JP2003155251A - 生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤及び除去阻害剤 - Google Patents
生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤及び除去阻害剤Info
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Abstract
ス細胞を速やかに除去することができるアポトーシス細
胞の除去促進剤や、マクロファージによる生体内のアポ
トーシス細胞の除去を阻害する除去阻害剤を提供するこ
と。 【解決手段】 脂肪球被膜糖蛋白質(MFG−E8−
L)や、マクロファージによる生体内のアポトーシス細
胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体、好
ましくは組換えヒト若しくはマウスMFG−E8−L又
は組換えヒト若しくはマウスMFG−E8−L変異体を
有効成分とする生体内アポトーシス細胞除去促進剤を調
製する。これら除去促進剤は、アポトーシス細胞表面に
露出するホスファチジルセリンなどのアミノリン脂質を
認識することで、アポトーシス細胞に特異的に結合し、
マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食作用を促
進する。他方、点変異(D89E)MFG−E8−L変
異体を除去阻害剤とする。
Description
よる生体内でアポトーシスを起こした細胞(以下「アポ
トーシス細胞」という)の除去促進剤や、マクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤に関す
る。
起するようにプログラムされた細胞死、すなわちアポト
ーシスは、免疫系において老化した細胞や病態細胞など
の生体にとって好ましくない細胞を排除するために生体
に備わった機構であることが知られている。このアポト
ーシスは細胞サイズの急速な縮小と細胞核の変化を特徴
とし、アポトーシス細胞は通常アポトーシス小体とな
り、最終的にはマクロファージ等の食細胞により貪食さ
れる。すなわち、まず細胞が縮小して隣接細胞から離
れ、核のDNAとタンパク質との複合体であるクロマチ
ンが核膜周辺に凝縮し、核の濃縮が生じると共に細胞表
面の微絨毛が消失して平滑化し、大小の突起が出現し、
やがてそれらがくびれてちぎれ、膜に包まれた大小の球
状のアポトーシス小体に断片化し、これらの小体がマク
ロファージや隣接する食細胞により貪食除去されること
はよく知られている。
な病態細胞の増殖を阻害して、これらの細胞に起因する
疾病を治療するものとしては、これまで、アミノプテリ
ン、メトトレキセート、8‐アザグアニン、6‐メルカ
プトプリン、5‐フルオロウラシル、1‐(2‐テトラ
ヒドロフリル)‐5‐フルオロウラシルなどの合成物
質、マイトマイシンC、クロモマイシン、ブレオマイシ
ンなどの抗生物質、インターフェロン、CSF抑制物
質、CBFなどが知られているが、これらはいずれも所
定の細胞に作用して、それを壊死すなわちネクローシス
を起こさせて病態細胞を排除するものである。ネクロー
シスは病理的要因によって起こるが、アポトーシスはネ
クローシスと異なり、病理的要因のみならず多様な生理
的要因によっても生じるといわれている。
細胞を構成する細胞膜リン脂質の配列変化を伴い、結果
として負電荷のリン脂質であるホスファチジルセリン
(phosphatidylserine)の細胞表面へ露出することが報
告されている(Immunol. Today, 14: 131-136, 1993、C
irk. Res., 77: 1136-1142, 1995)。この細胞表面の変
化がマクロファージや隣接する細胞に認識され、貪食過
程が進行すると考えられている。ホスファチジルセリン
と選択的に結合するアネキシンVにより前記貪食過程が
阻害されることから、アポトーシス細胞の細胞表面にホ
スファチジルセリンが露出することが貪食機構に重要な
役割を果たしているものと考えられている(Biochem. B
iophys. Res. Commun., 205: 1488-1493,1994、Proc. N
atl. Acad.Sci. USA, 93: 1624-1629,1996)。また、ア
ネキシンVの標識体を用いて、アポトーシスの初期過程
の検出がフローサイトメトリーにより行われている。
8;milk fat globule-EGF factor8)は、母乳中に多く
含まれる乳腺上皮由来の分泌蛋白質としてクローニング
され(Biochem. Biophys. Res. Commun. 254 (3), 522-
528, 1999)、その後、他の多くの正常組織やいくつか
の腫瘍細胞で強く発現する分泌型糖タンパク質として知
られている。MFG−E8は、N末端側から2つのEG
F(上皮増殖因子)ドメインと血液凝固因子V,VIIIの
C1,C2ドメインとホモロジーのあるドメインで構成
されている。MFG−E8はヒト(BA46,lactadhe
rin)、マウス(MFG−E8)、ラット(rAG
S)、ブタ(P47)、ウシ(PAS−6,PAS−
7)を含め幾つかの哺乳類でそのホモログが報告されて
おり、さらに、MFG−E8とドメイン構造の類似性が
ある内皮細胞特異的細胞接着分子DEL1がクローニン
グされており、MFG−E8及びDEL1は2番目のE
GFドメイン内にはインテグリンと結合するRGD配列
を含んでいる。一方、C末側のC1,C2ドメインは細
胞膜のリン脂質に結合することが知られている。しか
し、このMFG−E8は、酵素活性との関連やその生理
機能について不明な点が多く、この点を明らかにするた
めに、マウス脂肪球被膜糖蛋白質MFG−E8のゲノム
遺伝子と染色体マッピング、発生過程における遺伝子発
現の動態、細胞内局在などについて検討されており、生
殖原基がMFG−E8の発生初期の主要発現部位であ
り、発生の後期になると神経細胞や軟骨原基に特徴的な
非常に強い発現があるとされている。また、生体内にお
けるMFG−E8の機能を探るために、MFG−E8遺
伝子欠損マウス作製の試みがなされている。
恒常性維持に重要な役割を果たしている。アポトーシス
を起こしている細胞(アポトーシス細胞)が分泌する有
害な物質から正常細胞を保護するためにも、アポトーシ
ス細胞は速やかにマクロファージによって除去する必要
がある。例えば、ガン細胞にアポトーシスを積極的に誘
導し、ガンの治療を行うこともできるが、かかる場合で
あってもアポトーシス細胞を速やかに除去する必要があ
る。本発明の課題は、マクロファージによって生体内の
アポトーシス細胞を速やかに除去することができるアポ
トーシス細胞の除去促進剤や、マクロファージによる生
体内のアポトーシス細胞の除去を阻害する除去阻害剤を
提供することにある。
を解決するために鋭意研究し、脂肪球被膜糖蛋白質(M
FG−E8−L)が、細胞がアポトーシスへ向かいはじ
めると細胞表面に露出するホスファチジルセリン(P
S)などのアミノリン脂質を認識することで、アポトー
シス細胞に特異的に結合し、MFG−E8−Lがマクロ
ファージによるアポトーシス細胞の貪食作用を促進する
ことや、MFG−E8−Lの点変異誘導体であるD89
E変異体がマクロファージによるアポトーシス細胞の貪
食作用を阻害することを見い出し、本発明を完成するに
至った。
効成分とすることを特徴とするマクロファージによる生
体内のアポトーシス細胞の除去促進剤(請求項1)や、
MFG−E8−Lを構成するアミノ酸配列において、1
若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加され
たアミノ酸配列からなり、かつマクロファージによる生
体内のアポトーシス細胞の除去促進作用を有するMFG
−E8−L変異体を有効成分とすることを特徴とするマ
クロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促
進剤(請求項2)や、MFG−E8−L又はアポトーシ
ス細胞の除去作用を有するMFG−E8−L変異体が、
組換えMFG−E8−L又は組換えMFG−E8−L変
異体であることを特徴とする請求項1又は2記載のマク
ロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進
剤(請求項3)や、組換えMFG−E8−L又は組換え
MFG−E8−L変異体が、組換えヒト若しくはマウス
MFG−E8−L又は組換えヒト若しくはマウスMFG
−E8−L変異体であることを特徴とする請求項3記載
のマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除
去促進剤(請求項4)や、組換えMFG−E8−L又は
組換えMFG−E8−L変異体が、ヒト細胞中での翻訳
産物であることを特徴とする請求項3又は4記載のマク
ロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進
剤(請求項5)や、組換えMFG−E8−L又は組換え
MFG−E8−L変異体が、RGDモチーフを有するE
GF−2ドメイン、高プロリン/スレオニン含有ドメイ
ン、2つの因子VIII相同ドメイン(C1及びC2)を有
することを特徴とする請求項3〜5のいずれか記載のマ
クロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促
進剤(請求項6)に関する。
G−E8−L変異体が、リポソームに封入又は包埋され
ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の
マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去
促進剤(請求項7)や、請求項1〜6のいずれかに記載
されたMFG−E8−L又はMFG−E8−L変異体を
コードするDNAを含む組換えベクターを有効成分とす
ることを特徴とするマクロファージによる生体内のアポ
トーシス細胞の除去促進剤(請求項8)や、請求項1〜
6のいずれかに記載されたMFG−E8−L又はMFG
−E8−L変異体を発現することができる発現系を含ん
でなる宿主細胞を有効成分とすることを特徴とするマク
ロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進
剤(請求項9)や、請求項1〜6のいずれかに記載され
たMFG−E8−L変異体に対する抗体を有効成分とす
ることを特徴とするマクロファージによる生体内のアポ
トーシス細胞の除去促進剤(請求項10)や、請求項1
〜6のいずれかに記載されたMFG−E8−L変異体に
対する抗体が、抗MFG−E8−Lモノクローナル抗体
又は抗MFG−E8−L変異体モノクローナル抗体であ
ることを特徴とする請求項10記載のマクロファージに
よる生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤(請求項1
1)に関する。
記載の生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤を用いる
ことを特徴とするマクロファージによる生体内のアポト
ーシス細胞の除去方法(請求項12)や、請求項1〜1
1のいずれか記載の生体内のアポトーシス細胞の除去促
進剤を含有することを特徴とするマクロファージによる
生体内のアポトーシス細胞の除去不全に起因する疾病の
治療薬(請求項13)や、請求項1〜11のいずれか記
載の生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤を含有する
ことを特徴とする生体防御機能増強剤(請求項14)
や、請求項13記載の治療薬又は請求項14記載の生体
防御機能増強剤を用いることを特徴とするマクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去不全に起因す
る疾病の治療方法(請求項15)に関する。
るアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が
欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、
かつマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の
除去阻害作用を有するMFG−E8−L変異体を有効成
分とすることを特徴とするマクロファージによる生体内
のアポトーシス細胞の除去阻害剤(請求項16)や、ア
ポトーシス細胞の除去阻害作用を有するMFG−E8−
L変異体が、組換えMFG−E8−L変異体であること
を特徴とする請求項16記載のマクロファージによる生
体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤(請求項17)
や、組換えMFG−E8−L変異体が、組換えヒトMF
G−E8−L変異体又は組換えマウスMFG−E8−L
変異体であることを特徴とする請求項17記載のマクロ
ファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤
(請求項18)や、組換えMFG−E8−L変異体が、
ヒト細胞中での翻訳産物であることを特徴とする請求項
17又は18記載のマクロファージによる生体内のアポ
トーシス細胞の除去阻害剤(請求項19)や、組換えM
FG−E8−L変異体が、1つの高プロリン/スレオニ
ン含有ドメイン及び2つの因子VIII相同ドメイン(C1
及びC2)を有しRGDモチーフに点変異をもつMFG
−E8−L変異体であることを特徴とする請求項17〜
19のいずれか記載のマクロファージによる生体内のア
ポトーシス細胞の除去阻害剤(請求項20)や、点変異
をもつMFG−E8−L変異体が、D89E変異体であ
ることを特徴とする請求項20記載のマクロファージに
よる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤(請求項2
1)に関する。
が、リポソームに封入又は包埋されていることを特徴と
する請求項16〜21のいずれか記載のマクロファージ
による生体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤(請求項
22)や、請求項16〜21のいずれかに記載されたM
FG−E8−L変異体をコードするDNAを含む組換え
ベクターを有効成分とすることを特徴とするマクロファ
ージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤(請
求項23)や、請求項16〜21のいずれかに記載され
たMFG−E8−L変異体を発現することができる発現
系を含んでなる宿主細胞を有効成分とすることを特徴と
するマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の
除去阻害剤(請求項24)や、請求項16〜24のいず
れか記載のマクロファージによる生体内のアポトーシス
細胞の除去阻害剤を用いることを特徴とするマクロファ
ージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害方法
(請求項25)や、請求項16〜24のいずれか記載の
マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去
阻害剤を含有することを特徴とするマクロファージによ
る生体内のアポトーシス細胞の除去阻害不全に起因する
疾病の治療薬(請求項26)や、請求項26記載の治療
薬を用いることを特徴とするマクロファージによる生体
内のアポトーシス細胞の除去阻害不全に起因する疾病の
治療方法(請求項27)や、標識化された、MFG−E
8−L若しくはマクロファージによる生体内のアポトー
シス細胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異
体、又はこれらに対する抗体、あるいは、標識化され
た、マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の
除去阻害作用を有するMFG−E8−L変異体を有効成
分とすることを特徴とする生体内のアポトーシス細胞の
検出剤(請求項28)や、標識化された、MFG−E8
−L若しくはマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異
体、又はこれらに対する抗体、あるいは、標識化され
た、マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の
除去阻害作用を有するMFG−E8−L変異体を有効成
分とする検出剤を用いることを特徴とする生体内のアポ
トーシス細胞の検出方法(請求項29)や、MFG−E
8−L若しくはマクロファージによる生体内のアポトー
シス細胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異
体、又はこれらに対する抗体と、被検物質を接触させ、
生体内におけるアポトーシス細胞の除去の程度を評価す
ることを特徴とするマクロファージによる生体内のアポ
トーシス細胞の除去促進誘導物質又は除去促進抑制物質
のスクリーニング方法(請求項30)や、マクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害作用を有
するMFG−E8−L変異体と、被検物質を接触させ、
生体内におけるアポトーシス細胞の除去阻害の程度を評
価することを特徴とするマクロファージによる生体内の
アポトーシス細胞の除去阻害誘導物質又は除去阻害抑制
物質のスクリーニング方法(請求項31)に関する。
体内のアポトーシス細胞の除去促進剤としては、脂肪球
被膜糖蛋白質(MFG−E8−L)や、MFG−E8−
Lを構成するアミノ酸配列において、1若しくは数個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつマクロファージによる生体内のアポトー
シス細胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異
体を有効成分とするものであれば特に制限されるもので
はなく、ここでMFG−E8−Lとは長鎖MFG−E8
(MFG−E8のロングフォーム)を意味し、例えばマ
ウスMFG−E8−Lとしては配列表の配列番号1に示
されるように463アミノ酸残基からなるMFG−E8
−Lを挙げることができ、また、マウスMFG−E8−
L変異体としては、配列番号1に示されるアミノ酸配列
において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若し
くは付加されたアミノ酸配列からなり、かつマクロファ
ージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進作用を
有するMFG−E8−L変異体を挙げることができる。
また、上記MFG−E8−LやMFG−E8−L変異体
の由来はマウスに限定されるものでなく、ヒト(別名;
BA46,lactadherin)、ラット(別名;rAG
S)、ブタ(別名;P47)、ウシ(別名;PAS−
6,PAS−7)等に由来するMFG−E8−LやMF
G−E8−L変異体も用いることができるが、マクロフ
ァージによるヒト生体内のアポトーシス細胞の除去促進
には、ヒトMFG−E8−Lを特に有利に用いることが
できる。
によるアポトーシス細胞の除去促進作用を有するMFG
−E8−L変異体としては、組換えMFG−E8−L又
は組換えMFG−E8−L変異体、好ましくは、組換え
ヒトMFG−E8−L若しくは組換えマウスMFG−E
8−Lや、組換えヒトMFG−E8−L変異体若しくは
組換えマウスMFG−E8−L変異体を有利に用いるこ
とができる。これら組換えMFG−E8−Lや組換えM
FG−E8−L変異体は、公知の方法により調製するこ
とができるが、宿主細胞としてヒト細胞を用いたヒト細
胞中での翻訳産物であることが好ましい。MFG−E8
−Lの構造の中には、1つのシグナル配列、2つのEG
Fドメイン(EGF−1及びRGDモチーフを有するE
GF−2)、1つの高プロリン/スレオニン含有ドメイ
ン(高P/T含有ドメイン)、2つの因子VIII相同ドメ
イン(C1及びC2)が存在するが、組換えMFG−E
8−L又はマクロファージによるアポトーシス細胞の除
去促進作用を有する組換えMFG−E8−L変異体とし
て、RGDモチーフを有するEGF−2ドメイン、高プ
