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JP2004006061A - 照明装置、その照明装置をフロントライトとして備える電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

照明装置、その照明装置をフロントライトとして備える電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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JP2004006061A JP06850099A JP6850099A JP2004006061A JP 2004006061 A JP2004006061 A JP 2004006061A JP 06850099 A JP06850099 A JP 06850099A JP 6850099 A JP6850099 A JP 6850099A JP 2004006061 A JP2004006061 A JP 2004006061A
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Abstract

【課題】導光板の表面から放出される漏洩光の漏洩方向を制御することによって視認性の低下を抑制し、面状発光体としての性能を向上させる。
【解決手段】導光板12の板面上において斜め上方に向いた面部分12b−1と、斜め下方に向いた面部分12b−2とが設けられている。これらの面部分12b−1,12b−2は、主たる視認方向Fに対して導光板12の板面上の方位成分がずれた漏洩光12B−1,12B−2を形成するため、漏洩光12Bの方位分布が従来に対して変化し、漏洩光のピーク方位が視認方向Fの両側にそれぞれ形成され、しかも、双方のピーク強度が著しく低下する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は照明装置及びその照明装置を備えた電気光学装置に関する。特に、電気光学装置の表示面の前面に配置され、暗所では表示面を照明するとともに明所では表示面を透視可能に構成するフロントライトとして好適な照明装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から携帯機器などにはその表示部分に用いる電気光学装置として、消費電力の小さい反射型の液晶表示パネルが用いられているが、夜間などの暗所では表示が見えないという問題点がある。一方、透過型の液晶表示パネルはバックライトを備えていることから暗所でも表示を見ることができるが、バックライトの消費電力が多いとともに、明るい昼間に建物の外部で使用する場合には周囲が明るいために却って表示が見にくくなるという問題点がある。
【0003】
上記の問題点を解決するために、反射型の液晶表示パネルの前面に導光板を設置し、導光板の端部近傍に配置した冷陰極管などの光源からの光を導光板内に導入し、導光板の板面から液晶表示パネルに向けて光を照射することによって暗所でも表示を見ることができるようにした面状発光体であるフロントライトを備えた液晶表示装置が提案されている。フロントライトを備えた液晶表示装置において、昼間は導光板を通して液晶表示パネルを視認できるため、通常の反射型の液晶表示パネルとして用いることができ、暗所ではフロントライトを点灯することによって液晶表示パネルを照明し、導光板を透視することにより表示を視認可能とすることができる。
【0004】
図11には、従来の液晶パネル用のフロントライト20の模式的な概略平面構造を示し、図12には、フロントライト20の模式的な概略拡大断面図を示す。フロントライト20は、冷陰極管などの光源21と、光源21からの光を端面22dから導入して図示右側へと導くように板状に形成されたアクリル樹脂などの高屈折率素材からなる導光板22と、光源21を取り囲むように配置されたリフレクター23とから構成される。導光板22の表面上には緩い傾斜角を有する緩斜面部22aと、緩斜面部22aよりも急な傾斜角を有する急斜面部22bとが図示右側に向けて周期的に形成されている。これらの緩斜面部22aと急斜面部22bとから構成される楔状の突部はそれぞれストライプ状に図の紙面方向に伸びるように構成されている。一方、導光板22の裏面22cは平坦に形成されている。
【0005】
