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JP2003239194A - シーム付オープンエンドフェルト - Google Patents

シーム付オープンエンドフェルト

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JP2003239194A
JP2003239194A JP2002039052A JP2002039052A JP2003239194A JP 2003239194 A JP2003239194 A JP 2003239194A JP 2002039052 A JP2002039052 A JP 2002039052A JP 2002039052 A JP2002039052 A JP 2002039052A JP 2003239194 A JP2003239194 A JP 2003239194A
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JP
Japan
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yarn
loop
seam
yarns
cmd
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JP2002039052A
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裕之 ▲すぎ▼山
Hiroyuki Sugiyama
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Nippon Felt Co Ltd
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Nippon Felt Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シーム部ループを形成する上糸層と下糸層と
の糸間隔が狭くなるのを防ぎ、また、ループ列の中心高
さの波打ちを解消することによって、シーム部への耳糸
の挿入を容易とすると共に、シーム部にニードルパンチ
したウエブを良好に固定しその脱落を防ぐ事の出来るフ
エルトを得る。 【解決手段】 二重織又は多重織シーム付フェルトの、
表側地及び裏側地のそれぞれのシーム部を形成する上糸
層及び下糸層のMD糸よりなるループ内に、前記上糸層
及び下糸層のMD糸とは交絡しないループ空間充填用C
MD糸を製織時又は製織後通したことを特徴とする。そ
して、表側地及び裏側地のシーム部ループ列のいずれか
一方又は双方に1本以上のループ空間充填用CMD糸を
挿入している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙機用プレスフ
エルト,ドライフエルト,ドライキャンバス,パルプマ
シン用フエルトに関し、その基布のシーム部の組織に特
徴を有する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機或いはパルプマシンに使用される
フエルトにはエンドレスに作られたものがあり、この種
フエルトはマシンに装架する際にはマシンの複数のロー
ルを片持式にしてマシンの片側から掛け入れなければな
らず、危険を伴い、またその作業に時間を要していた。
そのため、マシンへの掛け入れが容易で安全なシーム付
オープンエンドフエルトが望まれるようになった。
【0003】シーム付オープンエンドフエルトは、図1
Aに示す如く、製織時の経糸即ち織機上の経糸Gの間に
表側地Aを構成する上糸層Eaと下糸層Faとの緯糸C
a及び裏側地Bを構成する上糸層Ebと下糸層Fbとの
緯糸Cbを打ち込み基布Dを構成し、環状に織り上げた
二重或るいは多重織物を、製織後耳糸Seを取り去り、
一度、織機上の緯糸Ca,Cb方向に長さの有る有端帯
状にし、マシンに引き入れてから基布Dの両端を継ぎ合
わせ再度環状にしたもので、シーム付オープンエンドフ
