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JP2003253211A - 水性中塗り塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

水性中塗り塗料組成物及び塗膜形成方法

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Publication number
JP2003253211A
JP2003253211A JP2002054068A JP2002054068A JP2003253211A JP 2003253211 A JP2003253211 A JP 2003253211A JP 2002054068 A JP2002054068 A JP 2002054068A JP 2002054068 A JP2002054068 A JP 2002054068A JP 2003253211 A JP2003253211 A JP 2003253211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
coating composition
talc
intermediate coating
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002054068A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kamimura
一喜 上村
Takashi Kuniyoshi
隆 国吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP2002054068A priority Critical patent/JP2003253211A/ja
Publication of JP2003253211A publication Critical patent/JP2003253211A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐チッピング性を有する塗膜を得るこ
とができる水性中塗り塗料組成物を提供する。 【解決手段】 塗膜形成性樹脂、硬化剤、着色顔料、タ
ルク及びシランカップリング剤からなる水性中塗り塗料
組成物であって、上記タルクの含有量は、上記水性中塗
り塗料組成物の固形分に対して、1〜20質量%であ
り、上記シランカップリング剤の含有量は、上記タルク
の固形分に対して、0.1〜5.0質量%である水性中
塗り塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性中塗り塗料組
成物、塗膜形成方法及び塗装された製品に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体外板に塗装される塗膜に
は、自動車走行の際、小石等が衝突し、これによって亀
裂が生じたり塗膜が剥離するいわゆるチッピングと呼ば
れる現象が生じることが知られている。このようなチッ
ピングが生じると、この部分から水等が侵入し、車体外
板の表地面において錆が発生する。
【0003】特に、寒冷地域においては、冬期において
融雪のために多量の岩塩及び砂を路面に散布するため、
自動車外板の塗膜に小石等が衝突し易く耐チッピング性
に優れた塗膜が望まれている。
【0004】通常自動車に塗装される塗膜には、塗膜に
耐チッピング性を付与するために中塗り塗膜が形成され
ている。この塗膜を形成する中塗り塗料中にタルクを含
有させることにより耐チッピング性を向上させることが
でき、自動車外板での素地ハククリを抑制することがで
きることが知られている。
【0005】しかしながら、近年、環境負荷(VOC
等)削減の課題を解決するために水性塗料の使用が求め
られており、水性中塗り塗料での耐チッピング性の向上
も望まれているが、水性中塗り塗料にタルクを含有させ
る場合には、タルクが扁平顔料であること、表面が疎水
性であること等の理由から、特に水性塗料での分散性が
低く、また、貯蔵安定性及び塗膜の耐水性が低下する問
題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、優れた耐チッピング性を有する塗膜を得ることが
できる水性中塗り塗料組成物を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗膜形成性樹
脂、硬化剤、着色顔料、タルク及びシランカップリング
剤からなる水性中塗り塗料組成物であって、上記タルク
の含有量は、上記水性中塗り塗料組成物の固形分に対し
て、1〜20質量%であり、上記シランカップリング剤
の含有量は、上記タルクの固形分に対して、0.1〜
5.0質量%であることを特徴とする水性中塗り塗料組
成物である。
【0008】上記タルクは、予め上記シランカップリン
グ剤によって表面処理されているものであることが好ま
しい。上記シランカップリング剤は、上記塗膜形成性樹
脂又は上記硬化剤と親和性の高い官能基を有するトリア
ルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記塗膜
形成性樹脂又は上記硬化剤と親和性の高い官能基は、ア
ミノ基であることが好ましい。
【0009】本発明は、上記水性中塗り塗料組成物を被
塗装物に塗装する工程からなることを特徴とする中塗り
塗膜形成方法である。本発明はまた、上記中塗り塗膜形
