JP2004074066A - 制御手段を有する回転加圧脱水機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】濾室内に導入した処理原液を、回転するスクリーン5との摩擦力によって前方へ送出するとともに圧縮し、脱水できるように構成され、スクリーン5の回転速度を制御することによって、入口圧力が一定に保たれるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工食品の原料やその半加工品、又は、汚泥等、固体物質と液体物質の混合物(処理原液)を濾過・圧縮して脱水処理を行う装置であって、特に、回転軸周りに形成された環状の濾室内を進行させるに従って、処理原液に次第に圧力を加えて脱水処理を行う回転加圧脱水機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転加圧脱水機(ロータリープレスフィルタ)においては、機内への処理原液の供給量を一定に保ちながら運転を行った場合、処理原液の性状変化等によって、入口圧力や、出口圧力(脱水後、出口から排出される際に対象物(脱水ケーキ)に作用している圧力)が変動してしまうことがある。
【0003】
より具体的に説明すると、導入直後においては、処理原液は供給ポンプの圧力に従って濾室内を前方へと移動していくことになるが、途中から、導入される処理原液の性状が変化した場合、例えば、処理原液中の固形分濃度が上昇した場合には、濾室内に蓄積される固形物量がそれだけ増えることになり、上昇前と比べ、導入直後における処理原液が流体として移動する距離が短くなってしまうため、濾室内の有効な濾過面も減少することになり、入口圧力は上昇する。
【0004】
このように、回転加圧脱水機の運転中に入口圧力(或いは出口圧力)が変化すると、出口から排出される脱水ケーキの含水率や、SS回収率(処理原液が脱水ケーキと濾液とに分離される際、処理原液中の固形分が、脱水ケーキとして回収される率)が不安定となってしまう。従って、回転加圧脱水機を安定して運転させるには、変動する因子に対して入口圧力や出口圧力等を適宜調整した方がよい。
【0005】
そこで、従来の回転加圧脱水機のなかには、処理原液の性状変化に対し、その供給量を制御することによって入口圧力を調整できるように構成したものがある。また、背圧板を変位させ、出口の開口面積を制御することによって、出口圧力を調整できるように構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、処理原液の供給量を変化させることによって入口圧力を一定に保つ従来の技術では、供給量が勝手に変化するために、処理量が当初の計画量と一致しない、という問題が発生する。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、処理原液の供給量を変化させずに、他の要素を制御することによって、入口圧力や出口圧力を的確に調整することができ、その結果、運転時の安定性を向上させることができる回転加圧脱水機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る回転加圧脱水機は、濾室内に導入した処理原液を、回転するスクリーンとの摩擦力によって前方へ送出するとともに圧縮し、脱水できるように構成し、スクリーンの回転速度を制御することによって、入口圧力を設定値に自動調整するように構成したことを特徴としている。尚、この回転加圧脱水機においては、圧力センサー等によって計測された入口圧力の値(計測値)と設定値の偏差が制御手段によって検知され、その結果に応じてスクリーンの回転速度を変化させる、という制御が実行され、このような制御によって、入口圧力が設定値に自動調整されるようになっている。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る回転加圧脱水機は、薬剤の添加後に濾室内に導入された処理原液を、回転するスクリーンとの摩擦力によって前方へ送出するとともに圧縮し、脱水できるように構成し、処理原液に対する薬剤の添加量、及び/又は、攪拌機による処理原液の攪拌量(攪拌の程度)を制御することによって、入口圧力が設定値に自動調整されるように構成したことを特徴としている。この回転加圧脱水機においても、制御手段によって入口圧力の計測値と設定値の偏差が検知され、その結果に応じて薬剤添加量や攪拌量を変化させる、という制御が実行され、かかる制御によって、入口圧力が設定値に自動調整されるようになっている。
【0010】
