JP2004087823A - Ceramic green sheet with metal thin film, manufacturing method therefor and method for manufacturing ceramic capacitor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属薄膜付セラミックグリーンシートおよびその製造方法ならびにセラミックコンデンサの製造方法に関し、詳しくは、セラミックコンデンサの製造に好適に用いられる金属薄膜付セラミックグリーンシート、および、その製造方法、ならびに、その金属薄膜付セラミックグリーンシートを用いるセラミックコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックコンデンサの製造方法として、例えば、特許第2990621号公報や特許第2970238号公報などには、ベースフィルムの上に、金属薄膜を所定のパターンで形成し、その金属薄膜を含むベースフィルムの上に、金属薄膜を覆うようにしてセラミックグリーンシートを形成することにより、ベースフィルムの上に支持された金属薄膜付セラミックグリーンシートを形成し、次いで、このようにして得られた複数の金属薄膜付セラミックグリーンシートを、各積層毎にベースフィルムを剥離しながら、順次積層し、その後、焼成することによって、積層セラミックコンデンサを製造する方法が記載されている。
【0003】
より具体的には、特許第2990621号公報には、セラミックグリーンシートと、前記セラミックグリーンシートの表面に形成された電極とを含んでなる積層セラミック電子部品の製造方法であって、(a)蒸着によりフィルム上に第1の金属層を形成するステップと、(b)湿式めっきにより前記第1の金属層の上に第2の金属層を形成するステップと、(c)前記第1および第2の金属層をパターニングするステップと、(d)前記金属層を覆うように、前記フィルム上にセラミックのスラリーをコーティングしてセラミックグリーンシートを形成するステップと、(e)前記フィルムに支持された金属一体化グリーンシートをセラミックグリーンシートまたは他の金属一体化グリーンシート上に圧着し積層するステップと、(f)前記フィルムを剥離するステップと、(g) 前記積層したセラミックグリーンシートを焼成するステップとを備える、積層セラミック電子部品の製造方法が記載されている。
【0004】
また、特許第2970238号公報には、ベースフィルム上に薄膜形成方法により所定のパターンを有する金属膜を形成する第1工程と、次に前記金属膜を覆うように前記ベースフィルム上にセラミック誘電体層を形成してベースフィルム付きグリーンシートを作製する第2工程と、次に誘電体シート上に前記ベースフィルム付きグリーンシートを前記誘電体シートと前記ベースフィルム付きグリーンシートのセラミック誘電体層とが接するように重ね合わせた後、前記ベースフィルムを剥離する第3工程と、次に前記第1工程および第2工程によって得られた別のベースフィルム付きグリーンシートのセラミック誘電体層と前記第3工程で得られたグリーンシートとが接するように重ね合わせた後、前記ベースフィルムを剥離して、さらに積層する第4工程と、次に前記第4工程と同様の方法で所定回数繰り返してグリーンシートを積層する第5工程と、次に前記グリーンシートを切断してチップを作成し、前記チップを焼成する第6工程と、前記チップに外部電極を形成する第7工程とを備えた積層セラミックコンデンサの製造方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記に記載される方法では、金属薄膜が、蒸着などの薄膜形成法によって形成されているので、金属結晶が小さく、結晶間の結合力が弱いため、ベースフィルムをセラミックグリーンシートから剥離する時に、金属薄膜の破損を生じる場合がある。
【0006】
また、ベースフィルムの上に、グリーンシートを形成する時には、まず、グリーンシートのスラリーをベースフィルムの上にコーティングするが、ベースフィルムの表面に対するスラリーの濡れ性が低く、そのため、ベースフィルムの表面でスラリーがはじかれて、均一にコーティングできない場合がある。
【0007】
さらに、特許第2970238号公報に記載されるように、所定のパターンのマスクフィルムをベースフィルムの上に配置して、真空蒸着法によりマスクフィルムと逆パターンの金属薄膜をベースフィルムの上に形成する場合には、ベースフィルムとマスクフィルムとの密着性が十分でないと、金属薄膜が、所定のパターンからはみ出して形成される場合を生じる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ベースフィルムの剥離時に、金属薄膜の破損を生じず、また、セラミック粉末分散層が均一に形成され、さらには、金属薄膜が精度のよいパターンとして形成されている、金属薄膜付セラミックグリーンシート、および、その製造方法、ならびに、セラミックコンデンサの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に形成される樹脂層と、前記樹脂層の上に所定のパターンとして形成される金属薄膜と、前記金属薄膜を含む前記樹脂層の上に形成され、セラミック粉末がバインダーに分散されているセラミック粉末分散層とを備えていることを特徴としている。
【0010】
このような金属薄膜付セラミックグリーンシートでは、金属薄膜が、ベースフィルムの上に直接形成されておらず、樹脂層の上に形成されているため、セラミックコンデンサの製造時において、ベースフィルムを剥離する時には、ベースフィルムが樹脂層との界面において剥離される。そのため、ベースフィルムの剥離時における金属薄膜の破損を防止することができる。また、セラミック粉末分散層は、ベースフィルムの上ではなく、樹脂層の上に形成されるので、たとえば、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造時において、セラミック粉末分散層をスラリーとして樹脂層の上にコーティングする場合には、そのスラリーと樹脂層との間の良好な濡れ性により、均一なセラミック粉末分散層が形成される。
【0011】
また、本発明においては、前記樹脂層が、前記セラミック粉末分散層のバインダーと、実質的に同一材料からなることが好ましい。
【0012】
樹脂層が、セラミック粉末分散層のバインダーと実質的に同一材料であると、たとえば、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造時において、セラミック粉末分散層をスラリーとして樹脂層の上にコーティングする場合には、そのスラリーと樹脂層との間の、より一層良好な濡れ性を確保することができる。また、セラミックコンデンサの製造時において、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートを積層して焼成する時に、バインダーと同一条件で消失させることができる。
【0013】
また、本発明においては、前記樹脂層の厚みが、0.1〜1.0μmであることが好ましい。樹脂層の厚みが、このような範囲であれば、ベースフィルムの良好な剥離性、および、セラミック粉末分散層のスラリーと樹脂層との間の良好な濡れ性を確保をしつつ、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートを積層して得られるセラミックコンデンサの薄層化および小型化を図ることができる。
【0014】
また、本発明は、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートを複数用意する工程、前記金属薄膜付セラミックグリーンシートの前記ベースフィルムを剥離する剥離工程、前記ベースフィルムが剥離された金属薄膜付きセラミックグリーンシートの前記樹脂層と、他の金属薄膜付きセラミックグリーンシートの前記セラミック粉末分散層とを接触させて、積層する積層工程、前記剥離工程および前記積層工程を所定回数繰り返して積層された複数の前記金属薄膜付きセラミックグリーンシートを焼成する工程を備える、セラミックコンデンサの製造方法を含んでいる。
【0015】
このようなセラミックコンデンサの製造方法によれば、本発明の金属薄膜付きセラミックグリーンシートが用いられるので、金属薄膜の破損を防止しつつ、ベースフィルムを剥離することができる。そのため、信頼性の高いセラミックコンデンサを製造することができる。
【0016】
また、本発明は、ベースフィルムを用意する工程、前記ベースフィルムの上に樹脂層を形成する工程、前記樹脂層の上に、マスクフィルムを所定のパターンで配置して、前記樹脂層と熱融着させる工程、前記樹脂層の上に、真空成膜法により、前記マスクフィルムと逆パターンの金属薄膜を形成する工程、前記マスクフィルムを剥離する工程、前記金属薄膜を含む前記樹脂層の上に、セラミック粉末がバインダーに分散されているセラミック粉末分散層を形成する工程を備える、金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法を含んでいる。
【0017】
このような金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法によれば、金属薄膜を、ベースフィルムの上に直接形成せずに、樹脂層の上に形成するので、セラミックコンデンサの製造時において、ベースフィルムを剥離する時には、ベースフィルムを樹脂層との界面において剥離することができる。そのため、ベースフィルムの剥離時における金属薄膜の破損を防止することができる。また、セラミック粉末分散層は、ベースフィルムの上ではなく、樹脂層の上に形成するので、たとえば、セラミック粉末分散層をスラリーとして樹脂層の上にコーティングする場合には、そのスラリーと樹脂層との間の良好な濡れ性により、均一なセラミック粉末分散層を形成することができる。
【0018】
さらに、このような製造方法によると、金属薄膜の形成時には、マスクフィルムを樹脂層と熱融着させるので、樹脂層とマスクフィルムとを十分に密着させることができる。そのため、金属薄膜を、精度のよいパターンとして形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図1を参照して、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートの一実施形態を製造する方法を説明する。
