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JP2003012549A - ペプチドロイコトリエン受容体 - Google Patents

ペプチドロイコトリエン受容体

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Publication number
JP2003012549A
JP2003012549A JP2002105676A JP2002105676A JP2003012549A JP 2003012549 A JP2003012549 A JP 2003012549A JP 2002105676 A JP2002105676 A JP 2002105676A JP 2002105676 A JP2002105676 A JP 2002105676A JP 2003012549 A JP2003012549 A JP 2003012549A
Authority
JP
Japan
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ltc
leu
receptor
protein
ile
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002105676A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Takasaki
淳 高崎
Masazumi Kanbara
正純 蒲原
Mitsuyuki Matsumoto
光之 松本
Satoru Saito
哲 齋藤
Kan Sugimoto
貫 杉本
Norio Ota
紀夫 太田
Takao Isogai
隆夫 磯貝
Tetsuo Nishikawa
哲夫 西川
Yumitoshi Kawai
弓利 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Helix Research Institute
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Helix Research Institute
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Helix Research Institute, Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Helix Research Institute
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロイコトリエンC(LTC4)受容体タンパク質
と、それをコードする遺伝子の提供。 【解決手段】 新規LTC4受容体タンパク質をコードする
cDNAを単離した。新規タンパク質であるLTC4受容体の提
供により、LTC4を用いた結合実験が可能となった。結合
実験に基づくLTC4受容体の活性を修飾する化合物のスク
リーニングによって、LTC4受容体を標的とする医薬開発
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なペプチドロ
イコトリエン受容体タンパク質、この新規なタンパク質
をコードしているDNA、該DNAを含有するベクター、該ベ
クターを含有する形質転換細胞及び該細胞を使用した薬
物スクリーニング法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジンやトロンボキサン、
ロイコトリエンのようなエイコサノイドはアラキドン酸
の代謝産物の一つのファミリーであり、生体のホメオス
タシスを維持するために様々な生理作用を発揮している
(講座プロスタグランジン1〜8、鹿取信、室田誠逸、
山本尚三 編 (1988)参照)。それらの生理作用はそれ
ぞれのエイコサノイドに特有の細胞膜受容体を介して発
現すると考えられている。エイコサノイドの一つである
ロイコトリエンは、アラキドン酸の5-リポキシゲナー
ゼ系の代謝産物の中で低濃度で強い生理活性を示す一連
の生理活性脂質である(Samuelsson, B. et al. (1987)
Science. 237, 1171-1176)。
【0003】ロイコトリエン類はロイコトリエンB4(L
TB4)と、脂肪酸にペプチドが結合したペプチドロイコト
リエンの二つに大別される。後者のペプチドロイコトリ
エンとしては、ロイコトリエンC4(LTC4)、ロイコトリ
エンD4(LTD4)、およびロイコトリエンE4(LTE4)が
知られている。LTB4は白血球の強力な活性化因子であ
り、炎症免疫反応や感染防御などで重要な役割を果たし
ている(Chen, X. S. etal. (1994) Nature 372. p179-
182)。一方、LTC4、LTD4、およびLTE4は、気道平滑筋
をはじめとする種々の平滑筋の収縮、気道の粘膜分泌亢
進、細動静脈の収縮、血清成分の漏出などの作用を持っ
ている(Taylor, G. W. et al. (1986) Trends Pharmac
ol. Sci. 7, p100-103)。このような作用から、ペプチ
ドロイコトリエンは、炎症やアレルギー性症状、例えば
喘息や気管支炎やアレルギー性鼻炎などの呼吸器疾患、
乾せんや皮膚炎などの皮膚疾患、inflammatory bowel d
iseaseや潰瘍性大腸炎などの腸疾患、の発症、進展、増
悪に関与していると考えられている(鹿取信、室田誠
逸、山本尚三 編 (1988) 講座プロスタグランジン3,2
25-227, 484-486, Piper, P. J. et al. (1984) Physio
l. Rev. 64. 744-761,Taylor, G. W. et al. (1986) Tr
ends Pharmacol. Sci. 7. 100-103, Lewis, R.A. et a
l. (1990) N. Engl. J. Med. 323. 654-655)。また、
ペプチドロイコトリエン(LTC4およびLTD4)は心収縮力
や冠血流量の著名な低下をもたらすことが知られており
(鹿取信、室田誠逸、山本尚三 編 (1988) 講座プロス
タグランジン2, 64-70, Piper, P. J. et al. (1984)
Physiol. Rev. 64. 744-761, Letts, L.G. et al.,(198
2) Br.J. Pharmacol. 76, 169-176, Chiono, M. et a
l.,(1991) J. Pharmacol. Exp. Ther. 256, 1042-104
8)、心臓血管障害との関連が指摘されている。
【0004】以上のことから、ロイコトリエン類の受容
体の構造および性質を明らかにすることはロイコトリエ
ン類の生理的役割の解明、引いては、ロイコトリエン類
の関与する疾患の解明、治療法の発見等につながるもの
と考えられる。
【0005】現在までに、IUPHAR(International unio
n of Pharmacology)によって、ロイコトリエンの受容
体は薬理学的にBLT受容体、CysLT1受容体、およびCysLT
2受容体の3つに分類されている(Alexander, S. P. H.
et al. (1997) Trends Pharmacol. Sci. (Suppl.) 50-5
1)。
【0006】BLT受容体は、LTB4を特異的に認識する受
容体である。CysLT1受容体とCysLT2受容体は、いずれも
ペプチドロイコトリエンを認識する受容体である。CysL
T1受容体が、既存の古典的LTD4受容体拮抗薬(ICI20421
9、MK476、SR2640、SKF104353、LY170680 等)でその生
物作用が遮断されるのに対して、CysLT2受容体は遮断さ
れない。その他、CysLT1受容体やCysLT2受容体とは異な
るペプチドロイコトリエン受容体の存在を示唆する報告
も有る(Jonsson、E. W. et al. (1998) Eur.J. Pharma
col. 357, 203-211)。
【0007】ロイコトリエン受容体遺伝子としては、BL
T受容体がヒト(Yokomizo, T. et al (1997) Nature 38
7. 620-624)、マウス(Martin, V. et al. (1999) J. B
iol.Chem. 274. 8597-8603)で単離同定されている。ま
た、最近、CysLT1受容体がヒトで単離同定され、LTD4
親和性の高いリガンドであることが判明した。(Lynch,
K. R. et al. (1999) Nature 399, 789-793)。しかし
ながら現時点では、CysLT1受容体以外のペプチドロイコ
トリエンの受容体、とくに、LTC4に親和性の高い受容体
の遺伝子は如何なる種においても単離同定されていな
い。
【0008】さらには、これまで、抗炎症薬を目指して
BLT受容体の拮抗薬(Negro, J. M.et al. (1997) Aller
gol. Immunopathol. Madr. 25, 104-112, Kishikawa,
K. et al. (1995) Adv. Prostaglandin Thromboxane Le
ukot. Res. 23, 279-281)やCysLT1受容体の拮抗薬(Le
ff, J. A. et al. (1998) N. Engl. J. Med. 339, 147-
152, Suisa, S. et al. (1997) Amm. Int. Med. 126, 1
77-183, Grossman, J.et al. (1997) J. Asthma 34, 32
1-328)が研究開発されている。
【0009】一方、ロイコトリエン受容体のなかでも特
にLTC4に親和性の高い受容体については、拮抗薬、作動
薬の研究開発は進んでいない(Gardiner, P. J. et al.
(1994) Adv. Prostaglandin Thromboxane Leukot. Res.
22, 49-61, Capra, V. et al. (1998)Mol. Pharmacol.
53, 750-758)。LTC4と受容体との結合が、Glutathion
e S-transferaseやLTC4 Synthaseのような細胞や組織が
持つ親和性の低いLTC4結合タンパク質にマスクされてし
まうため、細胞や組織標本を用いた結合実験が困難なこ
とが主な原因である。したがって、インビトロでの結合
実験を可能とするLTC4受容体の提供が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヒト
のLTC4受容体または該受容体と同等の機能を有するタン
パク質と、それをコードする遺伝子の提供である。また
本発明は、LTC4受容体タンパク質を使用したペプチドロ
イコトリエン受容体を標的とする薬物として有用な化合
物のスクリーニング法の提供をも課題としている。
【0011】本発明者らは、LTC4受容体をコードするDN
Aの単離のために、ヒト全長cDNAライブラリーの利用が
有効なのではないかと考えた。LTC4受容体タンパク質の
単離が望まれながら、これまで達成できていないことか
ら、まったく新しいアプローチを試みることには意義が
ある。特に、タンパク質コード領域を確実に含む全長cD
NAライブラリーを用いることにより、未知のタンパク質
の単離を迅速に達成できると考えた。翻訳開始コドンを
備えた全長cDNAを細胞に導入すれば、容易にタンパク質
の機能を確認できるためである。
【0012】本発明者らは、まずオリゴキャップ法 [K.
Maruyama and S. Sugano, Gene, 138: 171-174 (199
4); Y. Suzuki et al., Gene, 200: 149-156 (1997)]に
よって全長率の高いヒトcDNAライブラリーを合成した。
次いでこのcDNAライブラリーから単離したクローンか
ら、ヒト全長cDNAをクローニングした。更にこうして得
られた全長cDNAクローンの中から、膜受容体をコードす
ると推定されるcDNAを選択するために、シグナル配列、
あるいは膜貫通領域を含むアミノ酸配列をコードするcD
NAクローンを選択した。こうして絞り込まれたcDNAクロ
ーンの中に、COS細胞に形質転換することによってロイ
コトリエンC4(LTC4)受容体活性を有するタンパク質を
コードするcDNAを確認した。更に、このcDNAによってコ
ードされるタンパク質を用いてLTC4受容体の活性を修飾
する化合物のスクリーニングが可能となることを見出し
た。更に、このcDNAのブタとラットにおけるホモログを
単離し、それらがいずれもLTC4受容体活性を有するタン
パク質をコードしていることを明らかにした。また本発
明の受容体はLTC4受容体活性のみならず、LTD4受容体活
性をも併せ持つことを明らかにし、本発明を完成した。
【0013】すなわち本発明は、以下のタンパク質、こ
のタンパク質をコードするDNA、並びにそれらの用途に
関する。 〔1〕 配列番号:2、配列番号:18、および配列番
号:22のいずれかに記載のアミノ酸配列、または配列
番号:2、配列番号:18、および配列番号:22のい
ずれかに記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数
のアミノ酸が欠失、付加、挿入および/または他のアミ
ノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を含み、
ロイコトリエンC4受容体活性を有するタンパク質。 〔2〕 配列番号:1、配列番号:17、および配列番
号:21のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコ
ードするタンパク質であって、ロイコトリエンC4受容
体活性を有するタンパク質。 〔3〕 〔1〕、または〔2〕に記載のタンパク質をコ
ードするDNA。 〔4〕 〔3〕に記載のDNAを発現可能に保持する形質
転換体。 〔5〕 〔4〕に記載の形質転換体を培養し、発現産物
を回収する工程を含む、〔1〕または〔2〕に記載のタ
ンパク質を製造する方法。 〔6〕 〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質に対す
る抗体。 〔7〕 次の工程を含む、被験化合物のロイコトリエン
受容体活性を修飾する活性の検出方法。 a)ロイコトリエンC4受容体のリガンドの存在下で
〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質、またはこのタ
ンパク質を発現する形質転換細胞と被験化合物とを接触
させる工程、 b)ロイコトリエンC4受容体活性の変化を測定する工
程 〔8〕 次の工程を含むロイコトリエンC4受容体活性
を修飾する物質のスクリーニング方法。 a)ロイコトリエンC4受容体のリガンドの存在下で
〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質、またはこのタ
ンパク質を発現する形質転換細胞と被験化合物とを接触
させる工程、 b)ロイコトリエンC4受容体活性の変化を測定する工
程 c)ロイコトリエンC4受容体活性を修飾する物質を選
択する工程
〔9〕 〔1〕、または〔2〕に記載のロイコトリエン
C4受容体活性を有するタンパク質のアンタゴニストと
製薬学的に許容される添加剤を含む抗炎症用、または抗
アレルギー用医薬組成物。 〔10〕 〔1〕、または〔2〕に記載のロイコトリエ
ンC4受容体活性を有するタンパク質のアンタゴニスト
と製薬学的に許容される添加剤を含む血管拡張用医薬組
成物。
【0014】あるいは本発明は、〔1〕または〔2〕に
記載のロイコトリエンC4受容体活性を有するタンパク
質のアンタゴニストと製薬学的に許容される添加剤を含
む抗炎症用医薬組成物、抗アレルギー用医薬組成物、あ
るいは血管拡張用医薬組成物の製造における使用に関す
る。
【0015】更に本発明は、〔8〕に記載のスクリーニ
ング方法によって得ることができる、〔1〕または
〔2〕に記載のロイコトリエンC4受容体活性を有する
タンパク質のアンタゴニストに関する。加えて本発明
は、〔8〕に記載のスクリーニング方法によって得るこ
とができる化合物の、〔1〕または〔2〕に記載のロイ
コトリエンC4受容体活性を有するタンパク質のアンタ
ゴニストとしての使用に関する。
【0016】本発明は、LTC4受容体タンパク質に関す
る。本発明のタンパク質は、全長cDNAライブラリーを構
成する全長cDNAのクローンから選択されたcDNAによって
コードされるタンパク質である。また本発明のタンパク
質は、本発明において明らかにされたヒト全長cDNAの塩
基配列情報に基づいて単離された、ブタおよびラットに
おけるホモログである。GenBankやSwissProtの検索結果
によれば、配列番号:1に示す塩基配列(約2.8kb)
と、この塩基配列によってコードされる推定アミノ酸配
列(配列番号:2/346アミノ酸残基)は新規であ
る。またこのタンパク質のブタおよびラットにおけるホ
モログとして単離されたタンパク質のアミノ酸配列、並
びにそれをコードする塩基配列も新規である。ブタに由
来するタンパク質のアミノ酸配列は配列番号:18に、
またそのcDNAの塩基配列を配列番号:17に示した。ま
たラットに由来するタンパク質のアミノ酸配列は配列番
号:22に、またそのcDNAの塩基配列を配列番号:19
に示した。本発明のLTC4受容体タンパク質を構成するア
ミノ酸配列は、公知のヒトCysLT1受容体とは31%、ヒ
トBLT受容体とは20%の相同性を有していた。一方、ブ
タとラットに由来するタンパク質とヒトのタンパク質を
比較すると、次に示すような構造的な類似が見られた。
【0017】
【0018】更にブタとラットに由来するタンパク質に
おいても、本発明のタンパク質と同様にLTC4受容体活性
が確認された。これらの事実に基づいて、本発明におい
