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JP2003311547A - 圧入結合方法 - Google Patents

圧入結合方法

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Publication number
JP2003311547A
JP2003311547A JP2002124323A JP2002124323A JP2003311547A JP 2003311547 A JP2003311547 A JP 2003311547A JP 2002124323 A JP2002124323 A JP 2002124323A JP 2002124323 A JP2002124323 A JP 2002124323A JP 2003311547 A JP2003311547 A JP 2003311547A
Authority
JP
Japan
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press
fitting
portions
valley
valleys
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002124323A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Hashimoto
優 橋本
Motoyoshi Watanabe
元喜 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002124323A priority Critical patent/JP2003311547A/ja
Publication of JP2003311547A publication Critical patent/JP2003311547A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧入の進行方向に沿って延設された複数の山部
及び谷部よりなる凹凸係合部が第1圧入部に設けられた
第1部材の該第1圧入部と第2部材の第2圧入部とを圧
入により結合する圧入結合方法において、圧入容易性を
確保しつつ、両部材間の気密性や液密性を確保する。 【解決手段】 第1圧入部としての外周縁端部11には
山部12及び谷部13よりなる凹凸係合部14が予め設
けられている。谷部13には、圧入の進行途中で第2圧
入部としての内側円筒部23に当接しうる膨出部として
の直線状テーパ部15が予め設けられている。谷部13
と内側円筒部23との間に隙間を設けつつ、山部12が
内側円筒部23に食い込むように圧入する圧入第1段階
と、山部12及び直線状テーパ部15が内側円筒部23
に食い込むように圧入する圧入第2段階とを順に実施す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧入結合方法に関
し、詳しくは圧入の進行方向に沿って延設された複数の
山部及び谷部よりなる凹凸係合部が第1圧入部に設けら
れた第1部材の該第1圧入部と、該第1部材よりも硬度
の低い第2部材の第2圧入部とを圧入により結合する圧
入結合方法に関する。本発明の圧入結合方法は、例えば
車両用オートマチック部品のドラムやハブをシャフトに
結合する場合に好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】自動車用オートマチック部品としてのド
ラムやハブは、シャフトに対して一体的に結合されてい
る。かかるドラムやハブとシャフトとの結合には、電子
ビーム溶接やレーザ溶接等が利用されている。
【0003】一方、特開昭62−13825号公報に
は、ギア部とドラム部とを圧入結合するとともにかしめ
締結することにより一体的に結合したドラム付きクラッ
チギアが開示されている。
【0004】この特開昭62−13825号公報に開示
されたドラム付きクラッチギアは、図24に示されるよ
うに、歯部80aが外周面に設けられるとともに軸方向
に延びる所定深さで環状の結合溝81が一端側の厚肉部
82端面に設けられた略円筒状のギア部80と、噛合い
凹凸部83aが一端開口縁に設けられるとともに該結合
溝81と嵌合可能な結合用円筒部84が他端に設けられ
たドラム部83とからなる。
【0005】そして、ギア部80の結合溝81内にドラ
ム部83の結合用円筒部84を圧入した後、厚肉部82
の内周側端縁82aを結合用円筒部84の傾斜内周縁8
4aにプレス等によりかしめるか、又はレーザ溶接する
ことにより、ギア部80とドラム部83とが一体的に結
合されている。なお、ギア部80側の結合溝81及びド
ラム部83側の結合用円筒部84の少なくとも一方の周
面にセレーション部85が設けられており、これにより
ねじりトルクに対する結合強度を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電子ビーム
溶接やレーザ溶接を利用して2つの部材を結合する場
合、電子ビームやレーザを発生させるべく、特殊な溶接
装置の使用や多大な電力消費が必要となり、コスト高と
なる。
【0007】一方、圧入結合及びかしめ締結を利用して
2つの部材を結合する場合は、プレス機械等の使用のみ
で足りるため、接合に要するコストの面では有利とな
る。しかし、前記公報の技術にみられるように、ギア部
80とドラム部83との軸方向における結合位置を定め
るべく、所定深さの結合溝81及び所定長さの結合用円
筒部84を予め設けておく必要があり、結合構造が複雑
となり、部材の加工コストが大きくなる。
【0008】そこで、本願出願人は、圧入及びかしめ加
工を利用して2つの部材を一体的に結合する方法におい
て、圧入の進退方向における結合位置を定めるための位
置決め部を予め設けることを不要として、結合構造の簡
素化により部材の加工コストを低減させるのに有利とな
る圧入・かしめ結合方法を先に提案している(特願20
00−325808号)。
【0009】この圧入・かしめ結合方法では、図25に
示されるように、例えば、外周縁端部90を有するシャ
フト91と、このシャフト91よりも硬度の低い材料よ
りなり、内側円筒部92を有するハブ93とを一体的に
結合する場合、まず、ハブ93の内側円筒部92内にシ
ャフト91の外周縁端部90を圧入する。このとき、外
周縁端部90が内側円筒部92の内周面に押し込まれて
圧入されるため、該外周縁端部90で押し流される内側
円筒部92の材料流動により、該外周縁端部90の圧入
進行側における内側円筒部92の内周面に棚部94が形
成される。そして、パンチ等で内側円筒部92の内周側
上端面を押圧し押し潰すことにより、外周縁端部90の
圧入後退側における内側円筒部92の内周面にかしめ加
工を施してかしめ加工部95を形成する。
【0010】こうして、外周縁端部90が内側円筒部9
2に圧入されるとともに、該外周縁端部が内側円筒部9
2の内周面に形成された棚部94及びかしめ加工部95
間で軸方向に挟持されることにより、シャフト91とハ
ブ93とは軸方向における相対移動が確実に規制され
る。このとき、外周縁端部90を内側円筒部92に圧入
すると同時に、両者間の軸方向における位置決め精度及
び結合強度を確保するための棚部24を成形することが