光源21から光が導光板22の内部へ導入されると、導光板22の内面において全反射し、図示右側へ伝わっていくが、急斜面部22bにおいて全反射すると裏面22cに向かい、そのまま照明光22Aとして裏面22cから図示下方へと放出される。このため、導光板22の板面において光を下方へ照射することができる。なお、導光板22の上方から導光板を視認すると、導光板22自体は透明素材で形成されているために導光板22を透過してその下方の表示を視認することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のフロントライト20においては、急斜面部22bにおける全反射を利用して光源21から発せられた光を下方へと照射しているが、急斜面部22bに入射する光の角度によっては全反射されずに図示のように導光板22の上方へと漏洩する漏洩光22Bが生ずる。急斜面部22bは導光板22の内部を伝搬する伝搬光の進行方向と直交する方向に帯状に形成されているので、この漏洩光22Bはフロントライト20を通して表示面を視認する場合に帯状に見えてしまい、フロントライト20の下方に配置された表示面の視認性を悪化させる。
【0007】
上記の漏洩光22Bは、急斜面部22bの傾斜角度を小さくすれば急斜面部22bへの光の入射角が大きくなるために低減されるが、急斜面部22bの傾斜角度を小さくすると、光源21から発せられた光が下方へ向かう照明光22Aとして放出されにくくなるとともに照明光22Aも斜めに放出されるため、照明光率が低下する。したがって、照明光率の向上と漏洩光の低減とを両立させることが困難であるという問題点がある。
【0008】
一般に、上述のようなフロントライト20を液晶パネルの前面に配置する場合には、フロントライト20の照明光22Aが角度特性を持っているので図示右側からやや斜めに視認するように機器を設定する、すなわち、機器の主たる視認方向Fを矢印のようにすることが表示の明るさを有効に利用する上で最も好ましい。このように設定した場合、上記の漏洩光22Bもまた、視認方向へと放出されるため、表示は明るいもののコントラストが低下するなど、漏洩光22Bによる視認性の低下を招くという問題点がある。図9(a)及び(b)に漏洩光22Bの出射方向(方位角α、角度β)による強度分布を表す等強度曲線を実線で示す。同図において方位角αは主たる視認方向Fから反時計回りとなる方向の角度であり、角度βは液晶パネル面の法線方向に対する傾き角度である。また図10は方位角αと出射光強度の関係を角度β毎に示したグラフである。同図において主たる視認方向は方位角α=0度である。このように主たる視認方向Fと漏洩光22Bの強度ピーク方向とが一致しているため、十分な視認性の向上が得られない。
【0009】
これに対して、一部の機種においては、図11中に一点鎖線で示すように上記緩斜面部22aと急斜面部22bとを交互に配列する方向を主たる視認方向Fに対して斜めに傾斜させるようにしたものがある。このようにすると、図9及び図10に一点鎖線にて示すように、漏洩光22Bの強度ピーク方向が主たる視認方向Fから外れるため、視認性が向上する。しかし、この方法では漏洩光22Bの強度ピークを外すことによって表示の明るさのピーク方向も外れるために表示がやや暗くなるとともに、ずれた方向から視認すると漏洩光22Bの強度ピークに合致して視認性が急激に悪化するという問題点がある。
【0010】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、導光板の表面から放出される漏洩光の漏洩方向を制御することによって視認性の低下を抑制し、照明装置としての性能を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、以下の通りである。
【0012】
すなわち本発明の照明装置は、光源と、該光源の発する光をその端面から導入させ主として一方の板面から出射する導光板とを備えた照明装置であって、前記導光板の一方の板面と対向する他方の板面には前記光源からの光をその入射角度に応じて一方の面側に向けて反射させる、あるいは前記他方の板面から出射させる反射面部が設けられており、前記反射面部は少なくとも第1の面及び第2の面を備えており、前記第1の面から出射する前記光の出射方向と前記第2の面から出射する前記光の出射方向とが異なることを特徴とする。尚、ここでいう光の出射方向とは、最も光強度が強い出射方向を示す。
【0013】
本発明の照明装置によれば、反射面部から漏洩光が視認者側に漏洩しても、反射綿部が第1の面及び第2の面とを備え、その第1及び第2の面のそれぞれが異なる出射角度で漏洩光を放出するので、漏洩光が一方向に集中することなく分散ため、漏洩光に起因する視認性の低下を抑制することができる。
【0014】
尚、第1の面及び第2の面から出射される漏洩光の出射方向が主たる視認方とは異なる方向に出射されるように第1の面及び第2の面の形成角度を設定すると好ましい。こうすることにより主たる視認方向に一致若しくは近接する方向に多くの漏洩光が放出されないように構成でき、主たる視認方向から見た場合の視認性を向上させることができる。
