同一の材料で形成することによりプロセスを簡略化したが、磁性体コア12と内周接続配線15とを別々の工程で順次作製しても良い。また、後の側部配線20を形成する工程にて内周接続配線15を作製しても良い。本実施例においては、メッキ法にて磁性体コア12を形成したが、所望の形状に磁性体材料を加工した部材を第2下絶縁層24上に接着して、磁性体コアを形成しても良い。
【0029】
次に、第1下絶縁層22と同様の手法により第1上絶縁層25を形成する(図5(c)参照)。第1上絶縁層25の表面は、基板11の表面から約100μmの高さである。厚さ100μmの絶縁層を形成するには、コア12や配線層による凹凸を吸収して表面が平坦化できる材料を選択する必要があり、そのような材料としては、フォトリソグラフィーにより高アスペクト比構造が作製可能なエポキシ系やアクリル系の化学増幅型レジストが有利である。また、エキシマレーザ等を用いて、樹脂に高アスペクト比構造を作製する方法も用いられる。
【0030】
次に、Cuの無電解メッキにより側部配線20の下部を形成する(図5(d)参照)。続いて、第1下配線層21および第1下絶縁層22と同様の手法を用いて、第1上絶縁層25上に、第1上配線層26及び第2上絶縁層27を形成する(図5(d)参照)。
【0031】
次に、Cuの無電解メッキにより側部配線20の上部を形成する。そして最後に、第1下配線層21と同様の手法を用いて、第2上配線層28および外周接続配線16を形成する(図5(e)参照)。上記の説明ではスパイラル領域の作製のみを説明したが、同時にスパイラル領域間の接続領域では、コア12、接続配線15、16、絶縁層が適宜のパターニング等により作製される。
【0032】
本実施例のように、基板11上に形成された磁性体コア12に対してコイル13を、コア伸長方向に関する同一の位置にて複数回(本実施例では2回)周回させることにより、限られた基板面積の中で、コイルに必要な配線断面積を保持しながらコイル13のターン数を大きくすることができた。これにより、小型で磁束密度の大きいマイクロコイルを実現できた。
【0033】
<実施例2>
本実施例は、本発明によるマイクロコイルの第2の態様である。本実施例によるマイクロコイル10は、実施例1と同様に、ガラスよりなる基板11上に形成された磁性体コア12、磁性体コア12を周回するコイル13、コイル13に電圧を印加する為の2つの電極パッド14を有しており、コイル13は磁性体コア12を複数回周回し全体として一本の配線をなしている。
【0034】
図6は、本実施例によるコイル13の繰り返しユニット18を示した図である。本実施例の繰り返しユニット18は4つの連続したスパイラル領域17で構成され、1つの繰り返しユニット18で磁性体コア12を7周する構造となっている。本実施例と同様の構成で、1つのスパイラル領域17の周回数を増すことにより、4つの連続したスパイラル領域17で磁性体コア12を4n−1周(nは2以上の自然数)する構造も可能である(“4”はスパイラル形状が4辺形であるところから来る)。本実施例の構造では、内周接続配線15は、第2下配線層23か第1上配線層26の何れかと同一の層に形成することが可能である。作製方法は、実施例1の図5で示される作製方法とほぼ同様であるが、本実施例の構造によれば、内周接続配線15は、第2下配線層23か第1上配線層26の何れかを形成する工程で作製することが可能である。
【0035】
本実施例によれば、実施例1と比較すると、単位長さあたりのコイル巻き数が小さいが、従来のマイクロコイルと比較すると小型で磁束密度の大きいマイクロコイルを実現できる。また、実施例1と比較して、作製工程を短縮し、コストを削減できる。
【0036】
<実施例3>
本実施例は、本発明によるマイクロコイルの第3の態様である。本実施例によるマイクロコイル10は、実施例1と同様に、ガラスよりなる基板11上に形成された磁性体コア12、磁性体コア12を周回するコイル13、コイル13に電圧を印加する為の2つの電極パッド14を有しており、コイル13は磁性体コア12を複数回周回し全体として一本の配線をなしている。本実施例では、基板を加工してアスペクト比の高い下配線構造を作製することにより、コイルの断面積を小さくせずに実施例1の方法では困難であった比較的大きな配線密度を部分的に実現し、これにより製造工程を短縮した。
【0037】
本実施例は、また、部分的に配線幅(前記コアの磁束方向の配線幅)が変化することを特徴としている。すなわち、スパイラル領域17が、基板面と垂直方向に2回重ねられた導電材料層と、基板面と水平方向に2回重ねられた導電材料層とを具備し(この水平方向に2回重ねられた導電材料層の構造が製造工程の短縮に寄与する)、基板面と垂直方向に2回重ねられた前記導電材料層の配線幅は、基板面と水平方向に2回重ねられた前記導電材料層の配線幅の2倍以上であることを特徴としている。
【0038】
図7は、本実施例によるコイル13の繰り返しユニット18を示した図、図8は、図7を上下方向に2つに分解した図である。本実施例のコイル13では、磁性体コア12を2周するスパイラル領域17が2つ連続して1つの繰り返しユニット18を構成している。繰り返しユニット18が繰り返されることにより、連続した配線よりなるコイル13が構成される。1つのスパイラル領域17においては、磁性体コア12の上部で第1上配線層26と第2上配線層28とが基板面と水平方向に関して重なっており(即ち、基板面と垂直方向に2回重ねられている)、磁性体コア12の下部で2つの下配線層31が基板面と垂直方向に関して重なっている(即ち、基板面と水平方向に2回重ねられている)。それぞれの配線層及び磁性体コア12は絶縁層を挟んで積層されている。さらに、上部と下部の配線層同士を接続する側部配線20を有する。隣接するスパイラル領域17同士は、内周同士を接続する内周接続配線15または外周同士を接続する外周接続配線16を介して接続される。複数の連続したスパイラル領域17においては、内周接続配線15と外周接続配線16とが交互に現れる構造となっている。
【0039】
図9は、本実施例によるコイル13の一部の配置およびマイクロコイル10の断面を示した図である。コイル13中の電流の流れを側部配線20に示された数字を辿って説明する(ここでは、図7の左側から右側へと電流が流れる場合を説明する)。まず、内周接続配線15を介してA−A’断面で示されるスパイラル領域17の1から内周に入り、下配線層31aを通って2を経由し、第1上配線層26を通って、3で隣接する下配線層31bに至る。次に、4を経由し、第2上配線層28を通って、外周接続配線16からB−B’断面で示される隣のスパイラル領域17に入る。B−B’断面においては、まず外周の5から下配線層31cを通って6を経由し、第2上配線層28を通って、7で隣接する下配線層31dに至る。次に、8を経由し、第1上配線層26を通って内周接続配線15に至る。この後、内周接続配線15を経て、隣接する繰り返しユニット18のスパイラル領域17へ接続される。
【0040】
本実施例において、下配線層31の配線幅は12μm、配線高さは50μmである。第1上配線層26および第2上配線層28の配線幅は30μm、配線高さは20μmである。互いに隣接するスパイラル領域17の間隔は30μmである。側部配線20は、高さが60〜90μm、高さ方向の断面積が約1500μm2である。磁性体コア12の厚さは50μm、幅は1〜2mm、磁路長は約5mmである。磁性体コア12を周回するコイル13の総ターン数は約120ターンである。各配線層間および配線層と磁性体コア12の間の絶縁層厚さは、約2〜5μmである。
【0041】
本実施例によるマイクロコイル10の作製方法を図10を用いて説明する。
まず、シリコンよりなる基板11を、フォトリソグラフィー及びC4F8ガスとSF6ガスを用いた高密度プラズマドライエッチングにより加工して、後に下配線層31となる部分に幅12μm、深さ50μmの重複部分形態(図10(a)の紙面垂直方向に重複する部分を持つ形態)の凹部33を形成する(図10(a)参照)。このようなアスペクト比の高い加工には、高密度プラズマドライエッチングのほかに、(110)面を主面とする単結晶シリコン基板の異方性エッチングや、陽極化成などを用いることが可能である。
【0042】
次に、基板11の表面を熱酸化して二酸化シリコンよりなる基板内絶縁層34を形成する。そして、基板11の表面にシード電極を成膜した後に、銅の電気メッキを用いて凹部33を銅で充填する。続いて、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)を用いて銅の表面を平坦化し、下配線層31を形成する(図10(b)参照)。次に、TEOS(テトラエチルオルソシリケート)を主原料とした常圧化学気相成長法を用いて、厚さ2μmの下絶縁層32を形成する(図10(b)参照)。下絶縁層32の形成方法としては、このほかにスパッタリング法や塗布法などを用いることが可能である。