できることから、予め位置決め部を設けておく必要がな
く、しかも結合構造も簡素となるため、部材の加工コス
トを低減することが可能となる。
【0011】ところで、この圧入・かしめ結合方法で
は、シャフト91とハブ93との相対回転を規制すべ
く、外周縁端部90の外周端面に、圧入の進行方向に沿
って延設された複数の山部96a及び谷部96bよりな
る凹凸係合部(セレーション部)96を予め設けておく
ことができる(図26参照)。こうすれば、外周縁端部
90を内側円筒部92に圧入したとき、凹凸係合部96
が内側円筒部92に食い込みながら該内側円筒部92の
内周面の上端から押し込まれて圧入されるため、該凹凸
係合部96の山部96a及び谷部96bと互いに係合し
合う形成谷部97a及び形成山部97bよりなる凹凸被
係合部97が内側円筒部92の内周面に該凹凸係合部9
6と対応して形成される。したがって、互いに係合する
凹凸係合部96及び凹凸被係合部97により、シャフト
91とハブ93との相対回転を確実に規制することがで
きる。
【0012】ここに、予め凹凸係合部96が設けられた
外周縁端部90を内側円筒部92に圧入する場合、圧入
容易性や圧入可能性を確保するには、図26に示される
ように、凹凸係合部96のうち山部96aのみを内側円
筒部92の内周面に食い込ませるように圧入することが
求められる。山部96a及び谷部96bの双方、すなわ
ち凹凸係合部96の全体を内側円筒部92の内周面に食
い込ませながら圧入しようとすると、極めて大きな圧入
荷重が必要となり、また、材料の組合せによってはその
ような圧入形態が不可能となる。
【0013】ところが、凹凸係合部96のうち山部96
aのみを内側円筒部92の内周面に食い込ませるように
圧入すると、凹凸係合部96の谷部96bと、この谷部
96b内に入り込むように形成された凹凸被係合部97
の形成山部97bとの間には、圧入の進行方向に沿って
全体に延びる隙間Sが形成されることになる。そうする
と、この隙間Sを介して気体や液体が圧入の進退方向に
流通することとなり、シャフト91及びハブ93間で気
密性や液密性に欠け、例えば油漏れの問題が発生する。
【0014】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、圧入の進行方向に沿って延設された複数の山部及
び谷部よりなる凹凸係合部が第1圧入部に設けられた第
1部材の該第1圧入部と第2部材の第2圧入部とを圧入
により結合する圧入結合方法において、圧入容易性を確
保しつつ、両部材間の気密性や液密性を確保することの
できる圧入結合方法を提供することを解決すべき技術課
題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1記載の圧
入結合方法は、圧入の進行方向に沿って延設された複数
の山部及び谷部よりなる凹凸係合部が第1圧入部に予め
設けられた第1部材の該第1圧入部と、該第1部材より
も硬度の低い第2部材の第2圧入部とを圧入により結合
する圧入結合方法であって、上記第1圧入部の各上記谷
部及び上記第2圧入部のうちの一方には、圧入の進行途
中で各該谷部及び該第2圧入部のうちの他方と当接しう
る膨出部が圧入の進行方向において部分的に予め設けら
れ、各上記谷部と上記第2圧入部との間に隙間を設けつ
つ、上記第1圧入部の各上記山部が上記第2圧入部に食
い込むように圧入する圧入第1段階と、各上記山部が上
記第2圧入部に食い込むとともに、各上記谷部及び上記
第2圧入部のうちの一方に設けられた上記膨出部と各該
谷部及び該第2圧入部のうちの他方とが食い込み合うよ
うに圧入する圧入第2段階とを順に実施し、上記凹凸係
合部の各上記山部及び各上記谷部と互いに係合し合う形
成谷部及び形成山部よりなる凹凸被係合部を上記第2圧
入部に形成するとともに、各該谷部及び該第2圧入部の
うちの一方に設けられた上記膨出部と各該谷部及び該第
2圧入部のうちの他方との食い込みにより、該谷部と該
第2圧入部との間に設けられた上記隙間を圧入の進行方
向の少なくとも一部で埋めることを特徴とするものであ
る。 (2)請求項2記載の圧入結合方法は、請求項1記載の
圧入結合方法において、圧入の進行方向と略直交する方
向で前記第1部材側に前記第2部材の材料を塑性流動さ
せる材料案内部としても機能しうる前記膨出部が各前記
谷部に設けられ、前記圧入第2段階では、各上記谷部に
設けられた各上記膨出部が各前記山部と共に前記第2圧
入部に食い込むことにより、前記第2部材の材料が圧入
進行方向の他に該圧入進行方向と略直交する方向で前記
第1部材側にも塑性流動することを特徴とするものであ
る。 (3)請求項3記載の圧入結合方法は、請求項2記載の
圧入結合方法において、材料案内部としても機能しうる
各前記膨出部は、圧入進行側よりも圧入後退側の方が浅
底となるように各前記谷部に設けられた略テーパ状底面
により形成されることを特徴とするものである。 (4)請求項4記載の圧入結合方法は、請求項1、2又
は3記載の圧入結合方法において、前記第1圧入部及び
前記第2圧入部のうちの一方は円筒部であり、他方は該
円筒部の最小内径よりも大きな最大外径を有する外周縁
端部であることを特徴とするものである。 (5)請求項5記載の圧入結合方法は、請求項1、2、
3又は4記載の圧入結合方法において、前記圧入第2段
階の後に、圧入後退側における前記第2圧入部にかしめ
加工を施してかしめ加工部を形成するかしめ工程を実施
することを特徴とするものである。 (6)請求項6記載の圧入結合方法は、圧入の進行方向
に沿って延設された複数の山部及び谷部よりなる凹凸係
合部が第1圧入部に設けられた第1部材の該第1圧入部
と、該第1部材よりも硬度の低い第2部材の第2圧入部
とを圧入により結合する圧入結合方法であって、各上記
谷部と上記第2圧入部との間に隙間を設けつつ、各上記
山部が該第2圧入部に食い込むように圧入し、上記凹凸
係合部の各該山部及び各該谷部と互いに係合し合う複数
の形成谷部及び形成山部よりなる凹凸被係合部を該第2
圧入部に形成する圧入工程と、上記第2圧入部の各上記
形成山部の端面をピンポイントで部分的にかしめること
により複数の部分かしめ加工部を形成し、各上記谷部と
各該形成山部との間に設けられた各隙間を該部分かしめ
加工部でそれぞれ塞ぐ部分かしめ工程とを順に実施する
ことを特徴とするものである。 (7)請求項7記載の圧入結合方法は、請求項6記載の
圧入結合方法において、前記第1圧入部及び前記第2圧
入部のうちの一方は円筒部であり、他方は該円筒部の最
小内径よりも大きな最大外径を有する外周縁端部である
ことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】「本発明」(「本第1発明」(請
求項1〜5に係る発明。以下、同様。)及び「本第2発
明」(請求項6、7に係る発明。以下、同様。)の総
称。以下、同様。)の圧入結合方法は、圧入の進行方向
に沿って延設された複数の山部及び谷部よりなる凹凸係
合部が第1圧入部に設けられた第1部材の該第1圧入部
と、該第1部材よりも硬度の低い第2部材の第2圧入部
とを圧入により結合するものである。
【0017】そして、「本発明」の圧入結合方法では、
第1部材の第1圧入部に予め設けられた凹凸係合部の各
山部が第2部材の第2圧入部に食い込むように圧入する
ことにより、該凹凸係合部の各該山部及び各該谷部と互