更に、本発明の請求項3に係る回転加圧脱水機は、ケーキ出口の開口面積が制御されることによって、脱水ケーキに作用する出口圧力が、予め設定された値に自動調整されるように構成し、更に、出口圧力についての前記設定値に応じて、入口圧力の標準値が自動的に決定され、これを入口圧力の設定値として、必要な制御(例えば、上記のようなスクリーン回転速度の制御、薬剤添加量制御、或いは、攪拌量制御など)が行われることによって、前記入口圧力が、前記標準値に自動調整されるように構成したことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項4に係る回転加圧脱水機は、ケーキ含水率の測定値と設定値の偏差、及び/又は、SS回収率の測定値と設定値の偏差が制御手段によって検知され、その結果に応じて、処理原液に対する薬剤添加量、薬剤を添加した処理原液の攪拌量、スクリーンの回転数、又は、ケーキ出口の開口面積のうちの、少なくともいずれか一つ以上を制御することにより、脱水ケーキの含水率、及び/又は、SS回収率が設定値に自動調整されるように構成したことを特徴としている。尚、この場合、SS回収率の代わりに濾液SS濃度が(即ち、濾液SS濃度の測定値と設定値の偏差が制御手段によって検知され、その結果に応じて、薬剤添加量等のうち、少なくともいずれか一つ以上を制御することにより、脱水ケーキの含水率、及び/又は、濾液SS濃度が)設定値に自動調整されるように構成しても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転加圧脱水機の本体1の基本構造を示す切欠斜視図である。図示されているように、この本体1は、回転軸2、内輪スペーサ3、外輪スペーサ4、2枚のドーナツ状のスクリーン5,5、隔壁板6、原液供給口8、ケーキ出口9、及び、図示しない背圧板(背圧装置)、外部ケーシング等によって構成されており、本発明に係る回転加圧脱水機は、この本体1、及び、図示しない駆動装置、制御装置(制御手段)等によって構成されている。
【0013】
この回転加圧脱水機において、図示しない駆動装置から駆動力を供給して回転軸2を回転させると、この回転軸2周りに固定された内輪スペーサ3、及び、内輪スペーサ3に固定されたスクリーン5,5(直径0.1〜0.5mm程度の多数の小孔を有している)が、回転軸2に従って回転するようになっている。
【0014】
そして、回転軸2乃至スクリーン5,5を、図1に示す矢印Bの方向に低速(0.2〜2.0回転/分程度)で回転させ、この状態で、原液供給口8から処理原液を連続的に導入すると、処理原液は、スクリーン5,5の内周面との摩擦力によって、濾室(外輪スペーサ4の内周面4c、内輪スペーサ3の外周面3a、及び、スクリーン5,5の各内側面によって仕切られるスペースであって、断面が矩形状で、環状(C字状)に延出するスペース)内を、ケーキ出口9の方へ向かって進行していくことになる。
【0015】
その際、処理原液中に含まれる水分は、スクリーン5の小孔を抜けて、次第に濾室外に排出されていくことになり、処理原液は固形分濃度を増してスラリー状になっていく。そして、スラリー状になった処理原液が濾室内を更に進行していくと、その過程で更に脱水が進み、スラリー状の処理原液は、次第にケーキ状になっていく。
【0016】
そうすると、スクリーン5との間の摩擦力もより大きくなっていき、その増大した摩擦力によって、脱水ケーキは更に先方へと搬送されることになるが、先行する脱水ケーキによって抵抗を受けるため、スクリーン5と等速で搬送されることにはならず、逆に、先行する脱水ケーキを圧縮することになる。このため、先行する脱水ケーキの脱水が更に進むことになる。
【0017】
このようにして、濾室内に導入された処理原液は、ケーキ出口9に近づいて行くに従って脱水が進行し、最終的に所望の含水率となるまで十分に脱水された脱水ケーキが、ケーキ出口9より外部へと排出されるようになっている。
【0018】
また、この回転加圧脱水機1は、機内へ導入される処理原液の性状が途中で変化しても、処理原液の供給量を変えることなく、入口圧力が設定値に自動調整(最適化)されるようになっている。
【0019】
より具体的には、原液供給口8の内側(または原液供給ポンプ(図示せず)から原液供給口8へ至る途中)に、圧力センサーが取り付けられており、回転加圧脱水機1の運転中、常に、処理原液の入口圧力が計測されるようになっている。そして、計測された入口圧力の値は、信号として出力され、制御装置に送られる。
【0020】
