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JP2003255606A - 白色トナーの製造方法 - Google Patents

白色トナーの製造方法

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Publication number
JP2003255606A
JP2003255606A JP2002053591A JP2002053591A JP2003255606A JP 2003255606 A JP2003255606 A JP 2003255606A JP 2002053591 A JP2002053591 A JP 2002053591A JP 2002053591 A JP2002053591 A JP 2002053591A JP 2003255606 A JP2003255606 A JP 2003255606A
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JP
Japan
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white
resin
toner
white pigment
binder resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002053591A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Sato
義浩 佐藤
Takayuki Ito
孝之 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2002053591A priority Critical patent/JP2003255606A/ja
Publication of JP2003255606A publication Critical patent/JP2003255606A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 結着樹脂と白色顔料を含有する着色剤の溶融
混練物を粉砕してトナーを製造する粉砕法において、白
色顔料がトナー表面に露出することがなく、また、トナ
ーを小粒径化しても、あるいは白色顔料を多量に使用し
ても、安定した帯電量及びシャープな帯電量分布を有す
る高隠蔽性の白色トナーの製造方法を提供する。 【解決手段】 着色剤及び結着樹脂(1)を含有する混
合物を溶融状態にて混練し、その後、前記混合物を冷却
し、次いで粉砕する工程によりトナーを製造する方法で
あって、前記着色剤として、白色顔料を結着樹脂(2)
中に分散させた白色顔料分散体を製造し、次いで前記白
色顔料分散体を水性媒体中に乳化させ、更に水性媒体か
ら分離する工程を経て製造される白色樹脂粒子を用いる
ことを特徴とする白色トナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンター、ファックス等に好適に用いられ、さ
らにはトナージェット方式のプリンター等にも用いられ
る静電荷像現像用の白色トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法に用いられるトナーの製造方
法としては、従来、以下のような粉砕法が用いられてい
る。すなわち、結着樹脂と着色剤、更に必要に応じて帯
電制御剤等の添加剤を加えて、ヘンシェルミキサー等に
よりそれらを混合し、次いで、得られた混合物を二軸押
出機等によって溶融混練した後、粉砕、分級して所定の
粒子径のトナーを得る方法である。
【0003】このような製造方法により製造されたトナ
ーは、一成分現像方式あるいは二成分現像方式のトナー
として用いられるが、いずれの方式においても、トナー
の摩擦帯電特性がトナーの現像特性に多大な影響を与え
る。例えば、トナー粒子が不十分な電荷を有するとき
は、トナー粒子はキャリアとの静電引力が小さいために
現像機周辺を汚染する。あるいは感光体上の静電荷像以
外の部分に飛散し、現像後の印刷物上にかぶりを発生さ
せる。また、トナー粒子が過度に大きな電荷を有する場
合には、感光体上への付着量、あるいは転写材への転写
量が少なくなり、印刷物の画像濃度が低下する。更に、
トナー粒子個々の電荷量が不均一であり、トナー粒子が
有する帯電量の分布が幅広い場合には、画像濃度の変動
以外にも種々の望ましくない問題が発生する。
【0004】ところで、近年では、電子写真方式のプリ
ンターのカラー化及び印刷画像の高解像化が進むに従
い、有彩色の紙に白色トナーを用いて白色文字あるいは
白色画像を印刷する用途やカラー画像の発色性向上のた
めにバックグラウンドに白色のベタ画像を印刷する用途
が広がってきている。更には、有彩色のトナーで形成し
た有色の印刷画像に対し、表現する階調に応じて有色ト
ナー画像の一部を隠蔽するように白色トナー画像を印刷
する用途や、白色トナーで有色トナー画像を完全に隠蔽
して消去してしまう用途も開発されている。
【0005】一般に、白色トナーは結着樹脂中に酸化チ
タン等の白色顔料を分散させることにより得られる。こ
の白色トナーを上記の用途に用いるためには、使用する
白色トナーが、下地となる有彩色の紙の色や有彩色のト
ナーで形成された印刷画像を隠すための強い隠蔽力を有
することが必要となる。そこで従来では、白色トナーに
強い隠蔽力を与えるため、結着樹脂中の白色顔料の配合
量を増やし、印刷画像を形成するトナー層中に入射して
くる光が白色顔料粒子により反射あるいは拡散される割
合を高めていた。しかしながら、隠蔽力を高めるために
白色顔料粒子の量を増やしていくと、白色顔料粒子がト
ナー粒子の表面に露出する割合が増えてしまう。特に、
酸化チタン等の無機顔料を含む白色トナーにおいては、
無機顔料の抵抗が比較的小さいため、それがトナー表面
に露出すると十分な帯電量が得られず、カブリを生じた
り、感光体上に残留したトナーにより感光体に傷がつく
という問題が発生していた。このような現象は、上記の
粉砕法を用いた製造方法を用いた場合に顕著である。特
に、近年では、画像の高精細化が望まれ、トナー粒子の
小粒径化が進展しており、トナー粒子が小粒径化してい
くと比表面積が増加し、着色剤がトナー粒子の表面に露
出する割合が益々多くなるという問題が発生している。
【0006】以上の事情により、従来より白色顔料がト
ナ−表面へ露出することを極力少なくするための技術が
種々検討されてきている。例えば、特開平5−3415
62号公報においては、結着樹脂中に白色顔料を高濃度
に含有するマスターを製造し、次いで該結着樹脂と混和
性の低い結着樹脂中に該マスターを分散させる技術が開
示されている。しかしながら、当該公報で開示された技
術では、白色顔料がトナー表面に露出することを極力抑
えることに関し、未だ不十分であり、白色トナーの帯電
特性を実用上十分満足できる程度にまで改善することが
実現できていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、結着樹
脂と白色顔料を含有する着色剤の溶融混練物を粉砕して
トナーを製造する粉砕法において、白色顔料がトナー表
面に露出することがなく、また、トナーを小粒径化して
も、あるいは白色顔料を多量に使用しても、安定した帯
電量及びシャープな帯電量分布を有する高隠蔽性の白色
トナーの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粉砕法に
おける上記課題の解決手段として、樹脂と白色顔料の混
合分散物を水性媒体中に乳化することで得られる白色樹
脂粒子を着色剤として用いることで、上記課題を解決で
きることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、着色剤及び結着樹脂
(1)を含有する混合物を溶融状態にて混練し、その
後、前記混合物を冷却し、次いで粉砕する工程によりト
ナーを製造する方法であって、前記着色剤として、白色
顔料を結着樹脂(2)中に分散させた白色顔料分散体を
製造し、次いで前記白色顔料分散体を水性媒体中に乳化
させ、更に水性媒体から分離する工程を経て製造される
白色樹脂粒子を用いることを特徴とする白色トナーの製
造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する結着樹脂(1)
としては、通常、トナーにおいて結着樹脂として用いら
れているものであれば特に限定すること無く使用するこ
とができる。例えば、ポリスチレン、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、オレフィン樹脂、ポ
リエステル樹脂、アミド系樹脂、ポリカーボネ−ト樹
脂、エポキシ系樹脂、並びにこれらのグラフト重合体及
びそれらの混合物などを挙げることができる。
【0011】それらの中でも、帯電安定性、保存安定
性、定着特性、あるいは有彩色の有機顔料等を含むカラ
ートナー用樹脂として用いた場合の色再現性等を考慮す
るとポリエステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸
エステルの共重合体樹脂が好適に使用しうる。
【0012】本発明で、結着樹脂(1)として用いられ
るポリエステル樹脂は、例えばジカルボン酸とジオール
を通常の方法で脱水縮合して得られる。ジカルボン酸と
しては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グ
ルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸
又はその誘導体が挙げられる。
【0013】また、ジオールとしては、例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジ
オール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン及びその誘導体、ポリオキシプロピレン−
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオ
キシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン及びその誘導体、等が挙げられる。
【0014】さらに、例えばポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロ
ピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレン
オキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジ
オール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共
重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオール等のジオ
ールを用いることも出来る。
【0015】また、必要に応じ、例えばトリメリット
酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメ
リット酸等の三官能以上の芳香族カルボン酸またはその
誘導体を、あるいはソルビトール、1,2,3,6−ヘ
キサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリ
スリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,
5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリメチロールベンゼン等の三官能以
上のアルコールを、あるいは、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグ
リシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グ
リセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタント
リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグ
リシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基
を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エ
ポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキ
シ化ポリブタジエン、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステ
ルエポキシ化合物の一種以上のもの等の三官能以上の多
価エポキシ化合物を併用することも出来る。
【0016】本発明で用いるポリエステル樹脂は、触媒
の存在下、上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いは
エステル交換反応を行うことにより得ることができる。
この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるもの
ではないが、通常150〜300℃で2〜24時間であ
る。上記反応を行う際の触媒としては、例えば酸化亜
鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジ
ラウレート等を適宜使用する事が出来る。
【0017】また、本発明で、結着樹脂(1)として好
適に用いられるスチレン−(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体樹脂に用いられるスチレンモノマーとして
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、p−スルホンスチレン、ジメチルアミノメチルス
チレン等がある。
【0018】(メタ)アクリル酸エステルモノマーとし
ては、例えばメチル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、オク
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートの
如きアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル
(メタ)アクリレートの如き脂環族(メタ)アクリレー
ト;ベンジル(メタ)アクリレートの如き芳香族(メ
タ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートの如き水酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)
アクリロキシエチルホスフェートの如きリン酸基含有
(メタ)アクリレート;2−クロロエチル(メタ)アク
リレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレ
ートの如きハロゲン原子含有(メタ)アクリレート;グ
リシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基含有
(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート
の如きエーテル基含有(メタ)アクリレート;ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレートの如き塩基性窒素原
子又はアミド基含有(メタ)アクリレート;等が挙げら
れる。
【0019】また、これらと共に共重合可能な不飽和化
合物も必要に応じ用いることができる。例えば、(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸の如きカルボキシル基含有ビニルモノマ
ー;スルホエチルアクリルアミドの如きスルホ基含有ビ
ニルモノマー;(メタ)アクリロニトリルの如きニトリ
ル基含有ビニルモノマー;ビニルメチルケトン、ビニル
イソプロペニルケトンの如きケトン基含有ビニルモノマ
ー;N−ビニルイミダゾール、1−ビニルピロール、2
−ビニルキノリン、4−ビニルピリジン、N−ビニル2
−ピロリドン、N−ビニルピペリドンの如き塩基性窒素
原子又はアミド基含有ビニルモノマー等を使用すること
ができる。
【0020】また、架橋剤を上記ビニルモノマーに対し
て0.1〜2重量%の範囲で使用してもよい。架橋剤と
しては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテ
ル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】あるいは前記カルボキシル基含有ビニルモ
ノマーを共重合せしめたスチレン−(メタ)アクリル酸
エステルの共重合体を用いた樹脂においては、金属塩を
用いて架橋樹脂とすることもできる。金属塩としてはA
l、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、H
g、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Sr、Zn等のハ
ロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸化物、カルボン酸
塩、アルコキシレート、キレート化合物等がある。架橋
反応は溶媒の存在下に加熱攪拌することにより行うこと
ができる。
【0022】スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの
共重合体の製造方法としては通常の重合方法を採ること
が可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒
の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。重合触媒
としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチ
ルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が
挙げられ、その使用量はビニルモノマー成分の0.1〜
10.0重量%が好ましい。
【0023】本発明で用いられる結着樹脂(1)として
は、トナーとして適正なガラス転移点、溶融粘度特性を
有していれば良く、軟化点としては、90℃以上、中で
も、90℃〜180℃の範囲のものが好ましい、より好
ましくは、95℃〜160℃の範囲である。軟化点が9
0℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすく、保
存時や印字の際にトラブルになりやすく、180℃を越
える場合には定着性が悪くなることが多い。また、ガラ
ス転移温度(Tg)は40℃以上のものが好ましく、中
でも、Tgが45〜85℃のものが特に好ましい。ま
た、酸価については30以下が望ましく、10以下であ
ることが特に望ましい。酸価が高すぎると帯電量の低下
を招き所期の帯電量が得られない。
【0024】本発明における樹脂の軟化点は定荷重押出
し形細管式レオメータである島津製作所製フローテスタ
CFT−500を用いて測定されるT1/2温度で定義
する。フローテスターでの測定条件は、ピストン断面積
1cm2、シリンダ圧力0.98MPa、ダイ長さ1m
m、ダイ穴径1mm、測定開始温度50゜C、昇温速度
6゜C/min、試料重量1.5gの条件で行った。
【0025】本発明の製造方法において着色剤として使
用する白色樹脂粒子は、白色顔料を結着樹脂(2)中に
分散させた白色顔料分散体を製造し、次いで前記白色顔
料分散体を水性媒体中に乳化させ、更に水性媒体から分
離する工程を経て製造される。このようにして製造され
る白色樹脂粒子は、顔料が樹脂に吸着され、個々の粒子
内に白色顔料がカプセル化されており、白色樹脂粒子の
表面に白色顔料が露出していないという特徴を有する。
これは、白色顔料を結着樹脂(2)中に分散させてか
ら、水系において樹脂の親水性―疎水性のバランスを利
用しながら白色樹脂粒子を製造するためである。したが
って、このような特徴を有する白色樹脂粒子を着色剤と
して用い、粉砕法により製造する本発明のトナーにおい
ては、トナー粒子の表面に白色顔料が露出することを極
力減じることができる。特に、前記白色顔料分散体を水
性媒体中に乳化させ、白色樹脂粒子を形成した後に結着
樹脂(2)に架橋構造を導入した場合その効果は顕著と
なる。なお、本発明における結着樹脂(2)は、白色顔
料を分散し、白色樹脂粒子を形成するための結着樹脂で
あり、該白色樹脂粒子を分散する結着樹脂(1)と使用
方法において区別する。
【0026】前記白色樹脂粒子を形成するための結着樹
脂(2)としては、スチレン(メタ)アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、ウレタン尿素樹脂、またはポリエステル樹
脂の中から選ばれる少なくとも一種以上の樹脂を用いる
ことが好ましい。結着樹脂(2)の選択は、いずれの樹
脂であっても本発明の効果は同様に得られるが、フルカ
