JP2003234356A - 高電子移動度トランジスタ - Google Patents
高電子移動度トランジスタInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い2次元電子ガス濃度および高い電子移動
度を得る。 【解決手段】 Ga原子で終端したGaN層2上にこれ
と同程度の面内格子定数をもつ歪んだAlxGa1−x
N層5を形成し、このAlxGa1−xN層5上にゲー
トメタル6を設けた高電子移動度トランジスタにおい
て、AlxGa1− xN層5のAl組成比xが、GaN
層2との界面においてxI、上記ゲートメタルとの界面
においてxF(>xI)であり、これらの界面の間では
xIからxFまで徐々に大きくなる。例えば、xI=
0.1,xF=0.4である。
度を得る。 【解決手段】 Ga原子で終端したGaN層2上にこれ
と同程度の面内格子定数をもつ歪んだAlxGa1−x
N層5を形成し、このAlxGa1−xN層5上にゲー
トメタル6を設けた高電子移動度トランジスタにおい
て、AlxGa1− xN層5のAl組成比xが、GaN
層2との界面においてxI、上記ゲートメタルとの界面
においてxF(>xI)であり、これらの界面の間では
xIからxFまで徐々に大きくなる。例えば、xI=
0.1,xF=0.4である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaN層とAlG
aN層の半導体界面を備えた高電子移動度トランジスタ
(HEMT:High Electron Mobility Transistor)に
関するものである。
aN層の半導体界面を備えた高電子移動度トランジスタ
(HEMT:High Electron Mobility Transistor)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のHEMTは、例えば、サファイア
あるいはSiC等からなる基板上にキャリア密度が多く
とも1016[/cm3]以下で厚さが数[μm]のG
a原子で終端した絶縁性GaN層を形成し、このGa原
子で終端したGaN層上に厚さが数10[nm]のAl
xGa1−xN層を成長させ、上記GaN層上にソース
電極およびドレイン電極を設けるとともに、上記Alx
Ga1−xN層上にゲートメタルを設けた構造である。
上記従来のHEMTを構成するAlxGa1−xN層
は、そのAl組成比xが一様な半導体層であり、上記G
a原子で終端したGaN層と同程度の面内格子定数をも
つ歪んだ半導体層である。このような構造のHEMT
は、例えばElectronics Letters,Vol.33,No.14,p.1230-
1231,3rd July1997,「Piezoelectric charge densities
in AlGaN/GaN HFETs」(以下、文献1とする)に開示
されている。
あるいはSiC等からなる基板上にキャリア密度が多く
とも1016[/cm3]以下で厚さが数[μm]のG
a原子で終端した絶縁性GaN層を形成し、このGa原
子で終端したGaN層上に厚さが数10[nm]のAl
xGa1−xN層を成長させ、上記GaN層上にソース
電極およびドレイン電極を設けるとともに、上記Alx
Ga1−xN層上にゲートメタルを設けた構造である。
上記従来のHEMTを構成するAlxGa1−xN層
は、そのAl組成比xが一様な半導体層であり、上記G
a原子で終端したGaN層と同程度の面内格子定数をも
つ歪んだ半導体層である。このような構造のHEMT
は、例えばElectronics Letters,Vol.33,No.14,p.1230-
1231,3rd July1997,「Piezoelectric charge densities
in AlGaN/GaN HFETs」(以下、文献1とする)に開示
されている。
【0003】このようなHEMTにおいてのキャリア
は、上記歪んだAlGaN層のピエゾ効果によってGa
N層とAlGaN層の界面のGaN側に生成された2次
元電子ガスである。この2次元電子ガスのキャリア濃度
NSは、上記文献1のFig.2に示されているよう
に、Al組成比xに対し、NS≒(Al組成比x)×5
×1013[/cm2]のような依存性を示す。このた
め、Al組成比xを増やすことによって、2次元電子ガ
ス濃度NSを増加させることが可能であった。
は、上記歪んだAlGaN層のピエゾ効果によってGa