成方法により得られる中塗り塗膜を有することを特徴と
する塗装された製品である。以下、本発明について更に
詳細に説明する。
【0010】本発明の水性中塗り塗料組成物は、塗膜形
成性樹脂、硬化剤、着色顔料、タルク及びシランカップ
リング剤からなるものである。本発明の水性中塗り塗料
組成物は、タルク及びシランカップリング剤を含有する
ものである。即ち、塗料中にタルクを含有させることに
よって得られる塗膜の耐チッピング性を向上させること
ができるが、水性中塗り塗料組成物中におけるタルクの
分散性が低く、また、塗料組成物の貯蔵安定性が低下
し、得られる塗膜の耐水性が低下する場合もある。
【0011】しかし、本発明の水性中塗り塗料組成物
は、更にシランカップリング剤を含有するものであるこ
とから、シランカップリング剤中のSiORで表される
基が水と反応することによりSiOHで表される基とR
OH(アルコール)が生成し、更に生成したSiOHで
表される基とタルク表面のOH基とが反応し、シランカ
ップリング剤とタルクとがSi−O−結合で結びつくこ
とによってタルクが表面処理されるものと推察され、こ
れにより、水性中塗り塗料組成物中でのタルクの安定性
を向上させることができるものと推察される。従って、
本発明の水性中塗り塗料組成物は、タルクの分散性、貯
蔵安定性が優れるものであり、また、タルクを含有する
ものであることから、得られる塗膜は、耐チッピング性
が優れるものである。また、シランカップリング剤を含
有することにより、樹脂成分と顔料成分との親和性が高
められ、得られる塗膜の耐水性を向上させることができ
る。
【0012】上記タルクは、得られる塗膜の耐チッピン
グ性を向上させる効果を有するものである。上記タルク
としては特に限定されず、例えば、Sタルク、PSタル
ク等の公知のものを挙げることができ、市販品を用いる
こともできる。
【0013】上記タルクの含有量は、上記水性中塗り塗
料組成物の固形分に対して、下限1質量%、上限20質
量%である。1質量%未満であると、耐チッピング性が
不充分となるおそれがあり、20質量%を超えると、得
られる塗膜の外観が低下するおそれがある。より好まし
くは、下限2質量%、上限15質量%である。
【0014】上記シランカップリング剤は、上記タルク
を塗料組成物中での分散性を向上させ、得られる塗膜の
耐水性を向上させる効果を有するものである。上記シラ
ンカップリング剤としては特に限定されず、例えば、下
記一般式(1) R−Si−(R(OR3−n (1) (式中、Rは、有機基で置換された又は置換されてい
ない炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜11のエポ
キシアルキル基、アリール基、炭素数1〜11のアルケ
ニル基、炭素数1〜5のアミノアルキル基、炭素数1〜
5のメルカプトアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲノ
アルキル基を表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基
を表す。nは、0、1又は2である。)で表されるもの
を挙げることができる。
【0015】上記シランカップリング剤としては、例え
ば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、1,6−ビ
ス(トリメトキシシリル)ヘキサン、γ−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピル
トリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、オクタデシルジメ
チル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニ
ウムクロライド等を挙げることができる。これらは、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】上記シランカップリング剤は、塗膜形成性
樹脂又は硬化剤と親和性の高い官能基を有するトリアル
コキシシラン化合物であるものが好ましい。即ち、上記
一般式(1)におけるRが塗膜形成性樹脂又は硬化剤
と親和性の高い官能基であり、nが0である場合には、
シランカップリング剤とタルクとの間にSi−O−結合
が生成するだけでなく、親和性の高い官能基が塗膜形成
性樹脂又は硬化剤に対する親和性を有するものであるこ
とから、上記水性中塗り塗料組成物中の塗膜形成性樹脂
又は硬化剤とタルクとの親和性が高くなり、塗料組成物
中でのタルクの分散性や塗料組成物の貯蔵安定性をより
優れたものとすることができる。また、ORで表され
る基を3個有するものであることから、シランカップリ
ング剤とタルクとの間にSi−O−結合がより多く生成
することになり、タルクの分散性、貯蔵安定性をより向
上させることができるものと推察される。
【0017】上記塗膜形成性樹脂又は上記硬化剤と親和
性の高い官能基とは、塗膜形成性樹脂又は硬化剤との間
に相互作用を生じる官能基を意味し、例えば、上記塗膜
形成性樹脂又は上記硬化剤中に存在する親水性基と親和
性の高い官能基を意味するものである。
【0018】上記塗膜形成性樹脂又は上記硬化剤と親和
性の高い官能基としては、塗膜形成性樹脂又は硬化剤の
種類にもよるが、上記塗膜形成性樹脂又は上記硬化剤が
カルボキシル基を有する場合には、例えば、アミノ基を
挙げることができる。即ち、カルボキシル基とアミノ基
