JP2004048246A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】パソコン等の外部接続装置を用いることなく、カメラ内部のCPU及びカメラに備えた接続インターフェースや画像表示用LCDなどの装置を利用することにより、各種調整を自動的に行うことができるカメラを提供し、生産に必要となる装置のコスト削減を図る。
【解決手段】カメラ10を構成するデバイスの調整に必要な動作を行うための調整用ソフトウェアがカメラ10内の不揮発性メモリに組み込まれる。カメラ10をクレードル装置12にセットすると、カメラ10からの制御コマンドによって調整用治具16のオペレーションが可能となる。生産者への指示、エラー状況、ステータスなどはカメラ10の液晶モニタに表示される。調整NGの場合、その状態が記憶され、次回の電源ON時にステータスを表示する。全ての調整が正常に終了したら、調整用ソフトを削除して製品版ソフトへ書き換える。
【選択図】 図1
【解決手段】カメラ10を構成するデバイスの調整に必要な動作を行うための調整用ソフトウェアがカメラ10内の不揮発性メモリに組み込まれる。カメラ10をクレードル装置12にセットすると、カメラ10からの制御コマンドによって調整用治具16のオペレーションが可能となる。生産者への指示、エラー状況、ステータスなどはカメラ10の液晶モニタに表示される。調整NGの場合、その状態が記憶され、次回の電源ON時にステータスを表示する。全ての調整が正常に終了したら、調整用ソフトを削除して製品版ソフトへ書き換える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラに係り、特に量産時の各種調整作業に要する設備(生産ライン)の低コスト化を実現できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラには各製造号機によって異なるパラメータを持つ事が必要となる回路がある。例えば、CCD等の撮像素子は、カラーフィルターの分光特性などについて各号機の撮像素子毎に差異があるため、適切な白バランスがとられるように、生産時にパラメータを調整し、カメラ内部の不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)に記憶させておくことが一般的に行われている。
【0003】
また、近年のデジタルカメラは、一般的にパソコンへの接続手段(USB端子など)を有しており、製造過程における調整時には、この接続手段を用いてパソコンとカメラを接続し、パソコン側からカメラを制御して各種の調整を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、調整作業のためにパソコンが必要であり、量産ラインなど状況によっては多数台のパソコンを用意する必要があるため、生産コストアップの要因となる。また、実際の調整作業において、生産者(作業者)がカメラとパソコンを接続する作業が含まれるため、生産工数の増加を招き、このこともコストアップの要因となる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、パソコンのような外部接続装置を用いることなく、カメラ内部のCPUやカメラに備えた接続インターフェース、及び液晶ディスプレイ(LCD)などの装置を利用することにより、各種調整を自動的に行うことができ、生産コストの削減を達成できるカメラを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係るカメラは、カメラの製造過程で行われる調整動作に必要な調整用ソフトウェアが格納されている不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに格納されているソフトウェアを実行する中央処理装置と、調整に用いる外部の調整用装置及び他の外部機器との接続に兼用される接続インターフェース部と、前記調整用ソフトウェアの実行時にユーザインターフェースとして利用可能な表示装置と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
すなわち、本発明は、カメラを構成しているデバイスのバラツキを調整するために必要な調整用ソフトウェアをカメラ内蔵の不揮発性メモリに組み込み、カメラ内の中央処理装置やカメラに付属する接続インターフェース部、及び表示装置を活用して所定の調整動作を実施する。接続インターフェース部を介して接続された外部の調整用装置(治具)は、カメラからの制御コマンドによってオペレーションが可能であり、また、カメラの表示装置を用いて作業者(生産に携わる人間)への指示や調整結果のステータス等の表示を行うことができる。
【0008】
このように、カメラ自身の構成要素を活用して外部の調整用装置を操作・制御できるようにしたので、従来生産時に必要とされていたパソコンなどの接続機器を削減することができる。これにより、生産コストの削減及び生産に必要となる設備(装置)全体の規模をコンパクトな形に収めることが可能となる。
【0009】
本発明の一態様に係るカメラは、前記調整用ソフトウェアに従って実施された調整結果のステータスを前記不揮発性メモリに記憶しておき、該記憶した情報を読み出すことにより前記表示装置にステータスを表示できるようにプログラムされていることを特徴としている。
【0010】
調整が正しく行われなかった場合には、そのNG状態をカメラが記憶し、次回の電源オン時などにそのステータスを表示することにより、生産者の号機管理が容易になる。
【0011】
また、本発明の他の態様に係るカメラは、前記調整用ソフトウェアに従って全ての調整動作が終了すると、当該調整用ソフトウェアが削除され、製品としてのカメラの動作に必要なアプリケーションソフトウェアに書き換えられることを特徴としている。
【0012】