いに係合し合う複数の形成谷部及び形成山部よりなる凹
凸被係合部を該第2圧入部に形成する。この第1部材の
凹凸係合部と第2部材の凹凸被係合部との係合により、
第1部材と第2部材との間で、圧入の進退方向に直交す
る方向における結合強度を高めることができ、該直交方
向における第1部材及び第2部材間の相対移動を確実に
規制することが可能となる。このとき、第1部材の第1
圧入部及び第2部材の第2圧入部のうちの一方は円筒部
であり、他方は該円筒部の最小内径よりも大きな最大外
径を有する外周縁端部であれば、両部材間の相対回転を
上記凹凸係合部及び凹凸被係合部で確実に規制すること
が可能となる。
【0018】また、第1圧入部の各山部が第2圧入部に
食い込むように圧入することにより、各該山部で圧入進
行方向に押し流される第2部材の材料の塑性流動により
各該山部の圧入進行側における第2圧入部に棚部を形成
することができる。こうして形成された第2圧入部の棚
部により、第2部材に対して第1部材が圧入進行側に相
対移動することを確実に規制することができ、位置決め
精度や結合強度を高めることができる。
【0019】そして、「本発明」の圧入結合方法では、
上記棚部が圧入工程時に形成されることから、位置決め
精度や結合強度を確保するための位置決め部や結合部
(前述した従来例における結合溝81や結合用円筒部8
4等)等を予め設けておく必要がなく、しかも結合構造
も簡素となる。したがって、部材の加工コストを低減さ
せることが可能となる。
【0020】なお、上記棚部の大きさは、圧入代(第1
圧入部の山部と第2圧入部との重なり幅)及び圧入長
(圧入により第1部材が押し込まれる長さ)によって適
宜設定可能である。ただし、圧入方向における結合力を
適切に確保しうるように、該棚部の大きさを設定するこ
とが好ましい。具体的には、該棚部は、第2圧入部から
突出して第1圧入部のと重なる部分の長さが1.0〜
3.0mm程度となり、圧入方向における厚さが0.2
〜0.6mm程度となるような大きさとすることが好ま
しい。
【0021】上記第1部材及び上記第2部材の形状は特
に限定されない。例えば、角材、板材や長尺材等とする
ことができる。
【0022】好適には、第1部材の第1圧入部及び第2
部材の第2圧入部のうちの一方は円筒部とし、他方は該
円筒部の最小内径よりも大きな最大外径を有する外周縁
端部とすることができる。こうすれば、第1部材及び第
2部材間で、第2部材に対して第1部材が圧入進行側に
相対移動することを上記棚部により確実に規制すること
ができるとともに、両部材間の相対回転を上記凹凸係合
部及び凹凸被係合部で確実に規制することが可能とな
る。
【0023】第1部材の第1圧入部に予め設けておく凹
凸係合部は、プレス又は切削加工により山部(歯丈)の
高いものとしておくことにより、第1部材及び第1部材
間の相対回転をより確実に規制することが可能となる。
具体的には、この凹凸係合部における山部(歯丈)の高
さは、0.9〜1.5mm程度とすることが好ましい。
また、「本発明」の圧入結合方法では、第2部材の硬
度を第1部材の硬度よりも低いものとする。第2部材の
硬度が第1部材の硬度よりも高いと、後述する圧入工程
時に、第2部材の第2圧入部に後述する凹凸被係合部等
を形成することができないからである。具体的には、ビ
ッカース硬さで、第1部材の硬度を450Hv程度以上
とするとともに第2部材の硬度を80〜150Hv程度
とし、かつ、第1部材の硬度を第2部材の硬度の3倍以
上高くすることが好ましい。
【0024】ここに、「本第1発明」の圧入結合方法で
は、上記第1圧入部の各上記谷部及び上記第2圧入部の
うちの一方には、圧入の進行途中で各該谷部及び該第2
圧入部のうちの他方(相手側)と当接しうる膨出部が圧
入の進行方向において部分的に予め設けられており、圧
入工程が圧入第1段階と圧入第2段階とからなる。
【0025】上記圧入第1段階では、各上記谷部と上記
第2圧入部との間に隙間を設けつつ、上記第1圧入部の
各上記山部が上記第2圧入部に食い込むように圧入す
る。この圧入第1段階では、上記膨出部は相手側と当接
していない。
【0026】上記圧入第2段階では、各上記山部が上記
第2圧入部に食い込むとともに、上記膨出部と相手側と
が食い込み合うように圧入する。
【0027】かかる圧入第1段階及び圧入段2段階を順
に実施することにより、上記凹凸係合部の各上記山部及
び各上記谷部と互いに係合し合う形成谷部及び形成山部
よりなる凹凸被係合部を上記第2圧入部に形成するとと
もに、各該谷部及び該第2圧入部のうちの一方に設けら
れた上記膨出部と各該谷部及び該第2圧入部のうちの他
方(相手側)との食い込みにより、該谷部と該第2圧入
部との間に設けられた上記隙間を圧入の進行方向の少な
くとも一部で埋める。これにより、第1圧入部の谷部と
第2圧入部との間の隙間を介して気体や液体が圧入の進
退方向に流通することがなくなり、第1部材及び第2部
材間で気密性や液密性を確保することができる。
【0028】また、圧入第1段階では、第1圧入部の凹
凸係合部のうち各山部のみが第2圧入部に食い込むよう
に圧入するため、圧入容易性も良好に確保することがで
きる。
【0029】上記膨出部の形状としては、圧入の進行方
向に対して略直交する方向で相手側に向かって突出して
膨出するものであれば特に限定されず、例えば、段状に
膨出した段部や湾曲状に膨出した湾曲部としたり、ある
いは直線状又は弓なり状に傾斜して膨出したテーパ部と
したりすることができる。ただし、この膨出部を第1圧
入部の各谷部に設ける場合は、後述するように、圧入進
行側よりも圧入後退側の方が浅底となるように各該谷部
に設けられた略テーパ状底面により該膨出部を形成する
ことが好ましい。
【0030】上記膨出部が第1圧入部の各谷部に設けら
れる場合、この膨出部は、圧入の進行方向と略直交する
方向で第1部材側に第2部材の材料を塑性流動させる材
料案内部としても機能しうる。すなわち、第2部材より
も硬度の高い第1部材の各谷部に膨出部が設けられてい
れば、圧入第2段階で、各該谷部に設けられた各該膨出
部が各山部と共に第2圧入部に食い込むことにより、第
2部材の材料が該膨出部で案内されて押し流され、圧入
進行方向の他に該圧入進行方向と略直交する方向で第1
部材側にも塑性流動することになる。このため、圧入第
2段階で、各膨出部が第2圧入部に食い込む部分よりも
圧入進行側において、各谷部と第2圧入部との間の隙間
をより確実に第2部材の材料で埋めることができる。
【0031】そして、上記膨出部を第1圧入部の各谷部
に設ける場合は、上記材料案内部としての機能をより効
果的に果たさせるべく、圧入進行側よりも圧入後退側の
方が浅底となるように各谷部に設けられた略テーパ状底
面により膨出部を形成することが好ましい。こうすれ
ば、圧入第2段階で、第2部材の材料が略テーパ状底面
で案内されて塑性流動することにより、該第2部材の材
料が圧入進行方向と略直交する方向で第1部材側により
円滑かつ積極的に塑性流動することになるため、各膨出
部が第2圧入部に食い込む部分よりも圧入進行側におい
て、各谷部と第2圧入部との間の隙間をより一層、確実
に第2部材の材料で埋めることが可能となる。また、圧
入進行側よりも圧入後退側の方が浅底となる略テーパ状
底面により膨出部が形成されていれば、圧入容易性をよ
り良好に確保しつつ、圧入による結合力のさらなる向上
を図ることができ、気密性や液密性のさらなる向上にも
