JP2003313733A - 精紡装置、精紡方法、交撚糸、織物および編物 - Google Patents
精紡装置、精紡方法、交撚糸、織物および編物Info
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Abstract
造装置などを提供する。 【解決手段】 精紡装置は、ドラフト装置と巻取り装置
からなる。ドラフト装置は、並列に供給された3本の粗
糸をドラフトするドラフト装置であって、粗糸をドラフ
トし通過させる最低上下3対のローラーを備える。巻取
装置は、ドラフト装置の最低上下3対のローラーを通過
した粗糸に撚りを与えて同一方向に交撚し、得られた糸
をボビンに巻き取る。これにより、3本の粗糸から得ら
れた交撚糸が提供される。
Description
関する。
イバーがカード機などで作られる。スライバーとは、撚
りのない帯状またはロープ状にした繊維の集合体をい
う。次に、スライバーを所定の太さまで引き伸ばすと共
に繊維を平行にし、次工程への供給に適当な強度を持た
せるために撚りをかけて巻き取る。この状態の糸を粗糸
という。粗糸とは、精紡の準備のためにスライバーから
作られた比較的細い繊維の集合体である。次に、粗糸を
所要の太さに引き延ばし、適当な撚りを与えてボビンに
巻き取る。最後に、精紡管糸に撚りを加えつつ次工程に
合ったパッケージに巻き取る。
3号公報に記載されたハンカチ生布の製造方法では、2
本の粗糸を精紡交撚せしめて紡績糸を製造する。これに
より、高価な双糸とほぼ同等のソフトな風合と優れた光
沢を出すことができ、また、強度面も向上した。なお、
双糸とは、2本の単糸を合せて交撚したものである。し
かし、紡績糸において、糸の均整度をさらに上げ、ま
た、製品にしたときの光沢をさらに上げることが望まれ
る。
上げた紡績糸を提供することである。
は、ドラフト装置と巻取り装置からなる。ドラフト装置
は、並列に供給された3本の粗糸をドラフトするドラフ
ト装置であって、粗糸をドラフトし通過させる最低上下
3対のローラーを備える。巻取装置は、ドラフト装置の
最低上下3対のローラーを通過した粗糸に撚りを与えて
同一方向に交撚し、得られた糸をボビンに巻き取る。
の粗糸を通過させる1対のバックローラーと、バックロ
ーラーを通過した3本の粗糸を通過させる1対のエプロ
ンを有するセカンドローラーと、エプロンを有するセカ
ンドローラーを通過した3本の粗糸を通過させる前記の
1対のフロントローラーとからなり、さらに、バックロ
ーラーの粗糸供給側に3本の粗糸の繊維束を分散する穴
を設けた1個のトランペットを備える。ここで、トラン
ペットの穴の間隔は2〜5mmである。
は、3本の粗糸を通過させる1対のバックローラーと、
バックローラーを通過した3本の粗糸を通過させる1対
のエプロンを有するセカンドローラーと、エプロンを有
するセカンドローラーを通過した3本の粗糸を通過させ
る前記の1対のフロントローラーとからなり、さらに、
前記のエプロンを有するセカンドローラーと前記のフロ
ントローラーとの間に、3本の粗糸を案内するコレクタ
ーが配置される。
れた3本の粗糸をドラフトし、ドラフトした3本の粗糸
を撚りを与えつつ同一方向に交撚して1本の糸を得る。
の粗糸をドラフトし、ドラフトした3本の粗糸に撚りを
与えつつ同一方向に交撚して得られた糸である。また、
本発明に係る織編物は、この糸を用いて製織または製編
して得られた織編物である。
明の実施の形態を説明する。綿糸の精紡について説明す
ると、まず、混打綿工程において、原綿の繊維塊を解き
ほぐし、梳綿工程において、繊維に含まれている不純物
を除去して、繊維をある程度平行な状態に束ねる。この
ような状態をカードスライバーという。さらに、用途に
よっては精梳綿工程において、短い繊維を取り除き、残
った繊維の平行度と均整度を高め、ひも状にする。この
ような状態をコーマスライバーという。さらに、練条工
程では、複数本のカードスライバーまたはコーマスライ
バーを併合させて引き伸ばし、長手方向の太さむらを無
くす。このような状態を練条スライバーという。スライ
バーとは、撚りのない帯状またはロープ状にした繊維の