所要の調整が全て正しく行われた場合に調整用ソフトウェアをカメラから削除し、製品版のアプリケーションを内蔵したものへ書き換えることにより、カメラが必要とする不揮発性メモリの容量を最小限に抑えることが可能となる。これにより、低コスト化を達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るカメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るカメラ及びその調整用治具を含む生産装置の構成図である。生産対象であるカメラ10は、被写体の光学像を電子画像データに変換して記録するデジタルカメラであり、製造時の調整工程において図1のような装置を用いて電源電圧確認や撮像素子の調整などが行われる。
【0015】
カメラ10は、本体底面にクレードル接続用インターフェース部(図4中符号76として記載)を有しており、図1に示したクレードル装置12の上にカメラ10をセットすることができる。クレードル装置12のバス14は、電源並びに様々な調整用治具16のコントロール回路へと接続されており、調整用治具16は、バス14を介して伝達される制御コマンドによって必要な操作を行うことができる仕組みになっている。
【0016】
図1では調整用治具16の具体例として、所要の電源電圧を印加して電圧値を確認するための電源調整装置17と、発光面18から所定色及び所定輝度の光を照射して撮像素子の調整を行うための撮像素子調整装置19を例示したが、調整用治具16の種類はこれらに限定されない。
【0017】
カメラ10の構成を概説すると、カメラ本体の正面には撮影レンズ20、ファインダー窓21、ストロボ発光部22が設けられている。また、図2に示すように、カメラ10の背面には、液晶モニタ24、ファインダー接眼部25、十字ボタン26、表示ボタン27、メニュー/OKボタン28、キャンセルボタン29が設けられ、カメラ10の上面に電源スイッチ30、モード選択スイッチ32、及びレリーズボタン33が設けられている。なお、図2中符号34はバッテリーカバー(電池蓋)であり、該カバー34を開けて図示せぬバッテリーを電池収納室に挿入することができる。
【0018】
液晶モニタ24には、撮像中の映像(スルー画)や、記録済み画像の再生画像、現在設定されているモードの情報、画像の圧縮率の情報、日時情報、コマ番号などを表示することができる。また、液晶モニタ24は、利用者が各種の設定操作等を行う際のユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じて設定項目などのメニュー情報も表示される。さらに、この液晶モニタ24は、調整作業時において生産者への指示やエラー状況の表示を含めたユーザインターフェースとして利用される(図3参照)。
【0019】
図2に示した十字ボタン26は、メニュー項目の選択操作(カーソル移動操作)や再生画像のコマ送り/コマ戻しの指示等を入力する手段である。表示ボタン27は、液晶モニタ24のオン/オフや表示モードを切り替えるための操作手段である。メニュー/OKボタン28は、メニュー画面の表示を指示するメニューボタンとしての機能と、選択項目の確定(登録)や動作の実行を指示するOKボタンとしての機能を兼備した操作手段である。キャンセルボタン29は、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは一つ前の画面に戻るときに使用する操作手段である。モード選択スイッチ32は、カメラ10の動作モードを選択するための手段であり、該モード選択スイッチ32を回動操作することによって「撮影モード」や「再生モード」などに設定できる。
【0020】
図3は、液晶モニタ24を用いた調整時のユーザインターフェースの例である。同図に示すように、液晶モニタ24を通じて生産者への指示を表示したり(図3(a))、調整結果のステータス表示(同図(b))、エラー項目など(同図(c))を表示することが可能である。
【0021】
図4は、カメラ10の内部構成を示すブロック図である。図4においてCPU40は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを統括制御する制御部であり、操作部42からの指示信号に基づいてカメラ10内の各回路の動作を制御する。なお、操作部42は、図2で説明した十字ボタン26や表示ボタン27その他の各種操作手段を含むブロックである。
【0022】
書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)44にはCPU40が実行するプログラム及び制御上必要な各種データ等が格納されている。RAM45はCPU40が各種の演算処理等を行う際の作業用領域として利用される。調整作業時においては不揮発性メモリ44内には調整用ソフトウェア(以下、調整ソフトという。)が格納されている。なお、調整用ソフトは、実装前の不揮発性メモリ44に予め組み込まれる。調整ソフトを実行するとにより、電源の電圧のコントロールや調整用治具の操作など所定の調整動作が自動的に行われる。
【0023】
調整作業を終了後に、調整ソフトをカメラ10の不揮発性メモリ44に保持しておくと、不揮発性メモリ44の容量を圧迫することが想定されるため、これら調整ソフトは全ての調整作業が完了した後に、製品版のアプリケーションを含んだソフトウェア(以下、製品ソフトという。)へと書き換えられる。調整ソフトから製品ソフトへの書き換えは、例えば、メモリカード50などのリムーバブルメディアから製品ソフトを読み込むことにより行われる。
【0024】
製品ソフトが組み込まれることにより、CPU40はカメラ動作に必要なレンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録制御、メモリカード50の読み書き制御、データ通信制御、液晶モニタ24の表示制御などを行う。
【0025】
カメラ10の撮影機能について説明すると、撮影レンズ20及び絞り53を介してCCD固体撮像素子(以下、CCDという。)54の受光面に結像された被写体の光学像はCCD54によって光電変換される。CCD54の受光面は多数のフォトセンサが平面的に配列され、ハニカム配列、ベイヤー配列その他の所定のカラーフィルター配列構造を備えている。また、CCD54は、各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。なお、CCD54に代えてCMOSイメージセンサその他の撮像素子を用いてもよい。
