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JP2003284741A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2003284741A
JP2003284741A JP2002090633A JP2002090633A JP2003284741A JP 2003284741 A JP2003284741 A JP 2003284741A JP 2002090633 A JP2002090633 A JP 2002090633A JP 2002090633 A JP2002090633 A JP 2002090633A JP 2003284741 A JP2003284741 A JP 2003284741A
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Japan
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flap
sheet
embossed
absorbent article
flap portion
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JP2002090633A
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JP2003284741A5 (ja
Inventor
Takako Fujii
孝子 藤井
Toranari Takeuchi
寅成 竹内
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Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
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Publication date
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Publication of JP2003284741A5 publication Critical patent/JP2003284741A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フラップ部肌側面における体液拡散を抑制可能
としながらも、その反対面に粘着剤層を確実に保持させ
る。 【解決手段】体液吸収部を有する本体部とその周囲に設
けられたフラップ部F1,F2とを有する生理用ナプキ
ン1において、フラップ部F1,F2が肌面側表面にエ
ンボス凹部ebを有し且つその裏面には凹凸を実質的に
有しないように構成し、このフラップ部F1,F2の裏
面に粘着剤層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙おむつや生理用ナ
プキンのような、体液吸収部を有する本体部とその周囲
に設けられたフラップ部とを有する吸収性物品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の吸収性物品のフラップ部は、例
えば生理用ナプキンにおいて良く見られるようにショー
ツの外面に折り返すタイプ(以下、折返しフラップ部と
もいう)のものと、長時間用生理用ナプキンや紙おむつ
に良く見られるようにショーツの外側に折り返されず、
肌面と接するように且つ前記本体部の周囲への体液の漏
れを受けるように延出されて使用されるもの(以下、カ
バーフラップ部ともいう)とがある。両者は概念的かつ
機能的に明確に区別される。すなわち前者は、物品をシ
ョーツに固定することをその主要機能とするものであ
り、後者は本体部から漏れた体液がショーツ等の被服に
移るのを防止することを主要機能とするものである。通
常、これらのフラップ部の裏面(外装面)にはズレ止め
のために粘着材層が形成される。
【0003】ところで、本出願人は、カバーフラップ部
の肌面側表面にエンボス加工等により液止凹部を設ける
ことにより、仮に本体部側からカバーフラップ部上に体
液が漏れ出たとしても、その表面に形成された液止凹部
によって体液の拡散を抑制できることを知見した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カバー
フラップ部に対してエンボス加工を施してしまうと、そ
の表裏両面に凹凸が形成される結果、その凹凸面に粘着
剤層を設けたとしても粘着剤層とフラップ部裏面との接
触面積が少なく、粘着剤がフラップ部表面に浮いた状態
で保持されてしまい、ショーツに粘着剤が移ってしまう
という問題点があった。
【0005】また、フラップ部に対してエンボス処理を
施すと、必要以上に硬くなり、これを着用者が装着した
場合、肌(特に折返しフラップ部を有する生理用ナプキ
ンにあっては太股付け根内側の肌)とフラップ部との擦
れによって違和感をおぼえたり、フラップ部と擦れる部
位にカブレが発生したりするという問題点もあった。
【0006】そこで本発明の主たる課題は、エンボス凹
部による体液拡散抑制形態を採用できるものでありなが
ら、粘着剤がショーツに移り難いフラップ部を有する吸
収性物品を提供することにある。また他の課題は、上記
違和感やカブレ等の問題の発生しにくいフラップ部を有
する吸収性物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、体液吸収部を有する本体部とその周囲に設けられ
たフラップ部とを有する吸収性物品であって、少なくと
も前記フラップ部が、肌面側表面にエンボス凹部を有し
且つその裏面には凹凸を実質的に有しないように構成さ
れ、このフラップ部の裏面に粘着剤層が設けられてい
る、ことを特徴とする吸収性物品である。
【0008】このように構成されていると、フラップ部
の裏面には凹凸が実質的にないため当該裏面に粘着剤層
