JP2003121733A - 対物レンズおよび光ピックアップ装置 - Google Patents
対物レンズおよび光ピックアップ装置Info
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Abstract
の異なる透明基板を有する、記録密度の異なる2種類の
光ディスクを再生/記録でき、透明基板の薄い光ディス
クについて色収差を低減させると同時に透明基板の厚い
光ディスクについて残留収差を半減できるようにした対
物レンズおよび光ピックアップ装置を提供する。 【解決手段】 第1および第2の光源111,112を
備えた光ピックアップ装置において、第2の光源からの
光束のうち、透明基板の厚い第2の光ディスクを再生/
記録するために必要な光ディスク側の開口数NA2以下
の部分の波面収差の3次球面収差成分はオーバーであっ
て、その絶対値の標準偏差値をWSA2rms・λ2と
したときに、0.015≦WSA2rms≦0.06と
し、第2の光源からの光束のうち、光ディスク側の開口
数がNA2を超える部分は、フレア光になるようにす
る。
Description
異なる複数の光情報記録媒体を対物レンズを含む集光光
学系で記録および/または再生することができる光ピッ
クアップ装置に関する。
い、CD(コンパクトディスク)と同程度の大きさで大
容量化させた高密度の光情報記録媒体(「光ディスク」
ともいう)であるDVDが製品化されている。DVD用
記録再生装置では、約650nmの半導体レーザを使用
したときの対物レンズの光デイスク側の開口数NAを
0.6〜0.65としている。DVDはトラックピッチ
0.74μm、最短ビット長0.4μmであり、CDの
トラックピッチ1.6μm、最短ピット長0.83μm
に対して4倍以上に高密度化されている。また、DVD
においては、光ディスクが光軸に対して傾いたときに生
じるコマ収差を小さく抑えるために、透明基板厚は0.
6mmとCDの透明基板厚(1.2mm)の半分になっ
ている。
長や透明基板厚さが異なるなど種々の規格の光ディス
ク、例えばCD−R、CD−RW(追記型コンパクトデ
ィスク)、VD(ビデオディスク)、MD(ミニディス
ク)、MO(光磁気ディスク)なども商品化されて普及
している。さらに半導体レーザの短波長化が進み、発振
波長400nm程度の短波長青色レーザが実用化されよ
うとしている。波長が短くなることで、例えDVDと同
じ開口数を用いても光情報記録媒体の更なる大容量化が
可能となる。
であるCDと同程度の大きさで、記録再生が可能なCD
−Rや、記録密度を高めたDVDなど、記録面の透明基
板の厚みや記録再生用レーザ光の波長の異なる複数の光
情報記録媒体の開発が進み、これらの光情報記録媒体に
対して、同一の光ピックアップでの記録再生を可能とす
ることが求められている。このため、使用波長に応じた
複数のレーザ光源を備えながら、同一の対物レンズで記
録面へ必要な開口数でレーザ光を収束する光ピックアッ
プが、各種提案されている(例えば、特開平9−549
73号公報、特開平11−96585号公報、特開平1
1−86319号公報等)。
報には、635nmを透過光(0次回折光)、785n
mは−1次回折光を利用したホログラム光学素子を用い
た光学系および635nmを+1次回折光、785nm
は透過光(0次回折光)を利用したホログラム光学素子
を用いた光学系が開示されている。しかし、このホログ
ラム光学素子によれば、ホログラムの段差が深く、対物
レンズとの一体化が困難である。
は、対物レンズの光源側の屈折面に3つの分割面を設
け、第1の光ディスクの再生の際には第1の分割面およ
び第3の分割面を通過する光束を利用し、透明基板の厚
さが第1の光ディスクと異なる第2光ディスクの再生の
際には第1の分割面および第2の分割面を通過する光束
を利用する光ピックアップ装置が開示されている。しか
し、この対物レンズによれば、透明基板の厚い方の光デ
ィスク(例えば、CD)で残留収差が大きくなってしま
う。
12701号において、屈折面上に回折輪帯を設けた対
物レンズにより、波長の異なる複数の光源に対して回折
面と屈折面との作用を相殺させて球面収差を補正するよ
うにした光ピックアップ装置を提案した。この場合、波