【0026】
CCD54の各フォトセンサに蓄積された信号電荷は、CCDドライバ55から与えられるパルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(撮像信号)として順次読み出される。CCD54から出力された信号はアナログ処理部56に送られ、相関二重サンプリング(CDS)処理、色分離、ゲイン調整などの所要の処理が行われた後、A/D変換器57によってデジタル信号に変換され、画像処理部58に送られる。タイミングジェネレータ(TG)60は、CPU40の指令に従い、CCDドライバ55、アナログ処理部56及びA/D変換器57に対して同期駆動用のタイミング信号を与えており、このタイミング信号によって各回路の同期がとられている。
【0027】
画像処理部58は、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む信号処理手段であり、CPU40からのコマンドに従って画像信号を処理する。画像処理部58に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ62に記憶される。
【0028】
撮影画像をモニタ出力する場合、メモリ62から画像データが読み出され、バス63を介して表示制御部64へ送られる。表示制御部64は入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ24に出力する。
【0029】
CCD54から出力される画像信号によってメモリ62内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が液晶モニタ24に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに表示される。撮影者は、液晶モニタ24に表示されるリアルタイム映像(スルー画)によって撮影画角を確認できる。
【0030】
操作部42のレリーズボタン33は、半押し時にONするスイッチS1 と、全押し時にONするスイッチS2 とを有する二段式のスイッチで構成されており、CPU40は、レリーズボタン33の半押し(S1 =ON)を検知すると自動露出(AE)制御及び自動焦点調節(AF)制御を行い、レリーズボタン33の全押し(S2=ON)を検知すると、記録用の画像を取り込むためのCCD露光及び読み出し制御を開始する。
【0031】
オート演算部66は、AE及びAF制御に必要な演算を行う手段であり、レリーズボタン33の半押し(S1 =ON)に応動して取り込まれた画像信号に基づいて焦点評価値演算やAE演算などを行い、その演算結果をCPU40に伝える。
【0032】
レリーズボタン33の全押し(S2 =ON)が検知されると、CPU40は焦点評価値演算の結果に基づいてレンズ駆動部67を制御し、撮影レンズ20を合焦位置に移動させるとともに、絞り53やCCD54の電子シャッター(電荷蓄積時間)を制御して、露出制御を行う。また、CPU40は必要に応じてストロボ制御回路68にコマンドを送り、ストロボ発光部22の発光を制御する。
【0033】
こうして、取り込まれた画像データは、画像処理部58においてYC処理その他の所定の信号処理を経た後、圧縮伸張部70において、所定の圧縮フォーマット(例えば、JPEG方式) に従って圧縮される。圧縮された画像データは、カードインターフェース部71を介してメモリカード50に記録される。記録形式はJPEGに限定されず、MPEGその他の記録方式を採用してもよい。また、画像データを保存する手段は、メモリカード50で代表される半導体メモリに限定されず、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。また、リムーバブルメディアに限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0034】
操作部42のモード選択スイッチ32によって再生モードが選択されると、メモリカード50に記録されている画像ファイルが読み出され、圧縮伸張部70において伸張処理された後、表示制御部64を介して液晶モニタ24に出力される。一コマ再生中に、十字ボタン26の右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り替えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。
【0035】
OSD信号発生部74はキャラクタージェネレータを含み、撮影日時、タイトル、警告メッセージ等の文字及び記号情報などを表示するための信号を発生することができる。OSD信号発生部74から出力される信号は、必要に応じて画像信号に混合され、液晶モニタ24に供給される。
【0036】
カメラ10は、図示せぬパソコン(PC)その他の外部機器との間でデータの送受信を行うための手段として、データ通信用インターフェース部75を有している。通信方式は特に限定されず、例えば、USB、IEEE1394、Bluetooth などを適用できる。もちろん、このデータ通信用インターフェース部75を介して調整用治具16を接続する態様も可能である。
【0037】
また、カメラ10はクレードル接続用インターフェース部76を有しており、図1で説明したクレードル装置12や図示せぬ製品用のクレードル装置に接続可能である。クレードル接続用インターフェース部76は、USBなどの通信端子と電源端子並びに必要に応じて他の信号伝達端子が一つのコネクタにまとめられた複合端子で構成される。なお、製品用のクレードル装置にカメラ10をセットすることにより、図示せぬバッテリーの充電を行うことができるとともに、パソコンその他の外部機器との通信接続が可能となる。
【0038】
次に、上記の如く構成されたカメラ10の調整動作について説明する。
【0039】
図5乃至図7に調整時のフローチャートを示す。この例では調整項目として、▲1▼電源電圧の確認、▲2▼表示コントラスト調整、▲3▼撮像素子の調整を行うものとする。図5に示したように、先ず、カメラ10をクレードル装置12にセットし(ステップS110)、カメラ10の電源をONする(ステップS112)。このとき、カメラ10の調整ソフトが動作し、液晶モニタ24を通じて生産者に操作指示や調整のステータス表示等を開始する。