このように、処理原液の入口圧力は制御装置によって常に監視されることになり、入口圧力の計測値と設定値の偏差が検知され、計測値が設定値よりも高くなった場合、或いは、低くなった場合には、スクリーンの回転速度を調整するために、回転駆動系(駆動装置、及び、回転軸2)が、制御装置によって制御されるようになっている。
【0021】
例えば、この回転加圧脱水機の運転中において、導入される処理原液中の固形分濃度が途中から上昇してしまった場合、入口圧力も上昇してしまうことになるが、本実施形態においては、このような場合、スクリーン5の回転速度が上がるように、回転駆動系が制御されるようになっている。スクリーン5の回転速度が上がると、濾室内の固形物の移動速度が速くなり、濾室内に蓄積される固形物量が減少し、その結果、入口圧力は低下することになるからである。またこれとは反対に、処理原液の性状変化によって入口圧力が低下してしまった場合には、スクリーンの回転速度が下がるように、回転駆動系が制御される。
【0022】
このように、導入中の処理原液の性状変化等に起因して入口圧力に変動が生じたとしても、スクリーン5の回転を最適な速度に制御することによって、入口圧力が設定値に復帰するようになっている。
【0023】
尚、入口圧力を設定値に保つため、或いは、復帰させるのに最適なスクリーンの回転速度(最適回転速度)は、制御装置の演算処理部によって、入口圧力の計測値をもとに(計測値と設定値の偏差が検知され、その結果をもとに)算出されるようになっている。また、この算出値に基づいてスクリーンの回転速度が実際に変化すると、これに従って、入口圧力も変化することになるが、その変化した入口圧力の計測値は、演算処理部にフィードバックされるようになっているため、その新たな計測値をもとに、更に最適なスクリーンの回転速度が算出され、運転に反映されることになる。
【0024】
また、この回転加圧脱水機は、運転中に諸条件が変化しても、出口圧力が設定値から外れないよう、自動調整されるようになっている。より具体的には、ケーキ通路14のケーキに接する面に、圧力センサーが取り付けられており、回転加圧脱水機の運転中、常に、ケーキ出口9付近における脱水ケーキの出口圧力が計測されるようになっており、計測された出口圧力の値は、信号として出力され、制御装置に送られる。
【0025】
このように、脱水ケーキの出口圧力は制御装置によって常に監視されることになり、出口圧力の計測値と設定値の偏差が検知され、計測値が設定値よりも高くなった場合、或いは、低くなった場合には、ケーキ出口9の開口面積が、制御装置によって自動的に変化し、出口圧力が一定に制御されるようになっている。
【0026】
例えば、出口圧力が設定値よりも高くなった場合には、ケーキ出口9の開口面積が拡がる方向に背圧板が変位するようになっている。ケーキ出口9の開口面積が拡がると、脱水ケーキの排出量が増え、その分、出口圧力は低下することになるからである。またこれとは反対に、出口圧力が設定値よりも低くなった場合には、出口圧力が上昇するよう、ケーキ出口9の開口面積が小さくなる方向に、背圧板が変位するようになっている。
【0027】
このように、諸条件の変化によって出口圧力に変動が生じたとしても、ケーキ出口9の開口面積を最適化する制御を行うことによって、出口圧力が速やかに設定値に復帰するようになっている。
【0028】
尚、出口圧力を設定値に保つため、或いは、復帰させるのに最適なケーキ出口9の開口面積(最適開口面積)は、制御装置の演算処理部によって、出口圧力の計測値をもとに(計測値と設定値の偏差が検知され、その結果をもとに)算出されるようになっている。また、この算出値に基づいてケーキ出口9の開口面積が実際に変化すると、これに従って、出口圧力も変化することになるが、その変化した出口圧力の計測値は、演算処理部にフィードバックされるようになっているため、その新たな計測値をもとに、更に最適な開口面積が算出され、運転に反映されることになる。
【0029】
このような自動制御が行われることによって、本実施形態における回転加圧脱水機は、導入する処理原液の性状が途中で変化しても、入口圧力が最適化されるよう(設定値から外れないよう)調整され、また、出口圧力も同様に調整されるようになっている。その結果、安定した脱水処理を行うことができる。また、入口圧力と出口圧力をそれぞれ制御するので、入口圧力が出口圧力より高くなり、原液がケーキ出口から噴き出すという「運転不能状態」を回避することができる。この制御は、従来の回転加圧脱水機とは異なり、処理原液の供給量(導入量)を変化させることなく、脱水処理の安定化を図ることができるので、処理量が当初の計画量と一致しない、という問題を好適に回避することができる。