【0043】
次に、磁性体コア12を形成する(図10(c)参照)。この磁性体コア12の形成方法では、まずパーマロイよりなるシード電極(不図示)をスパッタリング法にて厚さ100nm成膜する。次に、厚さ70μmの樹脂モールド(不図示)を形成し、パーマロイを電気メッキにより50μm形成し、その後、樹脂モールドと不要なシード電極をエッチングにより除去する。樹脂モールドは、感光性を有するアクリル樹脂を塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして配線部分の樹脂を除去することで形成した。樹脂モールドの材料としては、アクリル樹脂のほかに、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン等を用いることができる。これらの樹脂も、フォトリソグラフィーの手法を用いることのできる感光性を有するのが望ましい。ここまでに、側部配線の形成される下絶縁層32の部分を除去しておく。
【0044】
次に、第1上絶縁層25を形成する(図10(d)参照)。第1上絶縁層25は、エポキシ系の化学増幅型レジストを塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして配線部分の樹脂を除去し、熱処理することにより形成する。第1上絶縁層25の表面は基板11の表面から約60μmの高さである。次に、Cuの無電解メッキにより内周接続配線15及び側部配線20の下部を形成する。続いて、厚さ20μmの第1上配線層26を形成する(図10(d)参照)。第1上配線層26の形成方法は、まず金とチタンよりなるシード電極(不図示)を厚さ100nm成膜する。次に、厚さ30μmの樹脂モールド(不図示)を形成し、厚さ20μmの銅の電気メッキを行い、その後、樹脂モールドと不要なシード電極をエッチングにより除去する。樹脂モールドは、感光性を有するアクリル樹脂を塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして配線部分の樹脂を除去することにより形成する。
【0045】
次に、第2上絶縁層27を形成する(図10(e)参照)。第2上絶縁層27は、感光性を有するエポキシ樹脂を塗布し、フォトリソグラフィーの手法によりパターニングして配線部分の樹脂を除去し、熱処理することにより形成する。最後に、Cuの無電解メッキにより側部配線20の上部を形成し、第1上配線層26と同様の方法を用いて、第2上配線層28と外周接続配線16を形成する(図10(e)参照)。
【0046】
本実施例により、小型で磁束密度の大きいマイクロコイルを提供することができる。また、実施例1と単位長さあたりのコイルの巻き数が同じでありながら、作製途中で形成される電極層が1層少ないため、作製工程を短縮し、コストを削減できる。また、配線のほぼ半分が熱伝導率の高いシリコン基板11に埋まっているため、放熱性に特に優れたコイルを実現できた。
【0047】
<実施例4>
本実施例は、本発明によるマイクロコイル10を用いた変圧器である。図11に本実施例による変圧器の構成を示す。互いに巻き数の異なるコイルA35とコイルB36とが1つのコア12を周回している。本発明により製造されたコイルA35とコイルB36は、それぞれ、2つの電極パッド14で終端している。
【0048】
本実施例の変圧器の動作方法は、例えば、入力交流電圧をコイルA35に接続された2つの電極パッド14に入力し、コイルB36に誘起される出力交流電圧をコイルB36に接続された2つの電極パッド14から取り出すことにより変圧が可能となる。本実施例により、小型で高性能な変圧器を提供することができた。
【0049】
<実施例5>
本実施例は、本発明によるマイクロコイル10を用いたマイクロスキャナである。図12に本実施例によるマイクロスキャナの構成を示す。2つのトーションバー42により支持基板41に偏向板43が支持されている。偏向板43の側面上には磁石44が接合されている。偏向板43の磁石44は、磁性体コア12から成る固定電磁石の2つの磁極40と近接するように設置される。本実施例によるマイクロスキャナの大きさは約4mm×6mmである。
【0050】
本実施例のマイクロスキャナの駆動方法は、まず2つの電極パッド14間に電圧を印加してコイル13に電流を流す。これにより磁性体コア12に磁束が流れて2つの磁極40から磁石44に作用し、偏向板43が偏向する(即ち、2つのトーションバー42のねじり中心軸の回りで揺動する)。本実施例ではトーションバー42のねじれ共振周波数が10kHzであり、この周波数でコイル13に電圧を印加することにより、偏向板43を周波数10kHz、偏向角±10°で駆動させることができた。本実施例により、小型で偏向角の大きいマイクロスキャナを実現できる。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明した様に、本発明のコイルにより、コア部の磁路長を大きくすること無く、また、コイル部の断面積を小さくすること無く、コイル部のターン数を大きくし、コア部に流れる磁束密度を大きくできるマイクロコイルなどのコイルを実現できた。また、小型で出力の大きい電磁アクチュエータを実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例1によるマイクロコイルを示す上面図である。
【図2】図2は実施例1によるマイクロコイルの一部を示す斜視図である。
【図3】図3は実施例1によるマイクロコイルの一部を示すコアを除いた斜視図である。
【図4】図4は実施例1によるマイクロコイルのコイル配線方法を説明する図である。
【図5】図5は実施例1によるマイクロコイルの作製工程を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の実施例2によるマイクロコイルのコイル配線方法を説明するコアを除いた斜視図である。
【図7】図7は本発明の実施例3によるマイクロコイルのコイル配線方法を説明するコアを除いた斜視図である。
【図8】図8は実施例3によるマイクロコイルのコイル配線方法を説明するコアを除いた分解斜視図である。
【図9】図9は実施例3によるマイクロコイルのコイル配線方法を説明する図である。
【図10】図10は実施例3によるマイクロコイルの作製工程を示す断面図である。
【図11】図11は実施例4による変圧器を示す上面図である。
【図12】図12は実施例5によるマイクロスキャナを示す上面図である。
【図13】図13は従来例の変圧器を示す上面図である。
【符号の説明】
1〜8 コイルの接続部分
10 マイクロコイル
11 基板
12 コア
13 コイル
14 電極パッド
15 内周接続配線
16 外周接続配線
17 スパイラル領域
18 繰り返しユニット
20 側部配線
21 第1下配線層
22 第1下絶縁層
23 第2下配線層
24 第2下絶縁層
25 第1上絶縁層
26 第1上配線層
27 第2上絶縁層
28 第2上配線層
31、31a〜d 下配線層
32 下絶縁層
33 凹部
34 基板内絶縁層
35 コイルA
36 コイルB
40 磁極
41 支持基板
42 トーションバー
43 偏向板(ミラー)
44 磁石[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a coil such as a toroidal electromagnetic microcoil formed on a substrate, a method of manufacturing the coil, and the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, microactuators using micromechanics technology have been actively developed. The driving means includes electrostatic driving, piezoelectric driving, electromagnetic driving, and the like. Among them, as the electromagnetic coil used for the electromagnetic drive, there are a spiral coil formed spirally on a substrate and a toroidal coil surrounding a magnetic core on the substrate. With respect to such microactuators, demands for miniaturization and high output have been increasing in accordance with cost reduction and demand for mobile devices and the like.
