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JP2003162091A - 非磁性一成分現像剤の製造方法 - Google Patents

非磁性一成分現像剤の製造方法

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Publication number
JP2003162091A
JP2003162091A JP2001358899A JP2001358899A JP2003162091A JP 2003162091 A JP2003162091 A JP 2003162091A JP 2001358899 A JP2001358899 A JP 2001358899A JP 2001358899 A JP2001358899 A JP 2001358899A JP 2003162091 A JP2003162091 A JP 2003162091A
Authority
JP
Japan
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toner
release agent
developer
kneading
screw
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001358899A
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English (en)
Inventor
Terunori Senokuchi
輝紀 瀬ノ口
Yukihiro Sato
幸弘 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Publication of JP2003162091A publication Critical patent/JP2003162091A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた耐オフセット性と優れた耐ブレード融
着性とを兼備し、繰り返し使用時等の耐久性が向上した
非磁性一成分現像剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくともバインダー樹脂、着色剤及び
離型剤を混合し、混練し、粉砕し、分級することを含む
非磁性一成分現像剤の製造方法であって、バインダー樹
脂が、芳香族ジカルボン酸及び芳香族トリカルボン酸を
含む多価カルボン酸成分並びに芳香族ジオールを含む多
価アルコール成分からなり、芳香族ジオールの少なくと
も一部がポリオキシエチレン化ビスフェノール類である
軟化点100〜140℃のポリエステル樹脂を含有し、
かつ、離型剤が示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピ
ークを50〜90℃に有するエステルワックスであり、
混練が温度調節可能な複数のシリンダブロック及び2本
の同方向に回転可能なスクリュを有する2軸スクリュ押
出機により行われる、非磁性一成分現像剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非磁性一成分現像剤
の製造方法に関し、詳しくは電子写真方式による複写機
や静電記録装置に用いられる非磁性一成分現像剤の製造
方法に関する。より詳細には、優れた定着性と優れた耐
ブレード融着性とを兼備し、しかも耐久性に優れた非磁
性一成分現像剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機や静電記録装置に用いられる現像
方法として、輸送部材によって現像剤を搬送し、この搬
送された現像剤によって感光体上に形成された静電潜像
を可視像化する方法は周知である。この現像方法では、
一般に、トナーのみからなる一成分系の現像剤、あるい
はトナー及びキャリアからなる二成分系の現像剤が用い
られている。
【0003】近年、装置を小型化することができ、かつ
保守が容易であるという利点より、トナーのみからなる
一成分系の現像剤(以下、一成分現像剤ともいう)を用
いた各種の現像方式が提唱され、使用されている。一成
分現像剤には非磁性のもの及び磁性のものがあるが、特
にカラープリンタへの適合性から、非磁性のものについ
て精力的な開発が進められている。
【0004】非磁性一成分現像剤(以下、非磁性トナー
ともいう)を用いた現像は、例えば、次のような構成の
現像装置を用いて行われる。即ち、静電潜像保持体(感
光体ドラム)の近傍に設置したトナー容器内に、感光体
ドラムと圧接してトナー搬送部材(現像ローラ)及びト
ナー補給補助部材(供給ローラ)が設けられており、ト
ナー搬送部材には、電源より現像バイアス電圧が印加さ
れている。また、トナー容器内には、非磁性トナーが収
容されていて、トナー補給補助部材とトナー搬送部材と
の接触面に搬送される。ここで非磁性トナーの粒子はト
ナー層厚規制部材(帯電ブレード)によって適正な層厚
に規制されるとともに帯電させられ、トナー搬送部材上
に移行してその表面に薄層を形成する。非磁性トナー
は、トナー搬送部材の回転とともに潜像保持体側に運ば
れ、潜像保持体の表面と接触して、そこに形成された静
電潜像に対応して潜像保持体上に移行し、それによって
静電潜像は現像される。潜像保持体上に形成された非磁
性トナーからなる像は、転写ローラ等から構成される転
写部において静電気的に紙等の被転写材上に転写され、
引き続く定着ローラ等から構成される定着部において加
熱されて被転写材上に定着される。
【0005】定着部において、被転写材上の非磁性トナ
ーが定着ローラ上に移行して付着する現象があり、オフ
セット現象と言われる。オフセット現象を避けるための
方法としては、定着ローラ上にシリコーンオイル等の離
型剤を供給するのが一般的であり、広く実施されてい
る。しかしながら、定着ローラ上への離型剤の供給に
は、定常的な供給に付随する技術的な困難と共に、定着
ローラの表面が離型剤又はその分解物によって汚染され
るという問題点がある。
【0006】従って、定着ローラ上への離型剤の供給を
行わない定着方法(以下、オイルレス定着ともいう)が
望まれており、技術開発が行われている。オイルレス定
着のための代表的な手法として、非磁性トナー自体に離
型剤を含有させる方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】オイルレス定着のため