【0030】
尚、入口圧力及び出口圧力についての「設定値」は、排出される脱水ケーキの含水率や、SS回収率等との関係で、処理作業毎に、或いは、処理作業の途中からでも、管理者等によって適宜変更できるようになっている。
【0031】
また、出口圧力についての設定値だけを、管理者等が変更できるように構成し、入口圧力についての設定値は、予め設定された「出口圧力と入口圧力の関係」に応じて、最適な値が制御装置によって自動的に決定され、必要な制御(例えば、スクリーンの回転速度の制御等)が行われることによって、入口圧力がその標準値に自動調整されるように構成することもできる。この場合、出口圧力と入口圧力との差も自動的に最適値に制御されることになる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における回転加圧脱水機は、第1の実施形態として説明した装置(本体1、及び、図示しない駆動装置、制御装置等)に調質機11、攪拌機12、及び、薬注ポンプ13を付加してなるものである(図2参照)。
【0033】
この回転加圧脱水機は、特に、汚泥(余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥及び凝沈汚泥等)の脱水用として適用することができるものであり、脱水処理の対象物となる汚泥を、本体1内への導入前に、予め薬剤による調質ができるようになっている。
【0034】
より具体的には、処理原液としての汚泥は、まず、調質機11の混合槽内に導入される。この調質機11内へは、薬注ポンプ13によって所望量の薬剤を注入できるようになっているほか、攪拌機12により、導入した汚泥と注入した薬剤とを好適に攪拌できるようになっている。本実施形態においては、処理原液としての汚泥は、このように調質(薬剤添加、及び、攪拌)された後で、調質機11から本体1へと供給されることになる。
【0035】
尚、ここで汚泥に添加される薬剤としては、高分子凝集剤があり、ポリ硫酸鉄、PAC等の無機凝集剤を併用する場合もある。高分子凝集剤は、荷電中和と架橋によって汚泥粒子をフロック化し、「凝集汚泥」とすることができ、その結果、固液分離性を向上させることができる。また、高分子凝集剤だけでなく、無機凝集剤を併用した場合には、処理原液の固液分離性を更に向上させることができる。
【0036】
そして、本実施形態における回転加圧脱水機においては、本体1内に導入される汚泥の性状が途中で変化することによって入口圧力が変動してしまった場合には、常にこれを監視する制御装置によって、スクリーンの回転速度、調質機11内への薬剤添加量、及び、攪拌機12による攪拌量が自動制御されるようになっており、これによって、速やかに入口圧力の最適化が行われるようになっている。
【0037】
尚、入口圧力を設定値に保つため、或いは、復帰させるのに最適なスクリーンの回転速度(最適回転速度)、薬剤添加量(最適薬剤添加量)、及び、攪拌量(最適攪拌量)は、制御装置の演算処理部によって、入口圧力の計測値をもとに(計測値と設定値の偏差が検知され、その結果をもとに)算出されるようになっている。
【0038】
また、この算出値に基づいてスクリーンの回転速度、薬剤添加量、及び、攪拌量が実際に変化すると、これに従って、入口圧力も変化することになるが、その変化した入口圧力の計測値は、演算処理部にフィードバックされるようになっているため、その新たな計測値をもとに、更に最適なスクリーンの回転速度等が算出され、運転に反映されることになる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態における回転加圧脱水機は、第2の実施形態として説明した装置(本体1、図示しない駆動装置及び制御装置、図2に示したような調質機11、攪拌機12、及び、薬注ポンプ13)に、ケーキ含水率計、及び、SS回収率計を付加してなるものである。
【0040】
本実施形態におけるケーキ含水率計は、本体1の内部(又は、本体1の外側)にある。一例として電極式のものがあり、所定間隔を置いて設置された一対の電極を有しており、これらの間を脱水ケーキが通過するように構成されている。そして、両電極間の電気抵抗値を計測することにより、通過する脱水ケーキの含水率を測定できるようになっている。
【0041】
