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JP2003223992A - 有機elカラー表示装置 - Google Patents

有機elカラー表示装置

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Publication number
JP2003223992A
JP2003223992A JP2002022849A JP2002022849A JP2003223992A JP 2003223992 A JP2003223992 A JP 2003223992A JP 2002022849 A JP2002022849 A JP 2002022849A JP 2002022849 A JP2002022849 A JP 2002022849A JP 2003223992 A JP2003223992 A JP 2003223992A
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JP
Japan
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organic
color filter
substrate
layer
display device
Prior art date
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JP2002022849A
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Yoshifumi Kato
祥文 加藤
Kazuyoshi Takeuchi
万善 竹内
Ichiro Yamamoto
一郎 山本
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Publication date
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  • Optics & Photonics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性を向上できるとともに、平坦化膜が不
要となり、有機カラーフィルタを使用しても、カラーフ
ィルタから発生する水分やガス成分による有機EL層の
劣化を抑制可能な有機ELカラー表示装置を提供する。 【解決手段】 有機ELカラー表示装置11は、基板12の
表面に形成された有機EL素子13と、基板12と別体の透
明なカバー板14上に形成されたカラーフィルタ15とを備
えている。カラーフィルタ15は有機EL素子13から離間
した位置に有機EL素子13と対応する状態で配置され、
発光の取り出し方向がカバー板14側になっている。カバ
ー板14はシール材16を介して基板12に固定されている。
有機EL素子13は、第1電極層17(陽極)、発光層とし
ての有機EL層18、第2電極層19(陰極)の順に基板12
上に積層され、パッシベーション膜20により被覆されて
いる。有機EL層18は白色発光層で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ELカラー表
示装置に係り、詳しくは有機エレクトロルミネッセンス
(以下、単に有機ELという)を利用し、有機EL材料
の薄膜からなる発光層を備えた有機ELカラー表示装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子を用いたカラー表示装置は
優れた表示性能から近年注目されているが、表示色(赤
色、緑色、青色)毎にそれぞれ発光層を形成する構成で
は、製造が複雑になってコストが高くなり、また、高精
細化、大面積化が困難である。これらの問題を解決する
構成として、発光層を白色発光のみとし、カラーフィル
タにより所望の発光色を得る構成が提案されている。
【0003】図4に示すように、前記構成のカラー表示
装置51は、ガラス製の基板52の上にカラーフィルタ
53a及び平坦化膜53bからなるカラーフィルタ構造
体53が形成され、カラーフィルタ構造体53の上に陽
極54、有機EL層55及び陰極56が順次積層形成さ
れている。また、有機EL材料は酸素や水分との反応性
が高いため、有機EL層55を外気から遮断するための
封止カバー(封止缶)57が基板52上に接着されてい
る。封止カバー57内にゲッター剤57aが収容されて
いる。なお、ゲッター剤とは、水分や酸素など、有機E