との親和性によりタルクの分散性や貯蔵安定性を向上さ
せることができることから、上記塗膜形成性樹脂又は上
記硬化剤中に存在する親水性基と親和性の高い官能基
は、アミノ基であることが好ましい。
【0019】上記塗膜形成性樹脂又は上記硬化剤と親和
性の高い官能基を有するトリアルコキシシラン化合物と
しては特に限定されず、例えば、NHSi
(OC、NHNHCSi
(OCH、NHCONHC Si(OC
等を挙げることができる。なかでも、タルクの
分散性、貯蔵安定性、塗膜の耐水性の点から、NH
Si(OCが好ましい。
【0020】上記塗膜形成性樹脂又は上記硬化剤と親和
性の高い官能基を有するトリアルコキシシラン化合物と
しては、市販品を用いることもでき、例えば、A−11
00、A−1120、A−1160(商品名、日本ユニ
カー社製)等を挙げることができる。なかでも、A−1
100が好ましい。
【0021】上記タルクは、予めシランカップリング剤
によって表面処理されているものであることが好まし
い。即ち、この場合には、予めシランカップリング剤に
よって表面処理されたタルクと、塗膜形成性樹脂、硬化
剤及び着色顔料とを混合することより本発明の水性中塗
り塗料組成物を調製することができ、タルクの表面に
は、シランカップリング剤による表面処理が既になされ
ていることから、塗料組成物中にタルク及びシランカッ
プリング剤を含有させることにより表面処理する場合に
比べて、より塗料組成物中でのタルクの分散性や塗料組
成物の貯蔵安定性を向上させることができる。
【0022】上記表面処理の方法としては特に限定され
ず、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、
シランカップリング剤と水等の溶媒との混合物を攪拌し
ながら、タルクに添加して混合し、更に乾燥することに
より行うことができる。これにより、シランカップリン
グ剤中に生成したSiOHで表される基とタルク表面の
OH基とが反応し、シランカップリング剤とタルクとが
Si−O−結合で結びつき、更に乾燥することによって
水やSiORから遊離して発生したアルコールが除去さ
れることにより、タルクの表面処理がなされるものと推
察される。
【0023】上記乾燥は、シランカップリング剤によっ
て表面処理されたタルクを得られる条件であれば特に限
定されないが、乾燥温度90〜150℃で、乾燥時間3
0分間〜2時間であることが好ましい。上記乾燥を行う
ことにより、表面処理における水や発生するアルコール
を除去することができる。上記乾燥温度、乾燥時間が下
限未満であると、水分や発生するアルコールが残存す
る。上記予めシランカップリング剤によって表面処理さ
れているタルクとして市販品を用いることもできる。
【0024】上記表面処理されたタルクを調製する際に
用いるシランカップリング剤として、塗膜形成性樹脂又
は硬化剤と親和性の高い官能基を有するトリアルコキシ
シラン化合物を用いる場合には、シランカップリング剤
のタルクへの親和性、塗膜形成性樹脂又は硬化剤への親
和性がより高められることから、塗膜形成性樹脂又は硬
化剤とタルクとの親和性がより高められることになる。
これにより、水性中塗り塗料組成物中でのタルクの分散
性や塗料組成物の貯蔵安定性が優れたものとなることか
らより好ましい。
【0025】上記シランカップリング剤の含有量は、上
記タルクの固形分に対して、下限0.1質量%、上限
5.0質量%である。0.1質量%未満であると、タル
クの分散性、貯蔵安定性、耐水性に劣るおそれがあり、
5.0質量%を超えると、経済的でないおそれがある。
より好ましくは、上限2.0質量%である。
【0026】上記塗膜形成性樹脂としては特に限定され
ず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記塗膜形成性樹脂はまた、水溶性のものを使用する
か、又は、分散樹脂、界面活性剤等の分散剤を適用して
乳化分散することによって、水性中塗り塗料中に安定に
存在せしめることができる。
【0027】上記塗膜形成性樹脂は、カルボン酸基を有
するものである場合には、酸価が、下限10(mgKO
H/g樹脂)、上限100(mgKOH/g樹脂)であ
ることが好ましい。10未満であると、塗膜密着性に劣
り、また、硬化不良となることがあり、100を超える
と、親水性が高すぎて塗膜の耐水性が悪くなることがあ
る。より好ましくは、下限20、上限80である。
【0028】上記塗膜形成性樹脂は、水酸基を有するも
のである場合には、水酸基価が、下限30、上限150
であることが好ましい。30未満であると、硬化不良を
起こす場合があり、150を超えると、硬化後塗膜中に
過剰の水酸基が残存する結果、耐水性に劣ることがあ
る。より好ましくは、下限50、上限150である。
【0029】上記塗膜形成性樹脂は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ(GPC)によって得られた数平
均分子量が、下限1000、上限30000であること
が好ましい。1000未満であると、硬化形成塗膜の耐
溶剤性等の物性が劣る場合があり、30000を超える
と、樹脂溶液の粘度が高いため、得られる樹脂の乳化分
散等の操作上ハンドリングが困難なばかりか、得られる
塗膜の外観が著しく低下する場合がある。より好ましく
は、下限1500、上限20000である。
【0030】上記塗膜形成性樹脂の製造方法としては特
に限定されず、目的とする上記塗膜形成性樹脂の種類や
性質等に応じて適宜選択することができ、例えば、溶融
