JP2004091810A - イオン注入装置及びイオン注入方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体10が収納される真空容器1と、1内に10に注入したい物質のガスを1のガス導入口5aを介して供給する供給手段と、1内部を排気口6を介して真空排気する真空排気ポンプと、1内に収納され、該1と電気的に絶縁されると共に10を保持する基体保持台11と、前記供給手段により供給された1内にあるガスをアーク放電により10の周囲に放電プラズマを生成するフィラメント9とフィラメント電源16とアーク電源17からなる放電プラズマ生成手段と、10に高周波電圧が印加され、該放電プラズマ生成によって生成された放電プラズマにより10に該供給手段から供給される10に注入したい物質のイオンを注入させるための高周波電源40を具備したイオン注入装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばピストン、ベアリングなどの自動車部品、ドリルなどの切削工具のような基体にイオンを注入するためのイオン注入装置及びイオン注入方法(表面改質方法または膜生成方法)に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品、切削工具等の製造に際し、該工具等の基体にイオンを注入することによって、基体の耐磨耗性、耐熱性、硬度などを向上させる試みが行われている。例えばステンレス鋼からなる基体に、チタン又は窒素を注入すると基体の耐磨耗性や疲労寿命が大幅に改善されることが知られている。
【0003】
基体にイオンを注入する方法として、注入したい物質の正イオンを含む放電プラズマ中に基体を保持して、数十から数百kVの負のパルス電圧を印加する方法が提案されている(参考文献:J.R.Conrad,et.al.,”Plasma source ion−implantation technique for surface modification of materials”,J.Appl.Phys 62(11),1987,pp.4591−4596)。このイオン注入方式はPSII(Plasma Source Ion Implantation)またはPIII(Plasma Immersion Ion Implantation)という略称で呼ばれている。
【0004】
係る方法を、イオン源から引き出した注入イオンを質量分離用の偏向磁石を通した後に加速して基体に注入するという従来法と比較すると、次に列挙する特徴がある。
【0005】
(a) 基体が三次元形状をしている場合であっても、基体の周囲を取り囲んでいるプラズマから基体表面にほぼ垂直にイオン注入が行え、一方向からしかイオン注入の行えない従来法で必要だった基体の駆動機構が不要で注入時間も短くて済む。
【0006】
(b) 長距離のビーム輸送が不要なので装置構成を単純・安価にできる。
【0007】
以下、従来のPSII装置について、図11〜図14を参照しながら説明する。このPSII装置は、例えば米国特許4764394号明細書などに記載されたものと同様のものである。
【0008】
図11及び図12は従来のPSII装置を説明するための図であって、図11は真空容器を縦断面して示す図であり、図12は真空容器を横断面して示す図であり、図13はPSII装置の斜視図である。
【0009】
図11〜図13において、真空容器1は、軸方向上端面に配設された上板2と、軸方向下端面に配設された底板3と、上板2と底板3の間に配設された円筒状の側板4とに囲まれた有底円筒形状の容器である。底板3には図示しないガス源から真空容器1内に放電ガスを導入するガス導入口5a及び図示しない真空排気ポンプにより真空容器1内を真空に排気するための真空排気口6が設置されていいる。上板2と底板3の外壁には、複数の角棒状の永久磁石7a,7bが互いに平行に配設されている。
【0010】
なお、永久磁石7a,7bは、上板2及び底板3の外壁に直角な方向に着磁され、隣接する磁石7同士の極性が互いに異なって配設される。更に側板4の外壁にも、複数の永久磁石8が垂直方向に互いに平行であって、また隣接する磁石8の極性が互いに異なるように配設されている。
【0011】
このように永久磁石7a,7b,8を配設することにより真空容器1の内壁全面を覆う磁力線20a,20b,20cが形成される。また、真空容器1の上板2及び底板3及び側板4には、上板2及び底板3及び側板4を陽極とすることに対し、陰極となるフィラメント9が配設される。
【0012】
更に、真空容器1内にはイオンを注入すべき基体(ターゲット)10を保持するための金属製の基体保持台(ターゲット保持台)11がブッシング12を介して真空容器1とは電位的に絶縁されて配設されている。
【0013】