【0015】
また本発明の照明装置の他の一の態様にあっては、前記導光板の面上に投影した前記第1の面から出射する光の出射方向と、前記導光板の面上に投影した前記第2の面から出射する光の出射方向とのなす角度θが0°<θ<180°であることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば使用者が導光板を視認する方位角とを変えたとしても、第1及び第2の面のそれぞれが異なる出射角度で漏洩光を放出するので、漏洩光が一の方位方向に集中することなく分散ため、漏洩光に起因する視認性の低下を抑制することができる。
【0017】
また、本発明の照明装置の他の態様にあっては、前記第1の面と前記第2の面とは交互に且つ連続的に設けられていることを特徴とする。例えば、複数の反射面部分が周期的に繰り返し形成され、若しくは、反射面部が曲面である場合にあては、その曲面部が周期的形状を備えていることが好ましい。特に、十分に微細な周期で形成されていると好ましい。こうすることにより、照明光や透過光の輝度ムラが防止されるとともに導光板の製造も容易になるからである。
【0018】
本発明の照明装置に用いる導光板としては、アクリル樹脂などの高屈折率の高分子体を好適に利用することができ、また、反射面部は導光板の一方の面の平行面に対して所定角度で設けられた斜面であると好ましい。
【0019】
また本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学層を挟持してなり前記電気光学層の一方の側に反射膜が配置された電気光学素子と、前記電気光学素子の観察者側に配置されており、光源と該光源の発する光をその端面から導入させ主として前記電気光学素子側に向けて出射する導光板とを備えた照明装置と、を備えた電気光学装置であって、前記導光板の観察者側の面には前記光源からの光をその入射角度に応じて前記電気光学素子側に向けて反射させる、あるいは前記観察者側の面から出射させる反射面部と、前記電気光学素子を前記観察者側から透視可能な透過面部と、が設けられており、前記反射面部は第1の面及び第2の面を備えており、前記第1の面から出射する前記光の出射方向と前記第2の面から出射する前記光の出射方向とが異なることを特徴とする。
【0020】
本発明の電気光学装置に用いる電気光学素子としては電気光学素子としてSTN液晶層、ECB液晶層、TN液晶層などの液晶層を利用した液晶表示素子を好適に利用できる。
【0021】
本発明の照明装置によれば、反射面部から漏洩光が視認者側に漏洩しても、反射面部が第1の面及び第2の面とを備え、その第1及び第2の面のそれぞれが異なる出射角度で漏洩光を放出するので、漏洩光が一方向に集中することなく分散するため、漏洩光に起因する視認性の低下を抑制することができる。
【0022】
尚、第1の面及び第2の面から出射される漏洩光の出射方向が主たる視認方とは異なる方向に出射されるように第1の面及び第2の面の形成角度を設定すると好ましい。こうすることにより、主たる視認方向に一致若しくは近接する方向に多くの漏洩光が放出されないように構成でき、主たる視認方向から見た場合の視認性を向上させることができる。
【0023】
また本発明の電気光学装置の一の態様にあっては、前記導光板の面上に投影した前記第1の面から出射する光の出射方向と、前記導光板の面上に投影した前記第2の面から出射する光の出射方向とのなす角度θが0°<θ<180°であることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば使用者が電気光学装置を視認する方位角とを変えたとしても、第1及び第2の面のそれぞれが異なる出射角度で漏洩光を放出するので、漏洩光が一の方位方向に集中することなく分散するため、漏洩光に起因する視認性の低下を抑制することができる。
【0025】
また、本発明の電気光学装置の他の態様にあっては、前記第1の面と前記第2の面とは交互に且つ連続的に設けられていることを特徴とする。例えば、複数の反射面部分が周期的に繰り返し形成され、若しくは、反射面部が曲面である場合にあては、その曲面部が周期的形状を備えていることが好ましい。特に、十分に微細な周期で形成されていると好ましい。こうすることにより、照明光や透過光の輝度ムラが防止されるとともに導光板の製造も容易になるからである。
【0026】
本発明の電気光学装置に用いる導光板としては、アクリル樹脂などの高屈折率の高分子体を好適に利用することができ、また、反射面部は導光板の一方の面の平行面に対して所定角度で設けられた斜面であると好ましい。
【0027】