に提案された、非磁性トナーに離型剤を含有させる方法
は有効な方法ではあるが、問題点も抱えている。即ちこ
の目的のためには通常、非磁性トナー自体よりは低融点
のワックス類が使用されるが、オイルレス定着を実現す
るためにはかなり多量のワックス類を含有させる必要が
ある。しかし、非磁性トナーを構成する樹脂及びワック
スの種類によっては、樹脂中へのワックスの分散径が異
なり、ワックスが過度に分散されて小粒径の場合は、得
られるトナーは付着力が大きいので流動性が悪く、また
繰り返し使用で帯電低下を引き起こしてトナー消費量が
悪化しやすい。逆に、ワックスの分散が不十分で分散粒
径が過大の場合には、表面から脱離しやすく、ワックス
粒子が現像ローラ、帯電ブレード及び感光体ドラムに融
着する現象を生じやすい。
【0008】特に、前記現像ローラ部と帯電ブレードと
の接触部分において、非磁性トナーは摩擦による加圧及
び加熱下に滞留させられることになるが、定着性(低温
定着性)向上のために含有されるワックス類の量が多い
と、ここで帯電ブレードへのトナーの凝集・融着という
現象(以下、ブレード融着ともいう)が生起し易くなる
のである。ブレード融着が起こるとその発生箇所におい
ては非磁性トナーは現像ローラ上に移行することができ
ず、現像を行うことが出来ない。その結果白スジと呼ば
れる画像欠陥を引き起こす。これらの課題は、特にシア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの複数の色トナ
ーを用いて現像を行うフルカラートナーにおいて重大な
問題として指摘されていた。従って、トナーとしての耐
久性は、ワックスの最適な分散粒径に依存するものであ
ると言っても過言ではないが、従来は、使用する樹脂と
ワックスとの組み合わせにおいて充分な情報が開示され
ているとは言えない。
【0009】上記の通り、オイルレス定着のためのワッ
クス類を含有する非磁性トナーにおいては、定着性(低
温定着性、耐オフセット性)と耐ブレード融着性とは相
反する関係にあり、両者を兼備することが、また、繰り
返し使用時や連続使用時の耐久性を向上させることが強
く望まれていた。これらの課題は、結局、どのような特
性(Tg等の熱特性、弾性等の粘弾特性など)を有する
樹脂とワックスを組み合わせて採用するかに帰結する。
【0010】本発明の目的は、優れた定着性と優れた耐
ブレード融着性とを兼備し、しかも繰り返し使用時や連
続使用時の耐久性が向上された非磁性一成分現像剤の製
造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のバインダー
樹脂と離型剤とを組み合わせた非磁性一成分現像剤を特
定の方法により製造することによって、上記課題を解決
し得ることを見出して本発明を完成した。即ち本発明の
要旨は、少なくともバインダー樹脂、着色剤及び離型剤
を混合し、混練し、粉砕し、分級することを含む非磁性
一成分現像剤の製造方法であって、バインダー樹脂が、
芳香族ジカルボン酸及び芳香族トリカルボン酸を含む多
価カルボン酸成分並びに芳香族ジオールを含む多価アル
コール成分からなり、芳香族ジオールの少なくとも一部
がポリオキシエチレン化ビスフェノール類である軟化点
100〜140℃のポリエステル樹脂を含有し、かつ、
離型剤が示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピークを
50〜90℃に有するエステルワックスであり、混練が
温度調節可能な複数のシリンダブロック及び2本の同方
向に回転可能なスクリュを有する2軸スクリュ押出機に
より行われ、スクリュは少なくとも輸送部、1以上のニ
ーディング部、及び押出部から構成され、スクリュの輸
送部に対応するシリンダブロックの温度設定が離型剤の
吸熱ピーク温度より20℃以上低く設定され、スクリュ
のニーディング部に対応するシリンダブロックが離型剤
の吸熱ピーク温度より20℃以上高くかつバインダー樹
脂の軟化点より10℃以上低く設定され、スクリュの押
出部に対応するシリンダブロックがバインダー樹脂の軟
化点より20℃以上高く設定されることを特徴とする非
磁性一成分現像剤の製造方法、に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の非磁性一成分現像剤は、バ
インダー樹脂、着色剤及び及び離型剤を必須成分とする
が、所望により帯電制御剤、各種微粒子、その他の添加
剤等を含有させることができる。
【0013】上記バインダー樹脂としては、芳香族ジカ
ルボン酸及び芳香族トリカルボン酸を含む多価カルボン
酸成分並びに芳香族ジオールを含む多価アルコール成分
からなるポリエステル樹脂を必須成分として含有するも
のが使用される。現像剤に適した公知の他の樹脂を併用
することができるが、バインダー樹脂中の上記ポリエス
テル樹脂の割合は、少なくとも50重量%、好ましくは
70重量%以上、より好ましくは85重量%以上とす
る。
【0014】併用しうる他の樹脂としては例えば、他の
飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチ
レン系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。上記必須成
分として用いられるポリエステル樹脂の多価カルボン酸
成分となる芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェン酸、ナフタ
レンジカルボン酸等、もしくはこれらの酸のメチルエス
テル、エチルエステル等の低級アルキルエステル(アル
キル基の炭素数1〜4程度)が挙げられる。中でも樹脂
として剛直かつ高Tgのものが得られ、スジの発生が抑
制されることから、テレフタル酸を選択するのが望まし
く、全多価カルボン酸成分中の少なくとも50モル%以
上がテレフタル酸であるのが好適である。同じく多価カ
ルボン酸成分となる芳香族トリカルボン酸としては、例
えばトリメリット酸、ナフタレントリカルボン酸等が挙
げられる。中でも樹脂として高Tgかつ架橋による高弾
性のものが得られ、耐オフセット性が向上することか
ら、トリメリット酸を選択するのが望ましく、全多価カ
ルボン酸成分中の少なくとも0.1〜10モル%がトリ
メリット酸であるのが好適である。なお、トリメリット
酸は無水物であってもよい。
【0015】さらに、上記ポリエステル樹脂の多価カル
ボン酸成分の一部、好ましくは30モル%以下として他
の多価カルボン酸を併用することもできる。そのような
