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JP2003172009A - 壁装工法 - Google Patents

壁装工法

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Publication number
JP2003172009A
JP2003172009A JP2001384616A JP2001384616A JP2003172009A JP 2003172009 A JP2003172009 A JP 2003172009A JP 2001384616 A JP2001384616 A JP 2001384616A JP 2001384616 A JP2001384616 A JP 2001384616A JP 2003172009 A JP2003172009 A JP 2003172009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
coating material
wall
ceramic
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001384616A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Fujimoto
進 藤本
Makoto Fujimoto
誠 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUJIMOTO TOSOTEN KK
Original Assignee
FUJIMOTO TOSOTEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by FUJIMOTO TOSOTEN KK filed Critical FUJIMOTO TOSOTEN KK
Priority to JP2001384616A priority Critical patent/JP2003172009A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の石材調仕上げよりも深みのある質感や色
彩感を有し、表面の起伏や模様に応じて自由に陰影や色
調変化を表現しうる壁装工法を提供する。 【解決手段】本発明の壁装工法は、下地壁材1にセメン
ト系下地調整塗材4を塗布し、これが硬化するまでに表
面に意匠的な起伏を形成する下塗り工程と、合成樹脂エ
マルジョンに有色骨材を混入させた第1のセラミック塗
材5を前記下地調整塗材4の表面全体に塗布する中塗り
工程と、色調の異なる第2のセラミック塗材6またはシ
リコン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系もしく
はフッ素樹脂系の有色塗材を第1のセラミック塗材5の
表面に部分的に塗布する上塗り工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内外壁の
表面に立体的で高級感のある塗装壁を施工する壁装工法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高級感や芸術性が求められるよ
うな壁面には、御影石、大理石、砂岩など天然石材調の
重厚な質感を生かした壁装が好まれる傾向にある。しか
し、本物の天然石材を用いた壁装は高価であり、また壁
面の形状や目地割など施工上の制約も大きい。そこで従
来より、いわゆる石材調仕上塗材を壁面に塗装して、天
然石材を模した質感を得る壁装工法が行われている。
【0003】かかる壁装工法において用いられる仕上塗
材としては、合成樹脂エマルジョンに天然石や陶磁器質
の骨材を混入させたセラミック塗材が代表的である。混
入する骨材の種類を2〜3種類にして、それぞれの色合
いや粒度を変えることにより、各種の天然石材に類似し
た深みのある色彩や風合いを得ることができる。
【0004】セラミック塗材は、通常、プライマー等で
下処理した下地にセメント系の下地調整塗材を塗布した
後、スプレーガンやローラー、コテ等を利用して塗布さ
れる。塗布されたセラミック塗材の表面には必要に応じ
てサンダー仕上げが施され、さらにクリアコート塗材が
塗布される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の石材調仕上
塗材による壁装では、表面を天然石風の細かい凹凸肌に
仕上げることが多いが、意匠上の意図によっては、割肌
状の不規則な起伏を形成したり、あるいは刷毛引きや櫛
引き、ローラー押え等によって人為的な立体模様を付加
することもある。しかしながら、石材調仕上塗材の表面
にさまざまな起伏や模様を形成しただけでは、どうして
