Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2003299957A - 飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003299957A
JP2003299957A JP2002105118A JP2002105118A JP2003299957A JP 2003299957 A JP2003299957 A JP 2003299957A JP 2002105118 A JP2002105118 A JP 2002105118A JP 2002105118 A JP2002105118 A JP 2002105118A JP 2003299957 A JP2003299957 A JP 2003299957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colloid
catalyst
noble metal
supported
saturated hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002105118A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Morikawa
彰 森川
Akihiko Suda
明彦 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2002105118A priority Critical patent/JP2003299957A/ja
Publication of JP2003299957A publication Critical patent/JP2003299957A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】Pdを担持した触媒の飽和炭化水素の酸化活性を
さらに向上させ、高温耐久性も向上させる。 【解決手段】内部にPdコロイドを表面にPtコロイドをも
つ二相コロイドを含む複合貴金属コロイドを多孔質酸化
物担体に担持した。二相コロイドの表面にPtが存在する
ことで、Pdへの酸素原子の吸着性が適度に緩和され、飽
和炭化水素の活性点への吸着が阻害されにくい。また単
純な酸化活性ではPdよりも優れ表面に存在するPtを吸着
点として飽和HCの吸着−解離が起こり、その後Pdに吸着
している酸素原子と反応する。したがってPd単独の場合
に比べて活性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】炭化水素(以下HCという)の
中でもオレフィン系HCは比較的酸化されやすいが、飽和
HC類はオレフィン系HCに比べて酸化されにくく、中でも
メタンは特に酸化浄化されにくい。そこでメタンを浄化
できる触媒の開発が進められ、触媒金属としてパラジウ
ム(Pd)が有効であることがわかっている。そして例え
ば特開平11−137998号公報には、アルミナ担体にPdと、
Ru,Ir及びCuから選ばれる少なくとも一種が担持され
た、メタン浄化能を示す触媒が開示されている。また特
開平7-053976号公報には、PdとCoの共沈物を触媒金属と
して用いたメタン酸化触媒が開示されている。
【0002】しかしながら上記した触媒を用いても、低
温域の排ガスにおけるHCの浄化はまだ不十分であり、特
に低温域においてメタンに対する浄化活性が低いという
問題があるため、さらなる低温活性化の向上が求められ
ている。
【0003】例えば特開平11−137998号公報に開示され
た触媒では、 700℃以上の高温耐久試験を行うとPdが大
きく粒成長し、活性の劣化が著しいという問題がある。
【0004】また特開平7-053976号公報に開示の触媒で
は、担体を用いていないためPdとCoの共沈物中の粒子が
粗大化し、とりわけ耐久試験後の活性低下が大きいとい
う不具合がある。また同公報には、共沈物にバインダー
を加えてスラリー状とし、ハニカム形状のアルミナ、マ
グネシア、コージェライトなどの耐火性基材に塗布して
から使用してもよいと記載されている。しかしこの場合
もPdとCoの共沈物は基材表面に乗っている状態であり、
酸化物担体上に担持されている状態ではないため、基材
と共沈物との間の相互作用が弱く粗大化による耐久試験
後の活性低下が著しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、Pdを担持した触媒の飽
和HCの酸化活性をさらに向上させ、高温耐久性も向上さ
せることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の飽和HC浄化用触媒の特徴は、Pdコロイドを多孔質酸
化物担体に担持してなることにある。
【0007】またもう一つの発明の飽和HC浄化用触媒の
特徴は、少なくともPtとPdとが複合化した複合貴金属コ
ロイドを多孔質酸化物担体に担持してなることにある。
この触媒の場合、複合貴金属コロイドの少なくとも一部