て単離されたこれらのタンパク質は、いずれもヒトLTC4
受容体のホモログであると考えられた。本発明のタンパ
ク質やその遺伝子、また、本発明のタンパク質の活性を
調節する化合物は、LTC4やその受容体が関与する疾患の
予防や治療への応用が考えられる。
【0019】前述のとおり、LTC4およびLTD4等のペプチ
ドロイコトリエン類は、喘息、気管支炎、あるいはアレ
ルギー性鼻炎などの呼吸器疾患、乾せんや皮膚炎などの
皮膚疾患、inflammatory bowel diseaseや潰瘍性大腸炎
などの腸疾患、などの発症、進展、増悪に関与している
と考えられている。また、ペプチドロイコトリエン(LT
C4およびLTD4)は、心臓血管障害との関連も指摘されて
いる。したがって、本発明によって提供されるLTC4受容
体は、これらの疾患や症状において重要な役割を果たし
ていると考えられる。したがって、その活性を修飾する
化合物は、これらの疾患の治療および/または予防のた
めの医薬品として有用である。たとえばLTC4受容体とLT
C4の結合に干渉し、LTC4受容体に刺激を伝達しない化合
物は、LTC4のアンタゴニスト(遮断薬)として作用す
る。このような化合物は、LTC4受容体を介する疾患の治
療や予防に有用である。また本発明の受容体は、LTD4
容体活性も有するため、本受容体のアンタゴニストはLT
D4受容体のアンタゴニストとしても作用する。したがっ
て、前記のLTC4とLTD4の両者が関与する疾患の、より良
い治療薬や予防薬となりうる。
【0020】本発明のタンパク質は、組み換えタンパク
質として、また天然のタンパク質として調製することが
可能である。組み換えタンパク質は、例えば、後述する
ように本発明のDNAを挿入したベクターを適当な宿主細
胞に導入し、形質転換体内で発現したタンパク質を精製
することにより調製することが可能である。あるいはイ
ンビトロトランスレーション(例えば、「On the fidel
ity of mRNA translation in the nuclease-treated ra
bbit reticulocyte lysate system. Dasso,M.C.,Jackso
n,R.J.(1989) NAR 17:3129-3144」参照)などによっ
て、本発明のタンパク質を調製することも可能である。
一方、天然のタンパク質は、例えば、後述する本発明の
タンパク質に対する抗体を結合したアフィニティーカラ
ムを利用して調製することができる (Current Protocol
s in Molecular Biology edit. Ausubel et al. (1987)
Publish. Jhon Wily & Sons Section 16.1-16.19)。ア
フィニティー精製に用いる抗体は、ポリクローナル抗体
であってもモノクローナル抗体であってもよい。
【0021】また本発明には、配列番号:2に記載のア
ミノ酸配列からなるタンパク質のみならず、1もしくは
複数のアミノ酸が欠失、付加、挿入および/または他の
アミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列から
なる、またはこれらを含むタンパク質であって、配列番
号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能
的に同等なタンパク質が含まれる。「機能的に同等」と
は、対象となるタンパク質が配列番号:2からなるタン
パク質と同等の生物学的特性を有していることを意味す
る。配列番号:2からなるタンパク質が持つ生物学的特
性とは、LTC4の受容体として機能することに他ならな
い。本発明におけるLTC4受容体活性とは、LTC4との結合
親和性を備え、LTC4との結合によってLTC4用量依存的に
細胞内におけるCa++濃度の上昇をもたらすことと定義さ
れる。本発明におけるLTC4との結合親和性とは、望まし
くは解離定数Kd=30nM以下、より望ましくはKd=5nM以
下の高い結合親和性を示す場合、そのタンパク質がLTC4
との結合親和性を有すると言うことができる。
【0022】更に本発明のタンパク質と同等の生物学的
特性を有するタンパク質は、望ましくはLTD4受容体活性
を有する。LTD4受容体活性とは、LTD4との結合親和性を
備え、LTD4との結合によってLTD4用量依存的に細胞内に
おけるCa++濃度の上昇をもたらすことと定義される。
【0023】タンパク質におけるアミノ酸の変異数や変
異部位は、その機能が保持される限り制限はない。変異
数は、典型的には、全アミノ酸の10%以内であり、好ま
しくは全アミノ酸の5%以内であり、さらに好ましくは
全アミノ酸の1%以内である。
【0024】本発明に基づいて、本発明のタンパク質の
部分ペプチド断片を得ることができる。たとえば本発明
のタンパク質の競合阻害剤として機能する、リガンドと
の結合能を有する部分ペプチド断片が提供される。ま
た、抗体調製のための抗原ペプチドを得ることもでき
る。部分ペプチド断片が本発明のタンパク質に特異的で
あるためには、配列番号:2に記載されたアミノ酸配列
から選択された連続する少なくとも7アミノ酸、好まし
くは8アミノ酸以上、より好ましくは9アミノ酸以上の
アミノ酸配列からなる。本発明の部分ペプチド断片は、
本発明のタンパク質に対する抗体や本発明のタンパク質
の競合阻害剤の調製以外に、例えば、本発明のタンパク
質に結合するリガンドのスクリーニングなどに利用し得
る。本発明の部分ペプチド断片は、例えば、遺伝子工学
的手法、公知のペプチド合成法、あるいは本発明のタン
パク質を適当なペプチダーゼで切断することによって製
造することができる。
【0025】また、本発明は、上記本発明のタンパク質
をコードするDNAに関する。本発明のDNAとしては、本発
明のタンパク質をコードしうるものであれば、その形態
に特に制限はなく、cDNAの他、ゲノムDNA、化学合成DNA
なども含まれる。また、本発明のタンパク質をコードし
うる限り、遺伝暗号の縮重に基づく任意の塩基配列を有
するDNAが含まれる。このような塩基配列は、例えば利
用する宿主のコドン使用頻度を考慮して常法に従い決定
することができる(Crantham, R. et al.(1981) Nucleic
Acids Res.,9 r43-r74)。さらに、これら塩基配列のコ
ドンの一部は、所望の改変をコードする合成オリゴヌク
レオチドからなるプライマーを利用したサイトスペシフ
ィック・ミュータジェネシス(site specific mutagenes
is)(Mark, D. F. et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 81, 5662-5666)等にしたがって改変することが
できる。
【0026】本発明のDNAは、配列番号:2からなるタ
ンパク質をコードするDNA配列(配列番号:1)もしく
はその一部をプローブとしたハイブリダイゼーション法
やこれらDNA配列をもとに合成したプライマーを用いたP
CR法等の常法により単離することが可能である。たとえ
ば本発明のLTC4受容体タンパク質を産生する能力を有す
るヒト細胞あるいは組織から抽出したmRNAを鋳型として
cDNAを合成し、ベクターに組み込んでcDNAライブラリー
とする。本発明のLTC4受容体の産生能力を有する細胞あ
るいは組織としては、例えばヒトの脾臓を用いることが
できる。このライブラリーを、配列番号:1に基づいて
設定したプローブを使ったコロニーハイブリダイゼーシ
ョンやプラークハイブリダイゼーションによってスクリ
ーニングすることにより、目的とするcDNAのクローニン
グが可能である。
【0027】また、当業者であれば、ハイブリダイゼー
ション技術 (Current Protocols inMolecular Biology
edit. Ausubel et al. (1987) Publish. Jhon Wily & S
onsSection 6.3-6.4)を用いて配列番号:2からなるタ
ンパク質をコードする塩基配列(配列番号:1)または
その一部をもとにこれと相同性の高いDNAを単離して、
該DNAから本発明のタンパク質と機能的に同等なタンパ
ク質をコードするDNAを得ることは、通常行いうること
である。このように得られたDNAは本発明に含まれる。
【0028】機能的に同等なタンパク質をコードする遺
伝子を単離する生物としては、ヒト以外に、例えばラッ
ト、マウス、ウサギ、ニワトリ、ブタ、ウシ等が挙げら
れるが、これらに制限されない。
【0029】機能的に同等なタンパク質をコードするDN
Aを単離するためのハイブリダイゼーションのストリン
ジェンシーは、通常、洗浄条件として「1xSSC、0.1% SD
S、37℃」程度であり、より厳しい条件としては「0.5xS
SC、0.1% SDS、42℃」程度であり、さらに厳しい条件と
しては「0.2xSSC、0.1% SDS、65℃」程度であり、ハイ
ブリダイゼーションの条件が厳しくなるほどプローブ配
列と高い相同性を有するDNAの単離を期待しうる。但
し、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組み合わせは例示
であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのス
トリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例
えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼ
ーション反応時間など)を適宜組み合わせることによ
り、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが
可能である。
【0030】このようなハイブリダイゼーション技術を
利用して単離される本発明のDNAがコードするタンパク
質は、通常、配列番号:2からなるタンパク質とアミノ
酸配列において高い相同性を有する。高い相同性とは、
少なくとも60%以上、好ましくは70%以上の配列の同一
性を指す。あるいは本発明における高い相同性とは、特
に望ましくは90%以上、より望ましくは95%、更に望ま
しくは99%以上の同一性を指す。相同性の特定は、BLAS
T検索アルゴリズムを用いて決定することができる。
【0031】また、遺伝子増幅技術(PCR)(Current p
rotocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al.
(1987) Publish. John Wiley & Sons Section 6.1-6.
4)を用いて配列番号:2からなるタンパク質をコード
するDNA配列(配列番号:1)の一部をもとにプライマ
ーを設計し、配列番号:2からなるタンパク質をコード
するDNA配列またはその一部と相同性の高いDNA断片を単
離することも可能である。
【0032】このようにして得られた、配列番号:1の
塩基配列と相同性の高い塩基配列からなるDNAによって
コードされるタンパク質について、LTC4受容体活性を確
認し、最終的に本発明によるDNAを単離することができ
る。LTC4受容体活性は、cDNAを動物細胞に形質転換して
タンパク質に翻訳させ、これをLTC4受容体に対する抗体
やLTC4の結合を指標としてスクリーニングすることによ
って確認することができる。タンパク質の翻訳には、動
物細胞のみならず、インビトロトランスレーションを利
用することもできる。
【0033】本発明はこのようにして単離することがで
きるタンパク質、並びにそれをコードするDNAを含む。
すなわち本発明は、配列番号:17に示すDNAと、それ
によってコードされるアミノ酸配列(配列番号:18)
からなるブタ由来のLTC4受容体を提供する。更に本発明
は、配列番号:21に示すDNAと、それによってコード
されるアミノ酸配列(配列番号:22)からなるラット
由来のLTC4受容体を提供する。
【0034】その他、一般に真核生物の遺伝子はインタ
ーフェロン遺伝子等で知られているように、多型現象(p
olymorphism)を示すと考えられている(例えば、Nishi,
T.et al. (1985) J. Biochem., 97, 153-159を参
照)。この多型現象によって1または複数個のアミノ酸
が置換される場合もあれば、ヌクレオチド配列の変化は
あってもアミノ酸は全く変わらない場合もある。これら
多型に基づいて塩基配列に変異を生じたDNAも、本発明
のDNAに含まれる。
【0035】また、化学合成DNAは、DNA合成機(例え
ば、Oligo 1000M DNA Synthesizer (Beckman社)、ある
いは、394 DNA/RNA Synthesizer (Applied Biosystems
社)など)を用いて合成することができる。DNAの化学的
な合成法は、たとえばホスファイト・トリエステル法(H
unkapiller, M. et al.(1984) Nature, 10, 105-111)等
として公知である。
【0036】また、本発明は、本発明のDNAが挿入され
たベクターに関する。本発明のベクターとしては、挿入
したDNAを安定に保持するものであれば特に制限され
ず、例えば 宿主に大腸菌を用いるのであれば、クロー
ニング用ベクターとしてはpBluescriptベクター(Strata
gene社製)などが好ましい。本発明のタンパク質を生産
する目的においてベクターを用いる場合には、特に発現
ベクターが有用である。発現ベクターとしては、試験管
内、大腸菌内、培養細胞内、生物個体内でタンパク質を
発現するベクターであれば特に制限されないが、例え
ば、試験管内発現であればpBESTベクター(プロメガ社
製)、大腸菌であればpETベクター(Invitrogen社製)
などのベクターが知られている。脊椎動物細胞の発現ベ
クターとしては、通常発現しようとする遺伝子の上流に
位置するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリア
デニル化部位および転写終結配列等を有するものを使用
でき、これはさらに必要により複製起点を有してもよ
い。該発現ベクターの例としては、SV40の初期プロモー
ターを有するpSV2dhfr (Subramani, S. et al. (1981)
Mol.Cell. Biol., 1, 854-864)、ヒトのelongation fac
torプロモーターを有するpEF-BOS (Mizushima, S. and
Nagata, S. (1990) Nucleic Acids Res., 18, 5322)、c
ytomegalovirusプロモーターを有するpCEP4(Invitrogen
社)等を示すことができる。また培養細胞であればpME1
8S-FL3ベクター(GenBank Accession No. AB009864)、
生物個体であればpME18Sベクター(Mol Cell Biol. 8:4
66〜472(1988))を用いることもできる。
【0037】ベクターへの本発明のDNAの挿入は常法に
より制限酵素サイトを用いたリガーゼ反応により行うこ
とができる(Current protocols in Molecular Biology
edit. Ausubel et al. (1987) Publish. John Wiley &
Sons.Section 11.4〜11.11)。
【0038】また、本発明は、本発明のベクターを保持
する形質転換体に関する。本発明のベクターが導入され
る宿主細胞としては特に制限はなく、目的に応じて種々
の宿主細胞が用いられる。タンパク質を高発現させるた
めの真核生物の宿主細胞には、脊椎動物、昆虫、あるい
は酵母等の細胞を利用することができる。具体的には、
サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman, Y. (1981) Cell, 2
3, 175-182)やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)
のジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株(Urlaub,G. and Cha
sin, L. A.(1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4
216-4220)、ヒト胎児腎臓由来HEK293細胞および同細胞
にEpstein Barr VirusのEBNA-1遺伝子を導入した293-EB
NA細胞(Invitrogen社)等が公知である。
【0039】宿主細胞として、COS細胞を用いる場合を
例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製起点を
有し、COS細胞において自律増殖が可能であり、さらに
転写プロモーター、転写終結シグナルおよびRNAスプラ
イス部位を備えたものを用いることができ、例えば、 p
ME18S、 (Maruyama, K. and Takebe,Y. (1990) Med.Imm
unol., 20, 27-32)、pEF-BOS (Mizushima, S. and Naga
ta, S. (1990) Nucleic Acids Res., 18, 5322)、 pCDM
8(Seed, B. (1987) Nature, 329, 840-842)等が挙げら
れる。該発現ベクターはDEAE-デキストラン法(Luthman,
H. and Magnusson, G. (1983) Nucleic Acids Res., 1
1, 1295-1308)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graha
m, F. L. and van der Ed, A. J. (1973) Virology, 5
2, 456-457)、 FuGENE6(Boeringer Mannheim社)を用い
た方法、および電気パスル穿孔法(Neumann, E. et al.