【0040】
すなわち、カメラ10は調整ソフトに従い調整用治具16を制御して電源電圧の確認処理を実行する(ステップS114)。次いで、CPU40は、調整が正しく行われたか否かを判定する(ステップS116)。この判定は、調整ソフトに基づいて実施される調整結果からCPU40が自動的に判定してもよいし、生産者が状態を監視して「調整OK」又は「調整NG」の入力を行い、この入力に基づいて判定してもよい。
【0041】
例えば、液晶モニタ24の画面に「調整は正しく行われていますか?」といったメッセージを表示し、生産者が「OK(True)」又は「NG(False)」をカメラ10の操作部42などを用いて設定することにより、OK号機とNG号機が選別される。
【0042】
図5のステップS116において、調整が正しく行われないことが検出された場合は、エラーコードの表示を行い(ステップS118)、当該調整項目においてエラーとなった旨のステータスを不揮発性メモリに記憶する(ステップS120)。
【0043】
こうして、調整NGとなったカメラ10については、調整不良機として通常の生産ラインから取り除かれる。かかる調整NGのカメラは、次回のカメラ起動時(例えば、再検査時など)に不揮発性メモリ44からステータスデータが読み出され、前回の調整でNGとなった項目が液晶モニタ24に表示される。これにより、どの調整項目でNGとなったかを容易に理解でき、生産者による号機管理や修理などの対応が容易になる。
【0044】
ステップS116において、調整が正しく行われた場合には、調整成功を示すステータスを液晶モニタ24に表示するとともに、「OKフラグ」を立てるなど適宜の手法によりステータスを不揮発性メモリ44に記憶する(ステップS122)。電圧調整が正しく行われたものについては、次の調整項目の作業ライン(図6に示す表示調整)へ進む。
【0045】
表示調整のラインに送られたカメラ10は、図6に示したフローチャートに従って表示調整が行われる。図6に示したフローチャートは、図5におけるステップS114の「電源電圧確認の処理」を「表示調整の処理」(図6のステップS214)に置換した点のみが相違し、その他の工程は図5と同様であるため、説明は省略する。なお、図6中図5に示した工程と対応する工程については、図5に示したステップ番号に「100」を加えたステップ番号(200番台による表示)を付してある。
【0046】
ステップS214の表示調整の工程では、液晶モニタ24のコントラスト調整などが行われ、必要に応じて調整値のデータが不揮発性メモリ44に記憶される。表示調整が正しく行われたものについては、次の調整項目の作業ライン(図7に示す撮像素子調整)へ進む。
【0047】
撮像素子調整のラインに送られたカメラ10は、図7に示したフローチャートに従って撮像素子の調整が行われる。図7に示したフローチャート中、図5に示したフローチャートと同一又は類似の工程については、図5に示したステップ番号に「200」を加えたステップ番号(300番台による表示)を付し、説明を省略する。
【0048】
図7のステップS314で示した「撮像素子調整の処理」では、白バランスの調整値などが求められ、得られた調整値のデータが不揮発性メモリ44に記憶される。
【0049】
撮像素子の調整が正しく行われ、図7のステップS316において「OK」(YES)判定を得ると、全ての調整作業が正常に完了したこととなり、ステップS324に進む。ステップS324では、不揮発性メモリ44上の調整ソフトが削除され、これに代わって、製品としてのカメラ動作に必要なアプリケーションソフト(製品ソフト)がメモリカード50等からダウンロードされ、不揮発性メモリ44内に書き込まれる。こうして、調整作業が完了する。
【0050】
図5乃至図7では、▲1▼電源電圧の確認、▲2▼表示コントラスト調整、▲3▼撮像素子の調整を行うものとしたが、本発明の実施に際して、調整項目や調整順序などはこの例に限定されない。調整項目の追加/削除、或いは調整順序は必要に応じて適宜設定される。
【0051】
本発明の適用範囲は、上述したデジタルカメラに限定されず、磁気テープに画像を記録するビデオカメラ、光ディスク等に記録する動画カメラ(ディスクムービー、DVDムービー)など様々な電子カメラについて本発明を適用できる。
【0052】
また、本発明は、液晶モニタなどの表示装置を具備した銀塩カメラなどにも適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、調整に必要なソフトウェアをカメラの不揮発性メモリに組み込み、カメラ自身の構成要素(中央処理装置、接続インターフェース部、表示装置など)を兼用して、外部の調整用装置の制御やマン・マシン・インターフェースを実現できるようにしたので、生産に必要となる装置にかるコストを大幅に削減することが可能となる。
【0054】
また、本発明の一態様によれば、調整結果をカメラ内の不揮発性メモリに記憶し、次の電源ON時など、必要なときにそのステータスを表示できるようにしたので、生産者による号機管理が容易になる。
【0055】
さらに、本発明の他の態様によれば、調整が全て正しく行われた場合に、調整用ソフトウェアを削除して、製品版のアプリケーションソフトウェアに書き換えることを可能にしたので、カメラが必要とする不揮発性メモリの容量を最小限に抑えることができ、低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラ及びその調整用治具を含む生産装置の構成図
【図2】本発明の実施形態に係るカメラの背面側斜視図
【図3】液晶モニタに表示される画面例を示す図
【図4】本実施形態に係るカメラの内部構成を示すブロック図
【図5】調整時の動作手順を示すフローチャート
【図6】調整時の動作手順を示すフローチャート
【図7】調整時の動作手順を示すフローチャート
【符号の説明】
10…カメラ、12…クレードル装置、14…バス、16…調整用治具、24…液晶モニタ、26…十字ボタン、40…CPU、44…不揮発性メモリ、76…クレードル接続用インターフェース部