ラー等の発色性、透明性が要求される用途では、結着樹
脂(2)を用いた白色樹脂粒子を分散させる結着樹脂
(1)との相溶性が良好な樹脂を選択することが好まし
い。したがって、結着樹脂(2)と結着樹脂(1)は同
種の樹脂であることが特に好ましい。また、結着樹脂
(2)に架橋構造を導入する場合は、スチレン(メタ)
アクリル樹脂が好ましい。
【0027】白色樹脂粒子の粒径は、0.05μm〜5
μm、より好ましくは0.1μm〜3μmの範囲であ
る。粒径が0.05μmよりも小さいと、凝集性が高く
なり、結着樹脂(1)中への分散が不均一になる場合が
あり好ましくない。また、粒径が5μmよりも大きくな
ると、結着樹脂(1)中の該粒子の分散が不均一トナー
り、色相、透明性に影響を及ぼすため好ましくない。な
お、上記白色樹脂粒子の粒径は、ベックマン・コールタ
ー株式会社製のLS230型(レーザー回折・散乱法に
よる粒度分布測定装置)を用いて測定した値である。
【0028】また、結着樹脂(2)と白色顔料の比率
は、結着樹脂(2)/白色顔料=90/10〜10/9
0(重量比)であることが好ましく、80/20〜20
/80であることがより好ましい。
【0029】次に本発明の白色樹脂粒子の製造方法につ
いて説明する。本発明の白色樹脂粒子の製造方法は以下
の工程からなる。 第一工程:白色顔料を結着樹脂(2)中に分散させるこ
とにより白色顔料分散体を製造する工程、 第二工程:第一工程で得られた白色顔料分散体を水性媒
体中に乳化して、白色樹脂粒子を製造する工程、 第三工程:得られた白色樹脂粒子を水性媒体から分離し
乾燥する工程、の上記3工程からなる。
【0030】第一工程は、公知慣用の手段を用いて、顔
料が微分散した白色顔料分散体を製造する工程である。
白色顔料を樹脂中に微分散する方法としては、乾式によ
る溶融混練法と、湿式によるメディア分散法がある。溶
融混練法としては、特に限定される物ではないが、例え
ば、顔料と結着樹脂(2)を含む混合物を加圧ニーダ
ー、加熱2本ロール、2軸押し出し混練機などを用い
て、結着樹脂(2)の軟化点以上、熱分解温度以下の温
度に加熱し、溶融混練する方法である。
【0031】メディア分散法としては、例えば、結着樹
脂(2)と顔料を有機溶剤と混合し、これをボールミル
等を用いて混練、分散する方法である。より具体的に
は、有機溶媒に結着樹脂(2)を溶解し、それに顔料を
加え、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、連続式ビ
ーズミル等の一般的なメディアを用いた混合機・分散機
を使用して顔料を分散させることによりマスターバッチ
とし、更に希釈用の結着樹脂(2)、追加の有機溶剤を
混合し、デスパー等の攪拌機で、有機溶媒中に顔料が微
分散した樹脂溶液(白色顔料分散体)を製造する方法が
ある。
【0032】上記の湿式法において、結着樹脂(2)と
顔料とを溶解あるいは分散させるための有機溶剤として
は、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、シクロヘキサン、石油エーテルの
ごとき炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、ト
リクロロエチレン、四塩化炭素のごときハロゲン化炭化
水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンのごときケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル
のごときエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテルのごときエーテル類などが用いられる。これらの
溶剤は、2種以上を混合して用いることもできるが、溶
剤回収の点から、同一種類の溶剤を単独で使用すること
が好ましい。また、有機溶剤は、結着樹脂(2)を溶解
するものであり、毒性が比較的低く、かつ後工程で脱溶
剤し易い低沸点のものが好ましく、そのような溶剤とし
ては、メチルエチルケトンが最も好ましい。
【0033】第二工程は、第一工程で得られた白色顔料
分散体を水性媒体中に乳化して、白色樹脂粒子を製造す
る工程である。白色顔料分散体を水性媒体中に乳化する
方法としては、乳化剤、あるいは分散安定剤を用いる
方法樹脂の自己乳化を用いる方法の二通りがある。
の方法は、乳化剤、あるいは分散安定剤の存在下に、白
色顔料分散体を高剪断力下で水中に乳化する方法であ
る。の方法は、結着樹脂(2)として酸性基含有樹脂
を用い、塩基性中和剤の存在下に、水性媒体中に乳化す
る方法である。結着樹脂(2)は、酸性基を中和するこ
とにより、乳化剤や分散安定剤を使用しなくとも水性媒
体中に乳化し、水性媒体中で安定的に存在できるものが
好ましい。このような特性を持つ樹脂を使用することに
より、トナーの帯電特性等に悪影響を及ぼさず、また、
樹脂自体の親水性が向上するため、粗大粒子の発生が少
なく、均一な粒度分布を有する白色樹脂粒子を容易に製
造できるため、好ましい。さらに、の製法によれば、
顔料を高濃度で白色樹脂粒子中に含有させることも可能
であるし、また、顔料が白色樹脂粒子の表面に露出しな
いように十分にカプセル化することも可能である。ま
た、白色樹脂粒子の粒径の調整が、酸性基の中和率を適
宜設定することにより簡便に行えるというメリットもあ
る。
【0034】更に、の製法においては有機溶剤を用い
る方法があり、本発明で用いる着色樹脂粒子の製造方法
として好ましい。具体的には、前記のメディア分散法に
より、有機溶媒中に結着樹脂(2)と顔料を溶解、また
は分散することにより白色顔料分散体を製造し、次い
で、塩基性中和剤の存在下に水性媒体と混合することに
より前記白色顔料分散体を乳化させ、更に減圧下に有機
溶剤を除去することにより白色樹脂粒子の懸濁液を製造
する方法である。
【0035】この方法で用いる結着樹脂(2)はカルボ
キシル基等の酸性基を有する樹脂である。酸性基を含有
する結着樹脂(2)は、酸性基を中和することにより自
己水分散性の樹脂トナーとなる。自己水分散性を有する
樹脂は、酸性基がアニオントナーとなることにより親水
性を増し、水性媒体(水または水を主成分とする液媒
体)中に分散する。酸性基を中和するために用いる塩基
としては、特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、アンモニアのごとき無機塩基や、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンの
ごとき有機塩基が用いられる。
【0036】前記の結着樹脂(2)と着色剤と有機溶剤
からなる白色顔料分散体を、塩基の存在下に、水性媒体
と混合して乳化する際には転相促進剤を添加するのが好
ましい。転相促進剤とは、転相促進機能を有するものを
指している。すなわち、白色顔料分散体に水性媒体(水
または水を主成分とする液媒体)を添加する工程におい
ては、有機溶剤を含む白色顔料分散体の有機連続相に水
を徐々に添加することで、Water in Oilの
不連続相が生成し、さらに水を追加して添加すること
で、Oil in Waterの不連続相に転相して、
水性媒体中に白色顔料分散体が粒子(液滴)として浮遊
する懸濁液が形成される。この時、Water in
Oilの不連続相からOil in Waterの不連
続相への転相をよりスムーズに促進させるための機能を
有するものを指して転相促進剤と称している。
【0037】転相促進剤は、次のものが使用できる。 アルコール溶剤 金属塩化合物
【0038】アルコール溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソ
ブタノール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec
−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルなどが使用できる。勿
論、その他のものであっても使用できる。中でも好まし
いものは、水に溶解し沸点が低い、イソプロパノール、
n−プロパノールが好ましい。アルコール溶剤の使用量
は、樹脂固形分100重量部当たり、概ね、10〜50
重量部程度であるが、勿論、この量に限定されるもので
はない。
【0039】金属塩化合物としては、公知のものが使用
できるが、2価以上の金属塩で水に溶解するものが好ま
しい。例えば、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化第
一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、などが挙
げられる。金属塩化合物の使用量は、樹脂固形分100
重量部当たり、概ね、0.01〜3重量部程度である
が、勿論、この量に限定されるものではない。
【0040】本発明においては、白色顔料分散体を乳化
した後に、結着樹脂(2)に架橋構造を導入することが
好ましい。そうすることにより白色樹脂粒子と結着樹脂
(1)を溶融混練する際に、結着樹脂(2)が溶融する
ことが無く、白色樹脂粒子内の白色顔料が結着樹脂
(1)内に移行することが無くなる。また、架橋された
結着樹脂(2)は機械的強度が高いので、溶融混練後に
粉砕する際に割れることがほとんど無くなる。したがっ
て、トナー粒子の表面に結着樹脂(2)中にカプセル化
された白色顔料が露出することを極力減じることができ
る。また、本第二工程において製造される白色樹脂粒子
は球形の樹脂粒子となるが、結着樹脂(2)に架橋構造
を導入することにより、溶融混練時においても球形の形
状が保持される。球形の粒子は結着樹脂(1)中に均一
に分散する上で有利であり、架橋を行わない粒子に比較
して、少ない使用量で高濃度且つ隠蔽力のある白色トナ
ーを製造することができる。結着樹脂(2)を架橋して
製造した白色樹脂粒子を結着樹脂(1)中に溶融混練し
て、粉砕した白色トナーは球形の白色樹脂粒子が結着樹
脂(1)中に均一に分散したトナーとなる。本発明で使
用する白色樹脂粒子の結着樹脂(2)を架橋する方法
は、例えば、以下の方法がある。
【0041】粒子内に架橋構造を導入する製造例として
は特開平9−292737号公報に、スチレン・アクリ
ル系樹脂及びポリエステル樹脂を用いた製造方法の詳細
が記載されている。同公報に記載されている方法は、本
発明においても白色樹脂粒子の結着樹脂(2)を架橋す
る方法として用いることができる。同公報に記載されて
いる架橋方法を以下に記載する。
【0042】結着樹脂(2)を架橋させる方法として
は、樹脂中の官能基と架橋剤との反応により行うことが
好ましい。例えば、樹脂の官能基がカルボキシル基であ
る場合には、カルボキシル基と反応して樹脂を架橋させ