真空容器1には、フィラメント9に通電するためのフィラメント電源(図示しない)と、上板2及び底板3及び側板4を陽極、フィラメント9を陰極とするアーク放電を起こすためのアーク電源(図示しない)からなる放電電源ユニット13が接続されている。基体10には高圧ケーブル14及びブッシング12を経由してパルス高電圧電源15からパルス状の高電圧が印加されるようになっている。
【0014】
次に、このような構成からなる従来のPSII装置の動作について説明する。即ち、ガス導入口5aから基体10に注入したい物質のガス(窒素、酸素など)を供給しておき、放電電源ユニット13のフィラメント電源によってフィラメント9に通電して加熱し、発生する熱電子を真空排気口6を用いて予め真空状態にしておいた真空容器1内に充満させておく。その後、ガス導入口5aから基体10に注入したい物質のガス(窒素、酸素など)を供給し、放電電源ユニット13のアーク電源によりフィラメント9と真空容器1との間にアーク放電を発生させて放電プラズマ21を生成する。
【0015】
そして、イオンを注入する基体10を載せた基体保持台11にはパルス高電圧電源15が接続されており、プラズマの生成とは独立に真空容器1に対して、図14に示すようにパルス幅τがおよそ数マイクロ秒(数μs)〜数十マイクロ秒(数十μs)、その大きさが数十から数百kV程度の負のパルス電圧が印加される。
【0016】
この結果、基体10に負のパルス電圧が印加され、これにより基体10を取り囲んだプラズマ中にシースが成長し、電子が基体から遠ざけられ、逆にイオンが基体方向に加速されて、イオンが基体に注入されることになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上述べた従来の技術では、基体が絶縁物の場合や、イオン注入により作成する膜が絶縁物の場合には、実際に注入に寄与するパルス幅が極端に短くなってしまうため、数十マイクロ秒のパルスを印加しても注入されるのは、最初の数十〜数百ナノ秒となる。その結果、処理時間が極端に長くなり、生産性が悪くなる。
【0018】
また、パルスの立ち上がり時はイオンが加速されるため、十分なエネルギーを持つことができない。この結果、絶縁物では、特に低エネルギーのイオンが多く照射されることになり、表面改質等の効果が十分得られないという欠点がある。
【0019】
一方、基体及び膜が導体の場合には、イオンが加速される時間よりも十分長いパルスをかけることができるが、パルス幅が長くなると、基体近傍でアークが発生しやすくなる。アークは基体や生成した膜に損傷を与えるため、運転はアークが発生しないような電圧まで下げる必要がある。その結果、十分な加速電圧が得られなくなり、表面改質等の効果が十分得られないということになる。
【0020】
本発明では、三次元形状の基体に対しても均一なイオン注入が可能であり、基体が絶縁物の場合や、イオン注入により作成する膜が絶縁物の場合にも、十分処理性能が得られ、且つアークの発生しにくい信頼性の高い安価なイオン注入装置、及び、イオン注入方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、イオンを注入すべき基体が収納される真空容器と、前記真空容器内に前記基体に注入したい物質のガス或いは蒸気を供給する供給手段と、前記真空容器内部を真空に排気する真空排気手段と、前記真空容器内に収納され、該真空容器と電気的に絶縁されると共に前記基体を保持する基体保持手段と、前記供給手段により供給された前記真空容器内にあるガス或いは蒸気をアーク放電により前記基体の周囲に放電プラズマを生成する放電プラズマ生成手段と、前記基体に高周波電圧が印加され、前記放電プラズマ生成手段によって生成された放電プラズマにより前記基体に前記供給手段から供給される前記基体に注入したい物質のイオンを注入させるための高周波電圧発生手段とを具備したイオン注入装置である。
【0022】
前記目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高周波電圧発生手段並びに前記放電プラズマ生成手段の電源を、共通の高周波電源で共用したイオン注入装置である。
【0023】
前記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の高周波電圧発生手段を、周波数の異なる複数の高周波電圧をそれぞれ重畳するようにしたイオン注入装置である。
【0024】
前記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の高周波電圧発生手段を、前記基体に高周波電圧をパルス的に印加するようにしたイオン注入装置である。
【0025】
前記目的を達成するため、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の高周波電圧発生手段として、前記基体に印加する周波数の異なる複数の高周波電圧を発生する2つ以上の周波数の高周波電圧のうち、少なくとも一方又は少なくとも周波数の高い方の高周波電圧をパルス的に印加するようにしたイオン注入装置である。
【0026】
