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JP2003238779A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Publication number
JP2003238779A
JP2003238779A JP2002038549A JP2002038549A JP2003238779A JP 2003238779 A JP2003238779 A JP 2003238779A JP 2002038549 A JP2002038549 A JP 2002038549A JP 2002038549 A JP2002038549 A JP 2002038549A JP 2003238779 A JP2003238779 A JP 2003238779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
molecule
molding resin
cyclic compound
functional group
Prior art date
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Abandoned
Application number
JP2002038549A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritaka Sato
則孝 佐藤
Tsutomu Noguchi
勉 野口
Hiroyuki Mori
浩之 森
Mayumi Miyashita
真由美 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2002038549A priority Critical patent/JP2003238779A/ja
Publication of JP2003238779A publication Critical patent/JP2003238779A/ja
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 結晶構造を取り得るポリエステル、中で
も生分解性を有するポリエステルの結晶化を促進するの
に適した核剤を添加した成形用樹脂組成物を提供するこ
と、および結晶性が改善された成形用樹脂組成物を含む
成形品を提供すること。 【解決手段】 (a)C=OとNH、SおよびOから選
ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物または
(b)C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、Sお
よびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物
との混合物が、結晶構造を取り得るポリエステルに添加
されていることを特徴とする成形用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形用樹脂組成
物、その製造方法およびその用途に関する。特に、生分
解性樹脂を含有する成形用樹脂組成物、その製造方法お
よびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護の見地から、自然環
境中で分解する生分解性樹脂およびその成型品が求めら
れている。中でも、脂肪族ポリエステルなどの生分解性
樹脂の研究が活発に行われている。特に、ポリ乳酸は一
般に融点が高く(170〜180℃)、またポリ乳酸に
よって作られた成形品は、通常透明であり、用途によっ
ては実用化され始めている。しかしながら、ポリ乳酸に
よって作られた通常の成形品は、耐熱性に乏しく、ガラ
ス転移温度(Tg)が60℃前後のため、その温度を越
えると変形してしまう等の欠点を有している。電気製品
の筐体や構造材の用途では、概して温度80℃付近まで
の耐熱性が必要であるとされている。従って耐熱性を必
要とする用途に使用するために、様々な検討がなされて
いる。なお、ここでいう耐熱性とは80℃付近の剛性
(粘弾性率)が十分に高いことを意味している。
【0003】生分解性ポリエステルの耐熱性を上げるた
めに、例えば、無機フィラーの添加が検討されている。
無機フィラーとしては、耐熱性を有するマイカ等が検討
されている。これは、いわばコンクリートに鉄筋を入れ
るようなもので、樹脂に耐熱性を有する固い無機フィラ
ーを添加することで機械特性を改善し固くすることを目
的としている。例えば、タルクは無機フィラーである
が、ポリ乳酸の結晶化を促進することも知られている。
用途によっては、タルクは有力な核剤として用いること
ができると考えられている。しかし、核剤として用いる
には、その添加量を数10%とせねば充分な効果が得ら
れないことと、添加量を多くすると樹脂組成物が脆くな
る問題がある。また、そのような添加量では、樹脂組成
物は白色となり、透明性は期待できない。
【0004】生分解性ポリエステルの代表例であるポリ
乳酸は結晶構造を取り得る高分子であるが、通常の成形
品はポリ乳酸が非晶質で熱変形しやすい。そこで、耐熱
性を上げるため、例えば成形中または成形後の熱処理に
よって、ポリ乳酸を結晶化させることが検討されてい
る。結晶化させることで固くし、熱変形しにくくするこ
とを目的としている。この場合に、結晶化を促進するた
め、いわゆる核剤の添加が検討されている。また、ポリ
乳酸を通常の方法で結晶化させると、結晶サイズがミク
ロンオーダーからサブmmオーダー程度となり、ポリ乳
酸の結晶自体が光散乱の要因となって白濁し、透明性は
失われるなどの問題があった。
【0005】さて、上述の核剤とは、結晶性高分子の一
次結晶核となり、結晶性高分子の結晶成長を促進するも
のである。また広義には、結晶性高分子の結晶化を促進
するものとされることもある。すなわち、高分子の結晶
化速度そのものを速くするものも核剤と言うこともあ
る。前者のような核剤が樹脂に添加されると、高分子の
結晶が微細となり、その樹脂の剛性が改善されたり、あ
るいは透明性が改善される。または、成形中に結晶化を
させる場合、結晶化の全体の速度(時間)を速めること
から、成形サイクルを短縮できるといった成形性も改善
される。
【0006】上記のような効果は、他の結晶性樹脂に実
例を見ることができる。例えばポリプロピレン(以下、
PPと略す。)は、核剤を添加することで、剛性や透明
性が改善されており、物性改善されたPPは今日多くの
成形品で実用化されている。その核剤は、例えばソルビ
トール系物質があり、作用機序は完全には解明されては
いないが、この物質が作る三次元的なネットワークが効
果的に作用していると考えられている。また、PP用に
金属塩タイプの核剤も実用化されている。そのような核
剤としては、例えばヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香
酸)アルミニウム、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニ
ル)ナトリウム、メチレンビス(2,4−ジ−tブチル
フェニル)ホスフェートナトリウム塩などが挙げられ
る。
【0007】これまで、脂肪族ポリエステルにおいて
も、結晶化を促進する核剤の検討がされている。例え
