JP2004073543A - スポンジプロフィー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天丸(半球)型、円筒型、カップ型、円錐型、逆円錐型、あるいは円盤型などの内側が中空のカップ状の芯材部1を、研磨剤を内包する親水性研磨砥石スポンジ2で被覆し、その親水性研磨砥石スポンジ辺縁をシャンクの付与された留め板3で、前記芯材内側に折込むように圧入固定するか、あるいは挟持するための凹凸を付与し、その留め板底面部回転軸中心に軸回転時に共振することがないように軸部4を固定したプロフィーチップを提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性スポンジ加工技術と、前記親水性スポンジを応用した歯牙表面の清掃研磨艶だしプロフィーチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、従来歯科用コントラアングルにプロフィーチップを装着して歯面清掃をする場合、歯面研磨ジェルあるいはペーストをシリコンゴム等で作成されたプロフィーチップ(カップ)あるいは、ブラシと歯面の間に介在させ、研磨剤ペーストを歯面に擦り付けることによって清掃研磨艶出しを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如く、シリコンゴム等で作成された円錐状のプロフィーチップでは、先端部の腰が弱く鼓形歯間空隙や隣接面を研磨する場合、先端部が折れ曲がり横ブレを起こし、同様にプロフィーカップでは目的部位まで到達させることが困難であった。さらに、シリコンゴム等で作成されたプロフィーチップは、回転力によって研磨剤を歯面に擦り付けて歯面清掃を行うので、余剰な研磨ジェルあるいはペーストは口腔外に飛散することになるばかりか、シリコンゴムと歯面との摩擦による発熱防止と研磨効率を維持するためには常に研磨ペーストをプロフィーチップと歯面の間に介在させる必要があるので頻繁に研磨ペーストを補給しなくてはならず、研磨ペースト補充のため頻繁に作業を中断する必要があった。
【0005】
これらの問題を解決するためには、研磨ペースト剤を必要としない研磨砥石スポンジを利用する手段が考えられるが、その形状をシリコンゴムなどの様な歯面の細部まで行き届く先端の尖った形状や、薄い形状に成型すると、研磨時には腰砕けを起こし研磨作業を行うことができない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、鼓形歯間空隙や隣接面を容易に研磨可能とし、研磨ジェルあるいは研磨ペーストを使用することなく、しかも摩擦による発熱の少ない清掃研磨艶だしプロフィーチップを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
天丸(半球)型、円筒型、カップ型、円錐型、逆円錐型、あるいは円盤型などの内側が中空のカップ状の芯材部を、内部に酸化アルミナ、炭化ケイ素、酸化セリウム、軽石などの研磨剤を内包する親水性研磨砥石スポンジで被覆し、その親水性研磨砥石スポンジ辺縁をシャンクの付与された留め板で、前記芯材内側に折込むように圧入固定するか、あるいは挟持するための凹凸を付与し、その留め板底面部回転軸中心に軸回転時に共振することがないように固定機構を備える軸部を固定した歯科用小型回転器具の先端に取り付けて使用するプロフィーチップである。
【0007】
上記手段によれば、歯面清掃研磨時に軟質スポンジは、芯材によって裏打ちされているので、歯面に圧接した場合、スポンジ部は芯材の外形に従って変形するので、仮に先端部が尖った円錐状の形状の芯材を持つものでは、鼓形歯間空隙のような狭い部位にも先端部を折れ曲がらせることなく到達させ、しかも表層にのみスポンジの適度な弾力性を発揮させながら研磨面を均一に接触させ研磨清掃することが可能となる。仮に、チップ自体を従来のシリコンゴムなどの変形の少ない材質を用いれば、先端部の変形は回避可能かもしれないが、実際の研磨作業時には、歯面にチップが擦る衝撃よる違和感を生ずるという問題を回避することが可能となる。
【0008】