エルトとしてマシンに装架されるときは、前記織機上の
経糸Gはマシン上の緯方向糸(以下CMD糸と云う)と
なり、織機上の緯糸はマシン上の経方向糸(以下MD糸
と云う)となる。このように、製織時緯糸として経糸間
に打ち込まれた糸は、環状の製品となったときは製紙機
の経方向を向くことになる。そこで、以後の説明では製
織時経糸であった製品上の緯方向糸をCMD(CROS
S MACHINE DIRECTION)糸と呼び、
製織時緯糸であった製品上の経方向糸をMD(MACH
INE DIRECTION)糸と呼んで説明する。マ
シンへの装架は次のようにして行われる。即ち、操業中
のマシンを停止し装架されているフエルトを切断して新
フエルトと旧フエルトとを仮止めした後、若しくは旧フ
エルトの代りに予めフエルトの走行経過に沿ってロープ
等を通して、前記ロープ等と新フエルトとを仮止めした
後、旧フエルト若しくはロープ等をマシンより引き出す
ことで新フエルトをマシンに引き入れ、旧フエルト若し
くはロープ等を取り外し、新フエルトの両端にそれぞれ
あらかじめ設けられているループLa,Lbを交互に突
き合わせ、該ループLa,Lb内にピンシームSeを挿
通することによりエンドレスとしている。
【0004】然し製紙機用プレスフエルトは、幅が広
く、基布に使用する糸は、一般的に柔軟性を有し、細
く、マシン縦方向を向くMD糸の糸密度も高く、またル
ープ径も小さいために、シーム部における上記突き合わ
せ作業は困難となる。特に、ループLaの根元の上糸E
aと下糸Faとの間隙が狭くなり過ぎるとループが細長
くなり一層ピンシームSeの挿通に困難性を生じた。ナ
イロンなどのMD糸の場合吸水性を有し、次第にMD糸
の柔軟性に変化つまりループの剛性が低下し時間の経過
と共に挿通に困難さを増すことも生じていた。また、ル
ープ径は、MD糸とCMD糸との太さのバランスや製織
時にループ際のCMD糸密度を地部より高くする等によ
って、走行中に小さくなることが知られているが、ある
一定値以上は小さくはならない。ルーブ根元の隙間(図
3A参照)が狭いと、芯線の通っている最も厚い箇所の
厚さが変らないことから勾配が急になり、ループ径が小
さくなる限界を作り、ループ際の隙間が生じてしまう。
このループが小さくなる限界を作っている要因として、
ループの厚さ(芯線の太さと本数に左右される)及びル
ープ際の組織(この組織の違いにより、ループ根元の隙
間が異なる)が挙げられる。つまり、ループを形成する
上糸(若しくは下糸)のループ根元からルーブの最も厚
い箇所までの勾配がループの小さくなる限界に大きな影
響を及ぼしていることが考えられる。そこで、本発明に
あっては、ループ根元の上糸と下糸との間隙を広げるこ
とによってループの勾配を緩やかにし、よりループを小
さくし易くし、ループ際のループに最も近いCMD糸と
対となるループ先端との距離をより小さくすることによ
っても同様効果を得るようにしている。この勾配を緩や
かにすれば、さらにループは小さくなりやすく、ループ
際の隙間も小さくなり、その結果、撥水ムラによるシー
トへのマークを抑制できる。
【0005】基布Dの表側地Aの織機上の経糸Ga1
(裏側地Bの織機上の経糸をGbとする)(共にCMD
糸)に沿った端面(織機上の緯糸Ca(MD糸)による
ループLa1に添った端面)を模式的に示したたのが図
1Bである。
【0006】図1Bは表側地Aの断面を示しているが、
図1Bにおいて、ループLa列を構成するMD糸Caの
間をCMD糸Gaは通っている。図1Aに示すようにM
D糸Caは基布Dの端部で耳糸Seを巻回しループLa
を作り、図1Bには図示しないMD糸Cbは、図1Aに
示す如く耳糸Seに巻回してループLbを作る。MD糸
Ca,Cbにおいて、耳糸Seの上に位置する糸列を上
糸層Ea,Ebとし、耳糸Seを巻回して耳糸Seの下
位の糸を下糸層Fa,Fbとしている。
【0007】図1Bの点線で示す基布Dの1循環内にお
いて、織機上の緯糸即ちMD糸Caが織機上の経糸即ち
CMD糸Gaによりどのような力を受けるか次に説明す
る。通常ループ際の組織は、図1Bに示すようにCMD