ば、特開平10−158369では、ソルビトール系物
質が例示されている。この物質はPPでの結晶化核剤で
実績があり、ポリ乳酸に対する添加でも効果的に作用す
るとの記載がある。このほか、ポリエステルに核剤を添
加して結晶化を促進させる方法は、例えば特開平9−2
78991、特開平11−5849、特開平11−11
6783などで開示されている。しかし、これまでのい
ずれの検討でも、効果が充分では無いようで、現在は実
用化に至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶構造を
取り得るポリエステル、中でも生分解性を有するポリエ
ステルの結晶化を促進するのに適した核剤を添加した成
形用樹脂組成物を提供することを目的とする。さらに結
晶性が改善された成形用樹脂組成物を含む成形品を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、結晶構造を取り得るポ
リエステルに、(a)C=OとNH、SおよびOからな
る群から選ばれる1以上の官能基(本明細書全体を通じ
て、NH、SおよびOから選ばれる官能基と略称する)
とを分子内に有する環状化合物または(b)C=Oを分
子内に有する環状化合物とNH、SおよびOから選ばれ
る官能基を分子内に有する環状化合物との混合物を添加
すると、その結晶化を促進できることを見出した。ま
た、上記環状化合物として、インジゴやチオインジゴ、
キナクリドン、アクリドンおよびこれらの誘導体が好ま
しいことを知見した。またさらに、成形用樹脂組成物に
対する上記環状化合物の添加量は、結晶構造を取り得る
ポリエステル100重量部に対して、0.001〜10
重量部が適当であることを知見した。
【0010】結晶構造を取り得るポリエステルとして
は、生分解性ポリエステルが適当であり、さらに生分解
性ポリエステルの中でも、ポリ乳酸がより適当であるこ
とがわかった。また、上記環状化合物の他に、さらに無
機フィラー、好ましくはタルクを添加することで、互い
にその効果を打ち消しあうことなく、結晶化を促進する
ことも見出した。無機フィラーの添加量としては、結晶
構造を取り得るポリエステル100重量部に対して、1
〜50重量部が適当であることがわかった。
【0011】また、上記成形用樹脂組成物に、さらに加
水分解抑制剤を添加することで、結晶性を低下させるこ
となく、ポリエステルの加水分解を抑制できることを見
出した。加水分解抑制剤としては、カルボジイミド基を
有する化合物が適当であることがわかった。本発明者ら
は、本発明の成形用樹脂組成物は、結晶化が促進されて
おり、これを用いて作られた成形品は、剛性などが改善
されることを見出し、成形品を作るのに適当であること
をも見出した。さらに検討を重ね、本発明を完成するに
至った。
【0012】すなわち、本発明は、(1) (a)C=
OとNH、SおよびOから選ばれる官能基とを分子内に
有する環状化合物または(b)C=Oを分子内に有する
環状化合物とNH、SおよびOから選ばれる官能基を分
子内に有する環状化合物との混合物が、結晶構造を取り
得るポリエステルに添加されていることを特徴とする成
形用樹脂組成物、(2) C=OとNH、SおよびOか
ら選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物が、一
般式(I)で表されることを特徴とする前記(1)に記
載の成形用樹脂組成物、
【化5】 [式中、A〜Aは、以下に示すX、YおよびWのい
ずれかで、1分子中にX、YおよびWの少なくとも1つ
ずつを含み、Xは−CO−を、Yは−NH−、−S−ま
たは−O−を示し、Zは、以下の一般式(II)で表さ
れ、
【化6】 (式中、結合手のない炭素原子は化学的に許容される限
り置換されていてもよい。)、Wは、以下の一般式(II
I)で表される。
【化7】 (式中、R、R、RまたはRは、水素原子また
は化学的に許容される置換基を意味し、またはRおよ
びRが一緒になって環を形成していてもよい。)] (3) C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、S
およびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合
物との混合物が、一般式(IV)で表されることを特徴と
する前記(1)に記載の成形用樹脂組成物、
【化8】 (式中、A〜Aは、X、Wのいずれかで、1分子
中、A〜Aの少なくとも1つはXであり、またB
〜Bは、Y、Wのいずれかで、1分子中、B〜B
の少なくとも1つはYである。また、X、Y、Zおよび
Wは、前記(2)に記載された定義と同意義である。) (4) C=OとNH、SおよびOから選ばれる官能基
とを分子内に有する環状化合物が、インジゴまたはその
誘導体であることを特徴とする前記(1)に記載の成形
用樹脂組成物、(5) C=OとNH、SおよびOから
選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物が、キナ
クリドンまたはその誘導体であることを特徴とする前記
(1)に記載の成形用樹脂組成物、(6) C=OとN
H、SおよびOから選ばれる官能基とを分子内に有する
環状化合物が、アクリドンまたはその誘導体であること
を特徴とする前記(1)に記載の成形用樹脂組成物、
(7) 結晶構造を取り得るポリエステルが、生分解性
ポリエステルであることを特徴とする前記(1)に記載
の成形用樹脂組成物、(8) 生分解性ポリエステル
が、ポリ乳酸であることを特徴とする前記(1)に記載
の成形用樹脂組成物、(9) インジゴが、ポリ乳酸に
添加されていることを特徴とする成形用樹脂組成物、
(10) 結晶構造を取り得るポリエステル100重量
部に対して、(a)C=OとNH、SおよびOから選ば
れる官能基とを分子内に有する環状化合物または(b)
C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、SおよびO
から選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物との混
合物が、0.001〜10重量部添加されていることを
特徴とする前記(1)に記載の成形用樹脂組成物、(1
1) さらに無機フィラーが添加されていることを特徴
とする前記(1)に記載の成形用樹脂組成物、(12)
無機フィラーが、タルクであることを特徴とする前記
(11)に記載の成形用樹脂組成物、(13) 無機フ
ィラーが、成形用樹脂組成物100重量部に対して、1
〜50重量部添加されていることを特徴とする前記(1
1)に記載の成形用樹脂組成物、(14) さらに加水
分解抑制剤が添加されていることを特徴とする前記
(1)に記載の成形用樹脂組成物、(15) 加水分解
抑制剤が、カルボジイミド基を有する化合物を含有して
いることを特徴とする前記(14)に記載の成形用樹脂
組成物、(16) (a)C=OとNH、SおよびOか
ら選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物または
(b)C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、Sお
よびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物