多価カルボン酸としては、例えばアジピン酸、セバシン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ブタントリカルボン
酸、ヘキサントリカルボン酸、オクタンテトラカルボン
酸等が挙げられる。
【0016】一方、上記必須成分として用いられるポリ
エステル樹脂の多価アルコール成分となる芳香族ジオー
ルとしては、例えばビフェニル−4,4’−ジオール、
ビフェニル−3,3’−ジオール、ビスフェノールA等
のビスフェノール類;ポリオキシエチレン化ビスフェノ
ールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の
エーテル化ビスフェノール類;等のビスフェノール化合
物が挙げられるが、芳香族ジオール成分の少なくとも一
部としてポリオキシエチレン化ビスフェノール類を用い
る必要があり、好ましくはポリオキシエチレン化ビスフ
ェノールAを用いる。ポリオキシエチレン化ビスフェノ
ール類の中でも好適なものとしては、ポリオキシエチレ
ン(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンであり、さらには2.1≦n≦2.5であるポリ
オキシエチレン(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンを芳香族ジオール成分の少なくとも
一部として用いるのが最適である。上記したポリオキシ
エチレン化ビスフェノール類の使用により、樹脂として
リジッドかつ高Tgのものが得られ、樹脂としての耐久
性が向上するので画像のスジの発生が抑制される。一
方、この成分の使用によりトナー製造時の粉砕性に難が
ある場合もあるから、その使用量は、全カルボン酸成分
に対して5〜60モル%とするのがよい。上記ポリエス
テル樹脂の多価アルコール成分の一部、好ましくは30
モル%以下として他の多価アルコールを併用することも
できる。そのような多価アルコールとしては、例えばエ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール
等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙
げられる。
【0017】これらバインダー樹脂の熱特性や分子量分
布は一般に現像装置や定着方式に適合するように調整さ
れるが、フルカラートナーへの適応を考慮すると、フロ
ーテスター1/2法による軟化点が100〜140℃で
ある必要があり、好ましくは110〜130℃である。
また、DSC法によるガラス転移点(Tg)が55〜7
5℃、より好ましくは60〜70℃であるのがよい。ま
た、樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶成分量は
樹脂全体の80%以上であるのが好ましく、より好まし
くは90%以上である。また、可溶分のゲルパーミエー
ションクロマトグラフ(GPC)法による分子量は、最
大ピークの分子量が4000〜10000であり、重量
平均分子量(Mw)が30000〜200000であ
り、数平均分子量(Mn)が4000〜8000であ
り、その比Mw/Mnが4〜30であるのがよい。さら
に帯電特性や耐湿度性を考慮すると、本発明の樹脂の酸
価は、JIS−K0070の方法もしくはそれに準ずる
方法で測定した場合に30KOHmg/g以下とするの
がよく、より好ましくは1〜15KOHmg/gとなる
ように調製するのがよい。
【0018】ポリエステル樹脂の製造は、公知の方法に
従って、反応温度、反応圧力等の条件をモノマー組成
(反応性)に応じて決め、所定の物性が得られた時点で
反応を終了すればよい。着色剤としては、例えばカーボ
ンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン
染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロ
シアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染
顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエ
ロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノ
アゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料
等、公知の任意の染顔料を単独で又は混合して用いるこ
とができる。特にフルカラー現像剤の場合には、イエロ
ーはベンジジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ
系染顔料、マゼンタはキナクリドン、ローダミン系染顔
料、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシアニンブル
ー、ブラックはカーボンブラックをそれぞれ用いるのが
好ましい。着色剤はバインダー樹脂100重量部に対し
通常1〜20重量部の範囲で用いられ、より好ましくは
3〜10重量部であるのがよい。なお、着色剤は事前に
樹脂とマスターバッチ化して用いてもよい。
【0019】離型剤としては、示差走査熱量計(DS
C)による吸熱ピークを50〜90℃に有するエステル
ワックスであることを要する。これにより、低温定着性
が達成できて好ましいが、中でも、得られるトナーの耐
熱性や貯蔵安定性を考慮すると、60〜90℃に吸熱ピ
ークを有するものが特に好ましい。また、エステルワッ
クスは、炭素数18以上の1価カルボン酸と炭素数18
以上の1価アルコールとのエステルであるのが好適であ
る。上記1価カルボン酸としては、例えばステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げ
られ、上記1価アルコールとしては、例えばステアリル
アルコール、アラキジルアルコール(イコサノール)、
ベヘニルアルコール(ドコサノール)、テトラコサノー
ル等が挙げられる。本発明で好適なエステルワックスと
しては、例えばステアリン酸ステアリル、アラキジン酸
アラキジル、ベヘン酸ベヘニル等が挙げられ、中でも特
に好適なものはベヘン酸ベヘニルである。該離型剤はバ
インダー樹脂100重量部に対し通常0.1〜10重量
部の範囲で用いられ、より好ましくは1〜7重量部であ
るのがよい。上記範囲より添加量が少ないとトナーとし