糸GaがループLaの根元の上糸層Eaと下糸層Faと
に交叉している。つまり、CMD糸Gaが、ループLa
の根元のMD糸Ea及びFaの自由度を制限している。
しかし、帯状時の基布Dの一端に現れるループLa列と
該基布Dの他端に現われるループLb列を突き合わせる
際、ループLa本体の傾き角度を制限するものではな
い。このことは、ループLa本体の傾きの角度は、ルー
プLaの根元の影響を大きく受けることを意味してい
る。そして、その影響の大きさは、ループLa本体に近
ければ近い程大きい、すなわちCMD糸Ga2よりもC
MD糸Ga1の方がループLaの傾き角度に大きな影響
を及ぼしていることは明らかである。
【0008】CMD糸Ga1は、下糸層Faの糸Fa4
と同Fa1の間、下糸層の糸Fa1と同Fa2の間、下
糸層の糸Fa2と上糸層の糸Ea2の間、上糸層の糸E
a2と同Ea3の間、上糸層の糸Ea3と同Ea4の
間、上糸層の糸Ea4と下糸層の糸Fa4の間、下糸層
の糸Fa4と同Fa1の間を通り、これを繰り返してい
る。そしてこの間下糸層の糸Fa1と同Fa2の間から
上糸層Ea2と同Ea3の間及び上糸層の糸Ea3と同
Ea4の間から下糸層の糸Fa4と同Fa1の間を斜に
通っている。そして、上記CMD糸Ga1にループLa
本体の反対側で隣接するCMD糸Ga2は、上糸層Ea
の糸Ea4と同Ea1の間、上糸層の糸Ea1と同Ea
2の間、上糸層の糸Ea2と下糸層の糸Fa2の間、下
糸層の糸Fa2と同Fa3の間、下糸層の糸Fa3と同
Fa4の間、下糸層の糸Fa4と上糸層の糸Ea4の
間、上糸層の糸Ea4と同Ea1の間を通り、これを繰
り返している。そしてこの間上糸層の糸Ea1と同Ea
2の間から下糸層Fa2と同Fa3の間及び下糸層の糸
Fa3と同Fa4の間から上糸層の糸Ea4と同Ea1
の間を斜に通っている。
【0009】そして、ループLaは前述の如く、CMD
糸Ga2よりもCMD糸Ga1の力を受け易い為、ルー
プLa2にあっては、上糸層の糸Ea2が同Ea1側に
横方向矢印に示す如く若干ずれ易く、下糸層の糸Fa2
が同Fa3側に若干ずれ易く、ループLa4についても
同様の理由からループLa2と逆方向のずれが生ずる。
また、CMD糸Ga2は、MD糸Ea2,Ea4,Fa
2,Fa4を図1Bに示す横方向矢印と逆の方向に押し
やる作用をするが、その力はCMD糸Ga1よりは小さ
い。その結果ループLa2,La4は図1B″に示すよ
うに若干傾倒することになる。捩れの方向を図1B緯方
向に矢印で示す。然し、下糸層Faの糸Fa1と上糸層
Eaの糸Ea1、上糸層Eaの糸Ea3と下糸層Faの
糸Fa3は、それぞれその両側にCMD糸Ga1,Ga
2が通っており、また、上糸層の糸Ea1及び下糸層の
糸Fa3はCMD糸Ga1との交差がないが、CMD糸
Ga2と交差しているためCMD糸Ga2の影響を受
け、結果的にMD糸Ea1,Fa1,Ea3,Fa3は
CMD糸Ga1,Ga2により両側を押えられているの
でずれにくい。
【0010】上記の如く、CMD糸Ga1がMD糸Fa
1,Ea3を、CMD糸Ga2がMD糸Ea1,Fa3
をそれぞれその両側から支える状態となるが、そのとき
CMD糸Ga1はMD糸Fa2,Ea2,Ea4,Fa
4を図1Bに示す矢印方向に押しやる作用をする。
【0011】上記したMD糸Fa2,Ea2,Ea4,
Fa4は上記した横方向矢印に示す力をCMD糸Ga
1,Ga2から受けると同時に、縦方向矢印に示す力を
も受けることになる。この力はループLa2,La4を
構成するMD糸Ea1,Fa1の間隔を広げる方向に作
用する。また、MD糸Ea1,Fa1,Ea3,Fa3
は、CMD糸Ga1,Ga2によって、基布D内に向け
押圧される方向の作用を受けることになる。その為ルー
プLa1,La3を構成するMD糸Ea1,Fa1の間
隔及びEa3,Fa3の間隔は共に縮少しループLa
1,La3は偏平なものとなりその上下空間も狭くな
る。
【0012】その為に、シーム部において基布を環状に
連結するために、耳糸SeをループLaに通す際にルー
プLaの間隙が狭く、且、ループを含む仮想面の方向が
揃わない事態が生じシーム部への耳糸の挿入に困難性が