集合体をいい、上述のようにカード機、コーマ機、練条
機で作られる。次に、粗紡工程において、スライバーを
所定の太さまで引き伸ばすと共に繊維を平行にし、次工
程への供給に適当な強度を持たせるために撚りをかけて
ボビンに巻き取る。この状態を粗糸という。粗糸とは、
精紡の準備のためにスライバーから作られた比較的細い
繊維の集合体である。次に、精紡工程において、粗糸を
所要の太さに引き延ばし、適当な撚りを与えてボビンに
巻き取る。この状態の糸を精紡管糸という。最後に、仕
上工程において、精紡管糸を十数本継ぎ足し、更に長い
連続した糸としてパッケージに巻き返すと共に、糸に含
まれる基準番手に対して太い箇所や細い箇所等の欠点を
除去する。
造する。本発明では、粗紡工程で得られた粗糸を3本並
列に供給し、それらを合わせて3本の精紡交撚糸とす
る。すなわち、3本の粗糸を精紡交撚せしめて1本の紡
績糸を製造する。精紡機として、図1に示すリング精紡
機を使用する場合について説明する。リング精紡機は、
バックローラー18、20からフロントローラー32、
34までのドラフト装置と、スネルワイヤー38からト
ラベラー40までの加撚巻取装置からなる。ドラフト装
置は、粗糸をドラフトし、巻取装置は、ドラフトされた
粗糸を撚りを与えつつ同一方向に交撚し、得られた糸を
ボビンに巻き取る。
ンから3本の粗糸10,12,14が、3本の粗糸の繊
維束を分散する穴を設けた1個のトランペット16を通
して供給されると、粗糸10,12,14をそれぞれ上
下のバックローラー18、20の間に導入して所定速度
で通過させる。
が1列に等間隔に設けられている。穴の形状は、入口側
が広く、しだいに狭くなり、出口側では狭いが同じ幅の
溝となっている。穴の間隔は番手に依存して適正に設定
する。たとえば、英式綿番手30番手より太い番手は、
3〜5mmの穴の間隔が最適である。3mmより狭いと繊維
束がドラフト装置内で重なってしまい、ドラフト不良が
起こるか、または、最終のフロントローラー32,34
を出た後のフリース36が3つに分散されず、本発明の
目的である均整度や光沢を更に上げた紡績糸を得ること
が出来ない。5mmより広いとドラフト装置内で繊維束が
重なるという現象は起こらないが、最終フロントローラ
ーを出た後に、それぞれのフリースが1本に結合され
ず、所用の番手を得ることが困難になり、また目的の紡
績糸を得ることができない。30番手より細い番手で
は、穴の間隔は2〜3mmが最適である。2mmより狭いと
きや、3mmより広いときでは前述したような現象が起こ
り、本発明の目的とする紡績糸を得ることが出来ない。
ンドローラー(すなわち、セカンドローラー22、24
およびそれと共に動作する上下のエプロン26、28)
の間を通す。ここで繊維束をしっかりと把持して加重を
かけ、ドラフトむらのないように制御しながらドラフト
する。
は、次に、それぞれ、コレクタ30に設けた凹部を通す
ことにより適当な間隔に保つ。図2と図3は、コレクタ
ー30の構造を示す。粗糸は、コレクター30に設けた
3つの溝を通って、それぞれ最後のローラー(フロント
ローラー32、34)に案内される。3つの溝は、図2
と図3に示す2つの面にわたって連続的に形成されてい
て、いずれも入口側が広く、しだいに狭くなり、出口側
では狭いが同じ幅の溝となっている。なお、コレクタ3
0は、フロントローラー32、34の近くに設置され
る。
がドラフト装置を通過するときに各繊維束の重なりを防
ぐためと、フロントローラー32,34から出たフリー
ス36が切れることなく1本に結合されるためである。
各粗糸が通過する溝の巾と番手との関係は、トランペッ
ト16の穴の間隔と同一である。
ー32、34の間を通過させてドラフトして、薄い層状
のフリース36を形成する。
フリース36は、次に、スネルワイヤー38を通過させ
る。次いでリング精紡により、トラベラー40によっ
て、トラベラー1回転で1回の割合で撚りをかけ、得ら
れた糸(精紡管糸)を管糸ボビン42に巻き取る。
紡交撚糸は、1本の粗糸からなる紡績糸または2本の粗
糸からなる精紡交撚糸に比べて、毛羽の数が少なくな