また、本実施形態におけるSS回収率計は、原液濃度(原液中の固形物濃度)、ケーキ含水率、及び、濾液SS濃度(濾液中の浮遊性固形物濃度)を計測することによって、SS回収率を演算するというものである。尚、「SS回収率」は、「処理原液が脱水ケーキと濾液とに分離される際、処理原液中の固形分が、脱水ケーキとして回収される率」を意味している。一例として、原液濃度、濾液SS濃度の測定には、レーザ光の反射や透過を用いたものがある。
【0042】
尚、ケーキ含水率計によって測定された脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率計によって算出されたSS回収率の値は、それぞれ信号として出力され、制御装置に送られるようになっている。
【0043】
そして、本実施形態における回転加圧脱水機においては、脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率について、設定値を保ったまま、しかも、最小コストで運転を継続させることができるようになっている。
【0044】
この点について具体的に説明すると、本実施形態においては、本体1のケーキ出口9から排出された脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率が連続的に計測され、制御装置によって常に監視されるように構成されており、これらの値(計測値)と設定値との間に開きがある場合、速やかに設定値に近づいていくように、スクリーンの回転速度、調質機11内への薬剤添加量、攪拌機12による攪拌量(攪拌の程度)、及び、ケーキ出口9の開口面積が制御されるようになっている。
【0045】
脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率はいずれも、スクリーンの回転数、薬注ポンプ13による汚泥への薬剤添加量、攪拌機12による攪拌量、又は、ケーキ出口の開口面積の変化によって変動し得るものだからである。
【0046】
脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率を設定値に近づけるために必要となる制御の程度(スクリーンの最適回転速度、最適薬剤添加量、最適攪拌量、ケーキ出口9の最適開口面積)は、制御装置の演算処理部によって、入口圧力、出口圧力、脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率の計測値をもとに(それらの計測値と設定値の偏差が検知され、その結果をもとに)、データベースを利用して算出されるようになっている。
【0047】
このデータベースは、スクリーンの回転速度、薬剤添加量、攪拌量、及び、ケーキ出口9の開口面積と、入口圧力、出口圧力、脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率との相関関係を示すデータであって、過去の脱水処理作業、或いは、予め実施された様々な実験によって得られたデータを大量に蓄積してなるものである。このデータベースには、新たに脱水処理作業が行われるごとに、それらの相関関係を示す新しいデータが、随時追加、更新されていくことになる。
【0048】
従って、スクリーンの最適回転速度、最適薬剤添加量、最適攪拌量、及び、ケーキ出口9の最適開口面積についての算出値は、脱水処理作業の回数を重ねるたびに、次第に洗練されていくことになり、制御の効率も、それだけ向上していくことになる。
【0049】
また、このデータベースには、制御のための各アクションについてのコスト性に関するデータも蓄積されており、コストが嵩んでしまうような制御方法は、なるべく実行されないようになっているほか、脱水ケーキの含水率とSS回収率がいずれも設定値を達成している場合に、これらの管理項目について設定値を保ったまま実行できるようなアクション(薬剤添加量の減少、スクリーンの回転速度の低下等)を探し、最小のコストで運転を継続させることができるようになっている。
【0050】
尚、原液濃度だけが変化して最適薬剤添加量は変化しない場合はよくある。その場合、薬剤添加量については、前述のように脱水ケーキの含水率やSS回収率の変化に応じて制御するのではなく、調質機11内に導入された処理原液中の固形分の量に対し、添加される薬剤の量が一定の比率となるように(即ち、処理原液中の固形物濃度に比例して)薬剤の添加量を制御する(このような制御方法を「比例薬注」と言う。)ように構成することもできる。
【0051】
この比例薬注を行う場合、調質機11内に導入された原液濃度を測定する必要があるが、これには、レーザ光の反射量や透過量を計ることによって濃度を算出する原液濃度計を用いることができる。
【0052】