[0003]
Examples of a toroidal coil formed on a substrate include a transformer using a toroidal coil shown in FIG. 13 (US Pat. No. 5,793,272) and a toroidal coil manufactured using a UV rigger process. There is a coil (The 8th International Conference on Solid-State Sensors and Actors, Eurosensors IX pp 264-267). According to these technologies, by forming a coil by combining resin molding and plating on a substrate, a wiring having a high aspect ratio can be formed, so that the cross-sectional area of the wiring can be increased, and a large current can flow in the coil. Became.
[0004]
On the other hand, in order to increase the operation of the toroidal coil, it is necessary to increase the magnetic flux flowing through the core. For this purpose, it is necessary to increase the magnetic path length of the core and increase the number of turns of the coil. In addition, a cross-sectional area of the coil through which a large current can flow is required.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in order to increase the number of turns per unit length while maintaining a sufficient cross-sectional area, the width of the wiring must be reduced and the height must be increased. There are limits to the ratio.
[0006]
The present invention has been made in view of the above viewpoints, and its purpose is to increase the number of turns of the coil portion without increasing the magnetic path length of the core portion and without reducing the cross-sectional area of the coil portion. Another object of the present invention is to provide a coil such as a microcoil capable of increasing the density of a magnetic flux flowing through a core, and a method of manufacturing the same. Another object of the present invention is to provide an electromagnetic actuator that is small and can increase the output.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
A coil of the present invention that achieves the above object is a coil including a substrate and a coil portion that stands substantially perpendicular to the substrate by rotating a core portion extending substantially parallel to the substrate a plurality of times, At least a part of the coil part has a plurality of spiral regions forming a spiral structure by rotating around the core part a plurality of times, and the adjacent spiral regions are connected to each other by a connection wiring to form a single continuous whole. It is characterized in that a coil is formed. As a result, the magnetic path length can be reduced without reducing the number of turns as compared with a case where a simple toroidal coil is made to rotate around a core portion (composed of a magnetic material, an insulator, a space, etc.), and the same coil current can be obtained. Can be increased. In this configuration, since each part of the coil can be brought close to the substrate, a coil excellent in heat dissipation can be easily realized using a substrate excellent in heat dissipation. In addition, since the acting force from the coil can be generated in a direction substantially parallel to the substrate, it is convenient to exert an effect on devices on the substrate. The coil is typically configured as a microcoil having a size as shown in an embodiment described later, which is manufactured by a micromachining technique such as a semiconductor process, or is configured as a toroidal coil having a substantially closed core portion. You.