生ずることにもなった。また、シーム部にウエブをパン
チングして固定する際にも、ループを構成する上糸層と
下糸層の間隔が少ないと該部へのウエブの絡み付きが充
分でなく、使用中ウエブの脱落が生じ、その結果抄紙し
た紙匹の表面に斑等が生ずる恐れがあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みて、シーム部ループを形成する上糸層の糸と下糸層
の糸との糸間隔が狭くなるのを防ぐことによって、使用
中にループをより小さくさせてシームマークを抑制する
と共にループを正立させ、シーム部への耳糸の挿入を容
易とすると共に、シーム部にニードルパンチしたウエブ
を良好に固定しその脱落を防ぐ事の出来るフエルトを得
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明シーム付オープン
エンドフェルトは二重織又は多重織シーム付フェルト
の、表側地及び裏側地のそれぞれのシーム部を形成する
上糸層及び下糸層のMD糸よりなるループ近傍に、前記
上糸層及び下糸層のMD糸とは交絡しないループ空間充
填用CMD糸を製織時又は製織後通している。そして、
本発明オープンエンドフェルトは、表側地及び裏側地の
シーム部ループ列のいずれか一方又は双方に1本以上の
ループ空間充填用CMD糸を挿入している。上記ループ
空間充填用CMD糸は、モノフィラメント糸,マルチフ
ィラメント糸,撚糸,紡績糸,芯鞘構造糸のいずれかよ
りなり、芯鞘構造を有する糸の鞘の部分は溶融又は軟化
する繊維である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面と共に
以下説明する。図2Aに本発明の実施形態のシーム部端
縁部分断面を模式図で示す。図2A´,A″は、図2A
の一点鎖線における断面図である。図2Aに示す実施形
態においてその基布Dの組織は図1Bに示す従来製品と
同じで、図示の基布Dは経緯糸により二重織又は多重織
の筒状に織り上げ、耳糸を引き抜き一旦帯状としてマシ
ンに引き入れてから織地の両端縁に作ったループを付き
合わせ該ループ内に耳糸を通すことで基布は環状とされ
る。
【0016】以下実施形態の1つについて説明する。図
2は最もシーム部に近いCMD糸Ga1に沿って基布D
を切断し、CMD糸Ga1とそれに隣接するCMD糸G
a2とを現わしているが、基布Dの組織によっては、上
糸層の糸Ea及び下糸層の糸FaとCMD糸との交叉位
置は変化するもので、図1Bに示すCMD糸Ga1とG
a2の組織の繰り返しとはならない。組織図を図2A,
A´A″に示すこの組織では、最もシーム部に近いCM
D糸Ga1は、下糸層Faの糸Fa4と同Fa1の間、
下糸層の糸Fa1と同Fa2の間、下糸層の糸Fa2と
上糸層の糸Ea2の間、上糸層の糸Ea2と同Ea3の
間、上糸層の糸Ea3と同Ea4の間、上糸層の糸Ea
4と下糸層の糸Fa4の間、下糸層の糸Fa4と同Fa
1の間を通り、これを繰り返している。そしてこの間下
糸層の糸Fa1と同Fa2の間から上糸層Ea2と同E
a3の間及び上糸層の糸Ea3と同Ea4の間から下糸
層の糸Fa4と同Fa1の間を斜に通っている、そし
て、上記CMD糸Ga1にループLa本体の反対側で隣
接するCMD糸Ga2は、上糸層Eaの糸Ea4と同E
a1の間、上糸層の糸Ea1と同Ea2の間、上糸層の
糸Ea2と下糸層の糸Fa2の間、下糸層の糸Fa2と
同Fa3の間、下糸層の糸Fa3と同Fa4の間、下糸
層の糸Fa4と上糸層の糸Ea4の間、上糸層の糸Ea
4と同Ea1の間を通り、これを繰り返している。そし
てこの間上糸層の糸Ea1と同Ea2の間から下糸層F
a2と同Fa3の間、及び、下糸層の糸Fa3と同Fa
4の間から上糸層の糸Ea4と同Ea1の間を斜に通っ
ている。
【0017】上糸層Eaと下糸層Faとの糸によって作
られるループLaが構成する空間Sp内にループ空間充
填用CMD糸10を配している。ループ空間充填用CM
D糸10は、製織時経糸として織り込む事が出来るし、
製織後ループLa内に引き込んでも良い。製織後ループ