も質感が単調になりがちで、十分な高級感や重厚感を表
現することができなかった。また、壁画調や工芸調の立
体模様を形成する場合などにおいては、色調の変化や陰
影をより強調した仕上がりが望まれることもあった。
【0006】そこで本発明は、従来の石材調仕上塗材に
よる壁装よりもさらに深みのある質感や色彩感を有し、
また表面の起伏や模様に応じて自由自在に陰影や色調変
化を表現することの可能な、きわめて意匠性に優れた壁
装工法を提供することを解決課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の壁装工法は、養生および下処理を施した下
地壁材の表面にセメント系下地調整塗材を厚付けし、こ
の下地調整塗材が硬化するまでの間に表面に意匠的な起
伏を形成する下塗り工程と、前記下地調整塗材が硬化し
た後、合成樹脂エマルジョンに天然石または陶磁器質か
らなる有色骨材を混入させた第1のセラミック塗材を前
記下地調整塗材の表面全体に塗布する中塗り工程とを備
えることを特徴とする。
【0008】この発明においては、下地調整塗材を厚付
けする下塗り工程において、塗装面の印象を決定づける
意匠的な起伏を塗装面全体にわたって形成する。この段
階で、天然石材調から壁画調や工芸調まで、多種多様な
パターンの立体的表現を自由に施すことが可能である。
起伏の形成に際しては、鏝、刷毛、竹箒、熊手、あるい
は押し型板など、パターン付けの意図に応じたさまざま
な道具を使用することができる。そして、第1のセラミ
ック塗材を塗布する中塗り工程において、塗装面全体に
石材調の重厚な質感や色を付与する。この中塗り工程は
下塗り工程ほどの厚さを必要としないので、スプレーガ
ンによる吹き付けなど、作業性の良い方法を選択するこ
とができる。
【0009】この発明によれば、セラミック塗材よりも
比較的安価で厚付けに適した下地調整塗材の表面に起伏
を形成するので、セラミック塗材を厚付けする場合より
も作業性が良く、経済的に多種多様な意匠的表現を施す
ことができる。
【0010】なお、下地調整塗材としては、カチオン性
アクリル合成樹脂エマルジョンからなる硬化液にポルト
ランドセメントおよび無機質骨材を配合したセメント系
弾性カチオンが特に好ましく、下地に対する付着性や追
随性、仕上がり後の強度、クラックの生じにくさなどの
点で優れている。
【0011】さらに本発明の壁装工法は、前記した中塗
り工程に続いて、第1のセラミック塗材とは色調の異な
る第2のセラミック塗材、またはシリコン樹脂系、ウレ
タン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフッ素樹脂系の有
色塗材を前記第1のセラミック塗材の表面に部分的に塗
布する上塗り工程を備えることを特徴とする。この上塗
り工程によって、質感や色調にさらなる深みを増すこと
ができるとともに、起伏の陰影や色調の変化も強調さ
れ、きわめて立体感のある仕上がりを得ることができ
る。
【0012】さらに本発明の壁装工法は、前記した中塗
り工程または上塗り工程に続いて、前記各工程に使用し
た塗材とは色調の異なる金属粉体着色樹脂塗材を前記中
塗り工程または上塗り工程による塗装面に部分的に塗布
する変化塗り工程を備えることを特徴とする。この変化
塗り工程によって、塗装面に金属的な光沢感が部分的に
付与され、いっそう高級感のある仕上がりを得ることが
できる。
【0013】さらに本発明の壁装工法は、前記した中塗
り工程、上塗り工程または変化塗り工程に続いて、塗装
面全体にシリコン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹
脂系もしくはフッ素樹脂系のクリアコート塗材を塗布す
る上処理工程を備えることを特徴とする。これにより、
塗装面の耐候性や耐汚染性を向上させることができる。
【0014】また、本発明の他の構成にかかる壁装構法
は、養生および下処理を施した下地壁材の表面に、合成
樹脂エマルジョンに天然石または陶磁器質からなる有色
骨材を混入させた第3のセラミック塗材を厚付けし、こ
の第3のセラミック塗材が硬化するまでの間に表面に意
匠的な起伏を形成する下・中塗り工程と、前記第3のセ
ラミック塗材が硬化した後、前記第3のセラミック塗材
とは色調の異なる第4のセラミック塗材、またはシリコ
ン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフ
ッ素樹脂系の有色塗材を、前記第3のセラミック塗材の
表面に部分的に塗布する上塗り工程とを備えることを特
徴とする。
【0015】すなわちこの壁装工法は、前記の構成にか
かる壁装構法の下塗り工程と中塗り工程とをひとつの工
程(下・中塗り工程)に合体したものである。厚付けに
適したセラミック塗材(第3のセラミック塗材)を用い