[0008]
Based on the above basic configuration, the following aspects are possible.
It has an inner connection wire connecting the inner circumference sides of adjacent spiral regions, and an outer connection wire connecting the outer circumference sides. In a plurality of continuous spiral regions, the inner connection wire and the outer connection wire are They can be arranged alternately. As a result, the space width between adjacent spiral regions can be minimized, and as a result, the number of turns per unit length can be increased. In this case, by reversing the winding method of the adjacent spiral regions (that is, the spiral direction which advances from the inside to the outside wiring when viewed from the same direction is opposite to each other between the adjacent spiral regions). , It is possible to align the magnetic fields generated in both directions in the same direction. Conversely, for example, when connecting from the outer periphery of one spiral region to the inner periphery of an adjacent spiral region, an extra region corresponding to the width of the connection wiring increases in the space region, and the number of turns per unit length is reduced. Become.
[0009]
The spiral region may include a plurality of conductive material layers stacked on a substrate with an insulating layer therebetween and electrically connected to each other. According to this aspect, the magnetic path length can be easily reduced without reducing the number of turns as compared with a case where a simple toroidal coil is made to rotate around the core portion, and the magnetic flux density for the same coil current can be increased.
[0010]
The inner peripheral connection wiring can be formed in the same layer as the core part substantially parallel to the substrate surface. With this configuration, the manufacturing process of the inner peripheral connection wiring can be performed along with the manufacturing process of the core portion, so that the cost can be reduced by simplifying the process. Further, by manufacturing the inner peripheral connection wiring and the core portion with the same material, these manufacturing steps can be completely the same, so that the steps can be further simplified and the cost can be reduced.
[0011]
The outer peripheral connection wiring or the inner peripheral connection wiring may be formed in the same layer as any of the conductive material layers. According to this configuration, the manufacturing process of the outer peripheral connection wiring or the inner peripheral connection wiring and the manufacturing process of any conductive material layer forming the spiral region can be completely the same, so that the process can be simplified and the cost can be reduced. Can be. As a specific example in which the inner peripheral connection wiring is formed of the same layer as any one of the conductive material layers in the entire coil, four continuous spiral regions (having a quadrangular cross section) are 4n-1 times ( (n is a natural number of 2 or more).
[0012]
A configuration in which the wiring width of the conductive material layer in the magnetic flux direction of the core portion is partially changed is also possible. This is effective when the manufacturing method is different depending on the conductive material layers at different levels. As the ratio (aspect ratio) of the height (direction perpendicular to the substrate) to the wiring width (wiring width in the magnetic flux direction of the core) constituting the cross section of the coil part is larger, the number of turns is larger than the magnetic path length of the core part. Can be increased. However, the aspect ratio is limited by the manufacturing method, and the manufacturing method that can be employed may differ depending on the conductive material layer. In such a case, while the cross-sectional area of each wiring is uniform, the wiring is overlapped in the direction perpendicular to the substrate surface in the conductive material layer where the aspect ratio cannot be increased, and in the conductive material layer where the aspect ratio can be increased, By overlapping the wiring, the number of conductive material layers can be reduced without changing the number of turns per unit magnetic path length. As a result, the process can be simplified and the cost can be reduced. Specifically, the spiral region includes a conductive material layer overlapped n times (n is a natural number of 2 or more) vertically with the substrate surface and a conductive material layer stacked n times with the substrate surface in the horizontal direction. The wiring width in the magnetic flux direction of the core portion of the conductive material layer stacked n times in the vertical direction with respect to the substrate surface is equal to the wiring width in the magnetic flux direction of the core portion of the conductive material layer stacked n times in the horizontal direction with the board surface. It can be made to be at least n times the width. The conductive material layer which is overlapped n times with the substrate surface in the horizontal direction can be embedded in a groove formed in the substrate. Thereby, a coil having more excellent heat dissipation properties can be configured.
[0013]
Further, the method of manufacturing a coil according to the present invention that achieves the above object is characterized in that at least a part of the conductive material layer is formed by forming a resin mold on a substrate and filling the resin mold with a conductive material. And As described above, as a method of forming the conductive material layer and the core portion, a resin mold having a groove having a high aspect ratio is formed on the substrate using a method such as photolithography or laser processing, and a plating method or the like is used for this. The method of forming the conductive material layer and the core portion by using the method is suitable. As a material for the resin mold, a resin material such as an epoxy resin, an acrylic resin, or benzocyclobutene is used. In particular, a chemically amplified photosensitive material is advantageous because grooves having a high aspect ratio can be formed at a high density by photolithography.
[0014]
Further, the method of manufacturing a coil according to the present invention for achieving the above object is characterized in that at least a part of the conductive material layer is formed by forming a groove in a substrate and filling the groove with a conductive material. As described above, as a method of processing the conductive material layer capable of increasing the aspect ratio, a groove having a large aspect ratio is formed on the substrate by using dry etching using high-density plasma or crystal anisotropic etching. A method of filling the conductive material layer may be used.
[0015]
Further, a coil for a transformer or the like according to the present invention that achieves the above object is characterized in that in the above-described coil configuration, one or more core sections are provided with two or more of the coil sections. . As described above, a coil such as a toroidal microcoil manufactured on a substrate that enables high efficiency and small size can form an inductor using the inductance provided in the coil, but it is possible to form an inductor using one coil. By providing two or more coil sections, a transformer or the like can be configured.