L層55に有害な成分を吸収、吸着する作用をなす物質
を意味し、吸湿剤や乾燥剤、あるいは酸素吸着剤等が単
独あるいは混合した状態で使用される。
【0004】ところが、一般にカラーフィルタ53aは
有機顔料を用いて形成されており、有機顔料又はそれを
分散した透明樹脂が吸湿しており、平坦化膜53bも吸
湿している。従って、前記構成では、カラーフィルタ構
造体53から発生する微量の水分、酸素等が有機EL層
55に浸透し、有機EL層55が劣化するという問題が
ある。また、平坦化膜53bの材質によっては、塩素ガ
ス等の腐食性のガスが発生して有機EL層55等が劣化
する。
【0005】また、駆動方式としてアクティブ・マトリ
ックス方式を採用する場合は、カラーフィルタ構造体5
3上にTFT(薄膜トランジスタ)駆動回路を形成する
必要があるが、この時に発生する熱により、カラーフィ
ルタ構造体53が破損するという問題もある。
【0006】特開平10−116687号公報には、カ
ラーフィルタにより有機EL素子が劣化するのを抑制す
るため、図5に示すように、基板52と透明電極58と
の間であって、有機EL素子59と対応した位置に、無
機カラーフィルタ60を配設した有機EL発光装置61
が開示されている。無機カラーフィルタ60は保護層6
2で被覆されている。保護層62は無機カラーフィルタ
60の凹凸を平坦化する役割と、透明電極58のエッチ
ング工程の際、無機カラーフィルタ60を保護する機能
とを有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、無機カラー
フィルタは出せる色に限定があり、きれいな色が出せ
ず、カラー表示装置としてきれいな色を再現するには有
機カラーフィルタを使用する必要がある。その場合に
は、前述したようにカラーフィルタ構造体53から発生
する水分やガス成分による不具合が生じる。
【0008】また、カラーフィルタを形成する場合は、
R(赤)、G(緑)、B(青)の画素を塗り分ける必要
があるため段(凹凸)が生じ、その段を平坦化するため
に樹脂系の平坦化膜がカラーフィルタの上に形成され
る。ところが、カラーフィルタや平坦化膜は、有機EL
層に比較して厚く、ミクロ的に見ると、平坦化膜の表面
がうねった状態となり易い。その結果、従来技術のよう
に、カラーフィルタを被覆した平坦化膜上に有機EL素
子を形成する構成では、薄い有機EL層を挟んで配置さ
れる陽極と陰極とがショートする場合があり、信頼性が
悪くなるとともに歩留まりが悪くなるという問題があ
る。この問題はカラーフィルタが有機カラーフィルタ、
無機カラーフィルタに拘わらず起こる。
【0009】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであって、その第1の目的は信頼性を向上できる
とともに、平坦化膜が不要となる有機ELカラー表示装
置を提供することにある。また、第2の目的は有機カラ
ーフィルタを使用しても、カラーフィルタから発生する
水分やガス成分による有機EL層の劣化を抑制すること
ができる有機ELカラー表示装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、基板上に有機EL材料
の薄膜からなる発光層を備えた有機EL素子を形成す
る。一方、透明なカバー板上にカラーフィルタを形成
し、該カラーフィルタを前記有機EL素子から離間した
位置に該有機EL素子と対応する状態で配置する。そし
て、発光層からの発光の取り出し方向を前記カバー板側
とした。
【0011】この発明では、有機EL素子は従来の有機
ELカラー表示装置の場合と異なり、基板上に形成され
たカラーフィルタの上に形成されるのではなく、基板上
に形成される。一方、カラーフィルタは基板と別体の透
明なカバー板上に形成され、有機EL素子から離間した
位置に配置される。従って、有機EL素子は平坦な基板
上に形成されるため、有機EL層が薄くても、有機EL
層を挟んで形成される両電極のショートの危険性が少な
くなり、信頼性が向上する。また、カラーフィルタの凹
凸を平坦化する平坦化膜が不要となり、その分コストを
低減できる。さらに、カラーフィルタとして有機カラー
フィルタを使用しても、有機EL素子がカラーフィルタ
と密着していないため、カラーフィルタから発生する水
分やガス成分による有機EL層の劣化を抑制することが
できる。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記基板上にアクティブ駆動用素子
が形成され、前記アクティブ駆動用素子と同一面上又は
前記アクティブ駆動用素子上に前記有機EL素子が形成