ロリン/スレオニン含有ドメイン、2つの因子VIII相同
ドメイン(C1及びC2)を有するものが好ましい。
内のアポトーシス細胞の除去促進剤としては、上述のM
FG−E8−Lやマクロファージによるアポトーシス細
胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体が、
リポソームに封入又は包埋されている生体内アポトーシ
ス細胞除去促進剤を挙げることができ、リポソーム膜を
構成する脂質としては、ジメチルジオクタデシルアンモ
ニウムブロミド(DDAB)、ジオレオイルホスファチ
ジルエタノールアミン(DOPE)等のカチオン性リポ
ソーム膜を好適に例示することができる。また、上記M
FG−E8−LやMFG−E8−L変異体を含むリポソ
ーム膜に、アポトーシス細胞に選択的に反応するモノク
ローナル抗体、例えば後述する抗MFG−E8−Lモノ
クローナル抗体を結合させ、イムノリポソームとするこ
ともできる。
体内のアポトーシス細胞の除去促進剤として、上述のM
FG−E8−L又はマクロファージによるアポトーシス
細胞の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体を
コードするDNAを含む組換えベクターを有効成分とす
る生体内アポトーシス細胞除去促進剤を挙げることがで
きる。上記組換えベクターとしては、MFG−E8−L
をコードするDNA、例えば配列番号2に示される塩基
配列からなるマウスMFG−E8遺伝子や、MFG−E
8−L変異体をコードするDNAを含むベクターであれ
ば特に制限されないが、MFG−E8−L又はMFG−
E8−L変異体を宿主細胞内で発現させることができる
発現系を含むものが好ましく、例えば、染色体、エピソ
ーム及びウイルスに由来する発現系、より具体的には、
細菌プラスミド由来、酵母プラスミド由来、SV40の
ようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウ
イルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウ
イルス由来のベクター、バクテリオファージ由来、トラ
ンスポゾン由来及びこれらの組合せに由来するベクタ
ー、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミ
ドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来するものを
挙げることができる。この発現系は発現を起こさせるだ
けでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。
ポトーシス細胞の除去促進剤として、上述のMFG−E
8−L又はマクロファージによるアポトーシス細胞の除
去促進作用を有するMFG−E8−L変異体を発現する
ことができる発現系を含んでなる宿主細胞を有効成分と
する生体内アポトーシス細胞除去促進剤を挙げることが
できる。MFG−E8−L又はMFG−E8−L変異体
をコードするDNAやかかるDNAを含むベクターなど
の上記発現系の宿主細胞への導入は、Davisら(BASIC M
ETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, 1986)及びSambrookら
(MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed.,
Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring
Harbor, N.Y., 1989)などの多くの標準的な実験室マニ
ュアルに記載される方法、例えば、リン酸カルシウムト
ランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トラ
ンスフェクション、トランスベクション(transvectio
n)、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介ト
ランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導
入、スクレープローディング (scrape loading)、弾丸
導入(ballistic introduction)、感染等により行うこと
ができる。そして、宿主細胞としては、大腸菌、ストレ
プトミセス、枯草菌、ストレプトコッカス、スタフィロ
コッカス等の細菌原核細胞や、酵母、アスペルギルス等
の真菌細胞や、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9
等の昆虫細胞や、L細胞、CHO細胞、COS細胞、H
eLa細胞、C127細胞、BALB/c3T3細胞
(ジヒドロ葉酸レダクターゼやチミジンキナーゼなどを
欠損した変異株を含む)、BHK21細胞、HEK29
3細胞、Bowes悪性黒色腫細胞等の動物細胞や、植
物細胞等を挙げることができるが、ヒト細胞が好まし
い。
る生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤として、MF
G−E8−Lやマクロファージによるアポトーシス細胞
の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体に対す
る抗体を挙げることができる。かかる抗体としては、モ
ノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、
一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的
に挙げることができ、これらの抗体は、慣用のプロトコ
ールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)に、上記M
FG−E8−L若しくはMFG−E8−L変異体又はそ
の一部、あるいは実施例に述べられているようにチオグ
リコレート刺激腹腔マクロファージを抗原として用いて
作製することができるが、その中でも抗MFG−E8−
Lモノクローナル抗体又は抗MFG−E8−L変異体モ
ノクローナル抗体がマクロファージによるアポトーシス
細胞の優れた除去促進作用の点でより好ましい。例えば
モノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物に
より産生される抗体をもたらす、ハイブリドーマ法(Na
ture 256, 495-497, 1975)、トリオーマ法、ヒトB細
胞ハイブリドーマ法(Immunology Today 4, 72, 1983)
及びEBV−ハイブリドーマ法(MONOCLONAL ANTIBODIE
S AND CANCER THERAPY, pp.77-96, Alan R.Liss, Inc.,
1985)など任意の方法を用いることができる。さら
に、一本鎖抗体をつくるために、一本鎖抗体の調製法
(米国特許第4,946,778号)を適用することや、また、
ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマ
ウス又は他の哺乳動物等を利用することもできる。
方法としては、上述のマクロファージによる生体内のア
ポトーシス細胞の除去促進剤を用いる方法であれば特に
制限されるものではない。また、本発明のマクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去不全に起因す
る疾病の治療薬や生体防御機能増強剤としては、上述の
マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去
促進剤を含有するものであれば特に制限されるものでは
なく、かかるマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去不全に起因する疾病としては、アポトーシ
ス減少に起因する疾患、例えば、各種癌、各種自己免疫
疾患、各種ウイルス疾患等を挙げることができる。上記
生体内アポトーシス細胞除去促進剤を治療薬や生体防御
機能増強剤として用いる場合は、薬学的に許容される通
常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩
衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各
種調剤用配合成分を添加することができる。またこれら
治療薬や生体防御機能増強剤は、経口的又は非経口的に
投与することができる。すなわち通常用いられる投与形
態、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注
射の型で非経口投与することができ、あるいは、例えば
粉末、顆粒、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型
で経口的に投与することができるが、経口投与の場合は
生体内アポトーシス細胞除去促進剤を前述のリポソーム
封入・包埋タイプとしておくことが好ましい。そしてま
た、本発明のマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去不全に起因する疾病の治療方法としては、
上記治療薬や生体防御機能増強剤を用いる治療方法であ
れば特に制限されるものではない。
ポトーシス細胞の除去阻害剤としては、MFG−E8−
Lを構成するアミノ酸配列において、1若しくは数個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつマクロファージによる生体内のアポトー
シス細胞の除去阻害作用を有するMFG−E8−L変異
体を有効成分とするものであればどのようなものでもよ
いが、これらアポトーシス細胞除去阻害作用を有するM
FG−E8−L変異体としては、組換えMFG−E8−
L変異体、好ましくは組換えヒトMFG−E8−L変異
体若しくは組換えマウスMFG−E8−L変異体を有利
に用いることができる。これら組換えMFG−E8−L
変異体は、公知の方法により調製することができるが、
宿主細胞としてヒト細胞を用いたヒト細胞中での翻訳産
物であることが好ましい。前記のように、MFG−E8