前記目的を達成するため、請求項6に記載の発明は、請求項3又は請求項5に記載の前記高周波電圧発生手段として、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源と、該各高周波電源の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器と、該インピーダンス整合器の少なくとも一方の出力側に接続され、所定の周波数をブロックするフィルター回路とからなり、該フィルター回路の出力と前記インピーダンス整合器の出力を畳重させるか、又は前記各フィルター回路の出力を畳重させるようにしたイオン注入装置である。
【0027】
前記目的を達成するため、請求項7に記載の発明は、請求項1、2、4のいずれか一つに記載の基体に印加する高周波電源の周波数が、基体の周囲に生成される放電プラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低く設定したイオン注入装置である。
【0028】
前記目的を達成するため、請求項8に記載の発明は、請求項1、2、3、6のいずれか一つに記載の高周波電圧印加手段として、高周波電源と、該高周波電源の出力側に接続されるインピーダンス整合器と、該インピーダンス整合器の出力側に接続され、該インピーダンス整合器の出力を昇圧する高周波用昇圧トランスからなり、該高周波用昇圧トランスで昇圧された高電圧の高周波電圧を、前記基体に印加するようにしたイオン注入装置である。
【0029】
前記目的を達成するため、請求項9に記載の発明は、請求項3又は請求項5に記載の高周波電圧印加手段として、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源と、該各高周波電源の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器と、該各インピーダンス整合器の出力が重畳された電圧を昇圧して前記基体に印加する高周波用昇圧トランスとから構成したイオン注入装置である。
【0030】
前記目的を達成するため、請求項10に記載の発明は、請求項3、6、7のいずれか一つに記載の高周波電圧発生手段として、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源と、該各高周波電源の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器と、該各インピーダンス整合器の出力側に接続され、該各インピーダンス整合器の出力電圧を夫々昇圧する複数の高周波用昇圧トランスと、前記高周波用昇圧トランスの少なくとも一方の出力部に設けた他の周波数をブロックするフィルター回路とからなり、前記フィルター回路の出力と前記高周波用昇圧トランスの出力を重畳させるか、又は前記各フィルター回路の出力を重畳させて前記基体に2つ以上の周波数の高周波電圧を印加するようにしたイオン注入装置である。
【0031】
前記目的を達成するため、請求項11に記載の発明は、真空容器内にイオンを注入すべき基体を該真空容器と電気的に絶縁して配設し、該真空容器内を真空状態とすると共に、該真空容器内に該基体に注入したい物質のガス或いは蒸気をガス又は蒸気が供給され、かつ該真空容器内であって該基体の周囲にプラズマを生成した状態で、前記基体に高周波電圧を印加することにより該基体に負電圧を発生させ、該基体にイオン注入を行うようにしたイオン注入方法である。
【0032】
前記目的を達成するため、請求項12に記載の発明は、真空容器内にイオンを注入すべき基体を該真空容器と電気的に絶縁して配設し、該真空容器内を真空状態とすると共に、該真空容器内に基体に注入したい物質のガス或いは蒸気が供給され、かつ該真空容器内であって該基体の周囲にプラズマを生成した状態で、前記基体に2つ以上の周波数の高周波電圧を印加することにより該基体に負電圧を発生させ、該基体にイオン注入を行うようにしたイオン注入方法である。
【0033】
前記目的を達成するため、請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の基体に印加する高周波電圧又は前記基体に2つ以上の周波数の高周波電圧のうちの少なくとも一方をパルス的に印加するようにしたイオン注入方法である。
【0034】
前記目的を達成するため、請求項14に記載の発明は、請求項11又は12に記載の基体に印加する高周波電源の周波数が、基体の周囲に生成されるプラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低い周波数でイオン注入を行うようにしたイオン注入方法である。
【0035】
尚、本発明においては、基体に印加する高周波電源の周波数を工業周波数帯に設定してイオン注入を行うようにするのが好適である。
【0036】