【0020】
まず、この方法では、図1(a)に示すように、ベースフィルム2を用意する。
【0021】
ベースフィルム2としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、TPX(メチルペンテン樹脂)フィルム、アルキド系樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどの公知のプラスチックフィルムが挙げられる。また、ベースフィルム2の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜500μm、さらには、10〜100μmであることが好ましい。
【0022】
なお、ベースフィルム2は、その表面に離型処理が施されたものが、好ましく用いられる。離型処理は、例えば、シリコーン系、フッ化シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキド系などの離型剤を、ベースフィルム2の表面に塗布するなど、公知の離型処理が用いられる。なお、ポリプロピレンフィルムやTPXフィルムなどの離型性を有するプラスチックフィルムは、離型処理せずに、そのまま用いることもできる。
【0023】
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成する。
【0024】
樹脂層3を形成する樹脂としては、後述する積層セラミックコンデンサ11の製造時において、金属薄膜付セラミックグリーンシート1を積層して焼成する時に消失する樹脂であって、ベースフィルム2との剥離性、および、後述するセラミック粉末分散層6のスラリーとの密着性が良好な樹脂であれば、特に制限されないが、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0025】
これら樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0026】
また、樹脂層3を形成する樹脂は、後述するセラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料であることが好ましい。樹脂が、セラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料であると、後述するセラミック粉末分散層6のスラリーを、樹脂層3の上にコーティングする工程において、そのスラリーと樹脂層3との間の濡れ性を、より一層向上させることができる。また、積層セラミックコンデンサ11の製造時において、金属薄膜付セラミックグリーンシート1を積層して焼成する時に、バインダーと同一条件で消失させることができる。
【0027】
そして、ベースフィルム2の上に樹脂層3を形成するには、特に制限されないが、例えば、樹脂の溶液を調製して、その樹脂の溶液をベースフィルム2の上に塗布し、乾燥させる。
【0028】
樹脂の溶液の調製は、特に制限されないが、上記した樹脂を、例えば、後述するバインダーの分散媒と同様の溶剤に、その樹脂濃度(固形分濃度)が、1〜50重量%、好ましくは、3〜30重量%となるように溶解する。
【0029】
また、樹脂の溶液の塗布は、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、スプレー法などの公知の方法が用いられる。
【0030】
また、塗布後の乾燥は、樹脂や溶剤の種類により適宜選択され、例えば、40〜200℃、好ましくは、60〜150℃で乾燥させる。
【0031】
このようにして形成された樹脂層3は、その厚みが、例えば、0.1〜1.0μm、さらには、0.1〜0.5μmであることが好ましい。樹脂層3の厚みが、このような範囲であれば、ベースフィルム2の良好な剥離性、および、セラミック粉末分散層6のスラリーと樹脂層3との間の良好な濡れ性を確保をしつつ、金属薄膜付セラミックグリーンシート1を積層して得られる積層セラミックコンデンサ11の薄層化および小型化を図ることができる。
【0032】
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、樹脂層3の上に金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成する。
【0033】
金属薄膜4を形成する金属は、積層セラミックコンデンサ11の内部電極として用いられるものであれば、特に制限されないが、例えば、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、または、これらの合金などが挙げられる。
【0034】
そして、樹脂層3の上に金属薄膜4を形成するには、特に制限されないが、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空成膜法が用いられる。
【0035】
また、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとするには、特に制限されないが、例えば、まず、樹脂層3の全面に真空成膜法により金属薄膜4を形成した後、その金属薄膜4の上に、エッチングレジストを配線回路パターンと逆パターンで配置して、そのエッチングレジストをマスクとして金属薄膜4をエッチングするか、あるいは、例えば、まず、樹脂層3の上に、マスクフィルムを配線回路パターンと逆パターンで配置した後、配線回路パターンとして露出する樹脂層3の表面に、真空成膜法により金属薄膜4を形成し、その後、マスクフィルムを除去する。好ましくは、作業工数低減の観点から、後者の方法が用いられる。
【0036】
後者の方法を、より具体的に説明すると、まず、図2(a)に示すように、樹脂層3の上に、マスクフィルム5を配線回路パターンと逆パターンで配置して、樹脂層3と熱融着させる。
【0037】
マスクフィルム5は、特に制限されないが、例えば、上記したベースフィルム2と同様の樹脂のフィルムが用いられる。なお、マスクフィルム5には、例えば、アクリル系粘着剤の塗布などによる公知の弱粘着性処理を施すことができる。また、マスクフィルム5の厚みは、例えば、1〜200μmが好ましいが、作業性およびマスクフィルム5上の金属薄膜4と樹脂層3上の金属薄膜4との確実な不連続性を得るため、さらには、5〜50μmであることが好ましい。
【0038】
マスクフィルム5を、樹脂層3の上に、配線回路パターンと逆パターンで配置するには、特に制限されないが、例えば、樹脂層3の全面に、感光性樹脂からなるマスクフィルム5を積層した後、そのマスクフィルム5を、露光および現像することにより、配線回路パターンと逆パターンに形成するか、あるいは、マスクフィルム5を、予め配線回路パターンと逆パターンに打ち抜きなどによって開口し、それを樹脂層3の上に配置する。好ましくは、作業工数低減およびコスト低減の観点から、後者の方法が用いられる。
【0039】
配線回路パターンと逆パターンで配置したマスクフィルム5を樹脂層3と熱融着させるには、特に制限されないが、例えば、40〜200℃、好ましくは、60〜150℃で加熱されたロールプレスなどを用いて、加熱圧着させる。このようにして、マスクフィルム5を樹脂層3と熱融着させれば、樹脂層3とマスクフィルム5とを、十分に密着させることができる。そのため、金属薄膜4を、精度のよい配線回路パターンとして形成することができる。
【0040】
次いで、図2(b)に示すように、マスクフィルム5から配線回路パターン(すなわち、マスクフィルム5と逆パターン)として露出する樹脂層3の表面に、真空成膜法により、金属薄膜4を形成する。
【0041】
真空成膜法は、特に制限されないが、配線回路パターン、金属の種類、金属薄膜4の厚みなどを考慮して、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などから、適宜選択される。
【0042】
また、金属薄膜4は、その目的および用途などによっては、2層以上の多層構造として形成することもできる。
【0043】
このようにして、所定の配線回路パターンとして形成された金属薄膜4は、その厚みが、例えば、0.1〜1.0μm、さらには、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
【0044】
その後、図2(c)に示すように、マスクフィルム5を除去する。マスクフィルム5の除去は、特に限定されないが、例えば、マスクフィルム5を剥離するか、あるいは、マスクフィルム5をエッチングする。
【0045】
そして、この方法では、図1(d)に示すように、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に、セラミック粉末分散層6を形成し、これによって、金属薄膜付セラミックグリーンシート1を得る。
【0046】
セラミック粉末分散層6の形成は、特に制限されないが、例えば、少なくともセラミック粉末およびバインダーを含むスラリーを調製し、このスラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の全面に塗布し、乾燥する。
【0047】
スラリーの調製は、セラミックグリーンシートの製造に用いられるスラリーの調製方法であれば、特に制限されず、例えば、セラミック粉末およびバインダーを分散媒(溶媒)に配合して、混合する。
【0048】
セラミック粉末は、特に制限されないが、例えば、チタン酸バリウム粉末、チタン酸ストロンチウム系粉末、チタン酸鉛系粉末などの誘電体セラミック粉末、例えば、フェライト系粉末などの磁性体セラミック粉末、圧電体セラミック粉末、例えば、アルミナ、シリカなどの絶縁体セラミック粉末などが挙げられる。セラミック粉末は、これらを単独使用または2種類以上併用することができ、具体的には、その目的および用途により適宜選択される。
【0049】
また、バインダーとしては、特に制限されないが、上記した樹脂層3を形成する樹脂と同様のもの、すなわち、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。バインダーは、これらを単独使用または2種類以上併用することができ、具体的には、その目的および用途により適宜選択される。
【0050】