−Lの構造の中には、1つのシグナル配列、2つのEG
Fドメイン(EGF−1及びRGDモチーフを有するE
GF−2)、1つの高プロリン/スレオニン含有ドメイ
ン(高P/T含有ドメイン)、2つの因子VIII相同ドメ
イン(C1及びC2)が存在するが、アポトーシス細胞
除去阻害作用を有するMFG−E8−L変異体として、
1つの高プロリン/スレオニン含有ドメイン及び2つの
因子VIII相同ドメイン(C1及びC2)を有しRGDモ
チーフに点変異をもつMFG−E8−L変異体、例えば
マウスMFG−E8−Lの89番目のアミノ酸D(アス
パラギン酸)がE(グルタミン酸)に置換されたD89
E変異体を好適に例示することができる。
内のアポトーシス細胞の除去阻害剤としては、前記の生
体内アポトーシス細胞除去促進剤の場合におけると同様
に、上記MFG−E8−L変異体がリポソームに封入又
は包埋されている生体内アポトーシス細胞除去阻害剤
や、上記MFG−E8−L変異体をコードするDNAを
含む組換えベクターを有効成分とする生体内アポトーシ
ス細胞除去阻害剤や、上記MFG−E8−L変異体を発
現することができる発現系を含んでなる宿主細胞を有効
成分とする生体内アポトーシス細胞除去阻害剤を挙げる
ことができる。
阻害方法としては、上述のマクロファージによる生体内
のアポトーシス細胞の除去阻害剤を用いる方法であれば
特に制限されるものでなく、また、本発明のマクロファ
ージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害不全に
起因する疾病の治療薬や治療方法も、マクロファージに
よる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害剤を利用する
ものであれば特に制限されるものではない。
剤としては、前述のMFG−E8−Lや、マクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進作用を有
するMFG−E8−L変異体や、又はこれらに対する抗
体や、あるいはマクロファージによる生体内のアポトー
シス細胞の除去阻害作用を有するMFG−E8−L変異
体の標識体、すなわち標識化MFG−E8−L、標識化
生体内アポトーシス細胞除去促進作用MFG−E8−L
変異体、標識化抗MFG−E8−L抗体、標識化抗生体
内アポトーシス細胞除去促進作用MFG−E8−L変異
体抗体、標識化生体内アポトーシス細胞除去阻害作用M
FG−E8−L変異体を有効成分とするものであればど
のようなものでもよく、上記標識体としては、上記MF
G−E8−L、MFG−E8−L変異体等に、例えば、
FITC(フルオレセインイソシアネート)又はテトラ
メチルローダミンイソシアネート等の蛍光物質や、125
I、32P、14C、35S又は3H等のラジオアイソトープ
や、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−
ガラクトシダーゼ又はフィコエリトリン等の酵素で標識
したものや、Mycタグ、Hisタグ、FLAGタグ、
GSTタグなどの従来知られているペプチドタグを結合
させたものや、グリーン蛍光タンパク質(GFP)等の
蛍光発光タンパク質などを融合させた融合タンパク質を
具体的に例示することができる。これら標識体は常法に
より作製することができ、これら標識体を用いることに
よって、生体内でアポトーシスを起こしている細胞や組
織を検出することができる。また、上記標識体は、アポ
トーシス細胞・組織の検出剤のほか、例えば、Ni−N
TAとHisタグの親和性を利用したMFG−E8−L
等の精製や、MFG−E8−Lと相互作用するタンパク
質の検出や、当該分野の研究用試薬としても有用であ
る。
ポトーシス細胞の除去促進誘導物質又は除去促進抑制物
質のスクリーニング方法としては、MFG−E8−L若
しくはマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞
の除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体、又は
これらに対する抗体と、被検物質を接触させ、生体内に
おけるアポトーシス細胞の除去の程度を評価するスクリ
ーニング方法であれば特に制限されるものではなく、ま
た、本発明のマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去阻害誘導物質又は除去阻害抑制物質のスク
リーニング方法としては、マクロファージによる生体内
のアポトーシス細胞の除去阻害作用を有するMFG−E
8−L変異体と、被検物質を接触させ、生体内における
アポトーシス細胞の除去阻害の程度を評価するスクリー
ニング方法であれば特に制限されるものではなく、上記
MFG−E8−LやMFG−E8−L変異体等として、
それらを発現している細胞も使用することができる。
胞の除去又は除去阻害の程度を評価する方法としては、
例えば、インビボやインビトロで、被検物質とMFG−
E8−L等の存在下、マクロファージによるアポトーシ
ス細胞の貪食作用を測定・観察し、被検物質が非存在下
の対照の場合と比較・評価する方法を具体的に例示する
ことができる。これらスクリーニング方法により得られ
る、生体内のアポトーシス細胞の除去促進誘導物質や除
去阻害抑制物質は、マクロファージによる生体内のアポ
トーシス細胞の除去不全に起因する疾病の治療薬や生体
防御機能増強剤として用いうる可能性があり、他方、除
去促進抑制物質や除去阻害誘導物質は、マクロファージ
による生体内のアポトーシス細胞の除去阻害不全に起因
する疾病の治療薬として用いうる可能性がある。そし
て、生体内のアポトーシス細胞の除去促進誘導物質とし
ては、インテグリンαVβ3をコードするDNAの発現系
やチオグリコール酸塩を、生体内のアポトーシス細胞の
除去促進抑制物質としては、MFG−E8−Lをコード
するDNA又はRNAのアンチセンス鎖の全部又は一部
を含む発現系を挙げることができる。
明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定さ
れるものではない。 実施例A[材料と方法] 実施例A−1(インテグリンαVβ3発現マウスNIH3
T3形質転換体の樹立) pMXベクター(Exp. Hematol. 24, 324-329, 1996)
中にマウスインテグリンαV及びβ3 cDNAをもつレ
トロウィルス(J. Cell. Biol. 132, 1161-1176, 199
6、J. Cell Biochem. 81, 320-332, 2001)をマウス繊
維芽細胞であるNIH3T3細胞株(ATCC CRL
1658)に感染させ、インテグリンαV及びβ3を発現
するマウスNIH3T3形質転換体を樹立した。
チオグリコレート刺激腹腔マクロファージを、4週間間
隔でアルメニアンハムスター(Oriental Yeast社製)に
皮下注射した。フットパッドに細胞を注入し、最終ブー
スターとした。膝窩部リンパ節及び鼠径部リンパ節から
得られた細胞とマウス骨髄腫細胞P3X63Ag8U1
(ATCC CRL1597)とを常法により融合さ
せ、HAT培地中でハイブリドーマを選択した。ハイブ
リドーマの培養上澄液に対して貪食作用分析(phagocyt
osis assay)を行い、陽性ハイブリドーマをGIT培地
(Nihon Seiyaku社製)で培養し、プロテインAセファ
ロース(Amersham-Pharmacia社製)で精製し、2422
モノクローナル抗体を得た。
抗体をペプチド研究所(大阪府箕面市)で調製した。す
なわち、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシス
クシンイミドエステル(Pierce社製)と共にスカシガイ
ヘモシアニンと結合したペプチド(CNSHKKNIF
EKPFMAR;配列番号3)を用いてウサギを免疫し
た。かかるペプチドを結合させたAF−アミノ−トヨパ
ール(Toyopearl)(Tosoh社製)を使用して、ウサギ血
清から抗体をアフィニティー精製した。
製) 組換えMFG−E8の作製には、配列番号2に示される
マウスMFG−E8遺伝子を用いた。pEF-BOS-EXベクタ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 3461-3466, 199
8)を用いて、C末端にマーカーペプチドであるFLA
Gを結合させたMFG−E8を、常法によりヒト293
T細胞(ATCC CRL1573)中で発現させた。
抗FLAG M2アフィニティーゲル(Sigma社製)を用
いて、培地中に分泌されたMFG−E8を精製した。M
FG−E8−Lの構造の中には、1つのシグナル配列、
2つのEGFドメイン(EGF−1及びRGDモチーフ
を有するEGF−2)、1つの高プロリン/スレオニン
含有ドメイン(高P/T含有ドメイン)、2つの因子VI
II相同ドメイン(C1及びC2)が存在する(図3上図
参照)。そこで、組換えPCRを利用して、以下のMF
G−E8−L変異体をコードするDNAを常法により作
製し、上記pEF-BOS-EXベクターを用いて発現プラスミド
を構築した。これら発現プラスミドをヒト293T細胞
中で発現させ、高P/T含有ドメインを欠失したスプラ
イスバリアントである“MFG−E8−S”や、シグナ
ル配列がインフレームでC2ドメインと融合した“C2
変異体”や、シグナル配列がインフレームでC1−C2
ドメインと融合した“C1C2変異体”や、C1及びC
2ドメインを欠失した不完全な形態である“E1E2P
T”や、RGDモチーフの89位のアスパルギン酸をグ
ルタミン酸に置換した“D89E変異体”を作製した。
v)のチオグリコール酸塩(Sigma社製)を注入した。
チオグリコール酸塩で刺激された腹腔マクロファージを
4日後に回収し、10%のFCSを含んだDMEMで培
養した。貪食作用分析のために、4週齢から8週齢のI
CAD−Sdmマウス(Genes Dev. 14,549-558, 200
0)の胸腺細胞を、10%のFCSを含んだDMEMに
おいて、10μMのデキサメタゾンとともに37℃で4
時間インキュベーションした。48ウェルの細胞培養プ
レート上で成長した2.5×105のマクロファージ
に、胸腺細胞(1×106)を添加し、1.5時間貪食