N層とAlGaN層の界面のGaN側に生成された2次
元電子ガスである。この2次元電子ガスのキャリア濃度
NSは、上記文献1のFig.2に示されているよう
に、Al組成比xに対し、NS≒(Al組成比x)×5
×1013[/cm2]のような依存性を示す。このた
め、Al組成比xを増やすことによって、2次元電子ガ
ス濃度NSを増加させることが可能であった。
【0004】なお、Ga原子で終端したGaN層上の歪
んだAlGaN層が、GaN/AlGaN界面のGaN
側に2次元電子ガスを誘起することは、例えば上記文献
1やJournal of Applied physics,Vol87,No7,1 April 2
000,p.3375-3380,「Two-dimensional electron gases i
n Ga-face and N-face AlGaN/GaN heterostructuresgro
wn by plasma-induced molecular beam epitaxy and me
talorganic chemicalvapor deposition on sapphire」
(以下、文献2とする)に示されている。
んだAlGaN層が、GaN/AlGaN界面のGaN
側に2次元電子ガスを誘起することは、例えば上記文献
1やJournal of Applied physics,Vol87,No7,1 April 2
000,p.3375-3380,「Two-dimensional electron gases i
n Ga-face and N-face AlGaN/GaN heterostructuresgro
wn by plasma-induced molecular beam epitaxy and me
talorganic chemicalvapor deposition on sapphire」
(以下、文献2とする)に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の高電子移動度トランジスタでは、Al組成比xを増
やして2次元電子ガス濃度を増加させようとすると、A
lGaN層とGaN層の格子不整合が大きくなり、良質
なAlGaN層の形成が困難になるとともに、界面散乱
が大きくなり、電子移動度が低下するという問題があっ
た。
来の高電子移動度トランジスタでは、Al組成比xを増
やして2次元電子ガス濃度を増加させようとすると、A
lGaN層とGaN層の格子不整合が大きくなり、良質
なAlGaN層の形成が困難になるとともに、界面散乱
が大きくなり、電子移動度が低下するという問題があっ
た。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたものであり、高い2次元電子ガス濃度
および高い電子移動度を実現できる高電子移動度トラン
ジスタを提供することを目的とするものである。
るためになされたものであり、高い2次元電子ガス濃度
および高い電子移動度を実現できる高電子移動度トラン
ジスタを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高移動度トラン
ジスタは、Ga原子で終端したGaN層上にこれと同程
度の面内格子定数をもつ歪んだAlxGa1−xN層を
形成し、このAlxGa1−xN層上にゲートメタルを
設けた高電子移動度トランジスタにおいて、上記Alx
Ga1−xN層のAl組成比xが、上記GaN層との界
面においてxI、上記ゲートメタルとの界面においてx
F(>xI)であり、これらの界面の間ではxIからx
Fまで徐々に大きくなることを特徴とするものである。
ジスタは、Ga原子で終端したGaN層上にこれと同程
度の面内格子定数をもつ歪んだAlxGa1−xN層を
形成し、このAlxGa1−xN層上にゲートメタルを
設けた高電子移動度トランジスタにおいて、上記Alx
Ga1−xN層のAl組成比xが、上記GaN層との界
面においてxI、上記ゲートメタルとの界面においてx
F(>xI)であり、これらの界面の間ではxIからx
Fまで徐々に大きくなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態のHE
MTの断面構造図である。図1において、1はサファイ
アあるいはSiC等からなる基板、2は基板1上に形成
されてGa原子で終端された絶縁性GaN層、3はGa
N層2上に形成されたソース電極、4はGaN層2上に
形成されたドレイン電極、5はGaN層2上に形成され