また、親水性スポンジは十分に水分を含んだ状態で研磨清掃艶出し作業を行うことが可能であるために、含水した水分が熱容量を増大させることによって摩擦時の発熱を防止し、歯牙表面のヤニなどのステインを除去清掃、研磨、艶だし作業を行うことが可能なる。
加えて、研磨時には含水させた水分によって親水性スポンジ内の固形剤料が歯面への回転摩擦および圧接で研磨面に溶け出し、スポンジ内に含有する各種薬効成分、研磨剤、歯面コーティング剤を歯牙と回転する研磨チップの接触面に常に適当量溶出介在させることが可能となり、効率よく歯面の清掃研磨艶だしができるばかりか、甘味料や香料が唾液を媒体として口腔内に拡散し、清涼感やアロマテラピー効果を生み出す。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図3は発明を実施する形態の一例であって、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示す如く、従来シリコンゴムなどで成型されていたチップ部に、親水性研磨砥石スポンジを利用した点にある。
【0010】
次に、上記図示例の作動を説明する。
こうして、図1〜図3に示す各種スポンジプロフィーを装着した図8に示す電動歯冠研磨器具を口腔内でスポンジプロフィー13を歯面に接触させた状態で電動歯冠研磨器具電源スイッチ12をオンにすると、予め含浸させた水分によってスポンジプロフィー13の構成剤が溶け出し、含有する各種薬効成分、甘味料、香料、歯面コーティング剤が歯牙と回転する研磨チップの接触面に溶けだし、歯周病やう蝕抑制作用とともに、アロマテラピー効果や清涼感を与え効率よく歯面の清掃研磨艶だしができるばかりか水分によって発熱を抑える。
【0011】
この時、歯牙平滑面を研磨清掃する場合は、図1に示す球形スポンジプロフィーを利用することによって、図4に示すように歯牙表面の唇面の形相や舌面窩などの凹面によく適合する。また、歯頚部には、図2に示すようなカップ型の芯材を親水性スポンジで被覆したスポンジプロフィーを利用すれば、図5に示すように芯材部1は歯牙接触研磨面が中空構造になっているので、歯頚部湾曲面によく適合するとともに歯肉をきずつけることがなく、従来のカップ型のプロフィーチップと同様の清掃能力を発揮する。隣接面には、図3に示すような円錐形スポンジプロフィーを使用すれば、図6に示すように、芯材部1が円錐形の尖った形状を保ち鼓形歯間空隙の形状によく適合し、隣接面などの狭窄部に挿入した場合も先端部が腰砕けを起こすことがない。
【0012】
また、図7に示すように芯材部1の中空部に各種薬効成分、甘味料、香料、歯面コーティング剤を封入しておけば、親水性研磨砥石スポンジ部2より浸潤する水分によって、多数の交通穴8から前記親水性研磨砥石スポンジ部2の表面に溶け出し各種薬理効果やアロマテラピー効果を生み出す。予め中空部に保水能力を有する材料を設置すれば、芯材部外側を被覆する親水性研磨砥石スポンジと相まって更に保水能力を高め発熱の防止と、発泡剤、甘味料、香料や、歯周病やう蝕抑制作用を有する各種薬効成分、コーティング剤の含有量を増大させることになるので、さらに長時間作用させることが可能となる。
【0013】
尚、本発明のスポンジプロフィーチップの形状や、留め板3の形状と固定方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、図7に示す構造は、図1〜図3に示す芯材の形状以外にもあらゆる形状に応用可能である。
【0014】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1、および請求項2に記載の清掃研磨艶だしプロフィーチップによれば、清掃研磨作業時に、研摩ペーストを使用することないので電動歯冠研磨器具にプロフィーチップを装着して歯面の清掃研磨艶だしを行う際に、研磨ジェルの補給のために頻繁に作業を中断する必要性が無くなるだけでなく、鼓形歯間空隙や隣接面のような狭い場所にも良く適合し、表面がやわらかいスポンジで出来ているので回転研磨作業中に鋭敏な感覚を持つ歯牙表面に圧接回転研磨作業をしても違和感を発生することなく、親水性スポンジ部には予め含水して使用するので、歯面とプロフィーチップの摩擦による発熱が少ない。