ることにより、下地調整と立体的な起伏の形成、および
石材調の質感付与を同じ工程で行うことができる。これ
によって工程の短縮が可能になり、工数や工事費を低減
することができる。そして、この発明においても、色調
の異なる第4のセラミック塗材、またはシリコン樹脂
系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフッ素樹
脂系の有色塗材を部分的に上塗りすることにより、質感
や色調をさらに深め、陰影や色調の変化を強調して、き
わめて立体感のある仕上がりを得ることができる。
【0016】また、金属粉体着色樹脂塗材を部分的に塗
布する変化塗り工程によって、塗装面に金属的な光沢感
を付与することができる。また、塗装面全体にクリアコ
ート塗材を塗布する上処理工程によって、塗装面の耐候
性や耐汚染性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ工程順に説明する。
【0018】<下地の養生と下処理>本発明の壁装工法
は、新築壁・改修壁の別を問わず、一般的な内壁および
外壁を構成するほとんど全ての下地壁材に対して実施す
ることができる。モルタル仕上面、コンクリート、AL
Cパネル、PCパネル、スレート板、GRC板、押出成
形セメント板、プラスターボード、木質合板等には特に
好適である。これらの下地壁材の下処理に際しては、予
め塗装面以外の部分をマスキングした後、合成樹脂エマ
ルジョンを主材系とするプライマーを塗装面にスプレー
またはローラーで塗布する。プライマーは一般的な水溶
性、油性(有機溶剤系)のいずれでもよく、下地壁材の
種類や塗装部位に応じて適宜に選択される。
【0019】下地が鉄板面の場合は、エポキシ樹脂系の
防錆剤等により防錆処理を施した後、セメント系弾性カ
チオン等の下地調整材を2回ほどに分けて薄く吹き付
け、表面を粗面にしておくのがよい。また、古いタイル
面を補修するような場合でもタイルを除去する必要はな
く、そのまま下地調整材を吹き付けて表面を粗面にして
おく。
【0020】目地を設ける場合は、図1に示すように、
下地壁材1の表面に目地割りの墨出しを行った後、目地
墨に沿って目地底2を塗装する。目地底2の塗装には、
例えば合成樹脂エマルジョンに石灰質顔料や石灰質骨材
等を混入した目地着色材を用いる。目地着色材は、比較
的濃色のものが仕上がり後の美観に優れる。この壁装工
法では、例えば古いタイル壁を改修する場合でも、新し
い目地を古いタイル目地に関係なく自由に設けることが
できる。
【0021】塗装した目地底2には目地棒3を貼着す
る。目地棒3は、例えば発泡ポリエチレン製芯材31の
裏面が粘着面となされ、この裏面に離型紙32が貼着さ
れるとともに、芯材31の表面にも離型紙33を積層し
た多層タイプのものが好ましい。
【0022】<下塗り工程>下塗り工程では、図2に示
すように、下処理が完了した下地壁材1の表面全体にセ
メント系下地調整塗材4をやや厚め(1mm〜15mm程
度)に塗布する。この塗布は、スプレーガンによる吹き
付けでも、ローラーやコテによる塗り付けでもよい。下
地調整塗材4としては、カチオン性アクリル合成樹脂エ
マルジョンからなる硬化液にポルトランドセメントおよ
び無機質骨材を配合したセメント系弾性カチオンが特に
好ましい。この弾性カチオンは、下地への付着性に優れ
るとともに、下地の変位に対する追随性が高いので、厚
付けに適し、施工後もクラックを生じにくいという特長
を有する。図5に、セメント系弾性カチオンの具体例と
して、山本窯業化工株式会社製「セラフィラー弾性カチ
オン」の組成を示す。
【0023】ただし、下地の表面状態が良好な新築壁
や、面積の小さい屋内の壁面等については、より安価な
非弾性系のセメント系厚付け下地調整塗材を利用するこ
とも可能である。
【0024】下塗り工程においては、下地調整塗材4が
硬化するまでの間に、その表面に意匠的な起伏を形成す
る。厚さや季節にもよるが、下地調整塗材4にセメント
系弾性カチオンを使用した場合、乾燥して硬化するまで
の時間は30分〜1時間程度である。セメント系弾性カ
チオンは、展延性がよく起伏の形成が容易であるととも
に、硬化時間の面でも短かすぎず長すぎず、好都合であ
る。
【0025】意匠的な起伏とは、天然石風の質感を模し
た大小の凹凸やスタッコ模様のほか、壁画調や工芸調の
具象的な立体模様でもよい。起伏を形成する作業は人為
的作業となるが、意匠上の意図に応じてローラー、鏝、
熊手、刷毛、竹箒、押し型板など様々な道具を使い分け
ることにより、多種多様なパターンの起伏を自由に製作
することができる。ただし、この段階での塗装面の色
は、下地調整塗材自体の単調な灰色である。
【0026】なお、下地調整塗材4が目地棒3を覆った
状態で完全に硬化してしまうと、目地棒3を取り外す際