請求項1又は請求項11に対応する発明によれば、基体に高周波電圧を印加することにより、基体や生成される膜が絶縁体であっても、高周波の半周期ごとに基体表面の電荷が中和されるため、基体や生成される膜が絶縁体であっても、注入イオンに対しては実効的に直流とみなせる負バイアスを印加できることになる。この負バイアスの大きさは、基体表面積と高周波電源の反対側の極に繋がれる真空容器の内側の表面積の比できまり、後者が前者の数倍以上あれば、高周波電圧のピーク値(P−P値の半分)にほぼ等しい電圧が負バイアスとして基体に印加され、この負バイアスによってイオンが基体に加速注入される。
【0037】
また、請求項1又は請求項11に対応する発明によれば、高周波で繰り返す高周波電圧を印加するため、電子の運動の向きは高速繰り返しで変化しており、パルス幅が長くてもアークが発生しにくく、そのため、高い電圧を印加することができ十分な注入効果が得られ、従来の技術よりも高性能で高速処理の表面改質方法または膜生成方法を得ることが可能となる。
【0038】
請求項2又は請求項13に対応する発明によれば、高周波電圧をパルス的(バースト的)に印加することにより、任意のパルス幅のバイアス電圧を基体に印加することもできる。
【0039】
請求項3又は請求項12に対応する発明によれば、基体に周波数の異なる複数の高周波電圧をそれぞれ重畳して印加することにより、高周波側の高周波でプラズマを生成し、低周波側の高周波でバイアス電圧を発生させることができ、その結果、前述した高密度プラズマの生成と高電圧印加が同時に達成され、より高性能で高速なイオン注入処理を行うことができる。
【0040】
ここで、請求項3又は請求項12に示すように構成する理由は、次のような特徴を考慮したからである。すなわち、基体と真空容器との間で発生する高周波放電によりプラズマを生成することもでき、こうすれば、基体に高周波電圧を印加するだけでプラズマ生成とバイアス電圧印加を同時に行うことができ、安価で信頼性の高いイオン注入技術が得られる。そして、より高性能で高速なイオン注入処理を行うためには、高密度プラズマの生成と高電圧印加が望ましい。この場合、高周波電圧の周波数を高くすると、プラズマ密度が高くなるが印加バイアス電圧が低くなる。一方、高周波電圧の周波数を低くすると、印加バイアス電圧が高くなるがプラズマ密度が低くなる。
【0041】
請求項7又は請求項14に対応する発明によれば、基体に高周波電圧を印加する際に、高周波電圧の発振周波数を基体の周囲に生成されるプラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く選ぶことにより、基体に注入されるイオンがほぼ一定の電圧で加速されるようになるため、注入イオンに対して実効的に直流とみなせる負バイアスを印加できることになる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るイオン注入装置の第1の実施形態を説明するためのものであって、真空容器を横方向に断面して示す概略構成図である。真空容器1は、図11〜図13と同様に、軸方向上端面に配設された上板2と、軸方向下端面に配設された底板3と、上板2と底板3の間に配設された円筒状の側板4とに囲まれた有底円筒形状の容器である。
【0043】
真空容器1の底板3には、図11と同様に基体に注入したい物質のガス或いは蒸気を供給する供給手段(図示せず)から真空容器1内に放電ガスを導入するガス導入口5a及び図示しない真空排気手段例えば図示しない真空排気ポンプにより真空容器1内を真空に排気するための真空排気口6が設置されている。
【0044】
真空容器1の上板2と底板3の外壁には、図1に示すように複数の角棒状の永久磁石8が互いに平行に配設されている。この場合、永久磁石8は上板2及び底板3の外壁に直角な方向に着磁され、隣接する磁石8同士の極性が互いに異なって配設される。更に側板4の外壁にも、複数の永久磁石8が垂直方向に互いに平行であって、また隣接する磁石8の極性が互いに異なるように配設されている。
【0045】
このように永久磁石8を配設することにより、真空容器1の内壁全面には、該内壁全面を覆う磁力線20cが形成される。
【0046】
また、真空容器1の上板2及び底板3及び側板4には、上板2及び底板3及び側板4を接地陽極とすることに対し、陰極となるフィラメント9が配設されている。
【0047】
更に、真空容器1内にはイオンを注入する基体10を保持するための金属製の基体保持台11がブッシング12を介して真空容器1とは電気的(電位的)に絶縁されて配設されている。
【0048】
真空容器1には、フィラメント9に通電するためのフィラメント電源16と、真空容器1の上板2及び底板3及び側板4を陽極、フィラメント9を陰極とするアーク放電を起こすためのアーク電源17からなる放電電源ユニット13が接続されている。
【0049】
基体10には、真空容器1に貫通固定されたブッシング12に、ケーブル14及びインピーダンス整合器42を介して高周波電源40が接続されている。この場合の高周波電源40は、数百KHz〜数百MHzの電圧を発生するものである。なお、インピーダンス整合器42は、高周波電源40と基体10のインピーダンスの整合をとるためのものである。