り、糸の均整度がさらにあがる。また、長手方向にさら
に糸の丸みがでてきて、太さのばらつきが減る。このた
め、この精紡交撚糸から得られた生地は、糸の乱反射が
なくなり、生地面がきれいになり、また、ハリコシがあ
る。
することにより織編物(織物と編物を含む総称)の生地
が得られる。後で説明される実施例のように、得られた
織編物は、糸の均整度に優れ毛羽が少なく、また、風合
い、光沢感において優れている。これは、得られた紡績
糸の対称性が高いためと考えられる。3本の粗糸を撚り
合わすので、3回対称の糸が得られる。図4に図式的に
示すように3本の粗糸(実際にはフリース)が120度
の角度で組み合わされて、撚りを与えられて1本に結合
されていくので、得られた紡績糸も3回対称性を有して
いる。(また、糸や生地を分析することにより、3本の
粗糸から製造された紡績糸であるか否かが判別でき
る。)これに対し、従来の2本の粗糸を交撚した紡績糸
からは2回対称の糸が得られる。2回対称と3回対称と
比べると分かるように、3回対称の方がはるかに円対称
に近いため、得られた糸において、毛羽がさらに減少
し、糸の均整度がはるかに向上し、長手方向にさらに糸
の丸みを帯びたと考えられる。また、これを反映して製
品の風合いや光沢感がよくなっている。
限定せず、綿のほか、合成繊維(ポリエステル、アクリ
ル、ナイロンなど)、再生繊維(レーヨンなど)、天然繊
維(麻など)、獣毛(羊毛など)が使用できる。
わせ、紡績することで、色々な表情を持つ製品を得るこ
とも出来る。たとえば、3本の粗糸の内の1本をポリエ
ステル100%、他の2本を綿100%にして製造され
た精紡交撚糸は、製織または製編の後に、綿だけを染色
することで、今までにない微細な霜降り感を表現する製
品を提供できる。
も考えられるが、精紡機の構成と作業性・生産性を考慮
すると、実用上は3本の粗糸を交撚するのが適してい
る。
る。有効繊維長1.38インチ、繊度3.7MIKの原
綿100%を、混打綿工程、梳綿工程、清流綿工程、練
条工程を経て練条スライバーとして、これに撚りをかけ
ながらボビンに巻き取る粗紡工程を経て粗糸とし、3本
の粗糸を図1に示すリング精紡機にて精紡交撚せしめた
紡績糸(英式綿番手30番手)を製造した。その紡績糸
を経糸・緯糸に使用して経糸密度150本/インチ、緯
糸密度80本/インチの織物を製造した。なお、比較例
1として、同じ原綿100%の粗糸を2本使用して精紡
交撚せしめた紡績糸(英式綿番手30番手)を製造し、
実施例と同一な織り組織の織物と、また、比較例2とし
て、同じ原綿100%の1本の粗糸から精紡した単糸も
製造し、実施例と同一な織物を製造した。
例)の特性を示す。
た。 1.単糸強力は、JISのL−1095に従って定速伸
長型試験機にて60回の試験を繰り返し、その平均値
と、最低の値を示した6回の平均値を求めた。 2.糸の太さむら(IPI)の測定では、JISのL−
1095に従って糸速度400m/min で3回試験を行な
ってTHIN, THICK, NEPについての個数を求めた。 3.糸の太さむら(U)は、JISのL-1095に従
って評価した。 4.毛羽は、JISのL−1095に従って3mm,5mm
の長さの毛羽の個数を求めた。 5.風合いは、ハンドリングテストにより生地のハリコ
シについて測定した。 6.光沢は、視覚テストにより測定した。なお、風合い
と光沢において、○、△、×は優、普通、悪いの3段階
評価を表わす。
I)、毛羽の各性能とも、本実施例の精紡交撚糸が、比
較例の精紡交撚糸、単糸と比べて良い数値を示してい
る。また、本実施例の精紡交撚糸から得られた生地は、
比較例の生地と比べ、風合い、光沢感において優れてい
る。
の粗糸から製造した糸に比べて、毛羽の数がさらに少な
くなり、糸の均整度がさらにあがり、長手方向にさらに
糸の丸みがでてくる。また、この糸から得られた織編物
は、糸の乱反射がなくなるため生地ズラがきれいにな
り、また、ハリコシがある。
隔を適正にするので、ドラフト装置内での繊維束同士の
重なりもなく、また、糸切れすることもなく紡績され、
均整度に優れ、毛羽の数が少なく、長手方向にさらに糸
の丸みを帯びた紡績糸を提供できる。