空間充填用CMD糸10をループLa内に引き込む場合
には、基布を加熱処理し安定させる為の基布セットの前
に該糸10を等す手段と、基布にバットを植毛するニー
ドルパンチ前に該糸10を通す手段とがあるが、いずれ
の場合に於いても、ワイヤと該糸とを接着し、ループ空
間充填用CMD糸10を通すべき空間Spに、先ず前記
ワイヤーを通しワイヤーを引き出すことによってループ
空間充填用CMD糸10をループLa内に通す。上記手
段に於いて、基布セット前に該糸10を通す場合、作業
性が悪い反面通した該糸10を熱加工したい場合には有
効であり、ニードルパンチ前に該糸10を通す場合、基
布が安定しているのでワイヤが通し易く、作業性が良
い。予め織り込まれたループ空間充填用CMD糸10を
有する場合、図2A´に示す如く、基布両端の対向する
ループLa1,Lb1を交互に重ね両ループを通して耳
糸Seを通して基布Dを環状に接続する。このとき、対
向するループLb1の頂部とCMD糸Ga1との間の空
間Spにループ空間充填用CMD糸10が位置するよう
にしている。
【0018】上記ループ空間充填用CMD糸10はモノ
フィラメント糸,マルチフィラメント糸,撚糸,紡績
糸,芯鞘構造糸等いずれでも良いが、マルチフィラメン
トを用いればフィラメントが空間断面の形状に適宜馴染
んだ形をとることが出来るという利点を有する。芯鞘構
造を有する糸の鞘の部分をナイロン,ポリエチレン,ア
クリル等の溶融又は軟化する繊維とすれば、加熱処理等
の溶融又は軟化により周囲繊維同志間において一体化
し、或るいは形態安定性を高め得る。紡績糸を用いた場
合、後述するウエブをニードルパンチしたときに、紡績
糸を構成する繊維とウエブとの絡みが良好で、使用中に
おけるウエブの脱落を減少させることが出来る。もちろ
ん異なる材質を同時に使用しても良い。
【0019】上記基布Dは、その面上にウエブを置きニ
ードルパンチすることで基布Dとウエブとを一体化して
フエルトとして完成される。このときシーム部表面にも
当然ウエブが置かれニードルパンチされる。シーム部の
ループ内の空間Spにはループ空間充填用CMD糸10
が存在するために、ニードルによるバットの刺し込みが
行われる際に上記空間Spがニードル等により押し潰さ
れ空間が狭くなるようなことは少なく、かつ、バットの
繊維がループ空間充填用CMD糸10に搦み付き易く、
バットの固定作用にも役立っている。そして、上記空間
Spが狭くならないという事は、ループLaを構成する
MD糸EaとMD糸Faとの間隔が狭くならないという
事になり、これによりループLaの長さが細長くなりフ
エルトの形が崩れるということも生じない。
【0020】
【発明の効果】本発明シーム付オープンエンドフエルト
は、二重織又は多重織シーム付フエルトの、表側地及び
裏側地のそれぞれのシーム部を形成する上糸層及び下糸
層のMD糸よりなるループ内に、前記上糸層及び下糸層
のMD糸とは交絡しないループ空間充填用CMD糸を通
したために、第1に、シーム部のMD糸によるループL
aがその内部をループ空間充填用CMD糸によって満た
され、かつ、ループ空間充填用CMD糸10は隣接する
ループLa内を直線状に通っている為、ループが倒れよ
うとする方向への力が加わらず、ループLaは基布面に
対し垂直となり、また各ループの方向も揃うことにな
る。更に、第2に空間充填用CMD糸の存在によりルー
プLaを構成する上糸層の糸Eaと下糸層の糸Faの間
隔が一定にされるため、上記間隔が狭くなることにより
ループLaが細長く変形するのを防止し、走行中にルー
プ径が小さくなる限界をつくることによって生じる間隙
をより小さくし、撥水ムラによるシートへのマークを抑
制できる。フエルトの型崩れを防止することになる。上
記第1,第2の特徴により本発明シーム付オープンエン
ドフエルトは、シーム部ループLaの形状及び方向が揃
いシーム部ループLaにシーム糸Seを通す作用が容易
となり掛け入れ性を向上させることが出来る。また、ウ
エブを基布面にニードルパンチした際に、ニードルに刺
されたウエブを構成する繊維が空間充填用CMD糸に絡
み付き、基布Dと強固に一体化するので、長期の使用に