つながる。なお、上記略テーパ状底面は、直線状に傾斜
しているものに限らず、弓なり状に傾斜しているもので
あってもよい。
【0032】ここに、第1部材よりも硬度の低い第2部
材の第2圧入部に上記膨出部が設けられる場合は、圧入
第2段階で、第1圧入部の各谷部が第2圧入部の該膨出
部に食い込むことになるため、この膨出部は材料案内部
としては機能しない。ただし、第2圧入部に圧入進行方
向において部分的に膨出部が設けられていれば、圧入第
2段階で、第1圧入部の各谷部がこの膨出部に食い込む
ことにより、各該谷部が該膨出部に食い込む部分よりも
圧入進行側において、該膨出部の材料を圧入の進行方向
及び該進行方向と略直交する方向に塑性流動することに
なるため、各該谷部が該膨出部に食い込む部分のみなら
ず、この食い込み部分より圧入進行側においても、第1
圧入部の各谷部と第2圧入部との間の隙間を埋めること
ができる。
【0033】また、「本第1発明」の圧入結合方法で
は、上記圧入第2段階の後に、圧入後退側における上記
第2圧入部にかしめ加工を施してかしめ加工部を形成す
るかしめ工程を実施することが好ましい。かかるかしめ
工程を実施すれば、圧入後退側の第2圧入部に形成され
たかしめ加工部により、第2部材に対して第1部材が圧
入後退側に相対移動することを確実に規制することがで
きる。したがって、上記圧入第1段階及び上記圧入第2
段階よりなる圧入工程で形成された上記棚部と、かしめ
工程で形成された上記かしめ加工部との間で、第1部材
の第1圧入部を圧入の進退方向に挟持することができ、
この圧入の進退方向における両部材間の相対移動を確実
に規制することが可能となる。
【0034】なお、上記かしめ加工部の大きさは、圧入
方向における結合力を適切に確保しうるように設定する
ことが好ましい。具体的には、該かしめ加工部は、第2
圧入部から突出して第1圧入部と重なる部分の長さが
0.8〜1.2mm程度となり、圧入方向における厚さ
が0.5〜1.5mm程度となるような大きさとするこ
とが好ましい。
【0035】一方、「本第2発明」の圧入結合方法は、
圧入工程と、その後に実施する部分かしめ工程とからな
る。
【0036】上記圧入工程では、第1圧入部の各谷部と
第2圧入部との間に隙間を設けつつ、該第1圧入部の各
山部が該第2圧入部に食い込むように圧入し、凹凸係合
部の各該山部及び各該谷部と互いに係合し合う複数の形
成谷部及び形成山部よりなる凹凸被係合部を該第2圧入
部に形成する。
【0037】この圧入工程が終わった段階では、第1圧
入部の各谷部と第2圧入部との間に圧入の進退方向に延
びる隙間が存在している。
【0038】上記圧入工程後に実施される部分かしめ工
程では、上記第2圧入部の各上記形成山部の端面をピン
ポイントで部分的にかしめることにより複数の部分かし
め加工部を形成し、各上記谷部と各該形成山部との間に
設けられた各隙間を該部分かしめ加工部でそれぞれ塞
ぐ。
【0039】このようにピンポイントで部分的にかしめ
ることにより、全体を連続して均一にかしめる場合と比
較して、かしめ量(かしめる際の荷重方向に対して直交
する方向への変形量)を多くすることが可能となり、し
かも第1圧入部の各谷部と第2圧入部との間に存在する
各隙間の近傍を狙ってピンポイントでかしめることか
ら、第2圧入部の各形成山部の材料を各該隙間に確実に
塑性流動させることができ、こうして形成された各部分
かしめ加工部により各該隙間をそれぞれ確実に塞ぐこと
が可能となる。したがって、第1圧入部の谷部と第2圧
入部との間の隙間を介して気体や液体が圧入の進退方向
に流通することがなくなり、第1部材及び第2部材間で
気密性や液密性を確保することができる。
【0040】また、圧入工程では、第1圧入部の凹凸係
合部のうち各山部のみが第2圧入部に食い込むように圧
入するため、圧入容易性も良好に確保することができ
る。
【0041】さらに、第2圧入部の各上記形成山部の端
面をかしめることにより、圧入後退側における該第2圧
入部に形成された上記部分かしめ加工部により、第2部
材に対して第1部材が圧入後退側に相対移動することを
確実に規制することができる。したがって、上記圧入工
程で形成された上記棚部と、部分かしめ工程で形成され
た上記部分かしめ加工部との間で、第1部材の第1圧入
部を圧入の進退方向に挟持することができ、この圧入の
進退方向における両部材間の相対移動を確実に規制する
ことが可能となる。
【0042】なお、上記部分かしめ工程は、ピン型パン
チやV字ローラ等を用いて行うことができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、図
面を参照しつつ説明する。
【0044】[第1実施例]実施例1〜3に係る第1実
施例は、自動車用オートマチック部品としてのハブ及び
シャフトの結合に本第1発明を適用したものである。
【0045】(実施例1)図1に結合後の状態を示すよ
うに、シャフト1とハブ2とが一体的に結合されてい
る。
【0046】シャフト1は、軸直角断面形状が円形のパ
イプ状をなし、一端から遠心方向に水平に階段状に延出
して、内周側の第1水平部と外周側の第2水平部とをも
つ鍔部11を一体に有している。このシャフト1は、本
第1発明に係る第1部材を構成し、鍔部11の第2水平
部たる外周縁端部11aが本第1発明に係る第1圧入部
を構成する。
【0047】ハブ2は、外側円筒部21と、この外側円
筒部21の下端から求心方向に一体に略水平に延出する
水平フランジ部22と、この水平フランジ部22の求心
側端縁から垂直に上方に向かって一体に延出する内側円
筒部23とから構成されている。このハブ2は、本第1
発明に係る第2部材を構成し、内側円筒部23が本第1
発明に係る第2圧入部を構成する。なお、外側円筒部2
1及び内側円筒部23は同軸をなし、外側円筒部21の
方が内側円筒部23よりも軸方向長さが長くされてい
る。
【0048】ここに、上記シャフト1の鍔部11の外周
縁端部11aは、ハブ2の内側円筒部23の内径よりも
若干大きな外径を有し、シャフト1の外周縁端部11a
がハブ2の内側円筒部23に圧入されている。
【0049】また、図2に示されるように、シャフト1
の外周縁端部11aの下側(後述する圧入工程における
圧入進行側。以下、同様。)における内側円筒部23の
内周面には棚部24が後述する圧入工程時に形成される
とともに、該外周縁端部11aの上側(後述する圧入工
程における圧入後退側。以下、同様。)における内側円
筒部23の該内周面にはかしめ加工部25が後述するか
しめ工程時に形成されており、該棚部24及び該かしめ
加工部25間で該外周縁端部11aが軸方向に挟持され
ている。
【0050】さらに、シャフト1の外周縁端部11aの
外周端面には、複数の山部12及び谷部13がそれぞれ
軸方向(後述する圧入工程における圧入の進退方向)に
沿って延在するセレーション部としての凹凸係合部14
が予め設けられており、また、ハブ2の内側円筒部23
の内周面には、形成谷部26及び形成山部27がそれぞ
れ軸方向に延在し、上記シャフト1の凹凸係合部12と
対応して係合された凹凸被係合部28が形成されている
(図7参照)。シャフト1の外周縁端部11aに予め設
けられた凹凸係合部14は、後述するようにプレス加工
によるもので、凹凸係合部14における山部(歯丈)の
高さは高トルクに対応すべく1.2mmとされている。