分散媒は、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。分散媒は、これらを単独使用または2種類以上併用することができる。
【0051】
なお、このようなスラリーの調製においては、その目的および用途により、可塑剤や分散剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。例えば、可塑剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、リン酸エステルなどが挙げられる。
【0052】
そして、スラリーの調製は、上記した各成分を配合して、特に制限されないが、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミルなどの公知の粉体混合装置を用いて、混合する。各成分を配合する割合は、特に制限されず、その目的および用途によって適宜選択することができる。
【0053】
そして、この方法では、このようにして調製されたスラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の全面に塗布して、その後、乾燥させることによって、セラミック粉末分散層6を形成する。
【0054】
スラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の全面に塗布するには、特に制限されないが、例えば、ドクターブレード法、ロールコート法などの公知の塗布方法が用いられる。
【0055】
また、塗布されたスラリーの乾燥は、特に制限されないが、例えば、50〜200℃、好ましくは、80〜150℃で乾燥する。
【0056】
そして、このようにして得られた金属薄膜付セラミックグリーンシート1は、金属薄膜4が、ベースフィルム2の上に直接形成されておらず、樹脂層3の上に形成されているため、ベースフィルム2を樹脂層3から、その界面において剥離することができ、ベースフィルム2の剥離時における金属薄膜4の破損を防止することができる。
【0057】
また、セラミック粉末分散層6は、ベースフィルム2の上ではなく、樹脂層3の上に形成されているので、このセラミック粉末分散層6の形成時において、スラリーを樹脂層3の上に塗布する時に、これらスラリーと樹脂層3との間の良好な濡れ性を確保することができる。そのため、セラミック粉末分散層6を均一に形成することができる。
【0058】
そのため、この金属薄膜付セラミックグリーンシート1は、積層毎にベースフィルム2を剥離しながら、順次積層し、その後、焼成することによって、積層セラミックコンデンサ11を製造する方法に好適に用いることができる。
【0059】
次に、そのような積層セラミックコンデンサ11の製造方法について、図3を参照して説明する。なお、図3においては、複数の金属薄膜付セラミックグリーンシート1を互いに区別するために、便宜上、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシート101、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシート102・・・第nの金属薄膜付セラミックグリーンシート10nとして説明する。
【0060】
この方法では、金属薄膜付セラミックグリーンシート1を複数用意して、図3(a)に示すように、まず、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシート101のベースフィルム201を剥離する。そうすると、ベースフィルム201は、樹脂層301の表面の界面から容易に剥がされる。そのため、ベースフィルム2の剥離時における金属薄膜4の破損を有効に防止することができる。
【0061】
次いで、この方法では、図3(b)に示すように、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシート102を、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシート101に、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシート102のセラミック粉末分散層602の表面が、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシート101の樹脂層301の表面と接触するように、重ね合わせる。
【0062】
そして、これらを加熱圧着させる。加熱圧着は、例えば、2〜70MPaで、50〜150℃の条件下で実施することができる。
【0063】
その後、この方法では、図3(c)に示すように、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシート102のベースフィルム202を、上記と同様の方法により、剥離する。
【0064】
その後、この方法では、上記と同様にして、図3(d)に示すように、目的とする枚数分(n枚)積層した後、必要により、チップ形状に切断し、樹脂層3およびセラミック粉末分散層6のバインダーの消失温度以上(例えば、約400℃〜1200℃)で焼成することによって、図4に示すような積層セラミックコンデンサ11を製造する。
【0065】
なお、焼成において、各金属薄膜付セラミックグリーンシート1の樹脂層3が、セラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料である場合には、これらを同一条件で消失させることができるので、簡易かつ確実な焼成を実現することができる。
【0066】
そして、このような積層セラミックコンデンサ11の製造方法では、上記した金属薄膜付きセラミックグリーンシート1が用いられるので、各金属薄膜付きセラミックグリーンシート1の積層においては、金属薄膜4の破損を防止しつつ、ベースフィルム2を剥離することができる。そのため、信頼性の高い積層セラミックコンデンサ11を製造することができる。
【0067】
なお、図4は、図3に対する直交方向の断面図として概略的に示されており、この積層セラミックコンデンサ11では、金属薄膜4が内部電極12となり、焼成において、樹脂層3が消失され、また、セラミック粉末分散層6のバインダーが消失されて、セラミック層13が形成されるため、内部電極12とセラミック層13とが、交互に積層された積層構造となる。また、この積層セラミックコンデンサ11には、焼成後において、公知の方法により、その両端部に外部電極14が形成される。
【0068】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0069】
実施例1
その表面がシリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3として、セラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料であるヒドロキシプロピルセルロースを、溶媒としてトルエンとモノメチルグリコールの混合溶媒を用いて、スピンコート法により、厚み0.5μmで塗布した(図1(b)参照)。
【0070】
次いで、金属薄膜4と逆パターンに開口形成されたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、樹脂層3の上に、120℃でロールラミネートすることにより、熱融着させた(図2(a)参照)。
【0071】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、樹脂層3の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.4μmで形成した(図2(b)参照)。
【0072】
その後、マスクフィルム5を樹脂層4から剥離し(図2(c)参照)、これによって、樹脂層3の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図1(c)参照)。なお、マスクフィルム5と樹脂層3との密着性が良好であったので、金属薄膜4は、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できた。
【0073】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてヒドロキシプロピルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に、厚み2.0μmで形成し(図1(d)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。なお、セラミック粉末分散層6は、スラリーが樹脂層3ではじかれることなく均一に塗布できたので、均一層として形成することができた。
【0074】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1の樹脂層3からベースフィルム2を剥離させた。しかし、金属薄膜4は、100%剥離することなく残存した。
【0075】
実施例2
ポリエチレンフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3として、セラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料であるヒドロキシプロピルセルロースを、溶媒としてトルエンとモノメチルグリコールの混合溶媒を用いて、スピンコート法により、厚み1.0μmで塗布した(図1(b)参照)。
【0076】
次いで、金属薄膜4と逆パターンに開口形成されたアルキド系樹脂フィルムからなるマスクフィルム5を、樹脂層3の上に、120℃でロールラミネートすることにより、熱融着させた(図2(a)参照)。
【0077】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、樹脂層3の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.3μmで形成した(図2(b)参照)。
【0078】
その後、マスクフィルム5を樹脂層4から剥離し(図2(c)参照)、これによって、樹脂層3の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図1(c)参照)。なお、マスクフィルム5と樹脂層3との密着性が良好であったので、金属薄膜4は、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できた。