【0050】
図2は、基体10に印加する高周波電源40の電圧とバイアス電圧の関係を簡単に示したものである。基体10の表面積と、高周波電源40の反対側の極に繋がれる真空容器1の内側の表面積の比が大きければ(数倍以上)、高周波電圧のピーク値(P─P値の半分)にほぼ等しい電圧が負バイアスとして基体10に印加される。イオンはこの負バイアスによって加速注入される。
【0051】
以上述べた実施形態によれば、基体10に高周波電圧を印加することにより、基体10や生成される膜が絶縁体であっても、高周波の半期毎に基体表面の電荷が中和されるため、基体や生成される膜が絶縁体であっても、注入イオンに対しては実効的に直流とみなせる負バイアスを印加できることになる。
【0052】
この負バイアスの大きさは、基体表面積と高周波電源の反対側の極に繋がれる真空容器1の内側の表面積の比で決まり、後者が前者の数倍以上あれば、高周波電圧のピーク値にほぼ等しい電圧が負バイアスとして基体10に印加され、この負バイアスによってイオンが基体に加速注入される。
【0053】
また、本実施形態によれば、高周波で繰り返す高周波電圧を印加するため、電子の運動の向きは高速繰り返しで変化しており、パルス幅が長くてもアークが発生しにくく、そのため、高い電圧を印加することができ十分な注入効果が得られ、前述した従来の技術の課題を解決できるばかりでなく、従来の技術よりも高性能で高速処理の表面改質方法又は膜生成方法を得ることが可能となる。従来の技術では、処理速度を上げるために、基体に印加するパルスの幅を広げていくと、基体近傍でアークが発生しやすくなり、アークは基体や生成した膜に損傷を与えるため、運転はアークの発生しないような電圧まで下げる必要があり、その結果、十分な加速電圧をかけることができなくなり、十分な注入効果が得られなかった。
【0054】
図3は、図1の変形例であって基体10に高電圧の高周波を印加するために、図1のインピーダンス整合器42とブッシング12に電気的に接続されたケーブル14の間に、高周波用昇圧トランス45を接続して基体10に電圧を印加するように構成したものである。これ以外の点は、図1と同一であるので、ここでは同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
また、ここで用いる高周波電源40の周波数は、前述したように、基体10の周囲に生成されるプラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低いことが望ましい。このようにすることにより、基体10に注入されるイオンがほぼ一定の電圧で加速されるようになるため、注入イオンに対して実効的に直流とみなせる負バイアスを印加できることになる。
【0056】
さらに、この周波数が、例えば13.56MHzのような工業周波数帯に設定されていると、電磁シールド等の関係が楽になる。
【0057】
また、プラズマ生成法については、図1では、フィラメント9によるアーク放電を用いたが、図4に示すように高周波のインダクティブカップリングによるプラズマ生成、具体的には真空容器1の軸方向端部に高周波コイル24を巻回し、該高周波コイル24に高周波電源を25を接続し、高周波コイル24により高周波電界を作り中性ガスを電離する方法である。この場合には、真空容器1の一端部にプラズマに電位を与えるための図示しない電極(電位固定電極)及び真空容器1の他端部に図示しないイオンを引き出す電極(イオン引出し電極)を備えている。
【0058】
なお、図4では示していないが、場合によっては高周波コイル24と、高周波電源25の接続部にはそれぞれインピーダンス整合器を設けるようにしてもよい。
【0059】
以上述べたプラズマ生成方法以外に、ECR(電子サイクロトロン共鳴)によるプラズマ生成、また、アーク方式による金属プラズマ(蒸気)発生法など、多くの方式が利用できる。
【0060】
次に第2の発明に係わる実施形態について、図5の概略構成図を参照して説明する。真空容器1の構成は図4と同じであるが、図4の高周波コイル24に接続されている高周波電源25を設けず、これに基体10が接続されている高周波電源40を共用させたものである。これ以外の点は、図1と同じであるので、その説明は省略する。
【0061】
このように、プラズマ生成用の高周波電源25として基体10に印加するは高周波電源40で共用しているため、装置構成が非常に簡単になる。
【0062】
次に、図5の変形例である図6について、図6を参照して説明する。図6のインピーダンス整合器42とブッシング12の接続部に高周波用昇圧トランス45を接続したものである。これ以外の構成は、図5と同一である。
【0063】
以上述べた第2の実施形態についても、高周波の周波数は、基体10の周囲に生成されるプラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低いことが望ましい。さらに、この周波数が、例えば13.56MHzのような工業周波数帯に設定されていると、電磁シールド等の関係が楽になる。
