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JP2003119456A - 耐透湿性に優れた無機質材用水性シーラー及びシーラー塗装無機質材の製造方法 - Google Patents

耐透湿性に優れた無機質材用水性シーラー及びシーラー塗装無機質材の製造方法

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JP2003119456A
JP2003119456A JP2001317161A JP2001317161A JP2003119456A JP 2003119456 A JP2003119456 A JP 2003119456A JP 2001317161 A JP2001317161 A JP 2001317161A JP 2001317161 A JP2001317161 A JP 2001317161A JP 2003119456 A JP2003119456 A JP 2003119456A
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inorganic material
water
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inorganic
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Masao Yamada
雅夫 山田
Yuichi Inada
祐一 稲田
Masaaki Shinohara
政明 篠原
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐透水性、耐透湿性および耐ブロッキング性
に優れる塗膜を形成する無機質 材用シーラーに関す
る。 【解決手段】コア・シェル型ビニル系樹脂エマルション
を含有する水性シーラーであり、該コア・シェル型ビニ
ル系樹脂がシェル部を構成するモノマー成分として、分
子末に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アクリ
ル系モノマーを必須成分として含有することを特徴とす
る耐透湿性に優れた無機質材用水性シーラー及び無機質
材の生後に上記シーラーを塗装してなるシーラー塗装無
機質材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、耐透水性、耐透湿
性、耐ブロッキング性、上塗り付着性等がすぐれたシー
ラー被膜を形成する無機建材用水性シーラーに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】 近年、建物の外壁材とし
て、無機材料を板状に成形した後、一次養生、オートク
レーブ養生前シーラー塗布、乾燥、オートクレーブ養
生、切削加工、プレヒートを行った後、オートクレーブ
養生後シーラー塗装、次いで乾燥を行うことによりシー
ラー板を製造、もしくは上記オートクレーブ養生後シー
ラー塗装後、上塗り塗装、乾燥を行うことにより上塗り
板が製造されている。
【0003】上記したオートクレーブ養生前シーラー
は、耐エフロレッセンス性、オートクレーブ養生後シー
ラー塗膜との密着性等の性能が要求され、また、オート
クレーブ養生後シーラーは、耐透水性、耐透湿性、耐ブ
ロッキング性、オートクレーブ養生前シーラー及び上塗
り塗膜との付着性等の性能が要求される。
【0004】従来、上記したオートクレーブ養生後シー
ラーとしては、有機溶剤系シーラーが多く使用されてき
たが公害、安全性、衛生性等の面から水性シーラーに置
き換わってきている。この様な水性シーラーとしては、
アクリル酸モノマー等の酸モノマー、メチルメタクリレ
ートモノマー、スチレン等の硬質モノマー、n−ブチル
アクリレート等の軟質モノマーを通常スチレンモノマー
としては10重量%以下の範囲で配合したモノマーをラ
ジカル共重合反応させてなる共重合体を水に分散したも
のが一般的に使用されている。
【0005】しかしながら、上記した共重合体を使用し
た水性シーラーは、耐透水性、耐透湿性等の性能が悪
く、特にオートクレーブ養生後シーラーとして使用する
には不十分なものであった。
【0006】また、従来の水性シーラーは、例えば共重
合体のガラス転移温度を低くすると被膜の耐ブロッキン
グ性が低下し、一方、共重合体のガラス転移温度を高く
すると被膜の耐ブロッキング性は向上するが造膜性が悪
くなって耐透水性、耐透湿性が低下し、両者の性能を共
に満足させるものが得られていないのが実情である。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の目的は水性シ
ーラーにおける上記の欠陥を解消することであり、鋭意
研究の結果、無機質材用水性シーラーとして、特定のビ
ニル系樹脂エマルションを主な樹脂成分として含有する