【0015】
また、請求項3に記載したような研磨剤、発泡剤、歯周病やう蝕抑制作用を有する各種薬効成分、コーティング剤の1種または2種以上の成分を親水性スポンジ部に含有させることによって、予め含水された水分や唾液によって各種成分が歯面はもとより口腔内全体に溶出するので研磨清掃艶出し作業中にカリエス予防、歯面コーティングとともに清涼感やアロマテラピー効果を与えることが出来るという優れた効果を奏し得る。
【0016】
さらに、請求項4に記載した芯材中空部に装着された保水能力を有する材料は、親水性スポンジと相まって十分な熱容量を蓄えることが出来るので研磨面の発熱を一層防止することに役立つだけではなく、各種薬効成分の持続時間を延長させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】球形スポンジプロフィー断面図
【図2】円筒形スポンジプロフィー断面図
【図3】円錐形スポンジプロフィー断面図
【図4】球形スポンジプロフィーを歯牙平滑面に圧接し、親水性研磨砥石スポンジが適合変形した状態を示す断面図
【図5】円筒形スポンジプロフィーを歯頚部湾曲面に圧接し、親水性研磨砥石スポンジが適合変形した状態を示す断面図
【図6】円錐形スポンジプロフィー歯牙隣接面に圧接し、親水性研磨砥石スポンジが適合変形した状態を示す断面図
【図7】親水性研磨砥石スポンジと交通する多数の交通孔を設けたスポンジプロフィー分解図
【図8】スポンジプロフィーを装着した電動歯冠研磨器具の側面図
【符号の説明】
1 芯材部
2 親水性研磨砥石スポンジ部
3 留め板
4 軸部
5 軸―電動歯冠研磨器具へ装着
6 歯牙
7 親水性研磨砥石スポンジ圧接変形部
8 交通孔
10 電動歯冠研磨器具本体保持部
11 電動歯冠研磨器具首部
12 電動歯冠研磨器具電源スイッチ
13 スポンジプロフィー
Claims (4)
- 歯科用小型回転器具の先端に取り付けて使用するプロフィーチップであって、
天丸(半球)型、円筒型、カップ型、円錐型、逆円錐型、あるいは円盤型などの内側が中空の芯材部と、
その芯材部内側回転軸中心に軸回転時に共振することがないように固定した前記歯科用小型回転器具に装着するための固定機構を備える軸部と、
前記、芯材部外側を被覆し、内部に砥粒を保持する親水性研磨砥石スポンジと、
前記、軸部に固定されるとともに、その親水性研磨砥石スポンジ辺縁を、前記芯材内側あるいは底部に折込み固定ためのシャンク、あるいは挟持するための凹凸が付与された留め板と、
を含むことを特徴とする清掃研磨艶だしプロフィーチップ。 - 請求項1に加えて、請求項1に記載の親水性スポンジを親水性ラテックススポンジ、あるいは親水性ポリウレタンスポンジで構成し、砥粒としてCa10(PO4)6(OH)2 またはCa10(PO4)6F2を内包させたことを特徴とする湿式研磨砥石スポンジを備えることを特徴とする清掃研磨艶だしプロフィーチップ。
- 請求項1および請求項2に加えて、請求項1および請求項2に記載の親水性スポンジに発泡剤、甘味料、香料や、歯周病やう蝕抑制作用を有する各種薬効成分、コーティング剤の1種または2種以上を、水分で溶出するように染込ませたことを特徴とする清掃研磨艶だしプロフィーチップ。
- 請求項1および請求項2に加えて、請求項1および請求項2に記載の芯材部をメッシュ状の材質で構成するか、あるいは中空部と交通するように多数の交通孔を設け、
前記、中空部に発泡剤、甘味料、香料や、歯周病やう蝕抑制作用を有する各種薬効成分、コーティング剤の1種または2種以上を詰め替え可能に注入し、
芯材部外側を被覆する親水性研磨砥石スポンジを通して中空部に染み込む水分で各種成分が溶け出すか、あるいは芯材部内部にも保水能力を有するスポンジなどの材料で満たした上で含浸した前記各種成分が芯材部外側を被覆する親水性研磨砥石スポンジ表面に溶出すことを特徴とする清掃研磨艶だしプロフィーチップ。
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