る架橋剤として、アミノプラスト樹脂、1分子中にグリ
シジル基を平均2個以上有する化合物、1分子中に1,
3−ジオキソラン−2−オン−4−イル基を平均2個以
上有する化合物、1分子中にカルボジイミド基を平均2
個以上有する化合物(例えば、カルボジライト;日清紡
(製)のカルボジイミド基含有架橋剤)、1分子中にオ
キサゾリン基を平均2個以上有する化合物、金属キレー
ト化合物等を用いる。また、樹脂の官能基が水酸基であ
る場合には、これと反応する架橋剤としては、例えば、
アミノプラスト樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロ
ック化ポリイソシアネート樹脂等を用いる。
【0043】結着樹脂(2)を架橋する場合の好ましい
例は、官能基としてカルボキシル基を含有する樹脂と一
分子中に平均2個以上のグリシジル基を有する化合物の
組み合わせである。一分子中に平均2個以上のグリシジ
ル基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボ
ラック型などの如きフェノール類のグリシジルエーテル
類;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グ
リセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パンジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジ
ルエーテルの如き各種グリコールやポリオールのグリシ
ジルエーテル類;アジピン酸ジグリシジルエステル、フ
タル酸ジグリシジルエステル等の如きグリシジルエステ
ル類;グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジ
ル基を有する重合性モノマーを共重合したビニル系共重
合体;エポキシ化ポリブタジエン;ジグリシジルアニリ
ン、トリグリシジルパラアミノフェノール、テトラグリ
シジルアミノジフェニルメタンの如きグリシジルアミン
化合物、等が挙げられる。
【0044】結着樹脂(2)と架橋剤との反応は水性媒
体中で行なうことが好ましく、したがって、架橋反応は
水の沸点以下で行われる。特に、カプセル化粒子同士の
融着を避けるために、結着樹脂(2)のガラス転移温度
近傍で反応を行なうことが好ましい。このような比較的
低温の条件下でカルボキシル基と反応することができる
架橋剤としては、下記式1および式2で表されるグリシ
ジル基を有するグリシジルアミン化合物が好ましい。
【0045】
【化1】 (式1)
【0046】
【化2】 (式2) (上記式1、式2中、R1及びR2は、水素原子、炭素原
子数1〜4のアルキル基、置換基を有していても良い芳
香環基又は脂環基を表わし、R3は炭素原子数1〜4の
アルキル基を表わす。)
【0047】上記の構造を有する架橋剤としては、例え
ば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシ
レンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルア
ミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルベ
ンジルアミン、N,N−ジグリシジル−α−フェニルエ
チルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルイ
ソフォロンジアミン、等が挙げられる。
【0048】結着樹脂(2)と架橋剤とを反応させる場
合の反応割合は特に制限されるものではないが、官能基
がカルボキシル基である場合を例にとれば、カルボキシ
ル基1.0当量に対して、グリシジル基が0.001〜
1.0当量の範囲となる量のグリシジル基を有する化合
物を用いることが好ましく、カルボキシル基1.0当量
に対するグリシジル基の量が0.001当量よりも少な
い場合、高分子量化又は架橋が不十分になり好ましくな
い。
【0049】架橋剤としてグリシジルアミン化合物及び
その他のグリシジル基含有化合物を使用する場合、2−
メチルイミダゾールなどの公知の触媒を使用したり、グ
リシジル基の一部にジブチルアミンなどの第二級モノア
ミン等を付加して、グリシジル基含有化合物に自己触媒
能を付与する方法なども採用できる。
【0050】結着樹脂(2)の酸価は10〜150が好
ましく、酸価30〜100がより好ましく、酸価40〜
80がさらに好ましい。酸価が10より低いと水性媒体
への分散性が低下して白色樹脂粒子を製造する上で支障
が生じる。更に、結着樹脂(2)中のカルボキシル基を
利用して架橋反応を行う場合、樹脂の高分子量化が進ま
ず、あるいは架橋密度が低下するので好ましくない。ま
た、酸価が150よりも高いと白色樹脂粒子の吸湿性が
高くなり好ましくない。
【0051】また、結着樹脂(2)は、DSC(示差走
査熱量計)で測定したガラス転移温度が50℃以上であ
ることが好ましく、60℃以上110℃以下の範囲がさ
らに好ましい。結着樹脂(2)の架橋反応前におけるT
HF可溶分の重量平均分子量(ポリスチレン換算ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定した値)は
5,000〜300,000の範囲が好ましく、20,
000〜150,000の範囲がより好ましい。重量平
均分子量が5,000よりも小さいと、水性媒体への分
散後に水性媒体に溶ける樹脂が多くなり、白色樹脂粒子
の収率が減少する傾向があり、また、架橋反応が十分に
進行せず、樹脂強度が不足する傾向にあるため好ましく
ない。また、重量平均分子量が300,000よりも大
きいと、水性媒体中へ分散し難くなる傾向にあるので好
ましくない。
【0052】また、特開平5−148434号公報には
ウレタン・尿素樹脂からなる架橋微粒子の製造方法が記
載されている。同公報によれば、イソシアネート末端ウ
レタンプレポリマーを結着樹脂(2)として用い、アミ
ンを架橋剤として該樹脂を架橋する方法が記載されてい
る。本発明においても同公報記載の方法により白色樹脂
粒子を製造することができる。
【0053】第三工程は、得られた白色樹脂粒子を水性
媒体から分離し、乾燥する工程である。白色樹脂粒子を
水性媒体から分離し、乾燥する方法については特に限定
される物ではなく、従来から公知の方法を用いることが
できる。第二工程で得られた白色樹脂粒子の分散液は、
第三工程において、例えば、湿式振動ふるいを通すこと
で樹脂片等のゴミ、粗大粒子を除去し、遠心分離器、あ
るいはフィルタープレス、ベルトフィルター等の公知慣
用の手段で固液分離ができる。得られた白色樹脂粒子の
体積平均粒径が小さい場合は無孔タイプの遠心分離機を
用いたスキミング方式で固液分離するのが好ましい。
【0054】また、乾燥方法としては、公知慣用の方法
がいずれも採用可能である。例えば、白色樹脂粒子が熱
融着や凝集しない温度で、常圧下または減圧下で乾燥さ
せる方法、凍結乾燥させる方法、等が挙げられる。ま
た、スプレードライヤー等を用いて、水性媒体からの着
色剤含有白色樹脂粒子の分離と乾燥とを同時に行う方法
も挙げられる。特に、微粒子が熱融着や凝集しない温度
で加熱しながら、減圧下で、粉体を攪拌して乾燥させる
方法や、加熱乾燥空気流を用いて瞬時に乾燥させるとい
うフラッシュジェットドライヤー(セイシン企業株式会
社)などを使用する方法が、効率的であり好ましい。乾
燥後の白色樹脂粒子の粉末はヘンシェルミキサー等の混
合攪拌機で凝集物を解砕することが好ましい。
【0055】また、乾燥後の含水率としては、5〜40
重量%の範囲内が好ましい。含水率を5重量%以下にす
ると白色樹脂粒子の凝集が強くなり、解砕が難しくなる
ため好ましくない。また、含水率が40重量%を越える
と水が混入することにより、その後の結着樹脂(1)と
の溶融混練が不均一になるため好ましくない。
【0056】上記の方法により製造される白色樹脂粒子
は前記の結着樹脂(1)と共に溶融混練して、その後、
粉砕、分級してトナーとする。具体的には、例えば、前
記の結着樹脂(1)と白色樹脂粒子及び必要に応じて各
種添加剤と共にヘンシェルミキサー等で前混合を行った
後、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸
押し出し機等の混練手段により溶融混練する。この際、
結着樹脂(1)中に、白色樹脂粒子が均一に分散すれば
よく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではな
いが、通常80〜180℃で30秒〜2時間である。白
色樹脂粒子中に顔料はすでに微分散しているため、溶融
混練の条件は未処理の顔料粉末を用いる場合に比べ容易
である。次いで、それを冷却後、ジェットミル等の粉砕
機で微粉砕し、風力分級機等により分級する。トナーの
平均粒径は、特に制限されないが、通常5〜15μmと
なる様に調整する。
【0057】本発明に使用する白色顔料としては、二酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモ
ン等が挙げられる。中でも白色のルチル型二酸化チタン
が特に好ましい。これらの白色顔料は一般に0.01〜
2μm、特に0.1〜0.5μmの粒径を有することが
望ましい。白色顔料の含有量は、トナー全体に対して、
10〜70重量%であることが好ましい。中でも2〜6
0重量%であることが更に好ましく、30〜60重量%
であることが特に好ましい。白色トナーとして十分な隠
蔽性(白色度)を有するためには10重量%以上とする
ことが好ましい。また、70重量%以内であると、より
良好な定着性が得られる。
【0058】なお、本発明では、本発明の趣旨を損なわ
ない範囲において、前記の白色顔料と共に従来公知の顔
料を併用して用いることもできる。そのような顔料とし
ては、例えば、黒色顔料としては製法により分類される
ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレン
ブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカー
ボンブラック、或いは、C.I.Pigment Bl
ack 11の鉄酸化物系顔料、C.I.Pigmen
t Black 12の鉄−チタン酸化物系顔料、フタ
ロシアニン系のシアニンブラックBX等があげられる。
【0059】青系の顔料としては、フタロシアニン系の
C.I.Pigment Blue1,2,15:1,
15:2,15:3,15:4,15:6,15,1
6,17:1,27,28,29,56,60,63等
が挙げられる。青系の着色剤として、好ましくは、C.