たAl xGa1−xN層、6はAlxGa1−xN層5
上に形成されたゲートメタルである。
MTの断面構造図である。図1において、1はサファイ
アあるいはSiC等からなる基板、2は基板1上に形成
されてGa原子で終端された絶縁性GaN層、3はGa
N層2上に形成されたソース電極、4はGaN層2上に
形成されたドレイン電極、5はGaN層2上に形成され
たAl xGa1−xN層、6はAlxGa1−xN層5
上に形成されたゲートメタルである。
【0009】本実施の形態のHEMTは、AlxGa
1−xN層5の構造に特徴がある。AlxGa1−xN
層5のAl組成比xは、従来のHEMTとは異なり、一
様ではない。AlxGa1−xN層5のGaN層2との
界面においてのAl組成比xをxI、同じく上記ゲート
メタル6との界面においてのAl組成比xをxFとする
と、xI<xFであり、これらの界面の間では、Al組
成比xはxIからxFまで徐々に大きくなる。
1−xN層5の構造に特徴がある。AlxGa1−xN
層5のAl組成比xは、従来のHEMTとは異なり、一
様ではない。AlxGa1−xN層5のGaN層2との
界面においてのAl組成比xをxI、同じく上記ゲート
メタル6との界面においてのAl組成比xをxFとする
と、xI<xFであり、これらの界面の間では、Al組
成比xはxIからxFまで徐々に大きくなる。
【0010】GaN層2は、Ga原子で終端されてい
る。つまり、GaN層2のAlGaN層5との界面に配
置された最上層は、Ga原子の層である。これにより、
AlGaN層5のGaN層2との界面に配置された最下
層は、N原子の層である。また、AlGaN層5は、A
lxGa1−x分子で終端されている。つまり、AlG
aN層5のゲートメタル6との界面に配置された最上層
は、AlxGa1−x分子の層である。
る。つまり、GaN層2のAlGaN層5との界面に配
置された最上層は、Ga原子の層である。これにより、
AlGaN層5のGaN層2との界面に配置された最下
層は、N原子の層である。また、AlGaN層5は、A
lxGa1−x分子で終端されている。つまり、AlG
aN層5のゲートメタル6との界面に配置された最上層
は、AlxGa1−x分子の層である。
【0011】本実施の形態のHEMTの製法について以
下に説明する。まず、基板1上に、Ga原子で終端され
る絶縁性GaN膜を数[μm]成膜する。このGaN膜
は、GaN層2となる。なお、GaN層2の構造は、従
来のHEMTのGaN層と同様である。
下に説明する。まず、基板1上に、Ga原子で終端され
る絶縁性GaN膜を数[μm]成膜する。このGaN膜
は、GaN層2となる。なお、GaN層2の構造は、従
来のHEMTのGaN層と同様である。
【0012】次に、GaN層2上に、Al組成比xを膜
厚とともに徐々に増加させながら、AlxGa1−xN
膜を数10[nm]成膜する。このAlxGa1−xN
膜は、AlxGa1−xN層5となる。AlxGa
1−xN層5は、GaN層2と同程度の面内格子定数を
もつ歪んだ半導体層である。AlxGa1−xN層5の
Al組成比xは、GaN層2との界面では例えばx=x
I=0.1であり、ゲートメタル6に近づくとともに
(膜厚とともに)に徐々に増加し、ゲートメタル6との
界面では例えばx=xF=0.4である。なお、上記の
AlxGa1−xN膜は、真空中において上記GaN膜
と連続して成膜することが望ましい。
厚とともに徐々に増加させながら、AlxGa1−xN
膜を数10[nm]成膜する。このAlxGa1−xN
膜は、AlxGa1−xN層5となる。AlxGa
1−xN層5は、GaN層2と同程度の面内格子定数を
もつ歪んだ半導体層である。AlxGa1−xN層5の
Al組成比xは、GaN層2との界面では例えばx=x
I=0.1であり、ゲートメタル6に近づくとともに
(膜厚とともに)に徐々に増加し、ゲートメタル6との
界面では例えばx=xF=0.4である。なお、上記の
AlxGa1−xN膜は、真空中において上記GaN膜
と連続して成膜することが望ましい。
【0013】また、GaN層2上に、ソース電極3およ
びドレイン電極4を形成するとともに、AlGaN層5
上に、ゲートメタル6を形成する。なお、ソースおよび
ドレインの構造は、本実施の形態の特徴となるものでは
なく、例えばソース電極3およびドレイン電極4をAl
GaN層5上に設けた構造なども可能である。
びドレイン電極4を形成するとともに、AlGaN層5