には、内部にPdコロイドを表面にPtコロイドをもつ二相
コロイドを含むことが望ましい。また複合貴金属コロイ
ドにおけるPdとPtのモル比は、Pd/Pt=1/1〜15/1
であることが望ましい。
【0008】そして本発明の触媒を製造できる本発明の
製造方法の特徴は、水溶性Pd化合物を還元してPdコロイ
ドを形成する第1工程と、Pdコロイドの存在下で水溶性
Pt化合物を還元してPdコロイドの表面にPtコロイドをも
つ複合貴金属コロイドを形成する第2工程と、複合貴金
属コロイドを多孔質酸化物粉末に担持する第3工程と、
を順次行うことにある。第1工程,第2工程及び第3工
程は、水溶性高分子の存在下で行うことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の触媒では、Pdコロイドを
多孔質酸化物担体に担持している。Pdコロイドは10〜数
1000のPd原子が集まっているため、原子状のPdとして担
持された従来の触媒に比べて高温におけるPdの離脱・拡
散が抑制され、粒成長が抑制される。したがって高温耐
久後も高い飽和HC浄化能が発現される。
【0010】担持されているPdコロイドの粒径として
は、1〜5nmの範囲とすることが好ましい。理論的に
は、粒径を1〜5nmとすれば構成原子数は10〜3000とな
る。粒径が1nmより小さいと原子状態に近くなり、粒成
長が生じ易くなる。また粒径が5nmより大きくなると、
Pdコロイドの表面積が低下するため初期浄化率が低下し
てしまう。1〜5nmの範囲とすることで、粒成長を効果
的に抑制できるため耐久性が向上し、かつ表面積が高い
ため高い初期浄化活性が確保できる。
【0011】多孔質酸化物担体としては、 Al2O3,Si
O2,TiO2, MgO,ZrO2,CeO2, La2O3及びこれらから選
ばれる複数種からなる複合酸化物の少なくとも一種とす
ることができる。Pdとの親和性の高い Al2O3を含むこと
が特に望ましい。
【0012】またPdコロイドの担持量は、 0.5〜10重量
%の範囲が特に好ましい。担持量がこの範囲より少ない
と飽和HCの浄化が困難となり、この範囲より多く担持し
ても活性が飽和するとともに高価となる。
【0013】ところで、Pdが飽和HCの浄化活性に優れる
詳細な理由はまだ不明であるが、Pdには酸素原子が吸着
しやすく、Pdの活性点に吸着した飽和HCとPdに吸着した
酸素原子との間で反応が生じると考えられている。した
がってPdを担持した触媒の浄化活性に限界があるのは、
Pdは酸素原子の吸着性が高いために、活性点にまで酸素
原子が吸着して飽和HCの吸着が妨げられることに起因す
ると考えられる。このことから、酸素原子とPdとの吸着
程度を最適に制御することで、活性が向上すると考えら
れた。
【0014】そこでPdの電子状態を最適に制御して、酸
素原子の吸着性を低くすることが好ましく、この意味か
らPtを共存担持することが望ましいと考えられる。Ptは
電気陰性度がPdより高いので、共存担持することでPdか
らPtへの電子供与が起こってPdへの酸素原子の吸着性が
低下すると考えられるからである。
【0015】ところがPtを原子レベルで担持すると、Pt
は高温で粒成長しやすいために、高温耐久後の活性の低
下が大きいという不具合がある。そこで本発明の触媒で
は、少なくともPtとPdとが複合化した複合貴金属コロイ
ドを多孔質酸化物担体に担持している。PdとPtを複合貴
金属コロイドとして担持すれば、Pd及びPtは10〜数1000
の原子が集まったコロイド粒子として担持されるため、
原子状で担持された場合に比べて高温で酸素過剰のリー
ン雰囲気におけるPtO2の離脱・拡散が抑制され、粒成長
が抑制される。
【0016】そしてPdの電気陰性度は 1.4であり、Ptの
電気陰性度は 1.5であるので、複合貴金属コロイドでは
PdからPtへの電子供与が起こってPdへの酸素原子の吸着
性が適度に緩和され、Pdと酸素原子の結合が飽和HCの酸
化に適当な強度に制御される。そのためPdに吸着した酸
素原子の反応性が高まり、飽和HCの浄化活性が向上す
る。
【0017】さらにPdの融点は1554℃でありPtの融点は
1772℃であるので、複合貴金属コロイドとすることで融
点がPdのみの場合に比べて上昇し、高温耐久時の粒成長
が抑制される効果も期待される。
【0018】複合貴金属コロイドにおけるPdとPtのモル
比は、Pd/Pt=1/1〜15/1であることが望ましい。
モル比Pd/Ptが1/1未満であるとPdが少ないため、Pt
が失活した際に十分な活性点を確保できないために浄化
活性が十分でなく、15/1を超えるとPtを共存させた効
果が発現されず飽和HCの浄化活性の向上が望めない。
【0019】担持されている複合貴金属コロイドの粒径
としては、1〜10nmの範囲とすることが好ましい。理論
的には、粒径を1〜10nmとすれば構成原子数は10〜5000
となる。粒径が1nmより小さいと原子状態に近くなり、
粒成長が生じ易くなる。また粒径が10nmより大きくなる
と、複合貴金属コロイドの表面積が低下するため初期浄