【0051】そして、シャフト1の外周縁端部11aに
予め設けられた凹凸係合部14の各谷部13には、後述
する圧入工程における圧入の進行途中(圧入第2段階)
で内側円筒部23の内周面と当接して材料案内部として
も機能しうる膨出部としての直線状テーパ部15が圧入
の進行方向において部分的(圧入後退側の部分)に予め
設けられている。
【0052】この直線状に傾斜して膨出した膨出部とし
ての直線状テーパ部15は、シャフト1の外周縁端部1
1aの下側から外周縁端部11aの上側に向かって徐々
に浅底となるように各谷部14に設けられた直線状のテ
ーパ状底面により形成されている(図2、図5等参
照)。
【0053】なお、上記シャフト1はビッカース硬さが
Hv800程度であるSCM420H(浸炭処理された
クロムモリブデン鋼)よりなり、上記ハブ2はビッカー
ス硬さがHv100程度であるSPHD(熱間圧延鋼
板)よりなる。また、上記棚部24は、内側円筒部23
の内周面から突出して外周縁端部11aと重なる部分の
長さが2.0mmであり、軸方向における厚さが0.4
mmである。さらに、上記かしめ加工部25は、内側円
筒部23の内周面から突出して外周縁端部11aと重な
る部分の長さが1.0mmであり、軸方向における厚さ
が1.0mmである。
【0054】また、シャフト1の外周縁端部11aの最
大外径(凹凸係合部14の山部12における外径)をD
1、外周縁端部11aの中間外径(凹凸係合部14の谷
部13の底が最も浅くなる外周縁端部11aの上端での
外径、すなわち谷部13における外径のうちの最大外
径)をD2、外周縁端部11aの最小外径(凹凸係合部
14の谷部13の底が最も深くなる外周縁端部11aの
下端での外径、すなわち谷部13における外径のうちの
最小外径)をD3、ハブ2の内側円筒部23の内径をd
1とした場合、D1〜D3及びd1の間には、D3<d
1<D2<D1の関係がある。
【0055】以下、本実施例における圧入結合方法を説
明する。
【0056】(セレーション成形工程)まず、パイプ状
素材からプレス加工等により一端に鍔部11を有するシ
ャフト1を所定形状に成形した後、図3に示すようにシ
ャフト1をダイス31のダイス穴31a内にセットし
た。このダイス31のダイス穴31aの内周面にはセレ
ーションとしての凹凸係合部14を成形するための歯部
31bが下方部に形成されている。なお、ハブ31bは
外周端部11aの各谷部13に直線状テーパ部15を形
成すべく、テーパ状の歯部とされている。また、ダイス
31のダイス穴31aの内径は、シャフト1の外周縁端
部11aの外径と略同一とされている。
【0057】そして、シャフト1の孔内に嵌合される中
央凸部32aと、シャフト1の鍔部11に当接される環
状当接面32bとを有する第1パンチ32でシャフト1
をダイス穴31a内に押し込んで、ダイス31の歯部3
1bで外周縁端部11aの外周端面に凹凸係合部14を
成形した。
【0058】このセレーション成形工程後のシャフト1
の外周縁端部11aについて、図3のA矢視図を図4に
示すとともに、図4のB−B線矢視断面図を図5(a)
に、図4のC−C線矢視断面図を図5(b)にそれぞれ
示す。
【0059】(圧入工程)次に、板状素材からプレス加
工等により外側円筒部21、水平フランジ部22及び内
側円筒部23を一体に有するハブ2を所定形状に成形し
た後、図6に示すように、中心孔33a及び段状部33
bを有する下型33上にハブ2をセットするとともに、
このハブ2上にリング型34をセットした。これによ
り、下型33及びリング型34でハブ2の水平フランジ
部22を挟持するとともに、リング型34の内周面でハ
ブ2の内側円筒部23の外周面を拘束した。なお、リン
グ型34で内側円筒部23を拘束するのは、圧入工程時
及びかしめ工程時における内側円筒部23の変形を防止
するためである。
【0060】そして、下型33の中心孔33a内にシャ
フト1をセットした。このとき、ハブ2の内側円筒部2
3はシャフト1の外周縁端部11aの外径よりも小さな
内径となるように予め切削加工されていることから、シ
ャフト1の外周縁端部11aは内側円筒部23の内周側
上端面上に置かれる。
【0061】そして、第2パンチ35でシャフト1を上
方から押し込んで、ハブ2の内側円筒部23内にシャフ
ト1の外周縁端部11aを圧入した。なお、圧入工程終
了時には、シャフト1の鍔部11のうち内周側の第1水
平部11bのみが下型33の段状部33bに当接し、外
周側の第2水平部たる外周縁端部11bと下型33の上
面との間に設けられた逃げ凹部内に後述する棚部24が
形成される。
【0062】このとき、圧入の初期段階から中間段階ま
での圧入第1段階では、外周縁端部11aに形成された
凹凸係合部14の各谷部13と内側円筒部23との間に
隙間を設けつつ、該凹凸係合部14の各山部12が内側
円筒部23に食い込むように圧入した。なお、この圧入
第1段階では、各谷部13に設けられた直線状テーパ部
15は内側円筒部23と当接していない。このように圧
入第1段階では、凹凸係合部14のうち各山部12のみ
が内側円筒部23に食い込むように圧入するため、圧入
容易性も良好に確保することができた。
【0063】そして、圧入の中間段階から最終段階まで
の圧入第2段階では、凹凸係合部14の各山部12が内
側円筒部23に食い込むとともに、上記直線状テーパ部
15が内側円筒部23に徐々に食い込むように圧入し
た。
【0064】このような圧入第1段階及び圧入段2段階
を経ることにより、上記凹凸係合部14の各山部12及
び各谷部13と互いに係合し合う形成谷部26及び形成
山部27よりなる凹凸被係合部28を内側円筒部23の
内周面に形成するとともに、凹凸係合部14の各山部1
2で押し流される内側円筒部23の材料の塑性流動によ
り各山部12の圧入進行側における該内側円筒部23の
内周面に棚部24を形成した。
【0065】また、上記圧入第2段階では、各谷部13
に設けられた上記直線状テーパ部15と内側円筒部23
との食い込みにより、各谷部13と内側円筒部23との
間の隙間を圧入後退側の部分(直線状テーパ部15と内
側円筒部23とが食い込んだ食い込み部分。図8(b)
のR部分)で埋めるとともに、材料案内部として機能し
うる直線状テーパ部15で内側円筒部23の材料が案内
されて押し流されるため、圧入進行方向(図8(a)の
P矢印方向)の他に該圧入進行方向と略直交する方向
(図8(a)のQ矢印方向)でシャフト1側にも塑性流
動させて、上記食い込み部分Rよりも圧入進行側におい
て各谷部13と内側円筒部23との間の隙間を内側円筒
部23の材料で埋めることができた。このとき、上記膨
出部が圧入進行側から圧入後退側に向かって徐々に浅底
となるように各谷部13に設けられた直線状テーパ部1
5により形成されているため、内側円筒部23の材料を
この直線状テーパ部15で案内させて塑性流動させるこ
とにより、該内側円筒部23の材料を上記Q矢印の方向
により円滑かつ積極的に塑性流動させることができ、上
記食い込み部分Rからより遠い圧入進行側(外周縁端部
11aの下端付近)まで、各谷部13と内側円筒部23
との間の隙間を埋めることができた。
【0066】また、上記膨出部が圧入進行側から圧入後
退側に向かって徐々に浅底となるように各谷部13に設
けられた直線状テーパ部15により形成されているた
め、上記圧入第2段階でも容易に圧入することができ