との混合物を、結晶構造を取り得るポリエステルに添加
することを特徴とする成形用樹脂組成物の製造方法、
(17) (a)C=OとNH、SおよびOから選ばれ
る官能基とを分子内に有する環状化合物または(b)C
=Oを分子内に有する環状化合物とNH、SおよびOか
ら選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物との混合
物が、結晶構造を取り得るポリエステルに添加されてい
る成形用樹脂組成物を含有することを特徴とする成形
品、(18) 電気または電子機器の筐体であることを
特徴とする前記(17)に記載の成形品、に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の成形用樹脂組成物は、
(a)C=OとNH、SおよびOから選ばれる官能基と
を分子内に有する環状化合物または(b)C=Oを分子
内に有する環状化合物とNH、SおよびOから選ばれる
官能基を分子内に有する環状化合物との混合物が、結晶
構造を取り得るポリエステルに添加されていることを特
長としている。ここで、上記の環状化合物は、一般に結
晶化剤または核剤と呼ばれるものと同様であり、本明細
書中、上記環状化合物を核剤と呼ぶこともある。本発明
にかかる核剤が添加された成形用樹脂組成物は、結晶性
が改善されることとなり、剛性や成形性が改善された
り、結晶化していても添加物や添加量によっては透明性
も確保できる。そして、60℃を越えての比較的高い温
度である80℃付近の剛性が改善され、すなわち耐熱性
が改善される。
【0014】本発明で使用されるC=OとNH、Sおよ
びOから選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物
は、以下に示す一般式(I)で表される。
【化9】 [式中、A〜Aは、以下に示すX、YおよびWのい
ずれかで、1分子中にX、YおよびWの少なくとも1つ
ずつを含み、Xは−CO−を、Yは−NH−、−S−ま
たは−O−を示し、Zは、以下の一般式(II)で表さ
れ、
【化10】 (式中、結合手のない炭素原子は化学的に許容される限
り置換されていてもよい。)、Wは、以下の一般式(II
I)で表される。
【化11】 (式中、R、R、RまたはRは、水素原子また
は化学的に許容される置換基を意味し、またはRおよ
びRが一緒になって環を形成していてもよい。)] 本発明に係わる上記環状化合物としては、例えば以下に
示すような化合物が含まれる。
【化12】 (上記式中、X、Y、ZおよびWは、上記と同意義であ
る。)
【0015】上記一般式(II)において、結合手のない
炭素原子は化学的に許容される限り置換基で置換されて
いてもよい。該置換基は自体公知の置換基であればよ
く、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、ア
ミノ基、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。さ
らに、これらの置換基も、化学的に許容される限り置換
されていてもよい。
【0016】上記アルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テ
トラデシル、ペンタデシル等が挙げられる。上記アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、se
c−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、
ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
上記ハロゲンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等が挙げられる。
【0017】上記一般式(III)において、R
、RまたはRは、水素原子または化学的に許容
される置換基で置換されていてもよい。化学的に許容さ
れる置換基としては、自体公知の置換基であればよく、
例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、アミノ
基、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。さら
に、これらの置換基も、化学的に許容される限り置換さ
れていてもよい。
【0018】上記アルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テ
トラデシル、ペンタデシル等が挙げられる。上記アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、se
c−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、
ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
上記ハロゲンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等が挙げられる。
【0019】上記一般式(III)において、Rおよび
は、一緒になって環を形成していてもよい。該環と
しては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、例え
ばシクロプロペニル、1−シクロペンテニル、2−シク
ロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキ
セニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニ
ル、3−シクロへプテニル等のシクロアルケニル基等が
挙げられる。
【0020】本発明で使用されるC=OとNH、Sおよ
びOから選ばれる官能基とを分子内に有する好ましい環
状化合物としては、インジゴ、キナクリドン、アクリド
ンまたはそれらの誘導体が挙げられる。これらの物質
は、結晶性有機物質として知られており、対称性がよ
い。これらの物質は、通常数ミクロンから数10ミクロ
ン微結晶の粉体である。なるべくならミクロン程度以下
の微結晶が望ましい。以下にそれぞれについて説明す
る。
【0021】本発明で使用されるC=OとNH、Sおよ
びOから選ばれる官能基とを分子内に有する好ましい環
状化合物としては、インジゴまたはその誘導体が挙げら
れる。インジゴは植物由来の物質であり、木綿への藍染
めで知られている。インジゴはこれまでの使用に非常に
長い歴史があり、人体や環境に対しても影響が非常に少
ないものと考えられる。インジゴを含む植物である藍
は、インドや中国が原産地であり、含藍植物は多品種存
在している。含藍植物としては例えばインド藍(マメ科
目)、大青(アブラナ科)、タデ藍(タデ科)等が挙げ
られる。インジゴは、藍の葉の中にインジゴそのものと
しては存在せず、その前駆体のインジカンとして含有さ
れている。これを発酵により、インドキシルとグルコー
スとに分解した後、空気酸化によりインジゴとするのが
一般的である。
【0022】本発明においては、天然物由来のインジゴ
を用いてもよいし、合成のインジゴを用いてもよい。イ
ンジゴの工業的製造方法としては、例えばフェニルグリ
シン法やo−カルボキシフェニルグリシン法等が挙げら
れる。さらに、前者の改良法としてホイマン・プフレガ