上に、ゲートメタル6を形成する。なお、ソースおよび
ドレインの構造は、本実施の形態の特徴となるものでは
なく、例えばソース電極3およびドレイン電極4をAl
GaN層5上に設けた構造なども可能である。
【0014】図2は本発明の実施の形態のHEMTの動
作を説明する図であり、(a)は厚さ方向の電荷分布
図、(b)は導伝帯の厚さ方向のエネルギーバンド図で
ある。
作を説明する図であり、(a)は厚さ方向の電荷分布
図、(b)は導伝帯の厚さ方向のエネルギーバンド図で
ある。
【0015】図2(a)において、横軸は厚さ方向の座
標z、縦軸は電荷(電荷密度)であり、xIはAlGa
N/GaN界面でのAlxGa1−xN層5のAl組成
比x、xFはゲート/AlGaN界面でのAlxGa
1−xN層5のAl組成比x、Q(z)はピエゾ効果に
よるAlGaN層5の内部電荷、−P(xI)はピエゾ
効果によるAlGaN/GaN界面でのAlGaN層5
側の表面電荷、P(xF)はピエゾ効果によるゲート/
AlGaN界面でのAlGaN層5側の表面電荷、PM
はゲート/AlGaN界面でのゲートメタル6側の表面
電荷、eは電子の電荷、NSはピエゾ効果によってAl
GaN/GaN界面のGaN層2側に生成される2次元
電子ガスのキャリア濃度(2次元電子ガス濃度)であ
る。
標z、縦軸は電荷(電荷密度)であり、xIはAlGa
N/GaN界面でのAlxGa1−xN層5のAl組成
比x、xFはゲート/AlGaN界面でのAlxGa
1−xN層5のAl組成比x、Q(z)はピエゾ効果に
よるAlGaN層5の内部電荷、−P(xI)はピエゾ
効果によるAlGaN/GaN界面でのAlGaN層5
側の表面電荷、P(xF)はピエゾ効果によるゲート/
AlGaN界面でのAlGaN層5側の表面電荷、PM
はゲート/AlGaN界面でのゲートメタル6側の表面
電荷、eは電子の電荷、NSはピエゾ効果によってAl
GaN/GaN界面のGaN層2側に生成される2次元
電子ガスのキャリア濃度(2次元電子ガス濃度)であ
る。
【0016】また、図2(b)において、横軸は厚さ方
向の座標z、縦軸はポテンシャルであり、EFはフェル
ミレベル、ΔECはAlGaN/GaN界面でのAlG
aN層5とGaN層2の伝導帯のバンドエネルギーの
差、ΔEFはGaN層2の伝導帯の底から測ったフェル
ミエネルギー、|e|は電子の電荷の絶対値、ΦBはゲ
ート/AlGaN界面に形成されるショットキバリアの
高さである。
向の座標z、縦軸はポテンシャルであり、EFはフェル
ミレベル、ΔECはAlGaN/GaN界面でのAlG
aN層5とGaN層2の伝導帯のバンドエネルギーの
差、ΔEFはGaN層2の伝導帯の底から測ったフェル
ミエネルギー、|e|は電子の電荷の絶対値、ΦBはゲ
ート/AlGaN界面に形成されるショットキバリアの
高さである。
【0017】まず、本実施の形態においての2次元電子
ガス濃度NSについて、図2を用いて以下に説明する。
本実施の形態のように、ゲート/AlGaN界面でのA
lxGa1−xN層5のAl組成比xFを、AlGaN
/GaN界面でのAlxGa 1−xN層5のAl組成比
xIよりも大きくした場合には、AlxGa1−xN/
GaN界面のGaN層2側に生成される2次元電子ガス
濃度NSは、xの分布に依存し、x=xIの一様なAl
GaN層の場合の2次元電子ガス濃度と、x=xFの一
様なAlGaN層の場合の2次元電子ガス濃度との中間
値をとる。このことについて、以下に説明する。
ガス濃度NSについて、図2を用いて以下に説明する。
本実施の形態のように、ゲート/AlGaN界面でのA
lxGa1−xN層5のAl組成比xFを、AlGaN
/GaN界面でのAlxGa 1−xN層5のAl組成比
xIよりも大きくした場合には、AlxGa1−xN/
GaN界面のGaN層2側に生成される2次元電子ガス
濃度NSは、xの分布に依存し、x=xIの一様なAl
GaN層の場合の2次元電子ガス濃度と、x=xFの一
様なAlGaN層の場合の2次元電子ガス濃度との中間
値をとる。このことについて、以下に説明する。
【0018】歪んだAlxGa1−xN層では、ピエゾ
効果によってAl組成比xに依存する分極P(x)を生
じる。この分極P(x)を、上記文献2に従って次式の
ように仮定する。 P(x)≒5×1013ex…(1) ここで、eは電子の電荷であり、P(x)の単位は[C
/cm2]である。
効果によってAl組成比xに依存する分極P(x)を生
じる。この分極P(x)を、上記文献2に従って次式の