た。
【0067】なお、第2パンチ35は、パンチ部におけ
る外径が内側円筒部23の内径よりも若干小さくされて
おり、圧入工程終了時には、第2パンチ35のパンチ部
が内側円筒部23内に若干挿入する。また、圧入工程終
了時には、シャフト1の鍔部11の下面は下型33の上
面に当接する。
【0068】この圧入工程後のシャフト1の外周縁端部
11a及びハブ2の内側円筒部23について、図6のD
矢視図を図7に示すとともに、図7のE−E線矢視断面
図を図8(a)に、図7のF−F線矢視断面図を図8
(b)にそれぞれ示す。
【0069】(かしめ工程)最後に、図9に示すよう
に、かしめ加工部25を成形するための環状凸部36a
を下面の外周端部に有する第3パンチ36で、内側円筒
部23の内周側上端面を押圧して押し潰した。これによ
り、シャフト1の外周縁端部11aの圧入後退側におけ
る内側円筒部23の内周面にかしめ加工を施してかしめ
加工部25を形成した。
【0070】このかしめ工程後のシャフト1の外周縁端
部11a及びハブ2の内側円筒部23について、図9の
G矢視図を図10に示すとともに、図10のH−H線矢
視断面図を図11(a)に、図10のI−I線矢視断面
図を図11(b)にそれぞれ示す。
【0071】こうして、シャフト1とハブ2とは、シャ
フト1の外周縁端部11aがハブ2の内側円筒部23に
圧入されるとともに、該外周縁端部11aが内側円筒部
23の内周面に形成された棚部24及びかしめ加工部2
5間で軸方向に挟持されることにより、軸方向における
相対移動が確実に規制されている。また、シャフト1と
ハブ2とは、シャフト1の外周縁端部11aがハブ2の
内側円筒部23に圧入されるとともに、外周縁端部11
aの凹凸係合部14と内側円筒部23の凹凸被係合部2
8とが係合されることにより、相対回転も確実に規制さ
れている。したがって、このシャフト1及びハブ2の結
合は、軸方向及び回転方向の荷重に十分耐えうるものと
なる。
【0072】また、本実施例の圧入結合方法では、ハブ
2に対してシャフト1を圧入すると同時に、両者間の軸
方向における位置決め精度及び結合強度を確保するため
の棚部24と、両者間の回転方向における結合強度を確
保するための凹凸被係合部28とを成形することができ
るため、位置決め精度や結合強度を確保するための位置
決め部や結合部等を予め設けておく必要がなく、しかも
結合構造も簡素となる。したがって、部材の加工コスト
を低減させることが可能となる。
【0073】そして、上記圧入工程の実施により、シャ
フト1の外周縁端部11aの各谷部13と内側円筒部2
3との間の隙間がほとんどなくなっているため、気体や
液体が圧入の進退方向に流通することがなくなり、シャ
フト1及びハブ2間で気密性や液密性を確保することが
できた。
【0074】(実施例2)本実施例は、上記実施例1に
おいて、膨出部の形状を変更したものである。
【0075】図12に示されるように、シャフト1の外
周縁端部11aに予め設けられた凹凸係合部14の各谷
部13には、圧入工程における圧入の進行途中(圧入第
2段階)で内側円筒部23の内周面と当接して材料案内
部としても機能しうる膨出部としての弓なり状テーパ部
16が圧入の進行方向において部分的(圧入後退側の部
分)に予め設けられている。
【0076】この弓なり状に傾斜して膨出した膨出部と
しての弓なり状テーパ部16は、シャフト1の外周縁端
部11aの下側から外周縁端部11aの上側に向かって
徐々に浅底となるように各谷部14に設けられた弓なり
状のテーパ状底面により形成されている。
【0077】その他の構成は上記実施例1と同様であ
り、したがって本実施例2は上記実施例1と同様の作用
効果を奏する。
【0078】(実施例3)図13〜図15に示す本実施
例は、上記実施例1において、硬度の低いハブ2側に膨
出部を設けたものである。なお、図13は圧入工程及び
かしめ工程が終了してシャフト1とハブ2との結合が完
了した状態を示す山部12における要部断面図であり、
図14は同じく結合が完了した状態を示す谷部13にお
ける要部断面図であり、図15は圧入工程における圧入
第2段階の途中の様子を示す要部断面図である。
【0079】図15に示されるように、ハブ2の内側円
筒部23の内周面には、圧入の進行途中(圧入第2段
階)で凹凸係合部14の各谷部13と当接しうる膨出部
としての環状の段部29が圧入の進行方向において部分
的に予め設けられている。
【0080】この段部29は、内側円筒部23の内周面
でシャフト1の外周縁端部11aの端面が圧入される圧
入面のうち、圧入進行側(図15のP矢印方向)の部分
に部分的に設けられている。詳しくは、圧入工程前の段
部29の状態を図14の2点鎖線で示すように、内側円
筒部23の内周面でシャフト1の外周縁端部11aの端
面が圧入される圧入面の下端(圧入進行側の端部)から
少し距離を隔てた位置に段部29が設けられている。
【0081】一方、シャフト1の外周縁端部11aの凹
凸係合部14における各谷部13は、圧入進行方向にお
いて深さが一定とされており、上記実施例1及び2のよ
うにテーパ状底面となっていない。
【0082】また、シャフト1の外周縁端部11aの最
大外径(凹凸係合部14の山部12における外径)をD
1、外周縁端部11aの最小外径(凹凸係合部14の谷
部13における外径)をD3、ハブ2の内側円筒部23
の内径(段部29が形成されていない部分における圧入
面の内径)をd1、内側円筒部23の段部29の部分に
おける内径をd2とした場合、D1、D3、d1及びd
2の間には、d2<D3<d1<D1の関係がある。
【0083】その他の構成は上記実施例1と同様であ
り、本実施例3は基本的には上記実施例1と同様の作用
効果を奏する。ただし、膨出部としての段部29が硬度
の低いハブ2側に設けられているため、この段部29は
材料案内部としては機能しない。
【0084】すなわち、本実施例では、上記圧入第2段
階で、凹凸係合部14の各谷部13が段部29に食い込
みにより、各谷部13と内側円筒部23との間の隙間を
圧入後退側の部分(段部29と各谷部13とが食い込ん
だ食い込み部分。図15のR部分)で埋めるとともに、
圧入進行方向(図15のP矢印方向)及び該圧入進行方
向と略直交する方向(図15のQ矢印方向)でハブ2側
に段部29の材料を各谷部13で押し流して塑性流動さ
せることにより、上記食い込み部分Rよりも圧入進行側
において各谷部13と内側円筒部23との間の隙間を段
部29の材料で埋めることができる。
【0085】なお、この実施例で、内側円筒部23の内
周面でシャフト1の外周縁端部11aの端面が圧入され
る圧入面の下端(圧入進行側の端部)に段部29を設け
ることも勿論可能であり、この場合は各谷部13で押し
流された段部29の材料により、各谷部13の圧入進行
側における内側円筒部23の内周面にも棚部24を形成
することができる。
【0086】[第2実施例]実施例4に係る第2実施例
は、自動車用オートマチック部品としてのハブ及びシャ
フトの結合に本第2発明を適用したものである。
【0087】(実施例4)基本的な構成及び作用効果
は、実施例1と同様であり、以下、実施例1と異なる点
を中心に説明する。
【0088】シャフト1は、実施例1と同様、鍔部11
の第2水平部たる外周縁端部11aを有しており、この
シャフト1が本第2発明に係る第1部材を構成し、鍔部