に目地の周辺部分まで剥がれてしまうおそれがある。そ
こで、表面に意匠的な起伏を形成した段階で、まず目地
棒3の表層の離型紙33だけを剥がして心材31を露出
させておくのが好ましい。
【0027】<中塗り工程>中塗り工程では、図3に示
すように、硬化した下地調整塗材4の表面全体に第1の
セラミック塗材5を塗布する。ここで使用する第1のセ
ラミック塗材5は、合成樹脂エマルジョンに天然石や陶
磁器質からなる有色骨材を複数種類、混入させたものが
好ましい。この中塗り工程により、骨材固有の色合いや
質感が塗装面全体に付与される。天然石や陶磁器質から
なる骨材は、石材調の重厚な質感を表出し、退色や変色
もほとんどないので、高級感のある壁装には好適であ
る。図6に、第1のセラミック塗材5の具体例として、
山本窯業化工株式会社製「セラキャストS」の組成を示
す。
【0028】第1のセラミック塗材5の塗布は、スプレ
ーガンによる吹き付け、ローラーやコテによる塗り付け
のいずれでもよいが、塗装面全体にわたって概ね均一の
厚さになればよく、下塗り工程ほどの厚さは必要としな
い。これにより、下地調整塗材4の表面に形成した起伏
が、第1のセラミック塗材5の表面に美しく現れること
となる。
【0029】<上塗り工程>上塗り工程では、図4に示
すように、前記第1のセラミック塗材5の表面に第2の
セラミック塗材6を塗布する。
【0030】第2のセラミック塗材6は、基本的な組成
において第1のセラミック塗材5と同様のものである
が、骨材の相違や顔料の添加によって、前記第1のセラ
ミック塗材5とは色調や質感が異なっている。図7に、
第2のセラミック塗材6の具体例として、山本窯業化工
株式会社製「テラックス100」の組成を示す。
【0031】この第2のセラミック塗材6を、刷毛や筆
を用いて第1のセラミック塗材5の表面に部分的に薄く
塗布することにより、塗装面に複雑かつ微妙な色調変化
を付与することができる。例えば、第1のセラミック塗
材5よりも濃い色調を有する第2のセラミック塗材6を
起伏の影側部分に塗布すると、起伏の陰影が強調され
て、きわめて立体感のある仕上がりが得られる。また、
例えば第1のセラミック塗材5の表面全体にわたって石
材調の単調な凹凸が形成されている場合でも、色調の異
なる第2のセラミック塗材6で不規則なパターンの上塗
りを行うことにより、従来の石材調仕上げよりもはるか
に深みを増した質感が表現される。
【0032】この上塗り工程においては、前記した第2
のセラミック塗材6に替えて、シリコン樹脂系、ウレタ
ン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフッ素樹脂系の有色
塗材(図示せず)を用いることもできる。これらの塗材
は、耐候性や耐薬品性に優れることに加え、色調もきわ
めて豊富であり、また作業性もよい。これらの塗材によ
って部分的な色調変化や陰影を付与すれば、前記第2の
セラミック塗材6とはまた趣の異なった意匠的表現が可
能になる。なお、これらの塗材には水性系と有機溶剤系
があるが、溶剤の揮発による人体への影響や環境汚染な
どに配慮する必要がある場合は、水性系の塗材を用いる
のが好ましい。
【0033】このように、上塗り工程においては、塗装
面全体ではなく、あくまでも部分的に色調の異なる塗材
を塗布することによって、従来にはない新規な意匠的効
果を付与することができる。使用する塗材は、意匠上の
意図に応じて多様な塗材の中から選択することができ
る。さらに、この上塗り工程は塗材の色調や種類を変
え、2層以上にわたって行われてもよい。
【0034】<変化塗り工程>意匠上の意図から、さら
に光沢感のある仕上がりを望む場合には、変化塗り工程
を追加する。この変化塗り工程では、例えばアクリル樹
脂に各種の金属粉体を分散させたような金属粉体着色樹
脂塗材を、筆や刷毛で部分的に塗布する。壁画調や工芸
調の壁装においては、この変化塗り工程で金属的な光沢
を付加することにより、さらに豪華で高級な印象を強調
することができる。
【0035】<上処理工程>上処理工程は、前記のよう
な工程の最後に、塗装面の保護層を形成するための工程
である。この工程では、塗装面全体にわたって、シリコ
ン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフ
ッ素樹脂系のクリアコート塗材を塗布する。クリアコー
ト塗材にも水性系と有機溶剤系があり、本発明では特に
限定されないが、下層塗材の組成や環境的条件に応じて
適当なものを選択する。クリアコート塗材の塗布は、ス
プレーガンを用いた吹き付けでも、ローラーによる塗り
付けでもよい。この上処理工程により、塗装面の耐候性
や耐汚染性が向上する。ただし、屋内など汚染されにく
い壁面にあっては、この上処理工程は省略することもで
きる。