【0064】
金属イオンを注入する場合には、さらに、これに、金属プラズマ(蒸気)を発生させる金属プラズマ(蒸気)源を付加することになる。
【0065】
次に本発明に係る第3の発明に係わる実施形態について、図7、図8、図9を参照して説明する。図7は、高周波電圧印加手段として、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源40、41と、該各高周波電源40、41の出力側に夫々接続されたインピーダンス整合器42、43と、該各インピーダンス整合器42、43に夫々接続され、所定の周波数をブロックする複数のフィルター回路47、48と、フィルター回路47、48の出力が重畳されて基体10に印加するように構成したものである。
【0066】
図8は、高周波電圧印加手段として、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源40、41と、該各高周波電源40、41の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器42、43と、該各インピーダンス整合器42、43の出力が重畳された電圧を昇圧して基体10に印加する高周波用昇圧トランス45とから構成したものである。
【0067】
図9は、高周波電圧印加手段として、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源40、41と、該各高周波電源40、41の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器42、43と、該各インピーダンス整合器42、43の出力側に接続され、該各インピーダンス整合器42、43の出力電圧を夫々昇圧する複数の高周波用昇圧トランス45、46と、高周波用昇圧トランス45、46の少なくとも一方(ここでは両方)の出力部に設けた所定の周波数をブロックするフィルター回路47、48とからなり、フィルター回路47、48の出力と高周波用昇圧トランス45、46の出力を重畳させるか、又はフィルター回路47、48の出力を重畳させて基体10に2つ以上の周波数の高周波電圧を印加するように構成したものである。
【0068】
この場合も真空容器1の構成は図4と同じであるが、図4の高周波コイル24に接続されている高周波電源25を設けず、これに基体10に接続されている高周波電圧発生手段、すなわち図7〜図9に示す高周波電源40、41、インピーダンス整合器42、43、高周波用昇圧トランス45、46、フィルター回路47、48等を組合わせたものを共用させたものである。これ以外の点は、図1と同じであるので、その説明を省略する。
【0069】
このような構成の実施形態によれば、基体10に周波数の異なる複数の高周波電圧を夫々重畳して印加することにより、高周波側の高周波でプラズマを生成し、低周波側の高周波でバイアス電圧を発生させることができ、その結果、前述した高密度プラズマの生成と高電圧印加が同時に達成され、より高性能なイオン注入処理を行うことができる。
【0070】
また、基体10へ高周波電圧を印加するための高周波電圧発生手段により、プラズマ生成用の電源を共用しているため、装置構成が非常に簡単であって、第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0071】
なお、図7及び図9のフィルター47、48はどちらか1つでもよい。さらに、第3の実施形態についても、高周波電圧発生手段は、基体10の周囲に生成されるプラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低いことが望ましい。また、周波数が、例えば13.56MHzのような工業周波数帯に設定されていると、電磁シールド等の関係が楽になる
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されず例えば以下のようにしてもよい。基体10へ金属イオンを注入する場合には、各実施形態に、金属プラズマ(蒸気)を発生させる金属プラズマ(蒸気)源を付加すればよい。また、プラズマ生成法についても、第1の実施形態で示したように、フィラメントによるアーク放電、高周波のインダクティブカップリングによるプラズマ生成、ECRによるプラズマ生成、また、アーク方式による金属プラズマ(蒸気)発生法などを併用してもよい。それにより、さらに高密度のプラズマを生成することができる。
【0072】
さらに、第1、第2、第3の実施形態のどれに対しても、図10に示すように高周波電圧をパルス的(バースト的)に印加することにより、任意のパルス幅のバイアス電圧を基体に印加することもできる。こうすることにより、基体10への注入パワーを制御することができ、基体10の温度上昇を抑えることができる。
【0073】
