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JP2003530867A - トロンボポエチン受容体モジュレートペプチド - Google Patents

トロンボポエチン受容体モジュレートペプチド

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Publication number
JP2003530867A
JP2003530867A JP2001577972A JP2001577972A JP2003530867A JP 2003530867 A JP2003530867 A JP 2003530867A JP 2001577972 A JP2001577972 A JP 2001577972A JP 2001577972 A JP2001577972 A JP 2001577972A JP 2003530867 A JP2003530867 A JP 2003530867A
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JP
Japan
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tpo
oligopeptide
oligopeptides
antibody
day
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Application number
JP2001577972A
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Inventor
ナランダ,タッチュアナ
オルソン,レナート
Original Assignee
プリバ フアルマセウトスカ インダストリヤ デイオニツコ ドルストヴオ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by プリバ フアルマセウトスカ インダストリヤ デイオニツコ ドルストヴオ filed Critical プリバ フアルマセウトスカ インダストリヤ デイオニツコ ドルストヴオ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、血小板減少症の治療を可能にする新規診断用および医薬組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】説明 本発明は、トロンボポエチン(TPO)受容体調節化合物の生物学的活性を有す
るオリゴペプチド、そのオリゴペプチドをコードするヌクレオチド配列、それら
のヌクレオチド配列を含むベクター、それらのベクターを含む宿主細胞、それら
のオリゴペプチドと反応する抗体、それらのオリゴペプチド、ヌクレオチド配列
、抗体および/または宿主細胞を含む医薬および診断用組成物に加えて、細胞を
遺伝的に改変するための方法、TPO受容体(TPO−R)の活性を調節するための方
法およびさらなるTPO受容体調節化合物をスクリーニングする方法に関する。
【0002】 血小板減少症は、主要な血液学的障害および誘発性障害の両者として生じる、
広範に広がる深刻で生命を脅かす疾患である。重度の血小板減少症に罹患する患
者は突発的に出血するという重大な危険性に直面する。誘発性血小板減少症は、
例えば、骨髄移入、癌化学療法、照射またはアレルギー反応によって生じ得る。
診断されたすべての新規癌患者の約50パーセントがある形態の化学療法を受け、
かつ血小板移入を受ける。血小板減少症は化学療法を受けているすべての患者の
少なくとも25パーセントに影響を及ぼす。用量集約的化学療法の反復サイクルが
出血を妨げ、かつ損傷を受けた血管の修復を助ける血小板を枯渇させるため、し
ばしば癌治療を中断して血小板数を回復させなければならない。血小板数の回復
の失敗は引き続く化学療法サイクルの遅延および/または制限を生じ、治療成功
の機会を失うことになる。
【0003】 血小板減少症の治療は、主として、高価であって、かつ薬物として容易に入手
可能なものではない新鮮な血小板製剤の移入によって行われ、これは注射もしく
は経口投与により血小板数を正常レベルに増加させることができる。毎年、米国
のみにおいて、重度の出血の危険性を低減するため、約800万ユニットの血小板
が患者に移入されてる。これらの移入の少なくとも30パーセントが合併症を生じ
、これは通常は熱性反応であるが、時折は菌血症、移植片対宿主病、または急性
肺傷害である。反復血小板移入を必要とする患者の15から25パーセントにおいて
は、HLA同種免疫の結果として、増大する血小板応答が不適切である。加えて、
血小板移入は高価である。特に、化学療法誘発性血小板減少症は、現在、血小板
移入および/または血小板数が増加するまでの化学療法の減少もしくは遅延によ
って管理されている。しかしながら、移入は、患者を血液由来の感染、例えば、
B型肝炎およびC型肝炎、HIV感染並びにヒトTリンパ指向性ウイルス、または免疫
反応、例えば、熱の危険性に直面させる。化学療法用量の減少及び治療の遅延ま
たは停止は、理論的には、癌性細胞を成長または蔓延させ得る。したがって、血
小板を治療するのに有効な薬物を設計する緊急の必要性が存在するが、これはそ
の分子的および生化学的原因の詳細な理解が必要とされる。
【0004】 巨核球は循環血小板の産生の責を担う骨髄誘導細胞である。大部分の種におい
ては骨髄細胞の小部分のみを構成するが、典型的な骨髄細胞の10倍を上回る容量
を有する。巨核球は核内分裂を受け、それによってそれらの核は複製されるがそ
れらの細胞を分割することはできず、それにより倍数体細胞が生じる。血小板数
の減少に応答して、核内分裂速度は増加し、より多くの倍数巨核球が形成され、
かつ巨核球の数が閾値まで増加し得る。対照的に、血小板数の増加に応答して、
形成される倍数巨核球はより少なく、かつ巨核球の数は大きく減少し得る。
【0005】 循環する血小板の質量が核内分裂速度および骨髄巨核細胞の数を調節する正確
な生理学的フィードバック機構は知られていない。このフィードバック・ループ
の介在に関与する循環する血小板新生因子は現在TPOと考えられており、これは2
5および31KDaの分子量を有する少なくとも2種類の形態で生じ、共通のN末端を有
し、かつ赤血球細胞の産生を調節する糖タンパク質である。TPOは、in vivoおよ
びin vitroの両者における、巨核球形成の主要制御因子であることが示された。
TPOは、ヘマトポエチン受容体スーパーファミリーの1メンバーであるc−mpl(以
下、TPO−Rとも呼ぶ)に結合することによってその生物学的効果を開始する。よ
り具体的には、TPOは血小板減少症に関与する状況における主要液性制御因子で
あることが示されている。TPOは、幾つかの研究において、血小板数を増加させ
、血小板サイズを増加させ、かつレシピエント動物の血小板への同位体組み込み
を増加させることが示されている。具体的には、TPOは幾つかの方法で巨核球に
影響を及ぼすものと考えられる:(1)巨核球のサイズおよび数の増加を生じる
;(2)巨核球内のDNA含量の倍数性の形態での増加を生じる;(3)巨核球の核
内分裂を増加させる;(4)巨核球の突然変異の増加を生じる;および(5)骨髄
における小アセチルコリンエステラーゼ陽性細胞の形態での前駆体細胞の割合の
増加を生じる。
【0006】 血小板(platelets、thrombocytes)は血液凝固に必要であり、それらの数が
非常に少ないとき、患者は大出血から死亡する深刻な危険性に直面するため、TP
Oには様々な血液学的障害、例えば、主として血小板不足による疾患の診断およ
び治療の両者における潜在的で有用な用途がある。加えて、近年の研究は血小板
減少症、特には癌またはリンパ腫の治療としての化学療法、放射線療法、または
骨髄移植から生じる血小板減少症の治療におけるTPO治療の効力を予測するため
の基礎を提供している(McDonald (1992) Am. J. Ped. Hematology/Oncology 1
4:8-21)。
【0007】 TPOをコードする遺伝子はクローン化され、かつ特徴付けられている(Kuter e
t al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11104-11108;Barley et al. (1
994) Cell 77:1117-1124;Kaushansky et al. (1994) Nature 369:568-571;Wen
dling et al. (1994) Nature 369:571-574;およびSavage et al. (1994) Natur
e 369:533-538)。
【0008】 組換えトロンボポエチン(以下、rTPOとも呼ぶ)は、血小板減少症の治療にお
そらくは有効である、現在までに得られた唯一の特別に設計された化合物である
。これは、血小板減少の間、血小板誘導原薬として作用する。rTPOの外部からの
単一用量投与が一般に血小板数の増加に関わっていたことが示されている。幾つ
かの事例においては、それは巨核球の応答を増強し、したがって、血栓性の合併
症を生じ得る。血小板減少症は公知のアゴニスト(トロンビン、コラーゲン)の
不在下では血小板を凝集させることはないが、血小板をこれらの作用物質の凝集
効果に対して感受性にすることが示唆される。このような「準備刺激(priming
)」もin vivoにおいて報告されている。血小板減少症処置動物から誘導された
血小板は血小板の凝集を刺激する物質に対する感受性が高められている。したが
って、TPOは血栓形成状態を悪化させることがあり、それを患者に投与する前に
はその危険性を慎重に評価するべきである。また、成熟血小板はトロンボポエチ
ンを溶液から除去し、血小板減少症の動物においては血小板移入の直後に血漿ト
ロンボポエチン濃度が低下し、血小板数が再度低下した後にのみ上昇する。血小
板がTPOを循環から除去することができるというこの知見は少なくとも2つの臨床
的な重要性を有する:i)血小板移入は巨核球の回復を鈍らせる可能性がある;i
i)既存の血小板へのTPOの結合は骨髄抑制療法に対する内在性TPOの応答を鈍ら
せる可能性がある。しかしながら、既存の血小板はTPOを結合し続けるため、血
漿TPO濃度の増加は幾日もの後に血小板減少が介在するまで遅れる。加えて、rTP
Oの末端切断形態が単一のPEG−結合部分として投与されたとき、幾つかの事例に
おいては、その治療に血小板減少症の発症および抗体の中和が付随した。
【0009】 rTPOに加えて、幾つかの他の組換えサイトカイン(IL−1、IL−3、IL−6、IL
−11、GM−CSF、Steel因子およびプロメガポエチン−IL3−トロンボポエチン融
合タンパク質)はメガカリオサイト系列(megacaryocytic lineage)のin vivo
およびin vitro細胞において直接および間接刺激効果を有する。しかしながら、
これらの物質の大部分は骨髄抑制治療の後の血小板回復に対する有益な効果がな
いか、または容認し得ない毒性効果を有している。これとは対照的に、IL−11は
有効で、かつ比較的安全であることが立証されている。IL−11は、化学療法を受
ける癌患者において血小板移入の必要条件を低減するのに用いられる。毎日皮下
投与したとき、IL−11は癌患者において血小板数の増加を誘導する。しかしなが
ら、この薬物には主として血漿容量増大による副作用(心房性不整脈、動悸、末
梢性浮腫、頭痛、呼吸困難、貧血、筋肉痛、体重増加、食欲不振、悪心)があり
、幾らかの癌患者においては抗体(中和されていると考えられるものを下回る)
が観察されている。IL−11は、重度の治療が制限される血小板減少症の患者また
は前血小板移入を必要としている患者に適するものとだけ思われる。これは血小
板減少症を緩和する日常的使用には勧められない。
【0010】 ヒトTPO−RのDNA配列およびコードされたペプチドの配列も記載されている(V
igon et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5640-5644)。TPO−Rは、
細胞外ドメインの共通の構造的設計を特徴とし、N末端タンパク質内に4つの保存
システイン残基を含むヘマトポエチン成長因子受容体ファミリーの1メンバーで
ある。
【0011】 TPO−Rのクローン化遺伝子のアベイラビリティはこの重要な受容体のアゴニス
トの探索を容易にする。この組換え受容体タンパク質のアベイラビリティは様々
なランダムおよび半ランダム・ペプチド多様性生成系における受容体−リガンド
相互作用の研究を可能にする。
【0012】 WO 99/42127にはヒトTPO−Rpのアミノ酸444ないし466に対応する23のアミノ
酸からなるTPO受容体ペプチド(以下、TPO−Rp野生型と呼ぶ)が開示されている
。TPO−Rpを受容体に適用することによりTPO−Rの活性を調節する方法が開示さ
れている。しかしながら、血小板減少症の具体的な治療は開示されていない。
【0013】 様々な著者が、構造−機能の関係の解析を可能にするTPO−Rの欠失突然変異体
に関して報告している:Dorsch et al. J. Exp. Med. (1997) 186, 1947-1955、
Drachman and Kaushansky, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) 94, 2350-2355
、Porteu et al., Mol. Cell. Biol. (1996), 2473-2482およびTakatoku et al.