I.Pigment Blue 15:3(一般名フタ
ロシアニンブルーG),15(フタロシアニンブルー
R),16(無金属フタロシアニンブルー),60(イ
ンダンスロンブルー)が挙げられ、最も好ましくは、
C.I.Pigment Blue 15:3,60が
挙げられる。
【0060】また、黄色系の顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Yellow 1,3,4,
5,6,12,13,14,15,16,17,18,
24,55,65,73,74,81,83,87,9
3,94,95,97,98,100,101,10
4,108,109,110,113,116,11
7,120,123,128,129,133,13
8,139,147,151,153,154,15
5,156,168,169,170,171,17
2,173,180,185等が挙げられる。好ましく
は、C.I.PigmentYellow 12(一般
名ジスアゾイエロー AAA),13(ジスアゾイエロ
ー AAMX),17(ジスアゾイエロー AAO
A),97(ファストイエロー FGL),110(イ
ソインドリノンイエロー 3RLT),および155
(サンドリンイエロー 4G),180(ベンズイミダ
ゾロン)が挙げられ、最も好ましくはC.I.Pigm
ent Yellow 17,155,180が挙げら
れる。
【0061】さらに、赤色系顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,
5,6,7,8,9,10,12,14,15,17,
18,22,23,31,37,38,41,42,4
8:1,48:2,48:3,48:4,49:1,4
9:2,50:1,52:1,52:2,53:1,5
4,57:1,58:4,60:1,63:1,63:
2,64:1,65,66,67,68,81,83,
88,90,90:1,112,114,115,12
2,123,133,144,146,147,14
9,150,151,166,168,170,17
1,172,174,175,176,177,17
8,179,185,187,188,189,19
0,193,194,202,208,209,21
4,216,220,221,224,242,24
3,243:1,245,246,247等が挙げられ
る。好ましくは、C.I.Pigment Red 4
8:1(一般名バリウムレッド),48:2(カルシウ
ムレッド),48:3(ストロンチウムレッド),4
8:4(マンガンレッド),53:1(レーキレッ
ド),57:1(ブリリアントカーミン6B),122
(キナクリドンマゼンタ 122)および209(ジク
ロロキナクリドンレッド)が挙げられ、最も好ましくは
C.I.Pigment Red 57:1,122お
よび209が挙げられる。
【0062】本発明では必要に応じ帯電制御剤を用いる
ことができる。例えば正帯電制御剤としてニグロシン系
染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム
塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する
樹脂等が、負帯電制御剤としてトリメチルエタン系染
料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅
フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔
料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等
の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノー
ル系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及
び/又はスルホニル基を含有する樹脂、等がある。
【0063】特に、本発明においては、無色の帯電制御
剤を使用するのが望ましく、負の帯電制御剤としてはサ
リチル酸の金属錯化合物としてオリエント化学社製「ボ
ントロンE−84」が、また、無色の正帯電制御剤とし
ては4級アンモニウム塩構造のTP−302、TP−4
15、TP−610;(保土谷化学製)、ボントロンP
−51;(オリエント化学製)、コピーチャージPSY
(クラリアントジャパン)等が好適に用いられる。ま
た、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する
正帯電性の樹脂型帯電制御剤としては、「FCA−20
1−PS」(藤倉化成(株))等が挙げられる。
【0064】中でも、本発明において特に好適に用いる
ことができる帯電制御剤としては、下記式3の化合物、
及び式4の化合物がある。
【0065】
【化3】 (式3) (式中、Rは4級炭素、メチン、メチレンであり、
N、S、O、Pのヘテロ原子を含んでいてもよく、Yは
飽和結合又は不飽和結合で結ばれた環状構造を表し、R
、Rは相互に独立してアルキル基、アルケニル基、
アルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基又はア
リールオキシ基又はアラルキル基又はアラルキルオキシ
基、ハロゲン基、水素、水酸基、置換基を有しても良い
アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、
ニトロソ基、スルホニル基、シアノ基を表し、Rは水
素又はアルキル基を表し、tは0ないし1から12の整
数、mは1から20の整数、nは0ないし1から20の
整数、kは0ないし1から4の整数、pは0ないし1か
ら4の整数、qは0ないし1から3の整数、rは1から
20の整数、sは0又は1ないし20の整数である。)
【0066】
【化4】 (式4) (式中、RおよびRは水素原子、アルキル基、置換
又は非置換の芳香環(縮合環も含む)を示し、Rおよ
びRは置換又は非置換の芳香環(縮合環も含む)を示
し、MはB、Al、Fe、Ti、Co、Crから選ばれ
る1種の3価の金属を示し、Xはカチオンを示す)
【0067】式3の化合物の具体的な例としては、以下
の<帯電制御剤1>〜<帯電制御剤3>がある。
【0068】
【化5】 <帯電制御剤1>
【0069】
【化6】 <帯電制御剤2>
【0070】
【化7】 <帯電制御剤3>
【0071】また、式4の化合物の具体的な例として
は、以下の<帯電制御剤4>、<帯電制御剤5>があ
る。
【0072】
【化8】 <帯電制御剤4>
【0073】
【化9】 <帯電制御剤5>
【0074】上記の帯電制御剤は単独で用いても組み合
わせて用いても良く、トナー100重量部中で、0.3
〜15重量部、好ましくは0.5〜5重量部含有させる
ことにより良好な帯電性能が得られる。
【0075】更に本発明では、ヒートロール定着用途で
は、トナーのヒートロール付着汚れ(オフセット)によ
るトラブル防止を目的として、離型効果を高める助剤と
して、種々のワックス類が必要に応じて使用される。例
えばモンタン酸エステルワックスの如き天然ワックス、
高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフ
ィン系ワックスが使用出来る。
【0076】以上の中でも特に本発明では、カルナウバ
ワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワック
ス及び/又はカイガラムシワックスを用いることが特に
好ましい。これらのワックスは本発明による構造のポリ
エステル樹脂に最も良好な分散性を示し、定着性、耐オ
フセット性の改善が顕著である。
【0077】カルナウバワックスとしては精製により遊
離脂肪酸を除去した脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス
を用いることが好ましい。脱遊離脂肪酸型カルナウバワ
ックスの酸価としては8以下が好ましく、より好ましく
は酸価5以下である。脱遊離脂肪酸型カルナウバワック
スは従来のカルナウバワックスより微結晶トナーとなり
ポリエステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系
エステルワックスは鉱物より精製されたものであり、精
製によりカルナウバワックスと同様に微結晶となりポリ
エステル樹脂中での分散性が向上する。モンタン系エス
テルワックスでは酸価として特に30以下であることが
好ましい。
【0078】また、ライスワックスは米ぬかロウを精製
したものであり、酸価は13以下であることが好まし
い。カイガラムシワックスはカイガラムシ(別名イボタ
ロウムシ)の幼虫が分泌する蝋状成分を、例えば、熱湯
に溶かし、上層を分離後冷却固化して、あるいはそれを
繰り返すことにより得ることができる。このような手段
により精製されたカイガラムシワックスは固体状態にお
いて白色であり、極めてシャープな融点を示し本発明に
おけるトナー用ワックスとして適している。精製により
酸価は10以下となり、トナー用として好ましいのは5
以下である。
【0079】上記ワックスは単独で用いても組み合わせ
て用いても良く、トナー100重量部中で0.3〜15