[0016]
A coil according to the present invention that achieves the above object is characterized in that, in the above-described coil configuration, the core portion is configured to have two magnetic poles. An electromagnetic actuator can be configured by including the coil and a movable member having a magnetic body disposed near the magnetic pole of the core. In particular, a micro optical scanner or the like can be configured by using a movable member rotatably supported on a supporting substrate.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, specific embodiments will be described with reference to the drawings in order to clarify the embodiments of the present invention.
[0018]
<Example 1>
This embodiment is a first embodiment of the microcoil according to the present invention. As shown in FIG. 1, the microcoil 10 according to the present embodiment includes a magnetic core 12 formed on a substrate 11 made of glass, a coil 13 circling the magnetic core 12, and a voltage for applying a voltage to the coil 13. It has two electrode pads 14. The coil 13 circulates around the magnetic core 12 a plurality of times, and forms a single wire as a whole.
[0019]
FIG. 2 shows a part of the microcoil 10 according to the present embodiment. Two sets of the spiral regions 17 circling the core 12 twice constitute one repeating unit 18. By repeating the repeating unit 18, the coil 13 composed of continuous wiring is configured.
[0020]
FIG. 3 is a diagram showing only a part of the coil 13 in order to explain a wiring method of the coil 13. The coil 13 includes a first lower wiring layer 21 and a second lower wiring layer 23 that are stacked below the magnetic core 12 via an insulating layer (not shown), and an insulating layer (not shown) above the magnetic core 12. A first upper wiring layer 26 and a second upper wiring layer 28 stacked via the first wiring layer, and a side wiring 20 for connecting the corresponding upper and lower wiring layers. The adjacent spiral regions 17 are connected via an inner connection wiring 15 connecting the inner circumferences or an outer connection wiring 16 connecting the outer circumferences. In the plurality of continuous spiral regions 17, the inner connection wiring 15 and the outer connection wiring 16 alternately appear. In this embodiment, the two sets of spiral regions 17 constituting the repeating unit 18 are connected via an outer connecting wire 16, and the adjacent repeating units 18 are connected via an inner connecting wire 15.
[0021]
FIG. 4 is a diagram illustrating a partial arrangement of the coil 13 and a cross section of the microcoil 10 according to the present embodiment. The flow of the current in the coil 13 will be described with reference to the numbers shown on the side wirings 20 (here, the case where the current flows from the left side to the right side in FIG. 3 will be described). First, the inner peripheral connection wiring 15 enters the inner periphery from one of the spiral regions 17 shown in the cross section AA ′, passes through the second lower wiring layer 23, and passes through the first upper wiring layer 26. Pass through to reach the outer circumference at 3. Next, from 3, through the first lower wiring layer 21, through 4, through the second upper wiring layer 28, and from the outer peripheral connection wiring 16, it enters the adjacent spiral region 17 shown in the BB ′ section. In the BB 'cross section, first, the outer circumference 5 passes through the first lower wiring layer 21 and 6, passes through the second upper wiring layer 28, and reaches the inner circumference at 7. Next, from 7, through the second lower wiring layer 23, via 8, through the first upper wiring layer 26 to the inner peripheral connection wiring 15. Thereafter, the connection is made to the spiral region 17 of the adjacent repeating unit 18 via the inner connection wiring 15.
[0022]
In this embodiment, the wiring width of each wiring layer constituting the coil 13 (the width in the extending direction of the core 12) is 30 μm, the wiring height (the height in the direction perpendicular to the substrate 11) is 20 μm, and the spiral regions adjacent to each other. The interval of 17 is 30 μm. The side wiring 20 has a height (height in a direction perpendicular to the substrate 11) of 60 to 90 μm and a cross-sectional area in the height direction (area of a cross section parallel to the substrate 11) of about 1500 μm. 2 It is. The magnetic core 12 has a thickness of 50 μm, a width of 1 to 2 mm, and a magnetic path length of about 5 mm. The total number of turns of the coil 13 circling the magnetic core 12 is about 120 turns. The thickness of the insulating layer between each wiring layer and between the wiring layer and the magnetic core 12 is about 5 μm. The size of the substrate 11 is about 4 mm × 4 mm.
[0023]
In this embodiment, the structure is such that one spiral region 17 makes two rounds of the magnetic core 12, but in a similar manner, a structure in which one overlapping portion makes three or more rounds is also possible.
[0024]
Next, a method for manufacturing the microcoil according to the present embodiment will be described with reference to FIGS.
First, a plurality of first lower wiring layers 21 having a thickness of 20 μm are formed on a glass substrate 11 in accordance with a pattern viewed from above the coil (see FIG. 5A). In the method of forming the first lower wiring layer 21, first, a seed electrode (not shown) made of gold and titanium is formed to a thickness of 100 nm. Next, a resin mold (not shown) having a thickness of 30 μm is formed, copper electroplating having a thickness of 20 μm is performed, and then the resin mold and unnecessary seed electrodes are removed by etching. The resin mold is formed by applying an acrylic resin having photosensitivity and patterning it by a photolithography technique to remove the resin in the first lower wiring portion. As a material for the resin mold, an epoxy resin, benzocyclobutene, polyimide, or the like can be used in addition to the acrylic resin. It is desirable that these resins have photosensitivity using a photolithography technique. In the resin mold, a pattern may be formed by laser processing after forming the resin layer. The wiring layer can be formed by electroless plating, vacuum deposition, or the like, in addition to electroplating. After forming the wiring layer, the wiring layer may be planarized by polishing.
[0025]
Next, a first lower insulating layer 22 having a thickness of 5 μm is formed (see FIG. 5A). The first lower insulating layer 22 is formed by applying a photosensitive epoxy resin on the first lower wiring layer 21, patterning the resin by a photolithography method, removing the resin in the side wiring portion, and performing heat treatment. . As a material of the insulating layer, an acrylic resin, benzocyclobutene, cyclized rubber, polyimide, or the like can be used in addition to the epoxy resin. It is desirable that these resins also have photosensitivity using a photolithography technique. In addition, it is necessary that the insulating layer 22 is not affected in a step of removing the resin mold in a later step. Therefore, it is desirable to use a material having better chemical resistance than the resin mold. It is also effective to improve the chemical resistance of the insulating layer 22 depending on the conditions of the heat treatment.