11の外周縁端部11aが本第2発明に係る第1圧入部
を構成する。
【0089】ここに、シャフト1の外周縁端部11aの
凹凸係合部14における各谷部13は、圧入進行方向に
おいて深さが一定とされておりテーパ状底面となってい
ない。なお、この谷部13はハブ2の内側円筒部23の
内周面に食い込んで圧入されることはない。
【0090】ハブ2は、実施例1と同様、内側円筒部2
3を有しており、このハブ2が本第1発明に係る第2部
材を構成し、内側円筒部23が本第1発明に係る第2圧
入部を構成する。
【0091】ここに、図23に図示されるように、シャ
フト1の外周縁端部11aの下側(後述する圧入工程に
おける圧入進行側。以下、同様。)における内側円筒部
23の内周面には、実施例1と同様、棚部24が後述す
る圧入工程時に形成されている。一方、この外周縁端部
11aの上側(後述する圧入工程における圧入後退側。
以下、同様。)における内側円筒部23の内周面には、
複数の部分かしめ加工部30が後述する部分かしめ工程
時に形成されている。
【0092】そして、該棚部24及び該部分かしめ加工
部30間で該外周縁端部11aが軸方向に挟持されてい
る。また、凹凸係合部14の各谷部13と内側円筒部2
3との間に形成される各隙間Sの一方の開口端が各部分
かしめ加工部30によりそれぞれ塞がれている。
【0093】各上記部分かしめ加工部30は、内側円筒
部23の内周面から突出して外周縁端部11aと重なる
部分の長さが1.5〜2mm程度、軸方向における厚さ
が1.5〜2mm程度、周方向の最大幅が3〜4mm程
度であり、凹凸係合部14の各谷部13と内側円筒部2
3との間に形成される各隙間Sの開口端を完全に塞ぐこ
とのできる大きさとされている。
【0094】また、シャフト1の外周縁端部11aの最
大外径(凹凸係合部14の山部12における外径)をD
1、外周縁端部11aの最小外径(凹凸係合部14の谷
部13における外径)をD3、ハブ2の内側円筒部23
の内径をd1とした場合、D1、D3及びd1の間に
は、D3<d1<D1の関係がある。
【0095】なお、本実施例では、内側円筒部23及び
各谷部13には膨出部が形成されていない。
【0096】以下、本実施例における圧入結合方法を説
明する。
【0097】(セレーション成形工程)図16に図示さ
れるように、ダイス31の歯部31bがテーパ状の歯部
となっていないこと以外は上記実施例1と同様の成形機
を用いて、シャフト1の外周縁端部11aに凹凸係合部
14を成形した。
【0098】このセレーション成形工程後のシャフト1
の外周縁端部11aについて、図16のJ矢視図を図1
7に示すとともに、図17のK−K線矢視断面図を図1
8に示す。
【0099】(圧入工程)図19に示すように、上記実
施例1と同様の成形機を用いて、ハブ2の内側円筒部2
3内にシャフト1の外周縁端部11aを圧入した。
【0100】本実施例の圧入工程では、外周縁端部11
aに形成された凹凸係合部14の各谷部13と内側円筒
部23との間に隙間を設けつつ、該凹凸係合部14の各
山部12が内側円筒部23に食い込むように圧入した。
【0101】これにより、上記実施例1と同様、凹凸係
合部14の各山部12及び各谷部13と互いに係合し合
う形成谷部26及び形成山部27よりなる凹凸被係合部
28を内側円筒部23の内周面に形成するとともに、凹
凸係合部14の各山部12で押し流される内側円筒部2
3の材料の塑性流動により各山部12の圧入進行側にお
ける該内側円筒部23の内周面に棚部24を形成した。
【0102】この圧入工程が終わった段階では、凹凸係
合部14の各谷部13と内側円筒部23の各形成山部2
7との間には圧入の進退方向全体に延びる隙間Sが存在
している。
【0103】この圧入工程後のシャフト1の外周縁端部
11a及びハブ2の内側円筒部23について、図19の
L矢視図を図20に示すとともに、図19のM−M線矢
視断面図を図21(a)に、図19のN−N線矢視断面
図を図21(b)にそれぞれ示す。
【0104】(部分かしめ工程)最後に、図22に示す
ように、部分かしめ加工部30を成形するための複数の
ピン状凸部36bを下面の外周端部に有するピン型の第
3パンチ36で、内側円筒部23の内周側上端面であっ
て各形成山部27をピンポイントで部分的に押圧して押
し潰した。このピン状凸部36bは、凹凸係合部14の
谷部13に対応するように、周方向に所定の等間隔で谷
部13の数だけ第3パンチの外周下端部に配置されてい
る。
【0105】これにより、シャフト1の外周縁端部11
aの圧入後退側における内側円筒部23の内周側上端面
であって各形成山部27をピンポイントで部分的にかし
めることにより、複数の部分かしめ加工部30を形成す
るとともに、各谷部13と各形成山部27との間に設け
られた各隙間Sの開口端をこの部分かしめ加工部30で
それぞれ塞いだ。
【0106】このかしめ工程後のシャフト1の外周縁端
部11a及びハブ2の内側円筒部23について、谷部1
3における要部断面図を図23に示す。
【0107】このようにピンポイントで部分的にかしめ
ることにより、全体を連続して均一にかしめる場合と比
較して、かしめ量(かしめる際の荷重方向に対して直交
する方向への変形量)を多くすることが可能となり、し
かも凹凸係合部14の各谷部13と被凹凸係合部28の
形成山部27との間に存在する各隙間Sの近傍たる各形
成山部27を狙ってピンポイントでかしめることから、
各形成山部27の材料を各隙間Sに確実に塑性流動させ
ることができ、こうして形成された各部分かしめ加工部
30により各隙間Sの開口端をそれぞれ確実に塞ぐこと
が可能となる。したがって、凹凸係合部14の各谷部1
3と内側円筒部23との間の隙間Sを介して気体や液体
が圧入の進退方向に流通することがなくなり、シャフト
1及びハブ2間で気密性や液密性を確保することができ
る。
【0108】また、圧入工程では、凹凸係合部14のう
ち各山部12のみが内側円筒部23に食い込むように圧
入するため、圧入容易性も良好に確保することができ
る。
【0109】さらに、圧入工程で形成された上記棚部2
4と、部分かしめ工程で形成された上記部分かしめ加工
部30とにより、圧入の進退方向におけるシャフト1及
びハブ2間の相対移動を確実に規制することが可能とな
る。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の圧入結合
方法によれば、いわゆるセレーション部としての凹凸係
合部が圧入の進行方向に沿って延設された第1部材の第
1圧入部と第2部材の第2圧入部とを圧入により結合す
る場合において、圧入容易性を確保しつつ、両部材間の
気密性や液密性を確保することが可能となる。
【0111】また、圧入の進退方向における結合位置を
定めるための位置決め部を予め設けることが不要とな
り、しかも結合構造も簡素となるため、部材の加工コス
トを低減させるのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例1の圧入結合方法に係り、シャフト
とハブとを結合した状態を示す断面図である。
【図2】 本実施例1の圧入結合方法に係り、シャフト
とハブとの結合構造を示す要部断面図である。
【図3】 本実施例1の圧入結合方法に係り、セレーシ
ョン加工する様子を示す断面図である。
【図4】 シャフトの外周縁端部を示す図3のA矢視部
分平面図である。