て低温定着性の効果が得られ難くなったり、上記範囲を
超えて使用する場合は得られるトナーの流動性が悪化し
たりする傾向もあるので、均一な層形成が出来ずに画像
濃度の低下などの画質劣化を招く可能性がある。
【0020】なお、ワックスの吸熱ピーク温度の測定
は、DSC(例えば、セイコー電子社のDSC120な
ど)で行うが、以下の条件で行う。
【0021】
【表1】 ・測定温度:30〜150℃ ・昇温速度:2℃/分 ・サンプル量:10mg 上記特定のエステル系離型剤の他に、主に定着性改良の
目的で、比較的低融点のパラフィンワックス、高級脂肪
酸、脂肪酸アミド、ケトンワックス、ライスワックス、
カルナウバワックス、フィシャートロプシュワックス等
の低融点ワックスを上記特定のエステルワックスの効果
を阻害しない範囲、通常、上記エステル系離型剤100
重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で添加しても
よい。
【0022】また、離型剤として常用されている各種シ
リコーンオイルや変性シリコーンオイル、シリコーンワ
ニスや変性シリコーンワニスを少量添加することもでき
る。本発明に係わるエステルワックスは、本発明に係わ
るポリエステル樹脂中に分散されるが、その分散粒子径
は個数平均径で1〜2.5μmであるのが好ましく、よ
り好ましくは個数平均径で1〜2μmであるのが耐久性
がさらに向上する等の面から好適である。エステルワッ
クスの分散粒子径が前記の範囲より小さい場合は、ワッ
クスの過剰分散による、トナーの繰り返し使用での帯電
低下を引き起こしやすい。逆に、前記の範囲を超えて分
散粒径が過大の場合には、粗大なワックス粒子が現像ロ
ーラや感光体ドラムにフィルミング現象を生じやすい。
また、本発明に係わる樹脂中に上記の分散径の範囲で本
発明に係わるワックスが分散された場合、ブレード融着
等の悪しき現象が生じにくい。
【0023】本発明でのワックス分散径は透過電顕法
(TEM)により測定されるが、その測定は以下のよう
に行われる。すなわち、トナー粒子にショ糖水溶液を加
えて練り合わせ、サンプルキャリアヘッドにその少量を
着けて液体窒素で冷却して凍結試料とする。次に、切削
ユニット部が液体窒素で冷却可能なウルトラミクロトー
ムを用い、上記凍結試料をガラスカッターで面削した
後、ダイヤモンドカッターで70nmの厚みにカットし
てサンプルを作成する。さらに、この切削サンプルをコ
ロジオン膜張りメッシュ上に乗せ、四酸化ルテニウムに
て染色処理を行う。この染色処理サンプルを用いて、T
EM(日立H−7500システム)にて倍率1万倍で1
0視野以上の写真画像を撮影する。得られる画像からワ
ックス粒子を任意に300個以上抽出して、その水平方
向Feret径を計測して平均値を取り個数平均径とす
る。なお、計算は、画像解析法もしくはノギス等による
実測法のいずれでもよい。
【0024】その他、本発明では、目的に応じてトナー
が正極性または負極性となるように帯電制御剤を使用す
ることが出来る。トナーが負極性を示す帯電制御剤とし
ては、例えば、Fe,Cr等の金属を含むアゾ錯体染
料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸またはそのアル
キル誘導体の金属錯体や金属塩、カリックスアレン、有
機ジルコニウム化合物、有機ボロン化合物等が挙げられ
る。トナーが正極性を示す帯電制御剤としては、例え
ば、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有する
フェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリアミン樹
脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。使用量は、バ
インダー樹脂100重量部に対し、0.5〜10重量部
の範囲がよい。以上の中でも、本発明に係わるポリエス
テル樹脂の帯電特性等を勘案すれば、負帯電のトナーと
して用いるのが好ましいので、必要に応じて添加される
帯電制御剤としては負極性を得るためのものの中からト
ナーへの適性に応じて選ぶのがよい。
【0025】さらに必要に応じて、マグネタイト、フェ
ライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、チタ
ン酸バリウム、タルク、タルサイト類、窒化珪素、炭化
珪素、窒化チタン、シリカ等の各種の無機微粒子を添加
することができる。これら無機微粒子は疎水化度が50
以上であることが好ましい。更に好ましくは60以上で
ある。疎水化処理剤は、カップリング剤等を使用し該無
機微粒子表面に化学的に固着させても、或いは単に物理
的に固着させて使用してもよい。疎水化度が50以上の
無機微粒子を添加することにより、帯電ブレードによる
帯電特性が良好となり、また、感光体ドラムへの付着力
が低減され、転写効率が向上する。
【0026】また、有機微粒子として、スチレン系樹
脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹
脂等からなる樹脂微粒子を添加することができる。これ
ら各種微粒子の添加量は、現像剤100重量部に対し
て、通常、0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
上記の各成分から本発明に係る非磁性一成分現像剤を製
造するのは、常法に従って行なうことができる。通常
は、先ずバインダー樹脂、着色剤及び離型剤並びに必要
に応じて添加される帯電制御剤、各種微粒子、その他の
添加剤等を混合機で均一に分散混合し、得られた混合物
を次いで二軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、クラッ
シャー、ハンマーミル等で粗砕し、ジェットミル、高速
ローター回転式ミル等で細粉砕し、風力分級機(例え
ば、慣性分級方式のエルボジェット、遠心力分級方式の
ミクロプレックス、DSセパレーターなど)等で分級す
る方法が採用される。
【0027】本発明において、前記した好ましいワック
ス分散粒径を得ることは、特定の製造条件を選ぶことに
よって達成可能である。すなわち、本発明のバインダー
樹脂及びエステルワックス等のトナー構成材料を混合
し、混練し、粉砕し、分級することを含む混練粉砕法に
おいて、混練が、温度調節可能な複数のシリンダブロッ
ク及び2本の同方向に回転可能なスクリュを有する2軸