[0026]
Next, the second lower wiring layer 23 is formed on the first lower insulating layer 22 by using the same method as the first lower wiring layer 21 (see FIG. 5A). Subsequently, the second lower insulating layer 24 is formed on the second lower wiring layer 23 by using the same method as the first lower insulating layer 22.
[0027]
Next, the magnetic core 12 and the inner connection wiring 15 are formed on the second lower insulating layer 24 (see FIG. 5B). In the method of forming the magnetic core 12 and the inner connection wiring 15, first, a seed electrode (not shown) made of permalloy is formed to a thickness of 100 nm by a sputtering method. Next, a resin mold (not shown) having a thickness of 70 μm is formed, permalloy is formed to a thickness of 50 μm by electroplating, and then the resin mold and unnecessary seed electrodes are removed by etching. The resin mold is formed by applying an acrylic resin having photosensitivity and patterning by photolithography to remove the resin in the core portion and the wiring portion. As a material of the resin mold, an epoxy resin, benzocyclobutene, or the like is used in addition to the acrylic resin. It is desirable that these resins also have photosensitivity that can use a photolithography technique.
[0028]
In the present embodiment, the process is simplified by forming the magnetic core 12 and the inner connection wiring 15 using the same material in the same process. They may be sequentially manufactured in separate steps. Further, the inner peripheral connection wiring 15 may be manufactured in a later step of forming the side wiring 20. In the present embodiment, the magnetic core 12 is formed by plating, but a member obtained by processing a magnetic material into a desired shape is adhered onto the second lower insulating layer 24 to form the magnetic core. Is also good.
[0029]
Next, the first upper insulating layer 25 is formed in the same manner as the first lower insulating layer 22 (see FIG. 5C). The surface of the first upper insulating layer 25 is about 100 μm above the surface of the substrate 11. In order to form an insulating layer having a thickness of 100 μm, it is necessary to select a material capable of absorbing the unevenness due to the core 12 and the wiring layer and flattening the surface. It is advantageous to use an epoxy-based or acrylic-based chemically amplified resist that can be used. Further, a method of forming a high aspect ratio structure in a resin using an excimer laser or the like is also used.
[0030]
Next, the lower part of the side wiring 20 is formed by electroless plating of Cu (see FIG. 5D). Subsequently, the first upper wiring layer 26 and the second upper insulating layer 27 are formed on the first upper insulating layer 25 by using the same method as the first lower wiring layer 21 and the first lower insulating layer 22 ( FIG. 5D).
[0031]
Next, the upper part of the side wiring 20 is formed by electroless plating of Cu. Finally, the second upper wiring layer 28 and the outer peripheral connection wiring 16 are formed using the same method as the first lower wiring layer 21 (see FIG. 5E). In the above description, only the formation of the spiral region has been described. At the same time, in the connection region between the spiral regions, the core 12, the connection wires 15, 16 and the insulating layer are formed by appropriate patterning or the like.
[0032]
As in the present embodiment, the coil 13 is rotated a plurality of times (two times in the present embodiment) at the same position in the core extension direction with respect to the magnetic core 12 formed on the substrate 11, thereby limiting It was possible to increase the number of turns of the coil 13 while maintaining the wiring cross-sectional area required for the coil within the substrate area thus set. As a result, a micro coil having a small size and a high magnetic flux density was realized.
[0033]
<Example 2>
This embodiment is a second embodiment of the microcoil according to the present invention. Similar to the first embodiment, the microcoil 10 according to the present embodiment includes a magnetic core 12 formed on a substrate 11 made of glass, a coil 13 surrounding the magnetic core 12, and a voltage for applying a voltage to the coil 13. The coil 13 has two electrode pads 14, and the coil 13 circulates around the magnetic core 12 a plurality of times to form one wiring as a whole.
[0034]
FIG. 6 is a diagram illustrating the repeating unit 18 of the coil 13 according to the present embodiment. The repetition unit 18 of this embodiment is constituted by four continuous spiral regions 17 and has a structure in which one repetition unit 18 makes seven rounds around the magnetic core 12. With the same configuration as that of the present embodiment, the structure in which the number of turns of one spiral region 17 is increased and the magnetic core 12 is made 4n-1 turns (n is a natural number of 2 or more) by four continuous spiral regions 17 is also provided. Possible ("4" comes from where the spiral shape is a quadrilateral). In the structure of this embodiment, the inner peripheral connection wiring 15 can be formed in the same layer as either the second lower wiring layer 23 or the first upper wiring layer 26. The manufacturing method is almost the same as the manufacturing method shown in FIG. 5 of the first embodiment. However, according to the structure of the present embodiment, the inner connection wiring 15 is formed by the second lower wiring layer 23 or the first upper wiring layer. 26.
[0035]
According to the present embodiment, although the number of coil turns per unit length is smaller than that of the first embodiment, a micro coil having a small magnetic flux density and a high magnetic flux density can be realized as compared with a conventional micro coil. Further, as compared with the first embodiment, the manufacturing process can be shortened and the cost can be reduced.
[0036]
<Example 3>
This embodiment is a third embodiment of the microcoil according to the present invention. Similar to the first embodiment, the microcoil 10 according to the present embodiment includes a magnetic core 12 formed on a substrate 11 made of glass, a coil 13 surrounding the magnetic core 12, and a voltage for applying a voltage to the coil 13. The coil 13 has two electrode pads 14, and the coil 13 circulates around the magnetic core 12 a plurality of times to form one wiring as a whole. In the present embodiment, the lower wiring structure having a high aspect ratio is manufactured by processing the substrate, so that the relatively large wiring density, which is difficult in the method of the first embodiment, can be partially reduced without reducing the cross-sectional area of the coil. , Thereby shortening the manufacturing process.