重合法、エステル交換法、界面重合法、溶液重合法等の
従来公知の製造方法を使用することができる。
【0031】上記硬化剤としては、上記塗膜形成性樹脂
の種類に応じて、当業者によってよく知られた硬化剤を
適宜選択することができる。一般的には、顔料分散性や
塗装作業性等の観点から、上記塗膜形成性樹脂が水酸基
を有するポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂であ
り、上記硬化剤がポリイソシアネート及び/又はメラミ
ン樹脂であることが好ましい。なお、上記ポリイソシア
ネートは、貯蔵安定性の観点から、イソシアネート基を
ブチルセロソルブや2−エチルヘキサノール等のアルコ
ール類やメチルエチルケトオキシム等のオキシム類等、
当業者に公知のブロック剤によってブロックされている
ことが好ましい。
【0032】本発明の水性中塗り塗料組成物における上
記塗膜形成性樹脂と上記硬化剤との固形分質量比は、8
5/15〜50/50であることが好ましい。上記比が
85/15を超えると、硬化性が低下するおそれがあ
り、50/50未満であると、得られる塗膜の諸性能が
低下するおそれがある。
【0033】上記着色顔料としては、耐候性を向上さ
せ、かつ隠蔽性を確保するものであれば特に限定されな
いが、特に二酸化チタンは白色の着色隠蔽性に優れ、し
かも安価であることから、より好ましい。
【0034】上記二酸化チタン以外の顔料としては、例
えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリ
ノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナ
クリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔
料等の有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、
カーボンブラック等の無機着色顔料等を挙げることがで
きる。また、本発明においては、顔料として、更に、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー等の体質顔料を使
用してもよい。
【0035】上記着色顔料としてカーボンブラックと二
酸化チタンを主要顔料とした標準的なグレー系中塗り塗
料を用いることもできるし、上塗り塗料と明度又は色相
等を合わせたセットグレーや各種の着色顔料を組み合わ
せたいわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
これらの顔料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0036】上記顔料(上記タルク、着色顔料及び体質
顔料)は、上記水性中塗り塗料中において、顔料及び樹
脂固形分(タルク、着色顔料、体質顔料、塗膜形成性樹
脂中の樹脂固形分及び硬化剤中の樹脂固形分の合計質
量)の合計質量に対する上記顔料の質量の比(PWC)
が、10〜60質量%であることが好ましい。10質量
%未満では、顔料不足のために隠蔽性が低下するおそれ
がある。60質量%を超えると、顔料過多により硬化時
の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観が低下
することがある。
【0037】上記タルクは、上記水性中塗り塗料中にお
いて、顔料及び樹脂固形分(タルク、着色顔料、体質顔
料、塗膜形成性樹脂中の樹脂固形分及び硬化剤中の樹脂
固形分の合計質量)の合計質量に対する上記タルクの質
量の比(PWC)が、1〜15質量%であることが好ま
しい。1質量%未満であると、耐チッピング性が不充分
となるおそれがあり、15質量%を超えると、得られる
塗膜の外観が低下するおそれがある。
【0038】本発明の水性中塗り塗料組成物は、上記成
分以外に更に必要に応じて、有機溶剤、硬化触媒、表面
調整剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤等を含有することができる。これらのものは特
に限定されず、当業者によってよく知られているものを
用いることができる。
【0039】本発明の水性中塗り塗料組成物を得る方法
としては、特に限定されず、上記塗膜形成性樹脂、上記
硬化剤及び上記顔料等の配合物をニーダーやロール等を
用いて混練、サンドグラインドミルやディスパー等を用
いて分散する等の当業者に周知の全ての方法を用いるこ
とができる。
【0040】本発明の中塗り塗膜形成方法は、上記水性
中塗り塗料組成物を被塗装物に塗装する工程からなるも
のである。上記中塗り塗膜形成方法として好ましい形態
としては、例えば、電着塗膜を形成した被塗装物上に、
水性中塗り塗料を塗装した後、加熱硬化して中塗り塗膜
を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた中塗
り塗膜の上に、上塗り塗料を塗装して未硬化の上塗り塗
膜を形成する工程(2)、上記工程(2)により得られ
た未硬化の上塗り塗膜を加熱硬化して複層塗膜を得る工
程(3)からなる複層塗膜形成方法であって、上記水性
中塗り塗料が上述した水性中塗り塗料組成物であるもの
を挙げることができる。
【0041】上記電着塗膜を形成させる電着塗料として
は特に限定されず、カチオン型及びアニオン型のいずれ
であってもよいが、防食性及び防錆性の観点から、カチ
オン型であることが好ましい。