【0079】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてヒドロキシプロピルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に、厚み2.0μmで形成し(図1(d)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。なお、セラミック粉末分散層6は、スラリーが樹脂層3ではじかれることなく均一に塗布できたので、均一層として形成することができた。
【0080】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1の樹脂層3からベースフィルム2を剥離させた。しかし、金属薄膜4は、100%剥離することなく残存した。
【0081】
実施例3
その表面がフッ化シリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3として、セラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料であるエチルセルロースを、溶媒としてトルエンを用いて、スピンコート法により、厚み0.5μmで塗布した(図1(b)参照)。
【0082】
次いで、金属薄膜4と逆パターンに開口形成され、その表面にアクリル系粘着剤が塗布され弱粘着性とされたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、樹脂層3の上に、120℃でロールラミネートすることにより、熱融着させた(図2(a)参照)。
【0083】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、樹脂層3の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.4μmで形成した(図2(b)参照)。
【0084】
その後、マスクフィルム5を樹脂層4から剥離し(図2(c)参照)、これによって、樹脂層3の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図1(c)参照)。なお、マスクフィルム5と樹脂層3との密着性が良好であったので、金属薄膜4は、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できた。
【0085】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてエチルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に、厚み2.0μmで形成し(図1(d)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。なお、セラミック粉末分散層6は、スラリーが樹脂層3ではじかれることなく均一に塗布できたので、均一層として形成することができた。
【0086】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1の樹脂層3からベースフィルム2を剥離させた。しかし、金属薄膜4は、100%剥離することなく残存した。
【0087】
実施例4
アルキド系樹脂フィルムからなるベースフィルム2を用意して(図1(a)参照)、その上に、樹脂層3として、セラミック粉末分散層6のバインダーと同一材料であるヒドロキシプロピルセルロースを、溶媒としてメタノールを用いて、スピンコート法により、厚み1.0μmで塗布した(図1(b)参照)。
【0088】
次いで、金属薄膜4と逆パターンに開口形成され、その表面にアクリル系粘着剤が塗布され弱粘着性とされたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、樹脂層3の上に、120℃でロールラミネートすることにより、熱融着させた(図2(a)参照)。
【0089】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、樹脂層3の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.3μmで形成した(図2(b)参照)。
【0090】
その後、マスクフィルム5を樹脂層4から剥離し(図2(c)参照)、これによって、樹脂層3の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図1(c)参照)。なお、マスクフィルム5と樹脂層3との密着性が良好であったので、金属薄膜4は、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できた。
【0091】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてヒドロキシプロピルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含む樹脂層3の上に、厚み2.0μmで形成し(図1(d)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。なお、セラミック粉末分散層6は、スラリーが樹脂層3ではじかれることなく均一に塗布できたので、均一層として形成することができた。
【0092】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1の樹脂層3からベースフィルム2を剥離させた。しかし、金属薄膜4は、100%剥離することなく残存した。
【0093】
比較例1
その表面がシリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図5(a)参照)、その上に、金属薄膜4と逆パターンに開口形成され、その表面にアクリル系粘着剤が塗布され弱粘着性とされたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、常温でロールラミネートすることにより、圧着させた(図5(b)参照)。
【0094】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、ベースフィルム2の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.4μmで形成した(図5(c)参照)。
【0095】
その後、マスクフィルム5をベースフィルム2から剥離し、これによって、ベースフィルム2の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図5(d)参照)。なお、マスクフィルム5とベースフィルム2との密着性が不良であったので、金属薄膜4は、マスクフィルム5を剥離したベースフィルム2の部分にも付着してしまい、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できなかった。
【0096】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてヒドロキシプロピルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に、厚み2.0μmで形成し(図5(e)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。
【0097】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1のセラミック粉末分散層6からベースフィルム2を剥離させた。そうすると、金属薄膜4の78%がセラミック粉末分散層6に残存したが、100%残存させることはできなかった。
【0098】
比較例2
ポリエチレンフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図5(a)参照)、その上に、金属薄膜4と逆パターンに開口形成されたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、130℃でロールラミネートすることにより、熱融着させた(図5(b)参照)。
【0099】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、ベースフィルム2の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.3μmで形成した(図5(c)参照)。
【0100】
その後、マスクフィルム5をベースフィルム2から剥離し、これによって、ベースフィルム2の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図5(d)参照)。なお、熱融着したにもかかわらず、マスクフィルム5とベースフィルム2との密着性が不良で、それらの界面のほどんど全面でマスクフィルム5がベースフィルム2から剥離したため、金属薄膜4は、マスクフィルム5を剥離したベースフィルム2の部分にも付着してしまい、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できなかった。
【0101】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてヒドロキシプロピルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に、厚み2.0μmで形成し(図5(e)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。
【0102】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1のセラミック粉末分散層6からベースフィルム2を剥離させた。そうすると、金属薄膜4の16%がセラミック粉末分散層6に残存したが、100%残存させることはできなかった。
【0103】
比較例3