(1982) EMBO J., 1, 841-845)等によりCOS細胞に取り込
ませることができ、かくして所望の形質転換細胞を得る
ことができる。
【0040】また、宿主細胞としてCHO細胞を用いる場
合には、発現ベクターと共に、G418耐性マーカーとして
機能するneo遺伝子を発現し得るベクター、例えばpRSVn
eo(Sambrook, J. et al. (1989): " Molecular Cloning
-A Laboratory Manual "ColdSpring Harbor Laborator
y, NY)やpSV2-neo(Southern, P. J. and Berg,P. (198
2) J. Mol. Appl. Genet., 1, 327-341)等をコ・トラン
スフェクトし、G418耐性のコロニーを選択することによ
りLTC4受容体を安定に産生する形質転換細胞を得ること
ができる。あるいは宿主細胞として293-EBNA細胞を用い
る場合には、Epstein Barr Virusの複製起点を有し、29
3-EBNA細胞で自己増殖が可能なpCEP4(Invitrogen社)な
どの発現ベクターを用いて目的とする形質転換細胞を得
ることができる。
【0041】本発明における望ましい形質転換細胞は、
細胞膜にLTC4受容体を生物学的に活性な状態で発現す
る。したがってこの形質転換細胞にLTC4を作用させる
と、形質転換細胞にはLTC4の刺激に対する応答が観察さ
れる。このような形質転換細胞は、後に述べるLTC4受容
体の結合活性を修飾する化合物のスクリーニングにも用
いることができる。
【0042】本発明による形質転換体は、常法に従い培
養することができ、該培養により細胞内または細胞表面
に本発明のLTC4受容体が生産される。該培養に用いられ
る培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される
各種のものを適宜選択でき、例えば上記COS細胞であれ
ばRPMI-1640培地やダルベッコ修正イーグル最小必須培
地(DMEM)等の培地に必要に応じ牛胎児血清(FBS)等の血
清成分を添加したものを使用できる。また、上記293-EB
NA細胞であれば牛胎児血清(FBS)等の血清成分を添加し
たダルベッコ修正イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地
にG418を加えたものを使用できる。
【0043】培養によって形質転換体の細胞内または細
胞表面に生産される本発明のLTC4受容体は、各種の公知
の分離操作法により分離・精製することができる。分離
・精製方法としては、例えばLTC4受容体タンパク質を含
む膜分画を可溶化した後、通常の蛋白沈殿剤による処
理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾
過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換体クロマト
グラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体クロマトグラ
フィー、透析法、これらの組合せ等を例示できる。な
お、膜分画は常法に従って得ることができる。例えば本
発明のLTC4受容体を表面に発現する細胞を培養し、これ
らをバッファーに懸濁後、ホモジナイズし遠心分離する
ことにより必要な膜分画を得られる。また、できるだけ
緩和な可溶化剤(CHAPS、 Triton X-100、ジキトニン
等)でLTC4受容体を可溶化することにより、可溶化後も
受容体の特性を保持することができる。
【0044】本発明のLTC4受容体はマーカー配列とイン
フレームで融合して発現させることで、該LTC4受容体の
発現の確認、細胞内局在の確認、精製等が可能になる。
マーカー配列としては、例えば、FLAG epitope、Hexa-H
istidine tag、Hemagglutinin tag、myc epitopeなどが
ある。また、マーカー配列とLTC4受容体の間にエンテロ
キナーゼ、ファクターXa、トロンビンなどのプロテアー
ゼが認識する特異的な配列を挿入することにより、マー
カー配列部分をこれらのプロテアーゼにより切断除去す
る事が可能である。例えば、ムスカリンアセチルコリン
受容体とHexa-Histidine tagとをトロンビン認識配列で
連結した報告がある(Hayashi, M.K. and Haga, T. (19
96) J. Biochem., 120, 1232-1238) また、本発明は、配列番号:1に記載の塩基配列からな
るDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌク
レオチドの鎖長を有するDNAに関する。本発明のDNAと
「特異的にハイブリダイズする」とは、通常のハイブリ
ダイゼーション条件下、好ましくは厳格な条件下で、本
発明のDNAとハイブリダイズし、他のDNAとはハイブリダ
イズしないことを意味する。このようなDNAは、本発明
のDNAを検出、単離するためのプローブとして、また、
本発明のDNAを増幅するためのプライマーとして利用す
ることが可能である。プライマーとして用いる場合に
は、通常、15bp〜100bp、好ましくは15bp〜40bpの鎖長
を有する。プライマーとして好ましい塩基配列を、配列
番号:7(フォワードプライマー)および配列番号:8
(リバースプライマー)に示した。また、プローブとし
て用いる場合には、本発明のDNAの少なくとも一部若し
くは全部の配列(またはその相補配列)を有し、少なく
とも15bpの鎖長のDNAが用いられる。
【0045】本発明に基づくプローブやプライマーは、
機能障害と関連したLTC4受容体遺伝子の変異型の検出に
利用することができる。欠失および挿入変異は、正常な
遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化によ
り検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識LTC4受容体
ヌクレオチドとハイブリダイズさせることで同定でき
る。完全にマッチした配列とミスマッチの二重鎖とはR
Nアーゼ消化により、または融解温度の差異により区別
できることが知られている。またDNA配列の差異は、配
列を比較すべき領域の塩基配列を決定することによって
検出することができる。あるいは、ゲルに含まれる変性
剤の有無によるDNA断片の電気泳動の移動度の変化によ
り検出する方法も公知である(Myers, R. M. et al. (1
985) Science. 230, 1242-1246)。
【0046】特定位置での配列変化はヌクレアーゼプロ
テクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プ
ロテクション)または化学的開裂法によっても確認でき
る(Cotton et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 85:4397-4401)。
【0047】本発明に基づいて、LTC4受容体の塩基配列
またはその断片を含むオリゴヌクレオチドプローブのア
レイを構築することができる。アレイ技法は公知で、遺
伝子発現、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を解析するた
めに用いられている(Chee, M. et al. (1996) Science,
.274, 610-613)。
【0048】さらに、被験者から得られたサンプルから
のLTC4受容体のレベルの異常な低下または増加を測定す
ることにより、LTC4受容体の過少発現、過剰発現または
変化した発現により生ずる疾患またはその罹病性の診断
に利用される。発現の低下または増加は、当業者で公知
のポリヌクレオチド定量法のいずれか、例えばPCR、
RT−PCR、RNアーゼプロテクション、ノーザンブ
ロット、その他のハイブリダイゼーション法によりRNA
レベルで測定することができる。
【0049】これらのDNAに基づく診断のための試料
は、被験者の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織の生検
または剖検材料から得ることができる。
【0050】また、「配列番号:1に記載のDNAと特異
的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖
長を有するDNA」には、本発明のタンパク質の発現を抑
制するためのアンチセンスDNAが含まれる。アンチセン
スDNAは、アンチセンス効果を引き起こすために、少な
くとも15bp以上、好ましくは100bp、さらに好ましくは5
00bp以上の鎖長を有し、通常、3000bp以内、好ましくは
2000bp以内の鎖長を有する。このようなアンチセンスDN
Aには、本発明のタンパク質の異常(機能異常や発現異
常)などに起因した疾患の遺伝子治療への応用も考えら
れる。該アンチセンスDNAは、例えば、本発明のタンパ
ク質をコードするDNA(例えば、配列番号:1に記載のD
NA)の配列情報を基にホスホロチオネート法(Stein, 1
988 Physicochemical properties of phosphorothioate
oligodeoxynucleotides. Nucleic Acids Res 16, 3209
-21 (1988))などにより調製することが可能である。本
発明によるアンチセンスDNAを用いてLTC4受容体遺伝子
をノックアウトすることにより、LTC4受容体が関与する
疾患の解明を進めることができる。
【0051】本発明のDNAまたはアンチセンスDNAは、遺
伝子治療に用いる場合には、例えば、レトロウイルスベ
クター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス
ベクターなどのウイルスベクターやリポソームなどの非
ウイルスベクターなどを利用して、ex vivo法やin vivo
法などにより患者へ投与を行う。
【0052】また、本発明は、本発明のタンパク質に結
合する抗体に関する。本発明の抗体の形態には特に制限
はなく、ポリクローナル抗体やモノクローナル抗体また
は抗原結合性を有するそれらの一部も含まれる。また、
全てのクラスの抗体が含まれる。さらに、本発明の抗体
には、ヒト化抗体などの特殊抗体も含まれる。
【0053】本発明のLTC4受容体に反応する抗体、例え
ばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、は各種動
物に該LTC4受容体やその断片を直接投与することで得る
ことができる。また、本発明のLTC4受容体をコードする
遺伝子を導入したプラスミドを用いてDNAワクチン法(R
az, E. et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA,9
1, 9519-9523; Donnelly, J. J. et al. (1996) J. Inf
ect. Dis., 173, 314-320)によっても得ることができ
る。
【0054】ポリクローナル抗体は、LTC4受容体タンパ
ク質またはその断片をフロイント完全アジュバントなど
の適当なアジュバントに乳濁し、腹腔、皮下また静脈等
に免疫して感作した動物、例えばウサギ、ラット、ヤ
ギ、またはニワトリ等の血清または卵から製造される。
このように製造された血清または卵から、常法のタンパ
ク質単離精製法によりポリクローナル抗体を分離精製す
ることができる。ポリクローナル抗体の分離精製方法と
しては、例えば、遠心分離、透析、硫酸アンモニウムに
よる塩析、DEAE-セルロース、ハイドロキシアパタイ
ト、プロテインAアガロース等によるクロマトグラフィ
ー法が挙げられる。
【0055】モノクローナル抗体は、ケーラーとミルス
タインの細胞融合法(Kohler, G. and Milstein, C. (1
975) Nature, 256, 495-497)により当業者が容易に製
造することが可能である。本発明のLTC4受容体またはそ
の断片をフロイント完全アジュバントなどの適当なアジ
ュバントに乳濁した乳濁液を数週間おきにマウスの腹
腔、皮下または静脈に数回繰り返し接種することにより
免疫する。最終免疫後、脾臓細胞を取り出し、ミエロー
マ細胞と融合してハイブリドーマを作製する。
【0056】ハイブリドーマを得るためのミエローマ細
胞としては、ヒポキサンチンーグアニンーホスホリボシ
ルトランスフェラーゼ欠損やチミジンキナーゼ欠損のよ
うなマーカーを持つミエローマ細胞、例えば、マウスミ
エローマ細胞株P3X63Ag8.U1、を利用する。また、融合
剤としてはポリエチレングリーコールを利用する。さら
にはハイブリドーマ作製における培地として、イーグル
氏最小必須培地、ダルベッコ氏変法最小必須培地、RPMI
-1640などの通常よく用いられているものに適宜10〜30%
の牛胎児血清を加えて用いる。融合株はHAT選択法によ
り選択する。ハイブリドーマの培養上清をELISA法や免
疫組織染色法などの周知の方法によってスクリーニング
し、目的の抗体を分泌しているハイブリドーマのクロー
ンを選択する。また、限界希釈法によって、サブクロー
ニングを繰り返すことによりハイブリドーマの単クロー
ン性を保証する。このようにして得られるハイブリドー
マは培地中で2〜4日間、あるいはプリスタンで前処理
したBALB/c系マウスの腹腔内で10〜20日培養することで
精製可能な量の抗体が産生される。あるいは、ハイブリ
ドーマを前記のような培地中で培養することもできる。
【0057】腹水や培養上清中に産生されるモノクロー
ナル抗体は、常法のタンパク質単離精製法により分離精
製することができる。そのような方法としては例えば、
遠心分離、透析、硫酸アンモニウムによる塩析、DEAE-
セルロース、ハイドロキシアパタイト、プロテインAア
ガロース等によるクロマトグラフィー法が挙げられる。
また、モノクローナル抗体またはその一部分を含む抗体
断片は、該抗体をコードする遺伝子の全部または一部を
発現ベクターに組み込み、大腸菌、酵母、または動物細
胞に導入して生産させることもできる。
【0058】更には、本発明のLTC4受容体に反応する抗
体を、クラクソンらやゼベデらの方法(Clackson, T. e
t al. (1991) Nature, 352, 624-628; Zebedee, S. et
al.(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 3175-317
9)によりsingle chain FvやFabとして得ることも可能
である。また、マウスの抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子に
置き換えたトランスジェニックマウス(Lonberg, N. et
al. (1994) Nature, 368, 856-859)に免疫することで
ヒト抗体を得ることも可能である。また、ヒト化抗体
は、モノクローナル抗体の超可変領域を用いた遺伝子組
み換えによって調製することができる(Methods in Enzy
mology 203, 99-121(1991))。
【0059】本発明によるポリクローナル抗体やモノク
ローナル抗体からは、常法により、ペプシン、パパイン
等のタンパク質分解酵素によって消化を行い、引き続き
常法のタンパク質単離精製法により分離精製すること
で、活性のある抗体の一部分を含む抗体断片、例えば、
F(ab')2、Fab、Fab'、あるいはFvを得ることができる。
【0060】本発明のタンパク質に結合する抗体は、本
発明のタンパク質の精製に加え、例えば、本発明のタン
パク質の発現異常や構造異常の検査・診断に利用するこ
とも考えられる。具体的には、例えば組織、血液、また
は細胞などからタンパク質を抽出し、ウエスタンブロッ
ト法、競合結合アッセイ、免疫沈降、ELISA等の方法に
よる本発明のタンパク質の検出を通して、発現や構造の
異常の有無を検査・診断することができる。
【0061】また、本発明のタンパク質に結合する抗体
を、本発明のタンパク質に関連した疾患の治療などの目
的に利用することも考えられる。抗体を患者の治療目的
で用いる場合には、ヒト抗体またはヒト化抗体が免疫原
性の少ない点で好ましい。
【0062】本発明は、本発明のタンパク質を利用し
た、被験化合物のLTC4受容体活性を検出する方法、並び
にこの検出方法に基づいてLTC4受容体活性を修飾する化
合物をスクリーニングする方法に関する。本発明の検出
方法は、本発明のタンパク質と被験化合物とを接触さ
せ、本発明のタンパク質のLTC4受容体活性の変化を測定
する工程を含む。更にこの検出方法を利用して、LTC4
容体活性を修飾する物質を選択することにより本発明の
スクリーニング方法を実施することができる。「LTC4
容体活性を修飾する」とは、単独で本発明のLTC4受容体
に結合し、シグナルを伝達すること、またはLTC4と競合
し、LTC4によるシグナル伝達を阻害することを言う。
【0063】本発明の検出方法において、LTC4受容体活
性の変化は、スクリーニングに用いるLTC4受容体タンパ
ク質の生理学的な特性に応じた活性の指標を測定するこ
とにより行われる。指標とする活性とは、たとえばリガ
ンドとの結合活性であり、あるいはリガンドの結合によ
ってもたらされる刺激に対する応答である。具体的に
は、以下に述べるような検出方法を示すことができる。
また本発明によるスクリーニング方法のための被験化合
物としては、例えば次のような化合物を用いることがで
きるが、これらの化合物に限定されること無く、あらゆ
る化合物を被験化合物とすることができる。
【0064】ケミカルファイルに登録されている種々の
公知化合物 ペプチド LTC4受容体に対する抗体 コンビナトリアル・ケミストリー技術(Terrett, N.K.,
et al. (1995) Tetrahedron, 51, 8135-8137)によっ
て得られた化合物群 ファージ・ディスプレイ法(Felici, F., et al. (199
1) J. Mol. Biol., 222, 301-310)などを応用して作成
されたランダム・ペプチド群 微生物の培養上清 植物や海洋生物由来の天然成分 動物組織抽出物 あるいは本発明のスクリーニング法により選択された化
合物またはペプチドを化学的または生物学的に修飾した
化合物またはペプチド 続いて、代表的なスクリーニング方法について具体的に
説明する。
【0065】a)リガンド結合アッセイ法を利用したス
クリーニング方法 本発明のLTC4受容体に結合する化合物は、リガンド結合
アッセイ法によりスクリーニングすることができる。ま
ずLTC4受容体タンパク質を発現させた細胞膜、あるいは
LTC4受容体タンパク質精製標品を調製する。緩衝液、イ
オン、pHのようなアッセイ条件を最適化したバッファー
中で、LTC4受容体タンパク質を発現させた細胞膜、ある
いはLTC4受容体タンパク質精製標品を、標識リガンドと
ともに被験化合物と共に一定時間インキュベーションす
る。標識リガンドには、例えば[3H]LTC4を用いることが
できる。反応後、ガラスフィルター等で濾過し適量のバ
ッファーで洗浄した後、フィルターに残存する放射活性
を液体シンチレーションカウンター等で測定する。被験
化合物存在下における標識リガンドの特異的結合の阻害
を指標に、LTC4受容体に拮抗する化合物をスクリーニン
グすることができる。たとえば、実施例4記載のリガン
ド結合アッセイ条件下で、[3H] LTC4とともに被験化合
物を一定時間インキュベーションしたときのIC50が10
μM以下の物質を、更に好ましくはIC50が1μM以下の物
質を選択することができる。
【0066】b) GTPγS結合法を利用したスクリーニ
ング方法 本発明のLTC4受容体の活性を修飾する化合物は、GTPγS
結合法によりスクリーニングすることが可能である(La
zareno, S. and Birdsall, N.J.M. (1993) Br.J. Pharm
acol. 109, 1120-1127)。LTC4受容体を発現させた細胞
膜を20 mM HEPES (pH 7.4), 100 mM NaCl, 10 mM MgC
l2, 50 mM GDP溶液中で、35Sで標識されたGTPγS 400 p
Mと混合する。被験化合物存在下と非存在下でインキュ
ベーション後、ガラスフィルター等で濾過し、結合した
GTPγSの放射活性を液体シンチレーションカウンター等
で測定する。被験化合物存在下における特異的なGTPγS
結合の上昇を指標に、該LTC4受容体のアゴニスト活性を
有する化合物をスクリーニングすることができる。ま
た、被験薬存在下における、LTC4またはLTD4によるGTP
γS結合上昇の抑制を指標にLTC4受容体のアンタゴニス
ト活性を有する化合物をスクリーニングすることができ
る。
【0067】c)細胞内Ca++およびcAMP濃度の変動を利