ように仮定する。 P(x)≒5×1013ex…(1) ここで、eは電子の電荷であり、P(x)の単位は[C
/cm2]である。
【0019】本実施の形態のように、AlGaN層のA
l組成比xがAlGaN層の厚さ方向(厚さt)の座標
zの関数x(z)(x(0)=xI,x(t)=xFと
する)である場合には、上記の分極P(x)も上記の座
標zの関数P(x(z))となり、AlGaN層5で
は、次式で表される内部電荷Q(z)を生じる。
l組成比xがAlGaN層の厚さ方向(厚さt)の座標
zの関数x(z)(x(0)=xI,x(t)=xFと
する)である場合には、上記の分極P(x)も上記の座
標zの関数P(x(z))となり、AlGaN層5で
は、次式で表される内部電荷Q(z)を生じる。
【数1】
この内部電荷Q(z)の式を用いてAlGaN層5の電
位を計算し、実験的に求められているショットキバリア
の高さΦBと比較することにより、本実施の形態の2次
元電子ガス濃度NSを求める。
位を計算し、実験的に求められているショットキバリア
の高さΦBと比較することにより、本実施の形態の2次
元電子ガス濃度NSを求める。
【0020】図2(b)の破線の四角で囲まれている部
分にガウスの法則を適用することにより、厚さ方向の座
標zでの電場E(z)が次式のように決まる。
分にガウスの法則を適用することにより、厚さ方向の座
標zでの電場E(z)が次式のように決まる。
【数2】
なお、誘電率は位置(座標z)に依存するが、ここで
は、簡単のために誘電率をその平均値εに置き換え、上
記(2)式を用いた。
は、簡単のために誘電率をその平均値εに置き換え、上
記(2)式を用いた。
【0021】また、AlGaN層5を横切るポテンシャ
ルの差は、次式で表される。
ルの差は、次式で表される。
【数3】
【0022】そして、図2(b)より、上記(4)式の
値が(ΔEC−ΔEF)/|e|−ΦBに等しいことか
ら、次式を得る。
値が(ΔEC−ΔEF)/|e|−ΦBに等しいことか
ら、次式を得る。
【数4】
ここで、フェルミエネルギーΔEFは無視し得るので、
以下の説明では、上記(5)式においてΔEFを無視し
た次式を用いることとする。
以下の説明では、上記(5)式においてΔEFを無視し
た次式を用いることとする。
【数5】
【0023】AlxGa1−xN層5のAl組成比x
(z)がその厚さ方向の座標zに線形に比例する場合に
は、 x(z)=xI+z(xF−xI)/t…(7) である。上記(6)式にこの(7)式および上記(1)
式を適用することにより、x(z)がzに線形に比例す
る場合の2次元電子ガス濃度NSは次式で与えられる。
(z)がその厚さ方向の座標zに線形に比例する場合に
は、 x(z)=xI+z(xF−xI)/t…(7) である。上記(6)式にこの(7)式および上記(1)
式を適用することにより、x(z)がzに線形に比例す
る場合の2次元電子ガス濃度NSは次式で与えられる。
【数6】
【0024】また、上記のAl組成比x(z)が上記の
座標zの平方根に比例する場合には、 x(z)=xI+z1/2(xF−xI)/t1/2…(9) である。上記(6)式にこの(9)式および上記(1)
式を適用することにより、x(z)がzの平方根に比例
する場合の2次元電子ガス濃度NSは次式で与えられ
る。
座標zの平方根に比例する場合には、 x(z)=xI+z1/2(xF−xI)/t1/2…(9) である。上記(6)式にこの(9)式および上記(1)
式を適用することにより、x(z)がzの平方根に比例
する場合の2次元電子ガス濃度NSは次式で与えられ
る。
【数7】
【0025】このように、本実施の形態の2次元電子ガ
ス濃度NSは、AlxGa1−xN層5においてのAl
組成比xの分布に依存し、x=xIの一様なAlGaN
層の場合とx=xFの一様なAlGaN層の場合との中
間値をとる。本実施の形態では、AlGaN層5のAl
組成比xを、AlGaN層5の膜厚とともに徐々に大き
くしているので、ゲート/AlGaN界面のでAlGa
N層5のAl組成比x Fを大きくすることが可能であ
り、これにより2次元電子ガス濃度NSを高くすること
ができる。
ス濃度NSは、AlxGa1−xN層5においてのAl
組成比xの分布に依存し、x=xIの一様なAlGaN
層の場合とx=xFの一様なAlGaN層の場合との中
間値をとる。本実施の形態では、AlGaN層5のAl
組成比xを、AlGaN層5の膜厚とともに徐々に大き