が確実に密着保持され、粘着剤層の表面をショーツに粘
着させても取り外しに際して粘着剤の一部がショーツに
移る(残る)といった事態が起こり難くなる。
【0009】他方、フラップ部にエンボスを付与する
と、フラップのコシが必要以上に強くなり、着用者にお
いて違和感やカブレ等の問題が発生するおそれがある。
しかし本発明者らが鋭意研究したところによると、この
問題は下記(イ)〜(ニ)の少なくとも一つの要件を満
たすエンボス加工を採用することによって解決すること
ができる。 (イ)前記フラップ部に対する前記エンボス凹部の面積
率が5〜80%とされている。 (ロ)エンボス凹部の深さが0.01mm以上である。 (ハ)前記フラップ部は不織布とポリエチレンシートと
を張り合わせてなるものであり、その平均曲げ剛性が
0.03〜0.10gcm2/cmとされている。 (ニ)前記エンボス凹部の開口幅が0.7mm以上とさ
れている。 (ホ)前記エンボス凹部は、前記フラップ部の平面方向
に異なる数密度でもって多数形成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す生理用ナプ
キンへの応用例を参照しながら本発明の実施の形態につ
いて詳説する。なお、本発明はフラップ部を有する使い
捨て紙おむつ、尿漏れパッド等の各種体液吸収パッドな
どにも適用できるものであるが、当業者であればその適
用については容易に理解できることであるので説明は省
略する。図1は、本発明に係る生理用ナプキン1の展開
状態での体液吸収側面を示しており、図2はその反対面
すなわち外装面を示しており、図3は図1のIII-III断
面を示している。この生理用ナプキン1は、ポリエチレ
ンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性
裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過さ
せる透液性トップシート3とを有する。これら両シート
2,3間の幅方向中央には、綿状パルプまたは合成パル
プなどからなる吸収コア4と、この吸収コア4の形状保
持および拡散性向上のために前記吸収コア4を包むクレ
ープ紙5とを含む吸収体ABが介在されている。この吸
収機能を発揮する製品中央部分が本発明の本体部を構成
する。
【0011】本実施形態では、透液性トップシート3は
吸収体ABを若干スケールアップした形状を有し、吸収
体ABの表面全体を覆うように配置されている。不透液
性裏面シート2は製品の平面形状と同じ形状を有してお
り、その両側部は吸収体ABの両側縁よりも側方に延出
されており、この延出部分の表面側全体を覆うように不
織布からなるサイドシート6,6が積層接合されてい
る。この接合手法としては、ホットメルト接着剤による
接着、超音波シール、熱融着、熱圧着、またはこれらの
組み合わせを採用することができる。
【0012】特に図示形態のように、製品周縁部、具体
的には裏面シート2及びサイドシート6,6の積層部分
の自由端縁と、透液性トップシート3および不透液性裏
面シート2の前後端縁は、ヒートシールb1,b2によ
り強固に接合するのが好ましい。この接合縁の幅は少な
くとも2mm以上10mm未満程度確保するのが望まし
い。なお、図示形態では前者のヒートシールb1は、肌
面側に凹凸が現れないようになされている。
【0013】本実施形態では、かかる不透液性裏面シー
ト2とサイドシート6,6との積層部分のうち特に股間
部およびヒップ部が吸収体ABの側方に大きく延出さ
れ、これら各延出部分によって折返しフラップ部F1お
よびヒップカバーフラップ部F2がそれぞれ形成されて
いる。本発明ではいずれか一方のフラップ部のみを設け
た形態や、いずれか一方のフラップ部にのみ本発明を適
用した形態を採ることもできる。
【0014】図2および図3に示すように、フラップ部
F1,F2の裏面には裏面シート2上に粘着剤層20が
形成されており、これによってショーツに対する止着が
なされる。フラップ部F1,F2は製品提供段階では本
体部裏面側に折り畳み、本体部裏面に粘着固定しておく
ことができる。この場合カバーフラップ部F2は少なく
とも使用状態では前述のとおり肌面と当接されるように
戻される。
【0015】そして、本実施形態では、エンボス加工に
よる凹部ebが多数形成されたサイドシート6,6を、
エンボス加工等の凹凸形成処理を施していない裏面シー
ト2と接合している。したがって図1と図2との対比か
らも明らかなように、フラップ部F1,F2は肌面側表
面に凹部ebを有するものの、その反対面(裏面)には
凹凸を実質的に有しない。かくして粘着剤層20を裏面
シート2に密接させて確実に保持させることができるよ
うになり、これをショーツ外面に粘着させた後に取り外
しても粘着剤層20の一部がショーツ外面に残ってしま
うような事態が発生し難くなる。
【0016】しかも、カバーフラップ部F2表面にはエ
ンボス凹部ebが多数形成されているので、体液が本体
部において吸収保持されずに脇に漏れた場合であって
も、その体液は当該カバーフラップ部F2の凹部ebに
より拡散が抑制される。なお、折返しフラップ部F1の
表面にも結果的に凹部ebが形成されるが、折返しフラ
ップ部F1はショーツの外側に折り返されるため、そこ
に体液が漏れ出てくることは殆どなく、拡散抑制機能は
実質的な意味をなさない。しかし製造手法の都合等によ
り、このように折返しフラップ部F1に凹部ebが形成
されていても良い。
【0017】特に本実施形態のようにサイドシート6,
6が不織布からなるものであると、本体部の脇に漏れ出
た体液はサイドシート不織布6,6内に浸透することに
より拡散されるが、この拡散についてもエンボス凹部e
bによる封止効果により阻止される。この機能は体液の
粘性に関わらず発揮される。しかもこのサイドシート不
織布6,6は、体液の拡散抑制機能のみならず、体液の
吸収保持機能も若干有する。
【0018】さらにこのようにフラップ部F1,F2の
肌側表面が不織布からなる場合、フラップ部F1,F2