長の短い方の光源において波長が変わると色収差が発生
してしまうことがある。
に異なる少なくとも2種類の波長の光源によって、透明
基板の厚みおよび記録密度が異なる、少なくとも2種類
の光情報記録媒体を再生または記録でき、透明基板の薄
い光情報記録媒体について色収差を低減させると同時に
透明基板の厚い光情報記録媒体について残留収差を半減
できるようにした対物レンズ、および、係る対物レンズ
を含む集光光学系を有する光ピックアップ装置を提供す
ることである。
に、本発明の対物レンズは、透明基盤の厚みおよび記録
密度が異なる少なくとも2種類の光情報記録媒体の情報
の記録および/または再生を行う光ピックアップ装置に
備えられ、前記光情報記録媒体の情報記録面に面する対
物レンズであって、少なくとも一つの面に回折パターン
が設けられ、前記光ピックアップ装置の第1の光源から
出射する波長がほぼλ1の光束の、前記回折パターンに
よるm次回折光(ただし、mは1つの整数)を少なくと
も利用することにより、透明基盤の厚さがt1である第
1の光情報記録媒体の情報の記録および/または再生が
行われるとともに、前記光ピックアップ装置の第2の光
源から出射する波長がほぼλ2(ただし、λ2>λ1)
の光束の、前記回折パターンによるn次回折光(ただ
し、nは1つの整数で、n=m=0を除く)を少なくと
も利用することにより、透明基盤の厚さがt2(ただ
し、t2>t1)である第2の光情報記録媒体の情報の
記録および/または再生が行われ、前記第1の光源から
出射する光束を用いて前記第1の光情報記録媒体に情報
を記録または再生するために必要となる、この対物レン
ズの前記光情報記録媒体側の開口数をNA1とし、前記
第2の光源から出射する光束を用いて前記第2の光情報
記録媒体に情報を記録または再生するために必要とな
る、この対物レンズの前記光情報記録媒体側の開口数を
NA2(ただし、NA2<NA1)とし、前記第2の光
源からの光束がこの対物レンズに入射した際に透過する
光束のうち前記光情報記録媒体側の開口数がほぼNA2
以下の部分の、前記第2の光情報記録媒体の透明基板を
介したときの波面収差の3次球面収差成分はオーバー
(補正過剰)であって、その絶対値の標準偏差値をWS
A2rms・λ2とすると、0.015≦WSA2rm
s≦0.06であり、前記第2の光源からの光束がこの
対物レンズに入射して透過する光束のうち、前記光情報
記録媒体側の開口数がほぼNA2以下の部分の前記第2
の光情報記録媒体の透明基板を介したときの球面収差曲
線と、前記光情報記録媒体側の開口数がほぼNA2を超
える部分の前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介し
たときの球面収差曲線とは不連続であり、前記第2の光
源からの光束がこの対物レンズに入射して透過する光束
のうち、前記光情報記録媒体側の開口数がNA1以下の
部分の、前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介した
ときの波面収差の標準偏差値が0.1・λ2以上である
ことを特徴とする。ここで、rmsとは、標準偏差値で
あることを示す。WSA2rmsとは、第2の光源から
の光束がこの対物レンズに入射した際に透過する光束の
うち光情報記録媒体側の開口数がほぼNA2以下の部分
の、第2の光情報記録媒体の透明基板を介したときの波
面収差の3次球面収差成分の標準偏差値WSA2rms
・λ2を、第2の光源から出射する光束の波長λ2を基
準単位として無次元化した値である。
あっても色収差を低減できるとともに、透明基板の厚い
第2の光情報記録媒体における球面収差を低減すること
ができる。また、近年、製造コスト削減のため、材料代
が少なくて済むように、透明基板の厚さを定められた規
格の下限もしくはそれ以下の厚みとした光ディスク(光
情報記録媒体)が出回っているが、この対物レンズによ
れば、規格に対して比較的薄い透明基板を有する第2の
光情報記録媒体の記録および再生時に、良好な結像性能
が得られる。また、前記第2の光源からの光束がこの対
物レンズに入射して透過する光束のうち、前記光情報記
録媒体側の開口数がほぼNA2以下の部分の前記第2の