ー改良法があり、本発明において、該方法によって製造
されたインジゴを使用してもよい。
【0023】また、インジゴ誘導体としては、自体公知
の誘導体であればよく、異性体等も含まれる。例えばイ
ンジゴ骨格にアルキル基、アルコキシ基等が導入された
もの、塩素等のハロゲンが導入されたもの、インジゴ骨
格に硫黄が導入されたチオインジゴおよびその誘導体等
が挙げられる。インジゴおよびチオインジゴの構造式を
以下に示す。
【化13】 具体的に誘導体とは、分子の両端に位置するベンゼン環
が、化学的に許容できる置換基、例えば上記したアルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン、アミノ基、カルボキシ
ル基等で置換されたものが挙げられる。また、異性体と
しては、下記に示すようなインジルビン等の構造異性体
等が挙げられる。
【化14】 上記インジゴ誘導体のうち、ハロゲンが導入されたもの
でも使用可能ではあるが、近年、樹脂において、ハロゲ
ンフリーが進められており、この点からハロゲン導入の
インジゴ誘導体は好ましく使用されない。
【0024】本発明で使用されるC=OとNH、Sおよ
びOから選ばれる官能基とを分子内に有する好ましい環
状化合物としては、キナクリドンまたはその誘導体が挙
げられる。キナクリドンは非常に堅牢な顔料として知ら
れている。この物質についてはこれまで良く研究されて
おり、水素結合によって結晶を作ることが知られてい
る。キナクリドン分子は、N−H結合とC=O結合が近
接するように、分子が互い違いに重なって、または中央
のベンゼン環を対称軸として、分子が半分ずつずれて重
なり合って、水素結合を形成することができる。またキ
ナクリドンは合成物であり、その合成方法は10種以上
知られている。本発明においては、いずれの合成方法に
よって製造されたものでも用いることができる。
【0025】キナクリドンの構造式を以下に示す。
【化15】 キナクリドンの誘導体としては、例えば上記一般式中の
両端に位置するベンゼン環が、例えば上記したアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン、アミノ基、カルボキシル
基等で置換された誘導体等が挙げられる。具体的な例と
しては、以下に示すキナクリドンマゼンタ等が挙げられ
る。
【化16】 また、さらに中央に位置するベンゼン環が化学的に許容
される置換基で置換されていてもよい。さらに、以下に
示すような構造異性体も、誘導体に含まれる。
【化17】 キナクリドンの誘導体としては、約150種以上知られ
ており、いずれも本発明に用いることができる。しかし
ながら、前述のようにハロゲン含有のものはできれば避
けたい。また、キナクリドンはキナクリドンキノンと混
晶を作ることが知られており、このような混晶を用いて
もよい。
【0026】本発明で使用されるC=OとNH、Sおよ
びOから選ばれる官能基とを分子内に有する好ましい環
状化合物としては、アクリドンまたはその誘導体が挙げ
られる。アクリドンは、共役系が小さく、光線の吸収は
紫外域から青領域であり、物質そのものは黄色を呈して
いる。また、アクリドンも様々な合成方法があり、本発
明においては、いずれの合成方法によって製造されたも
のでも用いることができる。
【0027】アクリドンの構造式を以下に示す。
【化18】 アクリドンの誘導体に関しても、前記2種と同様に、例
えば両端に位置するベンゼン環が、化学的に許容される
自体公知の置換基、例えばアルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン、アミノ基、カルボキシル基等で置換されてい
る誘導体等が挙げられ、構造異性体であってもよい。
【0028】本発明で使用されるC=Oを分子内に有す
る環状化合物とNH、SおよびOから選ばれる官能基を
分子内に有する環状化合物との混合物は、以下に示す一
般式(IV)で表される。
【化19】 (式中、A〜Aは、X、Wのいずれかで、1分子
中、A〜Aの少なくとも1つはXであり、またB
〜Bは、Y、Wのいずれかで、1分子中、B〜B
の少なくとも1つはYである。また、X、Y、Zおよび
Wは、上記と同意義である。) 本発明に係わる前記環状化合物としては、例えば以下に
示すような化合物が含まれる。
【化20】 (式中、X、Y、ZおよびWは、上記と同意義であ
る。)
【0029】上記一般式(IV)において、混合物の混合
割合は、混合物の全重量を100重量%とした時、A
〜AまたはAを用いて表される化合物(一般式(I
V)中の化合物(a)または(c))が、約0.1〜9
9.9重量%程度であることが好ましい。より好ましく
は、約1〜99重量%程度であり、さらに好ましくは、
約10〜90重量%程度である。混合物中のA〜A
またはAを用いて表される化合物の割合が、約50重
量%程度であるときが、混合物の混合割合として、最も
好ましい。
【0030】本発明にかかる成形用樹脂組成物中の核剤
の混合割合は、結晶構造を取り得るポリエステル100
重量部に対して、約0.001〜10重量%程度である
ことが好ましい。上記範囲であれば、結晶化が促進さ
れ、剛性が改善される。また、透明性については、核剤
が無色または無色に近い物質を選ぶことによって、また
核剤が有色であっても、混合割合として、上記値の範囲
の中で低い値を選ぶことによって、透明性が確保でき
る。ただし、透明性を確保する場合には、後で説明する
無機フィラーであるタルクを混合しないほうがよい。
【0031】本発明の成形用樹脂組成物には、結晶構造
を取り得るポリエステルが含まれている。結晶構造を取
り得るポリエステルとしては、生分解性ポリエステルが
好ましい。かかる生分解性ポリエステルとしては、例え
ば微生物によって代謝されるポリエステル系の樹脂を挙
げることができ、中でも成形性、耐熱性、耐衝撃性をバ
ランスよく有している脂肪族系ポリエステルを用いるの
が好ましい。上記脂肪族系ポリエステルとしては、例え
ばポリシュウ酸エステル、ポリコハク酸エステル、ポリ
ヒドロキシ酪酸、ポリジグリコール酸ブチレン、ポリカ
プロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ乳酸系脂肪族系
ポリエステルなどが挙げられる。中でも、脂肪族ポリエ
ステルとして、ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルを用い
るのがさらに好ましい。ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステ
ルとしては、具体的には、乳酸、リンゴ酸、グルコール
酸等のオキシ酸の重合体またはこれらの共重合体が挙げ
られ、中でも、ポリ乳酸に代表されるヒドロキシカルボ
ン酸系脂肪族ポリエステルを用いることが特に好まし
く、さらにヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステル
の中でも、ポリ乳酸が最も好ましい。
【0032】本発明で用いられる生分解性ポリエステル
は、公知の方法に従って製造することができる。例え
ば、ラクチド法、多価アルコールと多塩基酸との重縮
合、または分子内に水酸基とカルボキシル基とを有する
ヒドロキシカルボン酸の分子間重縮合などの方法により
製造することができる。
【0033】特に、ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルは
通常、環状ジエステルであるラクチド及び対応するラク
トン類の開環重合による方法、いわゆるラクチド法によ
り、また、ラクチド法以外では、乳酸の通接脱水縮合法
により得ることができる。また、上記ポリ乳酸系脂肪族
系ポリエステルを製造するための触媒としては、錫、ア
ンチモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物を例
示することができ、中でも錫系触媒、アルミニウム系触
媒を用いるのが好ましく、オクチル酸錫、アルミニウム
アセチルアセトナートを用いるのが特に好適である。
【0034】ラクチド開環重合により得られるポリL−
乳酸が、上記ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルの中でも
好ましい。かかるポリL−乳酸は加水分解されてL−乳
酸になり、かつその安全性も確認されているためであ
る。しかし、本発明で使用するポリ乳酸系脂肪族系ポリ
エステルはこれに限定されることはなく、従ってその製
造に使用するラクチドについてもL体に限定されない。
【0035】本発明にかかる成形用樹脂組成物には、結
晶構造を取り得るポリエステル以外に、樹脂組成分とし
て生分解性樹脂が含まれていてもよい。本発明でいう生
分解性樹脂とは、使用後は自然界において微生物が関与
して低分子化合物、最終的に水と二酸化炭素に分解する
樹脂である(生分解性プラスチック研究会、ISO/T
C−207/SC3)。このような生分解性樹脂として
は、例えばセルロース、デンプン、デキストラン、キチ
ン等の多糖誘導体、例えばコラーゲン、カゼイン、フィ
ブリン、ゼラチン等のペプチド等、例えばポリアミノ
酸、例えばポリビニルアルコール、例えばナイロン4、
ナイロン2/ナイロン6共重合体等のポリアミド、例え
ばポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリコハク酸エステ
ル、ポリシュウ酸エステル、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ
ジグリコール酸ブチレン、ポリカプロラクトン、ポリジ
オキサノン等のポリエステル等が挙げられ、多くの種類
があり、本発明でも用いることが可能である。すなわち
生分解性ポリマーは自然界や生体の作用で分解して、同
化される有機材料であり、環境に適合した理想的な材料
であり、本発明の目的を損なわなければ、どのような材
料でもかまわない。また本発明で用いられる生分解性樹
脂は、公知の方法に従って製造することができ、市販品
を使用してもよい。
【0036】本発明にかかる成形用樹脂組成物において
は、上述のような生分解性樹脂のうち1種類のみが含有
されていても良いし、2種類以上の生分解性樹脂が含有
されていても良い。2種類以上の生分解性樹脂が含有さ
れている場合、それらの樹脂は共重合体を形成していて
もよいし、混合状態をとっていてもよい。
【0037】なお、本発明にかかる成形用樹脂組成物に
おいては、上述のような生分解性樹脂以外の樹脂が含有
されていても良い。例えば、上記ISO規定に記載され
ている分解速度は持たないが、約10〜20年という長
期間でゆっくりと分解していくような樹脂が本発明にか
かる成形用樹脂組成物に含まれていてもよい。前記樹脂
として、例えば、分解速度を緩和したポリ乳酸やポリブ
チレンサクシネート等が挙げられる。
【0038】本発明にかかる成形用樹脂組成物は、さら
に無機フィラーが添加されていてもよい。無機フィラー
としては、公知のものであってよく、例えば、タルク、
アルミナ、シリカ、マグネシア、マイカまたはカオリン
等が挙げられる。中でもタルクが、上記核剤と併用する
ことにより、互いにその効果を打ち消すことなく、結晶
化を促進させる効果があることから、より好ましく使用
される。また、無機フィラーは、結晶構造を取り得るポ
リエステル100重量部に対して、約1〜50重量部添
加されていることが好ましい。上記範囲であると、得ら
れる成形用樹脂組成物が脆弱化を避けることができる。
【0039】ポリエステルの加水分解の抑制は、成形品
の長期信頼性の点で重要である。従って、本発明にかか
る成形用樹脂組成物は、さらに加水分解抑制剤が添加さ
れていることが好ましい。かかる加水分解抑制剤として
は、生分解性樹脂の加水分解を抑制することができれ
ば、特に限定されないが、例えば、生分解性樹脂中の活
性水素と反応性を有する化合物が挙げられる。前記化合
物を加えることで、生分解性樹脂中の活性水素量が低減
し、活性水素が触媒的に生分解性樹脂を構成する高分子
鎖を加水分解することを防ぐことができる。ここで、活
性水素とは、酸素、窒素等と水素との結合(N−H結合
やO−H結合)における水素のことであり、かかる水素
は炭素と水素の結合(C−H結合)における水素に比べ
て反応性が高い。より具体的には、生分解性樹脂中の例
えばカルボキシル基:−COOH、水酸基:−OH、ア
ミノ基:−NH、またはアミド結合:−NHCO−等
における水素が挙げられる。
【0040】前記加水分解抑制剤としては、例えば、カ
ルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾ
リン系化合物などが適用可能である。特にカルボジイミ
ド化合物が生分解性高分子化合物と溶融混練でき、少量
の添加で生分解性樹脂の加水分解をより抑制できるため
に好ましい。
【0041】前記カルボジイミド化合物は分子中に一個
以上のカルボジイミド基を有する化合物であり、ポリカ
ルボジイミド化合物をも含む。このカルボジイミド化合
物に含まれるモノカルボジイミド化合物としては、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジ
イミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボ
ジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカル
ボジイミドまたはナフチルカルボジイミドなどを例示す
ることができ、これらの中でも、特に工業的に入手が容
易であるジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロ
ピルカルボジイミドが好ましい。
【0042】上記イソシアネート化合物としては、例え
ば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレ
ンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビ
フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−
ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラ
ヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシ
レンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメ
チルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネートまたは3,3’−ジメチル−4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙
げられる。
【0043】上記オキサゾリン系化合物としては、例え
ば、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2
−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4
−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニ
レンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、
2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−
2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オ
キサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オ
キサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オ
キサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オ
キサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)または2,2’−ジフェニレンビス
(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
【0044】上述のような加水分解抑制剤は、公知の方
法に従って容易に製造することができ、また市販品を適
宜使用することができる。
【0045】本発明で用いる加水分解抑制剤の種類また
は添加量により、本発明にかかる成形用樹脂組成物の生
分解速度を調整することができるので、目的とする製品
に応じ、配合する加水分解抑制剤の種類および配合量を
決定すればよい。具体的には、加水分解抑制剤の添加量
は、成形用樹脂組成物の全重量に対して、約5重量%以
下、好ましくは約1重量%程度である。また、前記加水
分解抑制剤は、上記化合物を単独で使用してもよいし、
二種以上を併用してもかまわない。
【0046】本発明にかかる成形用樹脂組成物には、結
晶性を著しく妨げない限りにおいて、所望により、例え
ば酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色
剤、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃剤、充填剤
または抗菌抗カビ剤など、従来公知の各種添加剤が配合
されていてもよい。
【0047】本発明にかかる成形用樹脂組成物を原料と
なる各成分から製造する方法としては、原料である生分
解性樹脂、所望により無機フィラーや加水分解抑制剤な
どを混合し、押出機を用いて溶融混練するという方法が
挙げられる。このほか、上記製造方法としては、いわゆ
る溶液法を用いることもできる。ここでいう溶液法と
は、各成分を分散溶解できる任意の溶媒を用いて、原料
となる各成分及び溶媒を良く撹拌し、スラリーを作り、
溶媒を乾燥除去する方法である。しかし、本発明の成形
用樹脂組成物を製造する方法としては、これら制限され
るものではなく、これら以外の従来知られている方法を
用いることができる。
【0048】本発明では、生分解性ポリエステルの中に
インジゴ等の添加剤が均一に微分散されていることが重
要である。これには、従来公知の方法を用いればよい。
例えば、顔料を樹脂に分散させ着色する方法が参考とな
る。例えば、3本ロールを用いることがあげられる。あ
るいは、時間がかかるが、工程は単純な加熱混練を何回
も繰返すこともあげられる。
【0049】また、用途目的は違うが先行技術の特公平
6−32651、特公平6−34813に開示されてい
るインジゴの添加混合方法を、本発明の成形用樹脂組成
物の作製方法として用いることもできる。
【0050】本発明の成形用樹脂組成物は、成形品に広
く使用することができる。結晶性が高いため、剛性に優
れており、さらに上記のように場合によっては透明性も
高いので、そのような要求の高い製品に好適に使用され
る。例えば、テレビ、携帯型音楽再生機、ラジオ、ステ
レオ、CDプレーヤー、ビデオまたはパソコン等の筐体
として使用できる。中でも、大量に排出されるテレビお
よびパソコンの筐体として使用することが好ましく、使
用後には生分解処理に付して廃棄すればよく、廃棄に余
分なエネルギーが消費されないという利点を有する。
【0051】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。しかしながら、本発明がこれらに限定されないこと
は言うまでもない。なお、以下の実施例および比較例に
おいて、結晶構造を取り得るポリエステルは、100重
量部であることを基本とする。
【0052】〔実施例1〕結晶構造を取り得るポリエス
テルとして、ポリ乳酸であるH100J(三井化学製)
を用いた。このポリ乳酸は、分子量20万であった。イ
ンジゴは関東化学製を用いた。ポリ乳酸100重量部に
対して、インジゴが0.5重量部になるように混合し、
加熱混練した後、ペレット化し、実施例1Aの成形用樹
脂組成物を得た。
【0053】特開平10−158369号公報に記載の
方法に準じ、示差走査熱量(DSC)測定によって、こ
の成形用樹脂組成物の結晶性を評価した。試料はいった
ん200℃まで加熱し、50℃/分で0℃まで冷却させ
た後、20℃/分で昇温しながら本測定を行った。すな
わち、100℃付近の結晶化による発熱量と160℃付
近の融解による吸熱量とから、次式で定義する結晶化率
を求めた。
【数1】結晶化率(%)=(1−結晶化の発熱量/融解
の吸熱量)×100
【0054】また、粘弾性を測定した。成形用樹脂組成
物5gを、ホットプレス機にて、180℃で溶融させ、
厚さ1mmの枠状スペーサーを用いプレスの後、自然放
冷し、直径約7cmで厚さ1mmの板を得た。この板か
ら機械加工により試験片を切り出して、粘弾性率を測定
し機械的強度を調べた。測定方法は次の通りである。
【0055】 試験片:長さ50mm×幅7mm×厚さ1mm 測定装置:粘弾性アナライザー RSA−II(レオメ
トリック社製) 測定ジオメトリー:Dual Cantilever
Bending 周波数:6.28(rad/s) 測定開始温度:0(℃) 測定最終温度:160(℃) 昇温速度:5(℃/min)歪:0.05(%)この測
定方法は、引張弾性測定と曲弾性測定とが加味されたも
のである。80℃付近の粘弾性を見ることで、結晶化が
促進しているかどうかがわかる。
【0056】ふつう結晶性樹脂の場合、核剤の添加など
により結晶化の全体速度を速くできれば、射出成形のと
き成形時間を短縮することができる。これは生産性が向
上することを意味し、生産コストを改善できる。また、
成形時間が同一の場合、結晶化の全体速度が速ければ、
成形品の結晶化度はより高いものにでき、剛性が改善で
きる。今回は、成形性の改善を示す指標として、偏光顕
微鏡による撮影によって、全体の結晶化速度(結晶化時
間)を計測した。薄いガラス(0.1mm程度)に樹脂
組成物を少量乗せ、ホットステージで200℃に加熱
し、さらに薄いガラスでカバーし、サンドイッチ状態に
して観察試料とした。なお、この際、必要に応じ、0.