水性シーラーを使用することにより、目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、1、コア・シェル型
ビニル系樹脂エマルションを含有する水性シーラーであ
り、該コア・シェル型ビニル系樹脂がシェル部を構成す
るモノマー成分として、分子末端に炭素数10以上のア
ルキル基を有する長鎖アクリル系モノマーを必須成分と
して含有することを特徴とする耐透湿性に優れた無機質
材用水性シーラー、2、該長鎖アクリル系モノマーが、
シェル部を構成するモノマー成分として、5〜30重量
%であることを特徴とする無機質材用水性シーラー、
3、コア・シェル型ビニル系樹脂エマルションにおい
て、シェル部のガラス転移温度がコア部のガラス転移温
度よりも1℃以上高い無機質材用水性シーラー、4、無
機質材用水性シーラーとして、該無機質材用水性シーラ
ーの樹脂固形分100重量部に対して無機質充填材を2
0〜170重量部含有してなることを特徴とする無機質
材用水性シーラー、5、無機質充填材として、吸油量が
樹脂100gに対して10〜40gである無機質充填材
を含有することを特徴とする無機質材用水性シーラー、
6、無機質充填材として、扁平状無機質充填材を含有す
ることを特徴とする無機質材用水性シーラー、7、無機
質材用水性シーラーとして、水に対する溶解度(20
℃)が10重量%以下の造膜助剤を含有してなることを
特徴とする無機質材用水性シーラー、8、無機質材の養
生後に上記の無機質材用シーラーを塗装してなるシーラ
ー塗装無機質材の製造方法に係わる。
【0009】
【発明の実施の形態】 本発明で使用するビニル系樹脂
エマルションは、ビニル系樹脂を主な樹脂成分として含
有するエマルションであり、ビニル系樹脂が該樹脂を構
成するモノマー成分として、コア・シェル型ビニル系樹
脂エマルションを含有する水性シーラーであり、該コア
・シェル型ビニル系樹脂がシェル部を構成するモノマー
成分として、分子末端に炭素数10以上のアルキル基を
有する長鎖アクリル系モノマーを必須成分として含有す
るエマルションである。
【0010】該長鎖アクリル系モノマーとしては、例え
ば、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸ラウリ
ル、、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸n−デシル、アクリ
ル酸ラウリル、、アクリル酸セチル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸ベヘニルなどが挙げられる。また、ア
ルキル基の炭素数に分布のある下記のような混合物も使
用できる。ブレンマーDSMA(C10〜C18アルキ
ルメタクリレート)、ブレンマーSLMA(C12〜C
13アルキルメタクリレート)、ブレンマーPMA(C
12〜C15アルキルメタクリレート)、ブレンマーV
MA−70(C18〜C24アルキルメタクリレー
ト)、ブレンマーSLA(C12〜C13アルキルメタ
クリレート)、以上、日本油脂社製モノマーなどが挙げ
られる。
【0011】その配合割合としては、該長鎖アクリル系
モノマーが、シェル部を構成するモノマー成分として、
5〜30重量%、好ましくは5〜25重量%である。
【0012】該長鎖アクリル系モノマーの量が5重量%
以下では耐透水性、耐透湿性が劣る。60重量%を超え
ると上塗り付着性が不良となる。
【0013】また、シェル部のビニル系樹脂は、該長鎖
アクリル系モノマーとその他のラジカル共重合性モノマ
ーがラジカル共重合反応させられる。該その他のラジカ
ル共重合性モノマーとしては、該長鎖アクリル系モノマ
ーと実質的にラジカル共重合反応するものであれば、特
に制限なしに従来から公知のその他のラジカル共重合性
モノマーを使用することができる。具体的には、例え
ば、下記のモノマーを挙げることができる。
【0014】(a)カルボキシル基含有不飽和単量体:
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
【0015】(b)アクリル酸またはメタクリル酸と炭
素数1〜9のモノアルコ−ルとのエステル化物;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n
−,i−,t−)、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル
酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソ
プロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,tert
−)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ヘキシル、、メタクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、