その表面がフッ化シリコーン離型処理されたポリエチレンフタレートフィルムからなるベースフィルム2を用意して(図5(a)参照)、その上に、金属薄膜4と逆パターンに開口形成され、その表面にアクリル系粘着剤が塗布され弱粘着性とされたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、常温でロールラミネートすることにより、圧着させた(図5(b)参照)。
【0104】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、ベースフィルム2の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.4μmで形成した(図5(c)参照)。
【0105】
その後、マスクフィルム5をベースフィルム2から剥離し、これによって、ベースフィルム2の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図5(d)参照)。なお、マスクフィルム5とベースフィルム2との密着性が不良で、それらの界面において部分的にマスクフィルム5がベースフィルム2から剥離したため、金属薄膜4は、マスクフィルム5を剥離したベースフィルム2の部分にも付着してしまい、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できなかった。
【0106】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてエチルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に、厚み2.0μmで形成し(図5(e)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。
【0107】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1のセラミック粉末分散層6からベースフィルム2を剥離させた。そうすると、金属薄膜4の63%がセラミック粉末分散層6に残存したが、100%残存させることはできなかった。
【0108】
比較例4
アルキド系樹脂フィルムからなるベースフィルム2を用意して(図5(a)参照)、その上に、金属薄膜4と逆パターンに開口形成され、その表面にアクリル系粘着剤が塗布され弱粘着性とされたポリエチレンフタレートフィルムからなるマスクフィルム5を、常温でロールラミネートすることにより、圧着させた(図5(b)参照)。
【0109】
そして、真空蒸着装置を用いて、ニッケル薄膜からなる金属薄膜4を、ベースフィルム2の上に、所定の配線回路パターンとして、厚み0.3μmで形成した(図5(c)参照)。
【0110】
その後、マスクフィルム5をベースフィルム2から剥離し、これによって、ベースフィルム2の上に、金属薄膜4を所定の配線回路パターンとして形成した(図5(d)参照)。なお、マスクフィルム5と樹脂層3との密着性が良好であったので、金属薄膜4は、所定の配線回路パターンとして精度よく形成できた。
【0111】
次いで、セラミック粉末としてチタン酸バリウムが主成分として配合され、バインダーとしてヒドロキシプロピルセルロースが配合されているスラリーを、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に塗布し、100℃で乾燥させることにより、セラミック粉末分散層6を、金属薄膜4を含むベースフィルム2の上に、厚み2.0μmで形成し(図5(e)参照)、これによって、金属薄膜付きセラミックグリーンシート1を得た。
【0112】
その後、この金属薄膜付きセラミックグリーンシート1のセラミック粉末分散層6からベースフィルム2を剥離させた。そうすると、金属薄膜4の83%がセラミック粉末分散層6に残存したが、100%残存させることはできなかった。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法によれば、ベースフィルムを、樹脂層との界面において剥離することができ、また、均一なセラミック粉末分散層を形成することができる。さらには、樹脂層とマスクフィルムとを十分に密着させることができ、金属薄膜を、精度のよいパターンとして形成することができる。
【0114】
そして、本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートによれば、ベースフィルムの剥離時における金属薄膜の破損を防止することができ、均一なセラミック粉末分散層が形成される。
【0115】
そのため、本発明のセラミックコンデンサの製造方法によれば、金属薄膜の破損を防止しつつ、ベースフィルムを剥離でき、信頼性の高いセラミックコンデンサを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(a)は、ベースフィルムを用意する工程、
(b)は、ベースフィルムの上に樹脂層を形成する工程、
(c)は、樹脂層の上に金属薄膜を所定の配線回路パターンとして形成する工程、
(d)は、金属薄膜を含む樹脂層の上にセラミック粉末分散層を形成する工程、を示す。
【図2】図1に示す金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法において、(c)で示される樹脂層の上に金属薄膜を所定の配線回路パターンとして形成する工程の一実施形態を示す工程図であって、
(a)は、樹脂層の上に、マスクフィルムを配線回路パターンと逆パターンで配置して、樹脂層と熱融着させる工程、
(b)は、マスクフィルムから配線回路パターンとして露出する樹脂層の表面に、真空成膜法により金属薄膜を形成する工程、
(c)は、マスクフィルムを除去する工程
を示す。
【図3】本発明のセラミックコンデンサの製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(a)は、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシートのベースフィルムを剥離する工程、
(b)は、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシートを、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシートに、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシートのセラミック粉末分散層の表面が、第1の金属薄膜付セラミックグリーンシートの樹脂層の表面と接触するように、重ね合わせる工程、
(c)は、第2の金属薄膜付セラミックグリーンシートのベースフィルムを剥離する工程、
(d)は、目的とする枚数分積層した後、焼成する工程
を示す。
【図4】図3に示すセラミックコンデンサの製造方法により得られた積層セラミックコンデンサの一実施形態を示す概略断面図である。
【図5】比較例の金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法を示す工程図であって、
(a)は、ベースフィルムを用意する工程、
(b)は、ベースフィルムの上に、マスクフィルムを積層する工程、
(c)は、ベースフィルムの上に、金属薄膜を、所定の配線回路パターンとして形成する工程、
(d)は、マスクフィルムをベースフィルムから剥離する工程、
(e)は、金属薄膜を含むベースフィルムの上に、セラミック粉末分散層を形成する工程
を示す。
【符号の説明】
1 金属薄膜付セラミックグリーンシート
2 ベースフィルム
3 樹脂層
4 金属薄膜
5 マスクフィルム
6 セラミック粉末分散層
11 積層セラミックコンデンサ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic green sheet with a metal thin film, a method for manufacturing the same, and a method for manufacturing a ceramic capacitor, and more particularly, a ceramic green sheet with a metal thin film suitably used for manufacturing a ceramic capacitor, a method for manufacturing the same, and a method for manufacturing the same. The present invention relates to a method for manufacturing a ceramic capacitor using a ceramic green sheet with a metal thin film.
[0002]
[Prior art]
As a method of manufacturing a ceramic capacitor, for example, Japanese Patent No. 2990621 and Japanese Patent No. 2970238 disclose a method of forming a metal thin film in a predetermined pattern on a base film and forming the metal thin film on the base film including the metal thin film. Forming a ceramic green sheet so as to cover the metal thin film, thereby forming a ceramic green sheet with a metal thin film supported on a base film, and then forming a plurality of ceramics with a metal thin film thus obtained. It describes a method of manufacturing a multilayer ceramic capacitor by sequentially laminating green sheets while peeling a base film for each lamination and then firing.