重量部、好ましくは1〜5重量部含有させることにより
良好な定着オフセット性能が得られる。0.3重量部よ
り少ないと耐オフセット性が損なわれ、15重量部より
多いとトナーの流動性が悪くなり、また、キャリア表面
に付着することによりスペントキャリアが発生し、トナ
ーの帯電特性に悪影響を与えることになる。
【0080】また、上記の天然ワックス以外では合成エ
ステルワックスも好適に使用できる。合成エステルワッ
クスの中にはペンタエリスリトールのテトラベヘニン酸
エステル等がある。なお、ポリプロピレンワックス、ポ
リエチレンワックス等の合成ワックスも併用して用いる
ことができる。
【0081】本発明の製造方法により製造されるトナー
には、例えば、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
外添剤を添加してもよい。外添剤としては、例えばトナ
ーの流動性向上、帯電特性改良などトナーの表面改質の
ために用いられるもので、例えばシリカ、酸化チタン、
酸化アルミ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジ
ルコニウム等の無機微粉体及びそれらをシリコーンオイ
ル、シランカップリング剤などの疎水化処理剤で表面処
理したものが好適に使用できる。また、必要に応じてポ
リスチレン、アクリル、スチレンアクリル、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベン
ゾグアナミン、メラミン、ナイロン、シリコーン、フェ
ノール、フッ化ビニリデン等の樹脂微粉体等を用いるこ
とができる。
【0082】外添剤用のシリカとしては、具体的には、
次のような商品名で市販されているものがある。 AEROSIL;R972,R974,R202,R8
05,R812,RX200,NAX50,RX20
0,RY50,RY200、 R809,RX50,R
A200HS,RA200H〔日本アエロジル(株)〕 WACKER;HDK H2000、H2050、H3
050、HVK2150〔ワッカーケミカルズ
(株)〕、 HDK H13TM,HDK H13TD,HDK H
13TX〔クラリアントジャパン〕 Nipsil;SS−10、SS−15,SS−20,
SS−50,SS−60,SS−100、SS−50
B,SS−50F,SS−10F、SS−40、SS−
70,SS−72F、〔日本シリカ工業(株)〕、 CABOSIL;TS−500、TS−530、TS−
610、TS−720、TG−308F、TG−709
F、TG−810G、TG−811F、TG820F
〔キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・イン
ク〕、などである。
【0083】また、酸化チタンとしては親水性グレード
であってもよく、オクチルシラン等で表面処理した疎水
性グレードのものであってもよい。例えば、下記のよう
な商品名で市販されているものがある。酸化チタン T
805〔デグサ(株)〕、酸化チタン P25〔日本ア
エロジル(株)〕などである。また、アルミナとして
は、酸化アルミニウムC〔デグサ(株)〕等が挙げられ
る。
【0084】これらの外添剤の粒子径はトナー粒子の直
径の1/3以下であることが好ましく、特に好適には1
/10以下である。また、本発明においては外添剤とし
て異なる平均粒子径の外添剤を2種以上併用してもよ
い。
【0085】特に非磁性一成分現像用トナーとして用い
る場合には、粒子径大のものと粒子径小のものとを併用
することにより、トナー流動性、及び現像耐久性を向上
させ、現像機のブレード固着及びかぶりの防止、ランニ
ング時における帯電の長期安定性等が得られ、好まし
い。外添剤の使用割合は、トナー100重量部に対し
て、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%
の範囲内である。
【0086】本発明の製造方法によるトナーはキャリア
と組み合わされて、二成分現像剤として用いることがで
きる。キャリアのコア剤は通常の二成分現像方式に用い
られる鉄粉、マグネタイト、フェライト等が使用できる
が、中でも真比重が低く、高抵抗であり、環境安定性に
優れ、球形にし易いため流動性が良好なフェライト、ま
たはマグネタイトが好適に用いられる。コア剤の形状は
球形、不定形等、特に差し支えなく使用できる。平均粒
径は一般的には10〜500μmであるが、高解像度画
像を印刷するためには30〜120μm、さらに好まし
くは60〜100μmの範囲である。
【0087】また、これらのコア剤を被覆するコーティ
ング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリ
ビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノ
シロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂ある
いはその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェ
ノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が
使用できる。これらの中でも、特にシリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強
度等に優れ、より好適に使用し得る。つまり本発明で用
いられる樹脂被覆キャリアは、コア剤としてフェライ
ト、あるいはマグネタイトを用い、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上
の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであることが
好ましい。被覆樹脂としては特にシリコーン樹脂が好ま
しい。
【0088】上記の樹脂中に分散させる抵抗制御剤とし
ては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファ
ーネスブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラ
ック、SiC、TiC、等の金属炭化物、BN、Nb
N、TiN等の金属窒化物、MoB、CrB、TiB
等の金属ホウ化物、ZnO、PiO、SnO等の金
属酸化物、Al、Ni等の金属微粉末を用いることがで
きる。上記抵抗制御剤の数平均径は0.01〜5μm、
好ましくは0.05〜3μm程度が適当である。これ
は、透過型電子顕微鏡により測定される。
【0089】トナーと樹脂被覆磁性キャリアとの重量割
合は特に制限されるものではないが、通常キャリア10
0重量部当たり、トナー0.5〜15重量部である。
【0090】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0091】 (結着樹脂(1)の合成例1;R−1) テレフタル酸 166重量部 イソフタル酸 415重量部 トリメリット酸 96重量部 ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1300重量部 エチレングリコール 75重量部
【0092】を攪拌器、コンデンサー、温度計をセット
した四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流下、全酸成分
に対して0.07重量%のジブチル錫オキサイドを添加
し、脱水縮合により生成した水を除去しながら、230
℃にて15時間反応させた。得られたポリエステル樹脂
の軟化点T1/2は155℃、DSC法によるTgは6
2℃、酸価は10であった。以下、R−1と表示する。
【0093】 (結着樹脂(1)の合成例2;R−2) テレフタル酸 415重量部 イソフタル酸 415重量部 ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 1690重量部 を、四つ口フラスコに入れ、攪拌器、コンデンサー、温
度計をセットして、窒素ガスを吹き込み、触媒であるジ
ブチル錫オキサイドを全酸成分に対して0.7重量部添
加し、220℃にて脱水縮合により生成した水を除去し
ながら10時間反応させた。その後順次減圧し5mmH
gで反応を続行した。反応はASTME28−517に
準じる軟化点により追跡し、軟化点が103゜Cに達し
た時反応を終了した。得られた線状のポリエステル樹脂
の酸価は12であり、水酸基価は27であった。また、
軟化点T1/2は105℃であり、Tgは62℃であっ
た。また、分子量は、Mw:9500、Mn:3600
であった。TgはDSCにより測定した。以下、R−2
と表示する。
【0094】 (結着樹脂(1)の合成例3;R−3) スチレン 320重量部 ブチルアクリレート 60重量部 メタアクリル酸 20重量部 アゾビスイソブチロニトリル 4重量部 キシレン 600重量部
【0095】を丸底フラスコに投入し、窒素ガス雰囲気
中で80℃、約10時間反応させた後、130℃迄加温
し重合を終了した。その後、アルミニウムイソプロポキ
シド12重量部を添加し、約1時間反応させた後、18
0℃迄加温すると共に真空ポンプにて0.5mmHg迄