[0037]
The present embodiment is also characterized in that the wiring width (the wiring width in the magnetic flux direction of the core) partially changes. That is, the spiral region 17 includes a conductive material layer overlapped twice in the vertical direction with respect to the substrate surface and a conductive material layer stacked twice in the horizontal direction with respect to the substrate surface. The structure of the conductive material layer contributes to shortening of the manufacturing process), and the wiring width of the conductive material layer overlapped twice in the direction perpendicular to the substrate surface is the same as that of the conductive material layer overlapped twice in the direction parallel to the substrate surface. It is characterized in that it is at least twice the wiring width of the layer.
[0038]
FIG. 7 is a diagram showing the repeating unit 18 of the coil 13 according to the present embodiment, and FIG. 8 is a diagram in which FIG. In the coil 13 of the present embodiment, two spiral regions 17 that make two rounds around the magnetic core 12 form one continuous unit 18. By repeating the repeating unit 18, the coil 13 composed of continuous wiring is configured. In one spiral region 17, the first upper wiring layer 26 and the second upper wiring layer 28 overlap with the substrate surface in the horizontal direction above the magnetic core 12 (that is, twice in the direction perpendicular to the substrate surface). Under the magnetic core 12, the two lower wiring layers 31 overlap with the substrate surface in the vertical direction (ie, overlap with the substrate surface twice in the horizontal direction). The respective wiring layers and the magnetic cores 12 are stacked with an insulating layer interposed therebetween. Further, there is a side wiring 20 connecting the upper and lower wiring layers. The adjacent spiral regions 17 are connected via an inner connection wiring 15 connecting the inner circumferences or an outer connection wiring 16 connecting the outer circumferences. In the plurality of continuous spiral regions 17, the inner connection wiring 15 and the outer connection wiring 16 alternately appear.
[0039]
FIG. 9 is a diagram showing a partial arrangement of the coil 13 and a cross section of the microcoil 10 according to the present embodiment. The flow of the current in the coil 13 will be described with reference to the numbers shown on the side wirings 20 (here, the case where the current flows from the left side to the right side in FIG. 7 will be described). First, the inner periphery of the spiral region 17 shown in the AA 'section is entered through the inner periphery connection wiring 15, passes through the lower wiring layer 31 a, passes through 2, and passes through the first upper wiring layer 26. 3 reach the adjacent lower wiring layer 31b. Next, via 4, through the second upper wiring layer 28, it enters the adjacent spiral region 17 shown in the BB ′ section from the outer peripheral connection wiring 16. In the BB 'section, first, the outer periphery 5 passes through the lower wiring layer 31c, passes through 6, passes through the second upper wiring layer 28, and reaches the adjacent lower wiring layer 31d at 7. Next, the wiring 8 passes through the first upper wiring layer 26 to reach the inner peripheral connection wiring 15. Thereafter, the connection is made to the spiral region 17 of the adjacent repeating unit 18 via the inner connection wiring 15.
[0040]
In this embodiment, the wiring width of the lower wiring layer 31 is 12 μm, and the wiring height is 50 μm. The wiring width of the first upper wiring layer 26 and the second upper wiring layer 28 is 30 μm, and the wiring height is 20 μm. The interval between the spiral regions 17 adjacent to each other is 30 μm. The side wiring 20 has a height of 60 to 90 μm and a cross-sectional area in the height direction of about 1500 μm. 2 It is. The magnetic core 12 has a thickness of 50 μm, a width of 1 to 2 mm, and a magnetic path length of about 5 mm. The total number of turns of the coil 13 circling the magnetic core 12 is about 120 turns. The thickness of the insulating layer between each wiring layer and between the wiring layer and the magnetic core 12 is about 2 to 5 μm.
[0041]
A method for manufacturing the microcoil 10 according to this embodiment will be described with reference to FIGS.
First, a substrate 11 made of silicon is subjected to photolithography and C 4 F 8 Gas and SF 6 Processed by high-density plasma dry etching using gas, and an overlapping portion having a width of 12 μm and a depth of 50 μm (a portion having an overlapping portion in the direction perpendicular to the paper surface of FIG. ) Is formed (see FIG. 10A). For processing having such a high aspect ratio, in addition to high-density plasma dry etching, anisotropic etching of a single crystal silicon substrate having a (110) plane as a main surface, anodization, or the like can be used. .
[0042]
Next, the surface of the substrate 11 is thermally oxidized to form an in-substrate insulating layer 34 made of silicon dioxide. Then, after a seed electrode is formed on the surface of the substrate 11, the concave portion 33 is filled with copper using copper electroplating. Subsequently, the surface of the copper is flattened by using CMP (chemical mechanical polishing) to form a lower wiring layer 31 (see FIG. 10B). Next, a lower insulating layer 32 having a thickness of 2 μm is formed by a normal pressure chemical vapor deposition method using TEOS (tetraethylorthosilicate) as a main material (see FIG. 10B). As a method for forming the lower insulating layer 32, a sputtering method, a coating method, or the like can be used.
[0043]
Next, the magnetic core 12 is formed (see FIG. 10C). In the method of forming the magnetic core 12, first, a seed electrode (not shown) made of permalloy is formed to a thickness of 100 nm by a sputtering method. Next, a resin mold (not shown) having a thickness of 70 μm is formed, permalloy is formed to a thickness of 50 μm by electroplating, and then the resin mold and unnecessary seed electrodes are removed by etching. The resin mold was formed by applying an acrylic resin having photosensitivity and performing patterning by photolithography to remove the resin in the wiring portion. As a material for the resin mold, an epoxy resin, benzocyclobutene, or the like can be used in addition to the acrylic resin. It is desirable that these resins also have photosensitivity that can use a photolithography technique. Up to this point, the portion of the lower insulating layer 32 where the side wiring is to be formed has been removed.