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出される。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0074】
【発明の効果】
以上述べた本発明によれば、三次元形状の基体に対しても均一なイオン注入が可能であり、基体が絶縁物の場合や、イオン注入により作成する膜が絶縁物の場合にも、十分処理性能が得られ、且つアークの発生しにくい信頼性の高い安価なイオン注入装置、及び、イオン注入方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン注入装置の第1の実施形態を説明するための概略構成図。
【図2】図1の実施形態における基体に印加した高周波電圧とバイアス電圧の関係を説明するための図。
【図3】図1の実施形態における変形例を説明するための概略構成図。
【図4】第1の実施形態における変形例であって図3とは異なる変形例を説明するための概略構成図。
【図5】本発明に係るイオン注入装置の第2の実施形態を説明するための概略構成図。
【図6】図5の実施形態における変形例を説明するための概略構成図。
【図7】本発明に係るイオン注入装置の第3の実施形態を説明するための概略構成図。
【図8】図7の実施形態における変形例を説明するための概略構成図。
【図9】図7の実施形態における変形例であって図8とは異なる変形例を説明するための概略構成図。
【図10】図7の実施形態において高周波電圧をパルス的に印加した時のパルス波形を説明するための図。
【図11】従来のイオン注入装置の一例を説明するための概略縦断面図。
【図12】従来のイオン注入装置の一例を説明するための概略縦断面図。
【図13】従来のイオン注入装置の一例を説明するための概略斜視図。
【図14】図11〜図13におけるイオン注入装置の基体に印加する電圧波形を説明するための図。
【符号の説明】
1…真空容器、5a…ガス導入口、6…真空排気口、7a、7b、8…永久磁石、9…フィラメント、10…基体、11…基体保持台、12…ブッシング、13…放電電源ユニット、14…高圧ケーブル、16…フィラメント、17…アーク電源、20a、20b、20c…磁力線、24…高周波コイル、25…高周波電源ユニット、40、41…高周波電源、42、43…インピーダンス整合器、45、46…高周波用昇圧トランス、47、48…フィルター。
Claims (14)
- イオンを注入すべき基体が収納される真空容器と、
前記真空容器内に前記基体に注入したい物質のガス或いは蒸気を供給する供給手段と、
前記真空容器内部を真空に排気する真空排気手段と、
前記真空容器内に収納され、該真空容器と電気的に絶縁されると共に前記基体を保持する基体保持手段と、
前記供給手段により供給された前記真空容器内にあるガス或いは蒸気をアーク放電により前記基体の周囲に放電プラズマを生成する放電プラズマ生成手段と、
前記基体に高周波電圧が印加され、前記放電プラズマ生成手段によって生成された放電プラズマにより前記基体に前記供給手段から供給される前記基体に注入したい物質のイオンを注入させるための高周波電圧発生手段と、
を具備したこと特徴とするイオン注入装置。 - 前記高周波電圧発生手段並びに前記放電プラズマ生成手段の電源は、共通の高周波電源で共用したことを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧発生手段は、周波数の異なる複数の高周波電圧をそれぞれ重畳するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧発生手段は、前記基体に高周波電圧をパルス的に印加するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧発生手段は、前記基体に印加する周波数の異なる複数の高周波電圧を発生する2つ以上の周波数の高周波電圧のうち、少なくとも一方又は少なくとも周波数の高い方の高周波電圧をパルス的に印加するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧発生手段は、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源と、該各高周波電源の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器と、該インピーダンス整合器の少なくとも一方の出力側に接続され、所定の周波数をブロックするフィルター回路とからなり、該フィルター回路の出力と前記インピーダンス整合器の出力を畳重させるか、又は前記各フィルター回路の出力を畳重させるようにしたことを特徴とする請求項3又は請求項5に記載のイオン注入装置。