減圧して溶剤を除去した。
【0096】得られたキレート架橋型スチレンアクリル
樹脂の環球式軟化点測定法による軟化点T1/2は14
5℃、DSC法によるTgは61℃、酸価は5であっ
た。以下、R−3と表示する。
【0097】(結着樹脂(2)の合成例;R−4)メチ
ルエチルケトン114部、イソプロピルアルコール12
部及び水24部を反応容器に入れ、80℃に加熱した
後、以下に示した割合の混合物を、窒素気流下で一括し
て仕込み、反応を開始した。 アクリル酸 54.0重量部 スチレン 364.8重量部 アクリル酸ブチル 181.2重量部 パーブチルO 0.6重量部 反応開始3時間経過後から、1時間おきに、反応樹脂溶
液の約10部をサンプリングして、同量のメチルエチル
ケトンで希釈し、ガードナー粘度計で粘度を測定した。
粘度がM−Nとなる時点で、メチルエチルケトン567
部、及びイソプロピルアルコール63部からなる混合溶
媒を添加した。この時のモノマー残存率をガスクロマト
グラフィーを用いて定量し、重合率を計算した結果、5
1%であった。反応溶液の温度を80℃に加熱した後、
以下に示した割合の混合物を1時間にわたって滴下し
た。 アクリル酸 54.0重量部 スチレン 456.6重量部 アクリル酸ブチル 89.4重量部 パーブチルO 18.0重量部 滴下終了後、3時間ごとに3回「パーブチルO」2部を
添加し、さらに4時間反応を継続させた。反応終了後、
この樹脂溶液を加熱脱気して固形樹脂(R−4)とし
た。R−4は、2山の分子量分布を持ち、その重量平均
分子量は110000であった。また、この2山をその
境目で区切ると、重量平均分子量が33000と350
000の2つの部分に分割でき、その比が77/22で
あった。R−4の酸価は70,ガラス転移温度は63℃
であった。
【0098】(白色顔料分散体P1の調整例)前記樹脂
(R−4)50部とTITANIX JR−800(テ
イカ製、ルチル型白色二酸化チタン)50部とメチルエ
チルケトン185部をデスパーでプレ分散した後、アイ
ガーモーターミルM−1000(米国アイガー社製モー
ターミル)で分散を行い、白色顔料分散体のマスター溶
液を得た。その後メチルエチルケトンを用いて白色顔料
分散体のマスター溶液の固形分含有量を35重量%に調
整した。固形分中の顔料の割合は50重量%であった。
白色顔料はマスター溶液中で微細に分散していた。更
に、得られた白色顔料分散体のマスター溶液114.3
部に(R−4)60部をデスパーで攪拌して溶解し、白
色顔料分散体P1を得た。得られた白色顔料分散体P1
は、メチルエチルケトンにより固形分含有量を55重量
%に調整した。固形分中の顔料の割合は20重量%であ
った。
【0099】(白色樹脂粒子の合成例1;PR−1)白
色顔料分散体(P1)545.5部とメチルエチルケト
ン66.7部、イソプロピルアルコール43部、及び1
6.4%の水酸化ナトリウム水溶液40部とを添加し
て、良く混合し、攪拌を続けながら水680部を加え
た。その後、減圧下に、溶剤、及び水の一部を留去して
白色樹脂粒子の水スラリーを得た。得られたスラリー
は、遠心分離機によるスキミング方式により固液分離を
行い、ウエットケーキを凍結乾燥して、白色樹脂粒子の
粉体(PR−1)を得た。白色樹脂粒子中の顔料含有量
は20.1%であった。
【0100】(白色樹脂粒子の合成例2;PR−2)白
色顔料分散体(P1)545.5部とメチルエチルケト
ン66.7部、イソプロピルアルコール43部、テトラ
ッドX(三菱瓦斯化学工業社製のN,N、N’,N’−
テトラグリシジル−m−キシレンジアミン)7.2部及
び16.4%の水酸化ナトリウム水溶液40部とを添加
して、良く混合し、攪拌を続けながら水680部を加え
た。その後、減圧下に、溶剤、及び水の一部を留去して
白色樹脂粒子の水スラリーを得た。その後、スラリーの
温度を70℃まで昇温して4時間攪拌を行い、結着樹脂
(2)(R−4)の架橋反応を行った。得られたスラリ
ーは、遠心分離機によるスキミング方式により固液分離
を行い、ウエットケーキを凍結乾燥して、白色樹脂粒子
の粉体(PR−2)を得た。白色樹脂粒子中の顔料含有
量は19.8%であった。
【0101】(白色顔料分散体P2の調整例)前記樹脂
(R−4)60部とTITANIX JR−800(テ
イカ製)40部とメチルエチルケトン80部をデスパー
でプレ分散した後、アイガーモーターミルM−1000
(米国アイガー社製モーターミル)で分散を行い、白色
顔料分散体のマスター溶液を得た。その後メチルエチル
ケトンを用いて55重量%に調整し、白色顔料分散体P
2を得た。固形分中の顔料の割合は40重量%であっ
た。尚、白色顔料はマスター溶液中で微細に分散してい
た。
【0102】(白色樹脂粒子の合成例3;PR−3)白
色樹脂粒子の合成例2同様にして、白色樹脂粒子の粉体
(PR−3)を得た。白色樹脂粒子中の顔料含有量は3
9.7%であった。
【0103】(白色顔料分散体P3の調整例)前記樹脂
(R−4)20部とTITANIX JR−800(テ
イカ製)80部とメチルエチルケトン80部をデスパー
でプレ分散した後、アイガーモーターミルM−1000
(米国アイガー社製モーターミル)で分散を行い、白色
顔料分散体のマスター溶液を得た。その後メチルエチル
ケトンを用いて55重量%に調整し、白色顔料分散体P
3を得た。固形分中の顔料の割合は80重量%であり、
白色顔料はマスター溶液中で微細に分散していた。
【0104】(白色樹脂粒子の合成例4;PR−4)白
色樹脂粒子の合成例2同様にして、白色樹脂粒子の粉体
(PR−4)を得た。白色樹脂粒子中の顔料含有量は7
9.8%であった。
【0105】(白色樹脂粒子の合成例5;PR−5)窒
素置換した四つ口フラスコに、「ユニセフPT−200
0」(日本油脂社製)250部、及びイソホロンジイソ
シアネート55.5部を仕込んで、120℃で30分間
の反応を行い、次いでオクテンサン錫0.05部を添加
して同温度でさらに60分間の反応を行ったのち、80
℃に温度を下げ、メチルエチルケトン182.5部及び
ジメチロールプロピオン酸33.5部を添加し、75℃
で6時間の反応を行ったところ、この樹脂溶液(R−
5)の固形分含有量は65重量%、酸価は41.0、イ
ソシアネート基含有量は3.0%であった。
【0106】この樹脂溶液(R−5)76.9部とTI
TANIX JR−800(テイカ製)50部とメチル
エチルケトン53.4部をデスパーでプレ混合した後、
アイガーモーターミルM−1000(米国アイガー社製
モーターミル)で分散を行い、白色顔料分散体のマスタ
ー溶液を得た。その後メチルエチルケトンを用いて、白
色顔料分散体のマスター溶液の固形分含有量を48重量
%に調整し、白色顔料分散体P4を得た。固形分中の顔
料の割合は50重量%であり、白色顔料はマスター溶液
中で微細に分散していた。その後、この白色顔料分散体
(P4)270.8部と「バーノック980」(大日本
インキ化学工業社製)41.3部、メチルエチルケトン
31.8部、及びトリエチルアミン3.8部とを添加し
て、良く混合し、攪拌を続けながら水600部を加え、
次いで、ジエチレントリアミン6.5部を水100部に
溶解した水溶液を添加した。更に、その後、減圧下にお
いて、溶剤、及び水の一部を留去して白色樹脂粒子の水
スラリーを得た。その後、遠心分離機によるスキミング
方式により固液分離を行い、得られたウエットケーキを
凍結乾燥して、白色樹脂粒子の粉体(PR−5)を得
た。白色樹脂粒子中の顔料含有量は36.2%であっ
た。
【0107】 (白色樹脂粒子の合成例6;PR−6) テレフタル酸 36.9モル% イソフタル酸 9.2モル% ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2 11.3モル% −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2 22.5モル% −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン エチレングリコール 20.1モル% を攪拌器、コンデンサー、温度計をセットした四つ口フ
ラスコに入れ、窒素ガス気流下、全酸成分に対して0.
07重量部のジブチル錫オキサイドを添加し、脱水縮合
により生成した水を除去しながら、220℃にて12時
間反応させた。得られたポリエステル樹脂(R−6)の
環球式軟化点測定法による軟化温度は110℃、DSC
法によるTgは57℃、酸価は7であった。
【0108】前記樹脂(R−6)50部とTITANI
X JR−800(テイカ製)50部とメチルエチルケ
トン80部をデスパーでプレ分散した後、アイガーモー
ターミルM−1000(米国アイガー社製モーターミ
ル)で分散を行い、白色顔料分散体のマスター溶液を得
た。その後メチルエチルケトンを用いて40重量%に調
整した。固形分中の顔料の割合は50重量%であった。
顔料は湿式混練により、微細に分散していた。更に、白
色顔料分散体のマスター溶液200部に前記樹脂(R−
6)14部と前記樹脂(R−1)6部をデスパーで攪拌
して、白色顔料分散体P5を得た。その後メチルエチル
ケトンを用いて固形分含有量55重量%に調整した。固
形分中の顔料の割合は40重量%であった。
【0109】その後、白色顔料分散体(P5)181.