1mmの金属円環をガラス間のスペーサーに用いた。2
00℃の試料は、90℃/分で降温させて、120℃に
して保持し、クロスニコルで観察した。ポリ乳酸の結晶
は複屈折を有するため、クロスニコルで結晶成長を観察
できる。結晶成長に伴い、観察視野は全体として次第に
明るくなり、ある一定レベルで観察視野の明るさが飽和
する。観察視野を白黒CCDビデオカメラで撮影し、パ
ソコンの画像取り込みボードに取り込み、視野中央の明
るさの平均を求め(以下、単に明るさと呼ぶ)、時間に
対してプロットした。本実施例において、時間ゼロは、
200℃から降温を開始した時間とした。例えば比較例
1の場合、120℃になった時間は53秒となった。結
晶化時間は次のようにして求めた。すなわち、明るさの
立ち上がりを直線で補外し、また飽和した明るさも補外
し、それら交点の時間を読み取った。そして、120℃
になった時間を基準にして、結晶化時間を求めた。
【0057】以上の測定結果を表1に示す。結晶化率と
機械的強度とも、後述する比較例1のポリ乳酸だけのも
のより改善された結果が得られた。
【0058】同様に、実施例1B、1C、1Dとして、
ポリ乳酸100重量部に対して、インジゴ0.1重量
部、0.01重量部、2重量部の成形用樹脂組成物を製
作し、同様に測定した。測定結果を表1に示す。インジ
ゴの添加量が少なくても結晶化率は改善され、機械的強
度も改善される結果が得られた。
【0059】また、インジゴの添加量が少ない成形用樹
脂組成物の1mm厚の板は青色に着色はしているもの
の、透明性を有していた。用途によっては、このような
成形用樹脂組成物が重宝されることが考えられる。ま
た、添加量が2重量部の場合、DSCの測定結果のチャ
ートには結晶化の発熱ピークは見られず、この定義での
結晶化率は100%が得られた。
【0060】〔実施例2〕実施例1と同様にして、ポリ
乳酸100重量部とチオインジゴ0.5重量部の成形用
樹脂組成物を作製した。この成形用樹脂組成物を同様に
して評価した。結果を表1に示す。チオインジゴでも結
晶性を改善できる結果が得られた。すなわち、インジゴ
誘導体でも結晶性を改善できることがわかった。
【0061】〔実施例3A、3B〕実施例1と同様にし
て、ポリ乳酸100重量部とキナクリドン(東京化成
製)0.5重量部の実施例3Aの成形用樹脂組成物を作
製した。この成形用樹脂組成物を同様にして評価した。
結果は表1に合わせて示す。キナクリドンでも結晶化率
を改善できる結果が得られた。
【0062】また同様に、実施例3Bとして、ポリ乳酸
100重量部とキナクリドンマゼンタ(大日本インキ化
学工業製)0.5重量部で成形用樹脂組成物を作製し、
評価した。結果を表1に示す。キナクリドン誘導体でも
結晶化率を改善できる結果が得られた。
【0063】〔実施例4〕実施例1と同様にして、ポリ
乳酸100重量部と9(10H)−アクリドン(東京化
成製)0.5重量部の成形用樹脂組成物を作製した。こ
の成形用樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。
結果を表1に示す。9(10H)−アクリドンでも結晶
化率を少々改善できる結果が得られた。アクリドン自体
は黄色であり、可視域に光線の吸収が小さい。また、モ
ル吸収係数も大きくはない。このため、アクリドンの添
加量が0.5重量部のこの成形用樹脂組成物は、ごく薄
い黄色であり、かなりの透明性も有していた。これは、
透明性が必要な用途では、非常に重宝されることが考え
られた。
【0064】〔実施例5〕ポリ乳酸100重量部と、イ
ンジゴ0.5重量部と、タルク(富士タルク製LMS−
200)20重量部との成形用樹脂組成物を加熱混練
し、ペレット化して、成形用樹脂組成物を得た。この成
形用樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。ただ
し、粘弾性測定用の板は、射出成形で、100×100
×1mmの板を作り、これから試験片を切り出した。測
定結果は表1に合わせて示す。その結果、DSCの測定
結果のチャートには、結晶化の発熱ピークは見られなか
った。すなわち、この定義での結晶化率は100%が得
られた。インジゴとタルクとを併用しても、互いにその
効果を打ち消すことなく、さらに結晶化を高めることが
わかった。さらに粘弾性も改善できるとわかった。
【0065】〔実施例6〕まず、ポリ乳酸にインジゴを
4.5wt%添加し、加熱混練で、マスタバッチを作製
した。そして、島津製作所製#6020のポリ乳酸樹脂
90重量部と、このマスタバッチ10重量部とを加熱混
練し、実施例6の成形用樹脂組成物を作製した。#60
20はポリ乳酸を主成分とした成形用樹脂組成物で、白
色である。#6020のDSCを測定したところ、11
0℃付近に吸熱ピークが見られ、これはゴム成分である
と思われる。また、タルクも10%程度は含有している
ものと思われる。この成形用樹脂組成物を上記と同様に
して評価した。結果を表1に示す。
【0066】〔実施例7〕実施例1と同様にして、ポリ
乳酸100重量部、インジゴ0.5重量部、加水分解抑
制剤(日清紡製のカルボジライト10B)1重量部の成
形用樹脂組成物を作製した。この加水分解抑制剤はカル
ボジイミド化合物である。この成形用樹脂組成物を上記
実施例と同様にDSC測定により評価した。結果を表1
に示す。この成形用樹脂組成物のDSC測定による結晶
化率は52%であった。
【0067】実施例7の成形用樹脂組成物のペレットを
用い、温度70℃、湿度80%の条件で保存試験を行っ
た。その途中、適宜分取し、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー;Gel permeation chromatogra
phy)測定によって分子量を測定した。試験にかける前
(0日)の分子量で規格化し、以下に示す数式に従っ
て、分子量残存率を計算した。
【数2】分子量残存率(%)=X/X×100 (上記式中、Xは、試験にかける前、すなわち0日に
おけるサンプルの分子量であり、Xは、試験後X日後の
サンプルの分子量を示す。) 結果を表2にまとめた。なお、実施例1Aの成形用樹脂
組成物(ポリ乳酸100重量部とインジゴ0.5重量
部)および、比較例1のポリ乳酸だけの成形用樹脂組成
物でも、同様に保存試験を行った。その結果、実施例7
の核剤だけでなく加水分解抑制剤も添加した成形用樹脂
組成物は、分子量が低下する時間が遅延され、耐加水分
解性が改善された。
【0068】〔比較例1〕ポリ乳酸として前述のH10
0Jを用い、先の実施例と同条件の作製過程を経て、す
なわち加熱混練しペレット化し、ポリ乳酸だけの成形用
樹脂組成物を得た。これを、上記と同様に評価し、その
結果を表1に示した。
【0069】〔比較例2〕同様に、ポリ乳酸100重量
部とステアリン酸カルシウム(関東化学製)0.5重量
部の成形用樹脂組成物を作製した。この成形用樹脂組成
物を同様にして評価した。結果は表1に合わせて示す。
その結果、長鎖カルボン酸の塩はポリ乳酸に対して核剤
の効果があると言われており、確かに結晶化率は、少し
は改善された。
【0070】〔比較例3〕同様に、ポリ乳酸100重量
部とビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(新
日本理化製ゲルオールMD)0.5重量部の成形用樹脂
組成物を作製した。この成形用樹脂組成物を上記実施例
と同様にして評価した。結果は表1に合わせて示す。ビ
ス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールは先行技術
によって核剤として提案されているものである。しか
し、今回の一連の評価においては、その効果は非常に小
さかった。なお、添加量を2重量部にしても、顕著な効
果は見られなかった。
【0071】〔比較例4〕ポリ乳酸100重量部とタル
ク(富士タルク製LMS−200)20重量部の成形用
樹脂組成物を加熱混練した後、ペレット化し、成形用樹
脂組成物を得た。この成形用樹脂組成物を上記実施例と
同様にして評価した。ただし、粘弾性測定用の板は、実
施例5と同様にして射出成形によって、100×100
×1mmの板を作り、これから試験片を切り出した。結
果は表1に合わせて示す。結晶化率は非常に高い結果が
得られた。また、粘弾性も高かった。タルクは、無機フ
ィラーとしてそれ自身が成形用樹脂組成物の機械強度を
改善するとともに、ポリ乳酸の結晶化率を改善すると言
われており、それが再確認された。従って、タルクは場
合によっては有効な核剤として用いることができること
が示唆された。しかし、数10重量部という添加量が必
要であり、20重量部の添加でも、結晶化率は100%
が得られていない。そして、タルクの添加は成形用樹脂
組成物を脆くしてしまうという諸刃の剣の作用がある。
よって、これ以上に結晶化率を高くすることは、タルク
のみの添加では難しいと判断した。また、タルク添加で
は透明性は得られないのも短所である。