[0003]
More specifically, Japanese Patent No. 2990621 discloses a method of manufacturing a multilayer ceramic electronic component including a ceramic green sheet and an electrode formed on the surface of the ceramic green sheet, wherein (a) vapor deposition Forming a first metal layer on the film by (b) forming a second metal layer on the first metal layer by wet plating; and (c) forming the first and second metal layers on the first metal layer. Patterning a metal layer of (c), (d) coating a ceramic slurry on the film to cover the metal layer to form a ceramic green sheet, and (e) forming a metal supported on the film. Pressing and laminating the integrated green sheet on a ceramic green sheet or another metal integrated green sheet; and (f) before A step of peeling off the film, have been described (g) and a step of firing the ceramic green sheet the laminate, the method of production of a multilayer ceramic electronic component.
[0004]
Japanese Patent No. 2970238 discloses a first step of forming a metal film having a predetermined pattern on a base film by a thin film forming method, and then forming a ceramic dielectric on the base film so as to cover the metal film. A second step of forming a layer to form a green sheet with a base film, and then forming the green sheet with the base film on a dielectric sheet by combining the dielectric sheet and the ceramic dielectric layer of the green sheet with the base film. A third step of peeling the base film after overlapping so as to be in contact with each other, and a ceramic dielectric layer of another green sheet with a base film obtained in the first step and the second step; After overlapping so that the green sheet obtained in the above is in contact, the base film is peeled off, and further A fourth step of laminating, a fifth step of laminating the green sheets by repeating a predetermined number of times in the same manner as the fourth step, and then cutting the green sheets to form chips, and firing the chips A method of manufacturing a multilayer ceramic capacitor including a sixth step of forming an external electrode on the chip and a seventh step of forming an external electrode on the chip is described.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method described above, since the metal thin film is formed by a thin film forming method such as evaporation, the metal crystal is small and the bonding force between the crystals is weak, so that the base film is peeled from the ceramic green sheet. Sometimes, the metal thin film may be damaged.
[0006]
Also, when forming a green sheet on the base film, first, the green sheet slurry is coated on the base film, but the wettability of the slurry to the surface of the base film is low. The slurry may be repelled and may not be coated uniformly.
[0007]
Further, as described in Japanese Patent No. 2970238, a mask film having a predetermined pattern is disposed on a base film, and a metal thin film having a pattern opposite to that of the mask film is formed on the base film by a vacuum deposition method. In this case, if the adhesion between the base film and the mask film is not sufficient, the metal thin film may be formed so as to protrude from a predetermined pattern.
[0008]
The present invention has been made in view of such circumstances, and its purpose is to prevent the metal thin film from being damaged when the base film is peeled off, and to form the ceramic powder dispersion layer uniformly, An object of the present invention is to provide a ceramic green sheet with a metal thin film, in which a metal thin film is formed as an accurate pattern, a method for manufacturing the same, and a method for manufacturing a ceramic capacitor.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention includes a base film, a resin layer formed on the base film, and a metal formed as a predetermined pattern on the resin layer. It is characterized by comprising a thin film and a ceramic powder dispersion layer formed on the resin layer including the metal thin film and having a ceramic powder dispersed in a binder.
[0010]
In such a ceramic green sheet with a metal thin film, since the metal thin film is not formed directly on the base film but is formed on the resin layer, the base film is peeled off during the production of the ceramic capacitor. Sometimes, the base film is peeled off at the interface with the resin layer. Therefore, breakage of the metal thin film at the time of peeling of the base film can be prevented. Further, since the ceramic powder dispersion layer is formed not on the base film but on the resin layer, for example, when the ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention is manufactured, the ceramic powder dispersion layer is used as a slurry to form the resin layer. When coated on a ceramic powder, a good ceramic powder dispersion layer is formed due to the good wettability between the slurry and the resin layer.
[0011]
In the present invention, it is preferable that the resin layer is made of substantially the same material as the binder of the ceramic powder dispersion layer.
[0012]
When the resin layer is made of substantially the same material as the binder of the ceramic powder dispersion layer, for example, during the production of the ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention, the ceramic powder dispersion layer is coated as a slurry on the resin layer. In this case, better wettability between the slurry and the resin layer can be secured. In addition, when the ceramic green sheet with the metal thin film of the present invention is laminated and fired during the production of the ceramic capacitor, it can be eliminated under the same conditions as the binder.
[0013]
In the present invention, the thickness of the resin layer is preferably 0.1 to 1.0 μm. If the thickness of the resin layer is in such a range, the present invention provides a good releasability of the base film, and a good wettability between the slurry of the ceramic powder dispersion layer and the resin layer. A ceramic capacitor obtained by laminating ceramic green sheets with metal thin films can be made thinner and smaller.
[0014]
Also, the present invention provides a step of preparing a plurality of the ceramic green sheets with a metal thin film of the present invention, a peeling step of peeling the base film of the ceramic green sheet with a metal thin film, a ceramic green with a metal thin film from which the base film has been peeled. The resin layer of the sheet and the ceramic powder dispersion layer of the ceramic green sheet with another metal thin film are brought into contact with each other, and the laminating step of laminating, the peeling step and the laminating step are repeated a predetermined number of times, and the plurality of layers are laminated. A method for manufacturing a ceramic capacitor including a step of firing a ceramic green sheet with a metal thin film is included.
[0015]
According to such a method for manufacturing a ceramic capacitor, since the ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention is used, the base film can be peeled while preventing damage to the metal thin film. Therefore, a highly reliable ceramic capacitor can be manufactured.
[0016]
Further, the present invention provides a step of preparing a base film, a step of forming a resin layer on the base film, and disposing a mask film in a predetermined pattern on the resin layer, thereby forming a heat-fusible resin. A step of forming a metal thin film having a pattern opposite to that of the mask film by a vacuum film forming method on the resin layer, a step of peeling the mask film, and a step of removing the mask film. Forming a ceramic powder-dispersed layer in which the ceramic powder is dispersed in a binder.
[0017]
According to such a method of manufacturing a ceramic green sheet with a metal thin film, the metal thin film is not formed directly on the base film, but is formed on the resin layer. When peeling, the base film can be peeled at the interface with the resin layer. Therefore, breakage of the metal thin film at the time of peeling of the base film can be prevented. Further, since the ceramic powder dispersion layer is formed not on the base film but on the resin layer, for example, when the ceramic powder dispersion layer is coated as a slurry on the resin layer, the slurry and the resin layer may be used. , A uniform ceramic powder dispersion layer can be formed.
[0018]
Furthermore, according to such a manufacturing method, when the metal thin film is formed, the mask film is thermally fused to the resin layer, so that the resin layer and the mask film can be sufficiently adhered. Therefore, the metal thin film can be formed as an accurate pattern.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a process chart showing one embodiment of a method for producing a ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention. Hereinafter, a method for manufacturing an embodiment of the ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention will be described with reference to FIG.