【図5】 シャフトの要部断面図であり、(a)は図4
のB−B線断面図、(b)は図4のC−C線断面図であ
る。
【図6】 本実施例1の圧入結合方法に係り、圧入工程
を説明する断面図である。
【図7】 シャフトの外周縁端部及びハブの内側円筒部
を示す図6のD矢視部分平面図である。
【図8】 シャフト及びハブの要部断面図であり、
(a)は図7のE−E線断面図、(b)は図7のF−F
線断面図である。
【図9】 本実施例1の圧入結合方法に係り、かしめ工
程を説明する断面図である。
【図10】 シャフトの外周縁端部及びハブの内側円筒
部を示す図9のG矢視部分平面図である。
【図11】 シャフト及びハブの要部断面図であり、
(a)は図10のH−H線断面図、(b)は図10のI
−I線断面図である。
【図12】 本実施例2の圧入結合方法に係り、凹凸係
合部の谷部におけるシャフトの要部断面図である。
【図13】 本実施例3の圧入結合方法に係り、シャフ
トとハブとの結合が完了した状態を示す凹凸係合部の山
部における要部断面図である。
【図14】 本実施例3の圧入結合方法に係り、シャフ
トとハブとの結合が完了した状態を示す谷部における要
部断面図である。
【図15】 本実施例3の圧入結合方法に係り、圧入工
程における圧入第2段階の途中の様子を示す要部断面図
である。
【図16】 本実施例4の圧入結合方法に係り、セレー
ション加工する様子を示す断面図である。
【図17】 シャフトの外周縁端部を示す図16のJ矢
視部分平面図である。
【図18】 シャフトの要部断面図であり、図16のK
−K線断面図である。
【図19】 本実施例4の圧入結合方法に係り、圧入工
程を説明する断面図である。
【図20】 シャフトの外周縁端部及びハブの内側円筒
部を示す図19のL矢視部分平面図である。
【図21】 シャフト及びハブの要部断面図であり、
(a)図20のM−M線断面図、(b)は図20のN−
N線断面図である。
【図22】 本実施例4の圧入結合方法に係り、部分か
しめ工程を説明する断面図である。
【図23】 シャフト及びハブの要部断面図である。
【図24】 従来例に係り、2つの部材の結合構造を示
す断面図である。
【図25】 先行例に係り、2つの部材の結合構造を示
す断面図である。
【図26】 図25に示す先行例の要部平面図である。
【符号の説明】
1…シャフト(第1部材) 2…ハブ(第2部
材) 11a…外周縁端部(第1圧入部) 12…山部 13…谷部 14…凹凸係合部 15…直線状テーパ部(膨出部) 16…弓なり状テ
ーパ部(膨出部) 23…内側円筒部(第2圧入部) 24…棚部 25…かしめ加工部 26…形成谷部 27…形成山部 28…凹凸被係合
部 29…段部(膨出部) 30…部分かしめ
加工部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B21D 53/28 B21D 53/28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧入の進行方向に沿って延設された複数
    の山部及び谷部よりなる凹凸係合部が第1圧入部に予め
    設けられた第1部材の該第1圧入部と、該第1部材より
    も硬度の低い第2部材の第2圧入部とを圧入により結合
    する圧入結合方法であって、 上記第1圧入部の各上記谷部及び上記第2圧入部のうち
    の一方には、圧入の進行途中で各該谷部及び該第2圧入
    部のうちの他方と当接しうる膨出部が圧入の進行方向に
    おいて部分的に予め設けられ、 各上記谷部と上記第2圧入部との間に隙間を設けつつ、
    上記第1圧入部の各上記山部が上記第2圧入部に食い込
    むように圧入する圧入第1段階と、 各上記山部が上記第2圧入部に食い込むとともに、各上
    記谷部及び上記第2圧入部のうちの一方に設けられた上
    記膨出部と各該谷部及び該第2圧入部のうちの他方とが
    食い込み合うように圧入する圧入第2段階とを順に実施
    し、 上記凹凸係合部の各上記山部及び各上記谷部と互いに係
    合し合う形成谷部及び形成山部よりなる凹凸被係合部を
    上記第2圧入部に形成するとともに、各該谷部及び該第
    2圧入部のうちの一方に設けられた上記膨出部と各該谷
    部及び該第2圧入部のうちの他方との食い込みにより、
    該谷部と該第2圧入部との間に設けられた上記隙間を圧
    入の進行方向の少なくとも一部で埋めることを特徴とす
    る圧入結合方法。
  2. 【請求項2】 圧入の進行方向と略直交する方向で前記
    第1部材側に前記第2部材の材料を塑性流動させる材料
    案内部としても機能しうる前記膨出部が各前記谷部に設
    けられ、 前記圧入第2段階では、各上記谷部に設けられた各上記
    膨出部が各前記山部と共に前記第2圧入部に食い込むこ
    とにより、前記第2部材の材料が圧入進行方向の他に該
    圧入進行方向と略直交する方向で前記第1部材側にも塑
    性流動することを特徴とする請求項1記載の圧入結合方
    法。
  3. 【請求項3】 材料案内部としても機能しうる各前記膨
    出部は、圧入進行側よりも圧入後退側の方が浅底となる
    ように各前記谷部に設けられた略テーパ状底面により形
    成されることを特徴とする請求項2記載の圧入結合方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1圧入部及び前記第2圧入部のう
    ちの一方は円筒部であり、他方は該円筒部の最小内径よ
    りも大きな最大外径を有する外周縁端部であることを特
    徴とする請求項1、2又は3記載の圧入結合方法。
  5. 【請求項5】 前記圧入第2段階の後に、圧入後退側に
    おける前記第2圧入部にかしめ加工を施してかしめ加工
    部を形成するかしめ工程を実施することを特徴とする請
    求項1、2、3又は4記載の圧入結合方法。
  6. 【請求項6】 圧入の進行方向に沿って延設された複数
    の山部及び谷部よりなる凹凸係合部が第1圧入部に設け
    られた第1部材の該第1圧入部と、該第1部材よりも硬
    度の低い第2部材の第2圧入部とを圧入により結合する
    圧入結合方法であって、 各上記谷部と上記第2圧入部との間に隙間を設けつつ、
    各上記山部が該第2圧入部に食い込むように圧入し、上
    記凹凸係合部の各該山部及び各該谷部と互いに係合し合
    う複数の形成谷部及び形成山部よりなる凹凸被係合部を
    該第2圧入部に形成する圧入工程と、 上記第2圧入部の各上記形成山部の端面をピンポイント
    で部分的にかしめることにより複数の部分かしめ加工部
    を形成し、各上記谷部と各該形成山部との間に設けられ
    た各隙間を該部分かしめ加工部でそれぞれ塞ぐ部分かし
    め工程とを順に実施することを特徴とする圧入結合方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1圧入部及び前記第2圧入部のう
    ちの一方は円筒部であり、他方は該円筒部の最小内径よ
    りも大きな最大外径を有する外周縁端部であることを特
    徴とする請求項6記載の圧入結合方法。
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