の肌面側の肌触りが良くなるため、装着者においてフラ
ップ部F1,F2との擦れによって違和感をおぼえた
り、フラップ部F1,F2と擦れる部位にカブレが発生
したりし難くなる利点ももたらされる。
【0019】ところで、この違和感やカブレ等の問題に
対しては、フラップ部F1,F2のコシが素材種類より
も重大な影響を与える。特に上記のとおりフラップ部F
1,F2の肌面側表面に対してエンボス加工eb,eb
を施すと、フラップ部F1,F2のコシが必要以上に硬
くなりやすい。そこで、好適には次記の(A)〜(E)
のなかから一つ又は複数の要件を選択的に満たすエンボ
ス加工を行うことによって、エンボス加工による体液流
動阻止機能をもたせながらも、上記違和感やカブレの問
題を低減・解消する程度に、フラップ部F1,F2のコ
シを調整することができる。 (A)フラップ部F1,F2に対するエンボス凹部の面
積率を5〜80%、好適には10〜30%とする。 (B)エンボス凹部の深さを0.01mm以上、好適に
は0.03mm以上とする。 (C)フラップ部F1,F2を不織布とポリエチレンシ
ートとを張り合わせて形成する場合、その平均曲げ剛性
が0.03〜0.10gcm2/cmとなるようにエン
ボスを付与する。 (D)エンボス凹部の開口幅を0.7mm以上とする。 (E)エンボス凹部数の疎密をフラップ部F1,F2の
平面方向に変化させる。例えば、折返しフラップ部F1
の折返し線近傍については相対的にエンボス凹部数が少
なくなりコシが小さくなるようにする。
【0020】他方、さらに図示の生理用ナプキン1の構
造や素材などについてさらに詳述すると、フラップ部F
1,F2の肌側表面は、前述のとおり不織布により形成
するのが好ましいが、ポリエチレンシート等のように、
この種の分野で使用される他の材質の透液性または不透
液性シートにより形成することもできる。すなわち、図
示形態でいうならば、裏面シート2のみならずサイドシ
ート6についても、不透液性シートにより形成すること
ができる。
【0021】特にサイドシート6,6を不織布とする場
合、前述した理由から、エアスルー不織布のように嵩高
な不織布が望ましい。この不織布としては、重要視する
機能に応じてそれぞれ撥水処理不織布または親水処理不
織布を単独でまたは組み合わせて使用することができ
る。たとえば、経血やおりもの等が浸透するのを防止す
る、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するな
らば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミック
クロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織
布を用い、フラップ部における経血等の吸収性を重視す
るならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、
例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存
させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩
で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物
を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性
とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不
織布を用いるようにする。しかし、本発明では前述の観
点からサイドシート6に用いる不織布として親水処理不
織布を用いるのが望ましい。かかる不織布としては、天
然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適
宜の加工法によって形成されたものを使用することがで
きるが、好ましくは目付け量を抑えて通気性を持たせた
不織布を用いるのがよい。
【0022】フラップ部F1,F2の肌側表面に付与す
るエンボスパターンは、上記要件(A)〜(E)の条件
を満足するのが好ましいが、基本的には任意である。エ
ンボスパターンは図示形態のように凹部を間欠的に多数
配列するものであっても良いが、線状に連続するような
ものであっても良い。また、エンボス凹部ebの周縁
は、角を有しないような曲線とするのが肌触りの面から
好ましいが、角を有していても良い。図示形態のように
異なる形状のエンボス凹部ebを組み合わせたエンボス
パターンを用いることもできるし、同一の形状のエンボ
ス凹部のみでエンボスパターンを形成しても良い。
【0023】体液の拡散防止性という観点からは、図示
形態のようにエンボス凹部ebが、製品長手方向と又は
巾方向に対して非平行な方向に沿って延在する形状を有
するか、前記非平行な方向に沿って配列されるか、また
はこれらの形状及び配列の両方を満足するように設けら
れるのが好ましい。特に図示のように凹部の配列方向
(凹部が溝状に延在する場合には溝相互)が交差する形
態が好ましい。さらに、体液の拡散防止性という観点か
らは、下記要件(F)〜(G)の条件の少なくとも一つ
を満足するのが好ましい。 (F)エンボス凹部ebの相互間隔は5mm以下、好適
には3mm以下とする。 (G)エンボス凹部ebはカバーフラップ部F2に対
し、製品前後方向の50%の範囲、好ましくは70%の
範囲にわたって形成する。 (H)エンボス凹部ebの開口幅は0.5mm以上とす
る。
【0024】他方、前記不透液性裏面シート2は、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シート
などの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられる
が、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層した
ラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して
実質的に不透液性を確保した不織布シート(この場合に
は防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成
する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の
観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。
この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポ
リプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混
練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸
することにより得られる微多孔性シートがある。
【0025】前記透液性トップシート3としては、有孔
または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが
好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維として
は、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオ
レフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊
維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然
繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド
法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパ
ンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用い
ることができる。これらの加工法の内、スパンレース法
は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド
法は嵩高でソフトである点で優れている。特に好ましい
のは、多孔性プラスチックシートである。
【0026】透液性トップシート3に対しては図示しな
い表面エンボスを付与することができる。また図4に示
すように透液性トップシート3を本体部の側方に延出さ
せて、この延出部分によりフラップ部F1,F2の肌側
表面層を形成し、前述のサイドシート6を省略すること
もできる。この場合、透液性トップシート3の側方延出
部分に前述のエンボス凹部ebを形成する。もちろん、
サイドシート6を省略せずに、サイドシート6の上に若
しくはサイドシート6と裏面側シート3との間にトップ
シート3を延出させたり、他のシート配置したりするこ
とにより、フラップ部F1,F2を3層構成とすること
もできる(図示せず)。また、このことからも判るよう
に、本発明のフラップ部F1,F2は、肌面側表面にエ
ンボス凹部を有し且つその裏面には凹凸を実質的に有し
ないものであれば、層の数や層の素材によって限定され
るものではない。
【0027】不透液性裏面シート2と透液性トップシー
ト3との間に介在される吸収コア4は、たとえばフラッ
フ状パルプと吸水ポリマーとにより構成されている。前
記吸水性ポリマーは吸収コアを構成するパルプ中に例え
ば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、
木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロー
ス繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊
維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長
の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に
使用される。
【0028】また、透液性トップシート3と吸収コア4
(具体的にはクレープ紙5)との間に厚手の親水性不織
布からなる図示しない吸収促進シートを配設することも
できる。この吸収促進シート7は長手方向中央部に位置
し、前方側には長く延在し、前寄りに偏在させるのが望
ましい。かかる吸収促進シートを設けることで、経血や
おりもの等(以下、まとめて体液という。)が速やかに
吸収されることができるようになるとともに、肌と接触
する表面はドライタッチ性に優れたものとなる。
【0029】なお、図示形態のように、吸収コア4を囲
繞するクレープ紙5を設け、結果的に透液性トップシー
ト3と吸収コア4との間にクレープ紙5が介在するよう
にすれば、吸収性に優れる前記クレープ紙5によって体
液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻
りを防止するようになる。このようにクレープ紙5は、
体液を速やかに拡散させる機能を有するので、これを設
けるときには吸収促進シートを省略することもできる。
【0030】一方、図示形態では、透液性トップシート
3の上面における排血対応部位を跨ぐ両側部に、略長手
方向に沿うエンボスによるサイド条溝8,8がそれぞれ
形成されている。また、これらの前後端部間を繋ぐよう
に幅方向に延びる弧状のエンボスによる、フロント条溝
10F,バック条溝10Fがそれぞれ形成されている。
さらにフロント条溝10Fと長手方向中間部との間に
は、幅方向に延びる弧状のエンボスによる前漏れ防止条
溝11が形成され、この前漏れ防止条溝11の長手方向
位置と長手方向中間部との間には、サイド条溝8,8の
外側にこのサイド条溝8,8に沿って延在するエンボス
によるサイド補助条溝9,9がそれぞれ形成されてい
る。これらの条溝8,9,10F,10B,11は、当
該部位の各層を重ねた状態で使用面側から加熱しながら