させた。かかるプレートからマクロファージを分離し、
2.5μg/mlのラット抗マウスFcγIII/II受容
体(BD PharMingen社製)の存在下で、4μg/mlの
フィコエリトリン結合ラット抗マウスMac−1抗体
(BD PharMingen社製)を含むFACS染色緩衝液(2
%のFCS及び0.02%のNaN3を含むPBS)を
用いて氷上で30分間のインキュベーションを行った。
かかる細胞を1%のパラホルムアルデヒドで固定し、
0.1%のトリトンX−100で処理して、1mMのC
oCl2及び0.01%のBSAを含む100mMのカ
コジル酸塩緩衝液(pH7.2)100μl中に懸濁し
た。100単位/mlの末端デオキシヌクレオチジル転
移酵素(Takara Shuzo社製)及び2.5μMのFITC
標識dUTP(Roche Diagnostics社製)を用いて、T
UNEL反応を37℃で45分間行い、FACSキャリ
バー(Becton-Dickinson社製)を使用したフローサイト
メトリーで分析した。
貪食作用を評価した。すなわち、腹腔マクロファージ
(1×105個)又はNIH3T3細胞(2×104個)
を、0.1%のゼラチンでコーティングした8ウェルの
Lab−TekIIチャンバースライド(Nalge Nunc社
製)中で培養し、アポトーシス下の胸腺細胞への貪食作
用を上記のとおり進行させた。固定後、Apoptag kit(I
ntergen社製)を用いて、かかる細胞をTUNEL反応
させ、光学顕微鏡で観察した。
(DMP、Pierce社製)を用いて、2422モノクロー
ナル抗体をプロテインAセファロース(蛋白質2mg/
mlベッド容積)に共有結合させた。2422モノクロ
ーナル抗体が認識した分子を、マウスP388D1細胞
から免疫沈降法で精製した。すなわち、2.4×109
の細胞を、RIPA緩衝液(1%のトリトンX−10
0、0.1%のSDS、0.5%のデオキシコール酸ナ
トリウム、150mMのNaCl、1.5mMのMgC
l2、1mMのEGTA、10%のグリセロール、1m
Mの[p−アミジノフェニル]メタンスルホニルフルオラ
イドハイドロクロライド([p-amidinophenyl] methanesu
lfonyl fluoride hydrochloride)、1μg/mlのロイ
ペプチン及び1μg/mlのペプスタチンを含む50m
MのHepes−NaOH緩衝液[pH7.6])に溶解
した。3mlのヒトIgGセファロースでかかる溶解物
をあらかじめ処理し、150μlの2422モノクロー
ナル抗体−プロテインAセファロースとともに2時間イ
ンキュベーションした。0.5MのNaClを含んだR
IPA緩衝液で洗浄した後、0.1%のトリトンX−1
00を含んだ100mMのトリエチルアミン(pH1
1.5)で、ビーズに結合した蛋白質を溶出し、10%
のポリアクリルアミドゲル上での電気泳動により分離
し、PVDF膜にブロットした。かかる固定化した蛋白
質を還元し、S−カルボキシメチル化し(S-carboxymet
hylated)、文献(J. Biochem. (Tokyo) 120, 29-34, 1
996)記載のとおり、アクロモバクタープロテアーゼI
で分解した。かかる膜から解離したペプチドに、マトリ
ックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(MAL
DI−TOF)質量分析を行った。
着分析) 文献(Biochemistry 36, 5441-5446, 1997)記載のとお
り、リン脂質と結合したMFG−E8に対して固相EL
ISAを行った。すなわち、リン脂質のメタノール溶液
(3μg/mlで100μl)を96ウェルのマイクロ
タイタープレートに添加し、風乾した。10mg/ml
のBSAを含むPBSでかかるウェルを処理した。MF
G−E8をウェルに添加し、室温で1時間インキュベー
ションした。0.05%のツイーン20を含むPBSで
洗浄した後、ビオチン化抗FLAG抗体及びペルオキシ
ダーゼ結合ストレプトアビジンを用いて、ウェルに結合
したMFG−E8をELISAで定量した。ペルオキシ
ダーゼ検出キット(Sumitomo Bakelite社製)で、ペル
オキシダーゼ活性を検出した。
の能力を分析するため、前述のとおり、リン脂質でコー
ティングしたマイクロタイタープレートにMFG−E8
を結合させた。細胞(4×104)を含むタイロード緩
衝液(5mMのHepes−NaOH緩衝液[pH7.
4]、135mMのNaCl、5.4mMのKCl、
1.0mMのMgCl2、10mMのグルコース、及び
10mg/mlのBSA)を各ウェルに添加し、室温で
1時間インキュベーションした。励起波長485nm及
び発光(emission)波長520nmに設定した蛍光マイ
クロプレートリーダー(fluorescent microplate reade
r)(BioLumin 960、Molecular Dynamics社製)を用い
たCyQUANT Cell Proliferation Assay kit(Molecular
Probes社製)により、プレートに付着した細胞を定量し
た。
せるモノクローナル抗体の樹立) カスパーゼ活性化DNアーゼ(CAD)の阻害たんぱく
質であるICADのカスパーゼ抵抗変異体を発現してい
る細胞はアポトーシスによってDNAが断片化すること
はないが、マクロファージに貪食されるとDNAが切断
される(GenesDev. 14, 549-558, 2000)。このシステ
ムを利用して、マクロファージによるアポトーシス細胞
の貪食作用について調べた。ICAD−Sdm(短鎖カ
スパーゼ抵抗性ICAD)マウス由来の胸腺細胞をデキ
サメタゾンで4時間処理して、又は無処理のままで、フ
ィコエリトリン結合アネキシンV(BD PharMingen社
製)又はFITC結合dUTPを用いたTUNELで染
色した。図1aに示される結果からわかるように、IC
AD−Sdmマウスの胸腺細胞をデキサメタゾンで処理
したところ、およそ50%の細胞が4時間以内にアネキ
シンV陽性となったが、TUNELによる染色はされな
かった。
クロファージを、調製したばかりのICAD−Sdmマ
ウス由来の胸腺細胞又はデキサメタゾンで処理したIC
AD−Sdmマウス由来の胸腺細胞とともにインキュベ
ーションした。かかる細胞を、フィコエリトリン結合抗
Mac−1抗体で染色し、ついでFITC−dUTPで
TUNEL染色した。マクロファージを、調製したばか
りの胸腺細胞ではなく、アポトーシス下のICAD−S
dm胸腺細胞と共培養すると、およそ40%のMac−
1+細胞(マクロファージ様細胞株の細胞表面抗原Ma
c−1発現細胞)がTUNEL陽性となった(図1b
下)。デキサメタゾン処理した胸腺細胞とインキュベー
ションする30分前に、バフィロマイシン(100n
M)をマクロファージに添加した。このように、リソソ
ームの酸化を妨げるバフィロマイシン(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 85, 7972-7976, 1988)でマクロファージ
を処理すると、TUNEL陽性マクロファージの出現が
阻害された。なお、図1b上は、Mac−1+群におけ
るTUNEL染色のプロフィールを示す。これらの結果
より、かかるマクロファージはアポトーシス細胞を特異
的に取り込み、その染色体DNAを分解することがわか
った。
め、チオグリコレート刺激マウス腹腔マクロファージを
用いて、アルメニアンハムスターを免疫し、ハイブリド
ーマを調製した。特定の抗体(2422モノクローナル
抗体)が、貪食作用を促進することがわかった。すなわ
ち、12μg/mlの正常ハムスターIgG、又は24
22モノクローナル抗体の存在下又は非存在下で貪食作
用を分析した。Mac−1+群におけるTUNEL染色
のFACSのプロフィールを図1cに示す。数字は、M
ac−1+群におけるTUNEL陽性細胞の比率を示
す。これらの結果から、2422モノクローナル抗体の
存在下で、アポトーシス細胞を取り込むマクロファージ
の比率が44%から57%に上昇することがわかった。
また、光学顕微鏡(×400)で観察したところ、図1
dに示されるように、2422モノクローナル抗体の存
在下では、アポトーシス細胞を取り込むマクロファージ
の数だけではなく、1つのマクロファージが取り込むア
ポトーシス細胞の数も増大することがわかった。
体認識蛋白質の同定) 2422モノクローナル抗体により認識される蛋白質を
同定するため、チオグリコレート刺激腹腔マクロファー
ジ及びマクロファージ細胞株P388D1をビオチンで
表面標識し、2422モノクローナル抗体により認識さ
れる蛋白質の免疫沈降を行った。ストレプトアビジン−
ペルオキシダーゼを用いて免疫沈降物のウェスタンブロ
ットを行ったところ、図2aに示されるように、72k
Da及び56kDaのバンドが現れた。図2aからわか
るように、P388D1細胞株は腹腔マクロファージよ
りも豊富にかかる蛋白質を発現するため、P388D1
細胞の大規模な培養を行い、2422モノクローナル抗
体を用いて細胞溶解物からかかる抗体が認識する蛋白質
をアフィニティー精製し、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動で分離し、PVDF膜に移してPonceau-Sで染色し
た。結果を図2bに示す。図2b中の矢印は、蛋白質配
列分析にかけた蛋白質及びプロテインAセファロースか
ら解離したIgGを示す。72kDa及び56kDaの
蛋白質から作製したペプチドの質量分析を行ったとこ
ろ、それらがマウスMFG−E8であることがわかった
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 8417-8421, 1990、
Biochem.Biophys. Res. Commun. 254. 522-528, 199
9)。
ーを用いて、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PC
R)により、マウス腹腔マクロファージからcDNAの
2つのクラス(MFG−E8−L及びMFG−E8−
S)を単離した。次に、チオグリコレート刺激腹腔マク
ロファージ及びP388D1細胞由来の全RNA(7.