光情報記録媒体の透明基板を介したときの球面収差曲線
と、前記光情報記録媒体側の開口数がほぼNA2を超え
る部分の前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介した
ときの球面収差曲線とは不連続であり、前記第2の光源
からの光束がこの対物レンズに入射して透過する光束の
うち前記光情報記録媒体側の開口数がほぼNA2を超え
る部分は、収差が大きくフレア光になっているので、こ
の対物レンズを透過する前記第2の光源からの光束のう
ち、前記光情報記録媒体側の開口数がほぼNA2以下の
部分により、情報記録面22にビームスポットが形成さ
れ、透明基板の厚い第2の光情報記録媒体の記録および
再生時に、良好な結像性能が得られる。
り、n=mであることが好ましい。また、前記対物レン
ズは単レンズからなり、前記回折パターンは前記単レン
ズに設けられていることが好ましい。また、前記M1お
よびM2は、ほぼ0であることが好ましく、これによれ
ば、光源の位置調整等が容易となる。具体的には、受光
器の単一化および第1の光源と第2の光源との1パッケ
ージ化が可能となる。
物レンズに入射して透過する光束のうち前記光情報記録
媒体側の開口数がほぼNA2を超える部分の、最も光軸
に近い光線が前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介
して収束する位置が、前記第2の光源からの光束がこの
対物レンズに入射して透過する光束のうち前記光情報記
録媒体側の開口数がNA2以下の部分の、前記第2の光
情報記録媒体の透明基板を介したときの波面収差が最小
となる位置よりも、前記対物レンズから遠く、その差が
5μm以上であると、前記第2の光源からの光束がこの
対物レンズに入射して透過する光束のうち前記光情報記
録媒体側の開口数がほぼNA2を超える部分の光束がフ
レアとなるため、ビームスポットが対物レンズにより絞
られすぎることがないだけでなく、開口制限等が不要と
なり、集光光学系が簡単となる。ここで、前記第2の光
情報記録媒体の透明基板を介したときの前記球面収差曲
線は、開口数がNA2の付近で不連続となって、開口数
がほぼNA2以下の部分と、ほぼNA2を超える部分と
に分けることができるが、開口数がほぼNA2を超える
部分の光束とは、その後者の部分に当たる光束のことを
示す。
物レンズに入射して透過する光束のうち最も光軸から離
れた光線が前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介し
て収束する位置が、前記第2の光源からの光束がこの対
物レンズに入射して透過する光束のうち前記光情報録媒
体側の開口数がNA2以下の部分の、前記第2の光情報
記銀媒体の透明基板を介したときの波面収差が最小とな
る位置よりも、前記対物レンズから遠く、その差が15
μm以上であることが更に好ましい。差が15μm以上
あると、第2の光源からの光束のうち、開口数がNA1
近傍の光線の収差が大きくなるため、ビームスポットが
対物レンズにより絞られすぎることはなくなる。
30であることが好ましく、球面収差を回折により完全
補正する場合よりも輪帯数を減らすことができ、対物レ
ンズの製造が容易となる。
光源から出射する光束を、請求項1〜8のいずれかに記
載の対物レンズを含む集光光学系により光情報記録媒体
の透明基板を介して情報記録面上に集光して情報の記録
または再生を行うように構成され、透明基板の厚みおよ
び記録密度が異なる少なくとも2種類の光情報記録媒体
の情報の記録および/または再生を行う光ピックアップ
装置であって、前記第1の光源と、前記第2の光源と、
前記第1の光源および前記第2の光源から出射する光束
の光情報記録媒体からの反射光を受光する光検出器と、
を備えることを特徴とする。
0である場合には、前記第1の光源と前記第2の光源と
がユニット化され、前記光検出器は、前記第1の光源お
よび前記第2の光源に対し共通であることが好ましい。
えばCDとDVDとを記録または再生可能とするような
光学系の1以上の集合であって、光情報記録媒体の情報
の記録または再生を可能とするための光学系全体のみな
らず、その光学系の一部を意味するものであってもよ