メタクリル酸エトキシブチル等が挙げられる。
【0016】(c)ビニルエステル:例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バ−サチック酸ビニルなどが
挙げられる。
【0017】(d)シアン化ビニル:例えばアクリロニ
トリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0018】(e)ハロゲン化ビニル:例えば塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどが挙げられる。
【0019】(f)アミド系不飽和化合物:例えばアク
リルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリル
アミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロ−
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド
などが挙げられる。
【0020】(g)エポキシ不飽和化合物:例えばグリ
シジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどが
挙げられる。
【0021】(h)水酸基含有不飽和化合物:例えばヒ
ドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシエチルメタク
リレ−ト、ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ヒドロキ
シプロピルメタクリレ−トなどが挙げられる。
【0022】(i)シリル基含有不飽和化合物:例えば
ビニルトリメトキシシラン、メタクリル酸3−トリメト
キシシリルプロピルなどが挙げられる。
【0023】これらの単量体を共重合すると耐水性が向
上する。
【0024】(k)芳香族系ビニルモノマーとしては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、α−クロルスチレン等が挙げられる。
【0025】上記したその他のラジカル共重合性モノマ
ーは1種もしくは2種以上組み合せて使用することがで
きる。
【0026】また、コア部のビニル系樹脂は、上記その
他のラジカル共重合性モノマーの1種もしくは2種以上
のモノマーを同重合反応もしくは共重合反応させられ
る。また、コア部で使用するその他のモノマーにおいて
炭素数10以上のモノマーも使用することができるが、
シェル部を構成するモノマー成分の配合量よりも少ない
ことが望ましい。
【0027】また、上記した以外に、多官能性ラジカル
重合性単量体として、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシイソシアヌレートトリ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート、グリセロールア
リロキシジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス
(ヒドロキシメチル)エタンジ(メタ)アクリレート、
1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタントリ
(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、
トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、
ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ペンタ
エリスリトルジアリルエ−テル、ジビニルベンンなどが
使用できる。
【0028】また、シェル部とコア部との配合割合はこ
の両成分の合計重量を基準に、シェル部は0.05〜5
0重量%、特に0.5〜35重量%、コア部は99.9
5〜50重量%、特に99.5〜65重量%の範囲内が
適している。
【0029】また、コア・シェル型ビニル系樹脂エマル
ションにおいて、シェル部のガラス転移温度がシェル部
のガラス転移温度よりも1℃以上高いことが好ましい。
更に、コア部のガラス転移温度が−20〜50℃、特に
−10〜40℃、シェル部のガラス転移温度が40℃よ
り高く、特に50〜105℃の範囲内にあることが好ま
しい。
【0030】コア・シェル型エマルションにおいて、コ
ア部のガラス転移温度が−20℃より低くなると形成塗
膜がブロッキングしやすくなり、一方、50℃より高く
なると造膜性や低温物性(凍結融解試験)などが低下す
る。シェル部のガラス転移温度が40℃以下では形成塗
膜がブロッキングしやすくなり、さらに105℃以上に
なると造膜性や低温物性(凍結融解試験)などが低下す
るので、いずれも好ましくない。
【0031】本明細書において、重合体のガラス転移温
度(℃)は、下記式によって算出すること ができる。
【0032】1/Tg(゜K)=(W/T)+(W/
T)+・・ Tg(℃)=Tg(゜K)−273
式中 W、W、・・は共重合に使用されたモノマ
ーのそれぞれの重量%、T、 T、・・はそれぞれ単量
体のホモポリマ−のTg(゜K)を表わす。なお、T、
T、・・ は、Polymer Hand Book
(ScondEdition,J.Brandup・
E.H.Immergut 編)による値である。
【0033】また、モノマーのホモポリマーのTgが明
確でない場合のガラス転移温度(℃)は、単離塗膜をバ
イブロン動的粘弾性装置 DAYNAMIC VISCO ELASTOMETER
MODEL VIBRON DDV−IIEA型(TOYO BACDWIN CO. Lt
d)を用いて、周波数110ヘルツ、昇温速度3℃/分
において動的ガラス転移温度(℃)で測定した。試料は
ポリプロピレン板に塗装後、単離した塗膜で測定した。
【0034】コア部及びシェル部を構成するモノマー
は、該コア部及びシェル部が上記した性質を有するよう
に適宜、上記モノマーから適宜選択して使用される。
【0035】本発明シーラーは上記したビニル系樹脂エ
マルションをそのまま水性シーラーとして使用すること
もできるが、通常は必要に応じて着色顔料、体質顔料、
有機溶剤、水溶性樹脂、コロイダルディスパージョン、
可塑剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、表面張力調整剤、沈
降防止剤、造膜助剤、防腐剤、コロイダルシリカ、加水
分解性シラン基及び/又はヒドロキシシラン基含有化合
物などを配合して使用する。
【0036】また、パラフィンワックスを配合すること
でさらに疎水性を高めて耐透湿性を高める事もできる。
【0037】パラフィンワックスを配合するときはコア
重合時のプレエマルション中に配合すれば貯蔵時の分離
などを起こす事がなく、より有効である。
【0038】上記した顔料としては、着色顔料(例え
ば、チタン白、赤錆、オーカー、カーボンブラックな
ど)や無機質充填材(例えば、マイカ、タルク、バリ
タ、タンカルなど)が使用できる。
【0039】本発明においては、該無機質材用水性シー
ラーの樹脂固形分100重量部に対して無機質充填材を
20〜170重量部、好ましくは50〜120重量部の
範囲内で配合することが好ましい。配合割合が20重量
部未満になると耐ブロッキング性が劣り、一方、170
重量部を超えると耐凍害性が劣るので好ましくない。
【0040】また、無機質充填材の中でも例えば、マイ
カ、タルクなどの扁平状の無機充填材が塗膜に耐透湿性
を付与することからこのものを使用することが好まし
い。
【0041】無機質充填材として、給油量が樹脂100
gに対して10〜40g、特に15〜35gの範囲内の
ものが好ましい。吸油量が15g未満になると耐水性が
劣り、一方、35gを超えると長鎖アルキル基を有する
モノマー成分との相互作用により耐透湿性が劣るので好
ましくない。
【0042】無機質材用水性シーラーとして、水に対す
る溶解度(20℃)が10重量%以下、好まくは7重量
%以下の造膜助剤を含有することが望ましい。水に対す
る溶解度(20℃)が10重量%を超えると長鎖アルキ
ル基を有するモノマー成分の配列が乱れて成膜性が落ち
て耐透湿性が悪くなるので好ましくない。
【0043】この様な造膜助剤としては、例えば、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素系化合物、テキサ
ノールなどのエステル系化合物、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエー
テルなどのポリプロピレングリコールのモノアルキルエ
ーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチ
レングリコールジブチルエーテルなどのポリエチレング
リコールのジアルキルエーテル、等が挙げられる。
【0044】造膜助剤の含有量は、特に制限されない
が、エマルションの樹脂固形分100重量部あたり、
0.1〜25重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲
内である。
【0045】本発明シーラーにおいて、カルボニル基含
有不飽和化合物を共重合している場合、ポリヒドラジド
化合物架橋剤を配合することにより架橋塗膜を形成する
ことができる。
【0046】上記ポリヒドラジド化合物は、1分子中に
ヒドラジド基(−CO−NH−NH2 )を2個以上含
有する上記カルボニル基と反応して架橋構造を作る化合
物である。
【0047】ポリヒドラジド化合物の代表的な具体例と
しては、例えば、カルボジヒドラジド等のジヒドラジ
ド、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク
酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸
ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、エイコ酸ピロ
メリット酸ジヒドラジド、ピロメリト酸トリヒドラジ
ド、ピロメリット酸テトラヒドラジドなどの芳香族ポリ
ヒドラジド、及びマレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジ
ヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフ
ィン性不飽和ジヒドラジド、ビスセミカルバジド、ポリ
アクリル酸ポリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジ/
カルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインなどの
その他のポリヒドラジドなどが挙げられる。
【0048】ポリヒドラジド化合物の配合割合は、樹脂
の有するカルボニル基に対して0〜2当量、好ましくは
0〜1当量の範囲である。
【0049】また、本発明の水性シーラーは、セメント
を主成分とし、これにパルプやロックウールなどの補強
繊維、珪砂等の珪酸質材料、、さらには無機質充填剤を
配合した組成物を、抄造法あるいはプレス成形などの手
段により成形して水硬化させてなる無機質硬化材(例え
ば、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、木片セメント
板、パルプセメント板、軽量気泡コンクリート板)など
に塗装することができる。
【0050】本発明のシーラーは,無機質材の養生後に
塗装する養生後シーラーとして使用することが好まし
い。
【0051】無機質材の養生としてはオートクレーブ養
生を行う場合と行わない場合があるが、オートクレーブ
養生を行わない場合は、1次養生の後、オートクレーブ
養生を行う場合にはオートクレーブ養生の後に塗装する
のが望ましい。
【0052】オートクレーブ養生は、特に制限なしに窯
業系基材で採用されている条件で行うことができる。
【0053】オートクレーブ養生を行わない場合には、
下地処理としてアクリルエマルション、エポキシエマル
ションなどを塗布した後に本発明のシーラーを塗装して
もよい。
【0054】オートクレーブ養生を行う場合は、通常オ
ートクレーブ養生時のエフロ発生を抑制するためにオー
トクレーブ前シーラーが塗布されるので、オートクレー
ブ養生後、オートクレーブ前シーラー塗膜の上に本発明
のシーラーが塗布されることになる。
【0055】オートクレーブ養生前シーラーは従来から
公知のものを使用することができる。
【0056】本発明の水性シーラーの塗装固形分は1〜
65重量%、好ましくは3〜60重量%の濃度で使用さ
れる。固形分が1重量%未満になると塗装膜厚を確保す
るために塗装回数が多くなるので塗装作業性が悪くな
り、一方65重量%を越えると基材に対する浸透性が劣
るため基材(オートクレーブ前シーラーが塗布されてい
る場合はオートクレーブ前シーラー)との付着性が悪く
なる。
【0057】本発明のシーラーの塗布量(固形分換算)
は、1〜200g/m2 、好ましくは5〜180g/
m2 の範囲である。塗布量が1g/m2 未満になる
と耐透水性、耐透湿性が低下し、一方200g/m2
を越えると耐ブロッキング性等が低下するので好ましく
ない。
【0058】本シーラーはクリヤもしくはエナメル化し
た塗料を単独で塗装するのみでなく、クリヤの上にエナ
メル化したものを塗装するなどの工程をとることもでき
る。この場合、本シーラーのクリヤ層のみで耐透湿性が
達成できる場合、耐ブロッキング性などの性能を有する
既知のアクリルエマルション系エナメル塗料やスチレン
アクリル系エナメル塗料などを塗り重ねる事もできる。
【0059】次いで、本発明のシーラーの塗装方法は、
特に制限なしに従来から公知の塗装方法、 例えば、ロ
ーラー、刷毛、スプレー、浸漬、フローコーター(カー
テンフローコーターなど)等の方法で行うことができ
る。
【0060】本発明のシーラーの乾燥は、例えば、通常
の乾燥炉、熱風乾燥炉、ジェットヒーターなどで、雰囲
気温度50℃〜200℃好ましくは70℃〜150℃で
10秒〜30分好ましくは20秒〜20分、さらに好ま
しくは30秒〜10分程度乾燥させるのがよい。
【0061】無機質材は本発明のシーラーなどのオート
クレーブ養生後シーラーを塗装してシーラー板として出
荷される場合と、さらに上塗まで塗装して上塗板として
出荷される場合が有る。
【0062】上塗り塗料は従来から公知の上塗り塗料を
特に制限なしに使用することができる。上 塗り塗料と
しては、例えばアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、塩化
ビニル樹脂系、繊維素樹脂系、シリコーン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素樹脂系及びこ
れらの2種以上の変性樹脂やブレンド樹脂等を使用する
ことができる。また、上塗り塗料はラッカータイプもし
くは架橋タイプのものいずれにおいても使用することが
できる。上塗としては上記樹脂系の塗料を顔料化した塗
料を塗布する場合と、さらにその上に顔料の入らないク
リア塗料を塗布する場合があるが、何れの場合でも本発
明のシーラーを下塗りとして使用することができる。ま
た、上塗り塗料は水性、有機溶剤系、無溶剤系のいずれ
の塗料形態であっても構わない。
【0063】
【実施例】 次に、実施例を掲げて本発明を詳細に説明
する。尚、実施例及び比較例 中の部、%は重量基準で
ある。
【0064】エマルション製造例1 還流冷却器、攪拌機、温度計を装備した容量250mL
の4つ口フラスコに脱イオン水 37.5部、Newc
ol 707SF1.0部を加え、窒素置換後85℃ま
で昇温した。
【0065】この中に過硫酸アンモニウム0.1部と下
記コア組成物をエマルション化してなるプレエマルショ
ンの3.5%を添加し、添加20分後から前述のプレエ
マルションの残りを170分かけて滴下した。
【0066】コア組成物 脱イオン水 45.7部 スチレン 10.0部
メタクリル酸メチル24.0部 アクリル酸n−ブチ
ル 35.3部 メタクリル酸 0.7部30% Ne
wcol 707SF 3.9部 過硫酸アンモニウム
1.12部 滴下終了後1時間熟成してから、下記
シェル組成物をエマルション化してなる プレエマルシ
ョンを70分かけて滴下した。
【0067】シェル組成物 脱イオン水 19.6部 メタクリル酸メチル 23.
7部 アクリル酸n−ブチル 6.0部 メタクリル酸
0.3部 30% Newcol 707SF 1.
7部 過硫酸アンモニウム 0.06部 滴下終了後
30分経てから、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオ
ン水2部に溶解させた 溶液を30分かけて滴下し、さ
らに2時間85℃に保持した。その後40℃以下まで
温度を下げ、アンモニア水でpH7〜8に調整し、不揮
発分47.6%のアクリル共重合体エマルション1を得
た。
【0068】エマルション製造例2〜6 モノマー組成を表1のように変更した以外はエマルショ
ン製造例1と同様にしてアクリル共重合体エマルション
2〜6を得た。
【0069】
【表1】
【0070】ペースト製造例1 水50部、チタン白(CR−97、商品名、石原産業
(株)社製、吸油量18)50部、タルク(Tタルク
、商品名、竹原化学工業(株)社製、吸油量27)5
0部、ノプコサントK(商品名、サンノプコ(株)社
製) 2部、ノプコスパース44C(商品名、サンノプ
コ(株)社製)2部をペイントシェーカーで分散して顔
料ペーストを製造した。
【0071】ペースト製造例2、3 タルクをそれぞれ、タルカンPKS(商品名、林化成
(株)社製、吸油量31)および ハイミクロンHE−
5(竹原化学工業(株)、吸油量46)に変えた以外は
ペースト製造例1と 同様にしてペースト2、3を製造
した。
【0072】塗料製造例1 エマルション3の210部にテキサノール(水に対する
溶解度1%以下)を10部配合して塗料1を製造した。
【0073】塗料製造例2 エマルション3の210部にテキサノール(水に対する
溶解度1%以下)を10部、ペースト1の23部を配合
して塗料2を製造した。
【0074】塗料製造例3〜15 表2に示す配合を用いる事以外は塗料製造例2と同様に
して塗料3〜15を製造した。表2に塗料配合を示す。 表2
【表2】
【0075】試験方法および試験結果 耐透水性 上記塗料をスレート板に表3に示す固形分塗布量で塗装
して試験板を作成した。 表3
【0076】
【表3】
【0077】この試験板を使用してJIS K 5400
のロート法で耐透水性を評価した。
【0078】1ml/24時間以下を○とし、3ml/
24時間以下のものを△とし、3ml/24時間以上の
ものを×とした。
【0079】耐透湿性 :上記塗料をブリキ板に膜厚5
0μになるよう塗装したのちアマルガムで塗膜をはがし
てフリー塗膜を得た。
【0080】このフリー塗膜を使用してJIS Z 02
08の透湿試験をを行った。20g/m・24時間以
下のものを○、70g/m・24時間以下のものを△
とし、70g/m・24時間以上のものを×とした。
【0081】耐ブロッキング性: 耐透水性試験と同様
にして作成した試験板の塗装面同士を接触させて40℃
雰囲気下、1kg/cmの荷重をかけた。まったくブ
ロッキングのなかったものを○、抵抗があってはがした
後に跡が残るものを△とし、強くブロッキングしてはが
れないものを×とした。
【0082】上塗り付着性: 耐透水性試験と同様にし