本発明の電子機器は、表示部として電気光学装置を搭載しており、前記電気光学装置に画像信号を供給する入力手段を備える電子機器であって、前記電気光学装置は、一対の基板間に電気光学層を挟持してなり前記電気光学層の一方の側に反射膜が配置された電気光学素子と、前記電気光学素子の観察者側に配置されており、光源と該光源の発する光をその端面から導入させ主として前記電気光学素子側に向けて出射する導光板とを備えた照明装置と、を備えた電気光学装置であって、前記導光板の観察者側の面には前記光源からの光をその入射角度に応じて前記電気光学素子側に向けて反射させる、あるいは前記観察者側の面から出射させる反射面部と、前記電気光学素子を前記観察者側から透視可能な透過面部と、が設けられており、前記反射面部は第1の面及び第2の面を備えており、前記第1の面から出射する前記光の出射方向と前記第2の面から出射する前記光の出射方向とが異なることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る照明装置であるフロントライト10の概略構造を模式的に示す概略平面図、図2は図1のフロントライト10のII−IIにおける概略構造を模式的に示す概略断面図である。この実施形態において、フロントライト10は、冷陰極管等からなる光源11と、光入射端面である端面12dから光を導入するように構成され、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などからなり射出成形などにより形成される透明な導光板12と、光源11の周囲を取り囲む図示しないリフレクタとから構成されている。導光板12の表面上には、平面ストライプ状の透過面部として緩斜面部12a及び反射面部として急斜面部12bがそれぞれの突出端にて相互に接続されたくさび状の突起を構成するように設けられ、これが図示左右方向に繰り返し形成されている。また、導光板22の裏面12cは平坦面となっている。
【0030】
光源11から発せられた光は、導光板12の端面12dから内部に入射し、図示右側へ伝搬しながら急斜面部12bに照射された光が全反射によって反射され、裏面12cから図示下方へ照明光12Aとして放出されるのは従来と同様である。また、急斜面部12bに照射された光のうちの一部は全反射されずに漏洩光12Bとして斜め上方へ放出されるのも同様である。
【0031】
本実施形態おいては、反射面部としての急斜面部12bには図1に示すように、導光板12の板面上において主たる視認方向Fに対して斜めに向いた面部分12b−1(第1の面)と、この面部分とは逆側に斜めに向いた面12b−2(第2の面)とが設けられている。これらの面部分12b−1,12b−2は、それぞれの面の法線方向が主たる視認方向Fとは異なる方位角を持ち、かつ視認方向Fに対して対称であることから図1に示すように、主たる視認方向Fに対して導光板12の板面上の方位成分が両側にずれた漏洩光12B−1,12B−2を形成するため、漏洩光12Bの方位分布が従来に対して変化し、図7及び図8に示すように、漏洩光12Bのピーク方位が視認方向の両側にそれぞれ形成され、しかも、双方のピーク強度が著しく低下する。このため、主たる視認方向Fから見た場合には漏洩光12Bによる視認性の低下がほとんど感じられなくなると同時に、視認方向を多少変えても漏洩光12Bの強度の絶対値が低下しているため、大きな視認性の低下をおこさないという効果が得られる。さらに、面部分12b−1,12b−2によって照明光12Aの照射方向に、光源光の進行方向に対して交差する方向の光成分が生ずるため、照射光の照射角度が主たる視認方向Fから見て偏ることなく照明を行うことが可能になる。
【0032】
また、本実施形態では、急斜面部12bの2つの面部分12b−1,12b−2が主たる視認方向の両側にずれた方向に向いているため、すなわち、主たる視認方向へ漏洩光を導かないように、作用面部である急斜面部12bが主たる視認方向Fの側に向く面方位を避けて形成されているため、照明光12Aによる表示の明るさを大きく減ずることなく、漏洩光12Bを効果的に減少させることに成功している。また、面部分12−1,12b−2は交互に繰り返し形成されているため、導光板12の透視特性を悪化させることがなく、照明光や透過光の均一性を確保することができるとともに、射出成形などにより導光板12を成形する場合でも金型製作が容易である。
【0033】
上述の面部分12b−1、12b−2は平面で形成されているので互いの面は辺により接しているが、面部分12b−1、12b−2を連続する曲面で形成してもよい。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る照明装置であるフロントライトの第2実施形態について図3及び図4を参照して説明する。図3は本発明に係る照明装置であるフロントライトの概略構造を模式的に示す概略平面図、図4は図3のフロントライトのIV−IVにおける概略構造を模式的に示す概略断面図である。この実施形態では、導光板14の表面形状以外は上記の第1実施形態と全く同様である。導光板14の表面形状は、比較的緩い角度で傾斜した透過面部としての緩斜面部14aと、この緩斜面部14aの頂部に隣接する反射面部としての急傾斜の急斜面部14bと、急斜面部14bと緩斜面部14aとの間に部分的に設けられた平坦面部14eとから構成されている。