く、対物レンズを含むものである。
は、例えば、CD, CD-R, CD-RW, CD-Video, CD-ROM等の
各種CD、DVD, DVD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD-RW等の
各種DVD、あるいはMD等のディスク状の情報記録媒
体が挙げられる。一般に、光情報記録媒体の情報記録面
上には透明基板が存在する。
再生とは、上記のような光情報記録媒体の情報記録面上
に情報を記録すること、および、情報記録面上に記録さ
れた情報を再生することをいう。本発明における集光光
学系は、記録あるいは再生の一方を行うために用いられ
るものであってもよいし、記録および再生の両方を行う
ために用いられるものであってもよい。また、ある光情
報記録媒体に対しては記録を行い、別の光情報記録媒体
に対しては再生を行うために用いられるものであっても
よいし、ある光情報記録媒体に対しては記録または再生
を行い、別の光情報記録媒体に対しては記録および再生
を行うために用いられるものであってもよい。なお、こ
こでいう再生とは、単に情報を読み取ることを含むもの
である。
λ1)と第2の光源(波長λ2)は、λ2>λ1であっ
て、互いに十分な波長差を有する波長の光をそれぞれ出
射する。このような第1および第2の光源からの光の波
長の差は、上記の光情報記録媒体の種類や記録密度の相
違のほかに、例えば、情報記録媒体の透明基板の厚さの
相違や記録と再生との相違等のために必要となる。
アップ装置に光情報記録媒体を装填した状態において、
最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置
される集光作用を有する1枚のレンズを指し、広義には
そのレンズと共に、アクチュエータによって少なくとも
その光軸方向に作動可能なレンズ群を指すものとする。
ここで、係るレンズ群には、少なくとも1枚以上のレン
ズを指すものであり、単レンズのみからなるものも含
む。従って、本明細書中において、対物レンズの光情報
記録媒体側の開口数NAとは、対物レンズの最も光情報
記録媒体側に位置するレンズ面の開口数NAを指すもの
である。また、この開口数NAは、光ピックアップ装置
に設けられた絞りやフィルタ等の絞り機能を有する部品
又は部材や、対物レンズなどの光学素子上に設けられた
回折パターンなどによって、最良像点におけるスポット
の形成に寄与する光束が制限された結果として定義され
る開口数NAである。
表面に、レリーフを設けて、回折によって光束を集光あ
るいは発散させる作用を持たせたパターンをいい、同一
光学面に回折を生じる領域と生じない領域がある場合
は、回折を生じる領域をいう。レリーフの形状として
は、例えば、光学素子の表面に、光軸を中心とする同心
円状の輪帯として形成され、光軸を含む平面でその断面
をみれば各輪帯は鋸歯のような形状が知られているが、
そのような形状を含むものである。
置および対物レンズの実施の形態について、図面を参照
しつつ説明する。図1は、本実施の形態の光ピックアッ
プ装置の概略構成を示す図である。
報記録媒体であるDVD(第1の光情報記録媒体)、C
D(第2の光情報記録媒体)のそれぞれについて、第1
の光源から出射する波長がほぼ650nm(λ1)の
光、または第2の光源から出射する波長がほぼ780n
m(λ2)の光によって、その情報記録面から情報を読
み取るように構成されている。
は、DVD用として波長650nmの光を出射する第1
の半導体レーザ111と、CD用として波長780nm
の光を出射する第2の半導体レーザ112が光源として
ユニット化されている。また、コリメータ13と対物レ
ンズ16との間にビームスプリッタ120が配置され、
コリメータ13によってほぼ平行にされた光がビームス
プリッタ120を通過し対物レンズ16へ向かう。そし
て、透明基板21を有する光ディスク(DVDまたはC
D)20の情報記録面22で反射した光束が、光路変更
手段としてのビームスプリッタ120によって光検出器
30に向かう。対物レンズ16はその外周にフランジ部
16aを有し、このフランジ部16aにより対物レンズ
16を光ピックアップ装置に容易に取り付けることがで