【0036】こうして、最終の保護層を形成した後、目
地棒3の芯材31を取り外して目地底2を露出させ、さ
らに養生を撤去して完成となる。
【0037】<本発明の他の実施の形態>前記した壁装
構法は、下地調整塗材4を厚付けして表面に起伏を形成
する下塗り工程と、第1のセラミック塗材5を全面に塗
布して石材調の質感を付与する中塗り工程とを段階的に
行うものであるが、厚付けに適したセラミック塗材(第
3のセラミック塗材)を用いることにより、これらの2
工程をひとつの工程(下・中塗り工程)に合体すること
も可能である。
【0038】厚付けに適したセラミック塗材とは、前記
第1のセラミック塗材5よりも軽くて嵩の大きい骨材を
多く含み、合成樹脂エマルジョンや増粘材等の組成を調
整して付着性や展延性を高め、割れや剥離を生じにくい
ように配合された塗材である。前記第1のセラミック塗
材5が、どちらかと言えば吹き付け(薄付け)に適する
のに対し、厚付けに適したセラミック塗材は、どちらか
と言えばコテ塗りに適している。ただし、後者をスタッ
コガン等で厚めに吹き付けることも可能である。
【0039】厚付けに適したセラミック塗材の具体例と
しては、山本窯業化工株式会社製「コテファイン(ニュ
ーコテファイン)シリーズ」、菊水化学工業株式会社製
「サンドストーン」、エスケー化研株式会社製「エレガ
ンスストーン・サガン」等がある。図8に、山本窯業化
工株式会社製「コテファインP」の組成を示す。
【0040】厚付けに適したセラミック塗材は、それ自
体が石材調の色や質感を有するので、これを使用すれ
ば、下地調整と立体的な起伏の形成、および石材調の質
感付与をひとつの工程で行うことができる。これによっ
て工程の短縮が可能になり、工数や工事費を低減するこ
とができる。
【0041】このような下・中塗り工程を行う場合で
も、それ以降の工程(上塗り工程、変化塗り工程、上処
理工程)については、前記と同じである。
【0042】<本発明の拡張的利用>本発明の壁装方法
は、建築物に固定された壁材に対して現場で施工される
形態だけでなく、事前に工場等で加工される壁パネル等
の量産品にも実施することができる。また、壁に取り付
けられる絵画のような装飾品の一種として、例えば適当
な額縁に収めた形態で提供することもできる。
【0043】
【発明の効果】以上のような工程からなる本発明の壁装
工法によれば、下塗り工程において下地調整塗材をやや
厚めに塗布し、その表面に人為的作業によって多種多様
なパターンの意匠的な起伏を全面的に形成することによ
り、天然石材調の自然な凹凸から壁画調や工芸調などの
具象的な立体模様まで、自由で幅広い意匠的表現が可能
になる。そして、第1のセラミック塗材を全面的に塗布
する中塗り工程により、塗装面全体に石材調の重厚な質
感を付与することができる。さらに、第2のセラミック
塗材、またはシリコン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリ
ル樹脂系もしくはフッ素樹脂系の有色塗材を部分的に塗
布する上塗り工程により、質感や色調をさらに深めるこ
とができるとともに、起伏の陰影や色調の変化を強調し
て、きわめて立体感のある仕上がりを得ることができ
る。こうして、意匠的な表現性や高級感に富んだ壁装を
行うことができる。
【0044】また、厚付けに適したセラミック塗材を利
用して下塗り工程と中塗り工程とを同じ工程(下・中塗
り工程)で行うことにより、工程の短縮が可能になり、
工数や工事費を低減することができる。
【0045】また、本発明の壁装工法は、新築壁・改修
壁の別を問わず、内壁および外壁用の一般的な下地壁材
のほとんど全てに対して実施することができる。さら
に、従来より普及している塗材を組み合わせて利用して
いるので、施工コストが安く、施工が容易で、品質面の
信頼性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁装工法における下処理工程の説明図
である。
【図2】同じく、下塗り工程の説明図である。
【図3】同じく、中塗り工程の説明図である。
【図4】同じく、上塗り工程の説明図である。
【図5】セメント系弾性カチオンの具体例「セラフィラ
ー弾性カチオン」の組成表である。
【図6】第1のセラミック塗材の具体例「セラキャスト
S」の組成表である。
【図7】第2のセラミック塗材の具体例「テラックス1
00」の組成表である。
【図8】第3のセラミック塗材の具体例「コテファイン
P」の組成表である。
【符号の説明】