【0035】
ここで、緩斜面部14aと急斜面部14bとは、図3に示すように平面視したときに波形となる境界形状を備えており、急斜面部14bにはその波形の頂点を境として第1の面と第2の面とが順次連続的に形成されている。また、光源11から発せられる光の進行方向(図示右方向)には、上記緩斜面部14aと急斜面部14bからなる波状の帯が半周期上下方向にずれた状態で順次配列されている。このため、或る波状の帯と、これに隣接する波状の帯との間には、波の周期毎に両者が離反する領域が設けられ、この領域が上記平坦面部14eとなっている。
【0036】
この実施形態では、急斜面部14bの面の法線の方位角が帯状の延長方向に沿って約90度近い角度幅で周期的かつ連続的に変動している。このため、漏洩光14Bもまた、上記角度幅に分散される。したがって、主たる視認方向Fから見た場合でも、ピーク形状が極めてなだらかになり、漏洩光14Bによる視認性の低下が抑制される。
【0037】
反射面部と透過面部との繰り返し構造は、第1実施形態に示すように導光板の光の伝搬方向に見て同じ周期で形成されていてもよいが、本実施形態のように半周期ずれるなど、異なる周期で形成されていてもよい。また、反射面部は上記のようにストライプ状に伸びている必要はなく、導光板の板面上に分散配置されているなど、種々の態様で板面上に形成されていてもよい。
【0038】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る面状発光体であるフロントライトの第3実施形態について図5及び図6を参照して説明する。図5は本発明に係る面状発光体であるフロントライトの概略構造を模式的に示す概略平面図、図6(a)は図5のフロントライトのVI−VIにおける概略構造を模式的に示す概略断面の拡大図、図6(b)は図5のフロントライトの表面形状を示す平面図の拡大図である。この実施形態は、導光板16の表面には、第1実施形態とほとんど同様に、透過面部としての緩斜面部16aと反射面部としての急斜面部16bとが形成され、急斜面部16bには、相互に異なる方向に向いた面部分16b−1(第1の面),16b−2(第2の面)が設けられて、これらの面部分16b−1,16b−2は、急斜面部16bの延長方向に周期的に交互に配列されている。
【0039】
本実施形態では、光源11の発する光が導光板16に入射する光入射端面である端面16dに、異なる法線方向を持つ端面部16d−1,16d−2が形成されている。これらの端面部16d−1,16d−2は、光源11から発せられた光の方向を導光板16への入射時に変え、導光板16の内部の伝搬光を、主として進行方向の異なる2つの伝搬光16D−1,16D−2に分けるように、相互に異なる法線方向を備えたものとなっている。ここで、伝搬光16D−1は急斜面部16bのうち面部分16b−1の形成された領域を通過し、伝搬光16D−2は急斜面部16bのうち面部分16b−2の形成された領域を通過するように、端面部16d−1,16d−2及び面部分16b−1,16b−2が形成配置されている。
【0040】
このように形成することにより、導光板16においては、2つの異なる方向を向いた面部分16b−1,16b−2に照射される光は、ほとんど面部分の最大傾斜方向に沿った方向から来る伝搬光16D−1,16D−2であることとなるため、急斜面部16bの実際の傾斜角を伝搬光に対する実効的な傾斜角として作用させることが可能になる。
【0041】
すなわち、図1に示す第1実施形態における急斜面部の各面部分は、光源11から図示右側の進行方向に進む光に対して、実際の傾斜角よりも低い傾斜角として作用する。すなわち、図6に示すように上記光の進行方向に対して斜めに形成された面部分16b−2について考えてみると、面部分16b−2の最大傾斜線を含む垂直面V2上に進行方向を有する光に対しては面部分16b−2の傾斜角はθであるが、図示右側へ進む光の進行方向を含む垂直面V1上に進行方向を有する第1実施形態の伝搬光に対しては面部分16b−2の傾斜角はψとなり、この傾斜角ψは上記θよりも小さくなる。
【0042】
一方、急斜面部の傾斜角度は、照明光12Aの放出特性と漏洩光12Bの漏洩特性とを決定するため、通常の導光板では照明光率が高く、しかも、漏洩光によって視認性が悪化しないように精密に設定される。したがって、第1実施形態において、図12に示す従来の導光板20の傾斜面部22bと同様の作用を発揮させるためには、図1に示す急斜面部12bの傾斜角を従来の導光板よりも大きくしなければならない。