8部とカルボジライト8部及び1Nアンモニア水6.5
部とを添加して、良く混合し、攪拌を続けながら水12
0部を加えた。更に、その後、減圧下において、溶剤、
及び水の一部を留去して白色樹脂粒子の水スラリーを得
た。その後、スラリーの温度を80℃まで昇温して3時
間攪拌を行い、結着樹脂の架橋反応を行った。得られた
スラリーは、遠心分離機によるスキミング方式により固
液分離を行い、ウエットケーキを凍結乾燥して、白色樹
脂粒子の粉体(PR−6)を得た。白色樹脂粒子中の顔
料含有量は38.6%であった。
【0110】PR−1〜PR−6の性状を表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】 (比較顔料1) 結着樹脂(1)(R−2) 600重量部 白色顔料TITANIX JR−800(テイカ製) 400重量部 以上の原料をヘンシェルミキサーにて混合後、加熱二本
ロールにて混練した。冷却後粉砕を行い、顔料含有率4
0%の比較顔料1(マスターバッチ)を作製した。
【0113】(比較顔料2)比較顔料1の製造におい
て、使用する樹脂をR−3とする以外は、比較顔料1の
製造と同様にして比較顔料2の製造を行った。
【0114】(実施例1〜11)表2に記載した結着樹
脂(1)、白色樹脂粒子、離型剤、帯電制御剤を各々記
載された重量比率でヘンシェルミキサーを用いて混合し
た。その後、その混合物を2軸混練機で混練した。この
ようにして得た混練物を粉砕、分級して体積平均粒子径
8.8〜9.3μmの「トナー原体」を得た。
【0115】更に、実施例1〜7の「トナー原体」につ
いては、「トナー原体」100重量部に対し、シリカH
―2018(クラリアント(株))1重量部とチタンJ
MT−150AO(テイカ(株))0.5部をヘンシェ
ルミキサーで混合して、外添処理を行った。その後、篩
いを通して実施例のトナーとした。また、実施例8〜1
1の「トナー原体」については、「トナー原体」100
重量部に対し、シリカHDK3050EP(ワッカーケ
ミカルズ(株))1重量部をヘンシェルミキサーで混合
して、外添処理を行った。その後、篩いを通して実施例
のトナーとした。
【0116】(比較例1〜7)表2に記載した結着樹脂
(1)、比較顔料、離型剤、帯電制御剤を用いて、実施
例のトナーと同様の製造工程で、体積平均粒子径8.7
〜9.2μmの「トナー原体」を製造した。
【0117】更に、比較例1〜3の「トナー原体」につ
いては、「トナー原体」100重量部に対し、シリカH
―2018(クラリアント(株))1重量部とチタンJ
MT−150AO(テイカ(株))0.5部をヘンシェ
ルミキサーで混合して、外添処理を行った。その後、篩
いを通して比較例のトナーとした。また、比較例4〜7
の「トナー原体」については、「トナー原体」100重
量部に対し、シリカHDK3050EP(ワッカーケミ
カルズ(株))1重量部をヘンシェルミキサーで混合し
て、外添処理を行った。その後、篩いを通して比較例の
トナーとした。
【0118】
【表2】 ・カルナバ:カルナバワックス 1号(加藤洋行輸入
品) ・550P:ビスコール550P(三洋化成工業(株)
製、ポリプロピレンワックス) ・N07:ボントロンN−07(オリエント化学工業
(株)製、ニグロシン染料) ・JR−800:TITANIX JR−800(テイ
カ(株)製、ルチル型白色二酸化チタン)
【0119】実施例、比較例で製造したトナーを用い
て、以下の試験を行った。 (帯電量測定)帯電量の測定は、「トナー原体」に外添
を行ったトナーとシリコーン樹脂を被覆したフェライト
キャリア(粒径90μm)を4/96の配合で現像剤を
作製し、ボールミルにより5分間、30分間攪拌したの
ち、帯電量測定装置であるE−スパートアナライザー
(ホソカワミクロン(株)製)を用いてトナーの帯電
量、逆帯電量(個数%)を測定し、攪拌時間の違いによ
るトナー帯電量の立ち上がり性を評価した。得られた評
価結果を表3に示した。 E−スパートアナライザーの測定条件 ブロー圧:0.02Mpa 測定カウント数:3000個 電極間電位差:100V 25℃、60%
【0120】(環境安定性)「トナー原体」に外添を行
ったトナーとシリコーン樹脂を被覆したフェライトキャ
リア(粒径90μm)を4/96の配合で現像剤を作製
した。その現像剤を高温高湿(35℃、85%RH)及
び低温低湿(10℃、20%RH)の各環境下に12時
間放置した。その後、ボールミルで30分間攪拌して、
E−スパートアナライザーにより帯電量をそれぞれ測定
した。得られた評価結果を表3に記載した。
【0121】表中のH/Hは高温高湿(35℃、85%
RH)、L/Lは低温低湿(10℃、20%RH)、環
境差はL/Lの帯電量からH/Hの帯電量を引いた絶対
値をそれぞれ表す。
【0122】
【表3】
【0123】実施例3、6〜7と比較例1〜2は、ポリ
エステル樹脂を結着樹脂とし、トナー中の白色顔料が約
20%時の負帯電トナーにおける比較である。両者を比
較すると、実施例のトナーは、ボールミルによる攪拌時
間が5分と30分を比較しても、その値の差は小さく、
帯電の立ち上がり性が良好である。また、白色樹脂粒子
の樹脂については、スチレン・アクリル樹脂、ウレタン
・尿素樹脂、ポリエステル樹脂いずれでも同等の特性を
示した。一方、比較例のトナーは、帯電のばらつきが大
きく、帯電の立ち上がり性も劣る。また、環境差を見る
と、実施例のトナーは比較例のトナーに比べ、環境差が
小さい。
【0124】実施例8〜10と比較例4、5、及び実施
例11と比較例6、7を比較しても同様である。
【0125】また、実施例2〜5はトナー中の白色顔料
含有量を変えたものであるが、帯電の立ち上がり性は良
好で、環境差は小さい。これに対し、比較例3の酸化チ
タンをそのまま60%配合したものは帯電量が低く、環
境特性は悪いことが判る。また、実施例1は非架橋の白
色樹脂粒子を用いたものであるが、帯電の立ち上がり
性、環境差は実施例2と比較しほぼ同等の特性を示し、
明らかに本発明の効果が得られていることがわかる。
【0126】(隠蔽性印字評価)市販のN型二成分用複
写機を用い、カラープリンタで出力した画像濃度1.5
のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック画像に上記白
色トナーで重ね印字を行い、隠蔽性を評価した。隠蔽性
は重ね印字した画像濃度をマクベス濃度計RD−918
で測定し、濃度の低いものが隠蔽性良好と判断した。結
果を表4に示す。
【0127】
【表4】
【0128】(トナーの飛散状態及び帯電量)市販のN
型二成分用複写機を用い、10000枚の連続プリント
における印刷初期と10000枚印刷後の現像剤の帯電
量を測定した。また、現像器内部のトナーの飛散状況を
目視観察した。飛散が全く観察されない状態を○、飛散
がほとんど見えないが、装置内部をウエスで拭くとトナ
ー汚れが観察される状態を△、機内飛散が目視で確認出
来る状態を×、ひどい機内飛散が確認出来る状態を××
とした。結果を表5に示す。帯電量については、トナー
を現像装置内部から採取して、ブローオフ帯電量測定機
(東芝ケミカル製)で測定した。試験結果を表5に示
す。
【0129】
【表5】
【0130】表4、及び表5より実施例1〜7につい
て、トナー中の白色顔料含有量が多くなるにつれて隠蔽
性は増し、機内にトナー飛散は見られなかった。結着樹
脂がポリエステルで白色顔料含有量約20%の実施例
3、6〜7と比較例1〜2を比較すると、白色樹脂粒子
を含有した方が隠蔽性は向上している。比較例3につい
て、隠蔽性は良好であるが帯電量が低いため、機内に多
量のトナー飛散が見られた。
【0131】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、白色顔料が
トナー表面に露出することがなく、また、トナーを小粒
径化しても、あるいは白色顔料を多量にトナー中に含有
させても、安定した帯電量及びシャープな帯電量分布を
有する高隠蔽性の白色トナーを製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤及び結着樹脂(1)を含有する混
    合物を溶融状態にて混練し、その後、前記混合物を冷却
    し、次いで粉砕する工程によりトナーを製造する方法で
    あって、前記着色剤として、白色顔料を結着樹脂(2)
    中に分散させた白色顔料分散体を製造し、次いで前記白
    色顔料分散体を水性媒体中に乳化させ、更に水性媒体か
    ら分離する工程を経て製造される白色樹脂粒子を用いる
    ことを特徴とする白色トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記白色顔料分散体を湿式分散した後
    に、水性媒体中に乳化させる請求項1記載の白色トナー
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記結着樹脂(2)が、スチレン(メ
    タ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン尿素樹脂、
    またはポリエステル樹脂の中から選ばれる少なくとも1
    種以上の樹脂からなる請求項1記載の白色トナーの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記結着樹脂(2)が酸性基を含有する
    請求項3記載の白色トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記白色顔料分散体を中和剤の存在下に
    水性媒体中に乳化する請求項4記載の白色トナーの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記白色顔料分散体を水性媒体中に乳化
    後、前記結着樹脂(2)を架橋する請求項1記載の白色
    トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記白色顔料が二酸化チタンである請求
    項1記載の白色トナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記白色顔料の含有量がトナー全体に対
    して10〜70重量%である請求項1記載の白色トナー
    の製造方法。
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