1 下地壁材 4 下地調整塗材 5 第1のセラミック塗材 6 第2のセラミック塗材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/02 C09D 5/02 127/12 127/12 133/06 133/06 175/04 175/04 183/04 183/04 201/00 201/00 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE08 AE09 AE15 AE27 BB26Y BB60Y CB21 CB36 DC02 DC03 EA13 EB16 EB22 EB38 EB42 EC01 EC05 EC10 4J038 CD091 CG141 DG001 DL031 MA08 MA10 NA01 PC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養生および下処理を施した下地壁材の表
    面にセメント系下地調整塗材を厚付けし、この下地調整
    塗材が硬化するまでの間に表面に意匠的な起伏を形成す
    る下塗り工程と、 前記下地調整塗材が硬化した後、合成樹脂エマルジョン
    に天然石または陶磁器質からなる有色骨材を混入させた
    第1のセラミック塗材を前記下地調整塗材の表面全体に
    塗布する中塗り工程とを備えることを特徴とする壁装工
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の壁装工法にかかる中塗
    り工程に続いて、第1のセラミック塗材とは色調の異な
    る第2のセラミック塗材、またはシリコン樹脂系、ウレ
    タン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフッ素樹脂系の有
    色塗材を前記第1のセラミック塗材の表面に部分的に塗
    布する上塗り工程を備えることを特徴とする壁装工法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の壁装工法にかかる中塗
    り工程または請求項2に記載の壁装工法にかかる上塗り
    工程に続いて、前記各工程に使用した塗材とは色調の異
    なる金属粉体着色樹脂塗材を前記中塗り工程または上塗
    り工程による塗装面に部分的に塗布する変化塗り工程を
    備えることを特徴とする壁装工法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の壁装工法にかかる中塗
    り工程、請求項2に記載の壁装工法にかかる上塗り工程
    または請求項3に記載の壁装工法にかかる変化塗り工程
    に続いて、塗装面全体にシリコン樹脂系、ウレタン樹脂
    系、アクリル樹脂系もしくはフッ素樹脂系のクリアコー
    ト塗材を塗布する上処理工程を備えることを特徴とする
    壁装工法。
  5. 【請求項5】 セメント系下地調整塗材は、カチオン性
    アクリル合成樹脂エマルジョンからなる硬化液にポルト
    ランドセメントおよび無機質骨材を配合したセメント系
    弾性カチオンであることを特徴とする請求項1,2,3
    または4に記載の壁装工法。
  6. 【請求項6】 養生および下処理を施した下地壁材の表
    面に、合成樹脂エマルジョンに天然石または陶磁器質か
    らなる有色骨材を混入させた第3のセラミック塗材を厚
    付けし、この第3のセラミック塗材が硬化するまでの間
    に表面に意匠的な起伏を形成する下・中塗り工程と、 前記第3のセラミック塗材が硬化した後、前記第3のセ
    ラミック塗材とは色調の異なる第4のセラミック塗材、
    またはシリコン樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂
    系もしくはフッ素樹脂系の有色塗材を前記第3のセラミ
    ック塗材の表面に部分的に塗布する上塗り工程とを備え
    ることを特徴とする壁装工法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の壁装工法にかかる上塗
    り工程に続いて、下・中塗り工程および上塗り工程に使
    用した塗材とは色調の異なる金属粉体着色樹脂塗材を前
    記下・中塗り工程および上塗り工程による塗装面に部分
    的に塗布する変化塗り工程を備えることを特徴とする壁
    装工法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の壁装工法にかかる上塗
    り工程、または請求項7に記載の壁装工法にかかる変化
    塗り工程に続いて、塗装面全体にシリコン樹脂系、ウレ
    タン樹脂系、アクリル樹脂系もしくはフッ素樹脂系のク
    リアコート塗材を塗布する上処理工程を備えることを特
    徴とする壁装工法。
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