化率が低下してしまう。1〜10nmの範囲とすることで、
粒成長を効果的に抑制できるため耐久性が向上し、かつ
表面積が高いため高い初期浄化活性が確保できる。
【0020】複合貴金属コロイドを担持する多孔質酸化
物担体としては、 Al2O3,SiO2,TiO2, MgO,ZrO2,Ce
O2, La2O3及びこれらから選ばれる複数種からなる複合
酸化物の少なくとも一種とすることができる。Pdとの親
和性の高い Al2O3を含むことが特に望ましい。
【0021】また複合貴金属コロイドの担持量は、 0.5
〜10重量%の範囲が特に好ましい。担持量がこの範囲よ
り少ないと飽和HCの浄化が困難となり、この範囲より多
く担持しても活性が飽和するとともに高価となる。
【0022】例えばWO99/32223号公報には、複数種の貴
金属が複合化した複合貴金属コロイドを多孔質酸化物担
体に担持してなる排ガス浄化用触媒とその製造方法が開
示されている。この方法では、例えばPdとPtの混合原料
溶液から還元して複合貴金属コロイドを形成している。
Pdの酸化還元電位は 0.951eVであり、Ptの酸化還元電位
は 1.118eVとPdの酸化還元電位より高いので、コロイド
の調製時には先ずPtについて還元が生じ、次いでPdにつ
いて還元が生じる。そのため内部にPtコロイドを表面に
Pdコロイドをもつ二相構造の複合貴金属コロイドが形成
されると考えられる。
【0023】しかしながらWO99/32223号公報には、飽和
HCの浄化能については全く記載されていない。そして本
発明者らの研究によれば、内部にPtコロイドを表面にPd
コロイドをもつ二相構造の複合貴金属コロイドでは、Pd
より酸化活性に優れるPtがPdによって被覆されているた
め、Ptの機能が十分に発現されにくいことが明らかとな
った。
【0024】そこで本発明の触媒では、複合貴金属コロ
イドの少なくとも一部に、内部にPdコロイドを表面にPt
コロイドをもつ二相コロイドを含むことが望ましい。二
相コロイドの表面にPtが存在することで、Pdへの酸素原
子の吸着性が適度に緩和され飽和HCの活性点への吸着が
阻害されにくい。さらに二相コロイドでは、Pdコロイド
の表面にPtコロイドが存在しているので、単純な酸化活
性ではPdよりも優れ表面に存在するPtを吸着点として飽
和HCの吸着−解離が起こり、その後Pdに吸着している酸
素原子と反応する。したがってPd単独の場合に比べて活
性が向上する。
【0025】本発明の触媒は、飽和HCを低温域から効率
よく浄化することができ、高温耐久後も活性の低下が抑
制されている。そして飽和HCの中でも特に酸化浄化しに
くいメタンでも低温域から効率よく浄化することがで
き、自動車の排ガスあるいは向上からの排ガス中のメタ
ンを酸化浄化する触媒として有用である。
【0026】本発明の触媒を製造する場合において、Pd
コロイドあるいは複合貴金属コロイドを生成し、それを
多孔質酸化物担体に担持するには、静電吸着を利用する
方法、高分子鎖の担体への吸着を利用する方法などを利
用することができる。
【0027】例えば高分子鎖の担体への吸着を利用する
方法では、先ずポリビニルピロリデン、ポリビニルアル
コールなどの水溶性高分子の水溶液中に水溶性貴金属化
合物とアルコールを混合し加熱して還元することで、高
分子保護貴金属コロイドを形成する。この方法は高分子
保護法と称されている。そして、この高分子保護貴金属
コロイドの水溶液中にアルミナなど多孔質酸化物担体の
粉末を分散させ、それを乾燥・焼成することで貴金属コ
ロイドが担持された触媒粉末を製造することができ、こ
の触媒粉末をハニカム担体基材などにコートすれば本発
明の飽和HC浄化用触媒を製造することができる。
【0028】PdコロイドをコアとしPtコロイドをシェル
とする二相コロイドを担持した触媒を製造する本発明の
製造方法は、水溶性Pd化合物を還元してPdコロイドを形
成する第1工程と、Pdコロイドの存在下で水溶性Pt化合
物を還元してPdコロイドの表面にPtコロイドをもつ複合
貴金属コロイドを形成する第2工程と、複合貴金属コロ
イドを多孔質酸化物粉末に担持する第3工程と、を順次
行う。
【0029】第1,2工程は水溶性Pd化合物を還元して
Pdコロイドを形成する工程、及び水溶性Pt化合物を還元
してPtコロイドを形成する工程であり、ジニトロジアン
ミンパラジウム(Pd(NO2)2(NH3)2),塩化白金酸( H2P
tCl6)などの水溶性化合物の溶液をエタノール,エチレ
ングリコールといった還元性溶媒を含む溶媒中で加熱し
て還元する方法、クエン酸, NaBH4,H2NNH2などの還元
剤で還元する方法などを利用することができる。
【0030】本発明の製造方法の最大の特徴は、先ずPd
コロイドを形成した後にPdコロイドの存在下でPtコロイ
ドを形成したところにある。これを逐次コロイド法と称
する。この逐次コロイド法により、Pdコロイドの表面に
Ptコロイドが存在する複合貴金属コロイドを確実に製造
することができる。
【0031】第1工程,第2工程及び第3工程は、水溶
