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JP2003316083A - 静電潜像現像用トナー組成物 - Google Patents

静電潜像現像用トナー組成物

Info

Publication number
JP2003316083A
JP2003316083A JP2002122439A JP2002122439A JP2003316083A JP 2003316083 A JP2003316083 A JP 2003316083A JP 2002122439 A JP2002122439 A JP 2002122439A JP 2002122439 A JP2002122439 A JP 2002122439A JP 2003316083 A JP2003316083 A JP 2003316083A
Authority
JP
Japan
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toner
developing
acid
weight
latent image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002122439A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Nagahama
均 長濱
Hideyuki Nishimura
英幸 西村
Takeshi Murata
剛 村田
Masaru Machino
賢 町野
Keiko Yutani
圭子 湯谷
Hiroshi Tatsumi
洋 巽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2002122439A priority Critical patent/JP2003316083A/ja
Publication of JP2003316083A publication Critical patent/JP2003316083A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿環境下においても、トナー飛散及び
地肌カブリがなく、高画像濃度と高解像度が得られ、特
に、画像ニジミ、画像ボケ、黒スジ等のない鮮明な画像
が得られると共に、感光体や現像ローラーへのフィルミ
ングの発生しない高耐久性のトナーを提供する。 【解決手段】 現像ローラー表面にトナー層厚規制部材
を押圧してトナーの薄層を形成する電子写真用1成分ト
ナーであって、該トナーを構成する結着樹脂成分に、チ
タン原子またはシリコン原子を含有する特定のアゾ系金
属錯塩化合物をトナーの結着樹脂100重量部に対し
0.5〜5.0重量部含有し、及び、90〜240m2
/gの比表面積を有する酸化珪素を含有したことを特徴
とする静電潜像現像用トナー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像現像用ト
ナー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体や静電記録体などの上に
形成された静電荷像を現像する手段として、結着樹脂中
に顔料・磁性体等を分散させたトナーのみで現像する一
成分現像方式と、トナーをキャリアと混合した現像剤を
用いて現像する二成分現像方式(乾式現像法液体現像法
(湿式現像法)等の各種方法が知られている。これら方
式の中で一成分現像方式は、キャリアが無くトナー濃度
コントロールシステムが不要であり、現像機内の撹拌装
置が簡易型でよいこと等から装置の小型化が図れるこ
と、また、現像剤の寿命が長等のメリットから広く使わ
れるようになった。また、一成分現像方式には、磁性ト
ナーを磁性現像ローラで現像する方式(磁性一成分現像
方式)と、非磁性トナーを非磁性現像ローラで現像する
方式(非磁性一成分現像方式)とがある。非磁性現像ロ
ーラ方式においては、多くの場合、現像ローラへのトナ
ー供給のためにトナー補給補助部材を設けて使用され
る。
【0003】ところで、一成分現像方式では、トナー搬
送部材にトナーが付着・融着(フィルミング)すると、
感光体の地肌部分に対応する部分にトナー付着を生じ、
クリーニング部に回収されるトナー量の増加が発生す
る。クリーニング回収トナーは、画像形成に寄与しない
ため、印字可能枚数を保証するための必要トナー量を増
やす必要があり、トナーコストの増大につながり、好ま
しくない。従って、トナー搬送部材へのトナーフィルミ
ングが生じないようにする必要がある。
【0004】トナーフィルミングを軽減するための手段
としては、トナー搬送部材のトナーが接触する部材の表
面材料をフッ素系材料・シリコーン樹脂等の離型性の優
れた材料にする方法があるが、フッ素系材料は、負極性
が強いため負極性トナーの帯電を所望量に確保すること
が難しく、負荷電性トナー用として使用することが難し
い。また、シリコーン樹脂の場合は、耐久性が低い等の
問題があり、トナーでのフィルミングを防止することが
求めらている。
【0005】他方、一成分現像方式は、トナーへの摩擦
帯電付与能力が二成分現像方式に比べて弱く、トナーに
所望の帯電量を与えるため、荷電制御剤を適当量添加し
て使用していることが多い。従来の荷電制御剤の代表例
としては、(1)トナーに正電荷を与えるものとして、
例えば、ニグロシン系の油溶性染料、第四アンモニウム
塩、アルキル基を有するアジン系染料、塩基性染料、塩
基性染料のレーキなどが、また(2)トナーに負電荷を
与えるものとして、例えば含クロムモノアゾ錯体、含ク
ロムサリチル酸化合物、サリチル酸亜鉛塩化合物、含ク
ロム有機染料(銅フタロシアニングリーン、含クロルモ
ノアゾ染料など)等の含金属染料が挙げられる。
【0006】しかし、荷電制御剤を含有したトナーであ
っても、トナー搬送部材へのトナーフィルミングが発生
すると、感光体の地肌部分へのトナー付着が同様に発生
する。また、トナー搬送部材、トナー層厚規制部材及び
トナー補給補助部材を備え、トナー層厚規制部材とトナ
ー搬送部材とが当接している現像装置を用い、トナー搬
送部材上に薄層化させたトナーを静電潜像担持体表面に
供給して前記潜像を現像する一成分現像方法において
は、磁性一成分現像方式が磁力によりトナー搬送部材に
トナーを供給できるのに対して、トナー補給補助部材を
用いてトナーを搬送部材に供給するために、トナー搬送
部材へのトナー付着(フィルミング)が発生しやすいの
が現状である。
【0007】また、特開平5−341556号公報にお
いて、潜像担持体にトナーを搬送する非磁性トナー担持
体と、該非磁性トナー担持体上に所定厚さのトナー薄層
を形成するための層厚規制部材からなる一成分現像方法
において、非磁性トナー内部に金属酸化物を20〜50
重量%の割合で含有させた一成分トナーを用いる非磁性
現像方法が提案されている。しかし、この方法において
は、画像の階調性の向上においては有効ではあるが、フ
ィルミングの防止においては、いまだ充分な特性を得て
いるとはいえない。
【0008】そこで、特開平10―83098号公報が
提案されている。特開平10−83098号公報の第一
の目的は、トナー搬送部材へのフィルミングの防止に有
効な現像法並びにトナーを提供される。第二の目的は、
トナー搬送部材へのトナー飛散の防止並びに、現像効率
の向上した(トナー回収率が低い)現像方法並びにトナ
ーを提供される。
【0009】特開平10−83098号公報によれば、
第一に、トナー搬送部材、トナー層厚規制部材及びトナ
ー補給補助部材を備え、かつ、トナー層厚規制部材とト
ナー搬送部材とが当接している現像装置を用い、トナー
搬送部材上に薄層化させたトナーを静電潜像担持体表面
に供給して前記潜像を現像する一成分現像方法におい
て、金属酸化物10〜30重量%と含金属アゾ染料とを
含有するトナーを使用することを特徴とする一成分現像
方法が提供される。第二に、トナー搬送部材、トナー層
厚規制部材及びトナー補給補助部材を備え、かつ、トナ
ー補給補助部材とトナー搬送部材、及びトナー層厚規制
部材とトナー搬送部材とがそれぞれ当接している現像装
置を用い、トナー搬送部材上に薄層化させたトナーを静
電潜像担持体表面に供給して前記潜像を現像する一成分
現像方法において、金属酸化物10〜30重量%と含金
属アゾ染料とを含有するトナーを使用することを特徴と
する一成分現像方法が提供される。第三に、金属酸化物
10〜30重量%と含金属アゾ染料とを含有することを
特徴とするトナーが提供される。第四に、前記含金属ア
ゾ染料が下記一般式で示されるものであることを特徴と
する上記第三に記載したトナーが提供される。
【0010】
【化2】
【0011】第五に、前記含金属アゾ染料のトナー中に
占める割合が0.1〜5.0重量%であることを特徴と
する上記第三又は第四に記載したトナーが提供される。
第六に、トナーのペレット密度が1.20〜1.40g
/cm3であることを特徴とする上記第三〜第五のいずれ
かに記載したトナーが提供される。第七に、前記金属酸
化物が酸化鉄、酸化マンガン又はフェライトのいずれか
であることを特徴とする上記第三〜第六のいずれかに記
載したトナーが提供される。第八に、前記トナーの重量
平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする上記第三
〜第七のいずれかに記載したトナーが提供される。金属
酸化物を10〜30重量%と前記金属酸化物とともに含
金属アゾ染料を負帯電制御剤として用いることによっ
て、特開平10−83098号公報の第一の課題である
フィルミングが解消することを見い出したとしている。
【0012】特開平10−83098号公報によれば、
トナー中の金属酸化物含有量は、10〜30重量%でな
ければならない。金属酸化物含有料が10重量%未満で
は、トナー搬送部材に対するトナーフィルミング防止効
果が少なく、30重量%を超えるとトナーフィルミング
が少なくても感光体へのトナー付着が増加し、トナー回
収量の増加が発生する。また、フィルミング防止効果
は、金属酸化物とともに含金属アゾ染料を使用すること
により達成される。金属酸化物あるいは含金属アゾ染料
単独では、実用レベルに到達しない。
【0013】特開平10−83098号公報で用いられ
る金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタ
ン、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チ
タン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸
化ジルコニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、
フェライト等の一種又は二種以上の組合せで用いること
が出来る。その中でも、酸化鉄、酸化マンガン、フェラ
イトは、比重が4g/cm3を超え、かつ黒色であるた
め、黒色トナーとして、代表的な着色剤であるカーボン
ブラックを使用せずに作成でき、トナー抵抗を下げるこ
とが少ないので特に有効とされる。
【0014】含金属アゾ染料は、負帯電特性を制御する
ものであればいかなるものでも良く、特公平2−169
16号公報、特公平2−28144号公報で示される染
料が代表的であるが、一般式(1)〜(15)に示した
ものが特に好ましい。ここで、含金属アゾ染料の使用量
は、結着樹脂の種類、添加剤の種類、量、分散方法によ
り適宜決めてよいが、通常、トナー全体に対し、0.1
〜5.0重量%程度、望ましくは、0.1〜2.0重量
%である。0.1重量%未満では、トナー搬送部材への
フィルミング防止効果が少なく、また、5.0重量%を
超える場合は、トナーの負帯電性が大きくなりすぎ、転
写性の低下、画像濃度の低下等をもたらす傾向にあると
開示されている。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【本発明が解決しようとする課題】特開平10−830
98号公報に記載されているように、トナー搬送部材、
トナー層厚規制部材及びトナー補給補助部材を備え、か
つ、トナー層厚規制部材とトナー搬送部材とが当接して
いる現像装置を用い、トナー搬送部材上に薄層化させた
トナーを静電潜像担持体表面に供給して前記潜像を現像
する一成分現像方法において、金属酸化物10〜30重
量%と含金属アゾ染料とを含有するトナーを使用する
と、トナー搬送部材へのフィルミングの防止に有効な現
像法並びにトナーが得られ、トナー搬送部材へのトナー
飛散の防止並びに、現像効率の向上した(トナー回収率
が低い)現像方法並びにトナーを得ることは、確かに可
能である。更には、前述した一般式(1)〜(15)に
示したものが好ましく、該含金属アゾ染料の使用量は、
結着樹脂の種類、添加剤の種類、量、分散方法により、
異なるものの、通常、トナー全体に対し、0.1〜5.