用したスクリーニング方法 本発明のLTC4受容体の活性を修飾する化合物は、LTC4
容体を発現させた細胞の細胞内Ca++またはcAMP濃度の変
動を利用してスクリーニングすることが可能である。Ca
++濃度の測定はfura2、fluo3等を用い、またcAMP濃度の
測定は市販のcAMP測定キット(Amersham社等)を用いて測
定できる。その他Ca++およびcAMP濃度に依存して転写量
が調節される遺伝子の転写活性を検出することにより、
間接的にCa++およびcAMP濃度を測定することもできる。
LTC4受容体を発現させた細胞と受容体を発現させていな
い宿主細胞(コントロール細胞)に被験化合物を一定時
間作用させ、Ca++およびcAMP濃度を直接あるいは間接的
に測定する。コントロール細胞と比較して、LTC4受容体
を発現させた細胞特異的なCa++の上昇および/またはcA
MP濃度の上昇または低下を指標にアゴニスト活性を有す
る化合物をスクリーニングすることができる。また、被
験化合物存在下における、LTC4またはLTD4によるCa++
上昇および/またはcAMP濃度の上昇または低下の阻害作
用を指標に該LTC4受容体のアンタゴニスト活性を有する
化合物をスクリーニングすることができる。
【0068】本発明のスクリーニング方法において選択
すべきアンタゴニスト活性を有する化合物とは、本発明
のLTC4受容体に対してリガンドであるLTC4またはLTD4
競合し、かつLTC4受容体に結合したときにシグナルの伝
達を伴わない化合物と定義することができる。アンタゴ
ニストの本発明によるLTC4受容体に対する親和性は制限
されないが、IC50が10μM以下、特に1μM以下の化合
物が望ましい。本明細書においては、アンタゴニスト
は、遮断剤、あるいは拮抗剤と同義の用語として用いら
れる。
【0069】たとえば、実施例5記載の条件で、被験化
合物を一定時間作用させLTC4またはLTD4による細胞内Ca
++濃度の上昇の阻害を指標にそのIC50が10μM以下の
物質を、更に好ましくはIC50が1μM以下の物質をアン
タゴニスト活性を有する物質として選択することができ
る。
【0070】これらのスクリーニングにより単離される
LTC4受容体タンパク質の活性を修飾する化合物を主成分
として、LTC4受容体を標的とする医薬を得ることができ
る。例えば実施例において選択された化合物A(N-(3,4
-dimethyl-5-isoxazolyl)-6-(1-propyl-1H-benzimidazo
l-2-yl)-1-naphthalenesulfonamide)は、IC50=1.2μM
を有する、本発明のLTC4受容体タンパク質に対するアン
タゴニストである。化合物Aは、LTC4受容体とLTC4の結
合を用量依存的に阻害する。更に化合物Aは、本発明の
LTC4受容体タンパク質の細胞遊走活性や、冠動脈平滑筋
細胞のLTC4に対する応答を用量依存的に阻害する。これ
らの事実から、本発明のスクリーニング方法によって、
本発明のLTC4受容体タンパク質のアンタゴニストを選択
できることが明らかである。本発明のLTC4受容体タンパ
ク質のアンタゴニストは、LTC4受容体を標的とする医薬
として有用である。
【0071】本発明のLTC4受容体タンパク質の活性を修
飾する化合物を有効成分とする医薬製剤は、有効成分の
タイプに応じて、それらの製剤化に通常用いられる担体
や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製されうる。投与
は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、経
口用液剤などによる経口投与、あるいは静注、筋注など
の注射剤、坐剤、経皮投与剤、経粘膜投与剤などによる
非経口投与が挙げられる。特に胃で消化されるペプチド
にあっては静注等の非経口投与が望ましい。
【0072】本発明による経口投与のための固体組成物
は、一つ又はそれ以上の活性物質が少なくとも一つの不
活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、
微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デ
ンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウムなどと混合される。組成物は常法に従っ
て、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば滑沢剤、崩壊
剤、安定化剤、溶解乃至溶解補助剤などを含有していて
もよい。錠剤や丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しく
は腸溶性物質などのフィルムで被覆していてもよい。
【0073】経口のための液体組成物は、乳濁剤、溶液
剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤を含み、一般的
に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノー
ルを含む。該組成物は不活性な希釈剤以外の添加剤、例
えば湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、芳香剤、防腐剤を含有し
ていてもよい。
【0074】非経口のための注射剤としては、無菌の水
性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含む。水溶
性の溶液剤や懸濁剤には、希釈剤として例えば注射用蒸
留水、生理用食塩水などが含まれる。非水溶性の溶液
剤、懸濁剤の希釈剤としてはプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エ
タノールのようなアルコール類、ポリソルベート80等
を含む。該組成物はさらに湿潤剤、乳化剤、分散剤、安
定化剤、溶解乃至溶解補助剤、防腐剤などを含んでいて
もよい。組成物は例えばバクテリア保留フィルターを通
す濾過、殺菌剤の配合、または照射によって無菌化され
る。また、無菌の固体組成物を製造し、使用に際し無菌
水その他の無菌用注射用媒体に溶解し使用することもで
きる。本発明による医薬の投与量は、前記スクリーニン
グ法により選択された有効成分の活性の強さ、症状、投
与対象の年齢、性別等を考慮して適宜決定される。
【0075】例えば経口投与の場合、その投与量は、通
常、成人(体重60kgとして)において、1日につき約
0.1〜100mg、好ましくは0.1〜50mgである。
また非経口投与の場合、注射剤の形では1日につき0.
01〜50mg、好ましくは0.01〜10mgである。
【0076】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1.オリゴキャップ法によるcDNAライブラリーの
作製 ヒト胎盤組織(PLACE1)より、文献(J. Sambrook, E.
F. Fritsch & T. Maniatis, Molecular Cloning Second
edition, Cold Spring harbor Laboratory Press, 198
9)記載の方法によりmRNAを抽出した。さらに、オリゴd
Tセルロースでpoly(A)+RNAを精製した。
【0077】poly(A)+RNAよりオリゴキャップ法 [M. Ma
ruyama and S. Sugano, Gene, 138:171-174 (1994)]に
よりcDNAライブラリーを作成した。Oligo-cap linker
(配列番号:3)およびオリゴdTプライマー(配列番
号:4)を用いて文献 [鈴木・菅野, タンパク質 核酸
酵素, 41: 197-201 (1996)、 Y. Suzuki et al., Gene,
200: 149-156 (1997)]の記載にしたがってBAP(Bacter
ial Alkaline Phosphatase)処理、TAP(Tobacco Acid
Phosphatase)処理、RNAライゲーション、第一鎖cDNAの
合成とRNAの除去を行った。次いで、5'(配列番号:
5)と3'(配列番号:6)のPCRプライマーを用いPCR
(polymerase chain reaction)により2本鎖cDNAに変換
し、SfiI切断した。次いで、DraIIIで切断したベクター
pME18SFL3(GenBank AB009864, Expression vector)に
cDNAの方向性を決めてクローニングし、cDNAライブラリ
ーを作成した。これらより得たクローンのプラスミドDN
Aについて、挿入cDNAサイズが1 kb以下のクローンを除
いた後、cDNAの5'端と3'端の塩基配列をDNAシーケンシ
ング試薬(Dye Terminator Cycle Sequencing FS Ready
Reaction Kit, dRhodamine Terminator Cycle Sequenc
ing FS Ready Reaction KitまたはBigDye Terminator C
ycle Sequencing FS Ready Reaction Kit, PE Biosyste
ms社製)を用い、マニュアルに従ってシーケンシング反
応後、DNAシーケンサー(ABI PRISM 377, PE Biosystem
s社製)でDNA塩基配列を解析した。
【0078】実施例2.シグナル配列をもつクローンの
選択 5'-末端配列の中のすべてのATGコドンから予測される推
定アミノ酸配列について、中井・金久が開発したタンパ
ク質の局在性予測プログラム「PSORT」を用い、多くの
分泌タンパク質のアミノ末端に特徴的なシグナルペプチ
ドと予測される配列の有無を解析することにより、シグ
ナル配列をもつと予測されるクローンを特異的に選別し
た。この選別により、分泌タンパク質、または膜タンパ
ク質をコードしている可能性の高いクローンを選ぶこと
ができる。5'-端配列データ(onepass sequencing)か
らATGpr1 [A. A. Salamov, T. Nishikawa, M. B. Swind
ells, Bioinformatics, 14: 384-390 (1998); http://w
ww.hri.co.jp/atgpr/]の最大値が0.7以上で、シグナル
配列(PSORTで解析)を持ち、かつ、5'-端配列データで
のORFが存在するものを選別した。
【0079】実施例3.PSEC0146の配列決定 実施例2で選択したクローンについて、全長cDNAの塩基
配列、並びに推定アミノ酸配列を決定した。塩基配列
は、次に示す3種の方法を組み合わせ、各方法によって
決定した塩基配列を完全にオーバーラップさせ、最終的
な確定塩基配列を決定した。決定されたcDNA配列から、
推定アミノ酸配列を明らかにした。
【0080】(1)Licor DNAシーケンサーを用いたcDN
A挿入断片両末端からのロングリードシーケンス(Licor
シーケンサー(アロカ社販売)のマニュアルに従ってシ
ーケンシング反応後、LicorシーケンサーでDNA塩基配列
を解析した)、
【0081】(2)AT2トランスポゾン試験管内転移を
用いたPrimer Island法によるネステッドシーケンス[S.
E. Devine and J. D. Boeke, Nucleic Acids Res., 2
2: 3765-3772, (1994)](PE Biosystems社製のキットと
マニュアルにしたがってクローンを取得後、PE Biosyst
ems社製のDNAシーケンシング試薬でマニュアルに従って
シーケンシング反応し、ABI PRISM 377でDNA塩基配列を
解析した)
【0082】(3)カスタム合成DNAプライマーを用い
たダイデオキシターミネーター法によるプライマーウォ
ーキング(カスタム合成DNAプライマーをもちいPE Bios
ystems社製のDNAシーケンシング試薬でマニュアルに従
ってシーケンシング反応し、ABIPRISM 377でDNA塩基配
列を解析した) これらの配列について、ATGprとPSORTによる解析および
GenBankやSwissProtに対するBLAST解析を行った。ほと
んどのクローンがN-末端にシグナル配列をもつ分泌タン
パク質、または膜タンパク質であると推定された。この
ように決定された全長cDNAの一つを、PSEC0146と名づけ
た。PSEC0146の塩基配列を配列番号:1に、この塩基配
列によってコードされる推定アミノ酸配列を配列番号:
2に記載した。
【0083】実施例4.COS細胞によるLTC4受容体の発
現とLTC4との結合実験 以下の実験によってPSEC0146がコードするタンパク質の
LTC4受容体活性を確認した。まずこのcDNAがコードする
タンパク質を発現させるために、当該cDNAをヒト脾臓由
来のpoly(A)+ RNA(Clontech社)を鋳型としてRT-PCRに
より取得した。RT-PCRに必要なプライマーの塩基配列
は、実施例3で決定した塩基配列情報をもとに設定し
た。
【0084】RT-PCRには、配列番号:7で示されるオリ
ゴヌクレオチドをフォーワードプライマーとして、配列
番号:8で示されるオリゴヌクレオチドをリバースプラ
イマーとして用いた(それぞれの5'末端にはXbaI site
が付加してある)。RT-PCRはPyrobest DNA polymerase
(宝酒造社)を用い5% DMS0存在下で98 ℃(10秒)/58
℃(30秒)/72 ℃(2分)のサイクルを34回繰り返し
た。その結果、約1.0 kbpのDNA断片が増幅された。この
断片をXbaIで消化した後、pEF-BOS plasmid(Mizushim
a, S. and Nagata, S. (1990) Nucleic Acids Res., 1
8, 5322)を用いてクローニングした。得られたクロー
ンの塩基配列はジデオキシターミネーター法によりABI3
77 DNA Sequencer(Applied Biosystems社)を用いて解
析した。得られたプラスミドは、配列番号:2に記載の
アミノ酸配列の全長をコードする配列を含むことが確認
された。このプラスミドをpEF-BOS-PSEC0146とした。
【0085】175mm2培養フラスコにCOS-1細胞を2x106
胞で播種して36時間培養後、50μgのpEF-BOS-PSEC0146
またはpEF-BOS(空ベクター)をFuGENE6(Boeringer Ma
nnheim社)を用いて遺伝子導入した。遺伝子導入後、36
時間培養した細胞を回収、洗浄後、20 mM Tris.HCl(pH
7.4), 5 mM EDTA,に懸濁してポリトロンにてホモジェ
ナイズした。超遠心後、50 mM HEPES(pH7.4), 40 mM
MgCl2, 1 mM EGTA, に懸濁し、これを膜画分とした。
【0086】膜画分5μgに [3H]- LTC4(第一化学薬
品)を最終濃度0.5〜14x10-9 Mになるように加え、50 m
M HEPES(pH7.4), 40 mM MgCl2, 1 mM EGTA, 5 mM L-S
erine,10 mM Borate, 2 mM L-Cystein, 2 mM L-Glycin
e,からなる溶液250μl中で室温1時間インキュベーショ
ンし、セルハーベスターにてグラスフィルターに回収し
た。グラスフィルターにマイクロシンチレーターを加
え、液体シンチレーションカウンターで膜画分への総結
合量を測定した。さらに、前述の試験に最終濃度2μMの
LTC4(CAYMAN社)を加えることで、膜画分への非特異的
結合量を測定した。その結果、[3H]- LTC4はpEF-BOS-PS
EC0146を遺伝子導入したCOS-1細胞の膜画分に特異的に
結合することが分かった。pEF-BOS-PSEC0146を遺伝子導
入したCOS-1細胞の膜画分への[3H]- LTC4の特異的結合
の飽和曲線を図1に示した。また、この結合のScatchar
d分析の結果を図2に示した。Scatchard分析の結果か
ら、pEF-BOS-PSEC0146を遺伝子導入したCOS-1細胞の膜
画分に対するLTC4の結合の解離定数はKd=2.20 nMで、最
大結合はBmax=10.4 pmol/mg proteinであった。一方、
空ベクターを遺伝子導入したCOS-1細胞の膜画分では特
異的結合は観察されなかった。
【0087】以上のように、本発明のLTC4受容体は、こ
れまでその存在が示唆されながら実体が不明であったLT
C4に強い親和性を持つ受容体であることが確認された。
本LTC4受容体で形質転換した細胞を用いることで初めて
結合実験および拮抗薬のスクリーニングが可能となっ
た。
【0088】実施例5.HEK293-EBNA細胞によるLTC4
容体の発現とLTC4による細胞内Ca++濃度の変化 96well Black/clear bottom plate, collagen type I c
oated (BECTON DICKINSON社製)にHEK293-EBNA細胞を1
ウェルあたり2.5x10細胞で播種して24時間培養後、1
ウェルあたり40 ngのpEF-BOS-PSEC0146またはpEF-BOS
(空ベクター)をFuGENE6(Boeringer Mannheim社)を
用いて遺伝子導入した。遺伝子導入24時間後、培地を
廃棄し、4μM Fluo-3,AM(Molecular Probe社製)、0.004
% pluronicacidおよび10%FBSを含むDMEMを1ウェルあた
り100μl添加し、37℃で1時間インキュベーションし
た。インキュベーション後、細胞を20mM HEPESを含むHa
nksBSS(GIBCO社製)で4回洗浄して、1ウェルあたり100
μlの20mM HEPESを含むHanks BSSを添加した。細胞内Ca
++濃度の変化はFLIPR(Moleucular Device社製)を用い
て経時的に測定した。すなわち、測定開始10秒後にLTC4
を最終濃度2x10-6 Mから1x10-12 Mになるように添加
し、添加後、50秒間は1秒ごとに、さらに4分間は6秒
ごとに蛍光強度を測定した。pEF-BOS-PSEC0146を遺伝子
導入した細胞はLTC4の用量依存的な細胞内Ca++濃度の上
昇が観察された。一方、空ベクターを遺伝子導入した細
胞ではLTC4による細胞内Ca++濃度の変化は観察されなか
った。結果を図3に示した。図3は、pEF-BOS-PSEC0146
を遺伝子導入した細胞の細胞内Ca ++濃度の変化データの
蛍光強度の最高値を縦軸に、LTC4の濃度を横軸にプロッ
トしたものである。pEF-BOS-PSEC0146を遺伝子導入した
細胞のLTC4による細胞内Ca ++濃度の変化についてLogist
ic回帰法により用量依存性を解析した。その結果、LTC4
のEC50=3.46 nMであることがわかった。また同様にLTD
4による細胞内Ca+ +濃度の変化についてLogistic回帰
法により用量依存性を解析した結果、LTD4のEC50=3.68n
Mであることがわかった。以上のように、本LTC4受容体
で形質転換した細胞はLTC4およびLTD4に反応して用量依
存的に細胞内Ca++濃度の変化を誘導することが確認され
た。細胞内Ca++濃度の変化を測定することで、被験化合
物のLTC4受容体活性を修飾する活性を検出することがで
きる。更に、この検出方法に基づいてLTC4受容体活性を
低下させる化合物を選択することによって、アゴニス
ト、アンタゴニストのスクリーニングが可能となった。
【0089】実施例6.LTC4受容体安定発現CHO細胞の
構築 ヒトLTC4受容体を発現させるための発現ベクターとして
pEF-BOS-dhfr-PSEC0146を用いた。10cmシャーレにCHO-d
hfr(-)株を1x106細胞でαMEM(核酸存在)培地を用いて
播種し1日培養後、8μgのpEF-BOS-dhfr-PSEC0146をFuGE
NE6(BoeringerMannheim社製)を用いて遺伝子導入し
た。24時間後、遺伝子導入した細胞を回収し、αMEM
(核酸非存在)培地/100 nM Methotrexate(和光純薬
社製)に懸濁後、段階希釈して10cmシャーレに播き直し
た。2週間後に出現したコロニーを個別に取得し、LTC4
受容体安定発現CHO細胞とした。LTC4との結合実験のた
めにLTC4受容体安定発現CHO細胞を培養後、細胞を回
収、洗浄し、20 mM Tris.HCl(pH7.4), 5 mM EDTAに懸
濁してポリトロンにてホモジェナイズした。超遠心後、
50 mM HEPES(pH7.4), 40 mM MgCl2, 1 mM EGTA,に懸
濁し、これを膜画分とした。実施例4と同条件にて膜画
分15μgに対して[3H]-LTC4の結合実験を行った。実施例
5と同様に、LTC4受容体安定発現CHO細胞の膜画分への[
3H]-LTC4の特異的結合の飽和曲線を書いた。また、この
結合のScatchard分析の結果から、LTC4受容体安定発現C
HO細胞の膜画分に対するLTC4の結合の解離定数はKd=2.