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラに係り、特に量産時の各種調整作業に要する設備(生産ライン)の低コスト化を実現できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラには各製造号機によって異なるパラメータを持つ事が必要となる回路がある。例えば、CCD等の撮像素子は、カラーフィルターの分光特性などについて各号機の撮像素子毎に差異があるため、適切な白バランスがとられるように、生産時にパラメータを調整し、カメラ内部の不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)に記憶させておくことが一般的に行われている。
【0003】
また、近年のデジタルカメラは、一般的にパソコンへの接続手段(USB端子など)を有しており、製造過程における調整時には、この接続手段を用いてパソコンとカメラを接続し、パソコン側からカメラを制御して各種の調整を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、調整作業のためにパソコンが必要であり、量産ラインなど状況によっては多数台のパソコンを用意する必要があるため、生産コストアップの要因となる。また、実際の調整作業において、生産者(作業者)がカメラとパソコンを接続する作業が含まれるため、生産工数の増加を招き、このこともコストアップの要因となる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、パソコンのような外部接続装置を用いることなく、カメラ内部のCPUやカメラに備えた接続インターフェース、及び液晶ディスプレイ(LCD)などの装置を利用することにより、各種調整を自動的に行うことができ、生産コストの削減を達成できるカメラを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係るカメラは、カメラの製造過程で行われる調整動作に必要な調整用ソフトウェアが格納されている不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに格納されているソフトウェアを実行する中央処理装置と、調整に用いる外部の調整用装置及び他の外部機器との接続に兼用される接続インターフェース部と、前記調整用ソフトウェアの実行時にユーザインターフェースとして利用可能な表示装置と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
すなわち、本発明は、カメラを構成しているデバイスのバラツキを調整するために必要な調整用ソフトウェアをカメラ内蔵の不揮発性メモリに組み込み、カメラ内の中央処理装置やカメラに付属する接続インターフェース部、及び表示装置を活用して所定の調整動作を実施する。接続インターフェース部を介して接続された外部の調整用装置(治具)は、カメラからの制御コマンドによってオペレーションが可能であり、また、カメラの表示装置を用いて作業者(生産に携わる人間)への指示や調整結果のステータス等の表示を行うことができる。
【0008】
このように、カメラ自身の構成要素を活用して外部の調整用装置を操作・制御できるようにしたので、従来生産時に必要とされていたパソコンなどの接続機器を削減することができる。これにより、生産コストの削減及び生産に必要となる設備(装置)全体の規模をコンパクトな形に収めることが可能となる。
【0009】
本発明の一態様に係るカメラは、前記調整用ソフトウェアに従って実施された調整結果のステータスを前記不揮発性メモリに記憶しておき、該記憶した情報を読み出すことにより前記表示装置にステータスを表示できるようにプログラムされていることを特徴としている。
【0010】
調整が正しく行われなかった場合には、そのNG状態をカメラが記憶し、次回の電源オン時などにそのステータスを表示することにより、生産者の号機管理が容易になる。
【0011】
また、本発明の他の態様に係るカメラは、前記調整用ソフトウェアに従って全ての調整動作が終了すると、当該調整用ソフトウェアが削除され、製品としてのカメラの動作に必要なアプリケーションソフトウェアに書き換えられることを特徴としている。
【0012】
所要の調整が全て正しく行われた場合に調整用ソフトウェアをカメラから削除し、製品版のアプリケーションを内蔵したものへ書き換えることにより、カメラが必要とする不揮発性メモリの容量を最小限に抑えることが可能となる。これにより、低コスト化を達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るカメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るカメラ及びその調整用治具を含む生産装置の構成図である。生産対象であるカメラ10は、被写体の光学像を電子画像データに変換して記録するデジタルカメラであり、製造時の調整工程において図1のような装置を用いて電源電圧確認や撮像素子の調整などが行われる。
【0015】
カメラ10は、本体底面にクレードル接続用インターフェース部(図4中符号76として記載)を有しており、図1に示したクレードル装置12の上にカメラ10をセットすることができる。クレードル装置12のバス14は、電源並びに様々な調整用治具16のコントロール回路へと接続されており、調整用治具16は、バス14を介して伝達される制御コマンドによって必要な操作を行うことができる仕組みになっている。
【0016】
図1では調整用治具16の具体例として、所要の電源電圧を印加して電圧値を確認するための電源調整装置17と、発光面18から所定色及び所定輝度の光を照射して撮像素子の調整を行うための撮像素子調整装置19を例示したが、調整用治具16の種類はこれらに限定されない。
【0017】