[0020]
First, in this method, a
[0021]
The
[0022]
In addition, the
[0023]
Next, in this method, a
[0024]
The resin that forms the
[0025]
These resins can be used alone or in combination of two or more.
[0026]
The resin forming the
[0027]
The method for forming the
[0028]
Although the preparation of the resin solution is not particularly limited, the above-mentioned resin is, for example, in a solvent similar to a binder dispersion medium described below, the resin concentration (solid content concentration) is 1 to 50% by weight, preferably, Dissolve to 3 to 30% by weight.
[0029]
In addition, a known method such as a spin coating method, a doctor blade method, or a spray method is used for applying the resin solution.
[0030]
The drying after the application is appropriately selected depending on the type of the resin and the solvent. For example, the drying is performed at 40 to 200 ° C, preferably 60 to 150 ° C.
[0031]
The
[0032]
Next, in this method, as shown in FIG. 1C, a metal thin film 4 is formed on the
[0033]
The metal forming the metal thin film 4 is not particularly limited as long as it is used as an internal electrode of the multilayer
[0034]
The metal thin film 4 is formed on the
[0035]
In order to form the metal thin film 4 into a predetermined wiring circuit pattern, there is no particular limitation. For example, first, the metal thin film 4 is formed on the entire surface of the
[0036]
The latter method will be described more specifically. First, as shown in FIG. 2A, a
[0037]
The
[0038]
The arrangement of the
[0039]
Although there is no particular limitation on the manner in which the
[0040]
Next, as shown in FIG. 2B, a metal thin film 4 is formed on the surface of the
[0041]
The vacuum film formation method is not particularly limited, but is appropriately selected from a vacuum deposition method, an ion plating method, a sputtering method, and the like in consideration of a wiring circuit pattern, a type of metal, a thickness of the metal thin film 4, and the like.
[0042]
Further, the metal thin film 4 may be formed as a multilayer structure having two or more layers depending on the purpose and use.
[0043]
Thus, the metal thin film 4 formed as a predetermined wiring circuit pattern preferably has a thickness of, for example, 0.1 to 1.0 μm, and more preferably 0.1 to 0.5 μm.
[0044]
Thereafter, as shown in FIG. 2C, the
[0045]
Then, in this method, as shown in FIG. 1 (d), a ceramic powder dispersion layer 6 is formed on the
[0046]
The formation of the ceramic powder dispersion layer 6 is not particularly limited. For example, a slurry containing at least a ceramic powder and a binder is prepared, and this slurry is applied to the entire surface of the
[0047]
The preparation of the slurry is not particularly limited as long as it is a method for preparing a slurry used for producing a ceramic green sheet. For example, a ceramic powder and a binder are blended in a dispersion medium (solvent) and mixed.
[0048]
The ceramic powder is not particularly limited, for example, dielectric ceramic powder such as barium titanate powder, strontium titanate powder, lead titanate powder, magnetic ceramic powder such as ferrite powder, piezoelectric ceramic powder For example, an insulating ceramic powder such as alumina and silica may be used. These ceramic powders can be used alone or in combination of two or more. Specifically, they are appropriately selected according to the purpose and use.
[0049]
The binder is not particularly limited, but may be the same as the resin forming the
[0050]
Dispersion medium, for example, water, for example, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, alcohol solvents such as butyl alcohol, for example, ethylene glycol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, methyl carbitol, glycol solvents such as ethyl carbitol, For example, acetone, methyl ethyl ketone, ketone solvents such as methyl isobutyl ketone, for example, ethyl acetate, ester solvents such as butyl acetate, for example, benzene, toluene, xylene, aromatic solvents such as solvent naphtha, for example, dimethylformamide, Examples thereof include polar solvents such as dimethylacetamide, dimethylsulfoxide, acetonitrile, and N-methylpyrrolidone. These dispersion media can be used alone or in combination of two or more.
[0051]
In preparing such a slurry, known additives such as a plasticizer and a dispersant can be appropriately compounded depending on the purpose and use. For example, the plasticizer is not particularly limited, and examples thereof include polyethylene glycol and its derivatives, fatty acid esters, phthalic acid esters, and phosphoric acid esters.
[0052]
The preparation of the slurry is carried out by mixing the above-mentioned components and mixing them using, for example, a known powder mixing apparatus such as a bead mill, a ball mill, and a sand mill. The proportion of each component is not particularly limited, and can be appropriately selected depending on the purpose and use.
[0053]
Then, in this method, the slurry prepared in this manner is applied to the entire surface of the
[0054]
The application of the slurry to the entire surface of the
[0055]
In addition, drying of the applied slurry is not particularly limited, but is performed, for example, at 50 to 200 ° C, and preferably at 80 to 150 ° C.
[0056]
In the ceramic
[0057]
Further, since the ceramic powder dispersion layer 6 is formed not on the
[0058]
Therefore, the ceramic
[0059]
Next, a method for manufacturing such a multilayer
[0060]
In this method, a plurality of ceramic green sheets with metal
[0061]
Next, in this method, as shown in FIG. 3B, the second ceramic green sheet with metal
[0062]
Then, these are heat-pressed. The thermocompression bonding can be performed, for example, at a pressure of 2 to 70 MPa and a temperature of 50 to 150 ° C.
[0063]
Thereafter, in this method, as shown in FIG. 3C, the
[0064]
Thereafter, in this method, as shown in FIG. 3D, the desired number of sheets (n sheets) are laminated in the same manner as described above, and then, if necessary, cut into chip shapes, and the
[0065]
In the firing, if the
[0066]
In the method of manufacturing such a multilayer
[0067]
Note that FIG. 4 is schematically shown as a cross-sectional view in a direction orthogonal to FIG. 3. In this multilayer
[0068]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples.