[0044]
Next, the first upper insulating layer 25 is formed (see FIG. 10D). The first upper insulating layer 25 is formed by applying an epoxy-based chemically amplified resist, patterning by photolithography, removing the resin at the wiring portion, and performing heat treatment. The surface of the first upper insulating layer 25 is about 60 μm above the surface of the substrate 11. Next, lower portions of the inner connection wiring 15 and the side wiring 20 are formed by electroless plating of Cu. Subsequently, a first upper wiring layer 26 having a thickness of 20 μm is formed (see FIG. 10D). In the method of forming the first upper wiring layer 26, first, a seed electrode (not shown) made of gold and titanium is formed to a thickness of 100 nm. Next, a resin mold (not shown) having a thickness of 30 μm is formed, copper electroplating having a thickness of 20 μm is performed, and then the resin mold and unnecessary seed electrodes are removed by etching. The resin mold is formed by applying an acrylic resin having photosensitivity, patterning the resin by a photolithography technique, and removing the resin in the wiring portion.
[0045]
Next, a second upper insulating layer 27 is formed (see FIG. 10E). The second upper insulating layer 27 is formed by applying an epoxy resin having photosensitivity, patterning by a photolithography method, removing the resin in the wiring portion, and performing a heat treatment. Finally, the upper part of the side wiring 20 is formed by electroless plating of Cu, and the second upper wiring layer 28 and the outer peripheral connection wiring 16 are formed by the same method as that of the first upper wiring layer 26 (FIG. 10). (E)).
[0046]
According to this embodiment, a micro coil having a small size and a high magnetic flux density can be provided. Further, although the number of turns of the coil per unit length is the same as that of Example 1, the number of electrode layers formed during the manufacturing is one less, so that the manufacturing process can be shortened and the cost can be reduced. In addition, since almost half of the wiring is buried in the silicon substrate 11 having high thermal conductivity, a coil having particularly excellent heat dissipation can be realized.
[0047]
<Example 4>
This embodiment is a transformer using the microcoil 10 according to the present invention. FIG. 11 shows the configuration of the transformer according to the present embodiment. A coil A35 and a coil B36 having different numbers of turns are circling one core 12. The coil A35 and the coil B36 manufactured according to the present invention are terminated with two electrode pads 14, respectively.
[0048]
The operation method of the transformer according to the present embodiment is, for example, such that the input AC voltage is input to the two electrode pads 14 connected to the coil A35, and the output AC voltage induced in the coil B36 is applied to the two electrode pads 14 connected to the coil B36. By taking it out from the electrode pad 14, the pressure can be changed. According to this embodiment, a compact and high-performance transformer could be provided.
[0049]
<Example 5>
The present embodiment is a micro scanner using the micro coil 10 according to the present invention. FIG. 12 shows the configuration of the micro scanner according to the present embodiment. The deflection plate 43 is supported on the support substrate 41 by two torsion bars 42. A magnet 44 is joined to a side surface of the deflecting plate 43. The magnet 44 of the deflecting plate 43 is installed so as to be close to the two magnetic poles 40 of the fixed electromagnet composed of the magnetic core 12. The size of the micro scanner according to the present embodiment is about 4 mm × 6 mm.
[0050]
In the driving method of the micro scanner according to the present embodiment, first, a voltage is applied between the two electrode pads 14 to flow a current through the coil 13. As a result, a magnetic flux flows through the magnetic core 12 and acts on the magnet 44 from the two magnetic poles 40 to deflect the deflection plate 43 (that is, swing around the torsion center axis of the two torsion bars 42). In the present embodiment, the torsion bar 42 has a torsional resonance frequency of 10 kHz, and by applying a voltage to the coil 13 at this frequency, the deflection plate 43 can be driven at a frequency of 10 kHz and a deflection angle of ± 10 °. According to this embodiment, it is possible to realize a small-sized micro scanner having a large deflection angle.
[0051]
【The invention's effect】
As described above, according to the coil of the present invention, the number of turns of the coil portion can be increased without increasing the magnetic path length of the core portion and without reducing the cross-sectional area of the coil portion. A coil such as a microcoil that can increase the flowing magnetic flux density has been realized. Also, a compact and high output electromagnetic actuator was realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a top view showing a microcoil according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a part of the microcoil according to the first embodiment.
FIG. 3 is a perspective view of a part of the microcoil according to the first embodiment, excluding a core;
FIG. 4 is a diagram for explaining a coil wiring method of the microcoil according to the first embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a step of manufacturing the microcoil according to the first embodiment.
FIG. 6 is a perspective view, excluding a core, for explaining a coil wiring method of a microcoil according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a perspective view excluding a core for explaining a coil wiring method of a microcoil according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 8 is an exploded perspective view, excluding a core, for explaining a coil wiring method of a microcoil according to a third embodiment.
FIG. 9 is a diagram for explaining a coil wiring method of a microcoil according to a third embodiment.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a step of manufacturing the microcoil according to the third embodiment.
FIG. 11 is a top view illustrating a transformer according to a fourth embodiment.
FIG. 12 is a top view illustrating a micro scanner according to a fifth embodiment.
FIG. 13 is a top view showing a conventional transformer.
[Explanation of symbols]
1-8 Connecting part of coil
10 micro coil
11 Substrate
12 core
13 coils
14 electrode pad
15 Internal connection wiring
16 Peripheral connection wiring
17 Spiral area
18 Repeating unit
20 Side wiring
21 1st lower wiring layer
22 First lower insulating layer
23 Second lower wiring layer
24 Second lower insulating layer
25 First upper insulating layer
26 First Upper Wiring Layer
27 Second upper insulating layer
28 Second upper wiring layer
31, 31a-d Lower wiring layer
32 Lower insulating layer
33 recess
34 Insulation layer in substrate
35 Coil A
36 Coil B
40 magnetic poles
41 Support substrate
42 torsion bar
43 Deflection plate (mirror)
44 magnet