カメラ10の構成を概説すると、カメラ本体の正面には撮影レンズ20、ファインダー窓21、ストロボ発光部22が設けられている。また、図2に示すように、カメラ10の背面には、液晶モニタ24、ファインダー接眼部25、十字ボタン26、表示ボタン27、メニュー/OKボタン28、キャンセルボタン29が設けられ、カメラ10の上面に電源スイッチ30、モード選択スイッチ32、及びレリーズボタン33が設けられている。なお、図2中符号34はバッテリーカバー(電池蓋)であり、該カバー34を開けて図示せぬバッテリーを電池収納室に挿入することができる。
【0018】
液晶モニタ24には、撮像中の映像(スルー画)や、記録済み画像の再生画像、現在設定されているモードの情報、画像の圧縮率の情報、日時情報、コマ番号などを表示することができる。また、液晶モニタ24は、利用者が各種の設定操作等を行う際のユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じて設定項目などのメニュー情報も表示される。さらに、この液晶モニタ24は、調整作業時において生産者への指示やエラー状況の表示を含めたユーザインターフェースとして利用される(図3参照)。
【0019】
図2に示した十字ボタン26は、メニュー項目の選択操作(カーソル移動操作)や再生画像のコマ送り/コマ戻しの指示等を入力する手段である。表示ボタン27は、液晶モニタ24のオン/オフや表示モードを切り替えるための操作手段である。メニュー/OKボタン28は、メニュー画面の表示を指示するメニューボタンとしての機能と、選択項目の確定(登録)や動作の実行を指示するOKボタンとしての機能を兼備した操作手段である。キャンセルボタン29は、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは一つ前の画面に戻るときに使用する操作手段である。モード選択スイッチ32は、カメラ10の動作モードを選択するための手段であり、該モード選択スイッチ32を回動操作することによって「撮影モード」や「再生モード」などに設定できる。
【0020】
図3は、液晶モニタ24を用いた調整時のユーザインターフェースの例である。同図に示すように、液晶モニタ24を通じて生産者への指示を表示したり(図3(a))、調整結果のステータス表示(同図(b))、エラー項目など(同図(c))を表示することが可能である。
【0021】
図4は、カメラ10の内部構成を示すブロック図である。図4においてCPU40は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを統括制御する制御部であり、操作部42からの指示信号に基づいてカメラ10内の各回路の動作を制御する。なお、操作部42は、図2で説明した十字ボタン26や表示ボタン27その他の各種操作手段を含むブロックである。
【0022】
書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)44にはCPU40が実行するプログラム及び制御上必要な各種データ等が格納されている。RAM45はCPU40が各種の演算処理等を行う際の作業用領域として利用される。調整作業時においては不揮発性メモリ44内には調整用ソフトウェア(以下、調整ソフトという。)が格納されている。なお、調整用ソフトは、実装前の不揮発性メモリ44に予め組み込まれる。調整ソフトを実行するとにより、電源の電圧のコントロールや調整用治具の操作など所定の調整動作が自動的に行われる。
【0023】
調整作業を終了後に、調整ソフトをカメラ10の不揮発性メモリ44に保持しておくと、不揮発性メモリ44の容量を圧迫することが想定されるため、これら調整ソフトは全ての調整作業が完了した後に、製品版のアプリケーションを含んだソフトウェア(以下、製品ソフトという。)へと書き換えられる。調整ソフトから製品ソフトへの書き換えは、例えば、メモリカード50などのリムーバブルメディアから製品ソフトを読み込むことにより行われる。
【0024】
製品ソフトが組み込まれることにより、CPU40はカメラ動作に必要なレンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録制御、メモリカード50の読み書き制御、データ通信制御、液晶モニタ24の表示制御などを行う。
【0025】
カメラ10の撮影機能について説明すると、撮影レンズ20及び絞り53を介してCCD固体撮像素子(以下、CCDという。)54の受光面に結像された被写体の光学像はCCD54によって光電変換される。CCD54の受光面は多数のフォトセンサが平面的に配列され、ハニカム配列、ベイヤー配列その他の所定のカラーフィルター配列構造を備えている。また、CCD54は、各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。なお、CCD54に代えてCMOSイメージセンサその他の撮像素子を用いてもよい。
【0026】
CCD54の各フォトセンサに蓄積された信号電荷は、CCDドライバ55から与えられるパルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(撮像信号)として順次読み出される。CCD54から出力された信号はアナログ処理部56に送られ、相関二重サンプリング(CDS)処理、色分離、ゲイン調整などの所要の処理が行われた後、A/D変換器57によってデジタル信号に変換され、画像処理部58に送られる。タイミングジェネレータ(TG)60は、CPU40の指令に従い、CCDドライバ55、アナログ処理部56及びA/D変換器57に対して同期駆動用のタイミング信号を与えており、このタイミング信号によって各回路の同期がとられている。
【0027】
画像処理部58は、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む信号処理手段であり、CPU40からのコマンドに従って画像信号を処理する。画像処理部58に入力された画像データは、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ62に記憶される。
【0028】
撮影画像をモニタ出力する場合、メモリ62から画像データが読み出され、バス63を介して表示制御部64へ送られる。表示制御部64は入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ24に出力する。