【0042】上記被塗装物としては特に限定されず、例
えば、鉄、鋼、アルミニウム、スズ、亜鉛等及びこれら
の金属を含む合金及び鋳造物を挙げることができる。具
体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自
動車車体及び部品を挙げることができる。これらの金属
は電着塗装が行われる前に予め表面処理を施されている
ことが好ましい。
【0043】上記複層塗膜形成方法における第1の工程
は、電着塗膜を形成した被塗装物上に、水性中塗り塗料
を塗装した後、加熱硬化して中塗り塗膜を形成する工程
(1)であり、上記水性中塗り塗料は、上述した水性中
塗り塗料組成物である。
【0044】上記水性中塗り塗料は、通常、乾燥膜厚と
して10〜60μmとなるように塗装される。10μm
未満であると、下地の隠蔽が不充分になるおそれがあ
り、60μmを超えると、塗装時にタレや、加熱硬化時
にワキが発生したり、得られる中塗り塗膜の外観が低下
するおそれがある。
【0045】上記水性中塗り塗料の塗装方法としては特
に限定されず、スプレー塗装方法、静電塗装方法等を挙
げることができる。工業的には、例えば、通称「リアク
トガン」と呼ばれるエアー静電スプレー塗装機や、通称
「マイクロマイクロベル」、「マイクロベル」、「メタ
リックベル」等と呼ばれる回転霧化式静電塗装機を用い
る方法を挙げることができる。好ましくは、回転霧化式
静電塗装機を用いる方法である。
【0046】上記水性中塗り塗料は塗装された後、所定
の加熱硬化することによって中塗り塗膜を得ることがで
きる。上記加熱硬化の条件としては特に限定されず、上
記水性中塗り塗料組成物の種類に応じて適宜決定され
る。上記加熱硬化の条件としては、例えば、加熱温度
は、下限110℃、上限200℃、より好ましくは、下
限120℃、上限180℃で、加熱時間は、下限10分
間、上限60分間である。
【0047】上記複層塗膜形成方法における第2の工程
は、上記工程(1)で得られた中塗り塗膜上に、上塗り
塗料を塗装して未硬化の上塗り塗膜を得る工程である。
上記上塗り塗料は、被塗装物に対して美観と保護とを与
えるものである。
【0048】上記上塗り塗料としては特に限定されず、
例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤、光輝性顔料、着色顔
料及び体質顔料等の顔料及び各種添加剤からなるものを
挙げることができる。上記塗膜形成性樹脂、硬化剤、着
色顔料、各種添加剤としては、先の水性中塗り塗料組成
物でそれぞれ述べたものを挙げることができる。顔料分
散性や作業性の点から、アクリル樹脂及び/又はポリエ
ステル樹脂とメラミン樹脂との組み合わせが好ましい。
また、上塗り塗料の調製方法についても、上記水性中塗
り塗料において例示した方法を挙げることができる。
【0049】上記光輝性顔料としては特に限定されず、
例えば、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金
属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ
粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平
顔料等を挙げることができる。分散性に優れ、透明感の
高い塗膜を形成することができるため、金属又は合金等
の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合
物が好ましい。その金属の具体例としては、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ
等を挙げることができる。
【0050】上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、
更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径(D5
0)が、下限2μm、上限50μmであり、厚さが、下
限0.1μm、上限5μmである鱗片状のものが好まし
い。平均粒径としては、光輝感に優れることから、より
好ましくは、下限10μm、上限35μmである。
【0051】上記顔料は、1種又は2種以上を使用する
ことができ、着色顔料及び体質顔料、並びに、必要に応
じ、偏平顔料及び光輝性顔料のなかから、1種又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】上塗り塗料中に含まれるすべての顔料濃度
(PWC)は、一般的には、下限0.1質量%、上限5
0質量%であり、より好ましくは、下限0.5質量%、
上限40質量%であり、更に好ましくは、下限1質量
%、上限30質量%である。上記顔料濃度が0.1質量
%未満であると、顔料による効果が得られず、50質量
%を超えると、得られる塗膜の外観が低下するおそれが
ある。
【0053】上記上塗り塗料の塗料形態としては特に限
定されず、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エ
マルジョン)、非水分散型のいずれであってもよい。上
記上塗り塗料は、通常、乾燥膜厚として15〜70μm
となるように塗装される。上記乾燥膜厚が15μm未満
であると、下地の隠蔽が不充分になったり、色ムラが発
生するおそれがあり、70μmを超えると、塗装時にタ
レや、加熱硬化時にワキが発生したりするおそれがあ
る。
【0054】上記上塗り塗料の塗装方法としては、例え