0重量%程度、望ましくは、0.1〜2.0重量%であ
り、0.1重量%未満では、トナー搬送部材へのフィル
ミング防止効果が少なく、また、5.0重量%を超える
場合は、トナーの負帯電性が大きくなりすぎ、転写性の
低下、画像濃度の低下等をもたらす傾向にあること等、
特開平10−83098号公報に開示されている内容は
確かに認めるものである。
【0021】しかしながら、特に粉砕法によるトナーの
製造方法では、トナー表面に磁性体の露出が顕著であ
る。これは、トナーが衝撃粉砕される場合、バインダー
樹脂と、バインダー樹脂中に含まれる内添剤同士の界面
で割れる為であり、特開平10−83098号公報の様
に、含有量が多い場合、より顕著にトナー表面に磁性体
が露出し、これはトナーの体積平均径D50が小さくなれ
ばなるほど、顕著となる。延いては、トナー表面に露出
した磁性体により、OPC感光体ドラムの膜削れが大き
くなり、OPC感光体ト゛ラムの長寿命化を阻害するといっ
た不具合を生じる。このOPC感光体の長寿命化とトナ
ー搬送部材へのフィルミング防止対策は、表裏一体であ
る。また、近年、高画質化に伴うトナーの小粒径化に対し、
トナーを小粒径化(体積平均径D50を6μm程度まで小
さく)していくと、特に、黒ベタ部の画像カスレ、ザラ
ツキ、といった不具合を生じる。これは、磁性体の粒子
径にも依存するが、金属酸化物10〜30重量%と大量
にトナー中へ含有させた場合、トナーの普通紙への隠蔽
性が劣るためと考えられるが、粒子径と着色力は反比例
するという、G.Mieの理論による現象と思われる。且
つ、近年の高画質カラー画像を得るには困難である。更
に、また、特開平10−83098号公報のトナーを高
温高湿環境下(35℃/85%)で実写試験4万枚(シ
ャープ(株)製AR-C250フルカラー複合機(毎分
フルカラー・モノ黒25枚/A4機・2成分現像法搭
載)を非磁性1成分トナー用に改造し搭載した場合、ト
ナー表面に磁性体が露出するのを防止抑制する為、含有
量を抑えると、トナーの黒味が薄れ、他の着色剤、カーボ
ンブラックなどの補助黒色着色剤を必要とし、生産性の
面で多品種のトナー原材料を必要とすることから、生産
効率的には不向きである。また、トナー飛散は良好なも
のの、ソフト現像ゴム(ウレタンゴム製)ローラーに傷
が発生し、複写画像上に縦黒スジ(現像ローラーの周方
向)が発生した。更には、トナー表面に磁性体が露出す
ると、結果的に普通紙とトナー表面、及びトナー粒子間
に磁性体が多く介在することから、トナーの定着性、結
着性が劣る、といった問題が発生する。これは、特にO
HPシート上にトナーを定着させた場合に、より顕著に
発生する。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定のアゾ系金属錯塩化
合物と特定の比表面積を有する酸化珪素を結着樹脂中に
含有させることで、上記課題が解決されることを見出
し、本発明に至った。
【0023】即ち、本発明の静電潜像現像用トナー組成
物は、現像ローラー表面にトナー層厚規制部材を押圧し
てトナーの薄層を形成する電子写真用1成分トナーであ
って、該トナーを構成する結着樹脂成分に、下記一般式
(I)のアゾ系金属錯塩化合物をトナーの結着樹脂10
0重量部に対し0.5〜5.0重量部含有し、及び、9
0〜240m2/gの比表面積を有する酸化珪素を含有
したことを特徴とする。
【0024】
【化8】 (式中Aは置換されていても良いベンゼン環残基、置換
されていても良いナフタレン環残基を表し、Bは置換さ
れていても良いベンゼン環残基、置換されていても良い
ナフタレン環残基、置換されていても良いピラゾロン環
残基あるいは置換されていても良いアセトアセトアニラ
イド残基を表す。Xは−O−または−COO−を表し、
NR1234は第4級アンモニウムであって、R1
2、R3、R4は、それぞれ独立して水素原子、置換さ
れていても分岐していても良いC1 18のアルキル基を
表し、これ等の第4級アンモニウムは単独であっても混
合であっても良い。Mはチタン原子またはシリコン原子
を表し、nは2〜8の偶数を表す。)
【0025】このように、特定のアゾ系金属錯塩化合物
を結着樹脂中に含有させることで、前記アゾ系金属錯塩
化合物は結着樹脂中への分散性が良く、高温高湿環境下
においても、トナー飛散及び地肌カブリがなく、高画像
濃度と高解像度が得られ、特に、画像ニジミ、画像ボ
ケ、黒スジ等のない鮮明な画像が得られると共に、90
〜240(m2/g BET法)の比表面積を有する酸化
珪素を含有することで、感光体や現像ローラーへのフィ
ルミングの発生しない高耐久性のトナーが得られる。前
記アゾ系金属錯塩化合物が、トナーを構成する結着樹脂
に対し、0.5重量部未満であると、トナーの帯電が不
十分であり、特に高温高湿環境下(35℃/85%)に
おいては、トナー飛散、地肌カブリ、画像ニジミ、画像
ボケ、クレスト(トナー散り)等、満足のいく画像が得
られないばかりか、トナー飛散によるディジタル複写機
内の光学系、ペーパー搬送部、転写部、定着部等の各プ
ロセスユニットのトナー汚れが多大であり、延いては、
各プロセスユニットのメンテナンス時期が非常に早ま
る、若しくは、保証期間が満足できなくなる。また、ア
ゾ系金属錯塩化合物が、トナーを構成する結着樹脂に対
し、5.0重量部を超過すると、トナーの帯電が高くな
り過ぎ、画像濃度不足、画像濃度ムラ、特に磁気ブラシ
現像法の場合、画像の欠け(先端、若しくは後端)等の
不具合が発生する。
【0026】本発明のトナーは、その表面に、酸化珪素
を担持させている。これは、トナーの体積平均径D
50が、5〜7μm程度までに小径化すると、トナーのそ
れ自体の自重で圧密され易くなり、特に、ディジタル機
内の供給トナー保持部材(トナーホッパー、トナーカー
トリッジなど)内で、ブロッキングし易くなり、場合に
よっては、現像領域へトナーが充分に搬送されない場合
がある。従って、トナー表面には、トナーを流動させる
助剤、いわゆるトナー流動化剤が必要となる。具体的に
は、トナーに流動性を付与できる材料であれば何でも良
く、酸化珪素、酸化アルミ、酸化チタン、酸化錫、フッ
素系微粉末、その他樹脂粉末、脂肪酸金属塩、他、種々
用いることが出来る。特に、酸化珪素が好ましい。
【0027】酸化珪素は、トナー母体粒子重量に対し、
0.1〜3.0重量部程度、更には、0.3〜1.0重
量部程度担持させることが好ましい。また、酸化珪素の
比表面積は、90〜240(m2/g BET法)が好ま
しい。これらの範囲に設定するのは、複写時に流動性を
損なわない範囲であり、トナーへの流動性付与はスペー
サー効果によるものであり、トナー粒子間にエアーを介
在させることが好ましく,それ故本発明の比表面積を有
することで、よりいっそうのスペーサー効果が得られ
る。本発明の範囲以下では、エアーの介在が少なく、ス
ペーサー効果が得られない。また本発明の範囲以上で
は、酸化珪素同士の凝集が発生し易く、遊離した酸化珪
素が発生し、複写画像に白斑となって悪影響を及ぼす。
更には、90〜240(m2/g BET法)を、0.1
〜3.0重量部程度担持させることで、適度な感光体、
及びトナー補給部材への研磨効果が得られる。90(m
2/gBET法)以下では、研磨効果が少なく、感光
体、及びトナー補給部材のフィルミング防止効果が得ら
れない。また、240(m2/g BET法)以上を、
0.1〜3.0重量部程度担持させると、研磨効果が大
き過ぎ、感光体、及びトナー補給部材のフィルミング防
止に留まらず、感光体、及びトナー補給部材自体を磨耗さ
せてしまう。
【0028】本発明において、結着樹脂としては、ポリ
スチレン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、これら
の共重合体、これらのグラフト重合体、これらの混合物
から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好まし
い。いずれの樹脂に対しても、本発明の効果は変わらな
い。
【0029】効果の原因は未だ定かではないが、本発明
のアゾ系金属錯塩化合物の有機溶剤可溶性が、公開特許
公報 特開平10−83098号公報に開示されている
金属アゾ染料に比べて、高いものと推察する。前記、い
づれの樹脂においても、高分子鎖の末端基には、OH基
やCOOH基なる親水基が存在している。その親水基の
封鎖状態にもよると思われるが、封鎖されずに残留した
親水基と本発明のアゾ系金属錯塩化合物が相溶性を持
ち、溶融混練時にこれら親水基に、ある種、グラフト
(トナー樹脂と適度なヌレ性を持ち合わせている為、ト
ナー樹脂中への分散が容易に出来る)されたような状態
でトナー樹脂中へ分散し、延いてはトナー中への分散性
が高められるものと考えられる。その結果、トナーの帯
電性能が安定するものと考えられる。
【0030】また、本発明において、前記アゾ系金属錯
塩化合物の第4級アンモニウムが、テトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアン
モニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリメチ
ルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウ
ム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチル
ヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルア
ンモニウム、2−ヒドロキシドデシル−ジメチルベンジ
ルアンモニウム、2−ヒドロキシテトラデシル−ジメチ
ルベンジルアンモニウム、または、n−ブチルアミン、
sec−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、2−エ
チルヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ドデシルア
ミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデ
シルエタノールアミン及び2−エチルヘキシルオキシプ
ロピルアミンから選択されたアミンに塩酸等を付加させ
て得られる第4級アンモニウムが好ましく例示される。
【0031】また、本発明に用いられる前記アゾ系金属
錯塩化合物は、スルホン酸基をアゾ媒染染料に持たせ、
チタンまたはシリコン金属錯塩染料を形成後、スルホン
酸基を前記第4級アンモニウムと造塩させた錯塩染料で
あることが好ましい。また、本発明において、前記酸化
珪素は、トナーコア(母体粒子)全重量に対し、0.1
〜3.0重量部添加混合されることが好ましい。また、
本発明において、前記トナーの体積平均径D50は、3〜
9μmであることが好ましい。
【0032】本発明のトナーの体積平均径D50が、3〜
9μmであることを特徴とするのは、特にディジタル機