くしているので、ゲート/AlGaN界面のでAlGa
N層5のAl組成比x Fを大きくすることが可能であ
り、これにより2次元電子ガス濃度NSを高くすること
ができる。
【0026】次に、本実施の形態においての電子移動度
μについて以下に説明する。Jounalof Applied physic
s,Vol85,No1,1 January 1999,p.587-594,「Charge cont
roland mobility studies for an AlGaN/GaN high elec
tron mobility transistor」(以下、文献3とする)に
よれば、キャリア移動度は、AlGaN/GaN界面で
のAlGaN層のAl組成比に強く依存する。この文献
3中のFIG.12において、ラフネスが0.5[n
m]程度で温度が300[K]のとき、Al組成比が
0.1での電子移動度は2000[cm2/Vs]、A
l組成比が0.3での電子移動度は800[cm2/V
s]と読みとれる。
μについて以下に説明する。Jounalof Applied physic
s,Vol85,No1,1 January 1999,p.587-594,「Charge cont
roland mobility studies for an AlGaN/GaN high elec
tron mobility transistor」(以下、文献3とする)に
よれば、キャリア移動度は、AlGaN/GaN界面で
のAlGaN層のAl組成比に強く依存する。この文献
3中のFIG.12において、ラフネスが0.5[n
m]程度で温度が300[K]のとき、Al組成比が
0.1での電子移動度は2000[cm2/Vs]、A
l組成比が0.3での電子移動度は800[cm2/V
s]と読みとれる。
【0027】電子移動度μがAl組成比xに比例すると
仮定すると、上記文献3中のFIG.12より、本電子
移動度μは次式で与えられる。 μ≒2600−6000xI…(11) ここで、xIはAlGaN/GaN界面でのAlxGa
1−xN層5のAl組成比xである。
仮定すると、上記文献3中のFIG.12より、本電子
移動度μは次式で与えられる。 μ≒2600−6000xI…(11) ここで、xIはAlGaN/GaN界面でのAlxGa
1−xN層5のAl組成比xである。
【0028】上記(11)式に示すように、本実施の形
態の電子移動度μは、AlGaN/GaN界面でのAl
GaN層5のAl組成比xIに依存する。本実施の形態
では、AlGaN層5のAl組成比xを、AlGaN層
5の膜厚とともに徐々に大きくしているので、上記のA
l組成比xIを小さくすることが可能であり、これによ
り電子移動度μを高くすることができる。
態の電子移動度μは、AlGaN/GaN界面でのAl
GaN層5のAl組成比xIに依存する。本実施の形態
では、AlGaN層5のAl組成比xを、AlGaN層
5の膜厚とともに徐々に大きくしているので、上記のA
l組成比xIを小さくすることが可能であり、これによ
り電子移動度μを高くすることができる。
【0029】トランジスタのオン抵抗は、(キャリア濃
度)×(キャリア移動度)に逆比例する。本実施の形態
では、AlGaN層のAl組成比xをGaN層との界面
で小さくすることにより、大きな電子移動度μを得るこ
とができ、またAlGaN層の膜厚とともにAl組成比
xを徐々に大きくすることにより、大きな2次元電子ガ
ス濃度NSを得ることができる。従って、大きなNSμ
を得ることができるので、トランジスタのオン抵抗を小
さくすることができる。
度)×(キャリア移動度)に逆比例する。本実施の形態
では、AlGaN層のAl組成比xをGaN層との界面
で小さくすることにより、大きな電子移動度μを得るこ
とができ、またAlGaN層の膜厚とともにAl組成比
xを徐々に大きくすることにより、大きな2次元電子ガ
ス濃度NSを得ることができる。従って、大きなNSμ
を得ることができるので、トランジスタのオン抵抗を小
さくすることができる。
【0030】図3は本発明の効果を説明する図であっ
て、ゲート/AlGaN界面でのAlGaN層5のAl
組成比xFを固定し、AlGaN/GaN界面でのAl
GaN層5のAl組成比xIを変えたときの(2次元電
子ガス濃度NS)×(電子移動度μ)の計算結果の一例
を示す図である。ここで、2次元電子ガス濃度NSとし
て上記(8)式を用い、電子移動度μとして上記(1
1)式を用いた。
て、ゲート/AlGaN界面でのAlGaN層5のAl