エンボスすることにより、いわゆる熱融着エンボスとし
て形成できる。
【0031】これらの条溝8,9,10F,10B,1
1は、排血口当接部からの経血が外方に拡散するのを防
止するためのものである。これらの条溝8,9,10
F,10B,11は、少なくとも吸収コア4が圧縮され
る形態で圧搾されたものである限り、エンボスの形態に
限定はないが、条溝の長さ方向に高圧搾部(高密度部)
と低圧搾部(低密度部)とが交互に現れる形態とするこ
とができる。
【0032】他方、図示形態のように、吸収コアの両側
部において製品長手方向に延在する横漏れ防止バリヤー
30,30を設けるのも好ましい。図3に示す形態で
は、製品長手方向に延在するバリヤーシート31の幅方
向一端部が吸収コア4の側部に固定され、他端部が自由
端とされ、かつ自由端側部分に弾性伸縮部材は32,3
2が長手方向に沿って伸張下に固定されている。そして
このバリヤーシート31の製品の長手方向前後端部は折
り重ねられた状態で相互に接合され、中間部分では接合
されていない。かくして、使用状態においては、図3に
示すように、弾性伸縮部材32,32の収縮力によりバ
リヤーシート31,31の中間部分が起立し、経血の横
漏れ防止バリヤー30,30として機能する。
【0033】かかる横漏れ防止バリヤー30,30は、
図5に示すように、サイドシート6,6の内側部分を吸
収コア4の側縁より内方に延在させ、この延在部分6
e,6eを前記バリヤーシート31,31に替えて利用
することによっても形成できる。この場合からも判るよ
うに、製造方法の都合等により、横漏れ防止バリヤー3
0,30がエンボス凹部を有していても良い。
【0034】<実施例>坪量25g/m2のエアスルー
不織布からなるサイドシート素材と、坪量23g/m2
のポリエチレンフィルムからなる不透液性裏面シート素
材とを用意し、これらを張り合わせて下記実施例1、比
較例1および比較例2の各サンプルを製作した。各サン
プルについて、カトーテック社製純曲げ試験機を用いて
曲げ剛性Bおよび復元性2HB(曲げヒステリシス幅)
を測定した。また不透液性裏面シート素材の非張り合わ
せ面の凹凸を目視評価した。結果を表1に示す。なお、
曲げ剛性Bは、値が大きいほどコシが強いこと意味し、
復元性2HBは値が大きいほど復元性が高いことを意味
する。 実施例1…サイドシート素材に前述の要件(A)〜
(D)の全てを満足するエンボス加工を施した後、これ
を不透液性裏面シート素材と張り合わせたもの。 比較例1…サイドシート素材及び不透液性裏面シート素
材ともにエンボス加工を施さずに張り合わせたもの。 比較例2…サイドシート素材及び不透液性裏面シート素
材を張り合わせた後に、この張り合わせシートに実施例
1と同様のエンボス加工を施したもの。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、エンボス
凹部による体液拡散抑制形態を採用できるものでありな
がら、粘着剤がショーツに移り難いフラップ部を有する
吸収性物品となる。さらに、フラップ部のコシをエンボ
ス加工特性・加工形態により調節した場合には、装着者
においてフラップ部との擦れによって違和感をおぼえた
り、フラップ部と擦れる部位にカブレが発生したりし難
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生理用ナプキンの展開態における
平面(体液吸収側面)図である。
【図2】本発明に係る生理用ナプキンの展開態における
底面(裏面若しくは外装面)図である。
【図3】図1のIII-III断面図である。
【図4】他の形態を示す断面図である。
【図5】別の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透
液性トップシート、4…吸収コア、5…クレープ紙、6
…サイドシート、F1…折返しフラップ部、F2…ヒッ
プカバーフラップ部、eb…エンボス凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C003 DA06 HA05 4C098 AA09 CC07 CC37 CE14 DD25 DD30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体液吸収部を有する本体部とその周囲に設
    けられたフラップ部とを有する吸収性物品であって、 少なくとも前記フラップ部が、肌面側表面にエンボス凹
    部を有し且つその裏面には凹凸を実質的に有しないよう
    に構成され、 このフラップ部の裏面に粘着剤層が設けられている、 ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 【請求項2】前記フラップ部に対する前記エンボス凹部
    の面積率が5〜80%とされている、請求項1記載の吸
    収性物品。
  3. 【請求項3】エンボス凹部の深さが0.01mm以上で
    ある、請求項1または2記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】前記フラップ部は不織布とポリエチレンシ
    ートとを張り合わせてなるものであり、その平均曲げ剛
    性が0.03〜0.10gcm2/cmとされている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】前記エンボス凹部の開口幅が0.7mm以
    上とされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    吸収性物品。
  6. 【請求項6】前記エンボス凹部は、前記フラップ部の平
    面方向に異なる数密度でもって多数形成されている、請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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