5μg)を、1.5%のアガロースゲル上での電気泳動
で分離し、32P標識マウスMFG−E8 cDNAを使
用したノーザンハイブリダイゼーションで分析した(図
2c上図;図2c下図では、フィルターを0.05%
(w/v)のメチレンブルーで染色している。)ノーザ
ンブロット分析によって、チオグリコレート刺激腹腔マ
クロファージ及びP388D1においてMFG−E8
mRNAが豊富に発現していることがわかった。これに
対し、休止期の腹腔マクロファージ及び胸腺細胞では、
MFG−E8 mRNAがほとんど検出されなかった。
J774A.1及びBAM3など他のマクロファージ細
胞株、並びに繊維芽細胞系NIH3T3は、MFG−E
8 mRNAをほとんど発現していなかった(図2
c)。
及びP388D1由来の全RNA(0.3μg)をRT
−PCRで分析した。図2d右図は、MFG−E8 m
RNAの一部分を示す概略図である。矢印は、使用した
プライマーの位置を示す:センスプライマーはATGCAGGT
CTCCCGTGTGCT(配列番号4:P1)、アンチセンスプラ
イマーはGCGGAAATCTGTGAATCAGC(配列番号5:P2)で
ある。アガロースゲル電気泳動により、PCR産物を分
離した。RT−PCR分析により、チオグリコレート刺
激腹腔マクロファージ中のMFG−E8 mRNAが主
に長鎖(MFG−E8−L)をコードするのに対し、P
388D1細胞が発現するのは圧倒的に短鎖(MFG−
E8−S)であることがわかった。そこで、チオグリコ
レート刺激腹腔マクロファージ及びP388D1を48
時間培養した。細胞溶解物と培養上澄液を2422モノ
クローナル抗体で免疫沈降し、ウサギ抗MFG−E8抗
体を用いてウェスタンブロットを行った。結果を図2e
に示す。図2e中右側矢印は、MFG−E8蛋白質を示
す。MFG−E8は、N−末端にシグナル配列を有して
いるが、推定膜貫通領域は有していないことから、分泌
蛋白質であると示唆されている。これら結果に示されて
いるように、チオグリコレート刺激腹腔マクロファージ
の培養上澄液には、実際、74kDaのMFG−E8が
大量に含まれている。一方、P388D1細胞は、その
細胞溶解物中にはかなりの量のMFG−E8が含まれて
いるにもかかわらず、無視できる程度のMFG−E8し
か分泌していなかった。このことは、P388D1中で
発現したMFG−E8が充分に分泌されていないことを
示唆している。なお、図2e中*で示したバンドは、M
FG−E8の分解生成物と思われる。
したアミノリン脂質へのMFG−E8の結合) MFG−E8がアポトーシス細胞に結合するかどうかを
調べるため、FLAG結合組換えMFG−E8−L(図
3a)をヒト293T細胞中で作製し、精製して均一化
した。調製したばかりの野生型胸腺細胞(5×10
5個)又はデキサメタゾンで4時間処理した胸腺細胞
を、0.25μg/mlのFLAG結合MFG−E8−
Lとともに4℃で30分間インキュベーションし、つい
でビオチン化抗FLAG抗体及びフィコエリトリン結合
ストレプトアビジンで二重染色した。固定した後、FI
TC−dUTPを用いて細胞をTUNEL染色し、FA
CSで分析した。結果を図3bに示す。図3bからもわ
かるように、MFG−E8−Lは単離したばかりの胸腺
細胞には結合しないが、デキサメタゾンで処理した胸腺
細胞にはしっかりと結合した。かかるデキサメタゾンで
処理した胸腺細胞を、MFG−E8−LとTUNELで
二重染色すると、MFG−E8−LがTUNEL陽性の
アポトーシス細胞に特異的に結合していることがわか
る。
つのシグナル配列、2つのEGFドメイン、1つの高プ
ロリン/スレオニン含有ドメイン(高P/T含有ドメイ
ン)、及び2つの因子VIII相同ドメイン(C1及びC
2)がある。MFG−E8−Sは、異なる形でスプライ
シングされたMFG−E8 mRNAにコードされてお
り、高P/T含有ドメインを欠失している。MFG−E
8−Lのどのドメインがアポトーシス細胞への結合に関
与しているのかを調べるために、MFG−E8−S及び
一連のMFG−E8−L変異体を用いて調べてみた。胸
腺細胞をデキサメタゾンで6時間処理し、種々のMFG
−E8誘導体0.25μg/mlとともにインキュベー
ションした。胸腺細胞に結合したMFG−E8に対し、
FITC標識抗FLAG抗体を用いたFACS分析を行
った。結果を図3cに示す。なお、図3c中の点線はM
FG−E8非存在下での染色のプロフィールを示す。図
3cに示すように、MFG−E8−Lだけではなく、M
FG−E8−S、RGDモチーフに点変異をもつD89
E、C1ドメインとC2ドメインのみを含むC1C2
も、アポトーシス下の胸腺細胞に結合した。
ルセリン(PS)を認識することによってアポトーシス
細胞に結合することが知られている(Blood 84, 1415-1
420,1994)。そこで、デキサメタゾンで6時間処理した
胸腺細胞を、1.25μg/mlのMFG−E8−L又
は種々の変異体とともにインキュベーションし、フィコ
エリトリン結合アネキシンVで染色した。結果を図3d
示す。図3d中の点線は、MFG−E8非存在下でのア
ネキシンV染色のプロフィールを示す。図3dからわか
るように、アポトーシス下の胸腺細胞をMFG−E8−
L又はD89Eで前処理すると、アネキシンVのアポト
ーシス細胞への結合が大きく阻害された。また、アネキ
シンVの結合に対するMFG−E8−Lの阻害効果は投
与量依存的であり、0.25μg/mlのMFG−E8
−Lで処理すると、アネキシンVの結合が50%阻害さ
れた。一方、MFG−E8−S又はC1C2の存在によ
ってアネキシンVのアポトーシス細胞への結合が阻害さ
れることはなかった。このことから、アポトーシス細胞
に対するMFG−E8−Sの親和性は、MFG−E8−
Lの親和性と比較してかなり低いことがわかる。
に対するMFG−E8−Lの拮抗的作用から、MFG−
E8−LがPSに結合することが示唆された。そこで、
MFG−E8−Lの各種リン脂質への結合について調べ
てみた。ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジ
ルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルコリン
(PC)又はホスファチジルイノシトール(PI)でコ
ーティングしたマイクロタイタープレートを、段階的に
濃度を上昇させたMFG−E8−Lとともにインキュベ
ーションし、ウェルに結合したMFG−E8−Lを、抗
FLAG抗体を用いたELISAで定量した。結果を図
3eに示す。図3eからわかるように、MFG−E8−
Lは、PS又はPEでコーティングしたプレートに飽和
状態で結合したが、PC又はPIでコーティングしたプ
レートにはMFG−E8−Lは有意とされるほど結合し
なかった。
ンVのアポトーシス細胞への結合に対して拮抗作用を有
する、MFG−E8−Lの点変異誘導体であるD89E
変異体についても、ホスファチジルセリンへの結合性に
ついて調べてみた。PSでコーティングしたマイクロタ
イタープレートを、段階的に濃度を上昇させたD89E
の他、MFG−E8−L、MFG−E8−S又はC1C
2変異体とともにインキュベーションし、ウェルに結合
したMFG−E8を、ELISAで定量した。結果を図
3fに示す。図3fからもわかるように、MFG−E8
−LのD89E変異体は、野生型MFG−E8−Lと同
程度の効率で、PSでコーティングしたプレートに結合
したが、PSでコーティングしたプレートに対するMF
G−E8−S及びC1C2変異体の親和性は、MFG−
E8−Lの親和性の8分の1であった。これらの結果か
ら、MFG−E8−LがそのC1C2ドメインを介して
アミノリン脂質を認識できること、及びMFG−E8−
Lに存在する高P/T含有ドメインが、これらのリン脂
質に対するMFG−E8−Lの親和性に関与しているこ
とがわかった。
H3T3細胞のアミノリン脂質への結合) MFG−E8の第2EGFドメインには、細胞接着に関
与する細胞膜貫通受容体であるインテグリンファミリー
のいくつかのメンバーが認識可能なRGDモチーフが存
在する(Cell 69, 11-25, 1992)。そのため、MFG−
E8−Lがアミノリン脂質を発現するアポトーシス細胞
とインテグリンを発現する貪食細胞との掛け橋の役割を
果たすとの可能性について考察した。マウスαVβ3イン
テグリンを発現するNIH3T3形質転換体を、フィコ
エリトリン結合ハムスター抗マウスインテグリンαV抗
体又はフィコエリトリン結合ハムスター抗マウスインテ
グリンβ3抗体を使用してFACSで分析した。結果を
図4aに示す。図4a中の点線は、NIH3T3親細胞
に対するFACS染色のプロフィールを示す。図4aか
らわかるように、マウスNIH3T3親細胞は、αVイ
ンテグリンやβ3インテグリンを低レベルで発現する
が、αV及びβ3インテグリン発現ベクターでこの親細胞
株を形質転換したところ、αVインテグリン及びβ3イン
テグリンの両方を豊富に発現した。
S分析では、MFG−E8−LとNIH3T3又はその
αVβ3インテグリン形質転換体との間に特異的な結合は
見られなかった。そこで、MFG−E8−Lがインテグ
リン発現細胞に結合するのは、かかる細胞がリン脂質に
結合された後なのではないかとの可能性について調べて
みた。PS又はPEでコーティングしたマイクロタイタ
ーウェルについて、三種類の濃度(0.1μg/ml、
1.0μg/ml及び2.0μg/ml)のMFG−E
8−L又はD89Eを用いて、及び、NIH3T3(3
T3/WT)又はαVβ3インテグリン発現形質転換体
(3T3/αVβ3)を用いて、連続してインキュベーシ
ョンし、細胞接着アッセイを行った。ウェルに付着した
細胞の数を、実施例A−6記載の方法で定量した。結果
を図4bに示す。図4bに示すように、NIH3T3親
細胞(3T3/WT)は、MFG−E8−Lの非存在下
ではPSでコーティングしたプレートに接着しなかっ
た。一方、PSでコーティングしたプレートをMFG−
E8−L存在下でプレインキュベーションしていた場合
は、かなりの数のNIH3T3細胞がウェルに接着し
た。D89E変異体はPSでコーティングしたウェルへ
のNIH3T3細胞の接着を仲介することができなかっ