組成比xFを固定し、AlGaN/GaN界面でのAl
GaN層5のAl組成比xIを変えたときの(2次元電
子ガス濃度NS)×(電子移動度μ)の計算結果の一例
を示す図である。ここで、2次元電子ガス濃度NSとし
て上記(8)式を用い、電子移動度μとして上記(1
1)式を用いた。
【0031】図3より、AlGaN層のAl組成比xが
一様な場合(x=xI=xF)には、x≒0.2でNS
μ≒1×1016[/Vs]であるのに対し、xI=
0.1,xF=0.4とすると、NSμ≒2×1016
[/Vs]となり、xが一様な従来のHEMTの2倍程
度にNSμを大きくできる。従って、トランジスタのオ
ン抵抗を上記従来のHEMTの半分程度に下げることが
できる。また、Al組成比xをAlGaN/GaN界面
から徐々に大きくすることにより、ゲート/AlGaN
界面でのAl組成比xFを大きくしてもGaN膜との格
子整合が良く、良質なAlGaN膜が得られる。
一様な場合(x=xI=xF)には、x≒0.2でNS
μ≒1×1016[/Vs]であるのに対し、xI=
0.1,xF=0.4とすると、NSμ≒2×1016
[/Vs]となり、xが一様な従来のHEMTの2倍程
度にNSμを大きくできる。従って、トランジスタのオ
ン抵抗を上記従来のHEMTの半分程度に下げることが
できる。また、Al組成比xをAlGaN/GaN界面
から徐々に大きくすることにより、ゲート/AlGaN
界面でのAl組成比xFを大きくしてもGaN膜との格
子整合が良く、良質なAlGaN膜が得られる。
【0032】以上のように本実施の形態によれば、Ga
原子で終端したGaN層2との界面でのAl組成比xI
よりもゲートメタル6との界面でのAl組成比xFが大
きく、これらの界面の間でのAl組成比xがxIからx
Fまで徐々に大きくなるAl xGa1−xN層5を設け
たことにより、高い電子移動度とピエゾ効果による高い
2次元電子ガス濃度を得ることができ、これによりオン
抵抗の低いトランジスタを実現できる。
原子で終端したGaN層2との界面でのAl組成比xI
よりもゲートメタル6との界面でのAl組成比xFが大
きく、これらの界面の間でのAl組成比xがxIからx
Fまで徐々に大きくなるAl xGa1−xN層5を設け
たことにより、高い電子移動度とピエゾ効果による高い
2次元電子ガス濃度を得ることができ、これによりオン
抵抗の低いトランジスタを実現できる。
【0033】なお、上記実施の形態では、AlGaN層
に不純物をドープしない場合の例を説明したが、不純物
としてSiをドープし、AlGaN/GaN界面の2次
元電子ガス濃度を上げた場合でも、AlGaN層のAl
組成比をAlGaN/GaN界面で小さくし、ゲート/
AlGaN界面で大きくすることによって、高い電子移
動度とピエゾ効果による高い2次元電子ガス濃度を得る
ことができる。
に不純物をドープしない場合の例を説明したが、不純物
としてSiをドープし、AlGaN/GaN界面の2次
元電子ガス濃度を上げた場合でも、AlGaN層のAl
組成比をAlGaN/GaN界面で小さくし、ゲート/
AlGaN界面で大きくすることによって、高い電子移
動度とピエゾ効果による高い2次元電子ガス濃度を得る
ことができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高い電子移動度とピエゾ効果による高い2次元電子ガス
濃度を得ることができ、これによりオン抵抗の低いトラ
ンジスタを実現できるという効果がある。
高い電子移動度とピエゾ効果による高い2次元電子ガス
濃度を得ることができ、これによりオン抵抗の低いトラ
ンジスタを実現できるという効果がある。
【図1】本発明の実施の形態のHEMTの断面構造図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施の形態のHEMTの動作を説明す
る図である。
る図である。
【図3】本発明の実施の形態のHEMTの効果を説明す
る図である。
る図である。
1 基板、 2 GaN層、 3 ソース電極、 4
ドレイン電極、 5AlxGa1−xN層、 6 ゲー
トメタル。
ドレイン電極、 5AlxGa1−xN層、 6 ゲー
トメタル。
Claims (2)
- 【請求項1】 Ga原子で終端したGaN層上にこれと
同程度の面内格子定数をもつ歪んだAlxGa1−xN
層を形成し、このAlxGa1−xN層上にゲートメタ