- 前記基体に印加する高周波電源の周波数が、基体の周囲に生成される放電プラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低く設定したことを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一つに記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧印加手段は、高周波電源と、該高周波電源の出力側に接続されるインピーダンス整合器と、該インピーダンス整合器の出力側に接続され、該インピーダンス整合器の出力を昇圧する高周波用昇圧トランスからなり、該高周波用昇圧トランスで昇圧された高電圧の高周波電圧を、前記基体に印加するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、6のいずれか一つに記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧印加手段は、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源と、該各高周波電源の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器と、該各インピーダンス整合器の出力が重畳された電圧を昇圧して前記基体に印加する高周波用昇圧トランスとから構成したことを特徴とする請求項3又は請求項5に記載のイオン注入装置。
- 前記高周波電圧発生手段は、異なる周波数の高周波電圧を発生する複数の高周波電源と、該各高周波電源の出力側に夫々接続された複数のインピーダンス整合器と、該各インピーダンス整合器の出力側に接続され、該各インピーダンス整合器の出力電圧を夫々昇圧する複数の高周波用昇圧トランスと、前記高周波用昇圧トランスの少なくとも一方の出力部に設けた他の周波数をブロックするフィルター回路とからなり、前記フィルター回路の出力と前記高周波用昇圧トランスの出力を重畳させるか、又は前記各フィルター回路の出力を重畳させて前記基体に2つ以上の周波数の高周波電圧を印加するようにしたことを特徴とする請求項3、6、7のいずれか一つに記載のイオン注入装置。
- 真空容器内にイオンを注入すべき基体を該真空容器と電気的に絶縁して配設し、該真空容器内を真空状態とすると共に、該真空容器内に該基体に注入したい物質のガス或いは蒸気をガス又は蒸気が供給され、かつ該真空容器内であって該基体の周囲にプラズマを生成した状態で、
前記基体に高周波電圧を印加することにより該基体に負電圧を発生させ、該基体にイオン注入を行うようにしたイオン注入方法。 - 真空容器内にイオンを注入すべき基体を該真空容器と電気的に絶縁して配設し、該真空容器内を真空状態とすると共に、該真空容器内に基体に注入したい物質のガス或いは蒸気が供給され、かつ該真空容器内であって該基体の周囲にプラズマを生成した状態で、
前記基体に2つ以上の周波数の高周波電圧を印加することにより該基体に負電圧を発生させ、該基体にイオン注入を行うようにしたイオン注入方法。 - 前記基体に印加する高周波電圧又は前記基体に2つ以上の周波数の高周波電圧のうちの少なくとも一方をパルス的に印加するようにしたことを特徴とする請求項11又は12に記載のイオン注入方法。
- 前記基体に印加する高周波電源の周波数が、基体の周囲に生成されるプラズマのイオンプラズマ周波数よりも高く、且つ、電子プラズマ周波数よりも低い周波数でイオン注入を行うようにしたことを特徴とする請求項11又は12に記載のイオン注入方法。
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JP2002251403A JP2004091810A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | イオン注入装置及びイオン注入方法 |
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CN103074589A (zh) * | 2013-01-31 | 2013-05-01 | 苏州格科特真空镀膜技术有限公司 | 一种纳米晶复合涂层的制备方法 |
KR20150011385A (ko) | 2012-07-05 | 2015-01-30 | 닛뽕소다 가부시키가이샤 | 유기 규소 화합물, 그것을 사용한 박막 형성용 조성물 및 유기 박막 |
KR20160122840A (ko) | 2014-03-26 | 2016-10-24 | 닛뽕소다 가부시키가이샤 | 유기 박막 형성용 용액 및 그것을 사용한 유기 박막 형성 방법 |
CN111748776A (zh) * | 2019-03-28 | 2020-10-09 | 北京辰融科技有限责任公司 | 一种紧凑高效异型件超厚膜层设备 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251403A patent/JP2004091810A/ja active Pending
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