スクリュ押出機により行われ、スクリュが少なくとも輸
送部、1以上のニーディング部、及び押出部から構成さ
れ、スクリュの輸送部に対応するシリンダブロックの温
度設定が離型剤の吸熱ピーク温度より20℃以上低く設
定され、スクリュのニーディング部に対応するシリンダ
ブロックが離型剤の吸熱ピーク温度より20℃以上高く
かつバインダー樹脂の軟化点より10℃以上低く設定さ
れ、スクリュの押出部に対応するシリンダブロックがバ
インダー樹脂の軟化点より20℃以上高く設定される条
件にて製造すれば、本発明の好ましい範囲のワックス分
散径が得られる。
【0028】2軸スクリュ押出機のスクリュのうち、輸
送部は樹脂等のパウダー原料を圧縮搬送し余熱を与える
工程だが、その部分に対応するシリンダブロックの設定
温度をワックス吸熱ピーク温度より20℃以上低くする
ことにより、混合により均等に粉体混合されたワックス
成分が熱によって再凝集・粗大化することなく、次へ押
し込まれる。2軸スクリュ押出機での混練においては、
一般に樹脂等の材料の装置内滞留時間は非常に短いか
ら、一旦ワックス成分が粗大化すると、次工程以降で十
分に分散することは難しい。輸送部に次いで、スクリュ
として1以上のニーディング部があり、ここでは樹脂の
溶融及びワックス等の添加剤との分散混合が行われる。
そして、ニーディング部に対応するシリンダブロックの
設定温度をワックス吸熱ピーク温度より20℃以上高く
することによりワックスをシャープメルト化して粘度を
急速に低下させることが可能である。しかもその設定温
度は樹脂の軟化点よりは10℃以上低くするので、低粘
度状態のワックスは、まだ十分に粘度が高くせん断力の
かかりやすい樹脂中に適当なサイズで分散することにな
る。さらに、スクリュの押出部に対応するシリンダブロ
ックの設定温度は樹脂軟化点より20℃以上高くするの
で、全体の粘度を大きく下げ、ニーディング部での分散
状態に大きな変更を加えずに押し出すことができる。以
上によって、本発明のポリエステル樹脂中に本発明のエ
ステルワックスが望ましい分散粒径で分散する。なお、
付言すれば、より適切に本発明のワックス分散径を得る
ためには、2軸スクリュ押出機において、2以上のニー
ディング部を有するスクリュを用い、その間にベントを
設けて真空に引くのが好ましい。また、スクリュ内部に
水冷機構を設けて混練時に冷却するのが望ましい。
【0029】トナーの粉体特性は本発明の現像剤として
の耐久性等にも大きく影響するので、適切に管理されな
ければならない。すなわち、トナーの粒径分布として
は、以下の要件を満たすのが好ましい。測定は、コール
ターカウンタ法による。
【0030】
【表2】[算術平均径] ・体積分布での算術平均径が5〜15μm、より好まし
くは7〜10μmであること。 ・個数分布での算術平均径が4〜15μm、より好まし
くは6〜9μmであること。 [変動係数(CV値)] ・体積分布での変動係数が30%以下、より好ましくは
25%以下であること。 ・個数分布での変動係数が35%以下、より好ましくは
30%以下であること。
【0031】
【表3】[5.04μm以下の量] ・体積分布での5.04μm以下の量が7%以下、より
好ましくは1〜5%であること。 ・個数分布での5.04μm以下の量が25%以下、よ
り好ましくは5〜20%であること。 [10.1μm以上の量] ・体積分布での10.1μm以上の量が30%以下、よ
り好ましくは3〜25%であること。 ・個数分布での10.1μm以上の量が15%以下、よ
り好ましくは1〜10%であること。
【0032】また、トナー粒子の形状も帯電性や画質、
耐久性に影響するから、望ましい範囲とすることが重要
である。すなわち、粒子の電顕写真からの画像解析法
(ニレコ社製、Luzex−F)による下記式で計算さ
れる形状係数が120〜180、より好ましくは140
〜160であるのがよい。これは、粒子の形状の歪みに
より数値が変動し、円に近いほど数値は100に近づ
き、また細長いものほど数値は大きくなる。
【0033】
【数1】
【0034】本発明の非磁性一成分現像剤は、電子写真
における非磁性一成分現像方式による画像形成方法に有
用である。以下に本発明のトナーを使用する画像形成方
法について説明する。以下、図1を例に本発明の画像形
成方法を説明する。本発明に用いられるトナー搬送部材
1は、通常、円柱状あるいは円筒状の形態の表面を現像
剤を担持する表面として用いる。材質は、静電潜像保持
体3とトナー搬送部材1とが非磁性現像剤6を介在して
接触する、いわゆる接触現像方法においては弾性体を用
いる方法が一般的である。トナー搬送部材1の表面は現
像剤6の搬送性を上げる目的で適度な表面粗さを与えて
もよい。またトナー粒子との適度な摩擦帯電が得られる
ような材質を考慮しなければならない。非磁性一成分接
触型現像の場合、弾性体のトナー搬送部材1の一般的な
形態としては、導電性ゴムローラ(NBRゴム、シリコ
ーンゴムなどに導電性粒子を分散含有させたものなど)
を用いる。導電性ゴムの表面に誘電体層を設ける場合も
ある。
【0035】本発明に用いられるトナー層厚規制部材2
は、角棒状の剛体、突起状の弾性体、板バネ状等のもの
の面や先端を利用するもの、ローラ、その他、あるいは
それらの複合型など各種が挙げられる。層厚規制部材2
はそれ自身の弾性力あるいはトナー搬送部材1の弾性力
あるいは外部からの力あるいはそれらの複合力によっ
て、トナー搬送部材1に直線状に押圧されている。トナ
ー層厚規制部材2の電気特性については、絶縁性のも
の、導電体のものに電圧を印加する場合、あるいは導電
体ではあるが電気的にはどこにも接続されずにフロート
になっているものなど各種である。トナー搬送部材1を
この直線状押圧に対して直角方向に摺るように相対移動
させることにより現像剤粒子6は押圧部を押し広げなが
ら通過し、トナー搬送部材1上に均一に塗布されて現像
剤層を形成する。この押圧部の形態、圧力、組成、印加
電圧によって、現像剤層厚、トナーの帯電量はコントロ
ールされる。大局的には圧力が大きいほど塗布される現
像剤層厚は薄く帯電量は高くなるが、形態、圧力、組
成、印加電圧については複雑な物理、化学の現象となる
ので一概には議論できない。
【0036】静電潜像を保持する静電潜像保持体3は、
その表面に静電荷分布による静電潜像パターンを形成す
る。本発明の画像形成方法では、潜像保持体としてOP
Cが用いられる。その一般的な形態はアルミニウムなど
の金属製の円筒または薄膜からなる導電性基材表面にポ
リカーボネート樹脂やアクリル樹脂等を含む有機感光材