[0069]
Example 1
A
[0070]
Next, a
[0071]
Then, using a vacuum evaporation apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0072]
Thereafter, the
[0073]
Next, a slurry in which barium titanate is blended as a main component as a ceramic powder and hydroxypropyl cellulose is blended as a binder is applied on the
[0074]
Thereafter, the
[0075]
Example 2
A
[0076]
Next, a
[0077]
Then, using a vacuum evaporation apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0078]
Thereafter, the
[0079]
Next, a slurry in which barium titanate is blended as a main component as ceramic powder and hydroxypropyl cellulose is blended as a binder is applied on the
[0080]
Thereafter, the
[0081]
Example 3
A
[0082]
Next, a
[0083]
Then, using a vacuum evaporation apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0084]
Thereafter, the
[0085]
Next, a slurry containing barium titanate as a main component as a ceramic powder and ethyl cellulose as a binder is applied on the
[0086]
Thereafter, the
[0087]
Example 4
A
[0088]
Next, a
[0089]
Then, using a vacuum evaporation apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0090]
Thereafter, the
[0091]
Next, a slurry in which barium titanate is blended as a main component as a ceramic powder and hydroxypropyl cellulose is blended as a binder is applied on the
[0092]
Thereafter, the
[0093]
Comparative Example 1
A
[0094]
Then, using a vacuum evaporation apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0095]
Thereafter, the
[0096]
Next, a slurry in which barium titanate is blended as a main component as a ceramic powder and hydroxypropylcellulose is blended as a binder is applied on the
[0097]
Thereafter, the
[0098]
Comparative Example 2
A
[0099]
Then, using a vacuum deposition apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0100]
Thereafter, the
[0101]
Next, a slurry in which barium titanate is blended as a main component as a ceramic powder and hydroxypropylcellulose is blended as a binder is applied on the
[0102]
Thereafter, the
[0103]
Comparative Example 3
A
[0104]
Then, using a vacuum evaporation apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0105]
Thereafter, the
[0106]
Next, a slurry containing barium titanate as a main component as a ceramic powder and ethyl cellulose as a binder is applied onto the
[0107]
Thereafter, the
[0108]
Comparative Example 4
A
[0109]
Then, using a vacuum deposition apparatus, a metal thin film 4 made of a nickel thin film was formed on the
[0110]
Thereafter, the
[0111]
Next, a slurry in which barium titanate is blended as a main component as a ceramic powder and hydroxypropylcellulose is blended as a binder is applied on the
[0112]
Thereafter, the
[0113]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for producing a ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention, the base film can be peeled off at the interface with the resin layer, and a uniform ceramic powder dispersion layer can be formed. Can be. Further, the resin layer and the mask film can be sufficiently adhered to each other, and the metal thin film can be formed as an accurate pattern.
[0114]
According to the ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention, it is possible to prevent the metal thin film from being damaged when the base film is peeled off, and to form a uniform ceramic powder dispersion layer.
[0115]
Therefore, according to the method for manufacturing a ceramic capacitor of the present invention, the base film can be peeled off while preventing breakage of the metal thin film, and a highly reliable ceramic capacitor can be manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process chart showing one embodiment of a method for producing a ceramic green sheet with a metal thin film of the present invention,
(A) is a step of preparing a base film,
(B) is a step of forming a resin layer on the base film,
(C) forming a metal thin film on the resin layer as a predetermined wiring circuit pattern;
(D) shows a step of forming a ceramic powder dispersion layer on the resin layer containing the metal thin film.
FIG. 2 is a process diagram showing one embodiment of a process of forming a metal thin film as a predetermined wiring circuit pattern on the resin layer shown in FIG. 1 (c) in the method for manufacturing a ceramic green sheet with a metal thin film shown in FIG. And
(A) is a step of arranging a mask film on the resin layer in a reverse pattern to the wiring circuit pattern and thermally fusing the mask film to the resin layer;
(B) forming a metal thin film on the surface of the resin layer exposed as a wiring circuit pattern from the mask film by a vacuum film forming method;
(C) is a step of removing the mask film
Is shown.
FIG. 3 is a process chart showing one embodiment of a method for manufacturing a ceramic capacitor of the present invention,
(A) is a step of peeling a base film of the first ceramic green sheet with a metal thin film,
(B) shows the case where the surface of the ceramic powder dispersion layer of the ceramic green sheet with the second metal thin film is changed to the first ceramic thin film with the metal thin film. Superimposing, so as to be in contact with the surface of the resin layer of the attached ceramic green sheet,
(C) removing the base film of the second ceramic green sheet with a metal thin film;
(D) is a step of firing after laminating the desired number of sheets.
Is shown.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing one embodiment of a multilayer ceramic capacitor obtained by the method for manufacturing a ceramic capacitor shown in FIG.
FIG. 5 is a process chart showing a method for manufacturing a ceramic green sheet with a metal thin film of a comparative example,
(A) is a step of preparing a base film,
(B) is a step of laminating a mask film on the base film,
(C) forming a metal thin film as a predetermined wiring circuit pattern on the base film;
(D) removing the mask film from the base film;
(E) forming a ceramic powder dispersion layer on a base film including a metal thin film;
Is shown.
[Explanation of symbols]
1 Ceramic green sheet with metal thin film
2 Base film
3 resin layer
4 Metal thin film
5 Mask film
6 Ceramic powder dispersion layer
11 Multilayer ceramic capacitor
Claims (5)
前記ベースフィルムの上に形成される樹脂層と、
前記樹脂層の上に所定のパターンとして形成される金属薄膜と、
前記金属薄膜を含む前記樹脂層の上に形成され、セラミック粉末がバインダーに分散されているセラミック粉末分散層と
を備えていることを特徴とする、金属薄膜付セラミックグリーンシート。A base film,
A resin layer formed on the base film,
A metal thin film formed as a predetermined pattern on the resin layer,
And a ceramic powder dispersion layer formed on the resin layer including the metal thin film, wherein the ceramic powder is dispersed in a binder.
前記金属薄膜付セラミックグリーンシートの前記ベースフィルムを剥離する剥離工程、
前記ベースフィルムが剥離された金属薄膜付きセラミックグリーンシートの前記樹脂層と、他の金属薄膜付きセラミックグリーンシートの前記セラミック粉末分散層とを接触させて、積層する積層工程、
前記剥離工程および前記積層工程を所定回数繰り返して積層された複数の前記金属薄膜付きセラミックグリーンシートを焼成する工程
を備えることを特徴とする、セラミックコンデンサの製造方法。A step of preparing a plurality of ceramic green sheets with a metal thin film according to any one of claims 1 to 3,
A peeling step of peeling the base film of the ceramic green sheet with the metal thin film,
A laminating step of contacting and laminating the resin layer of the ceramic green sheet with the metal thin film from which the base film has been peeled, and the ceramic powder dispersion layer of the ceramic green sheet with the other metal thin film,
A method for manufacturing a ceramic capacitor, comprising a step of repeating the peeling step and the laminating step a predetermined number of times and firing a plurality of the laminated ceramic green sheets with a metal thin film.
前記ベースフィルムの上に樹脂層を形成する工程、
前記樹脂層の上に、マスクフィルムを所定のパターンで配置して、前記樹脂層と熱融着させる工程、
前記樹脂層の上に、真空成膜法により、前記マスクフィルムと逆パターンの金属薄膜を形成する工程、
前記マスクフィルムを除去する工程、
前記金属薄膜を含む前記樹脂層の上に、セラミック粉末がバインダーに分散されているセラミック粉末分散層を形成する工程
を備えていることを特徴とする、金属薄膜付セラミックグリーンシートの製造方法。Preparing a base film,
Forming a resin layer on the base film,
A step of disposing a mask film in a predetermined pattern on the resin layer and thermally bonding the resin film to the resin layer;
A step of forming a metal thin film having a pattern opposite to that of the mask film by a vacuum film forming method on the resin layer;
Removing the mask film,
A method for manufacturing a ceramic green sheet with a metal thin film, comprising: forming a ceramic powder dispersion layer in which ceramic powder is dispersed in a binder on the resin layer containing the metal thin film.
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