きる。また、フランジ部16aは対物レンズ16の光軸
に対しほぼ垂直方向に延びた面を有するので、取付の精
度を高くすることが容易にできる。
は、図1に実線で示すように、第1の半導体レーザ11
1から出射された光束が、コリメータ13を透過し平行
光束となる。さらにビームスプリッタ120を経て絞り
17によって絞られ、対物レンズ16によりDVD20
の透明基板21を介して情報記録面22に集光される。
そして、情報記録面22で情報ピットにより変調されて
反射した光束は、再び対物レンズ16、絞り17を介し
て、ビームスプリッタ120で反射され、シリンドリカ
ルレンズ180により非点収差が与えられ、凹レンズ5
0を経て、光検出器30上ヘ入射し、光検出器30から
出カされる信号を用いて、DVD20に記録された情報
の読み取り信号が得られる。
変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出や
トラック検出を行う。この検出結果に基づいて、2次元
アクチュエータ150が第1の半導体レーザ111から
の光束をDVD20の情報記録面22上に結像するよう
に対物レンズ16を移動させるとともに、第1の半導体
レ―ザ111からの光束を所定のトラックに結像するよ
うに対物レンズ16を移動させる。
合は、図1に破線で示すように、第2の半導体レーザ1
12から出射された光束が、コリメータ13を透過し平
行光束となる。さらにビームスプリッタ120を経て絞
り17によって絞られ、対物レンズ16によりCD20
の透明基板21を介して情報記録面22に集光される。
そして、情報記録面22で情報ピットにより変調されて
反射した光束は、再び対物レンズ16、絞り17を介し
て、ビームスプリッタ120で反射され、シリンドリカ
ルレンズ180により非点収差が与えられ、凹レンズ5
0を経て、光検出器30上ヘ入射し、光検出器30から
出力される信号を用いて、CD20に記録された情報の
読み取り信号が得られる。
変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出や
トラック検出を行う。この検出結果に基づいて、2次元
アクチュエータ150が第2の半導体レーザ112から
の光束をCD20の情報記録面22上に結像するように
対物レンズ16を移動させるとともに、第2の半導体レ
ーザ112からの光束を所定のトラックに結像するよう
に対物レンズ16を移動させる。
設けられた単レンズであり、この対物レンズ16を透過
する第2の半導体レーザ112からの光束のうち、CD
側の開口数がNA2以下の部分の、CDの透明基板を介
したときの波面収差の3次球面収差成分はオーバー(補
正過剰)とされており、その絶対値をWSA2rms・
λ2として、0.015≦WSA2rms≦0.06と
なるように設計され、この範囲だけ残留収差がある。こ
こで、NA1は、第1の半導体レーザ111から出射す
る光束を用いてDVDに情報を記録または再生するため
に必要な、DVD側の必要開口数である。また、NA2
は、第2の半導体レーザ112から出射する光束を用い
てCDに情報を記録または再生するために必要な、CD
側の必要開口数である。
2の半導体レーザ112からの光束が回折パターンを通
過することにより発生する各回折光は、0次以外の同次
数の回折光である。また、DVDの記録または再生時に
おける対物レンズ16のDVD側の結像倍率M1と、C
Dの記録または再生時における対物レンズ16のCD側
の結像倍率M2とはほぼ等しく、ほぼ0である。このた
め、図1に示す光ピックアップ装置では、光検出器が1
個で済むとともに、第1の半導体レーザ111と第2の
半導体レーザ112とは一体の部品として構成すること
が可能となっている。
録媒体をDVD(光源波長:約650nm)とし、第2
の光情報記録媒体をCD(光源波長:約780nm)と
しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、第1の光情報記録媒体を次世代高密度光ディス
ク(光源波長:約400nm)、第2の光情報記録媒体
をDVD(光源波長:約650nm)などとしてもよ
い。
する。本実施の形態における集光光学系は、両面非球面