されている。この発明では、有機EL素子がアクティブ
・マトリックス方式により駆動される。そして、アクテ
ィブ駆動用素子(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)
を含む回路)は、カラーフィルタ上に形成されるのでは
なく、カラーフィルタと独立して基板上に形成される。
従って、アクティブ駆動用素子を形成する際に発生する
熱によるカラーフィルタの破損を回避できる。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記有機EL素子を構成する基板側
の電極は、前記アクティブ駆動用素子を覆うように形成
されている。この発明では、有機EL素子をアクティブ
駆動用素子と同一平面上に形成する場合と異なり、有機
EL素子を形成する領域がアクティブ駆動用素子を形成
する領域と重ならないようにする必要がない。従って、
同じ面積の基板を使用した場合に、有機EL素子の面積
を大きくすることができる。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記発光
層は白色発光層である。この発明では、カラーフィルタ
として赤、緑、青のフィルタを形成すれば、光の三原色
が得られる。従って、白色光以外の発光と色変換層との
組合せで、必要な三原色を得る構成に比較してカラーフ
ィルタの構成が簡単になる。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記カラ
ーフィルタは有機カラーフィルタである。従って、この
発明では、無機カラーフィルタを使用した場合に比較し
て色再現性が良くなる。
【0016】請求項6に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記有機
EL素子はパッシベーション膜で被覆されている。この
発明では、有機EL素子がパッシベーション膜で被覆さ
れているため、有機EL素子がカラーフィルタから発生
する水分やガス成分による影響をより受け難くなる。
【0017】請求項7に記載の発明では、請求項1〜請
求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記カバ
ー板はシール材を介して前記基板に固定されており、前
記基板、シール材及び前記カバー板により囲繞された空
間内にゲッター剤が収容されている。
【0018】ゲッター剤とは、少なくとも吸湿機能を有
し、好ましくはガス(例えば酸素)吸収、吸着機能をも
有する物質である。ゲッター剤としては吸湿剤、乾燥
剤、酸素吸収剤等が単独あるいは混合状態で使用され
る。この発明でも、有機EL素子がカラーフィルタから
発生する水分やガス成分による影響をより受け難くな
る。また、カバー板及びシール材が、有機EL素子を外
気から遮断する役割も果たし、有機ELカラー表示装置
の使用環境における水分やガス成分による劣化を防止す
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明をパッシブ・マトリックス駆動方式の有機ELカラー
表示装置に具体化した第1の実施の形態を図1(a),
(b)に従って説明する。図1(a)は有機ELカラー
表示装置の模式断面図である。
【0020】図1(a)に示すように、有機ELカラー
表示装置11は、基板12の表面に形成された有機EL
素子13と、基板12とは別体の透明なカバー板14上
に形成されたカラーフィルタ15とを備えている。カラ
ーフィルタ15は有機EL素子13から離間した位置に
有機EL素子13と対応する状態で配置され、発光の取
り出し方向がカバー板14側になっている。
【0021】カバー板14はシール材16を介して基板
12に固定されている。即ち、有機EL素子13は基板
12、シール材16及びカバー板14により囲繞され、
外部(外気)と隔離されている。基板12及びカバー板
14は、例えばガラス板で形成されている。シール材1
6は、例えばエポキシ樹脂で形成されている。
【0022】有機EL素子13は、基板12側の電極と
しての第1電極層17、発光層としての有機EL層1
8、第2電極層19の順に基板12上に積層されてい
る。この実施の形態では第1電極層17が陽極を、第2
電極層19が陰極を構成している。そして、有機EL素
子13は、基板12と対向する面を除いてパッシベーシ
ョン膜20により被覆されている。パッシベーション膜
20は水分の透過を防止する材質、例えば窒化ケイ素S
iNxや酸化ケイ素SiOxで形成されている。