性高分子の存在下で行うことが望ましい。これにより高
分子保護複合貴金属コロイドを形成することができ、複
合貴金属コロイドの安定性が向上するため微細な粒子と
なって表面積が増大する。したがって活性がさらに向上
する。この水溶性高分子としては、ポリビニルピロリデ
ン、ポリビニルアルコールなどが利用できる。なお水溶
性高分子は、溶液1リットル中にモノマーユニット換算
で0.02〜 0.1モルの範囲で添加することが好ましく、コ
ロイドの原料は金属として水溶性高分子の1/7以下で
あることが好ましい。これより少ないと高分子保護複合
貴金属コロイドを形成することが困難となってコロイド
の安定性が低下し、これより多く添加すると溶媒中への
溶解度が不十分となり安定なコロイドを形成できなくな
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0033】(実施例1)PVP(ポリビニルピロリデン
「K-90」和光純薬製) 4.1gをエタノールと純水の1:
1混合溶液 450mlに溶解した溶液に、Pd(NO2)2(NH3)2
4.2mmol溶解させた後、1Lの三口フラスコに移し、大
気中85℃で3時間環流してPdコロイド溶液を調製した。
【0034】得られたPdコロイド溶液を一旦室温まで冷
却した後に、エタノールと純水の1:1混合溶液に H2P
tCl6を0.5mmolと PVPを 0.5g溶解した溶液をさらに加
え、大気中85℃で3時間さらに環流した。
【0035】得られたPd−Ptコロイド溶液中にγ-Al2O3
粉末を所定量添加し、十分に含浸させた後に溶媒を除去
し、その後大気中 400℃で3時間焼成して有機成分を除
去した。得られた触媒粉末を圧粉成形し、粉砕して粒度
0.5〜1mmのペレット状に整粒して実施例1の触媒とし
た。
【0036】この触媒の組成は、γ-Al2O3の 120gに対
してPdが 4.5g担持され、Ptが 0.9g担持されている。
また担持されている複合貴金属コロイドの平均粒径は3
nmである。
【0037】(実施例2)Pd(NO2)2(NH3)2を4.2mmolと
H2PtCl6を0.5mmolとを、 PVPを4.1g溶解したエタノー
ルと純水の1:1混合溶液 500mlに溶解させた後、大気
中85℃で3時間環流してPd−Ptコロイド溶液を調製し
た。
【0038】得られたPd−Ptコロイド溶液中にγ-Al2O3
粉末を所定量添加し、十分に含浸させた後に溶媒を除去
し、その後大気中 400℃で3時間焼成して有機成分を除
去した。得られた触媒粉末を圧粉成形し、粉砕して粒度
0.5〜1mmのペレット状に整粒して実施例2の触媒とし
た。
【0039】この触媒の組成は、γ-Al2O3の 120gに対
してPdが 4.5g担持され、Ptが 0.9g担持されている。
また担持されている複合貴金属コロイドの平均粒径は4
nmである。
【0040】(実施例3〜7)Pd(NO2)2(NH3)2と H2PtC
l6の量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして各
触媒を調製した。各触媒の組成を表3にまとめて示す。
なお実施例7では H2PtCl6を用いておらず、得られた触
媒はPdコロイドのみを担持している。
【0041】(比較例1)所定濃度のPd(NO2)2(NH3)2
溶液の所定量をγ-Al2O3粉末の所定量に含浸させ、蒸発
乾固後、大気中 400℃で3時間焼成して触媒粉末を調製
した。得られた触媒粉末を圧粉成形し、粉砕して粒度
0.5〜1mmのペレット状に整粒して比較例1の触媒とし
た。組成を表3に示す。
【0042】(比較例2)Pd(NO2)2(NH3)2とPt(NO2)2(N
H3)2とをそれぞれ所定濃度で溶解した混合水溶液を用い
たこと以外は比較例1と同様にして、比較例2の触媒を
調製した。組成を表3に示す。
【0043】<試験・評価>
【0044】
【表1】
【0045】上記した各触媒を評価装置に所定量充填
し、表1に示すLeanガス2分/Richガス2分、空間速度
SV=10,000h-1の条件で交互に流通させながら、1000℃で
5時間保持する耐久試験を行った。
【0046】
【表2】
【0047】そして耐久試験後の各触媒について、表2
に示すLean定常モデルガスを空間速度SV=200,000h-1
条件で流通させながら室温から12℃/分の昇温速度で 5
50℃まで昇温し、その間メタンの浄化率を連続的に測定
した。そしてメタンの50%浄化温度を算出し、結果を表
3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】実施例7の触媒は、比較例1の触媒より低
温域からメタンを浄化することができ、比較例1の触媒
よりメタンの浄化活性が高い。すなわちPdを原子状では
なくコロイドとして担持することで、高温耐久後のメタ
ン浄化活性が向上することが明らかである。
【0050】また実施例1,2と比較例2の比較から、
PdとPtを担持する場合においても、原子状として担持す
るより複合貴金属コロイドとして担持することでメタン