た。これは、このMFG−E8−Lの効果がそのRGD
モチーフによるものであることを示している。αVβ3イ
ンテグリンを発現するNIH3T3細胞(3T3/αV
β3)を標的として使用すると、PSでコーティングし
たウェルへの細胞の接着に対するMFG−E8−Lの作
用は、さらに劇的なものになった。すなわち、無処理の
ウェル又はD89Eで処理したウェルには20個の細胞
が接着したに過ぎないのに対し、1.0μg/mlのM
FG−E8−Lで前処理したウェルには約7000個の
細胞が接着していた。PEに対するMFG−E8−Lの
結合能力に関しては、PSでコーティングしたウェルの
場合と同様の効率で、PEでコーティングしたウェルに
ついても、NIH3T3細胞形質転換体の接着を助け
た。
ポトーシス細胞の取り込み) 次に、NIH3T3細胞を刺激してアポトーシス細胞を
取り込ませることが、MFG−E8−Lに可能かどうか
を調べてみた。NIH3T3(3T3/WT)又はαV
β3インテグリンを発現するその形質転換体(3T3/
αVβ3)を、0.1μg/mlのMFG−E8−L、M
FG−E8−S又はD89Eの存在下又は非存在下
(-)で、ICAD−Sdmマウスから調製したばかり
の胸腺細胞(Dex(-))とともに、又はデキサメタ
ゾンで4時間処理した胸腺細胞(Dex(+))ととも
にインキュベーションした。胸腺細胞を4個以上取り込
んだNIH3T3細胞を計数し、NIH3T3細胞総数
(150個)に対するこうした細胞の比率を求めた。3
つ一組の実験を少なくとも2回行った。その平均値をS
D(バー)として図5aに示す。図5aからわかるよう
に、ICAD−Sdmマウスから調製したばかりの胸腺
細胞をNIH3T3細胞と2時間共培養したところ、M
FG−E8−Lの存在下又は非存在下で、NIH3T3
細胞に付着されたり取り込まれたりする胸腺細胞は皆無
であったが、デキサメタゾンで処理した胸腺細胞とNI
H3T3細胞とを共培養した場合は、およそ6%のNI
H3T3細胞が、それぞれ4個以上の胸腺細胞を取り込
んでいた。また、MFG−E8−Lの存在により、4個
以上の胸腺細胞を内部に取り込んだNIH3T3細胞の
比率は23%に上昇した。
H3T3細胞形質転換体を、MFG−E8−L又はD8
9Eの存在下又は非存在下(コントロール)で、アポト
ーシス下の胸腺細胞とともにインキュベーションし、光
学顕微鏡(×200)で観察した。結果を図5bに示
す。図5に示されるように、貪食作用に対するMFG−
E8−Lの影響は、αVβ3インテグリンを発現するNI
H3T3形質転換体を貪食細胞として使用する場合には
さらに明白なものとなった。この場合、4個以上の胸腺
細胞を取り込んだNIH3T3形質転換体の比率は、M
FG−E8−Lを分析混合系に添加すると9%から46
%に上昇し、およそ20%の細胞が7個以上の胸腺細胞
を内部に取り込んでいた。NIH3T3細胞の貪食活動
に対するMFG−E8−SやD89Eの影響は、ほとん
どなかった。
3細胞形質転換体を、段階的に濃度を上昇させたMFG
−E8−L又はD89Eの存在下で、アポトーシス下の
胸腺細胞と共培養し、4個以上の胸腺細胞を取り込んだ
細胞の比率を測定した。3つで一組とした2回の実験で
得られた平均数値をSD(バー)でプロットした結果を
図5cに示す。各種濃度のMFG−E8−Lを用いた図
5cに示される結果より、貪食作用を増大させるための
MFG−E8−Lの至適濃度が存在することがわかっ
た。0.1μg/ml以下では、MFG−E8−Lは投
与量依存的に貪食作用を増大させるが、その濃度を超え
ると、阻害的な影響が現れる。この阻害作用は、242
2モノクローナル抗体の添加によって消滅する。
り、D89E変異体はNIH3T3及びその形質転換体
の貪食活動を、広い濃度範囲で阻害する(図5a及び5
c)。D89Eのこの特性を使って、腹腔マクロファー
ジによるアポトーシス細胞の貪食に対するMFG−E8
−Lの関与について評価した。ICAD−Sdmマウス
由来の胸腺細胞をデキサメタゾンで4時間処理し、図5
dに示す濃度のD89Eの存在下で、チオグリコレート
刺激腹腔マクロファージと共培養した。反応終了後、フ
ィコエリトリン結合抗Mac−1抗体でかかる細胞を染
色し、FITC−dUTPでTUNELを行った。Ma
c−1+細胞群におけるTUNEL陽性細胞のFACS
のプロフィールを図5dに示す。図5d中の数字は、2
つの別個の実験で得られたTUNEL陽性マクロファー
ジの比率を示す。図5dに示すように、チオグリコレー
ト刺激腹腔マクロファージを、デキサメタゾンで処理し
たICAD−Sdmマウス由来の胸腺細胞と共培養する
と、およそ42%のマクロファージがTUNEL陽性と
なる。TUNEL陽性細胞の出現及びマクロファージに
よる胸腺細胞の貪食は、D89Eによって投与量依存的
に大きく阻害された。これにより、マクロファージ中に
発現したMFG−E8−Lがアポトーシス細胞の貪食に
重要な役割を果たしたことがわかる。
胞の取り込みに関与する受容体として報告されている
(Trends Cell Biol. 8, 365-372, 1998、Cell Death D
iffer. 5, 551-562, 1998、 Nature 407, 784-788, 200
0)。しかし、こうした受容体が直接アポトーシス細胞
に結合するかどうかは、はっきりとしていなかった。本
発明者らはここに、MFG−E8−LがPSやPEなど
のアミノリン脂質を認識することで、アポトーシス細胞
に特異的に結合することを示した。増殖期又は休止期の
細胞の原形質膜内部小葉(inner leaflet)に局在する
アミノリン脂質は、細胞がアポトーシスへ向かいはじめ
ると、細胞表面に露出する(J. Immunol. 149, 4029-40
35, 1992, Exp. Cell Res. 232, 430-434, 1997, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 95, 6349-6354, 1998)。リポ
ソームトランスファー法を用いてPSを発現させた細胞
は、貪食細胞により認識され取り込まれる(J.Biol. Ch
em. 270, 1071-1077, 2001)。これらのことから、露出
状態のPSは、「食べろ」シグナルとしての基準を満た
していることがわかる。アポトーシス細胞の受容体とし
て挙げられている分子の多くは、PSだけではなくPI
にも結合する(Cell Death Differ. 5, 551-562, 199
8、J. Biol. Chem. 276, 16221-16224, 1995)。一方、
MFG−E8−Lが結合するのはPSとPEだけであ
り、MFG−E8−Lがアポトーシス細胞を特異的に認
識するとの考えを裏付けている。
けるアポトーシス細胞に対する受容体であると示唆され
ている(Nature 343, 170-173, 1990、Nature 392, 86-
89,1998)。しかし、αVβ3インテグリンもαVβ5イン
テグリンもPSとは結合できないため、こうしたインテ
グリンがアポトーシス細胞を認識する方法は不明であ
る。MFG−E8−Lによってこのジレンマが解消し、
チオグリコレート刺激腹腔マクロファージ中のアポトー
シス細胞に対する受容体としてインテグリンが認められ
るものと思われる。他の貪食細胞がこのシステムを使用
しているのか、それともPSR(Nature 405, 85-90, 2
000)やMER(Nature 411, 207-211, 2001)といった
他のシステムを使用しているのかについては、さらなる
研究を待つ必要がある。
fat globules)の膜中にもっとも豊富に存在する蛋白
質の1つとして同定されたものである(Proc. Natl. Ac
ad.Sci. USA 87, 8417-8421, 1990)。授乳や搾乳をし
なくなると、乳腺はかなり退縮する(J. Mammary Gland
Biol. Neoplasia 4, 129-136, 1999)。この過程で、
大量の上皮細胞がアポトーシスにより死滅する。そし
て、浸潤したマクロファージや生存上皮細胞により、そ
うしたアポトーシス細胞を除去して、次回の乳汁分泌に
向けて乳腺を再構築できるようにする必要がある(J. M
ammary Gland Biol. Neoplasia 4, 203-211, 1999)。
アポトーシス細胞を認識する分子としてMFG−E8−
Lを同定することは、乳汁分泌終了時の乳腺の退縮と再
構築の背後にある分子的機構を解明するのに有用であ
る。
て生体内のアポトーシス細胞を速やかに除去することが
できるアポトーシス細胞の除去促進剤や、マクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去を阻害する除
去阻害剤を提供することができる。
ノクローナル抗体の樹立に関する実験結果を示す図であ
る。
結果を示す図である。
へのMFG−E8の結合に関する実験結果を示す図であ
る。
ノリン脂質への結合に関する実験結果を示す図である。
り込みに関する実験結果を示す図である。
Claims (31)
- 【請求項1】 MFG−E8−Lを有効成分とすること
を特徴とするマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去促進剤。 - 【請求項2】 MFG−E8−Lを構成するアミノ酸配
列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつマクロフ
ァージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進作用
を有するMFG−E8−L変異体を有効成分とすること
を特徴とするマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去促進剤。 - 【請求項3】 MFG−E8−L又はアポトーシス細胞
の除去作用を有するMFG−E8−L変異体が、組換え
MFG−E8−L又は組換えMFG−E8−L変異体で
あることを特徴とする請求項1又は2記載のマクロファ
ージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤。 - 【請求項4】 組換えMFG−E8−L又は組換えMF