料を塗布して用いる。感光層の比誘電率は1〜5程度で
あり、層厚10〜50μm程度で使用されるのが一般的
である。
【0037】画像形成の工程は、一般に用いられている
ゼログラフィーの原理に従い、コロナチャージャーや接
触型のローラ方式やブラシ方式等による均一帯電、ラン
プやレーザー光等による露光の手順などを経て潜像保持
体3上に静電荷分布の潜像を形成する。このときの潜像
保持体3上の最大電位が、導電性基材を基準に絶対値で
100〜1200V程度、より好ましくは300〜90
0V程度になるようにコントロールされる。
【0038】一方、トナー搬送部材1には前述のごと
く、トナー層厚規制部材2によって現像剤6を塗布す
る。トナー搬送部材1とトナー層厚規制部材2との間に
は、特に電圧をかけない場合、短絡して同電位とする場
合、500V以下程度の電圧をかける場合などがある。
また、トナー搬送部材1の相対的移動方向のトナー層厚
規制部材2より上流側にトナー補給補助部材4を設け
る。補給補助部材4としては、現像剤6が自重と流動性
によってトナー搬送部材1に付着する力に加え積極的に
現像剤6がトナー搬送部材1に向かうものを用いる。例
えば、スポンジ状やブラシ状の部材に現像剤6を含ませ
てトナー搬送部材1に摺り付ける方法が用いられる。こ
のときの摩擦を利用して現像剤6の摩擦帯電を促進して
もよい。この補給補助部材4に導電性の材料を用いて、
現像剤6がトナー搬送部材1へ向かう静電気力を与える
ようにトナー搬送部材1との間に電圧をかけてもよい。
また一般的にはローラ状のエンドレスなトナー搬送部材
1が用いられるので、潜像保持体3への現像を終えた残
りの現像剤が付着したトナー搬送部材1がこの補給補助
部材4の部分に戻ってくるので清掃手段を兼ねさせるこ
ともできる。その効果を積極的に利用したい場合には、
逆に現像剤6がトナー搬送部材1から離れる方向に力が
加わるように電圧をかけてもよい。また、清掃と供給を
兼ねる場合は現像剤6の帯電を上げる目的で交番電界を
印加してもよい。
【0039】しかしながら、装置の低価格化を図る上で
は、トナー搬送部材1と補給補助部材4との間に電圧を
印加しない方法が好ましい。また、図1のような形態の
現像器を用いる場合、トナー搬送部材1の下方間隙より
現像剤6が漏れる恐れがあるため、現像剤漏れシール部
材5を付けることが一般的である。以上の工程により、
現像剤層を形成したトナー搬送部材1と潜像を形成した
静電潜像保持体3とを対向させ、現像剤6中の少なくと
もトナー粒子を転移させて潜像を顕像化する。
【0040】この際、現像剤層を介して押圧され、潜像
パターンに見合ったトナー粒子が静電気力で転移され
る。トナーを転移させたい潜像電位と白地としたい潜像
電位との間の電位に現像スリーブ1の電位を保つ方法が
一般的である。潜像パターンに転移したトナーは、通常
の複写機やレーザープリンタの場合、紙やフィルムなど
の被転写材へさらに転写される。この転写工程において
は、被転写材を潜像保持体に接触させて、背面よりコロ
ナ放電により電荷を与える方法や導電性の転写ローラを
押圧し電圧を印加する方法などが一般的である。
【0041】転写工程の後に、潜像保持体上に残存する
粒子の除去が感光体に当接するポリウレタン等のクリー
ニングブレード9での摺擦によって行われる。被転写材
上のトナー像は、熱ローラ等の定着部材10により定着
される。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明の具体的態様をさ
らに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り下記の実施例により限定されるものではない。 [ポリエステル樹脂製造例1〜6]下記表−1に示す組
成の材料を温度計、攪拌機及び窒素導入管を備え、減圧
及び加熱操作が可能な反応容器に投入し、さらに重合触
媒を加えた。次いで、窒素気流下に攪拌しながら、容器
内温を約250℃の減圧下に保ちつつ反応を進めた。軟
化点を測定しながら反応の状態を追跡し、所定の物性に
達した時点で反応を停止させ、さらに室温まで冷却して
各ポリエステル樹脂を得た。
【0043】
【表4】
【0044】なお、表−1中、酸成分及びアルコール成
分を略号で表したが、それらは以下の原料を表す。
【0045】
【表5】 TPA :テレフタル酸 IPA :イソフタル酸 TMA :トリメリット酸 ジオールA:ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−
ビス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン ジオールB:ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2
−ビス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン EG :エチレングリコール 以上のポリエステル樹脂の物性値を下記表−2に示す。
【0046】
【表6】
【0047】[トナー組成例1〜16]下記表−3にト
ナー組成例1〜16のトナー組成と混練条件を一覧表に
して示す。
【0048】
【表7】
【0049】[非磁性一成分現像剤例1〜16]表−3
の組成及び混練条件にて、以下のように各非磁性一成分
現像剤を作製する。それぞれの組成に従って、ヘンシェ
ルミキサーにて混合し、2軸スクリュ押出機により溶融
混練した。なお、押出機のスクリュは同方向回転であ
り、ニーディング部を2つ有する構成である。また、第
1ニーディング部と第2ニーディング部の間に真空での
ベント吸引を行う。さらに、スクリュには軸水冷のため
約10℃の水を通水する。それぞれの混練条件は表−3
に記した通りである。
【0050】次に、混練物を冷却ローラで冷却圧延し、
ハンマーミルにて約1mmの粒径に粗砕する。粗砕物を
流動層式ジェットミルにて微粉砕し、ロータ回転型分級
機にて分級する。さらに、得られた分級品100重量部
に対して、疎水性シリカHDK−H1018(Wack
er社製)1重量部をヘンシェルミキサーにて混合して
外添処理を行う。その後、外添処理品を目開き約100
μmの篩をセットした振動篩にて粗大粒子を除去して非
磁性一成分現像剤を得た。そうして、得られた非磁性一
成分現像剤の物性を下記表−4に示す(非磁性一成分現
像剤例のNo.はそれぞれトナー組成例No.に対応す
る)。
【0051】
【表8】
【0052】なお、表中の算術平均径、変動係数、5.