の単レンズであり、一方の非球面上には回折パターンと
して回折輪帯(輪帯状の回折面)が設けられている。
〔数1〕で表される非球面形状に形成されている。
る)、hは光軸と垂直方向の軸(光軸からの高さ)、r
は近軸曲率半径、κは円錐係数、Aは非球面係数であ
る。
差関数若しくは光路差関数を使って定義される。具体的
には、位相差関数Φbは単位をラジアンとして以下の
〔数2〕で表され、光路差関数ΦBは単位をmmとして
〔数3〕で表わされる。
ピッチを表わす意味では同等である。すなわち、ブレー
ズ化波長λ(単位mm)に対し、位相差関数の係数b
に、λ/2πを掛ければ光路差関数の係数Bに換算で
き、また逆に光路差関数の係数Bに、2π/λを掛けれ
ば位相差関数の係数bに換算できる。
体例として実施例1、2を説明する。各実施例の対物レ
ンズは単レンズである。
1の基準波長λ1=655nmまたは第2の基準波長λ
1=785nmの光束が入射した際の焦点距離fがそれ
ぞれ、3.05mm、3.07mmとほぼ等しくなって
いる。そして、第1の基準波長λ1=655nm、開口
数NA1=0.600、DVDの透明基板の厚さt1=
0.6mmおよび、第2の基準波長λ1=785nm、
開口数NA2=0.463、CDの透明基板の厚さt2
=1.2mmに対して、十分な結像性能を有する。ま
た、第1の基準波長λ1、DVDの透明基板の厚さt1
に対して、ほぼ無収差になっている。第2の基準波長λ
2、透明基板厚さt2に対しては、開口数NA2以下の
部分において、球面収差はオーバーに残留している。な
お、以下において像側とは、光情報記録媒体側を意味す
る。
お、以下の表1、表2において例えば「2.2E−0
2」は「2.2×10-2」を意味する。
準波長λ1=655nm、DVDの透明基板の厚さt1
=0.6mmにおける縦球面収差図であり、図3はこの
場合の実施例1の対物レンズの光路図である。図2から
分かるように、第1の基準波長λ1では、球面収差の補
正が十分にされていることが分かる。また、図4は、実
施例1の対物レンズの第2の基準波長λ2=785n
m、CDの透明基板の厚さt1=1.2mmにおける縦
球面収差図であり、図5はこの場合の実施例1の対物レ
ンズの光路図である。図4から分かるように、第2の基
準波長λ2では、開口数の小さい部分(像側の開口数N
AがNA2=0.463以下の部分)で球面収差をオー
バー(補正過剰)にしており、波面収差の3次球面収差
成分の標準偏差値は0.017・λ2である。更に、対
物レンズの第1面が第1領域と第2領域とに2分割さ
れ、第2の基準波長λ2において球面収差の不連続な部
分が設けられている。そして、この不連続な部分を境と
して、第1領域(像側の開口数NAがNA2=0.46
3以下の部分)を透過する光束により情報記録面22に
ビームスポットを形成し、第2領域(像側の開口数NA
がNA2=0.463を超える部分)を透過する光束が
フレア光になっているので、良好な結像性能が得られ
る。
1の基準波長λ1=663nmまたは第2の基準波長λ
1=788nmの光束が入射した際の焦点距離fがそれ
ぞれ、3.36mm、3.38mmとほぼ等しくなって
いる。そして、第1の基準波長λ1=663nm、開口
数NA1=0.600、DVDの透明基板の厚さt1=
0.6mmおよび、第2の基準波長λ1=788nm、
開口数NA2=0.455、CDの透明基板の厚さt2
=1.2mmに対して、十分な結像性能を有する。ま
た、第1の基準波長λ1、透明基板厚さt1に対して、
ほぼ無収差になっている。第2の基準波長λ2、透明基
板厚さt2に対しては、開口数NA2以下の部分におい
て、球面収差がオーバーに残留しており、波面収差の3
次球面収差成分の標準偏差値は0.058・λ2であ
る。
準波長λ1=663nm、DVDの透明基板の厚さt1
=0.6mmにおける球面収差図であり、図7はこの場
合の実施例2の対物レンズの光路図である。図6から分
かるように、第1の基準波長λ1では、球面収差の補正
が十分にされていることが分かる。また、図8は、実施
例2の対物レンズの第2の基準波長λ2=788nm、
CDの透明基板の厚さt2=1.2mmにおける球面収
差図であり、図9はこの場合の実施例2の対物レンズの