【0029】
CCD54から出力される画像信号によってメモリ62内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が液晶モニタ24に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに表示される。撮影者は、液晶モニタ24に表示されるリアルタイム映像(スルー画)によって撮影画角を確認できる。
【0030】
操作部42のレリーズボタン33は、半押し時にONするスイッチS1 と、全押し時にONするスイッチS2 とを有する二段式のスイッチで構成されており、CPU40は、レリーズボタン33の半押し(S1 =ON)を検知すると自動露出(AE)制御及び自動焦点調節(AF)制御を行い、レリーズボタン33の全押し(S2=ON)を検知すると、記録用の画像を取り込むためのCCD露光及び読み出し制御を開始する。
【0031】
オート演算部66は、AE及びAF制御に必要な演算を行う手段であり、レリーズボタン33の半押し(S1 =ON)に応動して取り込まれた画像信号に基づいて焦点評価値演算やAE演算などを行い、その演算結果をCPU40に伝える。
【0032】
レリーズボタン33の全押し(S2 =ON)が検知されると、CPU40は焦点評価値演算の結果に基づいてレンズ駆動部67を制御し、撮影レンズ20を合焦位置に移動させるとともに、絞り53やCCD54の電子シャッター(電荷蓄積時間)を制御して、露出制御を行う。また、CPU40は必要に応じてストロボ制御回路68にコマンドを送り、ストロボ発光部22の発光を制御する。
【0033】
こうして、取り込まれた画像データは、画像処理部58においてYC処理その他の所定の信号処理を経た後、圧縮伸張部70において、所定の圧縮フォーマット(例えば、JPEG方式) に従って圧縮される。圧縮された画像データは、カードインターフェース部71を介してメモリカード50に記録される。記録形式はJPEGに限定されず、MPEGその他の記録方式を採用してもよい。また、画像データを保存する手段は、メモリカード50で代表される半導体メモリに限定されず、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。また、リムーバブルメディアに限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0034】
操作部42のモード選択スイッチ32によって再生モードが選択されると、メモリカード50に記録されている画像ファイルが読み出され、圧縮伸張部70において伸張処理された後、表示制御部64を介して液晶モニタ24に出力される。一コマ再生中に、十字ボタン26の右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り替えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。
【0035】
OSD信号発生部74はキャラクタージェネレータを含み、撮影日時、タイトル、警告メッセージ等の文字及び記号情報などを表示するための信号を発生することができる。OSD信号発生部74から出力される信号は、必要に応じて画像信号に混合され、液晶モニタ24に供給される。
【0036】
カメラ10は、図示せぬパソコン(PC)その他の外部機器との間でデータの送受信を行うための手段として、データ通信用インターフェース部75を有している。通信方式は特に限定されず、例えば、USB、IEEE1394、Bluetooth などを適用できる。もちろん、このデータ通信用インターフェース部75を介して調整用治具16を接続する態様も可能である。
【0037】
また、カメラ10はクレードル接続用インターフェース部76を有しており、図1で説明したクレードル装置12や図示せぬ製品用のクレードル装置に接続可能である。クレードル接続用インターフェース部76は、USBなどの通信端子と電源端子並びに必要に応じて他の信号伝達端子が一つのコネクタにまとめられた複合端子で構成される。なお、製品用のクレードル装置にカメラ10をセットすることにより、図示せぬバッテリーの充電を行うことができるとともに、パソコンその他の外部機器との通信接続が可能となる。
【0038】
次に、上記の如く構成されたカメラ10の調整動作について説明する。
【0039】
図5乃至図7に調整時のフローチャートを示す。この例では調整項目として、▲1▼電源電圧の確認、▲2▼表示コントラスト調整、▲3▼撮像素子の調整を行うものとする。図5に示したように、先ず、カメラ10をクレードル装置12にセットし(ステップS110)、カメラ10の電源をONする(ステップS112)。このとき、カメラ10の調整ソフトが動作し、液晶モニタ24を通じて生産者に操作指示や調整のステータス表示等を開始する。
【0040】
すなわち、カメラ10は調整ソフトに従い調整用治具16を制御して電源電圧の確認処理を実行する(ステップS114)。次いで、CPU40は、調整が正しく行われたか否かを判定する(ステップS116)。この判定は、調整ソフトに基づいて実施される調整結果からCPU40が自動的に判定してもよいし、生産者が状態を監視して「調整OK」又は「調整NG」の入力を行い、この入力に基づいて判定してもよい。
【0041】
例えば、液晶モニタ24の画面に「調整は正しく行われていますか?」といったメッセージを表示し、生産者が「OK(True)」又は「NG(False)」をカメラ10の操作部42などを用いて設定することにより、OK号機とNG号機が選別される。
【0042】
図5のステップS116において、調整が正しく行われないことが検出された場合は、エラーコードの表示を行い(ステップS118)、当該調整項目においてエラーとなった旨のステータスを不揮発性メモリに記憶する(ステップS120)。
【0043】
こうして、調整NGとなったカメラ10については、調整不良機として通常の生産ラインから取り除かれる。かかる調整NGのカメラは、次回のカメラ起動時(例えば、再検査時など)に不揮発性メモリ44からステータスデータが読み出され、前回の調整でNGとなった項目が液晶モニタ24に表示される。これにより、どの調整項目でNGとなったかを容易に理解でき、生産者による号機管理や修理などの対応が容易になる。