G−E8−L変異体が、組換えヒト若しくはマウスMF
G−E8−L又は組換えヒト若しくはマウスMFG−E
8−L変異体であることを特徴とする請求項3記載のマ
クロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促
進剤。 - 【請求項5】 組換えMFG−E8−L又は組換えMF
G−E8−L変異体が、ヒト細胞中での翻訳産物である
ことを特徴とする請求項3又は4記載のマクロファージ
による生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤。 - 【請求項6】 組換えMFG−E8−L又は組換えMF
G−E8−L変異体が、RGDモチーフを有するEGF
−2ドメイン、高プロリン/スレオニン含有ドメイン、
2つの因子VIII相同ドメイン(C1及びC2)を有する
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか記載のマクロ
ファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進
剤。 - 【請求項7】 MFG−E8−L又はMFG−E8−L
変異体が、リポソームに封入又は包埋されていることを
特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のマクロファー
ジによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進剤。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載されたM
FG−E8−L又はMFG−E8−L変異体をコードす
るDNAを含む組換えベクターを有効成分とすることを
特徴とするマクロファージによる生体内のアポトーシス
細胞の除去促進剤。 - 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載されたM
FG−E8−L又はMFG−E8−L変異体を発現する
ことができる発現系を含んでなる宿主細胞を有効成分と
することを特徴とするマクロファージによる生体内のア
ポトーシス細胞の除去促進剤。 - 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載された
MFG−E8−L変異体に対する抗体を有効成分とする
ことを特徴とするマクロファージによる生体内のアポト
ーシス細胞の除去促進剤。 - 【請求項11】 請求項1〜6のいずれかに記載された
MFG−E8−L変異体に対する抗体が、抗MFG−E
8−Lモノクローナル抗体又は抗MFG−E8−L変異
体モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項1
0記載のマクロファージによる生体内のアポトーシス細
胞の除去促進剤。 - 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか記載の生体
内のアポトーシス細胞の除去促進剤を用いることを特徴
とするマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞
の除去方法。 - 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか記載の生体
内のアポトーシス細胞の除去促進剤を含有することを特
徴とするマクロファージによる生体内のアポトーシス細
胞の除去不全に起因する疾病の治療薬。 - 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか記載の生体
内のアポトーシス細胞の除去促進剤を含有することを特
徴とする生体防御機能増強剤。 - 【請求項15】 請求項13記載の治療薬又は請求項1
4記載の生体防御機能増強剤を用いることを特徴とする
マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去
不全に起因する疾病の治療方法。 - 【請求項16】 MFG−E8−Lを構成するアミノ酸
配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換
若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつマクロ
ファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害作
用を有するMFG−E8−L変異体を有効成分とするこ
とを特徴とするマクロファージによる生体内のアポトー
シス細胞の除去阻害剤。 - 【請求項17】 アポトーシス細胞の除去阻害作用を有
するMFG−E8−L変異体が、組換えMFG−E8−
L変異体であることを特徴とする請求項16記載のマク
ロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害
剤。 - 【請求項18】 組換えMFG−E8−L変異体が、組
換えヒトMFG−E8−L変異体又は組換えマウスMF
G−E8−L変異体であることを特徴とする請求項17
記載のマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞
の除去阻害剤。 - 【請求項19】 組換えMFG−E8−L変異体が、ヒ
ト細胞中での翻訳産物であることを特徴とする請求項1
7又は18記載のマクロファージによる生体内のアポト
ーシス細胞の除去阻害剤。 - 【請求項20】 組換えMFG−E8−L変異体が、1
つの高プロリン/スレオニン含有ドメイン及び2つの因
子VIII相同ドメイン(C1及びC2)を有しRGDモチ
ーフに点変異をもつMFG−E8−L変異体であること
を特徴とする請求項17〜19のいずれか記載のマクロ
ファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害
剤。 - 【請求項21】 点変異をもつMFG−E8−L変異体
が、D89E変異体であることを特徴とする請求項20
記載のマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞
の除去阻害剤。 - 【請求項22】 MFG−E8−L変異体が、リポソー
ムに封入又は包埋されていることを特徴とする請求項1
6〜21のいずれか記載のマクロファージによる生体内
のアポトーシス細胞の除去阻害剤。 - 【請求項23】 請求項16〜21のいずれかに記載さ
れたMFG−E8−L変異体をコードするDNAを含む
組換えベクターを有効成分とすることを特徴とするマク
ロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害
剤。 - 【請求項24】 請求項16〜21のいずれかに記載さ
れたMFG−E8−L変異体を発現することができる発
現系を含んでなる宿主細胞を有効成分とすることを特徴
とするマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞
の除去阻害剤。 - 【請求項25】 請求項16〜24のいずれか記載のマ
クロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻
害剤を用いることを特徴とするマクロファージによる生
体内のアポトーシス細胞の除去阻害方法。 - 【請求項26】 請求項16〜24のいずれか記載のマ
クロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻
害剤を含有することを特徴とするマクロファージによる
生体内のアポトーシス細胞の除去阻害不全に起因する疾
病の治療薬。 - 【請求項27】 請求項26記載の治療薬を用いること
を特徴とするマクロファージによる生体内のアポトーシ
ス細胞の除去阻害不全に起因する疾病の治療方法。 - 【請求項28】 標識化された、MFG−E8−L若し
くはマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の
除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体、又はこ
れらに対する抗体、あるいは、標識化された、マクロフ
ァージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害作用
を有するMFG−E8−L変異体を有効成分とすること
を特徴とする生体内のアポトーシス細胞の検出剤。 - 【請求項29】 標識化された、MFG−E8−L若し
くはマクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の
除去促進作用を有するMFG−E8−L変異体、又はこ
れらに対する抗体、あるいは、標識化された、マクロフ
ァージによる生体内のアポトーシス細胞の除去阻害作用
を有するMFG−E8−L変異体を有効成分とする検出
剤を用いることを特徴とする生体内のアポトーシス細胞
の検出方法。 - 【請求項30】 MFG−E8−L若しくはマクロファ
ージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進作用を
有するMFG−E8−L変異体、又はこれらに対する抗
体と、被検物質を接触させ、生体内におけるアポトーシ
ス細胞の除去の程度を評価することを特徴とするマクロ
ファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去促進誘
導物質又は除去促進抑制物質のスクリーニング方法。 - 【請求項31】 マクロファージによる生体内のアポト
ーシス細胞の除去阻害作用を有するMFG−E8−L変
異体と、被検物質を接触させ、生体内におけるアポトー
シス細胞の除去阻害の程度を評価することを特徴とする
マクロファージによる生体内のアポトーシス細胞の除去
阻害誘導物質又は除去阻害抑制物質のスクリーニング方
法。
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