【0043】
しかしながら、本実施形態では、光源11から発せられた光の進行方向を端面16dによって2つの方向にほぼ集約し、伝搬光が各面部分16b−1,16b−2の最大傾斜線を含む垂直面V2に含まれる方向に進み、当該面部分に照射されるように構成されているので、面部分の傾斜角度を変更しなくても傾斜角度を変更した場合とほぼ同様の効果を得ることができる。また、このようにすると、16b−1,16b−2の各面部分において全反射されて放出される照明光は、裏面に対して垂直な方向に放出される光成分が多くなり、照明光率を向上させることができるという利点もある。
【0044】
(第4実施形態)
図13は上述した第1実施形態に記載の照明装置をのフロントライトとして搭載した電気光学装置の例である。この構成例においては、反射型液晶表示素子30の前面にフロントライト10を配置している。反射型液晶表示素子30においては、下基板31と上基板32とがシール材を介して貼りあわせた液晶セル内に電気光学材料として液晶が封入されている。基板31の内面側には反射膜を兼ねたデータ信号電極31aが形成され、対向基板32の内面上には透明な走査信号電極32aが形成されている。データ信号電極31aと走査信号電極32aとはマトリクス状に配置されており、両電極の間の液晶に印加した電圧を変化させることによって画像形成を行う。反射型液晶表示装置の30の有効表示領域にほぼ対応した前面位置にフロントライト10の導光板12が配置されている。尚、反射型液晶表示素子とフロントライト10との間には、偏光板、散乱板、位相差板等の各種光学要素が配置されるがここではその説明及び図示は省略する。
【0045】
また、本実施形態においては反射膜を下基板31の内面に形成しているが下基板31の外面側に反射膜を設けてももちろんかまわない。
【0046】
また、本実施の形態においては走査信号電極32aを上側基板32上に設け、データ信号電極31aを下側基板31上に設けているが、上側基板32上にデータ信号線を形成し、下側基板31上に走査信号線を形成してもよい。
【0047】
なお、本実施例においてはいわゆる単純マトリクス型の液晶表示素子を利用する例を示したが、TFTに代表される3端子素子、又はTFD素子に代表される2端子素子を基板31又は基板32上に設けるいわゆるアクティブマトリクス型の液晶表示素子も好適に使用できる。
【0048】
本実施の形態によれば、周囲が明るい場合すなわち照明装置を消灯した状態で電気光学装置を用いる場合にあっては、使用者は、図1における透過面部である緩斜面部12aから導光板に入射し、反射膜31aによって反射された光による画像を透過面部である緩斜面部12aから透視することによって反射型液晶表示素子に形成された画像を視認することができる。
【0049】
一方、周囲が暗い場合すなわち照明装置を点灯した状態で電気光学装置を用いる場合にあっては、使用者は、反射面部である急斜面部12bによって反射されることによって反射型液晶表示素子に入射し、そして反射膜31aによって反射された光による画像を透過面部である緩斜面部12aから透視することによって反射型液晶表示素子に形成された画像を視認することができる。
【0050】
本実施形態の電気光学装置によれば、反射面部としての急斜面部12bには図1に示すように、導光板12の板面上において主たる視認方向Fに対して斜めに向いた面部分12b−1(第1の面)と、この面部分とは逆側に斜めに向いた面12b−2(第2の面)とが設けられている。これらの面部分12b−1,12b−2は、それぞれの面の法線方向が主たる視認方向Fとは異なる方位角を持ち、かつ視認方向Fに対して対称であることから図1に示すように、主たる視認方向Fに対して導光板12の板面上の方位成分が両側にずれた漏洩光12B−1,12B−2を形成するため、漏洩光12Bの方位分布が従来に対して変化し、図7及び図8に示すように、漏洩光12Bのピーク方位が視認方向の両側にそれぞれ形成され、しかも、双方のピーク強度が著しく低下する。このため、主たる視認方向Fから見た場合には漏洩光12Bによる視認性の低下がほとんど感じられなくなると同時に、視認方向を多少変えても漏洩光12Bの強度の絶対値が低下しているため、大きな視認性の低下をおこさないという効果が得られる。さらに、面部分12b−1,12b−2によって照明光12Aの照射方向に、光源光の進行方向に対して交差する方向の光成分が生ずるため、照射光の照射角度が主たる視認方向Fから見て偏ることなく照明を行うことが可能になる。
【0051】