65 nMで、最大結合はBmax=6 pmol/mg proteinであっ
た。
【0090】また、細胞内Ca++濃度の変化の測定のため
に、96well Black/clear bottom plate (BECTON DICKIN
SON社製)にLTC4受容体安定発現CHO細胞を1ウェルあた
り2 x10細胞で播種して24時間培養後、培地を廃棄
し、4μM Fluo-3,AM(MolecularProbe社製)、0.004% plu
ronic acid、1%FBS、20mM HEPES、2.5mM probenecidを
含むHanks BSSを1ウェルあたり100μl添加し、37℃で
1時間インキュベーションした。LTC4およびLTD4による
細胞内Ca++濃度の変化は実施例5と同条件にてFLIPRを
用いて測定した。LTC4受容体安定発現CHO細胞のLTC4
よびLTD4による細胞内Ca++濃度の変化についてLogistic
回帰法により用量依存性を解析した。その結果、LTC4
EC50=0.44 nM、LTD4のEC50=0.59 nMであることがわか
った。以上のように、本LTC4受容体安定発現CHO細胞に
おいても、COS細胞やHEK293-EBNA細胞に一過的に発現さ
せたときと同様に、LTC4に強い親和性を持ち、LTC4に反
応して用量依存的に細胞内Ca++濃度の上昇を誘導するこ
とが確認された。
【0091】実施例7.組織におけるヒトLTC4受容体の
遺伝子発現分布ノーザン ブロット ハイブリダイゼーシ
ョン法によりヒトLTC4受容体遺伝子の発現分布を解析し
た。ヒトLTC4受容体遺伝子のプローブにはcDNA断片(配
列番号:1の第947番目から第1626番目)を用いた。ヒ
トの各臓器由来のpoly A+ RNA(2 μg)をブロットした
メンブレン(Clontech社製)とプローブのハイブリダイ
ゼーションは50% ホルムアミド、5x SSPE、10 x Denha
rdt's溶液、2% SDS、100μg/ml変性サケ精子DNAを含む
溶液中で、42℃(22時間)で行った。メンブレンは、最
終的に0.2 x SSC、0.1% SDSを含む溶液で2回(65℃、2
0分)洗浄した。
【0092】ヒトの各臓器(心臓、脳、胎盤、肺、肝
臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、
卵巣、小腸、大腸、末梢血白血球、胃、甲状腺、脊髄、
リンパ節、気管、副腎、骨髄)についてノーザン解析を
行ったところ、図4に示すように約5kbのmRNAが心臓、
胎盤、脾臓、末梢血白血球、副腎で強く検出された。
脳、腎臓、前立腺、卵巣、脊髄、リンパ節でも若干シグ
ナルが検出された。以上のことから、本LTC4受容体はペ
プチドロイコトリエンに起因する心臓血管障害、炎症や
アレルギー症状への関与が予想された。
【0093】実施例8.心臓血管系におけるヒトLTC4
容体の遺伝子発現分布 PCR法によりヒトLTC4受容体遺伝子の心臓血管系におけ
る発現分布を解析した。PCRにはヒトの心臓各部位(左
心房、右心房、左心室、右心室、動脈、静脈、心室中
隔、心膜)由来の一本鎖cDNA(BioChain社製)を鋳型と
して、配列番号:9で示されるオリゴヌクレオチドをフ
ォーワードプライマーとして、また、配列番号:10で
示されるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーを用
いた。PCRはTaq DNA polymerase(宝酒造社製)を用い5
% DMS0存在下で94 ℃(30秒)/50℃(30秒)/72 ℃
(1分)のサイクルを30回繰り返した。また、内部標準
としては上記のヒトの各部位のcDNAを鋳型として、Huma
n G3PDH Control Amplimer Set(Clontech社製)を用い
て、同条件のPCRを行った。反応産物は1%アガロースゲ
ルにて電気泳動して解析した。また、正常ヒト冠動脈内
皮細胞、正常ヒト冠動脈平滑筋細胞、正常ヒト肺微小血
管内皮細胞、正常ヒト成人皮膚微小血管内皮細胞、正常
ヒト新生児皮膚微小血管内皮細胞、正常ヒト大動脈内皮
細胞、正常ヒト肺動脈内皮細胞、正常ヒト臍帯静脈内皮
細胞(Clonetics社製)からISOGEN(日本ジーン社製)
を用いてtotal RNAを精製した。各細胞由来のtotal RNA
5 μgをDNase(Nippon Gene社製)を用い37 ℃で15
分反応させた。DNase処理したtotal RNAをスーパースク
リプトファーストストランドシステム(RT-PCR用)(GI
BCO社製)にてcDNA変換した。このcDNAを鋳型として上
記と同条件にてPCRを行った。その結果を図5に示し
た。LTC4受容体の約450bpの増幅産物は左心房、右心
房、左心室、右心室および冠動脈平滑筋細胞で強く検出
された。また、心室中隔、心膜、肺微小血管内皮細胞、
成人皮膚微小血管内皮細胞、新生児皮膚微小血管内皮細
胞、肺動脈内皮細胞、臍帯静脈内皮細胞にも弱いシグナ
ルが検出された。以上の結果からペプチドロイコトリエ
ンの機能として知られている心収縮力や冠血流量の低下
作用に本LTC4受容体が関与していることが予想された。
【0094】実施例9.血球細胞におけるヒトLTC4受容
体の遺伝子発現分布 健常人ボランティアよりヘパリン採血し、6% デキスト
ラン/生理食塩水を1/3量加えて室温にて1時間放置し
た。上清を取り、150 x gで5分遠心処理後、沈査をHun
k's Balanced Solt Solution (HBSS)に懸濁した。これ
を等量のFicoll -Paque(Pharmacia社)に重層し、400 x
gで30分遠心処理を行った。中間層を単核球画分、沈査
を多核白血球として分取した。多核白血球は、CD16マイ
クロビーズ(第一化学薬品社製)を加え、磁器スタンド
にて好中球画分と好酸球分画に分離した。単核球画分、
好中球画分、好酸球画分のそれぞれは生理食塩水にて洗
浄後、ISOGEN(日本ジーン社製)を用いてtotal RNAを
精製した。各分画由来のtotal RNA 5 μgをDNase(Nipp
on Gene社製)を用い37 ℃で15分反応させた。DNase
処理したtotal RNAをスーパースクリプト ファースト
ストランドシステム(RT-PCR用)(GIBCO社製)にてcDN
A変換した。
【0095】LTC4受容体の発現分布は上記血球画分のcD
NAを鋳型として、実施例8と同一の条件でPCR解析を行
った。LTC4受容体の約450bpの増幅産物は健常人A、Bと
もに各血球画分で検出された。とりわけ好酸球でよく検
出された。以上の結果から好酸球を起因とする疾患、例
えば、喘息などのアレルギー疾患に本LTC4受容体が関与
していることが予想された。
【0096】実施例10.ヒトLTC4受容体遺伝子の染色
体の位置の決定 ヒトLTC4受容体遺伝子の染色体の位置を決定するため
に、ヒト/ハムスターラジエーションハイブリッドパネ
ルGeneBridge 4 panel (Sanger Center)およびG3 panel
(Stanford Unversity)(Research Genetics社製)を鋳
型に、配列番号:11で示されるオリゴヌクレオチドを
フォーワードプライマーとして、また、配列番号:12
で示されるオリゴヌクレオチドをリバースプライマーと
してPCRを行った。PCRはPyrobest DNA polymerase(宝
酒造社)を用い5% DMS0存在下で98 ℃(10秒)/58 ℃
(30秒)/72 ℃(2分)のサイクルを34回繰り返した。
パネル内の各ベクターに対してLTC4受容体に特異的な約
600 bpのDNA断片の増幅の有無をポジティブ、ネガティ
ブとして、その結果をインターネットを介してhttp://w
ww.genome.wi.mit.edu、およびhttp://www-shgc.stanfo
rd.edu/RH/index.htmlにて解析した。その結果、本LTC4
受容体遺伝子はクロモゾーム13q14の染色体マーカーのD
13S153(GeneBridge 4)とSHGC-12474(G3)に最も近かっ
た。この染色体位置はアトピー性の喘息とのリンケージ
(Kimura,K., et al.(1999) HumanMolecular Genetics
8, 1487-1490)が示されている。また、この染色体位置
はB細胞白血病患者で遺伝子の欠失が確認されている(K
alachikov, S., et al..(1997) Genomics 42, 369-37
7)。本LTC4受容体遺伝子の変異が上記の疾患と相関し
ていることが予想された。
【0097】実施例11.LTC4受容体安定発現CHO細胞
を用いたLTC4受容体とLTC4の結合を阻害する化合物のス
クリーニング 実施例6で作製したLTC4受容体安定発現CHO細胞の膜画
分を用いてLTC4の結合を阻害する活性を指標に候補化合
物のスクリーニングを行った。実際には、LTC4受容体安
定発現CHO細胞の膜画分15μgを含む50 mM HEPES(pH7.
4), 40 mM MgCl 2, 1 mM EGTA, 5 mM L-Serine, 10 mM
Borate, 2 mM L-Cystein, 2 mM L-Glycine,からなる溶
液に一定濃度の候補化合物と0.5x10-9 Mの[3H]-LTC4
添加し、室温で1時間インキュベーションした後、セル
ハーベスターにてグラスフィルターに回収した。グラス
フィルターにマイクロシンチレーターを加え、液体シン
チレーションカウンターで放射活性を測定した。また、
同時に前述の試験において候補化合物を添加しないも
の、最終濃度1μMのLTC4を加えたものをそれぞれ総結合
量、非特異的結合量として放射活性を測定した。このよ
うな条件で、IC50が10μM以下の化合物として、例え
ば、N-(3,4-dimethyl-5-isoxazolyl)-6-(1-propyl-1H-b
enzimidazol-2-yl)-1-naphthalenesulfonamide(化合物
A)が挙げられる。この化合物はLTC4受容体とLTC4の結
合を用量依存的に阻害し、そのIC50は1.2μMであった。
なお化合物Aは以下の方法で製造した。
【0098】製造例11 H NMRは内部標準としてテトラメチルシラン(δ;0.00
ppm)を用いた。 製造例1−1 2-(2-ナフチル)ベンズイミダゾール 塩化メチレン(40ml)にフェニレンジアミン2.335gを加
え、さらに2-塩化ナフトイル4.105gを加えて室温にて一
晩攪拌した。溶媒を留去し、無色固体6.391gを得た。
【0099】この固体に1,3-ジメチル-2-イミダゾリジ
ノン40mlを加えて170℃で一晩攪拌した。減圧下溶媒を
留去し、残差をエーテルに溶解した後、飽和重曹水、飽
和食塩水にて洗浄した。エーテル層を硫酸マグネシウム
で脱水後、溶媒を留去すると褐色固体が約6.5g得られ
た。この祖生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム)にて分離・精製すると、2-(2-ナフ
チル)ベンズイミダゾールが3.514g(67%)得られた。 GC MS; 244(M+)
【0100】製造例1−2 2-(2-ナフチル)-1-プロピ
ルベンズイミダゾール 製造例1−1にて得られた2-(2-ナフチル)ベンズイミダ
ゾール1.486gをN,N-ジメチルホルムアミド20mlに溶解
し、60%水素化ナトリウム300mgを加えた。15分攪拌後、
ヨウ化プロピル0.72mlを加え、1時間攪拌した。減圧
下、溶媒を留去した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液
を加え、エーテルにて抽出した。エーテル層を硫酸マグ
ネシウムで脱水後、溶媒を留去すると赤みを帯びた残差
が得られた。この祖生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム-ヘキサン;1:1〜クロロ
ホルムのみ)にて分離・精製すると無色固体の2-(2-ナ
フチル)-1-プロピルベンズイミダゾールが1.195g(77%)
得られた。1 H NMR(90MHz, CDCl3); 0.85(t, 3H), 1.74-1.99(m, 2
H), 4.18-4.35(m, 2H), 7.25-8.21(m, 11H) GC MS; 286(M+)
【0101】製造例1−3 N-(3,4-ジメチル-5-イソキ
サゾリル)-6-(1-プロピルイミダゾール-2-イル)ナフタ
レンスルホンアミド 製造例1−2で得られた2-(2-ナフチル)-1-プロピルベ
ンズイミダゾール1.601gをクロロホルム4mlに溶解し、
室温にてクロロ硫酸(1.2ml)クロロホルム溶液(2ml)を滴
下した。滴下後、2時間加熱還流し、放冷すると反応液
が上層(クロロホルム層)と下層(生成物)に分離し
た。上層を分離し、下層をクロロホルムで洗浄すると、
褐色油状物が得られた。
【0102】この化合物にプロピルアミン3.2ml、クロ
ロホルム2mlを加え、5分間加熱還流した。放冷後、オ
キシ塩化リン10mlを加え、さらに30分間加熱還流した。
放冷後、反応液を氷水に注ぎ、クロロホルムにて抽出し
た。クロロホルム層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄
した後、硫酸マグネシウムにて脱水した。減圧下、溶媒
を留去し、粗生成物を2.703g得た。
【0103】この化合物の塩化メチレン(5ml)溶液を、5
-アミノ-3,4-ジメチルイソキサゾール457mgをピリジン2
mlに溶解したものに加えた。一日攪拌後、クロロホルム
を加え、0.1規定塩酸、飽和食塩水にて洗浄した後、硫
酸マグネシウムで脱水した。減圧下、溶媒を留去すると
褐色泡状物が得られた。このものを中圧シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール;10
0:1〜10:1)にて分離し、得られた祖生成物をアセト
ン−ヘキサン−エーテルにて再結晶するとN-(3,4-ジメ
チル-5-イソキサゾリル)-6-(1-プロピルイミダゾール-2
-イル)ナフタレンスルホンアミド221mg(12%)が得られ
た。1 H NMR(400MHz, DMSO-d6); 0.72(t, 3H), 1.72(q, 2H),
4.42(t, 2H), 7.29-7.38(m, 2H), 7.74-7.79(m, 3H),
8.14(q, 1H), 8.24(q, 1H), 8.48(d, 1H), 8.60(d, 1
H), 8.76(d, 1H) FAB MS; 461(M++1)
【0104】実施例12.LTC4受容体安定発現CHO細胞
を用いたLTC4による細胞内Ca++濃度の上昇を阻害する化
合物のスクリーニング 実施例6で作製したLTC4受容体安定発現CHO細胞を96wel
l Black/clear bottomplateに1ウェルあたり2 x 10
細胞で播種して24時間培養後、培地を廃棄し、4μM Flu
o-3,AM(Molecular Probe社製)、0.004% pluronic aci
d、1%FBS、20mM HEPES、2.5mM probenecidを含むHanks
BSSを1ウェルあたり100μl添加し、37℃で1時間イン
キュベーションした。一定濃度の候補化合物の添加5分
後に、1nMLTC4を添加し、細胞内Ca++濃度の変化は実施
例6と同条件にてFLIPRを用いて測定した。例えば、実
施例11で選択した化合物AはLTC4受容体安定発現CHO
細胞のLTC4による細胞内Ca++濃度の上昇を用量依存的に
抑制することから、LTC4受容体のアンタゴニストである
ことが分かった。そのIC50は2.3μMであった。またこの
化合物Aは、LTC4受容体安定発現CHO細胞のLTD4によ
る細胞内Ca++濃度の上昇も用量依存的に抑制した。
【0105】実施例13.LTC4受容体発現CHO細胞のLTC
4による細胞遊走とLTC4受容体アンタゴニストによる阻
害 8μm ポア ポリカーボネト フレームフィルター(Ne
uroprobe社製)を10μg/mlフィブロネクチン(旭テクノ
グラス社)/PBSにて4 ℃で一晩処理した。96 blindウ
ェルチャンバー(Neuroprobe社製)の下層に0〜1 μMの
LTC4を入れ、フィブロネクチン処理したフレームフィル
ターをセットし、LTC4受容体発現CHO細胞と空ベクター
導入CHO細胞をαMEM(核酸非存在)培地/0.1% BSAで懸
濁後、2x105細胞でチャンバー上層に播種した。37 ℃ C
O2インキュベーターにて4時間培養後、フレームフィル
ターをメタノールにて固定し、Diff-Quik染色キット
(国際試薬株式会社)にて染色した。このフィルターの
上層面(細胞をのせた側)を拭き取り、風乾後、プレー
トリーダー(Molecular Devices社)で595 nmの吸光度
を測定した。その結果を図6に示した。LTC4受容体発現
CHO細胞はLTC4によりフィルター下層へと遊走すること
が観察された。細胞遊走は、3 nM濃度のLTC4に対して遊
走活性が最大となり、さらに高濃度では遊走活性が抑制
されるというベル型の走化性を示した。本LTC4受容体は
細胞遊走を誘導する活性を有していることが確認され
た。上記細胞遊走系において、上層に一定濃度の実施例
11で選択した化合物Aを添加し、下層に3nM LTC4を添
加して細胞遊走活性を測定した。その結果を図7に示し
た。この化合物は用量依存的にLTC4による細胞遊走を抑
制することが分かった。ペプチドロイコトリエンは好酸
球や好中球(Spada, C. S., et al. J. Leukoc. Biol.
(1994) 55, 183-191、Folco, F., et al. Novel Inhib
itor of Leukotrienes (1999) 83-100, Birkhauser Ver
lag, Basel)、また、血管内皮細胞(Kanayasu, T. et
al. Biochem. Biophys. Res. Commun. (1989) 159, 572
-578)の細胞遊走を誘導することが知られている。実施
例8、9で示すように本LTC4受容体は好酸球、好中球お
よび血管内皮細胞に発現していることから、これらの細
胞の細胞遊走を介して、炎症やアレルギー症状、例え
ば、喘息などの増悪化に関与していることが示唆され
た。以上のことから、本LTC4受容体アンタゴニストは細
胞遊走を抑制することによる抗炎症作用を有すると考え
られる。
【0106】実施例14.冠動脈平滑筋細胞のLTC4によ
る細胞内Ca++濃度の上昇とLTC4受容体アンタゴニストに
よる阻害 実施例8で本LTC4受容体の発現を確認したヒト冠動脈平
滑筋細胞を96well Black/clear bottom plateに1ウェ
ルあたり4 x 10細胞で播種して24時間培養し、細胞を
洗浄後、SmBM培地(Clonetics社製)と置換し、さらに4
8時間培養した。培地を廃棄し、4μM Fluo-3,AM(Molecu
lar Probe社製)、0.004% pluronic acid、1%FBS、20mM
HEPES、2.5mM probenecidを含むHanks BSSを1ウェルあ
たり100μl添加し、37℃で1時間インキュベーションし
た。LTC4よる細胞内Ca++濃度の変化は実施例6と同条件
にてFLIPRを用いて測定した。0, 10-6〜10-9Mについて
測定した結果、ヒト冠動脈平滑筋細胞はLTC4の用量依存
的に細胞内Ca++濃度の上昇を誘導することが確認され
た。上記測定系において、一定濃度の実施例11で選択
した化合物Aまたはカルシウムチャンネルブロッカーで
あるNifedipine(フナコシ社製)で5分間前処理をし、
LTC4による冠動脈平滑筋細胞の細胞内Ca++濃度の変化を
測定した。その結果を図8に示した。この化合物は用量
依存的にLTC4による冠動脈平滑筋細胞の細胞内Ca++濃度
の上昇を抑制することが確認された。血管平滑筋細胞に
おける細胞内Ca++濃度の上昇が血管収縮を引き起こすこ
とはよく知られている(Bolton, T. B., et al. Physio
l. Rev. (1979) 59, 606-718)。Nifedipineは血管平滑
筋の細胞内へのCa++の流入を抑制することにより血管拡
張薬として狭心症や高血圧治療薬として利用されている
(Silver, P. J., Calcium Bolckers. Mechanisms of A
ction and Clincal Applications. (1982) 37, Urban &
Schwarzenberg, Baltimore)。実際に、上記の測定系
においてNifedipineは細胞内Ca++濃度の上昇を抑制し
た。以上のことから、本LTC4受容体アンタゴニストは血
管平滑筋細胞の細胞内Ca++濃度の上昇を抑制することに
よる血管拡張作用を有すると考えられる。
【0107】実施例15.ブタLTC4受容体遺伝子のクロ
ーニング 配列番号1で示したPSEC0146遺伝子配列情報からデザイ
ンした配列番号:13で示されるオリゴヌクレオチドと
配列番号:14で示されるオリゴヌクレオチドの組み合
わせ、および、配列番号:15で示されるオリゴヌクレ
オチドと配列番号:16で示されるオリゴヌクレオチド
の組み合わせを用いてPCR法によってcDNAを取得した。P
CRはブタ骨格筋からISOTISSUE(日本ジーン社製)にて
取得したブタゲノムDNAを鋳型としてPyrobest DNA poly
meraseを用い5% DMS0存在下で98℃(10秒)/50 ℃(30
秒)/72 ℃(2分)のサイクルを34回繰り返した。その
結果、それぞれ約1.0 kbpおよび0.6kBpのDNA断片が増幅
された。この断片をpCR-blunt(Invitrogen社製)にク
ローニングし、得られたクローンの塩基配列はジデオキ
シターミネーター法によりABI377 DNA Sequencerを用い
て解析した。解析結果をコンティグして明らかになった
塩基配列を配列番号:17に示した。同配列は1038塩基
のオープンリーディングフレームを持っている。オープ
ンリーディングフレームから予測されるアミノ酸配列
(345アミノ酸)を配列番号:18に示した。このアミ
ノ酸配列はヒトLTC4受容体のアミノ酸配列と77.7%の相
同性を有していた。
【0108】実施例16.ラットLTC4受容体遺伝子のク
ローニング 配列番号1で示したPSEC0146遺伝子配列を用いたGenban
kに対するBLAST(Basic local alignment search too
l)[S. F. Altschul et al., J. Mol. Biol., 215, 403
-410 (1990)]検索を行った結果、アクセッション番号AI
178926のラット脾臓cDNA由来のEST(Expression Sequenc
e Tags)が高いスコアーでヒットした。このAI178926の
配列情報はラットLTC4受容体遺伝子の一部の配列を示し
ていることが予想されたので、この配列情報からデザイ
ンした配列番号:19で示されるオリゴヌクレオチドを
フォーワードプライマーとし、また、PSEC1046の遺伝子
配列からデザインした配列番号:20で示されるオリゴ
ヌクレオチドをリバースプライマーとしてPCR法によっ
てcDNAを取得した。PCRはラット脾臓cDNA(Clontech社
製)を鋳型として、Pyrobest DNA polymeraseを用い5%
DMS0存在下で98 ℃(10秒)/55 ℃(30秒)/72 ℃(2
分)のサイクルを34回繰り返した。その結果、約1.3 kb
pのDNA断片が増幅された。この断片をpCR-bluntにクロ
ーニングし、得られたクローンの塩基配列はジデオキシ
ターミネーター法によりABI377 DNA Sequencerを用いて
解析した。明らかになった塩基配列を配列番号:21に
示した。同配列は930塩基のオープンリーディングフレ
ームを持っている。オープンリーディングフレームから
予測されるアミノ酸配列(309アミノ酸)を配列番号:
22に示した。このアミノ酸配列はヒトLTC4受容体のア
ミノ酸配列と72.6%の相同性を有していた。
【0109】実施例17.ブタLTC4受容体の発現とLTC4
との結合実験およびLTC4、LTD4による細胞内Ca++濃度
の上昇 以下の実験によって実施例15で得たブタLTC4受容体DN
Aがコードするタンパク質のLTC4受容体活性を確認し
た。まずこのcDNAがコードするタンパク質を発現させる
ために、当該cDNAをブタゲノムDNAを鋳型としてPCRによ
り取得した。PCRに必要なプライマーの塩基配列は、実
施例15で決定した塩基配列情報をもとに設定した。PC
Rには配列番号:23で示されるオリゴヌクレオチドを
フォーワードプライマーとし、配列番号:24で示され
るオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして用い
た(それぞれの5'末端にはXbaI siteが付加してあ
る)。PCRはPyrobest DNA polymeraseを用い5% DMS0存
在下で98 ℃(10秒)/55 ℃(30秒)/72 ℃(2分)の
サイクルを34回繰り返した。その結果、約1.0 kbpのDNA
断片が増幅された。この断片をXbaIで消化した後、pEF-
BOS を用いてクローニングした。このプラスミドをpEF-
BOS-ブタLTC4受容体とした。
【0110】実施例4と同条件にてpEF-BOS-ブタLTC4
容体を遺伝子導入したCOS-1細胞の膜画分を調製し、膜
画分20μgに対して[3H]-LTC4の結合実験を行った。pEF-
BOS-ブタLTC4受容体を遺伝子導入したCOS-1細胞の膜画
分への[3H]-LTC4の特異的結合の飽和曲線を実施例5と
同様に書いた。また、この結合のScatchard分析の結果
から、pEF-BOS-ブタLTC4受容体を遺伝子導入したCOS-1
細胞の膜画分に対するLTC 4の結合の解離定数はKd=2.89
nMで、最大結合はBmax=0.25 pmol/mg proteinであっ
た。また、細胞内Ca++濃度の変化の測定を実施例5と同
条件にてHEK293-EBNA細胞を用いて行った。pEF-BOS-ブ
タLTC4受容体を遺伝子導入したHEK293-EBNA細胞のLTC4
およびLTD4による細胞内Ca++濃度の上昇についてLogist
ic回帰法により用量依存性を解析した。その結果、LTC4
のEC50=5.0 nM、LTD4のEC50=3.3 nMであることがわか
った。以上のように、本ブタLTC4受容体はLTC4に強い親
和性を持ち、LTC4 およびLTD 4に反応して用量依存的に
細胞内Ca++濃度の上昇を誘導することが確認された。
【0111】実施例18.ラットLTC4受容体の発現とLT
C4、LTD4による細胞内Ca++濃度の変化 以下の実験によって実施例16で得たラットLTC4受容体
DNAがコードするタンパク質のLTC4受容体活性を確認し
た。実施例16で得たラットLTC4受容体遺伝子が導入さ
れたpCR-bluntをXbaIで消化してラットLTC4受容体DNAを
pEF-BOSに導入した。このプラスミドをpEF-BOS-ラットL
TC4受容体とした。細胞内Ca++濃度の変化の測定を実施
例5と同条件にてHEK293-EBNA細胞を用いて行った。pEF
-BOS-ラットLTC4受容体を遺伝子導入したHEK293-EBNA細
胞のLTC4およびLTD4による細胞内Ca++濃度の上昇につい
てLogistic回帰法により用量依存性を解析した。その結
果、LTC4のEC50=19 nM、LTD4のEC50=7.7 nMであるこ
とがわかった。以上のように、本ラットLTC4受容体はLT
C4およびLTD4に反応して用量依存的に細胞内Ca++濃度の
上昇を誘導することが確認された。
【0112】
【発明の効果】本発明によって提供されるLTC4受容体
は、ヒトのLTC4に起因する疾患、例えば気管支炎や皮膚
炎等の炎症性疾患、心筋梗塞等の心血管系の疾患、の予
防及び/または治療剤としての該受容体作用薬の探索及
び評価に有用である。本発明によってLTC4受容体が精製
されたタンパク質として、あるいはLTC4に応答する形質
転換細胞として利用可能となり、LTC4受容体のインビト
ロでの結合実験を可能とした。
【0113】インビトロでの結合実験は、他のLTC4受容
体として作用するタンパク質の影響の無い、理想的な試
験環境を現実のものとする。そして本発明によって提供
されるLTC4受容体を用いたスクリーニング方法によっ
て、該受容体の関与する疾患に対する治療薬として有用
な化合物を選択することができる。また、本発明のLTC4
受容体をコードするDNAはLTC4受容体の製造に利用され
るのみならず、LTC4受容体の変異や異常な発現変動に起
因する疾患の診断に有用である。更にLTC4受容体を認識
する抗体は、LTC4受容体作動薬、診断薬又はポリペプチ
ドの分離精製の手段等に利用することができる。
【0114】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Yamanouchi Pharmaceutical Co.,Ltd. Helix Research Institute <120> Peptide Leukotrien Receptor <130> 2908GAI <140> <141> <150> JP 1999-259986 <151> 1999-09-14 <160> 24 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 2807 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (264)..(1301) <400> 1 aagttctcta agtttgaagc gtcagcttca accaaacaaa ttaatggcta ttctacattc 60 aaaaatcagg aaatttaaat ttattatgaa atgtaatgca gcatgtagta aagacttaac 120 cagtgtttta aaactcaact ttcaaagaaa agatagtatt gctccctgtt tcattaaaac 180 ctagagagat gtaatcagta agcaagaagg aaaaagggaa attcacaaag taactttttg 240 tgtctgtttc tttttaaccc agc atg gag aga aaa ttt atg tcc ttg caa cca 293 Met Glu Arg Lys Phe Met Ser Leu Gln Pro 1 5 10 tcc atc tcc gta tca gaa atg gaa cca aat ggc acc ttc agc aat aac 341 Ser Ile Ser Val Ser Glu Met Glu Pro Asn Gly Thr Phe Ser Asn Asn 15 20 25 aac agc agg aac tgc aca att gaa aac ttc aag aga gaa ttt ttc cca 389 Asn Ser Arg Asn Cys Thr Ile Glu Asn Phe Lys Arg Glu Phe Phe Pro 30 35 40 att gta tat ctg ata ata ttt ttc tgg gga gtc ttg gga aat ggg ttg 437 Ile Val Tyr Leu Ile Ile Phe Phe Trp Gly Val Leu Gly Asn Gly Leu 45 50 55 tcc ata tat gtt ttc ctg cag cct tat aag aag tcc aca tct gtg aac 485 Ser Ile Tyr Val Phe Leu Gln Pro Tyr Lys Lys Ser Thr Ser Val Asn 60 65 70 gtt ttc atg cta aat ctg gcc att tca gat ctc ctg ttc ata agc acg 533 Val Phe Met Leu Asn Leu Ala Ile Ser Asp Leu Leu Phe Ile Ser Thr 75 80 85 90 ctt ccc ttc agg gct gac tat tat ctt aga ggc tcc aat tgg ata ttt 581 Leu Pro Phe Arg Ala Asp Tyr Tyr Leu Arg Gly Ser Asn Trp Ile Phe 95 100 105 gga gac ctg gcc tgc agg att atg tct tat tcc ttg tat gtc aac atg 629 Gly Asp Leu Ala Cys Arg Ile Met Ser Tyr Ser Leu Tyr Val Asn Met 110 115 120 tac agc agt att tat ttc ctg acc gtg ctg agt gtt gtg cgt ttc ctg 677 Tyr Ser Ser Ile Tyr Phe Leu Thr Val Leu Ser Val Val Arg Phe Leu 125 130 135 gca atg gtt cac ccc ttt cgg ctt ctg cat gtc acc agc atc agg agt 725 Ala Met Val His Pro Phe Arg Leu Leu His Val Thr Ser Ile Arg Ser 140 145 150 gcc tgg atc ctc tgt ggg atc ata tgg atc ctt atc atg gct tcc tca 773 Ala Trp Ile Leu Cys Gly Ile Ile Trp Ile Leu Ile Met Ala Ser Ser 155 160 165 170 ata atg ctc ctg gac agt ggc tct gag cag aac ggc agt gtc aca tca 821 Ile Met Leu Leu Asp Ser Gly Ser Glu Gln Asn Gly Ser Val Thr Ser 175 180 185 tgc tta gag ctg aat ctc tat aaa att gct aag ctg cag acc atg aac 869 Cys Leu Glu Leu Asn Leu Tyr Lys Ile Ala Lys Leu Gln Thr Met Asn 190 195 200 tat att gcc ttg gtg gtg ggc tgc ctg ctg cca ttt ttc aca ctc agc 917 Tyr Ile Ala Leu Val Val Gly Cys Leu Leu Pro Phe Phe Thr Leu Ser 205 210 215 atc tgt tat ctg ctg atc att cgg gtt ctg tta aaa gtg gag gtc cca 965 Ile Cys Tyr Leu Leu Ile Ile Arg Val Leu Leu Lys Val Glu Val Pro 220 225 230 gaa tcg ggg ctg cgg gtt tct cac agg aag gca ctg acc acc atc atc 1013 Glu Ser Gly Leu Arg Val Ser His Arg Lys Ala Leu Thr Thr Ile Ile 235 240 245 250 atc acc ttg atc atc ttc ttc ttg tgt ttc ctg ccc tat cac aca ctg 1061 Ile Thr Leu Ile Ile Phe Phe Leu Cys Phe Leu Pro Tyr His Thr Leu 255 260 265 agg acc gtc cac ttg acg aca tgg aaa gtg ggt tta tgc aaa gac aga 1109 Arg Thr Val His Leu Thr Thr Trp Lys Val Gly Leu Cys Lys Asp Arg 270 275 280 ctg cat aaa gct ttg gtt atc aca ctg gcc ttg gca gca gcc aat gcc 1157 Leu His Lys Ala Leu Val Ile Thr Leu Ala Leu Ala Ala Ala Asn Ala 285 290 295 tgc ttc aat cct ctg ctc tat tac ttt gct ggg gag aat ttt aag gac 1205 Cys Phe Asn Pro Leu Leu Tyr Tyr Phe Ala Gly Glu Asn Phe Lys Asp 300 305 310 aga cta aag tct gca ctc aga aaa ggc cat cca cag aag gca aag aca 1253 Arg Leu Lys Ser Ala Leu Arg Lys Gly His Pro Gln Lys Ala Lys Thr 315 320 325 330 aag tgt gtt ttc cct gtt agt gtg tgg ttg aga aag gaa aca aga gta 1301 Lys Cys Val Phe Pro Val Ser Val Trp Leu Arg Lys Glu Thr Arg Val 335 340 345 taaggagctc ttagatgaga cctgttcttg tatccttgtg tccatcttca ttcactcata 1361 gtctccaaat gactttgtat ttacatcact cccaacaaat gttgattctt aatatttagt 1421 tgaccattac ttttgttaat aagacctact tcaaaaattt tattcagtgt attttcagtt 1481 gttgagtctt aatgagggat acaggaggaa aaatccctac tagagtcctg tgggctgaaa 1541 tatcagactg ggaaaaaatg caaagcacat tggatcctac ttttcttcag atattgaacc 1601 agatctctgg cccatcaggc tttctaaatt cttcaaaaga gccacaactt ccccagcttc 1661 tccagctccc ctgtcctctt caatcccttg agatatagca actaacgacg ctactggaag 1721 ccccagagca gaaaagaagc acatcctaag attcagggaa agactaactg tgaaaaggaa 1781 ggctgtccta taacaaagca gcatcaagtc ccaagtaagg acagtgagag aaaaggggga 1841 gaaggattgg agcaaaagag aactggcaat aagtagggga aggaagaatt tcattttgca 1901 ttgggagaga ggttctaaca cactgaaggc aaccctattt ctactgtttc tctcttgcca 1961 gggtattagg aaggacagga aaagtaggag gaggatctgg ggcattgccc taggaaatga 2021 aagaattgtg tatagaatgg aagggggatc atcaaggaca tgtatctcaa attttctttg 2081 agatgcaggt tagttgacct tgctgcagtt ctccttccca ttaattcatt gggatggaag 2141 ccaaaaataa aagaggtgcc tctgaggatt agggttgagc actcaaggga aagatggagt 2201 agagggcaaa tagcaaaagt tgttgcactc ctgaaattct attaacattt ccgcagaaga 2261 tgagtaggga gatgctgcct tcccttttga gatagtgtag aaaaacacta gatagtgtga 2321 gaggttcctt tctgtccatt gaaacaaggc taaggatact accaactact atcaccatga 2381 ccattgtact gacaacaatt gaatgcagtc tccctgcagg gcagattatg ccaggcactt 2441 tacatttgtt gatcccattt gacattcaca ccaaagctct gagttccatt ttacagctga 2501 agaaattgaa gcttagagaa attaagaagc ttgtttaagt ttacacagct agtaagagtt 2561 ttaaaaatct ctgtgcagaa gtgttggctg ggtgctctcc ccaccactac ccttgtaaac 2621 ttccaggaag attggttgaa agtctgaata aaagctgtcc tttcctacca atttcctccc 2681 cctcctcact ctcacaagaa aaccaaaagt ttctcttcag agttgttgac tcatagtaca 2741 gtaaagggtg gaggtgatat ggcattctga aagtagggag ggactaagtc agtcgtcata 2801 ctaaac 2807 <210> 2 <211> 346 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Glu Arg Lys Phe Met Ser Leu Gln Pro Ser Ile Ser Val Ser Glu 1 5 10 15 Met Glu Pro Asn Gly Thr Phe Ser Asn Asn Asn Ser Arg Asn Cys Thr 20 25 30 Ile Glu Asn Phe Lys Arg Glu Phe Phe Pro Ile Val Tyr Leu Ile Ile 35 40 45 Phe Phe Trp Gly Val Leu Gly Asn Gly Leu Ser Ile Tyr Val Phe Leu 50 55 60 Gln Pro Tyr Lys Lys Ser Thr Ser Val Asn Val Phe Met Leu Asn Leu 65 70 75 80 Ala Ile Ser Asp Leu Leu Phe Ile Ser Thr Leu Pro Phe Arg Ala Asp 85 90 95 Tyr Tyr Leu Arg Gly Ser Asn Trp Ile Phe Gly Asp Leu Ala Cys Arg 100 105 110 Ile Met Ser Tyr Ser Leu Tyr Val Asn Met Tyr Ser Ser Ile Tyr Phe 115 120 125 Leu Thr Val Leu Ser Val Val Arg Phe Leu Ala Met Val His Pro Phe 130 135 140 Arg Leu Leu His Val Thr Ser Ile Arg Ser Ala Trp Ile Leu Cys Gly 145 150 155 160 Ile Ile Trp Ile Leu Ile Met Ala Ser Ser Ile Met Leu Leu Asp Ser 165 170 175 Gly Ser Glu Gln Asn Gly Ser Val Thr Ser Cys Leu Glu Leu Asn Leu 180 185 190 Tyr Lys Ile Ala Lys Leu Gln Thr Met Asn Tyr Ile Ala Leu Val Val 195 200 205 Gly Cys Leu Leu Pro Phe Phe Thr Leu Ser Ile Cys Tyr Leu Leu Ile 210 215 220 Ile Arg Val Leu Leu Lys Val Glu Val Pro Glu Ser Gly Leu Arg Val 225 230 235 240 Ser His Arg Lys Ala Leu Thr Thr Ile Ile Ile Thr Leu Ile Ile Phe 245 250 255 Phe Leu Cys Phe Leu Pro Tyr His Thr Leu Arg Thr Val His Leu Thr 260 265 270 Thr Trp Lys Val Gly Leu Cys Lys Asp Arg Leu His Lys Ala Leu Val 275 280 285 Ile Thr Leu Ala Leu Ala Ala Ala Asn Ala Cys Phe Asn Pro Leu Leu 290 295 300 Tyr Tyr Phe Ala Gly Glu Asn Phe Lys Asp Arg Leu Lys Ser Ala Leu 305 310 315 320 Arg Lys Gly His Pro Gln Lys Ala Lys Thr Lys Cys Val Phe Pro Val 325 330 335 Ser Val Trp Leu Arg Lys Glu Thr Arg Val 340 345 <210> 3 <211> 30 <212> RNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized oligo-cap linker sequence <400> 3 agcaucgagu cggccuuguu ggccuacugg 30 <210> 4 <211> 42 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized oligo (dT) primer sequence <400> 4 gcggctgaag acggcctatg tggccttttt tttttttttt tt 42 <210> 5 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 5 agcatcgagt cggccttgtt g 21 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 6 gcggctgaag acggcctatg t 21 <210> 7 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 7 gggtctagaa tggagagaaa atttatgtcc ttgc 34 <210> 8 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 8 gggtctagac tattatactc ttgtttcctt tctcaaccac 40 <210> 9 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 9 tggatcctct gtgggatcat atgg 24 <210> 10 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 10 aattctcccc agcaaagtaa tagag 25 <210> 11 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 11 gttaaaagtg gaggtcccag aatcggggct 30 <210> 12 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 12 agaaagcctg atgggccaga gatctggttc 30 <210> 13 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 13 cacaaagtaa ctttttgtgt ctgtttc 27 <210> 14 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 14 ttctccccag caaagtaata gag 23 <210> 15 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 15 tggatcctct gtgggatcat atgg 24 <210> 16 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 16 aacaggtctc atctaag 17 <210> 17 <211> 1101 <212> DNA <213> Sus scrofa <220> <221> CDS <222> (14)..(1048) <400> 17 tttttaattc agc atg gag aga aaa ctt atg tcc tta ctt cca tcc atc 49 Met Glu Arg Lys Leu Met Ser Leu Leu Pro Ser Ile 1 5 10 tcc cta tca gaa atg gaa ccc aat agt acc ttg ggc aat cac aat agc 97 Ser Leu Ser Glu Met Glu Pro Asn Ser Thr Leu Gly Asn His Asn Ser 15 20 25 aac agg agc tgc acc aca gaa aac ttc aag aga gaa ttt tac ccc att 145 Asn Arg Ser Cys Thr Thr Glu Asn Phe Lys Arg Glu Phe Tyr Pro Ile 30 35 40 gtg tac cta gta ata ttt atc tgg gga gcc ttg gga aat ggc ttt tct 193 Val Tyr Leu Val Ile Phe Ile Trp Gly Ala Leu Gly Asn Gly Phe Ser 45 50 55 60 ata tat gtt ttc ctg aaa cct tat aag aag tcc aca tca gtc aat gtt 241 Ile Tyr Val Phe Leu Lys Pro Tyr Lys Lys Ser Thr Ser Val Asn Val 65 70 75 ttc atg cta aat ctg gcc att tcg gat ctc tta ttc aca atc aca ctg 289 Phe Met Leu Asn Leu Ala Ile Ser Asp Leu Leu Phe Thr Ile Thr Leu 80 85 90 ccc ttc agg gtt gac tat tac ctt aga ggc tcc aac ygg ata ttt ggg 337 Pro Phe Arg Val Asp Tyr Tyr Leu Arg Gly Ser Asn Xaa Ile Phe Gly 95 100 105 gac aca cct tgc agg att atg tct tat tct atg tat gtc aac atg tac 385 Asp Thr Pro Cys Arg Ile Met Ser Tyr Ser Met Tyr Val Asn Met Tyr 110 115 120 agc agc att tat ttc ctg act gtg ctg agt gtt gtg cgt ttc ctg gca 433 Ser Ser Ile Tyr Phe Leu Thr Val Leu Ser Val Val Arg Phe Leu Ala 125 130 135 140 act gtt cac ccc ttc cgg ctc ctt cat acc acc agc atc aag aac gcc 481 Thr Val His Pro Phe Arg Leu Leu His Thr Thr Ser Ile Lys Asn Ala 145 150 155 tgg att ctc tgt ggg gtc ata tgg atc ttt att atg gct tcc tca aca 529 Trp Ile Leu Cys Gly Val Ile Trp Ile Phe Ile Met Ala Ser Ser Thr 160 165 170 gta ctt ctg aag aat ggc tct gag cag aaa gac aat gtc aca ttg tgc 577 Val Leu Leu Lys Asn Gly Ser Glu Gln Lys Asp Asn Val Thr Leu Cys 175 180 185 tta gag ctg aat tct aat aaa gtt act aaa ctg aag acc atg aac tac 625 Leu Glu Leu Asn Ser Asn Lys Val Thr Lys Leu Lys Thr Met Asn Tyr 190 195 200 gtt gcc ttg gtg gtg ggc ttt gtg ctg cca ttc ggc act ctc agc atc 673 Val Ala Leu Val Val Gly Phe Val Leu Pro Phe Gly Thr Leu Ser Ile 205 210 215 220 tgc tac ctg cta atc att cga gct ttg tta aag gta gag gtc ccg gag 721 Cys Tyr Leu Leu Ile Ile Arg Ala Leu Leu Lys Val Glu Val Pro Glu 225 230 235 tcc ggg ctg cgg ctt tct cac agg aag gca ttg atc acc gtc atc att 769 Ser Gly Leu Arg Leu Ser His Arg Lys Ala Leu Ile Thr Val Ile Ile 240 245 250 gct ttg atc atc ttt ctc ctg tgt ttc ctg ccc tat cac gta ctg aga 817 Ala Leu Ile Ile Phe Leu Leu Cys Phe Leu Pro Tyr His Val Leu Arg 255 260 265 acc ctt cac ctg ctc gaa tgg aaa gct gat aaa tgc aaa gac agg ctg 865 Thr Leu His Leu Leu Glu Trp Lys Ala Asp Lys Cys Lys Asp Arg Leu 270 275 280 cat aaa gct gtg gct gtc aca cta gct ttg gca gcg gcc aac agc tgc 913 His Lys Ala Val Ala Val Thr Leu Ala Leu Ala Ala Ala Asn Ser Cys 285 290 295 300 ttc aat cct ttc ctc tat tac ttt gct ggg gag aat ttt aag gac aga 961 Phe Asn Pro Phe Leu Tyr Tyr Phe Ala Gly Glu Asn Phe Lys Asp Arg 305 310 315 cta aag tct gca ctc agg aaa ggt cga cca cag aaa aca agg tgc ggt 1009 Leu Lys Ser Ala Leu Arg Lys Gly Arg Pro Gln Lys Thr Arg Cys Gly 320 325 330 ttc tct gtc tgt gtg tgg ctg aaa aag gaa acg aga gtg taagggatta 1058 Phe Ser Val Cys Val Trp Leu Lys Lys Glu Thr Arg Val 335 340 345 ttaggtgagg ctgttattat gtccttgccc ttgtgtctac ccc 1101 <210> 18 <211> 345 <212> PRT <213> Sus scrofa <400> 18 Met Glu Arg Lys Leu Met Ser Leu Leu Pro Ser Ile Ser Leu Ser Glu 1 5 10 15 Met Glu Pro Asn Ser Thr Leu Gly Asn His Asn Ser Asn Arg Ser Cys 20 25 30 Thr Thr Glu Asn Phe Lys Arg Glu Phe Tyr Pro Ile Val Tyr Leu Val 35 40 45 Ile Phe Ile Trp Gly Ala Leu Gly Asn Gly Phe Ser Ile Tyr Val Phe 50 55 60 Leu Lys Pro Tyr Lys Lys Ser Thr Ser Val Asn Val Phe Met Leu Asn 65 70 75 80 Leu Ala Ile Ser Asp Leu Leu Phe Thr Ile Thr Leu Pro Phe Arg Val 85 90 95 Asp Tyr Tyr Leu Arg Gly Ser Asn Xaa Ile Phe Gly Asp Thr Pro Cys 100 105 110 Arg Ile Met Ser Tyr Ser Met Tyr Val Asn Met Tyr Ser Ser Ile Tyr 115 120 125 Phe Leu Thr Val Leu Ser Val Val Arg Phe Leu Ala Thr Val His Pro 130 135 140 Phe Arg Leu Leu His Thr Thr Ser Ile Lys Asn Ala Trp Ile Leu Cys 145 150 155 160 Gly Val Ile Trp Ile Phe Ile Met Ala Ser Ser Thr Val Leu Leu Lys 165 170 175 Asn Gly Ser Glu Gln Lys Asp Asn Val Thr Leu Cys Leu Glu Leu Asn 180 185 190 Ser Asn Lys Val Thr Lys Leu Lys Thr Met Asn Tyr Val Ala Leu Val 195 200 205 Val Gly Phe Val Leu Pro Phe Gly Thr Leu Ser Ile Cys Tyr Leu Leu 210 215 220 Ile Ile Arg Ala Leu Leu Lys Val Glu Val Pro Glu Ser Gly Leu Arg 225 230 235 240 Leu Ser His Arg Lys Ala Leu Ile Thr Val Ile Ile Ala Leu Ile Ile 245 250 255 Phe Leu Leu Cys Phe Leu Pro Tyr His Val Leu Arg Thr Leu His Leu 260 265 270 Leu Glu Trp Lys Ala Asp Lys Cys Lys Asp Arg Leu His Lys Ala Val 275 280 285 Ala Val Thr Leu Ala Leu Ala Ala Ala Asn Ser Cys Phe Asn Pro Phe 290 295 300 Leu Tyr Tyr Phe Ala Gly Glu Asn Phe Lys Asp Arg Leu Lys Ser Ala 305 310 315 320 Leu Arg Lys Gly Arg Pro Gln Lys Thr Arg Cys Gly Phe Ser Val Cys 325 330 335 Val Trp Leu Lys Lys Glu Thr Arg Val 340 345 <210> 19 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 19 atatgtctga tgcctgccaa 20 <210> 20 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 20 agtcatttgg agactatgag tg 22 <210> 21 <211> 1249 <212> DNA <213> Rattus norvegicus <220> <221> CDS <222> (208)..(1134) <400> 21 atatgtctga tgcctgccaa ggtcagaaga gggtgtcgga gaaacttgct tctcgccatg 60 tgagatggag tacggcaaat gtttgatcac taatcaggaa gaaaagtgga attgtatgaa 120 gtaacttttt gggtttattt ctttttaaac taatataaag agaaaacttt atattagtcc 180 ttgcctctgt ccaactccat attagaa atg gga gta act ggg acc ccc agc tat 234 Met Gly Val Thr Gly Thr Pro Ser Tyr 1 5 tat agt gac aag aac tgt aca ata gaa aac ttc aag agg gac ttt tac 282 Tyr Ser Asp Lys Asn Cys Thr Ile Glu Asn Phe Lys Arg Asp Phe Tyr 10 15 20 25 cct atc atc tac ctg ata ata ttt gtc tgg gga gcc ttg gga aat ggc 330 Pro Ile Ile Tyr Leu Ile Ile Phe Val Trp Gly Ala Leu Gly Asn Gly 30 35 40 ttt tcc ata tat gtc ttc cta cag act tac aag aag tcc aca tct gtg 378 Phe Ser Ile Tyr Val Phe Leu Gln Thr Tyr Lys Lys Ser Thr Ser Val 45 50 55 aat gtt ttc atg ctc aac ctg gcc att tca gat ttc cta ttc ata agc 426 Asn Val Phe Met Leu Asn Leu Ala Ile Ser Asp Phe Leu Phe Ile Ser 60 65 70 acc ctg ccc ttc agg gct gac tat aat ttc aga ggt tct gat tgg ata 474 Thr Leu Pro Phe Arg Ala Asp Tyr Asn Phe Arg Gly Ser Asp Trp Ile 75 80 85 ttt ggg gac tgg gcc tgc aga att atg tct tat tct tta tat gtc aac 522 Phe Gly Asp Trp Ala Cys Arg Ile Met Ser Tyr Ser Leu Tyr Val Asn 90 95 100 105 atg tat act agc att tat ttc cta act gtg ctg agt att gtg cgc ttc 570 Met Tyr Thr Ser Ile Tyr Phe Leu Thr Val Leu Ser Ile Val Arg Phe 110 115 120 ctg gcc act gcc cac ccc ttc cag atg ctc cat atc acc agc gtt agg 618 Leu Ala Thr Ala His Pro Phe Gln Met Leu His Ile Thr Ser Val Arg 125 130 135 agt gcc tgg atc ctc tgt ggg att ata tgg gtc ttc atc atg gct tcc 666 Ser Ala Trp Ile Leu Cys Gly Ile Ile Trp Val Phe Ile Met Ala Ser 140 145 150 tca gga ctg ctt ctg aag cat ggc caa gag aag aaa aat aac act aca 714 Ser Gly Leu Leu Leu Lys His Gly Gln Glu Lys Lys Asn Asn Thr Thr 155 160 165 ttg tgc ttt gag ctg aat ctc caa aag ttt aaa aat ctc gtc atc ttg 762 Leu Cys Phe Glu Leu Asn Leu Gln Lys Phe Lys Asn Leu Val Ile Leu 170 175 180 185 aac tac att gca tta ggg gtg ggc ttc ttg ctt cca ttt ttc ata ctc 810 Asn Tyr Ile Ala Leu Gly Val Gly Phe Leu Leu Pro Phe Phe Ile Leu 190 195 200 acc atc tgc tac ctg ttg atc atc cgg gtc ttg tta aag gtg gag att 858 Thr Ile Cys Tyr Leu Leu Ile Ile Arg Val Leu Leu Lys Val Glu Ile 205 210 215 cca gaa tca ggt cca cgg gat gct cag agg aag gca ctg acc act atc 906 Pro Glu Ser Gly Pro Arg Asp Ala Gln Arg Lys Ala Leu Thr Thr Ile 220 225 230 gtc att gcc atg atc atc ttc ctc ctc tgt ttt ctg cca tac cat gca 954 Val Ile Ala Met Ile Ile Phe Leu Leu Cys Phe Leu Pro Tyr His Ala 235 240 245 ctt cgg acc atc cac ttg gtc aca tgg gat gca gat tca tgt atg gat 1002 Leu Arg Thr Ile His Leu Val Thr Trp Asp Ala Asp Ser Cys Met Asp 250 255 260 265 gaa tta cat aag gcc acg gtc atc act ctg acc ttg gct gca gcc aac 1050 Glu Leu His Lys Ala Thr Val Ile Thr Leu Thr Leu Ala Ala Ala Asn 270 275 280 agc tgc ttc aat ccc ttt ctc tat tat ttt gct gga gag aat ttc aaa 1098 Ser Cys Phe Asn Pro Phe Leu Tyr Tyr Phe Ala Gly Glu Asn Phe Lys 285 290 295 gca cga tta agg gct ata ttc agc aaa gat cat cta tagaaagcaa 1144 Ala Arg Leu Arg Ala Ile Phe Ser Lys Asp His Leu 300 305 agtcaaagtg cagccttcct atttgtgtat tactgaagac cagagttaag agcataaggg 1204 gctgttctgg aggtacgctc atgaacactg gtgtccacct tcact 1249 <210> 22 <211> 309 <212> PRT <213> Rattus norvegicus <400> 22 Met Gly Val Thr Gly Thr Pro Ser Tyr Tyr Ser Asp Lys Asn Cys Thr 1 5 10 15 Ile Glu Asn Phe Lys Arg Asp Phe Tyr Pro Ile Ile Tyr Leu Ile Ile 20 25 30 Phe Val Trp Gly Ala Leu Gly Asn Gly Phe Ser Ile Tyr Val Phe Leu 35 40 45 Gln Thr Tyr Lys Lys Ser Thr Ser Val Asn Val Phe Met Leu Asn Leu 50 55 60 Ala Ile Ser Asp Phe Leu Phe Ile Ser Thr Leu Pro Phe Arg Ala Asp 65 70 75 80 Tyr Asn Phe Arg Gly Ser Asp Trp Ile Phe Gly Asp Trp Ala Cys Arg 85 90 95 Ile Met Ser Tyr Ser Leu Tyr Val Asn Met Tyr Thr Ser Ile Tyr Phe 100 105 110 Leu Thr Val Leu Ser Ile Val Arg Phe Leu Ala Thr Ala His Pro Phe 115 120 125 Gln Met Leu His Ile Thr Ser Val Arg Ser Ala Trp Ile Leu Cys Gly 130 135 140 Ile Ile Trp Val Phe Ile Met Ala Ser Ser Gly Leu Leu Leu Lys His 145 150 155 160 Gly Gln Glu Lys Lys Asn Asn Thr Thr Leu Cys Phe Glu Leu Asn Leu 165 170 175 Gln Lys Phe Lys Asn Leu Val Ile Leu Asn Tyr Ile Ala Leu Gly Val 180 185 190 Gly Phe Leu Leu Pro Phe Phe Ile Leu Thr Ile Cys Tyr Leu Leu Ile 195 200 205 Ile Arg Val Leu Leu Lys Val Glu Ile Pro Glu Ser Gly Pro Arg Asp 210 215 220 Ala Gln Arg Lys Ala Leu Thr Thr Ile Val Ile Ala Met Ile Ile Phe 225 230 235 240 Leu Leu Cys Phe Leu Pro Tyr His Ala Leu Arg Thr Ile His Leu Val 245 250 255 Thr Trp Asp Ala Asp Ser Cys Met Asp Glu Leu His Lys Ala Thr Val 260 265 270 Ile Thr Leu Thr Leu Ala Ala Ala Asn Ser Cys Phe Asn Pro Phe Leu 275 280 285 Tyr Tyr Phe Ala Gly Glu Asn Phe Lys Ala Arg Leu Arg Ala Ile Phe 290 295 300 Ser Lys Asp His Leu 305 <210> 23 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 23 gggtctagaa tggagagaaa acttatgtcc ttacttc 37 <210> 24 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized primer sequence <400> 24 ccctctagac tattacactc tcgtttcctt tttcagccac 40
【図面の簡単な説明】
【図1】 LTC4受容体に対する[3H]- LTC4の特異的結合
の飽和曲線を示すグラフである。図中、縦軸はタンパク
質1mg当たりの[3H]- LTC4結合量(fmol)を、横軸は反応
液中の[3H]- LTC4濃度nMを示す。
【図2】 LTC4受容体に対する[3H]- LTC4の特異的結合
のScatchard分析の結果を示す。図中、縦軸は結合率
(結合/フリー比)を、横軸はタンパク質1mg当たりの
[3H]- LTC4結合量(fmol)を示す。
【図3】 細胞内Ca++濃度の上昇に対するLTC4の用量依
存性の結果を示す。図中、縦軸は蛍光強度の最高値(cou
nts)を、横軸は反応液中のLTC4濃度(logM)を示す。
【図4】 組織におけるヒトLTC4受容体の遺伝子発現分
布をノーザンブロットハイブリダイゼーション法によっ
て解析した結果を示す写真である。
【図5】 心血管系におけるヒトLTC4受容体の遺伝子発
現分布をPCR法によって解析した結果を示す写真であ
る。
【図6】 LTC4受容体発現CHO細胞の細胞遊走に対するL
TC4の用量依存性の結果を示す。図中、縦軸は吸光度(59
5nm)を、横軸は反応液中のLTC4濃度(-logM)を示す。
【図7】 LTC4による細胞遊走に対する化合物Aの用量
依存的阻害の結果を示す。図中、縦軸は化合物なしのコ
ントロールにおける吸光度を100%ととしたときの吸光度
(%)を、横軸は反応液中の化合物Aの濃度(μM)を
示す。
【図8】 LTC4による冠動脈平滑筋細胞の細胞内Ca++
度の上昇に対する化合物Aの用量依存的阻害の結果を示
す。図中、縦軸は蛍光強度を、横軸は時間を示す。ま
た、細胞内Ca++濃度の変化のタイムコースの内容につい
ては矢印で示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲原 正純 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 松本 光之 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 齋藤 哲 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 杉本 貫 東京都板橋区蓮根3−17−1 山之内製薬 株式会社内 (72)発明者 太田 紀夫 神奈川県藤沢市辻堂新町1−2−7−105 (72)発明者 磯貝 隆夫 茨城県稲敷郡阿見町大室511−12 (72)発明者 西川 哲夫 東京都板橋区氷川町27−3−403 (72)発明者 河合 弓利 千葉県木更津市矢那4508−19−201 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 CA12 DA02 HA11 HA17 4C084 AA17 NA14 ZA392 ZB132 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA50 EA22 EA50 FA74

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)または(b)に記載のロイコト
    リエンC4受容体活性を有するタンパク質のアンタゴニ
    ストと製薬学的に許容される添加剤を含む抗炎症用、ま
    たは抗アレルギー用医薬組成物。 (a)配列番号:2、配列番号:18、および配列番
    号:22のいずれかに記載のアミノ酸配列、または配列
    番号:2、配列番号:18、および配列番号:22のい
    ずれかに記載のアミノ酸配列において、1のアミノ酸が
    欠失、付加、挿入および/または他のアミノ酸による置
    換により修飾されたアミノ酸配列を含み、ロイコトリエ
    ンC4受容体活性を有するタンパク質 (b)配列番号:1、配列番号:17、および配列番
    号:21のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAとス
    トリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコ
    ードするタンパク質であって、ロイコトリエンC4受容
    体活性を有するタンパク質
  2. 【請求項2】下記(a)または(b)に記載のロイコト
    リエンC4受容体活性を有するタンパク質のアンタゴニ
    ストと製薬学的に許容される添加剤を含む血管拡張用医
    薬組成物。 (a)配列番号:2、配列番号:18、および配列番
    号:22のいずれかに記載のアミノ酸配列、または配列
    番号:2、配列番号:18、および配列番号:22のい
    ずれかに記載のアミノ酸配列において、1のアミノ酸が
    欠失、付加、挿入および/または他のアミノ酸による置
    換により修飾されたアミノ酸配列を含み、ロイコトリエ
    ンC4受容体活性を有するタンパク質 (b)配列番号:1、配列番号:17、および配列番
    号:21のいずれかに記載の塩基配列からなるDNAとス
    トリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコ
    ードするタンパク質であって、ロイコトリエンC4受容
    体活性を有するタンパク質
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