【0044】
ステップS116において、調整が正しく行われた場合には、調整成功を示すステータスを液晶モニタ24に表示するとともに、「OKフラグ」を立てるなど適宜の手法によりステータスを不揮発性メモリ44に記憶する(ステップS122)。電圧調整が正しく行われたものについては、次の調整項目の作業ライン(図6に示す表示調整)へ進む。
【0045】
表示調整のラインに送られたカメラ10は、図6に示したフローチャートに従って表示調整が行われる。図6に示したフローチャートは、図5におけるステップS114の「電源電圧確認の処理」を「表示調整の処理」(図6のステップS214)に置換した点のみが相違し、その他の工程は図5と同様であるため、説明は省略する。なお、図6中図5に示した工程と対応する工程については、図5に示したステップ番号に「100」を加えたステップ番号(200番台による表示)を付してある。
【0046】
ステップS214の表示調整の工程では、液晶モニタ24のコントラスト調整などが行われ、必要に応じて調整値のデータが不揮発性メモリ44に記憶される。表示調整が正しく行われたものについては、次の調整項目の作業ライン(図7に示す撮像素子調整)へ進む。
【0047】
撮像素子調整のラインに送られたカメラ10は、図7に示したフローチャートに従って撮像素子の調整が行われる。図7に示したフローチャート中、図5に示したフローチャートと同一又は類似の工程については、図5に示したステップ番号に「200」を加えたステップ番号(300番台による表示)を付し、説明を省略する。
【0048】
図7のステップS314で示した「撮像素子調整の処理」では、白バランスの調整値などが求められ、得られた調整値のデータが不揮発性メモリ44に記憶される。
【0049】
撮像素子の調整が正しく行われ、図7のステップS316において「OK」(YES)判定を得ると、全ての調整作業が正常に完了したこととなり、ステップS324に進む。ステップS324では、不揮発性メモリ44上の調整ソフトが削除され、これに代わって、製品としてのカメラ動作に必要なアプリケーションソフト(製品ソフト)がメモリカード50等からダウンロードされ、不揮発性メモリ44内に書き込まれる。こうして、調整作業が完了する。
【0050】
図5乃至図7では、▲1▼電源電圧の確認、▲2▼表示コントラスト調整、▲3▼撮像素子の調整を行うものとしたが、本発明の実施に際して、調整項目や調整順序などはこの例に限定されない。調整項目の追加/削除、或いは調整順序は必要に応じて適宜設定される。
【0051】
本発明の適用範囲は、上述したデジタルカメラに限定されず、磁気テープに画像を記録するビデオカメラ、光ディスク等に記録する動画カメラ(ディスクムービー、DVDムービー)など様々な電子カメラについて本発明を適用できる。
【0052】
また、本発明は、液晶モニタなどの表示装置を具備した銀塩カメラなどにも適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、調整に必要なソフトウェアをカメラの不揮発性メモリに組み込み、カメラ自身の構成要素(中央処理装置、接続インターフェース部、表示装置など)を兼用して、外部の調整用装置の制御やマン・マシン・インターフェースを実現できるようにしたので、生産に必要となる装置にかるコストを大幅に削減することが可能となる。
【0054】
また、本発明の一態様によれば、調整結果をカメラ内の不揮発性メモリに記憶し、次の電源ON時など、必要なときにそのステータスを表示できるようにしたので、生産者による号機管理が容易になる。
【0055】
さらに、本発明の他の態様によれば、調整が全て正しく行われた場合に、調整用ソフトウェアを削除して、製品版のアプリケーションソフトウェアに書き換えることを可能にしたので、カメラが必要とする不揮発性メモリの容量を最小限に抑えることができ、低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラ及びその調整用治具を含む生産装置の構成図
【図2】本発明の実施形態に係るカメラの背面側斜視図
【図3】液晶モニタに表示される画面例を示す図
【図4】本実施形態に係るカメラの内部構成を示すブロック図
【図5】調整時の動作手順を示すフローチャート
【図6】調整時の動作手順を示すフローチャート
【図7】調整時の動作手順を示すフローチャート
【符号の説明】
10…カメラ、12…クレードル装置、14…バス、16…調整用治具、24…液晶モニタ、26…十字ボタン、40…CPU、44…不揮発性メモリ、76…クレードル接続用インターフェース部
Claims (3)
- カメラの製造過程で行われる調整動作に必要な調整用ソフトウェアが格納されている不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに格納されているソフトウェアを実行する中央処理装置と、
調整に用いる外部の調整用装置及び他の外部機器との接続に兼用される接続インターフェース部と、
前記調整用ソフトウェアの実行時にユーザインターフェースとして利用可能な表示装置と、
を備えたことを特徴とするカメラ。 - 前記調整用ソフトウェアに従って実施された調整結果のステータスを前記不揮発性メモリに記憶しておき、該記憶した情報を読み出すことにより前記表示装置にステータスを表示できるようにプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 前記調整用ソフトウェアに従って全ての調整動作が終了すると、当該調整用ソフトウェアが削除され、製品としてのカメラの動作に必要なアプリケーションソフトウェアに書き換えられることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のカメラ。
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-
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