【0072】〔比較例5〕前述のポリ乳酸樹脂#602
0の90重量部と、前述のポリ乳酸H100Jの10重
量部とを加熱混練し、比較例6の成形用樹脂組成物を作
製した。この成形用樹脂組成物を上記実施例と同様にし
て評価した。結果は表1に合わせて示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明の成形用樹脂組成物は、結晶化度
が高いため、剛性において優れている。また、成形性も
優れている。さらに上記のように場合によっては透明性
にも優れているので、広い範囲に適用可能である。さら
に、廃棄後は、自然環境中で分解されるので、地球環境
保全の上でも好ましい発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 浩之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 宮下 真由美 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA44 AB17 AB18 AB26 AB30 AC12 AC13 AH05 BA01 BB03 BC01 BC07 4J002 CF031 DE077 DE147 DJ007 DJ017 DJ047 DJ057 EU026 EU076 EV306 FD017 FD206 GG00

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)C=OとNH、SおよびOから選
    ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物または
    (b)C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、Sお
    よびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物
    との混合物が、結晶構造を取り得るポリエステルに添加
    されていることを特徴とする成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 C=OとNH、SおよびOから選ばれる
    官能基とを分子内に有する環状化合物が、一般式(I)
    で表されることを特徴とする請求項1に記載の成形用樹
    脂組成物。 【化1】 [式中、A〜Aは、以下に示すX、YおよびWのい
    ずれかで、1分子中にX、YおよびWの少なくとも1つ
    ずつを含み、Xは−CO−を、Yは−NH−、−S−ま
    たは−O−を示し、Zは、以下の一般式(II)で表さ
    れ、 【化2】 (式中、結合手のない炭素原子は化学的に許容される限
    り置換されていてもよい。)、Wは、以下の一般式(II
    I)で表される。 【化3】 (式中、R、R、RまたはRは、水素原子また
    は化学的に許容される置換基を意味し、またはRおよ
    びRが一緒になって環を形成していてもよい。)]
  3. 【請求項3】 C=Oを分子内に有する環状化合物とN
    H、SおよびOから選ばれる官能基を分子内に有する環
    状化合物との混合物が、一般式(IV)で表されることを
    特徴とする請求項1に記載の成形用樹脂組成物。 【化4】 (式中、A〜Aは、X、Wのいずれかで、1分子
    中、A〜Aの少なくとも1つはXであり、またB
    〜Bは、Y、Wのいずれかで、1分子中、B〜B
    の少なくとも1つはYである。また、X、Y、Zおよび
    Wは、請求項2に記載された定義と同意義である。)
  4. 【請求項4】 C=OとNH、SおよびOから選ばれる
    官能基とを分子内に有する環状化合物が、インジゴまた
    はその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の
    成形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 C=OとNH、SおよびOから選ばれる
    官能基とを分子内に有する環状化合物が、キナクリドン
    またはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記
    載の成形用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 C=OとNH、SおよびOから選ばれる
    官能基とを分子内に有する環状化合物が、アクリドンま
    たはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載
    の成形用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 結晶構造を取り得るポリエステルが、生
    分解性ポリエステルであることを特徴とする請求項1に
    記載の成形用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 生分解性ポリエステルが、ポリ乳酸であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の成形用樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 インジゴが、ポリ乳酸に添加されている
    ことを特徴とする成形用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 結晶構造を取り得るポリエステル10
    0重量部に対して、(a)C=OとNH、SおよびOか
    ら選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物または
    (b)C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、Sお
    よびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物
    との混合物が、0.001〜10重量部添加されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 さらに無機フィラーが添加されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形用樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 無機フィラーが、タルクであることを
    特徴とする請求項11に記載の成形用樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 無機フィラーが、成形用樹脂組成物1
    00重量部に対して、1〜50重量部添加されているこ
    とを特徴とする請求項11に記載の成形用樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 さらに加水分解抑制剤が添加されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の成形用樹脂組成
    物。
  15. 【請求項15】 加水分解抑制剤が、カルボジイミド基
    を有する化合物を含有していることを特徴とする請求項
    14に記載の成形用樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 (a)C=OとNH、SおよびOから
    選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物または
    (b)C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、Sお
    よびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物
    との混合物を、結晶構造を取り得るポリエステルに添加
    することを特徴とする成形用樹脂組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 (a)C=OとNH、SおよびOから
    選ばれる官能基とを分子内に有する環状化合物または
    (b)C=Oを分子内に有する環状化合物とNH、Sお
    よびOから選ばれる官能基を分子内に有する環状化合物
    との混合物が、結晶構造を取り得るポリエステルに添加
    されている成形用樹脂組成物を含有することを特徴とす
    る成形品。
  18. 【請求項18】 電気または電子機器の筐体であること
    を特徴とする請求項17に記載の成形品。
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