ば、上記水性中塗り塗料の塗装の際に例示した方法を挙
げることができる。上記上塗り塗料を自動車車体等に対
して塗装する場合には、意匠性を高めるために、上記エ
アー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましく
は、2ステージで塗装するか、又は、上記エアー静電ス
プレー塗装と上記回転霧化式静電塗装とを組み合わせた
塗装方法により行うことが好ましい。
【0055】上記未硬化の上塗り塗膜は、ベース塗膜と
未硬化のクリヤー塗膜とからなるものであってもよい。
この場合、上記工程(2)は、例えば、ベース塗料を塗
装してベース塗膜を得た後、更に、クリヤー塗料を塗装
して未硬化のクリヤー塗膜を得る工程である。上記ベー
ス塗料としては、例えば、上記上塗り塗料を挙げること
ができる。
【0056】上記ベース塗料は、通常、乾燥膜厚として
5〜35μmとなるように塗装される。上記乾燥膜厚が
5μm未満である場合、下地の隠蔽が不充分になった
り、色ムラが発生するおそれがあり、また、35μmを
超える場合、塗装時にタレや、加熱硬化時にワキが発生
したりするおそれがある。上記ベース塗料の塗装方法と
しては、例えば、上記上塗り塗料の塗装方法と同様の方
法を挙げることができる。
【0057】上記クリヤー塗料から得られるクリヤー塗
膜は、ベース塗料として光輝性顔料を含むメタリックベ
ース塗料を用いた場合に光輝性顔料に起因するベース塗
膜の凹凸、チカチカ等を平滑にしたり、また、ベース塗
膜を保護するために形成されるものである。上記クリヤ
ー塗料としては特に限定されず、例えば、塗膜形成性樹
脂、硬化剤及びその他の添加剤からなるものを挙げるこ
とができる。
【0058】上記塗膜形成性樹脂としては特に限定され
ず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹
脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と
組み合わせて用いられる。透明性又は耐酸エッチング性
等の点から、アクリル樹脂及び/若しくはポリエステル
樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、又は、カルボン酸・
エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/若しくはポ
リエステル樹脂等を用いることが好ましい。
【0059】上記クリヤー塗料としては、上述したベー
ス塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装するため、層間の
なじみや反転、又は、タレ等の防止のため、粘性制御剤
を添加剤として含有することが好ましい。上記粘性制御
剤の添加量は、クリヤー塗料の樹脂固形分100質量部
に対して、下限0.01質量部、上限10質量部であ
り、好ましくは、下限0.02質量部、上限8質量部、
より好ましくは、下限0.03質量部、上限6質量部で
ある。10質量部を超えると、外観が低下し、0.1質
量部未満であると、粘性制御効果が得られず、タレ等の
不具合を起こす原因となる。
【0060】上記クリヤー塗料の塗料形態としては、有
機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョ
ン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、また必要
により、硬化触媒、表面調整剤等を用いることができ
る。
【0061】上記クリヤー塗料の調製方法及び塗装方法
としては、従来の方法に従って行うことができる。上記
クリヤー塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、1
0〜70μmである。この乾燥膜厚が上限を超えると、
鮮映性が低下したり、塗装時にムラ、流れ等の不具合が
起こることがあり、下限を下回ると、外観が低下するお
それがある。
【0062】上記ベース塗膜とは、未硬化のベース塗膜
であっても、硬化後のベース塗膜であってもよい。上記
未硬化のベース塗膜とはプレヒート処理が行われた後の
状態も含む概念である。上記プレヒート処理としては、
例えば、室温〜約100℃で1〜10分間の加熱処理で
ある。また、硬化後の塗膜とは、上記未硬化のベース塗
膜を加熱硬化したものである。上記加熱硬化条件として
は特に限定されず、用いられるベース塗料の種類によっ
て適宜設定することができるが、例えば、110〜18
0℃で10〜60分間である。省エネルギーや工程短縮
の観点から、上記ベース塗膜は硬化後のベース塗膜とせ
ず、未硬化のベース塗膜であることが好ましい。このよ
うな方法はウェット・オン・ウェット塗装と呼ばれてい
る。
【0063】上記複層塗膜形成方法における第3の工程
は、上記工程(2)によって得られた未硬化の上塗り塗
膜を加熱硬化して複層塗膜を得るものである。なお、上
記未硬化の上塗り塗膜が、上記未硬化のベース塗膜と上
記未硬化のクリヤー塗膜とからなる場合、上記第3の工
程は、上記未硬化のベース塗膜と上記未硬化のクリヤー
塗膜とを同時に加熱硬化するものである。
【0064】上記加熱硬化させる温度としては、下限1
10℃、上限180℃であることが好ましく、下限12
0℃、上限160℃であることがより好ましい。これに
より、高い架橋度の硬化塗膜を得ることができる。上記
温度が110℃未満であると、硬化が不充分になり、1