04μm以下量及び10.1μm以上量の測定は、Co
uter Multisizer2(ベックマンコール
ター社製)で実施した。形状係数SF−1は、各トナー
毎に、走査型電子顕微鏡写真(SEM)にて1000倍
の写真を複数視野撮影し、ランダムに粒子数100個の
画像解析をLuzex−F(ニレコ社製)により行い、
算出した。なお、トナー粒子中のワックス平均分散粒子
径は本文記載の方法にて測定した。ワックス分散粒子径
は、現像剤例No.1〜9迄は1〜2μmであり、現像
剤例(比較)10、11、13、14、16は2.5μ
mを超え、現像剤例(比較)15は1μm未満であっ
た。
【0053】[非磁性一成分現像剤の評価方法]定着性
試験と実写耐久性試験とにより、各現像剤の評価を行っ
た。測定法は以下の通りである。 (定着性試験)市販のフルカラープリンタの定着機を取
り外して、単体で温度設定、駆動可能なように改造し
た。なお、定着機は熱ローラ方式であり、上下各ローラ
は各々シリコンゴムからなり、上部ローラ(トナー接触
面)にヒータが内蔵され、またその最表面にPTFEチ
ューブが被覆される。ローラの回転速度は約80mm/
secとする。また、定着機の上部ローラ表面温度は1
30〜230℃の範囲で10℃刻みに温度調整が可能な
ように設定される。別途、坪量約80g/m2の普通紙
(A4サイズ)上にトナー付着量約0.6mg/cm2
で帯状のベタを印字し、未定着の印字画像を得る。この
未定着画像を温度設定された上記の定着機に通して各温
度での定着画像を得た。そうして、オフセット現象の有
無の確認を目視で行い、オフセット現象の発生しない温
度域をオフセット温度域とする。また、定着温度170
℃での画像を用い、ベタ折り曲げ法(折り曲げ前後の画
像濃度の比率%)により定着強度の評価を行った。その
評価は、より広い温度域でオフセットが発生せずかつ折
り曲げ強度の高いトナー(折り曲げ後の折り目部分の画
像が剥がれ難い)が定着性としてよいが、以下のように
行う。
【0054】
【表9】・オフセット温度域:上限域温度と下限域温度
との差が70℃以上あるのが良好であり、50℃以下で
は実用上問題がある。 ・折り曲げ定着強度:90%以上であるのが良好であ
り、それ未満では実用上問題がある。
【0055】(実写耐久性試験)非磁性一成分現像剤を
用いて実写評価を行った。実写評価装置は、市販のタン
デム方式のプリンターを改造して使用した。このプリン
ターの感光体(像保持体)は、表面層にポリカーボネー
ト樹脂が含有される直径24mmφのドラム状の積層型
有機光導電体(OPC)であり、現像器は導電剤が含有
されたゴム製の現像スリーブ(搬送部材)に対して、ウ
レタンゴム製のブレード(層厚規制部材)とスポンジ状
の供給ローラ(補給補助部材)がそれぞれ押し当てられ
ている。これらの感光体、現像器等が各色毎に割り当て
られ、合計4色分が直列に配置された構造を有する。紙
の搬送は搬送ベルトにより行われる。定着は、シリコー
ンオイル供給機構を有しない熱ロールにより行われ、上
部ローラ(トナー接触面)の表層はPTFEよりなり、
約180℃の表面温度を有するように設定される。下部
ローラはシリコンゴムにより形成される。
【0056】4色の各現像器に各色現像剤を約360g
供給し、各色10%(A4サイズ)のベタ濃度の4色パ
ターンで約6000枚の印字試験を行う。その間、初
期、2000枚、4000枚及び6000枚で画像評価
用のパターンを印字した。その画像評価は以下のように
行う。
【0057】
【表10】・画像濃度:色彩色差計SPM−50(グレ
タグ社製)で測定した。全試験を通じて1.40以上で
あるのがよい。 ・カブリ :通紙前後の白度差を測色色差計Z−300
A(日本電色社製)で測定した。全試験を通じて1.0
以下であるのがよい。 ・白スジ、ベタ均一性:目視で以下の4段階評価 ◎:極めて良好 ○:実用上問題なし △:実用上やや問題あり ×:実用上著しく問題あり また各現像器の重量測定によりトナー消費量(g/10
00枚)を計算する。目安として、全体の平均で50g
/1000枚未満であるのがよい。
【0058】[非磁性一成分現像剤の評価結果]非磁性
一成分現像剤例1〜16の定着性及び実写耐久性試験を
行った。その結果を下記表−5に示す。
【0059】
【表11】
【0060】その結果、現像剤例1〜9はオフセット温
度域が70℃を超え、折り曲げ定着強度が90%を超
え、実写試験では画像濃度が1.40以上であり、カブ
リが1.0以下であり、白スジ発生やベタ均一性も実用
上問題のないレベル以上であり、平均のトナー消費量も
50g/1000枚未満であり、いずれも優秀な結果で
あった。
【0061】一方、比較のための現像剤例10〜16
は、以下のように何らかの欠点を有していた。 現像剤例10:ポリエステル樹脂の構成材料としてポリ