【0023】第1電極層17はクロム(Cr)で形成さ
れ、基板12の表面に複数、平行なストライプ状に形成
されている。第1電極層17は、図1(a)において、
紙面に対して垂直方向に延びるように形成されている。
有機EL層18は図示しない絶縁性の隔壁により隔てら
れた状態で第1電極層17と直交する方向に延びる複数
の平行なストライプ状に形成されている。
【0024】第2電極層19はストライプ状に形成され
た有機EL層18の上に積層され、第1電極層17と直
交する状態に形成されている。有機EL素子13を構成
する画素は、第1電極層17及び第2電極層19の交差
部分において基板12上にマトリックス状に配置されて
いる。第2電極層19は有機EL層18の発光を透過可
能とするため透明に形成され、この実施の形態ではIT
O(インジウム錫酸化物)で形成されている。
【0025】有機EL層18には例えば公知の構成のも
のが使用され、第1電極層17側から順に、正孔注入
層、発光層及び電子注入層の3層で構成されている。有
機EL層18は白色発光層で構成されている。図1
(b)に示すように、有機EL層18の各画素(ピクセ
ル)21は3個のサブピクセル21aで構成され、各サ
ブピクセル21aに対応して第1電極層17及び第2電
極層19の交差部が形成されている。
【0026】カラーフィルタ15には有機カラーフィル
タが使用されている。カラーフィルタ15のR(赤)、
G(緑)、B(青)の画素(図示せず)はそれぞれ前記
サブピクセル21aに対応して形成されている。
【0027】前記のように構成された有機ELカラー表
示装置11を製造する際は、基板12上に有機EL素子
13を形成し、カラーフィルタ15は基板12とは別体
のカバー板14上に形成する。そして、カラーフィルタ
15が有機EL素子13と対応し、有機EL素子13と
カラーフィルタ15との間に隙間を有する状態で、カバ
ー板14をシール材16を介して基板12上に接着して
固着する。基板12、シール材16及びカバー板14で
囲繞された空間には他の物質と反応しにくい物質(ガ
ス)、例えば窒素が充填されている。
【0028】次に前記のように構成された有機ELカラ
ー表示装置11の作用を説明する。発光させるべき画素
21のサブピクセル21aと対応する両電極層17,1
9間に電圧が印加されると、そのサブピクセル21aが
白色に発光する。そして、そのサブピクセル21aから
の白色光がカラーフィルタ15を透過してカバー板14
側から出射される。白色光がカラーフィルタ15のR
(赤)、G(緑)、B(青)の画素を透過した後、対応
する色の光となる。R(赤)、G(緑)、B(青)の画
素の組合せにより所望の色が再現される。
【0029】従来技術では有機EL素子がカラーフィル
タ上に平坦化膜を介して連続して積層されているため、
カラーフィルタあるいは平坦化膜から発生する水分ある
いはガス成分(主として酸素)が有機EL層を劣化させ
る。しかし、本発明では有機EL素子13がカラーフィ
ルタ15と離間した状態で配設されるため、カラーフィ
ルタ15から発生する水分やガス成分等による有機EL
層18の劣化が抑制される。
【0030】この実施の形態の有機ELカラー表示装置
11(実施例)と、図4に示した従来技術のように形成
した有機ELカラー表示装置(比較例)について、有機
EL素子13の一つの画素21が時間の経過に伴って劣
化する程度を比較した。即ち、水分やガス成分により外
周部から劣化する現象(ダークエリアの発生)の程度
を、図1(b)に示すサブピクセル21aの発光幅Wの
変化により調べた。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】 実施例では室温で1000時間経過後もダークエリアの
進行が遅く、充分な発光幅Wが存在するのに対し、比較
例ではカラーフィルタや平坦化膜からの水分等により、
有機EL層18の劣化によりダークエリアが進行し、発
光幅Wが大きく減少した。実施例では発光幅Wの減少量
が約3%に対し、比較例では発光幅Wの減少量が約33
%とほぼ10倍となった。
【0032】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 基板12上に有機EL材料の薄膜からなる発光
層(有機EL層18)を備えた有機EL素子13を形成
し、透明なカバー板14上に形成されたカラーフィルタ
15を有機EL素子13から離間した位置に該有機EL
素子13と対応する状態で配置する。そして、有機EL
層18からの発光の取り出し方向をカバー板14側とし
た。従って、有機EL素子13は平坦な状態で形成され