80℃を超えると、得られる塗膜が固く脆くなるおそれ
がある。加熱硬化させる時間は、上記温度に応じて適宜
設定することができるが、温度が120〜160℃であ
る場合、例えば、10〜60分間である。
【0065】上記工程(1)、(2)及び(3)によっ
て得られる複層塗膜の膜厚は、通常、下限30μm、上
限300μmであることが好ましく、下限50μm、上
限250μmであることがより好ましい。30μm未満
であると、得られる複層塗膜の膜強度が低下するおそれ
があり、300μmを超えると、膜物性が低下したり、
塗膜性能に不具合が生じるおそれがある。
【0066】上記中塗り塗膜形成方法により得られる中
塗り塗膜を有する塗装された製品は、上記水性中塗り塗
料組成物を用いることにより得られるものであることか
ら、耐チッピング性に優れるものである。このような塗
装された製品も本発明の1つである。
【0067】本発明の水性中塗り塗料組成物は、タルク
及びシランカップリング剤を含有するものであることか
ら、塗料組成物中でのタルクの分散性、塗料組成物の貯
蔵安定性、得られる塗膜の耐水性が優れるものである。
特に、シランカップリング剤がアミノ基を有するトリア
ルコキシシラン化合物であり、予めこの化合物によって
表面処理されているタルクを使用する場合には、塗料組
成物中において、塗膜形成性樹脂又は硬化剤とタルクと
の親和性がより高められることになるので、上述した効
果がより発揮させることができる。これにより、上記水
性中塗り塗料組成物は、優れた耐チッピング性が要求さ
れる自動車塗装分野において好適に用いられるものであ
る。
【0068】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り
「質量部」を意味する。
【0069】製造例1 水性型ポリエステルの製造 窒素導入管、攪拌機、温度調節器、冷却管及びデカンタ
ーを備えた反応容器に無水フタル酸176部、イソフタ
ル酸197部、アジピン酸87部、トリメチロールプロ
パン102部、ネオペンチルグリコール272部及びジ
ブチルチンオキサイド0.8部、キシレン17部を仕込
み、キシレンの還流が始まってから2時間かけて温度を
200℃まで昇温した。その間、反応により生成する水
をキシレンと共沸させて除去した。カルボン酸の酸価が
8になったところで150℃まで冷却し、無水トリメリ
ット酸49部を加えた後、更に温度が60℃になるまで
冷却し、ジメチルエタノールアミン46部を加え混合し
たものにイオン交換水1137部を加え、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィ測定による数平均分子量20
00、固形分40%、固形分酸価40、水酸基価100
の水性型ポリエステル樹脂を得た。
【0070】製造例2 シランカップリング剤処理タル
クの製造 ヘンシェルミキサーにPK50(商品名、富士タルク社
製)を100部入れ、予め混合しておいたA−1100
(商品名、日本ユニカー社製)とイオン交換水との質量
比が1:5の混合物を6部、攪拌しながら徐々に加え、
更に10分間混合した。その後トレーに取り出し、15
0℃で1時間乾燥し、シランカップリング剤処理タルク
を得た。
【0071】実施例1 (水性中塗り塗料組成物1の調製)製造例1で得られた
水性型ポリエステル樹脂を33部、CR−97(商品
名、石原産業社製二酸化チタン)24.5部、B−34
(商品名、堺化学社製沈降性硫酸バリウム)12部、M
A−100(商品名、三菱化学社製カーボンブラック)
0.5部、製造例2で得られたシランカップリング剤処
理タルク3部及びイオン交換水5部を予備混合した後、
ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え
て、室温で1時間混合分散し、粒度10μm以下の中塗
り塗料用顔料ペースト1を得た。このペースト78部に
対して水性型ポリエステル樹脂72部、サイメル235
(商品名、三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分1
00質量%)18部及びサーフィノール104E(商品
名、エアプロダクツジャパン社製表面調整剤)0.5部
を、混合して10分間ディスパーにて攪拌混合し、水性
中塗り塗料組成物1を得た。
【0072】(塗膜形成方法)リン酸亜鉛処理した15
0×70×0.7mmの溶融亜鉛メッキ鋼板に、パワー
トップU−50(商品名、日本ペイント社製カチオン電
着塗料)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装し、
160℃で30分間焼き付け硬化させ電着基板を得た。
この電着基板に、得られた水性中塗り塗料組成物1をエ
アースプレーにて乾燥膜厚25μmとなるように塗装
し、160℃で30分間焼き付け硬化させた。更に、A
R−2000(商品名、日本ペイント社製水性型ベース
塗料、塗色:シルバー)を乾燥膜厚15μmとなるよう
に2ステージにてスプレー塗装し、80℃で5分間のプ
レヒート工程の後、室温になるまで冷却し、マックフロ
ーO−1801w(商品名、日本ペイント社製有機溶剤
型クリアー塗料)を乾燥膜厚35μmとなるようにスプ
レー塗装した後、140℃で30分間焼き付け硬化さ
せ、試験板を得た。
【0073】実施例2 B−34(商品名、堺化学社製沈降性硫酸バリウム)1
2部の代わりにB−34(商品名、堺化学社製沈降性硫
酸バリウム)5.5部、シランカップリング剤処理タル
ク3部の代わりにシランカップリング剤処理タルク9.
5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、中塗
り塗料用顔料ペースト2、水性中塗り塗料組成物2及び
試験板を得た。
【0074】比較例1 シランカップリング剤処理タルク3部の代わりにPK5
0(商品名、富士タルク社製タルク)3部を用いたこと
以外は、実施例1と同様にして、中塗り塗料用顔料ペー
スト3、水性中塗り塗料組成物3及び試験板を得た。
【0075】比較例2 B−34(商品名、堺化学社製沈降性硫酸バリウム)1
2部の代わりにB−34(商品名、堺化学社製沈降性硫
酸バリウム)5.5部、シランカップリング剤処理タル
ク3部の代わりにPK50(商品名、富士タルク社製タ
ルク)9.5部を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して、中塗り塗料用顔料ペースト4、水性中塗り塗料組
成物4及び試験板を得た。
【0076】評価方法 <顔料分散性>実施例及び比較例での分散工程前後、つ
まりペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を
加えて、室温で1時間混合分散する工程前後のストーマ
ー粘度計による20℃での粘度の変化を分散性の指標と
した。得られた結果を表1に示した。分散工程後の粘度
上昇が分散工程前の粘度に比べ+10Ku以下であるも
のを合格とした。
【0077】<塗料貯蔵安定性>実施例及び比較例で得
られた水性中塗り塗料組成物をイオン交換水を用いてN
o.4フォードカップを用いて20℃で30秒に希釈し
たものを試料とし、200ml内面コート丸缶に150
cc入れ、40℃のフラン器にて10日間貯蔵した。貯
蔵後の粘度を同じくNo.4フォードカップを用いて2
0℃で測定し、その秒数の増減を貯蔵安定性の指標とし
た。得られた結果を表1に示した。
【0078】<耐水性>実施例及び比較例で得られた試
験板を40℃の温水に10日間浸漬し、洗浄1時間後の
外観を目視にて観察した。得られた結果を表1に示し
た。評価基準は以下の通りとした。なお、密着性につい
てはいずれも問題なかった。 ○:チヂミなし △:チヂミがある ×:チヂミがあり、光沢が低下している。
【0079】
【表1】
【0080】実施例により得られた水性中塗り塗料組成
物は、分散後の粘度上昇がみられることはなく、塗料貯
蔵安定性も優れるものであった。また、実施例により得
られた試験板は、チヂミがまったく見られず、耐水性に
も優れるものであった。
【0081】
【発明の効果】本発明の水性中塗り塗料組成物は、上述
の構成よりなるので、上記水性中塗り塗料組成物を用い
ることにより優れた耐チッピング性を有する塗膜を得る
ことができるものである。従って、上記水性中塗り塗料
組成物を被塗装物に塗装する工程からなる中塗り塗膜形
成方法は、得られる塗膜が耐チッピング性、耐衝撃性に
優れるものであることから、特に自動車車体等の車両塗
装に好適に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 // C09D 183/04 183/04 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA04 CA13 CA33 CA38 CB04 CB07 DA06 DB02 DB05 DB07 DC12 DC13 EA06 EA07 EA10 EA43 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB38 EB45 EC01 EC11 EC45 EC54 4J037 AA27 CB23 EE02 FF21 4J038 CG141 DA162 DB001 DD001 DD121 DG001 DG111 DG191 EA011 HA216 HA286 HA376 HA526 HA536 JC32 JC34 JC35 KA03 KA08 KA14 MA08 MA10 NA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜形成性樹脂、硬化剤、着色顔料、タ
    ルク及びシランカップリング剤からなる水性中塗り塗料
    組成物であって、前記タルクの含有量は、前記水性中塗
    り塗料組成物の固形分に対して、1〜20質量%であ
    り、前記シランカップリング剤の含有量は、前記タルク
    の固形分に対して、0.1〜5.0質量%であることを
    特徴とする水性中塗り塗料組成物。
  2. 【請求項2】 タルクは、予めシランカップリング剤に
    よって表面処理されているものである請求項1記載の水
    性中塗り塗料組成物。
  3. 【請求項3】 シランカップリング剤は、塗膜形成性樹
    脂又は硬化剤と親和性の高い官能基を有するトリアルコ
    キシシラン化合物である請求項1又は2記載の水性中塗
    り塗料組成物。
  4. 【請求項4】 塗膜形成性樹脂又は硬化剤と親和性の高
    い官能基は、アミノ基である請求項3記載の水性中塗り
    塗料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の水性中塗
    り塗料組成物を被塗装物に塗装する工程からなることを
    特徴とする中塗り塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の中塗り塗膜形成方法によ
    り得られる中塗り塗膜を有することを特徴とする塗装さ
    れた製品。
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