に於ける、細線再現性や、One−dot再現性を良好
にする為であり、好ましくは、4〜8μm、より好まし
くは、5〜7μmである。体積平均径D50が、3μm未
満であると、ディジタル機に於ける、クリーニングプロ
セスが困難となり、高価な構成を必要とする。若しく
は、クリーニングレスを達成することが、極めて困難と
なる。また、体積平均径D50が、9μmを超過すると、
前述した、細線再現性や、One−dot再現性が著し
く悪化し、高画質を達成することが、極めて困難とな
る。従って、トナーの体積平均径D50は、5〜7μmが
最も好ましい。
【0033】また、本発明において、前記結着樹脂は、
スチレン残存揮発分が、500ppm以下であることが
好ましい。前記結着樹脂は、キシレン残存揮発分が、5
00ppm以下であることが好ましい。更に、前記結着
樹脂は、スチレン残存揮発分とキシレン残存揮発分の総
和が、800ppm以下であることが好ましい。このよ
うに、結着樹脂のスチレン残存揮発分が500ppm以
下、及び、キシレン残存揮発分が500ppm以下、且
つ、スチレン残存揮発分とキシレン残存揮発分の総和
が、800ppm以下であることにより、トナーを溶融
混練時に発生する揮発分が少なく、生産工程での異臭が
問題とならない。また、本発明の画像形成方法は、上記
の電子写真用1成分トナーを用いた画像形成方法であ
り、本発明の画像形成装置は、上記の電子写真用1成分
トナーを用いた画像形成装置である。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明のアゾ系金属錯塩化合物
は、各種の有機溶剤への溶解性が高く、かつ諸堅牢性に
すぐれている。以下に当該TiあるいはSi錯塩アゾ染
料の合成について述べる。
【0035】媒染染料を合成するための、ジアゾ成分と
しては、4−ニトロ−2−アミノフェノール、5−ニト
ロ−2−アミノフェノール、3−クロル2−アミノフェ
ノール、4−クロル−2−アミノフェノール、3,5−
ジクロル−2−アミノフェノール、4,6−ジクロル−
2−アミノフェノール、3,4,6−トリクロル−2−
アミノフェノール、4−スルフォ−2−アミノフェノー
ル、4−クロロ−6−スルフォ−2−アミノフェノー
ル、4−ニトロ−6−スルフォ−2−アミノフェノー
ル、4−アミノスルフォニル−2−アミノフェノール、
6−クロル−4−ニトロ−2−アミノフェノール、4−
クロル−5−ニトロ−2−アミノフェノール、4−クロ
ル−6−ニトロ−2−アミノフェノール、4−メチル−
2−アミノフェノール、4,5−ジメチル−2−アミノ
フェノール、4−メチル−5−ニトロ−2−アミノフェ
ノール、4,6−ジニトロ−2−アミノフノール等の置
換アミノフェノール類、1−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−スルフォ−6−ニトロナフタレン、1−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−スルフォナフタレン等のスルフォナ
フタレン類、2−アミノ安息香酸、4−クロロ−2−ア
ミノ安息香酸、4−ニトロ−2−アミノ安息香酸、4−
クロロ−5−ニトロ−2−アミノ安息香酸等の安息香酸
類等が例として挙げられる。
【0036】カップリング成分としては、2−ヒドロキ
シナフタレン、2−ヒドロキシ−3−フェニルカルバモ
イルナフタリン、2−ヒドロキシ−3−(2−メチルフ
ェニル)カルバモイルナフタレン、2−ヒドロキシ−3
−(4−クロロフェニル)カルバモイルナフタレン等の
ナフタレン類、あるいはH−酸、γ−酸、SS酸、K
酸、M酸等のアミノスルフォナフタレン類、あるいは1
−フェニル−3−メチルピラゾロン、1−(4−スルフ
ォフェニル)−3−メチルピラゾロン、1−(4−スル
フォフェニル)−3−メチルピラゾロン、1−(2−ス
ルフォフェニル)−3−メチルピラゾロン、1−(2−
メチル−4−スルフォフェニル)−3−メチルピラゾロ
ン、1−(2,5−ジスルフォフェニル)−3−メチル
ピラゾロン、1−(4−スルフォフェニル)−3−メチ
ルピラゾロン、1−(2−クロロ−6−メチル−4−ス
ルフォフェニル)−3−メチルピラゾロン、1−(4−
アミノスルフォニルフェニル)−3−メチルピラゾロン
等のピラゾロン類、あるいはアセト酢酸アニリド、アセ
ト酢酸−4−クロロアニリド、アセト酢酸−4−メチル
アニリド、アセト酢酸−2−クロロアニリド等のアニリ
ド類等が例として挙げられる。但し、ジアゾ成分とカッ
プリング成分の組合せとしては、少なくとも1個以上の
スルフォン酸基を含むように選択する。
【0037】媒染染料を得るジアゾ化カップリング反応
は、通常の方法で行うことが出来る。例えば、ジアゾ成
分を塩酸や硫酸のような鉱酸に溶解し、低温下で亜硝ナ
トリウムを加えることによりジアゾ化を行う事ができ
る。カップリングはカップリング成分を溶解した溶液中
にジアゾ化した溶液を注加して行うか、また逆に、ジア
ゾ化した溶液中にカップリング成分の溶液を注加するこ
とによって行うことできる。
【0038】錯塩染料は先に得られた媒染染料と錯塩化
剤を反応させて得ることができる。錯塩化剤としてはT
i、Siの通常の錯塩化剤を用いる事ができる。例え
ば、Ti、Siのアルコキサイド化合物、塩化物等が挙
げられ、さらに具体的な例としては、チタニウムテトラ
エトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、
チタニウムテトラブトキサイド、チタニウムオキシアセ
チルアセトナート、シリコンテトライソプロポキサイ
ド、シリコンテトラエトキサイド、シリコンテトライソ
プロポキサイド、シリコンテトラクロライド等を挙げる
ことが出来る。
【0039】チタン錯塩化反応は、例えば工業化学雑誌
第68巻 第4号(1965)638頁に記載されてい
るようなアルコール溶媒中でチタンのアルコキサイド化
合物により行うことが出来る。また、シリコン錯塩化反
応は Indean J.Chem. Vol.13、
(1976 )808頁に記載されているような方法で
行うことが出来る。反応には、錯塩化に不活性な有機溶
剤を用いる事が出来る。例えば、アルコール類、グリコ
ール類、ピリジン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族類、またはトリエチルフォスフィンのようなリ
ン系溶剤を使用する事が出来る。錯塩化時は水分が入ら
ないように注意することが望ましい。
【0040】この様にして得られた錯塩染料は、スルホ
ン酸基を少なくとも2個以上含むため、スルホン酸基と
第4級アンモニウム塩と造塩することが可能である。造
塩に用いられる第4級アンモニウム塩としては、例えば
テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルア
ンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロ
ライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、
トリメチルデシルアンモニウムクロライド、トリメチル
ドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルテトラデ
シルアンモニウムクロライド、トリメチルヘキサデシル
アンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアン
モニウムクロライド、2−ヒドロキシドデシル−ジメチ
ルベンジルアミンクロライド、2−ヒドロキシテトラデ
シル−ジメチルベンジルアミンクロライド、等が挙げら
れる。また、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、n−オクチルアミン、ドデシルアミン、テトラデシ
ルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルエタノールア
ミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン、のよ
うな第1級、第2級アミンを塩酸等で第4級アンモニウ
ム塩にして用いることも出来る。上記のように例示した
アンモニウム塩は、クロルアニオンによる塩に限定され
るものではなく、他のアニオンによる塩でもかまわな
い。このような第4級アンモニウム塩を用いて合成され
た造塩化染料は有機溶剤系に溶解しやすくなる。
【0041】また、本発明に用いられるトナー樹脂は、
市販のトナー用樹脂ならいずれも効果は同じであり、例
えば、トナー用樹脂組成物の構成成分を転写材へ結着せ
しめる役割を果たすものであればいずれにも使用出来
る。例えば、スチレン系(共)重合体、ポリエステル系
重合体、ポリエステル樹脂にビニル系樹脂をグラフトし
たグラフト重合体、または、それら樹脂の粉体混合物等
が好ましく用いられる。
【0042】本発明で結着樹脂として用いられるスチレ
ン系(共)重合体は、スチレン単量体を主な構成単位と
するものであり、好ましくは、スチレン系単量体から誘
導される構成単位と、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体または(メタ)アクリル酸単量体から誘導される構
成単位とを含み、ガラス転移温度(Tg)が45℃以上
75℃以下であり、GPCにより測定したクロマトグラ
ムにおいて、重量平均分子量(Mw)が100,000
以上であり、分子量3,000以上12,000以下の
領域及び分子量100,000以上の領域にそれぞれ少
なくとも1つ以上の極大値あるいはショルダーを有し、
Mwと数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が15
以上100以下であるスチレン系(共)重合体であるこ
とが好ましい。
【0043】スチレン系(共)重合体を構成する単量体
の具体例としては、以下のものを例示できるが、これに
限定されるものではない。スチレン系単量体としては、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチ
レン、ビニルトルエン、4−スルホンアミドスチレン、
4−スチレンスルホン酸などが挙げられる。(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体としては、例えば(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オ
クチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フ
ェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリ
ル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノメチルエステル、(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−クロ
ロエチルなどが挙げられる。
【0044】スチレン系(共)重合体における単量体の
組成としては、スチレン系単量体の含有率が60〜95
重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率
が5〜40重量%のものが好ましい。また、スチレン系
(共)重合体を構成するその他の単量体として、以下に
例示するものを用いることもできる。すなわち、イタコ
ン酸エステル類、例えばイタコン酸ジメチル、イタコン
酸ジプピル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチ
ル、イタコン酸ジアミルなどや、マレイン酸エステル類
及びフマール酸エステル類、例えば炭素数1から8の直
鎖または分岐アルキル基を持つマレイン酸エステル及び
フマール酸エステル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジペンチ
ル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ヘプチル、マレ
イン酸オクチル、マレイン酸エチルブチル、マレイン酸
エチルオクチル、マレイン酸ブチルオクチル、マレイン
酸ブチルヘキシル、マレイン酸ペンチルオクチル、フマ
ール酸ジエチル、フマール酸ジプロピル、フマール酸ジ
ブチル、フマール酸ジペンチル、フマール酸ジヘキシ
ル、フマール酸ヘプチル、フマール酸オクチル、フマー
ル酸エチルブチル、フマール酸エチルオクチル、フマー
ル酸ブチルオクチル、フマール酸ブチルヘキシル、フマ
ール酸ペンチルオクチルなどや、不飽和カルボン酸及び
不飽和ジカルボン酸類、例えば、桂皮酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸などや、2−ビニルナフタレ
ン、無水イタコン酸、無水マレイン酸、アクリルアミド
メチルスルホン酸、アクリルアミドエチルスルホン酸、
アクリルアミドn−プロピルスルホン酸、アクリルアミ
ドイソプロピルスルホン酸、アクリルアミドn−ブチル
スルホン酸、アクリルアミドs−ブチルスルホン酸、ア
クルアミドt−ブチルスルホン酸、アクリルアミドペン
タンスルホン酸、アクリルアミドヘキサンスルホン酸、
アクリルアミドヘプタンスルホン酸、アクリルアミドオ
クタンスルホン酸、メタアクリルアミドメチルスルホン
酸、メタアクリルアミドエチルスルホン酸、メタアクリ
ルアミドn−プロピルスルホン酸、メタアクリルアミド
イソプロピルスルホン酸、メタアクリルアミドn−ブチ
ルスルホン酸、メタアクリルアミドs−ブチルスルホン
酸、メタアクルアミドt−ブチルスルホン酸、メタアク
リルアミドペンタンスルホン酸、メタアクリルアミドヘ
キサンスルホン酸、メタアクリルアミドヘプタンスルホ
ン酸、メタアクリルアミドオクタンスルホン酸、ジビニ
ルベンゼン、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリ−
エチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタアクリレート、ポリエチレングリコール#4
00ジメタアクリレート、ポリエチレングリコール#6
00ジメタアクリレート、ポリプロピレンジメタアクリ
レート、N,N,−メチレンビスメタアクリルアミド、
ペンタエリストールトリ−メタアクリレート、トリ−メ
チロールプロパントリ−メタアクリレート、テトラメチ
ロールプロパントリ−メタアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジメタアクリレート、2,2−ビス(4−メ
タアクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどが
例示される。
【0045】スチレン系(共)重合体の合成方法として
は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合
法等の公知の重合方法により製造することができる。そ
の際の重合開始剤としては、例えばt−ブチルペルオキ
シメタクリレート、t−ブチルペルオキシクロトネー
ト、ジ(t−ブチルペルオキシ)フマレート、t−ブチ
ルペルオキシアリルカーボネート、過トリメリット酸ト
リ−t−ブチルエステル、過トリメリット酸トリ−t−
アミノエステル、過トリメリット酸トリ−t−へキシル
エステル、過トリメリット酸トリ−t−1,1,3,3
−テトラメチルブチルエステル、過トリメリット酸トリ
−t−クミルエステル、過トリメリット酸トリ−t−
(p−イソプロピル)クミルエステル、過トリメシン酸
トリ−t−ブチルエステル、過トリメシン酸トリ−t−
アミノエステル、過トリメシン酸トリ−t−へキシルエ
ステル、過トリメシン酸トリ−t−1,1,3,3−テ
トラメチルブチルエステル、過トリメシン酸トリ−t−
クミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−(p−イソ
プロピル)クミルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、
2,2−ビス(4,4−ジ−t−へキシルパーオキシシ
クロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−
t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,
2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン2,2−ビス(4,4−ジ−α−ク
ミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)ブタン、2,2‐ビス(4,4−ジ−t−オクチル
パーオキシシクロヘシル)ブタンなどを用いることが出
来る。
【0046】スチレン系(共)重合体は、GPCにより
測定されたクロマトグラムにおいて、Mwが100,0
00以上であり、Mw/Mnが15〜100であり、分
子量3,000〜12,000の領域及び分子量10
0,000以上の領域のそれぞれに少なくとも1つの極
大値あるいはショルダーを有していることが好ましい。
【0047】また、上記スチレン系(共)重合体のTg
が45〜75℃の範囲にあるものが好ましい。上記条件
のMw、Mw/Mn、極大値及びTgを満たすことによ
り、定着性、オフセット性及び保存性のバランスにおい
て非常に良好な性能を示すことなる。
【0048】具体的には、Mwが100,000以上M
w/Mnが15以上分子量3,000〜12,000の
領域に1つ目の極大値あるいはショルダーを有してお
り、分子量100,000以上の領域に2つ目の極大値
あるいはショルダーを有しているものを使用することに
より、スチレン系(共)重合体の凝集力が向上し、耐オ
フセット性が良好なものとなるため好ましく、同時にM
w/Mnが100より小さい、または分子量12,00
0より小さい領域に1つ目の極大値あるいはショルダー
を有しているものを使用することにより、スチレン系
(共)重合体の粘性が低下し、定着性が良好なものとな
り好ましく、Tgが45℃より高いことによりトナーの
ブロッキング性を良好なものとするため好ましく、75
℃より低いものとすることによりトナーの最低定着温度
を上昇させることができるため好ましい。
【0049】本発明の結着樹脂として用いられるポリエ
ステル樹脂としては。ポリオールとポリカルボン酸との
重縮合物などが挙げられる。ポリオールとしては、ジオ
ール、3価以上のポリオール及びその低級(炭素数1〜
8)アルカン酸エステルが、ポリカルボン酸としては、
ジカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸及びその酸無
水物または低級(炭素数1〜4)アルコールエステルが
挙げられる。ジオールとしては、水酸基価180〜19
00mgKOH/gのジオール類、具体的には、アルキ
レングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、
アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコー
ル、トリ−エチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環
式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水
素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
等)、上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレン
オキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)の付加物、上記ビスフェノ
ール類の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド等)の付加物などが挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及
びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であ
り、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレン
オキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキ
レングリコールとの併用である。3価以上のポリオール
としては、水酸基価150〜1900mgKOH/gの
ポリオール類、具体的には、3〜8価またはそれ以上の
脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等)、上記脂肪族多価アルコールの炭
素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)の
付加物、トリスフェノール類(トリスフェノールPAな
ど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾ
ールノボラック等)、上記トリスフェノール類の炭素数
2〜4のアルキレンオキサイド付加物、上記ノボラック
樹脂の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物等が
挙げられる。これらのうち好ましいものは、3〜8価ま
たはそれ以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹
脂のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましい
ものはノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物で
ある。
【0050】ジカルボン酸としては、酸価180〜12
50mgKOH/gのジカルボン酸、具体的には、アル
キレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、ドデセニルコハク酸等)、アルケニレンジカルボン
酸(マレイン酸、フマール酸等)、芳香族ジカルボン酸
(フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、ナフ
タレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち
好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカル
ボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素
数6〜21のアルキレンジカルボン酸である。またこれ
らは2種以上を併用しても何ら問題ない。3価〜6価ま
たはそれ以上のポリカルボン酸としては、酸価150〜
1250mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的に
は、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニ
ル重合体(スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/
アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重
合体、スチレン/フマール酸共重合体等)等が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳
香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメ
リット酸、ピロメリット酸である。なお、ジカルボン酸
または3価以上のポリカルボン酸としては、上述のもの
の酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステ
ル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用
いてもよい。
【0051】ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水
酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比
[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、
好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは
1.4/1〜1/1.4である。また使用するポリオー
ルとポリカルボン酸の種類は、最終的に調製されるポリ
エステル系トナーバインダーのガラス転移点が45〜7
5℃となるよう分子量調整も考慮して選択される。
【0052】フルカラー用トナーバインダーに有用な高
分子量のポリエステルの数平均分子量(MnA)は通常
1,800〜100万、好ましくは2,000〜10
万、さらに好ましくは5,000〜5万で、重量平均分
子量(MwA)は2万〜500万、好ましくは2万〜2
00万、さらに好ましくは2.2万〜12万である。
【0053】ポリエステルはテトラヒドロフラン(TH
F)不溶分を通常5〜90重量%、好ましくは15〜8
0重量%、さらに好ましくは20〜70重量%、特に好
ましくは25〜60重量%である。THF不溶分が5〜
90重量%であることで耐ホットオフセット性がさらに
良好になる。またTHF可溶分のGPCにおいて分子量
2000〜200万に極大値を有していることが好まし
く、4,000〜2万に極大値を有すればさらに好まし
い。2,000〜200万に分子量の極大値を有するこ
とで、耐熱保存性及び粉体流動性が良好となる。ポリエ
ステルのフローテスターで測定された軟化点は通常12
0〜230℃、好ましくは131〜200℃、さらに好
ましくは135〜190℃、特に好ましくは160〜1
80℃である。120〜230℃の軟化点となることで
充分な耐ホットオフセット性と低温定着性や顔料分散性
との両立が容易となる。ポリエステルの酸価は通常0〜
40、好ましくは8〜30である。0〜40の酸価とす
ることで充分な帯電量、定着性と帯電量の環境依存性と
の両立が容易になる。
【0054】本発明に用いるポリエステルの製造方法を
例示する。ポリエステルは、ポリオールとポリカルボン
酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサ
イドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜28
0℃に加熱し、脱水縮合することで得られる。反応末期
の反応速度を向上させるために減圧することも有効であ
る。
【0055】本発明で用いられるポリエステル樹脂の具
体例としては、以下のものなどが挙げられる。ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/テレフタ
ール酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイ
ド2モル付加物/テレフタール酸/無水マレイン酸重縮
合物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加
物/テレフタール酸重縮合物、ビスフェノールAエチレ
ンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリ
メリット酸重縮合物、ビスフェノールAエチレンオキサ
イド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイ
ド4モル付加物/テレフタール酸重縮合物、ビスフェノ
ールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール
酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプ
ロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエ
チレンオキサイド4モル付加物/テレフタール酸重縮合
物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物
/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビス
フェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/テレ
フタール酸/アジピン酸重縮合物、ビスフェノールAプ
ロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエ
チレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/フマ
ール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノール
Aプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノール
Aエチレンオキサイド2モル付加物/フェノールノボラ
ックのエチレンオキサイド付加物/テレフタール酸/無
水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレ
ンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメ
リット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサ
イド2モル付加物/フェノールノボラックのプロピレン
オキサイド付加物/テレフタール酸/無水ドデセニルコ
ハク酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノール
Aプロピレンオキサイド2モル付加物/無水ドデセニル
コハク酸/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合
物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加
物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加
物/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加
物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビ
スフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビ
スフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物/テ
レフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェ
ノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフター
ル酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールA
プロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールA
エチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無
水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレ
ンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレ
ンオキサイド3モル付加物/フェノールノボラックのプ
ロピレンオキサイド付加物/テレフタール酸/無水トリ
メリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキ
サイド2モル付加物/フマール酸/無水トリメリット酸
重縮合物等。
【0056】また、本発明のトナー用樹脂組成物は軟化
点が80〜170℃のポリオレフィン樹脂にSP値が1
0.6〜12.6のビニル系樹脂がグラフトした構造を
有するグラフト重合体を含有しても良い。ポリオレフィ
ン樹脂を構成するオレフィン類としては、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−へキセン、