るため、有機EL層18が薄くても、有機EL層18を
挟んで形成される両電極層17,19のショートの危険
性が少なくなり、信頼性が向上する。また、カラーフィ
ルタ15の凹凸を平坦化する平坦化膜が不要となり、そ
の分コストを低減できる。さらに、カラーフィルタ15
として有機カラーフィルタを使用しても、有機EL素子
13がカラーフィルタ15と密着していないため、カラ
ーフィルタ15から発生する水分やガス成分による有機
EL層18の劣化を抑制することができる。
【0033】(2) 発光層として白色発光層が使用さ
れているため、カラーフィルタ15として赤、緑、青の
フィルタを形成すれば、光の三原色が得られる。従っ
て、白色光以外の発光(例えば、青色発光)と色変換層
との組合せで、必要な三原色を得る構成に比較してカラ
ーフィルタ15の構成が簡単になる。
【0034】(3) カラーフィルタ15として有機カ
ラーフィルタが使用されている。従って、無機カラーフ
ィルタを使用した場合に比較して色再現性が良くなる。 (4) 有機EL素子13がパッシベーション膜20で
被覆されているため、有機EL素子13がカラーフィル
タ15から発生する水分やガス成分による影響をより受
け難くなる。
【0035】(5) カバー板14がシール材16を介
して基板12に固定されており、基板12、シール材1
6及びカバー板14により囲繞された空間内に有機EL
素子13が収容されている。従って、カバー板14及び
シール材16が、有機EL素子13を外気から遮断する
役割も果たし、有機ELカラー表示装置11の使用環境
における水分やガス成分による有機EL層18の劣化を
防止することができる。
【0036】(6) 有機EL層18からの発光の取り
出し方向(出射方向)がカバー板14側、即ち基板12
と反対側となるように構成されているため、基板12及
び基板12側の第1電極層17を透明の材質で形成する
必要がなく、材質の自由度が向上する。
【0037】(7) 基板12側に形成される第1電極
層17が金属層(この実施の形態ではクロム層)で形成
されている。従って、第1電極層17を透明電極で形成
する場合に比較して、有機EL層18から基板12側に
向かう光が第1電極層17で効率よく反射され、カバー
板14側から出射する光量を多くすることができる。
【0038】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図2に従って説明する。この実施の形態は、基本的
構成は前記第1の実施の形態と同様で、アクティブ・マ
トリックス方式の構成とするため、アクティブ駆動素子
としての薄膜トランジスタ(TFT)を備えている点が
前記第1の実施の形態と異なっている。前記実施の形態
と同様の部分については同一符号を付して詳細な説明を
省略する。
【0039】基板12上にアクティブ駆動用素子として
の薄膜トランジスタ22を含む回路層23が形成されて
いる。薄膜トランジスタ22は有機EL素子13の各サ
ブピクセル21aと対応して形成されている。この実施
の形態では、有機EL素子13を構成する基板12側の
電極としての第1電極層17は、対応する各薄膜トラン
ジスタ22を覆うように形成されている。
【0040】この実施の形態では基板12上に薄膜トラ
ンジスタ22を含む回路層23が形成された後、その回
路層23の上に前記実施の形態と同様に有機EL素子1
3が形成される。即ち、従来のアクティブ・マトリック
ス方式により駆動される有機EL素子と異なり、薄膜ト
ランジスタ22を含む回路はカラーフィルタ上に形成さ
れるのではなく、カラーフィルタ15と独立して基板1
2上に形成される。
【0041】この実施の形態の有機ELカラー表示装置
11では、前記実施の形態の(1)〜(7)と同様な効
果を有する他に、次の効果を有する。 (8) 有機EL素子13がアクティブ・マトリックス
方式で駆動されるためクロストークが防止され、画素数
が多くなった場合にパッシブ・マトリックス方式で駆動
される構成に比較してきれいな画面が得られる。
【0042】(9) 薄膜トランジスタ22を含む回路
をカラーフィルタ15上に形成する必要がないため、薄
膜トランジスタ22を形成する際に発生する熱によりカ
ラーフィルタ15を破損する虞がない。従って、アクテ
ィブ・マトリックス方式で駆動される液晶を製造する際
に使用される従来からの工法で、薄膜トランジスタ22
を含む回路を形成することが可能になる。即ち、熱によ
るカラーフィルタ15の破損を回避する特別な設備を設
ける必要がなくなる。
【0043】(10) 有機EL素子13の発光の取り