また、本実施形態では、急斜面部12bの2つの面部分12b−1,12b−2が主たる視認方向の両側にずれた方向に向いているため、すなわち、主たる視認方向へ漏洩光を導かないように、反射面部である急斜面部12bが主たる視認方向Fの側に向く面方位を避けて形成されているため、照明光12Aによる表示の明るさを大きく減ずることなく、漏洩光12Bを効果的に減少させることに成功している。また、面部分12−1,12b−2は交互に繰り返し形成されているため、導光板12の透視特性を悪化させることがなく、照明光や透過光の均一性を確保することができるとともに、射出成形などにより導光板12を成形する場合でも金型製作が容易である。
【0052】
尚、本実施形態においては、実施例1に記載の照明装置をフロントライトとし用いたが、第2実施例2の照明装置及び第3実施例の照明装置を電気光学装置のフロントライトとして用いても本実施の形態と同様の作用・効果が得られることはいうまでもない。
【0053】
(第5実施形態)
次に、本発明による電気光学装置を表示部として備える電子機器について図14を用いて説明する。本実施例は第4実施例における電気光学装置を表示部として適用した各種の電子機器からなる。
【0054】
まず、第4実施例における電気光学装置を、例えば図14(a)に示すような携帯電話1000の表示部1001に適用すれば夜間でも昼間でも視認識可能であり、特に照明装置を点灯した場合における視認性が良好な携帯電話が実現する。尚、反射型液晶表示素子30に供給される画像信号は各種入力手段(図示せず)によって入力されるが、携帯電話の場合における入力手段の具体例としてはダイヤルボタンや、着信した信号を画像信号に変換して反射型液晶表示素子に送出する信号送出回路等があげられる。
【0055】
更に、図14(b)に示すような腕時計1100の表示部1101に適用すれば、昼夜を問わず視認可能であり、特に照明装置を点灯した場合における視認性が良好な腕時計が実現する。尚、反射型液晶表示素子30に供給される画像信号は入力手段によって供給されるが、腕時計の場合の入力手段は主としてクロック信号を画像信号に変換して反射型液晶表示素子に送出する信号送出回路があげられる。
【0056】
更に、図14(c)に示すようなパーソナルコンピュータ(或いは、情報端末)1200において、キーボード1202付の本体1204に開閉自在に取り付けられるカバー内に設けられる表示画面1206に適用すれば、昼夜を問わず視認可能であり、特に照明装置を点灯した場合における視認性が良好なパーソナルコンピュータが実現する。尚、反射型液晶表示素子30に供給される画像信号は、パーソナルコンピュータの場合、主としてキーボード1200から入力される信号に基づいて決定される。
【0057】
上記各実施形態は、光源から発せられる光の当初の進行方向若しくは主たる視認方向Fに対して板面上において異なる法線方向を備えた2つの面部分を有する作用面部、又は、連続的に法線方向が変化する作用面部を備えた例について説明したが、異なる法線方向を持つ3つ以上の面部分を備えたものでもよい。また、上記実施形態のように各面部分や作用面部の形状は周期的に連続している必要はなく、ランダムに配列されていても、或いは、相互に分散配置されていてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、反射面部から漏洩光が視認者側に漏洩しても、反射面部が所定の面方位分布を備えていることにより、例えば、相互に異なる面方向を有する複数の面部分を有するか、若しくは、作用面部が面方位の漸次変化する曲面部を有することにより、漏洩光の放出方向が所定方向に集中することなく分散するため、漏洩光に起因する視認性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る照明装置の第1実施形態の模式的な概略平面図である。
【図2】第1実施形態の模式的な概略拡大断面図である。
【図3】本発明に係る照明装置の第2実施形態の模式的な概略平面図である。
【図4】第2実施形態の模式的な概略拡大断面図である。
【図5】本発明に係る照明装置の第3実施形態の模式的な概略平面図である。
【図6】第2実施形態の拡大部分断面図(a)及び拡大部分平面図(b)である。
【図7】第1実施形態の漏洩光の強度分布を示すグラフ(a)及びその説明図(b)である。
【図8】第1実施形態の漏洩光強度の方位角依存性を示すグラフである。
【図9】従来のフロントライトにおける漏洩光の強度分布を示すグラフである。
【図10】従来のフロントライトにおける漏洩光強度の方位角依存性を示すグラフである。
【図11】従来のフロントライトの模式的な概略平面図である。
【図12】従来のフロントライトの模式的な概略拡大断面図である。
【図13】第1実施例乃至第3実施例に記載の照明装置を電子光学装置のフロントライトとして利用した場合の構成例を示す図である。