浄化活性が向上することがわかる。そして実施例1の触
媒の方が実施例2の触媒よりメタン浄化活性が高いこと
から、先ずPdコロイドを形成した後に、Pdコロイドの存
在下でPtコロイドを形成させる製造方法が好ましいこと
が明らかである。
【0051】さらに実施例1〜5の比較から、PdとPtの
総モル数を揃えて担持した場合には、そのモル比には最
適値が存在することが示唆される。
【0052】また従来と同等の浄化活性を発現させるの
であれば、複合貴金属コロイドとして担持することで担
持量を少なくすることができることもわかり、したがっ
てコストを低減することができる。
【0053】
【発明の効果】すなわち本発明の飽和HC浄化用触媒によ
れば、高温耐久後も高い飽和HC浄化活性を示し、耐久性
が向上する。そして浄化しにくいメタンを、低温域から
効率よく浄化することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA18 AB01 BA03X BA30X BA31X BA41X BB01 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA02A BA04A BA05A BA06A BB02A BB02B BB04A BC22C BC42A BC43A BC72A BC72B BC75A BC75B CA02 CA03 CA07 CA15 EA01Y EB18Y FA01 FA02 FB06 FB16 FB45 FB78 FC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pdコロイドを多孔質酸化物担体に担持し
    てなることを特徴とする飽和炭化水素浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 少なくともPtとPdとが複合化した複合貴
    金属コロイドを多孔質酸化物担体に担持してなることを
    特徴とする飽和炭化水素浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 前記複合貴金属コロイドの少なくとも一
    部には、内部にPdコロイドを表面にPtコロイドをもつ二
    相コロイドを含む請求項2に記載の飽和炭化水素浄化用
    触媒。
  4. 【請求項4】 前記複合貴金属コロイドにおけるPdとPt
    のモル比は、Pd/Pt=1/1〜15/1である請求項2又
    は請求項3に記載の飽和炭化水素浄化用触媒。
  5. 【請求項5】 水溶性Pd化合物を還元してPdコロイドを
    形成する第1工程と、該Pdコロイドの存在下で水溶性Pt
    化合物を還元して該Pdコロイドの表面にPtコロイドをも
    つ複合貴金属コロイドを形成する第2工程と、該複合貴
    金属コロイドを多孔質酸化物粉末に担持する第3工程
    と、を順次行うことを特徴とする飽和炭化水素浄化用触
    媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1工程,前記第2工程及び前記第
    3工程は、水溶性高分子の存在下で行う請求項5に記載
    の飽和炭化水素浄化用触媒の製造方法。
JP2002105118A 2002-04-08 2002-04-08 飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法 Pending JP2003299957A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105118A JP2003299957A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105118A JP2003299957A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003299957A true JP2003299957A (ja) 2003-10-21

Family

ID=29389964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002105118A Pending JP2003299957A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003299957A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012147376A1 (ja) 2011-04-28 2012-11-01 エヌ・イー ケムキャット株式会社 排気ガス浄化装置
JP2013500862A (ja) * 2009-08-05 2013-01-10 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション コロイド性ナノ粒子の析出によるディーゼル酸化触媒の製造