, J. Biol. Chem. (1997) 272, 7259-7263。
【0014】 例えば、トロンボポエチン依存性細胞の増殖およびマウス骨髄細胞から巨核球
への分化を刺激したランダム・ファージ・ペプチド・ライブラリからの15アミノ
酸ペプチドを開示するKimuraら(J. Biochem. (1997) 122, 1046-1051、Biochem
. Mol. Biol. Int. (1998) 44, 1203-1209)において、さらなるトロンボポエチ
ン受容体アゴニスト・ペプチドが公知である。Cwirlaらは、ヒト骨髄細胞に由来
する巨核球のin vitro増殖および成熟を刺激する14アミノ酸トロンボポエチン受
容体アゴニストを開示する。(Science (1997) 276, 1696-1699)。
【0015】 これらのTPO−Rの欠失突然変異体またはアゴニスト・ペプチドが安定かつ薬学
的に有効な薬物に発展する潜在能力を有するトロンボポエチンのミメティックと
して有用であることが立証されるかどうかに関しては開示がない。
【0016】 したがって、本発明の基礎をなす技術的問題は、非毒性かつ安定でありながら
、血液学的障害、例えば、突発性および誘発性血小板減少症、特には、化学療法
、アレルギーおよび照射誘発性血小板減少症の診断および治療に有用な有効化合
物を提供することである。
【0017】 本発明は、TPO−R調節因子の生物学的活性を有する単離及び精製オリゴペプチ
ドであって、15から18アミノ酸を含み、特には本質的に15から18アミノ酸からな
り、好ましくは15から18アミノ酸からなり、かつ下記一般式 X1 G T L E L X2 P X3 S R Y R L Q L X4 (ここで、 X1はA R Gであるか、または失われており、 X2はRまたはAであり、 X3はRまたはAであり、および X4はR A Rであるか、または失われている) を有するオリゴペプチドによって上記問題を解決する。
【0018】 本発明の特に好ましい態様においては、このオリゴペプチドは配列番号1、2、
3、4、5または6のいずれかに定義されるアミノ酸を含み、特には本質的に配列番
号1、2、3、4、5または6のいずれかに定義されるアミノ酸からなり、好ましくは
配列番号1、2、3、4、5または6のいずれかに定義されるアミノ酸からなり、これ
らは本教示に完全に組み込まれる。
【0019】 本発明は、とりわけ、上記オリゴペプチドがTPO−Rの活性をモジュレートし、
特にはTPO−Rに強く結合してそれを活性化し、および内在性TPOの利用性をも改
善するという知見に基づく。したがって、本発明のオリゴペプチドは少なくとも
2つの異なる活性、すなわち、(i)TPO−R活性に対するモジュレート効果、例え
ば、TPO模倣効果のようなアゴニスト効果またはアンタゴニスト効果および(ii
)TPOと一緒になっての、特には両化合物が準最大濃度で存在するときの、相乗
効果を示す。この相乗効果は、TPO単独での使用を上回る臨床的な利点をもたら
すため、特に重要なものである。
【0020】 さらに、本発明のオリゴペプチドは非常に高い効能および抗力を示し、すなわ
ち、nMないしμMの範囲で活性である。本発明のオリゴペプチドは単独で、また
はTPOとの組合せで適用することができる。TPOとは対照的に、本発明のオリゴペ
プチドはTPO受容体のダウンレギュレーションを生じることがなく、したがって
、TPOに対する感受性が低下することがない。対照的に、外部からのTPOの投与は
そのような受容体ダウンレギュレーションを生じ、それにより感受性を低下させ
るか、または寛容を誘導することがある。さらに、本発明のオリゴペプチドはTP
O−Rに対して非常に選択的であり、例えば、密接に関連するエリスロポエチン受
容体との交差反応を示すことがない。
【0021】 本発明のオリゴペプチドはTPOとはまったく異なる部位でTPO−Rに結合する。
本発明のオリゴペプチドはTPOの結合を妨害することはなく、むしろ両成分は同
じ受容体分子に結合することができる。活性の観点において、これらの結合特性
はTPOと本発明のオリゴペプチドとの間に相乗効果を生じ、これは細胞信号伝達
アッセイにおいて観察され、そこでは、本発明のオリゴペプチドおよびTPOは、
単独に準最大濃度で与えられたとき、基質リン酸化によって測定される最大信号
の約20%をもたらすが、同じ濃度で一緒に与えられたときは最大信号をもたらし
た。本発明のオリゴペプチドは、TPOが非常に高い用量で投与されたとき、TPO−
Rのダウンレギュレーションを逆転させる。高濃度のTPOへの本発明のオリゴペプ
チドの添加はTPO−Rの信号伝達を生じる。TPO−Rへのその特異的結合により、本
発明のオリゴペプチドは結合に有利な受容体の立体配座を誘導し、したがって信
号伝達経路における基質の活性化を誘導することが可能である。したがって、本
発明のオリゴペプチドは、TPO−Rの信号伝達経路に対するそれ自体のアゴニスト
効果に加えて、天然ホルモンTPOと共に投与されたとき、TPOの活性の範囲を広げ
、準最大化合物濃度でTPOと共に相乗作用し、かつ高ホルモン濃度での「ベル型
」曲線効果("bell-shaped" curve effect)を逆転させる。
【0022】 本発明は、さらに、TPO−Rp野生型も血液学的障害、特には、血小板減少症を
特異的に治療するのに有用な活性を有することを示す。したがって、本発明のオ
リゴペプチドに加えて野生型TPO−Rpは、血液学的障害、例えば、血小板障害に
よる疾患および様々な型の血小板減少症のすべての診断および、特には、治療に
、単独で、またはTPOもしくは血小板と共に、特に有用であるものと考えられる
。それらの小さいサイズおよび医薬組成物における高い安定性のため、本発明の
オリゴペプチドは、それらがとりわけその経口適用を許容する限りにおいて、有
利でもある。さらに、それらはin vivoでの高い安定度を示す。
【0023】 理論によって結びつけられるものではないが、本発明のオリゴペプチドは、と
りわけ、TPO−R活性をモジュレートするかのように思われる。すなわち、TPOの
結合は受容体二量体化および細胞内信号伝達経路の活性化を生じる。この現象の
過程において、JAKキナーゼ・ファミリーの受容体関連キナーゼ(JAK2およびTyk
2)の特異的リン酸化とそれに続く転写因子STAT5のリン酸化および二量体化が生
じる。活性化STAT5タンパク質は核に侵入し、細胞増殖を刺激し、かつ血小板数
を増加させる標的遺伝子のプロモーター領域に結合する。しかしながら、上記作
用の野生型機構は本発明のオリゴペプチドにも有効ではあり得るが、本発明のオ
リゴペプチドが、例えば、受容体単量体に結合し、それにより受容体の第2鎖を
模倣するか、または天然TPOが結合しない受容体の部位に結合することによって
異なるように作用するということを排除することはできない。実際、本発明のオ
リゴペプチドは天然TPOとは異なる部位に対して作用するように思われる。
【0024】 また、本発明は、野生型TPO−RpのY14F置換突然変異体、すなわち、野生型TPO
−Rpの14位のチロシンがフェニルアラニンで置換されている野生型TPO−Rpにも
関する。このような修飾ペプチドは、そのNまたはC末端で特異的にヨウ素化する
ことができるため、例えば、ペプチド分解研究を行うのに特に有益であることが
立証され得る。
【0025】 本発明のオリゴペプチドおよび野生型TPO−RpはTPOが介在する疾患の予防およ
び治療、特には血液学的障害の治療に有用であり、これには血小板障害並びにア
レルギー反応、化学療法、放射線療法、または骨髄移入から生じる血小板減少症
および突発性血小板減少症が含まれるがこれらに限定されるものではない。した
がって、本発明は、上記障害を治療するための方法であって、TPO−R調節化合物
、特にはTPOアゴニストでの治療に感受性である障害の患者に治療上有効な用量
または量の本発明のオリゴペプチドおよび/または野生型TPO−Rpを投与する方
法をも提供する。
【0026】 また、本発明は、本明細書で説明されるオリゴペプチドまたは/および野生型
TPO−Rpの1種類以上並びに生理学的に許容し得る担体を含む医薬組成物をも提供
する。これらの医薬組成物は、経口製剤に加えて吸入粉末および溶液並びに注射
用および注入用溶液を含む様々な形態を有することができる。
【0027】 本発明の特に好ましい態様において、このような組成物および方法は、野生型
TPO−Rpおよび/または本発明のオリゴペプチドとの組合せでのTPOの使用をも含
む。
【0028】 以下の定義は、本発明を説明するのに用いられる様々な用語の意味および範囲
を説明し、かつ定義するために記載される。
【0029】 「トランスフォーメーション」または「トランスフェクション」という用語は
、天然TPO−Rpヌクレオチド配列または元来はその細胞の一部ではないか、天然
の位置、コピー数もしくは配向ではない本発明のオリゴペプチドをコードするヌ
クレオチド配列のいずれかを含む所望の核酸を、当該技術分野において公知の方
法を用いて宿主細胞に含ませる作用を意味する。
【0030】 「機能的に連結した」が意味するところは、遺伝子および少なくとも1つの調
節配列が、センスまたはアンチセンス発現において、適切な分子(例えば、転写
活性化因子タンパク質)がその調節配列に結合したときに遺伝子の発現が許容さ
れるような方法で接続することである。
【0031】 「ベクター」という用語は、プラスミド、ウイルス、または自律的に複製する
配列であり得る組換えDNA構築体、ファージまたはあらゆる源から誘導される一
本鎖もしくは二本鎖DNAもしくはRNAの直鎖もしくは環状ヌクレオチド配列を指し
、そこでは幾つかのヌクレオチド配列が、プロモーター断片および選択された遺
伝子のDNA配列をセンスまたはアンチセンス方向に適切な3’非翻訳配列と共に細
胞に導入することが可能である独自構築体に結合または再結合されている。
【0032】 「プラスミド」は、それらの宿主細胞の染色体の一部であることなしに安定に
遺伝される遺伝要素である。これらはDNAまたはRNAを含んでもよく、かつ直鎖で
あっても環状であってもよい。プラスミドは、それらの複製および細胞複製の間
の安定な遺伝を確実なものとする分子をコードし、かつ医学的、農学的および環
境的にかなり重要な産物をコードすることもある。これらは抗生物質に対する耐
性を付与する遺伝子をもコードする。プラスミドは、分子生物学において、組換
え遺伝子のクローン化および発現にベクターとして広く用いられる。本明細書に
開示される出発プラスミドは、商業的に入手可能であるか、公的に利用可能であ
るか、または公知の公開された手順を定型的に適用することによって入手可能な
プラスミドから構築することができる。本発明に従って用いることができる多く
のプラスミドおよび他のクローニングおよび発現ベクターは公知であり、当業者
には容易に入手可能である。さらに、当業者は、本発明における使用に適するあ
らゆる数の他のプラスミドを容易に構築することができる。このようなプラスミ
ドに加えて他のベクターの本発明における特性、構築及び使用は本会時から当業
者には容易に明らかであろう。
【0033】 「宿主細胞」という用語は、キメラ、異種もしくは自己核酸配列のトランスフ
ァーによって遺伝的に改変されている細胞または依然としてこの配列を含むその
子孫を指す。これらの細胞は「トランスジェニック細胞」とも呼ばれる。自己核
酸が移される場合、その配列は天然よりも高いコピー数、それとは別の遺伝的環
境または別の配向で宿主細胞中に存在する。
【0034】 「固体支持体」が意味するところは可溶性分子が連結または結合することがで
きる不溶性のマトリックスであり、これは自然界における生物学的なもの、例え
ば、限定されることなく、細胞もしくはバクテリオファージ粒子、または合成的
なもの、例えば、限定されることなく、アクリルアミド誘導体、セルロース、ナ
イロン、シリカおよび磁性粒子のいずれかである。
【0035】 「抗体」という用語は、分析物(抗原)を特異的に結合および認識する、実質
的に1以上の免疫グロブリン遺伝子によってコードされるポリペプチド、または
それらの断片を指す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ
、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を
含む。抗体は、例えば、無傷の免疫グロブリンとして、または様々なペプチダー
ゼでの消化によって産生された多数の十分に特徴付けられたフラグメントとして
存在する。また「抗体」は、修飾抗体(例えば、オリゴマー性、還元、酸化およ
び標識抗体)を指す。また「抗体」という用語は、本明細書で用いられる場合、
全抗体の修飾によって産生されるか、または組換えDNA方法論を用いて新規に合
成される抗体フラグメントを含む。「抗体」という用語は、無傷の分子、ならび
にエピトープ決定基に結合することができるそれらのフラグメント、例えば、Fa
b、F(ab’)2、およびFvを含む。これらの抗体フラグメントはその抗原または
受容体と選択的に結合する能力を幾らか保持し、以下のように定義される: (1) Fab、抗体分子の一価抗原結合性フラグメントを含むこのフラグメントは
全抗体を酵素パパインで消化して無傷の軽鎖および1つの重鎖の一部を得ること
によって産生することができる; (2) Fab’、抗体分子のこのフラグメントは、全抗体をペプシンで処理した後
、還元して無傷の軽鎖および重鎖の一部を得ることによって得ることができる;
抗体分子当たり2つのFab’フラグメントが得られる; (3) (Fab’)2、引き続く還元なしに全抗体を酵素ペプシンで処理することに
よって得ることができる抗体フラグメント;F(ab’)2は2つのジスルフィド結
合によって一緒に保持される2つのFab’フラグメントの二量体である; (4) Fv、2本の鎖として発現する軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含む
遺伝子工学的に操作されたフラグメントとして定義される;並びに (5) 一本鎖抗体(「SCA」)、遺伝子的に融合した一本鎖分子として適切なポ
リペプチドリンカーで連結された軽鎖の可変領域、重鎖の可変領域を含む遺伝子
工学的に操作された分子として定義される。
【0036】 これらのフラグメントを作製する方法は当技術分野において公知である。(例
えば、HarlowおよびLane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Har
bor Laboratory, New York (1988)を参照)。
【0037】 本発明において用いられる場合、「エピトープ」という用語は、抗体のパラト
ープが結合する抗原上の任意の抗原決定基を意味する。エピトープ決定基は、通
常、分子の化学的に活性な表面集団、例えば、アミノ酸または糖側鎖からなり、
かつ、通常、特定の三次元構造特性、ならびに特定の電荷特性を有する。
【0038】 また本発明のタンパク質およびそれらの断片に対するモノクローナル抗体も当
業者によって容易に産生させることができる。ハイブリドーマ技術を用いること
によるモノクローナル抗体を作製するための一般的な方法論が周知である。不死
抗体産生細胞系は、細胞融合により、およびまた他の技術、例えば、癌遺伝子DN
AでのBリンパ球の直接形質転換もしくはエプスタイン・バー・ウイルスでのトラ
ンスフェクションによって生成することができる。例えば、M. Schreierら, 「H
ybridoma Techniques」 (1980);Hammerlingら, 「Monoclonal Antibodies and
T-cell Hybridomas」 (1981);Kennettら, 「Monoclonal Antibodies」 (1980)
を参照のこと;また、米国特許第4,341,761号;第4,399,121号;第4,427,783号
;第4,444,887号;第4,452,570号;第4,466,917号;第4,472,500号;第4,491,63
2号;および第4,493,890号も参照のこと。目的のタンパク質、特に、TPO−Rpも
しくは本発明のオリゴペプチドまたはそれらの断片に対して産生したモノクロー
ナル抗体のパネルを様々な特性;すなわち、アイソタイプ、エピトープ、親和性
等についてスクリーニングすることができる。あるいは、目的のモノクローナル
をコードする遺伝子を当技術分野において公知のPCR技術によってハイブリドー
マから単離し、適切なベクターにクローン化して発現させることができる。モノ
クローナル抗体は、それらが指向する個々のタンパク質の免疫親和性技術を用い
る精製において有用である。本発明の抗体には、ポリクローナルであろうとモノ
クローナルであろうと、それらをイムノアッセイ、RIA、ELISA等において試薬と
して用いることができるという点でさらなる有用性がある。加えて、それらを、
細胞抽出物または細胞からの本発明のオリゴペプチドの検出および/または単離
に用いることができる。これらの抗体は、例えば、TPO−R活性をモジュレートす
る、例えば、TPO活性を模倣する新規化合物を発見または修飾するための組織培
養に基づくアッセイを確立するのに用いることができる。
【0039】 ヒト化またはキメラ抗体は2種類の異なる種から誘導された部分(例えば、ヒ
ト定常領域およびマウス結合領域)を含むことができる。2種類の異なる種から
誘導される部分は、通常の技術によって化学的に一緒に連結させることができ、
または遺伝子工学技術を用いて単一の融合タンパク質として調製することができ
る。キメラ抗体の両部分のタンパク質をコードするDNAを単一の融合タンパク質
として発現させることができる。
【0040】 タンパク質及び他の生物製剤の不均一集団の存在下において、そのタンパク質
の存在を決定付ける結合反応において抗体が機能するとき、抗体はタンパク質に
「特異的に結合する」または「それと特異的に免疫反応性である」。したがって
、指定されたイムノアッセイ条件下では、特定された抗体は特定のタンパク質に
優先的に結合し、サンプル中に存在する他のタンパク質に有意な量で結合するこ
とはない。このような条件下でのタンパク質への特異的結合は、特定のタンパク
質に対する特異性について選択される抗体を必要とする。種々のイムノアッセイ
形式を用いて、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性である抗体を選択するこ
とができる。例えば、タンパク質と特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗
体を選択するのに固相ELISAイムノアッセイが日常的に用いられる。特異的免疫
反応性の決定に用いることができるイムノアッセイ形式および条件の説明につい
ては、HarlowおよびLane (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spri
ng Harbor Publications, New Yorkを参照のこと。
【0041】 「イムノアッセイ」という用語は、抗体または抗原でもあり得る分析物への特
異的な結合に抗体または抗原を利用するアッセイを指す。イムノアッセイは、分
析物の検出、単離、標的化、および/または定量に特定の抗体の特異的結合特性
を用いることを特徴とする。検出を可能とするため、抗体または抗原のいずれか
を標識することができる。
【0042】 本発明の背景において、「治療」という用語は薬物または医薬の予防および/
または治療効果を指し、薬物または医薬は次に、薬学的に、または診断上有効な
化合物を少なくとも1種類の添加物、例えば、担体との組合せで含む組成物とし
て定義される。
【0043】 「アゴニスト」は、その相補的な生物学的に活性な受容体に結合し、かつ受容
体を活性化してその受容体において生物学的応答を生じるか、またはその受容体
の予め存在する生物学的活性を増強する生物学的に活性なリガンドを指す。TPO
アゴニストはTPO受容体(TPO−R)に結合する。TPOアゴニストはTPO模倣体(mimi
c)として作用し得る。しかしながら、またTPOアゴニストは、TPOとは異なる結合
部位または機構を用いることにより、TPO−Rを活性化するか、またはTPO−Rの活
性化に寄与することができる。
【0044】 「アンタゴニスト」は、その相補的な生物学的に活性な受容体に結合し、かつ
例えば、TPOとは異なるか、または類似する結合部位または機構を用いることに
より、TPO−Rの活性を抑制、減少または消滅させる生物学的に活性なリガンドを
指す。
【0045】 「薬学的に許容される塩」という用語は、アンモニウム、バリウム、カルシウ
ム、リチウム、マグネシウム、カリウム、プロタミン亜鉛塩及びナトリウムを含
む通常用いられる非毒性のアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウ
ム塩を指し、これらは当技術分野において公知の方法によって調製される。また
この用語は非毒性の;すなわち、薬学的に許容される酸付加塩を含み、これは、
一般に、本発明のオリゴペプチドを適切な有機または無機酸、例えば、アセテー
ト、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレート、シトレート、フマレート、ヒド
ロブロミド、ヒドロクロリド、ラクテート、ラウレート、マレエート、ナプシレ
ート(napsylate)、オレエート、オキサレート、ホスフェート、スクシネート、
スルフェート、タルトレート、トシレート、バレレート等と反応させることによ
って調製される。
【0046】 「薬学的に許容される酸付加塩」という用語は、無機酸、例えば、臭化水素酸
、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、および有機酸、例えば、酢酸、安息香酸、桂皮酸
、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グリコール酸、マレイン酸、リンゴ
酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、プロピオン酸、p−
トルエンスルホン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸等と共に形成
される、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的に、また
は他の点で望ましくないものではない塩を指す。
【0047】 「薬学的に許容されるエステル」という用語は、エステル結合の加水分解に際
し、その構成要素、すなわち、カルボン酸またはアルコールの生物学的有効性お
よび特性を保持し、かつ生物学的に、または他の点で望ましくないものではない
エステルを指す。また本発明は、上述のエステルであり、かつ同時に、それらの
薬学的に許容される酸付加塩の双方である組成物の使用も意図する。
【0048】 本発明の塩は、遊離オリゴペプチドを水性もしくは水性/アルコール性溶媒ま
たは適切な塩基を含む他の適切な溶媒に溶解した後、その溶液を蒸発させること
により、凍結および凍結乾燥することにより、または、不溶性の粗製塩の分離を
含めて、他の溶媒、例えば、ジエチルエーテルをオリゴペプチド塩の水性および
/またはアルコール性溶液に添加することにより、得られた本発明の塩を単離す
ることによって得ることができる。塩の形成については、通常、1モルもしくは
最大で2モルの塩基、すなわちカチオン、および1モルの遊離オリゴペプチドを用
いる。アルカリオリゴペプチド塩の調製については、アルカリ金属炭酸塩または
炭酸水素塩が好ましく用いられる。調製されたペプチド塩は水中に自由に溶解す
ることができる。したがって、また本発明はオリゴペプチド塩を調製するための
方法にも関する。
【0049】 本発明の背景において、塩基は溶液、特には水性および水性/アルコール性溶
液中でカチオンを形成することができる物質として考えられる。
【0050】 「薬学的に許容されるアミド」という用語は、アミド結合の加水分解に際して
、カルボン酸またはアミンの生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的
に、または他の点で望ましくないものではないアミドを指す。これらのアミドは
、典型的には、対応するカルボン酸およびアミンから形成される。また本発明は
、記載したようなアミドであり、かつ同時に、それらの薬学的に許容される酸付
加塩の双方である組成物の使用をも意図する。
【0051】 薬学的に許容されるエステルおよびアミドを調製するための技術は、例えば、
March Advanced Organic Chemistry,第3版, John Wiley & Sons, New York (198
5) p.1152に開示されている。プロドラッグとして有用な薬学的に許容されるエ
ステルおよびアミドは、Bundgaard, H.編, (1985) Design of Prodrugs, Elsev
ier Science Publishers, Amsterdamに開示されている。
【0052】 「薬学的または治療上許容される担体」という用語は、活性成分の生物学的活
性の有効性を妨害することなく、かつ宿主または患者に対して毒性ではない担体
媒体を指す。
【0053】 「治療上または薬学的に有効な量」は、本発明のオリゴペプチドおよび組成物
に適用される場合、所望の生物学的結果を誘導するのに十分なオリゴペプチドま
たは組成物の量を指す。その結果は疾患の徴候、症状、もしくは原因の緩和また
は生物学的な系のあらゆる他の望ましい変更であり得る。本発明において、この
結果には、例えば特に好ましい実施形態においては、TPO模倣活性、すなわち、
血小板減少症の症状を選択的に防止し、消滅させ、および/または減少させるこ
と、例えば、血小板数の増加および/または血小板数低下の防止が含まれる。
【0054】 本発明のオリゴペプチドにおけるアミノ酸残基は以下のように通常行われるよ
うに略される:フェニルアラニンはPheまたはF;ロイシンはLeuまたはL;イソロ
イシンはIleまたはI;メチオニンはMetまたはM;バリンはValまたはV;セリンは
SerまたはS;プロリンはProまたはP;トレオニンはThrまたはT;アラニンはAla
またはA;チロシンはTyrまたはY;ヒスチジンはHisまたはH;グルタミンはGlnま
たはQ;アスパラギンはAsnまたはN;リジンはLysまたはK;アスパラギン酸はAsp
またはD;グルタミン酸はGluまたはE;システインはCysまたはC;トリプトファ
ンはTrpもしくはW;アルギニンはArgまたはR;およびグリシンはGlyまたはGであ
る。
【0055】 したがって、例えば、A R Gは連続ストレッチ、すなわち、アラニン、アルギ
ニンおよびグリシンからなるトリペプチドであり、一方、R A Rはアルギニン、
アラニンおよびアルギニンの連続ストレッチである。
【0056】 本発明は配列番号1〜6に具体的に言及されるオリゴペプチドだけではなく、生
物学的等価物、すなわち、異なる構造を有するが類似の、もしくは匹敵する生物
学的効果を示す物質、特には、類似の、もしくは匹敵する構造および/または機
能を有し、かつTPO−Rモジュレーターとして作用するそれらの誘導体にも関する
。これらの生物学的等価物、特に誘導体は、加水分解もしくはタンパク分解に対
する感受性および/または他の生物学的特性、例えば、TPO受容体に対する親和
性の増加に関して本発明のオリゴペプチドと相違し得る。したがって、また本発
明は、例えば、本発明のオリゴペプチドの薬学的に許容される塩、アミドまたは
エステルにも関する。
【0057】 したがって、天然アミノ酸のみからなるオリゴペプチドに加えて、ペプチドミ
メティック(peptidomimetics)またはペプチド類似体も提供される。ペプチド類
似体は、テンプレートペプチドに類似する特性を備える非ペプチド薬として一般
に用いられる。これらのタイプの非ペプチド化合物は「ペプチドミメティック(
peptide mimeticsまたはpeptidomimetics)」と呼ばれる。治療上有用なペプチ
ドに構造的に類似するペプチドミメティックは、等価の、または増強された治療
または予防効果を生じるのに用いることができる。一般には、ペプチドミメティ
ックはパラダイムポリペプチド(すなわち、生物学的または薬理学的活性を有す
るポリペプチド)、例えば、天然受容体結合性ポリペプチドに構造的に類似する
が、当技術分野において公知の方法により-CH2-NH-NH-、-C-CH2-S-、-CH2-CH2-
、-CH=CH-(シスおよびトランス)、-COCH2-、-CH(OH)-CH2-、および-CH2-SO-か
らなる群より選択される連結によって場合によっては置換される1つ以上のペプ
チド連結を有する。特に好ましい非ペプチド連結は-CH2-NH-である。このような
ペプチドミメティックはポリペプチドの実施形態を上回る有意な利点を有する場
合があり、このような利点には、例えば:改善された化学的安定性、増強された
薬理学的特性(半減期、吸収、効力、有効性等)、より経済的な生産改変特異性
(production altered specificity)(例えば、広範囲の生物学的活性)、減少
した抗原性等が含まれる。ペプチドミメティックの標識は、通常、定量的構造−
活性データおよび/または分子モデリングによって予想されるペプチドミメティ
ック上の非妨害性の位置への、直接の、またはスペーサー、例えば、アミド基を
介しての、1つ以上の標識の共有結合を含む。このような非妨害性の位置は、一
般には、巨大分子(1つもしくは複数)、例えば、そのペプチドミメティックが
結合して治療効果を生じる免疫グロブリンスーパーファミリー分子との直接接触
を生じない位置である。ペプチドミメティックの誘導体化、例えば、標識は、実
質的にそのペプチドミメティックの望ましい生物学的または薬理学的活性を妨害
してはならない。一般には、受容体結合性ペプチドのペプチドミメティックは受
容体と高い親和性で結合し、かつ検出可能な生物学的活性を有し、すなわち、1
つ以上の受容体介在表現型変化に対してアゴニスト的またはアンタゴニスト的で
ある。
【0058】 本発明の背景において、より安定なペプチドを生成するのに1つ以上のL−アミ
ノ酸を同じタイプのD−アミノ酸で置換すること(例えば、L−リジンの代わりに
D−リジン)を用いることができる。
【0059】 加えて、本発明は、上記一般式で識別されるコンセンサス配列または当技術分
野において公知の方法、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を
形成することが可能な内部システイン残基を添加することによって生成すること
ができる実質的に同一のコンセンサス配列変異を含むオリゴペプチドに関する。
【0060】 本発明は線状形態の上記オリゴペプチドに関するだけではなく、環化オリゴペ
プチド、例えば、最初のアミノ酸と最後のアミノ酸との間のアミド結合によって
環化したものにも関する。
【0061】 「合成または非天然アミノ酸」は、in vivoで天然には生じないが、それにも
かかわらず、本発明のオリゴペプチドに組み込むことができるアミノ酸を指す。
他の好ましい合成アミノ酸には、アミノ基が1つを上回る炭素原子によってカル
ボキシル基から隔離されているアミノ酸、例えば、β−アラニンまたはγ−アミ
ノ酪酸が含まれる。特に好ましい合成アミノ酸には、天然L−アミノ酸のD−アミ
ノ酸、L−1−ナフチル−アラニン、L−2−ナフチルアラニン、L−シクロヘキシ
ルアラニン、L−2−アミノイソ酪酸、メチオニンのスルホキシドおよびスルホン
誘導体が含まれる。
【0062】 「検出可能な標識」は、本発明のオリゴペプチド、オリゴペプチドミメティッ
クおよび/または抗体に共有結合するとき、その系、例えば、そのオリゴペプチ
ドもしくはオリゴペプチドミメティックが投与されている患者においてin vivo
で、またはin vitroで、そのオリゴペプチドおよびオリゴペプチドミメティック
の検出を可能にする物質を指す。適切な検出可能な標識は当技術分野において周
知であり、例として、放射性同位体および蛍光標識(例えば、フルオレセイン)
が挙げられる。
【0063】 オリゴペプチドまたはオリゴペプチドミメティックに対する検出可能な標識の
共有結合は、当技術分野において周知の通常の方法によって達成される。例えば
、125I放射性同位体を検出可能な標識として用いるとき、オリゴペプチドまたは
オリゴペプチドミメティックに対する125Iの共有結合は、アミノ酸チロシンをオ
リゴペプチドまたはオリゴペプチドミメティックに組み込み、次いでそのオリゴ
ペプチドをヨウ素処理することによって達成することができる。また、例えばペ
プチドまたはペプチドミメティック上のヒドロキシル基を介して、32Pをホスフ
ェート部分としてオリゴペプチドまたはオリゴペプチドミメティックに組み込む
こともできる。
【0064】 本発明のオリゴペプチドは当技術分野において公知の通常の方法、例えば、標
準固相技術を用いることによって調製することができる。これらの標準法には、
これらに限定されるものではないが、排他的固相合成、部分的固相合成法、断片
濃縮、古典的溶液合成、および組換えDNA技術によるものが含まれる。したがっ
て、本発明のオリゴペプチドは、組換え法によって直接調製するか(Sambrookら
Molecular Cloning: A Laboratory Manual, CSHL Press, Cold Spring Harbor,
NY 1989を参照)、または、例えば親和性試薬による融合タンパク質の精製を可
能にする特異的結合対の一方であるタンパク質に対する融合タンパク質として調
製することができ、後者は次いで、通常は望ましいペプチドを生じるように操作
された部位で、タンパク分解性開裂が行われる。
【0065】 これらのオリゴペプチドを伸長して、都合のよい連結部位、例えば、システイ
ンまたはリジンを提供し、安定性を増強し、特定の受容体に結合させ、部位指向
性作用に備え、精製の容易さに備え、立体配座が安定化するように物理的特性(
例えば、溶解度、電荷等)を変更するなどができる。これらのオリゴペプチドは
非野生型フランキング領域に融合タンパク質として連結させることができ、これ
は連結基又はシステイン(ジスルフィド)もしくペプチド連結を介した共有結合
のいずれかによって連結される。オリゴペプチドは、様々な二官能性作用物質、
例えば、マレイミド安息香酸、メチルジチオ酢酸、メルカプト安息香酸、S−ピ
リジルジチオプロピオネート等を介して連結させることができる。これらのオリ
ゴペプチドは単一のアミノ酸に、アミノ酸の鎖のNまたはC末端で連結させること
ができ、または内部に連結させることができる。例えば、本発明のオリゴペプチ
ドを免疫原性タンパク質、例えば、キーホールリムペットヘモシニアン(keyhole
limpit hemacyanin)、オバルブミン等に共有結合的に連結させ、主題オリゴペ
プチドに対する抗体の産生を促進することができる。
【0066】 本発明のオリゴペプチドは、内部またはNもしくはC末端のいずれかで鎖の一部
となるように、他のペプチドまたはタンパク質と共に発現させることができる。
このような融合オリゴペプチドは融合またはコンジュゲートペプチドと呼ばれる
。グリコシル化を含む様々な発現後修飾を達成することができる。例えば、適切
なコード配列を用いることにより、主題ペプチドが一端で脂質基に結合して脂質
膜、例えば、リポソーム内に挿入され得るように、ファルネシル化またはプレニ
ル化をもたらすことができる。本発明のオリゴペプチドはPEG化することができ
、そのポリエチレンオキシ基は血流中での寿命の増強の備えをする。また本発明
のオリゴペプチドを血清タンパク質、例えば、アルブミンと会合しても良い。ま
たこれらのオリゴペプチドは、タンパク質融合または会合のいずれかにより、他
のタンパク質、例えば、IgGアイソタイプのFcと結合して補体結合を増強し、ま
たは毒素、例えば、リシン、アブリン、ジフテリア毒素等、特にはA鎖と結合す
ることができる。これらのオリゴペプチドは、部位指向性作用のため、抗体に連
結することができる。したがって、また本発明は、本発明のオリゴペプチドを含
むコンジュゲートペプチドを提供する。
【0067】 本発明のオリゴペプチドは、類似の生物学的活性を有する非ペプチド化合物の
構造モデルとして役立つことができる。当業者は、本発明のオリゴペプチドと同
じであるかまたは類似する望ましい生物学的活性を有するが、溶解度、安定性、
並びに加水分解およびタンパク分解に対する感受性に関して先行者よりも有利な
活性を有する化合物の構築のために様々な技術が利用可能であることを認識する
。これらの技術には、ペプチド主鎖をホスフェート、アミド、カーボネート、ス
ルホンアミド、二級アミン、およびN−メチルアミノ酸から構成される主鎖で置
換することが含まれる。
【0068】 したがって、また本発明は、本発明のオリゴペプチドの組換え産生にも関する
【0069】 したがって、本発明は、配列番号1〜7で識別されるオリゴペプチドをコードす
るヌクレオチド配列に関し、これは、遺伝暗号の縮重のため、6種類を上回る様
々なヌクレオチド配列を包含する。もちろんまた本発明は、コードされたオリゴ
ペプチドが本発明の望ましいTPO−Rモジュレーター効果を有する限り、例えばヌ
クレオチドの付加、欠失、挿入または転化により、突然変異を生じている上記ヌ
クレオチド配列にも関する。
【0070】 また本発明は、上記ヌクレオチド配列を含むベクターにも関し、このヌクレオ
チド配列は通常の材料および技術を用いて宿主細胞系に導入し、発現させること
ができる。DNAエレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニ
ル化部位、転写終止シグナル等は、発現を促進し、かつ制御するようにこれらの
ヌクレオチド配列と関連付けられていなければならない。用いられる具体的な調
節エレメントは、オリゴペプチドの分泌が望ましいのかコンジュゲートペプチド
の分泌が望ましいのかにかかわらず、発現のために選択された宿主細胞系に依存
するだろう。本発明の好ましい実施形態において、ベクターは細菌、ウイルス、
哺乳動物もしくは酵母ベクターであってよく、特に好ましい実施形態においては
、適切な宿主細胞におけるヌクレオチド配列の指向性発現が可能な、上記で識別
される5’および/または3’調節エレメントを含む。
【0071】 様々なベクターを宿主細胞における本発明のオリゴペプチドの導入および発現
のためのビヒクルとして用いることができる。様々な宿主細胞型において有用で
あるようなベクターが周知であり、例えば、哺乳動物発現ベクターpSG5(Strata
gene)、p−RK1(Genetics Institute)、p−SVK3(Pharmacia)、p−EUK−C1(
Clontech)、pCDM(Invitrogen)、pcDNAI(Invitrogen)、並びに細菌発現ベク
ターpFLAG−1(IBI)、すべてのpET系プラスミド(Novagen)、pTrcHis(Invitr
ogen)、pGEXシリーズ(Pharmacia)およびpKK 233−2(Clontech)が挙げられ
る。これらのベクターは宿主細胞内にエピソームとして維持することができ、ま
たは宿主細胞ゲノムへの本発明のヌクレオチド配列の組み込みを促進することが
でき、あるいはその両者である。またベクターは他の有用な特徴、例えば、それ
らがうまく導入されている細胞の選択または検出を可能にする遺伝子を含むこと
もできる。
【0072】 本発明のヌクレオチド配列の発現に適する宿主細胞には、これらに限定される
ものではないが、原核及び真核細胞宿主、例えば、枯草菌(Bacillus subtilis
)、大腸菌(E. coli)、酵母、アフリカツメガエル卵母細胞、昆虫細胞、植物
細胞、並びに、特にはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、Hela細胞、L(
tk−)細胞、一次培養物、Cos17細胞、Cos1細胞、ベビーハムスター腎細胞およ
びCV1細胞を含む様々な哺乳動物細胞型が含まれる。
【0073】 またグリコシル化の備えがある宿主細胞も本発明に含まれる。
【0074】 また本発明は、細胞を遺伝子的に改変するための方法であって、上記で識別さ
れるベクターで細胞をトランスフェクトすることによる方法にも関する。このト
ランスフェクションは通常の方法、例えば、生物学的、物理学的、化学的または
電気的に誘導するトランスフェクション、特には、エレクトロポレーション法、
細胞融合、レトロウイルスもしくはウイルス介在遺伝子導入、リポソーム介在遺
伝子導入または粒子ボンバードメントによって達成することができる。
【0075】 また本発明は、本発明のオリゴペプチドをそれらの細胞中に産生することが可
能な非ヒト哺乳動物を産生するための方法であって、本発明のヌクレオチド配列
を、特には8細胞段階以前、好ましくは1細胞段階の非ヒト哺乳動物細胞に導入し
、続いてそれを成体分化動物が得られるように適切な条件下で培養する方法にも
関する。このような動物は、その生殖細胞または体細胞中、特にはその染色体中
に、本発明のオリゴペプチドを発現することが可能な本発明のヌクレオチド配列
を含むことができる。本発明の特に好ましい実施形態において、この哺乳動物は
齧歯類または霊長類である。このような方法は様々な種類の遺伝子治療、例えば
、体細胞遺伝子治療または生殖細胞系遺伝子治療を可能にし得る。
【0076】 また本発明は遺伝子操作された、特にトランスジェニック動物、特に哺乳動物
、特には霊長類およびマウス並びにそれらの細胞をも包含する。少なくとも幾つ
かの細胞に、例えば、トランスフェクトした本発明のヌクレオチド配列のセンス
またはアンチセンス構築物を調節エレメントの制御下に含むこれらの動物は、TP
O−Rの活性が改変されているため、研究および診断の目的に有用である。トラン
スジェニック動物におけるTPO−Rの改変は、例えば、本発明のセンスもしくはア
ンチセンスヌクレオチド配列、またはこれらのヌクレオチド配列のあらゆる改変
、例えば、転化、欠失、挿入、付加等を用いて形質転換し、かつそのような遺伝
子操作されている動物を得ることによって可能である。本発明の一実施形態にお
いては、本発明のベクターまたはオリゴヌクレオチドをトランスフェクトして非
ヒト哺乳動物細胞のゲノムに組み込み、TPO−R活性をモジュレートすることが可
能なオリゴペプチドを発現させる。本発明の別の実施形態においては、改変TPO
−Rを発現する動物が産生されるように、相同組換えにより本発明のベクターま
たはオリゴヌクレオチドをトランスフェクトしてゲノム、特には内在性TPO−R遺
伝子に挿入する。したがって、また本発明は、野生型動物とは対照的に、遺伝子
的に改変され、特には改変されたTPO−R機能を示すトランスジェニック動物であ
る動物にも関する。哺乳動物、特には非ヒト哺乳動物細胞におけるこのような改
変された機能は、おそらくはヌクレオチド配列の変更を含む、本発明のアンチセ
ンスもしくはセンス構築物の導入および/またはTPO−Rの内在性ヌクレオチド配
列における操作のためであり得る。これらの改変、例えば、本発明に従って設計
されたTPO−Rpコード配列の追加の突然変異もしくは非突然変異センスもしくは
アンチセンスコピーの挿入または内在性遺伝子における改変によって、上記で識
別した目的に有用な動物を得ることができる。したがって、また本発明は、上記
で識別した改変を含む単一の非ヒト哺乳動物細胞または細胞培養物にも関する。
【0077】 また本発明は、本発明のオリゴペプチドを調製するための方法であって、本技
術に従ってベクターで細胞をトランスフェクトし、その細胞を培地中、オリゴペ
プチドの発現を許容する条件下で培養し、かつ通常の技術を用いて細胞または培
地からオリゴペプチドを回収することを含む方法にも関する。
【0078】 また本発明は、本発明のオリゴペプチドに特異的に結合するモノクローナルも
しくはポリクローナル抗体またはそれらのフラグメントにも関する。これらの抗
体は、本発明のオリゴペプチド、それらの構造類似体またはTPO−Rそれ自体さえ
も検出し、かつ単離するのに用いることができる。オリゴペプチドまたはTPO−R
がTPO−R含有またはオリゴペプチド含有供給源、例えば、細胞、細胞の一部また
は細胞器官中に存在する場合、検出または単離に先立って、生物学的材料を破壊
する通常の方法、例えば、酵素的細胞溶解のようなさらなる操作が必要である場
合がある。
【0079】 また本発明は、上記抗体を特異的に認識および結合するモノクローナルまたは
ポリクローナル抗体にも関する。
【0080】 また本発明は、本発明のオリゴペプチドをオリゴペプチドを含む混合物から検
出および/または単離するためのイムノアッセイであって、本発明の抗体をその
混合物に適用し、オリゴペプチドを検出および/または単離するイムノアッセイ
にも関する。逆に、このイムノアッセイを、本発明のオリゴペプチドをプローブ
として用いることにより、本発明の抗体を検出するのに用いることができる。
【0081】 本発明のオリゴペプチドは、in vitroで、TPOの産生および受容体結合プロセ
スに関与する多くの因子の評価を含むTPOの生物学的役割を解析するための固有
のツールとして有用である。また本発明のオリゴペプチドは、構造と活性との間
の関係に関する重要な情報を提供するため、TPO−Rに結合し、かつそれを活性化
する他の化合物の開発においても、本発明のオリゴペプチドは有用である。
【0082】 また本発明のオリゴペプチドは、さらなるTPO受容体アゴニストについてスク
リーニングするアッセイにおいて、競合結合体(binder)としても有用である。本
発明のオリゴペプチドは修飾することなく用いることができ、または、例えば、
検出可能な信号を直接もしくは間接的に提供する標識部分を共有結合的もしくは
非共有結合的に連結させることができる。直接標識には標識基、例えば:放射性
標識、酵素、例えば、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ、並びに
蛍光強度、波長のシフト、または蛍光偏光の変化のモニタリングが可能な蛍光標
識が含まれる。間接標識には、一成分のビオチン化と、それに続く、上記標識基
のうちの1つとカップリングするアビジンへの結合が含まれる。またこれらの化
合物は、それらの化合物を固体支持体に結合させようとする場合、スペーサーを
含むこともできる。
【0083】 TPO受容体に結合するそれらの能力に基づき、本発明のオリゴペプチドを、膜
上、細胞器官、コンパートメント、生細胞、固定化細胞、生物学的液体中、組織
ホモジネート中、精製天然生物学的材料中、粗製抽出物中等におけるTPO受容体
の検出に試薬として用いることができる。例えば、本発明のオリゴペプチドを標
識することにより、表面上にTPO−Rを有する細胞を同定することができる。さら
に、TPO−Rに結合するそれらの能力に基づき、本発明のオリゴペプチドをin sit
u染色、FACS(蛍光活性化細胞選別)、ウェスタンブロッティング、ELISA等にお
いて用いることができる。加えて、TPO−Rに結合するそれらの能力に基づき、本
発明のオリゴペプチドを、TPO−Rを単離及び精製するための方法、または細胞表
面上もしくは透過化細胞内部にTPO−Rを発現する細胞の単離及び精製において用
いることができる。
【0084】 また本発明は、通常の方法に従って、例えば固体支持体上に、固定化されてい
る本発明のオリゴペプチドの上記スクリーニングおよび単離方法への使用にも関
する。本発明の一実施形態において、特には、本発明のスクリーニングアッセイ
の一実施形態においては、オリゴペプチドを、分離されたサンプル受容領域を有
する不溶性支持体、例えば、マイクロタイタープレートに非拡散的に結合させる
。この不溶性支持体はオリゴヌクレオチドまたは受容体が結合することができ、
可溶性材料から容易に分離され、かつ他の点ですべてのスクリーニング方法に適
合するあらゆる組成物で製造することができる。このような支持体の表面は固体
であっても多孔性であってもよく、いずれの都合のよい形状のものでありうる。
適切な不溶性支持体の例としては、マイクロタイタープレート、膜およびビーズ
が挙げられる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック、例えば、ポリス
チレン、多糖、ナイロンまたはニトロセルロースで製造される。
【0085】 もちろん、また本発明は、オリゴペプチドおよび/またはこれらのオリゴペプ
チドに対する抗体を、例えば固定化剤を用いることなく、溶液中でのハイスルー
プットスクリーニングおよび/または単離方法において用いる上記単離およびス
クリーニング方法にも関する。
【0086】 本発明のオリゴペプチドは、様々な医学的研究および診断用途の市販試薬とし
て使用することもできる。このような使用には、限定されるものではないが、(
1)様々な機能的アッセイにおいてTPOまたは潜在的なTPOアゴニストの活性を定
量するための較正標準としての使用;(2)TPO依存性細胞株の増殖および成長を
維持するための使用;(3)共結晶化によるTPO受容体の構造解析における使用;
(4)TPOシグナル伝達/受容体活性化の機構を研究するための使用;ならびに(
5)TPO受容体が好ましく活性化されるか、またはそのような活性化が既知量のTP
OもしくはTPOアゴニストに対して都合よく較正されるような、他の研究および診
断用途が含まれる。
【0087】 本発明のオリゴペプチドは、TPO等のさらなるサイトカインと一緒にした、ま
たは単独での巨核球およびそれと関連する前駆体の、in vitro増殖に用いること
ができる。化学療法および放射線照射は、急速に分裂中の成熟した巨核球の集団
を殺すことによって血小板減少症を引き起こす。しかしながら、これらの治療的
処置は、未成熟であまり活発に有糸分裂をしない巨核球前駆細胞の数および生存
度も減少させる可能性がある。したがって、本発明の一実施形態においては、本
発明のオリゴペプチドによる血小板減少症の改善性を、化学療法または放射線量
を終了した後の、in vitro培養によって巨核球および未成熟前駆体を富化した患
者自身の細胞の集団を有する患者を用いることにより、向上させることができる
【0088】 本発明のオリゴペプチドおよび/もしくは野生型TPO−Rpならびに/またはそ
れらに特異的に結合する抗体はまた、齧歯類及びヒトを含む霊長類のような哺乳
動物を含む動物に投与して、in vivoにおいてTPO−Rを調節、とりわけ活性化す
るか、および/または存在している血小板数を増加または維持することができる
。したがって、本発明はTPO関連障害の治療的処置のための方法であって、本発
明のオリゴペプチドを、in vivoでTPO−Rの作用を調節するのに十分な量で投与
することを含む方法を包含する。例えば、血小板障害および血小板減少症を含む
がこれらに限定されるものではない様々な血液学的障害、とりわけ骨髄注入、放
射線療法、および化学療法に関連するものを治療するために、本発明のオリゴペ
プチドおよび組成物を投与することができる。このような投与はTPOの投与をも
含み得る。
【0089】 したがって、本発明は、TPO−Rの活性を調節、とりわけ増加または減少させる
ための方法であって、本発明のオリゴペプチドまたはそれらに特異的に結合する
抗体をTPOの不在下または存在下のいずれかでTPO−Rに適用する方法にも関する
。このような方法はin vivo法であってもin vitro法であってもよい。
【0090】 本発明のオリゴペプチドおよび組成物は、好ましい態様においては、化学療法
、放射線療法、もしくは骨髄注入の前か、またはそれらと同時に予防的に投与さ
れ、あるいはそれらの曝露の後に投与される。
【0091】 したがって、本発明は、少なくとも1種類の本発明のオリゴペプチドおよび/
またはTPO−Rp野生型オリゴペプチドを活性成分として医薬担体または希釈剤と
共に含む医薬組成物をも提供する。本発明の組成物は全身的に、または局所的に
投与することができ、特には血管内、経口、肺、非経口(例えば、筋肉内、腹腔
内、静脈内(IV)もしくは皮下注射)、または、吸入(例えば微粉末製剤による
)、経皮、鼻、膣、直腸、または舌下の投与経路によって投与することができる
。また本発明の組成物は、各投与経路に適する剤形に製剤化することができる。
本発明のオリゴペプチドおよび/またはTPO−Rp野生型オリゴペプチドは、その
ような組成物において、薬学的に許容し得る塩、付加塩、エステル、アミド、ま
たは/および遊離塩基の形態で、好ましくは、薬学的に有効な量で用いることが
できる。
【0092】 経口投与用の固形剤形には、カプセル剤、リンガレット(lingualette)剤、
錠剤、丸剤、粉剤、リポソーム剤、パッチ剤、時間遅延コーティング錠及び顆粒
剤が含まれる。このような固形剤形においては、活性化合物を少なくとも1種類
の薬学的に許容し得る不活性担体、例えば、乳糖、ショ糖またはデンプンと混合
する。このような剤形は不活性希釈剤以外の追加物質、例えば、ステアリン酸マ
グネシウムのような潤滑剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場
合、それらの剤形は充填剤および/または緩衝剤に加えて香味料を含むこともで
きる。加えて、錠剤および丸剤は腸溶性コーティングを施して製造することがで
きる。
【0093】 経口投与用の液体剤形には、当該技術分野において通常用いられる不活性希釈
剤(例えば、水)を含む、薬学的に許容し得る乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤
、エリキシル剤が含まれる。このような不活性希釈剤に加えて、組成物は補助剤
、例えば、浸透圧を変化させるための塩、pH調整化合物、皮膚浸透剤、湿潤剤、
乳化剤および懸濁化剤、並びに甘味料、香味料、及び香料を含んでもよい。
【0094】 非経口投与用の本発明による医薬組成物には、無菌の水性または非水性液剤、
懸濁剤、または乳剤が含まれる。非水性溶媒またはビヒクルの例は、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、オリーブ油及びコーン
油、ゼラチン、並びに注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルであ
る。このような剤形は補助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤
を含むこともできる。これらは、例えば、細菌阻止フィルターを通す濾過により
、組成物に殺菌剤を組み入れることにより、組成物に放射線照射することにより
、または組成物を加熱することにより、滅菌することができる。これらは無菌水
または何らかの他の無菌注射用溶媒を用いて使用の直前に作製することもできる
【0095】 注射用製剤は、生理学的に許容し得る溶媒、例えば、水、生理食塩水、PBS、
エタノール水溶液、エチレングリコール水溶液等を含む。用いることができる水
溶性保存剤には、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸
塩、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、ホウ酸フェニル
水銀、パラベン、ベンジルアルコールおよびフェニルエタノールが含まれる。こ
れらの薬剤は、それぞれ、約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約2重量%
の量で存在し得る。用いることができる適切な水溶性緩衝剤はアルカリもしくは
アルカリ土類炭酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、コ
ハク酸塩等、例えば、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムである。カルボメ
チルセルロースのような添加物を、担体として、約0.01〜約5重量%の量で用い
ることができる。処方は、その処方の目的、受容体活性を調節するために用いら
れる特定の様式、目的とする治療等に依存して変化する。
【0096】 直腸または膣投与用の組成物は好ましくは座剤であり、これは、活性物質に加
えて、カカオ脂または座剤ワックスのような賦形剤を含むことができる。鼻また
は舌下投与用の組成物も、当該技術分野において周知の標準的な賦形剤を用いて
調製することができる。
【0097】 本発明のオリゴペプチドおよび/または野生型TPO−Rpを含む組成物は、予防
的および/または治療的処置のために投与することができる。治療用途において
は、既に上述の疾患に罹患している患者に、疾患およびその合併症の症状の治癒
または少なくとも部分的な軽減に十分な量、すなわち、治療上有効な量で組成物
を投与する。
【0098】 予防的用途においては、本発明のオリゴペプチドおよび/または野生型TPO−R
pを含む組成物を、特定の疾患に罹りやすいか、または他の点でその疾患に罹る
危険性がある患者に投与する。そのような量は「予防的に有効な用量」と定義さ
れる。この使用において、正確な量はやはり患者の健康状態および体重に依存す
る。
【0099】 本発明の医薬組成物は、デポー剤、例えば、徐放性組成物の形態でも投与する
ことができる。このような徐放性組成物は、例えばコラーゲンから製造されるマ
トリックス中に、オリゴペプチド含有粒子を含むものであってもよい。
【0100】 有効な治療に必要な本発明のTPOアゴニストの量は、多くの異なる要因に依存
し、この要因には、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、および投与され
る他の医薬が含まれる。
【0101】 本発明のオリゴペプチドおよび/または野生型TPO−Rpは、1日につき哺乳動物
の体重1kg当たり約0.03mg〜約10mg/kg、特には約0.3〜約1mg/kgの用量範囲で
投与されるとき、TPO介在性病的状態の治療において有効である。用いられる具
体的な用量は、治療しようとする個別の状態、投与経路によって調節される他、
病的状態の重篤性並びに患者の年齢および全身的状態等の要因に依存する主治医
の判断によって調節される。
【0102】 本発明のオリゴペプチドおよび/または野生型TPO−Rpは単独で、またはTPOと
共に投与することができ、後者の用量は、本発明のオリゴペプチドのTPO増強作
用のため、おそらくは(TPO適用の通常の用量と対比して)50%または25%減少
する。
【0103】 本発明の組成物、好ましくは水溶性組成物は、本発明の1単位剤形において用
いられる濃度ではいかなる実質的な薬理学的活性をも示すことなく体液中に注射
可能な水溶性タンパク質(以下、「水溶性タンパク質」)をさらに含んでもよい
。そのような水溶性タンパク質としては、血清アルブミン、グロブリン、コラー
ゲンおよび/またはゼラチンが好ましい。このタンパク質は、注射用医薬組成物
において一般に用いられる量で添加することができる。したがって、例えば、水
溶性タンパク質と本発明のオリゴペプチドとの重量比は、約0.0001:1〜100:1
、好ましくは約0.001:1〜約10:1、より好ましくは約0.01:1〜約1:1である。
【0104】 続けて、本発明は、特には乾燥および/もしくは純粋形態の、または水性もし
くは水性/アルコール性溶液の、前記オリゴペプチド自体およびそれらを含む組
成物にも関する。本発明の水溶性組成物またはペプチド塩から調製される溶液の
pHは、そのpHが薬理学的に活性なペプチドの活性に対していかなる有害な影響を
も発揮しないようなものでなければならず、一般の注射に許容し得る範囲内であ
り、さらに、そのpHがその溶液の粘度の大きな変化を生じることも沈殿等を形成
することもないようなものである。したがって、溶液は、好ましくは、約4〜7、
好ましくは5〜6、特には5.3〜5.5のpHを有するべきである。
【0105】 本発明の水溶性組成物を投与用の水溶液に調製する場合、その溶液中の薬理学
的に活性なオリゴペプチドまたはそれらの塩の濃度は、好ましくは、約0.000000
1〜10%(w/v)、より好ましくは約0.000001〜5%(w/v)、最も好ましくは約
0.00001〜1%(w/v)であるべきである。
【0106】 本発明の組成物は、好ましくは、本発明の薬理学的に活性なオリゴペプチドを
含み、さらに、必要であるならばさらなる添加物、例えば、上記水溶性タンパク
質を共に含む単位剤形とするべきである。したがって、例えば、2もしくは3種類
の上記成分を、無菌水または無菌生理食塩水にそれらを溶解または懸濁させるこ
とにより、アンプルまたはバイアル中に含むようにする。この場合、その調製方
法は、薬理学的に活性なオリゴペプチド塩の溶液および、さらに、必要であるな
らば、添加物の溶液を混合すること、または粉末形態の添加物を薬理学的に活性
なオリゴペプチド塩の溶液に添加すること、あるいは適切な手順のあらゆる他の
組合せを含む。この剤形は、無菌水または無菌生理食塩水を、薬理学的に活性な
オリゴペプチド塩及び、必要であるならば、添加物が共存する、凍結乾燥物また
は真空乾燥粉末に添加することによって調製することもできる。この単位剤形は
1種類以上の通常の添加物、例えば、pH調整剤(例えば、グリシン、塩酸、水酸
化ナトリウム)、局所麻酔剤(例えば、塩酸キシロカイン、クロロブタノール)
、等張剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール)、乳化剤、
吸着阻害剤(例えば、Tween(登録商標) 60または80)、滑石粉、デンプン、乳糖
およびトラガカントゴム、ステアリン酸マグネシウム、グリセロール、プロピレ
ングリコール、保存剤、ベンジルアルコール、メチルヒドロキシベンゾエートお
よび/またはアラキジン酸オレウム水素を含むことができる。この単位剤形は、
薬学的に許容し得る賦形剤、例えば、ポリエチレングリコール400またはデキス
トランをさらに含むことができる。
【0107】 本発明の組成物は、これらの成分を通常の方法に従って混合することによって
製造される。本発明の組成物の成分を混合した結果、薬理学的に活性なオリゴペ
プチドの活性が維持され、かつそのプロセスの間の泡の形成が最小限になるよう
にしなければならない。成分は同時に、または任意の順序で、容器(例えば、ボ
トルまたはドラム)に入れる。容器内の雰囲気は、例えば、無菌清浄空気または
無菌清浄窒素ガスであり得る。得られた溶液は小バイアルまたはアンプルに移す
ことができ、さらに凍結乾燥に処することができる。
【0108】 本発明の組成物の液体形態または凍結乾燥粉末形態は、生分解性ポリマー、例
えば、ポリ(乳酸−グリコール酸)共重合体、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(
ヒドロキシ酪酸−グリコール酸)共重合体、またはこれらの混合物の溶液に溶解
または分散させ、次いで、例えば、フィルム、マイクロカプセル(マイクロスフ
ェア)、またはナノカプセル(ナノスフェア)、特にはソフトもしくはハードカ
プセルの形態に製剤化することができる。
【0109】 加えて、リン脂質、コレステロールまたはこれらの誘導体を含むリポソーム中
に封入された本発明の組成物を、生理食塩水または生理食塩水に溶解したヒアル
ロン酸溶液にさらに分散させることができる。
【0110】 ソフトカプセルには液体形態の本発明の組成物を充填することができる。ハー
ドカプセルには本発明の組成物の凍結乾燥粉末を充填することができ、または本
発明の組成物の凍結乾燥粉末を圧縮して直腸投与もしくは経口投与にそれぞれ適
した錠剤とすることができる。
【0111】 もちろん、本発明の組成物は、自己投与用の予め充填されたシリンジの状態で
供給することができる。
【0112】 本発明は、血液学的障害、特には血小板減少症の診断または治療のための医薬
の製造のための、本発明のオリゴペプチドおよび野生型TPO−Rp、これらのオリ
ゴペプチドをコードするヌクレオチド配列、本発明のベクター、本発明の宿主細
胞および/または本発明の抗体の使用にも関する。
【0113】 最後に、本発明は、血液学的障害、特には血小板減少症を診断するための診断
用組成物であって、本発明のオリゴペプチドまたは野生型TPO−Rp、これらのオ
リゴペプチドをコードするヌクレオチド配列、本発明のベクター、本発明の宿主
細胞および/または本発明の抗体を、任意には許容し得る担体と共に含む組成物
に関する。本発明の特に好ましい実施形態においては、本発明の診断用組成物に
おいて用いられる上記薬剤を上記に従って標識することができる。したがって、
本発明の標識オリゴペプチド、標識ヌクレオチド配列、標識細胞および/または
標識抗体を、TPO−R関連の病的状態、特には障害を特異的に検出するのに用いる
ことができる。同様に、かつ上記で説明されるように、潜在的なさらなる薬物の
同定および単離にこれらの標識薬剤を用いることができる。
【0114】 本発明の好ましい実施形態のみを上記で具体的に説明したが、本発明の精神お
よび目的とする範囲から逸脱することなく本発明の変更および変形が可能である
ことは認められるところであろう。本発明のさらなる好ましい実施形態は請求の
範囲に列挙されている。
【0115】 配列番号1〜7は本発明のオリゴペプチドのアミノ酸配列を表す。
【0116】 ペプチドの長さは、WO 99/42127(これは、TPO−Rp野生型アミノ酸配列およ
びその製造に関して本明細書の教示に完全に組み込まれる)に開示されるように
、完全長(野生型ともいう)TPO−Rpにおける位置に従って最初と最後のアミノ
酸番号によって特定される。単一のアミノ酸置換は通常の命名法によって、例え
ば、「R9A」のように命名した(「R9A」は、TPO−Rp野生型の9位に位置する元々
のアルギニン残基がアラニンで置換されていることを表す)。
【0117】 図は後述の図面の簡単な説明に記載された内容を示す。
【0118】実施例1: カルボプラチン誘導血小板減少症の治療におけるTPO−Rp(野生型および本発
明のオリゴペプチド)の効果:I 方法: in vivo実験に用いたモデルは以前報告されている(Akahori et al. (1996) S
tem Cells 14:678-689、Akahori et al. (1996) Br. J. Haematol. 94:722-728
、Shibuya et al. (1998) Blood 91:37-45、Andrews et al. (1996) Stem Cells
14:661-677)。導入された改善点および変更点を以下に示す。
【0119】 投与スケジュール 各試験群(PBS、TPO、またはTPO−Rp)には、腹腔内注射によって投与される
毎日1回の投与を施した。毎日の投与は第0日に開始し、実験の継続期間(10日
間)を通して継続した。各々についてカルボプラチン90mg/kgのi.p.注射を2回
(11群についてはPBS)、第0日および第4日に施した。
【0120】 血液サンプリング 血液の収集は第−0日(基底値)、8日、11日、14日、および18日に行った。血
液はマウス(8週齢オスC57L/6Yマウス)の尾からサンプリングすることによっ
て取得し、次いで焼灼した。各マウスからの80μlの容量の血液をヘパリン処理
血液収集管に集めた。その後、この80μlの血液を十分量のEDTA(0.225%)を含
む160μlの生理食塩水と混合して抗凝固の備えを整えた。
【0121】 野生型ペプチド(TPO−Rp野生型、アミノ酸配列:A R G G T L E L R P R S R Y R L Q L R A R L N)と比較して、配列番号2(TPO−Rp、1−18、R9A、R11A)
および4(TPO−Rp、4−18、R9A、R11A)を有するTPO−Rpのin vivoでの効果を、
マウスにおけるカルボプラチン誘導血小板減少症で試験した。カルボプラチンは
血小板減少症の誘導に用いる。臨床状態にできる限り類似するモデルで実施する
ため、先に報告されているカルボプラチンモデル(Akahori et al. (1996) Stem
Cells 14:678-689、Akahori et al. (1996) Br. J. Haematol. 94:722-728、Sh
ibuya et al. (1998) Blood 91:37-45、Andrews et al. (1996) Stem Cells 14:
661-677)を慎重に研究し、それに応じて改変した。加えて、所定の薬物に対す
る最高の応答を示し、かつ同時にストレスが最小の状態にある動物を用いて実施
するため、動物の採血の方法を慎重に研究した(上記方法を参照)。その結果、
カルボプラチンの用量を180mg/kgに増加させ、第0日(用量の半分)および第4
日(用量の残りの半分)の2回の腹腔内(i.p.)注射によって投与した。カルボ
プラチンは第8日に重度の血小板減少症を誘導した。
【0122】 用いた動物群を表Iに示す。
【0123】
【表1】 図1はカルボプラチン処置マウスにおける血小板数の著しい低下を示しており
、上述の様々な実験群に対する実験結果をまとめている。これらの結果は個々の
動物の基底値からの変化率で表す。図1は、300μg/kg/日および30μg/kg/日
の用量の野生型ペプチドTPO−Rpが血小板数を有意に増加させたことを示す。こ
の非常に高いカルボプラチン用量で、用いた濃度(2.4μg/kg/日)でのTPO(
これは従来効果が示されていた)は血小板数の減少を防止することができなかっ
たことに言及しなければならない。また、図1は、配列番号2、すなわち、1−18
の残基を有し、かつR9A、R11Aを有する短縮化TPO−Rpペプチドが、2種類の用量
:300μg/kg/日および30μg/kg/日で、カルボプラチン誘導血小板減少から
強力に保護したことも示す。2種類の用量によって生じた保護効果は等しく顕著
である。しかしながら、生存率(下記参照)に基づくと、30μg/kg/日の最低
用量が特に重要であり、これに対して300μg/kg/日の用量はTPO−Rp野生型に
匹敵する効果を有する。0.9mg/kg/日の最高ペプチド用量が示す血小板保護に
関する効果は非常に低く、これは、おそらくは、ペプチド凝集のためであり得る
。図1は、配列番号4、すなわち、4−18の残基を有し、かつR9A、R11Aを有するTP
O−Rpペプチドの最短バージョンが、カルボプラチン処置動物における血小板レ
ベルに対して幾らかの効果を示したことも示す。用いたペプチド、野生型TPO−R
p、TPO−Rp 1−18(R9A、R11A)およびTPO−Rp 4−18(R9A、R11A)はいずれも
、他の血液成分に対して有意な効果を示さない。さらに、上記処置はいずれも、
動物の体重に影響を及ぼさない。
【0124】 処置した動物の生存率を調べることが重要である。カイ二乗解析による統計的
評価で、最も有意に高い効果、すなわち最高の生存率は、TPO−Rp、1−18(R9A
、R11A)ペプチドで観察される。さらに、野生型ペプチドでの処置も統計的に有
意に高い生存率を有する。
【0125】 上記のすべては、ペプチドTPO−Rp 1−18(R9A、R11A)がカルボプラチン誘導
血小板減少症を有意に回復させ、その化合物の「in vivo」活性において10倍の
改善を表すことを明瞭に示す。
【0126】実施例2: カルボプラチン誘導血小板減少症の治療におけるTPO−Rp(野生型および本発
明のオリゴペプチド)の効果:II 方法:投与スケジュール 各試験群には腹腔内注射によって投与される毎日1回の投与を施した。毎日の
投与は第0日に開始し、実験の継続期間(13日間)を通して継続した。所定日に
最小用量を投与した:第0日および第4日;第0日、第4日および第8日;第0日、第
4日、第8日および第12日;第8日〜第14日。カルボプラチン100mg/kgのi.p.注射
を2回、第0日および第4日に投与した。
【0127】 血液サンプリング 血液の収集は第0日(基底値)、第8日、第11日、第14日および第18日に行った
。血液はマウス(8週齢オスC57BL/6Jマウス)の尾からサンプリングすることに
より取得し、次いで焼灼した。各マウスからの80μlの容量の血液をヘパリン処
理血液収集管に集めた。その後、この80μlの血液を十分量のEDTA(0.225%)を
含む160μlの生理食塩水と混合して抗凝固の備えを整えた。
【0128】 カルボプラチンの用量を200mg/kgに増加させ、第0日(用量の半分)および第
4日(用量の残りの半分)の2回の腹腔内(i.p.)注射によって累積用量として投
与した。カルボプラチンは第11日に重度の血小板減少症を誘導した。
【0129】 用いた動物群を表IIに示す。
【0130】
【表2】 結果: 図2は、すべての実験群についてのカルボプラチン処置マウスの結果をまとめ
ている(RCN−01303は配列番号2を有するオリゴペプチドを表す)。これらの結
果は個々の動物の血小板基底値からの変化パーセントで表す。
【0131】 図2は、300μg/kg/日の用量のペプチドが血小板数を増加させることを示す
。非常に一般的な臨床状況である重度の血小板減少の場合における化合物カルボ
プラチンの効力を試験するため、実施例1と比較してカルボプラチンの用量を増
加させていることに言及しなければならない。2.4μg/kg/日の濃度で用いたTP
Oホルモンは(実施例1と同様に180mg/kgの用量のカルボプラチンと一緒になっ
て)、やはり血小板の減少から保護することができなかった。10μg/kg/日の
より高い用量で、TPOは統計的に有意であることが示される幾らかの効果を示し
た。しかしながら、この特定のカルボプラチンモデルにおいては、配列番号2の
配列を有するオリゴペプチドによって生じる保護効果はTPOによって生じるもの
よりも大きい。
【0132】 また図2は、オリゴペプチド投与の低減の可能性を試験した結果をまとめたも
のを示す。0.3mg/kg/日の濃度のオリゴペプチドを、第0日のみ;第0日および
第4日;第0日、第4日および第8日;並びに第0日、第4日、第8日、および第12日
に投与した。注目すべきことに、第0日および4日にのみ投与したペプチドはカル
ボプラチン処置マウスにおいて保護を示すのに十分であったように思われる。統
計的に有意なレベルの保護が第11日および14日に観察された。最小処置群が応答
の大きな可変性を示すことは興味深い。個体は同じ処置に対して異なるように応
答することが知られているため、このような状況は珍しいものではない。それに
も関わらず、第0日および4日のみに投与したとき、配列番号2を有するオリゴペ
プチドによって統計的に有意な効果が生じる。その上、第0日、第4日および第8
日または第0日、第4日、第8日および第12日の投与は血小板減少症に対する有意
な効果を示した。この最少投与で観察された効果はオリゴペプチドの連続投与(
第0日〜第13日)での効果に匹敵する。治療効果は同じであるようなこのような
投与量の低減の可能性は、明らかに臨床上の利点であり得る。
【0133】 野生型TPO−Rpおよび本発明のオリゴペプチドを用いる研究は、該ペプチドの
作用機構が天然ホルモンとは異なることを示している。最初に化学療法を受け、
数日後にTPOで処置されている患者に対してはTPO効果が欠如しているように思わ
れる。したがって、以下の実験を行った。
【0134】 第0日から化学療法剤を投与されたカルボプラチン処置動物の群に、第8日〜第
14日にTPOを10μg/kg/日の用量で投与した。同様に、別の群において、0.3mg
/kg/日の配列番号2を有するオリゴペプチドを、第8日〜第14日に、第0日に処
置を開始したカルボプラチン処置動物に投与した。結果を同様に図2に示す。TPO
は血小板減少症に対して有意な効果を示さなかった。対照的に、TPO−Rp(配列
番号2)は、治療の開始後に投与されたという事実にも関わらず、血小板レベル
を回復させることを示している。オリゴペプチド処置動物における血小板レベル
の統計的に有意な増加は、その保護効果が治療の開始時に投与された場合にのみ
存在するのではないことを示唆する。この知見は、治療の開始後に投与されたと
きにカルボプラチンの損傷効果を防止する本発明のオリゴペプチドの能力を示す
だけではなく、そのオリゴペプチドがTPOとは異なる作用機構を有することも示
す。したがって、両効果 −(i)最小限投与スケジュールおよび(ii)異なる
作用機構− はかなりの利点を提供する。
【0135】実施例3: ex vivoでのオリゴペプチドの薬物動態 方法: 野生型TPO−Rp、TPO−Rp 1−18(R9A、R11A、配列番号2)およびTPO−Rp 4−1
8(R9A、R11A、配列番号4)の分解プロフィールをヒト血清(200名の患者に由来
する血清のプール)およびラット血漿(50匹の動物に由来する血漿のプール)に
おいて研究した。分解の検出を可能にするため、125I標識ペプチド(Y14で標識
)を用いた。無傷のペプチドおよび標識された分解産物のみをHPLC分析によって
検出した。したがって、異なるポイントで行われるこのような分析は所定のペプ
チドが分解する時期を明瞭に検出するものである。インキュベーションは37℃で
行った。これらの研究において、標識ペプチドの濃度は〜1μMであった。
【0136】 結果: プールしたラット血漿におけるペプチド分解の結果を表IIIに示す。TPO−Rpの
半減期は〜12分であることがわかる。ラット血漿において、配列番号2を有するT
PO−Rp 1−18は〜1.1分の僅かに短い半減期を示し、これに対して配列番号4を有
するオリゴペプチドは非常に短い半減期、〜0.5分を示した。
【0137】
【表3】 プールされたヒト血清におけるペプチド分解の結果も表IIIに示す。ラット血
漿とは対照的に、ヒト血清においては、TPO−Rp野生型ペプチドは〜1.9分の半減
期を有する。TPO−Rp 4−18(R9A、R11A)は改善された安定性と〜4.9分の半減
期を有する。オリゴペプチド1−18(R9A、R11A)ではかなり長い半減期(〜9.6
分の半減期)が得られた。これは野生型オリゴペプチドを5倍上回る改善された
安定性である。ほとんどのペプチドは2−3分の比較的短い半減期を有するため、
これは有意な改善を表している。TPO−Rp 1−18 R9A、R11Aが、ラット血漿にお
いて、その短い半減期に関わらず、野生型TPO−Rpを上回るin vivo活性の改善を
示すことは注目すべきである。
【0138】 静脈内ボーラス投与後のラットにおけるTPO−Rp 1−18 R9A、R11A(3mg/kg)
のin vivo分解研究では、7.3分の算出血中半減期を示した。
【0139】実施例4: ペプチド安定性 方法: 用いたHPLC法は、逆相カラム・システム、C8 MICROSORB MVカラム(Rainin In
sutrument Company)からの溶出の間のサンプルのUV検出に基づくものであった
。2種類のバッファ系を9.5% 5mM TFA(バッファA)および5% ACN(バッファB
)で開始する。サンプル注入の後、Bの割合を急速に10%に増加させ、次いで10
分にわたって35%まで徐々に増加させる。サンプル溶出期間に続いてバッファB
を90%まで増加させることでカラムを簡単に洗浄する。
【0140】 結果: 野生型TPO−Rp、TPO−Rp 1−18(R9A、R11A、配列番号2)およびTPO 4−18(R
9A、R11A、配列番号4)のこれら3種類のペプチドを、以下の3種類の温度:室温
(〜20℃)、4℃および−20℃で保存した後、これらの安定性についてHPLC分析
を行った。ペプチドは1mgの乾燥粉末または1mM水溶液のいずれかとして保存し、
いずれの条件においても賦形剤は用いなかった。第1日にこれら3種類のペプチド
のHPLC溶出プロフィールを確立した後、第2日、9日および14日にペプチド、HPLC
溶出プロフィールを再試験した。
【0141】 図3は、1mMペプチド溶液を乾燥粉末から調製した場合、研究の開始時に30nmol
eの野生型TPO−Rpおよびより短いオリゴペプチドに対するHPLCプロフィールを示
す。図4は、研究の第2日における1mM溶液として保存したペプチドのHPLCプロフ
ィールを示す(図4A、または乾燥粉末図4B)。図5Aおよび5Bに示されるように、
このペプチド安定性研究の第9日ではペプチドのHPLCプロフィールに変化はなか
った。したがって、室温、4℃または〜20℃で保存した場合、高いペプチド安定
性であることを示している。注目すべきことに、このペプチド安定性研究の第14
日においては、野生型TPO−Rpおよび本発明の2種類のオリゴペプチドはHPLCプロ
フィールに変化はなかった(図6Aおよび6B)。室温、4℃または〜20℃で、1mM溶
液または粉末として保存したとき、ペプチド分解の徴候は検出されなかった。TP
O−Rpおよび本発明のオリゴペプチドは、ペプチド分解のいかなる徴候もなしに
、1mMの水溶液または乾燥粉末として室温、4℃または〜20℃で2週間保存するこ
とが可能であると結論付けることができた。
【0142】 さらなる研究において、水、生理食塩水または0.1%ヒトアルブミンを含む生
理食塩水の1mM溶液として調製し、−20℃、4℃および室温で1、3および4週間保
持した野生型オリゴペプチドTPO−Rpおよび配列番号2を有するペプチドが、HPLC
研究において分解の徴候を示さなかったことが示された。
【0143】実施例5: TPO−Rp 1−18 R9A、R11Aの処方および製造方法 5A)ビヒクル溶液成分 %w/v mg/ml 4Lバッチ 酢酸ナトリウム、三水和物、USP 0.136 1.361 5.444gm 10mM(F.W. 136.08) 注射用水、USP、十分量 100 1mL 4リットル pH 5.3±0.2 (10N HCl、次いで、必要であれば、pH調整のための1N HClまたは1N NaOH溶液
) マンニトール、USP 5.0 50 200gm 製造方法: 1.90%(3.6リットル)の注射用水(WFI)を適切なガラス容器に加えた。
【0144】 2.5.444gm酢酸ナトリウム、三水和物を#1に添加する。
【0145】 3.#2のpHを10N HCl(約600μl)および、必要であるならば、追加の1N HClま
たは1N NaOHで調整した。
【0146】 4.200gmマンニトールを#3に添加して溶解した。それを穏やかに攪拌しながら
完全に溶解するまで混合した。
【0147】 5.十分な量のWFIを#4に添加し、最終容量を4リットルとした。それを攪拌しな
がら均一になるまで混合した。
【0148】 6.無菌条件下で、溶液#5を0.2ミクロンメンブランを通して無菌容器内に濾過
した。
【0149】 7.その溶液(100mL/バイアル)を、滅菌手順に従って調製した7つのI型ガラ
スバイアルに無菌的に充填した。加えて、2つの同様に滅菌したバイアル(バイ
アル当たり10mL)が第一次(initial)として充填され、サンプルを保持した。
それをテフロン(登録商標)・グレー・ブチル・ストッパーおよびアルミニウム
・シールで密封した。
【0150】 5B)注射用溶液(1mg/mL)成分 %w/v mg/ml 600mLバッチ
TPO−Rp 1−18、R9A、R11A 0.1 1 0.66 gm (無水遊離塩基)粉末 ビヒクル、5Aを参照 100 1 mL 600 mL 注:(5B、5C、5Dについて) TPO−Rp 1−18、R9A、R11Aは無水酢酸塩として供給される。その量は以下のよう
に算出する: ペプチド粉末の量(無水酢酸塩)=(必要な遊離塩基の量)/(ペプチド含有率
%) *ペプチド含有率90.7%に基づく 製造方法 1.正確な量のビヒクル溶液(600mL)を適切なガラス容器に加えた。
【0151】 2.正確な量のオリゴペプチド粉末(0.66gm粉末)を#1に添加して溶解し、十分
に混合した。
【0152】 3.溶液#2のpHを測定し、必要であれば、pH5.3±0.2に調整した。
【0153】 4.溶液#3を、無菌条件下で、0.2マイクロメンブラン(Milipore Duraporeメン
ブランまたは等価物)を通して無菌濾過した。
【0154】 5.その溶液(75mL/バイアル)を、滅菌手順に従って調製した7つの無菌I型ガ
ラスバイアルに無菌的に充填した。さらに2つの同様に滅菌したバイアル(バイ
アル当たり10mL)を第一次として充填し、サンプルを保持した。テフロン・グレ
ー・ブチル・ストッパーおよびアルミニウム・シールで密封した。
【0155】 5C)注射用溶液(5mg/mL)成分 %w/v mg/ml 600mLバッチ
TPO−Rp 1−18、R9A、R11A 0.5 5 3.3 gm (無水遊離塩基)粉末 ビヒクル、5Aを参照 100 1 mL 600 mL 製造方法:5Bを参照。上記表に従う量の変更を伴う。
【0156】 5D)注射用溶液(9mg/mL) 成分 %w/v mg/ml 650mLバッチ
TPO−Rp 1−18、R9A、R11A 0.9 9 6.45 gm (無水遊離塩基)粉末 ビヒクル、5Aを参照 100 1 mL 650 mL 製造方法:5Bを参照。上記表に従う量の変更を伴う。
【0157】実施例6: 方法:「in vitro」信号伝達研究 細胞の処理:1×ペニシリン/ストレプトマイシン、2mMグルタミン、10%ウシ
胎児血清(Hyclone)および1ng/ml GM−CSFを含むRPMI 1640培地中でTF−1細胞
をおおよそ1×106細胞の密度まで増殖させ、遠心沈殿させて、3%血清を含みGM
−CSFを含まない培地に再懸濁させた。これらの細胞を37℃(5%CO2)で14−18
時間飢餓させ、回転沈殿させて、血清およびGM−CSFを含まない培地に1×106
胞/mlの密度で再懸濁させた。2mlの細胞懸濁液をオリゴヌクレオチドまたはTPO
を用いて(実験ごとに指示されるように)37℃で30分間(5%CO2)処理した。10
mlの氷冷細胞洗浄バッファをFalcon管ごとに添加し、4℃および3000rpmで急速に
遠心沈殿させた。培地を慎重に吸引し、PBSでの洗浄を2回繰り返した。
【0158】 以下の工程は氷上で行った。培地を吸引し、0.6mlの2×溶解バッファを管ごと
に添加した。これをピペットで上下させてエッペンドルフ管に移し、氷上に約30
分間置き、14,000×gで10分間遠心した。上清(溶解物)を免疫沈降において用
いた。
【0159】 免疫沈降:20−40μLのGammaBind Gセファロース・スラリーを免疫沈降ごとに
用いた。プロテインGビーズをエッペンドルフ管内において0.5×溶解バッファで
数回洗浄し、免疫沈降ごとに1−4μgのPY−99抗体(Santa Cruz-Biotecnology)
を添加した。これらの管をエンド・オーバー・エンド回転(end-over-end rotat
ion)させながら室温で2時間インキュベートした。溶解物を添加し、それらの管
をエンド・オーバー・エンド回転させながら4℃で一晩さらにインキュベートし
た。ビーズを1×溶解バッファで3回、0.5Mトリス pH6.5で1回洗浄した。50μlの
SDS−サンプルバッファを添加し、サンプルを3分間煮沸させた後、ゲルに塗布し
た。
【0160】 ウェスタンブロット分析:約10μl/サンプルを8%ポリアクリルアミドミニゲ
ル上に流してPVDFメンブラン(Milipore)に移し、ブロッキング・バッファで1
時間ブロックしてαSTAT5抗体(Santa Cruz-Biotechnology)と共に4℃で一晩、
1:1000希釈液中でインキュベートした。このメンブランを洗浄し、適切なアル
カリホスファターゼ結合二次抗体と共に、1:2000希釈、室温で2時間インキュベ
ートした。そのPVDFメンブランをBlottoで洗浄し、NBT/BCIP(Cappel)で発色
させた。
【0161】 結果: HPLC分析でいかなる見かけ上の分解をも示さないオリゴペプチド(実施例4を
参照)が依然としてそれらの生物学的活性を維持しているかどうかを評価した。
【0162】 本発明のオリゴペプチドおよび野生型TPO−Rpの活性をin vitro信号伝達アッ
セイによって調べた。上記で確認された標準方法を用いて、HPLC分析を行ったペ
プチドサンプルでTF−1細胞を刺激した。TPO−R信号伝達によって活性化されるJ
AK2キナーゼの基質であるSTAT5のリン酸化、したがって、その活性化を測定した
。ペプチドは安定化研究の「第18日」に3μMの濃度で、また、安定化研究の「第
30日」に50nMおよび5μMで試験した。すべてのペプチドを独立した研究において
3ないし4回評価した。すべてのデータを集め、ウェスタンブロットを調べ、STAT
5リン酸化の強度を定量化した。
【0163】 すべての実験からのデータ(平均±SEM)を表IVないしIXに示す(下記参照)
(W:水、S:生理食塩水、H:0.1% HSA)。これらの結果は、異なる条件下で保
存したとき、ペプチドの活性に幾らかの相違があることを示す。室温で保存した
場合、安定化研究の「第18日」で、TPO−Rp(1−18、R9A、R11A)ペプチドは、
活性の有意の減少を示した。化合物を4℃または−20℃で保存した場合、活性は
維持された。ペプチド溶液を水または生理食塩水中で調製した場合、活性が維持
されたが、0.1% HSAを添加することで化合物の活性は著しく最良に維持された
。この所見は、安定性研究の「第30日」後の結果で確認された。配列番号2を有
するペプチドは、水に溶解して−20℃で保存した場合に30日後に活性を保持する
。生理食塩水または0.1% HSAを加えた生理食塩水中に保存した場合、その溶液
は4℃および−20℃の両温度で保存したときに活性を保持する。比較として、安
定性研究の「第30日」に、野生型TPO−Rpを水溶液として−20℃で保存した場合
、活性の有意の減少があった。
【0164】 上記の安定性研究により、TPO−Rp(1−18、R9A、R11A、配列番号2)が、いか
なる溶媒においても−20℃で保存された場合、活性を1ヶ月間維持する、より安
定な分子であることが明らかになった。興味深いことに、いかなる溶媒または温
度条件の下でもそのペプチドの分解パターンは観察されなかったが、この活性ア
ッセイではいくつかの相違が明らかになった。
【0165】実施例7: 短縮化TPO−Rpオリゴペプチドの生物学的活性 方法: 固相合成およびそれに続く純度90−95%への分離用HPLC精製により、配列番号
1ないし7を有するオリゴペプチドを合成した。オリゴペプチドの同定は質量分析
およびアミノ酸分析によって試験する。示したMWは質量分析によるものである(
M+H)(配列番号1:2141、配列番号2:1971、配列番号3:1857、配列番号4:
1687、配列番号5:2240、配列番号6:2069、配列番号7:2736、野生型:2755)
【0166】 本発明のオリゴペプチドの用量応答曲線を作成し、それらの活性を野生型TPO
−Rpと比較した。
【0167】 ペプチドの用量応答活性を、主として、in vitro信号伝達アッセイによって評
価した。TPO−Rp信号伝達によって活性化するJAK2キナーゼの基質であるSTAT5の
リン酸化を、したがって、その活性化を測定した。各オリゴペプチドの活性は、
広範囲の濃度にわたって試験した。ペプチドは0.3、3、10、30nMおよび0.1、0.3
、3および30μM TPO−Rpの濃度で試験した。各実験におけるSTAT5リン酸化の測
定値としてのオリゴペプチドの活性を、最大の活性化およびTPO−Rを介する信号
伝達をもたらすホルモン濃度である、10ng/mlのTPOで得られる活性と比較した
。すべてのペプチドはそれぞれの実験において4ないし5回評価した。すべてのデ
ータを集め、ウェスタンブロットを走査し、かつSTAT5リン酸化の強度を定量化
した。
【0168】 結果: 各オリゴペプチドの活性はその最大活性のパーセントとして示した;したがっ
て、100%の活性は、30μMのオリゴペプチド濃度で得られるSTAT5タンパク質リ
ン酸化の値に対応させた。
【0169】 これらの結果は、すべてのオリゴペプチドが野生型TPO−Rpに匹敵する活性を
保持していたことを明瞭に示す。表X(下記参照)には、試験したオリゴペプチ
ドすべてのおおよそのEC50値を要約している。
【0170】 第1のセットのオリゴペプチド(A1−L18、配列番号1および2)は、野生型TPO
−Rpに匹敵する活性だけではなく、そのR9A、R11A形態での効力における改善を
も示した(おおよそのEC50 10nM)。注目すべきことに、アラニン・ウォーク(A
lanine walk)および構造解析によって処理した場合、オリゴペプチドのこの部
分がTPO−Rp活性にとって重要であることが示された。活性の増加はオリゴペプ
チドの構造、安定性またはその両者を改善するために然るべきである。
【0171】 15アミノ酸長の短縮化オリゴペプチド(G4−L18、配列番号3および4)は、両
形態において、野生型TPO−Rpに匹敵する活性を保持していた。第3のセットの
オリゴペプチド(G4−R21、配列番号5および6)は、両形態において、野生型TPO
−Rpに等しい活性を示した。
【0172】実施例8: ラットにおける、配列番号2を有するペプチドの28日静脈内毒性研究 配列番号2を有するペプチドの局所および全身毒性の特徴を、Crl:CD(登録商
標)(SD)IGS BRラットでの、この28日静脈内研究において調べた。その後の28
日の回復期を通して、高用量群における作用からの回復を評価した。ペプチドを
、側方尾静脈を介するボーラス静脈内注射により3つの毒性群(群2、3および4)
および3つの毒物動態群(群2A、3Aおよび4A)にそれぞれ5、15および45mg/kg/
日の用量レベルで、最低で連続28日間投与した。同時進行のビヒクル群(群1)
には5%マンニトール溶液、10mM酢酸ナトリウムを相当する方式で投与した。ビ
ヒクルおよび45mg/kg/日群は各々15匹のオスおよび15匹のメスからなり、5mg
/kg/日および15mg/kg/日群は各々10匹のオスおよび10匹のメスからなり、か
つ3つの毒物動態群は各々9匹のオスおよび9匹のメスからなっていた。すべての
群に対する用量は5ml/kgであった。
【0173】 毒性群に割り当てられたすべての動物は、投与前、投与直後、投与後1時間お
よび回復期の間1日1回、毒性の臨床的徴候について観察した。詳細な身体検査を
行い、個々の体重および食物消費を毎週記録した。臨床病理パラメータ(血液学
、血清化学および尿検査)を投与の開始前、処置期間の中間点、並びに一次およ
び回復剖検時に評価した。予備試験期間および予定された剖検時に骨髄スメアを
集めた。一次剖検時に抗体決定のために血清を集めた。投与開始前、研究第3週
の間および回復期、研究第7週の間に眼の検査を行った。すべての動物に対して
完全な剖検を行った。一次および回復剖検時に選択した器官を秤量した。一次剖
検時に集められた、選択組織を顕微鏡検査した。
【0174】 血漿試験物質濃度を決定するため、第0、6、14、20および27日に、研究の毒物
動態部分に割り当てられた動物の別々のセットから血液サンプルを集めた。
【0175】 生存、体重、食物消費、臨床病理パラメータ、器官重量および骨髄細胞診断は
ペプチドでの処置による影響を受けなかった。ペプチド関連の眼科的、巨視的お
よび微視的所見はなかった。
【0176】 配列番号2を有するペプチドは、オスおよびメスラットに28日間投与したとき
、十分耐性があった。オスラットにおける前立腺重量の減少に基づいた場合、メ
スにおいて観察されない作用のレベル(no-observed-effect-level)(NOEL)は
45mg/kg/日であった。
【0177】実施例9: サルにおける、配列番号2を有するペプチドの28日静脈内毒性研究 配列番号2を有するペプチドの局所および全身毒性の特徴を、カニクイザルに
おけるこの28日静脈内研究において調べた。ペプチドの作用の可逆性を28日の回
復期間後に評価した。ペプチドは、伏在静脈を介して3つの群に5、15および30mg
/kg/日の用量レベルで連続する28日間ボーラス静脈内注射することにより投与
した。メスザルはオスザルの1日後に投与を開始するようにスケジュールを組ん
だ。ビヒクル対照群には5%マンニトール溶液、10mM酢酸ナトリウムを相当する
方式で投与した。ビヒクル対照群および30mg/kg/日群は、各々、5匹のオスザ
ルおよび5匹のメスザルからなっていた。5および15mg/kg/日群は、各々、3匹
のオスザルおよび3匹のメスザルからなっていた。すべての群に対する用量は5ml
/kgであった。
【0178】 すべてのサルを実施例8に記載したれるように観察した。
【0179】 配列番号2を有するペプチドの血漿濃度の決定および毒物動態パラメータの算
出のため、第0、7、14、21および27日に、3つのサル/性別/群から血液サンプ
ルを集めた。
【0180】 この研究における死亡はなかった。ペプチドの静脈内注射の後、ほとんどの用
量群のほとんどのサルにおいて臨床徴候の変化が生じた。5mg/kg/日のペプチ
ドを投与したオスにおいては、化合物関連の臨床徴候はなかった。15mg/kg/日
を投与したオスにおいては、顔面紅潮(3/3)および唾液分泌(1/3)が観察さ
れた。30mg/kg/日を投与したオスには顔面紅潮(4/5)、体表面の紅潮(3/5
)、唾液分泌(3/5)、嘔吐(1/5)および筋緊張の減少(1/5)があった。5m
g/kg/日を投与したメスには顔面紅潮(2/3)があった。15mg/kg/日を投与
したメスにおいては、顔面紅潮(3/3)、体表面の紅潮(2/3)および唾液分泌
(1/3)があった。30mg/kg/日を投与したメスでは顔面紅潮(5/5)、体表面
の紅潮(4/5)、唾液分泌(4/5)、嘔吐(2/5)および筋緊張の減少(1/5)
が立証された。ペプチドの投与の1時間後には、すべての臨床徴候は和らぎ、も
はやわからなくなった。回復期の間、これらの臨床徴候は生じなかった。
【0181】 体重、臨床病理パラメータ(血液学、血清化学および尿検査)、生理学的パラ
メータ(体温、心拍数、血圧および呼吸数)、心電図評価および器官重量はペプ
チドでの処理による影響を受けなかった。試験ペプチド関連の眼科的、巨視的ま
たは微視的所見はなかった。オスとメスとの間にペプチド関連の所見の明らかな
相違はなかった。
【0182】 配列番号2を有するペプチドは、オスおよびメスザルに30mg/kg/日までの用
量で28日間投与したとき、十分に耐性があった。投与直後の顔面紅潮に基づいた
場合、観察されない作用のレベル(NOEL)はオスザルにおいて5mg/kg/日と確
定された。メスにおけるNOELは確定されなかった。臨床徴候および筋肉弱化(研
究第1日に1/5オスおよび1/5メスにおいてのみ観察された)が一時的であり、
かつ他の試験物質関連の効果が観察されなかったため、観察されない副作用のレ
ベル(NOAEL)は両性のサルにおいて30mg/kg/日と確定された。
【0183】実施例10: ヒスタミン放出に対する配列番号2を有するペプチドの効果 ヒスタミン放出に対する配列番号2を有するペプチドの効果を、in vitroで、
末梢血単核細胞(PBMC)において試験した。
【0184】 4名の異なる被検者に由来するPBMCを試験した。白血球懸濁液を、3μMないし1
0mMの範囲にある異なる濃度の、配列番号2を有するペプチドと共にインキュベー
トした。ヒト抗IgE抗体およびバッファのみを、それぞれ、陽性及び陰性対照と
して用いた。放出されたヒスタミンの濃度はELISA(IBL、カタログ番号RE 59221
)で定量した。アッセイの感度は2.4ng/mLであった。
【0185】 3μMないし10mMの濃度範囲は、i.v.注射で得られる濃度でのペプチドのヒスタ
ミン放出を評価するために選択した。したがって、30mg/kgの濃度は、組織kg当
たりの分布容量を400mlと仮定して、注射直後の〜38μMに相当する。このペプチ
ドは細胞外流体中に自由に分布することが知られている。したがって、ペプチド
の最高濃度10mMはおおよそ100倍のオーダーで細胞外流体中の最高濃度よりも高
い。
【0186】 10mMの最高濃度で、ペプチドは比較的少量ではあるが有意である15ng/mlのヒ
スタミン放出を生じた。この値は陽性対照(抗IgE)よりも〜10倍低い。3.3mMの
濃度のペプチドには、ヒトPBMCにおけるヒスタミン放出に対する効果がなかった
。この範囲にはすべての治療用in vivo濃度が含まれる。少量ではあるが、有意
のヒスタミン放出が、in vitroで10mMの最高ペプチド濃度で観察された。この濃
度はいかなる治療用量よりも大幅に高い。
【0187】実施例11: 実施例8および9において試験したカニクイザルおよびラットに存在するIgGを
検出するため、サルおよびラットに由来する血清サンプルを分析した。32のサル
血清サンプルおよび80のラット血清サンプルにおいて、配列番号2を有するペプ
チドに対する抗体は検出されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、カルボプラチン(180mg/kg)処置マウスにおける本発明のオリゴペプ
チドの効果を示す図である。
【図2】 図2は、カルボプラチン(200mg/kg)処置マウスにおける本発明のオリゴペプ
チドの効果を示す図である。
【図3】 図3は、HPLCプロフィールの様式の安定性研究の結果を示す図である。図3の実
験条件は、第0日、乾燥粉末から戻した1mM溶液の30ナノモルである。
【図4】 図4は、HPLCプロフィールの様式の安定性研究の結果を示す図である。図4の実
験条件は以下の通りである: 図4A:第2日、1mM溶液として保存したサンプル、 図4B:第2日、乾燥粉末として保存したサンプル。
【図5】 図5は、HPLCプロフィールの様式の安定性研究の結果を示す図である。図5の実
験条件は以下の通りである: 図5A:第9日、1mM溶液として保存したサンプル、 図5B:第9日、乾燥粉末として保存したサンプル。
【図6】 図6は、HPLCプロフィールの様式の安定性研究の結果を示す図である。図6の実
験条件は以下の通りである: 図6A:第14日、1mM溶液として保存したサンプル、 図6B:第14日、乾燥粉末として保存したサンプル。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年7月30日(2002.7.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 7/04 4C085 C07K 7/08 4C086 A61P 7/04 16/44 4C087 C07K 7/08 C12N 1/19 4H045 16/44 1/21 C12N 1/19 7/00 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z 7/00 33/53 D G01N 33/15 C12P 21/08 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 5/00 B // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA25 AA29 AA40 BB03 BB20 CA25 CB17 CB21 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA06 DA02 DA05 DA06 DA12 EA02 EA04 GA11 HA11 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA90X AA95X AB01 AB02 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA18 BA23 MA13 MA16 MA17 MA22 MA23 MA24 MA28 MA31 MA32 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA66 NA14 ZA53 4C085 AA13 AA14 BB11 CC23 CC32 EE01 EE03 GG01 GG08 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA02 MA04 MA13 MA16 MA17 MA22 MA23 MA24 MA28 MA31 MA32 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA66 NA14 ZA53 4C087 AA01 AA02 BB63 BC11 BC30 BC83 MA13 MA17 MA22 MA23 MA24 MA28 MA31 MA32 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA66 NA14 ZA53 4H045 AA10 AA11 AA30 BA17 DA75 DA76 EA24 EA50 FA72 FA74

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TPO(トロンボポエチン)受容体モジュレート因子の生物学
    的活性を有するオリゴペプチドであって、下記一般式を有する15から18アミノ酸
    を含むオリゴペプチド X1 G T L E L X2 P X3 S R Y R L Q L X4 (ここで、 X1はA R Gであるか、または失われており、 X2はRまたはAであり、 X3はRまたはAであり、および X4はR A Rであるか、または失われている) またはそれらの生物学的等価物。
  2. 【請求項2】 配列番号1から6で特定されるアミノ酸配列のいずれか1つま
    たはそれらの生物学的等価物からなる群より選択される請求項1記載のオリゴペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 配列番号7で特定されるアミノ酸配列を有するオリゴペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載のオリゴペプチドをコードする
    ヌクレオチド配列。
  5. 【請求項5】 請求項4のヌクレオチド配列を含むベクター。
  6. 【請求項6】 細菌、ウイルス、哺乳動物または酵母ベクターである請求項
    5に記載のベクター。
  7. 【請求項7】 適切な宿主細胞においてヌクレオチド配列の指向性発現が可
    能な5’および/または3’調節要素をさらに含む、請求項5または6のいずれか
    1項に記載のベクター。
  8. 【請求項8】 適切な条件下で請求項1または2のオリゴペプチドを発現す
    ることが可能である請求項5〜7のいずれかのベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】 哺乳動物、酵母または細菌細胞である請求項8の宿主細胞。
  10. 【請求項10】 請求項5から7のいずれか1項に記載のベクターで細胞を
    トランスフェクトすることにより細胞を遺伝的に改変するための方法。
  11. 【請求項11】 化学的または電気的に誘導されるトランスフェクション、
    特には、電気穿孔法もしくは細胞融合、レトロウイルスもしくはウイルス介在遺
    伝子トランスファー、リポソーム介在遺伝子トランスファーまたは粒子ボンバー
    ドメントによって細胞をトランスフェクトする請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 請求項1、2または3に記載のオリゴペプチドを形成する
    ことが可能な非ヒト哺乳動物を産生するための方法であって、請求項4に記載の
    ヌクレオチド配列が非ヒト哺乳動物細胞に導入される方法。
  13. 【請求項13】 その生殖細胞および/または体細胞に請求項4のヌクレオ
    チド配列を含む非ヒト哺乳動物であって、特には、請求項8または9に記載の宿
    主細胞を含む非ヒト哺乳動物。
  14. 【請求項14】 齧歯類または霊長類である請求項13の非ヒト哺乳動物。
  15. 【請求項15】 請求項1、2または3に記載のオリゴペプチドを調製する
    ための方法であって、請求項5から7のいずれか1項に記載のベクターで細胞を
    トランスフェクトし、該細胞を培養培地中で該オリゴペプチドの発現を許容する
    条件下において培養し、かつ該オリゴペプチドを細胞または培養培地から回収す
    ることを含む方法。
  16. 【請求項16】 請求項1、2または3のオリゴペプチドに特異的に結合す
    る抗体。
  17. 【請求項17】 モノクローナルもしくはポリクローナル抗体またはそれら
    の断片である請求項16の抗体。
  18. 【請求項18】 請求項16または17の抗体に特異的に結合する抗体。
  19. 【請求項19】 血液学的障害、特に、血小板減少症を治療するための医薬
    組成物であって、請求項1、2もしくは3のオリゴペプチド、請求項4のヌクレ
    オチド配列、請求項5から7のいずれか1項のベクター、請求項8もしくは9の
    宿主細胞または請求項16、17もしくは18の抗体を含み、薬学的に許容し得
    る担体を共に含むか、または含まない医薬組成物。
  20. 【請求項20】 血液学的障害、特に、血小板減少症を診断するための診断
    用組成物であって、請求項1、2もしくは3のオリゴペプチド、請求項4のヌク
    レオチド配列、請求項5から7のいずれか1項のベクター、請求項8もしくは9
    の宿主細胞または請求項16、17もしくは18の抗体を含み、薬学的に許容し
    得る担体を共に含むか、または含まない診断用組成物。
  21. 【請求項21】 トロンボポエチンをさらに含む請求項19または20の医
    薬または診断用組成物。
  22. 【請求項22】 錠剤、ピル、カプセル、顆粒、座剤、粉末、パッチ、リポ
    ソーム、コーティング、注射、輸液もしくは経口投与用の溶液、シロップ、懸濁
    液、エマルジョン、スプレー、吸入剤、エアロゾル、ペースト、軟膏またはロー
    ションの形態にある請求項19から21のいずれか1項の医薬または診断用組成
    物。
  23. 【請求項23】 血液学的障害、特に、血小板減少症を診断または治療する
    ための医薬の調製への、請求項1、2もしくは3のオリゴペプチド、請求項4の
    ヌクレオチド配列、請求項5から7のいずれか1項のベクター、請求項8もしく
    は9の宿主細胞および/または請求項16、17もしくは18の抗体の使用。
  24. 【請求項24】 医薬がトロンボポエチンをさらに含む請求項23の使用。
  25. 【請求項25】 TPO−R(トロンボポエチン−受容体)の活性をモジュレー
    トするための方法であって、トロンボポエチンの不在下または存在下で、請求項
    1、2もしくは3のオリゴペプチドまたは請求項16、17もしくは18の抗体
    をTPO−Rに適用する方法。
  26. 【請求項26】 調節が活性の増加または減少である請求項25の方法。
  27. 【請求項27】 血液学的障害、特に、血小板減少症の診断または治療にお
    ける薬物の有効性をスクリーニングするための方法であって、潜在的な薬物を、
    TPO−Rへの結合について、請求項1、2もしくは3のオリゴペプチドと競合する
    それらの能力について、または細胞内信号伝達経路の活性化についてスクリーニ
    ングすることを含む方法。
  28. 【請求項28】 トロンボポエチンアゴニストでの治療に感受性である障害
    に罹患した患者を治療するための方法であって、該患者に、治療上有効な用量ま
    たは量の請求項1、2もしくは3のオリゴペプチドおよび/または野生型TPO−R
    pを投与することを含む方法。
  29. 【請求項29】 障害が骨髄注入、放射線療法、化学療法、アレルギー反応
    から生じる血液学的障害もしくは血小板減少症であるか、または突発性である請
    求項27の方法。
  30. 【請求項30】 トロンボポエチンをさらに投与することを含む請求項28
    または29の方法。
  31. 【請求項31】 血液学的障害、特に、血小板減少症を治療するための医薬
    の調製への、野生型TPO−Rp、野生型TPO−Rpをコードするヌクレオチド配列、該
    ヌクレオチド配列を含むベクター、該ベクターを含む宿主細胞および/または野
    生型TPO−Rpに特異的に結合する抗体の使用。
  32. 【請求項32】 TPO−R含有源からTPO−Rを検出または単離するための方法
    であって、請求項1、2または3のオリゴペプチドを、該オリゴペプチドへのTP
    O−Rの結合を許容する条件下でTPO−R含有資源に適用し、かつそれらからTPO−R
    を単離することを含む方法。
  33. 【請求項33】 請求項1から3のオリゴペプチドを混合物から検出および
    /または単離するためのイムノアッセイであって、請求項16または17の抗体
    を該混合物に適用し、かつ該抗体に結合したオリゴペプチドを検出および/また
    は単離するイムノアッセイ。
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