ルを設けた高電子移動度トランジスタにおいて、 上記AlxGa1−xN層のAl組成比xが、 上記GaN層との界面においてxI、上記ゲートメタル
との界面においてxF(>xI)であり、 これらの界面の間ではxIからxFまで徐々に大きくな
ることを特徴とする高電子移動度トランジスタ。 - 【請求項2】 請求項1記載の高電子移動度トランジス
タにおいて、 xI=0.1,xF=0.4であることを特徴とする高
電子移動度トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002030553A JP2003234356A (ja) | 2002-02-07 | 2002-02-07 | 高電子移動度トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002030553A JP2003234356A (ja) | 2002-02-07 | 2002-02-07 | 高電子移動度トランジスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003234356A true JP2003234356A (ja) | 2003-08-22 |
Family
ID=27774273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002030553A Withdrawn JP2003234356A (ja) | 2002-02-07 | 2002-02-07 | 高電子移動度トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003234356A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005203544A (ja) * | 2004-01-15 | 2005-07-28 | Mitsubishi Electric Corp | 窒化物半導体装置とその製造方法 |
JP2006295126A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-10-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Iii族窒化物半導体素子およびエピタキシャル基板 |
JP2006339453A (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-14 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電界効果トランジスタ、半導体素子、及びエピタキシャル基板 |
CN111524958A (zh) * | 2019-02-01 | 2020-08-11 | 联华电子股份有限公司 | 一种高电子迁移率晶体管 |
-
2002
- 2002-02-07 JP JP2002030553A patent/JP2003234356A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005203544A (ja) * | 2004-01-15 | 2005-07-28 | Mitsubishi Electric Corp | 窒化物半導体装置とその製造方法 |
JP2006295126A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-10-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Iii族窒化物半導体素子およびエピタキシャル基板 |
JP2006339453A (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-14 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電界効果トランジスタ、半導体素子、及びエピタキシャル基板 |
CN111524958A (zh) * | 2019-02-01 | 2020-08-11 | 联华电子股份有限公司 | 一种高电子迁移率晶体管 |
CN111524958B (zh) * | 2019-02-01 | 2023-05-02 | 联华电子股份有限公司 | 一种高电子迁移率晶体管 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |