JP4479181B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
φmax = cos-1{1/(1+k)}
この式中のkは、
k=(D/2r0 )−1
で表される無次元数である。又、この式中のDは、各パワーローラ6、6の傾転中心軸同士の距離、r0 は、各傾転中心軸から各パワーローラ6、6の周面と各ディスク2、5の内側面との当接部(トラクション部)までの距離である。例えば、上記Dが130mm、同じくr0 が40mmであるトロイダル型無段変速機の場合、k=0.625であるから、上記最も大きな押し付け力を必要とする変速比となる状態での、上記各パワーローラ6、6の傾転角φmax は52.02度となり、この状態での変速比iは1.32となる。この為、変速比が1.32から大きく外れた場合には、上記押圧装置23が発生する押圧力が過大になる。この押圧力が過大になる事は、トロイダル型無段変速機の小型化を図る面からも、伝達効率を確保する面からも、更には構成部材の耐久性を確保する面からも好ましくない。
又、特許文献6に記載されたものは、入力トルクと変速比とを考慮した押圧力を発生させる構造ではあるが、必要とする押圧力と現実に発生する押圧力との差を十分に小さくする様な、細かな調節を行なう事は難しい。
更に、特許文献7に記載されたものは、トラクションオイルの動粘度に応じた押圧力を得る事はできるが、より細かな調節を行なう事はできない。しかも、トラクション部の動粘度を測定する事自体難しいだけでなく、仮にできたとしても装置が複雑化する事が避けられないものと考えられる。
このうちの主油圧制御手段は、上記第一、第二のディスク同士の間で伝達される力を非電気的に検出し、上記第一、第二のディスク同士の間の変速比が最も大きな押し付け力を必要とする値である場合に必要となる押圧力を上記押圧装置に発生させる為に要する油圧を目標値として設定すると共に、上記伝達される力が大きい程この目標値を高くする。
又、上記油圧補正手段は、上記第一、第二のディスク同士の間の変速比に対応して変化する、上記押圧装置に発生させるべき押圧力の最適値に応じた油圧の必要値を電気的に求め、この必要値と上記目標値との差である補正値をこの目標値から減じた油圧を、上記押圧装置に導入させる。
更に、上記必要値又は上記補正値を求める電気回路の故障時には、上記押圧装置に、上記目標値の油圧を導入する。
この為本発明は、小型でしかも優れた伝達効率及び耐久性を有するトロイダル型無段変速機の実現に寄与できる。
この様に、パワーローラを支持する支持部材を枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータを構成するシリンダ部内の1対の油圧室内の油圧の差に基づいて、上記第一、第二のディスク同士の間で伝達される力を検出すれば、簡単な構成で、この力を精度良く検出できる。
この様に、変速比に加えて、内部に存在する潤滑油の温度及び駆動源の回転速度を勘案して補正信号を求め、この補正信号に基づいて電磁弁を開閉する事により油圧の補正値を得れば、通常時(非故障時)に於けるトラクション部の面圧をより適正にして、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の確保をより効果的に図れる。
即ち、モード切換手段である高速用クラッチ29を接続し、低速用、後退用両クラッチ44、45の接続を断った高速モード時には、上記トロイダル型無段変速機24aを通過する力(トルク)が低くなる。従って、この高速モード時には、他のモード(低速モード及び後退モード)時よりも上記押圧装置23aに送り込む油圧を低く抑える。この様に、モードに応じてこの油圧を変化させれば、何れのモード時にも、トラクション部の面圧を適正にできる。尚、この場合に、上記力の変動に応じて上記押圧装置23aに送り込む油圧を調節する事は、主油圧制御手段が行なう。
2 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 支持軸
9 枢軸
10 アクチュエータ
11 支持板
12 変速比制御弁
13 ステッピングモータ
14 スリーブ
15 スプール
16 ピストン
17 ロッド
18 プリセスカム
19 リンク腕
20 同期ケーブル
21 カム面
22 駆動軸
23、23a 押圧装置
24、24a トロイダル型無段変速機
25 遊星歯車式変速機
26 リング歯車
27 支持板
28 伝達軸
29 高速用クラッチ
30 エンジン
31 クランクシャフト
32 発進クラッチ
33 出力軸
34 太陽歯車
35 遊星歯車
36a、36b 遊星歯車素子
37 キャリア
38 動力伝達機構
39 伝達軸
40a、40b スプロケット
41 チェン
42 第一の歯車
43 第二の歯車
44 低速用クラッチ
45 後退用クラッチ
46 シリンダ筒
47 スペーサ
48 ローディングナット
49 予圧ばね
50 給油通路
51 油溜部
52 フィルタ
53 圧油オポンプ
54 第一の圧力導入路
55 圧力逃がし路
56 押圧力制御弁
57 ケーシング
58 スプール
59 ばね
60 第一のパイロット部
61 第二のパイロット部
62 第三のパイロット部
63a、63b 油圧室
64 差圧取り出し弁
65 シリンダ孔
66 スプール
67 ばね
68a、68b パイロット部
69 第二の圧力導入路
70 減圧弁
71a、71b 第三の圧力導入路
72a、72b 反力室
73 圧力室
74 第四の圧力導入路
75 電磁弁
76 変速側制御装置
77 ソレノイド
Claims (3)
- 互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された第一、第二のディスクと、互いに対向するこれら第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、上記第一のディスクを上記第二のディスクに向け押圧する油圧式の押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記第一、第二のディスク同士の間で伝達される力を非電気的に検出し、上記第一、第二のディスク同士の間の変速比が最も大きな押し付け力を必要とする値である場合に必要となる押圧力を上記押圧装置に発生させる為に要する油圧を目標値として設定すると共に、上記伝達される力が大きい程この目標値を高くする主油圧制御手段と、上記第一、第二のディスク同士の間の変速比に対応して変化する、上記押圧装置に発生させるべき押圧力の最適値に応じた油圧の必要値を電気的に求め、この必要値と上記目標値との差である補正値をこの目標値から減じた油圧を上記押圧装置に導入させる油圧補正手段とを備え、上記必要値又は上記補正値を求める電気回路の故障時には、上記押圧装置に、上記目標値の油圧を導入する事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
- 各パワーローラを回転自在に支持した状態で、変速時に枢軸を中心に揺動変位する支持部材と、シリンダ部にピストンを嵌装して成り、圧油の給排に基づいてこの支持部材を上記枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータとを備え、上記シリンダ部内でピストンの軸方向両側に存在する1対の油圧室内の油圧の差に基づいて、第一、第二のディスク同士の間で伝達される力を検出する、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
- 油圧補正手段を構成する演算器は、変速比に加えて、内部に存在する潤滑油の温度及び駆動源の回転速度に応じて補正信号を求め、この補正信号に基づいて電磁弁を開閉する事により油圧の補正値を得る、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
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