【図14】本発明の第5実施例に係わる各種電子機器の外観図(a)〜(c)である。
【符号の説明】
10 フロントライト
11 光源
12,14,16 導光板
12a,14a,16a 緩斜面部
12b,14b,16b 急斜面部
12b−1,12b−2,16b−1,16b−2 面部分
16e 平坦面部

Claims (9)

  1. 光源と、該光源の発する光をその端面から導入させ主として一方の板面から出射する導光板とを備えた照明装置であって、
    前記導光板の一方の板面と対向する他方の板面には前記光源からの光をその入射角度に応じて一方の面側に向けて反射させる、あるいは前記他方の板面から出射させる反射面部が設けられており、
    前記反射面部は少なくとも第1の面及び第2の面を備えており、前記第1の面から出射する前記光の出射方向と前記第2の面から出射する前記光の出射方向とが異なることを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記導光板の面上に投影した前記第1の面から出射する光の出射方向と、前記導光板の面上に投影した前記第2の面から出射する光の出射方向とのなす角度θが0°<θ<180°であることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1に記載の面状発光体において、
    前記第1の面と前記第2の面とは交互に且つ連続的に設けられていることを特徴とする照明装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の電気光学において、
    前記導光板は実質的に透明な部材からなり、前記反射面部は前記一方の面の平行面に対して所定角度で設けられた斜面であることを特徴とする照明装置。
  5. 一対の基板間に電気光学層を挟持してなり前記電気光学層の一方の側に反射膜が配置された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の観察者側に配置されており、光源と該光源の発する光をその端面から導入させ主として前記電気光学素子側に向けて出射する導光板とを備えた照明装置と、を備えた電気光学装置であって、
    前記導光板の観察者側の面には前記光源からの光をその入射角度に応じて前記電気光学素子側に向けて反射させる、あるいは前記観察者側の面から出射させる反射面部と、前記電気光学素子を前記観察者側から透視可能な透過面部と、が設けられており、
    前記反射面部は第1の面及び第2の面を備えており、前記第1の面から出射する前記光の出射方向と前記第2の面から出射する前記光の出射方向とが異なることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項5に記載の電気光学装置であって、
    前記導光板の面上に投影した前記第1の面から出射する光の出射方向と、前記導光板の面上に投影した前記第2の面から出射する光の出射方向とのなす角度θが0°<θ<180°であることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項5に記載の電気光学装置であって、
    記第1の面と前記第2の面とは交互に且つ連続的に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項4又は請求項5に記載の電気光学装置であって、
    前記導光板は実質的に透明な部材からなり、前記反射面部は前記一方の面の平行面に対して所定角度で設けられた斜面であることを特徴とする照明装置。
  9. 表示部として電気光学装置を搭載しており、前記電気光学装置に画像信号を供給する入力手段を備える電子機器であって、
    前記電気光学装置は、
    一対の基板間に電気光学層を挟持してなり前記電気光学層の一方の側に反射膜が配置された電気光学素子と、
    前記電気光学素子の観察者側に配置されており、光源と該光源の発する光をその端面から導入させ主として前記電気光学素子側に向けて出射する導光板とを備えた照明装置と、を備えた電気光学装置であって、
    前記導光板の観察者側の面には前記光源からの光をその入射角度に応じて前記電気光学素子側に向けて反射させる、あるいは前記観察者側の面から出射させる反射面部と、前記電気光学素子を前記観察者側から透視可能な透過面部と、が設けられており、
    前記反射面部は第1の面及び第2の面を備えており、前記第1の面から出射する前記光の出射方向と前記第2の面から出射する前記光の出射方向とが異なることを特徴とする電子機器。
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