JP2019511353A (ja) * 2016-01-06 2019-04-25 ビーエーエスエフ コーポレーション 白金族金属ナノ粒子を含むディーゼル酸化触媒

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013500862A (ja) * 2009-08-05 2013-01-10 ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション コロイド性ナノ粒子の析出によるディーゼル酸化触媒の製造
US9687818B2 (en) 2009-08-05 2017-06-27 Basf Corporation Preparation of diesel oxidation catalyst via deposition of colloidal nanoparticles
JP2017159296A (ja) * 2009-08-05 2017-09-14 ビーエーエスエフ コーポレーション コロイド性ナノ粒子の析出によるディーゼル酸化触媒の製造
WO2012147376A1 (ja) 2011-04-28 2012-11-01 エヌ・イー ケムキャット株式会社 排気ガス浄化装置
JP2019511353A (ja) * 2016-01-06 2019-04-25 ビーエーエスエフ コーポレーション 白金族金属ナノ粒子を含むディーゼル酸化触媒
JP7076370B2 (ja) 2016-01-06 2022-05-27 ビーエーエスエフ コーポレーション 白金族金属ナノ粒子を含むディーゼル酸化触媒
JP2022122883A (ja) * 2016-01-06 2022-08-23 ビーエーエスエフ コーポレーション 白金族金属ナノ粒子を含むディーゼル酸化触媒
JP7314357B2 (ja) 2016-01-06 2023-07-25 ビーエーエスエフ コーポレーション 白金族金属ナノ粒子を含むディーゼル酸化触媒

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3956273B2 (ja) 排ガス浄化用触媒とその製造方法及び排ガス浄化方法
JP2003126694A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP5305904B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP5663307B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2003047850A (ja) 触媒、排気ガス浄化用触媒、及び触媒の製造方法
JP4831753B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2003033669A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JPH11285644A (ja) 触媒の製造方法
JP5094049B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JPH03106446A (ja) 排ガス浄化用触媒およびその製造方法
JP2003299957A (ja) 飽和炭化水素浄化用触媒及びその製造方法
JP3362532B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2004176589A (ja) 排ガス浄化装置
JP3431507B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP4507446B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP4303799B2 (ja) リーンNOx浄化用触媒の製造方法
JPH11276896A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP4697506B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2002361090A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP3551364B2 (ja) 窒素酸化物吸着材
JP2000140644A (ja) 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法
JP2001058131A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2005000884A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP2002191989A (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2004008932A (ja) 排ガス浄化用触媒