出し方向が基板12と反対の方向であるため、有機EL
素子13を形成する領域が薄膜トランジスタ22を形成
する領域と重ならないようにする必要がない。そして、
有機EL素子13を構成する基板12側の画素電極(第
1電極層17)が、薄膜トランジスタ22を覆うように
形成されている。従って、同じ面積の基板12を使用し
た場合に、有機EL素子13を薄膜トランジスタ22と
同一平面上に形成する場合に比較して、有機EL素子1
3の面積を大きくすることができる。
【0044】なお、実施の形態は前記に限らず、例えば
次のように構成してもよい。 〇 有機ELカラー表示装置11の使用環境における水
分や酸素による有機EL層18の劣化を防止するため、
有機EL素子13をパッシベーション膜20で被覆する
代わりに、図3に示すように、基板12、シール材16
及びカバー板14により囲繞された空間内にゲッター剤
24を収容してもよい。ゲッター剤24は有機EL層1
8からカバー板14側へ向かう発光を遮断しない位置に
配置される。ここで、ゲッター剤24とは有機EL層1
8に悪影響を及ぼす水分等の吸収、吸着作用を有する物
質を意味し、吸湿剤、乾燥剤、酸素吸収剤等が単独ある
いは混合状態で使用される。この場合も、カバー板14
及びシール材16が、有機EL素子13を外気から遮断
する役割を果たし、有機ELカラー表示装置11の使用
環境における水分やガス成分による有機EL層18の劣
化を防止することができる。また、カラーフィルタ15
から発生する水分や酸素がゲッター剤24に吸収、吸着
される。
【0045】〇 基板12、シール材16及びカバー板
14で囲繞された空間に不活性ガスを充填する代わり
に、不活性で水が溶け込まない液体、例えばフロン系の
液体を充填してもよい。この場合、不活性ガスに比較し
て熱伝導率が良く、素子から発生する熱を逃がし易くな
る。
【0046】〇 有機EL素子13がパッシベーション
膜20で被覆された構成の場合は、カラーフィルタ15
が形成されたカバー板14をシール材16を介して基板
12に固着する構成に限らず、カラーフィルタ15が有
機EL素子13と離間した状態となるように配設すれば
よい。
【0047】○ 有機EL層18は白色発光層に限ら
ず、青色発光層を使用してもよい。この場合、カラーフ
ィルタ15として色変換層を備えたカラーフィルタを使
用することにより、カラーフィルタ15を透過後の光が
R(赤)、G(緑)、B(青)の画素に対応する色の光
となる。従って、白色発光層の場合と同様に、同一色の
発光層で所望の色を再現することができる。
【0048】〇 基板12は透明である必要がないた
め、その材質はガラスに限らず、不透明なセラミックス
や金属を使用してもよい。また、基板12に樹脂等のフ
レキシブル基板を使用してもよい。
【0049】〇 基板12側に配設される第1電極層1
7をクロム以外の金属(例えば、アルミニウム)とした
り、金属電極に限らず、ITO等の透明電極やセラミッ
クス製の電極としてもよい。
【0050】〇 有機EL素子13を構成する両電極の
うち、基板12側に配設される電極(第1電極層17)
を透明に形成し、基板12をその反射率が金属電極より
小さくなるように形成する。反射率は、例えば30%以
下で好ましくは10%以下に形成する。基板12の表面
を黒色にすることにより、反射率を10%以下にするこ
とができる。アルマイト処理を施したアルミニウム板を
基板12にすることにより、その表面を簡単に黒色にす
ることができる。このように構成した場合は、屋外で使
用する場合に、外光が反射される割合が少なくなって、
コントラストが良くなる。
【0051】〇 基板12側に配設される第1電極層1
7を陰極とし、第2電極層19を陽極としてもよい。 〇 カバー板14は透明であればよく、その材質はガラ
スに限らず、透明な樹脂(例えば、アクリル樹脂)を使
用してもよい。
【0052】○ パッシベーション膜20の材質は、窒
化ケイ素SiNxや酸化ケイ素SiOxに限らず、透明で
水分や酸素等のガスの透過率の小さな他の材質、例えば
ダイヤモンド・ライク・カーボンであってもよい。
【0053】〇 アクティブ・マトリックス方式により
有機EL素子13を駆動する構成において、基板12上
にアクティブ駆動用素子と有機EL素子13とが同一面
上に位置するように形成してもよい。この場合、アクテ
ィブ駆動用素子と対応する箇所には有機EL素子13を
形成できないため、前記第2の実施の形態のように、ア
クティブ駆動用素子(薄膜トランジスタ22)の上に有
機EL素子13を形成する方が好ましい。
【0054】〇 アクティブ駆動用素子として薄膜トラ