て作成した試験板にアクリル系水性塗料IMコート51
11(関西ペイント)を膜厚50μになるよう塗装し
た。この試験板にカッターナイフで4mm間隔に5×5
マスの碁盤目状に切れ目をいれ、セロファンテープを貼
り付けて剥離した。剥離したマス目のないものを○と
し、剥離したマス目が2マス以下のものを△とし、3マ
ス以上の剥離があるものを×とした。
【0083】試験結果は表4のとおりである。 表4
【0084】
【表4】
【0085】
【発明の効果】 本発明の水性シーラーは、上記した構
成を有することから特に耐透水性、耐透湿性、耐ブロッ
キング性、付着性等の被膜性能に優れた効果を発揮する
ものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/63 C04B 41/63 Fターム(参考) 4D075 CA08 CA13 CA36 CA38 CA40 CA43 CA47 DA06 DB12 DC02 EA06 EA13 EA39 EB07 EB14 EB15 EB16 EB19 EB20 EB22 EB33 EB35 EB36 EB38 EB42 EB53 EB56 EC01 EC07 EC13 EC23 EC33 EC51 EC54 4G028 CA01 CB02 CC01 CD02 4H017 AA04 AA22 AA25 AA27 AA29 AB01 AC17 AD05 AE03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コア・シェル型ビニル系樹脂エマルション
    を含有する水性シーラーであり、該コア・シェル型ビニ
    ル系樹脂がシェル部を構成するモノマー成分として、分
    子末端に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アク
    リル系モノマーを必須成分として含有することを特徴と
    する耐透湿性に優れた無機質材用水性シーラー。
  2. 【請求項2】該長鎖アクリル系モノマーが、シェル部を
    構成するモノマー成分として、5〜30重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の無機質材用水性シーラ
    ー。
  3. 【請求項3】 コア・シェル型ビニル系樹脂エマルショ
    ンにおいて、シェル部のガラス転移温度がコア部のガラ
    ス転移温度よりも1℃以上高い請求項1又は2に記載の
    無機質材用水性シーラー。
  4. 【請求項4】 無機質材用水性シーラーとして、該無機
    質材用水性シーラーの樹脂固形分100重量部に対して
    無機質充填材を20〜170重量部含有してなることを
    特徴とする請求項1に記載の無機質材用水性シーラー。
  5. 【請求項5】 無機質充填材として、吸油量が樹脂10
    0gに対して10〜40g である無機質充填材を含有
    することを特徴とする請求項4に記載の無機質材用水性
    シーラー。
  6. 【請求項6】 無機質充填材として、扁平状無機質充填
    材を含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の
    無機質材用水性シーラー。
  7. 【請求項7】 無機質材用水性シーラーとして、水に対
    する溶解度(20℃)が10重量%以下の造膜助剤を含
    有してなることを特徴とする請求項1に記載の無機質材
    用水性シーラー。
  8. 【請求項8】 無機質材の養生後に請求項1乃至7の何
    れか1項に記載の無機質材用シーラーを塗装してなるシ
    ーラー塗装無機質材の製造方法 。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007167763A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Sk Kaken Co Ltd 塗装方法
JP2011111488A (ja) * 2009-11-25 2011-06-09 Nippon Shokubai Co Ltd シーラー用樹脂組成物
JP2012046737A (ja) * 2010-07-27 2012-03-08 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤパンクシール材
US8741985B2 (en) 2008-11-26 2014-06-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Resin emulsion for sealer
JP2015110800A (ja) * 2009-02-04 2015-06-18 株式会社日本触媒 シーラー用塗料組成物

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