よってもシーム部においてウエブの脱落が生ずることが
少なく、紙匹表面への悪影響は生じない。尚、本発明フ
エルトにあってループ空間充填用CMD糸をループ内に
通すことにより、ループを正面から見た場合並列したル
ープ列の中心高さが波状にうねった状態に屈曲する波打
ちを無くしループ列が直線状となる効果を生ずるが通常
の組織の場合では、本発明組織よりもループ列の中心高
さが波状にうねっているので波打ちを無くす効果は大き
くなるが、ループ根元の隙間を広げるという効果は少な
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは、基布製織時の打込み糸方向を説明する模
式図。Bは、従来の基布におけるシーム部分のループ列
及びそれに沿ったCMD糸(製品緯糸)を示す模式図。
B´は前記Bのシーム部の鎖線における縦断面図。B″
は隣接するループを含む仮想面の傾きを示す模式図。
【図2】Aは本発明シーム付オープンエンドフエルトの
実施形態のシーム部分のループ列及びそれに沿ったCM
D糸(製品緯糸)を示す模式図。A´,A″は図2Aの
鎖線における断面図で、A´は表側地のシーム部のルー
プ列にループ空間充填用CMD糸を挿入した例を示し、
A″は表側地及び裏側地のシーム部のループ列の双方に
ループ空間充填用CMD糸を挿入した例を示す。
【図3】Aはループ内に空間充填用CMD糸を挿入しな
い状態のループ近傍断面図,Bはループ内に空間充填用
CMD糸を挿入した状態のループ近傍断面図。
【符号の説明】
A 表側地 B 裏側地 Ca,Cb 織機上の緯糸(MD糸) D 基布 Ea,Eb 上糸層 Fa,Fb 下糸層 G 織機上の経糸(CMD糸) La,Lb ループ Se 耳糸 Sp ループ空間 10 ループ空間充填用CMD糸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重織又は多重織シーム付フェルトの、
    表側地及び裏側地のそれぞれのシーム部を形成する上糸
    層及び下糸層のMD糸よりなるループ内に、前記上糸層
    及び下糸層のMD糸とは交絡しないループ空間充填用C
    MD糸を通したことを特徴とするシーム付オープンエン
    ドフエルト。
  2. 【請求項2】 ループ空間充填用CMD糸は、製織時シ
    ーム部ループ内に織り込まれたものであることを特徴と
    する請求項1記載のシーム付オープンエンドフエルト。
  3. 【請求項3】 ループ空間充填用CMD糸は、製織後シ
    ーム部ループ内に挿入されたものであることを特徴とす
    る請求項1記載のシーム付オープンエンドフエルト。
  4. 【請求項4】 表側地及び裏側地のシーム部ループ列の
    いずれか一方又は双方に1本以上のループ空間充填用C
    MD糸を挿入したことを特徴とする請求項1記載のシー
    ム付オープンエンドフエルト。
  5. 【請求項5】 ループ空間充填用CMD糸は、モノフィ
    ラメント糸,マルチフィラメント糸,撚糸,紡績糸,芯
    鞘構造糸のいずれかよりなることを特徴とする請求項1
    記載のシーム付オープンエンドフエルト。
  6. 【請求項6】 芯鞘構造を有する糸の鞘の部分はナイロ
    ン,ポリエチレン,アクリルであることを特徴とする請
    求項5記載のシーム付オープンエンドフエルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023127781A1 (ja) 2021-12-27 2023-07-06 イチカワ株式会社 抄紙用フェルト用基布およびこれをつなぎ合わされてなる抄紙用フェルト

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WO2023127781A1 (ja) 2021-12-27 2023-07-06 イチカワ株式会社 抄紙用フェルト用基布およびこれをつなぎ合わされてなる抄紙用フェルト

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