で、ドラフト装置内での繊維束同士の重なりもなく、ま
た、糸切れすることもなく紡績され、均整度に優れ、毛
羽の数が少なく、長手方向にさらに糸の丸みを帯びた紡
績糸を提供できる。
18、20 バックローラー、 22,24 セカ
ンドローラー、 26,28 エプロン、30 コレ
クター、 32、34 フロントローラー、 40
トラベラー、 42 ボビン。
Claims (6)
- 【請求項1】 並列に供給された3本の粗糸をドラフト
するドラフト装置であって、粗糸をドラフトし通過させ
る最低上下3対のローラーを含むドラフト装置と、 ドラフト装置のローラーを通過した3本の粗糸を撚りを
与えつつ同一方向に交撚し、得られた糸をボビンに巻き
取る巻取装置とからなる精紡装置。 - 【請求項2】 前記のドラフト装置は、3本の粗糸を通
過させる1対のバックローラーと、バックローラーを通
過した3本の粗糸を通過させる1対のエプロンを有する
セカンドローラーと、エプロンを有するセカンドローラ
ーを通過した3本の粗糸を通過させる前記の1対のフロ
ントローラーとからなり、さらに、前記のバックローラ
ーの粗糸供給側に3本の粗糸の繊維束をそれぞれ分散す
る穴を設けた1個のトランペットを備え、トランペット
の穴間隔を2〜5mmにしたことを特徴とする請求項1
に記載された精紡装置。 - 【請求項3】 前記のドラフト装置は、3本の粗糸を通
過させる1対のバックローラーと、バックローラーを通
過した3本の粗糸を通過させる1対のエプロンを有する
セカンドローラーと、エプロンを有するセカンドローラ
ーを通過した3本の粗糸を通過させる前記の1対のフロ
ントローラーとからなり、さらに、前記のエプロンを有
するセカンドローラーと前記のフロントローラーとの間
に、3本の粗糸を案内するコレクターが配置されたこと
を特徴とする請求項1または2に記載された精紡装置。 - 【請求項4】 並列に供給された3本の粗糸をドラフト
し、ドラフトした3本の粗糸に撚りを与えつつ同一方向
に交撚して1本の糸を得る精紡方法。 - 【請求項5】 並列に供給された3本の粗糸をドラフト
し、ドラフトした3本の粗糸に撚りを与えつつ同一方向
に交撚して得られた糸。 - 【請求項6】 請求項5に記載された糸を用いて製織ま
たは製編して得られた織編物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002118373A JP3967622B2 (ja) | 2002-04-19 | 2002-04-19 | 精紡方法、交撚糸、織物および編物 |
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JP2006083476A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Kurabo Ind Ltd | 精紡方法、交撚糸および織編物 |
CN102312305A (zh) * | 2011-08-23 | 2012-01-11 | 东华大学 | 一种易掉屑短纤维的三轴系复合纺纱装置及纺纱方法 |
KR101302894B1 (ko) | 2012-04-18 | 2013-09-17 | 일신방직주식회사 | 방적사 제조방법 및 방적사 제조장치 |
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JP2018172815A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | ユニチカトレーディング株式会社 | リング精紡交撚糸、該リング精紡交撚糸を含む織編物、及び該リング精紡交撚糸の製造方法 |
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2002
- 2002-04-19 JP JP2002118373A patent/JP3967622B2/ja not_active Expired - Lifetime
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