また、本実施形態における回転加圧脱水機においては、「過剰な攪拌」によるSS回収率の悪化が生じないよう考慮された上で、攪拌機12の最適攪拌量が算出されるようになっている。調質機11内の処理原液に薬剤が添加された後、処理原液中において薬剤が均一に分散するよう、攪拌機12による攪拌が行われるが、このとき「過剰な攪拌」が行われると、薬剤の添加によって形成された大きなフロックが細分化されることになってしまい、その結果、SS回収率が悪化してしまう可能性があるためである。
【0053】
本実施形態における回転加圧脱水機は、上記のような自動制御が行われることによって、諸条件が変化しても、脱水ケーキの含水率、及び、SS回収率が一定に保たれるように(即ち、設定値から外れないように)なっており、安定した脱水処理を行うことができる。また、従来の回転加圧脱水機とは異なり、処理原液の供給量(導入量)を変化させることなく、脱水処理の安定化を図ることができるので、処理量が当初の計画量と一致しない、という問題を好適に回避することができる。
【0054】
尚、本実施形態においては、スクリーンの回転速度、薬剤添加量、及び、攪拌量についての実際の制御のためのアクションは、インバータを用いた回転数制御によって行うことができるようになっており、また、ケーキ出口9の開口面積については、空気圧、油圧等を利用して背圧板の変位量を制御することによって行うことができるようになっている。
【0055】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の回転加圧脱水機は、スクリーンの回転速度、薬剤添加量等を制御することによって、入口圧力を一定に保つことができ、更に、出口圧力についても的確に調整を行うことにより、運転時の安定性を向上させることができる。
【0056】
更に、本発明の回転加圧脱水機によれば、処理原液の供給量を変化させずに、上記のような効果を達成することができるので、処理量が当初の計画量と一致しない、というような問題を好適に回避することができる。
【0057】
また、運転時の安定性や処理量の安定性だけでなく、脱水ケーキの含水率や、SS回収率についても、常にこれらを監視下において、所望の処理を行うことができる、という優れた効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転加圧脱水機の本体1の基本構造を示す切欠斜視図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る回転加圧脱水機における構成要素の関係を示すフロー図。
【符号の説明】
1:本体、
2:回転軸、
3:内輪スペーサ、
4:外輪スペーサ、
5:スクリーン、
6:隔壁板、
8:原液供給口、
9:ケーキ出口、
11:調質機、
12:攪拌機、
13:薬注ポンプ、
14:ケーキ通路、
Claims (4)
- 濾室内に導入した処理原液を、回転するスクリーンとの摩擦力によって前方へ送出するとともに圧縮し、脱水できるように構成した回転加圧脱水機において、
前記スクリーンの回転速度を制御することによって、入口圧力が設定値に自動調整されるように構成したことを特徴とする回転加圧脱水機。 - 薬剤の添加後に濾室内に導入された処理原液を、回転するスクリーンとの摩擦力によって前方へ送出するとともに圧縮し、脱水できるように構成した回転加圧脱水機において、
処理原液に対する薬剤の添加量、及び/又は、攪拌機による処理原液の攪拌量を制御することによって、入口圧力が設定値に自動調整されるように構成したことを特徴とする回転加圧脱水機。 - 濾室内に導入した処理原液を、回転するスクリーンとの摩擦力によって前方へ送出するとともに圧縮し、脱水できるように構成した回転加圧脱水機において、
ケーキ出口の開口面積が制御されることによって、脱水ケーキに作用する出口圧力が、予め設定された値に自動調整されるように構成し、
更に、出口圧力についての前記設定値に応じて、入口圧力の標準値が自動的に決定され、必要な制御が行われることによって、前記入口圧力が、前記標準値に自動調整されるように構成したことを特徴とする回転加圧脱水機。 - 処理原液に対する薬剤添加量、薬剤を添加した処理原液の攪拌量、スクリーンの回転数、又は、ケーキ出口の開口面積を制御することによって、脱水ケーキの含水率、及び/又は、SS回収率が、若しくは、脱水ケーキの含水率、及び/又は、濾液SS濃度が、設定値に自動調整されるように構成したことを特徴とする回転加圧脱水機。
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