光路図である。図8から分かるように、第2の基準波長
λ2でも、開口数NA2以下の部分において、球面収差
の補正が十分にされていることが分かる。更に、対物レ
ンズの第1面が第1領域と第2領域とに2分割され、第
2の基準波長λ2において球面収差の不連続な部分が設
けられている。そして、この不連続な部分を境として、
第1領域(像側の開口数NAがNA2=0.455以下
の部分)を透過する光束により情報記録面22にビーム
スポットを形成し、第2領域(像側の開口数NAがNA
2=0.455を超える部分)を透過する光束がフレア
光になっているので、良好な結像性能が得られる。
はオレフィン系樹脂を使用し、DVDおよびCDの透明
基板の材料にはポリカーボネート樹脂(PC)を使用し
ている。これらの材料の屈折率を、各基準波長につい
て、表3に示す。
複数の輪帯について説明する。これらの輪帯は、レンズ
面に複数の輪帯が光軸を中心としたほぼ同心円状に形成
されており、レンズの像側の最大開口数に対応する輪帯
のピッチPF、最大開口数の1/2の開口数に対応する
輪帯のピッチPHの実施例を、残留収差のない場合の比
較例とともに示す。
残留収差なしの比較例のレンズに比べて減少させること
ができるので、レンズの回折パターンを形成し易く、レ
ンズの製造コストを低減できる。
も2つの波長の光源により厚さの異なる透明基板を有す
る少なくとも2種類の光情報記録媒体を再生または記録
でき、透明基板の薄い光情報記録媒体について色収差を
低減させると同時に透明基板の厚い光情報記録媒体につ
いて残留収差を半減できるようにした対物レンズ、およ
び係る対物レンズを含む集光光学系を有する光ピックア
ップ装置を提供できる。また、第2の光源からの光束が
集光光学系に入射した際に対物レンズを透過する光束の
うち、光情報記録媒体側の開口数がNA2を超える部分
は、フレア光になっているので、同光束の開口数がほぼ
NA2以下の部分により、情報記録面22にビームスポ
ットが形成され、透明基板の厚い第2の光情報記録媒体
の記録および再生時に、良好な結像性能が得られる。
成を示す光路図である。
ズの第1の基準波長λ1=655nmに対する縦球面収
差図である。
である。
785nmに対する縦球面収差図である。
である。
ズの第1の基準波長λ1=663nmに対する縦球面収
差図である。
である。
788nmに対する縦球面収差図である。
である。
Claims (10)
- 【請求項1】 透明基盤の厚みおよび記録密度が異なる
少なくとも2種類の光情報記録媒体の情報の記録および
/または再生を行う光ピックアップ装置に備えられ、前
記光情報記録媒体の情報記録面に面する対物レンズであ
って、 少なくとも一つの面に回折パターンが設けられ、 前記光ピックアップ装置の第1の光源から出射する波長
がほぼλ1の光束の、前記回折パターンによるm次回折
光(ただし、mは1つの整数)を少なくとも利用するこ
とにより、透明基盤の厚さがt1である第1の光情報記
録媒体の情報の記録および/または再生が行われるとと
もに、 前記光ピックアップ装置の第2の光源から出射する波長
がほぼλ2(ただし、λ2>λ1)の光束の、前記回折
パターンによるn次回折光(ただし、nは1つの整数
で、n=m=0を除く)を少なくとも利用することによ
り、透明基盤の厚さがt2(ただし、t2>t1)であ
る第2の光情報記録媒体の情報の記録および/または再
生が行われ、 前記第1の光源から出射する光束を用いて前記第1の光
情報記録媒体に情報を記録または再生するために必要と
なる、この対物レンズの前記光情報記録媒体側の開口数
をNA1とし、 前記第2の光源から出射する光束を用いて前記第2の光
情報記録媒体に情報を記録または再生するために必要と
なる、この対物レンズの前記光情報記録媒体側の開口数
をNA2(ただし、NA2<NA1)とし、 前記第2の光源からの光束がこの対物レンズに入射した
際に透過する光束のうち前記光情報記録媒体側の開口数
がほぼNA2以下の部分の、前記第2の光情報記録媒体
の透明基板を介したときの波面収差の3次球面収差成分
はオーバーであって、その絶対値の標準偏差値をWSA
2rms・λ2とすると、 0.015≦WSA2rms≦0.06 であり、 前記第2の光源からの光束がこの対物レンズに入射して