ンジスタ22に代えて、MIM(Metal-Insulator-Meta
l)素子を使用してもよい。前記実施の形態から把握さ
れる発明(技術的思想)について、以下に記載する。
【0055】(1) 請求項6に記載の発明において、
前記カバー板はシール材を介して前記基板に固定されて
いる。 (2) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発
明において、発光層は青色発光層であり、カラーフィル
タは色変換層を備えている。
【0056】(3) 請求項1〜請求項7、前記技術的
思想(1)及び(2)のいずれか一項に記載の発明にお
いて、前記有機EL素子を構成する基板側の電極は透明
に形成され、前記基板はその反射率が金属電極より小さ
く形成されている。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項7
に記載の発明によれば、カラーフィルタを使用した有機
ELカラー表示装置において、信頼性を向上できるとと
もに、平坦化膜が不要となる。また、有機カラーフィル
タを使用しても、カラーフィルタから発生する水分やガ
ス成分による有機EL層の劣化を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1の実施の形態の有機EL表示装
置の模式断面図、(b)は画素を示す模式図。
【図2】 第2の実施の形態の有機EL表示装置の模式
断面図。
【図3】 別の実施の形態の有機EL表示装置の模式断
面図。
【図4】 従来技術の有機EL表示装置の模式断面図。
【図5】 別の従来技術の有機EL発光装置の模式断面
図。
【符号の説明】
12…基板、13…有機EL素子、14…カバー板、1
5…カラーフィルタ、16…シール材、17…基板側の
電極としての第1電極層、18…発光層としての有機E
L層、20…パッシベーション膜、22…アクティブ駆
動用素子としての薄膜トランジスタ、24…ゲッター
剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 一郎 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3K007 AB04 AB08 AB12 AB13 AB18 BB01 BB05 BB06 DB03 FA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に有機EL材料の薄膜からなる発
    光層を備えた有機EL素子を形成し、透明なカバー板上
    に形成されたカラーフィルタを前記有機EL素子から離
    間した位置に該有機EL素子と対応する状態で配置し、
    発光の取り出し方向を前記カバー板側とした有機ELカ
    ラー表示装置。
  2. 【請求項2】 前記基板上にアクティブ駆動用素子が形
    成され、前記アクティブ駆動用素子と同一面上又は前記
    アクティブ駆動用素子上に前記有機EL素子が形成され
    ている請求項1に記載の有機ELカラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記有機EL素子を構成する基板側の電
    極は、前記アクティブ駆動用素子を覆うように形成され
    ている請求項2に記載の有機ELカラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記発光層は白色発光層である請求項1
    〜請求項3のいずれか一項に記載の有機ELカラー表示
    装置。
  5. 【請求項5】 前記カラーフィルタは有機カラーフィル
    タである請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の有
    機ELカラー表示装置。
  6. 【請求項6】 前記有機EL素子はパッシベーション膜
    で被覆されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に
    記載の有機ELカラー表示装置。
  7. 【請求項7】 前記カバー板はシール材を介して前記基
    板に固定されており、前記基板、シール材及び前記カバ
    ー板により囲繞された空間内にゲッター剤が収容されて
    いる請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の有機E
    Lカラー表示装置。
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