1−ドデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。ポ
リオレフィン樹脂としては、オレフィン類の重合体、オ
レフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の
変性物、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共
重合体などが挙げられる。具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチ
レン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−へキセン
共重合体などが挙げられる。
【0057】ポリオレフィン樹脂の軟化点は、通常80
〜170℃であり、好ましくは90〜160℃であり、
さらに好ましくは100〜155℃である。軟化点が8
0℃を超えるとトナーの流動性が良好となり、170℃
未満で良好な離型効果を発揮する。また、溶融粘度は1
60℃において通常2〜10000mPa・sであり、
好ましくは3〜7000mPa・s、さらに好ましくは
5〜4500mPa・sである。感光体ドラム、及び又
は現像スリーブ、現像ゴムローラー、磁性キャリアー等
へのフィルミング及び、定着器(ローラー、ベルト等)
への離型性の観点から、数平均分子量は通常500〜2
0,000、重量平均分子量は800〜100,000
であり、好ましくは数平均分子量は1,000〜15,
000、重量平均分子量は1,500〜60,000、
さらに好ましくは、数平均分子量は1,500〜10,
000、重量平均分子量は2,000〜30,000で
ある。
【0058】ビニル系樹脂のSP値(ソルビリティーパ
ラメーター)としては通常10.6〜12.6(cal
/cm31/2好ましくは10.6〜12.0(cal/
cm 31/2、さらに好ましくは10.7〜11.8(c
al/cm31/2であり、特に好ましくは10.8〜1
1.5(cal/cm31/2である。SP値が12.6
を超えても、10.6未満でもバインダー樹脂とのSP
値差が大きくなりすぎ離型剤の分散が不良となる。な
お、SP値は公知のFedors法で算出できる。
【0059】MAとしては、不飽和ニトリ−ル系モノマ
ー、α,β−不飽和カルボン酸類、が挙げられる。不飽
和ニトリル系モノマーとしては、(メタ)アクリロニト
リル、シアノスチレンなどが挙げられる。これらのうち
好ましいのは(メタ)アクリロニトリルである。
【0060】α,β−不飽和カルボン酸類としては、不
飽和カルボン酸類及びその無水物[(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸及びその無水
物など]、不飽和ジカルボン酸モノエステル類[マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モ
ノメチルなど]などが挙げられる。これらのうち好まし
いものは、(メタ)アクリル酸、不飽和ジカルボン酸モ
ノエステル類であり、特に好ましいのは(メタ)アクリ
ル酸及びマレイン酸モノエステル[マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸モノブチル]である。
【0061】BAとしては、スチレン系モノマー(スチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキ
シスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエ
ン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチ
レンなど)、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜
18)エステル(メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど)、ビニ
ルエステル系モノマー(酢酸ビニルなど)、ビニルエー
テル系モノマー(ビニルメチルエーテルなど)、ハロゲ
ン元素含有ビニル系モノマー(塩化ビニルなど)、ジエ
ン系モノマー(ブタジエン、イソブチレン等)及びこれ
らの併用が挙げられる。これのうち好ましいものはスチ
レン系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステル及
びその併用であり、特に好ましいのは、スチレン及びス
チレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの併用で
ある。
【0062】本発明のトナーバインダー組成物において
は、ポリエステル系トナーバインダーとともに、他の樹
脂も含有させることができる。他の樹脂としては、スチ
レン系樹脂(スチレンとアルキル(メタ)アクリレート
の共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体
等)、エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンの付加縮合物等)、ウレタン樹脂(ジオールとジ
イソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。ま
た、本発明の1成分トナーは、上記材料以外にも、必要
に応じ帯電制御剤、離型剤、その他着色助剤、等を用い
ることが出来る。
【0063】帯電制御剤としては、公知のものすなわ
ち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級
アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリ
チル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系
ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げ
られる。トナー中の帯電制御剤の含有量は通常、トナー
結着樹脂100重量部に対し、0〜5重量部である。
【0064】本発明の電子写真用1成分トナーは、上記
の成分の他に、通常、トナーに使用することができる定
着離型剤、着色剤、分散剤、磁性粉等の添加剤を含有し
ていてもよい。定着離型剤としては、例えば、モンタン
酸エステルワックス、カルナバワックス等の天然ワック
ス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワ
ックス等が挙げられる。
【0065】その他の着色剤としては、例えば、ニトロ
系、スチルベンアゾ系、ジフェニルメタン系、トリフェ
ニルメタン系、メチン系、チアゾール系、アントラキノ
ン系、イミダミン系、アジン系、オキサアジン系、チア
ジン系、硫化染料系、インジゴイド系、フタロシアニン
系、等の有機染料や顔料等が挙げられる。
【0066】分散剤としては、金属石鹸、ポリエチレン
グリコール等が挙げられる。磁性粉としては、鉄、コバ
ルト、ニッケル、クロム、マンガン等の金属又はこれら
の合金、二酸化クロム、三二酸化鉄、フェライト等の金
属酸化物等が挙げられる。
【0067】なお、本発明の電子写真用1成分トナー
は、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパ
ーミキサー、メカノミル、Q型ミキサー等の気流混合機
の混合可能な装置により混合し、2軸混練機、1軸混練
機等の装置により、70〜180℃程度の温度にて溶融
混練し、得られた混練物を冷却固化し、固化物をジェッ
トミル等のエアー式粉砕機により粉砕する方法により製
造することができる。
【0068】本発明のトナーは必要に応じて鉄粉、ガラ
スビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、及
び樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)により表
面をコーティングしたフェライトナーどのキャリアー粒
子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。
次いで、公知の熱定着方法などにより転写体(紙、ポリ
エステル(OHP)フィルムなど)に定着して記録材料
とされる。
【0069】
【実施例及び比較例】本発明に使用されるアゾ系金属錯
塩化合物の合成例を以下に示す。 合成例1 アゾ媒染染料の合成:水 35mlに6.5gの6−ニト
ロ−1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホン酸(三
井化学製品)を仕込み、攪拌しながら酢酸ナトリウム
5.2gを加え、ジアゾニウム液を調整する。水 35m
lにβ-ナフトール 3.3gを仕込み、48%水酸化ナ
トリウム 2.0gと無水炭酸ナトリウム1.4gを加
え、60℃で攪拌溶解する。これに35〜40℃でジア
ゾニウム液を注加しカップリング反応を行う。反応終了
後、濾過、乾燥し、9.3gのアゾ媒染染料を得た。
【0070】錯塩化反応:イソプロパノール 50ml
に上記中間化合物を仕込み、70〜80℃で攪拌してお
く。そこにチタニウムテトライソプロポキサイド 3.3
gを滴下し、6時間反応後、濃縮、濾過、乾燥してTi
錯塩 9.2gを得た。 造塩化反応:エタノール 60mlに上記錯塩を仕込
み、攪拌しながら35%塩酸 1.0gを添加し、ドデ
シルエタノールアミン 5.6gを滴下し反応液を調整す
る。これを水300mlに注加し、1時間攪拌分散させ
た後、濾過、乾燥して下式の[化合物1]14.7gを
得た。
【0071】
【化9】
【0072】合成例2 アゾ媒染染料の合成:水60mlに4.1gの2−アミ
ノフェノール−4−スルホン酸を仕込み、撹拌しながら
35%塩酸4.7gを注加する。10℃以下に冷却し
て、4.1gの38%亜硝酸ナトリウム水溶液を注加す
る。同温度でさらに3時間撹拌した後、過剰の亜硝酸ナ
トリウムをスルファミン酸の添加により分解させ、ジア
ゾニウム液を調整した。水35mlに3.2gのβーナ
フトールを加え、撹拌しながら24%水酸化ナトリウム
水溶液7.0gを加え、カップラー液を調整した。カッ
プラー液は冷却しておき、5℃以下で撹拌しながら先に
調整したジアゾニウム液を注加し、24%水酸化ナトリ
ウム水溶液でpHを8.5付近に調整しカップリングを
行った。カップリング終後、35%塩酸でpHを2.0
付近に下げ食塩で塩析を行い、濾別、乾燥し7.3gの
アゾ媒染染料を得た。
【0073】錯塩化反応:りん酸トリエチル 50 ml
に上記アゾ媒染染料を仕込み、110〜120℃で攪拌
しておく。そこにオルトけい酸テトラエチル2.5gを
滴下し、24時間反応後、濾過、乾燥してSi錯塩6.
1gを得た。 造塩化反応:水 400mlに上記錯塩を仕込み、攪拌
しながら35%塩酸 1.0gを添加し、オキシアミン
DMLB(ダイセル化学(株)製品、2−ヒドロキシド
デシル−ジメチルベンジルアンモニウムと2−ヒドロキ
シテトラデシル−ジメチルベンジルアンモニウムの混合
物)6.5gを滴下し、2時間反応させた。これを濾
過、乾燥して下式の[化合物2]7.2gを得た。
【0074】
【化10】
【0075】合成例3 アゾ媒染染料の合成:水60mlに2.4gの4−クロ
ロ−2−アミノフェノールを仕込み、撹拌しながら35
%塩酸4.7gを注加する。10℃以下に冷却して、
4.1gの38%亜硝酸ナトリウム水溶液を注加する。
同温度でさらに3時間撹拌した後、過剰の亜硝酸ナトリ
ウムをスルフアミン酸の添加により分解させ、ジアゾニ
ウム液を調整した。水35mlに5.5gの1−(4−
スルフォフェニル)-3-メチルピラゾロンを加え、撹拌
しながら24%水酸化ナトリウム水溶液7.0gを加
え、カップラー液を調整した。カップラー液は冷却して
おき、5℃以下で撹拌しながら先に調整したジアゾニウ
ム液を注加し、24%水酸化ナトリウム水溶液でpHを
8.5付近に調整しカップリングを行った。カップリン
グ終了後、35%塩酸でpHを2.0付近に下げ食塩で
塩析を行い、濾別、乾燥し7.9gのアゾ媒染染料を得
た。
【0076】錯塩化反応:ピリジン 60 mlに上記ア
ゾ媒染染料を仕込み、105〜110℃で攪拌してお
く。そこにナトリウムメトキシド 2.2gを加え、6
時間反応させた。これに四塩化ケイ素 2.3gを3回
に分けて滴下し、6時間反応後、濾過、乾燥してSi錯
塩7.4gを得た。
【0077】造塩化反応:水 400mlに上記錯塩を
仕込み、攪拌しながら35%塩酸 1.0gを添加し、
テトラブチルアンモニウムクロライド 5.5gを滴下
し、2時間反応させた。これを濾過、乾燥して下式の
[化合物3]9.9gを得た。
【0078】
【化11】 以下に、本発明の電子写真用1成分トナーの実施例及び
比較例について説明する。
【0079】 (実施例1) スチレン/アクリル共重合体樹脂 100重量部 非酸化型ポリプロピレン 2重量部 酸化型ポリエチレン 2重量部 負荷電制御剤 1.5重量部 黒色無機顔料 5重量部 を乾式混合し、二軸押出機にて加熱溶融混練後、冷却粉
砕し、体積平均径D50が6.5μmのトナーを得た。こ
こで、スチレン/アクリル共重合体樹脂は、ガラス転
移点Tg58.5℃、軟化点Tm157℃、スチレン残
存揮発分480ppm、キシレン残存揮発分280pp
mの三井化学(株)製、非酸化型ポリプロピレンは、T
P−32、三洋化成工業(株)製、酸化型ポリエチレン
は、PE−130、クラリアントジャパン(株)製、負
荷電制御剤は、明細書本文の合成例1、保土谷化学工業
(株)製、黒色無機顔料は、カーボンブラックMA−7
7、三菱化学(株)製である。そのトナーに流動化剤粒
子酸化珪素(R976S日本アエロジル(株)製)を
0.5重量部添加し、実施例1のトナーを得た。
【0080】 (実施例2) スチレン/アクリル共重合体樹脂 100重量部 負荷電制御剤 2重量部 酸化珪素 0.5重量部 を用いる以外は実施例1と同様に実施例2のトナーを得
た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂は、ガ
ラス転移点Tg60.5℃、軟化点Tm153℃、スチ
レン残存揮発分360ppm、キシレン残存揮発分34
0ppmの三井化学(株)製、負荷電制御剤は、明細書
本文の合成例2、保土谷化学工業(株)製、酸化珪素
は、R974、日本アエロジル(株)製である。
【0081】 (実施例3) スチレン/アクリル共重合体 100重量部 負荷電制御剤 2.5重量部 酸化珪素 0.3重量部 を用いる以外は実施例1と同様に実施例3のトナーを得
た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂は、ガ
ラス転移点Tg56.5℃、軟化点Tm161℃、スチ
レン残存揮発分170ppm、キシレン残存揮発分45
0ppmの三井化学(株)製、負荷電制御剤は、明細書
本文の合成例3、保土谷化学工業(株)製、酸化珪素
は、R812S、日本アエロジル(株)製である。
【0082】 (実施例4) ポリエステル樹脂 100重量部 負荷電制御剤 1.5重量部 酸化珪素 1.0重量部 を用いる以外は実施例2と同様に実施例4のトナーを得
た。ここで、ポリエステル樹脂は、ガラス転移点Tg
61℃、軟化点Tm165℃の三洋化成(株)製、負荷
電制御剤は、明細書本文の合成例1、保土谷化学工業
(株)製、酸化珪素は、WACKER H3004、ク
ラリアントジャパン製である。
【0083】 (実施例5) ポリエステル/スチレングラフト樹脂 70重量部 ポリエステル樹脂 30重量部 負荷電制御剤 1.5重量部 酸化珪素 0.7重量部 を用いる以外は実施例1と同様に実施例5のトナーを得
た.ここで、ポリエステル/スチレングラフト樹脂は、
ガラス転移点Tg60℃、軟化点Tm147℃の花王
(株)製、ポリエステル樹脂は、ガラス転移点Tg5
5℃、軟化点Tm102℃の花王(株)製、負荷電制御
剤は、明細書本文の合成例1、保土谷化学工業(株)
製、酸化珪素は、WACKER H3004、クラリア
ントジャパン製である。
【0084】 (比較例1) スチレン/アクリル共重合体 100重量部 負荷電制御剤 2重量部 金属酸化物 20重量部 酸化珪素 4.0重量部 を用いる以外は実施例1と同様に比較例1のトナー(D
507.5μm)を得た。ここで、スチレン/アクリル共
重合体樹脂は、ガラス転移点Tg58.5℃、軟化点
Tm157℃、スチレン残存揮発分480ppm、キシ
レン残存揮発分280ppmの三井化学(株)製であ
り、負荷電制御剤は、特開平10−83098号公報の
前記含金属アゾ染料(4)、金属酸化物は、磁性体BL
200(D50200nm)、チタン工業(株)製であ
り、酸化珪素は、RX50、日本アエロジル(株)製で
ある。
【0085】 (比較例2) スチレン/アクリル共重合体 100重量部 負荷電制御剤 2重量部 金属酸化物 12重量部 酸化珪素 0.1重量部 を用いる以外は実施例1と同様に比較例2のトナー(D
508.0μm)を得た。ここで、スチレン/アクリル共
重合体樹脂は、ガラス転移点Tg60.5℃、軟化点
Tm153℃、スチレン残存揮発分360ppm、キシ
レン残存揮発分340ppmの三井化学(株)製であ
り、負荷電制御剤は、特開平10−83098号公報の
前記含金属アゾ染料(2)、金属酸化物は、酸化チタン
KA−10(D50300nm)、チタン工業(株)製
であり、酸化珪素は、300、日本アエロジル(株)製
である。
【0086】 (比較例3) スチレン/アクリル共重合体 100重量部 負荷電制御剤 2重量部 金属酸化物 45重量部 酸化珪素 0.3重量部 を用いる以外は実施例1と同様に比較例3のトナー(D
507.0μm)を得た。ここで、スチレン/アクリル共
重合体樹脂は、ガラス転移点Tg56.5℃、軟化点
Tm161℃、スチレン残存揮発分170ppm、キシ
レン残存揮発分450ppmの三井化学(株)製であ
り、負荷電制御剤は、特開平10−83098号公報の
前記含金属アゾ染料(3)、金属酸化物は、酸化珪素
RX50(D 5050nm)、日本アエロジル(株)製で
あり、酸化珪素は、R812、日本アエロジル(株)製
である。
【0087】 (比較例4) ポリエステル樹脂 100重量部 負荷電制御剤 2重量部 金属酸化物 25重量部 酸化珪素 1.0重量部 を用いる以外は実施例1と同様に比較例4のトナー(D
507.5μm)を得た。ここで、ポリエステル樹脂
は、ガラス転移点Tg61.0℃、軟化点Tm165℃
の三洋化成(株)製であり、負荷電制御剤は、特開平1
0−83098号公報の前記含金属アゾ染料(1)、金
属酸化物は、磁性体 EPT−500(D50300n
m)、戸田工業(株)製であり、酸化珪素は、MOX、
日本アエロジル(株)製である。
【0088】 (比較例5) ポリエステル/スチレングラフト樹脂 70重量部 ポリエステル樹脂 30重量部 負荷電制御剤 2重量部 金属酸化物 45重量部 酸化珪素 1.0重量部 を用いる以外は実施例1と同様に比較例5のトナー(D
507.5μm)を得た。ここで、ポリエステル/スチレ
ングラフト樹脂は、ガラス転移点Tg60℃、軟化点T
m147℃の花王(株)製、ポリエステル樹脂は、ガ
ラス転移点Tg55℃、軟化点Tm102℃の花王
(株)製、負荷電制御剤は、特開平10−83098号
公報の前記含金属アゾ染料(5)、金属酸化物は、磁性
体 KBC−100―60(D50100nm)、関東電
化工業(株)製であり、酸化珪素は、R976S、日本
アエロジル(株)製である。これら実施例1〜5及び比
較例1〜5のトナー組成及び物性を表1に示す。
【0089】
【表1】 これら実施例1〜5及び比較例1〜5のトナーに対して
以下の試験・評価を行った。
【0090】1.定着耐オフセット性の評価 シャープ(株)製デジタル複合機AR−C250を非磁
性1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分フ
ルカラー・モノ黒25枚/A4)定着部を温度可変に改
造し、評価した。尚、通紙は8.5インチ×11インチ
のネコサ紙を用いた。低温側オフセット発生温度140
℃以下を○とし、高温側オフセット発生温度220℃以
上を○とした。
【0091】2.黒ベタ(ネコサ紙:普通紙)コスリ定
着率 手順シャープ(株)製デジタルフルカラー複合機AR
−C250を非磁性1成分現像器を搭載できるようにし
た改造機(毎分フルカラー・モノ黒25枚/A4)を用
いて30mm角の黒ベタ画像をサンプリングし、画像濃
度を測定する。(画像濃度A)
【0092】手順図1のように、ネコサ紙を貼り付け
た400gの分銅で、前記の30mm角黒ベタ画像を5
往復擦った後、画像濃度を測定する。(画像濃度B) 手順黒ベタコスリ定着率=画像濃度B÷画像濃度A×
100%で算出する。尚、通紙は8.5インチ×11イ
ンチのネコサ紙を用いた。コスリ定着率(%)の評価
は、80%以上を○とし、60%以上80%未満を△と
し、60%未満を×とした。
【0093】3.黒ベタ(OHPシート:シャープ指定
OHPフィルムCX‐7A4C)コスリ定着率 手順シャープ(株)製デジタルフルカラー複合機AR
−C250を非磁性1成分現像器を搭載できるようにし
た改造機(毎分フルカラー・モノ黒25枚/A4)を用
いて30mm角黒ベタ画像をサンプリングし、画像濃度
を測定する。(画像濃度A) 手順図1のように、ネコサ紙を貼り付けた400gの
分銅で、前記の30mm角黒ベタ画像を5往復擦った
後、画像濃度を測定する。(画像濃度B) 手順黒ベタコスリ定着率=画像濃度B÷画像濃度A×
100%で算出する。尚、通紙はA4サイズシャープ指
定OHPフィルムCX‐7A4Cを用いた。コスリ定着
率(%)の評価は、80%以上を○とし、60%以上8
0%未満を△とし、60%未満を×とした。
【0094】4.実写試験結果 4‐1.OPC感光体の膜削れ(膜厚)評価 シャープ(株)製デジタルフルカラー複合機AR−C2
50を非磁性1成分現像器を搭載できるようにした改造
機(毎分フルカラー・モノ黒25枚/A4)を用いて、
4万枚の実写試験(5%文字面積率、環境35℃/85
%)後、評価した。測定機分光光度計(MCPD‐11
00、大塚電子(株)製)測定に使用したプローブは投
受光ファイバーが複数あるタイプのもので、外径は約1
0mmである。このプローブを円筒状基体の鉛直方向に
約2mm離れた場所に設置したが、この時の光の照射径
は約3mmで膜厚の測定波長は500〜650nmに設
定し、反射スペクトルを測定し膜厚を求めた。尚、通紙
は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。感光
体膜厚イニシャルに比べた残存率で評価し、80%以上
を○とし、80%未満を×とした。
【0095】4−2.画像縦黒スジ画像の発生状況の目
視観察 シャープ(株)製デジタルフルカラー複合機AR−C2
50を非磁性1成分現像器を搭載できるようにした改造
機(毎分フルカラー・モノ黒25枚/A4)を用いて、
4万枚の実写試験(5%文字面積率、環境35℃/85
%)後、評価した。通紙は8.5インチ×11インチの
ネコサ紙を用いた。尚、黒スジ画像の発生状況は、目視
観察を行い、縦黒スジ(通紙方向)の画像発生枚数目で、
評価した。発生なしを〇、発生した場合は×とした。
【0096】4‐3.画像濃度、地肌カブリの評価 シャープ(株)製デジタルフルカラー複合機AR−C2
50を非磁性1成分現像器を搭載できるようにした改造
機(毎分フルカラー・モノ黒25枚/A4)を用いて、
4万枚の実写試験(5%文字面積率、環境35℃/85
%)後、評価した。尚、通紙は8、5インチ×11イン
チのネコサ紙を用いた。
【0097】4‐3‐1.画像濃度評価 4万枚の実写試験(5%文字面積率)を通じて、1.3
5以上を○、1.35未満を×とした。(測定機 Ma
cbeth社製PROCESS MEASUREMEN
TS RD914型)
【0098】4‐3‐2.地肌カブリ評価 4万枚の実写試験(5%文字面積率)を通じて、0.5
0未満を○、0.50〜0.70を△、0.70以上を
×とした。(測定機 NIPPON DENSHOKU
社製 Color Meter ZE2000型) これらの試験・評価の結果を表2に示す。総合評価の基
準は一項目でも△や×があれば、×とした。
【0099】
【表2】 表2の結果より、本発明の実施例は、比較例に対して、
定着耐オフセット性に優れ、感光体の膜削れが少なく、
定着率が高く、画像濃度に優れ、地肌カブリが少ないこ
とが分かる。
【0100】
【発明の効果】電子写真用1成分トナーを構成する結着
樹脂成分に、特定のアゾ系金属錯塩化合物をトナーの結
着樹脂に対し特定量含有させるとともに、特定の比表面
積を有する酸化珪素を含有することにより、前記アゾ系
金属錯塩化合物の結着樹脂中への分散性が良く、高温高
湿環境下においても、トナー飛散及び地肌カブリがな
く、高画像濃度と高解像度が得られ、特に、画像ニジ
ミ、画像ボケ、黒スジ等のない鮮明な画像が得られると
共に、90〜240(m2/g BET法)の比表面積を
有する酸化珪素を含有することで、感光体や現像ローラ
ーへのフィルミングの発生しない高耐久性のトナーが得
られる。また、酸化珪素が上記比表面積を有すること
で、よりいっそうのスペーサー効果が得られる。
【0101】また、前記トナーの体積平均径D50が、3
〜9μmであることにより、特にディジタル機に於け
る、細線再現性や、One−dot再現性を良好にす
る。結着樹脂のスチレン残存揮発分を500ppm以
下、キシレン残存揮発分を500ppm以下、スチレン
残存揮発分とキシレン残存揮発分の総和を800ppm
以下とすることにより、トナーを溶融混練時に発生する
揮発分が少なく、生産工程での異臭が問題とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コスリ定着率の試験法を説明する斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 剛 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 町野 賢 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 湯谷 圭子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 巽 洋 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 CA03 CA04 CA08 CA18 CA25 CA26 CA28 CB13 DA02 EA05 EA07 EA10 FA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像ローラー表面にトナー層厚規制部材
    を押圧してトナーの薄層を形成する電子写真用1成分ト
    ナーであって、該トナーを構成する結着樹脂成分に、下
    記一般式(I)のアゾ系金属錯塩化合物をトナーの結着
    樹脂100重量部に対し0.5〜5.0重量部含有し、
    及び、90〜240m2/gの比表面積を有する酸化珪
    素を含有したことを特徴とする静電潜像現像用トナー組
    成物。 【化1】 (式中Aは置換されていても良いベンゼン環残基、置換
    されていても良いナフタレン環残基を表し、Bは置換さ
    れていても良いベンゼン環残基、置換されていても良い
    ナフタレン環残基、置換されていても良いピラゾロン環
    残基あるいは置換されていても良いアセトアセトアニラ
    イド残基を表す。Xは−O−または−COO−を表し、
    NR1234は第4級アンモニウムであって、R1
    2、R3、R4は、それぞれ独立して水素原子、置換さ
    れていても分岐していても良いC1 18のアルキル基を
    表し、これ等の第4級アンモニウムは単独であっても混
    合であっても良い。Mはチタン原子またはシリコン原子
    を表し、nは2〜8の偶数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記トナーの結着樹脂に、ポリスチレン
    系、ポリアクリル系、ポリエステル系、これらの共重合
    体、これらのグラフト重合体、これらの混合物から選ば
    れる1種又は2種以上を用いたことを特徴とする請求項
    1に記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  3. 【請求項3】 前記アゾ系金属錯塩化合物の第4級アン
    モニウムが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチル
    アンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル
    ベンジルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウ
    ム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテト
    ラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモ
    ニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、2−ヒ
    ドロキシドデシル−ジメチルベンジルアンモニウム、2
    −ヒドロキシテトラデシル−ジメチルベンジルアンモニ
    ウム、または、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミ
    ン、ジ−n−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
    ン、n−オクチルアミン、ドデシルアミン、テトラデシ
    ルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルエタノールア
    ミン及び2−エチルヘキシルオキシプロピルアミンから
    選択されたアミンに塩酸等を付加させて得られる第4級
    アンモニウムであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  4. 【請求項4】 前記アゾ系金属錯塩化合物が、スルホン
    酸基をアゾ媒染染料に持たせ、チタンまたはシリコン金
    属錯塩染料を形成後、スルホン酸基を前記第4級アンモ
    ニウムと造塩させた錯塩染料であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記酸化珪素がトナーコア(母体粒子)
    全重量に対し、0.1〜3.0重量部添加混合されるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜
    像現像用トナー組成物。
  6. 【請求項6】 前記トナーの体積平均径D50が、3〜9
    μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  7. 【請求項7】 前記結着樹脂は、スチレン残存揮発分
    が、500ppm以下であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  8. 【請求項8】 前記結着樹脂は、キシレン残存揮発分
    が、500ppm以下であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  9. 【請求項9】 前記結着樹脂は、スチレン残存揮発分と
    キシレン残存揮発分の総和が、800ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電
    潜像現像用トナー組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の静電
    潜像現像用トナー組成物を用いた画像形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の静電
    潜像現像用トナー組成物を用いた画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009104125A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置及びカートリッジ
JP2009104124A (ja) * 2007-10-03 2009-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成装置及びカートリッジ
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