透過する光束のうち、前記光情報記録媒体側の開口数が
ほぼNA2以下の部分の前記第2の光情報記録媒体の透
明基板を介したときの球面収差曲線と、前記光情報記録
媒体側の開口数がほぼNA2を超える部分の前記第2の
光情報記録媒体の透明基板を介したときの球面収差曲線
とは不連続であり、 前記第2の光源からの光束がこの対物レンズに入射して
透過する光束のうち、前記光情報記録媒体側の開口数が
NA1以下の部分の、前記第2の光情報記録媒体の透明
基板を介したときの波面収差の標準偏差値が0.1・λ
2以上であることを特徴とする対物レンズ。 - 【請求項2】 前記mは0を除く一つの整数であり、n
=mであることを特徴とする請求項1に記載の対物レン
ズ。 - 【請求項3】 単レンズからなり、前記回折パターンは
前記単レンズに設けられていることを特徴とする請求項
1または2に記載の対物レンズ。 - 【請求項4】 前記第1の光情報記録媒体の情報の記録
または再生時における、前記光情報記録媒体側から見た
結像倍率をM1とし、 前記第2の光情報記録媒体の情報の記録又は再生時にお
ける、前記光情報記録媒体側から見た結像倍率をM2と
して、 M1とM2とはほぼ等しいことを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の対物レンズ。 - 【請求項5】 前記M1およびM2は、ほぼ0であるこ
とを特徴とする請求項4に記載の対物レンズ。 - 【請求項6】 前記第2の光源からの光束がこの対物レ
ンズに入射して透過する光束のうち前記光情報記録媒体
側の開口数がほぼNA2を超える部分の、最も光軸に近
い光線が前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介して
収束する位置が、前記第2の光源からの光束がこの対物
レンズに入射して透過する光束のうち前記光情報記録媒
体側の開口数がNA2以下の部分の、前記第2の光情報
記録媒体の透明基板を介したときの波面収差が最小とな
る位置よりも、前記対物レンズから遠く、その差が5μ
m以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載の対物レンズ。 - 【請求項7】 前記第2の光源からの光束がこの対物レ
ンズに入射して透過する光束のうち最も光軸から離れた
光線が前記第2の光情報記録媒体の透明基板を介して収
束する位置が、前記第2の光源からの光束がこの対物レ
ンズに入射して透過する光束のうち前記光情報録媒体側
の開口数がNA2以下の部分の、前記第2の光情報記銀
媒体の透明基板を介したときの波面収差が最小となる位
置よりも、前記対物レンズから遠く、その差が15μm
以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
記載の対物レンズ。 - 【請求項8】 前記回折パターンの輪帯数が5から30
のいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいず
れかに記載の対物レンズ。 - 【請求項9】 光源から出射する光束を、請求項1〜8
のいずれかに記載の対物レンズを含む集光光学系により
光情報記録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光
して情報の記録または再生を行うように構成され、透明
基板の厚みおよび記録密度が異なる少なくとも2種類の
光情報記録媒体の情報の記録および/または再生を行う
光ピックアップ装置であって、 前記第1の光源と、 前記第2の光源と、 前記第1の光源および前記第2の光源から出射する光束
の光情報記録媒体からの反射光を受光する光検出器と、
を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 【請求項10】 前記第1の光源と前記第2の光源とが
ユニット化され、前記光検出器は、前記第1の光源およ
び前記第2の光源に対し共通であることを特徴とする請
求項9に記載の光ピックアップ装置。
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