オキシエチレン化ビスフェノールAを含まない例である
が、ワックス分散径が大きく、実写での後半の画像濃度
の低下、白スジの発生及びベタ均一性の悪化が見られ、
実用上問題がある。
【0062】現像剤例11:ポリエステル樹脂の構成材
料としてポリオキシエチレン化ビスフェノールAを含ま
ない例であるが、ワックス分散径が大きく、実写後半の
画像濃度の低下、白スジの発生及びベタ均一性の悪化が
見られ、実用上問題がある。 現像剤例12:エステルワックスの代わりにポリエチレ
ンワックスを使用した例であるが、定着オフセット温度
域が40℃しかなく、定着性に難があった。
【0063】現像剤例13:混練時のスクリュ輸送部に
対応するシリンダブロックの設定温度がワックスの吸熱
ピーク温度よりも20℃以上低くない場合であるが、ワ
ックス分散径が大きく、実写後半の白スジの発生及びベ
タ均一性の悪化が見られ、実用上問題がある。
【0064】現像剤例14:混練時のスクリュニーディ
ング部に対応するシリンダブロックの設定温度がワック
スの吸熱ピーク温度よりも20℃以上高くない場合であ
るが、ワックス分散径が大きく、実写後半の白スジの発
生及びベタ均一性の悪化が見られ、また、トナー平均消
費量もやや高く、実用上問題がある。
【0065】現像剤例15:混練時のスクリュニーディ
ング部に対応するシリンダブロックの設定温度が樹脂の
軟化点よりも10℃以上低くない場合であるが、ワック
ス分散径が小さく、実写後半のベタ均一性の悪化が見ら
れ、また、トナー平均消費量も悪化するので実用上問題
がある。
【0066】現像剤例16:混練時の押出部に対応する
シリンダブロックの設定温度が樹脂の軟化点よりも20
℃以上高くない場合であるが、ワックス分散径が大き
く、実写後半の白スジの発生やベタ均一性の悪化が見ら
れ、実用上問題がある。
【0067】
【発明の効果】本発明は、優れた定着性(耐オフセット
性等)と優れた耐ブレード融着性とを兼備し、しかも繰
り返し使用時や連続使用時の耐久性が向上されていると
いう効果を有する非磁性一成分現像剤の製造方法を提供
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる非磁性一成分現像剤を用いた本
発明の画像形成方法の有用な一例を示す模式的な説明図
である。
【符号の説明】
1 トナー搬送部材 2 トナー層厚規制部材 3 静電潜像保持体 4 トナー補給補助部材 5 現像剤漏れシール部材 6 非磁性一成分現像剤 7 潜像保持体帯電部材 8 転写部材 9 クリーニングブレード 10 定着部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともバインダー樹脂、着色剤及び離
    型剤を混合し、混練し、粉砕し、分級することを含む非
    磁性一成分現像剤の製造方法であって、バインダー樹脂
    が、芳香族ジカルボン酸及び芳香族トリカルボン酸を含
    む多価カルボン酸成分並びに芳香族ジオールを含む多価
    アルコール成分からなり、芳香族ジオールの少なくとも
    一部がポリオキシエチレン化ビスフェノール類である軟
    化点100〜140℃のポリエステル樹脂を含有し、か
    つ、離型剤が示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピー
    クを50〜90℃に有するエステルワックスであり、混
    練が温度調節可能な複数のシリンダブロック及び2本の
    同方向に回転可能なスクリュを有する2軸スクリュ押出
    機により行われ、スクリュは少なくとも輸送部、1以上
    のニーディング部、及び押出部から構成され、スクリュ
    の輸送部に対応するシリンダブロックの温度設定が離型
    剤の吸熱ピーク温度より20℃以上低く設定され、スク
    リュのニーディング部に対応するシリンダブロックが離
    型剤の吸熱ピーク温度より20℃以上高くかつバインダ
    ー樹脂の軟化点より10℃以上低く設定され、スクリュ
    の押出部に対応するシリンダブロックがバインダー樹脂
    の軟化点より20℃以上高く設定されることを特徴とす
    る非磁性一成分現像剤の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリエステル樹脂中に離型剤が個数平均径
    1〜2.5μmで分散されている、請求項1に記載の非
    磁性一成分現像剤の製造方法。
  3. 【請求項3】離型剤が、炭素数18以上の1価カルボン
    酸と炭素数18以上の1価アルコールとからなるエステ
    ルワックスである、請求項1又は2に記載の非磁性一成
    分現像剤の製造方法。
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